JP2022106232A - 便座装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】回転式のミスト噴霧装置において、冬場など水温が低い場合には、便座部やリム部上面等に付着するミストの温度が低くなるため、ミスト直後に使用者が着座した場合に、使用者に便座が冷たいといった不快感を与えてしまうという課題がある。【解決手段】便座装置であって、使用者が着座する便座部と、洗浄水の温度を検知する水温センサと、洗浄水を加熱する温水ヒータと、洗浄水を電気分解することにより除菌水を生成する除菌装置と、前記便座部にミストを噴霧する噴霧装置と、前記温水ヒータと前記除菌装置と前記噴霧装置とを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記除菌装置と前記噴霧装置を制御して、前記便座部に前記除菌水のミストを噴霧する便座ミストモードを実行可能であり、前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度が第1の温度未満の場合に、前記温水ヒータによって洗浄水を前記第1の温度以上となるよう加熱することを特徴とする。【選択図】図7

Description

本発明の態様は、便座装置に関する。
特許文献1には、便器内や便座部にミストを噴霧する噴霧装置を備えたトイレ装置が記載されている。特許文献1の噴霧装置は、給水流路中の電磁弁を開くことでディスク上に水を供給しつつ、モータによってディスクを高速回転させることで、便器内や便座部にミストを噴霧する構成が記載されている。
特開2019-112924号公報
特許文献1に記載のトイレ装置は、除菌水のミストを大便器内に噴霧させた状態において送風装置を作動させ、除菌水のミストを便座部側に上昇させることが可能な第1工程と、送風装置による上昇気流を発生させない第2工程を備えており、第1工程において噴霧される除菌水のミストの総量を第2工程において噴霧される除菌水のミストの総量よりも少なくすることで、便座部やリム部上面に着水する除菌水の量を比較的少なくし、短時間で便座部やリム部の上面を乾かすことができるようにしている。これにより、除菌水が使用者の肌に触れるのを防止できるようにしている。
しかしながら、冬場など水温が低い場合には、便座部やリム部上面等に付着するミストの温度が低くなるため、ミスト直後に使用者が着座した場合に、使用者に便座部が冷たいといった不快感を与えてしまうという課題がある。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、ミスト噴霧装置を備えたトイレ装置において、便座上に除菌水のミストが付着した状態で使用者が便座上に着座した場合であっても、使用者に不快感を与えるのを抑制することを目的とする。
本発明の実施形態は、便座装置であって、使用者が着座する便座部と、洗浄水の温度を検知する水温センサと、洗浄水を加熱する温水ヒータと、洗浄水を電気分解することにより除菌水を生成する除菌装置と、前記便座部にミストを噴霧する噴霧装置と、前記温水ヒータと前記除菌装置と前記噴霧装置とを制御する制御装置と、を備え、前記制御装置は、前記除菌装置と前記噴霧装置を制御して、前記便座部に前記除菌水のミストを噴霧する便座ミストモードを実行可能であり、前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度が第1の温度未満の場合に、前記温水ヒータによって洗浄水を前記第1の温度以上となるよう加熱することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座ミストモードは、洗浄水の温度が第1の温度未満の場合に、温水ヒータによって洗浄水を第1の温度以上となるよう加熱するため、便座上に低温の除菌水ミストが付着することを抑制できる。このため、便座上に除菌水のミストが付着した状態で使用者が便座上に着座した場合であっても、使用者に不快感を与えることを抑制できる。また、便座表面における低温の除菌水ミストが付着した部分と除菌水ミストが付着していない部分とで便座表面の温度ムラが生じることを抑制できる。
本発明の好ましい実施形態は、進退出可能であり、進出状態で前記便座部に着座した使用者の局部に洗浄水を噴出する局部洗浄ノズルを備え、前記制御装置は、前記温水ヒータと前記局部洗浄ノズルを制御して、前記第1の温度以上の第2の温度の洗浄水を前記局部洗浄ノズルから噴出する局部洗浄モードを実行可能であり、前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度が前記第1の温度未満の場合に、前記温水ヒータによって洗浄水を前記第2の温度以下となるよう加熱することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座ミストモードは、洗浄水の温度が第1の温度未満の場合に、温水ヒータによって洗浄水を第2の温度以下となるよう加熱するため、除菌装置(電解装置)で発生する水垢(スケール)の量を低減することができる。このため、除菌装置以降の流路が水垢で詰まることを抑制できる。
本発明の好ましい実施形態は、前記便座部内に設けられ、前記便座部の表面を加熱する便座ヒータを備え、前記便座ミストモードは、前記便座ミストモードの実行前における前記便座部の設定温度と同じ設定温度で前記便座ヒータを加熱することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座ミストモードにおいて、便座部上に低温の除菌水ミストが付着することを抑制できるため、便座ミストモード中も便座ヒータの設定温度を高くする必要がない。このため、便座ミストモード中の便座ヒータの消費電力を抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態は、前記便座装置は、前記便座部に着座した使用者の局部に温風を送風する温風ヒータと送風装置とを備え、前記送風装置は、前記噴霧装置から噴霧された除菌水のミストを便座の供給することが可能であり、前記便座ミストモードは、前記温風ヒータを作動させない状態で前記送風装置を作動させて、前記噴霧装置から噴霧された除菌水のミストを前記便座に供給することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座ミストモードにおいて、便座上に低温の除菌水ミストが付着することを抑制できるため、便座ミストモード中は温風ヒータを作動させる必要がない。このため、便座ミストモード中の温風ヒータ―の消費電力を抑制することができる。
