JP2022113457A - 表皮材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
しかしながら、従来の表皮材では、表面に形成されるシボの細さや形状に技術的な問題があり、天然皮革に匹敵する微細で精緻なシボ模様を有する外観に優れた表皮材が切望されている。
特に、従来のシボ模様では、シボ模様の地紋部における凹部及び凸部の表面は比較的平滑であり、可視光が反射し易いため、地紋部が白っぽく見えたり、明度が高く見えたりして、高級感を損なうことがある。
また、本発明の別の実施形態の課題は、少なくとも2種類の互いに異なるシボ模様を有し、シボ型形成用部材の凹凸の再現に優れ、微細なシボ模様による意匠性の高い外観を有する表皮材を効率よく製造することができる表皮材の製造方法を提供することにある。
<1> 少なくとも表皮層を有する表皮材であって、表皮層は、表皮層の凹凸により形成された第1のシボ模様と、第1のシボ模様に含まれ、第1のシボ模様よりも平面視におけるサイズの小さい第2のシボ模様と、を有し、第2のシボ模様は、第1のシボ模様の形成領域内において、第1のシボ模様の平面視における形成領域の少なくとも一部を連通する凸部を有し、第1のシボ模様における第2のシボ模様が形成されていない領域の凸部の最頂部と、第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差が40μm以下である表皮材。
<2> 第1のシボ模様における第2のシボ模様が形成されていない領域の凸部の最頂部の高さは、第2のシボ模様における凸部の最頂部の高さと同一であるか、第2のシボ模様における凸部の最頂部よりも低い<1>に記載の表皮材。
<4> 第2のシボ模様の連通する凸部の頂部と、隣接する凸部間の凹部の底部との高低差が、60μm以上120μm以下の範囲である<1>~<3>のいずれか1つに記載の表皮材。
<6> 直線状の第2のシボ模様の凸部は、表皮材の長さ方向に対して、±50°の範囲内の角度で配置されている<5>に記載の表皮材。
<7> 表皮層は、ウレタン樹脂及び塩化ビニル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む<1>~<6>のいずれか1つに記載の表皮材。
また、本発明の別の実施形態によれば、少なくとも2種類の互いに異なるシボ模様を有し、シボ型形成用部材の凹凸の再現に優れ、微細なシボ模様による意匠性の高い外観を有する表皮材を効率よく製造し得る表皮材の製造方法を提供することができる。
以下に記載する構成要件の説明は、本開示の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本開示はそのような実施態様に限定されない。
なお、本開示において、数値範囲を示す「~」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本開示に段階的に記載されている数値範囲において、一つの数値範囲で記載された上限値又は下限値は、他の段階的な記載の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本開示に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
本開示において、2以上の好ましい態様の組み合わせは、より好ましい態様である。
本開示において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。
各図面において同一の符号を用いて示される構成要素は、同一の構成要素であることを意味する。
図面における寸法の比率は、必ずしも実際の寸法の比率を表すものではない。
本開示において組成物の固形分とは、組成物に含まれる溶剤を除く成分を指す。組成物に含まれる、例えば、樹脂前駆体モノマー等の液状成分も固形分に含まれる。
本開示においては、表皮材の最外層、即ち、表皮層を有し、例えば、表皮材を成形体に貼り付けられた場合に、表皮層において視認される側を、表皮材の表面と称する。
本開示においては、シボ型形成用離型材、シボ型形成用エンボスロール等のシボ模様を転写により表皮層に形成する部材を、「シボ型形成用部材」と総称することがある。
本開示の表皮材は、少なくとも表皮層を有する表皮材であって、表皮層は、表皮層の凹凸により形成された第1のシボ模様と、第1のシボ模様に含まれ、第1のシボ模様よりも平面視におけるサイズの小さい複数の第2のシボ模様と、を有し、第2のシボ模様は、第1のシボ模様の形成領域内において、第1のシボ模様の平面視における形成領域の少なくとも一部を連通する凸部を有し、第1のシボ模様における第2のシボ模様が形成されていない領域の凸部の最頂部(本開示において「第1のシボ模様の最頂部」、「第1のシボ模様における凸部の最頂部」などと記す場合がある。)と、第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差が40μm以下である。
本開示の表皮材は、少なくとも表皮層を有すればよく、表皮層のみからなる単層の表皮材であってもよく、表皮層に加え、さらに、所望により、接着層、基材等のその他の任意の層を有する積層体である多層構造の表皮材であってもよい。
