JP2022109715A - 円形加速器、および、粒子線治療システム - Google Patents

円形加速器、および、粒子線治療システム Download PDF

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Abstract

【課題】円形加速器から、高周波キッカによって所望のエネルギーのビームを効率よく出射させる。【解決手段】本発明の円形加速器は、加速領域に直交する直流主磁場を形成する磁石と、加速領域内を周回する荷電粒子ビームに第1の高周波電場を印加して、周回軌道の半径を増加させながら加速する第1電極と、荷電粒子ビームを前記周回軌道から外部に出射させるために、周回する荷電粒子ビームを半径の方向に振動させる第2の高周波電場を印加する高周波キッカとを有する。高周波キッカは、周回軌道の軌道面を挟んで対向配置された一対の電極と、一対の電極の外側に配置された接地電極とを備え、軌道面において半径方向の高周波電場を形成する。一対の電極は、それぞれ軌道面に直交する方向のサイズよりも、周回軌道の半径方向のサイズの方が大きい板状である。【選択図】 図7

Description

本発明は、粒子線の円形加速器と、それを利用した粒子線治療システムに関する。
粒子線治療には、ビームを周回させて加速する円形加速器がよく用いられる。なかでも、超電導コイルを用いたシンクロサイクロトロンは治療施設の小型化、低コスト化に有効である。シンクロサイクロトロン中のビームは、時間的に一定の主磁場中を周回し、周回途中に加速高周波電場が生じる加速間隙を通過する度にエネルギーを得る。主磁場が非等時性磁場であるため、加速条件を維持するには、加速高周波電場の周波数を変調する必要があり、ある周波数変調パターンがmsecオーダの加速周期で繰り返される。一加速周期の間に、パルス状の時間構造を持つビームが加速器内に入射され、加速されて最高エネルギーに達すると、パルス状ビームが加速器外へ出射される。
出射されたビームは、照射装置を経て患者患部に照射される。このとき粒子線治療で一般的なスキャニング照射方式であれば、患部形状に合わせて、スキャニングコイルでビーム進行方向と垂直な方向にビームを走査する。また、ビーム進行方向については、ビームのエネルギーを変えて飛程を調整することで、患部形状に合わせて照射する。
シンクロサイクロトロンでは、出射されるビームのエネルギーは最大値で一定であるため、高エネルギービーム輸送系に設置する散乱体にビームを通し、エネルギー損失を引き起こすことでビームのエネルギーを調整する。ビームのエネルギーを変更する際は、楔形の散乱体を機械的に移動させ、ビームが散乱体内を通過する経路長を変える。よって、シンクロサイクロトロンにおいて照射可能なビーム電荷は、散乱体によりビーム損失が生じるために、低エネルギーほど減少するという問題があった。また炭素線など重粒子線の場合には、散乱体を使用すると核破砕による照射線量の減少も合わせて生じる。この他にも、散乱体の設置による大型化や散乱体部分の放射化などの課題があった。
これらの課題を解決すべく、特許文献1に記載の偏芯軌道型加速器が提案されている。この加速器は、主電磁石と、主電磁石の磁極間にビームを入射するイオン源と、周波数変調された加速高周波を印加する加速電極を備えている。ビーム軌道は、主電磁石が発生する固定主磁場によって形成される周回軌道であり、ビーム加速と共に軌道半径が増加する。さらにビームを外部に取り出すために、ビームの周回軌道が軌道半径の増加に伴い一方向に偏芯する構成とし、周回軌道が集約した狭小領域を形成している。この狭小領域に高周波キッカを配置し、狭小領域を通過する複数の異なるエネルギーのビームに、高周波キッカから加速高周波とは周波数の異なる高周波電場を印加することにより、所望のエネルギーのビームのベータトロン振動を増大させてビームを外部に出射させることができる。
特開2019-133745号公報
特許文献1に記載の高周波キッカは、接地電極と高圧電極からなり、取出したいエネルギーのビーム軌道が、接地電極と高圧電極との間に挟まれるように配置する旨が開示されている。しかし、上記のような電極とビームとの位置関係では、ベータトロン振動によって高圧電極から離れた位置にビーム軌道が存在するときに、ビームに作用するべき高周波キッカ電場の向きが理想とは逆向きとなり、ベータトロン振動を効果的に増幅できなくなるケースがあることを発明者らは見出した。そのようなケースでは、出射電流が低下するため、単位時間当たりの照射量である線量率も低下し、一回の治療に時間がかかってしまい、患者スループットが低下するという課題がある。
本発明の目的は、円形加速器から、高周波キッカによって所望のエネルギーのビームを効率よく出射させることにある。
