以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と呼ぶ)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の各実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
(実施形態)
〔1.はじめに〕
予約システムは、特定の利用者だけが利用可能な専用対象物(以下、財ともいう)を未来の時刻において利用する権利を保証する際に用いられる。財の利用希望者(以下、利用希望者と記載する場合がある)は、財の管理者(以下、管理者と記載する場合がある)に対して、財を利用する利用希望時間帯を申告する。また、管理者は、他の利用希望者とのコンフリクトが起きないよう予約と利用料金を確約する。
従来から、予約確定の方式には、FIFO(First-In-First-Out)方式(早期予約から順に確定する方式)や前日予約方式(期日前に予約を集計し、管理者が全体効率を見て予約を決定する方式)が存在する。しかしながら、従来の予約確定の方式では、利用希望者と管理者のメリット・デメリットは、しばしばトレードオフの関係にある。
例えば、FIFO方式では、利用希望者から利用希望時間帯を受け付けた順に利用時間に関する予約を確定させるため、利用希望者にとっては即時に予約と利用料金が確定するというメリットがある。一方、管理者にとっては、後から受け付けた利用希望時間帯をもっと早く受け付けていれば、機会損失を生じさせることなく、全体的に利益の高い利用スケジュールを決定することができたものの、確定した予約を変更することはできないため、全体的な利益をあきらめるしかないというデメリットが存在する。
また、前日予約方式では、個々の予約を集計してから全体の予約を一括で決めることから、管理者にとっては全体的に利益の高い利用スケジュールを決定することができる。一方、利用希望者にとっては、全員の予約希望が出そろうまで予約が確定しない方式のため、予約が確定するまでに時間がかかるというデメリットが存在する。また、まとめて受けた予約の中でもコンフリクトは起こりうる。
これに対し、本実施形態に係る情報処理装置100は、特定の利用者だけが利用可能な専用対象物の利用を希望する複数の利用希望者から、専用対象物の利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報および利用希望時間帯からの変更を許容する条件に関する変更許容情報を受け付ける。そして、情報処理装置100は、複数の利用希望者から受け付けた利用希望情報および変更許容情報に基づいて、複数の利用希望者それぞれが専用対象物を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。なお、本実施形態では、モビリティサービスにフォーカスするため、一例として、上述した専用対象物がオンデマンドバス(移動体の一例)である場合を例に挙げて説明する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者から利用希望情報とともに予約変更を許容する条件に関する変更許容情報を事前に収集することで、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、利用希望者と管理者の双方が損をしない利用スケジュールの決定を可能とする。
〔2.情報処理の概要〕
ここから、図1~図3を用いて、実施形態に係る情報処理の概要について説明する。図1~図3は、実施形態に係る情報処理の概要を示す説明図である。図1~図3では、情報処理装置100が、オンデマンドバス(以下、車両または移動体ともいう)に関するスケジュールを管理する場合を例に挙げて説明する。また、具体的には、情報処理装置100が、車両の利用を希望する3人の利用希望者X~Zから、出発地から目的地まで移動する車両の予約を順番に受け付ける。そして、情報処理装置100が、3人の利用希望者X~Zそれぞれが車両を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。図1~図3では、車両の乗り合いができず、特定の利用者のみが利用可能な車両の利用予約を行う場合について説明する。
まず、図1を用いて説明する。図1では、情報処理装置100が、一人目の利用希望者Xから車両の予約を受け付ける。具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Xから車両の予約を受け付ける際に、利用希望情報と譲渡コスト情報と拘束条件情報という3種類の情報を受け付ける。
利用希望情報は、車両の利用を希望する利用希望時間帯に関する情報を示す。具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Xから、利用希望情報の一例として、出発時刻「11:00」から到着時刻「11:05」までの利用希望時間帯を示す情報を受け付ける。また、利用希望情報は、車両の利用を希望する移動経路に関する要求情報を含んでよい。具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Xから、利用希望情報の一例として、出発地「A」から目的地「B」まで移動したいという要求情報を受け付ける。
譲渡コスト情報は、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯が利用希望時間帯からずれた場合に、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた時間の長さに応じて車両の利用料金から割り引かれる割引金額に関する情報を示す。具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Xから、譲渡コスト情報の一例として、利用時間帯が利用希望時間帯から5分ずれるごとに車両の利用料金から100円を割り引く割引金額を示す情報を受け付ける。
拘束条件情報は、利用希望時間帯からの変更が可能な変更可能時間帯に関する情報を示す。具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Xから、拘束条件情報の一例として、仮に利用時間帯が利用希望時間帯からずれるとしても、出発時刻が「11:00~11:20」の時間帯に収まるように車両を利用したいという情報を受け付ける。
情報処理装置100は、利用希望者Xから利用希望情報と譲渡コスト情報と拘束条件情報を受け付けると、車両の利用スケジュールの候補を決定する。図1の下段に示すように、情報処理装置100は、利用希望者Xの利用希望情報と拘束条件情報とに基づいて、利用希望者Xが車両を「11:00~11:05」の利用時間帯に利用するという利用スケジュールの候補を決定する。また、情報処理装置100は、利用希望者Xの利用希望情報と拘束条件情報とに基づいて、時刻「11:00」に車両の位置を「A」、時刻「11:05」に車両の位置を「B」に決定する。
次に、図2を用いて説明する。図2では、情報処理装置100が、二人目の利用希望者Yから車両の予約を受け付ける。図1と同様に、情報処理装置100は、利用希望者Yから車両の予約を受け付ける際に、利用希望情報と譲渡コスト情報と拘束条件情報という3種類の情報を受け付ける。
具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Yから、利用希望情報の一例として、出発時刻「11:00」から到着時刻「11:15」までの利用希望時間帯を示す情報を受け付ける。また、情報処理装置100は、利用希望者Yから、利用希望情報の一例として、出発地「C」から目的地「D」まで移動したいという要求情報を受け付ける。
また、情報処理装置100は、利用希望者Yから、譲渡コスト情報の一例として、利用時間帯が利用希望時間帯から5分ずれるごとに車両の利用料金から200円を割り引く割引金額を示す情報を受け付ける。
また、情報処理装置100は、利用希望者Yから、拘束条件情報の一例として、出発時刻が「11:10~11:15」の時間帯に収まるように車両を利用したいという情報を受け付ける。
情報処理装置100は、利用希望者Yから利用希望情報と譲渡コスト情報と拘束条件情報を受け付けると、車両の利用スケジュールの候補を決定する。具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Yから利用希望情報と拘束条件情報を受け付けると、利用希望者Yから受け付けた利用希望情報および拘束条件情報と、利用希望者Xから受け付けた利用希望情報および拘束条件情報とを集約する。続いて、情報処理装置100は、集約した利用希望情報および拘束条件情報に基づいて、利用希望者Xと利用希望者Yそれぞれが車両を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
より具体的には、情報処理装置100は、集約した利用希望情報および拘束条件情報に基づいて、利用希望者Xが車両を「11:00~11:05」の利用時間帯に利用し、利用希望者Yが車両を「11:10~11:15」の利用時間帯に利用するという利用スケジュールの候補を決定する。また、情報処理装置100は、集約した利用希望情報および拘束条件情報に基づいて、時刻「11:00」に車両の位置を「A」、時刻「11:05」に車両の位置を「B」、時刻「11:10」に車両の位置を「C」、時刻「11:15」に車両の位置を「D」に決定する。