本開示の表皮材では、表皮材が有する表皮層の凹凸により形成された第1のシボ模様と、第1のシボ模様に含まれ、第1のシボ模様よりも平面視におけるサイズの小さい第2のシボ模様と、を有し、第2のシボ模様の凸部は、第1のシボ模様の平面視における形成領域の少なくとも一部で連通しており、第1のシボ模様の最頂部と第2のシボ模様の最頂部とは高低差40μm以内に維持されている。
ここで、第1のシボ模様の形成領域、例えば地紋の領域内に、より小さなサイズの第2のシボ模様を有することで、第2のシボ模様の形成領域の明度が、微細な凹凸が存在することにより、第1のシボ模様の形成領域内において部分的に低下し、シボ模様全体の柄のコントラストが向上する。このため、本開示の表皮材は、意匠性の高い外観を有する。
図1に示す表皮材10は、表皮層12のみからなる単層の表皮材である。表皮材10における第1のシボ模様の形成領域を10Aで示し、第2のシボ模様を含む領域の一実施形態を示す部分拡大断面図である。
図1を用いて、第2のシボ模様について説明する。図1において、第1のシボ模様の形成領域10A内に配置された複数の凸部を含む領域を「第2のシボ模様の形成領域」と称し、10Bと表記する。第2のシボ模様は、凸部14と、隣接する凸部14同士の間に存在する凹部16とを含んで構成される。
図1に示すように、第2のシボ模様の形成領域10Bは、複数の第2のシボ模様を構成する複数の凸部14を有する。
第2のシボ模様の凸部の幅とは、平面視における幅を指し、図1にαで示される。
第2のシボ模様の形成領域10B内における、連通する凸部14の頂部と、隣接する凸部14間の凹部16の底部との高低差は、第2のシボ模様の形成領域10B内における凹凸で形成されるシボ深さと同義であり、図1にβで示される。
また、第1のシボ模様形成領域であって、第2のシボ模様の非形成領域における最頂部と、表皮層12の底部との距離を、第1のシボ模様の高さとする。第1のシボ模様の高さは、図1においてγで示される。
第1のシボ模様の第2のシボ模様の非形成領域の最頂部と、第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差は、40μm以下であり、30μm以下が好ましく、20μm以下がより好ましい。後述するように、第1のシボ模様の第2のシボ模様の非形成領域の最頂部と、第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差は0、即ち、第1のシボ模様の最頂部と、第2のシボ模様における凸部の最頂部とは同じ高さであってもよい。
本開示の表皮材における上記第2のシボ模様における凸部の幅、連通する凸部14の頂部と、隣接する凸部14間の凹部16の底部との高低差、第1のシボ模様の最頂部と、第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差等のサイズは、表皮材を面に垂直に切断した断面を顕微鏡で観察することで測定することができる。
なかでも、第1のシボ模様における第2のシボ模様の非形成領域の凸部の最頂部の高さが、第2のシボ模様における凸部の最頂部の高さと同一であるか、第2のシボ模様における凸部の最頂部よりも低いことが、第2のシボ模様における微細な凹凸に起因する明度の低下がより視認されやすくなるため、シボ模様全体の柄のコントラストより向上するという観点から好ましい。
図1では、第1のシボ模様における凸部の最頂部の高さが、第2のシボ模様における凸部の最頂部の高さよりも低い態様が示されている。
第2のシボ模様の凸部の幅が上記範囲であることで、軟化した表皮層に含まれる成分の移動がより容易になるため、上記成分の流動性の低下に起因する欠陥の発生がより効果的に抑制され、外観に優れた表皮材の生産性がより良好となる。
図2(A)に示す第2の実施形態に係る表皮材20は、平面視において、第1のシボ模様の形成領域20A内に、第1のシボ模様よりも平面視におけるサイズの小さい複数の平行な直線状の凸部を含む第2のシボ模様を有する領域20Bと、第1のシボ模様の領域20A内において、第2のシボ模様が形成されない平面視で円形の領域(第2のシボ模様の非形成領域)20Cを有する。
第2のシボ模様が有する複数の凸部14は、平面視における幅が均一な直線状であり、隣接する凹部を介して互いに平行に配置される。
第2のシボ模様の凸部が、第2のシボ模様が複数の連続して形成された領域を有し、複数の第2のシボ模様の凸部が互いに平行な直線状に形成されていることは、本開示の表皮材の好ましい態様の一つである。
図2(A)に示す如く、第2のシボ模様が連続して形成された領域において、互いに平行な直線状であることにより、表皮層に含まれる材料の流動性を阻害し難く、シボ型形成用部材の凹部における表皮層に含まれる材料の流動性がより良好となり、意匠性が良好な表皮材が得られ、且つ、表皮層の生産性がより向上する。
表皮材20における基布22、及び接着層24は、所望により設けられる任意の層である。
表皮材における表皮層、基布、接着層、中間層等の任意の層の詳細については、後述する。