本発明の円形加速器は、加速領域に直交する直流主磁場を形成する磁石と、加速領域内を周回する荷電粒子ビームに第1の高周波電場を印加して、周回軌道の半径を増加させながら加速する第1電極と、荷電粒子ビームを前記周回軌道から外部に出射させるために、周回する荷電粒子ビームを半径の方向に振動させる第2の高周波電場を印加する高周波キッカとを有する。高周波キッカは、周回軌道の軌道面を挟んで対向配置された一対の電極と、一対の電極の外側に配置された接地電極とを備え、軌道面において半径方向の高周波電場を形成する。一対の電極は、それぞれ軌道面に直交する方向のサイズよりも、周回軌道の半径方向のサイズの方が大きい板状である。
本発明によれば、どのエネルギーのビームに対しても、必要な方向のみの高周波キッカ電場を作用させることができるため、高周波キッカのベータトロン振動増幅効果が増し、印加電圧、あるいは印加時間を抑制できる。これにより、所望のエネルギーのビームを効率よく出射させることができる。
実施形態1の円形加速器の外観を示す斜視図である。 実施形態1の円形加速器の断面図である。 図2のB-B’矢視図である。 実施形態1の円形加速器の各エネルギー別のビーム軌道を示す説明図である。 (a)~(c)実施形態1の加速器運転パターンを示す図である。 実施形態1の高周波キッカの断面図である。 (a)図6の高周波キッカのA-A’矢視図の印加される電場と、ベータトロン振動を示す説明図である。(b)比較例の高周波キッカの電場を説明する図である。 実施形態1の高周波キッカの変形例の断面図である。 実施形態1の加速高周波電源、高周波キッカ電源および制御系のブロック図である。 実施形態2の高周波キッカの断面図である。 実施形態3の粒子線治療システムの全体構成を示す図である。
以下、図面を用いて本発明の一実施形態の円形加速器について説明する。尚、下記はあくまでも実施形態に過ぎず、発明の内容を下記具体的態様に限定する趣旨ではない。発明自体は、下記実施形態以外にも種々の形態に変形させることが可能である。
また、本実施形態にかかる円形加速器は、出射するビーム量を細かく制御することが可能であり、粒子線治療システム、特にスキャニング照射法を用いる粒子線治療システムに好適である。ただし、粒子線治療システムへの適用に限定されるものではなく、粒子線ビームを用いる用途であればどのような装置に適用してもよい。
<<実施形態1>>
本発明の好適な一実施形態である実施形態1の円形加速器を説明する。本実施形態の円形加速器39は、時間的に一定強度の主磁場中を、周波数変調した高周波電場によってビームを加速するものである。ここでは、陽子ビームを235 MeVまで加速する円形加速器について説明するが、ヘリウムや炭素など重粒子ビームを加速するものであってもよい。
図1に、円形加速器39の外観、図2に円形加速器39の横断面(中心平面)の構成図、図3に円形加速器39の縦断面の構成図(図2のB-B’矢視図)を示す。図4に円形加速器39内の各エネルギーの周回軌道を示す。図2および図4から明らかなように、本実施形態の円形加速器39は、ビームの周回軌道が軌道半径の増加に伴い一方向に偏芯するように主磁場を形成した偏芯軌道型加速器であり、ビーム出射経路入口82の近傍領域においてエネルギービーム軌道が集約(接近)している。これにより、ビームエネルギーを70MeVから235MeVの周回軌道の中の任意の軌道のビームを加速器より出射させることができる。
円形加速器39の構成について説明する。図1に示すように、円形加速器39は、外形がほぼ円柱形で、上下方向に分割可能な主電磁石40によってその外殻が形成されている。主電磁石40内部には、図2および図3に示すように、中心軸に垂直な中心平面を中心に加速領域(空間)40aが設けられ、加速領域40aは真空引きされている。ここで、加速領域40a内において、ビームが加速開始されて最大エネルギーの235MeVになるまでに通る軌道を周回軌道と呼ぶ(図4参照)。周回軌道のうち、最大エネルギー235MeVのビームが通過する軌道を最大エネルギー軌道80と呼び、70MeVのビームが通過する軌道を最低出射エネルギー軌道81と呼ぶ。また、周回軌道が螺旋を描く面を軌道面40bまたは軌道平面という。また、加速領域40aの中心を原点とする軌道面40bの2次元極座標系としたときの中心からの半径外側方向の軸をr軸とする。
主電磁石40は、図3のように、主磁極38、ヨーク41、主コイル42からなる。ヨーク41は、主電磁石40の外観を形成し、内部におよそ円筒状の領域を構成する。主コイル42は、円環状のコイルであり、ヨーク41の内壁に沿って設置される。主コイル42は超電導コイルであり、主コイル42周囲にはクライオスタット60を設置して冷却する。主コイル42の内周側には主磁極38が加速領域40aを挟んで上下対向して設置されている。主コイル42に電流を流すことにより励起され、主磁極38により加速領域40aに形成される上下方向の磁場を、主磁場と呼び、偏芯した周回軌道の形成に用いる。主磁場中の加速領域40aにおいて、ビームは加速される。