本発明の好ましい実施形態は、前記制御部は、前記除菌装置の累積作動時間又は累積作動回数が所定値を超えた否かに基づいて前記除菌装置の寿命を検知する寿命検知手段を備え、前記制御装置は、前記寿命検知手段により前記除菌装置の寿命を検知した場合、前記便座ミストモードの実行を禁止することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、除菌装置の寿命を検知した場合は便座ミストモードの実行を禁止するため、除菌成分を含まないミストが便座部に付着することを抑制できる。このため、便座部表面にミストを要因とする水垢が発生することを抑制できる。
本発明の好ましい実施形態は、前記便座装置は、前記便座部に設けられ、使用者が前記便座部に着座しているか否かを判定する静電容量センサを備え、前記制御部は、前記便座ミストモード中または前記便座ミストモード直後の所定時間以内は、前記静電容量センサによる着座判定の基準値を補正することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便座ミストモード中または便座ミストモード直後の所定時間以内は、静電容量センサによる着座判定の基準値を補正するため、便座ミストモードにより便座表面に付着したミストにより、使用者が便座に着座していないのに便座に着座していると誤検知することを抑制できる。
本発明の好ましい実施形態は、前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度によって、前記噴霧装置の制御内容を変更することを特徴とする便座装置であり、より具体的には、前記噴霧装置は、モータと、前記モータにより回転駆動する回転体と、前記回転体に水を供給するバルブと、を有し、前記回転体を回転駆動させるとともに前記回転体に水を供給することで前記便座ミストモードを実行可能であり、前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度によって、前記回転体の回転数を変更することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、噴霧装置から噴霧されるミストの粒径は、洗浄水の粘度によって変化するため、洗浄水の温度によって変化する。本発明によれば、洗浄水の温度よって噴霧装置の制御内容(例えば、回転体の回転数や超音波振動子の振動数)を変更するため、所望の粒径のミストを噴霧することができる。
本発明の好ましい実施形態は、前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度が低い場合の方が、高い場合よりも前記回転体の回転数を大きくすることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、洗浄水の温度が低い(粘度が高い)場合には回転体の回転数を高くすることで小径のミストを噴霧することが可能となり、洗浄水の温度が高い(粘度が低い)場合には回転体の回転数を低くすることで小径のミストを噴霧することができる。
本発明の態様によれば、回転式のミスト噴霧装置を備えた便座装置において、便座上に低温の除菌水ミストが付着することを抑制でき便座上に除菌水のミストが付着した状態で使用者が便座上に着座した場合であっても、使用者に不快感を与えるのを抑制することができる便座装置が提供される。
実施形態に係るトイレ装置を例示する斜視図である。 実施形態に係るトイレ装置を例示する断面図である。 実施形態に係る便座装置の要部構成を例示するブロック図である。 実施形態に係る噴霧装置を例示する模式図である。 実施形態に係る便座装置の局部洗浄モードにおける制御装置405の制御内容を示すフローチャートである。 実施形態に係る便座装置の便座ミストモードにおける制御装置405の制御内容を示すフローチャートである。 実施形態に係る便座装置の各洗浄モードにおける制御装置405の制御内容を示すフローチャートである。 実施形態に係る便座装置の除菌装置450の寿命検知手段のフローチャートである。 実施形態に係る便座装置の静電容量センサの着座判定基準値の補正動作について示すフローチャートである。 実施形態に係る便座装置の便座ミストモードにおいて噴霧装置481のモータ481aの回転数の制御方法について示すフローチャートである。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレ装置を例示する斜視図である。
図2は、実施形態に係るトイレ装置の一部を例示する断面図である。
図1に表したトイレ装置10は、大便器800と、便座装置100と、を備える。大便器800は、汚物を受ける凹状のボウル部801を有する。便座装置100は、大便器800の上部に設置されている。
便座装置100は、ケーシング400と、使用者が着座する便座部200と、便蓋300と、を有する。便座部200と便蓋300とは、それぞれ、ケーシング400に対して開閉自在に軸支されている。
ケーシング400の内部には、便座部200に座った使用者の人体局部(「おしり」など)の洗浄を実現する身体洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えばケーシング400には、使用者が便座部200に座ったことを検知する着座検知センサ404が設けられている。着座検知センサ404が便座部200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの手動操作部500を操作すると、洗浄ノズル(以下説明の便宜上、単に「ノズル」と称する)473を大便器800のボウル部801内に進出させることができる。なお、図1に表した便座装置100では、ノズル473がボウル部801内に進出した状態を表している。
ノズル473の先端部には、ひとつ又は複数の吐水口474が設けられている。そして、ノズル473は、その先端部に設けられた吐水口474から水を噴射して、便座部200に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」及び「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋300に背を向けて便座部200に座った使用者から見た方向である。
図2に示すように、大便器800は、ボウル部801の上に設けられたリム部805を有する。リム部805は、大便器800の上縁部を形成する環状部分である。ボウル部801内には、溜水801wが溜められている。例えば、使用者が、リモコン等に設けられたスイッチによって便器洗浄の操作を行うと、または、使用者が便座部200から立ち上がると、便器洗浄(ボウル部801内の汚物を排出し、ボウル部801の表面を洗浄する動作)が実行される。便器洗浄においては、ボウル部801内に洗浄水が供給される。例えば、図2の例では、ボウル給水口811から大便器800の上縁に沿って洗浄水が吐出される。
