JP2023106831A - 回転コンデンサ、円形加速器、および粒子線治療システム - Google Patents

回転コンデンサ、円形加速器、および粒子線治療システム Download PDF

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Abstract

【課題】高周波の周波数を従来に比べて精度よく変調させることが可能な円形加速器に用いられる回転コンデンサ、円形加速器、および粒子線治療システムを提供する。【解決手段】回転コンデンサ22は、ロータ電極33と、回転コンデンサ22の回転軸に対してロータ電極33より外周側に配置されたステータ電極32と、ロータ電極33を支持、回転させるシャフトと、を備え、シャフトは、内導体14,14a,14cとの間にギャップ26,26aが設けられており、ロータ電極33は、内導体14,14a,14cに対して静電結合されており、ステータ電極32は、外導体15に支持された。【選択図】図6

Description

本発明は、粒子線を加速するための円形加速器に好適に用いられる回転コンデンサやそれを備えた円形加速器、および粒子線治療システムに関する。
特許文献1には、主磁場中での高周波を印加することにより、軌道半径を増加させながら荷電粒子ビームを加速する円形加速器において、荷電粒子ビームの円形加速器からの出射を高精度に制御するために、主磁場中で高周波を印加することにより、軌道半径を増加させながら荷電粒子ビームを加速する円形加速器において、加速に用いる高周波とは周波数の異なる高周波を荷電粒子ビームに印加することにより、荷電粒子ビームを出射する、ことが記載されている。
耐久性が高く、高速回転可能な回転コンデンサによる円形加速器の一例として、特許文献2には、ステータ電極と、このステータ電極のステータ電極面との間で静電容量を形成するロータ電極面を有するロータ電極と、を備え、このロータ電極が回転することにより、静電容量が変化する回転コンデンサが筐体内に設けられた円形加速器において、ロータ電極は、筐体内に固定された金属の軸受により回転可能に保持されるシャフトによって保持され、シャフトは軸方向の少なくとも一部の領域が直流を絶縁する絶縁材料で構成され、軸受と筐体との間に、少なくとも一部の領域が直流を絶縁する絶縁材料で形成された軸受ホルダが配置されるようにした、ことが記載されている。
特開2019-133745号公報 特開2020-095772号公報
主磁場強度を時間的に一定とし、加速高周波の周波数を時間的に変調するタイプの円形加速器として、シンクロサイクロトロンや、特許文献1に記載の偏芯軌道型加速器が知られている。
これらの円形加速器では、主磁場の生成に超電導コイルを用いて高磁場化することが比較的容易であるため、加速器の小型化により低コスト化を図ることができる。そのため、これらの円形加速器は、特に粒子線治療システムに適用される。
シンクロサイクロトロンや偏芯軌道型加速器では、荷電粒子ビームを加速させる高周波の周波数を変調させる素子として、回転コンデンサが用いられる。回転コンデンサは、一般的に、ステータ電極と、ステータ電極に対向して配置されたロータ電極と、ロータ電極を回転させる回転軸と、回転軸を支持する軸受けと、を含んでおり、その一例が特許文献2に記載されている。
回転コンデンサは、精度よく高周波の周波数を変調させる必要がある。そのため、軸振動や遠心力による変形、熱膨張による変形で共振周波数が変化しないようにしなければならない。
しかしながら、特許文献2に記載の回転コンデンサにおいては、ステータ電極が内側、ロータ電極が外側に配置されており、ロータにかかる遠心力や軸振動が大きくなる虞がある。また、ロータには水冷用の配管が通されるが、ロータ電極先端までの経路が長くなり十分な冷却ができない虞がある。これらの理由により、ロータが変形して共振周波数が所定の値からずれる虞がある、という課題がある。
本発明の目的は、高周波の周波数を従来に比べて精度よく変調させることが可能な円形加速器に用いられる回転コンデンサ、円形加速器、および粒子線治療システムを提供することにある。
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、直流主磁場に第1高周波を印加することで荷電粒子ビームを加速させる円形加速器に用いられ、前記第1高周波の周波数を変調する回転コンデンサであって、ロータ電極と、前記回転コンデンサの回転軸に対して前記ロータ電極より外周側に配置されたステータ電極と、前記ロータ電極を支持、回転させるシャフトと、前記シャフトとの間にギャップが設けられており、前記ロータ電極に対して静電結合された内導体と、前記ステータ電極を支持する外導体と、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、高周波の周波数を従来に比べて精度よく変調させることができる。上記した以外の課題、構成および効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本実施形態に係る円形加速器の外観を示す斜視図である。 本実施形態に係る円形加速器を示す断面図である。 図2のA-A’線断面図である。 エネルギー毎のビーム起動を示す図である。 本実施形態に係る円形加速器の運動パターンを示す図である。 本実施形態に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 図7のB-B’線断面図である。 本実施形態の変形例1に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 図8のC-C’線断面図である。 本実施形態の変形例2に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 本実施形態の変形例3に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 本実施形態に係る粒子線治療システムの構成を示す図である。