ここで、表皮材の長さ方向とは、表皮材の製造時における搬送方向を指す。長さ方向に直交する方向を表皮材の幅方向とする。
図3は、図2(A)と同じ、第2の実施形態に係る表皮材20の平面図を示す。図3に示された矢印方向が、表皮材の長さ方向である。図3では、第2のシボ模様を形成する凸部14の配置角度を説明するために、表皮材の長さ方向に平行な破線が表記されている。また、第2のシボ模様を形成する凸部14の中心線が破線で表記されている。図3において、表皮材の長さ方向に平行な破線と、凸部14の中心線の破線との交差する角度θが、第2のシボ模様の直線状の凸部の表皮材の長さ方向に対する角度である。
直線状の第2のシボ模様を構成する凸部14は、表皮材の長さ方向に対して、±50°の範囲内の角度で配置されていることが、表皮層の形成時において、表皮層に含まれる材料の流動性を阻害し難く、シボ型形成用部材の凹部における表皮層に含まれる材料の流動性がより良好となり、意匠性に優れた表皮材が得られ、且つ、表皮層の生産性がより向上する。
直線状の第2のシボ模様を構成する凸部14は、表皮材の長さ方向に対して、±50°の範囲内の角度で配置されていることが好ましく、±40°の範囲内の角度で配置されていることがより好ましく、±30°の範囲内の角度で配置されていることがさらに好ましい。即ち、図3におけるθは、±50°以下であることが好ましく、±40°以下であることがより好ましい。
図4(A)に示す第3の実施形態に係る表皮材30は、平面視において、第1のシボ模様の形成領域30A内に、第1のシボ模様よりも平面視におけるサイズの小さい複数の平行な直線状の第2のシボ模様を有する領域30B-1及び30B-2を有する。第2のシボ模様を有する領域30B-1及び30B-2は、それぞれ、図4(A)の平面図において破線で囲まれた平面視で正方形の領域である。
第2のシボ模様の複数の凸部14は、隣接する凹部16を介して互いに平行、且つ、等間隔に3本形成されており、凸部14と凹部16とにより、平面視で正方形の第2のシボ模様の形成領域30B-1及び30B-2が形成されている。上記正方形の第2のシボ模様の形成領域30B-1及び30B-2は、より幅の広い凸部である第2のシボ模様の非形成領域30Cを介して、規則正しく配列されている。
図4(A)に示す第2のシボ模様の形成領域30B-1においては、複数の凸部14は、幅が260μmであり、表皮材の長さ方向に対して50°の角度をもって形成されている。
図4(A)に示す第2のシボ模様の形成領域30B-2においては、複数の凸部14は、幅が170μmであり、表皮材の長さ方向に対して-40°の角度をもって形成されている。
表皮材30における基布22、及び接着層24は、所望により設けられる任意の層であり、本開示の第2の実施形態に係る表皮材20における基布22、及び接着層24と同じ層構成を有する。
図4(B)では、第2のシボ模様の形成領域30B-2の断面が示され、第2のシボ模様の形成領域30B-2は、複数の凸部14及び隣接する凸部14同士の間に凹部16を有する。
表皮材30では、第1のシボ模様の最頂部と、第2のシボ模様を構成する凸部の最頂部とは同じ高さであり、第1のシボ模様における凸部の最頂部と、第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差(δ)は0μmである。
〔表皮層〕
本開示の表皮材が有する表皮層は、少なくとも樹脂を含んで構成される。
表皮層に含まれる合成樹脂としては、加熱により軟化又は流動化し易く、シボ型形成用部材を用いたシボ模様の形成性が良好であり、且つ、得られた表皮層の耐久性が良好であるという観点から、ウレタン樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC)から選ばれる少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
なお、本開示の表皮材を自動車内装材等の長期耐久性が必要な用途に用いる場合は、ウレタン樹脂の中でも、ポリカーボネート系ポリウレタンが好ましい。
表皮層の形成に使用されるウレタン樹脂のさらに好ましい物性としては、樹脂の20℃条件下でJIS K 6253(1997年)に準拠して測定した100%モジュラスが4MPa~40MPaの範囲であることが挙げられる。
例えば、耐久性がより良好となるという観点からは、表皮層がウレタン樹脂を含む場合には、表皮層の厚みは10μm~100μmの範囲であることが好ましく、20μm~60μmの範囲であることがより好ましい。
表皮層がポリ塩化ビニルを含む場合には、耐久性の観点からは、表皮層の厚みは100μm~400μmの範囲であることが好ましく、150μm~250μmの範囲であることがより好ましい。
また、離型紙上に表皮層形成用組成物を付与して表皮層を形成してもよい。
本開示の表皮材は、既述の表皮層に加え、表皮材の耐久性、感触、外観等をより良好とする等の目的で、さらに、表皮層以外のその他の層を有していてもよい。
その他の層としては、中間層、接着層、基布、表面処理層等が挙げられる。
以下、表皮材が含み得るその他の層について説明する。
