JP3319848B2 - 多層複合シート及びその製造方法 - Google Patents

多層複合シート及びその製造方法

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JP3319848B2
JP3319848B2 JP34419793A JP34419793A JP3319848B2 JP 3319848 B2 JP3319848 B2 JP 3319848B2 JP 34419793 A JP34419793 A JP 34419793A JP 34419793 A JP34419793 A JP 34419793A JP 3319848 B2 JP3319848 B2 JP 3319848B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多層複合シート及びそ
の製造方法に関するものであり、更に詳しくは、柔軟
性、通気性、磨耗耐久性、滑脱抵抗力、剥離強度及び燃
焼性に優れる多層複合シート、及びそれを効率よく製造
する方法に関するものである。本発明は、自動車等の車
両用シートの表皮材及び一般家具用表皮等に利用され
る。
【0002】
【従来の技術】図3に示すように、合成樹脂製発泡軟質
シート1の一面上に装飾用表皮材(織物、編み物、皮革
等)4を、発泡軟質シート1の他面上に裏基布(織物、
編み物、不織布等)2を接着することにより多層(特に
三層)複合シートを製造する場合、合成樹脂製発泡軟質
シート1と装飾用表皮材4とを接着積層させるために、
(1)接着剤を用い接着する、(2)フレームラミネー
トにて接着するという2つの方法が、通常採用されてい
る。この時の多層複合シートは、以下に示す表1に示す
ような項目を満足するために、予め合成樹脂(バッキ
ング剤)で装飾用表皮材の裏面をコーティング(バッキ
ング)した後接着させるか、又はWet状の接着剤を
全面に塗布し補強剤の役割を持たせて張り合わせたりし
ている。また、バッキング剤及び接着剤には難燃等の特
殊機能を付与したものが多く使われている。尚、発泡軟
質シート1と裏基布2との接着においては、使用面の裏
側に位置するので、表1に示した物性を満足する必要は
なく、基本的には接着されていればよい。
【0003】
【表1】 表1 装飾用表皮材に要求される諸物性 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 項 目 試験方法 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 難燃性を有すること MVSS302に準拠 磨耗耐久性を有すること JIS L 1096に準拠 滑脱抵抗力を有すること JIS L 1096に準拠 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の多層複合シ
ート及びその製造方法においては、以下の問題点が挙げ
られる。 (1)全面バッキング或いは全面接着することにより、
表皮材及びウレタンフォームシート等の軟質シートの持
つ“柔らかな風合い”が損なわれ、そのため、一度シワ
が入ると元に戻りにくくなり、更に通気性も大きく阻害
される。実際に成形されたシートに座った際に“ごわつ
き感”があり、乗り心地が大きく低下する。 (2)接着剤を全面に塗布する場合は、乾燥させるのに
大きな熱量と多くの時間を必要とするため、乾燥性、加
工性の悪さが問題となる。 (3)接着剤を全面に塗布することにより、しみだしが
生じ、均一な塗布が困難であり、そのため物性が低下す
る。 (4)できあがった製品の重量が大きくなる。
【0005】本発明は上記問題点を解決するものであ
り、柔軟性、通気性、磨耗耐久性、滑脱抵抗力及び剥離
強度に優れる多層複合シート、及びそれを効率よく製造
する方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、合成樹脂
製発泡軟質シートと表皮材とを接着して製造される多層
複合シートが、接着強度を維持しつつ、“柔らかな風合
い”、シワになりにくさ及び通気性等に優れる接着方法
がないか、について鋭意研究した結果、ドット状等の島
