JP2022114088A - グラフト変性体およびコーティング材 - Google Patents
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Abstract
【課題】グラフト率が低くても親水性に優れるグラフト変性体を提供すること。【解決手段】エチレン系重合体およびプロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のベースポリマーが、下記式(1)で表されるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性された、グラフト変性体。TIFF2022114088000005.tif38130[式(1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、nは1~8の整数である。]【選択図】なし
Description
本発明は、グラフト変性体およびコーティング材に関する。
ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンは、機械的強度、剛性、耐熱性、耐薬品性、耐油性、透明性、低温での耐衝撃性等に優れており、これらの特性を利用して、フィルム、シート、ボトル等の包装材料・被覆材料、または壁紙等の装飾材料として広く用いられている。
しかし、ポリオレフィンは分子中に極性基を含まないため、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどの極性樹脂との相容性、金属、ガラス、紙または前記極性樹脂などの被塗物との接着性、該被塗物への濡れ性が乏しく、これらの材料に対するコーティング材などとして使用することが制限されていた。
このような問題を解決するために、従来、ポリオレフィンに、(メタ)アクリル酸エステル、無水マレイン酸などの酸またはその無水物、アクリルアミド系化合物等の極性基含有モノマーをグラフトして、前記相容性、接着性、濡れ性等を向上させる方法が広く行われている。
特に、極性樹脂などの被塗物に用いる場合、これらの極性基含有モノマーの中でも、ヒドロキシ基含有モノマーが一般に用いられており、該モノマーの中でも、汎用的で安価であり、工業的に広く使用されているモノマーとして、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)が多く使用されている(例えば、特許文献1)。
特に、極性樹脂などの被塗物に用いる場合、これらの極性基含有モノマーの中でも、ヒドロキシ基含有モノマーが一般に用いられており、該モノマーの中でも、汎用的で安価であり、工業的に広く使用されているモノマーとして、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)が多く使用されている(例えば、特許文献1)。
HEMA等の、ポリオレフィンをグラフト変性する際に従来用いられてきた極性基含有モノマーを用いた場合、前記相容性、接着性、濡れ性等を向上させるためには、該モノマーによるグラフト率を高くする必要があることが分かった。
一方で、グラフト率を高くすることは、ポリオレフィンの有する基本特性の低下につながり、また、グラフト率を高くすると、グラフト変性体の製造コストが高くなることが分かった。
一方で、グラフト率を高くすることは、ポリオレフィンの有する基本特性の低下につながり、また、グラフト率を高くすると、グラフト変性体の製造コストが高くなることが分かった。
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、グラフト率が低くても親水性に優れるグラフト変性体を提供することを目的とする。
本発明者が研究を進めた結果、下記構成例によれば、前記課題を解決できることを見出した。本発明の構成例は、以下の通りである。
[1] エチレン系重合体およびプロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のベースポリマーが、下記式(1)で表されるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性された、グラフト変性体。
[2] [1]に記載のグラフト変性体を含むコーティング材。
本発明によれば、グラフト率が低く(例:グラフト率が2質量%以下)ても親水性に優れるグラフト変性体を提供することができる。従って、このようなグラフト変性体は、前記極性樹脂との相容性、金属、ガラス、紙または前記極性樹脂などの被塗物との接着性、該被塗物への濡れ性に優れ、該被塗物に対するコーティング材などとして好適に使用することができる。
≪グラフト変性体≫
本発明に係るグラフト変性体(以下「本変性体」ともいう。)は、エチレン系重合体およびプロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のベースポリマーが、下記式(1)で表されるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性された、グラフト変性体である。
