JP2022103066A - 防臭剤 - Google Patents

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Kenta Nomura
理文 廣島
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Abstract

【課題】人体や繊維製品更には環境への影響が少なく、繊維製品に付着した微生物が産生する臭い化合物又は臭い化合物の産生に関与する酵素を、分解又は不活性化することで防臭する、防臭剤、防臭剤組成物、繊維製品用防臭剤組成物、及び繊維製品の防臭方法を提供する。【解決手段】下記(a)成分からなる防臭剤。(a)成分:アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物であって、全ての(a)成分を等量のn-オクタノールと水の混合物に溶解させた時の20℃におけるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(H2O)の分配割合S(Oc)/S(H2O)、又は、(a)成分のlogP値から算出されるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(H2O)の分配割合S(Oc)/S(H2O)が0.0004以上7000以下である、化合物。【選択図】なし

Description

本発明は、防臭剤、防臭剤組成物、繊維製品用防臭剤組成物、及び繊維製品の防臭方法に関する。
日常生活において、繊維製品の使用時発生する不快な悪臭として、体臭、尿臭、便臭などが挙げられる。例えば、介護現場では、洗濯後の繊維製品は臭わないが、着用後に付着した尿により、尿臭が発生し、日常生活の中で着用者や周囲の人に不快感を与えてしまい問題となる。これは、繊維製品に付着した尿に含まれる無臭の尿臭前駆体(グルクロン酸抱合体)を、繊維製品に付着する微生物(β-グルクロニダーゼ活性菌)が代謝過程において酵素(β-グルクロニダーゼ)により分解して、尿臭物質(p-クレゾール等のフェノール化合物)が生成されるためである。このように、繊維製品の着用、使用時に発生する悪臭の原因と考えられる繊維製品に付着した微生物が産生する臭い化合物又は臭い化合物の産生に関与する酵素を、分解又は不活性化して、不快臭を軽減する技術が求められる。
特許文献1には、A)抗菌性化合物0.1~10%及びB)酸化防止剤0.01~10%を含む、衣類を室内で乾燥させた際に生じる生乾きのニオイを抑制することが可能である仕上げ剤組成物が開示されている。
特許文献2には、(A)非石鹸性陰イオン界面活性剤及び非イオン界面活性剤から選択される一種以上を10~45質量%と、(B)石鹸と、(C)銅化合物を銅換算で0.04~0.8質量%と、(D)アスコルビン酸、アスコルビン酸塩及びアスコルビン酸の誘導体から選択される一種以上と、(E)無機過酸化物とを含有し、(C)成分中の銅/(D)成分で表されるモル比が1未満である、高い殺菌力を有すると共にすすぎ性が良好であり、衣料への着色物付着が抑制された粒状洗剤組成物が開示されている。
特開2007-254902号公報 特開2012-131836号公報
本発明は、人体や繊維製品更には環境への影響が少なく、繊維製品に付着した微生物が産生する臭い化合物又は臭い化合物の産生に関与する酵素を、分解又は不活性化することで防臭する、防臭剤、防臭剤組成物、繊維製品用防臭剤組成物、及び繊維製品の防臭方法を提供する。
本発明は、下記(a)成分からなる防臭剤に関する。
(a)成分:アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物であって、全ての(a)成分を等量のn-オクタノールと水の混合物に溶解させた時の20℃におけるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)、又は、(a)成分のlogP値から算出されるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)が0.0004以上7000以下である、化合物。
また、本発明は、前記本発明の防臭剤、下記(b)成分及び水を含有する、防臭剤組成物に関する。
(b)成分:(a)成分の可溶化剤
また、本発明は、前記本発明の防臭剤、及び(c)界面活性剤を含有する、繊維製品用防臭剤組成物に関する。
また、本発明は、前記本発明の繊維製品用防臭剤組成物を、繊維製品に接触させて、微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法に関する。
また、本発明は、前記本発明の繊維製品用防臭剤組成物及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、乾燥させて、繊維製品の乾燥時又は乾燥後に微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法に関する。
本発明によれば、人体や繊維製品更には環境への影響が少なく、繊維製品に付着した微生物が産生する臭い化合物又は臭い化合物の産生に関与する酵素を、分解又は不活性化することで防臭する、防臭剤、防臭剤組成物、繊維製品用防臭剤組成物、及び繊維製品の防臭方法が提供される。本発明の防臭剤、防臭剤組成物、繊維製品用防臭剤組成物、及び繊維製品の防臭方法は、例えば、繊維製品に付着する微生物(β-グルクロニダーゼ活性菌)が代謝する酵素(β-グルクロニダーゼ)を不活性化して、尿臭物質(p-クレゾール等のフェノール化合物)の発生を抑制し、尿臭を抑制することができる。
本発明の防臭剤、防臭剤組成物、繊維製品用防臭剤組成物、及び繊維製品の防臭方法が、例えば、繊維製品に付着した微生物が産生する臭い化合物又は臭い化合物の産生に関与する酵素を、分解又は不活性化することで防臭する理由は、必ずしもこれに限定されないが以下の通りである。
人体や繊維製品への影響が少ない本発明の(a)成分からなる防臭剤を含有する繊維製品用防臭剤組成物を繊維製品に接触させて処理することにより、繊維製品上に(a)成分を定着させ、該繊維製品を着用、使用した時に、該繊維製品上に付着していた、或いは、繊維処理を行った後に付着した微生物と使用過程で悪臭原因となる悪臭前駆体化合物を含む尿や汗を介して接触させることで、微生物体内に(a)成分を取り込ませる。微生物体内には、高次に構造化しているタンパク質構造体のような比較的疎水的な部位と体液等水分が多い親水的な部位が存在すると考えられるが、微生物体内で特定のS(Oc)/S(HO)比を有する(a)成分は、微生物体内の疎水性部位と親水性部位に、ある比率で分配されるものと考えられる。微生物体内の疎水性部位を構成するタンパク質構造体は、鉄(III)イオンを錯形成していたり、水酸化鉄(III)を安定化したりしていると考えられ、これらの鉄(III)イオン存在下、疎水性部位に分配された(a)成分及び微生物体内の溶存酸素とが鉄(III)イオンを触媒として反応し、過酸化水素が生成する。又、この疎水的な部位では、並行してタンパク質構造体中に存在する鉄(III)イオンと(a)成分が還元反応を起こし鉄(II)イオンを生成する。この還元された鉄(II)イオンの一部や過酸化水素は特にタンパク構造体との相互作用がないことから親水性部位に移動する。さらに微生物体内の親水性部位で、この生成した過酸化水素と疎水性部位で還元された鉄(II)イオンがフェントン反応を起こし、ヒドロキシラジカルが生成する。この反応で鉄(II)イオンは酸化されて鉄(III)イオンとなるが、更にこの鉄(III)イオンは親水性部位に分配されている(a)成分と還元反応を起こし鉄(II)イオンとなる。そして、還元された鉄(II)イオンは更に疎水性部位で生成してくる過酸化水素と反応することができるため、親水性部位でのヒドロキシラジカルの生成反応は継続的に起こることができる。この生成したヒドロキシラジカルが、微生物が産生する臭い化合物又は臭い化合物の産生に関与する酵素を、分解又は不活性化する。これにより微生物由来の悪臭が抑制される。