本発明の回転コンデンサ、円形加速器、および粒子線治療システムの実施形態について図1乃至図12を用いて説明する。
なお、本明細書で用いる図面において、同一のまたは対応する構成要素には同一、または類似の符号を付け、これらの構成要素については繰り返しの説明を省略する場合がある。
また、下記の実施形態は一例に過ぎず、本発明は下記の具体的な態様に限定されるものではない。本発明自体は、下記の実施形態以外にも種々の形態に変形させることが可能である。
例えば、本発明に係る回転コンデンサは円形加速器に好適に用いることができるが、その用途だけに限定されるものではない。また、本発明に係る円形加速器は粒子線治療システムに好適に用いられるが、その用途だけに限定されるものではない。
以下、図1乃至図3を参照して、本実施形態に係る円形加速器の構成について説明する。図1は、本実施形態に係る円形加速器の外観を示す斜視図である。図2は、円形加速器の横断面(中心平面)を示す断面図である。図3は、図2のA-A’線断面図であり、円形加速器の縦断面を示す断面図である。
図1等に示す円形加速器39は、時間的に一定強度の主磁場にて、周波数変調した高周波電場によってビームを加速する装置である。一例として、陽子ビームを200MeV程度まで加速する円形加速器について説明するが、円形加速器39は、ヘリウムや炭素等の重粒子ビームを加速する装置であってもよい。
円形加速器39は、ビーム軌道をビーム出射経路入口82の側に偏芯させるように主磁場を形成した偏芯軌道型加速器であり、ビームエネルギーを70MeVから200MeV程度の間で任意に変えて出射することができる。なお、ビーム軌道は偏芯軌道である必要は無く、加速されるビームの起動が等芯円状の加速器にも適用可能であることは言うまでもない。
図1および図3に示すように、円形加速器39の外殻は、上下方向に分割可能な主電磁石40によって形成されている。主電磁石40内の中心平面上に加速領域が形成されており、その加速領域は真空引きされている。
以下、加速領域内においてビームが加速開始されて、ビームのエネルギーが最大エネルギーの200MeV程度になるまでにビームが通る軌道を周回軌道と呼ぶ。周回軌道のうち、エネルギーが最大エネルギー200MeV程度であるビームが通過する軌道を、最大エネルギー軌道80と呼ぶ(図2参照)。また、エネルギーが70MeVであるビームが通過する軌道を、最低出射エネルギー軌道81と呼ぶ。周回軌道が螺旋を描く面を軌道面又は軌道平面と呼ぶ。加速領域の中心を原点とする軌道面の2次元極座標系が定められ、その中心から半径外側方向の軸をr軸と呼ぶこととする。
図1に示すように、主電磁石40の上部には、イオン源53が設置されている。イオン源53は、主電磁石40に入射するイオンのビームを生成する。イオン源53によって生成されたビームは、低エネルギービーム輸送系54を通り、イオン入射部52を経由して主電磁石40内部の加速領域に入射される。イオン源53としては、ECRイオン源等を適用することができる。なお、イオン源53は、主電磁石40内部の真空引きされた加速領域内部に配置されてもよく、その場合はPIG型イオン源等を好適に用いることができる。
図2に示すように、イオン入射部52は、中心線上において加速領域の機械中心よりもビーム出射経路入口82側に寄せて配置される。イオン源53によって生成された荷電粒子のビームは、低エネルギービーム輸送系54を通り、イオン入射部52を経由して、インフレクタ電極(図示の都合上省略)等によって主電磁石40内部の加速領域に入射される。
入射されたビームは、高周波電場で加速され、エネルギーを増しながら主磁場中を周回する。ビームは加速されるにつれ、その軌道の曲率半径を増し、ビームは加速領域の中心から外側に向かって、螺旋状の軌道を描く。なお、ビームを加速させる高周波が、第1高周波の一例に相当する。
図3に示すように、主電磁石40は、主磁極38と、ヨーク41と、主コイル42とを含む。ヨーク41によって、主電磁石40の外観が形成される。ヨーク41の内部に、およそ円筒状の領域が形成される。主コイル42は、円環状の超電導コイルであり、ヨーク41の内壁に沿って設置される。主コイル42の周囲には、クライオスタット60が設置されており、クライオスタット60によって主コイル42が冷却される。主コイル42の内周側には、主磁極38が上下に対向して設置されている。主コイル42に直流電流を流すことによって励起され、主磁極38によって形成される上下方向の磁場を、直流主磁場と呼ぶ。直流主磁場は、偏芯軌道の形成に用いられる。加速領域は、直流主磁場中のビームを加速するための領域である。
図2に示すように、ヨーク41には複数の貫通孔が形成されている。具体的には、ビーム用貫通孔46、コイル用貫通孔48、真空引き用貫通孔49、および高周波系用貫通孔50が形成されている。