ヨーク41には複数の貫通口が設けられている。そのうち加速されたビームを出射するためのビーム用貫通口46、ヨーク41内部の種々のコイル導体を外部に引き出すためのコイル用貫通口48、加速領域を真空引きするための真空引き用貫通口49、および、高周波加速空胴10のための高周波系用貫通口50は、上下磁極38の接続面に図2のように設けられている。
図1のように、主電磁石40の上面には主電磁石40に入射させるためのイオンビームを生成するイオン源53が設置されている。イオン源53の直下には、主電磁石40の中心軸に平行にヨーク41および上側の磁極38を貫通する低エネルギービーム輸送系54が形成されている。イオン源53で生成されたイオンビームは、低エネルギービーム輸送系54を通り、イオン入射部52より主電磁石40内部の加速領域に入射される。イオン源53としては、ECRイオン源などを適用できる。なお、イオン源53は、主電磁石40内部の真空引きされた加速領域内部に配置しても良く、その場合はPIG型イオン源などが好適である。
イオン入射部52は、中心線40c上で加速領域40aの機械中心(円筒形の主電磁石40の中心軸)よりもビーム出射経路入口82側に寄せて配置する。中心線40cは、軌道面40bの面内で主電磁石40の中心軸と直交し、コイル用貫通口48と高周波系用貫通口50を通過する線である。イオン源53で生成された荷電粒子のビームは、低エネルギービーム輸送系54を通り、イオン入射部52よりインフレクタ電極(図示せず)などを用いて主電磁石40内部の加速領域40aに入射される。入射されたビームは、この後説明するディー電極12とダミーディー電極13が印加する高周波電場で加速され、エネルギーを増しながら主磁場中を周回する。ビームは加速されるにつれ、その軌道の曲率半径を増し、かつ、軌道中心を円筒形の主電磁石40の中心軸に近づくように主磁場によって偏芯する。これにより、ビームは、図4のように加速領域40aの中心から外側に向かって、螺旋状の軌道であって、偏芯した軌道を描く。
加速領域40a内の中心線40c上であって、コイル用貫通口48側の螺旋状の周回軌道の外部には、所定のエネルギー範囲の周回軌道を挟むように高周波キッカ70が配置されている。高周波キッカ70よりも外周側には、セプタムコイル43が、そのビーム出射経路入口を中心線40cに一致させるように配置されている。セプタムコイル43は、ビーム用貫通孔46内に挿入された高周波ビーム輸送系47に接続されている。さらに、最外周軌道80の外側には、高周波キッカ70を挟むように、周方向に沿ってピーラ磁場領域44とリジェネレータ磁場領域45が設けられている。
高周波加速空胴10は、λ/2共振型空胴であり、ディー電極12、ダミーディー電極13、内導体14、外導体15、回転コンデンサ30を有する。ディー電極12は、内部をビームが通過する中空電極であり、内導体14とつながっている。ダミーディー電極13は、アース電位の電極であり、ディー電極12と内導体14を外包する外導体15とつながっている。ディー電極12とダミーディー電極13の間に高周波電場が立つ加速間11が形成される。
高周波加速空胴10には、入力カプラ20を介して、加速高周波電源25が接続されている。入力カプラ20は、静電結合式か磁気結合式のどちらかで高周波加速空胴とカップリングされており、加速高周波電源が出力する高周波電力を高周波加速空胴に供給する。これにより、加速間隙11にビームを加速するための高周波電場が発生する。
回転コンデンサ30は、高周波加速空胴10の共振周波数を変調するための機器であり、モータ31、固定電極32、固定電極32と対向する回転電極33とを含む。固定電極32は、内導体14上に形成されている。また、回転電極33は、外導体15に隣り合い、外導体15と物理的に接続されていないものの、外導体15と静電容量を介して電気的に接続されている。なお、固定電極32を外導体15上に形成し、回転電極33が内導体14に静電結合される構成でもよい。
回転コンデンサ30は、回転電極33をモータ31で回転させることで、固定電極32と回転電極33との対向部面積を変化させ、固定電極32との間に形成される静電容量を時間的に変動させる。静電容量を時間的に変動させることで、高周波加速空胴10の共振周波数を変え、周波数変調パターンを形成する。回転コンデンサ30によって周波数変調された加速電圧は、ディー電極12とダミーディー電極13との間の加速間隙11に印加され、加速間隙11を通過するビームを加速する。図2に示した加速間隙11は、ビームの軌道形状に応じて形成され、ハーモニクス数1の場合、すなわち周回周波数と加速周波数とが同じ場合を示している。
