JP2022103063A - 樹脂膜及び耐水透湿膜 - Google Patents

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Abstract

【課題】高い透湿度と高い耐水圧とを高レベルで両立し得る樹脂膜。【解決手段】樹脂膜であって、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含み、耐水圧が、800kPa以上であり、透湿度が、1500g/m2・day以上である。【選択図】図1

Description

本開示は、防水衣料やスポーツ衣料等の衣料用材料として用いられる耐水性、透湿性に優れた樹脂膜及び耐水透湿膜に関する。
「ゴアテックス」(登録商標)として市販されているフッ素樹脂を含む耐水透湿膜は、延伸処理されたポリテトラフルオロエチレンの膜(以下、「ePTFE膜」とも称する。)で構成されている。
そして、例えば、住友電工ファインポリマー社製のePTFE膜である「ポアフロン FP-010-60」(商品名(ポアフロンは登録商標))は、厚さが60μm、透湿度(日本産業規格(以降、「JIS」) Z0208:1976)が9415g/mda
y、耐水圧が375kPaである。また、住友電工社ファインポリマー社製のePTFE膜である「ポアフロン FP-045-80」(商品名)は厚さが80μm、透湿度(JIS Z0208)が10438g/mday、耐水圧が200kPaである。
特開2019-192749号公報 国際公開第2018/116517号 特開2006-305937号公報 特開平9-255807号公報
本発明者らの検討によれば、市販されているePTFE膜は、いまだ改善の余地を有している。具体的には、耐水透湿膜の透湿度と耐水圧とは相反する関係にあり、特許文献1にかかるePTFE膜の耐水圧は800kPa以上と非常に高いものの、達成できている透湿度は500g/mday以下である。
特許文献2にかかるePTFE膜の透湿度は13000g/mdayと非常に高いものの、達成できている耐水圧は25kPaと極めて低いレベルである。特許文献3はePTFE膜に弾性シートを積層した複合材料となっているが、透湿度は高いものの、達成できている耐水圧は450kPaといまだ不十分である。また特許文献4では、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以下、「PFA」とも称する。)からなるPFAの多孔質膜であるが、孔径が大きく、十分な耐水圧を満たすことのできる耐水透湿膜ではなかった。
そこで、本開示の一態様は、高い透湿度と高い耐水圧とを高レベルで両立し得る樹脂膜の提供に向けたものである。また、本開示の一態様は、高い透湿度と高い耐水圧とを高レベルで両立し得る耐水透湿膜の提供に向けたものである。
本開示の一態様によれば、樹脂を含む樹脂膜であって、
該樹脂は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含み、
該樹脂膜の耐水圧が、800kPa以上であり、
該樹脂膜の透湿度が、1500g/m・day以上である樹脂膜が提供される。
本開示の他の態様によれば、樹脂を含む樹脂膜であって、
該樹脂は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を
含み、
該樹脂膜は、第1の表面に開口し、該第1の表面とは反対側の第2の表面に連通する空孔を有しており、
該第1の表面に縦8μm×横11μmの第1の観察領域をおいたとき、該第1の観察領域内に観察される該開口の面積の総和の該第1の観察領域の面積に対する比率をP1とし、
該樹脂膜の厚さ方向の断面に縦8μm×横11μmの第2の観察領域をおいたとき、該第2の観察領域内に観察される該空孔の面積の総和の該第2の観察領域の面積に対する比率をP2としたときに、
1.3≦(P2/P1)を満たす樹脂膜が提供される。
本開示の更に他の態様によれば、上記した樹脂膜を有する耐水透湿膜が提供される。
本開示の一態様によれば、高い透湿度と高い耐水圧とを高レベルで両立し得る樹脂膜を得ることができる。また、本開示の他の態様によれば、高い透湿度と高い耐水圧とを高レベルで両立し得る耐水透湿膜を得ることができる。
樹脂膜の概略断面図である 実施例の樹脂膜の表面概略図(A)、厚み方向で観察した断面概略図(B)である。
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX~YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
数値範囲が段階的に記載されている場合、各数値範囲の上限及び下限は任意に組み合わせることができる。
