JP7483211B2 - トイレ装置 - Google Patents

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Description

本発明の態様は、トイレ装置に関する。
特許文献1には、便器内や便座部にミストを噴霧する噴霧装置を備えたトイレ装置が記載されている。特許文献1の噴霧装置は、給水流路中の電磁弁を開くことでディスク上に水を供給しつつ、モータによってディスクを高速回転させることで、便器内や便座部にミストを噴霧する構成が記載されている。
特開2019-112924号公報
特許文献1に記載のトイレ装置は、ミスト噴霧の開始時において、電磁弁の開動作とディスクの回転動作を同時に開始させている。電磁弁が開くまでの時間に比べて、ディスクが所望の高速回転数に到達するまでの時間は長いため、ディスクが所望の回転数に到達する前にディスク上への水の給水が行われる恐れがある。このような場合、ディスクが低速回転している状態でミスト噴霧が行われることとなるため、大径のミストがボウル及び便座部に噴霧されることとなる。大径のミストが便器内や便座部に噴霧されると、便器内や便座部に着水したミストが流れ落ちてしまい、ミストを滞留させることによる、除菌効果や汚物付着抑制効果が低下するという課題がある。
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、回転式のミスト噴霧装置において、ミスト噴霧の開始時に、大径のミストが便器の内部や便座に噴霧されて、便器内や便座にミストが滞留しにくくなることを抑制できるトイレ装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、便器のボウル部と便座部とのうち少なくとも一方に向けてミストを噴霧する噴霧装置と、前記噴霧装置を制御する制御装置と、を備え、前記噴霧装置は、モータと、前記モータにより回転駆動する回転体と、前記回転体に水を供給するバルブと、を有し、前記制御部は、前記モータにより前記回転体を回転駆動した状態で前記バルブを開いて前記回転体に水を供給することによってミストを噴霧するミストモードを実行可能であり、前記ミストモードの起動時において、前記モータの回転動作の開始後に、前記電磁弁が開くことを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、回転体が回転し始めた回転不足の状態で水が供給されて、大径のミストが便器の内部や便座部に噴霧されることを抑制できる。これにより、大径のミストが便器の内部や便座に噴霧されて、便器内や便座にミストが滞留しにくくなることを抑制できる。
第2の発明は、第1の発明において、前記制御部は、前記ミストモードの起動時において、前記モータの起動電流がピーク値を超えた後に、前記電磁弁が開くことを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、モータの起動電流がピーク値を超えた後(回転体が所望の回転数に近づいた後)にミスト噴霧が開始されるため、大径のミストが便器の内部や便座部に噴霧されることをより抑制できる。これにより、大径のミストが便器の内部や便座に噴霧されて、便器内や便座にミストが滞留しにくくなることを抑制できる。
第3の発明は、第2の発明において、前記制御部は、前記ミストモードの起動時において、前記モータの起動電流が定常状態になった以降に、前記電磁弁が開くことを特徴とするトイレ装置である。
このトイレ装置によれば、モータの起動電流がピーク値を超えて定常状態(ピーク電流値に比べて電流値は大幅に低下した状態)になって以降に電磁弁が開くため、電磁弁を開くための負荷電流と回転板を回転駆動するための負荷電流の合計値を小さくできる。これにより、トイレ装置の電源容量を小さくできるため、電源基板を小型化、ひいては製品を小型化できる。
本発明の態様によれば、回転式のミスト噴霧装置において、ミスト噴霧の開始時に、大径のミストが便器の内部や便座に噴霧されて、便器内や便座にミストが滞留しにくくなることを抑制できるトイレ装置が提供される。
実施形態に係るトイレ装置を例示する斜視図である。 実施形態に係るトイレ装置を例示する断面図である。 実施形態に係る便座装置の要部構成を例示するブロック図である。 実施形態に係る噴霧装置を例示する模式図である。 実施形態に係る便座装置のアフターミストモード及び手動ミストモードにおける動作を例示する模式図である。 実施形態に係る便座装置の第1工程における動作を例示する平面図である。 実施形態に係る便座装置の第2工程における動作を例示する断面図及び平面図である。 実施形態に係る便座装置のアフターミストモードにおける動作を例示するフローチャートである。 実施形態に係る便座装置の手動ミストモードにおける動作を例示するフローチャートである。 実施形態に係る電流と粒径の関係を例示する図である。 比較例となる電流と粒径の関係を例示する図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレ装置を例示する斜視図である。
図2は、実施形態に係るトイレ装置の一部を例示する断面図である。
図1に表したトイレ装置10は、大便器800と、便座装置100と、を備える。大便器800は、汚物を受ける凹状のボウル部801を有する。便座装置100は、大便器800の上部に設置されている。
便座装置100は、ケーシング400と、使用者が着座する便座部200と、便蓋300と、を有する。便座部200と便蓋300とは、それぞれ、ケーシング400に対して開閉自在に軸支されている。