[防臭剤]
本発明は、下記(a)成分からなる防臭剤。
(a)成分:アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物であって、全ての(a)成分を等量のn-オクタノールと水の混合物に溶解させた時の20℃におけるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)、又は、(a)成分のlogP値から算出されるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)が0.0004以上7000以下である、化合物。
(a)成分の分配割合S(Oc)/S(HO)は、微生物の代謝に由来する臭い化合物の発生抑制による防臭の向上(以下、防臭性という)及び臭い化合物生成酵素の活性阻害(以下、酵素活性阻害という)の観点から、0.0004以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは1以上、より更に好ましくは10以上、そして、7000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは25以下である。
(a)成分のn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)は、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物に対して、20℃のn-オクタノール及び水混合溶液に溶解させた後、n-オクタノール相及び水相に存在するアスコルビン酸基を定量する方法、及び、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物のlogP値から算出する方法のいずれかによって求めることができる。
[n-オクタノール相及び水相に存在するアスコルビン酸基の定量から算出する方法]
(a)成分の分配割合S(Oc)/S(HO)は、JIS Z7260-107に基づいた方法により測定可能である。具体的には、20℃にて全ての(a)成分を等量のn-オクタノールと水の混合物に100mg/Lとなるよう溶解し、試験容器を振とう機又は手によって振とうする(5分間,約100回)。浸とう後、遠心分離を行うことで相分離し、n-オクタノール相と水相をそれぞれサンプリングして高速液体クロマトグラフィー(HPLC)等を用いて濃度を測定することで算出する。例えば、(a)成分の濃度測定は、255nmでのUV検出を用いた下記条件のHPLCにより行うことができる。
・溶離液A:1%v/vりん酸水溶液(pH3.0)
・溶離液B:メタノール/アセトニトリル=1:1(v/v)混合物
・グラジエント条件: 35%溶離液B(0-5分)→ 35%-45%溶離液B(5-12分)→ 40-90%溶離液B(12分-15分)、流量:1.5mL/min、サンプル注入量:20μL、カラム:C18-ODSカラム
[アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体のlogP値から算出する方法]
(a)成分の分配割合S(Oc)/S(HO)は、アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物に対して、次式を用いて算出する。
Figure 2022103066000001
式中、Cは化合物iの全ての(a)成分中のモル濃度であり、LogPはCrippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))を用いてChemDraw Professional 17.1より算出される化合物iのLogPである。
(a)成分のアスコルビン酸誘導体としては、アスコルビン酸脂肪酸エステル、アスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸硫酸エステル、及びアスコルビン酸配糖体から選ばれる1種以上が挙げられ、具体例としては、エチルアスコルビン酸、カプリル酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、パルミチン酸アスコルビル、イソパルミチン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、ジイソパルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、イソステアリン酸アスコルビル、ジステアリン酸アスコルビル、ジイソステアリン酸アスコルビル、ミリスチン酸アスコルビル、イソミリスチン酸アスコルビル、ジミリスチン酸アスコルビル、ジイソミリスチン酸アスコルビル、2-エチルヘキサン酸アスコルビル、ジ2-エチルヘキサン酸アスコルビル、オレイン酸アスコルビル、ジオレイン酸アスコルビル、テトラヘキシルデカン酸アスコルビル、グリセリルアスコルビン酸エステル、カプリリルアスコルビン酸-2-グリセリルエステル等のアスコルビン酸アルキル脂肪酸エステル、アスコルビン酸-2-リン酸エステル、アスコルビン酸-3-リン酸エステル、DL-α-トコフェロール-2-アスコルビン酸リン酸ジエステル、パルミチルアスコルビン酸―2リン酸エステル等のアスコルビン酸リン酸エステル、アスコルビン酸-2-硫酸エステル、アスコルビン酸-3-硫酸エステル等のアスコルビン酸硫酸エステル、アスコルビン酸-2-グルコシド等のアスコルビン酸配糖体等が挙げられ、これらは1種以上を用いることができる。(a)成分のアスコルビン酸誘導体は、これらの塩も使用可能であり、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩等が好適に用いられる。但し、これらのアスコルビン酸誘導体を用いる場合、(a)成分の分配割合S(Oc)/S(HO)が前記範囲を満たす必要がある。具体的には、アスコルビン酸及びこれらのアスコルビン酸誘導体を1種又は特定の2種以上の併用によって、(a)成分の分配割合S(Oc)/S(HO)が前記範囲を満たすことができる。
(a)成分は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、アスコルビン酸脂肪酸エステルから選ばれる1種以上が好ましい。アスコルビン酸脂肪酸エステルの原料脂肪酸の炭素数は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは12以上、そして、好ましくは26以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下である。アスコルビン酸脂肪酸エステルは、モノエステル、ジエステル、又はトリエステルが挙げられ、好ましくはモノエステルである。
(a)成分が1種のアスコルビン酸脂肪酸エステルである場合には、原料脂肪酸の炭素数は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、更に好ましくは10以上、より更に好ましくは12以上、そして、好ましくは26以下、より好ましくは20以下、更に好ましくは18以下、より更に好ましくは16以下、より更に好ましくは14以下である。