本開示に係る樹脂膜は樹脂を含み、該樹脂としては、柔軟な樹脂膜を与え得るテトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(以降、「PFA」ともいう)を含む。そして、樹脂膜は、耐水圧が800kPa以上である。好ましくは840kPa以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは1500kPa以下であり、より好ましくは1250kPa以下である。また、樹脂膜の透湿度は、1500g/m・day以上である。好ましくは1800g/m・day以上である。上限は特に制限されないが、好ましくは8000g/m・day以下であり、より好ましくは5500g/m・day以下である。より具体的には、本開示に係る樹脂膜は、耐水圧が、好ましくは、800kPa以上1500kPa以下、より好ましくは、840kPa以上1250kPa以下であり、透湿度が、好ましくは、1500g/m・day以上8000g/m・day以下、より好ましくは、1800g/m・day以上5500g/m・day以下である。
上記した高い耐水圧と高い透湿度とを両立し得る、本開示の一態様に係る樹脂膜について以下に図1を用いて説明する。なお、本開示は本態様に限定されるものではない。
樹脂膜1は、一方の表面2A(以降、「第1の表面」ともいう)と、第1の表面とは反
対側の表面2B(以降、「第2の表面」ともいう)との間である膜内部に、空孔3を有している。空孔3は、第1の表面に開口し、かつ、第2の表面に連通して、第2の表面にも開口する連通孔である。
そして、第一の表面に縦8μm、横11μmの矩形の第1の観察領域をおいたとき、第1の観察領域内に観察される開口の面積の総和の第1の観察領域の面積に対する比率をP
1とし、樹脂膜の厚さ方向の断面に縦8μm、横11μmの矩形の第2の観察領域をおいたとき、第2の観察領域内に観察される空孔の面積の総和の第2の観察領域の面積に対する比率をP2としたときに、1.3≦(P2/P1)、特には、1.7≦(P2/P1)、更には、5.0≦(P2/P1)を満たすことが好ましい。
P2/P1の上限は特に制限されないが、20.0以下であることが好ましく、15.0以下であることがより好ましく、10.0以下であることがさらに好ましい。より具体的には、P2/P1は、好ましくは、1.3以上20.0以下、より好ましくは、1.7以上15.0以下、特に好ましくは、5.0以上10.0以下である。
P1及びP2を上記の関係とすることで、第1の表面における空孔の開口径を、第1の表面からの水の侵入を防止し得る程度に小さくした場合であっても、樹脂膜内部には多くの空孔が存在するため、第2の表面側からの水蒸気の樹脂膜内部への侵入は妨げられない。また、空孔内の水蒸気は、第1の表面の開口から放出され得る。そのため、高い耐水圧と、高い透湿度を両立させ得る樹脂膜となる。
P1は以下の方法で算出する。樹脂膜の一方の表面を走査型電子顕微鏡で観察して、該第1の表面の縦8μm×横11μmの観察領域のSEM画像(倍率10000倍)を得る。解像度は、個々の開口を認識できるような解像度(例えば、縦717ピクセル、横986ピクセル)とする。
該SEM画像を、画像処理ソフトウェア(商品名:Image-J、米国国立衛生研究所(NIH)製)を用いて8ビットのグレースケール画像に変換する。得られたグレースケール画像にメジアンフィルタを適用したのち、さらに、上記画像処理ソフトウェアを用いて2値化処理を行って2値化画像を得る。2値化処理は、SEM画像内の開口に相当する部分とPFAに相当する部分とを判別するためにYENの方法を用いる。
そして、得られた2値化画像内における、開口に相当する部分のピクセル数の画像全体のピクセル数に対する比率を算出する。本開示においては、観察領域は、樹脂膜の第1の表面の任意の10ヶ所におき、各観察領域から算出される比率の算術平均値をP1とする。なお、観察領域を置く10ヶ所は、互いの観察領域が重ならない位置とする。具体的な方法は後述する実施例で説明する。
P2は以下の方法で算出する。樹脂膜から、該樹脂膜の全厚み部分を含む断面が表れるようにサンプルを切り出す。切り出したサンプルの該断面の所定の位置を走査型電子顕微鏡で観察し、該断面の縦8μm×横11μmの観察領域のSEM画像を得る。解像度は、断面に現れる空孔を認識できるような解像度(例えば、縦717ピクセル、横986ピクセル)とする。
該SEM画像を、数値計算ソフト(商品名:MATLAB;MathWork社製)を用いて2値化処理し、2値化画像を得る。2値化処理は、SEM画像内の開口に相当する部分とPFAに相当する部分とを判別するために大津の方法を用いる。そして、該2値化画像における空孔に相当部分のピクセル数の画像全体のピクセル数に対する比率を算出する。本開示において、SEM画像の取得位置は、該断面の樹脂膜の厚み方向については、以下の通りとする。