なお、本変性体は、エチレンやプロピレン等のモノマーと前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーとのブロック共重合体やランダム共重合体ではなく、グラフト変性体であるため、前記効果を奏する。
本発明に係るグラフト変性体(以下「本変性体」ともいう。)は、エチレン系重合体およびプロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のベースポリマーが、下記式(1)で表されるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性された、グラフト変性体である。
なお、本変性体は、エチレンやプロピレン等のモノマーと前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーとのブロック共重合体やランダム共重合体ではなく、グラフト変性体であるため、前記効果を奏する。
本変性体におけるグラフト率は、本変性体の合成容易性の点や、ベースポリマー自体が有する特性が十分に発揮され、前記相容性、接着性、濡れ性により優れるグラフト変性体を容易に得ることができる点などから、好ましくは0.1~10質量%、より好ましくは0.1~5質量%である。
前記グラフト率は、グラフト変性体中の、ヒドロキシ基含有スチレン系モノマー由来の構造の質量であり、1H-NMR測定、具体的には下記実施例に記載の方法により求めることができる。
前記グラフト率は、グラフト変性体中の、ヒドロキシ基含有スチレン系モノマー由来の構造の質量であり、1H-NMR測定、具体的には下記実施例に記載の方法により求めることができる。
本変性体から形成したシート表面の23℃における水接触角は、好ましくは90°以下、より好ましくは80°以下である。該水接触角の下限は特に制限されないが、例えば、10°である。
本変性体は、グラフト率が前記範囲にあっても、このような水接触角となるため、グラフト率が低くても親水性に優れるグラフト変性体であるといえる。
前記水接触角は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定できる。
本変性体は、グラフト率が前記範囲にあっても、このような水接触角となるため、グラフト率が低くても親水性に優れるグラフト変性体であるといえる。
前記水接触角は、具体的には、下記実施例に記載の方法で測定できる。
<ヒドロキシ基含有スチレン系モノマー>
前記ベースポリマーをグラフト変性する際に用いられるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーは、下記式(1)で表される化合物である。
前記ベースポリマーをグラフト変性する際に用いられるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーは、2種以上であってもよいが、通常1種である。
前記ベースポリマーをグラフト変性する際に用いられるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーは、下記式(1)で表される化合物である。
前記ベースポリマーをグラフト変性する際に用いられるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーは、2種以上であってもよいが、通常1種である。
式(1)中、R1は水素原子またはメチル基であり、グラフト率の高い本変性体を容易に得ることができる等の点からは、水素原子が好ましい。
式(1)中、nは1~8の整数である。つまり、( )nで表される部分は、炭素数1~8の二価の脂肪族炭化水素基である。nは、少ないグラフト率で親水性に優れるグラフト変性体を容易に得ることができる等の点から、1~6の整数が好ましく、2~4の整数がより好ましい。
式(1)中、nは1~8の整数である。つまり、( )nで表される部分は、炭素数1~8の二価の脂肪族炭化水素基である。nは、少ないグラフト率で親水性に優れるグラフト変性体を容易に得ることができる等の点から、1~6の整数が好ましく、2~4の整数がより好ましい。
<ベースポリマー>
前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性される前のベースポリマーは、エチレン系重合体およびプロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のポリマーである。
前記ベースポリマーは、2種以上であってもよいが、通常1種である。
前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性される前のベースポリマーは、エチレン系重合体およびプロピレン系重合体から選ばれる少なくとも1種のポリマーである。
前記ベースポリマーは、2種以上であってもよいが、通常1種である。
