JP2022104620A - ペットフード - Google Patents
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Abstract
【課題】短時間の浸漬でも優れた吸水率を有しつつ、さらに嗜好性を向上させたペットフードを提供することを目的とする。【解決手段】水分含有量15%以下のペットフードであって、水に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水するペットフード。【選択図】なし
Description
本発明は、ペットフードに関する。
ペットフードは、給与目的を機会で分けると主食と間食に分けられる。主食としてのペットフードは「総合栄養食」と言い、当該ペットフードと水を与えていれば必要とされる栄養素が摂取できるように作られる。
一方、「間食」は、ペットのしつけや運動、ご褒美として与えるなど限られた量を与えることが意図されているペットフードである。
ペットフードの目的別による分類は、「総合栄養食」「間食」「療法食」、そのいずれにも該当しない「その他の目的食」に分かれる。
一方、「間食」は、ペットのしつけや運動、ご褒美として与えるなど限られた量を与えることが意図されているペットフードである。
ペットフードの目的別による分類は、「総合栄養食」「間食」「療法食」、そのいずれにも該当しない「その他の目的食」に分かれる。
ペットフードの水分含有量による分類としては、水分含有量が10%程度(12%以下)であるドライフード、水分含有量が25~35%程度であり、発泡処理されているソフトフード、水分含有量が25~35%程度であり、発泡処理されていないセミモイストフード、及び水分含有量が75%程度であるウェットフードに大別される。水分含有量が比較的低いペットフードは、取り扱い易さ、保存性の良さなどの観点から、近年その需要がますます増加している。
ドライタイプのペットフードは一般的に固く、他タイプのペットフードより硬いのはもちろん、人間が食べている食品のほとんどのものよりも硬い。イヌ・ネコは元来肉食であり、その歯は主に獲物をくわえるため、又は肉を切り取るために進化したものであって、硬いものを臼歯で砕くのには適していない。そのイヌ・ネコにとって従来の硬いドライタイプのペットフードは食べやすいフードとは言えない。噛み砕きやすい粒は食べやすい粒となり、食べやすいということは嗜好性が高いということにつながる。
特許文献1には、ドライタイプのペットフードを水中に10分間浸漬させて、ペットフードの硬度を下げることで、ペットフードに対するペットの食いつき(嗜好性)を上げるペットフードが開示されている。
特許文献1に記載のペットフードは、ペットに給餌する際に、ペットフードを水中に10分間浸漬させる時間を設けることで、ペットフードの硬度を低下させ、嗜好性を向上させている。しかしながら、ペットフードの給餌者による取り扱いの観点から、10分間の浸漬時間は長いと言える。また、特許文献1には、ペットフードの硬度と吸水率とは二律背反の関係にあり、硬度の値が大きくなる(硬くなる)と、吸水率の値が小さくなる(水を吸わなくなる)傾向があることが開示されている。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、短時間の浸漬でも優れた吸水率を有しつつ、さらに嗜好性を向上させたペットフードを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は以下の態様を有する。
[1]水分含有量15%以下のペットフードであって、水に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水するペットフード。
[2]前記水に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、50.0N以下である、上記[1]に記載のペットフード。
[3]前記水に60秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、50質量%以上の前記水を吸水する、上記[1]又は[2]に記載のペットフード。
[4]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載のペットフード。
[5]前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載のペットフード。
[6]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が85%以下である、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載のペットフード。
[7]前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が80%以下である、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載のペットフード。
[8]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積100面積%に対し、生地面積が45面積%以上増加する、上記[1]~[7]のいずれか一つに記載のペットフード。
[9]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積率100%に対し、開孔面積率が80%以下となる、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載のペットフード。
[10]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し、粒密度が10%以上増加する、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載のペットフード。
[11]前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し粒密度が15%以上増加する、上記[1]~[10]のいずれか一つに記載のペットフード。
[12]水分含有量15%以下のペットフードであって、粘度1.5dPa・sの液体に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の前記液体を吸液するペットフード。
[13]前記液体に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、50.0N以下である、上記[12]に記載のペットフード。
[1]水分含有量15%以下のペットフードであって、水に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水するペットフード。
[2]前記水に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、50.0N以下である、上記[1]に記載のペットフード。
[3]前記水に60秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、50質量%以上の前記水を吸水する、上記[1]又は[2]に記載のペットフード。
[4]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する、上記[1]~[3]のいずれか一つに記載のペットフード。
[5]前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する、上記[1]~[4]のいずれか一つに記載のペットフード。
[6]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が85%以下である、上記[1]~[5]のいずれか一つに記載のペットフード。
[7]前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が80%以下である、上記[1]~[6]のいずれか一つに記載のペットフード。
[8]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積100面積%に対し、生地面積が45面積%以上増加する、上記[1]~[7]のいずれか一つに記載のペットフード。
[9]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積率100%に対し、開孔面積率が80%以下となる、上記[1]~[8]のいずれか一つに記載のペットフード。
[10]前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し、粒密度が10%以上増加する、上記[1]~[9]のいずれか一つに記載のペットフード。
[11]前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し粒密度が15%以上増加する、上記[1]~[10]のいずれか一つに記載のペットフード。
[12]水分含有量15%以下のペットフードであって、粘度1.5dPa・sの液体に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の前記液体を吸液するペットフード。
[13]前記液体に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、50.0N以下である、上記[12]に記載のペットフード。
本発明によれば、短時間の浸漬でも優れた吸水率を有しつつ、嗜好性を向上させたペットフードを提供することができる。
本明細書において、「ペット」とは人に飼育されている動物をいう。より狭義の意味では、ペットは飼い主に愛玩される動物である。また、「ペットフード」とは、ペット用の飼料をいう。本発明にかかるペットフードを「動物用飼料」又は「動物の餌」として販売することが可能である。
本明細書において「嗜好性」とは、ペットに好まれて食されるか否かの指標であり、食感、食味、におい等に起因する。
本明細書において、水分含有量の値は、「乾燥減量法」で得られる値である。
乾燥減量法は、試料を赤外線照射によって加熱乾燥させ、含まれていた水分の蒸発による質量変化から試料中の水分の量を求める方法である。水分含有量は、公知の装置を用いて測定することができる。例えば、水分含有量は、Infrared Moisture Analyzer FD-720(株式会社ケツト科学研究所製)で測定することができる。
乾燥減量法は、試料を赤外線照射によって加熱乾燥させ、含まれていた水分の蒸発による質量変化から試料中の水分の量を求める方法である。水分含有量は、公知の装置を用いて測定することができる。例えば、水分含有量は、Infrared Moisture Analyzer FD-720(株式会社ケツト科学研究所製)で測定することができる。
本明細書において、水分含有量と、吸水量とは異なる定義である。水分含有量は、ペットフードそのものが有する水分の量である。吸水量は、ペットフードを水に浸漬したときに、ペットフードが吸収する水の量である。
本明細書においてペットフードの粒の大きさは、ペットフードの粒の形状が、球状の場合は直径を意味し、ペットフードの粒の形状が、球状以外の場合(円柱状、多角柱状、板状等)は、最長径を意味する。
(ペットフード)
本実施形態のペットフード(以下、「第1実施形態のペットフード」ともいう)は、水分含有量15%以下のペットフードであって、水に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水する。
なお、本実施形態に係るペットフードは、上記第1実施形態のペットフードのみからなってもよく、上記第1実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物であってもよい。その他のペットフードとしては特に限定されず、上記第1実施形態のペットフード以外のドライタイプのペットフード、素材、フレーク等が挙げられる。上記第1実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物中、前記混合物の全量に対し、上記第1実施形態のペットフードが1%以上含まれていればよい。
本実施形態のペットフード(以下、「第1実施形態のペットフード」ともいう)は、水分含有量15%以下のペットフードであって、水に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水する。
なお、本実施形態に係るペットフードは、上記第1実施形態のペットフードのみからなってもよく、上記第1実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物であってもよい。その他のペットフードとしては特に限定されず、上記第1実施形態のペットフード以外のドライタイプのペットフード、素材、フレーク等が挙げられる。上記第1実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物中、前記混合物の全量に対し、上記第1実施形態のペットフードが1%以上含まれていればよい。
≪水分含有量≫
本実施形態のペットフードは、水分含有量15%以下のペットフードである。
本実施形態に係るペットフードの水分含有量が15%以下であることにより、ペットフードの保存期間が比較的長くなり、また、ペットフードの匂いを抑えることができるため、飼育者にとって、ペットフードの取り扱いが容易となる。
本実施形態に係るペットフードの水分含有量は、12%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ペットフードの水分含有量の下限値は特に限定されないが、典型的には3%以上であり、好ましくは4%以上であり、より好ましくは5%以上である。
本実施形態のペットフードは、水分含有量15%以下のペットフードである。
本実施形態に係るペットフードの水分含有量が15%以下であることにより、ペットフードの保存期間が比較的長くなり、また、ペットフードの匂いを抑えることができるため、飼育者にとって、ペットフードの取り扱いが容易となる。
本実施形態に係るペットフードの水分含有量は、12%以下が好ましく、10%以下がより好ましい。ペットフードの水分含有量の下限値は特に限定されないが、典型的には3%以上であり、好ましくは4%以上であり、より好ましくは5%以上である。
本実施形態のペットフードの水分活性は、0.65未満を満たすことが好ましい。
ペットフードの腐敗は、細菌やカビにより、主にタンパク質が分解されて起こる。増殖する微生物の種類によっては、食中毒の原因になる。微生物が増殖するには、栄養素の存在や適当な温度のほかに、適量の水の存在が不可欠である。しかし、微生物が利用できるのは、ペットフード中のすべての水ではなく、「自由水」と呼ばれる水分である。
ペットフード中の水分は、その存在状態により、大きく「結合水」と「自由水」とに分けられる。
ペットフードの腐敗は、細菌やカビにより、主にタンパク質が分解されて起こる。増殖する微生物の種類によっては、食中毒の原因になる。微生物が増殖するには、栄養素の存在や適当な温度のほかに、適量の水の存在が不可欠である。しかし、微生物が利用できるのは、ペットフード中のすべての水ではなく、「自由水」と呼ばれる水分である。
ペットフード中の水分は、その存在状態により、大きく「結合水」と「自由水」とに分けられる。
「結合水」は、ペットフード中の他の成分(タンパク質や炭水化物など)と水素結合で結びつき、分子の運動が束縛されている水である。このため、「結合水」は0℃でも凍結せず、高温でも気化し難く、微生物に利用されることがない。
一方、「自由水」とは、分子が自由に動き回ることができる水であり、水分活性という指標で表される。「水分活性」とは、同一条件下における食品の水蒸気圧を純水の水蒸気圧で除した値である。水分活性は、脂質の酸化やペットフード中に存在する微生物の成育に大きな影響を及ぼす。
水分活性(Aw)=P/P0
P:ペットフードの水蒸気圧
P0:純水の水蒸気圧
一方、「自由水」とは、分子が自由に動き回ることができる水であり、水分活性という指標で表される。「水分活性」とは、同一条件下における食品の水蒸気圧を純水の水蒸気圧で除した値である。水分活性は、脂質の酸化やペットフード中に存在する微生物の成育に大きな影響を及ぼす。
水分活性(Aw)=P/P0
P:ペットフードの水蒸気圧
P0:純水の水蒸気圧
本実施形態のペットフードは、ペットが一口で頬張れる小粒形状であってもよいし、ペットが複数回にわたってかじり付くことができる大粒形状であってもよいが、ペットフードの最長径が、1~200mmであることが好ましく、1~150mmであることがより好ましく、3~40mmであることがさらに好ましい。また、ペットフードの最短径が、1~100mmであることが好ましく、1~50mmであることがより好ましく、3~30mmであることがさらに好ましい。