また、回転コンデンサ30に替えて、フェライトコアを用いて周波数変調することもできる。この場合は、内導体14に円環形状のフェライトコアを巻回させて配置し、このフェライトコアに時間的に変動するバイアス磁場を印加することで高周波加速空胴10のインダクタンスを変えて共振周波数を変調する。
次に、偏芯軌道を実現する主磁場(主電磁石40の発生する磁場)について説明する。主磁場は、周方向に主磁場強度を一定とするタイプのほか、AVF(Azimuthal Varying Field)タイプでもよいが、いずれの場合も主磁場分布は、非等時性磁場であり、式(1)で表されるn値が0より大きく、かつ1未満となるビーム安定化条件を満たすように定める。
Figure 2022109715000002
ここで、ρは設計軌道の偏向半径、Bは、主磁場の磁場強度、∂B/∂rは、主電磁石40の半径方向rの磁場勾配である。上述のビーム安定化条件のもとでは、設計軌道から径方向に微小にずれたビームは設計軌道に戻すような復元力を受けると同時に、軌道面に対し鉛直な方向にずれたビームも軌道面に戻す方向に主磁場から復元力を受ける。すなわち、ビームは設計軌道の近傍をベータトロン振動し、ビームを安定に周回・加速できる。また、全エネルギーのビームで、軌道面内に平行、かつ軌道と直交する方向のベータトロン振動数(水平方向チューン)νrは1に近い値に設定される。上述の主磁場分布は、主磁極38、および主磁極38の表面に設置するトリムコイルや磁極片(ともに図示せず)によって形成する。これらの構成要素は、軌道平面に対し上下対称に配置するため、主磁場は軌道平面上においては、軌道平面と垂直な方向の磁場成分のみを持つ。
図4に各エネルギーの周回軌道を示す。周回軌道は最大エネルギー235MeVから磁気剛性率0.04Tmおきに50種類のエネルギーの軌道を実線で示している。点線は各軌道の同一の周回位相を結んだ線であり、等周回位相線と呼ぶ。等周回位相線は集約領域から周回位相π/20ごとにプロットしている。ディー電極12と対向するダミーディー電極13との間に形成される加速間隙11は、等周回位相線に沿って設置される。より具体的には、ディー電極12は同心軌道の中心付近を先端とし、半径が等周回位相線に沿う、扇形のような中空の形状をしている。
周回軌道は、ビームのエネルギーが低い領域では、従来のサイクロトロン同様にイオンの入射部52付近を中心とする同心軌道に近くなるが、より大きなエネルギーの周回軌道はビーム出射経路入口82の側で密に集約しており、逆に内導体14の側では各エネルギーの周回軌道が互いに離れた位置関係にある。このように周回軌道が密に集まっている点を集約領域、離散した領域を離散領域と呼ぶ。このように集約領域を形成し、集約領域の周回軌道のうち、出射させるべきエネルギー範囲の周回軌道を挟むように高周波キッカを配置し、集約領域付近からビームを取出すことにより、必要となるビームキック量を小さくできるため、エネルギー可変のビーム出射を容易にすることができる。
上述した円形加速器39において、イオンビームが入射されて、加速されたビームが出射されるまでを図5(a)~(c)を用いて説明する。図5(a)は、高周波加速空胴10の共振周波数fcavと、高周波キッカ70によりビームに印加される高周波電場の周波数である高周波キッカ周波数fextと、時刻Tとの関係を表すグラフである。図5(b)は、加速間隙11に発生する加速電圧Vaccと高周波キッカ70に印加される高周波キッカ電圧Vextと、時刻Tとの関係を表すグラフである。図5(c)は、入射するビームの電流および出射するビームの電流と、時刻Tとの関係を表すグラフである。
一加速周期は、加速電圧Vaccの立ち上がり(時刻T1)から始まる。その後、加速電圧Vaccが十分に上がると、イオン源53よりビームが入射される(時刻T2)。ビームが入射してから時間t1経過後にビームの高周波捕獲が終了する。捕獲されたビーム、すなわち入射されたビームのうち加速の準備が整ったビームが加速電圧Vaccにより加速され始める(時刻T3)。ビームが取出したいエネルギーに達すると、加速高周波の遮断が開始され(時刻T4)、それから時間tが経過すると加速高周波電圧VaccがOFF状態となり(時刻T5)、ビームはある軌道を周回する。なお、ビームを形成する個々の荷電粒子は、周回時にビームの軌道と直交する方向に振動しており、この振動をベータトロン振動、この振動の振動数をベータトロン振動数という。また、周回一周あたりの振動数をチューンといい、周回一周あたりの軌道面外側へのビームのr軸上の変位をターンセパレーションという。また、周回するビームは、軌道面内かつビームの軌道と直交する方向のベータトロン振動を水平方向のベータトロン振動、チューンを水平方向チューンという。このベータトロン振動は、適切な高周波電圧を印加すると、共鳴が起こり、振幅が急激に増大する性質がある。