前記ベースポリマーの重量平均分子量(Mw)は特に制限されないが、本変性体の合成容易性等の点から、好ましくは100,000~500,000、より好ましくは150,000~400,000である。
前記ベースポリマーの数平均分子量(Mn)も特に制限されないが、同様の理由から、好ましくは40,000~100,000、より好ましくは50,000~70,000である。
前記ベースポリマーの分子量分布(Mw/Mn)も特に制限されないが、好ましくは1.5~5.0、より好ましくは2.0~4.0である。
前記ベースポリマーの数平均分子量(Mn)も特に制限されないが、同様の理由から、好ましくは40,000~100,000、より好ましくは50,000~70,000である。
前記ベースポリマーの分子量分布(Mw/Mn)も特に制限されないが、好ましくは1.5~5.0、より好ましくは2.0~4.0である。
前記MwおよびMnは、東ソー(株)製のHLC-8321 GPC/HT型 ゲル浸透クロマトグラフ(GPC)を用いて以下の条件で測定した値である。
分離カラム:TSKgel GMH6-HT(2本)とGMH6-HTL(2本)(いずれも7.5mmI.D.×30cm、東ソー(株)製)
カラム温度:140℃
移動相:o-ジクロロベンゼン(0.025%ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)含有)
展開速度:1.0mL/分
試料濃度:0.1%(w/v)
試料注入量:0.4mL
検出器:示差屈折計
装置の較正:単分散ポリスチレン(東ソー(株)製、#3std set)を用いた
分離カラム:TSKgel GMH6-HT(2本)とGMH6-HTL(2本)(いずれも7.5mmI.D.×30cm、東ソー(株)製)
カラム温度:140℃
移動相:o-ジクロロベンゼン(0.025%ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)含有)
展開速度:1.0mL/分
試料濃度:0.1%(w/v)
試料注入量:0.4mL
検出器:示差屈折計
装置の較正:単分散ポリスチレン(東ソー(株)製、#3std set)を用いた
前記ベースポリマーは、従来公知の方法で合成することができ、また、市販品を用いてもよい。
前記従来公知の方法としては特に制限されず、例えば、遷移金属を含む配位重合触媒系を用いる方法が挙げられ、具体的には、塩化マグネシウム担持型チタン触媒、可溶性バナジウム化合物とアルキルアルミニウムハライド化合物とを含むバナジウム系触媒、または、メタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とを含むメタロセン触媒、の存在下に、エチレンまたはプロピレンと、必要に応じて後述のコモノマーとを(共)重合させることで合成する方法が挙げられる。
前記従来公知の方法としては特に制限されず、例えば、遷移金属を含む配位重合触媒系を用いる方法が挙げられ、具体的には、塩化マグネシウム担持型チタン触媒、可溶性バナジウム化合物とアルキルアルミニウムハライド化合物とを含むバナジウム系触媒、または、メタロセン化合物と有機アルミニウムオキシ化合物とを含むメタロセン触媒、の存在下に、エチレンまたはプロピレンと、必要に応じて後述のコモノマーとを(共)重合させることで合成する方法が挙げられる。
[エチレン系重合体]
前記エチレン系重合体は、該重合体中のエチレン由来の構成単位の含有量が50質量%以上である重合体であれば特に制限されず、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンとコモノマーとの共重合体であってもよい。共重合体の場合、その構造は特に制限されない。
前記エチレン系重合体は、該重合体中のエチレン由来の構成単位の含有量が50質量%以上である重合体であれば特に制限されず、エチレンの単独重合体であってもよく、エチレンとコモノマーとの共重合体であってもよい。共重合体の場合、その構造は特に制限されない。
前記コモノマーとしては、例えば、プロピレン、炭素数4~20のα-オレフィンおよび共役ポリエンから選ばれる少なくとも1種のモノマーが挙げられ、これらの中でも、プロピレン、炭素数4~20のα-オレフィンが好ましい。
前記炭素数4~20のα-オレフィンとしては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。
前記エチレン系重合体中の前記コモノマー由来の構成単位の含有量は、ペレットやパウダーのブロッキングが無く取り扱いやすい等の点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。なお、プロピレン由来の構成単位の含有量が50質量%のエチレン系重合体は、本明細書では、エチレン系重合体という。
前記炭素数4~20のα-オレフィンとしては、直鎖状であっても分岐状であってもよく、例えば、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセンが挙げられる。
