JP7015479B2 - 便座装置及びトイレ装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、一般的に、便座装置及びトイレ装置に関する。
トイレ装置において、大便器のボウル部に酸化分解作用や漂白作用を有する次亜塩素酸水などのミストを噴霧し、ボウル部における菌や汚れの発生を抑制することが知られている。このようなミストの噴霧装置は、例えば、大便器の上部に設置される便座装置に設けられる。
特許文献1に記載のミスト洗浄装置付き便器においては、オゾン水や電解殺菌水、高温水などを、径が0.1~50マイクロメートル(μm)程度のミストにするミスト洗浄装置が設けられる。特許文献1では、ミスト洗浄装置が発生するミストを、気流により、便器、便座及び便蓋などの隅々まで行きわたらせて洗浄することができるとしている。
特開2007-138605号公報 特開2016-217008号公報
トイレ装置の使用前に、特許文献1のように便座の着座面にミストを噴霧すると、使用者の臀部や手が、便座の着座面に着水したミストに触れ、不快感が生じる恐れがある。そのため、便座の着座面へのミストの噴霧は、トイレ装置の使用後のアフターミストモードで行う方がよい。これにより、使用後の便座の着座面を含む広い範囲を効果的に除菌できる。しかし、便座の着座面などにミストを噴霧する際、便蓋が開いた状態であると、除菌水がトイレ装置の外部に漏れ広がる恐れがある。
この問題を解決する手段として、特許文献2のように、便蓋が閉じた状態でのみ除菌水のミストを噴霧することが考えられる。しかし、特許文献2のように、便蓋を閉じた状態でのみ除菌水のミストを噴霧すると、ミストを噴霧するタイミングが少なくなり、除菌性能が低下し、効果的に除菌水による除菌を行えないという問題がある。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、アフターミストモードにおいて、噴霧装置から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がることを抑制しつつ、効果的に除菌水による除菌を行うことができる便座装置及びトイレ装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、大便器の上部に設置される便座装置であって、使用者が着座する便座と、閉状態において前記便座を覆い、開状態において前記便座を露呈させる便蓋と、除菌水を生成する除菌装置と、前記大便器内及び前記便座に前記除菌水のミストを噴霧する噴霧装置と、前記便蓋の開閉状態に基づいて前記噴霧装置を制御する制御装置と、前記使用者を検知する検知センサと、を備え、前記制御装置は、前記検知センサが前記使用者を検知している状態から前記使用者を検知しない状態となった後に、自動的に前記除菌水のミストを噴霧するアフターミストモードを実行可能であり、前記制御装置は、前記アフターミストモードにおいて、前記便蓋が前記開状態のとき、第1のミスト範囲に前記除菌水のミストを噴霧し、前記便蓋が前記閉状態のとき、第2のミスト範囲に前記除菌水のミストを噴霧するように、前記噴霧装置を制御し、前記第1のミスト範囲は、前記第2のミスト範囲よりも狭いことを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便蓋が閉状態の場合だけでなく、便蓋が開状態の場合にも除菌水のミストを噴霧するため、除菌性能が低下することを抑制できる。また、便蓋が開状態のときには、便蓋が閉状態のときよりも狭い範囲に除菌水のミストを噴霧するため、便蓋が開状態であっても、除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がりにくい。従って、アフターミストモードにおいて、噴霧装置から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がることを抑制しつつ、効果的に除菌水による除菌を行うことができる。
第2の発明は、第1の発明において、前記第1のミスト範囲は、前記大便器内から前記大便器の上面までの範囲であり、前記第2のミスト範囲は、前記大便器内から前記便座の上面までの範囲であることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便蓋が閉状態のときには、便座の上面まで除菌水のミストを噴霧し、便蓋が開状態のときには、大便器の上面までしか除菌水のミストを噴霧しない。これにより、噴霧装置から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がることをより確実に抑制しつつ、より効果的に除菌水による除菌を行うことができる。
第3の発明は、第2の発明において、前記第1のミスト範囲は、前記大便器内のボウル部の上端までの範囲であり、前記第2のミスト範囲は、前記大便器内から前記便座の上面までの範囲であることを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便蓋が閉状態のときには、便座の上面まで除菌水のミストを噴霧し、便蓋が開状態のときには、ボウル部の上端までしか除菌水のミストを噴霧しない。これにより、噴霧装置から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がることをより確実に抑制しつつ、より効果的に除菌水による除菌を行うことができる。
第4の発明は、第1~第3のいずれか1つの発明において、前記制御装置は、前記便蓋が前記開状態のときの前記除菌水のミストの粒径が、前記便蓋が前記閉状態のときの前記除菌水のミストの粒径よりも大きくなるように前記噴霧装置を制御することを特徴とする便座装置である。
この便座装置によれば、便蓋が開状態のときに噴霧する除菌水のミストの粒径を、便蓋が閉状態のときに噴霧する除菌水のミストの粒径よりも大きくする。これにより、便蓋が開状態のときの除菌水のミストは、便蓋が閉状態のときの除菌水のミストよりも下に落ちやすくなる。従って、噴霧装置から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がることをより確実に抑制しつつ、より効果的に除菌水による除菌を行うことができる。
第5の発明は、汚物を受けるボウル部を有する大便器と、第1~第4のいずれか1つの発明の便座装置と、を備えたことを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、アフターミストモードにおいて、噴霧装置から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がることを抑制しつつ、効果的に除菌水による除菌を行うことができるトイレ装置を提供できる。
本発明の態様によれば、アフターミストモードにおいて、噴霧装置から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置の外部に漏れ広がることを抑制しつつ、効果的に除菌水による除菌を行うことができる便座装置及びトイレ装置が提供される。
実施形態に係るトイレ装置を例示する斜視図である。 実施形態に係るトイレ装置の一部を例示する断面図である。 実施形態に係る便座装置の要部構成を例示するブロック図である。 図4(a)~図4(e)は、実施形態に係るトイレ装置を例示する平面図及び斜視図である。 図5(a)~図5(c)は、実施形態に係る別のトイレ装置を例示する斜視図である。 図6(a)~図6(c)は、実施形態に係る噴霧装置を例示する模式図である。 図7(a)及び図7(b)は、実施形態に係る噴霧装置のディスクを例示する平面図である。 実施形態に係る便座装置のアフターミストモードにおける動作を例示するフローチャートである。 実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示するフローチャートである。 実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示するフローチャートである。 実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示する模式図である。 図12(a)及び図12(b)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示する断面図である。 図13(a)~図13(d)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示する平面図である。 実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示する模式図である。 図15(a)~図15(c)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示する断面図及び平面図である。 図16(a)~図16(c)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示する断面図及び平面図である。 図17(a)及び図17(b)は、実施形態に係る粒径の測定方法を例示する斜視図である。 図18(a)及び図18(b)は、実施形態の変形例に係るトイレ装置の一部を例示する平面図及び断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレ装置を例示する斜視図である。