状に接着剤及びバッキング剤を塗布することにより、上
記全ての問題点を解決できることを見出して、本発明を
完成するに至ったのである。
【0007】本第1発明の多層複合シートの製造方法
は、合成樹脂製発泡軟質シートの一面上に表皮材を、そ
の他面上に裏基布を接着することにより多層複合シート
を製造する方法において、上記表皮材の裏面側にはドッ
ト状、スリット状若しくはその他の島状に浸透性に優れ
るバッキング剤を塗布し乾燥する第1工程、上記合成樹
脂製発泡軟質シートの上記一面上にドット状、スリット
状若しくはその他の島状に接着剤を塗布し乾燥する第2
工程、上記合成樹脂製発泡軟質シートの上記他面上及び
/又は上記裏基布の上面上に接着剤を塗布し乾燥する第
3工程を各々実施し、その後、この工程後の乾燥された
各シートを適宜組み合わせて積層し加熱し冷却して、最
終的に多層状態に接着することを特徴とする。
【0008】尚、ここで、「・・・第3工程を各々実施
し、その後、この工程後の乾燥された各シートを適宜組
み合わせて積層し加熱し冷却して、最終的に多層状態に
接着する」とは、第1〜第3工程を別々に実施し、こ
の3枚の乾燥後シートを積層し、加熱接着してもよい
し、まず、第1及び第2工程の2枚の乾燥シートを積
層し接着し、その後、この二層複合シートに第3工程で
得られた乾燥シートを積層し接着してもよいし、ま
ず、第2及び第3工程の2枚の乾燥シートを積層し接着
し、その後、この二層複合シートに第1工程で得られた
乾燥シートを積層し接着してもよい意味である。
【0009】本第2発明の多層複合シートの製造方法
は、合成樹脂製発泡軟質シートの一面上に表皮材を、そ
の他面上に裏基布を接着することにより多層複合シート
を製造する方法において、上記合成樹脂製発泡軟質シー
トと上記裏基布を予め接着して二層複合シートを製造
し、該二層複合シートを構成する合成樹脂製発泡軟質シ
ート表面上にドット状、スリット状若しくはその他の島
状に接着剤を塗布し乾燥し、一方、上記表皮材の裏面側
にはドット状、スリット状若しくはその他の島状に浸透
性に優れるバッキング剤を塗布し乾燥し、これらを重ね
合わせ、その後加熱し冷却させて接着することを特徴と
する。
【0010】本第3発明の多層複合シートの製造方法
は、上記第1及び第2発明の製造方法において、上記合
成樹脂製発泡軟質シート、上記表皮材及び上記裏基布は
長尺状であり、これらを連続的に搬送することにより、
連続的に積層し且つ連続的に加熱し冷却して接着する方
法としたものである。上記製造方法において、上記バッ
キング剤は界面活性剤を含有し且つ粘度が3,000c
ps以下であり、上記接着剤は粘度が5,000cps
以上(好ましくは9,000cps以上)であるものと
することができる。このバッキング剤粘度が3,000
cpsを越えると、高粘度のため浸透性が悪くなり、そ
のため、バッキングとしての効果が不十分となり好まし
くない。また、この接着剤粘度が5,000cps未満
では、接着剤のしみ込みが生じるので、好ましくない。
【0011】第5発明の多層複合シートは、合成樹脂製
発泡軟質シートと、該合成樹脂製発泡軟質シートの一面
上に接着される表皮材と、該合成樹脂製発泡軟質シート
の他面上に接着される裏基布とからなり、上記合成樹脂
製発泡軟質シートと上記表皮材とはドット状、スリット
状若しくはその他の島状の多数の接着剤島により接着さ
れ、隣接する上記接着剤島間の間隔は2〜10mmであ
り、全ての接着剤島の占める割合は、上記合成樹脂製発
泡軟質シート表面に対して20〜70%であり、且つ上
記表皮材の裏面側にはドット状、スリット状若しくはそ
の他の島状の多数のバッキング剤島が形成されているこ
とを特徴とする。上記隣接する上記接着剤島間の間隔が
2mm未満では、ごわつき感が残り、接着剤の乾燥性も
悪くなり、且つ通気性も損なうものであり、これが10
mmを越えると、接着強度が低下して、いずれも好まし
くない。更に、全ての接着剤島の占める割合が20%未
満では、接着強度(剥離強度)が十分でなく、70%を
越えると剛直となりすぎてごわつき感が残り、シワにも
なりやすいので、いずれも好ましくない。
【0012】上記「多層複合シート」は、上記合成樹脂
製発泡軟質シートと上記表皮材との間の剥離強度は0.