(a)成分が2種以上のアスコルビン酸及びアスコルビン酸脂肪酸エステルから併用される場合には、(a)成分全体での分配割合S(Oc)/S(HO)が前記範囲を満たすことができれば特に組み合わせに制限はない。(a)成分が2種のアスコルビン酸及びアスコルビン酸脂肪酸エステルから併用される場合、一方のアスコルビン酸及びアスコルビン酸脂肪酸エステルの分配割合S(Oc)/S(HO)は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.0004以上、そして、好ましくは1.0以下、より好ましくは0.5以下、更に好ましくは0.1以下であり、具体的には、アスコルビン酸又は原料脂肪酸の炭素数が2以上10以下であるアスコルビン酸脂肪酸エステルであり、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、アスコルビン酸が好ましい。他方のアスコルビン酸脂肪酸エステルの分配割合S(Oc)/S(HO)は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは10以上、より好ましくは100以上、更に好ましく500以上、そして、好ましくは8000以下、より好ましくは1000以下、であり、具体的には、原料脂肪酸の炭素数が、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは12以上、より好ましくは14以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは18以下、更に好ましくは16以下である。
2種のアスコルビン酸及びアスコルビン酸脂肪酸エステルの添加量比率は、それぞれの分配割合S(Oc)/S(HO)を平均して算出されるn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)の値が、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、0.0004以上、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.1以上、更に好ましくは0.3以上、より更に好ましくは1以上、より更に好ましくは10以上、そして、7000以下、好ましくは1000以下、より好ましくは100以下、更に好ましくは50以下、より更に好ましくは25以下となるように調製することが好ましい。
本発明の(a)成分の使用態様として、水中での対象物への処理を行うことを目的にする態様の場合、対象物表面へ吸着する(a)成分の組成が変動する場合効果のばらつきが出る為、1種のアスコルビン酸脂肪酸エステルで防臭剤を構成することが好ましい。又、対象物表面へスプレー等で噴霧する、或いは塗布するような使用態様の場合には、対象表面に(a)成分はすべてが定着する為、1種のアスコルビン酸脂肪酸エステルであっても、2種以上のアスコルビン酸及びアスコルビン酸脂肪酸エステルであってもよい。
[防臭剤組成物]
本発明は、前記本発明の防臭剤、下記(b)成分、及び水を含有する、防臭剤組成物を提供する。
(b)成分:(a)成分の可溶化剤
また本発明は、(a)成分、(b)成分、及び水を含有する、防臭剤組成物を提供する。
本発明の防臭剤を広範囲の用途で使用しようとする場合、より汎用性を上げるために水性組成物とすることが好ましい。
本発明の防臭剤組成物において、(a)成分は、本発明の防臭剤で記載した態様と同じである。
本発明の防臭剤組成物は、本発明の防臭剤で記載した態様を適宜適用することができる。
(b)成分は、(a)成分の可溶化剤である。(b)成分は(a)成分の防臭効果を阻害しなければ特に限定されるものではないが、界面活性剤及び溶剤から選ばれる1種以上である。
(b)成分の界面活性剤は、非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、及び両性界面活性剤が挙げられるが、防臭剤組成物として多くの用途への配合汎用性を考慮すると非イオン性界面活性剤が好ましい。
(b)成分の界面活性剤は、下記一般式(b1)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
1b-O-[(CO)(CO)]-H(b1)
〔式中、R1bは、(a)成分の水中への溶解性の観点から、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基である。s及びtは平均付加モル数であって、(a)成分の水中への溶解性の観点から、sは2以上、好ましくは6以上、より好ましくは8以上、そして、20以下、好ましくは15以下の数、tは0以上、好ましくは1以上、そして、5以下、好ましくは3以下の数であり、tは0であってもよい。(CO)と(CO)はランダム重合体又はブロック重合体であってもよい。〕
(b)成分の溶剤は、汎用性、(a)成分の水中への溶解性の観点から、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、及びエチレングリコールから選ばれる1種以上が挙げられ、好ましくはエタノール、及びプロパノールから選ばれる1種以上である。
本発明の防臭剤組成物は、(a)成分を、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下含有する。又本発明の防臭剤組成物は、(a)成分を、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.0001モル%以上、より好ましくは0.0005モル%以上、更に好ましくは0.001モル%以上、そして、好ましくは0.3モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下、更に好ましくは0.05モル%以下含有する。
本発明の防臭剤組成物は、(b)成分を、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上、より更に好ましくは5.0質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下含有する。
本発明の防臭剤組成物における(a)成分の含有量と(b)成分の含有量との質量比(a)/(b)は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.2以上、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.3以下である。
本発明の防臭剤組成物は、水を含有する。水は、イオン交換水、蒸留水、水道水、次亜塩素酸塩ナトリウムを1mg/kg以上5mg/kg以下含有する水などを使用することができる。本発明の防臭剤組成物は、水を、組成物を構成する成分の残部として用いればよいが、具体的には、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは92質量%以下含有する。
[繊維製品用防臭剤組成物]
本発明は、前記本発明の防臭剤、及び(c)界面活性剤を含有する、繊維製品用防臭剤組成物を提供する。
また本発明は、(a)成分、及び(c)界面活性剤を含有する、繊維製品用防臭剤組成物を提供する。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物において、(a)成分は、本発明の防臭剤で記載した態様と同じである。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、本発明の防臭剤で記載した態様を適宜適用することができる。
(c)成分は、界面活性剤である。
