JP2022102449A - 空間消臭剤及び空間消臭方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】空間の様々な悪臭を一括して消臭し得る空間消臭剤及び空間消臭方法を提供する。【解決手段】空間用消臭剤は、ベンジルアルコールを消臭有効成分として含有している。【選択図】図4

Description

本発明は、例えば部屋等を消臭する空間消臭剤及び空間消臭方法に関する。
従来から例えば部屋等の空間を消臭する空間消臭剤として様々なものが知られている。その消臭機構も様々であり、例えば悪臭成分を吸着することによって消臭するもの、マスキング効果によって消臭するもの、化学反応を利用した化学的に消臭するもの等がある。
また、特許文献1には、溶質と溶媒とを直接接触させて溶質の臭気の強さを弱める方法として、溶媒の溶解パラメータ値から溶質の溶解パラメータ値を差し引いた時の値を-4から+16までの範囲内とすることが開示されている。この方法では、臭気成分の溶解パラメータ値に近い溶解パラメータ値を有する溶媒を臭気に接触させることによって該臭気を弱めるようにしている。
特開2002-238986号公報
ところで、例えば家庭内には様々な悪臭の原因となるものであり、家庭内の空間の様々な悪臭を一括して処理できる消臭剤が求められている。しかしながら、従来の消臭剤はそれぞれメリット・デメリットがあり、家庭内の空間を一括して適切に消臭できる消臭剤は知られていない。
例えば、悪臭成分を吸着することによって消臭する消臭剤は、小空間での消臭であれば効果が期待できるが、部屋全体などの大空間の消臭では十分な効果が期待できない。
また、マスキングによる消臭剤は、部屋の空間全体に噴霧して使用することもできるが、それ自体が匂いを有しているためユーザーの好き嫌いがあるとともに、悪臭成分ごとに最適なマスキング香料が異なる。このため、部屋全体に噴霧処理したとしても、所期の効果が得られる場合は限られる。
さらに、化学消臭による消臭剤は、反応性が高い化合物を用いることが多いため空間に噴霧するのに適さず、また消臭できる悪臭成分が特定の化学種に限られるので、部屋の空間全体に処理するものではない。
一方、特許文献1は、臭気調整剤を空間へ噴霧し得ることが指摘されているが、実際に消臭効力が確認されているのは悪臭発生源に対して直接スプレーした場合のみであり、空間に噴霧した場合(悪臭発生源に直接噴霧しない場合)でも消臭効果があるのか不明である。また特許文献1には、たとえばベンジルアルコールを悪臭成分ピリジンの発生源に直接噴霧することによる消臭効果を確認しているが、他の悪臭成分に対する消臭効果は明らかではない。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、空間の様々な悪臭を一括して消臭し得る空間消臭剤及び空間消臭方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、第1の開示は、ベンジルアルコールを消臭有効成分として含有することを特徴とする空間用消臭剤である。
第2の開示は、ベンジルアルコールを消臭有効成分として空間に放散することを特徴とする空間消臭方法である。
この構成によれば、消臭有効成分としてベンジルアルコールを空間に放散させることにより、家庭内の各種悪臭を消臭することが可能になる。ベンジルアルコールによって消臭可能な悪臭成分としては、例えばアンモニア、イソ吉草酸、ジアセチル、トリメチルアミン、メルカプタン、トリクロロアニソール、ノネナール等である。
ベンジルアルコールは、ジャスミンなどの香りの前駆体として天然に存在し、食品添加物としても用いられる化合物であり、安全性も高い。また化合物として安定しているため、安定した濃度で気中に放散させることができる。
またこの構成によれば、悪臭の発生源にベンジルアルコールを直接接触させる必要がなく、空間に放散させるだけで良いので、悪臭の発生源が分かっていない場合であっても空間全体を消臭することができる。
第3の開示では、前記ベンジルアルコールを噴射剤と共に収容したエアゾール容器から前記ベンジルアルコールを空間に噴射することを特徴とするものである。この構成によれば、ベンジルアルコールを勢いよく空間に噴射することが可能になるとともに、広範囲に拡散させることが可能になる。
第4の開示では、前記ベンジルアルコールを含浸体に含浸させておき、当該含浸体に対して送風することにより、前記ベンジルアルコールを空間に放散させることを特徴とするものである。この構成によれば、ベンジルアルコールを長時間に亘って継続して空間に放散させることができ、ベンジルアルコールによる効果が継続して得られる。
第5の開示では、前記ベンジルアルコールの気中濃度が0.05ppm以上となるように前記ベンジルアルコールを空間に放散させることができる。これにより、消臭効果がより一層高まる。
以上説明したように、ベンジルアルコールを消臭有効成分として空間に放散することにより、空間の様々な悪臭を一括して消臭することができる。
本発明の実施形態1に係る空間消臭器具を上方から見た斜視図である。 空間消臭器具の縦断面図である。 カートリッジを上方から見た斜視図である。 本発明の実施形態2に係るエアゾール製品の斜視図である。 アンモニアに対する消臭効果を示すグラフである。 イソ吉草酸に対する消臭効果を示すグラフである。 ジアセチルに対する消臭効果を示すグラフである。 トリメチルアミンに対する消臭効果を示すグラフである。 メルカプタンに対する消臭効果を示すグラフである。 インフルエンザウイルスに対する空間接触効果を示すグラフである。 ネコカリシウイルスに対する空間接触効果を示すグラフである。 インフルエンザウイルスに対する直接接触効果を示すグラフである。 ネコカリシウイルスに対する直接接触効果を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る空間消臭器具1を上方から見た斜視図である。本実施形態1の空間消臭器具1の形状や構造はあくまでも一例であり、図示する形状や構造に限られるものではない。