次に、図3を用いて説明する。図3では、情報処理装置100が、三人目の利用希望者Zから車両の予約を受け付ける。図1および図2と同様に、情報処理装置100は、利用希望者Zから車両の予約を受け付ける際に、利用希望情報と譲渡コスト情報と拘束条件情報という3種類の情報を受け付ける。
具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Zから、利用希望情報の一例として、出発時刻「11:10」から到着時刻「11:15」までの利用希望時間帯を示す情報を受け付ける。また、情報処理装置100は、利用希望者Zから、利用希望情報の一例として、出発地「B」から目的地「C」まで移動したいという要求情報を受け付ける。
また、情報処理装置100は、利用希望者Zから、譲渡コスト情報の一例として、利用時間帯が利用希望時間帯から5分ずれるごとに車両の利用料金から300円を割り引く割引金額を示す情報を受け付ける。
また、情報処理装置100は、利用希望者Zから、拘束条件情報の一例として、出発時刻が「11:10」となるように車両を利用したいという情報を受け付ける。すなわち、情報処理装置100は、利用希望者Zから、拘束条件情報の一例として、利用希望時間帯からの変更が可能な変更可能時間帯が存在しない(利用希望時間帯からの変更が変更不可能である)という情報を受け付ける。
情報処理装置100は、利用希望者Zから利用希望情報と譲渡コスト情報と拘束条件情報を受け付けると、車両の利用スケジュールの候補を決定する。具体的には、情報処理装置100は、利用希望者Zから利用希望情報と拘束条件情報を受け付けると、利用希望者Zから受け付けた利用希望情報および拘束条件情報と、利用希望者Xから受け付けた利用希望情報および拘束条件情報と、利用希望者Yから受け付けた利用希望情報および拘束条件情報とを集約する。続いて、情報処理装置100は、集約した利用希望情報および拘束条件情報に基づいて、利用希望者Xと利用希望者Yと利用希望者Zそれぞれが車両を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
より具体的には、情報処理装置100は、集約した利用希望情報および拘束条件情報に基づいて、利用希望者Xが車両を「11:00~11:05」の利用時間帯に利用し、利用希望者Yが車両を「11:15~11:20」の利用時間帯に利用し、利用希望者Zが車両を「11:10~11:15」の利用時間帯に利用するという利用スケジュールの候補を決定する。また、情報処理装置100は、集約した利用希望情報および拘束条件情報に基づいて、時刻「11:00」に車両の位置を「A」、時刻「11:05」に車両の位置を「B」、時刻「11:10」に車両の位置を「B」、時刻「11:15」に車両の位置を「C」、時刻「11:20」に車両の位置を「D」に決定する。
続いて、情報処理装置100は、利用スケジュールの候補を決定すると、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用希望者Yを特定する。続いて、情報処理装置100は、利用希望者Yを特定すると、利用希望者Yから受け付けた譲渡コスト情報を取得する。続いて、情報処理装置100は、利用希望者Yから受け付けた譲渡コスト情報に基づいて、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた時間の長さに応じて利用希望者Yの車両の利用料金から割り引かれる割引金額を決定する。例えば、情報処理装置100は、利用希望者Yの利用時間帯の出発時刻「11:15」が利用希望者Yから受け付けた利用希望時間帯の出発時刻「11:10」から5分ずれたので、利用希望者Yから受け付けた譲渡コスト情報に基づいて、利用希望者Yの車両の利用料金から割り引かれる割引金額を「200円」に決定する。なお、割引金額は、利用希望者Yにとっての予約変更のインセンティブととらえることができる。また、利用時間帯を利用希望時間帯からずらすことは、利用希望者Yにとっては、他の利用希望者に対して利用希望時間帯を譲渡することととらえることができる。
また、情報処理装置100は、利用希望者Yの割引金額「200円」を後から予約をした利用希望者Zの利用料金に上乗せしてよい。例えば、情報処理装置100は、図3に示す利用スケジュールの候補を決定すると、利用希望者Zに対して「利用希望時間帯の希望を通すには、追加料金が200円かかります。」といった内容のメッセージを通知してよい。情報処理装置100は、利用希望者Zから追加料金の承諾を受け付ける。情報処理装置100は、利用希望者Zから追加料金の承諾を受け付けた後、新たな予約を受け付けなかったとする。この場合、情報処理装置100は、車両の利用開始時刻から所定時間前(例えば、12時間前など)になると、図3に示す利用スケジュールの候補を確定した利用スケジュールに決定する。
上述したように、情報処理装置100は、複数の利用者希望者X~Zから利用希望情報とともに、予約変更を許容する条件に関する変更許容情報(拘束条件情報と譲渡コスト情報)を事前に収集することで、複数の利用者希望者X~Zの予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。例えば、従来のFIFO方式であれば、図2に示すように二人目の利用者希望者Yの利用時間帯が「11:10~11:15」に決まった後に、図3に示すように三人目の利用者希望者Zから「11:10~11:15」を受け付けた場合、三人目の利用者希望者Zの利用希望時間帯と二人目の利用者希望者Yの利用時間帯とがコンフリクトするため、三人目の利用者希望者Zの予約を受け付けることができない。このように、従来のFIFO方式では、複数の利用者希望者X~Zの予約に関するスケジュールを柔軟に変更することができない。その結果、三人目の利用者希望者Zは予約を通すことができず、管理者は予約機会を損失することとなる。したがって、従来のFIFO方式では、利用希望者と管理者の双方が損をすることとなる。なお、前日予約方式でも、コンフリクトを解消することはできないため、利用希望者と管理者の双方が損をする可能性がある。
一方、情報処理装置100は、図2に示すように二人目の利用者希望者Yの利用時間帯が「11:10~11:15」に決まった後に、図3に示すように三人目の利用者希望者Zから「11:10~11:15」を受け付けた場合、利用者希望者Yから受け付けた変更許容情報(拘束条件情報と譲渡コスト情報)に基づいて、二人目の利用者希望者Yの利用時間帯を「11:15~11:20」にずらすことができる。これにより、情報処理装置100は、三人目の利用者希望者Zの利用時間帯を「11:10~11:15」として予約を受け付けることを可能にする。また、情報処理装置100は、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用者希望者Yに対しては、予約変更のインセンティブとして、利用料金からずれた時間の長さに応じた割引料金を割り引く。これにより、情報処理装置100は、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用者希望者Yに対しても、予約が変更されたことによるデメリットを割引料金のメリットによって相殺することができる。このように、情報処理装置100は、複数の利用者希望者X~Zの予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、利用希望者と管理者の双方が損をしない利用スケジュールの決定を可能とする。
〔3.情報処理システムの構成〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報処理システムの構成について説明する。図4は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。情報処理システム1には、利用者装置10と、移動体装置20と、情報処理装置100とが含まれてよい。利用者装置10と、移動体装置20と、情報処理装置100とは所定のネットワークNを介して、有線または無線により通信可能に接続されてよい。なお、情報処理システム1には、任意の数の利用者装置10と任意の数の移動体装置20と任意の数の情報処理装置100とが含まれてもよい。
利用者装置10は、情報処理装置100によって提供されるオンデマンドバス(移動体の一種)の配車サービスを利用する利用者によって使用される情報処理装置である。利用者装置10は、例えば、スマートフォンや、タブレット型端末や、ノート型PC(Personal Computer)や、デスクトップPCや、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等により実現される。また、利用者装置10は、情報処理装置100によって提供されるオンデマンドバスの配車サービスに関する情報(例えば、配車依頼を行う際に利用者装置10の画面に表示される情報)をウェブブラウザやアプリケーションにより表示する。本実施形態では、利用者装置10は、情報処理装置100によって提供されるオンデマンドバスの配車サービスに関する情報をアプリケーション(以下、配車アプリともいう)により表示する。
移動体装置20は、情報処理装置100によって提供されるオンデマンドバスの運行情報を管理する情報処理装置である。移動体装置20は、情報処理装置100から車両の運行スケジュール(車両の利用スケジュール)を受信する。移動体装置20は、車両の運行スケジュールを受信すると、受信した運行スケジュールに基づいて、車両を運行させる。