表皮材にボリュームを持たせる等の目的で、表皮層は、中間層を有していてもよい。
中間層は、既述の表皮層と同様の樹脂を含んで構成することができる。
中間層は、気泡を内包する発泡層であってもよい。中間層として、気泡を内包する発泡層を有することで、表皮材のクッション性を向上させ、表皮材にボリュームを付与することができる。
中間層の形成は、既述の表皮層の形成と同様にして行うことができる。
中間層の厚みは、例えば、中間層がウレタン樹脂を含む場合には、中間層の厚みは、柔軟性とクッション性とがより良好となるという観点から、10μm~200μmの範囲であることが好ましく、20μm~100μmの範囲であることがより好ましい。
中間層として、例えば、PVCを含む発泡層である場合には、発泡層の厚みは、柔軟性とクッション性とがより良好となるという観点から、100μm~1000μmの範囲であることが好ましく、300μm~800μmの範囲であることがより好ましい。
本開示の表皮材は、隣接する層間の密着性をより向上させる等の目的で接着層を有していてもよい。
接着層を構成する樹脂としては、特に制限はなく、ウレタン樹脂、PVC樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリスチレン等が挙げられ、これらの樹脂を含有する接着剤を用いて、切着想を形成することができる。
なかでも、表皮層又は中間層との親和性がより良好であると言う観点から、接着剤としては、ウレタン樹脂を含む接着剤が好ましい。
ウレタン樹脂としては、より具体的には、例えば、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変性物から選ばれる樹脂が挙げられる。
本開示の表皮材は、基布を有していてもよい。基布を有することで、表皮材の強度及び耐久性がより向上する。
表皮材に用い得る基布としては、必要な強度と柔軟性を有し、ある程度の伸縮性を有すれば、制限なく用いることができる。
基布を構成する繊維としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール等の合成繊維、綿、麻等の天然繊維等が挙げられる、
基布は、上記した繊維を用いた織物、編物、及び不織布のいずれであってもよい。伸縮性の観点からは編物が好ましい。編物の組織については、特に制限はなく、表皮材の使用目的等に応じて適宜選択される。編み物の組織については、トリコット、ダブルラッセル等の経編、鹿の子、インターロック、モクロディ等の丸編み等が挙げられるが、これらに制限されない。
基布は、2種以上の繊維を含んでいてもよい。
また、単層の基布であってもよく、複数の繊維からなる多層構造の基布であってもよい。
基布は、通常、接着層を介して、上記表皮層、又は、隣接する任意の層と接着される。接着性を向上する目的で、基布の接着層と接する側の面は起毛を有していてもよい。
表皮層は表皮材の最表面を構成してもよいが、耐久性向上の観点から、さらに表面処理層を形成することができる。
表面処理層は、例えば、表皮層の表面に、水分散ポリウレタン表面処理剤を塗工して形成することができる。表面処理層を有することで、表皮層の耐摩耗性がより良好となる。
水分散ポリウレタン表面処理剤に使用できるポリウレタンとしては、ポリカーボネート系ポリウレタン、ポリエーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン及びこれらの変成物等が挙げられ、自動車内装材用で長期耐久性が必要な場合ポリカーボネート系ポリウレタンが好適である。
水分散ポリウレタンを含有する表面処理剤には、さらに、架橋剤、滑剤、着色剤を添加してもよい。また、表面処理剤には、表皮材の感触向上のため、有機粒子、無機粒子等を含んでいてもよい。
本開示の表皮材における第1のシボ模様形成領域の形状には特に制限はなく、公知の表皮材に使用されるシボ模様を任意に選択することができる。第1のシボ模様形成領域の形状は、皮革様のシボ模様には限定されず、幾何学模様等の任意の形状を適用してもよい。
第2のシボ模様を構成する凸部は、第2のシボ模様の形成領域において連通して形成される限り、形状には特に制限はなく、種々の変型例をとることができる。
一般に、シボ模様の凸部は、凸部に相当する凹部を有するシボ型形成用離型材、シボ型形成用エンボスロール等のシボ型形成用部材により形成される。シボ型形成用部材における凹部中に存在する表皮層形成用の材料が転写され、表皮層の凸部を形成することになる。
本開示の表皮材は、以下に述べる本開示の表皮材の製造方法(1)又は表皮材の製造方法(2)により製造されることが好ましい。
本開示の表皮材の製造方法の第1の実施形態(以下、本開示の製造方法(1)と称することがある)は、第1のシボ模様及び第2のシボ模様の形成用凹凸を含むシボ模様パターンを有するシボ型形成用離型材表面に、表皮層形成用組成物を塗工して表皮層形成用組成物層を形成する工程Iと、得られた表皮層形成用組成物層からシボ型形成用離型材を剥離して、転写により第1のシボ模様及び第2のシボ模様が形成された表皮層を形成する工程IIと、をこの順に有する、表皮材の製造方法である。