空間消臭器具1は、カートリッジ2(図2及び図3に示す)と、カートリッジ2が着脱自在に装着される装置本体5とを備えている。この実施形態1の説明では、説明の便宜を図るために、各図に示すように空間消臭器具1の長手方向一側を前側とし、長手方向他側を後側とする。そして、空間消臭器具1を前側から見たときに右となる側を右とし、左となる側を左とする。
まず、図2及び図3に示すように、カートリッジ2の構成について説明する。カートリッジ2は、ケース3と、ベンジルアルコールを消臭有効成分として含有する液剤(空間用消臭剤)を保持する液剤保持体(含浸体)4とを備えている。ケース3は、液剤保持体4を収容する収容体である。液剤保持体4に保持される液剤としては、常温で揮発する性質を有する液剤として、ベンジルアルコールを消臭有効成分として含有している空間用消臭剤を挙げることができる。空間用消臭剤を液剤保持体4に含浸させることによって保持させてもよいし、液剤保持体4の表面に付着させることによって保持させてもよい。空間用消臭剤には、ベンジルアルコール以外の成分が含まれていてもよい。
液剤保持体4は、連続する波形をなすように折り曲げ成形したプリーツ形状の布材で構成されている。布材としては、例えば不織布や織布等を用いることができるが、これら以外にも通気性を有し、かつ、液剤を保持することができるもの(通気性を有する発泡材等)であればよく、特に限定されない。液剤保持体4の全体に略均一に液剤が保持されている。
ケース3の上壁部には空気流通孔3aが形成されている。また、図2に示すように、ケース3の下壁部にも空気流通孔3bが形成されている。
(装置本体5の構成)
図1及び図2に基づいて装置本体5の構成について説明する。装置本体5は、ベース部材30と、送風機としてのファン50と、ファン50を駆動する電動モーター51と、電動モーター51に電力を供給する電池(図示せず)とを有している。ファン50、電動モーター51及び電池は、装置本体5のベース部材30に収容されるようになっている。
すなわち、ベース部材30は、例えば樹脂材を成形してなるものである。ベース部材30の略中央部に電動モーター51が固定されている。電動モーター51の出力軸51aには、ファン50の中心部が回転一体に固定されている。ファン50は、周知のものであり、電動モーター51によって回転駆動されると、上方から空気を吸い込んで側方から流出させるように送風する。
ファン50の上方には、液剤保持体4を含むカートリッジ2を交換可能に収容するためのカートリッジ収容空間Rが形成されている。このカートリッジ収容空間Rは、装置本体5と、該装置本体5に取り付けられたカバー40とによって形成された空間である。
図2に示すように、装置本体5のベース部材30の左右両側には、ファン50によって液剤保持体4に送風された空気を放出するための液剤放散孔55がそれぞれ形成されている。液剤放散孔55の上流端は、装置本体5におけるファン50が配設された空間に連通している。液剤放散孔55を流通した空気は矢印イで示すように空間消臭器具1の外方へ向けて流れ易くなる。
図1に示すように、カバー40は、例えば樹脂材を成形してなるものであり、カートリッジ収容空間Rを上方から覆うように形成されている。カバー40には空気流通孔40aが形成されている。
(空間消臭器具1の動作)
次に、空間消臭器具1の動作について説明する。空間消臭器具1の電源を入れると、電動モーター51が作動する。電動モーター51が作動すると、ファン50が回転駆動され、ファン50の上方から空気を吸い込んで側方から流出させる。この空気の流れにより、図2に矢印ロで示すようにカバー40の上方の空気がカバー40の空気流通孔40aからカートリッジ収容空間Rに吸入される。カートリッジ収容空間Rには、カートリッジ2が収容されているので、吸入された空気は、カートリッジ2に向けて流れて、カートリッジ2のケース3の上部に形成されている流入用開口部3aからケース3の内部に流入する。ケース3の内部に流入した空気は、ケース3の下壁部に形成された空気流通孔3bからケース3の外部に流出する。ケース3の外部に流出した液剤を含む空気は、装置本体5の左右の液剤放散孔55、55にそれぞれ流入した後、図2に矢印イで示すように、各液剤放散孔55から外部の空間に放散される。
尚、空間消臭器具の構成は、これに限定されない。例えば、カートリッジ2のみで、空間消臭器具を構成してもよい。この場合、強制的に空気を送るのではなく、空気の自然対流によって空間用消臭剤を空間に放散、拡散させることができる。また、カートリッジ2のケース3を省略し、空間用消臭剤を保持した保持体のみで、空間用消臭剤を空間に放散、拡散させるようにしてもよい。
(実施形態2)
図4は、本発明の実施形態2に係る空間消臭用エアゾール製品100の斜視図である。エアゾール製品100は、消臭有効成分としてのベンジルアルコールを含有する空間用消臭剤と、噴射剤と、空間用消臭剤及び噴射剤を収容したエアゾール容器101と、噴射ボタン102と、噴射バルブ103とを備えている。空間用消臭剤には、ベンジルアルコール以外の成分が含まれていてもよい。噴射剤は、エアゾール容器101に収容されている空間用消臭剤を空間へ噴射させるためのものであり、例えば液化石油ガス(LPG)やジメチルエーテル(DME)等である。液化石油ガスとジメチルエーテルの一方のみ用いてもよいし、任意の比率で混合して用いてもよい。
エアゾール容器101は従来から周知の耐圧性を有する金属製容器を用いることができる。エアゾール容器101の上部には、噴射バルブ103が取り付けられている。この噴射バルブ103は、噴射ボタン102によって操作され、上下方向に移動するとともにエアゾール容器101に収容されている内容物を吐出するための吐出管(図示せず)と、吐出管を上方に付勢するバネ等からなる付勢部材(図示せず)と、弁体(図示せず)とを有している。吐出管は上下方向に延びる姿勢とされており、上昇端位置にあるときには弁体によって吐出管の下端部(上流端部)が閉じられてエアゾール容器101の内部と吐出管とが連通しないようになる一方、吐出管が上昇端位置から下方へ押動操作されると吐出管の下端部が開かれてエアゾール容器101の内部と吐出管とが連通して内容物が吐出管の上端部から吐出されるように、上記バルブ機構が構成されている。