ケーシング400の内部には、便座部200に座った使用者の人体局部(「おしり」など)の洗浄を実現する身体洗浄機能部などが内蔵されている。また、例えばケーシング400には、使用者が便座部200に座ったことを検知する着座検知センサ404が設けられている。着座検知センサ404が便座部200に座った使用者を検知している場合において、使用者が例えばリモコンなどの手動操作部500を操作すると、洗浄ノズル(以下説明の便宜上、単に「ノズル」と称する)473を大便器800のボウル部801内に進出させることができる。なお、図1に表した便座装置100では、ノズル473がボウル部801内に進出した状態を表している。
ノズル473の先端部には、ひとつ又は複数の吐水口474が設けられている。そして、ノズル473は、その先端部に設けられた吐水口474から水を噴射して、便座部200に座った使用者の「おしり」などを洗浄することができる。
なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」及び「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋300に背を向けて便座部200に座った使用者から見た方向である。
図2に示すように、大便器800は、ボウル部801の上に設けられたリム部805を有する。リム部805は、大便器800の上縁部を形成する環状部分である。ボウル部801内には、溜水801wが溜められている。例えば、使用者が、リモコン等に設けられたスイッチによって便器洗浄の操作を行うと、または、使用者が便座部200から立ち上がると、便器洗浄(ボウル部801内の汚物を排出し、ボウル部801の表面を洗浄する動作)が実行される。便器洗浄においては、ボウル部801内に洗浄水が供給される。例えば、図2の例では、ボウル給水口811から大便器800の上縁に沿って洗浄水が吐出される。
リム部805は、上面806と、内壁面807と、を有する。上面806は、閉じられた便座部200の裏面204と向き合う面である。内壁面807は、大便器800の内壁(ボウル部801の中央側に面する壁面)のうち、便器洗浄の洗浄水が流れる部分よりも、上方の部分である。すなわち、本願明細書において、リム部805の内壁面807とは、便器洗浄における不洗浄部をいう。図2の例では、内壁面807は、棚状に屈曲した屈曲部805Bより上方に位置する立面を含む。
ボウル部801やリム部805の内壁面807は、汚物が直接付着しやすいため、汚れ負荷が大きい部分である。また、ボウル部801やリム部805の内壁面807は、濡れても不都合が生じにくいため、濡れに対する許容度が高い部分である。
便座部200やリム部805の上面806は、ボウル部801やリム部805の内壁面807に比べて汚物が直接付着しにくい。例えば、便座部200及びリム部805の上面806には、ボウル部801や溜水801wに当たって跳ねた尿や汚水が付着する。したがって、便座部200及びリム部805の上面806は、比較的、汚れ負荷が小さい部分である。また、便座部200やリム部805の上面806が過度に濡れると、除菌水が使用者の肌に触れたり、大便器外に垂れたりする可能性があるため、便座部200やリム部805の上面806は、濡れに対する許容度が低い部分である。
図3は、実施形態に係る便座装置の要部構成を例示するブロック図である。
なお、図3は、水路系と電気系の要部構成を併せて表している。
便座装置100は、電磁弁431、除菌装置450、切替弁472、噴霧装置481、ノズルモータ476、ノズル473、ノズル洗浄室478、及び流路110~113などを有する。これらは、ケーシング400内に配置されている。
流路110は、水道や貯水タンクなどの図示しない給水源から供給された水を噴霧装置481やノズル473などに導くための流路である。流路110の上流側には、電磁弁431が設けられている。電磁弁431は、開閉可能な電磁バルブであり、ケーシング400の内部に設けられた制御装置405からの指令に基づいて水の供給を制御する。
流路110上において、電磁弁431の下流には、除菌水を生成する除菌装置450が設けられている。除菌装置450は、例えば次亜塩素酸などを含む除菌水を生成する。除菌装置450としては、例えば、電解槽ユニットが挙げられる。電解槽ユニットは、制御装置405からの通電の制御によって、陽極板(図示せず)と陰極板(図示せず)との間の空間(流路)を流れる水道水を電気分解する。なお、除菌水は、次亜塩素酸を含むものには限定されない。例えば、除菌水は、銀イオンや銅イオンなどの金属イオンを含む溶液、電解塩素やオゾンなどを含む溶液、酸性水、または、アルカリ水などでもよい。除菌装置450は電解槽に限らず、除菌水を生成可能な任意の構成でよい。
流路110上において、除菌装置450の下流には、切替弁472が設けられている。切替弁472の下流には、ノズル473、ノズル洗浄室478及び噴霧装置481が設けられている。流路110は、切替弁472により、ノズル473へ水を導く流路111、ノズル洗浄室478へ水を導く流路112、および、噴霧装置481へ水を導く流路113に分岐している。切替弁472は、制御装置405からの指令に基づいて、流路111、流路112および流路113のそれぞれの開閉を制御する。つまり、切替弁472は、ノズル473、ノズル洗浄室478および噴霧装置481への水の供給を制御する。また、切替弁472は、その下流に供給する水の流量を切り替える。
ノズル473は、ノズルモータ476からの駆動力を受け、便器800のボウル部801内に進出したり後退したりする。つまり、ノズルモータ476は、制御装置405からの指令に基づいてノズル473を進退させる。ノズル473は、非使用時には、ケーシング400内に収納されている。ノズル473は、ケーシング400から前方へ進出した状態で、吐水口474から水を吐出して、人体局部を洗浄する。