(1)該断面の第1の表面側から第2の表面側に向かって1μmが観察領域の上端となり、該観察領域の上端が第1の表面と平行となる位置、
(2)該断面の第1の表面と第2の表面との中点と観察領域の重心とが一致し、かつ、観察領域の一辺が、第1の表面と平行となる位置、及び、
(3)第2の表面から第1の表面に向かって1μmが観察領域の下端となり、該観察領域の下端が第2の表面と平行となる位置
これら断面の厚み方向に3箇所の取得位置を、定着回転体の周方向に3箇所設け、合計9箇所とした。そして9個の観察領域の各々から算出される比率の算術平均値をP2とする。具体的な後述する実施例で説明する。
上記の方法で算出されるP1は、第1の表面からの樹脂膜内部への水の侵入を防ぎ、高い耐水圧を樹脂膜に持たせるためには、15.0%以下、特には、12.0%以下とすることが好ましい。一方、第2の表面から樹脂膜の空孔中に侵入した水蒸気を第1の表面側からより良く放出させるためには、P1は、1.0%以上、特には、1.5%以上、更には、3.0%以上とすることが好ましい。具体的には、P1は、好ましくは、1.0%以上15.0%以下、より好ましくは、1.5%以上12.0%以下、特に好ましくは、3.0%以上15.0%以下である。
また、P2は、好ましくは20.0%以上、より好ましくは25.0%以上である。P2を20.0%以上とすることで、樹脂膜内の水蒸気の通過経路をより多くすることができ、透湿度を向上させ得る。P2の上限は、特には限定されないが、樹脂膜の強度をより確実に維持する観点から、好ましくは、60.0%以下、より好ましくは、50.0%以下である。具体的には、P2は、好ましくは、20.0%以上60.0%以下、より好ましくは、25.0%以上50.0%以下である。
樹脂膜の第1の表面における開口の平均開口径は、好ましくは1nm以上200nm以下であり、より好ましくは50nm以上140nm以下である。平均開口径が1nm以上であると、表面における水蒸気の拡散経路が増えるため、透湿度が向上しやすい。また、平均開口径が200nm以下であると、第1の表面から樹脂膜内部への水の浸透をより抑制でき、樹脂膜の耐水圧の向上に資する。第1の表面における開口の平均開口径は、上述したP1の算出に用いた2値化画像から、開口に相当する部分の面積と同一の面積を有する円の直径の平均値とする。具体的な方法は後述する。
樹脂膜は、単層膜であることが好ましい。樹脂膜は耐水透湿膜として使用できる。すなわち、耐水透湿膜は、該樹脂膜を有することが好ましい。耐水透湿膜は、該樹脂膜のみから構成されていてもよく、また、該樹脂膜の第1の表面側、及び第2の表面側の少なくとも一方に、他の樹脂膜や繊維膜を積層した構成であってもよい。
樹脂膜の厚さとしては特に限定されないが、好ましくは、12μm以上、より好ましくは、15μm以上であり、好ましくは100μm以下であり、より好ましくは、50μm以下であり、特に好ましくは、40μm以下である。具体的には、樹脂膜の厚さは、好ましくは、12μm以上100μm以下、より好ましくは、15μm以上50μm以下、特に好ましくは、15μm以上40μm以下である。
<PFA>
樹脂膜が含むPFAはパーフルオロアルキルビニルエーテル(以下、「PAVE」と称する。)とテトラフルオロエチレン(以下、「TFE」と称する。)の共重合体である。PAVEにおけるパーフルオロアルキル鎖の炭素数は好ましくは1~6であり、より好ましくは1~4であり、さらに好ましくは1~3である。
PAVEは、好ましくはパーフルオロメチルビニルエーテル(CF=CF-O-CF)、パーフルオロエチルビニルエーテル(CF=CF-O-CFCF)及びパーフルオロプロピルビニルエーテル(CF=CF-O-CFCFCF)から選択される。
PFAの融点は、好ましくは280℃~320℃であり、より好ましくは290℃~310℃である。
PFAとしては、市販のものを用いることができ、以下に具体例を挙げる。
・「451HP-J」「959HP-Plus」「350-J」「950HP-Plus」(いずれも商品名、三井・ケマーズ フロロプロダクツ社製);
・「P-66P」、「P-66PT」、「P-802UP」(いずれも商品名、AGC
社製);
・「AP-230」「AP-231SH」等(いずれも商品名、ダイキン工業社製);
・「6502N」(商品名、スリーエム社製)。
<樹脂膜の製造方法>
上記した本開示の一態様に係る樹脂膜の非限定的な製造方法として、例えば、下記工程(i)~(v)を含む方法が挙げられる。
(i)PFAを含む樹脂膜(以降、「未含浸樹脂膜」ともいう)を用意する工程、