前記エチレン系重合体中の前記コモノマー由来の構成単位の含有量は、ペレットやパウダーのブロッキングが無く取り扱いやすい等の点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。なお、プロピレン由来の構成単位の含有量が50質量%のエチレン系重合体は、本明細書では、エチレン系重合体という。
[プロピレン系重合体]
前記プロピレン系重合体は、該重合体中のプロピレン由来の構成単位の含有量が50質量%以上である重合体であれば特に制限されず、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンとコモノマーとの共重合体であってもよい。これら(共)重合体の構造は特に制限されない。
前記プロピレン系重合体は、該重合体中のプロピレン由来の構成単位の含有量が50質量%以上である重合体であれば特に制限されず、プロピレンの単独重合体であってもよく、プロピレンとコモノマーとの共重合体であってもよい。これら(共)重合体の構造は特に制限されない。
前記コモノマーとしては、例えば、エチレン、炭素数4~20のα-オレフィンおよび共役ポリエンから選ばれる少なくとも1種のモノマーが挙げられ、これらの中でも、エチレン、炭素数4~20のα-オレフィンが好ましい。
前記炭素数4~20のα-オレフィンとしては、エチレン系重合体の欄で挙げた炭素数4~20のα-オレフィンと同様のα-オレフィン等が挙げられる。
前記プロピレン系重合体中の前記コモノマー由来の構成単位の含有量は、ペレットやパウダーのブロッキングが無く取り扱いやすい等の点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
前記炭素数4~20のα-オレフィンとしては、エチレン系重合体の欄で挙げた炭素数4~20のα-オレフィンと同様のα-オレフィン等が挙げられる。
前記プロピレン系重合体中の前記コモノマー由来の構成単位の含有量は、ペレットやパウダーのブロッキングが無く取り扱いやすい等の点から、好ましくは50質量%以下、より好ましくは30質量%以下、特に好ましくは20質量%以下である。
<本変性体の合成方法>
本変性体の合成方法は特に制限されず、前記ベースポリマーを前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性したグラフト変性体が得られれば特に制限されないが、本変性体を容易に合成できる等の点から、前記ベースポリマーを溶剤に溶解または分散した液、好ましくは前記ベースポリマーを有機溶剤に溶解した溶液に、ラジカル開始剤および前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーを添加して反応(グラフト反応)させる方法が好ましい。なお、ベースポリマーを均質に流動させることができる攪拌能力を有する反応装置を用いる場合には、溶剤を用いなくてもよい。この方法によれば、グラフト重合が起こるため、グラフト変性体が得られる。
本変性体の合成方法は特に制限されず、前記ベースポリマーを前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーでグラフト変性したグラフト変性体が得られれば特に制限されないが、本変性体を容易に合成できる等の点から、前記ベースポリマーを溶剤に溶解または分散した液、好ましくは前記ベースポリマーを有機溶剤に溶解した溶液に、ラジカル開始剤および前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーを添加して反応(グラフト反応)させる方法が好ましい。なお、ベースポリマーを均質に流動させることができる攪拌能力を有する反応装置を用いる場合には、溶剤を用いなくてもよい。この方法によれば、グラフト重合が起こるため、グラフト変性体が得られる。
前記グラフト反応に用いるヒドロキシ基含有スチレン系モノマーの使用量は、グラフト率が前記範囲にある本変性体を容易に得ることができ、ヒドロキシ基含有スチレン系モノマー自体の重合体(以下「非グラフト化ポリマー」ともいう。)の生成を抑制できる等の点から、ベースポリマー1モルに対し、好ましくは10~1000モル、より好ましくは10~800モルである。
前記ラジカル開始剤としては、例えば、有機ペルオキシド、アゾ化合物が挙げられ、具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロロベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシン-3、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert-ブチルペルアセテート、2,5-ジメチル-2,5-ジ-(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert-ブチルペルベンゾエート、tert-ブチルペルフェニルアセテート、tert-ブチルペルイソブチレート、tert-ブチルペル-sec-オクトエート、tert-ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、tert-ブチルペルジエチルアセテート等の有機ペルオキシド;アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレート等のアゾ化合物が挙げられる。