ノズル洗浄室478は、その内部に設けられた吐水口から除菌水あるいは水道水を噴射することにより、ノズル473の外周表面(胴体)を洗浄する。
噴霧装置481は、水道水又は除菌装置450で生成された除菌水をミスト状にする。噴霧装置481は、ボウル部801、リム部805、及び便座部200に、ミストM(除菌水のミスト又は水道水のミスト)を噴霧する。言い換えれば、噴霧装置481は、除菌水のミスト又は水道水のミストを、ボウル部801、リム部805、及び便座部200に着水させる。なお、本願明細書において「着水」とは、水(除菌水又は水道水)が物体の表面に付着することをいう。特に「直接着水」という場合には、水(除菌水又は水道水の微粒子p)が空中から物体の表面に到着することを意味する。
また、ケーシング400の内部には、便座用モータ511(回動装置)、便蓋用モータ512(回動装置)、送風装置513および温風ヒータ514が設けられている。
便座用モータ511は、制御装置405からの指令に基づいて、電動で便座部200を回動させ開閉する。便蓋用モータ512は、制御装置405からの指令に基づいて、電動で便蓋300を回動させ開閉する。
送風装置513は、例えばケーシング400の内部に設けられたファンである。送風装置513は、制御装置405からの指令に基づいて動作する。例えば、送風装置513のモータの回転に伴い羽根が回転する。これにより、送風装置513は、大便器800内(例えばボウル部801内)に向けて送風することができる。また、送風装置513は、便座部200に座った使用者の局部に送風してもよい。温風ヒータ514は、送風装置513によってケーシング400の外部へ送られる空気を温める。これにより、使用者の局部に向けて温風を送り、局部を乾燥させることができる。
便座ヒータ515(乾燥装置)は、例えば、便座部200の内部に設けられている。便座ヒータ515は、例えば、便座部200の中央に形成された開口200aの周りに沿って設けられた環状の金属部材を有する。制御装置405からの指令に基づいて便座ヒータ515に通電が行われることで、便座ヒータ515は、便座部200を温める。便座ヒータ515としては、例えば、チュービングヒータや、シーズヒータ、ハロゲンヒータ、カーボンヒータなどを用いてもよい。金属部材は、例えば、アルミニウムや銅などで構成される。また、金属部材の形状は、シート状やワイヤ状、メッシュ状など、種々の形状を採用することができる。
制御装置405には、図示しない電源回路から電力を供給される回路が用いられる。例えば、制御装置405は、マイコンなどの集積回路を含む。制御装置405は、使用者を検知する検知センサ402(例えば人体検知センサ403又は着座検知センサ404)の検知情報または、手動操作部500の操作情報に基づいて、電磁弁431、除菌装置450、切替弁472、ノズルモータ476、送風装置513、温風ヒータ514、便座ヒータ515、便座用モータ511、及び便蓋用モータ512を制御する。
手動操作部500は、使用者が例えば任意のタイミングで除菌水の噴霧を行うための操作部である。例えば、手動操作部500は、スイッチ又はボタンなどを有するリモコンであり、使用者が手動操作部500を操作すると、除菌水の噴霧を指示する操作情報(信号)が制御装置405に送られる。制御装置405は、その操作情報に基づいて除菌装置450や噴霧装置481を制御する。これにより、使用者は、手動操作部500を操作することで、除菌水の噴霧を行うことができる。
また、手動操作部500は、除菌水の噴霧だけでなく、使用者が便座装置100の各機能を操作するためのスイッチやボタンなどを有していてもよい。各機能に対応した操作が行われると、その操作情報が制御装置405に送られ、制御装置405は、その操作情報に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
着座検知センサ404は、使用者の便座部200への着座の有無を検知することができる。着座検知センサ404は、使用者の着座及び離座を検知する。着座検知センサ404には、マイクロ波センサ、測距センサ(赤外線投光式センサ)、超音波センサ、タクトスイッチ、静電容量スイッチ(タッチセンサ)、または歪みセンサを用いることができる。この例では、着座検知センサ404には、ケーシング400に設けられた測距センサが用いられている。
なお、タクトスイッチ、静電センサ及び歪みセンサなどの接触式センサを用いる場合には、これらの接触式センサは、便座部200に設けられる。便座部200に使用者が座ると、使用者の体重によってタクトスイッチが押下される。または、使用者が静電センサに接触する。または、使用者の体重によって歪みセンサに圧力が加えられる。これらのセンサからの電気信号により、使用者の着座を検知することができる。
人体検知センサ403は、大便器800の前方にいる使用者、すなわち便座部200から前方へ離間した位置に存在する使用者を検知することができる。つまり、人体検知センサ403は、トイレ室に入室して便座部200に近づいてきた使用者を検知することができる。このような人体検知センサとして、例えば、焦電センサ、マイクロ波センサ、超音波センサ、または測距センサ(赤外線投光式センサ)を用いることができる。この例では、人体検知センサ403には、ケーシングに設けられた焦電センサが用いられている。また、人体検知センサ403は、トイレ室のドアを開けて入室した直後の使用者や、トイレ室に入室する直前の使用者、すなわちトイレ室に入室しようとしてドアの前に存在する使用者を検知してもよい。例えば、マイクロ波センサを用いた場合には、トイレ室のドア越しに使用者の存在を検知することが可能となる。