6〜0.9kg/25mmであり、通気度は50cc/
cm2 /秒以上であり、逆R方法によるシワ試験評価は
20〜50Rであるものとすることができる。尚、これ
らの性能評価の測定方法は、以下の実施例欄で述べる方
法によった。
【0013】上記「バッキング剤」としては、通常、ア
クリル樹脂、ウレタン樹脂、ラテックス樹脂等の合成樹
脂を主剤とし、適当量の浸透剤を配合したものとするこ
とができる。この浸透剤としては、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノ
ールエーテル等の非イオン系界面活性剤、アルキルベン
ゼンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸エステル
塩等の陰イオン系界面活性剤を用いることができ、特
に、エマルジョンと使用する場合は非イオン系界面活性
剤の使用が好ましい。
【0014】上記「接着剤」としては、通常、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、ラテックス樹脂、エチレン酢酸ビ
ニルビエマルジョン等から選ばれた合成樹脂等を主剤と
したものであり、しみ込みの少ない接着剤が好ましい。
【0015】上記接着剤及びバッキング剤には必要に応
じてハロゲン化リン酸エステル、非ハロゲン化リン酸エ
ステル等のリン化合物、水酸化アルミニウム、三酸化ア
ンチモン、水酸化マグネシウム等の無機化合物等の難燃
剤を配合し、できあがった多層複合シートに難燃性、防
炎性を付与することも可能である。同じように、カーボ
ン、金属粉を配合し制電機能、脱臭機能を付与する場合
もある。
【0016】また、上記バッキング剤又は上記接着剤を
塗布する方法としては、ドット型、斜線型、十字線型、
縦線−横線配列型等のセルを有するグラビアロール等を
用いて、ドット状、スリット状若しくはその他の島状に
塗布する。ここで、「ドット状」とは、点状であればよ
く、この点状の形状は特に問わず、丸、楕円、四角、三
角、これらの変形形状をも含む意味である。またこの配
列は特に問わず、図2の(A)示すように縦横上下に且
つ等間隔に配列してもよいし、同図(B)に示すように
上下の連続する列をずらしてもよいし、他の配列でもよ
いし、異なったドットを組み合わせてもよい。「スリッ
ト状」とは、棒状(長尺角状)のものが所定間隔をもっ
て配列されたものであり、この棒形状(スリット形状)
は特に問わず、同図(C)の四角状でもよいし、丸棒状
でもよいし、他の長尺形状でもよいし、またその配列の
仕方も特に限定されず、同図(C)に示すように右斜め
に配列されてもよいし、左斜めでもよいし、垂直縦配
列、水平横配列、その他の配列でもよい。更に、「その
他の島状」とは、上記ドット状及びスリット状以外の、
海に浮かぶ島のように隣接する模様が互いに独立してい
る種々の形状全てを含む意味である。
【0017】また、上記接着剤の発泡軟質シートの表面
上に塗布する塗布量をコントロールする場合に、エマル
ジョンを機械発泡させることにより浸透しにくい性質を
付与できるので、この塗布量を30〜70%程度下げる
ことができる。また、積層及び接着工程は、通常、バッ
キング剤及び接着剤を塗布させた後、自然乾燥若しくは
強制乾燥により乾燥させ、その後、所望の他のシートと
積層し、次いで加熱して乾燥させるとともに軟化若しく
は溶融させ、更に冷却することにより完全に接着するも
のとすることができる。
【0018】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。 比較例1(バッキング付き表皮のフレームラミネート) 厚み3mm、幅1400mm、密度0.020g/cm
3 のシート状軟質ポリウレタンフォーム(実質上、連続
気泡型のものである。)1とナイロン繊維をトリコット
編みした裏基布2とを接着積層させて、二層複合シート
3(図3に示す。)を作製した。
【0019】一方、ポリエステル繊維にて織られた装飾
用表皮材4の裏面に、アクリル樹脂を主成分(60重量
%)としハロゲン化リン酸エステル(20重量%)等を
配合したバッキング剤Aを、ナイフコーターにて全面に
塗布した。このときのバッキング剤塗布量はWet状態
で250g/m2 とした。尚、この塗布量は表1に示し
た項目を満足させるのに充分な量である。その後、上記
二層複合シート3の軟質ポリウレタンフォーム層をフレ
ーム処理を行いつつ、このフレーム処理面(接着面)と
バッキング剤を塗布した面とをフレームラミネートにて
積層接着させて、三層複合シートを得た。この三層複合
シート8の性能試験結果を表2に示す。尚、各性能試験