本明細書において、粒または小片の平均長径は、粒または小片を任意に20個取り出し、ノギスで最長径を測定し、それらの平均値を平均長径とする。また最長径方向に対して垂直方向における最短径を測定し、それらの平均値を平均短径とする。
本実施形態のペットフードの平均長径は、1~200mmであることが好ましく、1~150mmであることがより好ましく、3~40mmであることがさらに好ましい。
また、本実施形態のペットフードの平均短径は、1~100mmであることが好ましく、1~50mmであることがより好ましく、3~30mmであることがさらに好ましい。
なお、粒又は小片の長径及び短径は、マイクロメータ、画像解析等により測定してもよい。
本実施形態のペットフードの平均長径は、1~200mmであることが好ましく、1~150mmであることがより好ましく、3~40mmであることがさらに好ましい。
また、本実施形態のペットフードの平均短径は、1~100mmであることが好ましく、1~50mmであることがより好ましく、3~30mmであることがさらに好ましい。
なお、粒又は小片の長径及び短径は、マイクロメータ、画像解析等により測定してもよい。
≪吸水量≫
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水する。以下、「ペットフードに吸収された水の量」を「吸水量」又は「吸水率」ともいう。具体的には、水に5秒間浸漬した際の吸水率は、5秒間ペットフードを水に浸漬した際の、ペットフードの質量の増加分と、ペットフードの元の質量との比率である。
本明細書において、吸水率を測定する際の水の温度は、典型的には、20℃の水で測定した値を意味するが、例えば、5~60℃の水で測定した値であってもよく、15~30℃の水で測定した値であってもよい。温度が低いほど、吸水率は低下するため、より低い温度の水で測定した5秒間吸水率が上記の好ましい値以上であれば、ペットフードの吸水性がより高いといえる。
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水する。以下、「ペットフードに吸収された水の量」を「吸水量」又は「吸水率」ともいう。具体的には、水に5秒間浸漬した際の吸水率は、5秒間ペットフードを水に浸漬した際の、ペットフードの質量の増加分と、ペットフードの元の質量との比率である。
本明細書において、吸水率を測定する際の水の温度は、典型的には、20℃の水で測定した値を意味するが、例えば、5~60℃の水で測定した値であってもよく、15~30℃の水で測定した値であってもよい。温度が低いほど、吸水率は低下するため、より低い温度の水で測定した5秒間吸水率が上記の好ましい値以上であれば、ペットフードの吸水性がより高いといえる。
吸水量を測定する対象のペットフードは、以下の工程で得ることができる。
(工程1A)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2A)電子秤で1粒の質量を測定する。
(工程3A)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4A)5秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5A)工程4Aの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6A)電子秤で浸漬後の1粒の質量を測定する。
(工程1A)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2A)電子秤で1粒の質量を測定する。
(工程3A)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4A)5秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5A)工程4Aの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6A)電子秤で浸漬後の1粒の質量を測定する。
吸水量は、下記式(1)の通り、(工程6A)後のペットフードの質量から(工程2A)のペットフードの質量を引いて、その値を(工程2A)のペットフードの質量で除算することで求めることができる。
5秒間吸水率(質量%)=((工程6A)後のペットフードの質量(g)-(工程2A)のペットフードの質量(g))/(工程2A)のペットフードの質量(g)×100・・・(1)
5秒間吸水率(質量%)=((工程6A)後のペットフードの質量(g)-(工程2A)のペットフードの質量(g))/(工程2A)のペットフードの質量(g)×100・・・(1)
本実施形態において、水に5秒間浸漬した際に、ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸収し、50質量%以上の水を吸水することが好ましく、80質量%以上の水を吸水することがより好ましく、130質量%以上の水を吸水することが更に好ましい。
本実施形態のペットフードは、水に30秒間浸漬した際に、ペットフード100質量%に対し、40質量%以上の水を吸水してもよい。
上記(工程4A)において、「5秒間」を「30秒間」に変更することで、吸水量を測定する対象のペットフードを得ることができる。
上記(工程4A)において、「5秒間」を「30秒間」に変更することで、吸水量を測定する対象のペットフードを得ることができる。
本実施形態において、水に30秒間浸漬した際に、ペットフード100質量%に対し、40質量%以上の水を吸水することが好ましく、60質量%以上の水を吸水することがより好ましく、100質量%以上の水を吸水することがさらに好ましい。
本実施形態のペットフードは、水に60秒間浸漬した際に、ペットフード100質量%に対し、50質量%以上の水を吸水してもよい。
上記(工程4A)において、「5秒間」を「60秒間」に変更することで、吸水量を測定する対象のペットフードを得ることができる。
上記(工程4A)において、「5秒間」を「60秒間」に変更することで、吸水量を測定する対象のペットフードを得ることができる。
本実施形態において、水に60秒間浸漬した際に、ペットフード100質量%に対し、50質量%以上の水を吸水することが好ましく、70質量%以上の水を吸水することがより好ましく、120質量%以上の水を吸水することがさらに好ましい。
≪ペットフードの粒の硬さ(硬度)≫
本実施形態において、水に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さは、50.0N以下であることが好ましく、40.0N以下であることがより好ましく、30.0N以下であることがさらに好ましく、20.0N以下であることが特に好ましい。
本実施形態において、「水に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さ」は、一方向にペットフードを投影した面の表面開孔面積率が一番低い面について測定した値である。「表面開孔面積率」及びその測定方法については、後述する「第1面の表面開孔面積率」において説明する。
本実施形態において、水に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さは、50.0N以下であることが好ましく、40.0N以下であることがより好ましく、30.0N以下であることがさらに好ましく、20.0N以下であることが特に好ましい。
本実施形態において、「水に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さ」は、一方向にペットフードを投影した面の表面開孔面積率が一番低い面について測定した値である。「表面開孔面積率」及びその測定方法については、後述する「第1面の表面開孔面積率」において説明する。
本明細書において、ペットフードの硬さは以下の測定方法で得られる値である。
圧縮試験機(テクスチャーアナライザー、型番:EZ-SX、株式会社島津製作所社製)を用い、ペットフードを一定の圧縮速度で圧縮したときの破断力を測定する。
具体的には、受け皿の上に、測定対象のペットフードを1つ置き、真上から垂直にプランジャーを一定速度で押し付けながら試験力を測定する。試験力のピーク値(最大値)を破断力の値として読み取る。ペットフード10個について測定を繰り返して平均値を求める。
上記圧縮試験機で測定される破断力(単位:kgw)の数値に9.8を掛けることによって、単位をニュートン(N)に変換する。
測定条件は以下に示す通りである。
プランジャー:幅10mm、長さ20mm、先端1mm厚み、くさび型のプランジャー
プラットフォーム:径100mmの平らの受け皿
圧縮速度:60mm/分
プランジャーの最下点:ペットフードの厚さ(高さ)に対して7~9割押し込まれるように設定
測定温度:25℃
圧縮試験機(テクスチャーアナライザー、型番:EZ-SX、株式会社島津製作所社製)を用い、ペットフードを一定の圧縮速度で圧縮したときの破断力を測定する。
具体的には、受け皿の上に、測定対象のペットフードを1つ置き、真上から垂直にプランジャーを一定速度で押し付けながら試験力を測定する。試験力のピーク値(最大値)を破断力の値として読み取る。ペットフード10個について測定を繰り返して平均値を求める。
上記圧縮試験機で測定される破断力(単位:kgw)の数値に9.8を掛けることによって、単位をニュートン(N)に変換する。
測定条件は以下に示す通りである。
プランジャー:幅10mm、長さ20mm、先端1mm厚み、くさび型のプランジャー
プラットフォーム:径100mmの平らの受け皿
圧縮速度:60mm/分
プランジャーの最下点:ペットフードの厚さ(高さ)に対して7~9割押し込まれるように設定
測定温度:25℃
硬さを測定する対象である、水に浸漬させたペットフードは、「吸水量を測定する対象のペットフード」を得るための上記(工程1A)~(工程5A)と同様の工程で得ることができる。
本実施形態のペットフードの硬さは、上記(工程5A)で粒表面に付着した水を除いた後、20秒以内のペットフードの硬さを測定している。ペットフードの硬さの測定は、上記(工程5A)で粒表面に付着した水を除いた後、10秒以内で行うことが好ましい。
本実施形態のペットフードの硬さは、上記(工程5A)で粒表面に付着した水を除いた後、20秒以内のペットフードの硬さを測定している。ペットフードの硬さの測定は、上記(工程5A)で粒表面に付着した水を除いた後、10秒以内で行うことが好ましい。
本実施形態において、水に60秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、20.0N以下であることが好ましく、15.0N以下であることがより好ましく、10.0N以下であることがさらに好ましい。
≪ペットフードの生地の体積膨張率≫
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する(以下、上記体積膨張率を「5秒浸漬後生地体積膨張率」ともいう)ことが好ましく、10体積%以上生地が膨張することがより好ましく、20体積%以上生地が膨張することが更に好ましく、25体積%以上生地が膨張することが特に好ましい。
5秒浸漬後生地体積膨張率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する(以下、上記体積膨張率を「5秒浸漬後生地体積膨張率」ともいう)ことが好ましく、10体積%以上生地が膨張することがより好ましく、20体積%以上生地が膨張することが更に好ましく、25体積%以上生地が膨張することが特に好ましい。
5秒浸漬後生地体積膨張率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する(以下、上記体積膨張率を「60秒浸漬後生地体積膨張率」ともいう)ことが好ましく、10体積%以上生地が膨張することがより好ましく、20体積%以上生地が膨張することが更に好ましく、25体積%以上生地が膨張することが特に好ましい
60秒浸漬後生地体積膨張率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
60秒浸漬後生地体積膨張率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態において、「ペットフードの生地の体積膨張率」における「ペットフードの生地」とは、フード粒の開孔部分以外の部分である。ただし、「ペットフードの生地の体積膨張率」において、ペットフードを水に浸漬した際の生地には、生地が吸収した水は含まれない。また、本明細書において、「開孔」とは、ペットフードの表面及び内部に有する微細な孔である。該孔は、連通孔として複数の孔が繋がったものであってもよい。
具体的には、ペットフードを水に5秒間又は60秒間浸漬した際の生地の体積膨張率は、以下の式(2)~(3)で算出される。
浸漬後生地膨張体積(mm3)=浸漬後の生地体積(mm3)-浸漬前の生地体積(mm3)-吸水量(mg)・・・(2)
生地体積膨張率(%)=(浸漬前の生地体積(mm3)+浸漬後生地膨張体積(mm3))/浸漬前の生地体積(mm3)・・・(3)
浸漬後生地膨張体積(mm3)=浸漬後の生地体積(mm3)-浸漬前の生地体積(mm3)-吸水量(mg)・・・(2)
生地体積膨張率(%)=(浸漬前の生地体積(mm3)+浸漬後生地膨張体積(mm3))/浸漬前の生地体積(mm3)・・・(3)
本実施形態において、上記式(2)~(3)における浸漬前後の生地体積は、下記の手順で測定される。
(工程1B)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2B)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の粒の体積を算出する。
(工程3B)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4B)5秒又は60秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5B)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6B)X線CT装置により、浸漬後の粒の体積を算出する。
(工程1B)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2B)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の粒の体積を算出する。
(工程3B)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4B)5秒又は60秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5B)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6B)X線CT装置により、浸漬後の粒の体積を算出する。
本実施形態において、上記工程2B及び6BにおけるCT画像は以下の撮影条件を採用する。
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
上記工程2B及び6Bにおいて、以下の手順によりそれぞれのCT断面画像における生地面積を算出する。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の生地面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の生地体積となり、全てのCT断面画像の生地体積を足し合わせると、測定対象となる1つのフード粒の生地体積を算出できる。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の生地面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の生地体積となり、全てのCT断面画像の生地体積を足し合わせると、測定対象となる1つのフード粒の生地体積を算出できる。
≪ペットフードの開孔体積変化率≫
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が85%以下であることが好ましく(以下、上記開孔体積の変化割合を「5秒浸漬後開孔体積変化率」ともいう)、80%以下であることがより好ましく、75%以下であることが更に好ましく、70%以下であることが特に好ましい。
5秒浸漬後開孔体積変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が85%以下であることが好ましく(以下、上記開孔体積の変化割合を「5秒浸漬後開孔体積変化率」ともいう)、80%以下であることがより好ましく、75%以下であることが更に好ましく、70%以下であることが特に好ましい。