図2は、実施形態に係るトイレ装置の一部を例示する断面図である。
図1に表したトイレ装置10は、洋式腰掛便器(以下説明の便宜上、単に「大便器」と称する)800と、便座装置100と、を備える。大便器800は、汚物を受ける凹状のボウル部801を有する。便座装置100は、大便器800の上部に設置されている。
便座装置100は、ケーシング400と、使用者が着座する便座200と、便蓋300と、を有する。便座200と便蓋300とは、それぞれ、ケーシング400に対して開閉自在に軸支されている。便蓋300は、全開位置と全閉位置との間で移動する。図1の状態は、便座200が閉じた状態(下げられた状態)であり、便蓋300が開いた状態(上げられた状態)である。便蓋300は、閉じた状態では、便座200の上面203(着座面)を上方から覆う。
ケーシング400の内部には、便座200に座った使用者の人体局部(「おしり」など)の洗浄を実現する身体洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えばケーシング400には、使用者が便座200に座ったことを検知する着座検知センサ404が設けられている。着座検知センサ404が便座200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの手動操作部500を操作すると、洗浄ノズル(以下説明の便宜上、単に「ノズル」と称する)473を大便器800のボウル部801内に進出させることができる。なお、図1に表した便座装置100では、ノズル473がボウル部801内に進出した状態を表している。
ノズル473の先端部には、ひとつまたは複数の吐水口474が設けられている。そして、ノズル473は、その先端部に設けられた吐水口474から水を噴射して、便座200に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」及び「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋300に背を向けて便座200に座った使用者から見た方向である。
図2に示すように、ボウル部801内には、溜水801wが溜められている。例えば、使用者が、リモコン等に設けられたスイッチによって便器洗浄の操作を行うと、または、使用者が便座200から立ち上がると、便器洗浄(ボウル部801内の汚物を排出し、ボウル部801の表面を洗浄する動作)が実行される。便器洗浄においては、ボウル部801内に洗浄水が供給される。例えば、図2の例では、ボウル給水口811から大便器800の上縁に沿って洗浄水が吐出される。
大便器800は、上部にリム部805を有する。リム部805は、大便器800の上縁部を形成する環状部分である。リム部805は、上面806と、内壁面807と、を有する。上面806は、閉じられた便座200の下面204と向き合う面である。上面806は、例えば、大便器800の上面を構成する。内壁面807は、例えば、ボウル部801の上部を構成する。内壁面807は、大便器800の内壁(ボウル部801の中央側に面する壁面)のうち、便器洗浄の洗浄水が流れる部分よりも、上方の部分である。すなわち、本願明細書において、リム部805の内壁面807とは、便器洗浄における不洗浄部をいう。図2の例では、内壁面807は、棚状に屈曲した屈曲部805Bより上方に位置する立面を含む。
図3は、実施形態に係る便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
なお、図3は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
便座装置100は、電磁弁431、除菌装置450、切替弁472、噴霧装置481、ノズルモータ476、ノズル473、ノズル洗浄室478、及び流路110~113などを有する。これらは、ケーシング400内に配置されている。
流路110は、水道や貯水タンクなどの図示しない給水源から供給された水を噴霧装置481やノズル473などに導くための流路である。流路110の上流側には、電磁弁431が設けられている。電磁弁431は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御装置405からの指令に基づいて水の供給を制御する。
流路110上において、電磁弁431の下流には、除菌水を生成する除菌装置450が設けられている。除菌装置450は、例えば次亜塩素酸などを含む除菌水を生成する。除菌装置450としては、例えば、電解槽ユニットが挙げられる。電解槽ユニットは、制御装置405からの通電の制御によって、陽極板(図示せず)と陰極板(図示せず)との間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解する。なお、除菌水は、次亜塩素酸を含むものには限定されない。例えば、除菌水は、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水、または、アルカリ水などでもよい。除菌装置450は電解槽に限らず、除菌水を生成可能な任意の構成でよい。また、本願明細書において、「除菌」とは、菌を減らす作用のことをいう。除菌水は、少なくとも菌を減らす作用を有するものであればよい。除菌水は、換言すれば、菌を減らす作用を有する機能水である。
流路110上において、除菌装置450の下流には、切替弁472が設けられている。切替弁472の下流には、ノズル473、ノズル洗浄室478及び噴霧装置481が設けられている。流路110は、切替弁472により、ノズル473へ水を導く流路111、ノズル洗浄室478へ水を導く流路112、及び、噴霧装置481へ水を導く流路113に分岐している。切替弁472は、制御装置405からの指令に基づいて、流路111、流路112及び流路113のそれぞれの開閉を制御する。つまり、切替弁472は、ノズル473、ノズル洗浄室478及び噴霧装置481への水の供給を制御する。また、切替弁472は、その下流に供給する水の流量を切り替える。
ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器800のボウル部801内に進出したり後退したりする。つまり、ノズルモータ476は、制御装置405からの指令に基づいてノズル473を進退させる。ノズル473は、非使用時には、ケーシング400内に収納されている。ノズル473は、ケーシング400から前方へ進出した状態で、吐水口474から水を吐出して、人体局部を洗浄する。
ノズル洗浄室478は、その内部に設けられた吐水口から除菌水あるいは水道水を噴射することにより、ノズル473の外周表面(胴体)を洗浄する。
噴霧装置481は、水道水または除菌装置450で生成された除菌水をミスト状にする。噴霧装置481は、大便器800の内部(ボウル部801)及び上面(リム部805の上面806)、並びに便座200に、ミストM(除菌水のミストまたは水道水のミスト)を噴霧する。言い換えれば、噴霧装置481は、除菌水のミストまたは水道水のミストを、大便器800の内部及び上面、並びに便座200に着水させる。なお、本願明細書において「着水」とは、水(除菌水または水道水)が物体の表面に付着することをいう。
また、ケーシング400の内部には、便座用モータ511(回動装置)、便蓋用モータ512(回動装置)、送風装置513及び温風ヒータ514が設けられている。
便座用モータ511は、制御装置405からの指令に基づいて、電動で便座200を回動させ開閉する。便蓋用モータ512は、制御装置405からの指令に基づいて、電動で便蓋300を回動させ開閉する。
送風装置513は、例えばケーシング400の内部に設けられたファンである。送風装置513は、制御装置405からの指令に基づいて動作する。例えば、送風装置513のモータの回転に伴い羽根が回転する。これにより、送風装置513は、大便器800内(ボウル部801)に向けて送風することができる。また、送風装置513は、便座200に座った使用者の局部に送風してもよい。温風ヒータ514は、送風装置513によってケーシング400の外部へ送られる空気を温める。これにより、使用者の局部に向けて温風を送り、局部を乾燥させることができる。
便座ヒータ515(乾燥装置)は、例えば、便座200の内部に設けられている。便座ヒータ515は、例えば、便座200の中央に形成された開口200aの周りに沿って設けられた環状の金属部材を有する。制御装置405からの指令に基づいて便座ヒータ515に通電が行われることで、便座ヒータ515は、便座200を温める。便座ヒータ515としては、例えば、チュービングヒータや、シーズヒータ、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどを用いてもよい。金属部材は、例えば、アルミニウムや銅などで構成される。また、金属部材の形状は、シート状やワイヤ状、メッシュ状など、種々の形状を採用することができる。
制御装置405には、図示しない電源回路から電力を供給される回路が用いられる。例えば、制御装置405は、マイコンなどの集積回路を含む。制御装置405は、使用者を検知する検知センサ402(例えば人体検知センサ403または着座検知センサ404)及び便蓋300の開閉状態を検知する便蓋検知センサ406の検知情報、または手動操作部500の操作情報に基づいて、電磁弁431、除菌装置450、切替弁472、ノズルモータ476、送風装置513、温風ヒータ514、便座ヒータ515、便座用モータ511、及び便蓋用モータ512を制御する。