(ii)未含浸樹脂膜の一方の側の表面(以降、「第1の表面」ともいう)をマスキングする工程、
(iii)工程(ii)で得られた第1の表面がマスキングされた未含浸樹脂膜の他方の側の表面(以降、「第2の表面」ともいう)に、PFAの融点近傍の温度まで加熱したパーフルオロポリエーテル(PFPE)を接触させて、該第2の表面から該未含浸樹脂膜にPFPEを含浸させて、PFPEが含浸された樹脂膜(以降、「含浸樹脂膜」ともいう)を得る工程、
(iv)該含浸樹脂膜を、室温付近(例えば、20~35℃、好ましくは25~30℃)まで冷却する工程、及び
(v)工程(iv)を経て室温付近まで冷却された該含浸樹脂膜中のPFPEの少なくとも一部を該含浸樹脂膜の該第2の表面側から除去して、該第2の表面に開口し、該第1の表面に連通する空孔(第1の表面に開口し、第2の表面に連通する空孔でもある)を形成して、本開示に係る樹脂膜を得る工程。
上記の方法によって本開示の一態様に係る樹脂膜を形成し得る理由を本発明者らは以下のように推測している。
工程(iii)において、未含浸樹脂膜が含むPFAの融点近傍の温度(温度300℃±50℃(好ましくは290℃~325℃)で、該樹脂膜の一方の表面をPFPEと接触させることにより、PFPEが該樹脂膜中に含浸され、PFPE含浸樹脂膜が得られる。
工程(iii)において、PFPEが含浸された樹脂膜は高温の状態にあるため、工程(iii)に引き続いて、工程(iv)において、PFPE含浸樹脂膜を例えば25℃程度の室温にまで冷却する。次いで、工程(v)において、溶剤を用いて樹脂膜中のPFPEを除去することにより、樹脂膜中のPFPEが存在していた部位に、樹脂膜の第2の表面に開口した空孔が形成される。
そして、上記工程(iv)~(v)を経ることにより形成される樹脂膜は、その厚さ方向の断面における単位面積(8μm×11μm)当たりの空孔の面積割合P2が、第2の表面における単位面積(8μm×11μm)当たりの開口の面積割合P1よりも大きなものとなる。これは、工程(iii)で高温となることで膨張した樹脂膜が、工程(iv)における冷却によって収縮するが、樹脂膜の第2の表面の側は第1の表面の側よりも、より早く冷却が進むため、収縮の程度が大きい。そして、樹脂膜の第2の表面の側の収縮に伴って樹脂膜の第2の表面の近傍に存在するPFPEが、第2の表面から樹脂膜の外に押し出される。その結果、樹脂膜の第2の表面の開口は縮径する。
一方、樹脂膜の第1の表面の側にまで浸透したPFPEは、樹脂膜の第1の表面がマスキングされているため、樹脂膜の収縮によっても樹脂膜の外には放出されず、樹脂膜内に留まる。そのため、PFPEの除去後に空隙となるPFPEの凝集部分のサイズはほとんど小さくならない。その結果、工程(v)を経て形成される樹脂膜の当該一方の面における開口率P1に対する空隙率P2の割合(P2/P1)は大きくなる。
ここで、P2/P1の値は、工程(iii)の含浸工程における樹脂膜へのPFPEの
含浸量によって調整することができる。すなわち、樹脂膜へのPFPEの含浸量を増やすことで、樹脂膜の内部の空隙を増やすことができ、P2の値は増加する。また、樹脂膜への含浸量を増加させることで、樹脂膜の第2の表面の開口の数も増えるためP1の値は増加する。しかしながら、その理由は明らかでないが、樹脂膜への含浸量の増加によるP1の増加の程度は、P2の増加の程度よりも大きい。そのため、樹脂膜へのPFPEの含浸量を増やすことによって、P2/P1を小さくする方向に調整することができる。
樹脂膜中へのPFPEの含浸量は、例えば、含浸時のPFPEの温度、PFPEの粘度、樹脂膜とPFPEとの接触時間によって調整することができる。具体的には、PFAの融点近傍の温度範囲(温度250~350℃)の内で高いほど、PFPEの粘度が低いほど、また、接触時間が長いほど、樹脂膜へのPFPEの含浸量を増加させることができる。
前記したP2の好適な範囲を達成するうえでは、工程(iii)において、PFPE含浸樹脂膜の質量を基準として、PFPEの含有比率が、好ましくは、25~60質量%、特には、30~45質量%となるようにPFPEを含浸させることが好ましい。
また、工程(iii)におけるPFPEの温度としては、PFAの融点(Tm)が280~320℃の範囲内であるため、好ましくは、250℃~350℃、特には、290℃~325℃である。
また、樹脂チューブの外周面とPFPEとの接触時間としては、樹脂チューブ中に含浸させるPFPEの粘度や含浸させる量によっても異なるが、目安としては、20秒~5分、特には、30秒~2分の範囲内である。この範囲内の時間で、樹脂チューブ内に空孔を形成可能な十分な量のPFPEを含浸させ得る。