噴射ボタン102には、吐出管に連通する噴射ノズル102aが形成されている。また、噴射ボタン102には、当該噴射ボタン102を押し下げ操作したときに、その位置で固定される図略のロック機構が設けられている。したがって、噴射ボタン102を押し下げ操作すると、吐出管が押し下げられた状態で固定される結果、吐出管の下端部が開かれた状態で保持されるので、内容物の全量が噴射ノズル102aから噴射される。つまり、このエアゾール容器101は全量噴射型である。
尚、全量噴射型ではなく、一般的なエアゾール容器であってもよい。すなわち、噴射ボタンが押し下げ操作されている間だけベンジルアルコールが噴射され、噴射ボタンの操作を解除するとベンジルアルコールの噴射が停止する構成であってもよい。ただし、ベンジルアルコールの過剰な噴射を防止するという観点では、定量性を有するエアゾール容器が好ましく、この点では、一回に一定量を噴射する定量噴射型のエアゾール容器101であってもよい。この場合、例えば特開2014-28631号公報に記載されている容器を使用することもできる。
(消臭方法)
次に、空間消臭方法について説明する。空間消臭方法は、実施形態1の空間消臭器具1を用いて実行することができるとともに、実施形態2のエアゾール製品100を用いて実行することもできる。対象となる空間は、例えば一般家庭の部屋、事務所、店舗、教室、各種イベントスペース、車両の室内、航空機の室内、船舶の室内等を挙げることができるが、これら以外の空間を対象とすることもできる。
すなわち、実施形態1の空間消臭器具1を用いる場合、空間消臭器具1を動作させることで、ベンジルアルコールを消臭有効成分として空間に放散することができる。空間用消臭剤の放散量は、液剤保持体4に保持させる空間用消臭剤の量によって調整できる。単位時間当たりの空間用消臭剤の放散量は、液剤保持体4に保持させる空間用消臭剤の量、ファン50による送風量、液剤保持体4の表面積等によって調整できる。
また、実施形態2のエアゾール製品100の場合、噴射ボタン102を押すことで、ベンジルアルコールを消臭有効成分として空間に放散することができる。空間用消臭剤の放散量は、エアゾール容器101に収容されている空間用消臭剤の量によって調整できる。単位時間当たりの空間用消臭剤の放散量は、噴射バルブ103の流量、噴射ノズル102aのノズル径等によって調整できる。
実施形態1及び実施形態2のいずれの場合も、空間用消臭剤を空間に放散する前に部屋の戸や窓を閉めておくのが好ましいが、空間用消臭剤を空間に放散した直後に部屋の戸や窓を閉めてもよい。また、空間用消臭剤を空間に放散した後、所定時間経過後に当該空間を換気するのが好ましいが、ベンジルアルコールの気中濃度が極めて低濃度であれば、換気は不要である。また、実施形態1及び実施形態2のいずれの場合も、被処理空間の大きさに合わせて空間用消臭剤の放散量を設定することができるとともに、単位時間当たりの空間用消臭剤の放散量を設定することができる。これにより、被処理空間内のベンジルアルコールの気中濃度を適切な範囲に調整できる。
被処理空間内のベンジルアルコールの気中濃度の上限は、人体への影響を考慮して設定する。常時放散する剤型(実施形態1)の場合は慢性毒性を考慮する必要があり、この場合はベンジルアルコールの気中濃度が5.565ppm以下、好ましくは5.00ppm以下となるようにベンジルアルコールの放散量を設定するのが好ましい。一方、全量噴霧エアゾール(実施形態2)など、単発的に使用して使用後には換気をすることが前提のような剤型であれば単回毒性で良い場合があり、この場合は、気中濃度が2000ppm以下、好ましくは1500ppm以下となるようにベンジルアルコールの放散量を設定するのが好ましい。
実施形態1及び実施形態2のいずれの場合も、ベンジルアルコールの気中濃度が0.05ppm以上となるようにベンジルアルコールの放散量を設定するのが好ましい。これにより、家庭内の各種悪臭を消臭することができる。家庭内の各種悪臭成分としては、例えばアンモニア、イソ吉草酸、ジアセチル、トリメチルアミン、メルカプタン、トリクロロアニソール、ノネナール等を挙げることができる。本実施形態に係る空間用消臭剤及びそれを使用した空間消臭方法は、アンモニア、イソ吉草酸、ジアセチル、トリメチルアミン、メルカプタン、トリクロロアニソール、ノネナール等に対して高い消臭効果を持っている。本発明は、空気中に含まれる悪臭成分を除去または低減する悪臭成分低減剤及び悪臭成分低減方法と呼ぶこともできる。
次に、本発明の実施例について説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
(アンモニアに対する消臭効果確認試験)
本試験は、ベンジルアルコールを有効成分とする空間用消臭剤を空間に揮発させ、当該空間内の悪臭成分に対する消臭効果を確認した。すなわち、ベンジルアルコールが液の状態ではなく、蒸気の状態で空間に放散された場合における効力を確認したものである。
まず、家庭内の各種悪臭の一つであるアンモニアに対する空間用消臭剤による消臭効果確認試験について説明する。
1.容積が10Lのガラスシリンダーを用意し、そのガラスシリンダーの上端をガラス製の蓋で閉塞し、下端も同様に閉塞する。
2.ガラスシリンダー内にろ紙(ADVANTEC,No5A,90mm)を入れたシャーレを置いた。ろ紙にアンモニアを塗布した。アンモニアは、0.4%水溶液で準備し、その水溶液を0.25mL塗布した。
3.ガラスシリンダー内にアンモニアが充満するまで待ち、充満した後、ろ紙をガラスシリンダーから取り出す。