手動操作部500は、使用者が例えば任意のタイミングで除菌水の噴霧を行うための操作部である。例えば、手動操作部500は、スイッチまたはボタンなどを有するリモコンであり、使用者が手動操作部500を操作すると、除菌水の噴霧を指示する操作情報(信号)が制御装置405に送られる。制御装置405は、その操作情報に基づいて除菌装置450や噴霧装置481を制御する。これにより、使用者は、手動操作部500を操作することで、除菌水の噴霧を行うことができる。
また、手動操作部500は、除菌水の噴霧だけでなく、使用者が便座装置100の各機能を操作するためのスイッチやボタンなどを有していてもよい。各機能に対応した操作が行われると、その操作情報が制御装置405に送られ、制御装置405は、その操作情報に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
着座検知センサ404は、使用者の便座200への着座の有無を検知することができる。着座検知センサ404は、使用者の着座及び離座を検知する。着座検知センサ404には、マイクロ波センサ、測距センサ(赤外線投光式センサ)、超音波センサ、タクトスイッチ、静電容量スイッチ(タッチセンサ)、または歪みセンサを用いることができる。この例では、着座検知センサ404には、ケーシング400に設けられた測距センサが用いられている。
なお、タクトスイッチ、静電センサ及び歪みセンサなどの接触式センサを用いる場合には、これらの接触式センサは、便座200に設けられる。便座200に使用者が座ると、使用者の体重によってタクトスイッチが押下される。または、使用者が静電センサに接触する。または、使用者の体重によって歪みセンサに圧力が加えられる。これらのセンサからの電気信号により、使用者の着座を検知することができる。
人体検知センサ403は、大便器800の前方にいる使用者、すなわち便座200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ403は、トイレ室に入室して便座200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサとして、例えば、焦電センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、または測距センサ(赤外線投光式センサ)を用いることができる。この例では、人体検知センサ403には、ケーシングに設けられた焦電センサが用いられている。また、人体検知センサ403は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室する直前の使用者、すなわちトイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知してもよい。例えば、マイクロ波センサを用いた場合には、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。
便蓋検知センサ406は、便蓋300の開閉状態を検知することができる。便蓋検知センサ406は、便蓋300の開状態のみを検知するセンサであってもよいし、便蓋300の閉状態のみを検知するセンサであってもよいし、便蓋300の開状態及び閉状態の両方を検知するセンサであってもよい。また、便蓋検知センサ406は、便座200と便蓋300とのなす角度を検知するセンサであってもよい。便蓋検知センサ406には、例えば、リミットスイッチ、磁気センサ、又は光学センサなどの任意のスイッチやセンサなどを用いることができる。
なお、本明細書において、便蓋300の「開状態」は、便座200が露呈している状態であり、便蓋300の「閉状態」は、便座200が覆われている状態である。便蓋300が開状態のとき、使用者は便座200に着座可能である。便蓋300の「開状態」は、少なくとも便蓋300の全開位置を含む。便蓋300の「閉状態」は、少なくとも便蓋300の全閉位置を含む。また、例えば、上面視において、便蓋300が便座200に重なっていない状態を「開状態」とし、便蓋300が便座200の少なくとも一部と重なっている状態を「閉状態」としてもよい。あるいは、上面視において、便蓋300が便座200に重なっていない状態及び便蓋300が便座200の一部のみと重なっている状態(便座200の少なくとも一部が露呈している状態)を「開状態」とし、便蓋300が便座200の全体と重なっている状態(便蓋300が便座200を完全に覆い隠している状態)を「閉状態」としてもよい。あるいは、便蓋300の開状態を検知する便蓋検知センサ406が、検知している状態を「開状態」とし、検知していない状態を「閉状態」としてもよい。あるいは、便蓋300の閉状態を検知する便蓋検知センサ406が、検知している状態を「閉状態」とし、検知していない状態を「開状態」としてもよい。あるいは、便座200と便蓋300とのなす角度が所定角度よりも大きい状態を「開状態」とし、便座200と便蓋300とのなす角度が所定角度以下である状態を「閉状態」としてもよい。
制御装置405は、人体検知センサ403の検知情報(使用者の存在の有無を示す信号)、着座検知センサ404の検知情報(使用者の着座の有無を示す信号)及び便蓋検知センサ406の検知情報(便蓋300の開閉状態を示す信号)を受信し、受信した検知情報に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
図4(a)~図4(e)は、実施形態に係るトイレ装置を例示する平面図及び斜視図である。
図4(a)は、トイレ装置10の一部を前方から見た状態を示す。
図4(a)に示すように、噴霧装置481、ノズルダンパ479、及び送風ダンパ516は、便座装置100が大便器800の上部に設置された状態において、ボウル部801の後方上部に位置する。
図4(b)は、図4(a)の一部を拡大して表す。なお、図4(b)では、見易さのため、噴霧装置481の前方に位置するケーシング400の一部を省略している。
ノズルダンパ479は、ケーシング400に対して回動可能に軸支されている。ノズル473は、ケーシング400の内部に後退している状態では、ノズルダンパ479の後方に位置する。人体局部の洗浄時等において、ノズル473は、ノズルダンパ479に当接し、ノズルダンパ479を回動させて開き、ケーシング400の内部から進出する。
図4(c)~図4(e)は、噴霧装置481、ノズルダンパ479及び送風ダンパ516の周辺を拡大して表す斜視図である。
送風ダンパ516は、ケーシング400に対して回動可能に軸支されている。送風ダンパ516の後方には、送風装置513が配置されている。送風ダンパ516は、ケーシング400の開口516aを覆う。送風装置513から送られた空気は、開口516aを通って、大便器800内へ送られる。
図4(c)は、送風装置513が動作を停止した状態であり、図4(d)及び図4(e)は、送風装置513が作動し、ボウル部801内に向けて送風している状態を示す。
図4(c)に示すように、送風が停止した状態においては、送風ダンパ516は、閉じている。
図4(d)に示すように、送風装置513が作動すると、送風ダンパ516は、送風装置513から送られる空気の圧力(風圧)により回動して開く。これにより、送風装置513は、例えば矢印A1のように、ボウル部801内の後方上部からボウル部801内の前方下部へ向けて送風する。
図4(e)の状態においては、図4(d)の状態に比べて、送風装置513が送る風量が多い(または風速が高い)。この場合には、送風ダンパ516は、図4(d)の状態に比べて、さらに回動して開く。これにより、送風装置513は、例えば矢印A2のように、ボウル部801内の後方上部からボウル部801内の前方上部へ向けて送風する。
このように、送風装置513から送られる風の方向は、送風ダンパ516によって変化する。言い換えれば、送風装置513は、風量(風速)によって送風方向を制御することができる。送風装置513からの送風によって生じる気流に、噴霧装置481から噴霧されたミストを乗せることで、ミストが着水する範囲、及び、各範囲におけるミストの着水量(各範囲に着水する除菌水または水道水の量)を制御してもよい。
図5(a)~図5(c)は、実施形態に係る別のトイレ装置を例示する斜視図である。 この例では、噴霧装置481の前方にミストダンパ482が設けられている。ミストダンパ482は、閉じた状態において、噴霧装置481の前方の少なくとも一部を覆う。例えば、ミストダンパ482は、閉じた状態において、図6に関して後述するディスク481bの前方を覆う。
ミストダンパ482は、例えばノズルダンパ479に対して固定されており、ノズルダンパ479と連動する。ノズルダンパ479が開くことでミストダンパ482も開き、ノズルダンパ479が閉じることでミストダンパ482も閉じる。
図5(b)及び図5(c)は、ノズルダンパ479及びミストダンパ482の周辺を拡大して表す。図5(b)は、ノズル473がケーシング400の内部に後退した状態である。このとき、ノズルダンパ479は、閉じた状態であり、ノズル473の前方を覆う。また、ミストダンパ482は、閉じた状態であり、噴霧装置481の少なくとも一部の前方を覆う。
噴霧装置481の不使用時には、図5(b)のように、ミストダンパ482によって噴霧装置481をボウル部801側から隠蔽する。これにより、噴霧装置481に尿や汚れが付着することを防止することができる。