さらに、PFPEの粘度が低いほど樹脂チューブへの含浸量を増加させ得る。但し、粘度の低すぎるPFPEは、PFAとの親和性が高まるためか、樹脂チューブ内での凝集、連結によるPFPEの領域が形成されにくく、高い空孔面積率を得にくい場合がある。そのため、樹脂膜に含浸させるPFPEの好ましい粘度としては、10mPa・s~400mPa・sであり、特には、30mPa・s~350mPa・sである。
ここでいう粘度とは、レオメータ(TAインスツルメント製:DHR-2)を用いて、コーン角度1°、コーン半径20mmのコーンプレート型を装着し、せん断速度100s-1で60秒間回転させた後の粘度の値である。測定温度は40℃とする。
パーフルオロポリエーテルは、好ましくは下記式(1)で示される構造を有するPFPEが挙げられる。PFPEは、PFAの融点でオイル状となるものが好ましい。
Figure 2022103063000002
式(1)中、a、b、c、d、e、及びfは、それぞれ独立に0又は正の整数であり、1≦a+b+c+d+e+f≦600を満たし、a、b、c、及びdの少なくとも1つは正の整数である。
また、式(1)中の各繰り返し単位の存在順序は、上記記載の順序に限定されるものではない。さらに、式(1)中の各繰り返し単位は、PFPE中の複数個所に複数個存在してもよい。すなわち、式(1)で表されるPFPEはブロックコポリマーであってもよく
、ランダムコポリマーであってもよい。
具体的には、パーフルオロポリエーテルが、下記式(2)~(5)からなる群より選択される少なくとも一の構造を有することが好ましい。
Figure 2022103063000003

(式(2)中、nは正の数であり、nは、PFPEの温度40℃における粘度を30mPa・s~400mPa・sの範囲となす範囲の数である。)
Figure 2022103063000004

(式(3)中、n´は正の数であり、n´は、PFPEの温度40℃における粘度を10mPa・s~400mPa・sの範囲となす範囲の数である。)
Figure 2022103063000005

(式(4)中、n´´及びmは、それぞれ独立して正の数であり、m/n´´が、0.5以上2以下となる数であり、かつ、n´´+mが、PFPEの温度40℃における粘度を20mPa・s~400mPa・sの範囲となす範囲の数である。)
Figure 2022103063000006
(式(5)中、n´´´及びm´は、それぞれ独立して正の数であり、m´/n´´´は20以上1000以下となる数であり、かつ、n´´´+m´が、PFPEの温度40℃における粘度を20mPa・s~400mPa・sの範囲となす範囲の数である。)
上記した好ましい粘度範囲にある市販のPFPEの例としては、例えば、式(2)で示される構造を有するPFPE(例えば、デムナム(Demnum)S-200、デムナムS-65(いずれも商品名);ダイキン工業社製)、式(3)で示される構造を有するPFPE(例えば、クライトックス(Krytox)GPL-105、クライトックスGPL-104、クライトックスGPL―103、クライトックスGPL-102、クライトックスGPL-101(いずれも商品名);ケマーズ社製)、式(4)で示される構造を有するPFPE(例えば、フォンブリン(Fomblin)M07、フォンブリンM15(いずれも商品名);ソルベイスペシャリティポリマーズ社製)、式(5)で示されるPFPE(例えば、フォンブリンY15、フォンブリンY25(いずれも商品名);ソルベイスペシャリティポリマーズ社製)が挙げられる。
例えば、「デムナムS-200」は、粘度377mPa・s、「クライトックスGPL-105」は、粘度301mPa・s、「クライトックスGPL-104」は、粘度111mPa・s、「クライトックスGPL-103」は、粘度54mPa・s、「クライトックスGPL-102」は、粘度26mPa・s、「クライトックスGPL-101」は、粘度12mPa・sである。
樹脂膜の厚さは、12μm以上100μm以下が好ましく、15μm以上40μm以下がより好ましい。
工程(v)では、PFPE含浸樹脂膜中のPFPEを溶解可能であり、PFAを溶解しない溶剤中に、樹脂膜の第1の表面が濡れるように浸漬する。
ここで、「PFPEを溶解する溶剤」とは、例えば、25℃において、溶剤100gに対しPFPEの溶解量が10g以上の溶剤が挙げられる。一方、「PFAを溶解しない溶剤」とは、25℃において、溶剤100gに対しPFAの溶解量が1g以下の溶剤が挙げられる。
かかる溶媒としては、例えば、ハイドロフルオロエーテルが挙げられる。ハイドロフルオロエーテルは、例えば「NoveC7600」(商品名、スリーエム社製)として市販されているものを用い得る。
また、工程(v)において、PFPE含浸樹脂膜からのPFPEの除去する際に、より効率的にPFPEを除去するために、超音波の印加や、フッ素溶剤の加温が有効である。