4.別のろ紙に供試剤を所定量塗布し、ガラスシリンダー内に置く。供試剤は、空間用消臭剤(ベンジルアルコール)である。0.0022mgのベンジルアルコールをろ紙に塗布した。全量が揮発すると、ガラスシリンダー内のベンジルアルコールの気中濃度は0.05ppmとなる。
5.供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置いて蓋をした直後から経過時間を測定するとともに、所定時間経過毎に、検知管を使用してガラスシリンダー内の気中の悪臭成分の濃度を測定した。検知管は、「ガステック 気体検知管 No.36L アンモニア」である。
測定結果は図5のグラフに示す通りとなった。図5に示すグラフの横軸は経過時間であり、縦軸はブランクと比較した悪臭除去率(供試剤による悪臭除去率)である。ブランクは、工程4において供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置かない場合である。悪臭除去率Aは以下の式で算出した。
A=(ブランクの測定値-供試剤を使用した場合の測定値)/ブランクの測定値×100(%)
グラフに示すように、供試剤による悪臭除去率は、30分経過時には63%、1時間経過時には67%、2時間経過時には80%、3時間経過時には100%であり、ガラスシリンダー内の空間に処理した後、3時間経過することで略全てのアンモニアがガラスシリンダー内から除去された。なお、芳香消臭脱臭剤協議が定めている判断基準では、同様の試験(ガラスシリンダーの代わりにエアーバッグを使用)で悪臭成分の90%除去時間が10時間以内であれば消臭効果ありとしている。今回は3時間で100%除去だったので、上記判断基準に照らし、アンモニアに対する消臭効果があったといえる。
(イソ吉草酸に対する消臭効果確認試験)
次に、家庭内の各種悪臭の一つであるイソ吉草酸に対する空間用消臭剤による消臭効果確認試験について説明する。試験系はアンモニアの試験と同様である。異なる点は、工程2において、ろ紙にイソ吉草酸を塗布した点である。イソ吉草酸は、0.4%水溶液で準備し、その水溶液を0.3mL塗布した。工程5において濃度測定に用いた検知管は、「ガステック 気体検知管 No.81L 酢酸」である。
測定結果は図6のグラフに示す通りとなった。図6に示すグラフの横軸は経過時間であり、縦軸はブランクと比較した悪臭除去率(供試剤による悪臭除去率)である。ブランクは、工程4において供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置かない場合である。悪臭除去率の算出式はアンモニアの試験と同じである。
グラフに示すように、供試剤による悪臭除去率は、1時間経過時には13%、2時間経過時には38%、3時間経過時には62%、4時間経過時には87%、5時間経過時には100%であり、ガラスシリンダー内の空間に処理した後、5時間経過することで略全てのイソ吉草酸がガラスシリンダー内から除去されたので、消臭効果があったといえる。
(ジアセチルに対する消臭効果確認試験)
次に、家庭内の各種悪臭の一つであるジアセチルに対する空間用消臭剤による消臭効果確認試験について説明する。試験系はアンモニアの試験と同様である。異なる点は、工程2において、ろ紙にジアセチルを塗布した点である。ジアセチルは、0.1%溶液をイオン交換水で希釈し、300μL塗布した。検知管は、「ガステック 気体検知管 アセトアルデヒド」である。
測定結果は図7のグラフに示す通りとなった。図7に示すグラフの横軸は経過時間であり、縦軸はブランクと比較した悪臭除去率(供試剤による悪臭除去率)である。ブランクは、上記のようにしてジアセチルをガラスシリンダー内に充満させた後、供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置かない場合である。悪臭除去率の算出式はアンモニアの試験と同じである。
グラフに示すように、供試剤による悪臭除去率は、30分経過時には50%、1時間経過時には100%であり、ガラスシリンダー内の空間に処理した後、1時間経過することで略全てのジアセチルがガラスシリンダー内から除去されたので、消臭効果があったといえる。
(トリメチルアミンに対する消臭効果確認試験)
次に、家庭内の各種悪臭の一つであるトリメチルアミンに対する空間用消臭剤による消臭効果確認試験について説明する。試験系はアンモニアの試験と同様である。異なる点は、工程2において、ろ紙にトリメチルアミンを塗布した点である。トリメチルアミンは、0.1%溶液をイオン交換水で希釈し、300μL塗布した。工程5において濃度測定に用いた検知管は、「ガステック 気体検知管 アミン類」である。
測定結果は図8のグラフに示す通りとなった。図8に示すグラフの横軸は経過時間であり、縦軸はブランクと比較した悪臭除去率(供試剤による悪臭除去率)である。ブランクは、上記のようにしてトリメチルアミンをガラスシリンダー内に充満させた後、供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置かない場合である。悪臭除去率の算出式はアンモニアの試験と同じである。
グラフに示すように、供試剤による悪臭除去率は、1時間経過時、2時間経過時及び3時間経過時には50%、4時間経過時及び5時間経過時には75%、6時間経過時には85%、7時間経過時には90%であり、ガラスシリンダー内の空間に処理した後、7時間経過することで大部分のトリメチルアミンがガラスシリンダー内から除去されたので、消臭効果があったといえる。
(メルカプタンに対する消臭効果確認試験)
次に、家庭内の各種悪臭の一つであるメルカプタンに対する空間用消臭剤による消臭効果確認試験について説明する。試験系はアンモニアの試験と同様である。異なる点は、工程2において、ろ紙にメルカプタン標準液を200μL塗布した点である。工程5において濃度測定に用いた検知管は、「ガステック 気体検知管 メルカプタン」である。