方法は以下の通りである。
【0020】
【表2】
【0021】燃焼性;MVSS302に準拠 剥離強度;JIS L 1096 磨耗耐久;JIS L 1096に準拠 滑脱抵抗力;JIS L 1096に準拠 剛軟度;JIS L 1096 5%モジュラス;JIS L 1096 通気度;JIS L 1096 シワ試験(逆R法);凹形状のRを持った治具(図
4)を用いて試験片を図5のように表面材を上にしてセ
ットする。セットは半径の充分大きいものから小さいも
のへ順に行い、表面材に折れしわの発生する半径(R)
を記録する。尚、接着剤の塗布均一性及び接着剤のしみ
だしの評価は目視によった。絶乾質量は接着後の三層複
合シートの単位面積当たりの重量として計算した。加工
速度は加熱ローラの回転速度とした。加工速度(指数)
は、比較例1の加工速度を1とした場合の加工速度比と
した。
【0022】比較例2(バッキング無し表皮の全面接着
ラミネート) まず、比較例1と同様にして作製した二層複合シート
(軟質ポリウレタンフォームシート1と裏基布2との積
層体)3を用意する。一方、比較例1で用いたものと同
じ装飾用表皮材4の裏面に、アクリル樹脂を主成分(5
5重量%)としハロゲン化リン酸エステル、増粘剤、整
泡剤等の助剤(45重量%)を配合した接着剤B(粘
度;12000cps)を、ナイフコーターにて全面に
塗布した。この接着剤は浸透性のないタイプのものであ
る。尚、この粘度は、ビスコテスタにより測定した。こ
のときの接着剤塗布量はWet状態で250g/m2
した。尚、この塗布量は表1に示した項目を満足させる
のに充分な量である。
【0023】その後、接着剤を塗布した装飾用表皮材4
と二層複合シート3とを重ね合わせ、約100℃に加熱
した加熱ロール75にあたるように配する。この加熱ロ
ール75を毎分3mの速度で回転させ、装飾用表皮材4
と二層複合シート3とを重ね合わせたシートを熱ロール
75に巻き付けるようにして接着剤を乾燥させるととも
に加熱した。この接着剤が乾燥したところで三層積層体
を冷却して三層を接着させ、次いで巻き取ることによっ
て、三層複合シート8を得た。この三層複合シート8の
性能試験結果を表2に示す。
【0024】比較例3(バッキング無し表皮のドット状
接着ラミネート) まず、比較例1と同様にして作製した二層複合シート
(軟質ポリウレタンフォームシート1と裏基布2との積
層体)3を用意する。その後、この二層複合シート3の
軟質ポリウレタンフォームシート側表面に、上記接着剤
Bをグラビアコーターにてドット状に塗布した。このと
きの接着剤塗布量はWetの状態で50g/m2 とし
た。塗布量は、シート成形において不都合がでない強度
を得るのに充分な量である。ドット(丸形状であり、接
着後は接着剤島となる。)51(図2)の直径は1mm
φであり、隣接するドット間の間隔は5mmであり、全
てのドットの占める割合は、発泡軟質シート表面に対し
て22%である。
【0025】次いで、図1に示すように、接着剤を塗布
した二層複合シート3と、比較例1で用いたものと同じ
装飾用表皮材4とを重ね合わせ、約100℃に加熱した
加熱ロール75にあたるように配置する。そして、この
加熱ロール75を毎分10mの速度で回転させ、装飾用
表皮材4と二層複合シート3とを重ね合わせたシートを
加熱ロール75に巻き付けるようにして接着剤及びバッ
キング剤を加熱して乾燥させるとともに軟化若しくは溶
融させた。この接着剤が乾燥・軟化したところで三層積
層体を冷却して三層を完全に接着させ、次いで巻き取る
ことによって、三層複合シート8を得た。この三層複合
シート8の性能試験結果を表2に示す。
【0026】実施例 本実施例において三層複合シートを製造する説明図を図
1に示す。まず、比較例1と同様にして作製した二層複
合シート(軟質ポリウレタンフォームシート1と裏基布
2との積層体)3を用意する。一方、比較例1で用いた
ものと同じ装飾用表皮材4の裏面に、アクリル樹脂を主
成分(75重量%)とし、ハロゲン化リン酸エステル、
界面活性剤(1重量%)及びその他助剤(全体で24重
量%)を配合し、浸透性を持たせたバッキング剤C
(6、粘度;3000cps)を、グラビアコーター7
3にてドット状(61)に塗布する。尚、このバッキン
グ剤6は、ニップロール(外周:ラバー製)74にて、
毛倒れ等の不具合が発生しない程度に押さえつけて浸透
させている。このときの塗布量はWet状態で120g
/m2 とした。この塗布量は、バッキング剤に浸透性を
持たせたために表1の項目を満足させるのに充分な量で
ある。ドット(丸形状であり、接着後はバッキング剤島
となる。)の直径は1mmφであり、隣接するドット間