以下に、実施例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
本実施例では、以下のPFA樹脂、及びパーフルオロポリエーテルを用いて樹脂膜の作製を行った。
(PFA)
PFA-1:「959HP-Plus」(商品名、三井・ケマーズ フロロプロダクツ社製)
PFA-2:「451HP-J」(商品名、三井・ケマーズ フロロプロダクツ社製)
(パーフルオロポリエーテル)
PFPE-1:「Krytox GPL104」(商品名、ケマーズ社製、111mPa・s(40℃))
PFPE-2:「Krytox GPL105」(商品名、ケマーズ社製、301mPa・s(40℃))
(実施例1)
(PFAシートの作製)
PFA-1を射出成形して厚さ30μmのPFAシートを作製した。PFAシートの一方の側の表面の全面に接着剤を塗布し、保護部材を接着することで、該表面をマスキングした。
(含浸工程)
パーフルオロポリエーテル(PFPE-1)を硼珪酸ガラス製ビーカーに入れた。ビーカー全体に、断熱材でカバーされた電熱線を巻き、PFPEを温度310℃に加熱した。一方の表面をマスキングしたPFAシートをディッピング装置に取付け、加熱したPFPE中に、該PFAシートのマスキングしていない側の面の全てがPFPEと接するように浸漬した。1分後、該PFAシートをビーカーから取り出して、PFPE含有PFAシートを得た。
(樹脂膜中のPFPE含有量の測定)
上記含浸工程によって作製したPFPE含有PFAシートから、該PFAシートの一方の面をマスキングしていた保護部材を、接着剤を溶解して除去した。こうして得られたPFPE含有PFAシートを、熱重量分析装置(TGA)を用いて分析した。そして、以下の測定条件により、PFPE含有PFAシートに対するPFPEの含有割合(質量%)を算出した。
装置:TGA851(メトラー・トレド(METTLER TOLEDO)社製)
雰囲気:空気中
温度:425℃
上記熱重量分析によって得られた、測定時間―重量減少率のプロファイルにおいて、傾きが一定となり、PFAのみが減少している領域から線形最小二乗近似式を求め、該線形最小二乗近似式の切片を、PFA量(質量%)とし、PFPE含有量(質量%)=100-PFA量として算出した。
(空孔形成工程)
上記含浸工程によって作製したPFPE含有PFAシートを、フッ素溶剤(商品名:Novec7300、スリーエム社製)を入れたビーカーに、該PFAシートのマスキングしていない側の面が、該フッ素溶剤に完全に浸るように浸漬した。このビーカーを、超音波印加装置(商品名:ブランソニック(型式2510J-DTH);日本エマソン株式会社製)の水槽に入れ、60分間超音波を印加した。
その後、ビーカーからPFAシートを取り出し、温度25℃の環境に60分静置し、乾燥させた。こうして、PFPE含有PFAシートの表面及び内部に存在するPFPEを除去した。さらに、PFAシートの一方の側の面をマスキングしていた保護部材を、接着剤を溶解することで除去し、本実施例に係る樹脂膜を得た。
得られた樹脂膜は、目視で白い外観を有し、樹脂膜中に空孔が形成されたことが確認された。この樹脂膜を2セット作製した。そのうち1セットを以下の耐水圧及び透湿度の試験に供した。また、他の1セットを、以下のSEM画像解析(P1、P2及び表面開口径の算出)に供した。
<評価>
以下、樹脂膜の評価方法を示す。
<耐水圧>
耐水圧は評価サンプルを5枚用意し、JIS L 1092:2009の「耐水度試験B法(高水圧法)」の規定に準拠して測定した耐水圧(kPa)の平均値を樹脂膜の耐水圧とした。
具体的には、耐水度試験機(商品名:WP-1000K;株式会社大栄化学精器製作所製)に評価サンプルの一方の表面に水が当たるように取り付けた。そして、1分間に100kPaの割合で水圧を増加させ、評価サンプルの反対側の3か所から水が出たときの水圧を測定した。そして、サンプル5枚の算術平均値を求めた。
なお、本評価は、測定対象の樹脂膜の両側の表面に対して行い、両側で耐水圧の値が異なる場合は、高い側の値を採用した。また、当該値を与えた表面を樹脂膜の第1の表面とした。
<透湿度>
透湿度は、JIS Z 0208:1976の「防湿包装材料の透湿度試験方法(カップ法)」に則って求めた。具体的には、アルミニウム材の透湿カップ内に塩化カルシウムを入れた。
そして、樹脂膜の一方の側が透湿カップの側に向くようにカップ台に取り付け、周縁を封ろう剤によりシールして試験体を作製した。試験体を40℃相対湿度90%の雰囲気である恒温恒湿槽(エスペック製:PR-2KP)内に入れ、24時間後の試験体の質量増加を電子天秤(メトラー・トレド製:AT201)にて測定し、面積1mあたりに換算して水蒸気の透過度を算出した。