測定結果は図9のグラフに示す通りとなった。図9に示すグラフの横軸は経過時間であり、縦軸はブランクと比較した悪臭除去率(供試剤による悪臭除去率)である。ブランクは、上記のようにしてメルカプタンをガラスシリンダー内に充満させた後、供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置かない場合である。悪臭除去率の算出式はアンモニアの試験と同じである。
グラフに示すように、供試剤による悪臭除去率は、1時間経過時には40%、2時間経過時には44%、3時間経過時及び4時間経過時には50%、5時間経過時には60%、6時間経過時には65%、7時間経過時には80%であり、ガラスシリンダー内の空間に処理した後、7時間経過することで大部分のメルカプタンがガラスシリンダー内から除去された。尚、他の消臭剤(高吸水性ポリマーによる市販の消臭剤、および公知の消臭成分である緑茶エキス)でメルカプタンに対する消臭試験を同様に行うと、いずれも7時間経過後の除去率は60%以下であった。従って、他の消臭成分と比較して、ベンジルアルコールはメルカプタンに対する有効な消臭効果を示すといえる。
(トリクロロアニソールに対する消臭効果確認試験)
次に、家庭内の各種悪臭の一つであるトリクロロアニソール(2,4,6-トリクロロアニソール)に対する空間用消臭剤による消臭効果確認試験について説明する。なお、トリクロロアニソールの濃度を測定するための適当な検知管が入手できなかったことから、官能試験により消臭効果を確認した。
1.容積が10Lのガラスシリンダーを用意し、そのガラスシリンダーの上端をガラス製の蓋で閉塞し、下端も同様に閉塞する。
2.4μg/mlトリクロロアニソールin99%エタノール1mLをろ紙に滴下し、このろ紙をガラスシリンダー内に入れる。
3.ガラスシリンダー内にトリクロロアニソールが充満するまで待ち、充満した後、ろ紙をガラスシリンダーから取り出す。
4.別のろ紙に供試剤を所定量塗布し、ガラスシリンダー内に置く。供試剤は、空間用消臭剤(ベンジルアルコール)である。0.0022mgのベンジルアルコールをろ紙に塗布した。全量が揮発すると、ガラスシリンダー内のベンジルアルコールの気中濃度は0.05ppmとなる。
5.供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置いて蓋をした直後から1時間経過した時点でのガラスシリンダー内のにおいを官能で確認した。尚、トリクロロアニソールの濃度は、東京家政大学オフフレーバー研究会の官能パネルの異臭識別能力測定法でのTCA濃度を参考にして設定した。
また、ブランクも用意した。ブランクは、工程4において、供試剤を塗布したろ紙をガラスシリンダー内に置かない場合である。
官能評価の被験者は15人とした。無臭を「0」、やっと感知できるにおいを「1」、何のにおいであるかが分かる弱いにおいを「2」、らくに感知できるにおいを「3」、強いにおいを「4」、強烈なにおいを「5」として、各被験者にブランクと供試剤とでそれぞれ0~5の数字を示してもらった。その結果、15人の平均値がブランクでは2.33であったのに対し、供試剤の場合は1であった。芳香消臭脱臭剤協議会 消臭剤効力試験方法より、ブランクと比較して臭気強度が1段階以上低減しているため、供試剤による高い消臭効果が得られるといえる。
(ノネナールに対する消臭効果確認試験)
次に、家庭内の各種悪臭の一つであるノネナールに対する空間用消臭剤による消臭効果確認試験について説明する。試験系は、トリクロロアニソールの場合と同様である。異なる点は、工程2において0.4%ノネナールin99%エタノール0.4mLをろ紙に滴下した点である。
官能評価の方法はノネナールの場合と同じである。官能評価の結果、15人の平均値がブランクでは4.33であったのに対し、供試剤の場合は3.2であった。芳香消臭脱臭剤協議会 消臭剤効力試験方法より、ブランクと比較して臭気強度が1段階以上低減しているため、供試剤による高い消臭効果が得られるといえる。
(空間接触によるウイルス不活性化試験)
本願発明者らの検討により、本発明の空間用消臭剤の有効成分であるベンジルアルコールは、空間でのウイルス不活性化効果があることが確認された。以下、このウイルス不活性化効果について説明する。
本試験は、ベンジルアルコールを有効成分とする空間消臭剤を空間に揮発させ、当該空間内の物体表面のウイルスへの不活性化効果を確認したものである。
1.容積が10Lのガラスシリンダーを設置し、ガラスシャーレに入れた目的量のベンジルアルコール(空間用消臭剤)をガラスシリンダー内に入れておく。ベンジルアルコールの量は0.002mgであり、ベンジルアルコールの全量が揮発すると、ガラスシリンダー内のベンジルアルコールの気中濃度は0.05ppmとなる。また、ベンジルアルコールの量を0.0009mgとすることで、ガラスシリンダー内のベンジルアルコールの気中濃度は0.02ppmとなる。
2.調湿用の飽和水溶液をガラスシリンダー内に入れる。
3.ウイルス50μLを2cm×2cmの金巾布に塗布する。
4.当該金巾布を前記ガラスシリンダー内に配置し、揮発したベンジルアルコールを含む空気に、30分間または1時間接触させる。
5.接触後の金巾布をガラスシリンダーから取り出し、マイクロチューブに入れる。
6.PBS(リン酸緩衝液)350μLを金巾布に浸透させるように入れ、上下にPBSを移動させるようにマイクロチューブを叩く。
7.金巾布およびPBSを入れたマイクロチューブの底部に熱したピンセットで穴をあけるとともに、その下に別のマイクロチューブを重ねる。2つのマイクロチューブを重ねた状態で、25℃・10000rpmで1分間遠分離する。
8.サンプル数×8のマイクロチューブを用意し、450μLずつDMEMを分注しておく。
9.遠心分離後に、下のマイクロチューブに落ちたウイルス液を50μLとって、DMEMを分注したマイクロチューブの1つに入れて希釈する。希釈後のウイルス液を50μLとって、前記同様に順次8段階希釈する。