リム部805は、上面806と、内壁面807と、を有する。上面806は、閉じられた便座部200の裏面204と向き合う面である。内壁面807は、大便器800の内壁(ボウル部801の中央側に面する壁面)のうち、便器洗浄の洗浄水が流れる部分よりも、上方の部分である。すなわち、本願明細書において、リム部805の内壁面807とは、便器洗浄における不洗浄部をいう。図2の例では、内壁面807は、棚状に屈曲した屈曲部805Bより上方に位置する立面を含む。
ボウル部801やリム部805の内壁面807は、汚物が直接付着しやすいため、汚れ負荷が大きい部分である。また、ボウル部801やリム部805の内壁面807は、濡れても不都合が生じにくいため、濡れに対する許容度が高い部分である。
便座部200やリム部805の上面806は、ボウル部801やリム部805の内壁面807に比べて汚物が直接付着しにくい。例えば、便座部200及びリム部805の上面806には、ボウル部801や溜水801wに当たって跳ねた尿や汚水が付着する。したがって、便座部200及びリム部805の上面806は、比較的、汚れ負荷が小さい部分である。また、便座部200やリム部805の上面806が過度に濡れると、除菌水が使用者の肌に触れたり、大便器外に垂れたりする可能性があるため、便座部200やリム部805の上面806は、濡れに対する許容度が低い部分である。
図3は、実施形態に係る便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
なお、図3は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
便座装置100は、第一のサーミスタ442、温水ヒータ441、第二のサーミスタ443、電磁弁431、除菌装置450、切替弁472、噴霧装置481、ノズルモータ476、ノズル(局部洗浄ノズル)473、ノズル洗浄室478、及び流路110~113などを有する。これらは、ケーシング400内に配置されている。尚、本実施形態の水温センサは、第一のサーミスタ442と第二のサーミスタ443の2つのサーミスタを用いているが、第一のサーミスタ442と第二のサーミスタ443のいずれか1つのサーミスタのみを用いても良い。
流路110は、水道や貯水タンクなどの図示しない給水源から供給された水を噴霧装置481やノズル473などに導くための流路である。流路110の上流側には、電磁弁431が設けられている。電磁弁431は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御装置405からの指令に基づいて水の供給を制御する。
流路110上において、電磁弁431の下流には給水減から供給された水を加熱する温水ヒータ441が設けられている。温水ヒータ441の上流側には供給された水の水温を計測する第一のサーミスタ442が配置されている。また、温水ヒータ441の下流側には温水ヒータ441で加熱した後の水の水温を計測する第二のサーミスタ443が配置されている。第一のサーミスタ442、及び、第二のサーミスタ443の出力は制御装置405に入力されている。制御装置405は供給された水の水温を目標とする温度まで加熱するため、第一のサーミスタ442、及び、第二のサーミスタ443の計測結果に応じて、温水ヒータ441による加熱量を制御する。
流路110上において、第二のサーミスタ443の下流には除菌水を生成する除菌装置450が設けられている。除菌装置450は、例えば次亜塩素酸などを含む除菌水を生成する。除菌装置450としては、例えば、電解槽ユニットが挙げられる。電解槽ユニットは、制御装置405からの通電の制御によって、陽極板(図示せず)と陰極板(図示せず)との間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解する。なお、除菌水は、次亜塩素酸を含むものには限定されない。例えば、除菌水は、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水、または、アルカリ水などでもよい。除菌装置450は電解槽に限らず、除菌水を生成可能な任意の構成でよい。
流路110上において、除菌装置450の下流には、切替弁472が設けられている。切替弁472の下流には、ノズル473、ノズル洗浄室478及び噴霧装置481が設けられている。流路110は、切替弁472により、ノズル473へ水を導く流路111、ノズル洗浄室478へ水を導く流路112、および、噴霧装置481へ水を導く流路113に分岐している。切替弁472は、制御装置405からの指令に基づいて、流路111、流路112および流路113のそれぞれの開閉を制御する。つまり、切替弁472は、ノズル473、ノズル洗浄室478および噴霧装置481への水の供給を制御する。また、切替弁472は、その下流に供給する水の流量を切り替える。
ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器800のボウル部801内に進出したり後退したりする。つまり、ノズルモータ476は、制御装置405からの指令に基づいてノズル473を進退させる。ノズル473は、非使用時には、ケーシング400内に収納されている。ノズル473は、ケーシング400から前方へ進出した状態で、吐水口474から水を吐出して、人体局部を洗浄する。
ノズル洗浄室478は、その内部に設けられた吐水口から除菌水あるいは水道水を噴射することにより、ノズル473の外周表面(胴体)を洗浄する。
噴霧装置481は、水道水又は除菌装置450で生成された除菌水をミスト状にする。噴霧装置481は、ボウル部801、リム部805、及び便座部200に、ミストM(除菌水のミスト又は水道水のミスト)を噴霧する。言い換えれば、噴霧装置481は、除菌水のミスト又は水道水のミストを、ボウル部801、リム部805、及び便座部200に着水させる。なお、本願明細書において「着水」とは、水(除菌水又は水道水)が物体の表面に付着することをいう。特に「直接着水」という場合には、水(除菌水又は水道水の微粒子p)が空中から物体の表面に到着することを意味する。
また、ケーシング400の内部には、便座用モータ511(回動装置)、便蓋用モータ512(回動装置)、送風装置513および温風ヒータ514が設けられている。
便座用モータ511は、制御装置405からの指令に基づいて、電動で便座部200を回動させ開閉する。便蓋用モータ512は、制御装置405からの指令に基づいて、電動で便蓋300を回動させ開閉する。