そこで、VaccがOFF状態になると同時に、高周波キッカ70へ高周波電圧Vextの印加を開始する。なお、高周波キッカ70への高周波キッカ70へ高周波電圧Vextの印加開始(時刻T5)は、加速高周波電圧VaccがOFF状態となるのと厳密に同時でなくてもよい。高周波電圧Vextの印加開始は、加速高周波の遮断開始(時刻T4)の直前や同時、直後でもよく、加速高周波電圧VaccがOFF状態の直前や直後でもよい。なお、取り出したいエネルギーは、加速高周波電圧Vaccの印加時間で制御することができる。
高周波キッカ70の高周波電圧は、高周波キッカ70が共振器構造でなく、静電容量が適切な値となるように設計されていれば、数μsの応答で素早く立ち上がる。ここで、ベータトロン振動は、水平チューン又は水平チューンの小数部のいずれか一方とビームの周回周波数との積が、印加される高周波電圧の周波数と略同一であるとき、振幅が共鳴的に増大する性質をもつ。そこで、該高周波電圧の周波数fextは、最大エネルギービームの水平方向チューンνの小数部Δνと、取出したいエネルギーのビームの周回周波数frevとの積Δν×frevと略同一となるようにしておく。あるいは略同一となる周波数成分を含む有限の周波数バンド幅の高周波電圧を印加してもよい。結果として、水平方向ベータトロン振動の振幅は共鳴的に増大し続け、やがて最大エネルギー軌道80の外周側に設置したピーラ磁場領域44とリジェネレータ磁場領域45にビームが到達する(時刻T6)。
ピーラ磁場領域44に到達したビームは、軌道面の外周側にキックされ、リジェネレータ磁場領域45に到達したビームは、軌道面内周側にキックされる。ここで、キックするとは、電場または磁場をかけることにより、ビームを偏向させることをいう。ピーラ磁場領域44の四極磁場成分により、ビームは、さらに外周側にキックされてターンセパレーションが増大していく。同時に、リジェネレータ磁場領域45の磁場により、ビームの水平方向チューンが急激に変動しないようにしておき、ビームが出射されるまでの間に、水平方向と90度直交する垂直方向にベータトロン振動が発散してビームが失われるのを防ぐ。ピーラ磁場領域44とリジェネレータ磁場領域45それぞれの磁場強度を適切に調節すれば、2ν=2のベータトロン振動の共鳴条件が発生して、ターンセパレーションを増大させることができる。
ビーム出射経路入口82にはセプタムコイル43が設置されている。やがてセプタムコイル43の内周側に設置されるコイル導体(図示せず)の厚みを大きく超えるターンセパレーションが得られるようになると、ビームは、セプタムコイル43内部へと導かれ、十分な偏向を受け高エネルギービーム輸送系47へ導かれ、出射される。
なお、高周波キッカ70へ高周波電圧印加を開始した直後(時刻T5)は、可能な限り大きな高周波電圧を印加し、ビームの振幅を素早く増大させることで、ビーム出射までの時間を短縮できる。そして、ビームがピーラ磁場領域44またはリジェネレータ磁場領域45に到達する直前(時刻T6)に高周波電圧を低下させ、ピーラ磁場領域44とリジェネレータ磁場領域45とに進行するビームの量を調整することで、ビーム出射電流を細かく制御することができる。高周波電圧Vextを低下させるかわりに、高周波キッカ70に印加する高周波の周波数をスイープする、あるいは該高周波の位相を変えることでも、ビームの出射電流を変えることができる。これは、ビームに含まれる荷電粒子のベータトロン振動数が、ある分布をもってばらついているという性質(チューンスプレッド)を利用している。高周波の周波数を変えることにより、共鳴を起こす荷電粒子の振動数の分布のどの帯域に合わせるかで、ビームの出射電流を変えることができる。
そして、ビームの出射開始(時刻T6)から時間t4経過後に高周波キッカ70へ高周波電圧Vextの印加を停止することで、ビームの出射を停止させる(時刻T7)。この時間tを調整することでビームの出射時間を制御することができる。
このように高周波キッカ70に引加する高周波電圧Vextを制御することで、ビーム出射電流を調整することができ、高周波電圧Vextを印加停止すればビーム出射を停めることができるので、スキャニング照射で要求されるスポット線量を、1回の出射パルスビームで過不足なく照射することができ、線量率が向上する。例えば、図5に示すようにビームの出射開始(時刻T6)から時間t4’経過後まで高周波キッカ70への高周波電圧Vextの印加を続ければ、時刻T7’までビームを出射することができる。
また、出射後に加速器内に周回するビームが残存していれば、該高周波電圧Vextを再び印加することでビーム出射を再開でき(時刻T8)、再びビームを入射・捕獲・加速することなしに次のスポット照射に用いることができる。すなわち、一加速周期内に複数回ビームを出射することができるので、イオン源53より入射された電荷を無駄なく使用できるため、線量率がさらに向上する。そして、再び、加速電圧Vaccが立ち上がり始めれば、新たな加速周期が始まる(時刻T10)。
<高周波キッカ70の構成>