図5(c)は、ノズル473が前方へ進出し、ノズルダンパ479を回動させた状態である。このときのノズル473の前方への進出距離は、人体局部洗浄時の前方への進出距離よりも短くてよい。例えば、ノズル473の先端は、ノズルダンパ479に当接している。また、図5(c)において、ミストダンパ482は、ノズルダンパ479と共に回動し、開いている。噴霧装置481の一部(ディスク481b)は、ボウル部801側へ露出している。これにより、噴霧装置481は、ボウル部801へ向けてミストを噴霧することができる。なお、例えば図18に関して後述するように、ミストダンパ482を設けずに、噴霧装置481をケーシング400内に配置してもよい。
図6(a)~図6(c)は、実施形態に係る噴霧装置を例示する模式図である。
図6(a)は、噴霧装置481の斜視図であり、図6(b)は、噴霧装置481の側面図である。
噴霧装置481は、モータ481aと、モータ481aの下方に接続されたディスク481bと、を有する。モータ481aの回転は、制御装置405によって制御される。モータ481aが回転すると、回転の駆動力がディスク481bに伝達され、ディスク481bが回転する。
図6(b)に示すように、ディスク481bの上面には、水W(水道水または除菌装置450で生成された除菌水)が供給される。ディスク481bの回転中に、水Wが供給されることで、噴霧装置481は、水Wをミスト状にして噴霧する。なお、この例では、ディスク481bは、平らな円板状であるが、適宜凹凸を設けたり、円錐形状や球体を用いたりしてもよい。
図6(c)は、ディスク481bの一部を上方から見た拡大図である。回転するディスク481bの上面に滴下された水Wは、遠心力によって、ディスク481b上で膜状に広がり、ディスク481bから放射される。このとき、水Wは、ディスク481bの縁付近から膜状のまま分裂したり、糸状となった後に分裂したりし、その後、微粒子p(ミスト)となる。ディスク481bの回転速度、すなわち、モータ481aの回転速度によって、ミストの粒径(微粒子pの径)を制御することができる。回転速度が高い程、ミストの粒径は小さくなる。例えば、回転速度が1000(rotation per minute:rpm)程度の低速回転、回転速度が10000rpm程度の中速回転、または、回転速度が20000rpm程度の高速回転が適宜用いられ、所望の粒径が得られる。また、給水口481cから噴霧装置481に供給される水Wの流量を調整することにより、ミストの粒径を制御することもできる。
なお、本願明細書において、粒径とは、トイレ装置10に着水する前の空中に存在する微粒子pの粒径であり、例えばザウター平均粒径(総体積/総表面積)である。本願明細書における「粒径」の測定方法については、図17に関して後述する。また、ミストとは、粒径が30マイクロメートル(μm)以上300μm以下の範囲をいう。ミストの粒径が30μm未満であると、ボウル部801、リム部805、便座200などの対象部位を濡らすために長い時間が必要となってしまう。また、次亜塩素酸を含む除菌水を用いた場合、ミストの粒径が30μm未満であると、ミスト中の次亜塩素酸の濃度が減衰しやすく、除菌性能が低下しやすい。一方、ミストの粒径が300μmより大きいと、ミストが拡散しにくく、広範囲にミストを噴霧することが困難となる。また、以下の説明において、大粒径のミストとは、粒径が100μm以上300μm以下の範囲のミストであり、中粒径のミストとは、粒径が60μm以上100μm以下の範囲のミストであり、小粒径のミストとは、粒径が30μm以上60μm以下の範囲のミストである。
図7(a)及び図7(b)は、実施形態に係る噴霧装置のディスクを例示する平面図である。
図7(a)及び図7(b)は、回転するディスク481bを上方から見た様子を示す。図7(a)の例では、ディスク481b上に水Wを供給する給水口481cの数が1つである。この場合、給水口481cに近い領域では、供給された水Wの水膜がディスク481b上で薄くなる前に、水Wがディスク481b上から放射される。このため、図7(a)に示すように、噴霧装置481の周囲において、ミストの粒径に偏りが生じる。すなわち、ミストの粒径が比較的大きい領域R1、ミストの粒径が中程度の領域R2、及び、ミストの粒径が比較的小さい領域R3が生じる。また、ミストの粒径に応じて、流量(単位時間に噴霧されるミストの量)にも偏りが生じる。すなわち、領域R1においては流量が多く、領域R2においては流量が中程度であり、領域R3においては流量が小さい。
このため、例えば、給水口481cの位置や、ディスク481bの回転方向(時計回りまたは反時計回り)によって、噴霧装置481から大便器800内へ向かって噴霧されるミストの粒径、流量、方向などを調整することが可能である。これにより、噴霧装置481から噴霧されたミストが着水する範囲、及び各範囲におけるミストの着水量を制御してもよい。また、ディスク481bの周囲に、ミストが噴霧される方向を制御するカバーなどを適宜設けてもよい。
また、給水口481cの数は、1つに限られず、複数の給水口481cが設けられてもよい。例えば、図7(b)では、4つの給水口481cが設けられている。給水口481cは、ディスク481bの中心から見て90°ごとに配置されている。このように複数の給水口481cをディスク外周に沿って略等間隔に配置することにより、噴霧装置481の周囲において、ミストの粒径や流量の偏りを抑え、均一な噴霧を行うことができる。
噴霧装置481は、便座装置100が大便器800の上部に設置された状態において、便座200よりも下方に配置され(図2参照)、大便器800内に向けてミストを噴霧する。ここで、噴霧装置481が便座200よりも下方に配置されている状態とは、噴霧装置481の少なくとも一部(この例ではディスク481b)が便座200よりも下方であることをいう。これにより、便座200よりも下方から、大便器800内に水道水または除菌水のミストが噴霧される。
なお、実施形態において、噴霧装置は、図6及び図7に関して説明した装置に限らない。例えば、噴霧装置として、超音波霧化装置を用いてもよい。超音波霧化装置は、液体に超音波を照射することで、液体をミスト状にする。また、例えば、噴霧装置として2流体ノズルを用いてもよい。2流体ノズルは、気体と液体とを共に噴射することで、液体をミスト状にする。ただし、図6及び図7に関して説明した装置を用いた場合には、送風装置513によって噴霧範囲を制御しやすいメリットがある。また、目詰まりのリスクも低く、コンプレッサなどの付帯装置も不要である。
実施形態において、制御装置405は、例えば、アフターミストモード、プレミストモード、及び手動ミストモードの3種類のミストモードを実行可能である。
アフターミストモードは、例えば、使用者のトイレ装置10の使用後に、検知センサ402の検知情報に基づいて、除菌水のミストを自動で噴霧する動作モードである。プレミストモードは、例えば、使用者のトイレ装置10の使用前に、検知センサ402の検知情報に基づいて、除菌水または水道水のミストを自動で噴霧する動作モードである。手動ミストモードは、手動操作部500の操作情報に基づいて、除菌水のミストを噴霧する動作モードである。制御装置405は、少なくともアフターミストモードを実行可能であればよい。すなわち、プレミストモード及び手動ミストモードは、省略可能である。
アフターミストモードは、検知センサ402が使用者を検知している状態から使用者を検知しない状態となった後に、自動的に除菌水のミストを噴霧する。アフターミストモードにおいて、制御装置405は、除菌装置450及び噴霧装置481を制御し、ボウル部801及び便座200などに除菌水のミストを噴霧する。
このようなアフターミストモードにおいて、制御装置405は、便蓋300の開閉状態に基づいて、噴霧装置481を制御する。制御装置405は、第1のミスト範囲に除菌水のミストを噴霧する第1モードと、第2のミスト範囲に除菌水のミストを噴霧する第2モードと、を実行可能である。制御装置405は、便蓋300が開状態のときに第1モードを実行し、便蓋300が閉状態のときに第2モードを実行するように、噴霧装置481を制御する。なお、便蓋300が開状態であるとき、制御装置405は、例えば、便座200の開閉状態に関わらず、第1モードを実行する。
第1モードでは、第1のミスト範囲に除菌水のミストを噴霧する。第1のミスト範囲は、第2のミスト範囲よりも狭い。第1のミスト範囲は、例えば、大便器800内(ボウル部801)から大便器800の上面までの範囲である。より具体的には、第1のミスト範囲は、例えば、溜水801wの水面からリム部805の上面806までの範囲である。このとき、第1のミスト範囲は、例えば、ボウル部801のうち溜水801wの水面よりも上に位置する部分と、リム部805の上面806と、を含む。ボウル部801のうち溜水801wの水面よりも上に位置する部分は、リム部805の内壁面807を含む。第1のミスト範囲は、例えば、大便器800内のボウル部801の上端までの範囲であってもよい。より具体的には、第1のミスト範囲は、例えば、溜水801wの水面からリム部805の内壁面807の上端までの範囲であってもよい。このとき、第1のミスト範囲は、例えば、ボウル部801のうち溜水801wの水面よりも上に位置する部分を含み、リム部805の上面806を含まない。
