JP2022107914A - 燃焼制御システム及び燃焼制御方法 - Google Patents

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Atsushi Shimada
義寛 助川
Yoshihiro Sukegawa
賢吾 熊野
Kengo Kumano
直樹 米谷
Naoki Yonetani
健太 光藤
Kenta MITSUFUJI
英一郎 大畠
Eiichiro Ohata
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Abstract

【課題】コスト増加の一因となる圧力センサを副燃焼室に設けなくても、主燃焼室における燃焼状態を把握することが可能な燃焼制御システムを提供する。【解決手段】燃焼制御システム100は、点火コイル12に点火動作を行わせる動作制御部113と、点火プラグ13が点火動作を開始してからの所定期間に、点火プラグ13の放電による変化とは異なる変化である点火コイル12の電気量変化タイミングを検出する電気量変化タイミング検出部120と、電気量変化タイミングに基づいて、燃焼割合が所定値となる燃焼タイミングを演算する燃焼タイミング演算部111と、燃焼タイミングが所定の範囲内であるかを判断する燃焼タイミング判断部112と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、燃焼制御システム及び燃焼制御方法に関する。
自動車用エンジンは、CO削減のために高効率燃焼が求められている。高空気過剰率、高EGR条件でのリーン燃焼は、熱効率向上のポテンシャルが高い。また、主燃焼室に取り付けた副燃焼室で燃焼した火炎を活用するジェット燃焼は、リーン条件で高速燃焼が可能であるため、現在、定置式の大型エンジンで実用化されている。一方、自動車等の排気量が2Lクラスのエンジンに対して、ジェット燃焼を適用するには、数ccの微小空間である副燃焼室での燃焼を幅広い運転条件にて実現する必要がある。
特許文献1には、「内燃機関の制御装置は、副燃焼室の圧力を検出する圧力センサと、内燃機関の運転状態および検出された副燃焼室における圧力に応じて点火プラグの点火を制御する点火制御部とを備える」、「主燃焼室における点火タイミングのばらつきを抑制または解消する」と記載されている。
特開2018-178966号公報
ところで、特許文献1に開示された、副燃焼室に圧力センサを設ける方法では、副燃焼室と連通した場所に圧力センサを設ける必要があった。この場合、シリンダヘッドの改造および圧力センサの導入コストがかかるという課題があった。
本発明はこのような状況に鑑みて成されたものであり、副燃焼室に圧力センサを設けなくても、主燃焼室における燃焼状態を把握することを目的とする。
本発明に係る燃焼制御システムは、ピストンに面する主燃焼室と、主燃焼室に連通する副燃焼室と、副燃焼室の内部に取り付けられる点火プラグと、点火プラグの点火動作を制御する点火コイルと、燃料噴射装置が噴射する燃料と吸気系から吸気される空気とが混合された混合気が、主燃焼室及び副燃焼室で燃焼するシリンダと、を備えた内燃機関を制御するものである。この内燃機関制御装置は、点火コイルに点火信号を出力し、点火コイルに点火動作を行わせる動作制御部と、点火プラグが点火動作を開始してからの所定期間に、点火プラグの放電による変化とは異なる変化である点火コイルの電気量変化タイミングを検出する電気量変化タイミング検出部と、電気量変化タイミング検出部によって電気量変化タイミングが検出された場合に、電気量変化タイミングに基づいて、燃焼割合が所定値となる燃焼タイミングを演算する燃焼タイミング演算部と、燃焼タイミング演算部によって演算された燃焼タイミングが所定の範囲内であるかを判断する燃焼タイミング判断部と、を備える。
本発明によれば、副燃焼室に圧力センサを設けなくても、燃焼割合が所定値となる燃焼タイミングが所定の範囲内であるかを判断し、主燃焼室の燃焼状態を把握することが可能となる。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施の形態の説明により明らかにされる。
本発明の第1の実施の形態に係る燃焼制御システムの全体構成例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る燃焼制御システムの内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係るECUのハードウェア構成例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施の形態に係る副燃焼室温度と、燃焼タイミング(MFB50)との関係を表すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係るシリンダヘッドを冷却する冷却水の温度と、副燃焼室温度との関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る点火コイルの構成例、並びに2次電流及び2次電圧の関係を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る火炎ジェットの変化の様子と、圧力差ΔPの例を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る燃焼タイミングの検出を説明するための第1の制御タイムチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る放電2次電流の電流変化タイミングを検出する方法を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る放電2次電流の電流変化タイミングと、燃焼タイミング(MFB50)との関係を示すグラフである。 本発明の第1の実施の形態に係る燃焼タイミングの検出を説明するための第2の制御タイムチャートである。 本発明の第1の実施の形態に係る燃焼制御システムで行われる内燃機関の燃焼制御方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態の変形例に係るMFB10とMFB50の関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る放電期間と、燃焼タイミング(MFB50)との関係を示すグラフである。 本発明の第2の実施の形態に係る燃焼制御システムの内部構成例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施の形態に係る燃焼制御システムで行われる内燃機関の燃焼制御方法の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施の形態に係る燃焼タイミング(MFB50)の検出方法を説明するための第1の制御タイムチャートと、電流変化タイミングが検出された後に行われる点火信号の制御の例を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照して説明する。本明細書及び図面において、実質的に同一の機能又は構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複する説明を省略する。
[第1の実施の形態]
始めに、第1の実施の形態に係る燃焼制御システムの構成例及び動作例について、図1を参照して説明する。
<点火プラグを内部に有する副室を備えるエンジンの構成例>