5秒浸漬後開孔体積変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に60秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が80%以下であることが好ましく(以下、上記開孔体積の変化割合を「60秒浸漬後開孔体積変化率」ともいう)、75%以下であることがより好ましく、70%以下であることが更に好ましく、65%以下であることが特に好ましい。
60秒浸漬後開孔体積変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
60秒浸漬後開孔体積変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態において、「ペットフードの開孔」とは、フード粒において生地が存在しない空孔部分である。また、「開孔体積率」とは、フード粒全体の体積に対する開孔体積の割合(%)をいう。
具体的には、ペットフードを水に5秒間又は60秒間浸漬した際の開孔体積変化率は、以下の式(4)~(6)で算出される。
開孔体積(mm3)=粒体積(mm3)-生地体積(mm3) ・・・(4)
開孔体積率(%)=開孔体積(mm3)/粒体積(mm3)×100 ・・・(5)
開孔体積変化率(%)=浸漬後開孔体積率(%)/浸漬前開孔体積率(%)×100 ・・・(6)
開孔体積(mm3)=粒体積(mm3)-生地体積(mm3) ・・・(4)
開孔体積率(%)=開孔体積(mm3)/粒体積(mm3)×100 ・・・(5)
開孔体積変化率(%)=浸漬後開孔体積率(%)/浸漬前開孔体積率(%)×100 ・・・(6)
上記式(4)における粒体積及び生地体積は、上記「生地体積膨張率」を算出する際に測定する浸漬前後の生地体積と同様の手順及び条件(前記工程1B~6B)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、下記工程(ib)~(iiib)によって測定する。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iib)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiib)工程(iib)で算出した粒全体の面積から工程(ib)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積が算出できる。
上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の生地面積、粒面積及び開孔面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の生地体積、粒体積及び開孔体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせると、測定対象となる1つのフード粒の生地体積、粒体積及び開孔体積を算出できる。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iib)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiib)工程(iib)で算出した粒全体の面積から工程(ib)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積が算出できる。
上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の生地面積、粒面積及び開孔面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の生地体積、粒体積及び開孔体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせると、測定対象となる1つのフード粒の生地体積、粒体積及び開孔体積を算出できる。
≪ペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積膨張率≫
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積100面積%に対し、生地面積が45面積%以上増加することが好ましく(以下、上記面積増加率を「5秒浸漬後中央断面生地面積変化率」ともいう)、50面積%以上がより好ましく、60面積%以上が更に好ましく、85面積%以上が更に好ましい。
5秒浸漬後中央断面生地面積変化率が上記の好ましい範囲内であると、短時間でフード粒内部まで水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積100面積%に対し、生地面積が45面積%以上増加することが好ましく(以下、上記面積増加率を「5秒浸漬後中央断面生地面積変化率」ともいう)、50面積%以上がより好ましく、60面積%以上が更に好ましく、85面積%以上が更に好ましい。
5秒浸漬後中央断面生地面積変化率が上記の好ましい範囲内であると、短時間でフード粒内部まで水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
5秒浸漬後中央断面生地面積変化率は、以下の式(7)により算出される。
5秒浸漬後中央断面生地面積変化率(%)=浸漬後の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)/浸漬前の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)×100・・・(7)
5秒浸漬後中央断面生地面積変化率(%)=浸漬後の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)/浸漬前の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)×100・・・(7)
上記式(7)における浸漬前後の生地面積は、下記の手順で測定される。なお、上記式(7)において、浸漬後の生地面積には、吸水した水の面積も含まれる。
(工程1C)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2C)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の生地面積を算出する。
(工程3C)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4C)5秒又は60秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5C)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6C)X線CT装置により、浸漬後の生地面積を算出する。
(工程1C)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2C)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の生地面積を算出する。
(工程3C)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4C)5秒又は60秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5C)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6C)X線CT装置により、浸漬後の生地面積を算出する。
本実施形態において、上記工程2C及び6CにおけるCT画像は以下の撮影条件を採用する。
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
上記工程2C及び6Cにおいて、以下の手順によりそれぞれのCT断面画像における生地面積を算出する。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
本実施形態において、「5秒浸漬後中央断面生地面積変化率」における「ペットフードの粒の中央部分の断面」とは、フード粒を置いて、一方向から平面に垂直となるCT画像をn個測定した場合、フード粒が写り始めるCT画像がx枚目であり、フード粒が写り終わるCT画像がy枚目であるとき、(y-(x-1))×1/3+x~(y-(x-1))×2/3+xの範囲における断面をいう。ここで、x<n、y<n、及びx<yである。
例えば、上記CT画像の撮影条件、すなわち、FOV:25.6mm×25.6mm×25.6mm、matrix:512×512×512で測定した場合、フード粒が写り始めるCT画像が100枚目で、フード粒が写り終わるCT画像が399枚目であるとき、(399-(100-1)×1/3+100~(399-(100-1)×2/3+100=200枚目~300枚目のCT画像が「ペットフードの粒の中央部分の断面」とできる。
例えば、上記CT画像の撮影条件、すなわち、FOV:25.6mm×25.6mm×25.6mm、matrix:512×512×512で測定した場合、フード粒が写り始めるCT画像が100枚目で、フード粒が写り終わるCT画像が399枚目であるとき、(399-(100-1)×1/3+100~(399-(100-1)×2/3+100=200枚目~300枚目のCT画像が「ペットフードの粒の中央部分の断面」とできる。
≪ペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積変化率≫
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積率100%に対し、開孔面積率が80%以下となることが好ましく(以下、上記開孔面積率の変化割合を「5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率」ともいう)、75%以下がより好ましく、70%以下が更に好ましく、65%以下が特に好ましい。
5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率が上記の好ましい範囲内であると、短時間でフード粒内部まで水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積率100%に対し、開孔面積率が80%以下となることが好ましく(以下、上記開孔面積率の変化割合を「5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率」ともいう)、75%以下がより好ましく、70%以下が更に好ましく、65%以下が特に好ましい。
5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率が上記の好ましい範囲内であると、短時間でフード粒内部まで水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率は、以下の式(8)~(10)により算出される。
粒の中央部分の断面の開孔面積(mm2)=粒の中央部分の断面の粒面積(mm2)-生地面積(mm2)・・・(8)
開孔面積率(%)=開孔面積(mm2)/粒面積(mm2)×100・・・(9)
5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率(%)=浸漬後開孔面積率(%)/浸漬前開孔面積率(%)・・・(10)
粒の中央部分の断面の開孔面積(mm2)=粒の中央部分の断面の粒面積(mm2)-生地面積(mm2)・・・(8)
開孔面積率(%)=開孔面積(mm2)/粒面積(mm2)×100・・・(9)
5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率(%)=浸漬後開孔面積率(%)/浸漬前開孔面積率(%)・・・(10)
上記式(8)における粒面積及び生地面積は、上記「5秒浸漬後中央断面生地面積変化率」を算出する際に測定する浸漬前後の生地面積と同様の手順及び条件(前記工程1C~6C)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、下記工程(ic)~(iiic)によって測定する。なお、上記式(8)において、浸漬後の生地面積には、吸水した水の面積も含まれる。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iic)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiic)工程(iic)で算出した粒全体の面積から工程(ic)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積が算出できる。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iic)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiic)工程(iic)で算出した粒全体の面積から工程(ic)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積が算出できる。
「5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率」における「ペットフードの粒の中央部分の断面」は、「5秒浸漬後中央断面生地面積変化率」における「ペットフードの粒の中央部分の断面」と同様である。
≪ペットフードの粒密度変化率≫
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し、粒密度が10%以上増加することが好ましく(以下、上記粒密度の変化割合を「5秒浸漬後粒密度変化率」ともいう)、15%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましい。
5秒浸漬後粒密度変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し、粒密度が10%以上増加することが好ましく(以下、上記粒密度の変化割合を「5秒浸漬後粒密度変化率」ともいう)、15%以上がより好ましく、20%以上が更に好ましい。
5秒浸漬後粒密度変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
本実施形態のペットフードは、水に60秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し、粒密度が15%以上増加することが好ましく(以下、上記粒密度の変化割合を「60秒浸漬後粒密度変化率」ともいう)、20%以上がより好ましく、25%以上が更に好ましい。
60秒浸漬後粒密度変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
60秒浸漬後粒密度変化率が上記の好ましい範囲内であると、ペットフードが短時間で水を吸収しやすく、給餌するペットの種類や年齢等に応じて所望の硬さのペットフードを提供しやすい。
ペットフードを水に5秒間又は60秒間浸漬した際の粒密度変化率は、下記の式(11)~(13)により算出される。
粒体積(L)=粒体積(mm3)/1,000,000・・・(11)
粒密度(g/L)=粒質量(g)/粒体積(L)・・・(12)
粒密度変化率(%)=浸漬後粒密度(g/L)/浸漬前粒密度(g/L)×100・・・(13)
粒体積(L)=粒体積(mm3)/1,000,000・・・(11)
粒密度(g/L)=粒質量(g)/粒体積(L)・・・(12)
粒密度変化率(%)=浸漬後粒密度(g/L)/浸漬前粒密度(g/L)×100・・・(13)
上記式(12)における粒質量は、上記「吸水率」の測定における工程1A~6Aと同様の手順で測定できる。
また、上記式(12)における粒体積は、上記「開孔体積変化率」を算出する際に測定する粒体積と同様の手順及び条件(上記工程1B~6B)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、上記工程(ib)~(iib)によって粒全体の面積を(粒面積)を測定する。上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の粒面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の粒体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせると、測定対象となる1つのフード粒の粒体積を算出できる。