送風装置513は、例えばケーシング400の内部に設けられたファンである。送風装置513は、制御装置405からの指令に基づいて動作する。例えば、送風装置513のモータの回転に伴い羽根が回転する。これにより、送風装置513は、大便器800内(例えばボウル部801内)に向けて送風することができる。また、送風装置513は、便座部200に座った使用者の局部に送風してもよい。温風ヒータ514は、送風装置513によってケーシング400の外部へ送られる空気を温める。これにより、使用者の局部に向けて温風を送り、局部を乾燥させることができる。
便座ヒータ515は、例えば、便座部200の内部に設けられている。便座ヒータ515は、例えば、便座部200の中央に形成された開口200aの周りに沿って設けられた環状の金属部材を有する。制御装置405からの指令に基づいて便座ヒータ515に通電が行われることで、便座ヒータ515は、便座部200を温める。便座ヒータ515としては、例えば、チュービングヒータや、シーズヒータ、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどを用いてもよい。金属部材は、例えば、アルミニウムや銅などで構成される。また、金属部材の形状は、シート状やワイヤ状、メッシュ状など、種々の形状を採用することができる。
制御装置405には、図示しない電源回路から電力を供給される回路が用いられる。例えば、制御装置405は、マイコンなどの集積回路を含む。制御装置405は、使用者を検知する検知センサ402(例えば人体検知センサ403又は着座検知センサ404)の検知情報または、手動操作部500の操作情報に基づいて、電磁弁431、温水ヒータ441、除菌装置450、切替弁472、ノズルモータ476、送風装置513、温風ヒータ514、便座ヒータ515、便座用モータ511、及び便蓋用モータ512を制御する。
手動操作部500は、使用者が例えば任意のタイミングで除菌水の噴霧を行うための操作部である。例えば、手動操作部500は、スイッチ又はボタンなどを有するリモコンであり、使用者が手動操作部500を操作すると、除菌水の噴霧を指示する操作情報(信号)が制御装置405に送られる。制御装置405は、その操作情報に基づいて除菌装置450や噴霧装置481を制御する。これにより、使用者は、手動操作部500を操作することで、除菌水の噴霧を行うことができる。
また、手動操作部500は、除菌水の噴霧だけでなく、使用者が便座装置100の各機能を操作するためのスイッチやボタンなどを有していてもよい。各機能に対応した操作が行われると、その操作情報が制御装置405に送られ、制御装置405は、その操作情報に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
着座検知センサ404は、使用者の便座部200への着座の有無を検知することができる。着座検知センサ404は、使用者の着座及び離座を検知する。着座検知センサ404には、マイクロ波センサ、測距センサ(赤外線投光式センサ)、超音波センサ、タクトスイッチ、静電容量スイッチ(タッチセンサ)、または歪みセンサを用いることができる。この例では、着座検知センサ404には、ケーシング400に設けられた測距センサが用いられている。
なお、タクトスイッチ、静電センサ及び歪みセンサなどの接触式センサを用いる場合には、これらの接触式センサは、便座部200に設けられる。便座部200に使用者が座ると、使用者の体重によってタクトスイッチが押下される。または、使用者が静電センサに接触する。または、使用者の体重によって歪みセンサに圧力が加えられる。これらのセンサからの電気信号により、使用者の着座を検知することができる。
人体検知センサ403は、大便器800の前方にいる使用者、すなわち便座部200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ403は、トイレ室に入室して便座部200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサとして、例えば、焦電センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、または測距センサ(赤外線投光式センサ)を用いることができる。この例では、人体検知センサ403には、ケーシングに設けられた焦電センサが用いられている。また、人体検知センサ403は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室する直前の使用者、すなわちトイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知してもよい。例えば、マイクロ波センサを用いた場合には、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。
制御装置405は、人体検知センサ403の検知情報(使用者の存在の有無を示す信号)や、着座検知センサ404の検知情報(使用者の着座の有無を示す信号)を受信し、受信した検知情報に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
制御装置405は、アフターミストモード、プレミストモード、及び手動ミストモードの3種類の便座ミストモードを実行可能である。
アフターミストモードは、例えば、使用者のトイレ装置10の使用後に、検知センサ402の検知情報に基づいて、除菌水のミストを自動で噴霧する動作モードである。プレミストモードは、例えば、使用者のトイレ装置10の使用前に、検知センサ402の検知情報に基づいて、除菌水又は水道水のミストを自動で噴霧する動作モードである。手動ミストモードは、手動操作部500の操作情報に基づいて、除菌水のミストを噴霧する動作モードである。
図4(a)~図4(c)は、実施形態に係る噴霧装置を例示する模式図である。
図4(a)は、噴霧装置481の斜視図であり、図4(b)は、噴霧装置481の側面図である。
噴霧装置481は、モータ481aと、モータ481aの下方に接続された回転体であるディスク481bと、を有する。モータ481aの回転は、制御装置405によって制御される。モータ481aが回転すると、回転の駆動力がディスク481bに伝達され、ディスク481bが回転する。
図4(b)に示すように、ディスク481bの上面には、水W(水道水又は除菌装置450で生成された除菌水)が供給される。ディスク481bの回転中に、水Wが供給されることで、噴霧装置481は、水Wをミスト状にして噴霧する。なお、この例では、ディスク481bは、平らな円板状であるが、適宜凹凸を設けたり、円錐形状や球体を用いたりしてもよい。