ビーム用貫通孔46は、加速されたビームを出射するための貫通孔であり、高エネルギービーム輸送系47を形成する。このビーム用貫通孔46の円形加速器39の内周側に位置するビーム出射経路入口82にはセプタムコイル43が設置されている。
コイル用貫通孔48は、ヨーク41内に設置されている種々のコイル導体を外部に引き出すための貫通孔である。真空引き用貫通孔49は、加速領域を真空引きするための貫通孔である。高周波系用貫通孔50は、加速空胴10のための貫通孔であり、上下磁極の接続面に設けられている。
加速空胴10は、λ/2共振型空胴であり、ディー電極12と、ダミーディー電極13と、内導体14と、外導体15と、回転コンデンサ22と、を含む。
ディー電極12は、その内部をビームが通過する中空電極であり、内導体14とつながっている。ダミーディー電極13は、アース電位の電極であり、内導体14を包む外導体15とつながっている。ディー電極12とダミーディー電極13との間に、加速間隙11が形成される。加速間隙11に高周波電場が形成される。
加速空胴10への高周波電力は、高周波電源21によって入力カプラ20を介して供給される。入力カプラ20は、静電結合式又は磁気結合式のいずれかの方式によって加速空胴10とカップリングされる。これにより、ビームを加速するための高周波加速電圧とその高周波加速電圧による高周波電場が、加速間隙11に発生する。
回転コンデンサ22は、加速空胴10の共振周波数を変調するための機器である。回転コンデンサ22の静電容量を時間的に変動させることで、加速空胴10の共振周波数を変えて、周波数変調パターンを形成することができる。回転コンデンサ22によって周波数変調された加速電圧が、ディー電極12とダミーディー電極13との間の加速間隙11に発生する。図2に示されている加速間隙11は、ハーモニクス数1の加速間隙、すなわち周回周波数と加速周波数とが同じ加速間隙であり、ビームの軌道形状に応じて形成される。
高周波電源21は、自励式又は他励式のいずれかの方式によって、加速空胴10の共振周波数変化に追随した周波数の高周波電力を供給する。
以下、偏芯軌道を実現する主磁場について説明する。主磁場は、周方向に主磁場強度が一定となるタイプの磁場でもよいし、AVF(Azimuthal Varying Field)タイプの磁場でもよい。いずれのタイプの磁場であっても、主磁場分布は、非等時性の直流磁場である。以下の式(1)で表されるn値が0より大きく、かつ1未満となるビーム安定化条件を満たすように、主磁場分布が定められる。
Figure 2023106831000002
ここで、ρは設計軌道の偏向半径であり、Bは磁場強度であり、∂B/∂rは半径方向の磁場勾配である。
上述のビーム安定化条件のもとでは、設計軌道から径方向に微小にずれたビームは、設計軌道に戻すような復元力を受け、軌道面に対し鉛直な方向にずれたビームは、軌道面に戻す方向に主磁場から復元力を受ける。すなわち、ビームは、設計軌道の近傍をベータトロン振動し、安定して周回して加速される。また、全エネルギーのビームにおいて、軌道面内に平行、かつ軌道と直交する方向のベータトロン振動数(水平方向チューン)νrは1に近い値に設定される。
上述の主磁場分布は、主磁極38、およびこの主磁極38の表面に設置されるトリムコイルや磁極片(ともに図示省略)によって形成される。これらの構成要素は、軌道平面に対し上下対称に配置されるため、主磁場は、軌道平面上において、軌道平面と垂直な方向の磁場成分のみを持つ。
図4に、各エネルギーの周回軌道が示されている。最大エネルギー200MeV程度から磁気剛性率0.04Tmおきに、50種類のエネルギーの軌道が実線で示されている。点線は各軌道の同一の周回位相を結んだ線であり、等周回位相線と呼ぶ。等周回位相線は、集約領域から周回位相π/20ごとにプロットされている。
ディー電極12とダミーディー電極13との間に形成される加速間隙11は、等周回位相線に沿って設置される。より具体的には、ディー電極12は同心軌道の中心付近を先端とし、半径が等周回位相線に沿う、扇形のような中空の形状をしている。
ビームのエネルギーが低い領域の軌道は、従来のサイクロトロン同様に、イオン入射部52付近を中心とする同心軌道に近くなる。より大きなエネルギーの軌道は、ビーム出射経路入口82の側で密に集約している。逆に内導体14の側では、各エネルギーの軌道が互いに離れた位置関係にある。この軌道が密に集まっている点を集約領域、離散した領域を離散領域と呼ぶ。このような軌道配置を形成して集約領域付近からビームを取り出すことで、必要となるビームキック量を小さくできるため、エネルギー可変のビーム出射を容易に実現することができる。
以下、図5を参照して、ビームが円形加速器39に入射されて円形加速器39から出射されるまでの過程について説明する。
図5(a)には、加速空胴10の共振周波数fcavと、高周波キッカ70によってビームに印加される高周波電場の周波数である周波数fextと、時刻Tと、の関係を表すグラフが示されている。図5(b)には、加速間隙11に発生する加速電圧Vaccと、高周波キッカ70に印加される高周波電圧Vextと、時刻Tと、の関係を表すグラフが示されている。図5(c)には、入射するビームの電流および出射するビームの電流と、時刻Tと、の関係を表すグラフが示されている。なお、高周波キッカ70に印加される高周波は、第2高周波の一例に相当する。