10.培養各細胞を培養した培養プレート用意し、各ウェルの培養液をアスピレーターで抜いておく。
11.8段階に希釈したウイルス液を、それぞれ50μLウェルに分注する。
12.37℃、二酸化炭素5%のインキュベーターで60分インキュベートする。
13.反応後に、ウイルス液を除去し、DMEMを各ウェルに100μLずつ打ち、4日間培養する。
このとき、インフルエンザウイルスの場合は、DMEM100μL/well+30μg/mL Trypsinとなるように、各ウェルに混合液を注ぐ。
14.エタノール:酢酸=4:1(重量比)を各ウェルに100μL程度注ぎ、固定化する。時間は、40分程度である。
15.固定化液を除いた後、アミドブラック0.5%in45%エタノール,10%酢酸を30μLずつ注ぎ、細胞を染色する。
16.水を溜めた容器にプレートごと浸し、細胞が傷つかないように染色液を洗い流す。
17.常法によりウイルス感染価TCID50を求めた。
以上の工程(工程1~17)をインフルエンザウイルスと、ネコカリシウイルスとで行った。また、ブランクを用意し、ブランクでは上記工程1においてベンジルアルコールを入れず、上記工程4におけるウイルスとベンジルアルコールとの空間接触を行わない。また、上記工程1でガラスシリンダー内のベンジルアルコールの濃度を0.02ppm、0.05ppm、0.1ppmの3つに変えた試験系も用意し、それぞれについて、インフルエンザウイルスとネコカリシウイルスで試験を行った。
インフルエンザウイルスを用いた試験結果を図10のグラフに示す。上記工程4で、インフルエンザウイルスをベンジルアルコールに30分間空間接触させた場合と、1時間空間接触させた場合とを行っており、グラフの左側が30分間空間接触させた場合を示し、グラフの右側が1時間空間接触させた場合を示している。ベンジルアルコールの濃度が0.02ppmであってもインフルエンザウイルスを不活化する効果が得られるが、ベンジルアルコールの濃度が0.05ppm以上では、1時間空間接触させることでインフルエンザウイルスを99%以上不活化させることができる。
ネコカリシウイルスを用いた試験結果を図11のグラフに示す。ベンジルアルコールの濃度が0.02ppmであっても1時間空間接触させれば、ネコカリシウイルスを不活化する効果が得られるが、ベンジルアルコールの濃度が0.05ppm以上では、1時間空間接触させることでネコカリシウイルスを99%以上不活化させることができる。
(抗ウイルス効果の持続試験)
空間に放散された消臭剤(ベンジルアルコール)は、少なくともその一部が空間内の物体の表面に付着する。本試験は、空間をベンジルアルコールで処理した後、当該空間内の物体表面にベンジルアルコールが付着したことを想定したもので、ベンジルアルコールが付着した後、当該物体表面における抗ウイルス作用がどれだけ持続するかを確認したものである。
1.2×2cmの金巾布に指定量のベンジルアルコールを塗布し、解放空間にて指定日数(3日、7日、14日、21日)静置する。
2.指定日数経過後の金巾布に、インフルエンザウイルス、またはネコカリシウイルスを50μL塗布し、2時間(ISO基準)直接接触させる。
3.接触後の金巾布をマイクロチューブに入れる。
4.PBS(リン酸緩衝液)350μLを金巾布に浸透させるように入れ、上下にPBSを移動させるようにマイクロチューブを叩く。
5.金巾布およびPBSを入れたマイクロチューブの底部に熱したピンセットで穴をあけるとともに、その下に別のマイクロチューブを重ねる。2つのマイクロチューブを重ねた状態で、25℃・10000rpmで1分間遠分離する。
6.サンプル数×8のマイクロチューブを用意し、450μLずつDMEMを分注しておく。
7.遠心分離後に、下のマイクロチューブに落ちたウイルス液を50μLとって、DMEMを分注したマイクロチューブの1つに入れて希釈する。希釈後のウイルス液を50μLとって、前記同様に順次8段階希釈する。
8.培養細胞を培養した培養プレートを用意し、各ウェルの培養液をアスピレーターで抜いておく。
9.8段階に希釈したウイルス液を、それぞれ50μLウェルに分注する。
10.37℃、二酸化炭素5%のインキュベーターで60分インキュベートする。
11.反応後に、ウイルス液を除去し、DMEMを各ウェルに100μLずつ打ち、4日間培養する。
このとき、インフルエンザウイルスの場合は、DMEM100μL/well+30μg/mL Trypsinとなるように、各ウェルに混合液を注ぐ。
12.エタノール:酢酸=4:1(重量比)を各ウェルに100μL程度注ぎ、固定化する。時間は、40分程度である。
13.固定化液を除いた後、アミドブラック0.5%in45%エタノール,10%酢酸を30μLずつ注ぎ、細胞を染色する。
14.水を溜めた容器にプレートごと浸し、細胞が傷つかないように染色液を洗い流す。
15.常法によりウイルス感染価TCID50を求めた。
以上の工程(工程1~15)をインフルエンザウイルスと、ネコカリシウイルスとで行った。また、ブランクを用意し、ブランクでは工程1でベンジルアルコールの塗布を行わない。
インフルエンザウイルスを用いた試験結果を図12のグラフに示す。ベンジルアルコールの気中濃度32ppmで空間を処理した場合と、49ppmで空間を処理した場合を想定し、指定日数が3日間、7日間、14日間、21日間のそれぞれについて試験している。なお、ベンジルアルコールの気中濃度32ppmで空間を処理すると想定した場合、例えば、3.6m×3.6m×2.4mの部屋であれば、処理後にベンジルアルコールの全量が床面に付着すると考えた場合、その2cm×2cmの領域には約1.4μgのベンジルアルコールが付着する。そこで、32ppm想定の試験では、工程1において金巾布に塗布するベンジルアルコールの指定量を1.4μgとした。同様に、ベンジルアルコールの気中濃度49ppmで空間を処理すると想定した場合、2cm×2cmの領域には2.1μgのベンジルアルコールが付着する。そこで、49ppm想定の試験では、工程1において金巾布に塗布するベンジルアルコールの指定量を2.1μgとした。