制御装置405は、人体検知センサ403の検知情報(使用者の存在の有無を示す信号)や、着座検知センサ404の検知情報(使用者の着座の有無を示す信号)を受信し、受信した検知情報に基づいて、便座装置100の各部の動作を制御する。
制御装置405は、アフターミストモード、プレミストモード、及び手動ミストモードの3種類のミストモードを実行可能である。
アフターミストモードは、例えば、使用者のトイレ装置10の使用後に、検知センサ402の検知情報に基づいて、除菌水のミストを自動で噴霧する動作モードである。プレミストモードは、例えば、使用者のトイレ装置10の使用前に、検知センサ402の検知情報に基づいて、除菌水又は水道水のミストを自動で噴霧する動作モードである。手動ミストモードは、手動操作部500の操作情報に基づいて、除菌水のミストを噴霧する動作モードである。
図4(a)~図4(c)は、実施形態に係る噴霧装置を例示する模式図である。
図4(a)は、噴霧装置481の斜視図であり、図4(b)は、噴霧装置481の側面図である。
噴霧装置481は、モータ481aと、モータ481aの下方に接続されたディスク481bと、を有する。モータ481aの回転は、制御装置405によって制御される。モータ481aが回転すると、回転の駆動力がディスク481bに伝達され、ディスク481bが回転する。
図4(b)に示すように、ディスク481bの上面には、水W(水道水又は除菌装置450で生成された除菌水)が供給される。ディスク481bの回転中に、水Wが供給されることで、噴霧装置481は、水Wをミスト状にして噴霧する。なお、この例では、ディスク481bは、平らな円板状であるが、適宜凹凸を設けたり、円錐形状や球体を用いたりしてもよい。
図4(c)は、ディスク481bの一部を上方から見た拡大図である。回転するディスク481bの上面に滴下された水Wは、遠心力によって、ディスク481b上で膜状に広がり、ディスク481bから放射される。このとき、水Wは、ディスク481bの縁付近から膜状のまま分裂したり、糸状となった後に分裂したりし、その後、微粒子p(ミスト)となる。ディスク481bの回転速度、すなわち、モータ481aの回転速度によって、ミストの粒径(微粒子pの径)を制御することができる。回転速度が高い程、ミストの粒径は小さくなる。例えば、回転速度が1000(rotation per minute:rpm)程度の低速回転、回転速度が10000rpm程度の中速回転、または、回転速度が20000rpm程度の高速回転が適宜用いられ、所望の粒径が得られる。また、給水口481cから噴霧装置481に供給される水Wの流量を調整することにより、ミストの粒径を制御することもできる。
なお、本願明細書において、粒径とは、トイレ装置10に着水する前の空中に存在する微粒子pの粒径であり、ザウター平均粒径(総体積/総表面積)が用いられる。本願明細書における「粒径」の測定方法については、図22に関して後述する。また、ミストとは、粒径が10マイクロメートル(μm)以上300μm以下の範囲をいう。ミストの粒径が10μm未満であると、ボウル部801、リム部805、便座部200などの対象部位を濡らすために長い時間が必要となってしまう。また、次亜塩素酸を含む除菌水を用いた場合、ミストの粒径が10μm未満であると、ミスト中の次亜塩素酸の濃度が減衰しやすく、除菌性能が低下しやすい。一方、ミストの粒径が300μmより大きいと、ミストが拡散しにくく、広範囲にミストを噴霧することが困難となる。また、以下の説明において、大粒径のミストとは、粒径が100μm以上300μm以下、好ましくは150μm以上300μm以下の範囲のミストであり、中粒径のミストとは、粒径が50μm以上200μm以下、好ましくは60μm以上150μm以下の範囲のミストであり、小粒径のミストとは、粒径が10μm以上100μm以下、好ましくは10μm以上60μm以下の範囲のミストである。
図5~図7を参照して、アフターミストモード及び手動ミストモードにおける便座装置100の動作の例について説明する。
図5(a)及び図5(b)は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモード及び手動ミストモードにおける動作を例示する模式図である。
制御装置405は、1回のミストモード(1回のアフターミストモード又は1回の手動ミストモード)において、第1工程と第2工程とを実行する。図5(a)は、第1工程を例示し、図5(b)は、第2工程を例示している。
図5(a)に示すように、第1工程は、噴霧装置481を作動させて除菌水のミストを大便器800内に噴霧させた状態において、送風装置513を作動させて第1上昇気流U1を発生させる。第1上昇気流U1は、除菌水のミストを便座部200側に上昇させることが可能な気流である。
図5(b)に示すように、第2工程は、噴霧装置481を作動させて除菌水のミストを大便器800内に噴霧させた状態において、送風装置513に第1上昇気流U1を発生させず、除菌水のミストを便座部200側に上昇させない。
このような構成により、便座部200よりも下方から噴霧された除菌水のミストは、第1工程において第1上昇気流U1によって便座部200側に上昇し、便座部200やリム部805の上面806に着水する。一方で、便座部200よりも下方から噴霧された除菌水のミストは、第2工程において第1上昇気流U1によって便座部側に上昇せず、ボウル部801やリム部805の内壁面807に着水する。これにより、単一の噴霧装置418で、大便器800のボウル部801だけでなくリム部805の上面806や便座部200にも除菌水のミストを着水させることができる。したがって、大便器800のボウル部801だけでなく大便器800のリム部805、及び便座部200などの広い範囲において菌や汚れを抑制することができる。また、単一の噴霧装置481を用いることで、便座装置100を小型化することができる。