一加速周期は、加速電圧Vaccの立ち上がり(時刻T1)から始まる。その後、加速電圧Vaccが十分に上がると、イオン源53からビームが円形加速器39に入射される(時刻T2)。
ビームが円形加速器39に入射してから時間t経過後にビームの高周波捕獲が終了する。捕獲されたビーム、すなわち入射されたビームのうち加速の準備が整ったビームが、加速電圧Vaccによって加速され始める(時刻T3)。
ビームのエネルギーが取り出したいエネルギーに達すると、加速高周波の遮断が開始され(時刻T4)、それから時間tが経過すると加速電圧VaccがOFF状態となり(時刻T5)、ビームはある軌道を周回する。
なお、ビームを形成する個々の荷電粒子は、周回時にビームの軌道と直交する方向に振動しており、この振動をベータトロン振動、この振動の振動数をベータトロン振動数と呼ぶ。また、周回一周あたりの振動数をチューンと呼び、周回一周あたりの軌道面外側へのビームのr軸上変位をターンセパレーションと呼ぶ。更に、周回するビームに関して、軌道面内かつビームの軌道と直交する方向のベータトロン振動を水平方向のベータトロン振動と呼び、チューンを水平方向チューンと呼ぶ。このベータトロン振動は、適切な高周波電圧が印加されると共鳴が起こり、振幅が急激に増大する性質を有する。
accがOFF状態になると同時に、高周波キッカ70への高周波電圧Vextの印加が開始される。なお、高周波キッカ70への高周波電圧Vextの印加開始(時刻T5)は、加速電圧VaccがOFF状態となるのと厳密に同時でなくてもよい。高周波電圧Vextの印加開始は、加速高周波の遮断開始(時刻T4)の直前、同時又は直後でもよく、加速電圧VaccがOFF状態の直前や直後でもよい。なお、取り出したいエネルギーは、加速電圧Vaccの印加時間で制御することができる。
高周波キッカ70の高周波電圧は、高周波キッカ70が共振器構造でなく、静電容量が適切な値となるように設計されていれば、数μsecの応答で素早く立ち上がる。
ベータトロン振動は、水平チューン又は水平チューンの小数部のいずれか一方とビームの周回周波数との積が、印加される高周波電圧の周波数と略同一であるとき、振幅が共鳴的に増大する性質を有する。そこで、当該高周波電圧の周波数fextは、最大エネルギービームの水平方向チューンνrの小数部Δνrと、取り出したいエネルギーのビームの周回周波数frevとの積Δνr×frevと、略同一となるように定められる。あるいは、積Δνr×frevと略同一となる周波数成分を含む有限の周波数バンド幅の高周波電圧が、印加されてもよい。結果として、水平方向ベータトロン振動の振幅は共鳴的に増大し続け、やがて、最大エネルギー軌道80の外周側に設置したピーラ磁場領域44とリジェネレータ磁場領域45に、ビームが到達する(時刻T6)。
ピーラ磁場領域44に到達したビームは、軌道面の外周側にキックされる。リジェネレータ磁場領域45に到達したビームは、軌道面内周側にキックされる。ここで、「キックする」とは、電場又は磁場を印加することによってビームを偏向させることをいう。
ピーラ磁場領域44の四極磁場成分によって、ビームは更に外周側にキックされて、ターンセパレーションが増大していく。同時に、リジェネレータ磁場領域45の磁場によって、ビームの水平方向チューンが急激に変動することが抑制され、ビームが出射されるまでの間に、水平方向と90度直交する垂直方向にベータトロン振動が発散して、ビームが失われることが防止される。ピーラ磁場領域44とリジェネレータ磁場領域45のそれぞれの磁場強度が適切に調節されると、2νr=2のベータトロン振動の共鳴条件が発生して、ターンセパレーションを増大させることができる。
セプタムコイル43の内周側に設置されるコイル導体(図示省略)の厚みを大きく超えるターンセパレーションが得られるようになると、ビームは、セプタムコイル43内部へと導かれ、十分な偏向を受け高エネルギービーム輸送系47へ導かれ、出射される。
なお、高周波キッカ70へ高周波電圧印加を開始した直後(時刻T5)は、可能な限り大きな高周波電圧を印加し、ビームの振幅を素早く増大させることで、ビーム出射までの時間を短縮することができる。
ビームがピーラ磁場領域44又はリジェネレータ磁場領域45に到達する直前(時刻T6)に高周波電圧を低下させ、ピーラ磁場領域44とリジェネレータ磁場領域45とに進行するビームの量を調整することで、ビーム出射電流を細かく制御することができる。高周波電圧Vextを低下させるかわりに、高周波キッカ70に印加される高周波の周波数をスイープする、又は、当ギア高周波の位相を変えることでも、ビームの出射電流を変えることができる。これは、ビームに含まれる荷電粒子のベータトロン振動数が、ある分布を有してばらついているという性質(チューンスプレッド)を利用している。高周波の周波数を変えて、共鳴を起こす荷電粒子の振動数の分布の帯域を変えることで、ビームの出射電流を変えることができる。
ビームの出射開始(時刻T6)から時間t経過後に高周波キッカ70への高周波電圧Vextの印加を停止することで、ビームの出射が停止させられる(時刻T7)。この時間tを調整することで、ビームの出射時間を制御することができる。
高周波キッカ70に印加する高周波電圧を制御することで、ビーム出射電流を調整することができ、当該高周波電圧を印加停止すればビーム出射を停めることができる。それ故、スキャニング照射で要求されるスポット線量を、1回の出射パルスビームで過不足なく照射することができ、線量率が向上する。