次に、本実施形態の高周波キッカ70の構成について説明する。
高周波キッカ70の中心平面(軌道面40b)上の断面構成を図6に、図6のA-A'断面矢視図を図7(a)に示す。
高周波キッカ70は、ビームを周回軌道から外部に出射させるために、周回するビームを半径方向に振動させる高周波電場を印加する。そのため、高周波キッカ70は、周回軌道の軌道面40bを挟んで対向配置された一対の電極72と、一対の電極72の外側に配置された接地電極71とを備え、一対の電極72には、同じ電圧(同位相の高周波電圧)が印加される。これにより、高周波キッカ70は、軌道面40bにおいて半径方向rの電場+Er1と-Er1を時間的に交互に形成する。一対の電極72の形状はそれぞれ、軌道面40bに直交する方向のサイズdよりも、周回軌道の半径方向のサイズwの方が大きい板状である。
高周波キッカ70の半径方向rの外側の位置Bには、図2に示したように、ビームを外側に偏向させるピーラ磁場領域44を形成するピーラ磁場発生部がさらに配置されている。高周波キッカ70は、ビームのうち出射させるべき最小エネルギー(70MeV)のビームの周回軌道81を中心に、周回軌道81とピーラ磁場領域44の位置Bとの距離Dの2倍の範囲について、形成する電場+Er1と-Er1の向きは、それぞれ一様である。
このように、本実施形態では、軌道面40bに直交する方向のサイズdよりも、周回軌道の半径方向のサイズwの方が大きい板状の電極72を用いる。これにより、ピーラ磁場領域44との距離が最も遠い周回軌道81に対して、半径方向rの周回軌道81とピーラ磁場領域44の位置Bとの距離Dの2倍の範囲(図7(a)の位置Bから位置Aの範囲)においてそれぞれ電場+Er1と-Er1を時間的に交互に印加することができるため、周回軌道81のビームのベータトロン振動を効果的に生じさせ、ビームをピーラ磁場領域44に到達させて出射させることができる。
また、最大エネルギー(235MeV)の周回軌道80についても、電場+Er1と-Er1を交互に印加することができるため、周回軌道81のビームのベータトロン振動を効果的に生じさせ、ビームをピーラ磁場領域44に到達させて出射させることができる。
これに対し、比較例を図7(b)に示すように、軌道面40bに直交する方向のサイズdよりも、周回軌道の半径方向のサイズwの方が小さい電極172を用い、さらに電場Er1の発生範囲の径方向長さが、前述の位置Bから位置Aの範囲の径方向長さよりも小さい場合を考えてみる。この場合において、最小取出しエネルギーまでの加速を終えたビーム(周回軌道81)に、高周波キッカを印加すると、水平ベータトロン振動振幅が増大していくが、ビーム位置がやがて電極172の位置を超えると、ビームに作用する高周波キッカ電場の向きが反転する。つまり、ビームに作用するべき高周波キッカ電場の向きが、半径方向の一部の範囲では理想とは逆向きとなり、ベータトロン振動を効果的に増幅できなくなるケースが生じうる。そのようなケースでは、出射電流が低下するため、単位時間当たりの照射量である線量率も低下するという問題が生じうる。
本実施形態の高周波キッカ70について図7(a)を用いてさらに詳しく説明する。高周波キッカ70は、高圧電極72と、接地電極71と、接地電極71に接続された突起部73とを備えて構成される。高圧電極72は、接地電極71に対して絶縁支持されている。突起部73は高周波キッカ70の外部に漏洩する高周波電場を低減するために設けられているが、省略することもできる。高圧電極72、接地電極71、突起部73は、中心平面40b付近(図中r軸上付近)でビームの通過を妨げることがないよう分割されており、上下対称な構造となっている。
高圧電極72に高周波電圧が印加されると、ある時間において、r方向正の向きの電場成分+Er1と、それと逆向きの電場成分-Er2が発生する。ここで、高圧電極72が図7(a)に示すようにr方向に扁平な形状(板状)を有し、かつ、水平ベータトロン振動で最小取出しエネルギーのビーム軌道81が到達する最大変位位置(位置A)が、-Er2から十分離れた位置にあるならば、取出しエネルギー帯のすべてのエネルギーのビームに対して、-Er2を作用させずに、+Er1のみが作用するようにできる。つまり、周波数さえ適切であるならば、常に一方向の電場のみをビームに作用させることができ、水平ベータトロン振動を効率よく増大させることが可能になる。なお、最小取出しエネルギー軌道81と位置Aの水平距離としては、一般的に3mm以上である。
より具体的には、最小取出しエネルギーのビームが取出し時にベータトロン振動する際におけるr軸負の向きの最大到達位置(図7(a)中位置A)のr座標値が、径方向電場が反転するNull点のr座標値よりも大きくなるように電極72を構成すればよい。そのために、高圧電極72の寸法としては、図7(a)中zの値としては5mm以上、dの値としては2mm以上、wの値としては10mm以上あればよい。