図1は、燃焼制御システム100の全体構成例を示す図である。エンジン10は、自動車等のパワートレイン用エンジンの一例である。エンジン10及びECU11により、内燃機関(エンジン10)の燃焼を制御する燃焼制御システム100が構成される。
本実施の形態では、点火プラグ13に副燃焼室16を形成する副室形成部材14が取り付けられ、副室形成部材14と一体となった点火プラグ13がエンジン10に取り付けられる構成で説明する。但し、本発明はこの構成に限定されず、副燃焼室16を形成する副室形成部材14がエンジン10に取り付けられ、この副室形成部材14に点火プラグ13が取り付けられる構成であってもよい。これらのいずれの場合であっても図1を用いて説明する。
内燃機関(エンジン10)は、ピストン(ピストン1)に面する主燃焼室(主燃焼室8)と、主燃焼室(主燃焼室8)に連通する副燃焼室(副燃焼室16)と、副燃焼室(副燃焼室16)の内部に取り付けられる点火プラグ(点火プラグ13)と、を備える。また、内燃機関(エンジン10)は、点火プラグ(点火プラグ13)の点火動作を制御する点火コイル(点火コイル12)と、燃料噴射装置(インジェクタ3)が噴射する燃料と吸気系から吸気される空気とが混合された混合気が、主燃焼室(主燃焼室8)及び副燃焼室(副燃焼室16)で燃焼するシリンダ(シリンダ7)と、を備える。副燃焼室(副燃焼室16)は、主燃焼室(主燃焼室8)から混合気を取り込む。点火プラグ13に高電圧を印加する点火コイル12は、点火プラグ13のすぐ近くに設置され、点火プラグ13に接続されている。
インテークマニホールド21にはインジェクタ3が設けられている。インジェクタ3は、ECU11が出力する燃料噴射指令に従って燃料噴射を行う。インテークマニホールド21から吸気される空気と、インジェクタ3から噴射された燃料とが混合された混合気は、主燃焼室8に供給される。この混合気は、エンジン10のシリンダ7に設けられたピストン1が下降し、吸気バルブ4が開いた瞬間から主燃焼室8内に導入される。燃料の供給はポート噴射ではなく、主燃焼室8へ直接噴射する直噴インジェクタにより供給してもよい。また、ポート噴射インジェクタと直噴インジェクタが併用されてもよい。
上述したように本実施の形態に係る燃焼室として、副燃焼室16と主燃焼室8が設けられる。副燃焼室16は、主燃焼室8の吸気バルブ4と排気バルブ5の間に設置される。副燃焼室16の先端に形成された複数の連通路15は、副燃焼室16と主燃焼室8とを連通する。主燃焼室8に供給された燃料と空気の混合気は、圧縮行程にてピストン1の上昇に伴い、連通路15を通過して副燃焼室16内に導入される。
燃焼行程では、吸気バルブ4が閉じており、ピストン1の上昇の過程で圧縮された混合気が点火プラグ13の点火動作で点火される。このため、点火コイル12、圧縮行程における上死点の直前付近にて、所定の点火タイミングで点火プラグ13に高電圧を印加する。この高電圧の印加により、副燃焼室16内で電極17(接地電極及び中心電極)に発生した火花放電により混合気が点火され、混合気の燃焼が開始する。火花放電により副燃焼室16内で生じた火炎は、連通路15を通過して主燃焼室8に複数の火炎ジェットとして噴出し、主燃焼室8内の混合気を多点着火し、主燃焼が行われる。
火炎ジェットにより主燃焼室8内で燃焼した混合気は、急速に膨張する。そして、主燃焼室8内の圧力が上昇し、ピストン1を押し下げ、エンジントルクを発生させる。その後、排気行程にてピストン1が上昇し、排気バルブ5が開いた瞬間から排気ガスがエキゾーストマニホールド22へ排出される。
<燃焼制御システムの機能構成例>
図2は、第1の実施の形態に係る燃焼制御システム100の内部構成例を示すブロック図である。
点火コイル12は、電気量変化タイミング検出部120を備える。
電気量変化タイミング検出部(電気量変化タイミング検出部120)は、点火プラグ(点火プラグ13)が点火動作を開始してからの所定期間に、点火プラグ(点火プラグ13)の放電による変化とは異なる変化である点火コイル(点火コイル12)の電気量変化タイミングを検出する。本実施の形態では、電気量変化タイミング(電流変化タイミング)を、点火コイル(点火コイル12)の2次電流が変化するタイミングとする。
ここで、点火コイル12の電気量変化タイミング検出部120が2次電流の変化を検出するための検出回路について説明する。検出回路は、例えば、点火コイル12に組み込まれたシャント抵抗によって構成される。そして、点火コイル12は、シャント抵抗の両端における電圧変化を検出する。
電気量変化タイミング検出部120は、放電2次電流について、電流変化検出期間T(後述する図9を参照)内に所定周波数以上の振幅変化が電流閾値I(後述する図9を参照)以上となった電流変化が点火プラグ13から入力した場合に、電流変化タイミングを検出できたものとしてフラグを立ち上げる。そして、電気量変化タイミング検出部120は、ECU11に向けて、特定の情報を示すパルス信号又はフラグを出力する。この特定の情報には、電気量変化タイミング検出部120が電流変化タイミングを検出できたことを示す情報、又は電流変化タイミングを検出できなかったことを示す情報のいずれかが含まれる。ECU11は、電気量変化タイミング検出部120から出力されるパルス又はフラグにより、電気量変化タイミング検出部120が電流変化タイミングを検出できたか否かを把握できる。
ECU11は、燃焼タイミング演算部111、燃焼タイミング判断部112及び動作制御部113を備える。
燃焼タイミング演算部(燃焼タイミング演算部111)は、電気量変化タイミング検出部(電気量変化タイミング検出部120)によって電気量変化タイミング(電流変化タイミング)が検出された場合に、電気量変化タイミング(電流変化タイミング)に基づいて、燃焼割合が所定値となる燃焼タイミングを演算する。この際、後述する図8と図11に示すように、燃焼タイミング演算部(燃焼タイミング演算部111)は、検知用の点火信号、又は検知用を兼ねる燃焼用の点火信号が入力した点火コイル(点火コイル12)から電気量変化タイミング検出部(電気量変化タイミング検出部120)が検出した電気量変化タイミング(電流変化タイミング)に基づいて燃焼タイミングを演算する。
このため、燃焼タイミング演算部111は、電気量変化タイミング検出部120から入力したパルス又はフラグ信号がどのクランクタイミングであるかを示すタイミング値を演算する。そして、燃焼タイミング演算部111は、演算したタイミング値に基づいて、燃焼タイミングの一例としてMFB50を演算する。本実施の形態では、気筒内では、点火タイミングに従って混合気に点火が行われた後、燃焼が開始して筒内圧が上昇し、混合気の質量燃焼割合が50%となる燃焼位相(以下、「MFB(Mass Fraction Burned)50」と呼ぶ)を経て、燃焼が終了する。以下の説明では、混合気が燃焼してMFB50となったタイミングを、「燃焼タイミング(MFB50)」と表記する。
燃焼タイミング判断部(燃焼タイミング判断部112)は、燃焼タイミング演算部(燃焼タイミング演算部111)によって演算された燃焼タイミング(MFB50)が所定の範囲内であるかを判断する。本実施の形態では、後述する図8と図11に示すように、燃焼タイミング(MFB50)が、圧縮行程におけるクランク角の上死点後の吹き戻り期間に含まれることを必要とする。主燃焼室(主燃焼室8)から副燃焼室(副燃焼室16)に吹き戻る火炎の吹き戻り開始タイミングは、圧縮行程におけるクランク角の上死点後の吹き戻り期間に設定される。