界面活性剤としては、特に限定されないが(c1)陰イオン界面活性剤(以下、(c1)成分ともいう)、(c2)陽イオン界面活性剤(以下、(c2)成分ともいう)、(c3)非イオン界面活性剤(以下、(c3)成分ともいう)、及び(c4)両性界面活性剤(以下、(c4)成分ともいう)から選ばれる1種以上が挙げられる。尚、(c)成分は、本発明の防臭剤組成物に用いられる(b)成分と同じ界面活性剤であってもよい。
(c1)陰イオン界面活性剤としては、炭素数8以上18以下の炭化水素基を1つ以上と、スルホン酸基、硫酸エステル基及びカルボン酸基からなる群から選ばれる基の1つ以上とを有する陰イオン界面活性剤が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、炭素数8以上18以下のアルキル又はアルケニルベンゼンスルホン酸又はその塩、炭素数8以上18以下のポリオキシアルキレンアルキル又はアルケニルエーテル硫酸エステル又はその塩、炭素数8以上18以下のアルキル又はアルケニル硫酸エステル又はその塩、炭素数8以上18以下の内部オレフィンスルホン酸又はその塩、及び脂肪酸又はその塩等が挙げられる。
陰イオン界面活性剤の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩が好ましい。
(c2)陽イオン界面活性剤としては、第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。第4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤としては、窒素原子に結合する基のうち、1つ又は2つが炭素数6以上、好ましくは8以上、そして、26以下、好ましくは18以下の炭化水素基であり、残りが炭素数1以上3以下のアルキル基、炭素数1以上3以下のヒドロキシアルキル基及びアリールアルキル基(ベンジル基等)からなる群から選ばれる基である4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。(c2)成分は、防臭を目的に本発明の防臭剤を添加して使用する用途によって選択されるが、例えば、繊維製品用洗浄剤組成物の場合、殺菌性能を有する4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が好ましく、殺菌性能の点から、ベンジル基を有する4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が好ましい。繊維製品用柔軟剤組成物の場合、柔軟性を付与できる4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が好ましく、近年特徴的な構造の4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が開発されており特に限定しないが、柔軟基材として従来から知られている4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤の一例としては、炭素数16以上22以下のアルキル基又はアルケニル基を1又は2個有し、メチル基を2又は3有する4級アンモニウム塩型陽イオン界面活性剤が挙げられる。
(c3)非イオン界面活性剤としては、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するポリオキシアルキレンアルキルエーテル、炭素数8以上18以下のアルケニル基を有するポリオキシアルキレンアルケニルエーテル、炭素数8以上18以下の脂肪酸基を有するポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルグリコシド、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルポリグリコシド、炭素数8以上18以下の脂肪酸基を有するショ糖脂肪酸エステル、炭素数8以上18以下のアルキル基を有するアルキルポリグリセリルエーテル等が挙げられ、これらは1種又は2種以上を用いることができる。(c3)成分は、炭素数8以上18以下のアルキル基を有しエチレンオキサイド平均付加モル数が2以上50以下であるポリオキシエチレンアルキルエーテルが好ましい。
(c3)成分は、下記一般式(c3)で表される非イオン界面活性剤が好ましい。
31c-O-[(CO)(CO)]-H(c3)
〔式中、R31cは、炭素数8以上、好ましくは10以上、そして、18以下、好ましくは16以下のアルキル基又はアルケニル基であり、1級アルコール又は2級アルコールに由来する残基であってよい。s及びtは平均付加モル数であって、sは2以上、好ましくは4以上、より好ましくは6以上、更に好ましくは10以上、そして、50以下、好ましくは40以下、より好ましくは20以下の数、tは0以上、好ましくは1以上、そして、5以下、好ましくは3以下の数であり、tは0であってもよい。(CO)と(CO)はランダム重合体又はブロック重合体であってもよい。〕
(c4)両性界面活性剤としては、ベタイン型界面活性剤及びアミンオキシド型界面活性剤から選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。(c4)成分は、具体的には、スルホベタイン、カルボベタイン及びアミンオキサイドから選ばれる1種以上の界面活性剤が挙げられる。
スルホベタインとしては、アルキル基の炭素数が好ましくは10以上18以下、のN-アルキル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルキル基の炭素数が10以上18以下のN-アルキル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が10以上18以下のN-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-スルホプロピルアンモニウムスルホベタイン、アルカノイル基の炭素数が10以上18以下のN-アルカノイルアミノプロピル-N,N-ジメチル-N-(2-ヒドロキシスルホプロピル)アンモニウムスルホベタインが挙げられる。
カルボベタインとしては、アルキル基の炭素数が10以上18以下のN-アルキル-N,N-ジメチル-N-カルボキシメチルアンモニウムベタインや下記一般式(c41)で表される化合物が挙げられる。
Figure 2022103066000002
〔式中、R41cは炭素数7以上21以下のアルキル基又はアルケニル基を示し、R42cはプロピレン基を示し、R43c及びR44cは、それぞれ独立に、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。〕
アミンオキサイドとしては、下記一般式(c42)の化合物が好適である。
Figure 2022103066000003
〔式中、R45cは炭素数7以上22以下の炭化水素基、好ましくはアルキル基又はアルケニル基、より好ましくはアルキル基を示し、R46c及びR47cは、同一又は異なって、炭素数1以上3以下のアルキル基を示す。Dは-NHC(=O)-基又は-C(=O)NH-基を示し、Eは炭素数1以上5以下のアルキレン基を示す。m及びpは、m=0かつp=0又はm=1かつp=1を示す。〕