工程Iでは、第1のシボ模様及び第2のシボ模様の形成用凹凸を含むシボ模様パターンを有するシボ型形成用離型材表面に、表皮層形成用組成物を塗工して表皮層形成用組成物層を形成する。
シボ型形成用離型材は、以下のようにして作製することができる。
本開示の表皮材に必要な、予め設計された第1のシボ模様及び第2のシボ模様をロールの表面層に彫刻してシボ模様を形成したエンボスロールを作製する。
次に、離型材形成用材料を準備する。離型材形成用材料としては、不織布等の基材上に樹脂層を有する積層体を用いることができる。
得られたシボ模様を形成したエンボスロールと、バックアップロールとの間に、離型材形成用材料を挿通して、離型材形成用材料における樹脂層表面にシボ模様を転写することにより、シボ型形成用離型材が得られる。
本開示の製造方法(1)に用いられる表皮層形成用組成物は、塗工により表皮層形成用組成物層を形成するため、表皮層の主剤となる樹脂と、所望により必要な添加剤と、溶剤とを含む組成物であり、常法により調製することができる。即ち、樹脂と、溶剤と、所望により添加される着色剤等を十分に混合することで調製することができる。
本開示の製造方法(1)に用いられる表皮層形成用組成物の固形分濃度は、形成される表皮層形成用組成物層の均一性がより良好になるという観点から、10質量%~30質量%の範囲であることが好ましく、10質量%~20質量%の範囲であることがより好ましい。
表皮層形成用組成物に用いられる樹脂及び所望により含むことができる着色剤等の材料は、本開示の表皮材における表皮層の項にて説明したとおりであり、好ましい例も同様である。
表皮層形成用組成物層の形成後、必要に応じて、形成された表皮層形成用組成物層のシボ型形成用離型材と接する側とは反対側の面に、さらに、中間層を形成する工程(工程I-2)、接着層を形成する工程(工程I-3)、基布を積層する工程(工程I-4)等の、任意の工程をさらに実施することができる。
工程IIでは、得られた表皮層形成用組成物層からシボ型形成用離型材を剥離して、転写により第1のシボ模様及び第2のシボ模様が形成された表皮層を形成する。
工程IIでは、シボ型形成用離型材の剥離前に、表皮層形成用組成物層の熟成工程(工程II-2)を行ってもよい。熟成工程を行うことで、得られる表皮層の耐久性がより良好となる。
熟成工程にとしては、例えば、40℃~80℃の温度条件で、20時間~50時間熟成する工程が挙げられる。
本開示の表皮材の製造方法の第2の実施形態(以下、本開示の製造方法(2)と称することがある)は、表皮層形成用組成物を用いて、表皮層形成用組成物層を形成する工程iと、第1のシボ模様及び第2のシボ模様の形成用凹凸を含むシボ模様パターンを有するシボ型形成用エンボスロール表面に、工程iで得られた表皮層形成用組成物層を接触させ、シボ型形成用エンボスロールとバックアップロールとにより熱圧着させ、転写により第1のシボ模様及び第2のシボ模様が形成された表皮層を得る工程iiと、をこの順に有する表皮材の製造方法である。
工程iでは、表皮層形成用組成物を用いて、表皮層形成用組成物層を形成する。
本開示の製造方法(2)における表皮層形成用組成物層は、予め調製した表皮層形成用組成物を、カレンダー法、ペースト加工法、溶融押出法等の公知のシート形成方法により、シート状に成形することで得ることができる。
本開示の製造方法(2)に用いられる表皮層形成用組成物は、常法により調製することができる。即ち、樹脂と、所望により添加される着色剤等を十分に混合することで調製することができる。
本開示の製造方法(2)に用いられる表皮層形成用組成物は、均一なシートが形成されやすいという観点から、固形分濃度は、90質量%以上であることが好ましく、溶剤を含まない固形分濃度100質量%であることがより好ましい。
所望により行われる工程i-2における中間層形成用組成物層の形成は、表皮層形成用組成物に代えて中間層形成用組成物を用いる以外は、工程iにおける表皮層形成用組成物層の形成と同様に行うことができる。
任意の工程である工程i-3では、工程iにて形成された表皮層形成用組成物層と工程i-2にて形成された中間層形成用組成物層とを重ね合わせ、カレンダー装置を用いて積層することにより実施することができる。
さらに、任意の層である接着層の形成工程(工程i-4)、任意の層である基布の貼合せ工程(工程i-5)、及び形成した中間層が発泡層である場合、中間層を加熱して発泡させる工程(工程i-6)等の工程を含むことができる。
工程iiでは、第1のシボ模様及び第2のシボ模様の形成用凹凸を含むシボ模様パターンを有するシボ型形成用エンボスロール表面に、工程iで得られた表皮層形成用組成物層を接触させ、シボ型形成用エンボスロールとバックアップロールとにより熱圧着させ、転写により第1のシボ模様及び第2のシボ模様が形成された表皮層を得る。
表皮層形成用組成物層をシボ型形成用エンボスロールに接触させて熱圧着することで、シボ型形成用エンボスロールに彫刻されたシボ模様が転写された表皮層を有する本開示の表皮材を得ることができる。
また、表皮層形成用組成物層と中間層形成用組成物層とを積層して積層体を形成した後、得られた積層体を、加熱炉内を通過させる等の手段により加熱して中間層形成用組成物層に含まれる発泡剤を発泡させてもよい。