例えば、図5に示すようにビームの出射開始(時刻T6)から時間t’経過後まで高周波キッカ70への高周波電圧Vextの印加を続ければ、時刻T7’までビームを出射することができる。
また、出射後に加速器内に周回するビームが残存していれば、高周波電圧Vextを再び印加することでビーム出射を再開でき(時刻T8)、再びビームの入射、捕獲および加速を行わずに、次のスポット照射にビームを用いることができる。すなわち、一加速周期内に複数回ビームを出射することができるので、イオン源53から入射された電荷を無駄なく使用することができ、線量率がさらに向上する。再び、加速電圧Vaccが立ち上がり始めれば、新たな加速周期が始まる(時刻T10)。
以下、図6以降を参照して、回転コンデンサ22について詳しく説明する。
図6に示す回転コンデンサ22は、加速空胴10のディー電極12とは反対側の端部に設置される。
この回転コンデンサ22は、モータ31と、ステータ電極32と、ロータ電極33と、このロータ電極33とモータ31とを接続するシャフトと、ロータリジョイント34と、真空シール29と、シャフトの軸受け30と、ホルダ28と、バイパスコンデンサ23と、を含んでいる。
ステータ電極32は外導体15上に形成されており、すなわち外導体15はステータ電極32を支持している。このステータ電極32は、回転コンデンサ22の回転軸に対してロータ電極33より外周側に配置されている。
ロータ電極33は、内導体14に対して微小なギャップ26を介して静電結合されている。このギャップ26を設けることで、ロータ電極33を内導体14から切り離して回転させることができ、電気的には静電結合することができる。これにより、回転体の長さを短くでき、軸振動を抑制することができる。
また、ロータ電極33を内導体14側に形成することで、外導体15側にロータ電極を形成する場合に比べてロータ電極33の直径を小さくすることができ、遠心力による変形を防ぐことができるので、高周波の周波数を従来に比べて精度よく変調させることができる。
図7は、図6のB-B’線断面図である。図7に示すように、ステータ電極32およびロータ電極33は、図5(a)に示されている周波数の変調パターンを実現するために、周方向に任意形状の切り欠け部を有する周期対称構造を有している。このようにステータ電極32とロータ電極33との対向部面積を変化させることで、ステータ電極32とロータ電極33との間に形成される静電容量が時間的に変動する。
図7に示す例では、この周期対称構造が8回対称の構造であるため、モータ31が1回転するごとに周波数変調パターンが8周期分繰り返される。周期対称回数をさらに多くすればモータ回転数を下げることができ、軸振動が抑制されることから、高周波の周波数を精度よく変調させることができる。
シャフトはロータ電極33を支持、回転させるものであり、金属シャフト35a、絶縁シャフト35b、ロータ電極支持部35cで構成されており、ロータ電極33を支持するロータ電極支持部35c側に絶縁シャフト35b、モータ31側に金属シャフト35aが配置される。
絶縁シャフト35bの材質にはFRP、アルミナ、窒化アルミが使われる。上記材料を用いることでロータ電極33の回転に必要な機械強度を保つともに、ロータ電極33から金属シャフト35aに電流が流れることを防ぎ、ロータ電極33、ステータ電極32の周波数変調幅を広くすることができる。シャフトから真空シール29や軸受け30に流れる電流が減ると、軸受け30が劣化しにくくなる。軸受け30を良好な状態で使用できるので、軸振動が小さくなり、高周波の周波数を従来に比べて精度よく変調させることができる。
シャフトは、金属シャフト35a部分がモータ31の中心を貫通するように設置される。シャフトの内導体14側とは反対側の端部にはロータリジョイント34が設置されており、シャフト内に冷却水が供給される。冷却水はロータ電極33の冷却に用いられる。
本実施形態では内導体14側にロータ電極33があるので、シャフトからロータ電極33のギャップ26付近まで配管を直線で持っていき、そこからロータ電極33の先端まで配管を分岐するという簡易な構成で水冷配管を配置できるため、熱膨張による変形を従来に比べて容易に抑えることができる。
なお、図7に示されているモータ31は一例に過ぎず、回転コンデンサ22に用いられるモータは、シャフトと回転軸とを共有する構造以外の構造を有することができる。例えば、シャフトの脇にモータが設置され、ギアやプーリ等を介して、シャフトが駆動されてもよい。
ホルダ28は水冷されており、真空シール29と軸受け30とを保持すると共に冷却する。真空シール29はディー電極12側に設置され、シャフトの周りを真空封止する。
シャフトを支持する軸受け30は、ディー電極12の反対側に設置されている。つまり、軸受け30は、大気側に設置されている。消耗品である軸受け30が大気側に設置されているため、軸受け30の交換等の保守作業が容易になる。また、その保守作業のために真空を開放する必要がないため、円形加速器39のダウンタイムを減らすことができる。また、軸受け30に用いられるグリースが発塵したとしても、その場所は大気中であり、真空度の悪化を引き起こさないため、放電やビーム損失といった問題が発生しない。
真空シール29としては、リップシール、ダブルOリング、ウィルソンシールやベローズシール等が用いられる。なお、モータ31の回転数が2000rpm以下であれば、磁性流体シールを用いることができる。この場合は、摺動性が上がるため、シール寿命の向上が期待できる。本実施形態では軸受け30は1つだが、2つ以上の軸受け30でシャフトを支持することができる。