の間隔は5mmであり、全てのドットの占める割合は、
発泡軟質シート表面に対して22%である。尚、バッキ
ング剤(界面活性剤を含有していもの等。)の粘度を
5,000cpsとしたものでは、基布への浸透が不十
分となり基布表面層に軽く塗布された状態となって浸透
性が悪い。
【0027】次いで、二層複合シート3の表面に、比較
例3にて用いたものと同じ接着剤B(5、粘度;120
00cps)を、グラビアコーター71にて比較例3と
同様のドット状51に塗布した。このときの塗布量はW
et状態で50g/m2 である。尚、図1中、72は押
さえローラである。尚、この場合は、表2に示すよう
に、接着剤のしみだしはなかったが、この粘度を3,0
00cpsとし、且つ同様にドット塗布をした場合で
は、接着剤のしみだしが生じた。その後、バッキングさ
れた表皮材4と接着剤が塗布された二層複合シート3を
重ね合わせ、毎分10mの速度で回転する約100℃に
加熱された加熱ロール75に巻き付けるようにして接着
剤を加熱して乾燥・軟化等させた。
【0028】次いで、この接着剤が乾燥したところで三
層積層体を冷却して三層を接着させ、その後、巻き取る
ことによって、三層複合シート8を得た。尚、上記一連
の工程(バッキング剤の塗布、接着剤の塗布、乾燥及び
加熱等)は単一ライン内で、多くの搬送ローラ76等を
用いて連続的に行った。尚、バッキング剤及び接着剤の
乾燥は、塗布後加熱ローラ75に至るまでは自然乾燥さ
せ、加熱ローラに接触されてからは、この加熱ローラに
よっても更に完全に強制乾燥させている。上記により製
造された三層複合シート8の性能試験結果を表2に示
す。
【0029】実施例の効果 比較例1のバッキング付き表皮のフレームラミネート品
である多層複合シートでは、全面バッキング処理をして
いるので、剥離強度、摩耗耐久性及び滑脱抵抗力には優
れるものの、剛直すぎるし、通気性が悪く、シワになり
やすいし、重くなる。また、比較例2のバッキング無し
表皮の全面接着ラミネート品である多層複合シートでは
全面接着されているので、剥離強度及び摩耗耐久性には
優れるものの、剛直すぎるし、通気性が悪く、シワにな
りやすいし、接着剤塗布にもムラがあり、接着剤のしみ
だしもあり、重くなる。また、この接着剤の使用量が多
いので、その乾燥に時間がかかり、加工速度が悪い。
【0030】更に、比較例3のバッキング無し表皮のド
ット状接着ラミネート品である多層複合シートでは、ド
ット状接着されているので、柔軟性、通気性、シワにな
りにくさ、接着剤塗布の均一性、軽量性、乾燥効率に優
れ、且つ接着剤のしみだしもないが、バッキング処理が
されていないので、燃焼性、摩耗耐久性及び滑脱抵抗力
が悪い。
【0031】一方、本実施例に係る三層複合シートは、
上記比較例1〜3と比べて、バッキング剤層がドット状
の島部からなり、且つ接着剤層も同様にドット状の島部
からなるので、燃焼性、剥離強度、磨耗耐久性、滑脱抵
抗力、柔軟性、通気性、シワになりにくさ、接着剤塗布
の均一性、軽量性及び乾燥効率全てにに優れ、しかも接
着剤のしみだしもなく、大変、性能バランスに優れたも
のである。そのため自動車用座席クッション材のカバー
に好適なものとなる。しかも、この製造方法によれば、
加工性(加工速度)が飛躍的に向上し、それに伴う加工
費を大幅に削減できる。
【0032】尚、本発明においては、前記具体的実施例
に示すものに限られず、目的、用途に応じて本発明の範
囲内で種々変更した実施例とすることができる。即ち、
上記実施例においては三層複合シートを例示している
が、積層数はこれに限らず四層以上とすることができ
る。この場合、少なくとも、最表面層側に、順次、表皮
材及び合成樹脂製発泡軟質シートが配置されていること
が必要である。
【0033】
【発明の効果】本発明の多層複合シートは、バッキング
剤層がドット状の島部からなり、且つ接着剤層も同様に
ドット状の島部からなるので、柔軟性、通気性、磨耗耐
久性、滑脱抵抗力及び剥離強度に優れ、そのため座席用
シートに成形した成形品においても大変優れた性能を備
えたものとなる。また、本製造方法によれば、この優れ
た性能を有する多層複合シートを効率良く製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る三層複合シートの製造方法の工
程を示す説明図である。
【図2】本実施例及び本発明に係る島状形状の配列状態
を示す一部説明図であり、(A)及び(B)はドットの
配列状態を示し、(C)はスリットの配列状態を示す説
明図である。
【図3】従来における三層複合シートを製造する際の積
層前の状態を示す説明図である。