これらの中では、ジクミルペルオキシド、ジ-tert-ブチルペルオキシド、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキシン-3、2,5-ジメチル-2,5-ジ(tert-ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4-ビス(tert-ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のペルオキシドが好ましい。
前記グラフト反応に用いるラジカル開始剤の使用量は、グラフト反応が効率よく起こり、グラフト率が前記範囲にある本変性体を容易に得ることができる等の点から、ヒドロキシ基含有スチレン系モノマー1モルに対し、好ましくは0.01~0.5モル、より好ましくは0.05~0.3モルである。
前記有機溶剤としては、前記ヒドロキシ基含有スチレン系モノマーのグラフト反応を著しく阻害せず、かつ、グラフト反応を行う温度領域でベースポリマーと親和性を有する有機溶剤が好ましい。このような有機溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、デカヒドロナフタレン等の脂環族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエチレン等の塩素化炭化水素系溶媒、メタノール、エタノール、n-プロパノール、iso-プロパノール、n-ブタノール、sec-ブタノール、tert-ブタノール等のアルコール系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒、酢酸エチル、ジメチルフタレート等のエステル系溶媒、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ジ-n-アミルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキシアニソール等のエーテル系溶媒が挙げられる。また、水を溶剤として、懸濁重合、乳化重合することもできる。これらの溶剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。これらの溶剤の使用によって、反応液が均一相となることが好ましいが、不均一な複数の相となっても構わない。
ベースポリマーを含む液を均質攪拌できる領域でグラフト反応を行うため、該液中のベースポリマーの濃度は、通常50~500g/Lに設定されるが、前記グラフト率の本変性体を容易に合成できる等の点からは、200~500g/Lであることが好ましい。
ラジカル開始剤およびヒドロキシ基含有スチレン系モノマーは、ベースポリマーを含む液(またはベースポリマー自体)に一括添加することでグラフト反応を開始させてもよいが、グラフト率を上げる観点では、0.5~5時間程度の時間をかけて逐次的に添加することでグラフト反応を行うことが好ましい。
前記グラフト反応は、通常60~200℃の温度、好ましくは100~160℃の温度で、通常2~10時間、好ましくは3~8時間行うことが望ましい。
前記グラフト反応により得られた本変性体は、用いた溶媒、未反応のラジカル開始剤やモノマー、副生する非グラフト化ポリマーなどを、ろ過、遠心分離、再沈殿操作および/または洗浄等を必要により組み合わせるなど、公知の方法を用いることにより精製・単離してもよい。
この場合、前記相容性、接着性、濡れ性により優れる本変性体を容易に得ることができる等の点から、本変性体中に含まれる非グラフト化ポリマーの含有量が、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下となるように、精製・単離することが望ましい。
この場合、前記相容性、接着性、濡れ性により優れる本変性体を容易に得ることができる等の点から、本変性体中に含まれる非グラフト化ポリマーの含有量が、好ましくは5質量%以下、より好ましくは2質量%以下となるように、精製・単離することが望ましい。
<本変性体の用途>
本変性体は、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどの極性樹脂との相容性に優れるため、これら極性樹脂を含む組成物の相容化剤、金属、ガラス、紙または前記極性樹脂などとの接着性や濡れ性に優れるため、これらを含む被塗物に対するコーティング材(塗料、印刷インキ、接着剤等を含む)などとして用いることができる。