また、上記式(12)における粒体積は、上記「開孔体積変化率」を算出する際に測定する粒体積と同様の手順及び条件(上記工程1B~6B)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、上記工程(ib)~(iib)によって粒全体の面積を(粒面積)を測定する。上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の粒面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の粒体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせると、測定対象となる1つのフード粒の粒体積を算出できる。
上述の通り、本実施形態のペットフードは、水を吸収させる時間(水に浸漬する時間)を変更することで、異なる硬さのペットフードを得ることができる。また、本実施形態のペットフードは、水を吸収させる時間(水に浸漬する時間)を変更することで、異なる吸水量のペットフードを得ることができる。つまり、水分含有量15%以下のペットフードに水を吸収させることで、ペットフードの組成を変更し、水分含有量が25~35%程度であるソフトフードの組成やセミモイストフードの組成、または、水分含有量が75%程度であるウェットフードの組成に近づけることができる。そのような場合、吸水時間の短縮及び給餌者の取扱性の観点から、ペットフードを浸漬する水の温度は35℃~60℃であってもよく、40~60℃であってもよく、45~60℃であってもよい。
ペットフードの水分含有量が低いと、水分活性が低くなる傾向にあるため、脂質の酸化やペットフード中に存在する微生物の成育を抑制することができる。そのため、ペットフードの保存性、取り扱い性が向上する。一方、ペットフードがもともと有する水分含有量が低いということは、より乾燥しているということになるため、ペットフードの粒は硬くなってしまう。
本実施形態に係るペットフードは、もともと水分含有量が15%以下と低いが、短時間で水を吸収し、短時間で硬さを柔らかくすることができる。
本実施形態に係るペットフードは、もともと水分含有量が15%以下と低いが、短時間で水を吸収し、短時間で硬さを柔らかくすることができる。
イヌやネコは、健康状態や生育状況等に応じて、ペットフードの硬さの好みが変動することがある。そのため、本実施形態のように、給餌するタイミングで給餌者が水を加え、短時間で軟らかいペットフードの粒を作製することができれば、給餌者は、イヌやネコの健康状態や生育状況等に応じて、ペットが好む硬さに変更したペットフードを、ペットに対して給餌することができる。
本実施形態に係るペットフードは、搬送時や保存時はドライタイプのペットフードであるため、保存安定性、取り扱い性に優れる。そして、本実施形態に係るペットフードは、給餌時に所望によりソフトドライタイプ、セミモイストタイプ、ウェットタイプ等の組成に変更できるため、嗜好性を向上することができる。
≪第1面の表面開孔面積率≫
本実施形態のペットフードは、第1方向に前記ペットフードを投影した第1面の表面開孔面積率が10%以上であってもよい。
該第1方向とは任意の方向である。例えば、本実施形態のペットフードをデジタルマイクロスコープの測定台に載置し、該ペットフードの載置面とは反対の面(天面)の画像を撮影した場合、デジタルマイクロスコープから該ペットフードの天面に向かう方向が第1方向となる。また、デジタルマイクロスコープで撮影した該ペットフードの天面の画像が、該ペットフードを投影した第1面となる。
本実施形態のペットフードは、第1方向に前記ペットフードを投影した第1面の表面開孔面積率が10%以上であってもよい。
該第1方向とは任意の方向である。例えば、本実施形態のペットフードをデジタルマイクロスコープの測定台に載置し、該ペットフードの載置面とは反対の面(天面)の画像を撮影した場合、デジタルマイクロスコープから該ペットフードの天面に向かう方向が第1方向となる。また、デジタルマイクロスコープで撮影した該ペットフードの天面の画像が、該ペットフードを投影した第1面となる。
本実施形態のペットフードの第1面の表面開孔面積率が10%以上であってもよく、好ましくは12%以上であり、より好ましくは16%以上であり、さらに好ましくは20%以上であり、特に好ましくは25%以上である。
一方で、本実施形態のペットフードの第1面の表面開孔面積率は、好ましくは60%以下であり、より好ましくは55%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。
例えば、本実施形態のペットフードの第1面の表面開孔面積率は、好ましくは10%以上60%以下であり、より好ましくは12%以上60%以下であり、さらに好ましくは16%以上55%以下であり、特に好ましくは20%以上50%以下であり、最も好ましくは25%以上50%以下である。
本明細書において、「表面開孔面積率」とは、デジタルマイクロスコープ(商品名「VHX-7000」、株式会社キーエンス社製)を用いて、ペットフードの表面の画像を撮影し、該画像を用いて、該デジタルマイクロスコープの計測・スケールツール自動面積計測(粒子カウント)で、円相当径50μm未満を除外して、表面開孔面積率を測定した値を意味する。
より具体的な操作手順は以下の通りである。
より具体的な操作手順は以下の通りである。
(i)測定台に載置したペットフードの第1面が全て映り込むようにデジタルマイクロスコープの倍率を設定する(例えば、20倍に設定する)。
(ii)落射照明の設定値は、100~255の間で最も開孔が見える数値を設定する。
(iii)デジタルマイクロスコープの計測・スケールツール自動面積計測(粒子カウント)において、抽出方法は「明るさ(標準)」に設定する。次いで、ペットフードの第1面の抽出領域を設定する。
(iv)円相当径50μm未満を除外して、デジタルマイクロスコープの計測・スケールツール自動面積計測(粒子カウント)を行うと、ペットフードの第1面の開孔率が計測できる。
(ii)落射照明の設定値は、100~255の間で最も開孔が見える数値を設定する。
(iii)デジタルマイクロスコープの計測・スケールツール自動面積計測(粒子カウント)において、抽出方法は「明るさ(標準)」に設定する。次いで、ペットフードの第1面の抽出領域を設定する。
(iv)円相当径50μm未満を除外して、デジタルマイクロスコープの計測・スケールツール自動面積計測(粒子カウント)を行うと、ペットフードの第1面の開孔率が計測できる。
≪他の面の表面開孔面積率≫
本実施形態のペットフードは、第1方向以外の方向に該ペットフードを投影した面(以下、「他の面」ともいう)の表面開孔面積率が8%以下であることが好ましい。すなわち、本実施形態のペットフードは、ペットフードの表面に開孔の数が多い部分と、開孔の数が少ない部分とが混在していることが好ましい。
本実施形態のペットフードは、第1方向以外の方向に該ペットフードを投影した面(以下、「他の面」ともいう)の表面開孔面積率が8%以下であることが好ましい。すなわち、本実施形態のペットフードは、ペットフードの表面に開孔の数が多い部分と、開孔の数が少ない部分とが混在していることが好ましい。
本実施形態のペットフードの他の面の表面開孔面積率は、好ましくは8%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは2%以下であり、0%であってもよい。
≪第2面及び第3面の表面開孔面積率≫
本実施形態のペットフードは、上述した該ペットフードの第1面に加えて、前記第1方向に交差する第2方向のうちA側(+側、第1側、又は一方側ともいえる)に前記ペットフードを投影した面を第2面、前記第2方向のうちB側(-側、第2側、又は他方側ともいえる)に前記ペットフードを投影した面を第3面とした場合、第2面及び第3面の少なくともいずれかの面の表面開孔面積率が10%以上であることが好ましい。すなわち、本実施形態のペットフードは、ペットフードの表面に開孔の数が多い部分を複数有することが好ましい。
本実施形態のペットフードは、上述した該ペットフードの第1面に加えて、前記第1方向に交差する第2方向のうちA側(+側、第1側、又は一方側ともいえる)に前記ペットフードを投影した面を第2面、前記第2方向のうちB側(-側、第2側、又は他方側ともいえる)に前記ペットフードを投影した面を第3面とした場合、第2面及び第3面の少なくともいずれかの面の表面開孔面積率が10%以上であることが好ましい。すなわち、本実施形態のペットフードは、ペットフードの表面に開孔の数が多い部分を複数有することが好ましい。
ここで、第2方向は典型的には、第1方向に「直交」する方向を意味するが、第1方向に直交する方向に限定されず、第1方向に交差し、ペットフードの面に対して直交するような所定の方向を意味する場合もある。
例えば、第2方向が第1方向に直交する方向ではない場合の具体例としては、本実施形態のペットフードが四面体状であり、底面を第1面とした場合は、該四面体状のペットフードの側面に対して直交する方向が、第2方向となる。
また、本実施形態のペットフードが球状及び円柱状等の形状を面で表せない場合は、第2方向は第1方向に「直交」する方向を意味する。
例えば、第2方向が第1方向に直交する方向ではない場合の具体例としては、本実施形態のペットフードが四面体状であり、底面を第1面とした場合は、該四面体状のペットフードの側面に対して直交する方向が、第2方向となる。
また、本実施形態のペットフードが球状及び円柱状等の形状を面で表せない場合は、第2方向は第1方向に「直交」する方向を意味する。
第2面及び第3面の表面開孔面積率の好ましい範囲は、上述した第1面の表面開孔面積率の好ましい範囲と同様である。
本実施形態のペットフードは、上述した該ペットフードの第1面に加えて、該ペットフードの第2面及び第3面の表面開孔面積率も、いずれも10%以上であることが好ましい。
本実施形態のペットフードは、第1面、第2面及び第3面の表面開孔面積率がいずれも10%以上であり、かつ、第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面の表面開孔面積率が8%以下であることが好ましい。
より具体的には、本実施形態のペットフードは、第1面、第2面及び第3面の表面開孔面積率がいずれも10%以上60%以下であり、かつ、第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面の表面開孔面積率が8%以下であることが好ましく、第1面、第2面及び第3面の表面開孔面積率がいずれも12%以上60%以下であり、かつ、第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面の表面開孔面積率が4%以下であることがより好ましく、第1面、第2面及び第3面の表面開孔面積率がいずれも16%以上55%以下であり、かつ、第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面の表面開孔面積率が4%以下であることがさらに好ましく、第1面、第2面及び第3面の表面開孔面積率がいずれも20%以上50%以下であり、かつ、第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面の表面開孔面積率が4%以下であることがさらにより好ましく、第1面、第2面及び第3面の表面開孔面積率がいずれも25%以上50%以下であり、かつ、第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面の表面開孔面積率が4%以下であることが特に好ましく、第1面、第2面及び第3面の表面開孔面積率がいずれも25%以上50%以下であり、かつ、第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面の表面開孔面積率が2%以下であることが最も好ましい。
さらに、上記のペットフードにおいて、「第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面」は、「第1面、第2面及び第3面以外の2面」であることが好ましい。
さらに、上記のペットフードにおいて、「第1面、第2面及び第3面以外の少なくとも1つの面」は、「第1面、第2面及び第3面以外の2面」であることが好ましい。
≪形状≫
本実施形態のペットフードの形状は、ペットが食するのに好適な形状であればよく、特に限定されない。
例えば球状、楕円体状(碁石状)、ペレット状、円柱状、多角柱状、六面体状(板状)、クローバー状、ハート状、星状、十字状等あらゆる形状が適用可能である。その中でも、本発明の効果がより得やすくなる観点から、円柱状、多角柱状又は六面体状であることが好ましく、六面体状であることがより好ましい。
本実施形態のペットフードの形状は、ペットが食するのに好適な形状であればよく、特に限定されない。
例えば球状、楕円体状(碁石状)、ペレット状、円柱状、多角柱状、六面体状(板状)、クローバー状、ハート状、星状、十字状等あらゆる形状が適用可能である。その中でも、本発明の効果がより得やすくなる観点から、円柱状、多角柱状又は六面体状であることが好ましく、六面体状であることがより好ましい。
≪硬さ≫
本実施形態のペットフードの硬さは、好ましくは60N以下であり、より好ましくは50N以下であり、さらに好ましくは40N以下である。
本実施形態において、「ペットフードの粒の硬さ」は、一方向にペットフードを投影した面の表面開孔面積率が一番低い面について測定した値である。「表面開孔面積率」及びその測定方法については、上記「第1面の表面開孔面積率」における説明と同様である。
本実施形態のペットフードの硬さは、好ましくは60N以下であり、より好ましくは50N以下であり、さらに好ましくは40N以下である。
本実施形態において、「ペットフードの粒の硬さ」は、一方向にペットフードを投影した面の表面開孔面積率が一番低い面について測定した値である。「表面開孔面積率」及びその測定方法については、上記「第1面の表面開孔面積率」における説明と同様である。
一方で、本実施形態のペットフードの硬さは、好ましくは6N以上であり、より好ましくは8N以上であり、さらに好ましくは10N以上である。
本明細書において、ペットフードの硬さは以下の測定方法で得られる値である。
圧縮試験機(テクスチャーアナライザー、型番:EZ-SX、株式会社島津製作所社製)を用い、ペットフードを一定の圧縮速度で圧縮したときの破断力を測定する。
具体的には、受け皿の上に、測定対象のペットフードを1つ置き、真上から垂直にプランジャーを一定速度で押し付けながら試験力を測定する。試験力のピーク値(最大値)を破断力の値として読み取る。ペットフード10個について測定を繰り返して平均値を求める。
上記圧縮試験機で測定される破断力(単位:kgw)の数値に9.8を掛けることによって、単位をニュートン(N)に変換する。
測定条件は以下に示す通りである。
プランジャー:幅10mm、長さ20mm、先端1mm厚み、くさび型のプランジャー
プラットフォーム:径100mmの平らの受け皿
圧縮速度:60mm/分
プランジャーの最下点:ペットフードの厚さ(高さ)に対して7~9割押し込まれるように設定
測定温度:25℃
圧縮試験機(テクスチャーアナライザー、型番:EZ-SX、株式会社島津製作所社製)を用い、ペットフードを一定の圧縮速度で圧縮したときの破断力を測定する。
具体的には、受け皿の上に、測定対象のペットフードを1つ置き、真上から垂直にプランジャーを一定速度で押し付けながら試験力を測定する。試験力のピーク値(最大値)を破断力の値として読み取る。ペットフード10個について測定を繰り返して平均値を求める。
上記圧縮試験機で測定される破断力(単位:kgw)の数値に9.8を掛けることによって、単位をニュートン(N)に変換する。
測定条件は以下に示す通りである。
プランジャー:幅10mm、長さ20mm、先端1mm厚み、くさび型のプランジャー
プラットフォーム:径100mmの平らの受け皿
圧縮速度:60mm/分
プランジャーの最下点:ペットフードの厚さ(高さ)に対して7~9割押し込まれるように設定
測定温度:25℃
本実施形態のペットフードにおいて、第1面の硬さが上述した好ましい硬さの値であることが好ましい。すなわち、上述したペットフードの硬さの測定方法において、本実施形態のペットフードの第1面にプランジャーを押し付けながら試験力を測定した際の値(硬さ)が、6N以上60N以下であることが好ましく、8N以上50N以下であることがより好ましく、10N以上40N以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態のペットフードが表面開孔面積率が8%以下である他の面を有する場合、本実施形態のペットフードの他の面にプランジャーを押し付けながら試験力を測定した際の値(硬さ)が、15N以上70N以下であることが好ましく、20N以上60N以下であることがより好ましく、25N以上50N以下であることがさらに好ましい。
≪原料≫