【図4】逆R法によるシワ試験方法に用いる治具の斜視
図である。
【図5】逆R法によるシワ試験方法を説明する説明図で
ある。
【符号の説明】
1;軟質ポリウレタンフォームシート、2;裏基布、
3;二層複合シート、4;装飾用表皮材、5;接着剤、
51;ドット(接着剤島)、6;バッキング剤、61;
ドット(バッキング剤島)、8;三層複合シート、7
5;加熱ローラ。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浅野 元之 愛知県安城市今池町3丁目1番36号 株 式会社イノアックコーポレーション 安 城事業所内 (72)発明者 森山 文雄 佐賀県佐賀市本庄町末次454−33 (72)発明者 泉田 博志 福岡県大牟田市上白川町2−188 (56)参考文献 特開 平3−247446(JP,A) 特開 平5−329978(JP,A) 実開 平2−58930(JP,U) 実開 平1−76221(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00 A47C 27/00 - 31/12

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂製発泡軟質シートの一面上に表
    皮材を、その他面上に裏基布を接着することにより多層
    複合シートを製造する方法において、 上記表皮材の裏面側にはドット状、スリット状若しくは
    その他の島状に浸透性に優れるバッキング剤を塗布し乾
    燥する第1工程、上記合成樹脂製発泡軟質シートの上記
    一面上にドット状、スリット状若しくはその他の島状に
    接着剤を塗布し接着させる第2工程、上記合成樹脂製発
    泡軟質シートの上記他面上及び/又は上記裏基布の上面
    上に接着剤を塗布し接着させる第3工程を各々実施し、
    その後この工程後の乾燥された各シートを適宜組み合わ
    せて積層し加熱し冷却して、最終的に多層状態に接着す
    ることを特徴とする多層複合シートの製造方法。
  2. 【請求項2】 合成樹脂製発泡軟質シートの一面上に表
    皮材を、その他面上に裏基布を接着することにより多層
    複合シートを製造する方法において、 上記合成樹脂製発泡軟質シートと上記裏基布を予め接着
    して二層複合シートを製造し、該二層複合シートを構成
    する合成樹脂製発泡軟質シート表面上にドット状、スリ
    ット状若しくはその他の島状に接着剤を塗布し乾燥し、
    一方、上記表皮材の裏面側にはドット状、スリット状若
    しくはその他の島状に浸透性に優れるバッキング剤を塗
    布し乾燥し、これらを重ね合わせ、その後加熱し冷却さ
    せて接着することを特徴とする多層複合シートの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 上記合成樹脂製発泡軟質シート、上記表
    皮材及び上記裏基布は長尺状であり、これらを連続的に
    搬送することにより、連続的に積層し且つ連続的に加熱
    し冷却して接着する請求項1又は2記載の多層複合シー
    トの製造方法。
  4. 【請求項4】 上記バッキング剤は界面活性剤を含有し
    且つ粘度が3,000cps以下であり、上記接着剤は
    粘度が5,000cps以上である請求項1〜3記載の
    多層複合シートの製造方法。
  5. 【請求項5】 合成樹脂製発泡軟質シートと、該合成樹
    脂製発泡軟質シートの一面上に接着される表皮材と、該
    合成樹脂製発泡軟質シートの他面上に接着される裏基布
    とからなり、 上記合成樹脂製発泡軟質シートと上記表皮材とはドット
    状、スリット状若しくはその他の島状の多数の接着剤島
    により接着され、隣接する上記接着剤島間の間隔は2〜
    10mmであり、全ての接着剤島の占める割合は、上記
    合成樹脂製発泡軟質シート表面に対して20〜70%で
    あり、且つ上記表皮材の裏面側にはドット状、スリット
    状若しくはその他の島状の多数のバッキング剤島が形成
    されていることを特徴とする多層複合シート。
  6. 【請求項6】 上記合成樹脂製発泡軟質シートと上記表
    皮材との間の剥離強度は0.6〜0.9kg/25mm
    であり、通気度は50cc/cm2 /秒以上であり、逆
    R方法によるシワ試験評価は20〜50Rである請求項
    5記載の多層複合シート。
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