なお、Er2は不要電場となるため、高周波キッカをコンパクト化するために、Er2の発生するギャップ領域は、放電しない範囲で極小化する必要がある。この目的のために、図7(a)に示すような高圧電極突起部74を設けて、Er2の発生領域を狭くすることもできる。
また、図8に示すように、図7(a)の構成から電極72のみを除いた構成であっても、図7(a)と同様にベータトロン振動を効果的に増大させることができる。図8の構成では、電場成分Er1の径方向のピーク位置が、図7(a)のケースよりも高圧電極突起部74側に寄る。つまり、高エネルギー側のビームに作用する電場強度が下がり、低エネルギー側のビームに作用する電場強度が上がる。よって、高周波キッカ印加開始から取出しまでにかかる時間は、高エネルギー側のビームについては長くなるが、低エネルギー側のビームについて短くすることができる。
<高周波電源と制御系>
図9に、以上の出射方法を実現する高周波電源と制御系のブロック図を示す。加速高周波電源25は、カソード抵抗22、プレート電源23、三極管24を有する。高周波キッカ電源86は、プレート電源26、三極管24、グリッドバイアス電源89、前段増幅器94を有する。図9は加速高周波電源25、高周波キッカ電源86共に三極管を用いた場合の構成であるが、そのほかに四極管や半導体増幅器を用いてもよい。
加速高周波電源25は、自励発振式とし、ピックアップループ21にて加速高周波の一部をカソード回路に帰還させる方式とする。高周波加速電圧は、プレート電源23の出力電圧を高速に変調することで制御する。カソードバイアス電位は、図9に示したようにカソード抵抗22でプレート電位を分圧する形で与えるか、あるいはカソード電源を用いて与える。なお、加速高周波電源25は、専用の原発振器を用いて他励式とすることも可能である。
原発振器92は、高周波キッカ70用に、ある周波数帯域の信号を生成する。ここで、原発振器92の信号には、ビームのチューンスプレッド分と、高周波キッカ70への高周波電圧印加中に水平方向チューンが変動することを考慮し、必要な周波数帯成分が含まれるものとする。該信号はスイッチ93を経て前段増幅器94にて増幅されたのち、三極管24で増幅され、高周波キッカ70に供給される。高周波キッカ70の高周波電圧は、前段増幅器94の利得を変えるか、あるいはプレート電源26の出力電圧を高速に変調することで制御する。
演算装置91は、回転コンデンサ30の角度検出機構90か、あるいは加速高周波のピックアップ信号から検出する加速高周波の周波数変調パターンと、各照射スポットへの要求線量をもとに、加速高周波のON/OFFタイミングと電圧振幅、それと高周波キッカ70のON/OFFタイミングと電圧振幅を制御する。
また、加速器内部に残存する周回電荷量をモニタするために、最大エネルギー軌道80上のどこかに、静電的あるいは磁気的にビーム電荷量を検出するビームモニタが設置される。そして、周回電荷量があるレベル以下に減少したら、演算装置91は再度、加速電圧の印加を開始し、捕獲・加速・取出しの加速周期を繰り返す。
<<実施形態2>>
実施形態2として、実施形態1の高周波キッカ70の高圧電極72を平行に配置した複数のストリップライン(ライン状の導電体)272に置き換えた例について説明する。
複数のストリップライン272の長手方向は、半径方向rに直交し、軌道面40bと平行な面内に配置する。
複数のストリップライン272に対してそれぞれ、半径方向rの位置によって、勾配をつけてそれぞれ電圧を印加することにより、実施形態1と同様の電場+Er1と-Er1を生じさせることができる。
他の構成および作用は、実施形態1と同様であるので説明を省略する。
<<実施形態3>>
実施形態3として、粒子線治療システムについて説明する。
図11に、粒子線治療システムの全体構成を示す。図11において、粒子線治療システムは、円形加速器39、回転ガントリ190、スキャニングコイルを含む照射装置192、治療台201およびそれらを制御する制御装置191からなる。円形加速器39から出射されたビームは、回転ガントリ190により照射装置192まで輸送される。輸送されたビームは照射装置192、およびビームエネルギーの調整により患部形状に合致するように整形され、治療台201に横たわる患者200の患部標的に対して所定量照射される。照射装置192は、線量モニタを内包しており、患者200への照射スポット毎に照射された線量を監視している。この線量データを元に、制御装置191は各照射スポットへの要求線量を計算して、図10の演算装置91への入力データとする。