本実施形態のペットフードの原料としては、ペットフードの製造において公知の粉体原料、及び液体原料を用いることができ、以下のペットフードの原料を1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合させて用いてもよい。
本実施形態のペットフードの原料としては、ペットフードの製造において公知の粉体原料、及び液体原料を用いることができ、以下のペットフードの原料を1種単独で用いてもよいし、2種以上を混合させて用いてもよい。
粉体原料及び液体原料として、具体的には、穀類(トウモロコシ、グレインソルガム、小麦、大麦、玄米、えん麦、ライ麦、小麦粉、米粉、コーンフラワー、小麦ふすま、米、小麦胚芽、小麦グルテン、コーングルテンフィード、コーングルテンミール、パン粉等);いも類(さつまいも、馬鈴薯等);豆類(大豆、そら豆、小豆、エンドウ豆、脱脂大豆、大豆ミール、きなこ、ソイフラワー、大豆タンパク、おから等);でん粉類(コーンスターチ、ポテトスターチ、タピオカでん粉、小麦でん粉、米デンプン、馬鈴薯デンプン、甘藷デンプン、サゴデンプン等);肉類(ビーフ、ポーク、ラム、マトン、チキン、ターキー、家禽等の肉類、レバー等の内臓、それらの肉エキスパウダーやリキッド、その加工物のポークミール、チキンミール、ビーフミール、これらの混合ミール等);魚介類(まぐろ、かつお、サーモン、タラ、あじ、いわし等の魚類、えび、かに等の甲殻類、貝類、その加工物のフィッシュミール、魚エキスパウダーやリキッド類、鰹節等);卵類(鶏卵(全卵、乾燥全卵、卵黄、卵白)等;野菜類(にんじん、キャベツ、グリーンピース、かぼちゃ、ビートパルプ等)、種実類;きのこ類;糖類(砂糖、ブドウ糖、果糖、異性化糖、オリゴ糖類、水飴、シロップ、糖蜜、蜂蜜等);乳類(全脂乳、脱脂乳、全脂粉乳、脱脂粉乳、ホエー、チーズ、バター、クリーム等);油脂類(動物性油脂(牛脂、豚脂、鶏脂、魚油等);植物性油脂(大豆油、ごま油、胚芽油、パーム油、コーン油、オリーブ油、ココナッツ油等)、脂肪酸等);乾燥酵母やそのエキスパウダーやリキッド;食物繊維(セルロース等);ハーブ;ビタミン類;ミネラル類;アミノ酸類;甘味料;着色料;保存料;増粘安定剤;加工でん粉;酸化防止剤;pH調整剤;調味料;乳化剤;膨張剤;香料等が挙げられる。
本実施形態のペットフードは、上記の中でも、穀類及び肉類を含有することが好ましい。
本実施形態のペットフードにおける穀類の含有量は、ペットフード全量に対して、10~90質量%が好ましく、15~80質量%であることがより好ましく、20~70質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態のペットフードにおける穀類の含有量は、ペットフード全量に対して、10~90質量%が好ましく、15~80質量%であることがより好ましく、20~70質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態のペットフードにおける肉類の含有量は、ペットフード全量に対して、1~40質量%が好ましく、3~30質量%であることがより好ましく、5~20質量%であることがさらに好ましい。
本実施形態のペットフードの構成としては、上記の中でも、(a)穀類、(b)豆類、(c)肉類、(d)魚介類、(e)食物繊維、(f)乾燥酵母やそのエキスパウダーやリキッド、(g)野菜類、(h)ビタミン類及びミネラル類、(i)油脂類の混合物が好ましい。該混合物に必要に応じて、着色料;酸化防止剤;調味料が含有されていてもよい。
また、本実施形態におけるペットフードの構成としては、(a)穀類、(b)豆類、(c)肉類、(d)魚介類、(e)食物繊維、(f)乾燥酵母やそのエキスパウダーやリキッド、(g)野菜類、(h)ビタミン類及びミネラル類、(i)油脂類、(j)でん粉類、(k)卵類、(l)糖類、(m)乳類の混合物であってもよい。該混合物に必要に応じて、着色料;保存料;増粘安定剤;酸化防止剤;pH調整剤;調味料;乳化剤;香料が含有されていてもよい。
本実施形態のペットフードの配合例を以下に示す。
穀類(10~90質量%)、豆類(0~40質量%)、肉類(0~40質量%)、魚介類(0~40質量%)、食物繊維(0~20質量%)、乾燥酵母やそのエキスパウダーやリキッド(0~10質量%)、野菜類(0~20質量%)、ビタミン類及びミネラル類(0~10質量%)、油脂類(0~20質量%)、着色料(0~5質量%)、酸化防止剤(0~5質量%)、調味料(0~5質量%)となるように調整される。
穀類(10~90質量%)、豆類(0~40質量%)、肉類(0~40質量%)、魚介類(0~40質量%)、食物繊維(0~20質量%)、乾燥酵母やそのエキスパウダーやリキッド(0~10質量%)、野菜類(0~20質量%)、ビタミン類及びミネラル類(0~10質量%)、油脂類(0~20質量%)、着色料(0~5質量%)、酸化防止剤(0~5質量%)、調味料(0~5質量%)となるように調整される。
以下本実施形態に係るペットフードの具体的な態様として、フード粒の形状例(1)及び(2)を、図面を用いて詳細に説明する。
以下の説明では、必要に応じてX、Y、Zの直交座標系を用いて説明する。この場合、Z方向は、高さ方向(重力方向)を示している。Z方向に直交する2方向がX方向及びY方向である。図中矢印側をプラス(+)側とし、矢印とは反対側をマイナス(-)側として説明する。例えば、+Z側は、高さ方向の上方に相当し、-Z側は高さ方向の下方に相当する。
(本実施形態に係るペットフードのフード粒の形状例(1))
本実施形態に係るペットフードのフード粒の形状例(1)として、ペットフードC10について、図1を用いて詳細に説明する。
ペットフードC10は、六面体状のペットフードである。ペットフードC10において、ペットフードC10の4つの側面(側周面)は、天面及び底面に比べて、開孔1が多い面である。
本実施形態に係るペットフードのフード粒の形状例(1)として、ペットフードC10について、図1を用いて詳細に説明する。
ペットフードC10は、六面体状のペットフードである。ペットフードC10において、ペットフードC10の4つの側面(側周面)は、天面及び底面に比べて、開孔1が多い面である。
図1に示す通り、第1方向は、X方向に一致し、第2方向は、Y方向に一致し、第3方向は、Z方向に一致する。すなわち、第1方向に直交する2方向が、第2方向及び第3方向である。
ペットフードC10は、六面体状のペットフードであり、第1方向に直交する2方向が、第2方向及び第3方向であるため、第1方向のA側(+X側)にペットフードC10を投影した第1面C1と、ペットフードC10の第1方向のA側の側面は一致する。
ペットフードC10は、六面体状のペットフードであり、第1方向に直交する2方向が、第2方向及び第3方向であるため、第1方向のA側(+X側)にペットフードC10を投影した第1面C1と、ペットフードC10の第1方向のA側の側面は一致する。
ペットフードC10は、第1方向のA側(+X側)にペットフードC10を投影した第1面C1の表面開孔面積率が10%以上である。
ペットフードC10において、第1方向のA側(+X側)にペットフードC10を投影した面が、第1面C1である。また、第1方向のB側(-X側)にペットフードC10を投影した面が、第4面C4である。
ペットフードC10において、第1方向に直交する第2方向のうちA側(+Y側)にペットフードC10を投影した面が、第2面C2である。また、第1方向に直交する第2方向のうちB側(-Y側)にペットフードC10を投影した面が、第3面C3である。
ペットフードC10において、第1方向に直交する第3方向のうちA側(+Z側)にペットフードC10を投影した面が、第5面C5である。また、第1方向に直交する第3方向のうちB側(-Z側)にペットフードC10を投影した面が、第6面C6である。
ペットフードC10において、第1方向に直交する第2方向のうちA側(+Y側)にペットフードC10を投影した面が、第2面C2である。また、第1方向に直交する第2方向のうちB側(-Y側)にペットフードC10を投影した面が、第3面C3である。
ペットフードC10において、第1方向に直交する第3方向のうちA側(+Z側)にペットフードC10を投影した面が、第5面C5である。また、第1方向に直交する第3方向のうちB側(-Z側)にペットフードC10を投影した面が、第6面C6である。
図2は、各方向にペットフードC10を投影した面、すなわち、第1面C1~第6面C6を示す図である。
ペットフードC10は、第1面C1~第4面C4が、表面開孔面積率が10%以上の面であり、第5面C5及び第6面C6が、表面開孔面積率が8%以下の面である。
ペットフードC10は、第1面C1~第4面C4が、表面開孔面積率が10%以上の面であり、第5面C5及び第6面C6が、表面開孔面積率が8%以下の面である。
ペットフードC10における第1面C1~第4面C4の表面開孔面積率の好ましい範囲は、それぞれ上述の通りであり、例えば、好ましくは10%以上60%以下であり、より好ましくは12%以上60%以下であり、さらに好ましくは16%以上55%以下であり、特に好ましくは20%以上50%以下であり、最も好ましくは25%以上50%以下である。
ペットフードC10における第5面C5及び第6面C6の表面開孔面積率の好ましい値は、好ましくは8%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは2%以下であり、0%であってもよい。
また上述の通り、ペットフードC10においては、投影した第1面C1とペットフードC10の第1方向のA側の側面とが一致しているため、ペットフードC10は、底面及び天面の表面開孔面積率が、8%以下の面であり、4つの側周面の表面開孔面積率が、いずれも10%以上の面であるともいえる。
ペットフードC10は、第1面C1~第4面C4が表面開孔面積率が10%以上の面であり、第5面C5及び第6面C6が表面開孔面積率が8%以下の面であるが、第4面C4及び第2面C2又は第3面C3は、表面開孔面積率が8%以下の面であってもよい。また、第5面C5又は第6面C6が表面開孔面積率10%以上の面であってもよい。
(本実施形態に係るペットフードのフード粒の形状例(2))
本実施形態に係るペットフードのフード粒の形状例(2)として、ペットフードD10について、図3を用いて詳細に説明する。
ペットフードD10は、円柱状のペットフードである。ペットフードD10において、側周面は、開孔2が多い面であり、ペットフードD10の天面及び底面は、開孔2が少ない面である。
本実施形態に係るペットフードのフード粒の形状例(2)として、ペットフードD10について、図3を用いて詳細に説明する。
ペットフードD10は、円柱状のペットフードである。ペットフードD10において、側周面は、開孔2が多い面であり、ペットフードD10の天面及び底面は、開孔2が少ない面である。
図3及び4に示す通り、第1方向は、X方向に一致し、第2方向は、Y方向に一致し、第3方向は、Z方向に一致する。すなわち、第1方向に直交する2方向が、第2方向及び第3方向である。
ペットフードD10は、第1方向のA側(+X側)にペットフードD10を投影した第1面D10の表面開孔面積率が10%以上である。
ペットフードD10において、第1方向のA側(+X側)にペットフードD10を投影した面が、第1面D1である。また、第1方向のB側(-X側)にペットフードD10を投影した面が、第4面D4である。
ペットフードD10において、第1方向に直交する第2方向のうちA側(+Y側)にペットフードD10を投影した面が、第2面D2である。また、第1方向に直交する第2方向のうちB側(-Y側)にペットフードD10を投影した面が、第3面D3である。
ペットフードD10において、第1方向に直交する第3方向のうちA側(+Z側)にペットフードD10を投影した面が、第5面D5である。また、第1方向に直交する第3方向のうちB側(-Z側)にペットフードD10を投影した面が、第6面D6である。
ペットフードD10において、第1方向に直交する第2方向のうちA側(+Y側)にペットフードD10を投影した面が、第2面D2である。また、第1方向に直交する第2方向のうちB側(-Y側)にペットフードD10を投影した面が、第3面D3である。
ペットフードD10において、第1方向に直交する第3方向のうちA側(+Z側)にペットフードD10を投影した面が、第5面D5である。また、第1方向に直交する第3方向のうちB側(-Z側)にペットフードD10を投影した面が、第6面D6である。
ペットフードD10は円柱状であるため、第5面D5とペットフードD10の天面、及び第6面D6とペットフードD10の底面のみ一致する。
図4は、各方向にペットフードD10を投影した面、すなわち、第1面D1~第6面D6を示す図である。
ペットフードD10は、第1面D1~第4面D4が、表面開孔面積率が10%以上の面であり、第5面D5及び第6面D6が、表面開孔面積率が8%以下の面である。
ペットフードD10は、第1面D1~第4面D4が、表面開孔面積率が10%以上の面であり、第5面D5及び第6面D6が、表面開孔面積率が8%以下の面である。
ペットフードD10における第1面D1~第4面D4の表面開孔面積率の好ましい範囲は、それぞれ上述の通りであり、例えば、好ましくは10%以上60%以下であり、より好ましくは12%以上60%以下であり、さらに好ましくは16%以上55%以下であり、特に好ましくは20%以上50%以下であり、最も好ましくは25%以上50%以下である。
ペットフードD10における第5面D5及び第6面D6の表面開孔面積率の好ましい値は、好ましくは8%以下であり、より好ましくは4%以下であり、さらに好ましくは2%以下であり、0%であってもよい。
また上述の通り、ペットフードD10においては、第5面D5とペットフードD10の天面、及び第6面D6とペットフードD10の底面のみ一致するため、ペットフードD10は、底面及び天面の表面開孔面積率が8%以下の面であり、側周面の表面開孔面積率が10%以上の面であるともいえる。
(ペットフードの製造方法)
本実施形態のペットフードの製造方法としては、例えば、混練した原料混合物を押出成形機から押し出すことにより膨化させ、膨化した生地を得る膨化工程と、膨化した生地を多孔質化させ、多孔質化した生地を得る多孔質化工程と、多孔質化した生地を切断する切断工程とを有する、ペットフードの製造方法が挙げられる。
本実施形態のペットフードの製造方法としては、例えば、混練した原料混合物を押出成形機から押し出すことにより膨化させ、膨化した生地を得る膨化工程と、膨化した生地を多孔質化させ、多孔質化した生地を得る多孔質化工程と、多孔質化した生地を切断する切断工程とを有する、ペットフードの製造方法が挙げられる。
本実施形態のペットフードの製造方法の具体例として、ペットフードの製造方法100について、図5を用いて詳細に説明する。
図5に示す通り、押出成形機101で原料混合物を混練し、該原料混合物を押出成形機から押し出すことにより膨化生地sdが得られる。得られた膨化生地sdは、ベルトコンベアー102により搬送される。搬送された膨化生地sdは、冷却機103により冷却されることにより多孔質化され、多孔質化した多孔質生地pdが得られる。得られた多孔質生地pdをカッター104で切断することにより、本実施形態のペットフードPFが得られる。
図5に示す通り、押出成形機101で原料混合物を混練し、該原料混合物を押出成形機から押し出すことにより膨化生地sdが得られる。得られた膨化生地sdは、ベルトコンベアー102により搬送される。搬送された膨化生地sdは、冷却機103により冷却されることにより多孔質化され、多孔質化した多孔質生地pdが得られる。得られた多孔質生地pdをカッター104で切断することにより、本実施形態のペットフードPFが得られる。
[膨化工程]
膨化工程は、押出成形機101で混練した原料混合物を押出成形機から押し出すことにより膨化させ、膨化生地sdを得る工程である。
押出成形機101としては、特に限定されず、公知の1軸又は2軸エクストルーダー等を用いることができる。
膨化工程は、押出成形機101で混練した原料混合物を押出成形機から押し出すことにより膨化させ、膨化生地sdを得る工程である。
押出成形機101としては、特に限定されず、公知の1軸又は2軸エクストルーダー等を用いることができる。
押出成形機101で原料混合物を混練する際の原料混合物の温度は、例えば、75~140℃が好ましく、80~135℃がより好ましく、85~130℃がさらに好ましい。
[多孔質化工程]
多孔質化工程は、膨化生地sdを多孔質化させ、多孔質生地pdを得る工程である。
多孔質化工程として、具体的には、膨化生地sdを大気圧下におき、かつ、冷却機103により膨化生地sdを冷却する工程が挙げられる。
多孔質化工程は、膨化生地sdを多孔質化させ、多孔質生地pdを得る工程である。
多孔質化工程として、具体的には、膨化生地sdを大気圧下におき、かつ、冷却機103により膨化生地sdを冷却する工程が挙げられる。