図4(c)は、ディスク481bの一部を上方から見た拡大図である。回転するディスク481bの上面に滴下された水Wは、遠心力によって、ディスク481b上で膜状に広がり、ディスク481bから放射される。このとき、水Wは、ディスク481bの縁付近から膜状のまま分裂したり、糸状となった後に分裂したりし、その後、微粒子p(ミスト)となる。ディスク481bの回転速度、すなわち、モータ481aの回転速度によって、ミストの粒径(微粒子pの径)を制御することができる。回転速度が高い程、ミストの粒径は小さくなる。例えば、回転速度が1000(rotation per minute:rpm)程度の低速回転、回転速度が10000rpm程度の中速回転、または、回転速度が20000rpm程度の高速回転が適宜用いられ、所望の粒径が得られる。また、給水口481cから噴霧装置481に供給される水Wの流量を調整することにより、ミストの粒径を制御することもできる。
なお、本願明細書において、粒径とは、トイレ装置10に着水する前の空中に存在する微粒子pの粒径であり、ザウター平均粒径(総体積/総表面積)が用いられる。本願明細書における「粒径」の測定方法については、図22に関して後述する。また、ミストとは、粒径が10マイクロメートル(μm)以上300μm以下の範囲をいう。ミストの粒径が10μm未満であると、ボウル部801、リム部805、便座部200などの対象部位を濡らすために長い時間が必要となってしまう。また、次亜塩素酸を含む除菌水を用いた場合、ミストの粒径が10μm未満であると、ミスト中の次亜塩素酸の濃度が減衰しやすく、除菌性能が低下しやすい。一方、ミストの粒径が300μmより大きいと、ミストが拡散しにくく、広範囲にミストを噴霧することが困難となる。また、以下の説明において、大粒径のミストとは、粒径が100μm以上300μm以下、好ましくは150μm以上300μm以下の範囲のミストであり、中粒径のミストとは、粒径が50μm以上200μm以下、好ましくは60μm以上150μm以下の範囲のミストであり、小粒径のミストとは、粒径が10μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上60μm以下の範囲のミストである。
続いて、図5~図7を用いて便座装置100の局部洗浄モード、及び、便座ミストモードについて説明する。
制御装置405は、ノズル473の先端部に設けられた吐水口474から水を噴射して、便座部200に座った使用者の「おしり」などを洗浄する局部洗浄モードと、噴霧装置481より、便座部200にミストM(除菌水のミスト又は水道水のミスト)を噴霧する便座ミストモードを実行可能である。
図5は局部洗浄モードにおける制御装置405の制御内容を示すフローチャートである。制御装置405はステップS100において、手動操作部500の図示しないおしりスイッチやビデスイッチなどの局部洗浄開始操作の有無を判定する。局部洗浄開始操作が無ければ(ステップS100:No)、制御装置405は以降の動作を実行せず、所定時間経過後に再度ステップS100の判定を実施する。局部洗浄開始操作があれば(ステップS100:Yes)、制御装置405はステップS105~S115に従って電磁弁431、切替弁472、ノズル473を制御する。
具体的にはステップS105にて電磁弁431を開き、流路110以降に水を供給する。待機時において切替弁472は流路112に設定されており、流路110から供給された水はノズル洗浄室478に供給される。ステップS110において、制御装置405はノズルモータ476を駆動しノズル473を目標の洗浄位置まで進出させる。ノズル473が目標の洗浄位置に到達すると、制御装置405はステップS115にて切替弁472を駆動し、流路110から供給される水が流路111に供給されるようにする。このようにすることで、ノズル473の先端部に設けられた吐水口474から水を噴射して、便座部200に座った使用者の「おしり」などを洗浄する。
制御装置405はステップS120にて洗浄終了条件が成立したかどうかを確認する。洗浄終了条件が成立していなければ、局部洗浄を継続する。もし洗浄終了条件が成立していれば、ステップS125~ステップS135の動作を順番に行い、局部洗浄モードを終了する。ここで洗浄終了条件としては、手動操作部500の図示しない停止スイッチや、使用者の離座などとすることができる。
ステップS125にて、制御装置405は切替弁472を流路111から流路112に切り替える。このようにすることでノズル洗浄室478から水が吐水され、ステップS130以降のノズル収納時にノズル473の外面を洗浄することができる。
そして、ステップS130にてノズル473を後退させ収納位置まで移動させ、ステップS135にて電磁弁431を閉じる。このようにすることで、制御装置405は局部洗浄モードを終了させることができる。
続いて、便座ミストモードについて説明する。図6は便座ミストモードにおける制御装置405の制御内容を示すフローチャートである。制御装置405はステップS200において、便座ミストモードの開始条件の判定を行う。便座ミストモードの開始条件としては、例えば、手動操作部500の図示しない便座ミスト開始スイッチの操作や、人体検知センサ403、着座検知センサ404が非検知となってから所定時間経過したなどの条件とすることができる。制御装置405は便座ミストモードの開始条件が成立すると(ステップS200:Yes)、ステップS205~ステップS230を順次実行することで、便座ミストモードを実行する。
具体的にはステップS205にて、噴霧装置481のモータ481aを半時計回り(CCW)に回転開始し、目標とする回転速度に制御する。なお、反時計回りとはトイレ装置10の上面視から見たモータ481aの回転軸の回転方向を指し、時計回りとはその逆の回転方向を指す。
そして、ステップS210にて切替弁472を駆動し、流路110から供給される水が流路113に供給されるように切り替える。切替弁472の駆動が完了したら、電磁弁431を開き、除菌装置450に通電を行う。このようにすることで、噴霧装置481に除菌水を供給することができる。噴霧装置481に供給された水は回転するディスク481b上に滴下され、大便器800内にミスト状に噴霧される。この状態にて、送風装置513を駆動し上昇気流を発生させることで、除菌水のミストを便座部200側に上昇させ、便座部200の表面203、及び、裏面204等に着水させる。
制御装置405はステップS215に進み、CCW噴霧時間t1が経過したかどうかを確認する。CCW噴霧時間t1が経過していなければ、ステップS210、及び、ステップS205で駆動した各負荷の動作を継続し、便座部200、及び、大便器800のボウル部801に対して除菌水のミストを供給する。CCW噴霧時間t1が経過していれば、制御装置405はステップS220に進み、噴霧装置481のモータ481aを時計回り方向に回転させる。