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、(a)成分を、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、そして、好ましくは10質量%以下、より好ましくは8質量%以下、更に好ましくは5質量%以下含有する。又本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、(a)成分を、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.0001モル%以上、より好ましくは0.0005モル%以上、更に好ましくは0.001モル%以上、そして、好ましくは0.3モル%以下、より好ましくは0.1モル%以下、更に好ましくは0.05モル%以下含有する。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、(c)成分を、繊維処理剤としての性能確保、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.001質量%以上、より好ましくは0.01質量%以上、更に好ましくは0.1質量%以上、より更に好ましくは1質量%以上、より更に好ましくは5.0質量%以上、そして、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、更に好ましくは15質量%以下含有する。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物において、(a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(a)/(c)は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.2以上、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.3以下である。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、目的に応じて、その他の任意成分として、本発明の効果に影響を与えない範囲で、下記の(1)~(13)の成分(但し、(a)成分、(b)成分、(c)成分に該当するものは除く)を含有することが出来る。
(1)アルカリ剤
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、洗浄力の向上の点からアルカリ剤を含有することが好ましい。アルカリ剤は、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩などの無機アルカリ剤、窒素原子に結合する基のうち、1つ以上、3つ以下が炭素数2以上、4以下のアルカノール基であり、残りが炭素数1以上、4以下のアルキル基又は水素原子であるアルカノールアミンを挙げることができる。このうちアルカノール基はヒドロキシアルキル基、更にヒドロキシエチル基であるものが好ましい。アルカノール基以外は水素原子、又はメチル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。アルカノールアミンとしては、2-アミノエタノール、N-メチルエタノールアミン、N,N-ジメチルエタノールアミン、N,N-ジエチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、N-メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン類が挙げられる。
また、上記(1)成分であるアルカリ剤は、本発明の繊維製品用防臭剤組成物のpHを所定の値に調整する為にも用いることが出来る。
(2)キレート剤
キレート剤の具体例として、例えば、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸等のアミノポリ酢酸又はこれらの塩、クエン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸等の有機酸又はこれらの塩、1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、これらのアルカリ金属又は低級アミン塩等が挙げられる。
(3)再汚染防止剤及び/又はポリマー系分散剤
再汚染防止剤及び/又はポリマー系分散剤としては、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。
(4)漂白剤
漂白剤としては、過酸化水素、過炭酸ナトリウム、過硼酸ナトリウム等が挙げられる。
(5)漂白活性化剤
漂白活性化剤としては、テトラアセチルエチレンジアミン、特開平6-316700号の一般式(I-2)~(I-7)で表される漂白活性化剤等が挙げられる。
(6)酵素
酵素としては、アミラーゼ、スクラーゼ、マルターゼ、ラクターゼ、プルラナーゼ、フラクトフラノシダーゼ、セルラーゼ、プロテアーゼ及びリパーゼから選ばれる1種以上の酵素が挙げられる。
(7)蛍光染料
蛍光染料としては、例えばチノパールCBS(商品名、チバスペシャリティケミカルズ製)やホワイテックスSA(商品名、住友化学社製)として市販されている蛍光染料が挙げられる。
(8)酸化防止剤
酸化防止剤としては、ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール、亜硫酸ナトリウム及び亜硫酸水素ナトリウム等が挙げられる。
(9)色素、香料、抗菌防腐剤、シリコーン等の消泡剤
(10)水酸基を有する有機溶剤
水酸基を有する有機溶剤としては、以下の(10-1)成分~(10-6)成分から選ばれる1種以上の化合物が用いられる。尚、(10-1)成分~(10-6)成分は、本発明の防臭剤組成物に用いられる(b)成分と同じ溶剤であってもよい。
(10-1)成分:炭素数2以上6以下の脂肪族炭化水素基を有する1価のアルコール
(10-1)成分として、例えばエタノール、1-プロパノール、2-プロパノール及び1-ブタノールから選ばれる1価のアルコールが挙げられる。
(10-2)成分:炭素数2以上6以下の2価以上6価以下のアルコール
(10-2)成分として、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール及びグリセリンから選ばれる2価又は3価のアルコールが挙げられる。2-メチル-2,4-ペンタンジオールは、ヘキシレングリコールとも称される。
(10-3)成分:炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位を含有するポリアルキレングリコール
(10-3)成分として、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、重量平均分子量400以上4000以下のポリエチレングリコール及び重量平均分子量400以上4000以下のポリプロピレングリコールから選ばれるポリアルキレングリコールが挙げられる。
(10-4)成分:炭素数2以上4以下のアルキレングリコール単位と、炭素数1以上4以下のアルキル基とを有する、(モノ又はポリ)アルキレングリコールのモノアルキルエーテル
(10-4)成分として、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、1-メトキシ-2-プロパノール及び1-エトキシ-2-プロパノールから選ばれる化合物が挙げられる。
(10-5)成分:炭素数1以上8以下のアルキルを有するアルキルグリセリルエーテル
(10-5)成分として、例えば1-メチルグリセリルエーテル、2-メチルグリセリルエーテル、1,3-ジメチルグリセリルエーテル、1-エチルグリセリルエーテル、1,3-ジエチルグリセリルエーテル、トリエチルグリセリルエーテル、1-ペンチルグリセリルエーテル、2-ペンチルグリセリルエーテル、1-オクチルグリセリルエーテル及び2-エチルヘキシルグリセリルエーテルから選ばれるアルキルグリセリルエーテルが挙げられる。