次に、実施形態に係る情報処理装置100の構成について説明する。情報処理装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有してよい。なお、情報処理装置100は、情報処理装置100の管理者等から各種操作を受け付ける入力部(例えば、キーボードやマウス等)や、各種情報を表示させるための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)を有してもよい。
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。そして、通信部110は、ネットワークと有線または無線で接続され、例えば、利用者装置10や移動体装置20との間で情報の送受信を行う。
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。例えば、記憶部120は、利用者装置10から取得した予約情報、譲渡コスト情報、および拘束条件情報を記憶する。
(利用者情報記憶部121)
利用者情報記憶部121は、利用者に関する各種の情報を記憶する。図5は、実施形態に係る利用者情報記憶部121の一例を説明する図である。図5に示す例では、利用者情報記憶部121は、「利用者ID」、「氏名」といった項目を有する。「利用者ID」は、利用者を識別する識別情報を示す。「氏名」は、利用者の氏名を示す。
(移動体情報記憶部122)
移動体情報記憶部122は、移動体に関する各種の情報を記憶する。図6は、実施形態に係る移動体情報記憶部122の一例を説明する図である。図6に示す例では、移動体情報記憶部122は、「移動体ID」、「名称」といった項目を有する。「移動体ID」は、移動体を識別する識別情報を示す。「名称」は、移動体の名称を示す。
(予約情報記憶部123)
予約情報記憶部123は、利用者から受け付けた予約に関する各種の情報を記憶する。図7は、実施形態に係る予約情報記憶部123の一例を説明する図である。図7に示す例では、予約情報記憶部123は、「予約ID」、「利用者ID」、「確定状況」、「予約情報」、「利用料金(円)」、「割引金額(円)」といった項目を有する。
「予約ID」は、予約を識別する識別情報を示す。「利用者ID」は、予約を行った利用者を識別する識別情報を示す。「確定状況」は、予約の確定状況を示す。例えば、確定状況「False」は、予約が確定していない状況であることを示す。また、確定状況「True」は、予約が確定した状況であることを示す。「予約情報」は、移動体の利用に関する予約の内容を示す。例えば、予約ID「A1」で識別される予約の内容は、(R1、2)、(R1、3)、(R4、2)、(R4、3)で示す4つの予約情報の集合によって示される。なお、(R1、2)、(R1、3)、(R4、2)、(R4、3)で示す4つの予約情報の集合は、後述する図8の「A1」で示すスポットの集合に対応する。例えば、(R1、2)は、移動体ID「R1」で識別される移動体を時刻インデックス「2」の時刻に利用する予約を示す。また、(R1、3)は、移動体ID「R1」で識別される移動体を時刻インデックス「3」の時刻に利用する予約を示す。また、(R4、2)は、移動体ID「R4」で識別される移動体を時刻インデックス「2」の時刻に利用する予約を示す。また、(R4、3)は、移動体ID「R4」で識別される移動体を時刻インデックス「3」の時刻に利用する予約を示す。「利用料金(円)」は、移動体の利用料金(基本料金)の金額を示す。「割引金額(円)」は、移動体の利用料金から割り引かれる割引金額を示す。
次に、図8を用いて、実施形態に係るスポットテーブルについて説明する。図8は、実施形態に係るスポットテーブルについて説明するための図である。ここで、スポットテーブルとは、特定の利用者だけが利用可能な専用対象物(例えば、配車サービスによって配車される移動体)の利用予約に関する予約状況を2次元の格子状のテーブルによって表現したものである。具体的には、スポットテーブルは、横軸に単位時間ごとに区分された時刻の区間(時間帯ともいう)、縦軸に専用対象物が並べられた格子状のテーブルである。情報処理装置100は、スポットテーブルの形式で予約情報を予約情報記憶部123に格納してよい。
スポットテーブルの横軸の区間は、それぞれ専用対象物を利用する時間帯を示す。スポットテーブルの横軸の区間は、それぞれ時刻インデックス「t」によって識別される。図8に示すスポットテーブルの横軸の8つの区間は、それぞれ時刻インデックス「t=1」~「t=8」で識別される8つの時間帯を示す。例えば、時刻インデックス「t=1」で識別される区間は、「10:00~11:00」の時間帯を示す。また、時刻インデックス「t=2」で識別される区間は、「11:00~12:00」の時間帯を示す。なお、時刻インデックスで識別される横軸の区間の長さは、1時間に限られない。例えば、時刻インデックスで識別される横軸の区間の長さは、10分ごとや30分ごとといった単位時間であってもよい。
スポットテーブルの縦軸の区間は、利用予約の対象となる専用対象物を示す。スポットテーブルの縦軸の区間は、それぞれ専用対象物を識別可能な識別情報によって識別される。図8に示すスポットテーブルの縦軸の4つの区間は、それぞれ移動体ID「R1」~「R4」で識別される4つの移動体を示す。例えば、移動体ID「R1」で識別される区間は、移動体ID「R1」で識別される移動体を示す。また、移動体ID「R2」で識別される区間は、移動体ID「R2」で識別される移動体を示す。
スポットテーブルの各格子(または格子の集合)は、ある時間帯における専用対象物の利用に関する1つの予約を表す。以下では、スポットテーブルの各格子(または格子の集合)のことを「スポット」と記載する場合がある。例えば、図8の「A4」で示すスポットは、時刻インデックス「t=1」で識別される時間帯に移動体ID「R1」で識別される移動体を利用する利用予約を示す。また、図8の「A4」で示すスポットは、図7で説明した予約ID「A4」で識別される予約に対応する。
また、図8の「A1」で示すスポットは、時刻インデックス「t=2」で識別される時間帯に移動体ID「R1」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットと、時刻インデックス「t=3」で識別される時間帯に移動体ID「R1」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットと、時刻インデックス「t=2」で識別される時間帯に移動体ID「R4」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットと、時刻インデックス「t=3」で識別される時間帯に移動体ID「R4」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットの集合を示す。また、図8の「A1」で示すスポットは、図7で説明した予約ID「A1」で識別される予約に対応する。
また、図8の「A2」で示すスポットは、時刻インデックス「t=2」で識別される時間帯に移動体ID「R3」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットと、時刻インデックス「t=3」で識別される時間帯に移動体ID「R3」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットと、時刻インデックス「t=4」で識別される時間帯に移動体ID「R3」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットの集合を示す。また、図8の「A2」で示すスポットは、図7で説明した予約ID「A2」で識別される予約に対応する。
また、図8の「A3」で示すスポットは、時刻インデックス「t=6」で識別される時間帯に移動体ID「R1」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットと、時刻インデックス「t=6」で識別される時間帯に移動体ID「R2」で識別される移動体を利用する利用予約を示すスポットの集合を示す。また、図8の「A3」で示すスポットは、図7で説明した予約ID「A3」で識別される予約に対応する。
(譲渡コスト情報記憶部124)
譲渡コスト情報記憶部124は、譲渡コストに関する各種の情報を記憶する。図9は、実施形態に係る譲渡コスト情報記憶部124の一例を説明する図である。図9に示す例では、譲渡コスト情報記憶部124は、「譲渡コストID」、「予約ID」、「譲渡コスト情報」といった項目を有する。
「譲渡コストID」は、譲渡コストを識別する識別情報を示す。「予約ID」は、予約を識別する識別情報を示す。「譲渡コスト情報」は、譲渡コスト情報の具体的な内容を示す。「譲渡コスト情報」は、文章、数式、または論理言語などによって記述される。
図9に示す例では、譲渡コストID「T1」で識別される譲渡コストは、予約ID「A1」で識別される予約に関するものであることを示す。また、譲渡コストID「T1」で識別される譲渡コストの具体的な内容は、利用開始時刻が時刻インデックス「t=2」で識別される時間帯からずれるごとに移動体の利用料金から単位時間あたり100円が割り引かれることを示す。
(拘束条件情報記憶部125)
拘束条件情報記憶部125は、拘束条件に関する各種の情報を記憶する。図10は、実施形態に係る拘束条件情報記憶部125の一例を説明する図である。図10に示す例では、拘束条件情報記憶部125は、「拘束条件ID」、「予約ID」、「拘束条件情報」といった項目を有する。
「拘束条件ID」は、拘束条件を識別する識別情報を示す。「予約ID」は、予約を識別する識別情報を示す。「拘束条件情報」は、拘束条件情報の具体的な内容を示す。「拘束条件情報」は、文章、数式、または論理言語などによって記述される。