動作制御部(動作制御部113)は、点火コイル(点火コイル12)に点火信号を出力し、点火コイル(点火コイル12)に点火動作を行わせる。1回の点火工程で動作制御部(動作制御部113)から点火コイル(点火コイル12)に対して、点火信号が少なくとも1回出力される。この時、動作制御部(動作制御部113)は、予め設定されたインターバルが、点火プラグ(点火プラグ13)の点火時期から2次電流の放電が終了するまでの放電期間より長い場合に、混合気の燃焼に用いられる燃焼用の点火信号を出力した後、電気量変化タイミング(電流変化タイミング)の検出に用いられる検知用の点火信号を出力する。一方、動作制御部(動作制御部113)は、インターバルが放電期間未満である場合に、動作制御部(動作制御部113)は、検知用を兼ねる燃焼用の点火信号を出力する。このような動作制御部113の詳細な処理の内容は、図8~図11にて後述する。
動作制御部113から点火信号が入力した点火コイル(点火コイル12)は、電気量変化タイミングが吹き戻り期間に含まれるように、2次電流を点火プラグ(点火プラグ13)に通電する。
そして、燃焼タイミング判断部(燃焼タイミング判断部112)により燃焼タイミングが所定の範囲内でないと判断された場合に、動作制御部(動作制御部113)が点火タイミング、点火コイル(点火コイル12)のチャージ期間、目標A/F、目標EGR、吸気バルブ(吸気バルブ4)の開閉タイミング、排気バルブ(排気バルブ5)の開閉タイミング、燃料噴射量、燃料噴射タイミングのうちの、少なくともいずれか1つを、燃焼タイミングが所定の範囲内になるように制御する。
燃焼タイミング演算部(燃焼タイミング演算部111)は、動作制御部(動作制御部113)による制御が行われた後、再び燃焼タイミングを演算する。
燃焼タイミング判断部(燃焼タイミング判断部112)は、再び燃焼タイミングが所定の範囲内であるかを判断する。
ここで、所定の範囲は、圧縮行程における上死点後0~20degの範囲とする。
<ECUのハードウェア構成>
次に、ECU11のハードウェア構成について説明する。ここでは、ECU11が備える計算機のハードウェア構成例を説明する。
図3は、ECU11のハードウェア構成例を示すブロック図である。
ECU11は、システムバス46を介して相互に接続された、制御部41、記憶部42、及び入出力インターフェース43を備える。制御部41は、CPU(central processing unit)41a、ROM(Read Only Memory)41b、及びRAM(Random Access Memory)41cより構成されている。CPU41aがROM41bに記憶された制御プログラムをRAM41cにロードして実行することにより、図2に示したECU11の各機能が実現される。すなわち、制御部41は、本実施の形態に係る燃焼制御システム100の動作を制御するコンピューターの一例として用いられる。
記憶部42は、半導体メモリ等からなる補助記憶装置である。例えば、記憶部42には、制御プログラムで用いられる各種のパラメータ、変換テーブル、関係式、及び制御プログラムを実行して得られたデータなどが記録される。また、記憶部42に制御プログラムが格納されていてもよい。
入出力インターフェース43は、各センサや各アクチュエータと信号やデータの通信を行うインターフェースである。ECU11は、各センサの入出力信号を処理する図示しないA/D(Analog/digital)変換器、ドライバ回路等を備えている。入出力インターフェース43がA/D変換器を兼ねてもよい。なお、プロセッサにCPUを用いたが、MPU(micro processing unit)等の他のプロセッサを用いてもよい。
<副燃焼室の壁面温度が燃焼へ与える影響>
自動車用に幅広く適用されているエンジン10の排気量は1気筒の行程容積が300~500ccであり、副燃焼室16の内容積は数ccのオーダである。そのため、副燃焼室16の内容積に対する副燃焼室16内の壁面表面積の比が大きくなり、副燃焼室16の壁面温度(以下、「副燃焼室温度」と呼ぶ)が燃焼へ与える影響が大きくなる。そこで、副燃焼室温度が燃焼へ与える影響について、図4と図5を参照して説明する。
図4は、副燃焼室温度(壁面から数mmの位置)と、燃焼タイミング(MFB50)との関係を表すグラフである。ここでは、点火タイミング及び回転数が一定の条件でエンジン10が運転されたものとする。
副燃焼室温度が低ければ(例えば、51℃)、燃焼タイミング(MFB50)は遅いが、副燃焼室温度が高くなるにつれて(例えば、59℃、63℃)、燃焼タイミング(MFB50)が早くなる。このように副燃焼室温度が変化すると、燃焼タイミング(MFB50)も変化する。このため、副燃焼室温度の変化が燃焼タイミング(MFB50)に与える影響は大きいことが示される。
図5は、シリンダヘッド20を冷却する冷却水の温度(以下、「水温」とも略記する)と、副燃焼室温度との関係を示す。図5には、点火タイミングが進角化された時のグラフが実線で表され、点火タイミングが遅角化された時のグラフが破線で表されている。
水温が低いと、副燃焼室16における燃焼が遅いので、副燃焼室温度が上がりにくい。一方、水温が高くなると、副燃焼室温度が上がるが、ある一定値で副燃焼室温度が頭打ちとなる。この時、副燃焼室温度は、水温の影響を受けにくくなる。このように副燃焼室温度は、水温の変化と線形関係ではないことが図5から示される。また、水温が一定の場合においても、点火タイミングが進角化されているか、又は遅角化されているかによって副燃焼室温度が異なる特性を示す。
そこで、副燃焼室16における燃焼を所定のタイミングに制御し、エンジン10を高効率に運転するためには、副燃焼室温度を基にフィードバック制御する方法、又は燃焼状態を推定して、フィードバック制御する方法のうち、どちらかの方法を実施する必要がある。前者の副燃焼室温度を基にフィードバック制御する方法は、副燃焼室温度を検出するための温度センサを副燃焼室16に設置するスペースを確保すること、及び温度センサを設置することによるコストアップにつながる。このため、本実施の形態では、後者の燃焼状態を推定して、フィードバック制御する方法を採用する。
また、燃焼室内に圧力センサを搭載し、燃焼室内で検出された圧力値に基づき、燃焼室内の燃焼状態を推定する手法はコストアップにつながりやすい。そこで、本実施の形態に係るECU11では、燃焼室内に圧力センサを追加しなくても、点火コイル12から得られる情報を用いて燃焼状態を推定する手法を用いる。
図6は、点火コイル12の構成例、並びに2次電流及び2次電圧の関係を示す図である。
図6の説明図(a)には、点火コイル12の構成例が示される。
点火コイル12は、電源121、1次コイル122、スイッチングデバイス123、及び2次コイル124と、を備える。
電源121は、1次コイル122に1次電流及び1次電圧を供給する。
スイッチングデバイス123は、ECU11(動作制御部113)から出力される点火信号のON又はOFFに応じて1次コイル122の通電又は非通電を切り替える。
2次コイル124は、1次コイル122と並列に設置される。また、2次コイル124は、点火プラグ13の電極に接続される。
1次コイル122への通電/非通電に応じて1次コイル122と2次コイル124との間で相互誘導が生じ、2次コイル124に高電圧(2次電圧)及び2次電流(図中にI(t)と表す)が発生する。この2次電圧及び2次電流が点火プラグ13に印加されて、点火プラグ13の電極17(図1を参照)で火花放電が発生し、初期火炎が形成される。以下の説明で、電極17と総称される接地電極及び中心電極間を「電極間」と略記する。
なお、点火コイル12は、一つ以上の1次コイル122、及び一つ以上の2次コイル124を設けた点火制御回路として構成してもよい。このような構成とした点火コイル12に対して、本発明を適用することも可能である。