制御装置405は、ステップS220にてモータ481aを目標とする回転速度に制御したら、ステップS225にて、CW噴霧時間t2が経過したかどうかを確認する。CW噴霧時間t2が経過していなければ、ステップS210、及び、ステップS220で駆動した各負荷の動作を継続し、便座部200、及び、大便器800のボウル部801に対して除菌水のミストを供給する。CW噴霧時間t2が経過していれば、ステップS230に進む。
ステップS230において、制御装置405はモータ481a、送風装置513、及び、除菌装置450の通電を停止し、電磁弁431を閉じる。また、切替弁472を待機位置に切り替える。このようにすることでミストの噴霧を停止することができ、便座ミストモードを終了する。
続いて、図7を用いて局部洗浄モード、便座ミストモードにおいて制御装置405が実施する温水ヒータ441による水の加熱制御について説明する。
ステップS305にて、制御装置405は電磁弁431を開いた状態に制御しているか、または、閉じた状態に制御しているかを判定する。電磁弁431を閉じていれば、制御装置405はステップS330に進む。ステップS330では電磁弁431が閉じられた状態となっているため、水への加熱は行わない。そのため、温水ヒータ441への通電を停止する。
ステップS305にて電磁弁431を開いていれば、制御装置405はステップS310に進む。ステップS310では、制御装置405は現在実施している洗浄モードが局部洗浄モードかどうかの判定を行う。現在実施しているモードが局部洗浄モードでなければ制御装置405はステップS320に進む。便座ミストモードは局部洗浄モードではないため、実行している洗浄モードが便座ミストモードであれば、ステップS320が実行される。ステップS305にて、現在実施しているモードが局部洗浄モードであれば、制御装置405はステップS315に進む。
ステップ315において、制御装置405は流路110に通水される水の温度が第2の温度以上となるように制御を行なう。目標温度として設定される第2の温度は、使用者による手動操作部500の操作等により切り替えることができる。たとえば、図7のステップS315に示すように、「高」設定であれば、第2の温度は40℃、「中」設定であれば、第2の温度は35℃、「低」設定であれば、第2の温度は30℃、「切」設定であれば、第2の温度は20℃のように設定する。
便座装置100に供給される水の温度は、設置環境や季節などにより変化する。そのため、吐水する水の温度が第2の温度となるように温水ヒータ441を駆動する。具体的には、制御装置405は第一のサーミスタ442の温度、及び、第二のサーミスタ443の温度を計測し、これらと目標温度として設定された第2の温度とを比較することにより、温水ヒータ441での加熱量を算出する。この算出にはPID制御などのフィードバック制御を用いる。このようにすることで、便座装置100に供給される水の温度が変化しても、使用者の設定に応じた温度に加熱した水とすることができる。また、「切」設定であっても第2の温度に設定した温度まで加熱した上で吐水するため、冬場などで冷たい水が直接使用者の局部にかかるといったことを抑制することができる。
ステップS320において、制御装置405は流路110に通水される水の温度が第1の温度となるように制御を行なう。そのため、制御装置405は第一のサーミスタ442で検知した水の温度が第1の温度未満の場合には、温水ヒータ441での加熱量をフィードバック制御により算出し、加熱を行う。
ここでは、例として図7に示すように、第1の温度を20℃としている。ステップS320は局部洗浄モードでないため、第1の温度は第2の温度以下となるようにしている。そのため、制御装置405は温水ヒータ441で加熱を行う際には第2の温度以下となるように加熱を行う。制御装置405は図7に示す制御を定期的に実施し、温水ヒータ441にて水の加熱を行う。
このようにすることで、制御装置405は便座ミストモードを実行しているとき、便座装置100に供給される水の温度が第1の温度未満の場合に、温水ヒータ441によって洗浄水を第1の温度以上となるよう加熱するため、便座部200の表面203、及び、裏面204等に低温の除菌水ミストが付着することを抑制できる。このため、便座部200の表面203等に除菌水のミストが付着した状態で使用者が着座した場合であっても、使用者に不快感を与えることを抑制できる。また、便座部200の表面203等における除菌水ミストが付着した部分と除菌水ミストが付着していない部分とで便座表面の温度ムラが生じることを抑制できる。
また、制御装置405は便座ミストモードを実行しているとき、便座装置100に供給される水の温度が第1の温度未満の場合に、温水ヒータ441によって洗浄水を第2の温度以下となるように加熱するため、除菌装置450で発生するスケールの量を低減することができる。より具体的には、スケールは洗浄水の温度が高くなるとその発生量が多くなるが、本実施形態によれば洗浄水の温度が高くならない程度に洗浄水を僅かに加熱するものであるため、スケールの発生量を低減できる。このため、除菌装置450以降の流路がスケールで詰まることを抑制できる。
また、制御装置405は便座ミストモードを実行しているとき、便座ヒータ515を便座ミストモードの実行前における設定温度と同じ設定温度で加熱しても良い。制御装置405は便座ミストモードにおいて水の温度が第1の温度となるように温水ヒータ441にて加熱するため、便座部200の表面203等に低温の除菌水ミストが付着することを抑制できる。そのため、便座ミストモード中も便座ヒータ515の設定温度を高くする必要がない。このため、便座ミストモード中の便座ヒータ515の消費電力を抑制することができる。
また、制御装置405は便座ミストモードにて、温風ヒータ514を作動させない状態で送風装置513を作動させて、噴霧装置481から噴霧された除菌水のミストを便座部200の表面203等に供給しても良い。制御装置405は便座ミストモードにおいて水の温度が第1の温度となるように温水ヒータ441にて加熱するため、便座部200の表面203等に低温の除菌水ミストが付着することを抑制できる。そのため、便座ミストモード中は温風ヒータ514を作動させる必要がない。このため、便座ミストモード中の温風ヒータ514の消費電力を抑制することができる。
続いて、本発明の第二の実施例について図8を用いて説明する。図8は制御装置405にて実行される、除菌装置450の寿命検知手段のフローチャートである。除菌装置450に電解槽等を用いる場合、その陽極板と陰極板に用いる金属板には除菌成分である次亜塩素酸の生成を促進するために表面処理が施される場合がある。しかし、この表面処理については除菌装置450の作動により徐々に劣化するため、期待する濃度の除菌成分を生成できなくなったことを検知するために、寿命検知を行う。