図9の1レコード目に示す例では、拘束条件ID「C1」で識別される拘束条件は、予約ID「A1」で識別される予約に関するものであることを示す。また、拘束条件ID「C1」で識別される拘束条件の具体的な内容は、移動体ID「R1」で識別される移動体と移動体ID「R4」で識別される移動体を連続する同じ時間帯にそれぞれ利用することを示す。
図9の2レコード目に示す例では、拘束条件ID「C2」で識別される拘束条件は、予約ID「A2」で識別される予約に関するものであることを示す。また、拘束条件ID「C2」で識別される拘束条件の具体的な内容は、一つの移動体を、時刻インデックス「t=2」~「t=4」で識別される連続する3つの時間帯に利用することを示す。
(制御部130)
図4の説明に戻る。制御部130は、コントローラ(controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)等によって、情報処理装置100内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部130は、コントローラであり、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現される。
制御部130は、受付部131と、決定部132と、通知部133と、管理部134とを機能部として有し、以下に説明する情報処理の作用を実現または実行する。なお、制御部130の内部構成は、図4に示した構成に限られず、後述する情報処理を行う構成であれば他の構成であってもよい。また、各機能部は、制御部130の機能を示したものであり、必ずしも物理的に区別されるものでなくともよい。
(受付部131)
受付部131は、利用希望者から移動体の利用予約を受け付ける。具体的には、受付部131は、利用希望者の利用者装置10から移動体の利用予約に関する予約情報を受け付ける。より具体的には、受付部131は、予約情報の一例として、移動体の利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報を受け付ける。例えば、受付部131は、利用希望情報の一例として、利用希望時間帯に対応する希望スポットに関する情報を受け付ける。また、受付部131は、予約情報の一例として、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯が利用希望時間帯からずれた場合に、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた時間の長さに応じて車両の利用料金から割り引かれる割引金額に関する譲渡コスト情報を受け付ける。また、受付部131は、予約情報の一例として、利用希望時間帯からの変更が可能な変更可能時間帯に関する拘束条件情報を受け付ける。
(決定部132)
決定部132は、受付部131が予約情報を受け付けると、受け付けた予約情報と既存の予約情報とに基づいて、複数の利用希望者それぞれが移動体を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。具体的には、決定部132は、受付部131が予約情報を受け付けると、予約情報記憶部123を参照して、予約情報記憶部123に格納された既存の予約情報を取得する。続いて、決定部132は、既存の予約情報を取得すると、受付部131が受け付けた予約情報と既存の予約情報とを集約する。より具体的には、決定部132は、受付部131が受け付けた希望スポットに関する情報と既存の予約スポットに関する情報(以下、スポット情報ともいう)を取得する。
続いて、決定部132は、スポット情報を取得すると、注目する希望スポットについて、スポットテーブル上の既存の予約スポット群(以下、既存スポット群ともいう)を移動させながら、利用スケジュールの候補を決定する。より具体的には、決定部132は、注目する希望スポットについて、スポットテーブル上の既存スポット群を移動させて、所定の条件を満たすスポットの集合を決定する。決定部132は、所定の条件を満たすスポットの集合を決定することで、複数の利用希望者それぞれが移動体を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
例えば、決定部132は、所定の条件の一例として、全てのスポットが互いにコンフリクトしないという条件を満たすスポットの集合を決定する。言い換えると、決定部132は、一つの移動体を同じ時間帯に利用する利用希望者が多くとも一人となるという条件を満たすスポットの集合を決定する。また、決定部132は、所定の条件の一例として、全てのスポットがそれぞれの拘束条件を満たすスポットの集合を決定する。
また、決定部132は、所定の条件の一例として、移動させた既存スポット群に対して譲渡コスト(割引金額)の合計と実施コストの増分とを加算した金額である総コストが最小となるという条件を満たすスポットの集合を決定する。ここで、実施コストとは、スポットテーブル通りに予約を実施する際に、管理者が負担するコスト(例えば、移動体の移動コストなど)に関する情報を指す。例えば、連続する2つの利用時間帯に移動体を利用したい場合、連続する2つの利用時間帯に同じ移動体を続けて利用するのにかかる移動コストよりも、一つ目の利用時間帯と二つ目の利用時間帯とで異なる移動体を利用するのにかかる移動コストの方が高くなる。すなわち、移動体の移動コストを小さくするには、同じ移動体を連続する利用時間帯に利用するようにスポットを決定する必要がある。つまり、決定部132は、所定の条件の一例として、複数の利用希望者それぞれの利用時間帯同士の間に生じる空白の時間帯が少なくなるように、スポットの集合を決定する。
続いて、決定部132は、利用スケジュールの候補を決定すると、総コストを希望スポットに対する価格として決定する。また、決定部132は、希望スポットに対する価格を決定するとともに、その時の既存スポット群に対応する各々の移動と譲渡コスト(利用希望者のインセンティブ)に関する情報を保持する。
また、決定部132は、移動体の利用が開始される利用開始時刻から所定時間前になると、利用スケジュールの候補のうち少なくともいずれか一つを確定した利用スケジュールに決定する。例えば、決定部132は、最後の利用希望者から受け付けた希望スポットを含む利用スケジュールの候補を確定した利用スケジュールに決定する。
(通知部133)
通知部133は、決定部132によって決定された利用スケジュールの候補それぞれに対応する希望スポットと希望スポットの価格に関する情報を利用希望者に通知する。具体的には、通知部133は、決定部132によって決定された利用スケジュールの候補それぞれに対応する希望スポットと希望スポットの価格に関する情報を利用者装置10に送信する。
また、通知部133は、決定部132によって確定した利用スケジュールが決定された場合に、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用希望者に対して、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯に関する利用情報を通知する。例えば、通知部133は、利用情報として、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯が利用希望時間帯からずれた時間の長さに応じて移動体の利用料金から割り引かれる割引金額に関する情報を通知する。
(管理部134)
管理部134は、決定部132によって確定した利用スケジュールが決定された場合に、予約情報記憶部123の予約情報を更新する。また、管理部134は、決定部132によって確定した利用スケジュールに基づいて、予約処理を実行する。
次に、図11~図17を用いて、実施形態に係る情報処理の一例について説明する。図11~図17は、実施形態に係る情報処理の一例を示す説明図である。図11~図17では、車両の乗り合いができ、特定の利用者のみが利用可能な座席の利用予約を行う点が図1~図3と異なる。
まず、図11を用いて説明する。図11は、車両の座席ごとのスポットテーブルを示す。図11では、受付部131が、スポットテーブルのうち斜線で示すスポットA1の利用予約を受け付ける。図11に示すように、受付部131は、スポットA1の利用予約として、利用希望時間帯「10:00~10:10」に車1の座席1を利用したいという利用予約を受け付ける。また、受付部131は、スポットA1の利用希望者から、スポットA1の利用予約とともに、出発地「A」から目的地「B」まで移動したいという要求情報を受け付ける。
また、図11では、受付部131が、スポットテーブルのうち斜め格子模様で示すスポットA2の利用予約を受け付ける。図11に示すように、受付部131は、スポットA2の利用予約として、利用希望時間帯「10:10~10:30」に車1の座席2を利用したいという利用予約を受け付ける。また、受付部131は、スポットA2の利用希望者から、スポットA2の利用予約とともに、出発地「B」から目的地「C」まで移動したいという要求情報を受け付ける。
次に、図12を用いて説明する。図12には、図11に示したスポットA1の利用予約とスポットA2の利用予約の後に、新たな利用希望者(以下、新規予約者ともいう)が車両の利用予約に関する予約情報を入力する入力画面G1が利用者装置10の画面に表示されている。
図12に示すように、利用者装置10は、出発地を入力する入力フィールドG11、目的地を入力する入力フィールドG12、出発時刻を入力する入力フィールドG13、目的時刻を入力する入力フィールドG14、車種を指定するフィールドG15、および相乗りの許容可否を入力するチェックボックスG16を含む入力画面G1を表示する。利用者装置10は、新規予約者の操作に従って、入力画面G1に入力された予約情報を情報処理装置100に送信する。