以上のように、本実施の形態に係る点火制御装置(ECU11)は、1次側に配置された1次コイル(1次コイル122)と、2次側に配置された2次コイル(2次コイル124)とを有する点火コイル(点火コイル12)に入力される点火信号により、1次コイル122に流れる1次電流の通電及び遮断が制御され、1次電流が遮断されたことで2次コイル124に誘起された2次電圧及び2次電流が、2次コイル124に接続される点火プラグ13に印加されて発生した火花放電により、混合気が気筒内の燃焼室(副燃焼室16及び主燃焼室8)で点火されるエンジン10の点火を制御する構成としている。
点火プラグ13の電極間の抵抗により、火花放電時に点火コイル12を流れる2次電流、及び2次電圧が変化する。その物理式(1)~(3)を下記に示す。
L・dI/dt+Rsp(t)・I(t)=0 ・・・(1)
I(t)=Iexp(-Rsp(t)/L・t) ・・・(2)
V(t)=Rsp(t)・I(t) ・・・(3)
2次コイル124のインダクタンスをL、点火プラグ13の電極間の抵抗をRsp(t)、点火コイル12の2次電流をI(t)、2次電流Iの初期値をI、2次電圧をV(t)、2次電流の放電開始からの経過時間をtとした場合、上記の式(1),(2),(3)が成立する。
図6の説明図(b)には、点火コイル12の放電時に時間変化する2次電流I(t)の特性が示され、図6の説明図(c)には、点火コイル12の放電時に時間変化する2次電圧V(t)の特性が示される。各図において、実線のグラフは、電極間の抵抗RspがR[Ω]の場合の特性を表し、破線のグラフは、電極間の抵抗Rspが2R[Ω]の場合の特性を表す。図6の説明図(b)、(c)に示す特性から、電極間の抵抗Rspが変化すると、放電時における2次電流I(t)と、2次電圧V(t)の値が変化することが分かる。すなわち、電極間の抵抗Rspの値が大きくなると、2次電流I(t)と、2次電圧V(t)の変化が急になる。
また、電極間の抵抗Rspは、混合気のガス温度、圧力、組成、流速によって変化する。このため、副燃焼室16内のガス温度、圧力、組成、流速が変化することで、点火コイル12の2次電流I(t)や2次電圧V(t)が変化する。
次に、副燃焼室16で形成された火炎ジェットが主燃焼室8に噴出した後、吹き戻る現象と、この時の副燃焼室16の圧力Psと主燃焼室8の圧力Pmの圧力差(ΔP=Ps-Pm)の変化の様子について、説明する。
図7は、火炎ジェットの変化の様子と、圧力差ΔPの例を示す図である。図7の下部には、クランク角度に対する圧力差ΔPのグラフが示される。そして、図7の上部に示す火炎ジェットの変化の様子を示す説明図(a)~(c)の符号が、圧力差ΔPのグラフに付加される。なお、図中では、副燃焼室16を「副室」と略記し、主燃焼室8を「主室」と略記する。また、説明図(a)~(c)内に示す矢印は、火炎の伝播方向を表す。
図7の説明図(a)に示すように、ピストン1が上昇中に、点火プラグ13による点火が行われる。そして、副燃焼室16内に火炎が形成され、副燃焼室16内を火炎が伝播する。この時、図7の下部のグラフより、圧力差ΔPが正の値を示すことが分かる。
次に、図7の説明図(b)に示すように、ピストン1が上死点を経て下降し始めるが、副燃焼室16から主燃焼室8に火炎が噴出する。この時にも、図7の下部のグラフより、圧力差ΔPが正の値を示すことが分かる。
次に、図7の説明図(c)に示すように、主燃焼室8に噴出した火炎ジェットにより、主燃焼室8の混合気が燃焼し、ピストン1が下降する。そして、副燃焼室16内の圧力が負圧になる。この時、図7の下部のグラフより、圧力差ΔPが負の値を示すことが分かる。このため、主燃焼室8から副燃焼室16へ火炎が吹き戻る現象が発生する。
図7の説明図(b)から説明図(c)に示すように、副燃焼室16内における混合気の流動が大きく変化する。そして、点火プラグ13の電極間の乱れが大きく変化すると共に、電極間の抵抗Rspも変化する。
図7の説明図(c)に示した吹き戻りのタイミングは、クランク角度が0~20[deg.ATDC]の範囲に収まる。また、クランク角度が0~20[deg.ATDC]の範囲より遅角化した場合は、既に膨張行程に入っているため、主燃焼室8から副燃焼室16へ火炎が吹き戻ることはない。一方、クランク角度が0~20[deg.ATDC]の範囲より進角化した場合は、エンジン10内の圧力が高くなり過ぎるため、本実施の形態に係るエンジン制御の適用範囲外の条件となる。
<燃焼タイミングの第1の検出方法>
次に、圧力センサを用いずに燃焼タイミングを検出するための第1の方法について、図8を参照して説明する。
図8は、燃焼タイミングの検出を説明するための第1の制御タイムチャートである。図8の上から順に、点火信号、放電2次電流、放電2次電流の変化開始フラグ、燃焼割合の変化が示される。また、図8の横軸は時間を表す。
本実施の形態に係るECU11の動作制御部113は、2種類の点火信号(燃焼用点火信号及び検出用点火信号)を点火コイル12に出力する。燃焼用の点火信号は、点火プラグ13における混合気の燃焼に用いられる。検出用の点火信号は、電流変化タイミングの検出に用いられる。
燃焼用点火信号のパルス幅は、チャージ期間t_c1として表され、検出用点火信号のパルス幅は、チャージ期間t_c2として表される。チャージ期間t_c1,t_c2毎に、1次コイル122が通電される。
動作制御部113は、チャージ期間t_c1の経過後、燃焼用点火信号を立ち下げることで、点火プラグ13における燃焼用の点火開始を制御する。点火プラグ13では、放電期間t_d1にわたって電極間で放電される。また、ECU11は、チャージ期間t_c2bの経過後、検出用点火信号を立下げることで、点火プラグ13における検出用の放電開始を制御する。点火プラグ13では、放電期間t_d2にわたって電極間で放電される。
点火プラグ13が点火動作を開始してからの所定期間(吹き戻り期間)に、点火プラグ13の放電による変化とは異なる変化である点火コイル12の電流変化タイミングが生じる。そこで、電気量変化タイミング検出部120は、点火プラグ13からフィードバックされる検出用の電極間の放電時における放電2次電流の値に基づいて、放電2次電流の電流変化タイミングを検出する。クランク角度が0~20[deg.ATDC]として表される火炎の吹き戻り期間には、主燃焼室8から副燃焼室16に火炎が吹き戻るので、放電2次電流の値が激しく変化する。
ここで、放電2次電流の電流変化タイミングについて、図9を参照して説明する。
図9は、放電2次電流の電流変化タイミングを検出する方法を示す図である。
図9の上側には、点火コイル12の放電開始後、点火コイル12で発生した放電2次電流の変化の様子が示される。
図9の下側には、放電2次電流の所定周波数以上の変化が発生した期間で抽出された信号の様子が示される。
電気量変化タイミング検出部(電気量変化タイミング検出部120)は、図9の上側に示した点火プラグ(点火プラグ13)の放電開始から放電終了までの放電期間に2次電流に重畳されている直流成分を除き、放電期間における電気量変化検出期間(電流変化検出期間T)以内に検出される2次電流の変化量が電流閾値(電流閾値I)を超えた回数が所定の回数以上であることを、電気量変化タイミング(電流変化タイミング)として検出する。ここで、所定期間は、点火プラグ(点火プラグ13)が副燃焼室(副燃焼室16)の混合気に点火して、副燃焼室(副燃焼室16)から主燃焼室(主燃焼室8)に噴出した火炎が、主燃焼室(主燃焼室8)から副燃焼室(副燃焼室16)に吹き戻る期間である。
ここで、放電2次電流の電流変化タイミングを検出する具体的な手段について説明する。