第2モードでは、第2のミスト範囲に除菌水のミストを噴霧する。第2のミスト範囲は、第1のミスト範囲よりも広い。第2のミスト範囲は、例えば、大便器800内(ボウル部801)から便座200の上面203までの範囲である。より具体的には、第2のミスト範囲は、例えば、溜水801wの水面から便座200の上面203までの範囲である。このとき、第2のミスト範囲は、例えば、ボウル部801のうち溜水801wの水面よりも上に位置する部分と、リム部805の上面806と、便座200の下面204と、便座200の上面203と、便座200の内壁面(開口200aの中央側に面する壁面)と、を含む。
このように、実施形態によれば、便蓋300が閉状態の場合だけでなく、便蓋300が開状態の場合にも除菌水のミストを噴霧する。そのため、ミストを噴霧するタイミングが少なくなることを抑制でき、除菌性能が低下することを抑制できる。また、実施形態によれば、便蓋300が開状態のときには、便蓋300が閉状態のときよりも狭い範囲に除菌水のミストを噴霧する。そのため、便蓋300が開状態であっても、除菌水のミストがトイレ装置10の外部に漏れ広がりにくい。
アフターミストモードにおいて除菌水のミストがトイレ装置10の外部に漏れ広がることを抑制する手段として、アフターミストモードを実行する際に、便蓋300が開状態である場合には、便蓋300の自動開閉機能により便蓋300を閉状態にしてからアフターミストモードを実行することが考えられる。しかし、例えば、使用者が便蓋300の自動開閉機能をOFFにしていると、便蓋300を閉状態にすることができないため、アフターミストモードを実行することができない。これに対し、実施形態においては、便蓋300が閉状態の場合だけでなく、便蓋300が開状態の場合にも除菌水のミストを噴霧する。換言すれば、使用者が便蓋300の自動開閉機能をOFFにしており、便蓋300が開状態になっている場合にも、アフターミストモードを実行することができる。
また、実施形態においては、例えば、便蓋300が閉状態のときには、便座200の上面203まで除菌水のミストを噴霧するのに対し、便蓋300が開状態のときには、大便器800の上面(例えば、リム部805の上面806)までしか除菌水のミストを噴霧しない。あるいは、例えば、便蓋300が閉状態のときには、便座200の上面203まで除菌水のミストを噴霧するのに対し、便蓋300が開状態のときには、大便器800内のボウル部801の上端(例えば、リム部805の内壁面807の上端)までしか除菌水のミストを噴霧しない。
これにより、便蓋300が閉まっていて除菌水のミストがトイレ装置10の外部に漏れ広がりにくいときには、例えば、便座200の上面203まで除菌水のミストを噴霧することで、広い範囲を除菌水で除菌することができる。一方、便蓋300が開いていて除菌水のミストがトイレ装置10の外部に漏れ広がりやすいときには、除菌水のミストを噴霧する範囲を、例えば、大便器800の上面またはボウル部801の上端まで狭くすることで、除菌水のミストがトイレ装置10の外部に漏れ広がることを抑制しつつ、除菌水による除菌を行うことができる。
なお、第1のミスト範囲を大便器800の上面までとした場合には、第1のミスト範囲をボウル部801の上端までとした場合と比べて、より広い範囲に除菌水のミストを噴霧することができる。一方、第1のミスト範囲をボウル部801の上端までとした場合には、第1のミスト範囲を大便器800の上面までとした場合と比べて、除菌水のミストがトイレ装置10の外部に漏れ広がることをより抑制することができる。除菌性能をより高めたい場合には、第1のミスト範囲を大便器800の上面までとし、ミストの漏れ広がりをより抑制したい場合には、第1のミスト範囲をボウル部801の上端までとするなど、使用者が第1のミスト範囲を適宜選択してもよい。
このように、実施形態によれば、アフターミストモードにおいて、便蓋300の開閉状態に応じて除菌水のミストが噴霧される範囲を変えることで、噴霧装置481から噴霧される除菌水のミストがトイレ装置10の外部に漏れ広がることを抑制しつつ、効果的に除菌水による除菌を行うことができる。
上述したようなミストを噴霧する範囲の制御は、例えば、噴霧装置481から噴霧されるミストの粒径の制御により可能である。例えば、制御装置405は、便蓋300が開状態のときの除菌水のミストの粒径が、便蓋300が閉状態のときの除菌水のミストの粒径よりも大きくなるように噴霧装置481を制御する。
除菌水のミストは、粒径が小さいと、噴霧装置481から便座200側に上昇しやすい。一方、除菌水のミストは、粒径が大きいと、除菌水のミストは噴霧装置481から下降しやすい。そのため、便蓋300が開状態のときの除菌水のミストは、便蓋300が閉状態のときの除菌水のミストよりも下(ボウル部801の下部)に落ちやすい。このように、実施形態においては、便蓋300が開状態のときには、除菌水のミストを便座200側に上昇しにくくし、除菌水のミストを噴霧する範囲を狭くすることができる。
また、制御装置405は、上述のように、アフターミストモードに加えて、プレミストモード及び手動ミストモードを実行可能である。
プレミストモードは、検知センサ402が使用者を検知していない状態から使用者を検知している状態となった後に、除菌水または水道水が便座200に着水しないように、自動的に除菌水のミストまたは水道水のミストを大便器800内に噴霧する。プレミストモードにおいてミストを噴霧する範囲は、例えば、ボウル部801の上端までの範囲である。より具体的には、プレミストモードにおいてミストを噴霧する範囲は、例えば、溜水801wの水面からリム部805の内壁面807の上端までの範囲である。プレミストモードにおいてミストを噴霧する範囲は、例えば、アフターミストモードの第1のミスト範囲と同じでよい。
このように、トイレ装置10の使用前に、プレミストモードによって大便器800内に除菌水のミストまたは水道水のミストを噴霧することで、大便器800内に水膜を形成し、汚物の固着を抑制することができる。
手動ミストモードは、使用者が手動操作部500を操作した後に、除菌水のミストを大便器800内及び便座200に噴霧する。手動ミストモードは、便座装置100の使用前・使用後・掃除時などのタイミングで実行される。手動ミストモードにおいてミストを噴霧する範囲は、例えば、ボウル部801から便座200の上面203までの範囲である。より具体的には、手動ミストモードにおいてミストを噴霧する範囲は、例えば、溜水801wの水面から便座200の上面203までの範囲である。手動ミストモードにおいてミストを噴霧する範囲は、例えば、アフターミストモードの第2のミスト範囲と同じでよい。
このように、手動ミストモードにより、大便器800内及び便座200に除菌水のミストを噴霧することで、さらに菌や汚れの発生を抑制することができる。例えば、アフターミストモードによって抑制することが困難な固着汚れに対して、着水した除菌水をトイレットペーパー等を用いて拭き取ることにより、除菌することができる。使用者は、専用の除菌ペーパーを用いずに手軽に拭き取り除菌を行うことができる。また、例えば、トイレ装置10の使用前に便座200の汚れが気になる使用者は、手動ミストモードによって便座200を除菌することができる。使用者自らの操作に基づいて除菌が実行されるため、使用者の安心感や満足感を高めることができる。
以下、図8~図10を参照して、アフターミストモードにおける便座装置100の動作の例について説明する。
図8は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードにおける動作を例示するフローチャートである。
人体検知センサ403が使用者の退室を検知すると(ステップS101:Yes)、制御装置405は、便蓋検知センサ406の検知情報に基づいて、便蓋300の開閉状態を判定する(ステップS102)。便蓋300が開状態のとき(ステップS102:Yes)、制御装置405は、第1モードを実行する(ステップS103)。便蓋300が閉状態のとき(ステップS102:No)、制御装置405は、第2モードを実行する(ステップS104)。
図9は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示するフローチャートである。
第1モードを開始すると、制御装置405は、電磁弁431を開き、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを反時計回り(CCW)に中速回転させる(ステップS201)。電磁弁431が開くことで、ディスク481bへの給水が開始される。
制御装置405は、ディスク481bが中速回転した状態を所定時間、維持する(ステップS202:No)。これにより、ディスク481b上の残水をディスク481b上から排出することができる。このとき、例えばミストダンパ482は閉じているため、大便器800内へミストは噴霧されない。
所定時間が経過すると(ステップS202:Yes)、制御装置405は、ノズルモータ476によりノズル473をボウル部801内へ進出させる。これに伴い、ミストダンパ482が開く(ステップS203)。
その後、制御装置405は、除菌装置450を制御して除菌水の生成を開始する(ステップS204)。これにより、大便器800内(ボウル部801)などへの除菌水のミストの噴霧が開始する。制御装置405は、反時計回りに中速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間、維持する(ステップS205:No)。