具体的には、制御装置405はステップS405にて除菌装置450が作動しているかどうかを判定する。もし除菌装置450が作動していなければ終了する。ステップS405にて除菌装置450が作動していれば、ステップS410に進む。ステップS410において、制御装置405は除菌装置の累積作動回数カウンタを+1し、ステップS415に進む。
制御装置405はステップS415において、除菌装置450の作動時間タイマtの計測を開始する。そして、制御装置405はステップS420にて除菌装置450が停止したかを判定する。もし停止していなければ、ステップS420の判定を繰り返す。ステップS420にて除菌装置450が停止していれば、ステップS425に進み、作動時間タイマtを停止する。このようにすることで、作動時間タイマtにて除菌装置450が作動していた時間を計測することができる。
制御装置405はステップS425に続いて、ステップ430に進む。ステップS430では、除菌装置450の累積作動時間に作業時間タイマtの値を加算する。このようにすることで、除菌装置450を作動させた累積作動時間を計測することができる。また、制御装置405はステップS432にて作業時間タイマtをリセットする。このようにすることで、次回の除菌装置450の作動時に再度、作動時間タイマtにて作動時間を計測することができる。
制御装置405はステップS432にて作業時間タイマtをリセットした後ステップS435に進む。ステップS435では除菌装置450の寿命判定条件の判断を行う。この寿命判定条件はステップS410で計算した累積作動回数カウンタ、又は、ステップS430で計算した累積作動時間が所定値を超えたか否かに基づいて判定を行う。例えば、累積作動回数カウンタで除菌装置450の寿命を判定するのであれば、累積作動回数カウンタが10万回を超えたら寿命と判定する等とする。また、累積作動時間で除菌装置450の寿命を判定するのであれば、累積作動時間が2万時間を超えたら寿命と判定する等とする。このようにすることで除菌装置450の性能劣化を検知することができる。
そして、本発明の便座ミストモードでは、この寿命検知手段にて除菌装置450の寿命を検知した場合、便座ミストモードを禁止する。寿命を超えた除菌装置450では、十分な除菌成分を生成する能力が低下している状態となる。そのため、便座ミストモードを禁止し、除菌成分が少なくなった、もしくは、除菌成分を含まないミストが便座部200の表面203、及び、裏面204等に付着することを抑制できる。このため、便座部200の表面203にミストを要因とする水垢等の汚れが発生することを抑制できる。
続いて、本発明の第三の実施例について図9を用いて説明する。第三の実施例における便座装置100では、着座検知センサ404として静電容量センサを用いる。このような着座検知センサ404では、便座装置100の使用者が便座部200に着座した際に、便座部200と使用者の臀部や大腿部が接する位置に静電容量センサを配置する。そのため、使用者が便座部200に着座した際に、静電容量センサで検知する静電容量値が変化することを捉えて、使用者が着座したことを検知する。
図9は本実施例の制御装置405で実施する、着座検知センサ404である静電容量センサの着座判定基準値の補正動作について示すフローチャートである。
制御装置405はステップS505にて、便座ミストモードが実行されているかどうかを判定する。もし便座ミストモード中であればステップS507に進み、便座ミストモード経過時間タイマをリセットする。
ステップS505にて便座ミストモードが実行されていなければ、制御装置405はステップS510に進み、便座ミストモード経過時間タイマが所定時間経過したかを判定する。ちなみに、便座ミストモード経過時間タイマは、定期的にカウントアップされるタイマであり、リセットされると0(ゼロ)に戻る。そのため、便座ミストモード経過時間タイマを確認することで、便座ミストモードが終了してからどれくらいの時間が経過したかを確認することができる。
ステップS510にて所定時間が経過していなければ制御装置405はステップS515に進み、所定時間が経過していれば、ステップS520にすすむ。なお、ここでいう所定時間とは、便座ミストモード中に便座部200の表面203に付着したミストが乾燥して十分に減少した状態になるまでの時間であり、例えば30分などとすることができる。
ステップS520では着座判定基準値の補正を無効とする。つまり、制御装置405にて着座検知センサ404による着座判定を通常通りに実行するように設定する。一方で、ステップS515では着座判定基準値の補正を有効とする。なお、ステップS515で補正を有効にすることで、着座検知センサ404では着座を検知しにくくなる。そのため、例えば静電容量センサから出力される電圧値に対して閾値を設けて、その閾値より高ければ着座、低ければ非着座を検知している場合、補正を有効にすると、ステップS515ではこの閾値がステップS520に比べて高めに設定される。
本実施例のように、着座検知センサ404に静電容量センサを用いる場合に便座ミストモードを実行すると、便座部200の表面203にミストが付着する。そのため、静電容量センサで検知している静電容量が変化するため、使用者が使用していないにもかかわらず、着座検知センサ404にて使用者の着座を誤検知する可能性がある。
そのため、ステップS505、及び、ステップS510の判定により、制御装置405は便座ミストモード中、又は、便座ミストモード直後の所定時間以内であれば、着座検知センサ404の静電容量センサによる着座判定の基準値を補正することで、便座ミストモードにより便座部200の表面203に付着したミストにより、着座検知センサ404が誤検知することを抑制できる。
続いて、本発明の第四の実施例について図10を用いて説明する。図10は便座ミストモードにおいて噴霧装置481のモータ481aの回転数の制御方法について示すフローチャートである。
制御装置405は便座ミストモードにおいて、まずステップS605にて水温センサである第一のサーミスタ442の計測値を取得してステップS610に進む。ステップS610ではステップS605で取得した第一のサーミスタ442の計測値が所定値以下となっているかを判定する。所定値は、第1の温度よりも高く、第2の温度よりも低い値で設定されており、例えば30℃である。
もし、第一のサーミスタ442の計測値が所定値よりも高ければ、制御装置405はステップS620に進み、便座ミストモード中のモータ481aの回転数を通常設定とする。この場合、通常設定の回転数は、例えば、12000rpmに設定されている。
一方で、ステップS610にて第一のサーミスタ442の計測値が所定値以下であれば、制御装置405はステップS615に進み、便座ミストモード中のモータ481aの回転数を高設定とする。この場合、高設定の回転数は、例えば、24000rpmに設定されており、ステップS620の通常設定に比べて高い回転数に設定される。