また、樹脂膜の他方の側を透湿カップの側を向くようにカップ台に取り付けた以外は、上記と同様にして水蒸気の透湿度を算出した。得られた値に差がある場合は、透過度の大きい方の値を採用した。そして、3枚のサンプルについて本試験を行い、それらの算術平均値を本評価における透湿度とした。
<空孔割合:P1、P2の算出>
(P1の測定)
P1は以下のように算出した。上記の通り、高い耐水圧の値を与えた表面を樹脂膜の第1の表面とした。樹脂膜の第1の表面を走査型電子顕微鏡で観察して、第1の表面の縦8μm、横11μmの領域のSEM画像(倍率:10000倍)を取得した。SEM画像の解像度は、第1の表面の個々の開口がSEM画像において観察できるように縦717ピクセル、横986ピクセルとした。得られたSEM画像の模式図を図2(A)に示す。図2中、201は、樹脂膜中に形成されている空孔3の第1の表面における開口を示す。
次いで、取得したSEM画像について、画像処理ソフトウェア(商品名:Image-J、米国国立衛生研究所(NIH)製)を用いて8ビットのグレースケール画像に変換した。得られたグレースケール画像にメジアンフィルタを適用したのち、さらに、上記画像処理ソフトウェアを用いて2値化処理を行って2値化画像を得た。2値化処理は、SEM画像内の開口に相当する部分とPFAに相当する部分とを判別するためにYENの方法を用いた。
そして、得られた2値化画像内における、開口に相当する部分のピクセル数の画像全体のピクセル数に対する比率を算出した。ここで、観察領域は、樹脂膜の第1の表面の任意の10ヶ所におき、各観察領域から算出される比率の算術平均値をP1とした。なお、観
察領域を置く10ヶ所は、互いの観察領域が重ならない位置とした。
(第1の表面の平均開口径)
上記P1の算出の際に作成した2値化画像内の開口に相当する部分の面積を同面積の真円で近似し、該真円の径(以降、円相当径)を平均したものを求めることにより算出した。ここでは、10枚の2値化画像から求めた各開口の円相当径の算術平均値を、第1の表面の平均開口径とした。
(P2の測定)
P2は以下のように算出した。樹脂膜の3箇所から、クライオミクロトーム(ライカマイクロシステムズ社製)を用いて、その全厚み部分を含む断面が表れた断面サンプルを3つ切り出した。得られた断面サンプルの各々の当該断面を、走査型電子顕微鏡で観察し該断面の縦8μm、横11μmの長方形の観察領域のSEM画像(倍率:10000倍)を取得した。
解像度は、断面に現れる空孔を認識できるように、縦717ピクセル、横986ピクセルとした、得られたSEM画像の模式図を図2(B)に示す。得られたSEM画像を、数値計算ソフト(商品名:MATLAB、MathWork社製)を用いて2値化処理し、2値化画像を得た。2値化処理は、SEM画像内の空孔に相当する部分とPFAに相当する部分とを判別するために大津の方法を用いた。そして、該2値化画像における空孔に相当する部分のピクセル数の画像全体のピクセル数に対する比率を算出した。断面サンプルの当該断面の厚さ方向におけるSEM画像の取得位置は、下記(i)~(iii)で規定される3箇所とした。
(1)該断面の第1の表面側から、第1の表面とは反対側の第2の表面側に向かって1μmが観察領域の上端となり、該観察領域の長辺が第1の表面と平行となる位置、
(2)該断面の第1の表面と第2の表面との中点と観察領域の重心とが一致し、かつ、観察領域の長辺が、第1の表面と平行となる位置、及び、
(3)第2の表面から第1の表面に向かって1μmが観察領域の下端となり、該観察領域の長辺が第2の表面と平行となる位置
このようにして、合計9枚のSEM画像を取得した。そして、9枚のSEM画像の各々から算出された上記比率の算術平均値を、樹脂膜のP2の値とした。
(実施例2~5)
PFAの種類、樹脂膜の厚さ、並びに、含浸工程において含浸させるPFPEの種類、及び、PFAとPFPEとの接触時の温度を表1に示すように設定した。それら以外は、実施例1と同様にして実施例2~5に係る樹脂膜を作製した。得られた樹脂膜の各々について、PFPEの含浸工程後のPFPEの含有量、空孔物性並びに耐水圧及び透湿度を実施例1と同様にして評価した。
(比較例1)
PFAの水性ディスパージョン(商品名:945HP 三井・ケマーズ社製)をテトラフルオロエチレン-フッ化ビニリデン共重合樹脂(商品名:ネオフロンVDF ダイキン工業)のアセトン溶液と混合し(945HP:ネオフロンVDF=1:1(質量比))ゲル化させた。固形分を濾過により取り出し、乾燥後ペレット化して、押出成形により厚さ50μmのシートを作製した。