図12に示す例では、受付部131は、出発時刻「10:20」のみが指定された利用時間帯に車両を利用したいという利用予約に関する予約情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、予約情報とともに、出発地「B」から目的地「D」まで移動したいという要求情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、車種の指定はしないという情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、相乗りは不可であるという情報を新規予約者から受け付ける。
次に、図13を用いて説明する。図13は、図12で説明した新規予約者の希望スポットの候補(以下、希望スポット候補ともいう)を図11で説明したスポットテーブルに重ねて表示したものである。図13に示す例では、希望スポット候補が2つ存在する。
例えば、決定部132は、希望スポット候補A3-2については、既存のスポットとコンフリクトしないと判定する。決定部132は、コンフリクトしないと判定すると、希望スポット候補A3-2を(新規予約者に対して提示するスポットとして)決定する。決定部132は、希望スポット候補A3-2を決定すると、希望スポット候補A3-2の価格(あらかじめ設定された利用料金)に関する情報を取得する。通知部133は、決定部132によって決定された希望スポット候補A3-2と希望スポット候補A3-2の価格に関する情報を新規予約者に通知する。
一方、決定部132は、希望スポット候補A3-1については、既存のスポットA2とコンフリクトすると判定する。決定部132は、既存のスポットA2とコンフリクトすると判定すると、スポットA2の利用希望者の拘束条件情報および譲渡コスト情報に基づいて、スポットA2の移動が可能か否かを判定する。決定部132は、スポットA2の移動が可能であると判定した場合には、スポットA2の利用希望者の譲渡コスト情報に基づいて、希望スポット候補A3-1の価格を決定する。通知部133は、決定部132によって決定された希望スポット候補A3-1と希望スポット候補A3-1の価格に関する情報を新規予約者に通知する。
次に、図14を用いて説明する。図14には、図11に示したスポットA1の利用予約とスポットA2の利用予約の後に、新規予約者が車両の利用予約に関する予約情報を入力する入力画面G2が利用者装置10の画面に表示されている。図14に示す入力画面G2は、出発時刻を入力する入力フィールドG23に「10:20以降」と入力されている点が図12に示す入力画面G1と異なる。利用者装置10は、新規予約者の操作に従って、入力画面G2に入力された予約情報を情報処理装置100に送信する。
図14に示す例では、受付部131は、出発時刻「10:20以降」のみが指定された利用時間帯に車両を利用したいという利用予約に関する予約情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、予約情報とともに、出発地「B」から目的地「D」まで移動したいという要求情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、車種の指定はしないという情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、相乗りは不可であるという情報を新規予約者から受け付ける。
次に、図15を用いて説明する。図15は、図14で説明した新規予約者の希望スポット候補を図11で説明したスポットテーブルに重ねて表示したものである。図15に示す例では、希望スポット候補が8つ存在する。
例えば、決定部132は、希望スポット候補A3-51~希望スポット候補A3-55については、既存のスポットとコンフリクトしないと判定する。決定部132は、コンフリクトしないと判定すると、希望スポット候補A3-51~希望スポット候補A3-55を(新規予約者に対して提示するスポットとして)決定する。決定部132は、希望スポット候補A3-51~希望スポット候補A3-55を決定すると、希望スポット候補A3-51~希望スポット候補A3-55それぞれの価格(あらかじめ設定された利用料金)に関する情報を取得する。通知部133は、決定部132によって決定された希望スポット候補A3-51~希望スポット候補A3-55と希望スポット候補A3-51~希望スポット候補A3-55の価格に関する情報を新規予約者に通知する。
一方、決定部132は、希望スポット候補A3-41と希望スポット候補A3-42については、既存のスポットA1およびA2と直接的にはコンフリクトしないものの、車両の移動時間を考慮すると、既存のスポットA2と間接的にコンフリクトすると判定する。決定部132は、既存のスポットA2と間接的にコンフリクトすると判定すると、スポットA2の利用希望者の拘束条件情報および譲渡コスト情報に基づいて、スポットA2の移動が可能か否かを判定する。決定部132は、スポットA2の移動が可能であると判定した場合には、スポットA2の利用希望者の譲渡コスト情報に基づいて、希望スポット候補A3-41および希望スポット候補A3-42の価格を決定する。通知部133は、決定部132によって決定された希望スポット候補A3-41および希望スポット候補A3-42と、希望スポット候補A3-41および希望スポット候補A3-42の価格に関する情報を新規予約者に通知する。
また、一方、決定部132は、希望スポット候補A3-3については、既存のスポットA2とコンフリクトすると判定する。決定部132は、既存のスポットA2とコンフリクトすると判定すると、スポットA2の利用希望者の拘束条件情報および譲渡コスト情報に基づいて、スポットA2の移動が可能か否かを判定する。決定部132は、スポットA2の移動が可能であると判定した場合には、スポットA2の利用希望者の譲渡コスト情報に基づいて、希望スポット候補A3-3の価格を決定する。通知部133は、決定部132によって決定された希望スポット候補A3-3と希望スポット候補A3-3の価格に関する情報を新規予約者に通知する。
次に、図16を用いて説明する。図16には、図11に示したスポットA1の利用予約とスポットA2の利用予約の後に、新規予約者が車両の利用予約に関する予約情報を入力する入力画面G3が利用者装置10の画面に表示されている。図16に示す入力画面G3は、相乗りの許容可否を入力するチェックボックスG36にチェックが入力されている点が図12に示す入力画面G1と異なる。利用者装置10は、新規予約者の操作に従って、入力画面G3に入力された予約情報を情報処理装置100に送信する。
図16に示す例では、受付部131は、出発時刻「10:20」のみが指定された利用時間帯に車両を利用したいという利用予約に関する予約情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、予約情報とともに、出発地「B」から目的地「D」まで移動したいという要求情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、車種の指定はしないという情報を新規予約者から受け付ける。また、受付部131は、相乗りは可能であるという情報を新規予約者から受け付ける。
次に、図17を用いて説明する。図17は、図16で説明した新規予約者の希望スポット候補を図11で説明したスポットテーブルに重ねて表示したものである。図17に示す例では、希望スポット候補が座席単位で4つ存在する。
例えば、決定部132は、希望スポット候補A6-1~希望スポット候補A6-4については、座席単位で既存のスポットとコンフリクトしないと判定する。決定部132は、コンフリクトしないと判定すると、希望スポット候補A6-1~希望スポット候補A6-4を(新規予約者に対して提示するスポットとして)決定する。決定部132は、希望スポット候補A6-1~希望スポット候補A6-4を決定すると、希望スポット候補A6-1~希望スポット候補A6-4それぞれの価格(あらかじめ設定された座席の利用料金)に関する情報を取得する。通知部133は、決定部132によって決定された希望スポット候補A6-1~希望スポット候補A6-4と希望スポット候補A6-1~希望スポット候補A6-4の価格に関する情報を新規予約者に通知する。
〔4.情報処理の手順〕
次に、図18を用いて、実施形態に係る情報処理の手順について説明する。図18は、実施形態に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図18に示すように、利用者装置10-1は、これから新規予約をする利用者(以下、新規予約者ともいう)の操作に従って、予約用媒体にアクセスする(ステップS101)。利用者装置10-1は、予約用媒体にアクセスすると、新規予約者の操作に従って、車両(移動体の一種)の利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報の入力を受け付ける(ステップS102)。利用者装置10-1は、利用希望情報の入力を受け付けると、利用希望時間帯に対応する希望スポットの価格を情報処理装置100に問い合わせる(ステップS103)。