本変性体は、ポリエステル、ポリフェニレンサルファイド、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアクリレートなどの極性樹脂との相容性に優れるため、これら極性樹脂を含む組成物の相容化剤、金属、ガラス、紙または前記極性樹脂などとの接着性や濡れ性に優れるため、これらを含む被塗物に対するコーティング材(塗料、印刷インキ、接着剤等を含む)などとして用いることができる。
≪コーティング材≫
本発明に係るコーティング材は、前記本変性体を含めば特に制限されないが、さらに溶剤を含むことが好ましい。
前記コーティング材に含まれる本変性体は、1種でも、2種以上でもよい。
前記コーティング材は、例えば、前記被塗物等の塗布対象に親水性を付与するなどの目的で用いられる。なお、前記コーティング材は、前記被塗物等の塗布対象の少なくとも一部をコーティングする材料という意味であり、塗料、印刷インキ、接着剤(感圧接着剤を含む)なども、該コーティング材の一態様である。
本発明に係るコーティング材は、前記本変性体を含めば特に制限されないが、さらに溶剤を含むことが好ましい。
前記コーティング材に含まれる本変性体は、1種でも、2種以上でもよい。
前記コーティング材は、例えば、前記被塗物等の塗布対象に親水性を付与するなどの目的で用いられる。なお、前記コーティング材は、前記被塗物等の塗布対象の少なくとも一部をコーティングする材料という意味であり、塗料、印刷インキ、接着剤(感圧接着剤を含む)なども、該コーティング材の一態様である。
前記溶剤としては、特に限定されないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン(MIBK)、メチルエチルケトン(MEK)、ペンタノン、ヘキサノン、シクロヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等のセロソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル類、トリクロロエチレン、ジクロロエチレン、クロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素、エクソール、アイソパー、ミネラルスピリット等の石油系溶剤が挙げられる。また、該溶剤として水を用いることもできる。
前記溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記溶剤としては、トルエン、メチルシクロヘキサン/MIBK混合溶剤、メチルシクロヘキサン/MEK混合溶剤、メチルシクロヘキサン/酢酸エチル混合溶剤、シクロヘキサン/MEK混合溶剤、シクロヘキサン/酢酸エチル混合溶剤、エクソール/シクロヘキサノン混合溶剤、ミネラルスピリット/シクロヘキサノン混合溶剤が好ましい。
前記溶剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記溶剤としては、トルエン、メチルシクロヘキサン/MIBK混合溶剤、メチルシクロヘキサン/MEK混合溶剤、メチルシクロヘキサン/酢酸エチル混合溶剤、シクロヘキサン/MEK混合溶剤、シクロヘキサン/酢酸エチル混合溶剤、エクソール/シクロヘキサノン混合溶剤、ミネラルスピリット/シクロヘキサノン混合溶剤が好ましい。
前記コーティング材が溶剤を含む場合、該コーティング材は、本変性体が溶剤に溶解した状態であってもよく、本変性体が溶剤に分散した状態であってもよい。
前記コーティング材中の本変性体の含有量は、本変性体と溶剤との合計100質量%に対し、通常5~50質量%程度、好ましくは8~40質量%である。
また、前記コーティング材が溶剤を含む場合、該溶剤の含有量は、本変性体100質量部に対して、通常100~1900質量部、好ましくは150~1150質量部である。
また、前記コーティング材が溶剤を含む場合、該溶剤の含有量は、本変性体100質量部に対して、通常100~1900質量部、好ましくは150~1150質量部である。
前記コーティング材は、本発明の効果を損なわない範囲で、本変性体および溶媒以外のその他の成分を含んでいてもよい。
該その他の成分としては、例えば、本変性体以外の重合体、酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物;カーボンブラック等の顔料;揺変剤、増粘剤、粘着付与剤、炭化水素系合成油、表面調整剤、沈降防止剤、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、顔料分散剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、核剤、可塑剤、塩酸吸収剤、難燃剤、ブルーミング防止剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、加工助剤、繊維等の充填剤、濡れ剤、造膜助剤、架橋剤、防腐剤、防錆剤、凍結防止剤、消泡剤が挙げられる。
これらはそれぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