その後、アセトン中に浸漬してテトラフルオロエチレンーフッ化ビニリデン共重合樹脂を溶解させ除去し、均一な空孔率であるPFAの樹脂膜を作製した。この樹脂膜について、空孔物性並びに耐水圧及び透湿度を実施例1と同様にして評価した。
(比較例2)
ステンレス鋼(SUS)シートにアモルファスフッ素ポリマー(商品名:テフロンAF2400、ケマーズ社製)溶液をディップ塗布し、乾燥後、剥離して樹脂膜を作製した。空孔物性並びに耐水圧及び透湿度を実施例1と同様にして評価した。
(比較例3)
樹脂膜として、市販されている延伸ポリテトラフルオロエチレン膜(商品名:ポアフロン FP-010-60、住友電工社ファインポリマー社製)を用意した(以降、「(以降、「ePTFE-1」とも称する)。この樹脂膜について、空孔物性並びに耐水圧及び透湿度を実施例1と同様にして評価した。
(比較例4)
樹脂膜として、市販されている延伸ポリテトラフルオロエチレン膜(商品名:ポアフロン FP-045-80、住友電工社ファインポリマー社製)を用意した(以降、「ePTFE-2」とも称する)。この樹脂膜について、空孔物性並びに耐水圧及び透湿度を実施例1と同様にして評価した。
実施例1~5、比較例1~4で作製した樹脂膜の評価結果を表1に示す。
Figure 2022103063000007

* 評価サンプルの反対側の1箇所から水がでたときの水圧
表1に示す耐水圧及び透湿度の評価結果から、本開示に係る樹脂膜が、高い透湿度と高い耐水圧とを高レベルで実現していることがわかった。

本開示は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から離脱することなく、様々な変更及び変形が可能である。従って、本開示の範囲を公にするために以下の請求項を添付する。
本願は、2020年12月25日提出の日本国特許出願特願2020-217954を基礎として優先権を主張するものであり、その記載内容の全てをここに援用する。
1:樹脂膜、2A:一方の表面、2B:他方の表面、3:空孔


Claims (10)

  1. 樹脂を含む樹脂膜であって、
    該樹脂は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含み、
    該樹脂膜の耐水圧が、800kPa以上であり、
    該樹脂膜の透湿度が、1500g/m・day以上であることを特徴とする樹脂膜。
  2. 前記樹脂膜は、第1の表面に開口し、かつ、該第1の表面とは反対側の第2の表面に連通する空孔を有しており、
    該第1の表面に縦8μm、横11μmの第1の観察領域をおいたとき、該第1の観察領域内に観察される該開口の面積の総和の該第1の観察領域の面積に対する比率をP1とし、
    該樹脂膜の厚さ方向の断面に縦8μm、横11μの第2の観察領域をおいたとき、該第2の観察領域内に観察される該空孔の面積の総和の該第2の観察領域の面積に対する比率をP2としたときに、
    1.3≦(P2/P1)を満たす請求項1に記載の樹脂膜。
  3. 前記P1が、1.0%以上15.0%以下であり、
    前記P2が、20.0%以上60.0%以下である請求項2に記載の樹脂膜。
  4. 前記樹脂膜の第1の表面における前記開口の平均開口径が、1nm以上200nm以下である請求項2又は3に記載の樹脂膜。
  5. 前記P2/P1が、20.0以下である請求項2~4のいずれか一項に記載の樹脂膜。
  6. 前記樹脂膜が単層膜である請求項1~5のいずれか1項に記載の樹脂膜。
  7. 前記樹脂膜の厚さが、12μm以上100μm以下である請求項1~6のいずれか1項に記載の樹脂膜。
  8. 前記樹脂膜の耐水圧が、1500kPa以下であり、
    前記樹脂膜の透湿度が、8000g/m・day以下である請求項1~7のいずれか一項に記載の樹脂膜。
  9. 樹脂を含む樹脂膜であって、
    該樹脂は、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体を含み、
    該樹脂膜は、第1の表面に開口し、該第1の表面とは反対側の第2の表面に連通する空孔を有しており、
    該第1の表面に縦8μm、横11μmの第1の観察領域をおいたとき、該第1の観察領域内に観察される該開口の面積の総和の該第1の観察領域の面積に対する比率をP1とし、
    該樹脂膜の厚さ方向の断面に縦8μm、横11μmの第2の観察領域をおいたとき、該第2の観察領域内に観察される該空孔の面積の総和の該第2の観察領域の面積に対する比率をP2としたときに、
    1.3≦(P2/P1)を満たすことを特徴とする樹脂膜。
  10. 請求項1~9のいずれか一項に記載の樹脂膜を有することを特徴とする耐水透湿膜。
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