バイパスコンデンサ23は、真空シール29や軸受け30の側を流れる高周波電流を低減するために、真空シール29の真空側に設置される。バイパスコンデンサ23は、互いに対向するホルダ側電極とシャフト側電極(いずれも図示省略)とを含む。
ホルダ側電極は、外導体15に接続された導電体製のホルダ28aに固定される電極であり、シャフト側電極は、シャフト上に固定される電極である。ホルダ側電極とシャフト側電極は、周方向に切り欠け部を有していない電極である。この構成によって、静電容量が増加し、高周波に対するインピーダンスが低下する。そのため、高周波電流がこのバイパスコンデンサ23の方を流れやすくなり、真空シール29や軸受け30を流れる高周波電流が減少する。
高周波電流が流れるパスとなりうるステータ電極32、ロータ電極33、内導体14、外導体15、および金属シャフト35aは、全て導電体製の部材である。
次いで、回転コンデンサの変形例について図8乃至図11を用いて説明する。
図8には、内導体14aとロータ電極33を支持するロータ電極支持部35c1のそれぞれの対向面に、それぞれ円筒状の羽14a1,35caを設けた構造の変形例1に係る回転コンデンサ22aを備えた加速空胴10aが示されている。図9は図8のC-C’線断面図であり、内導体14aとロータ電極支持部35c1間の羽14a1,35caの構成が示されている。
図8および図9に示すように、変形例1の回転コンデンサ22aでは、内導体14aのシャフト側の面に設けられた円筒状の羽14a1と、ロータ電極33を支持するロータ電極支持部35c1の内導体14側の面に設けられた円筒状の羽35caと、が所定のギャップ26aを挟み交互に配置される。
静電容量は対抗する電極の表面積が増えると大きくなり、電極間の導電性が上がる。そこで、図8に示すように、ギャップ26aに円筒状の羽14a1,35caを設けることで内導体14とロータ電極支持部35c1の対向面積は軸方向の面の面積と円周方向の面の面積との合計となり、図6に示す構造に比べてその分だけ導電性を上げることができる。これにより、ロータ電極33とステータ電極32による周波数変調幅が大きくなるので、ロータ電極33を小さくすることができ、遠心力によるロータ電極33の変形をより効果的に抑制することができる。
図9ではロータ電極支持部35c1の円筒状の羽35caと内導体の14の羽14a1とは同じ厚さにしているが、遠心力が加わるロータ電極支持部35c1の羽35caのみ変形しないように厚くして、内導体14の羽14a1を薄くすることができる。また、ロータ電極支持部35c1の羽35caにおいても遠心力がより大きくなる外側の羽35caを厚くし、内側の羽35caを薄くすることができる。これにより、円周方向の対向面がより外側に来るので、表面積を大きくとることができる。また、内導体14とロータ電極支持部35c1との間の羽14a1,35caは軸方向の面で対向する構成とすることができる。
なお、ロータ電極33の内導体14a側の表面、内導体14aのロータ電極33側の表面のいずれにも羽14a1,35caが設けられている場合について説明したが、いずれか一方であってもよい。また、羽14a1,35caは、円筒状の形状をしている場合について説明したが、円筒状である必要は無く、凸状の形状であればよい。
図10には、変形例2に係る回転コンデンサ22bを備えた加速空胴10bが示されている。図10に示すように、ロータ電極支持部35c2は、内導体14cの側の直径より絶縁シャフト35b2側の直径が小さい形状となっている。このような構造により、内導体14とロータ電極33bとの対向面積を変えずに、ロータ電極33bの羽の外径を短くできるので、遠心力をより小さくすることができる。また、ロータ電極33bの重量が軽くなり、軸振動を抑制することができることから、高周波の周波数をより精度よく変調させることができる。更に、ロータ電極33bやステータ電極32bの面積を図6等の構造に比べて大きくとれるようになり、周波数変調の余裕を大きくできるとの効果が得られる。
なお、図10ではロータ電極支持部35c2に段差を設けることでロータ電極33bの羽の外径を変えているが、ロータ電極支持部35c2をテーパ等の連続的に変化する形状にしてロータ電極33bの羽の外径を小さくすることができる。
図11には、変形例3に係る回転コンデンサ22cを備えた加速空胴10cが示されている。
図11に示す回転コンデンサ22c自体の構成は、基本的には図6に示す回転コンデンサ22と同じである。違いは、内導体14cは、平板上の平板部14c1と、この平板部14c1に対して平行でない筒状部14c2とを有しており、ロータ電極33は、その回転軸が内導体14cの筒状部14c2に対して平行、すなわちモータ31の回転軸がディー電極12の平面に対して垂直に配置されている点である。
そのうえで、入力カプラ20と高周波電源21とはディー電極12とは反対方向に設ける。
本構成では、図6に示す構成により得られる効果に加え、軸受け30が片持ちから両持ちになるので、ロータ電極33の回転をより安定させることができ、軸振動をより低減できることにある。これにより、高周波の周波数をより精度よく変調させることができる。