冷却機103としては、特に限定されず、公知のスポットクーラー等を用いることができる。
[切断工程]
切断工程は、多孔質生地pdをカッター104で切断する工程である。多孔質生地pdをカッター104で切断する際、多孔質生地pdをMDから切断してもよく、CDから切断してもよく、MD及びCDのいずれの方向からも切断してもよい。ここで、MD(machine direction)とは多孔質生地pdの流れる方向(押出成形機から押し出された膨化生地sdの流れる方向ともいえる)である。CD(cross direction)とは多孔質生地pdの流れる方向に直交する方向である。
切断工程は、多孔質生地pdをカッター104で切断する工程である。多孔質生地pdをカッター104で切断する際、多孔質生地pdをMDから切断してもよく、CDから切断してもよく、MD及びCDのいずれの方向からも切断してもよい。ここで、MD(machine direction)とは多孔質生地pdの流れる方向(押出成形機から押し出された膨化生地sdの流れる方向ともいえる)である。CD(cross direction)とは多孔質生地pdの流れる方向に直交する方向である。
多孔質生地pdをカッター104で切断する際の多孔質生地pdの温度は、例えば、70℃以下が好ましい。
以上の方法により、水分含有量15%以下のペットフードであって、水に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水するペットフードを得ることができる。
以上説明したペットフードの製造方法は、多孔質化工程を有するため、上述したペットフードを簡易に製造することができる。具体的には、従来のペットフードの製造方法においては、例えば「小動物の臨床栄養学 第5版」(Michael S. Hand、Craig D. Thatcher, Rebecca L. Remillard, Philip Roudebusg、Bruce J. Novotny 編集、Mark Morris Associates 発行;2014年;p.209~p.215)に記載されているように、押出成形機の出口にカッターが設けられており、原料混合物を押出成形機から押し出した瞬間にカッターで切断することが一般的である。一方で、本実施形態のペットフードの製造方法においては、原料混合物を押出成形機から押し出した後、カッターで切断する前に時間をおくことでペットフードを多孔質化させている。そのため、本実施形態のペットフードの製造方法によれば、上述したペットフードを簡易に製造することができる。
ペットフード製造方法100における多孔質化工程において、冷却機103による冷却は、押出成形機から押し出された膨化生地をライン外に移動させてバッチ式に行ってもよい。
また、ペットフード製造方法100における多孔質化工程において、膨化生地sdを冷却機103により冷却しているが、冷却機103を用いなくてもよい。すなわち、ベルトコンベアー102の長さを長くすることにより、膨化生地sdを室温で冷却する工程であってもよい。例えば、ベルトコンベアー102の長さを調製し、膨化生地sdが、押出成形機から押し出された時から、切断される時まで、例えば、1分以上、室温(25℃)下に置かれればよい。
また、ペットフード製造方法100における多孔質化工程において、膨化生地sdを冷却機103により冷却しているが、冷却機103を用いなくてもよい。すなわち、ベルトコンベアー102の長さを長くすることにより、膨化生地sdを室温で冷却する工程であってもよい。例えば、ベルトコンベアー102の長さを調製し、膨化生地sdが、押出成形機から押し出された時から、切断される時まで、例えば、1分以上、室温(25℃)下に置かれればよい。
<他の製造方法>
本実施形態のペットフードの製造方法としては、上述した製造方法以外の方法であってもよく、例えば、加熱により気体を発生させる原料を用いて、本実施形態のペットフードを製造してもよい。気体を発生させる原料として、具体的には、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
本実施形態のペットフードの製造方法としては、上述した製造方法以外の方法であってもよく、例えば、加熱により気体を発生させる原料を用いて、本実施形態のペットフードを製造してもよい。気体を発生させる原料として、具体的には、炭酸水素ナトリウム等が挙げられる。
<他の実施形態>
本発明の別の実施形態によれば、水分含有量15%以下のペットフードであって、粘度1.5dPa・sの液体に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の前記液体を吸液するペットフード(以下、「第2実施形態のペットフード」ともいう)が提供される。
なお、本実施形態に係るペットフードは、上記第2実施形態のペットフードのみからなってもよく、上記第2実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物であってもよい。その他のペットフードとしては特に限定されず、上記第2実施形態のペットフード以外のドライタイプのペットフード、素材、フレーク等が挙げられる。上記第2実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物中、前記混合物の全量に対し、上記第2実施形態のペットフードが1%以上含まれていればよい。
本発明の別の実施形態によれば、水分含有量15%以下のペットフードであって、粘度1.5dPa・sの液体に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の前記液体を吸液するペットフード(以下、「第2実施形態のペットフード」ともいう)が提供される。
なお、本実施形態に係るペットフードは、上記第2実施形態のペットフードのみからなってもよく、上記第2実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物であってもよい。その他のペットフードとしては特に限定されず、上記第2実施形態のペットフード以外のドライタイプのペットフード、素材、フレーク等が挙げられる。上記第2実施形態のペットフードとその他のペットフードとの混合物中、前記混合物の全量に対し、上記第2実施形態のペットフードが1%以上含まれていればよい。
「粘度1.5dPa・sの液体」としては、典型的には、粘度1.5dPa・sのスープタイプのペットフードが挙げられるが、本実施形態はこれに限定されない。例えば、水に増粘剤を混合して粘度を1.5dPa・sに調整した液体も適用できる。
第2実施形態において、粘度1.5dPa・sの液体の吸液率(質量基準)は、水に替えて粘度1.5dPa・sの液体を用いること以外は、第1実施形態における吸水率と同様にして測定できる。
第2実施形態において、粘度1.5dPa・sの液体の吸液率(質量基準)は、水に替えて粘度1.5dPa・sの液体を用いること以外は、第1実施形態における吸水率と同様にして測定できる。
第2実施形態のペットフードは、粘度1.5dPa・sの液体に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の前記液体を吸液し、40質量%以上の前記液体を吸液することが好ましく、50質量%以上の前記液体を吸液することがより好ましく、65質量%以上の前記液体を吸液することが更に好ましい。
第2実施形態のペットフードは、粘度1.5dPa・sの液体に60秒間浸漬した際に、前記ペットフード100体積%に対し、30質量%以上の前記液体を吸液し、40質量%以上の前記液体を吸液することが好ましく、50質量%以上の前記液体を吸液することがより好ましく、65質量%以上の前記液体を吸液することが更に好ましい。
第2実施形態のペットフードは、前記液体に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、50.0N以下であることが好ましく、45.0N以下であることがより好ましく、40.0N以下であることがさらに好ましく、35.0N以下であることが特に好ましい。
第2実施形態において、ペットフードの粒の硬さは、第1実施形態と同様にして測定できる。
第2実施形態において、ペットフードの粒の硬さは、第1実施形態と同様にして測定できる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
(ペットフードの製造)
<<試験例1~4>>
表1に示す配合で、ペットフードを構成する原料を混合し、原料混合物を得た。プレコンディショナーで該原料混合物に水を、原料混合物全量100質量部に対して12~25質量部加え、70~100℃で5秒~3分加熱しながら、混合した。加熱した原料混合物をエクストルーダーに投入し、混練しながら80~125℃で10秒~2分間の加熱処理を施してデンプン成分をアルファ化し、エクストルーダーから吐出させることにより、膨化した生地を得た。得られた生地について、該生地の表面温度が70℃以下となるように、冷却機で冷却し、多孔質化された生地を得た。次いで、得られた該生地を六面体状になるようにMD及びCD(試験例4はCDのみ)からカッターで切断し、六面体状(縦8mm(X方向)×横8mm(Y方向)×高さ(厚み)11.5mm(Z方向))の開孔を有する試験例1~4のペットフードを得た。
試験例1~4では、表4、6、10及び12に示す粒密度(g/L)となるように、プレコンディショナー及びエクストルーダーの処理温度を表2に示す温度に調整した。
試験例試験例1~3のペットフードは、図1に示すペットフードC10と同一の態様であり、カッターで切断された面が側周面であった。また、試験例1~3のペットフードの第1面と図1に示すペットフードC10の第1面C1は一致し、試験例1~3のペットフードの第3面と図1に示すペットフードC10の第3面C3は一致し、試験例1~3のペットフードの第6面と図1に示すペットフードC10の第6面C6は一致した。
試験例4のペットフードは、図1に示すペットフードC10において第1面C1及び第4面C4のみがカッターで切断された面であった。
<<試験例1~4>>
表1に示す配合で、ペットフードを構成する原料を混合し、原料混合物を得た。プレコンディショナーで該原料混合物に水を、原料混合物全量100質量部に対して12~25質量部加え、70~100℃で5秒~3分加熱しながら、混合した。加熱した原料混合物をエクストルーダーに投入し、混練しながら80~125℃で10秒~2分間の加熱処理を施してデンプン成分をアルファ化し、エクストルーダーから吐出させることにより、膨化した生地を得た。得られた生地について、該生地の表面温度が70℃以下となるように、冷却機で冷却し、多孔質化された生地を得た。次いで、得られた該生地を六面体状になるようにMD及びCD(試験例4はCDのみ)からカッターで切断し、六面体状(縦8mm(X方向)×横8mm(Y方向)×高さ(厚み)11.5mm(Z方向))の開孔を有する試験例1~4のペットフードを得た。
試験例1~4では、表4、6、10及び12に示す粒密度(g/L)となるように、プレコンディショナー及びエクストルーダーの処理温度を表2に示す温度に調整した。
試験例試験例1~3のペットフードは、図1に示すペットフードC10と同一の態様であり、カッターで切断された面が側周面であった。また、試験例1~3のペットフードの第1面と図1に示すペットフードC10の第1面C1は一致し、試験例1~3のペットフードの第3面と図1に示すペットフードC10の第3面C3は一致し、試験例1~3のペットフードの第6面と図1に示すペットフードC10の第6面C6は一致した。
試験例4のペットフードは、図1に示すペットフードC10において第1面C1及び第4面C4のみがカッターで切断された面であった。
<<比較試験例1~3>>
比較試験例1のペットフードとして、市販品の犬用ペットフードを準備した。各評価の測定対象粒としては、ペットフードの粒として一般的な形状である、楕円体状の粒を選択した。
比較試験例2のペットフードとして、市販品の猫用ペットフードを準備した。
比較試験例3のペットフードとして、比較試験例1とは異なる市販品の犬用ペットフードを準備した。
比較試験例1のペットフードとして、市販品の犬用ペットフードを準備した。各評価の測定対象粒としては、ペットフードの粒として一般的な形状である、楕円体状の粒を選択した。
比較試験例2のペットフードとして、市販品の猫用ペットフードを準備した。
比較試験例3のペットフードとして、比較試験例1とは異なる市販品の犬用ペットフードを準備した。
各例のペットフードの水分含有量は、Infrared Moisture Analyzer FD-720(株式会社ケツト科学研究所製)により測定した。試験例および比較試験例のペットフードの水分含有量を表3に示す。
<5秒浸漬後の吸水量の評価>
吸水量を測定する対象のペットフードは、以下の手順で得た。
(工程1A)それぞれのペットフードを1粒選択する。
(工程2A)電子秤で1粒の質量を測定する。
(工程3A)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4A)5秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5A)工程4Aの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6A)電子秤で浸漬後の1粒の質量を測定する。
吸水量を測定する対象のペットフードは、以下の手順で得た。
(工程1A)それぞれのペットフードを1粒選択する。
(工程2A)電子秤で1粒の質量を測定する。
(工程3A)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4A)5秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5A)工程4Aの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6A)電子秤で浸漬後の1粒の質量を測定する。
吸水量は、下記式(1)の通りに算出した。結果を表4~5に示す。
5秒間吸水率(質量%)=((工程6A)後のペットフードの質量(g)-(工程2A)のペットフードの質量(g))/(工程2A)のペットフードの質量(g)×100・・・(1)
5秒間吸水率(質量%)=((工程6A)後のペットフードの質量(g)-(工程2A)のペットフードの質量(g))/(工程2A)のペットフードの質量(g)×100・・・(1)
<60秒浸漬後の吸水量の評価>
上記工程4Aにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<5秒浸漬後の吸水量の評価>と同様にして吸水量を測定した。結果を表6~7に示す。
上記工程4Aにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<5秒浸漬後の吸水量の評価>と同様にして吸水量を測定した。結果を表6~7に示す。
<5秒浸漬後の生地体積膨張率の評価>
ペットフードを水に5秒間浸漬した際の生地の体積膨張率を、以下の式(2)~(3)で算出した。結果を表4~5に示す。
浸漬後生地膨張体積(mm3)=浸漬後の生地体積(mm3)-浸漬前の生地体積(mm3)-吸水量(mg)・・・(2)
生地体積膨張率(%)=(浸漬前の生地体積(mm3)+浸漬後生地膨張体積(mm3))/浸漬前の生地体積(mm3)・・・(3)
ペットフードを水に5秒間浸漬した際の生地の体積膨張率を、以下の式(2)~(3)で算出した。結果を表4~5に示す。
浸漬後生地膨張体積(mm3)=浸漬後の生地体積(mm3)-浸漬前の生地体積(mm3)-吸水量(mg)・・・(2)
生地体積膨張率(%)=(浸漬前の生地体積(mm3)+浸漬後生地膨張体積(mm3))/浸漬前の生地体積(mm3)・・・(3)
上記式(2)~(3)における浸漬前後の生地体積は、下記の手順で測定した。
(工程1B)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2B)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の生地体積を算出する。
(工程3B)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4B)5秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5B)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6B)X線CT装置により、浸漬後の生地体積を算出する。
(工程1B)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2B)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の生地体積を算出する。