また、工程iiで得られたシボ型を有する表皮層上に、所望により、さらに表面処理層を形成する工程(工程ii-4)を行ってもよい。表皮層上に、表面処理層を設けることにより、耐久性をより向上させ、外観及び感触の少なくともいずれかを制御することができる。
(工程I:表皮層の形成)
(1)表皮層形成用組成物の調製
以下の処方に従い、1~5の各成分を充分に混合し、固形分約13質量%の表皮層形成用組成物1を得た。
(表皮層形成用組成物1処方)
1.1液型樹脂固形分20質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂
(20℃条件下の100%モジュラス:5MPa) 100質量部
2.溶剤(N,N-ジメチルホルムアミド:DMF) 20質量部
3.溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル:PGM) 15質量部
4.溶剤(イソプロパノール:IPA) 5質量部
5.着色剤(黒色顔料) 15質量部
図2(A)の平面図に示すシボ模様の反転パターンのシボ模様を有するシボ型形成用離型材を準備し、工程Iで得た表皮層形成用組成物1を、シボ型形成用離型材にナイフコート塗工装置を用いて、ウェット塗布量が150g/m2となる量で塗布した。
表皮層形成用組成物の塗膜を形成した後、100℃で2分間、熱風乾燥機を用いて塗膜を乾燥して、シボ型形成用離型材上に表皮層形成用組成物層を形成した。表皮層形成用組成物層の乾燥後の膜厚は約20μmであった。
(1)接着層形成用組成物の調製
以下の処方に従い、1~3の各成分を充分に混合し、固形分約45質量%の接着層形成用組成物1を得た。
(接着層形成用組成物1処方)
1.2液型樹脂固形分70質量%のポリカーボネート系ポリウレタン樹脂
(20℃条件下の100%モジュラス:2.5MPa) 100質量部
2.溶剤(DMF) 50質量部
3.イソシアネート系架橋剤 6質量部
工程Iで得たシボ型形成用離型材上に形成された表皮層形成用組成物層の離型材とは反対側の面に、上記で得た接着層形成用組成物をウェット塗布量100g/m2となる量で塗布した。熱風乾燥機を用いて120℃で2分間加熱し、厚み45μmの接着層を形成した。
シボ型形成用離型材上に表皮層形成用組成物層と接着層形成用組成物層とを有する積層体の接着剤組成物層と、基布としての編布とを接触させ、熱ラミネートにより貼り合わせた。熱ラミネートの加熱温度は130℃とした。
工程I-4で得られた基布を貼り合わせた積層体を、50℃で48時間熟成後、シボ型形成用離型材を剥離して、表皮層、接着層、及び基布を有し、表皮層に平面視で図2(A)に示すシボ模様を有する、実施例1の表皮材を得た。実施例1の表皮層は、図2(B)の概略断面図に示す層構成を有する。
得られた表皮層は、図2(B)の概略断面図に示す表皮層と同様の断面を示した。シボ型形成用離型材により形成される表皮層における第2のシボ模様の凸部の幅(α)は40μm、第2のシボ模様の凸部の高さ(β)は、60μm、第1のシボ模様における第2のシボ模様の非形成領域の最頂部と第2のシボ模様の最頂部の高低差(δ)は、40μmであった。
第2のシボ模様における凸部は、第2のシボ模様の形成領域において複数の平行な直線状であり、表皮材の長さ方向に対して30°の角度をなして形成されている。
実施例1における工程Iで用いたシボ型形成用離型材を、図4(A)及び図4(B)に示すシボ模様の反転パターンのシボ模様を有するシボ型転写用離型材に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2の表皮材を得た。
図4(A)に示す実施例2の表皮材30は、平面視において、第1のシボ模様の形成領域30A内に、第1のシボ模様よりも平面視におけるサイズの小さい複数の平行な直線状の第2のシボ模様を有する領域30B-1及び30B-2を有する。
図4(A)に示す如く、第2のシボ模様の形成領域30B-1においては、複数の凸部14は、幅が260μmであり、表皮材の長さ方向に対して50°の角度をもって形成されている。第2のシボ模様の形成領域30B-2においては、複数の凸部14は、幅が170μmであり、表皮材の長さ方向に対して-40°の角度をもって形成されている。
第2のシボ模様の形成領域30B-1及び30B-2は、複数の凸部14が隣接する凹部を介して互いに平行、且つ、等間隔に3本形成された、平面視で正方形の領域である。上記正方形の第2のシボ模様の形成領域30B-1及び30B-2は、より幅の広い凸部である第2のシボ模様の非形成領域30Cを介して、規則正しく配列されている。表皮材の長さ方向に対して、平面視における幅が260μmの凸部14は50°、且つ、平面視における幅が170μmの凸部14は-40°の角度で形成されている。
図4(B)は、実施例2の表皮材30の概略断面図である。図4(B)に示す如く、実施例2の表皮材30は、図4(A)に示す如きシボ模様を有する表皮層32を有する以外は、実施例1の表皮材20と同様の層構成を有し、基布22の面上に、接着層24を介して表皮層32を有する。