なお、第2工程において「除菌水のミストを便座部側に上昇させない」という範囲は、全てのミストが上昇しない場合だけでなく、僅かなミストが上昇する場合を含んでもよいものとする。例えば、第2工程において便座部側に上昇するミストの量は、第1工程において便座部側に上昇するミストの量よりも少ない。ただし、第2工程において、便座部200、リム部の上面806及び便蓋300に着水する除菌水の量は、出来るだけ少ないことが好ましく、例えばゼロであることが好ましい。
また、制御装置405が第1工程を実行するタイミングは、制御装置405が第2工程を実行するタイミングと異なる。除菌水のミストを便座部200側に上昇させることが可能な第1上昇気流U1を発生させる第1工程と、第1上昇気流U1を発生させず除菌水のミストを便座部200側に上昇させない第2工程と、を異なるタイミングで実行することにより、ボウル部801における除菌水の着水量、リム部805の上面における除菌水の着水量、便座部200における除菌水の着水量を任意に制御することができる。
さらに、制御装置405は、第1工程において噴霧される除菌水のミストの総量(g)が、第2工程において噴霧される除菌水のミストの総量(g)よりも少なくなるように噴霧装置481を制御する。これにより、便座部200及びリム部805の上面806に着水する除菌水の量は、比較的少なく、ボウル部801及びリム部805の内壁面807に着水する除菌水の量は、比較的多くなる。汚れ負荷が大きく、濡れに対する許容度が高いボウル部801及び内壁面807に多くの除菌水のミストを着水させることで、菌や汚れの発生を抑制することができる。汚れ負荷が小さく、濡れに対する許容度が低い便座部200及びリム部805の上面806において、除菌水の着水量を少なくすることで、菌や汚れを抑制しつつ、短時間で便座部200及びリム部805の上面806を乾かすことができる。これにより、除菌水が使用者の肌に触れたり、大便器外に垂れたりすることを防止できる。
なお、ミストの総量とは、1回のミストモード(1回のアフターミストモード又は1回の手動ミストモード)で、噴霧装置481が噴霧するミストの総量である。1回のミストモードにおいて、噴霧装置481は、連続的にミストを噴霧してもよいし、断続的にミストを噴霧してもよい。また、第1工程におけるミストの総量及び第2工程におけるミストの総量は、例えば、ディスク481bの回転速度や、噴霧装置481に供給される除菌水の流量などの調整により、制御することができる。
例えば、制御装置405は、第2工程の実行中に噴霧される除菌水のミストの粒径が、第1工程の実行中に噴霧される除菌水のミストの粒径よりも大きくなるように噴霧装置481を制御する。例えば、図5(a)に示すように、第1工程の実行中に噴霧装置481は、小粒径の第1ミストM1を発生させる。第1ミストM1の粒径(除菌水の微粒子p1の径)は、第1上昇気流U1によって、便座部200側に上昇可能な粒径である。また、例えば、図5(b)に示すように、第2工程の実行中に噴霧装置481は、中粒径の第2ミストM2を発生させる。第2ミストM2の粒径(除菌水の微粒子p2の径)は、第1ミストM1の粒径よりも大きい。
第1工程の実行中に噴霧される除菌水のミストの粒径を小さくすることにより、第1工程において噴霧される除菌水の総量を少なくすることができる。これにより、便座部200やリム部805の上面806に着水する除菌水の量をより確実に少なくすることができる。一方、第2工程の実行中に噴霧される除菌水のミストの粒径を大きくすることにより、第2工程において噴霧される除菌水の総量を多くすることができる。これにより、ボウル部801及びリム部805の内壁面807に着水する除菌水の量を多くすることができる。
また、例えば、制御装置405は、第2工程において、送風装置513の作動を停止させ、送風を行わない。これにより、第2工程において除菌水のミストが便座部200側に上昇することをより確実に防止することができる。
また、制御装置405は、第2工程において、送風装置513を作動させて第2上昇気流U2を発生させてもよい。第2上昇気流U2の流速は、第1上昇気流U1の流速よりも低く、第2工程におけるミストは、第2上昇気流U2によって便座部200側に上昇しない。第2上昇気流U2によって、ミストを便座部200側に上昇させずに水平方向又は下方に拡散させることができる。これにより、大便器800内のより広い範囲に除菌水を着水させることができる。
また、噴霧装置481は、除菌水のミストを、上面視において、放射状に噴霧する。放射状とは、ミストが存在する範囲が、噴霧装置481から離れるに従い、広くなる状態である。例えば、上面視において、ディスク481bの中心から離れる全ての方向に向けて、ミストが噴霧される。
第1工程におけるミスト(第1ミストM1)が放射状であることにより、ミストを第1上昇気流U1の全体に乗せて、便座部200やリム部805の上面806などの広い範囲に着水させることができる。また、第2工程におけるミスト(第2ミストM2)が放射状であることにより、ミストが気流に乗らなくても、ボウル部801やリム部805の内壁面807などの大便器800内の広範囲に、ミストを着水させることができる。
なお、ミスト(第1ミストM1及び第2ミストM2)の広がり方などは、ディスク481bの回転速度、配置、形状や、ディスク481bに水を供給する給水口481cの位置などにより、調整することができる。
図6(a)~図6(d)は、実施形態に係る便座装置の第1工程における動作を例示する平面図である。