該その他の成分としては、例えば、本変性体以外の重合体、酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物;カーボンブラック等の顔料;揺変剤、増粘剤、粘着付与剤、炭化水素系合成油、表面調整剤、沈降防止剤、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、顔料分散剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、核剤、可塑剤、塩酸吸収剤、難燃剤、ブルーミング防止剤、ラジカル捕捉剤、軟化剤、加工助剤、繊維等の充填剤、濡れ剤、造膜助剤、架橋剤、防腐剤、防錆剤、凍結防止剤、消泡剤が挙げられる。
これらはそれぞれ、1種単独で用いてもよく、2種以上を用いてもよい。
前記コーティング材は、ホットメルト接着剤としても好適に用いることができる。
該ホットメルト接着剤は、アクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、COC(環状オレフィン共重合体)、塩化ビニル、ポリプロピレン、表面処理ポリエチレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂製の被着体、アルミニウム、銅、SUS(ステンレス鋼)などの金属製の被着体に対して使用できる。
該ホットメルト接着剤は、アクリル樹脂、PET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン共重合体)、COC(環状オレフィン共重合体)、塩化ビニル、ポリプロピレン、表面処理ポリエチレン、ポリスチレン等の熱可塑性樹脂製の被着体、アルミニウム、銅、SUS(ステンレス鋼)などの金属製の被着体に対して使用できる。
前記コーティング材は、前記被塗物、例えば、前記熱可塑性樹脂の射出成形体やフィルム、または、前記金属の成形体や金属箔などに、前記コーティング材を従来公知の方法で塗工した後、必要により溶剤を除去して塗膜を形成することで使用される。溶剤を除去する際には、自然乾燥してもよいし、加熱強制乾燥してもよい。
さらに、この得られた塗膜上に、他のコーティング材を塗工などしてもよいし、熱可塑性樹脂製フィルムや成形体、金属箔、金属成形体を貼合して使用することもできる。
さらに、この得られた塗膜上に、他のコーティング材を塗工などしてもよいし、熱可塑性樹脂製フィルムや成形体、金属箔、金属成形体を貼合して使用することもできる。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明はこれら実施例に限定されない。
<グラフト率の測定方法>
グラフト率は、ブルカー・バイオスピン(株)製、AVANCEIIIcryo-500型核磁気共鳴装置(500MHz)を用い、測定溶媒:1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2、測定温度:120℃、スペクトル幅:20ppm、パルス繰り返し時間:7.0秒、パルス幅:5.00μsec(45°パルス)の測定条件下にて、1H-NMRスペクトルを測定し、グラフトされたモノマーの量を測定することで、グラフト率を算出した。
グラフト率は、ブルカー・バイオスピン(株)製、AVANCEIIIcryo-500型核磁気共鳴装置(500MHz)を用い、測定溶媒:1,1,2,2-テトラクロロエタン-d2、測定温度:120℃、スペクトル幅:20ppm、パルス繰り返し時間:7.0秒、パルス幅:5.00μsec(45°パルス)の測定条件下にて、1H-NMRスペクトルを測定し、グラフトされたモノマーの量を測定することで、グラフト率を算出した。
[実施例1]
1Lのオートクレーブに、LLDPE(ベースポリマー、コモノマー種:1-ヘキセン、コモノマー量:1.6質量%、Mw:164,000、Mn:63,000、Mw/Mn:2.60)を25.0gおよびトルエンを150mL装入し、オートクレーブを窒素置換した後、密閉した。その後、オートクレーブの内温を140℃まで昇温し、その温度を維持しながら、ビニルフェニルヒドロキシエチルエーテル(VPHEE)28.1mmolおよびジクミルペルオキシド(DCP)2.2mmolを、ダブルアンカー翼を用い、攪拌速度400rpmで攪拌しながら、2時間かけてフィードした。その後、さらに2時間攪拌した後、トルエンを15分かけて250mLフィードし、反応液を希釈した。
その後、オートクレーブの内温を50℃まで冷却し、脱圧後、スラリー状の反応液を取り出した。得られた反応液に400mLのTHFを加え、10分間攪拌した後、撹拌後の液を濾過し、固形分と濾液とに分けた。このTHFを加えることから濾過までの工程をさらに2回繰り返した。この3回の濾過により、未反応のVPHEEおよびVPHEEの単独重合体を除去した。
前記3回目の濾過後の固形分を、70℃の真空乾燥機で10時間乾燥することで、グラフトポリマー(P-1)を得た。グラフトポリマー(P-1)の収量は25.29gであった(質量増加量:0.29g)。また、グラフト率は1.9質量%であった。