なお、回転コンデンサ22cを鉛直方向上方側から取り付ける構造である必要は無く、鉛直方向下方側から取り付ける構造としてもよいが、図11に示すように鉛直方向上方側に設けることでメンテナンス性の向上を図ることができる、との効果も得られる。
また、モータ31の回転軸がディー電極12の平面に対して垂直に配置される必要は無く、斜めになっていてもよい。
次いで、図12を参照して、本実施形態に係る粒子線治療システムの構成について説明する。図12には、粒子線治療システムの構成が示されている。
本実施形態に係る粒子線治療システム300は、円形加速器39と、回転ガントリ190と、スキャニングコイルを含み、円形加速器39から出射した荷電粒子ビームを患者に照射する照射装置192と、治療台201と、これら制御する制御装置191とを含む。
円形加速器39から出射されたビームは、回転ガントリ190によって照射装置192まで輸送される。輸送されたイオンビームは、照射装置192およびビームエネルギーの調整によって、患部形状に合致するように整形され、治療台201に横たわる患者200の患部標的に対して所定量照射される。照射装置192は、線量モニタを含み、照射スポット毎に患者200に対して照射された線量を監視している。制御装置191は、この線量データに基づいて、各照射スポットへの要求線量を計算し、その計算結果を演算装置に出力する。
次に、本実施形態の効果について説明する。
上述した本実施形態の直流主磁場に第1高周波を印加することで荷電粒子ビームを加速させる円形加速器39に用いられ、第1高周波の周波数を変調する回転コンデンサ22,22a,22b,22cは、ロータ電極33と、回転コンデンサ22,22a,22b,22cの回転軸に対してロータ電極33より外周側に配置されたステータ電極32と、ロータ電極33を支持、回転させるシャフトと、シャフトとの間にギャップ26,26aが設けられており、ロータ電極33に対して静電結合された内導体14,14a,14cと、ステータ電極32を支持する外導体15と、を備えている。
よって、ロータ電極33を内導体14から切り離して回転させることができ、回転体の長さを短くできるため、軸振動を抑制することができる。また、ロータ電極33が内導体14側に形成されているため、外導体15側にロータ電極を形成する場合に比べてロータ電極33の直径を小さくすることができ、遠心力による変形を防ぐことができるので、高周波の周波数を従来に比べて精度よく変調させることができる。これらの効果により、円形加速器39に用いられる回転コンデンサ22,22a,22b,22cの高周波の周波数を従来に比べて精度よく変調することができる。
また、シャフトは、金属シャフト35a、絶縁シャフト35b,35b2、ロータ電極支持部35c,35c1,35c2を有するため、ロータ電極33から金属シャフト35aに電流が流れることを防ぎ、ロータ電極33、ステータ電極32の周波数変調幅を広くすることができる。
更に、ロータ電極支持部35c2の内導体14a側の表面、内導体14aのロータ電極支持部35c2側の表面のうち少なくともいずれか一方に羽14a1,35caが設けられていることで、対向面の表面積をより大きくとることができ、電極間の導電性を向上させて、ロータ電極33とステータ電極32による周波数変調幅をより大きくとることができるようになり、ロータ電極33を小さくすることができ、遠心力によるロータ電極33の変形をより効果的に抑制することができる。
また、羽14a1,35caは、円筒状の形状をしていることにより、対向面の面積をより大きくとることができるようになる。
更に、シャフトのロータ電極支持部35c2は、内導体14cの側の直径より絶縁シャフト35b2側の直径が小さい形状となっていることで、内導体14とロータ電極33との対向面積を変えずに、ロータ電極33の羽の外径を短くでき、遠心力をより小さくすることができる。また、ロータ電極33の重量が軽くなり、軸振動を抑制することができることから、高周波の周波数をより精度よく変調させることができる、との効果が得られる。
また、内導体14cは、平板上の平板部14c1と平板部14c1に対して平行でない筒状部14c2とを有し、ロータ電極33は、その回転軸が内導体14cの筒状部14c2に対して平行に配置されていることにより、軸受け30が片持ちから両持ちに近い構造にすることができ、ロータ電極33の回転をより安定させることができ、軸振動をより低減できる。これにより、高周波の周波数をより精度よく変調させることができる
<その他>
なお、本発明は上記の実施形態に限られず、種々の変形、応用が可能なものである。上述した実施形態は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。
10,10a,10b,10c…加速空胴
11…加速間隙
12…ディー電極
13…ダミーディー電極
14,14a,14c…内導体
14a1,35ca…羽(凸構造)
14c1…平板部
14c2…筒状部
15…外導体
20…入力カプラ
21…高周波電源
22,22a,22b,22c…回転コンデンサ
23…バイパスコンデンサ
26,26a…ギャップ
28,28a…ホルダ
29…真空シール
30…軸受け
31…モータ
32,32b…ステータ電極
33,33b…ロータ電極
34…ロータリジョイント
35a…金属シャフト(金属部)
35b,35b2…絶縁シャフト(絶縁物部)
35c,35c1,35c2…ロータ電極支持部
38…主磁極
39…円形加速器
40…主電磁石
41…ヨーク
42…主コイル