(10-6)成分:炭素数2又は3のアルキレングリコール単位を有する(モノ又はポリ)アルキレングリコールの芳香族アルキルエーテル
(10-6)成分として、例えば2-フェノキシエタノール、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、トリエチレングリコールモノフェニルエーテル、平均分子量約480のポリエチレングリコールモノフェニルエーテル、2-ベンジルオキシエタノール及びジエチレングリコールモノベンジルエーテルから選ばれる化合物が挙げられる。
前記(10-4)成分、(10-6)成分において「(モノ又はポリ)アルキレングリコール」なる用語は、モノアルキレングリコール又はポリアルキレングリコールを意味する。また、「ポリアルキレングリコール」とは、アルキレングリコール単位を2個以上9個以下の量で含有することを意味する。
(11)ハイドロトロープ剤
ハイドロトロープ剤は、陰イオン性基を有する有機化合物であり、更にはメチル基、エチル基又はプロピル基から選ばれるアルキル基を1つ又は2つ含み、スルホン酸基又はカルボン酸基を1つ有するアルキルベンゼンカルボン酸又はアルキルベンゼンスルホン酸又はそれらの塩、並びに安息香酸又はその塩を挙げることができる。より具体的にはパラトルエンスルホン酸、クメンスルホン酸、メタキシレンスルホン酸、安息香酸であり、塩はアルカリ金属塩が好ましい。
(12)香料
香料は、マスキング効果を有し、場合によっては、それ自体が消臭性能を有する基材であることもある。
香料としては、例えば「香料と調香の基礎知識、中島基貴 編著、産業図書株式会社発行、2005年4月20日 第4刷」に記載の香料及び特表平10-507793号公報記載の香料を使用することができる。また、特開2014-213072号公報に記載の賦香剤の技術を用いることができ、ケイ酸エステル香料やマイクロカプセル香料も使用することができる。
(13)消臭基材
消臭基材としては、特開2018-29836号公報に記載のポリヒドロキシアミン化合物が挙げられる。
ポリヒドロキシアミン化合物としては、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-アミノ-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-メチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-エチル-1,3-プロパンジオール、2-アミノ-2-ヒドロキシエチル-1,3-プロパンジオール、及びこれらと塩酸等の無機酸等が挙げられる。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、水を含有することができる。水は、イオン交換水、蒸留水、水道水、次亜塩素酸塩ナトリウムを1mg/kg以上5mg/kg以下含有する水などを使用することができる。本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、水を、組成物を構成する成分の残部として用いればよいが、具体的には、好ましくは50質量%以上、より好ましくは70質量%以上、更に好ましくは80質量%以上、そして、好ましくは98質量%以下、より好ましくは95質量%以下、更に好ましくは92質量%以下含有する。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、25℃におけるpHが、その目的によって適宜設定が可能だが、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは3以上、より好ましくは4以上、そして、好ましくは12以下、より好ましくは11以下である。該pHは、ガラス電極を用いて25℃で測定した値である。具体的には、以下の方法で測定されたものである。
<pHの測定方法>
堀場製作所製pHメーター D-52にpH電極(型式6367)をあらかじめフタル酸緩衝液(pH4.01)、リン酸標準液(pH6.84)、ホウ酸塩標準液(pH9.18)で校正し、イオン交換水で十分すすいでおく。温度を25℃に調整した繊維製品用防臭剤組成物に、上記の通り校正、洗浄したpH電極を入れ、pHメーターのAUTO HOLDモードを用いて、測定値が一定になるまで測定する。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物の25℃における粘度は、スプレーヤーを備えた容器での噴霧適性の観点から、好ましくは15mPa・s以下、より好ましくは10mPa・s以下、更に好ましくは5mPa・s以下であり、そして、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは1.5mPa・s以上、更に好ましくは2mPa・s以上である。
繊維製品用防臭剤組成物の粘度は、東京計器株式会社製、B型粘度計(モデル形式BM)に、No.1のローターを取り付け、防臭剤組成物を200mL容量のガラス製トールビーカーに充填し、ウォーターバスにて25±0.3℃に調製し、ローターの回転数を60r/minに設定し、測定を始めてから60秒後の指示値である。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、各種の繊維製品用処理剤に防臭効果の付与を目的にして本発明の防臭剤を含有させることによって使用することができる。繊維製品用処理剤としては、繊維製品用洗浄剤組成物、繊維製品用柔軟剤組成物、スプレー式繊維製品用消臭剤組成物、繊維製品用帯電防止剤等が挙げられる。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、本発明の繊維製品用防臭剤組成物を繊維製品用洗浄剤組成物として用いる場合、衣類、タオル、寝具、寝具用の繊維製品(シーツ、枕カバーなど)などの洗濯が可能な繊維製品の洗浄に用いられる。
また本発明の繊維製品用防臭剤組成物は、本発明の繊維製品用防臭剤組成物を繊維製品に噴霧又は塗布する場合、スーツ、セーター、スカート、コート等の衣類等、カーテン等の布地、カーペット、ソファー、トイレ座面カバー等のインテリアファブリック、車の座席シート等の洗濯では洗浄しにくい繊維製品の防臭に用いられる。
又、繊維製品に近い紙おむつ、生理用品、不織布マスク、不織布シーツ、ペット用シート等の不織布製品は、使い捨て等の用途が多いが、使用時に尿臭等の悪臭が気になることがあるため、本発明の繊維製品用防臭剤組成物を使用前に噴霧や塗布を行うことによって適用できる。
[繊維製品の防臭方法]
本発明は、本発明の繊維製品用防臭剤組成物を、繊維製品に接触させて、微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法を提供する。
また本発明は、(a)成分を含有する繊維製品用防臭剤組成物を、繊維製品に接触させて、微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法を提供する。
本発明の繊維製品の防臭方法は、本発明の防臭剤、本発明の防臭剤組成物、本発明の繊維製品用防臭剤組成物に記載した態様と適宜適用することができる。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物を、繊維製品に接触させる方法としては、例えば洗浄剤として使用する場合、本発明の繊維製品用防臭剤組成物と水を混合して洗浄液を調製し、該洗浄液で繊維製品を洗浄する方法が挙げられる。すなわち本発明は、本発明の繊維製品用防臭剤組成物及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、本発明の(a)成分を繊維製品に付着させ、その後、乾燥させて、繊維製品の乾燥時又は乾燥後(着用時)に微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法を提供する。