電気量変化タイミング検出部120は、例えば、シャント抵抗などを用いて、放電2次電流を0-5Vの信号に変換する。その際、電流閾値Iに相当する電圧値をデジタル信号のHighとLowの判定電圧値となるようシャント抵抗の値などを選定する。そして、電気量変化タイミング検出部120は、電流変化検出期間T以内に所定数のHighの数をカウントすると、放電2次電流の変化開始フラグを立てる。なお、電気量変化タイミング検出部120は、放電2次電流の電流変化タイミングを検出するための他の手段として、例えば、バンドパスフィルタを用いて特徴周波数の電流を検出してもよい。
再び、図8の説明に戻る。
点火コイル12の電気量変化タイミング検出部120は、放電2次電流の電流変化タイミングを検出すると、放電2次電流の変化開始フラグをECU11に出力する。ECU11の燃焼タイミング演算部111は、点火コイル12から入力した変化開始フラグを基に、MFB50タイミング(図中に「MFB50」と記載)を演算する。そして、ECU11の燃焼タイミング判断部112は、燃焼タイミング(MFB50)が吹き戻り期間に含まれるか判断し、動作制御部113は、電流変化タイミングが0~20[deg.ATDC]に収まるように、検出用点火信号のチャージ期間及び放電期間を制御する。
なお、図8に示した検出用点火信号は、ECU11がフィードバックを必要とするときだけ使用すればよい。このため、ECU11は、フィードバックが不要な間、検出用点火信号を点火コイル12に出力しないことで、点火コイル12における不要なエネルギを減らしたり、点火プラグ13の電極の摩耗を抑制したりすることができる。
図10は、放電2次電流の電流変化タイミングと、燃焼タイミング(MFB50)との関係を示すグラフである。図10に示すグラフの横軸及び縦軸は、いずれもクランク角度[deg.ATDC]である。
電流変化タイミングと、MFB50のタイミングとの関係には直線性がある。このため、燃焼タイミング演算部111は、電流変化タイミングに基づいてMFB50を演算することが可能である。また、図10に示す電流変化タイミングと、MFB50のタイミングとの直線性を表す関係式は、回転数、トルク、EGR率、空気過剰率に依存して変化する。そこで、図10に示す直線性の関係式(Y=aX+b)を構成する定数a,bの値は、回転数、トルク、EGR率、空気過剰率毎に予めECU11内に保存される。
一般的な点火コイル12を用いた場合、図8に示した第1の制御フローチャートにおいて燃焼用点火信号と検出用点火信号の間のインターバルtiは、燃焼用点火信号による放電期間t_d1以上の期間が必要となる。なぜなら燃焼用点火信号による放電が終了する前に、検出用点火信号による点火コイル12へのチャージが始まる制御にすると、燃焼用点火信号による点火タイミングで燃焼を開始するための十分なエネルギを点火コイル12に供給できず、燃焼が不安定となりやすいからである。そこで、インターバルtiを放電期間t_d1以上の期間とすることで、燃焼用点火信号による燃焼不安定を回避することができる。
<燃焼タイミングの第2の検出方法>
一般的に点火時の放電期間は数msオーダであり、エンジン10の回転数やトルクの条件によって、インターバルtiが放電期間t_d1未満となるケースがある。例えば、ストイキ条件(EGR率ゼロ)、高負荷運転時などの点火開始から燃焼が始まるまでの期間が短い条件がある。そこで、圧力センサを用いずに燃焼タイミングを検出するための第2の方法について、図11を参照して説明する。
図11は、燃焼タイミングの検出を説明するための第2の制御タイムチャートである。図11の上から順に、点火信号、放電2次電流、放電2次電流の変化開始フラグ、燃焼割合の変化が示される。
第2の制御タイムチャートに示すように、燃焼用点火信号が検出用を兼ねる(図中では、「点火/検出用」と記載する)。この場合、火炎の吹き戻りタイミングが、放電期間t_d1の期間内となる。このため、電気量変化タイミング検出部120は、燃焼用点火信号の放電時に発生した放電2次電流の電流変化タイミングを検出する。こうすることで、放電2次電流の電流変化タイミングを、所定のクランク角度の範囲(0~20[deg.ATDC])内にすることができる。
なお、放電2次電流の電流変化タイミングが所定のクランク角度である0~20[deg.ATDC]の範囲外の場合であれば、動作制御部113が点火コイル12のチャージ期間t_c1を調整する。動作制御部113は、チャージ期間t_c1を調整することにより、放電期間t_d1を増減し、電流変化タイミングを所定のクランク角度である0~20[deg.ATDC]の範囲内になるよう制御することが可能となる。
<燃焼制御システムの動作例>
図12は、第1の実施の形態に係る燃焼制御システム100で行われるエンジン10の燃焼制御方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、ECU11が燃焼タイミングの第1又は第2の検出方法を用いて行うMFB50の推定処理の一例について説明する。
始めに、ECU11の動作制御部113(図2を参照)は、現在の回転数、空気量、A/F(空燃比)、EGR率の各現在値を基に、下記の3つの制御を行う(S1)。
(1)マップ制御(点火タイミング、dwell補正、燃料噴射タイミング、点火パルス幅(チャージ期間t_c1)、可変バルブ(VTC)位相の制御)
(2)A/Fフィードバック制御(空気量、燃料噴射タイミング、噴射パルスの制御)
(3)EGR率制御(EGRバルブ開度の制御)
なお、エンジン10に直噴インジェクタが搭載されている場合、ECU11は、噴射圧力や噴射回数についても制御する。
次に、ECU11の動作制御部113は、各補正制御を実施する(S2)。補正制御の対象として、下記の4つがある。
(1)点火タイミング補正、及びdwell補正
(2)目標A/F補正
(3)EGR率補正
(4)可変バルブ(VTC)の位相補正
なお、本実施の形態に係る動作制御部113が行う主な制御は、ステップS1では(1)マップ制御、ステップS2では(1)点火タイミング補正、及びdwell補正である。他の制御及び補正は、必要に応じて行われる。
次に、動作制御部113は、燃焼用点火と検出用点火のインターバルtiが、燃焼用点火信号の放電期間t_d1より長いか否かを判定する(S3)。動作制御部113は、点火コイル12の2次電流若しくは2次電圧、又は点火コイル12の1次電圧のいずれかの情報を用いて、放電期間t_d1を把握する。
インターバルtiが、燃焼用点火信号の放電期間t_d1より長い場合(S3のYES)、動作制御部113は、燃焼用点火信号に加えて、インターバルtiの後に検出用点火信号を点火コイル12に出力する。上述したように燃焼用点火信号の放電期間t_d1の途中で検出用信号のチャージが開始されると、検出用信号が正しくチャージされなくなるためである。そして、点火コイル12では、燃焼用点火信号による放電が行われた後、検出用点火信号による放電が行われる。電気量変化タイミング検出部120は、図8に示した第1の制御タイムチャートに従って、検出用点火信号の放電期間t_d2における放電2次電流の電流変化タイミングを検出する(S4)。
一方、インターバルtiが、燃焼用点火信号の放電期間t_d1以下である場合(S3のNO)、動作制御部113は、検出用を兼ねる燃焼用の点火信号を点火コイル12に出力する。そして、点火コイル12では、燃焼用点火信号による放電だけが行われる。電気量変化タイミング検出部120は、図11に示した第2の制御タイムチャートに従って、検出用を兼ねる燃焼用点火信号の放電期間t_d1における放電2次電流の電流変化タイミングを検出する(S5)。