所定時間が経過すると(ステップS205:Yes)、制御装置405は、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを時計回り(CW)に中速回転させる(ステップS206)。制御装置405は、時計回りに中速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間、維持する(ステップS207:No)。
所定時間が経過すると(ステップS207:Yes)、制御装置405は、除菌装置450を制御して除菌水の生成を停止し、モータ481a及びディスク481bを時計回り(CW)に低速回転させる(ステップS208)。
制御装置405は、ディスク481bに水道水が供給され、ディスク481bが低速回転した状態を所定時間、維持する(ステップS209:No)。これにより、ディスク481bのセルフクリーニングが行われる。なお、セルフクリーニングとは、あえてミストを発生させない程度の回転数で、ディスクを物理洗浄する動作である。セルフクリーニングには、除菌水を用いても構わない。
所定時間が経過すると(ステップS209:Yes)、制御装置405は、電磁弁431を閉じる(ステップS210)。制御装置405は、ディスク481bへの給水が停止し、ディスク481bが低速で回転した状態を所定時間、維持する(ステップS211:No)。これにより、ディスク481b上の残水を除去することができる。
所定時間が経過すると(ステップS211:Yes)、制御装置405は、モータ481a及びディスク481bの回転を停止し、ノズルモータ476によりノズル473をケーシング400内へ後退させる。これに伴い、ミストダンパ482が閉じる(ステップS212)。以上で、アフターミストモードの第1モードが終了する。
上記のように、第1モードでは、ディスク481bを中速回転させ、ミストの粒径を中粒径よりも大きくする。また、ミストを噴霧する際に、送風装置513による送風を行わない。これらにより、第1モードでは、除菌水のミストが噴霧される範囲を、例えば、ボウル部801の上端までの範囲(第1のミスト範囲)にすることができる。
図10は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示するフローチャートである。
第2モードを開始すると、制御装置405は、電磁弁431を開き、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを反時計回り(CCW)に高速回転させる(ステップS301)。電磁弁431が開くことで、ディスク481bへの給水が開始される。
制御装置405は、ディスク481bが高速回転した状態を所定時間、維持する(ステップS302:No)。これにより、ディスク481b上の残水をディスク481b上から排出することができる。このとき、例えばミストダンパ482は閉じているため、大便器800内へミストは噴霧されない。
所定時間が経過すると(ステップS302:Yes)、制御装置405は、ノズルモータ476によりノズル473をボウル部801内へ進出させる。これに伴い、ミストダンパ482が開く(ステップS303)。
その後、制御装置405は、除菌装置450を制御して除菌水の生成を開始し、送風装置513を制御して大便器800内への送風を開始する(ステップS304)。これにより、大便器800内(ボウル部801)及び便座200などへの除菌水のミストの噴霧が開始する。制御装置405は、反時計回りに高速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間、維持する(ステップS305:No)。
所定時間が経過すると(ステップS305:Yes)、制御装置405は、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを時計回り(CW)に高速回転させる(ステップS306)。制御装置405は、時計回りに高速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間、維持する(ステップS307:No)。
所定時間が経過すると(ステップS307:Yes)、制御装置405は、送風装置513を制御して送風を停止し、除菌装置450を制御して除菌水の生成を停止し、モータ481a及びディスク481bを時計回り(CW)に低速回転させる(ステップS308)。
制御装置405は、ディスク481bに水道水が供給され、ディスク481bが低速回転した状態を所定時間、維持する(ステップS309:No)。これにより、ディスク481bのセルフクリーニングが行われる。
所定時間が経過すると(ステップS309:Yes)、制御装置405は、電磁弁431を閉じる(ステップS310)。制御装置405は、ディスク481bへの給水が停止し、ディスク481bが低速で回転した状態を所定時間、維持する(ステップS311:No)。これにより、ディスク481b上の残水を除去することができる。
所定時間が経過すると(ステップS311:Yes)、制御装置405は、モータ481a及びディスク481bの回転を停止し、ノズルモータ476によりノズル473をケーシング400内へ後退させる。これに伴い、ミストダンパ482が閉じる。また、制御装置405は、便座ヒータ515をON(通電状態)にする(ステップS312)。
制御装置405は、便座ヒータ515がONの状態を所定時間、維持する(ステップS313:No)。これにより、便座200の温度を上昇させて、便座200に着水した除菌水を蒸発させ、便座200を乾かすことができる。なお、便座ヒータ515の代わりに、送風装置513と温風ヒータ514とを駆動させ、温風により便座200を乾燥させてもよい。
所定時間が経過すると(ステップS313:Yes)、制御装置405は、便座ヒータ515をOFF(非通電状態)とする(ステップS314)。以上で、アフターミストモードの第2モードが終了する。
上記のように、第2モードでは、ディスク481bを高速回転させ、ミストの粒径を小粒径にする。また、ミストを噴霧する際に、送風装置513によって送風を行う。これらにより、第2モードでは、除菌水のミストが噴霧される範囲を、例えば、ボウル部801から便座200の上面までの範囲(第2のミスト範囲)にすることができる。また、第2モードでは、便座200の上面までミストを噴霧するため、ミストの噴霧後に便座ヒータ515をONにし、便座200を乾かす。これにより、使用者の臀部や手が、便座に着水した除菌水に触れ、不快感を感じることを抑制できる。
以下、図11~図13を参照して、アフターミストモードの第2モードにおける便座装置100の動作の例について説明する。
図11は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示する模式図である。
アフターミストモードの第2モードにおいて、制御装置405は、送風装置513を作動させる。これにより、送風装置513は、大便器800内に向けて送風し、大便器800内に第1上昇気流U1を発生させる。また、制御装置405は、第1上昇気流U1が発生した状態において、除菌水の第1ミストM1と、除菌水の第2ミストM2と、を同時に発生させるように噴霧装置481を制御する。第1ミストM1は、小粒径のミストである。第1ミストM1の粒径(除菌水の微粒子p1の径)は、第1上昇気流U1によって、便座200側に上昇可能な粒径である。第2ミストM2は、中粒径のミストである。第2ミストM2の粒径(除菌水の微粒子p2の径)は、第1ミストM1の粒径よりも大きい。第2ミストM2は、第1上昇気流U1によって便座200側に上昇しない。なお、第2ミストM2が、第1上昇気流U1で上昇しないという範囲は、全ての第2ミストM2が上昇しない場合だけではなく、僅かな第2ミストM2が上昇する場合を含んでもよいものとする。第1上昇気流U1によって上昇する第2ミストM2は、出来るだけ少ないことが好ましく、例えばゼロであることが好ましい。
すなわち、便座200よりも下方から噴霧された第1ミストM1は、第1上昇気流U1に乗って便座200側に上昇し、便座200やリム部805の上面806などに着水する。一方で、便座200よりも下方から噴霧された第2ミストM2は、粒径が大きいため第1上昇気流U1によって便座200側に上昇せず、ボウル部801の上部(リム部805の内壁面807など)やボウル部801の下部に着水する。これにより、単一の噴霧装置481で、ボウル部801だけでなくリム部805の上面806や便座200にも除菌水のミストを着水させることができる。したがって、ボウル部801だけでなく、リム部805の上面806及び便座200などの広い範囲において菌や汚れを抑制することができる。また、単一の噴霧装置481を用いることで、便座装置100を小型化することができる。
なお、噴霧装置481は、第1ミストM1が第2ミストM2よりも上方側に形成されるように除菌水を噴霧する。より具体的には、噴霧装置481は、第1ミストM1を水平面に対して斜め上方に向けて噴霧する。また、噴霧装置481は、第2ミストM2を水平面に対して平行または斜め下方に向けて噴霧する。なお、第1ミストM1の方向と第2ミストM2の方向とが、噴霧後に、粒径に応じて上下に分かれるようにしてもよい。
これにより、小粒径の第1ミストM1が第1上昇気流U1によって上昇する際に、第2ミストM2と接触することを抑制することができる。したがって、第1ミストM1の粒径が第2ミストM2との接触によって大きくなり、第1ミストM1が大便器800内に落下することを抑制することができる。