本発明の対象となる微生物としては、鉄(III)イオンを錯形成するタンパク質、又は水酸化鉄(III)を安定化する高次構造を作るタンパク質を、構成タンパク質として含む微生物であればよく、具体的には、大腸菌、黄色ブドウ球菌等のブドウ球菌、マイクロコッカス属菌、モラクセラ属菌、アシネトバクター属菌、プロピオニバクテリウム属菌、コリネバクテリウム属菌、レジオネラ属菌、ラクトバシラス属菌、クロストリジウム属菌、レンサ球菌、ヘモフィルス属菌、赤痢菌、青枯病菌、スフィンゴビウム属菌、シュードモナス属菌、キサントモナス属菌、及びアスペルギルス属菌等が挙げられる。
微生物が産生する臭い化合物としては、p-クレゾール等のフェノール類、スカトール等のインドール類、3-ヒドロキシ‐3-メチルヘキサン酸や3-メチル‐2-ヘキセン酸等の脂肪酸類、3-メルカプト-3-メチルヘキサノール等のチオアルコール類、アンモニア等のアミン類、アンドロステノン等のステロイド類から選ばれる1種以上が挙げられる。
微生物が産生する臭い化合物の産生に関与する酵素としては、β-グルクロニダーゼ、リパーゼ、アミノアシラーゼ、β-リア―ゼ、ウレアーゼ、及びアリールサルファターゼから選ばれる1種以上が挙げられる。
前記洗浄液中の(a)成分の含有量は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、そして、好ましくは0.01質量%以下、より好ましくは5質量%以下、更に好ましくは3質量%以下である。
前記洗浄液中の(c)成分の含有量は、繊維処理剤としての性能確保、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.00001質量%以上、より好ましくは0.0001質量%以上、更に好ましくは0.001質量%以上、そして、好ましくは15質量%以下、より好ましくは12質量%以下である。
前記洗浄液中の(a)成分の含有量と(c)成分の含有量との質量比(a)/(c)は、防臭性及び酵素活性阻害の観点から、好ましくは0.01以上、より好ましくは0.05以上、更に好ましくは0.1以上、より更に好ましくは0.2以上、そして、好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、更に好ましくは0.5以下、より更に好ましくは0.3以下である。
前記洗浄液は、各成分の含有量がこの範囲となるように本発明の繊維製品用防臭剤組成物を水で希釈して調製することが好ましい。具体的な希釈倍率としては、本発明の繊維製品用防臭剤組成物の粘度等の形態や衣料洗浄時の作業性の観点から、好ましくは5倍以上、より好ましくは50倍以上、更に好ましくは500倍以上、より更に好ましくは800倍以上、そして、好ましくは5000倍以下、より好ましくは3000倍以下であってよい。
本発明の繊維製品の防臭方法において、繊維製品の質量(kg)と洗浄液の量(リットル)の比で表される浴比の値、すなわち洗浄液の量(リットル)/衣料の質量(kg)(以下、この比を浴比とする場合もある)の値は、洗浄性を確保する観点から、好ましくは2以上、より好ましくは3以上、更に好ましくは4以上、より更に好ましくは5以上、そして、好ましくは400以下、より好ましくは300以下である。
本発明の繊維製品の防臭方法において、繊維製品を洗浄する時間は、洗浄性を確保する観点から、好ましくは1分以上、より好ましくは2分以上、更に好ましくは3分以上、そして、好ましくは12時間以下、より好ましくは8時間以下、更に好ましくは6時間以下、より更に好ましくは3時間以下、より更に好ましくは1時間以下である。
本発明の繊維製品の防臭方法では、繊維製品を洗浄した後、該衣料を水ですすぐ。すすぎでは、前記洗浄液の浴比と同様の比で、すすぎ水を繊維製品に対して用いることができる。また、すすぎの時間も前記洗浄の時間と同様の範囲とすることができる。
本発明の繊維製品の防臭方法は、回転式洗浄方法にも適している。回転式洗浄方法とは、回転機器に固定されていない繊維製品が洗浄液と共に、回転軸の周りに回転する洗浄方法を意味する。回転式洗浄方法は回転式洗濯機により実施できる。回転式の洗濯機としては、具体的には、ドラム式洗濯機、パルセータ式洗濯機又はアジテータ式洗濯機が挙げられる。これらの回転式洗濯機は、それぞれ、家庭用として市販されているものを使用することができる。1回の洗濯に使用する水の量がより低減できる点で、近年、ドラム式洗濯機が急速に普及している、ドラム式洗濯機は、とりわけ洗浄時の水の量を低減できる。
本発明の繊維製品用防臭剤組成物を、繊維製品に接触させる方法としては、本発明の繊維製品用防臭剤組成物を繊維製品に噴霧又は塗布する方法が挙げられる。すなわち本発明は、本発明の繊維製品用防臭剤組成物を、繊維製品に噴霧又は塗布して、微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法を提供する。
前記繊維製品の防臭方法に用いられる本発明の繊維製品用防臭剤組成物中の各成分の種類や含有量等は前述のとおりである。
前記繊維製品の防臭方法において、本発明の繊維製品用防臭剤組成物を繊維製品に噴霧又は塗布する方法は、スプレーヤー付き容器に本発明の繊維製品用防臭剤組成物を充填し、該防臭剤組成物を繊維製品に噴霧することにより、防臭剤組成物を繊維製品と接触させる方法が好ましい。また、布、ブラシ等の塗布具により本発明の繊維製品用防臭剤組成物を繊維製品に塗布することにより、該防臭剤組成物を繊維製品と接触させてもよい。
下記成分を用い、表1、2に示す試験液を調製し、得られた組成物を用いて、下記の評価を行った。
<配合成分>
(a)成分
・カプリル酸アスコルビル:合成品、LogP -0.39
・ラウリン酸アスコルビル:合成品、LogP 1.28
・パルミチン酸アスコルビル:東京化成製、LogP 2.95
・ステアリン酸アスコルビル:東京化成製、LogP 3.79
・アスコルビン酸:東京化成製、LogP -3.36
カプリル酸アスコルビル及びラウリン酸アスコルビルは、J Am Oil Chem Soc54: 308-312(1977)に準じて合成を行った。
<ラウリン酸アスコルビルの合成>
L-アスコルビン酸(8.0mmol)とラウリン酸(10mmol)を濃硫酸(25mL)に溶かし、25℃で24時間撹拌しエステル化反応を行った。反応液を氷水中(150mL)に注ぎ、ジエチルエーテルで抽出を行った後、エバポレーターにより溶媒を留去することで粗生成物を得た。得られた粗生成物をヘキサンで洗浄することで精製を行った。反応の経過および化合物の同定はTLC及びNMRスペクトルの測定により行ない、98%以上の純度であることを確認した。
<カプリル酸アスコルビルの合成>
ラウリン酸をカプリル酸に変更する以外は、ラウリン酸アスコルビルの合成方法と同様にしてカプリル酸アスコルビルの合成を行った。反応の経過および化合物の同定はTLC及びNMRスペクトルの測定により行ない、98%以上の純度であることを確認した。
表1、2の各試験液の(a)成分を等量のn-オクタノールと水の混合物に溶解させた時の20℃におけるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)は、次式を用いて算出した。
Figure 2022103066000004