図6(a)及び図6(c)においては、説明の便宜上、便座部200及び便蓋300を省略している。破線の矢印は、送風装置513の送風方向を表す。実線の矢印は、噴霧装置481から噴霧されるミストの流れを表す。実線の矢印の太さは、除菌水の量に対応する。矢印が太いほど除菌水が多いことを表す。図6(b)及び図6(d)は、便座部200を表す。
図6(a)及び図6(b)は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において反時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、トイレ装置10の右側に比べて、左側に多くの除菌水が着水する。例えば、図6(a)に示すように、リム部上面においては、右側領域RR1よりも左側領域RL1に多くの除菌水が着水する。例えば、図6(b)に示すように、便座部200においては、右側領域RR2よりも左側領域RL2に多くの除菌水が着水する。
図6(c)及び図6(d)は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、トイレ装置10の左側に比べて、右側に多くの除菌水が着水する。例えば、図6(c)に示すように、リム部上面においては、左側領域RL1よりも右側領域RR1に多くの除菌水が着水する。例えば、図6(d)に示すように、便座部200においては、左側領域RL2よりも右側領域RR2に多くの除菌水が着水する。
制御装置405は、噴霧装置481のモータ481aを制御して、第1工程中に、時計回りと反時計回りとを適宜切り替えることが好ましい。これにより、左右方向におけるミストの分布が均一になりやすい。
図7(a)~図7(c)は、実施形態に係る便座装置の第2工程における動作を例示する断面図及び平面図である。
実線の矢印は、噴霧装置481から噴霧されるミストの流れを表す。実線の矢印の太さは、除菌水の量に対応する。矢印が太いほど除菌水が多いことを表す。なお、説明の便宜上、図7(a)では便蓋300を省略し、図7(b)及び図7(c)では便座部200及び便蓋300を省略している。また、この例では、第2工程において、制御装置405は、送風装置513を作動させない。つまり、第2工程において、大便器800内への送風は、行われていない。
図7(a)の断面図に示すように、噴霧装置481は、リム部805の上端へ向けてミストを噴霧する。第2工程においては、除菌水のミストは、ボウル部801、および、リム部805の内壁面807に着水する。第2工程においては、第1上昇気流U1が発生しないため、除菌水のミストは、例えば便座部200やリム部805の上面806には着水しない。
図7(b)の平面図は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において反時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、大便器800内の右側に比べて、左側に多くの除菌水が着水する。
図7(c)の平面図は、噴霧装置481のディスク481bが、上面視において時計回りをしているときの様子を示す。この場合には、大便器800内の左側に比べて、右側に多くの除菌水が着水する。
制御装置405は、噴霧装置481のモータ481aを制御して、第2工程中に、時計回りと反時計回りとを適宜切り替えることが好ましい。これにより、左右方向におけるミストの分布が均一になりやすい。
以上説明したように、第1工程によって、リム部805の上面806、便座部200及び便蓋300などに除菌水を着水させることができる。また、第2工程によって、ボウル部801及びリム部805の内壁面807に除菌水を着水させることができる。以上により、リム部805、便座部200及び便蓋300などを含むトイレ装置10の隅々までを除菌することができる。
図8は、実施形態に係る便座装置のアフターミストモードにおける動作を例示するフローチャートである。
人体検知センサ403が使用者の退室を検知すると(ステップS401:Yes)、制御装置405は、便蓋用モータ512を制御して便蓋300を閉じ、電磁弁431を開き、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを反時計回り(CCW)に高速回転させる(ステップS402)。その後、モータが目標回転数に到達する(ステップS403)と、電磁弁431を開く(ステップS404)。電磁弁431が開くことで、ディスク481bへの給水が開始される。
制御装置405は、ディスク481bが高速回転した状態を所定時間、維持する(ステップS405:No)。これにより、ディスク481b上の残水をディスク481b上から排出することができる。このとき、例えばミストダンパ482は閉じているため、大便器800内へミストは噴霧されない。
所定時間が経過すると(ステップS405:Yes)、制御装置405は、ノズルモータ476によりノズル473をボウル部801内へ進出させる。これに伴い、ミストダンパ482が開く(ステップS406)。
その後、制御装置405は、除菌装置450を制御して除菌水の生成を開始し、送風装置513を制御して大便器800内への送風を開始する(ステップS407)。これにより、大便器800内、便座部200及び便蓋300などへの、除菌水のミストの噴霧が開始する。制御装置405は、反時計回りに高速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間(t1)、維持する(ステップS408:No)。
所定時間(t1)が経過すると(ステップS408:Yes)、電磁弁431を閉じ、(ステップS409)モータ停止、除菌水生成停止、送風停止を行う(ステップS410)。モータは制御停止後も惰性で回転を継続するので、回転数が低下するまで、静止時間(t2)、維持する(ステップS411:No)。