実施例1における工程Iで用いたシボ型形成用離型材を、図5(A)及び図5(B)に示すシボ模様の反転パターンのシボ模様を有するシボ型転写用離型材に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例3の表皮材を得た。
図5(A)は、実施例3の表皮材40の平面図であり、第1のシボ模様の形成領域40A内に、平面視における幅が100μmである複数の凸部14及び隣接する凹部16により形成される第2のシボ模様の形成領域40B-1、40B-2及び40B-3を有する。第2のシボ模様の形成領域40B-1、40B-2及び40B-3は、第2のシボ模様の非形成領域40Cを介して、表皮材40の長さ方向に平行に配列されている。
それぞれの第2のシボ模様の形成領域において、第2のシボ模様を構成する平行な直線状の凸部14は、表皮材40の長さ方向に対して、第2のシボ模様の形成領域40B-1では-20°、40B-2では0°(長さ方向に平行)、40B-3では、20°の角度で形成されている。
図5(B)は、実施例3の表皮材40の概略断面図である。図5(B)に示す如く、実施例3の表皮材40は、図5(A)に示す如きシボ模様を有する表皮層42を有する以外は、実施例1の表皮材20と同様の層構成を有し、基布22の面上に、接着層24を介して表皮層42を有する。
(工程i:表皮層形成用組成物層の形成)
(1)表皮層形成用組成物の調製
以下の処方に従い、1~5の各成分を充分に混合し、固形分約100質量%の表皮材層形成用組成物2を得た。
(表皮層形成用組成物2 処方)
1.ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1300:
20℃条件下の100%モジュラス:7MPa) 100質量部
2.可塑剤(フタル酸ジアルキル) 75質量部
3.安定剤(Ba-Zn系複合安定剤) 2質量部
4.充填剤(重炭酸カルシウム) 10質量部
5.着色剤(黒色顔料) 5質量部
(1)中間層形成用組成物の調製
下記処方に従い、1~6の各成分を充分に混合し、固形分約100質量%の中間層形成用組成物を得た。
(中間層形成用組成物 処方)
1.ポリ塩化ビニル樹脂(平均重合度1300) 100質量部
2.発泡剤(アゾジカルボンアミド:ADCA) 4質量部
3.可塑剤(フタル酸ジアルキル) 75質量部
4.安定剤(Ba-Zn系複合安定剤) 2質量部
5.充填剤(重炭酸カルシウム) 10質量部
6.着色剤(黒色顔料) 2質量部
カレンダー装置にて、表皮層形成用組成物層と中間層形成用組成物層とを用いて、表皮層形成用組成物層と中間層形成用組成物層とが積層された積層体を形成した。
積層体における表皮層形成用組成物層の厚みは0.30mmであり、中間層形成用組成物層(発泡前)の厚みは0.65mmであった。
得られた積層体の中間層形成用組成物層側の面に接着剤(DIC(株)製、ウレタン系エマルジョン接着剤)を約10g/m2塗布した。
積層体の中間層側に塗布した接着層と編布とを貼り合せて熱ラミネートした。熱ラミネートの加熱温度は130℃とした。
基布を貼り合せた積層体を、温度条件190℃~230℃の加熱炉内を通過させることで、中間層形成用組成物層に含まれる発泡剤を発泡させ、気泡が内在する中間層を形成した。
積層体の表皮層形成用組成物層の表面に、図2(A)及び図2(B)で示すシボ模様の反転パターンのシボ模様を有するシボ型形成用エンボスロールを、表面を130℃に加熱しながら押し当ててエンボス加工を行い、表面にシボ型を有する表皮層を形成した。
このようにして、表皮層、中間層、接着層、基布を有し、表皮層に図2(A)に示すシボ模様を有する、実施例4の表皮材を得た。
図6は、実施例4の表皮材の概略断面図である。図6に示すように、実施例4の表皮材50は、基布22上に、接着層24、中間層28及び表皮層26を有する多層構造の表皮材である。実施例4の表皮材50における表皮層26の凹凸形状は、実施例1の表皮層26と同じ凹凸形状である。
実施例4の表皮材50において、基布22、接着層24、及び中間層28は所望により設けられる任意の層である。
実施例4における工程iを実施して表皮層形成用組成物層を形成し、その後、工程iiを行って、表皮層形成用組成物層に、実施例4で用いたものと同じシボ型形成用エンボスロールを用いて、実施例4と同様にエンボス加工を実施した。
このようにして、平面視においては、図2(A)と同様のシボ模様を有し、図1の概略断面図に示す如き表皮層の単層構造である実施例5の表皮材を得た。
実施例1における工程Iのシボ型転写用離型材を、平面視にて図2(A)と同様であり、断面が図7に示す凹凸を有するシボ模様の反転パターンのシボ模様を有するシボ型転写用離型材に変更した以外は、実施例1と同様にして、比較例1の表皮材を得た。
図7に、比較例1の表皮材における表皮層形成用のシボ型形成用部材で得られる設計値どおりの表皮層を示す部分概略断面図を示す。表1に記載されるように、比較例1の表皮層は、第1のシボ模様の最頂部と、第2のシボ模様の最頂部との高低差δは、50μmである。
表1では、ポリカーボネート系ポリウレタンを「ポリウレタン」と、ポリ塩化ビニル樹脂を「PVC」とそれぞれ略記している。