式中、Cは各化合物iの全ての(a)成分中のモル濃度であり、LogPはCrippen's fragmentation法(J.Chem.Inf.Comput.Sci.,27,21(1987))を用いてChemDraw Professional 17.1より算出される各化合物iのLogPである。
(b)成分
・ポリオオキシエチレン(10)ラウリルエーテル:一般式(b3)中、R1bが炭素数12のアルキル基、sが10、tが0の化合物
<その他の成分>
・フェリチン:フェリチン(ウマ脾臓由来)(100mg/1mL)(東京化成工業(株)製)、鉄(III)イオンを保有するモデルタンパク質
・p-ニトロフェノール:p-ニトロフェノール(富士フィルム和光純薬製)、臭いモデル物質
・p-ニトロフェニル-β-D-グルクロニド:4-ニトロフェニル-β-D-グルクロニド(Combi-Blocks製)、臭いモデル物質前駆体
・p-クレゾール-グルクロニド:p-Cresol Glucuronide(Toronto社製)、尿臭物質前駆体
・β-グルクロニダーゼ:β-グルクロニダーゼType VII-A(大腸菌由来)、尿臭産生関与酵素
<防臭性の評価>
(1)尿臭産生関与酵素への阻害効果
表1に記載の試験液833ppmと、鉄(III)イオンをタンパク質構造体中に水酸化鉄(III)として保有するモデルタンパク質であるフェリチン100ppmと、臭いモデル物質の前駆体であるp-ニトロフェニル-β-グルクロニド1mM、微生物が産生する臭い化合物の産生に関与する酵素であるβ-グルクロニダーゼ0.5units/mLとを、りん酸バッファ(pH6.0)と混合し、37℃条件下で24時間反応させた。
あらかじめ1M グリシンバッファー(pH10.4) 40μLを分注した96wellプレートのwell中に、前記反応液160μLを加えマイクロプレートリーダーInfinite200PRO(登録商標、Tecan社)を用い、臭いモデル物質のp-ニトロフェノールの特徴的ビーク値である波長405nmにおける吸光度を測定した。また、前記試験液の代わりにイオン交換水を用いた場合(比較例2)をコントロールとし、同様に吸光度を測定した。得られた測定値から次式を用いてβ-グルクロニダーゼの相対酵素活性阻害率を算出した。
微生物のβ-グルクロニダーゼ活性菌が産生する臭い化合物の産生に関与する酵素であるβ-グルクロニダーゼは、臭いモデル物質の前駆体であるp-ニトロフェニル-β-グルクロニドを分解して、臭いモデル物質であるp-ニトロフェノールを発生させる。このβ-グルクロニダーゼの相対酵素活性阻害率が高いほど、臭いモデル物質であるp-ニトロフェノールの発生を抑制するため防臭できていることが言える。結果を表1に示す。
尚、フェリチンは、微生物内で疎水的な部位を形成する鉄(III)イオンを保有するタンパク質構造体のモデルであり、調製した試験液は、りん酸バッファ雰囲気であり、微生物内で親水的な部位のモデルとなり、全体として微生物菌体内のモデルとなる。
Figure 2022103066000005
また臭いモデル物質であるp-ニトロフェノールを水で希釈し0.05、0.1、0.5、1mMの検量線用溶液を調製し、同様にp-ニトロフェノールの特徴的ビーク値である波長405nmにおける吸光度を測定し、検量線を作成した。作成した検量線から、各反応液のp-ニトロフェノール量(nmol/mL)を算出した。p-ニトロフェノール量が少ないほど防臭性に優れることが言える。結果を表1に示す。
(2)洗濯処理による防臭評価
介護施設より回収したシーツを6cm×6cm(0.4g)に裁断し、試験布とした。ターゴトメーター(上島製作所製)を用いて洗浄操作を行った。洗浄に使用する水は和歌山市の水道水を使用した。表1に記載の試験液が、洗浄液中の濃度において833ppmとなるように水道水と混合し、洗浄液を得た。洗浄試験用の1リットルのステンレスビーカーに、洗浄液0.6Lと試験布3枚を投入した。洗浄液の温度は20℃であった。ターゴトメーターで85rpm、10分間、試験布を洗浄した。洗浄後、二層式洗濯機PS-H35L((株)日立製作所製)で1分間脱水を行った。脱水した試験布を水道水0.6Lに投入して、ターゴトメーターで85rpm、3分間、濯ぎを行った。試験布を濯ぎ後、再び脱水を行った後、モデル尿として尿臭物質前駆体p-クレゾール-グルクロニド50ppm水溶液を200μL塗布し、密閉した状態で30℃恒温槽にて6時間静置した。静置後の試験布の悪臭強度について、6名のパネラーにより下記評価基準における6段階の臭気強度表示に従って官能評価を行い、6名の平均値の結果を表1に示した。
5:異臭が強烈に感じられる
4:異臭が強く感じられる
3:異臭がやや強く感じられる
2:異臭が弱く感じられる
1:異臭がやっと感知できる程度に感じられる
0:異臭が全くしない
Figure 2022103066000006
(3)スプレー処理による防臭評価
介護施設より回収したシーツを6cm×6cm(0.4g)に裁断し、試験布とした。試験布に、スプレーバイアルNo5(マルエム製)を用いて、表2に示す試験液を0.4gスプレー塗布した後、モデル尿として尿臭物質前駆体p-クレゾール-グルクロニド50ppm水溶液を200μL塗布し、密閉した状態で30℃恒温槽にて6時間静置した。静置後の試料布の悪臭強度について、6名のパネラーにより下記評価基準における6段階の臭気強度表示に従って官能評価を行い、6名の平均値の結果を表2に示した。
5:異臭が強烈に感じられる
4:異臭が強く感じられる
3:異臭がやや強く感じられる
2:異臭が弱く感じられる
1:異臭がやっと感知できる程度に感じられる
0:異臭が全くしない
Figure 2022103066000007
表3に繊維製品用液体洗浄剤組成物に本発明の防臭剤を適用する配合例を示す。
Figure 2022103066000008
表4に繊維製品用粉体洗浄剤組成物に本発明の防臭剤を適用する配合例を示す。
Figure 2022103066000009
表5に繊維製品用柔軟剤組成物に本発明の防臭剤を適用する配合例を示す。
Figure 2022103066000010
表6にスプレー式繊維製品用消臭剤組成物に本発明の防臭剤を適用する配合例を示す。
Figure 2022103066000011

Claims (6)

  1. 下記(a)成分からなる防臭剤。
    (a)成分:アスコルビン酸及びアスコルビン酸誘導体から選ばれる1種以上の化合物であって、全ての(a)成分を等量のn-オクタノールと水の混合物に溶解させた時の20℃におけるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)、又は、(a)成分のlogP値から算出されるアスコルビン酸骨格を基準にしたn-オクタノール相でのモル濃度S(Oc)と水相でのモル濃度S(HO)の分配割合S(Oc)/S(HO)が0.0004以上7000以下である、化合物。
  2. (a)成分が、アスコルビン酸脂肪酸エステルから選ばれる1種以上である、請求項1に記載の防臭剤。
  3. 請求項1又は2に記載の防臭剤、下記(b)成分及び水を含有する、防臭剤組成物。
    (b)成分:(a)成分の可溶化剤
  4. 請求項1又は2に記載の防臭剤、及び(c)界面活性剤を含有する、繊維製品用防臭剤組成物。
  5. 請求項4に記載の繊維製品用防臭剤組成物を、繊維製品に接触させて、微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法。
  6. 請求項4に記載の繊維製品用防臭剤組成物及び水を混合して得た洗浄液で繊維製品を洗浄し、その後、乾燥させて、繊維製品の乾燥時又は乾燥後に微生物由来の臭いの発生を抑制する、繊維製品の防臭方法。
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