(工程3B)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4B)5秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5B)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6B)X線CT装置により、浸漬後の生地体積を算出する。
上記工程2B及び6BにおけるCT画像は以下の撮影条件を採用した。
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
上記工程2B及び6Bにおいて、以下の手順によりそれぞれのCT断面画像における生地面積を算出した。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定したので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の生地面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の生地体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせて、測定対象となる1つのフード粒の生地体積を算出した。
<60秒浸漬後の生地体積膨張率の評価>
上記工程4Bにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<5秒浸漬後の体積基準生地膨張率の評価>と同様にして、ペットフードを水に60秒間浸漬した際の生地の体積膨張率を、上記式(2)~(3)で算出した。結果を表6~7に示す。
上記工程4Bにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<5秒浸漬後の体積基準生地膨張率の評価>と同様にして、ペットフードを水に60秒間浸漬した際の生地の体積膨張率を、上記式(2)~(3)で算出した。結果を表6~7に示す。
<5秒浸漬後の開孔体積変化率の評価>
ペットフードを水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対する開孔体積率の変化割合(開孔体積変化率)を、以下の式(4)~(6)で算出した。結果を表4~5に示す。
開孔体積(mm3)=粒体積(mm3)-生地体積(mm3) ・・・(4)
開孔体積率(%)=開孔体積(mm3)/粒体積(mm3)×100 ・・・(5)
開孔体積変化率(%)=浸漬後開孔体積率(%)/浸漬前開孔体積率(%)×100 ・・・(6)
ペットフードを水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対する開孔体積率の変化割合(開孔体積変化率)を、以下の式(4)~(6)で算出した。結果を表4~5に示す。
開孔体積(mm3)=粒体積(mm3)-生地体積(mm3) ・・・(4)
開孔体積率(%)=開孔体積(mm3)/粒体積(mm3)×100 ・・・(5)
開孔体積変化率(%)=浸漬後開孔体積率(%)/浸漬前開孔体積率(%)×100 ・・・(6)
上記式(4)における粒体積及び生地体積は、上記「生地体積膨張率」を算出する際に測定する浸漬前後の生地体積と同様の手順及び条件(前記工程1B~6B)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、下記工程(ib)~(iiib)によって測定した。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iib)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiib)工程(iib)で算出した粒全体の面積から工程(ib)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積を算出する。
上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の生地面積、粒面積及び開孔面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の生地体積、粒体積及び開孔体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせて、測定対象となる1つのフード粒の生地体積、粒体積及び開孔体積を算出した。
(ib)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iib)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiib)工程(iib)で算出した粒全体の面積から工程(ib)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積を算出する。
上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の生地面積、粒面積及び開孔面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の生地体積、粒体積及び開孔体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせて、測定対象となる1つのフード粒の生地体積、粒体積及び開孔体積を算出した。
<60秒浸漬後の開孔体積変化率の評価>
上記工程4Bにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<5秒浸漬後の開孔体積変化率>と同様にして開孔体積変化率を測定した。結果を表6~7に示す。
上記工程4Bにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<5秒浸漬後の開孔体積変化率>と同様にして開孔体積変化率を測定した。結果を表6~7に示す。
<ペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積変化率の評価>
ペットフードを水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積100面積%に対する生地面積の変化率(5秒浸漬後中央断面生地面積変化率)を、以下の式(7)により算出した。結果を表9に示す。
5秒浸漬後中央断面生地面積変化率(%)=浸漬後の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)/浸漬前の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)×100・・・(7)
ペットフードを水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積100面積%に対する生地面積の変化率(5秒浸漬後中央断面生地面積変化率)を、以下の式(7)により算出した。結果を表9に示す。
5秒浸漬後中央断面生地面積変化率(%)=浸漬後の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)/浸漬前の粒の中央部分の断面の生地面積(mm2)×100・・・(7)
上記式(7)における浸漬前後の生地面積は、下記の手順で測定した。
(工程1C)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2C)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の生地面積を算出する。
(工程3C)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4C)5秒又は60秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5C)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6C)X線CT装置により、浸漬後の生地面積を算出する。
(工程1C)測定対象のペットフードを1粒選択する。
(工程2C)X線CT装置(例えば、CosmoScan FX(株式会社リガク製))により、浸漬前の生地面積を算出する。
(工程3C)粒をピンセットで摘んで、水に浸漬させる。
(工程4C)5秒又は60秒経過したら、粒を水から取り出す。
(工程5C)工程4Bの後、取り出した粒を5秒間放置し、次いで粒を篩(目開き1mm)上で転がして粒表面に付着した水を除く。
(工程6C)X線CT装置により、浸漬後の生地面積を算出する。
上記工程2C及び6CにおけるCT画像は以下の撮影条件を採用した。
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
(CT画像の撮影条件)
管電圧:90kV
管電流:88μA
照射時間:2分
分解能:50μm
FOV(有効視野(Field of View)):25.6mm×25.6mm×25.6mm
matrix:512×512×512
上記工程2C及び6Cにおいて、以下の手順によりそれぞれのCT断面画像における生地面積を算出した。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
「5秒浸漬後中央断面生地面積変化率」における「ペットフードの粒の中央部分の断面」は、フード粒を置いて、一方向から平面に垂直となるCT画像を512枚測定し、フード粒が写り始めるCT画像がx枚目であり、フード粒が写り終わるCT画像がy枚目であると、(y-(x-1))×1/3+x~(y-(x-1))×2/3+xの範囲における断面とした。ここで、x<n、y<n、及びx<yである。各試験例及び比較例のCT画像における上記x、上記y及び実際に測定した枚数目を表8に示す。
<ペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積変化率の評価>
ペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積率100%に対する開孔面積率の変化率(5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率)を、以下の式(8)~(10)により算出した。結果を表9に示す。
粒の中央部分の断面の開孔面積(mm2)=粒の中央部分の断面の粒面積(mm2)-生地面積(mm2)・・・(8)
開孔面積率(%)=開孔面積(mm2)/粒面積(mm2)×100・・・(9)
5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率(%)=浸漬後開孔面積率(%)/浸漬前開孔面積率(%)・・・(10)
ペットフードは、水に5秒間浸漬した際に、水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積率100%に対する開孔面積率の変化率(5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率)を、以下の式(8)~(10)により算出した。結果を表9に示す。
粒の中央部分の断面の開孔面積(mm2)=粒の中央部分の断面の粒面積(mm2)-生地面積(mm2)・・・(8)
開孔面積率(%)=開孔面積(mm2)/粒面積(mm2)×100・・・(9)
5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率(%)=浸漬後開孔面積率(%)/浸漬前開孔面積率(%)・・・(10)
上記式(8)における粒面積及び生地面積は、上記「5秒浸漬後中央断面生地面積変化率」を算出する際に測定する浸漬前後の生地面積と同様の手順及び条件(前記工程1C~6C)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、下記工程(ic)~(iiic)によって測定した。なお、上記式(8)において、浸漬後の生地面積には、吸水した水の面積も含まれる。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iic)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiic)工程(iic)で算出した粒全体の面積から工程(ic)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積が算出する。
(ic)画像解析ソフト(例えば、Fiji)を用いて、X線CT画像を2値化する(最大エントロピー法)。それぞれの粒断面画像において、バックグラウンド値を引いて、生地面積を算出する。
(iic)それぞれのCT断面画像において、Fill holes、Dilate/Erode処理にて開孔を埋めてバッググランド値を引いて、粒全体の面積を算出する。
(iiic)工程(iic)で算出した粒全体の面積から工程(ic)で算出した生地面積を引くことで、開孔面積が算出する。
「5秒浸漬後中央断面開孔面積変化率」における「ペットフードの粒の中央部分の断面」は、「5秒浸漬後中央断面生地面積膨張率」における「ペットフードの粒の中央部分の断面」と同様とした。
<ペットフードの5秒浸漬後粒密度変化率の評価>
ペットフードを水に5秒間した際の粒密度変化率(5秒浸漬後粒密度変化率)を、下記の式(11)~(13)により算出した。結果を表4~5に示す。
粒体積(L)=粒体積(mm3)/1,000,000・・・(11)
粒密度(g/L)=粒質量(g)/粒体積(L)・・・(12)
粒密度変化率(%)=浸漬後粒密度(g/L)/浸漬前粒密度(g/L)×100・・・(13)
ペットフードを水に5秒間した際の粒密度変化率(5秒浸漬後粒密度変化率)を、下記の式(11)~(13)により算出した。結果を表4~5に示す。
粒体積(L)=粒体積(mm3)/1,000,000・・・(11)
粒密度(g/L)=粒質量(g)/粒体積(L)・・・(12)
粒密度変化率(%)=浸漬後粒密度(g/L)/浸漬前粒密度(g/L)×100・・・(13)
上記式(12)における粒質量は、上記「吸水率」の測定における工程1A~6Aと同様の手順で測定した。
また、上記式(12)における粒体積は、上記「開孔体積変化率」を算出する際に測定する浸漬前後の粒体積と同様の手順及び条件(上記工程1B~6B)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、上記工程(ib)~(iib)によって粒全体の面積を(粒面積)を測定した。上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の粒面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の粒体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせて、測定対象となる1つのフード粒の粒体積を算出した。
また、上記式(12)における粒体積は、上記「開孔体積変化率」を算出する際に測定する浸漬前後の粒体積と同様の手順及び条件(上記工程1B~6B)により、X線CT装置及び画像解析ソフトを用いて、上記工程(ib)~(iib)によって粒全体の面積を(粒面積)を測定した。上記条件の場合では、CT画像はFOV(有効視野(Field of View))を512等分して測定するので、1枚のCT断面画像は厚みが50μmになるとみなせる。その為、1枚のCT断面画像の粒面積に50μmの厚みをかけると1枚のCT断面画像の粒体積となり、全てのCT断面画像の体積を足し合わせて、測定対象となる1つのフード粒の粒体積を算出した。
<ペットフードの60秒浸漬後粒密度変化率の評価>
ペットフードを水に60秒間した際の粒密度変化率(60秒浸漬後粒密度変化率)は、上記工程4Bにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<ペットフードの5秒浸漬後粒密度変化率の評価>と同様にして測定した。結果を表6~7に示す。
ペットフードを水に60秒間した際の粒密度変化率(60秒浸漬後粒密度変化率)は、上記工程4Bにおいて、「5秒」を「60秒」に変更すること以外は<ペットフードの5秒浸漬後粒密度変化率の評価>と同様にして測定した。結果を表6~7に示す。
表4~7に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、吸水率が高いことから、短時間でより多くの水を吸収することが確認された。
また、表4~7に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、生地体積膨張率が大きく、開孔体積率変化が大きい(開孔体積率が減少している)ことから、短時間でより多くの水を吸収することが確認された。