次に、燃焼タイミング演算部111は、ステップS4又はS5で検出された放電2次電流の電流変化タイミング、及び図10に示した関係に基づいて、MFB50を推定する(S6)。そして、燃焼タイミング判断部112は、MFB50が目標タイミング内であるかを判定する(S7)。目標タイミングは、例えば、圧縮行程における上死点後0~20degの間に設定され、MFB50が目標タイミング内であるとは、MFB50が圧縮行程における上死点後0~20degの範囲内であることを意味する。
推定されたMFB50が目標タイミング内であれば(S7のYES)、図12のMFB50の推定処理を呼び出した元の処理(不図示)にリターンされる。所定時間後、動作制御部113によるステップS1に示す制御が再び行われる。
一方、推定されたMFB50が目標タイミング内でなければ(S7のNO)、ステップS2に戻って、動作制御部113が再び補正制御を実行する。
ステップS7で判定されるMFB50の目標タイミングは、上死点後0~20degの間に設定される。そして、動作制御部113は、エンジン10の回転数、要求トルク又は空気量によって、目標タイミングの値を制御する。具体的には、水温が低い際はMFB50の目標タイミングが遅角側に設定され、触媒暖機のために燃焼を遅くする制御を実施する。また、高EGR条件や高A/F条件の場合、MFB50の目標タイミングは進角側に設定される。
また、高トルク条件ではノッキング回避のためにMFB50の目標タイミングは遅角側に設定され、高回転条件時は進角側に設定される。そして、燃焼タイミング(MFB50)が上死点後0~20degの範囲外の場合、動作制御部113は、ステップS2に示した補正制御を実施する。
また、推定されたMFB50が目標タイミングよりも遅い場合、動作制御部113が燃焼を安定化するために、ステップS2で実施する補正制御は、点火タイミング進角化、点火dwell補正(長放電時間)、A/F小、EGR率小の制御のいずれか1つ以上となる。
一方、MFB50が目標タイミングより早い場合、動作制御部113は、上記の逆の制御のいずれか1つ以上の制御を実施する。
以上説明した第1の実施の形態に係るECU11では、副燃焼室16内の圧力を検出するための圧力センサを副燃焼室16に追加して取り付けなくても、既にあるセンサから得られた情報と、各気筒に搭載された点火コイル12の情報とに基づいて、ジェット燃焼の各気筒の燃焼タイミングを検出することが可能となる。そして、動作制御部113は、燃焼タイミング演算部111が演算した各気筒の燃焼タイミングに基づいて、点火タイミング等を制御することで、高効率に燃焼することが可能となる。
このようにECU11は、副燃焼室温度が変化した場合においても、副燃焼室温度や筒内の燃焼圧力を計測することなく、最適な燃焼タイミングを制御できる。この結果、ECU11は、ロバスト性の高い燃焼を低コストにて実現可能となる。
<第1の実施の形態の変形例>
ところで、図12に示した制御フローチャートにおいて、目標タイミングの判定に用いられる値は、MFB50ではなく、混合気の質量燃焼割合が10%となる燃焼位相であるMFB10としてもよい。この理由として、ジェット燃焼は火炎が噴出してから主燃焼が完了するまでの時間が短い高速燃焼であるが、MFB10であれば、燃焼初期の値であるので、気筒内における空気の流動などの影響を受けにくいためである。
図13は、MFB10とMFB50の関係を示すグラフである。
このグラフには、MFB10とMFB50の関係に直線性があり、MFB10が増加すると共に、MFB50が増加することが示される。このため、図12に示した制御フローチャートのステップS6にて、燃焼タイミング演算部111はMFB10を推定し、ステップS7にて、燃焼タイミング判断部112はMFB10が目標タイミング内であるか否かを判定してもよい。
また、点火コイル12における2次電流の変化は、2次電圧の変化にも現れるので、電気量変化タイミング検出部120は、電気量の変化として2次電圧の変化を検出してもよい。また、2次電圧は電圧範囲が大きいことから、電気量変化タイミング検出部120は、電気量の変化として1次電圧の変化を検出してもよい。ECU11は、点火コイル12で検出された2次電圧又は1次電圧の変化を示すパルス信号又はフラグに基づいて、燃焼タイミングを演算し、燃焼タイミングが目標タイミングの範囲内であるかを判断してもよい。
また、点火コイル12に設けた電気量変化タイミング検出部120と同じ機能を有する検出部をECU11が備える構成としてもよい。
[第2の実施の形態]
上述した図8及び図12に示した第1及び第2の制御フローチャートを用いても、電流変化が小さいため、電流変化タイミングを検出することが困難となる運転条件がある。具体的には低負荷条件や始動時などである。そこで、第2の実施の形態に係るECUは、電流変化タイミングを検出できない場合に、放電期間を用いてMFB50を推定する。
本発明の第2の実施の形態に係るECUで行われるMFB50の推定方法について、図14~図16を参照して説明する。
図14は、放電期間t_d2と、燃焼タイミング(MFB50)との関係を示すグラフである。図14の横軸は、検出用の点火信号が入力された点火コイル12により点火プラグ13が点火された時の放電期間t_d2を示し、縦軸は、燃焼タイミング(MFB50)[deg.ATDC]を示す。
例えば、火炎の吹き戻りがなければ、点火プラグ13のエネルギ消費が少ないので放電期間t_d2が長くなる。放電期間t_d2が長くなると、燃焼タイミング(MFB50)が遅くなる。逆に、火炎の吹き戻りがあると、点火プラグ13のエネルギ消費が多くなるので、放電期間t_d2が短くなる。放電期間t_d2が短くなると、燃焼タイミング(MFB50)が早くなる。また、エンジン10が高回転になるほど、グラフは左側に遷移する。
つまり、エンジン10が高回転になるにつれて、放電期間t_d2が短くても、所定の燃焼タイミング(MFB50)に達しやすくなる。しかし、エンジン10の始動時は低回転であるものの、放電2次電流の変化がわずかであるので、電気量変化タイミング検出部120は、電流変化を検出できないことがある。そこで、図15に示すECU11Aは、放電期間t_d2を検出することで、燃焼タイミング(MFB50)を推定する。
このため、ECU11Aは、図14に示す放電期間t_d2と燃焼タイミング(MFB50)の関係を運転条件毎にROM41b又は記憶部42(図3を参照)に保存しておく。燃焼タイミング演算部111は、この関係を用いることで放電期間t_d2から燃焼タイミング(MFB50)を演算することが可能となる。
<燃焼制御システムの構成例>
図15は、第2の実施の形態に係る燃焼制御システム100の内部構成例を示すブロック図である。
ECU11Aは、第1の実施の形態に係る燃焼タイミング演算部111、燃焼タイミング判断部112及び動作制御部113に加えて、放電期間演算部114を備える。
放電期間演算部(放電期間演算部114)は、電気量変化タイミング検出部(電気量変化タイミング検出部120)が電気量変化タイミング(電流変化タイミング)を検出できなかった場合に、点火プラグ(点火プラグ13)の点火時期から2次電流の放電が終了するまでの放電期間を演算する。電気量変化タイミング検出部(電気量変化タイミング検出部120)が電気量変化タイミング(電流変化タイミング)を検出できなかったことは、放電期間演算部114は、電気量変化タイミング検出部120が電流変化タイミングを検出不能であったことを示す情報を受信することで把握される。
放電期間演算部(放電期間演算部114)は、予め設定されたインターバルが放電期間より長く、かつ電気量変化タイミング(電流変化タイミング)が検出されなかった場合に、点火コイル(点火コイル12)に出力された検知用の点火信号に基づいて、放電期間を演算し、インターバルが放電期間未満である場合に、点火コイル(点火コイル12)に出力された検知用を兼ねる燃焼用の点火信号に基づいて、放電期間を演算する。ここで、放電期間演算部(放電期間演算部114)は、2次電流の変化、又は点火コイル(点火コイル12)の1次電圧若しくは2次電圧の変化のいずれか1つ以上に基づいて点火コイル(点火コイル12)の放電期間を演算する。