受付部131は、希望スポットの価格の問い合わせを受け付ける。決定部132は、受付部131が希望スポットの価格の問い合わせを受け付けると、問い合わせに係る希望スポットに関する情報と既存の予約スポットに関する情報を集約する(ステップS104)。決定部132は、問い合わせに係る希望スポットに関する情報と既存の予約スポットに関する情報を集約すると、スポットテーブル上で希望スポットを移動させながら、各希望スポットの価格を計算する(ステップS105)。決定部132は、各希望スポットの価格を計算すると、計算結果をキャッシュする(ステップS106)。通知部133は、計算結果をキャッシュすると、各希望スポットの価格が表示された画面を利用者装置10-1に表示させる(ステップS107)。
新規予約者は、利用者装置10-1の画面に表示された各希望スポットの価格と価値が釣り合うか価値判断をする(ステップS108)。新規予約者によって、各希望スポットの価格と価値が釣り合わないと判断された場合(ステップS108;No)、予約不成立となる(ステップS115)。
一方、新規予約者によって、希望スポットの価格と価値が釣り合うと判断された場合(ステップS108;Yes)、利用者装置10-1は、新規予約者から予約スポットの決定操作を受け付ける(ステップS109)。続いて、利用者装置10-1は、新規予約者から、インセンティブ(譲渡コスト情報)と時刻保証(拘束条件情報)の決定操作を受け付ける(ステップS110)。利用者装置10-1は、予約スポットとインセンティブ(譲渡コスト情報)と時刻保証(拘束条件情報)の決定操作を受け付けると、予約スポットとインセンティブ(譲渡コスト情報)と時刻保証(拘束条件情報)に関する情報とともに、予約スポットに関する予約の要求を情報処理装置100に対して送信する(ステップS111)。
受付部131は、予約スポットに関する予約の要求を利用者装置10-1から受け付ける。管理部134は、受付部131が予約スポットに関する予約の要求を受け付けると、予約スポットに関する予約処理を実行する(ステップS112)。また、管理部134は、予約処理を実行するとともに、予約情報記憶部123の予約情報を更新する。
通知部133は、管理部134が予約情報を更新すると、予約が成立したことを示す画面(予約成立画面)を利用者装置10-1に表示させる(ステップS113)。利用者装置10-1は、予約成立画面を表示する。利用者装置10-1が予約成立画面を表示した後に、新規予約者から予約の変更やキャンセルの申請がないまま所定時間が経過すると、予約が成立する(ステップS114)。
また、通知部133は、管理部134が予約情報を更新すると、既に予約が済んでいる利用者(以下、既予約者ともいう)のうち、新規予約者の予約により、既にした予約の内容が変更された利用者の利用者装置10-2に対して、予約スポットの変更およびインセンティブ(利用料金の割引金額)付与に関する予約変更通知を送信する(ステップS116)。利用者装置10-2は、予約変更通知を情報処理装置100から受信する(ステップS117)。利用者装置10-2は、予約変更通知を受信すると、予約変更通知を画面に表示する(ステップS118)。
利用者装置10-2は、予約変更通知を画面に表示すると、画面を閲覧した既予約者の操作に従って、予約用媒体にアクセスする(ステップS119)。利用者装置10-2は、予約用媒体にアクセスすると、既予約者の操作に従って、変更後の予約スポットおよびインセンティブ(利用料金の割引金額)を確認する(ステップS120)。
〔5.変形例〕
上述した実施形態では、情報処理装置100が、利用希望者によって決定された譲渡コスト情報および拘束条件情報を受け付ける例について説明したが、情報処理装置100が譲渡コスト情報および拘束条件情報を決定してもよい。ここから、図19を用いて、変形例に係る情報処理の概要について説明する。図19は、変形例に係る情報処理の概要を示す説明図である。
図19の上段は、上述した実施形態に係る情報処理の概要を示す。図19の上段に示す例では、情報処理装置100が、移動体IDと移動体の利用希望時間帯に関する利用希望情報を利用希望者から受け付ける。情報処理装置100は、利用希望情報を受け付けると、利用スケジュールの候補を決定し、決定した利用スケジュールの候補それぞれに対応する希望スポットと希望スポットの価格に関する情報を利用希望者に通知する。利用希望者は、通知された希望スポットと希望スポットの価格に関する情報に基づいて、予約スポットを決定する。また、利用希望者は、譲渡コスト情報および拘束条件情報を決定する。利用者装置10は、利用希望者の操作に従って、予約スポットに関する予約の要求とともに、譲渡コスト情報および拘束条件情報を情報処理装置100に対して送信する。
一方、図19の下段は、変形例に係る情報処理の概要を示す。図19の下段に示す例では、移動体IDと移動体の利用希望時間帯に関する利用希望情報を利用希望者から受け付ける。情報処理装置100は、利用希望情報を受け付けると、利用スケジュールの候補を決定するとともに、過去の利用実績に基づいて、それぞれの利用スケジュールの候補に含まれる希望スポットを予約するときの譲渡コスト情報と拘束条件情報を決定する。情報処理装置100は、決定した利用スケジュールの候補それぞれに対応する希望スポットと譲渡コスト情報と拘束条件情報の組合せを利用希望者に通知する。利用希望者は、通知された希望スポットと譲渡コスト情報と拘束条件情報の組合せに基づいて、予約スポットと譲渡コスト情報と拘束条件情報の組合せを決定する。利用者装置10は、利用希望者の操作に従って、予約スポットに関する予約の要求とともに、利用希望者によって決定された予約スポットと譲渡コスト情報と拘束条件情報の組合せに関する情報を情報処理装置100に対して送信する。
より具体的には、上述した実施形態と同様にして、決定部132は、利用スケジュールの候補を決定すると、総コストを希望スポットに対する価格として決定する。また、決定部132は、希望スポットに対する価格を決定するとともに、その時の既存スポット群に対応する各々の移動と譲渡コスト(利用希望者のインセンティブ)に関する情報を保持する。続いて、決定部132は、過去の利用実績に基づいて、それぞれの利用スケジュールの候補に含まれる各希望スポットの需要を予測する。例えば、決定部132は、過去の利用実績に基づいて、利用頻度が高い希望スポットほど、需要が高い希望スポットであると予測する。続いて、決定部132は、需要が高いと予測した希望スポットほど、その希望スポットを移動させるための譲渡コスト(利用希望者のインセンティブ)を高く決定する。また、決定部132は、各希望スポットを予約する際の拘束条件情報をそれぞれ決定する。例えば、決定部132は、過去の利用実績に基づいて、各希望スポットを予約する際の拘束条件情報をそれぞれ決定してよい。
通知部133は、決定部132によって決定された利用スケジュールの候補それぞれに対応する希望スポットと譲渡コスト情報と拘束条件情報の組合せを利用希望者に通知する。具体的には、通知部133は、決定部132によって決定された利用スケジュールの候補それぞれに対応する希望スポットと譲渡コスト情報と拘束条件情報の組合せに関する情報を利用者装置10に送信する。
次に、図20を用いて、変形例に係る情報処理の概要について説明する。図20は、変形例に係る情報処理の概要を示す説明図である。図20では、決定部132による譲渡コスト情報と拘束条件情報の決定処理について説明する。
図20では、4つのスポットテーブルと、それぞれのスポットテーブルで注目するスポットを囲む太線の枠を示す。図20の左上のスポットテーブルでは、決定部132によって決定された利用スケジュールの候補に対応する希望スポットの集合(以下、決定されたスポットともいう)が太線の枠で囲まれている。
図20の右上のスポットテーブルでは、決定されたスポットに対して横軸の方向に格子1つ分だけ移動させたスポットの集合(以下、第1スポットともいう)が太線の枠で囲まれている。このとき、決定部132は、斜線で示す、スポットの移動によって解放されたスポットの価格の合計金額を「100円」と算出する。また、決定部132は、斜め格子模様で示す、スポットの移動によって新たに占有されたスポットの価格の合計金額を「200円」と算出する。続いて、決定部132は、スポットの移動によって解放されたスポットの価格の合計金額(100円)からスポットの移動によって新たに占有されたスポットの価格の合計金額(200円)を減算した金額(-100円)を算出する。決定部132は、減算した金額(-100円)を算出すると、減算した金額(-100円)が正の値ではない(負の値である)と判定する。
決定部132は、減算した金額(-100円)が正の値ではない(負の値である)と判定すると、決定されたスポットに関する拘束条件を決定する。例えば、決定部132は、決定されたスポットに関する拘束条件として、決定されたスポットから第1スポットへの移動をさせないことを決定する。すなわち、決定部132は、減算した金額(-100円)が正の値ではない(負の値である)と判定した場合には、決定されたスポットから第1スポットへ移動させることで期待できる利益が低いので、決定されたスポットから第1スポットへの移動をさせないことを保証する(以下、時刻保証ともいう)。
図20の左下のスポットテーブルでは、決定されたスポットに対して横軸の方向に格子2つ分だけ移動させたスポットの集合(以下、第2スポットともいう)が太線の枠で囲まれている。このとき、決定部132は、斜線で示す、スポットの移動によって解放されたスポットの価格の合計金額を「400円」と算出する。また、決定部132は、斜め格子模様で示す、スポットの移動によって新たに占有されたスポットの価格の合計金額を「300円」と算出する。続いて、決定部132は、スポットの移動によって解放されたスポットの価格の合計金額(400円)からスポットの移動によって新たに占有されたスポットの価格の合計金額(300円)を減算した金額(100円)を算出する。決定部132は、減算した金額(100円)を算出すると、減算した金額(100円)が正の値である(負の値ではない)と判定する。