43…セプタムコイル
44…ピーラ磁場領域
45…リジェネレータ磁場領域
46…ビーム用貫通孔
47…高エネルギービーム輸送系
48…コイル用貫通孔
49…真空引き用貫通孔
50…高周波系用貫通孔
52…イオン入射部
53…イオン源
54…低エネルギービーム輸送系
60…クライオスタット
70…高周波キッカ
80…最大エネルギー軌道
81…最低出射エネルギー軌道
82…ビーム出射経路入口
190…回転ガントリ
191…制御装置
192…照射装置
200…患者
201…治療台
300…粒子線治療システム
本発明は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、直流主磁場に第1高周波を印加することで荷電粒子ビームを加速させる円形加速器に用いられ、前記第1高周波の周波数を変調する回転コンデンサであって、ロータ電極と、前記回転コンデンサの回転軸に対して前記ロータ電極より外周側に配置されたステータ電極と、前記ロータ電極を支持、回転させるシャフトと、備え、前記シャフトは、内導体との間にギャップが設けられており、前記ロータ電極は、前記内導体に対して静電結合されており、前記ステータ電極は、外導体に支持されたことを特徴とする。
本実施形態に係る円形加速器の外観を示す斜視図である。 本実施形態に係る円形加速器を示す断面図である。 図2のA-A’線断面図である。 エネルギー毎のビーム起動を示す図である。 本実施形態に係る円形加速器の運動パターンを示す図である。 本実施形態に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 のB-B’線断面図である。 本実施形態の変形例1に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 図8のC-C’線断面図である。 本実施形態の変形例2に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 本実施形態の変形例3に係る加速空胴と回転コンデンサの概要を示す断面図である。 本実施形態に係る粒子線治療システムの構成を示す図である。
上述した本実施形態の直流主磁場に第1高周波を印加することで荷電粒子ビームを加速させる円形加速器39に用いられ、第1高周波の周波数を変調する回転コンデンサ22,22a,22b,22cは、ロータ電極33と、回転コンデンサ22,22a,22b,22cの回転軸に対してロータ電極33より外周側に配置されたステータ電極32と、ロータ電極33を支持、回転させるシャフトと、備え、シャフトは、内導体14,14a,14cとの間にギャップ26,26aが設けられており、ロータ電極33は、内導体14,14a,14cに対して静電結合されており、ステータ電極32は、外導体15に支持された

Claims (8)

  1. 直流主磁場に第1高周波を印加することで荷電粒子ビームを加速させる円形加速器に用いられ、前記第1高周波の周波数を変調する回転コンデンサであって、
    ロータ電極と、
    前記回転コンデンサの回転軸に対して前記ロータ電極より外周側に配置されたステータ電極と、
    前記ロータ電極を支持、回転させるシャフトと、
    前記シャフトとの間にギャップが設けられており、前記ロータ電極に対して静電結合された内導体と、
    前記ステータ電極を支持する外導体と、を備えた
    ことを特徴とする回転コンデンサ。
  2. 請求項1に記載の回転コンデンサにおいて、
    前記シャフトは、金属部、絶縁物部、ロータ電極支持部を有する
    ことを特徴とする回転コンデンサ。
  3. 請求項1または2に記載の回転コンデンサにおいて、
    前記シャフトの前記内導体側の表面、前記内導体の前記シャフト側の表面のうち少なくともいずれか一方に凸構造が設けられている
    ことを特徴とする回転コンデンサ。
  4. 請求項3に記載の回転コンデンサにおいて、
    前記凸構造は、円筒状の形状をしている
    ことを特徴とする回転コンデンサ。
  5. 請求項2に記載の回転コンデンサにおいて、
    前記シャフトの前記ロータ電極支持部は、前記内導体の側の直径より前記絶縁物部側の直径が小さい形状となっている
    ことを特徴とする回転コンデンサ。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1項に記載の回転コンデンサにおいて、
    前記内導体は、平板上の平板部と前記平板部に対して平行でない筒状部とを有し、
    前記ロータ電極は、その回転軸が前記内導体の前記筒状部に対して平行に配置されている
    ことを特徴とする回転コンデンサ。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の回転コンデンサを備え、
    前記直流主磁場に前記第1高周波を印加することで荷電粒子ビームを加速させる
    ことを特徴とする円形加速器。
  8. 請求項7に記載の円形加速器と、
    前記円形加速器から出射した荷電粒子ビームを患者に照射する照射装置と、を備えた
    ことを特徴とする粒子線治療システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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