図12に示すように、ベンジルアルコールの気中濃度32ppm以上で空間を処理すれば、当該処理後、空間内の物体表面に付着したベンジルアルコールによって7日間にわたってインフルエンザウイルスを99.9%以上不活化させることができる。
ネコカリシウイルスを用いた試験結果を図13のグラフに示す。図13に示すように、ベンジルアルコールの気中濃度49ppm以上で空間を処理すれば、当該処理後、空間内の物体表面に付着したベンジルアルコールによって7日間にわたってネコカリシウイルスを99%以上不活化させることができる。
(浮遊ウイルス不活化試験)
次に、空気中に浮遊しているウイルス(浮遊ウイルス)の不活化試験について説明する。本試験における供試剤は、ベンジルアルコールを含む全量噴霧型エアゾールである。具体的には、表2に示すような組成のエアゾール剤としてエアゾール容器に収容し噴射ボタンを押し下げることで内容物の全量を噴霧するように構成されている。試験空間は、2畳程度の部屋を想定したチャンバーであり、具体的には、幅186cm、奥行186cm、高さ186cmの大きさである。この試験空間で供試剤を全量噴霧したときのベンジルアルコールの気中濃度は26ppmである。
1.ディープフリーザーに-40℃で保管している大腸菌ファージを取り出し室温で融解させる。尚、本試験では、インフルエンザウイルス等の代わりに、大腸菌ファージを使用するが、大腸菌ファージはエンベロープウイルスに近い構造をしており、インフルエンザウイルス等の代替になると考えられる。
2.生理食塩水10mLに対して大腸菌ファージ10μLを加え攪拌する。
3.ネブライザーにファージ液を入れ、チャンバー内に15分間噴霧する。
4.ファージ液の噴霧開始とほぼ同時に、供試剤の噴霧を開始する(全量噴霧が完了するまで数十秒程度)。
5.噴霧開始から15分後、30分後、1時間後、2時間後、3時間、4時間後のそれぞれのタイミングで、浮遊しているファージをインピンジャーにて回収する。
6.1.5mL滅菌チューブにLB液体培地を450μL加える。
7.回収したファージ液を50μLチューブに加え、10-5まで段階希釈を行う。
8.ファージ用の大腸菌の前培養液を50mLコニカルチューブに移し1500rpmで15分間遠心分離を行う。
9.遠心後、10mLまでメスアップする。
10.新しい1.5mL滅菌チューブに大腸菌液を350μL分注する。
11.チューブに分注した大腸菌液に、ファージ液の希釈液350μLを加え、混合液とする。
12.LB寒天培地(シャーレまたはLB6穴プレート)を冷蔵庫から取り出し、40℃インキュベーターに移動する。
13.恒温槽で40℃~43℃に調整したLBソフトアガーに混合液を100μL(6穴プレートを用いる場合)または200μL(シャーレを用いる場合)加える。
14.混合液を加えたソフトアガーを寒天培地に全量注ぎ、一定時間放置し固まるまで待つ。
15.固まった後のシャーレ、または6穴プレートを40℃のインキュベーターに保管し、24時間後プラークを確認する。
試験結果を表1に示す。
Figure 2022102449000002
ブランクは、工程4で供試剤による処理を行わないチャンバーである。ブランクにおける時間は、上記工程5の時間である。実施例は、上記工程3においてチャンバー内でファージ液を噴霧した直後に、チャンバー内で供試剤を全量噴霧した例である。表1における実施例の時間は、空間用消臭剤の噴射完了時からの経過時間であり、上記工程4の時間と殆ど同じである。
Figure 2022102449000003
表1に示すように、実施例では噴射完了から15分経過すると、大腸菌ファージが99%以上不活化し、噴射完了から2時間経過すると、大腸菌ファージが99.99%以上不活化する。
(黄色ぶどう球菌に対する効力試験)
また、本願発明者らの検討により、本発明の空間用消臭剤の有効成分であるベンジルアルコールは、除菌・抗菌の効果があることも確認されている。そこで次に、空間用消臭剤による効力試験として、黄色ぶどう球菌に対する効力試験について説明する。供試菌は、Staphlococcus aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC12732:グラム陽性球菌である。前培地として、ニュートリエント液体培地(普通寒天培地の寒天抜き)を調製し、坂口フラスコに約300mlずつ分注する。坂口フラスコに綿線をセットし、オートクレーブで滅菌する。液体培地は体温程度まで下がれば使用可とする。継代培養中の菌を1白金耳取り、液体培地中に播種する。培養室の振盪培養器にて、48時間振盪培養する。これにより、およそ10^8CFU/mlになる。なお、ニュートリエント液体培地は、1000ml中、肉エキス5.0g、ペプトン10.0g、塩化ナトリウム5.0g、イオン交換水1000gとしている。
本試験では、まず、10^7CFU/mlに調製した菌懸濁液10mlを摂取し、遠心分離機にかける。得られた菌の沈殿の上澄みを捨て、1mlの生理食塩水を加えることで10^6CFU/mlの菌液を調製する。10^6CFU/mlに調製した菌液200μlを摂取し、2cm×2cmの金巾布に塗布する。10Lシリンダー内に、金巾布と、プラスチック製カップに入れた供試剤を別々に入れ、8時間と24時間反応させる。供試剤は、空間用消臭剤(ベンジルアルコール) 132μlであり、10Lシリンダー内で自然蒸散する。
反応後、金巾布から菌を洗い出し、10^-1~10^-5までSCDLP液体培地で希釈し、200μlをSCDLP寒天培地に播種する。48時間後にコロニー数をカウントする。
試験結果は、8時間後、ブランクの場合は生菌数が590000CFU/mlであったのに対し、空間用消臭剤の場合は0CFU/mlであった。つまり、除菌率は99.99%以上であった。24時間後、ブランクの場合は生菌数が105000CFU/mlであったのに対し、空間用消臭剤の場合は0CFU/mlであった。つまり、除菌率は99.99%以上であった。