決定部132は、減算した金額(100円)が正の値である(負の値ではない)と判定すると、決定されたスポットに関する譲渡コストを算出する。より具体的には、決定部132は、減算した金額(100円)が正の値である(負の値ではない)と判定すると、決定されたスポットを第2スポットへ移動させる際の譲渡コストを算出する。例えば、決定部132は、決定されたスポットを第2スポットへ移動させる際の譲渡コストとして、減算した金額(100円)に所定の係数を乗算した金額を算出する。すなわち、情報処理装置100は、減算した金額(100円)が正の値である(負の値ではない)と判定した場合には、決定されたスポットから第2スポットへ移動させることで期待できる利益が高いので、決定されたスポットから第2スポットへ移動させることで期待できる利益の数%(所定の係数に対応)を利用希望者に対して還元することを決定する。なお、スポットを移動させることは、利用希望者にとっては、他の利用希望者に対してスポットを譲渡することととらえることができる。
図20の右下のスポットテーブルでは、決定されたスポットに対して横軸の方向に格子3つ分だけ移動させたスポットの集合(以下、第3スポットともいう)が太線の枠で囲まれている。このとき、決定部132は、斜線で示す、スポットの移動によって解放されたスポットの価格の合計金額を「600円」と算出する。また、決定部132は、斜め格子模様で示す、スポットの移動によって新たに占有されたスポットの価格の合計金額を「500円」と算出する。続いて、決定部132は、スポットの移動によって解放されたスポットの価格の合計金額(600円)からスポットの移動によって新たに占有されたスポットの価格の合計金額(500円)を減算した金額(100円)を算出する。決定部132は、減算した金額(100円)を算出すると、減算した金額(100円)が正の値である(負の値ではない)と判定する。
決定部132は、減算した金額(100円)が正の値である(負の値ではない)と判定すると、決定されたスポットに関する譲渡コストを算出する。より具体的には、決定部132は、減算した金額(100円)が正の値である(負の値ではない)と判定すると、決定されたスポットを第3スポットへ移動させる際の譲渡コストを算出する。例えば、決定部132は、決定されたスポットを第3スポットへ移動させる際の譲渡コストとして、減算した金額(100円)に所定の係数を乗算した金額を算出する。
次に、図21を用いて、変形例に係る情報処理の手順について説明する。図21は、変形例に係る情報処理手順を示すフローチャートである。
図21に示すように、利用者装置10-1は、新規予約者の操作に従って、予約用媒体にアクセスする(ステップS201)。利用者装置10-1は、予約用媒体にアクセスすると、新規予約者の操作に従って、移動体の利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報の入力を受け付ける(ステップS202)。利用者装置10-1は、利用希望情報の入力を受け付けると、利用希望時間帯に対応する希望スポットの価格を情報処理装置100に問い合わせる(ステップS203)。
受付部131は、希望スポットの価格の問い合わせを受け付ける。決定部132は、受付部131が希望スポットの価格の問い合わせを受け付けると、問い合わせに係る希望スポットに関する情報と既存の予約スポットに関する情報を集約する(ステップS204)。決定部132は、問い合わせに係る希望スポットに関する情報と既存の予約スポットに関する情報を集約すると、スポットテーブル上で希望スポットを移動させながら、各希望スポットの価格を計算する(ステップS205)。決定部132は、各希望スポットの価格を計算すると、過去の利用実績に基づいて、インセンティブ(譲渡コスト情報)と時刻保証(拘束条件情報)の計算を行う(ステップS206)。決定部132は、インセンティブ(譲渡コスト情報)と時刻保証(拘束条件情報)の計算を行うと、計算結果をキャッシュする(ステップS207)。通知部133は、決定部132が計算結果をキャッシュすると、予約可能なスポットの価格とともに、インセンティブ(譲渡コスト情報)および時刻保証(拘束条件情報)に関する情報が表示された画面を利用者装置10-1に表示させる(ステップS208)。
新規予約者は、利用者装置10-1の画面に表示された予約可能なスポットの価格、インセンティブ(譲渡コスト情報)および時刻保証(拘束条件情報)と、価値が釣り合うか価値判断をする(ステップS209)。新規予約者によって、予約可能なスポットの価格等と価値が釣り合わないと判断された場合(ステップS209;No)、予約不成立となる(ステップS215)。
一方、新規予約者によって、予約可能なスポットの価格等と価値が釣り合うと判断された場合(ステップS209;Yes)、利用者装置10-1は、新規予約者から予約スポット等の決定操作を受け付ける(ステップS210)。続いて、利用者装置10-1は、予約スポット等の決定操作を受け付けると、予約スポット等に関する予約の要求を情報処理装置100に対して送信する(ステップS211)。
受付部131は、予約スポットに関する予約の要求を利用者装置10-1から受け付ける。管理部134は、受付部131が予約スポット等に関する予約の要求を受け付けると、予約スポット等に関する予約処理を実行する(ステップS212)。また、管理部134は、予約処理を実行するとともに、予約情報記憶部123の予約情報と譲渡コスト情報記憶部124の譲渡コスト情報と拘束条件情報記憶部125の拘束条件情報を更新する。
通知部133は、管理部134が予約情報と譲渡コスト情報と拘束条件情報を更新すると、予約が成立したことを示す画面(予約成立画面)を利用者装置10-1に表示させる(ステップS213)。利用者装置10-1は、予約成立画面を表示する。利用者装置10-1が予約成立画面を表示した後に、新規予約者から予約の変更やキャンセルの申請がないまま所定時間が経過すると、予約が成立する(ステップS214)。
〔6.効果〕
上述してきたように、実施形態に係る情報処理装置100は、受付部131と決定部132を備える。受付部131は、特定の利用者だけが利用可能な専用対象物の利用を希望する複数の利用希望者から、専用対象物の利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報および利用希望時間帯からの変更を許容する条件に関する変更許容情報を受け付ける。決定部132は、複数の利用希望者から受け付けた利用希望情報および変更許容情報に基づいて、複数の利用希望者それぞれが専用対象物を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者から利用希望情報とともに予約変更を許容する条件に関する変更許容情報を事前に収集することで、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、利用希望者と管理者の双方が損をしない利用スケジュールの決定を可能とする。
また、受付部131は、変更許容情報として、利用希望時間帯からの変更が可能な変更可能時間帯を示す拘束条件情報を受け付ける。決定部132は、複数の利用希望者から受け付けた利用希望情報および拘束条件情報に基づいて、複数の利用希望者それぞれが専用対象物を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者から利用希望情報とともに拘束条件情報を事前に収集することで、複数の利用者希望者それぞれが変更を許容可能な時間範囲内で複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、複数の利用者希望者それぞれが損をしない範囲内で、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。
また、受付部131は、変更許容情報として、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた場合に、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた時間の長さに応じて専用対象物の利用料金から割り引かれる割引金額を示す譲渡コスト情報を受け付ける。決定部132は、複数の利用希望者から受け付けた利用希望情報および譲渡コスト情報に基づいて、複数の利用希望者それぞれが専用対象物を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者から利用希望情報とともに譲渡コスト情報を事前に収集することで、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用者希望者に対しても、予約が変更されたことによるデメリットを割引料金のメリットによって相殺することができる。したがって、情報処理装置100は、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用者希望者が損をしないように、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。
また、決定部132は、専用対象物の利用が開始される利用開始時刻から所定時間前になると、利用スケジュールの候補のうち少なくともいずれか一つを確定した利用スケジュールに決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更したうえで、利用希望者と管理者の双方が損をしない利用スケジュールを確定した利用スケジュールに決定することができる。