燃焼タイミング演算部111は、電流変化タイミングを検出不能であったことを示す情報を受信すると、放電期間演算部114により演算された放電期間に基づいて燃焼タイミング(MFB50)を演算する。以降の燃焼タイミング判断部112及び動作制御部113の処理は、第1の実施の形態に係る処理と同様である。
<燃焼制御システムの動作例>
図16は、第2の実施の形態に係る燃焼制御システム100で行われるエンジン10の燃焼制御方法の一例を示すフローチャートである。ここでは、第2の実施の形態に係るECU11Aが燃焼タイミングの第1又は第2の検出方法を用いて行う、放電期間からMFB50を推定する処理の一例について説明する。
図16のステップS11~S13の処理は、図12のステップS1~S3の処理と同様であるので、詳細な説明を省略する。
ステップS13にて、インターバルtiが、燃焼用点火信号の放電期間t_d1より長いと判定された場合(S13のYES)、動作制御部113は、燃焼用点火信号に加えて、インターバルtiの後に検出用点火信号を点火コイル12に出力する。点火コイル12では、燃焼用点火信号による放電が行われた後、検出用点火信号による放電が行われる。電気量変化タイミング検出部120は、図8に示した第1の制御タイムチャートに従って、検出用点火信号の放電期間t_d2における放電2次電流の電流変化タイミングを検出するための処理を行う(S14)。
次に、電気量変化タイミング検出部120は、電流変化タイミングを検出できたか否かを判定する(S15)。電気量変化タイミング検出部120は、電流変化タイミングを検出できなかった場合(S15のNO)、電流変化タイミングを検出できなかったことを示すパルス信号又はフラグをECU11Aに出力する。この場合、放電期間演算部114は、検出用点火信号の放電期間t_d2を検出し(S16)、ステップS20に進む。
一方、電気量変化タイミング検出部120は、電流変化タイミングを検出できた場合(S15のYES)、電流変化タイミングを検出できたことを示すパルス信号又はフラグをECU11Aに出力し、ステップS20に進む。
ステップS13にて、インターバルtiが、燃焼用点火信号の放電期間t_d1以下であると判定された場合(S13のNO)、動作制御部113は、検出用を兼ねる燃焼用の点火信号を点火コイル12に出力する。そして、点火コイル12では、燃焼用点火信号による放電だけが行われる。電気量変化タイミング検出部120は、図11に示した第2の制御タイムチャートに従って、検出用を兼ねる燃焼用点火信号の放電期間t_d1における放電2次電流の電流変化タイミングを検出するための処理を行う(S17)。
次に、電気量変化タイミング検出部120は、電流変化タイミングを検出できたか否かを判定する(S18)。電気量変化タイミング検出部120は、電流変化タイミングを検出できなかった場合(S18のNO)、電流変化タイミングを検出できなかったことを示すパルス信号又はフラグをECU11Aに出力する。この場合、放電期間演算部114は、検出用を兼ねる燃焼用点火信号の放電期間t_d1を検出し(S19)、ステップS20に進む。
一方、電気量変化タイミング検出部120は、電流変化タイミングを検出できた場合(S18のYES)、電流変化タイミングを検出できたことを示すパルス信号又はフラグをECU11Aに出力し、ステップS20に進む。
ステップS15のYES判定、又はステップS18のYES判定の後、燃焼タイミング演算部111は、電気量変化タイミング検出部120により検出された放電2次電流の電流変化タイミングに基づいて、MFB50を推定する。あるいは、ステップS16、又はステップS19の後、燃焼タイミング演算部111は、放電期間演算部114により演算された放電期間に基づいて、MFB50を推定する(S20)。
そして、燃焼タイミング判断部112は、推定されたMFB50が目標タイミング内であるかを判定する(S21)。推定されたMFB50が目標タイミング内であれば(S21のYES)、図16の推定処理を呼び出した元の処理(不図示)にリターンされる。所定時間後、動作制御部113によるステップS11に示す制御が再び行われる。
一方、推定されたMFB50が目標タイミング内でなければ(S21のNO)、ステップS12に戻って、動作制御部113が再び補正制御を実行する。
以上説明した第2の実施の形態に係るECU11Aでは、点火信号の電流変化タイミングが検出された場合に、検出された電流変化タイミングに基づいて燃焼タイミング(MFB50)を推定する。一方、ECU11Aは、点火信号の電流変化タイミングが検出されなかった場合、点火信号の放電期間を演算し、この放電期間に基づいて燃焼タイミング(MFB50)を推定する。そして、ECU11Aは、検出した各気筒の燃焼タイミング(MFB50)に基づいて、点火タイミング等を制御することで、高効率に燃焼することが可能となる。
なお、図6に示したように、点火プラグ13の電極間の抵抗Rspの抵抗変化が大きくなると、2次電流の変化の傾きも大きくなるので、放電期間が短縮する物理特性がある。燃焼タイミング演算部111は、この物理特性を利用することで、放電期間演算部114が演算した放電期間に基づいて燃焼タイミング(MFB50)を推定することも可能である。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態に係るECU11で行われる制御の例について、図17を参照して説明する。
検出用点火信号のチャージ期間t_c2が大きいと放電期間t_d2が長くなるので、電気量変化タイミング検出部120は、電流変化タイミングが把握しやすいものの、点火コイル12で無駄なエネルギが大きくなる。
このため、動作制御部(動作制御部113)は、電気量変化タイミング(電流変化タイミング)が検出される前に点火コイル(点火コイル12)が通電される期間よりも、電気量変化タイミング検出部(電気量変化タイミング検出部120)が電気量変化タイミング(電流変化タイミング)を検出した後に、点火コイル(点火コイル12)が通電される期間が短くなるように点火信号を出力する。例えば、電気量変化タイミング検出部120が電流変化タイミングを検出した後は、動作制御部113は、検出用点火信号のチャージ期間t_c2を短くする。
図17は、燃焼タイミング(MFB50)の検出方法を説明するための第1の制御タイムチャートと、電流変化タイミングが検出された後に行われる点火信号の制御の例を示す図である。図17の上側に示す第1の制御のタイムチャートは、図8に示した第1の制御のタイムチャートと同じであるため、詳細な説明を省略する。
図17の下側には、検出用点火信号のチャージ期間t_c2と、検出用点火の放電期間t_d2との関係が示される。図中に白丸で示されるのは、検出用点火信号の初期状態を表す。そして、電気量変化タイミング検出部120により電流変化タイミングが検出された後は、動作制御部113がチャージ期間t_c2を短くする。この結果、放電期間t_d2も短くなる。
以上説明した第3の実施の形態に係るECU11では、電流変化タイミングが検出された後、検出用点火信号のチャージ期間t_c2を短くする。このため、ECU11は、電流変化タイミングが検出された後に点火コイル12が消費する無駄なエネルギを小さくできる。
なお、本発明は上述した各実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限りその他種々の応用例、変形例を取り得ることは勿論である。