得られた表皮材を以下の基準で評価した。結果を下記表1に示す。
シボ型形成用部材における第2のシボ模様の凸部の幅(α)、第2のシボ模様の凸部の高さ(β)、及び第1のシボ模様の最頂部と第2のシボ模様の最頂部との高低差(δ)を測定し、表1に示す。
得られた表皮材の外観を目視にて下記基準に従い評価した。評価は5名で行い、最も多かった評価を記載した。下記基準にてランクAが実用上問題のないレベルである。
(評価基準)
A 第1のシボ模様と第2のシボ模様とのコントラストが良好。
B 第1のシボ模様と第2のシボ模様とのコントラストに劣る。
シボ型形成用部材におけるシボの形状が、表皮層のシボ模様に正しく再現されているか否かについて、目視で下記基準に従い評価した。評価は5名で行い、最も多かった評価を記載した。下記基準にてランクAが実用上問題のないレベルである。
(評価基準)
A シボ型形成用部材のシボ模様が表皮材に再現されている。
B シボ型形成用部材のシボ模様が表皮材に再現されておらず、欠損部がある。
一方、第1のシボ模様における凸部の最頂部と、第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差δが40μmを超える比較例1の表皮材では、表皮層に、図8の断面図に示す如き欠陥がシボ模様に認められ、実用上問題のあるレベルであった。
10A、20A、30A、40A 第1のシボ模様形成領域
10B 第2のシボ模様の形成領域
20B 第2のシボ模様の形成領域
30B-1、30B-2 第2のシボ模様の形成領域
40B-1、40B-2、40B-3 第2のシボ模様の形成領域
10C、20C、30C、40C 第2のシボ模様の形成されない領域(第2のシボ模様の非形成領域)
12、26、32、42 表皮層
14 第2のシボ模様の凸部
16 第2のシボ模様の凹部
22 基布
24 接着層
28 中間層
α 第2のシボ模様の凸部の幅
β 第2のシボ模様の凸部の頂部と凹部の底部との高低差
δ 第1のシボ模様の最頂部と第2のシボ模様の最頂部との高低差
θ 第2のシボ模様の直線状の凸部の表皮材の長さ方向に対する角度
Claims (9)
- 少なくとも表皮層を有する表皮材であって、
前記表皮層は、前記表皮層の凹凸により形成された第1のシボ模様と、前記第1のシボ模様に含まれ、前記第1のシボ模様よりも平面視におけるサイズの小さい複数の第2のシボ模様と、を有し、
前記第2のシボ模様は、前記第1のシボ模様の形成領域内において、前記第1のシボ模様の平面視における形成領域の少なくとも一部を連通する凸部を有し、前記第1のシボ模様における前記第2のシボ模様が形成されていない領域の凸部の最頂部と、前記第2のシボ模様における凸部の最頂部との高低差が40μm以下である表皮材。 - 前記第1のシボ模様における前記第2のシボ模様が形成されていない領域の凸部の最頂部の高さは、前記第2のシボ模様における凸部の最頂部の高さと同一であるか、前記第2のシボ模様における凸部の最頂部よりも低い請求項1に記載の表皮材。
- 前記第2のシボ模様の前記凸部の幅が、40μm以上260μmの範囲である請求項1又は請求項2に記載の表皮材。
- 前記第2のシボ模様の連通する凸部の頂部と、隣接する前記凸部間の凹部の底部との高低差が、60μm以上120μm以下の範囲である請求項1~請求項3のいずれか1項記載の表皮材。
- 前記第2のシボ模様の前記凸部は、複数の前記第2のシボ模様が連続して形成された領域を有し、複数の前記第2のシボ模様の前記凸部は互いに平行な直線状である請求項1~請求項4のいずれか1項に記載の表皮材。
- 前記第2のシボ模様の直線状の前記凸部は、前記表皮材の長さ方向に対して、±50°の範囲内の角度で配置される請求項5に記載の表皮材。
- 前記表皮層は、ウレタン樹脂及び塩化ビニル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種の樹脂を含む請求項1~請求項6のいずれか1項に記載の表皮材。
- 前記第1のシボ模様及び前記第2のシボ模様の形成用凹凸を含むシボ模様パターンを有するシボ型形成用離型材表面に、表皮層形成用組成物を塗工して表皮層形成用組成物層を形成する工程Iと、
得られた表皮層形成用組成物層から前記シボ型形成用離型材を剥離して、転写により前記第1のシボ模様及び前記第2のシボ模様が形成された表皮層を形成する工程IIと、
をこの順に有する請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の表皮材の製造方法。 - 表皮層形成用組成物を用いて、表皮層形成用組成物層を形成する工程iと、
前記第1のシボ模様及び前記第2のシボ模様の形成用凹凸を含むシボ模様パターンを有するシボ型形成用エンボスロール表面に、工程iで得られた表皮層形成用組成物層を接触させ、前記シボ型形成用エンボスロールとバックアップロールとにより熱圧着させ、転写により前記第1のシボ模様及び前記第2のシボ模様が形成された表皮層を得る工程iiと、
をこの順に有する請求項1~請求項7のいずれか1項に記載の表皮材の製造方法。
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