また、噴霧装置481は、第1ミストM1及び第2ミストM2のそれぞれを、上面視において、放射状に噴霧する。放射状とは、ミストが存在する範囲が、噴霧装置481から離れるに従い、広くなる状態である。例えば、上面視において、ディスク481bの中心から離れる全ての方向に向けて、ミストが噴霧される。
第1ミストM1が放射状であることにより、第1ミストM1を第1上昇気流U1の全体に乗せて、便座200やリム部805の上面806などの広い範囲に着水させることができる。また、第2ミストM2が放射状であることにより、第2ミストM2が気流に乗らないほど大きな粒径を有していても、ボウル部801の広範囲に、第2ミストM2を着水させることができる。
なお、ミスト(第1ミストM1及び第2ミストM2)の形成位置や広がり方は、ディスク481bの回転速度、配置、形状や、ディスク481bに水を供給する給水口481cの位置などにより、調整することができる。
図12(a)及び図12(b)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示する断面図である。
図12(b)は、図12(a)に示す領域R4の拡大図である。
破線の矢印は、送風装置513によって形成される気流を表す。図12(a)に示すように、アフターミストモードの第2モードにおいて、送風装置513は、前方かつ下方へ向けて送風する。送風装置513から送られた空気の少なくとも一部は、大便器800内(ボウル部801)に当たり、上方へ向かう。これにより、便座200よりも下方の大便器800内から、便座200の上方に巻き上がる上昇気流U1が形成される。
実線の矢印は、噴霧装置481から噴霧されるミストの流れを表す。実線の矢印の太さは、除菌水の量に対応する。矢印が太いほど除菌水が多いことを表す。アフターミストモードの第2モードにおいて、一部のミストは、噴霧装置481からリム部の内壁面807(ボウル部801の上部)へ向けて放射される。また、粒径が比較的大きいミストは、ボウル部801の下部に着水する。粒径が比較的小さいミストは、上昇気流によってリム部の上面806、便座200及び便蓋300などに着水する。これにより、リム部805、便座200及び便蓋300などを含むトイレ装置10の隅々までを除菌することができる。
また、実施形態においては、ノズル473の幅方向(短手方向)において、噴霧装置481と送風装置513との間にノズル473が配置されている(図4参照)。すなわち、噴霧装置481は、左右方向において、送風装置513から離れた位置に配置されている。これにより、小粒径の第1ミストM1が、第1上昇気流U1に乗る前に、送風装置513から大便器800内に向けて送風された気流(第1上昇気流U1を発生させる前の気流)にのって大便器800内に着水することを抑制することができる。
図13(a)~図13(d)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第2モードにおける動作を例示する平面図である。
図13(a)及び図13(c)においては、説明の便宜上、便座200及び便蓋300を省略している。破線の矢印は、送風装置513の送風方向を表す。実線の矢印は、噴霧装置481から噴霧されるミストの流れを表す。実線の矢印の太さは、除菌水の量に対応する。矢印が太いほど除菌水が多いことを表す。図13(b)及び図13(d)は、便座200を表す。
図13(a)及び図13(b)は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において反時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、トイレ装置10の右側に比べて、左側に多くの除菌水が着水する。例えば、図13(a)に示すように、リム部上面においては、右側領域RR1よりも左側領域RL1に多くの除菌水が着水する。例えば、図13(b)に示すように、便座200においては、右側領域RR2よりも左側領域RL2に多くの除菌水が着水する。
図13(c)及び図13(d)は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、トイレ装置10の左側に比べて、右側に多くの除菌水が着水する。例えば、図13(c)に示すように、リム部上面においては、左側領域RL1よりも右側領域RR1に多くの除菌水が着水する。例えば、図13(d)に示すように、便座200においては、左側領域RL2よりも右側領域RR2に多くの除菌水が着水する。
制御装置405は、噴霧装置481のモータ481aを制御して、アフターミストモードの第2モード中に、時計回りと反時計回りとを適宜切り替えることが好ましい。これにより、左右方向におけるミストの分布が均一になりやすい。
なお、手動ミストモードにおいては、例えば、上記のアフターミストモードの第2モードと同様にして噴霧装置481や送風装置513を制御することで、アフターミストモードの第2のミスト範囲と同じ範囲にミストを噴霧することができる。
以下、図14~図16を参照して、アフターミストモードの第1モードにおける便座装置100の動作の例について説明する。
図14は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示する模式図である。
アフターミストモードの第1モードにおいて、制御装置405は、噴霧装置481を作動させ、除菌水のミストM3を発生させる。また、制御装置405は、噴霧装置481にミストM3を噴霧させた状態において、第1上昇気流U1を発生させず、ミストM3を便座200側に上昇させないように送風装置513を制御する。なお、第1上昇気流U1は、前述したように、送風装置513により作られる気流であり、アフターミストモードの第2モードにおいて除菌水のミストを便座200側に上昇させることが可能な気流である。
アフターミストモードの第1モードにおいては、便座200よりも下方から噴霧されたミストは、便座200側に上昇せずに、ボウル部801の上部(リム部805の内壁面807など)やボウル部801の下部に着水する。また、ミストが便座200側に上昇しないことで、アフターミストモードの第1モードにおいて大便器800の上面よりも上方までミストが広がることを抑制できる。
一方、アフターミストモードの第2モードにおいては、制御装置405は、送風装置513を作動させ、第1上昇気流U1によって除菌水のミストを便座200側に上昇させる。
すなわち、制御装置405は、便座200よりも下方から噴霧されたミストを上昇気流に乗せて便座200に着水させる場合と、ミストを上昇気流に乗せない場合と、を切り替えることができる。これにより、単一の噴霧装置481で、アフターミストモードの第2モードにおいては除菌水のミストをボウル部801及び便座200などに着水させ、アフターミストモードの第1モードにおいては大便器800の上面よりも上方までミストが広がらないようにミストをボウル部801に着水させることができる。
なお、アフターミストモードの第1モードにおいて「除菌水のミストを便座側に上昇させない」という範囲は、全てのミストが上昇しない場合だけでなく、僅かなミストが上昇する場合を含んでもよいものとする。例えば、アフターミストモードの第1モードにおいて便座側に上昇するミストの量は、アフターミストモードの第2モードにおいて便座側に上昇するミストの量よりも少ない。
例えば、アフターミストモードの第1モードにおいて、制御装置405は、送風装置513の作動を停止させ、送風を行わない。これにより、ミストが便座200側に上昇することをより確実に防止することができる。
また、アフターミストモードの第1モードにおいて、制御装置405は、送風装置513を作動させて第2上昇気流U2を発生させてもよい。第2上昇気流U2の流速は、第1上昇気流U1の流速よりも低く、ミストM3は、第2上昇気流U2によって便座200側に上昇しない。第2上昇気流U2によって、ミストを便座200側に上昇させずに、水平方向又は下方に拡散させることができる。これにより、ボウル部801のより広い範囲に除菌水を着水させることができる。
また、アフターミストモードの第1モードにおいても、噴霧装置481は、除菌水のミストを上面視において放射状に噴霧する。これにより、アフターミストモードの第1モードにおいてミストが上昇気流に乗らない場合でも、ボウル部801の広い範囲にミストを着水させることができる。
ミストM3は、例えば中粒径又は大粒径のミストである。ミストM3の粒径(除菌水の微粒子p3の径)は、例えば、アフターミストモードの第2モードにおける第1ミストM1の粒径、第2ミストM2の粒径よりも大きくてもよい。これにより、ミストM3が便座200側に上昇しないようにしてもよい。
図15(a)~図15(c)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示する断面図及び平面図である。
図15(a)~図15(c)は、噴霧装置481のモータ481aが中速回転である状態を例示している。このとき、噴霧装置481が噴霧するミストは、中粒径のミストである。また、図15(a)~図15(c)において、実線の矢印は、噴霧装置481から噴霧されるミストの流れを表す。実線の矢印の太さは、除菌水の量に対応する。矢印が太いほど除菌水が多いことを表す。なお、図15(b)及び図15(c)では、説明の便宜上、便座200を省略している。