例えば、上述した各実施の形態は本発明を分かりやすく説明するために装置及びシステムの構成を詳細かつ具体的に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されない。また、ここで説明した実施の形態の構成の一部を他の実施の形態の構成に置き換えることは可能であり、さらにはある実施の形態の構成に他の実施の形態の構成を加えることも可能である。また、各実施の形態の構成の一部について、他の構成の追加、削除、置換をすることも可能である。
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えてもよい。
8…主燃焼室、10…エンジン、11…ECU、12…点火コイル、13…点火プラグ、16…副燃焼室、17…電極、41…制御部、42…記憶部、100…燃焼制御システム、111…燃焼タイミング演算部、112…燃焼タイミング判断部、113…動作制御部、114…放電期間演算部、120…電気量変化タイミング検出部、122…1次コイル、124…2次コイル

Claims (12)

  1. ピストンに面する主燃焼室と、前記主燃焼室に連通する副燃焼室と、前記副燃焼室の内部に取り付けられる点火プラグと、前記点火プラグの点火動作を制御する点火コイルと、燃料噴射装置が噴射する燃料と吸気系から吸気される空気とが混合された混合気が、前記主燃焼室及び前記副燃焼室で燃焼するシリンダと、を備えた内燃機関の燃焼を制御する燃焼制御システムにおいて、
    前記点火コイルに点火信号を出力し、前記点火コイルに前記点火動作を行わせる動作制御部と、
    前記点火プラグが前記点火動作を開始してからの所定期間に、前記点火プラグの放電による変化とは異なる変化である前記点火コイルの電気量変化タイミングを検出する電気量変化タイミング検出部と、
    前記電気量変化タイミング検出部によって前記電気量変化タイミングが検出された場合に、前記電気量変化タイミングに基づいて、燃焼割合が所定値となる燃焼タイミングを演算する燃焼タイミング演算部と、
    前記燃焼タイミング演算部によって演算された前記燃焼タイミングが所定の範囲内であるかを判断する燃焼タイミング判断部と、を備える
    燃焼制御システム。
  2. 前記電気量変化タイミングは、前記点火コイルの2次電流が変化するタイミングであって、
    前記電気量変化タイミング検出部は、前記点火プラグの放電開始から放電終了までの放電期間に前記2次電流に重畳されている直流成分を除き、前記放電期間における電気量変化検出期間に検出される前記2次電流の変化量が電流閾値を超えた回数が所定の回数以上であることを、前記電気量変化タイミングとして検出する
    請求項1に記載の燃焼制御システム。
  3. 前記所定期間は、前記点火プラグが前記副燃焼室の前記混合気に点火して、前記副燃焼室から前記主燃焼室に噴出した火炎が、前記主燃焼室から前記副燃焼室に吹き戻る期間である
    請求項2に記載の燃焼制御システム。
  4. 1回の点火工程で前記動作制御部から前記点火コイルに対して、前記点火信号が少なくとも1回出力され、
    前記動作制御部は、予め設定されたインターバルが、前記点火プラグの点火時期から前記2次電流の放電が終了するまでの放電期間より長い場合に、混合気の燃焼に用いられる燃焼用の前記点火信号を出力した後、前記電気量変化タイミングの検出に用いられる検出用の前記点火信号を出力し、前記インターバルが前記放電期間未満である場合に、検出用を兼ねる燃焼用の前記点火信号を出力し、
    前記燃焼タイミング演算部は、検出用の前記点火信号、又は検出用を兼ねる燃焼用の前記点火信号が入力した前記点火コイルから前記電気量変化タイミング検出部が検出した前記電気量変化タイミングに基づいて前記燃焼タイミングを演算する
    請求項3に記載の燃焼制御システム。
  5. 前記主燃焼室から前記副燃焼室に吹き戻る前記火炎の吹き戻り開始タイミングは、圧縮行程におけるクランク角の上死点後の吹き戻り期間に設定され、
    前記動作制御部から前記点火信号が入力した前記点火コイルは、前記電気量変化タイミングが前記吹き戻り期間に含まれるように、前記2次電流を前記点火プラグに通電する
    請求項4に記載の燃焼制御システム。
  6. 前記電気量変化タイミング検出部が前記電気量変化タイミングを検出できなかった場合に、前記点火プラグの点火時期から前記2次電流の放電が終了するまでの放電期間を演算する放電期間演算部を備え、
    前記燃焼タイミング演算部は、前記放電期間に基づいて前記燃焼タイミングを演算する
    請求項3に記載の燃焼制御システム。
  7. 前記放電期間演算部は、予め設定されたインターバルが前記放電期間より長く、かつ前記電気量変化タイミングが検出されなかった場合に、前記点火コイルに出力された検出用の前記点火信号に基づいて、前記放電期間を演算し、前記インターバルが前記放電期間未満である場合に、前記点火コイルに出力された検出用を兼ねる燃焼用の前記点火信号に基づいて、前記放電期間を演算する
    請求項6に記載の燃焼制御システム。
  8. 前記放電期間演算部は、前記2次電流の変化、又は前記点火コイルの1次電圧若しくは2次電圧の変化のいずれか1つ以上に基づいて前記点火コイルの放電期間を演算する
    請求項7に記載の燃焼制御システム。
  9. 前記動作制御部は、前記電気量変化タイミングが検出される前に前記点火コイルが通電される期間よりも、前記電気量変化タイミング検出部が前記電気量変化タイミングを検出した後に、前記点火コイルが通電される期間が短くなるように前記点火信号を出力する
    請求項3に記載の燃焼制御システム。
  10. 前記燃焼タイミング判断部により前記燃焼タイミングが前記所定の範囲内でないと判断された場合に、前記動作制御部が点火タイミング、前記点火コイルのチャージ期間、目標A/F、目標EGR、吸気バルブの開閉タイミング、排気バルブの開閉タイミング、燃料噴射量、燃料噴射タイミングのうちの、少なくともいずれか1つを、前記燃焼タイミングが前記所定の範囲内になるように制御し、
    前記燃焼タイミング演算部は、前記動作制御部による制御が行われた後、再び前記燃焼タイミングを演算し、
    前記燃焼タイミング判断部は、再び前記燃焼タイミングが前記所定の範囲内であるかを判断する
    請求項1~9のいずれか一項に記載の燃焼制御システム。
  11. 前記所定の範囲は、圧縮行程における上死点後0~20degの範囲である
    請求項10に記載の燃焼制御システム。
  12. ピストンに面する主燃焼室と、前記主燃焼室に連通する副燃焼室と、前記副燃焼室の内部に取り付けられる点火プラグと、前記点火プラグの点火動作を制御する点火コイルと、燃料噴射装置が噴射する燃料と吸気系から吸気される空気とが混合された混合気が、前記主燃焼室及び前記副燃焼室で燃焼するシリンダと、を備えた内燃機関の燃焼を制御する燃焼制御方法において、
    前記点火コイルに点火信号を出力し、前記点火コイルに前記点火動作を行わせるステップと、
    前記点火プラグが前記点火動作を開始してからの所定期間に、前記点火プラグの放電による変化とは異なる変化である前記点火コイルの電気量変化タイミングを検出するステップと、
    前記電気量変化タイミングが検出された場合に、前記電気量変化タイミングに基づいて、燃焼割合が所定値となる燃焼タイミングを演算するステップと、
    前記燃焼タイミングが所定の範囲内であるかを判断するステップと、を含む
    燃焼制御方法。
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