静止時間(t2)が経過すると(ステップS411:Yes)、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを時計回り(CW)に高速回転させる。(ステップS412)その後、モータが目標回転数に到達する(ステップS413)と、電磁弁431を開く(ステップS414)。電磁弁431が開くことで、ディスク481bへの給水が開始される。
その後、制御装置405は、除菌装置450を制御して除菌水の生成を開始し、送風装置513を制御して大便器800内への送風を開始する(ステップS415)。これにより、大便器800内、便座部200及び便蓋300などへの、除菌水のミストの噴霧が開始する。制御装置405は、時計回りに高速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間(t1)、維持する(ステップS416:No)。
所定時間t1が経過すると(ステップS416:Yes)、制御装置405は、電磁弁431を閉じ(ステップS417)、モータ481a及びディスク481bの回転を停止し、ノズルモータ476によりノズル473をケーシング400内へ後退させる。これに伴い、ミストダンパ482が閉じる。また、制御装置405は、便座ヒータ515をON(通電状態)にする(ステップS418)。
制御装置405は、便座ヒータ515がONの状態を所定時間、維持する(ステップS419:No)。これにより、便座部200の温度を上昇させて、便座部200に着水した除菌水を蒸発させ、便座部200を乾かすことができる。なお、便座-ヒータ515の代わりに、送風装置513と温風ヒータ514とを駆動させ、温風により便座部200を乾燥させてもよい。
所定時間が経過すると(ステップS419:Yes)、制御装置405は、便座ヒータ515をOFF(非通電状態)とする(ステップS420)。以上で、アフターミストモードが終了する。
図9は、実施形態に係る便座装置の手動ミストモードにおける動作を例示するフローチャートである。
使用者が手動操作部500を操作すると(ステップS501:Yes)、制御装置405は、便蓋用モータ512を制御して便蓋300を閉じ、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを反時計回り(CCW)に高速回転させる(ステップS502)。その後、モータが目標回転数に到達する(ステップS503)、電磁弁431を開く(ステップS504)。電磁弁431が開くことで、ディスク481bへの給水が開始される。
制御装置405は、ディスク481bが高速回転した状態を所定時間、維持する(ステップS505:No)。これにより、ディスク481b上の残水をディスク481b上から排出することができる。このとき、例えばミストダンパ482は閉じているため、大便器800内へミストは噴霧されない。
所定時間が経過すると(ステップS505:Yes)、制御装置405は、ノズルモータ476によりノズル473をボウル部801内へ進出させる。これに伴い、ミストダンパ482が開く(ステップS506)。
その後、制御装置405は、除菌装置450を制御して除菌水の生成を開始し、送風装置513を制御して大便器800内への送風を開始する(ステップS507)。これにより、大便器800内、便座部200及び便蓋300などへの、除菌水のミストの噴霧が開始する。制御装置405は、反時計回りに高速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間(t3)、維持する(ステップS508:No)。
所定時間(t3)が経過すると(ステップS508:Yes)、電磁弁431を閉じ、(ステップS509)モータ停止、除菌水生成停止、送風停止を行う(ステップS510)。モータは制御停止後も惰性で回転を継続するので、回転数が低下するまで、静止時間(t2)、維持する(ステップS511:No)。
静止時間(t2)が経過すると(ステップS511:Yes)、噴霧装置481のモータ481a及びディスク481bを時計回り(CW)に高速回転させる。(ステップS512)その後、モータが目標回転数に到達する(ステップS513)と、電磁弁431を開く(ステップS514)。電磁弁431が開くことで、ディスク481bへの給水が開始される。
その後、制御装置405は、除菌装置450を制御して除菌水の生成を開始し、送風装置513を制御して大便器800内への送風を開始する(ステップS515)。これにより、大便器800内、便座部200及び便蓋300などへの、除菌水のミストの噴霧が開始する。制御装置405は、時計回りに高速回転するディスク481bから除菌水のミストが噴霧される状態を所定時間(t4)、維持する(ステップS516:No)。
所定時間(t4)が経過すると(ステップS516:Yes)、制御装置405は、電磁弁431を閉じ(ステップS517)、モータ481a及びディスク481bの回転を停止し、ノズルモータ476によりノズル473をケーシング400内へ後退させる。これに伴い、ミストダンパ482が閉じる。(ステップS518)以上で、手動ミストモードが終了する。また、使用者は、手動ミストモード後に、トイレットペーパー等で便座部200に着水した除菌水を適宜拭き取ることで、便座部200を除菌することができる。
制御装置405は、手動ミストモードにおいて除菌水を噴霧する時間が、アフターミストモードにおいて除菌水を噴霧する時間よりも長くなるように、噴霧装置を制御する。例えば、図9に関して説明した所定時間(t3)は、図8に関して説明した所定時間(t1)よりも長い。これにより手動ミストモードにおいて便座部200に着水する除菌水の量を、アフターミストモードにおいて便座部200に着水する除菌水の量よりも多くすることができる。これにより、手動ミストモードにおいてトイレットペーパー等に除菌水をしっかりと染み込ませ、除菌性能を向上させることができる。また、拭き取り時に樹脂製の便座部200が傷つくことを抑制することができる。