また、表4~7に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、粒密度変化率が高いことから、短時間でより多くの水を吸収することが確認された。
また、表4~7に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、生地体積膨張率が大きく、開孔体積率変化が大きい(開孔体積率が減少している)ことから、短時間でより多くの水を吸収することが確認された。
また、表4~7に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、粒密度変化率が高いことから、短時間でより多くの水を吸収することが確認された。
表9に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、水を吸収して粒が膨張していることが確認出来る。
図6は、水に浸漬前の試験例1に係るペットフードを、図1における第1方向から平面に垂直となる粒の中央部分の断面を測定したCT画像である。図7は、水に5秒浸漬した後の試験例1に係るペットフードを、図1における第1方向から平面に垂直となる粒の中央部分の断面を測定したCT画像である。図8は、水に浸漬前の比較試験例1の犬用ペットフード(市販品)を、一方向から平面に垂直となる粒の中央部分の断面を測定したCT画像である。図9は、水に5秒浸漬した後の比較試験例1の犬用ペットフード(市販品)を、一方向から平面に垂直となる粒の中央部分の断面を測定したCT画像である。図10は、水に浸漬前の比較試験例2の猫用ペットフード(市販品)を、一方向から平面に垂直となる粒の中央部分の断面を測定したCT画像である。図11は、水に5秒浸漬した後の比較試験例2の猫用ペットフード(市販品)を、一方向から平面に垂直となる粒の中央部分の断面を測定したCT画像である。
図6、図8及び図10中、白い部分は生地部分であり、黒い部分は開孔部分である。また、図7、図9及び図11中、白い部分は生地部分及び吸水部分であり、黒い部分は開孔部分である。
図6~11に示されるように、試験例1のペットフードは、比較試験例1及び2のペットフードと比べて、水を吸収して粒が膨張していることが確認出来る。
図6、図8及び図10中、白い部分は生地部分であり、黒い部分は開孔部分である。また、図7、図9及び図11中、白い部分は生地部分及び吸水部分であり、黒い部分は開孔部分である。
図6~11に示されるように、試験例1のペットフードは、比較試験例1及び2のペットフードと比べて、水を吸収して粒が膨張していることが確認出来る。
<粘度1.5dPa・s液体を用いた評価>
試験例2のペットフード及び比較試験例2のペットフードについて、水に替えて粘度1.5dPa・s、温度20℃に調整した市販品のスープタイプペットフードを用いた以外は、上記<5秒浸漬後の吸水量の評価>、<60秒浸漬後の吸水量の評価>、<5秒浸漬後の体積基準生地膨張率の評価>、<60秒浸漬後の体積基準生地膨張率の評価>、<5秒浸漬後の開孔体積変化率>、<60秒浸漬後の開孔体積変化率>、<ペットフードの5秒浸漬後粒密度変化率の評価>及び<ペットフードの60秒浸漬後粒密度変化率の評価>と同様の評価を行った。結果を表10~13に示す。
試験例2のペットフード及び比較試験例2のペットフードについて、水に替えて粘度1.5dPa・s、温度20℃に調整した市販品のスープタイプペットフードを用いた以外は、上記<5秒浸漬後の吸水量の評価>、<60秒浸漬後の吸水量の評価>、<5秒浸漬後の体積基準生地膨張率の評価>、<60秒浸漬後の体積基準生地膨張率の評価>、<5秒浸漬後の開孔体積変化率>、<60秒浸漬後の開孔体積変化率>、<ペットフードの5秒浸漬後粒密度変化率の評価>及び<ペットフードの60秒浸漬後粒密度変化率の評価>と同様の評価を行った。結果を表10~13に示す。
表10~13に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、吸水率が高いことから、短時間でより多くのスープタイプペットフードを吸収することが確認された。
また、表10~13に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、生地体積膨張率が大きく、開孔体積率変化が大きい(開孔体積率が減少している)ことから、短時間でより多くのスープタイプペットフードを吸収することが確認された。
また、表10~13に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、粒密度変化率が高いことから、短時間でより多くのスープタイプペットフードを吸収することが確認された。
また、表10~13に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、生地体積膨張率が大きく、開孔体積率変化が大きい(開孔体積率が減少している)ことから、短時間でより多くのスープタイプペットフードを吸収することが確認された。
また、表10~13に示す結果から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、粒密度変化率が高いことから、短時間でより多くのスープタイプペットフードを吸収することが確認された。
<硬さの評価>
硬さを評価する対象のペットフードは、上記<吸水量の評価>で得られた測定対象ペットフードのうち、浸漬前のペットフード粒、及び、水又は粘度1.5dPa・s、温度20℃に調整した市販品のスープタイプペットフードに5秒浸漬後のペットフード粒を用いて評価した。
試験例1~4のペットフードについては、一方向にペットフードを投影した面の表面開孔面積率が一番低い面(図1における第3方向の面である第5面C5又は第6面C6)について硬さを測定した。
比較試験例2及び3のペットフードについては、粒表面において開孔率が大きく異なる面が無いことから、長径が受け皿と並行になるように置いて硬さを測定した。
硬さを評価する対象のペットフードは、上記<吸水量の評価>で得られた測定対象ペットフードのうち、浸漬前のペットフード粒、及び、水又は粘度1.5dPa・s、温度20℃に調整した市販品のスープタイプペットフードに5秒浸漬後のペットフード粒を用いて評価した。
試験例1~4のペットフードについては、一方向にペットフードを投影した面の表面開孔面積率が一番低い面(図1における第3方向の面である第5面C5又は第6面C6)について硬さを測定した。
比較試験例2及び3のペットフードについては、粒表面において開孔率が大きく異なる面が無いことから、長径が受け皿と並行になるように置いて硬さを測定した。
各例のペットフードの硬さの値は、以下の測定方法で得た。
圧縮試験機(テクスチャーアナライザー、型番:EZ-SX、株式会社島津製作所社製)を用い、ペットフードを一定の圧縮速度で圧縮したときの破断力を測定する。
具体的には、受け皿の上に、測定対象のペットフードを1つ置き、真上から垂直にプランジャーを一定速度で押し付けながら試験力を測定する。試験力のピーク値(最大値)を破断力の値として読み取る。ペットフード10個について測定を繰り返して平均値を求める。
上記圧縮試験機で測定される破断力(単位:kgw)の数値に9.8を掛けることによって、単位をニュートン(N)に変換する。
測定条件は以下に示す通りである。
プランジャー:幅10mm、長さ20mm、先端1mm厚み、くさび型のプランジャー
プラットフォーム:径100mmの平らの受け皿
圧縮速度:60mm/分
プランジャーの最下点:ペットフードの厚さ(高さ)に対して7~9割押し込まれるように設定
測定温度:25℃
結果を表14に示す。
圧縮試験機(テクスチャーアナライザー、型番:EZ-SX、株式会社島津製作所社製)を用い、ペットフードを一定の圧縮速度で圧縮したときの破断力を測定する。
具体的には、受け皿の上に、測定対象のペットフードを1つ置き、真上から垂直にプランジャーを一定速度で押し付けながら試験力を測定する。試験力のピーク値(最大値)を破断力の値として読み取る。ペットフード10個について測定を繰り返して平均値を求める。
上記圧縮試験機で測定される破断力(単位:kgw)の数値に9.8を掛けることによって、単位をニュートン(N)に変換する。
測定条件は以下に示す通りである。
プランジャー:幅10mm、長さ20mm、先端1mm厚み、くさび型のプランジャー
プラットフォーム:径100mmの平らの受け皿
圧縮速度:60mm/分
プランジャーの最下点:ペットフードの厚さ(高さ)に対して7~9割押し込まれるように設定
測定温度:25℃
結果を表14に示す。
上記硬さの評価から、試験例のペットフードは、比較試験例のペットフードに比べ、短時間で軟らかくなることが確認できた。
<<参考例1、試験例5、比較試験例4~5>>
嗜好性を評価する対象の参考例1のペットフードは、試験例1~4と同様に、表1に示す配合で、上記製造方法により製造した。また、上述した「乾燥減量法」で求められた実施例1のペットフードの水分含有量は、8.4%であった。
参考例1のペットフードを5秒間水に浸漬した後のペットフードを、試験例5のペットフードとした。
比較試験例1のペットフードを5秒間水に浸漬した後のペットフードを、比較試験例4のペットフードとした。
市販のソフトフードを比較試験例5のペットフードとした。
嗜好性を評価する対象の参考例1のペットフードは、試験例1~4と同様に、表1に示す配合で、上記製造方法により製造した。また、上述した「乾燥減量法」で求められた実施例1のペットフードの水分含有量は、8.4%であった。
参考例1のペットフードを5秒間水に浸漬した後のペットフードを、試験例5のペットフードとした。
比較試験例1のペットフードを5秒間水に浸漬した後のペットフードを、比較試験例4のペットフードとした。
市販のソフトフードを比較試験例5のペットフードとした。
<嗜好性の評価>
試験例5のペットフードPと、比較試験例4又は5の各ペットフードQに対して、摂食量を比較する方法で嗜好性を評価した。12頭の犬をモニターとして2日間でテストを行った。
第1日は、ペットフードPおよびQのうち、一方を左から、他方を右から、犬1頭に対して所定の給餌量で同時に与え、犬がどちらか一方を完食した時点で又は30分後に、犬が食べたペットフード量を測定した。
該犬1頭が第1日に食べた合計のペットフードの質量に対して、ペットフードQの摂食量とペットフードPの摂食量の比率(P:Q、P+Q=100%)を百分率で求めた。モニターとした犬の数に基づいて、得られた百分率を平均して、第1日の結果とした。
第2日は、ペットフードPおよびQのうち、第1日とは反対に、一方を右から、他方を左から同時に与えた。犬1頭に対して第1日と同量の給餌量で与え、犬がどちらか一方を完食した時点で又は30分後に、犬が食べたペットフード量を測定した。第1日と同様の算出方法で第2日の結果を得た。
最後に、第1日と第2日の結果を平均して、最終結果であるペットフードP:ペットフードQの摂食量の比「P:Q」を求めた。PまたはQの数値が高いほどモニターである犬が好んで摂食したことを示す。Pの値が50%より高いと、ペットフードQよりも嗜好性が向上したことを意味する。
試験例5のペットフードPと、比較試験例4又は5の各ペットフードQに対して、摂食量を比較する方法で嗜好性を評価した。12頭の犬をモニターとして2日間でテストを行った。
第1日は、ペットフードPおよびQのうち、一方を左から、他方を右から、犬1頭に対して所定の給餌量で同時に与え、犬がどちらか一方を完食した時点で又は30分後に、犬が食べたペットフード量を測定した。
該犬1頭が第1日に食べた合計のペットフードの質量に対して、ペットフードQの摂食量とペットフードPの摂食量の比率(P:Q、P+Q=100%)を百分率で求めた。モニターとした犬の数に基づいて、得られた百分率を平均して、第1日の結果とした。
第2日は、ペットフードPおよびQのうち、第1日とは反対に、一方を右から、他方を左から同時に与えた。犬1頭に対して第1日と同量の給餌量で与え、犬がどちらか一方を完食した時点で又は30分後に、犬が食べたペットフード量を測定した。第1日と同様の算出方法で第2日の結果を得た。
最後に、第1日と第2日の結果を平均して、最終結果であるペットフードP:ペットフードQの摂食量の比「P:Q」を求めた。PまたはQの数値が高いほどモニターである犬が好んで摂食したことを示す。Pの値が50%より高いと、ペットフードQよりも嗜好性が向上したことを意味する。
嗜好性試験の結果、試験例5のペットフードと比較試験例4のペットフードについては、P:Q=62:38となり、試験例5のペットフードは、比較試験例4のペットフードより嗜好性が高いと評価された。これは、試験例5のペットフードは、比較試験例4のペットフードより水を多く吸収しているため、嗜好性が向上したと推測される。
また、試験例5のペットフードと比較試験例5のペットフードについては、P:Q=53:47となり、試験例5のペットフードは、市販のソフトフードと同等以上の嗜好性があると評価された。そのため、試験例5のペットフードは、保存性や取り扱い性等のドライペットフードの利点を有しつつ、水に浸漬した際にはソフトフードと同等以上に嗜好性を高められることが確認できた。
以上より、本発明を適用した実施例のペットフードは、短時間の浸漬でも優れた吸水率を有し、さらに水に浸漬した際に嗜好性が高められることが確認できた。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付のクレームの範囲によってのみ限定される。
Claims (13)
- 水分含有量15%以下のペットフードであって、
水に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の水を吸水するペットフード。 - 前記水に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、50.0N以下である、請求項1に記載のペットフード。
- 前記水に60秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、50質量%以上の前記水を吸水する、請求項1又は2に記載のペットフード。
- 前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する、請求項1~3のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの生地100体積%に対し、5体積%以上生地が膨張する、請求項1~4のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が85%以下である、請求項1~5のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの開孔体積率100%に対し、開孔体積率が80%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における生地面積100面積%に対し、生地面積が45面積%以上増加する、請求項1~7のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒の中央部分の断面における開孔面積率100%に対し、開孔面積率が80%以下となる、請求項1~8のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記水に5秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し、粒密度が10%以上増加する、請求項1~9のいずれか一項に記載のペットフード。
- 前記水に60秒間浸漬した際に、前記水に浸漬前のペットフードの粒密度100%に対し粒密度が15%以上増加する、請求項1~10のいずれか一項に記載のペットフード。
- 水分含有量15%以下のペットフードであって、
粘度1.5dPa・sの液体に5秒間浸漬した際に、前記ペットフード100質量%に対し、30質量%以上の前記液体を吸液するペットフード。 - 前記液体に5秒間浸漬させたペットフードの粒の硬さが、50.0N以下である、請求項12に記載のペットフード。
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Cited By (1)
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JP7432049B1 (ja) | 2023-06-26 | 2024-02-15 | ユニ・チャーム株式会社 | ペットフード製品 |
-
2021
- 2021-12-27 JP JP2021213428A patent/JP2022104620A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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