図15(a)の断面図に示すように、噴霧装置481は、リム部805の上端へ向けてミストを噴霧する。モータ481aが中速回転である場合は、大便器800の内側領域RU(ボウル部801の内側部分801U)に比べて、大便器800の外側領域RS(ボウル部801内の外側部分801S(リム部805の内壁面807を含む))に多くの除菌水が着水する。
図15(b)の平面図は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において反時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、大便器800内の右側に比べて、左側に多くの除菌水が着水する。
図15(c)の平面図は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、大便器800内の左側に比べて、右側に多くの除菌水が着水する。
図16(a)~図16(c)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードの第1モードにおける動作を例示する断面図及び平面図である。
図16(a)~図16(c)は、噴霧装置481のモータ481aが低速回転である状態を例示している。このとき、噴霧装置481が噴霧するミストは、大粒径のミストである。また、図16(a)~図16(c)において、実線の矢印は、噴霧装置481から噴霧されるミストの流れを表す。実線の矢印の太さは、除菌水の量に対応する。矢印が太いほど除菌水が多いことを表す。なお、図16(b)及び図16(c)では、説明の便宜上、便座200を省略している。
モータ481aが低速回転である場合には、モータが中速回転である場合に比べて、ミストの粒径が大きく、遠心力も小さくなるため、ミストの飛距離が短くなる。図16(a)の断面図に示すように、モータ481aが低速回転である場合は、大便器800の外側領域RSに比べて、大便器800の内側領域RUに多くの除菌水が着水する。
図16(b)の平面図は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、大便器800内の左側に比べて、右側に多くの除菌水が着水する。
図16(c)の平面図は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において反時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、大便器800内の右側に比べて、左側に多くの除菌水が着水する。
制御装置405は、噴霧装置481のモータ481aを制御して、アフターミストモードの第1モード中に、低速回転と中速回転とを適宜切り替える。これにより、大便器800の隅々にまで、除菌水のミストを着水させることができる。
また、制御装置405は、噴霧装置481のモータ481aを制御して、アフターミストモードの第1モード中(低速回転中及び中速回転中)に、時計回りと反時計回りとを適宜切り替えることが好ましい。これにより、左右方向におけるミストの分布が均一になりやすい。
なお、プレミストモードにおいては、例えば、上記のアフターミストモードの第1モードと同様にして噴霧装置481や送風装置513を制御することで、アフターミストモードの第1のミスト範囲と同じ範囲にミストを噴霧することができる。
図17(a)及び図17(b)は、実施形態に係る粒径の測定方法を例示する斜視図である。
粒径の測定には、レーザ回折法が用いられる。微粒子にレーザを照射すると、その微粒子から様々な方向に向かう回折散乱光が生じる。回折散乱光の強さは、光が発せられる方向において空間パターンを有する。この空間パターンは、光強度分布パターンと呼ばれる。光強度分布パターンは、微粒子の粒径によって変化する。微粒子の粒径と光強度分布パターンとの相関を利用し、光強度分布パターンを検出することで粒径を算出することができる。
図17(a)及び図17(b)に示すように、粒径の測定装置600は、発光部601と受光部602とを有する。受光部602は、発光部601が発するレーザを受光可能に設けられている。粒径の測定においては、発光部601が発するレーザを噴霧装置481から噴霧されるミストMに照射する。受光部602は、レーザの照射によって生じた回折散乱光を受光する。これにより、光強度分布パターンを検出することができる。測定装置には、エアロトラックLDSA-3500A(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いることができる。
図18(a)及び図18(b)は、実施形態の変形例に係るトイレ装置の一部を例示する平面図及び断面図である。
図18(a)は、トイレ装置の一部を前方から見た平面図である。図18(b)は、図18(a)に示すA-A線における断面図である。
図18(a)及び図18(b)に示すように、この例では、ミストダンパ482が設けられておらず、ケーシング400にスリットSが設けられている。噴霧装置481はケーシング400内に配置されており、スリットSは、噴霧装置481の前方下部に位置する。例えば、スリットSの上端面S1の高さ(上下方向における位置)は、ディスク481bの底面B1の高さと同じであり、上端面S1と底面B1とは同一平面上である。または、上端面S1は、底面B1よりも低くてもよい。
ディスク481bの上面は、水平から傾いており、ディスク481bは、ミストMを水平よりも若干下方へ向けて噴霧する。ディスク481bから噴霧されたミストMは、スリットSを通過し、ボウル部801内へ向けて噴霧される。これにより、図5で示したようなミストダンパ482を設けないため、トイレ装置のデザイン性や清掃性を損ねることなく、尿などの汚れYが噴霧装置481に付着することを防止することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、大便器、便座装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 トイレ装置、 100 便座装置、 110~113 流路、 200 便座、 200a 開口、 203 上面、 204 下面、 300 便蓋、 400 ケーシング、 402 検知センサ、 403 人体検知センサ、 404 着座検知センサ、 405 制御装置、 406 便蓋検知センサ、 431 電磁弁、 450 除菌装置、 472 切替弁、 473 ノズル、 474 吐水口、 476 ノズルモータ、 478 ノズル洗浄室、 479 ノズルダンパ、 481 噴霧装置、 481a モータ、 481b ディスク、 481c 給水口、 482 ミストダンパ、 500 手動操作部、 511 便座用モータ、 512 便蓋用モータ、 513 送風装置、 514 温風ヒータ、 515 便座ヒータ、 516 送風ダンパ、 516a 開口、 600 測定装置、 601 発光部、 602 受光部、 800 大便器、 801 ボウル部、 801S 外側部分、 801U 内側部分、 801w 溜水、 805 リム部、 805B 屈曲部、 806 上面、 807 内壁面、 811 ボウル給水口、 B1 底面、 M、M3 ミスト、 M1 第1ミスト、 M2 第2ミスト、 p、p1~p3 微粒子、 R1~R4 領域、 RL1、RL2 左側領域、 RR1、RR2 右側領域、 RS 外側領域、 RU 内側領域、 S スリット、 S1 上端面、 U1 第1上昇気流、 U2 第2上昇気流、 W 水、 Y 汚れ

Claims (5)

  1. 大便器の上部に設置される便座装置であって、
    使用者が着座する便座と、
    閉状態において前記便座を覆い、開状態において前記便座を露呈させる便蓋と、
    除菌水を生成する除菌装置と、
    前記大便器内及び前記便座に前記除菌水のミストを噴霧する噴霧装置と、
    前記便蓋の開閉状態に基づいて前記噴霧装置を制御する制御装置と、
    前記使用者を検知する検知センサと、
    を備え、
    前記制御装置は、前記検知センサが前記使用者を検知している状態から前記使用者を検知しない状態となった後に、自動的に前記除菌水のミストを噴霧するアフターミストモードを実行可能であり、
    前記制御装置は、前記アフターミストモードにおいて、
    前記便蓋が前記開状態のとき、第1のミスト範囲に前記除菌水のミストを噴霧し、
    前記便蓋が前記閉状態のとき、第2のミスト範囲に前記除菌水のミストを噴霧するように、
    前記噴霧装置を制御し、
    前記第1のミスト範囲は、前記第2のミスト範囲よりも狭いことを特徴とする便座装置。
  2. 前記第1のミスト範囲は、前記大便器内から前記大便器の上面までの範囲であり、前記第2のミスト範囲は、前記大便器内から前記便座の上面までの範囲であることを特徴とする請求項1記載の便座装置。
  3. 前記第1のミスト範囲は、前記大便器内のボウル部の上端までの範囲であり、前記第2のミスト範囲は、前記大便器内から前記便座の上面までの範囲であることを特徴とする請求項2記載の便座装置。
  4. 前記制御装置は、前記便蓋が前記開状態のときの前記除菌水のミストの粒径が、前記便蓋が前記閉状態のときの前記除菌水のミストの粒径よりも大きくなるように前記噴霧装置を制御することを特徴とする請求項1~3のいずれか1つに記載の便座装置。
  5. 汚物を受けるボウル部を有する大便器と、
    請求項1~4のいずれか1つに記載の便座装置と、
    を備えたことを特徴とするトイレ装置。
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