例えば、除菌水を噴霧する時間を変えずに、除菌水のミストの粒径を変えることで、除菌水の着水量を変える方法も考えられる。例えば、粒径を大きくすることで、除菌水の着水量を多くすることができる。しかし、粒径を大きくすると、除菌水が上昇気流に乗りにくくなってしまう恐れがある。これに対して、除菌水を噴霧する時間を変えることで、粒径を変えずに便座部200等に着水する除菌水の量を多くすることができる。このため、除菌水のミストを上昇気流に乗せやすくすることができ、便座部200等の広い範囲に除菌水を拡散させることができる。
また、制御装置405は、アフターミストモードの実行中または実行後に、便座部200を乾燥させる乾燥装置を第1乾燥力で作動させる。例えば、図8では、制御装置405は、ステップS417、S418において、便座ヒータ515を第1加熱量(第1電力(ワット))で作動させている。
一方、制御装置405は、手動ミストモードの実行中または実行後には、乾燥装置を作動させない、または、第1乾燥力よりも小さい第2乾燥力で作動させる。例えば、図9では、制御装置405は、便座ヒータ515を作動させていない。または、制御装置405は、便座ヒータ515を、第1加熱量よりも小さい第2加熱量(第2電力(ワット))で作動させてもよい。例えば、便座ヒータ515によって、アフターミストモードの実行中または実行後における座面の温度は、手動ミストモードの実行中または実行後における座面の温度よりも高くなる。
このように、アフターミストモードの実行中または実行後には、比較的大きな第1乾燥力(例えば第1電力)で乾燥装置が便座部200を乾かすことで、便座部200に着水した除菌水の乾燥時間を短くすることができる。一方、手動ミストモードの実行中または実行後には、乾燥装置が作動しない、または、比較的小さな第2乾燥力(例えば第2電力)で便座部200を乾かすことで、便座部200に着水した除菌水の乾燥時間を長くすることができる。これにより、便座部200に着水した除菌水をトイレットペーパーで拭き取る前に、便座部200が乾くことを防止することができる。
図10は、本実施形態の動作と電流と粒径の関係を例示した図である。本発明によれば、モータと電磁弁を同時に始動させた場合(図11)に比べて、負荷電流の合計値を小さくできる。また、大径のミストが便器の内部や便座に噴霧されて、便器内や便座にミストが滞留しにくくなることを抑制できる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、大便器、便座装置などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 トイレ装置、 100 便座装置、 110~113 流路、 200 便座部、 200a 開口、 203 表面、 203F 先端領域、 203L 側方領域、 203R 側方領域、 204 裏面、 204F 先端領域、 204L 側方領域、 204R 側方領域、 300 便蓋、 400 ケーシング、 402 検知センサ、 403 人体検知センサ、 404 着座検知センサ、 405 制御装置、 431 電磁弁、 450 除菌装置、 472 切替弁、 473 ノズル、 474 吐水口、 476 ノズルモータ、 478 ノズル洗浄室、 479 ノズルダンパ、 481 噴霧装置、 481a モータ、 481b ディスク、 481c 給水口、 482 ミストダンパ、 500 手動操作部、 511 便座用モータ、 512 便蓋用モータ、 513 送風装置、 514 温風ヒータ、 515 便座ヒータ、 516 送風ダンパ、 516a 開口、 600 測定装置、 601 発光部、 602 受光部、 800 大便器、 801 ボウル部、 801F 先端領域、 801L 側方領域、 801R 側方領域、 801w 溜水、 805 リム部、 806 上面、 806F 先端領域、 806L 側方領域、 806R 側方領域、 807 内壁面、 807F 先端領域、 807L 側方領域、 807R 側方領域、 811 ボウル給水口、 M、M3 ミスト、 M1 第1ミスト、 M2 第2ミスト、 S スリット、 T1 所定時間、 T2 所定時間、 U1 第1上昇気流、 U2 第2上昇気流

Claims (3)

  1. 便器のボウル部と便座部とのうち少なくとも一方に向けてミストを噴霧する噴霧装置と、
    前記噴霧装置を制御する制御装置と、を備え、
    前記噴霧装置は、モータと、前記モータにより回転駆動する回転体と、前記回転体に水を供給するバルブと、を有し、
    前記制御装置は、
    前記モータにより前記回転体を回転駆動した状態で前記バルブを開いて前記回転体に水を供給することによってミストを噴霧するミストモードを実行可能であり、
    前記ミストモードの起動時において、前記モータの回転動作の開始後に、前記バルブが開くことを特徴とするトイレ装置。
  2. 前記制御装置は、前記ミストモードの起動時において、前記モータの起動電流がピーク値を超えた後に、前記バルブが開くことを特徴とする請求項1記載のトイレ装置。
  3. 前記制御装置は、前記ミストモードの起動時において、前記モータの起動電流が定常状態になった以降に、前記バルブが開くことを特徴とする請求項2記載のトイレ装置。
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