以上が実施形態1~3の説明である。本実施形態により、どのエネルギーのビームに対しても、必要な方向のみの高周波キッカ電場を作用させることができるため、高周波キッカのベータトロン振動増幅効果が向上できる。このため、高周波キッカの消費電力が抑えられる。あるいは、高周波キッカ電圧印加後、ビームが出るまでのむだ時間が短縮され線量率を向上できる。また、高周波キッカの印加電圧や印加時間を従来と同じにするのであれば、ベータトロン振幅をより大きくできるため、線量率が増加し、照射時間を短くでき、粒子線治療システムの患者スループットを向上させることができる。
10…高周波加速空胴
11…加速間隙
12…ディー電極
13…ダミーディー電極
14…内導体
15…外導体
20…入力カプラ
21…ピックアップループ
22…カソード抵抗
23…プレート電源
24…三極管
25…加速高周波電源
26…プレート電源
30…回転コンデンサ
31…モータ
32…固定電極
33…回転電極
36…磁場勾配用シム
37…磁場補正用シム
38…主磁極
39…円形加速器
40…主電磁石
41…ヨーク
42…主コイル
43…セプタムコイル
44…ピーラ磁場領域
45…リジェネレータ磁場領域
46…ビーム用貫通口
47…高エネルギービーム輸送系
48…コイル用貫通口
49…真空引き用貫通口
50…高周波系用貫通口
52…イオン入射部
53…イオン源
54…低エネルギービーム輸送系
60…クライオスタット
70…高周波キッカ
71…接地電極
72…高圧電極
73…突起部
80…最大エネルギー軌道
81…最低出射エネルギー軌道
82…ビーム出射経路入口
86…高周波キッカ電源
89…グリッドバイアス電源
90…角度検出機構
91…演算装置
92…原発振器
93…スイッチ
94…前段増幅器
190…回転ガントリ
191…制御装置
192…照射装置
200…患者
201…治療台
272…ストリップライン(直線状の導電体)

Claims (7)

  1. 加速領域に直交する直流主磁場を形成する磁石と、前記加速領域内を周回する荷電粒子ビームに第1の高周波電場を印加して、周回軌道の半径を増加させながら加速する第1電極と、前記荷電粒子ビームを前記周回軌道から外部に出射させるために、前記周回する荷電粒子ビームを前記半径の方向に振動させる第2の高周波電場を印加する高周波キッカとを有し、
    前記高周波キッカは、前記周回軌道の軌道面を挟んで対向配置された一対の電極と、前記一対の電極の外側に配置された接地電極とを備え、前記軌道面において前記半径方向の高周波電場を形成し、
    前記一対の電極は、それぞれ前記軌道面に直交する方向のサイズよりも、前記周回軌道の半径方向のサイズの方が大きい板状である
    ことを特徴とする円形加速器。
  2. 請求項1に記載の円形加速器であって、前記高周波キッカの前記半径の方向の外側に配置され、前記荷電粒子ビームを外側に偏向させる磁場を形成するピーラ磁場発生部をさらに有し、
    前記高周波キッカは、前記荷電粒子ビームのうち出射させるべき最小エネルギーの荷電粒子ビームの周回軌道を中心に、当該周回軌道と前記ピーラ磁場発生部との距離の2倍の前記半径の方向の範囲について、形成する前記電場の向きが一様であることを特徴とする円形加速器。
  3. 請求項1に記載の円形加速器であって、前記一対の電極には、同電圧が印加されることを特徴とする円形加速器。
  4. 請求項1に記載の円形加速器であって、前記一対の電極は、前記周回軌道の中心側の端部に突起部を有し、前記一対の電極の間隔は、当該端部において狭められていることを特徴とする円形加速器。
  5. 請求項1に記載の円形加速器であって、前記接地電極は、2分割されており、2分割された前記接地電極は、前記軌道面を挟んで対向配置されていることを特徴とする円形加速器。
  6. 加速領域に直交する直流主磁場を形成する磁石と、前記加速領域内を周回する荷電粒子ビームに第1の高周波電場を印加して、周回軌道の半径を増加させながら加速する第1電極と、前記荷電粒子ビームを前記周回軌道から外部に出射させるために、前記周回する荷電粒子ビームを前記半径の方向に振動させる第2の高周波電場を印加する高周波キッカと、前記高周波キッカの前記半径の方向の外側に配置され、前記荷電粒子ビームを外側に偏向させる磁場を形成するピーラ磁場発生部を有し、
    前記高周波キッカは、前記荷電粒子ビームのうち出射させるべき最小エネルギーの荷電粒子ビームの周回軌道を中心に、当該周回軌道と前記ピーラ磁場発生部との距離の少なくとも2倍の前記半径方向の範囲について、形成する前記電場の向きが一様で、かつ、前記半径方向であることを特徴とする円形加速器。
  7. 円形加速器と、前記円形加速器が出射された荷電粒子ビームを患者に照射する照射装置とを備え、
    前記円形加速器は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の円形加速器であることを特徴とする粒子線治療システム。
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