また、情報処理装置100は、通知部133をさらに備える。通知部133は、決定部132によって確定した利用スケジュールが決定された場合に、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用希望者に対して、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯に関する利用情報を通知する。また、通知部133は、利用情報として、確定した利用スケジュールに基づく利用時間帯が利用希望時間帯からずれた時間の長さに応じて専用対象物の利用料金から割り引かれる割引金額に関する情報を通知する。
これにより、情報処理装置100は、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用者希望者に対して変更が決まったらすぐに変更内容を通知することができるので、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用者希望者が変更内容を確認することを可能にする。情報処理装置100は、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた利用者希望者に対するユーザビリティを向上させることができる。
また、決定部132は、一の専用対象物を同じ時間帯に利用する利用希望者が多くとも一人となるように、複数の利用希望者それぞれが専用対象物を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用希望者それぞれの予約がコンフリクトすることを防ぎながら、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。
また、決定部132は、利用時間帯が利用希望時間帯からずれた時間の長さに応じて専用対象物の利用料金から割り引かれる割引金額の合計が小さくなるように、複数の利用希望者それぞれが専用対象物を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、割引金額の負担を抑えながら、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。例えば、情報処理装置100は、割引金額の負担を後から予約する利用希望者に負担させる場合には、利用希望者の負担を抑えながら、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、利用者希望者に対するユーザビリティを向上させることができる。
また、決定部132は、複数の利用希望者それぞれの利用時間帯同士の間に生じる空白の時間帯が少なくなるように、複数の利用希望者それぞれが専用対象物を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、専用対象物の実施コスト(例えば、移動体の移動コスト)を抑えながら、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、管理者に対するユーザビリティを向上させることができる。
また、受付部131は、複数の専用対象物のうち少なくともいずれか一つの利用を希望する複数の利用希望者から、複数の専用対象物のうち少なくともいずれか一つの利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報および利用希望時間帯からの変更を許容する条件に関する変更許容情報を受け付ける。決定部132は、複数の利用希望者から受け付けた利用希望情報および変更許容情報に基づいて、複数の利用希望者それぞれが複数の専用対象物のうち少なくともいずれか一つを利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者から利用希望情報とともに予約変更を許容する条件に関する変更許容情報を事前に収集することで、複数の利用者希望者の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、利用希望者と管理者の双方が損をしない利用スケジュールの決定を可能とする。
また、受付部131は、専用対象物として、移動体の利用を希望する複数の利用希望者から、移動体の利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報および利用希望時間帯からの変更を許容する条件に関する変更許容情報を受け付ける。決定部132は、複数の利用希望者から受け付けた利用希望情報および変更許容情報に基づいて、複数の利用希望者それぞれが移動体を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者から利用希望情報とともに予約変更を許容する条件に関する変更許容情報を事前に収集することで、複数の利用者希望者の移動体の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、利用希望者と管理者の双方が損をしない移動体の利用スケジュールの決定を可能とする。
また、受付部131は、専用対象物として、移動体に設けられた座席の利用を希望する複数の利用希望者から、座席の利用を希望する利用希望時間帯に関する利用希望情報および利用希望時間帯からの変更を許容する条件に関する変更許容情報を受け付ける。決定部132は、複数の利用希望者から受け付けた利用希望情報および変更許容情報に基づいて、複数の利用希望者それぞれが座席を利用可能な利用時間帯に関する利用スケジュールの候補を決定する。
これにより、情報処理装置100は、複数の利用者希望者から利用希望情報とともに予約変更を許容する条件に関する変更許容情報を事前に収集することで、複数の利用者希望者の移動体に設けられた座席の予約に関するスケジュールを柔軟に変更可能とすることができる。したがって、情報処理装置100は、利用希望者と管理者の双方が損をしない座席の利用スケジュールの決定を可能とする。
〔7.ハードウェア構成〕
また、上述してきた実施形態に係る情報処理装置100は、例えば図22に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。図22は、情報処理装置100の機能を実現するコンピュータの一例を示すハードウェア構成図である。コンピュータ1000は、CPU1100、RAM1200、ROM1300、HDD1400、通信インターフェイス(I/F)1500、入出力インターフェイス(I/F)1600、及びメディアインターフェイス(I/F)1700を備える。
CPU1100は、ROM1300またはHDD1400に格納されたプログラムに基づいて動作し、各部の制御を行う。ROM1300は、コンピュータ1000の起動時にCPU1100によって実行されるブートプログラムや、コンピュータ1000のハードウェアに依存するプログラム等を格納する。
HDD1400は、CPU1100によって実行されるプログラム、及び、かかるプログラムによって使用されるデータ等を格納する。通信インターフェイス1500は、所定の通信網を介して他の機器からデータを受信してCPU1100へ送り、CPU1100が生成したデータを所定の通信網を介して他の機器へ送信する。
CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、ディスプレイやプリンタ等の出力装置、及び、キーボードやマウス等の入力装置を制御する。CPU1100は、入出力インターフェイス1600を介して、入力装置からデータを取得する。また、CPU1100は、生成したデータを入出力インターフェイス1600を介して出力装置へ出力する。なお、CPU1100の代わりに、MPU(Micro Processing Unit)、また多大な計算パワーを必要とすることからGPU(Graphics Processing Unit)を用いてもよい。
メディアインターフェイス1700は、記録媒体1800に格納されたプログラムまたはデータを読み取り、RAM1200を介してCPU1100に提供する。CPU1100は、かかるプログラムを、メディアインターフェイス1700を介して記録媒体1800からRAM1200上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。記録媒体1800は、例えばDVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、または半導体メモリ等である。
例えば、コンピュータ1000が情報処理装置100として機能する場合、コンピュータ1000のCPU1100は、RAM1200上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。コンピュータ1000のCPU1100は、これらのプログラムを記録媒体1800から読み取って実行するが、他の例として、他の装置から所定の通信網を介してこれらのプログラムを取得してもよい。
以上、本願の実施形態のいくつかを図面に基づいて詳細に説明したが、これらは例示であり、発明の開示の欄に記載の態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変形、改良を施した他の形態で本発明を実施することが可能である。
〔8.その他〕
また、上記実施形態及び変形例において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、決定部は、決定手段や決定回路に読み替えることができる。