1Lのオートクレーブに、LLDPE(ベースポリマー、コモノマー種:1-ヘキセン、コモノマー量:1.6質量%、Mw:164,000、Mn:63,000、Mw/Mn:2.60)を25.0gおよびトルエンを150mL装入し、オートクレーブを窒素置換した後、密閉した。その後、オートクレーブの内温を140℃まで昇温し、その温度を維持しながら、ビニルフェニルヒドロキシエチルエーテル(VPHEE)28.1mmolおよびジクミルペルオキシド(DCP)2.2mmolを、ダブルアンカー翼を用い、攪拌速度400rpmで攪拌しながら、2時間かけてフィードした。その後、さらに2時間攪拌した後、トルエンを15分かけて250mLフィードし、反応液を希釈した。
その後、オートクレーブの内温を50℃まで冷却し、脱圧後、スラリー状の反応液を取り出した。得られた反応液に400mLのTHFを加え、10分間攪拌した後、撹拌後の液を濾過し、固形分と濾液とに分けた。このTHFを加えることから濾過までの工程をさらに2回繰り返した。この3回の濾過により、未反応のVPHEEおよびVPHEEの単独重合体を除去した。
前記3回目の濾過後の固形分を、70℃の真空乾燥機で10時間乾燥することで、グラフトポリマー(P-1)を得た。グラフトポリマー(P-1)の収量は25.29gであった(質量増加量:0.29g)。また、グラフト率は1.9質量%であった。
[比較例1]
500mLのガラス容器に、LLDPE(ベースポリマー)を25.0gおよびキシレンを110mL装入し、容器を窒素置換した。その後、容器の内温を120℃に昇温し、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)4.69gを容器内に装入し、次いで、キシレン10mLに溶解したtert-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーブチルI、日油(株)製)2.2mmolを10分かけて滴下し、ダブルアンカー翼を用い、攪拌速度400rpmで3時間攪拌した。その後、キシレン250mLを加え、再び120℃に昇温した後、徐々に容器の内温を50℃まで冷却した。反応液を取り出し、得られた反応液に400mLのメタノールを加え、10分間攪拌した。その後、反応液を濾過し、固形分と濾液に分けた。得られた固形分を400mLのメタノールで2回洗浄し、70℃の真空乾燥機で10時間乾燥することにより、グラフトポリマー(P-2)を得た。グラフトポリマー(P-2)の収量は26.56gであった(質量増加量:1.56g)。また、グラフト率は2.5質量%であった。
500mLのガラス容器に、LLDPE(ベースポリマー)を25.0gおよびキシレンを110mL装入し、容器を窒素置換した。その後、容器の内温を120℃に昇温し、メタクリル酸ヒドロキシエチル(HEMA)4.69gを容器内に装入し、次いで、キシレン10mLに溶解したtert-ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート(パーブチルI、日油(株)製)2.2mmolを10分かけて滴下し、ダブルアンカー翼を用い、攪拌速度400rpmで3時間攪拌した。その後、キシレン250mLを加え、再び120℃に昇温した後、徐々に容器の内温を50℃まで冷却した。反応液を取り出し、得られた反応液に400mLのメタノールを加え、10分間攪拌した。その後、反応液を濾過し、固形分と濾液に分けた。得られた固形分を400mLのメタノールで2回洗浄し、70℃の真空乾燥機で10時間乾燥することにより、グラフトポリマー(P-2)を得た。グラフトポリマー(P-2)の収量は26.56gであった(質量増加量:1.56g)。また、グラフト率は2.5質量%であった。
<親水性評価>
実施例および比較例で得たグラフトポリマーそれぞれを、温度170℃、圧力4MPa、余熱時間5分、加圧時間3分の条件でプレス成形し、その後20℃に設定したプレス成形機にて急冷することにより、厚さ500μm、長さ80mm、幅80mmのプレスシートを作製した。
作製したプレスシートに、雰囲気23℃の条件で水滴を滴下し、水滴を滴下してから20秒後の該水滴の接触角を、協和界面科学(株)製の水接触角測定装置CA-V型を用いて測定した。なお、接触角は、1サンプルについて3箇所測定し、これら3箇所の接触角の値の平均値を表1に示す。
実施例および比較例で得たグラフトポリマーそれぞれを、温度170℃、圧力4MPa、余熱時間5分、加圧時間3分の条件でプレス成形し、その後20℃に設定したプレス成形機にて急冷することにより、厚さ500μm、長さ80mm、幅80mmのプレスシートを作製した。
作製したプレスシートに、雰囲気23℃の条件で水滴を滴下し、水滴を滴下してから20秒後の該水滴の接触角を、協和界面科学(株)製の水接触角測定装置CA-V型を用いて測定した。なお、接触角は、1サンプルについて3箇所測定し、これら3箇所の接触角の値の平均値を表1に示す。
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