ディスク481bを回転させることでミストを噴霧する噴霧装置481から噴霧されるミストの粒径は、水の粘度によって変化する。そのため、本実施例の制御装置405によれば、第一のサーミスタ442で取得した水の温度によってモータ481aの回転数を変更するため、所望の粒径のミストを噴霧することができる。
また、水の粘度は水の温度が高ければ粘度が低く、水の温度が低ければ粘度が高くなることが知られている。そのため、本実施例の制御装置405によれば、水の温度が低い(粘度が高い)場合にはモータ481aの回転数を高くすることで小径のミストを噴霧することが可能となり、水の温度が高い(粘度が低い)場合には回転体の回転数を低くすることで小径のミストを噴霧することが可能となる。
尚、上記実施例では所定値を1つのみ設けていたが、所定値を複数設けて、複数の所定値毎にモータ481aの設定回転数を複数設けても良い。
10 トイレ装置、 100 便座装置、 110~113 流路、 200 便座部、 200a 開口、 203 表面、 203F 先端領域、 203L 側方領域、 203R 側方領域、 204 裏面、 204F 先端領域、 204L 側方領域、 204R 側方領域、 300 便蓋、 400 ケーシング、 402 検知センサ、 403 人体検知センサ、 404 着座検知センサ、 405 制御装置、 431 電磁弁、 441 温水ヒータ、 442 第一のサーミスタ、 443 第二のサーミスタ、 450 除菌装置、 472 切替弁、 473 ノズル、 474 吐水口、 476 ノズルモータ、 478 ノズル洗浄室、 479 ノズルダンパ、 481 噴霧装置、 481a モータ、 481b ディスク(回転体)、 481c 給水口、 482 ミストダンパ、 500 手動操作部、 511 便座用モータ、 512 便蓋用モータ、 513 送風装置、 514 温風ヒータ、 515 便座ヒータ、 516 送風ダンパ、 516a 開口、 600 測定装置、 601 発光部、 602 受光部、 800 大便器、 801 ボウル部、 801F 先端領域、 801L 側方領域、 801R 側方領域、 801w 溜水、 805 リム部、 806 上面、 806F 先端領域、 806L 側方領域、 806R 側方領域、 807 内壁面、 807F 先端領域、 807L 側方領域、 807R 側方領域、 811 ボウル給水口、 M、M3 ミスト、 M1 第1ミスト、 M2 第2ミスト、 S スリット、 T1 所定時間、 T2 所定時間、 U1 第1上昇気流、 U2 第2上昇気流

Claims (9)

  1. 便座装置であって、
    使用者が着座する便座部と、
    洗浄水の温度を検知する水温センサと、
    洗浄水を加熱する温水ヒータと、
    洗浄水を電気分解することにより除菌水を生成する除菌装置と、
    前記便座部にミストを噴霧する噴霧装置と、
    前記温水ヒータと前記除菌装置と前記噴霧装置とを制御する制御装置と、を備え、
    前記制御装置は、前記除菌装置と前記噴霧装置を制御して、前記便座部に前記除菌水のミストを噴霧する便座ミストモードを実行可能であり、
    前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度が第1の温度未満の場合に、前記温水ヒータによって洗浄水を前記第1の温度以上となるよう加熱することを特徴とする便座装置。
  2. 進退出可能であり、進出状態で前記便座部に着座した使用者の局部に洗浄水を噴出する局部洗浄ノズルを備え、
    前記制御装置は、前記温水ヒータと前記局部洗浄ノズルを制御して、前記第1の温度以上のよりも高い第2の温度以上の洗浄水を前記局部洗浄ノズルから噴出する局部洗浄モードを実行可能であり、
    前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度が前記第1の温度未満の場合に、前記温水ヒータによって洗浄水を前記第2の温度未満となるよう加熱することを特徴とする請求項1記載の便座装置。
  3. 前記便座部内に設けられ、前記便座部の表面を加熱する便座ヒータを備え、
    前記便座ミストモードは、前記便座ミストモードの実行前における前記便座部の設定温度と同じ設定温度で前記便座ヒータを加熱することを特徴とする請求項1または2記載の便座装置。
  4. 前記便座に着座した使用者の局部に温風を送風する温風ヒータと送風装置とを備え、
    前記送風装置は、前記噴霧装置から噴霧された除菌水のミストを便座部に供給することが可能であり、
    前記便座ミストモードは、前記温風ヒータを作動させない状態で前記送風装置を作動させて、前記噴霧装置から噴霧された除菌水のミストを前記便座部に供給することを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の便座装置。
  5. 前記除菌装置の累積作動時間又は累積作動回数が所定値を超えた否かに基づいて前記除菌装置の寿命を検知する寿命検知手段を備え、
    前記制御装置は、前記寿命検知手段により前記除菌装置の寿命を検知した場合、前記便座ミストモードの実行を禁止する
    ことを特徴とする請求項1~4のいずれかに記載の便座装置。
  6. 前記便座部に設けられ、使用者が前記便座部に着座しているか否かを判定する静電容量センサを備え、
    前記制御部は、前記便座ミストモード中または前記便座ミストモード直後の所定時間以内は、前記静電容量センサによる着座判定の基準値を補正することを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の便座装置。
  7. 前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度によって、前記噴霧装置の制御内容を変更することを特徴とする請求項1~6のいずれかに記載の便座装置。
  8. 前記噴霧装置は、モータと、前記モータにより回転駆動する回転体と、前記回転体に水を供給するバルブと、を有し、前記回転体を回転駆動させるとともに前記回転体に水を供給することで前記便座ミストモードを実行可能であり、
    前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度によって、前記回転体の回転数を変更することを特徴とする請求項7記載の便座装置。
  9. 前記便座ミストモードは、前記水温センサによって検知した洗浄水の温度が低い場合の方が、高い場合よりも前記回転体の回転数を大きくすることを特徴とする請求項8記載の便座装置。
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