なお、この供試剤がすべて蒸散したと仮定すれば、10Lシリンダー内におけるベンジルアルコールの気中濃度は最大で2.9ppmとなる。ただし実際に蒸散したベンジルアルコールの量は初期量の7.5%程度だったので、本試験における10Lシリンダー内の気中濃度は0.2ppm程度であった。
(大腸菌に対する効力試験)
次に、空間用消臭剤による効力試験として、大腸菌に対する効力試験について説明する。供試菌は、Escherichia coli (大腸菌)である。前培地は「黄色ぶどう球菌に対する試験」で使用したものと同じである。ただし、振盪培養器による振盪培養は24時間とする。これにより、およそ10^8CFU/mlになる。
本試験では、まず、10^7CFU/mlに調製した菌懸濁液10mlを摂取し、遠心分離機にかける。得られた菌の沈殿の上澄みを捨て、1mlの生理食塩水を加えることで10^6CFU/mlの菌液を調製する。10^6CFU/mlに調製した菌液200μlを摂取し、2cm×2cmの金巾布に塗布する。10Lシリンダー内に金巾布と、プラスチック製カップに入れた供試剤を別々に入れ、8時間と24時間反応させる。供試剤は、空間用消臭剤(ベンジルアルコール) 132μlであり、10Lシリンダー内で自然蒸散する。
反応後、金巾布から菌を洗い出し、10^-1~10^-5までSCDLP液体培地で希釈し、200μlをSCDLP寒天培地に播種する。24時間後にコロニー数をカウントする。
試験結果は、8時間後、ブランクの場合は生菌数が6000000CFU/mlであったのに対し、空間用消臭剤の場合は0CFU/mlであった。つまり、除菌率は99.99%以上であった。24時間後、ブランクの場合は生菌数が6000000CFU/mlであったのに対し、空間用消臭剤の場合は0CFU/mlであった。つまり、除菌率は99.99%以上であった。
なお、この供試剤がすべて蒸散したと仮定すれば、10Lシリンダー内におけるベンジルアルコールの気中濃度は最大で2.9ppmとなる。ただし実際に蒸散したベンジルアルコールの量は初期量の7.5%程度だったので、本試験における10Lシリンダー内の気中濃度は0.2ppm程度であった。
同様の試験条件において、ベンジルアルコールの気中濃度最大2.9ppm(供試剤としてはベンジルアルコール132mg)、気中濃度最大1ppm(供試剤としてはベンジルアルコール46.55mg)、気中濃度最大0.1ppm(供試剤としてはベンジルアルコール4.65mg)、気中濃度最大0.01ppm(供試剤としてはベンジルアルコール0.47mg)、気中濃度最大0.001ppm(供試剤としてはベンジルアルコール0.047mg)で、それぞれ金巾布と8時間の反応させた場合の結果について説明する。これらいずれの気中濃度であっても、生菌数が0CFU/mlであり、除菌率は99.99%以上であった。すなわち、ベンジルアルコールの気中濃度は少なくとも0.001ppmあれば十分な除菌効果が得られる。
(空間消臭器具を使用した場合の試験結果)
次に、空間消臭器具1による効力試験として、大腸菌に対する効力試験について説明する。供試菌は、Escherichia coli (大腸菌)である。前培地は、「黄色ぶどう球菌に対する試験」で使用したものと同じである。本試験では、まず、10^7CFU/mlに調製した菌懸濁液10mlを摂取し、遠心分離機にかける。得られた菌の沈殿の上澄みを捨て、1mlの生理食塩水を加えることで10^6CFU/mlの菌液を調製する。10^6CFU/mlに調製した菌液200μlを摂取し、2cm×2cmの金巾布に塗布する。
ピートグラディーチャンバー(縦1.82m×横1.82m×高さ1.82m)の底面の中央に空間消臭器具1を静置する。この空間消臭器具1の液剤保持体4には、空間消臭剤としてのベンジルアルコールを2.0g含浸させた。
ピートグラディーチャンバーの底面の空間消臭器具1から30cm離れた箇所(第1箇所)、60cm離れた箇所(第2箇所)、90cm離れた箇所(第3箇所)、120cm離れた箇所(第4箇所)にそれぞれ金巾布を設置する。また、ピートグラディーチャンバーの側面に、底面から上方へ60cm離れた箇所(第5箇所)、底面から上方へ120cm離れた箇所(第6箇所)、底面から上方へ180cm離れた箇所(第7箇所)にそれぞれ金巾布を設置する。この状態で、空間消臭器具1のファン50を24時間作動させる。
その後、金巾布から菌を洗い出し、10^-1~10^-5までSCDLP液体培地で希釈し、200μlをSCDLP寒天培地に播種する。24時間後にコロニー数をカウントする。ブランクの場合は生菌数が20025000CFU/mlであった。これに対し、上記第1箇所、第2箇所、第3箇所、第4箇所では、生菌数が0CFU/mlであった。つまり、除菌率は99.99%以上であった。一方、上記第5箇所では、生菌数が336CFU/mlであり、第6箇所では、生菌数が156CFU/mlであったが、いずれも、除菌率は99.99%以上であった。
試験終了後にベンジルアルコールの蒸散量に基づいてピートグラディーチャンバー内におけるベンジルアルコールの気中濃度を算出したところ、0.011ppmであった。
なお、黄色ぶどう球菌については、世界保健機構(WHO)の指針でバイオセーフティーレベル2の取り扱いが必要なため、上記のような空間(ピートグラディーチャンバー)での試験が困難という事情がある。しかしながら前記「黄色ぶどう球菌に対する試験」で示したように、ベンジルアルコールを蒸散させれば、黄色ぶどう球菌に対しても大腸菌と同様に良好な除菌効果が得られる。したがって上記のような空間(ピートグラディーチャンバー)においても、室内用空間除菌器具1を用いてベンジルアルコールを蒸散させることにより、黄色ぶどう球菌に対しても十分な除菌効果が得られると言える。
(大腸菌に対する効力試験)
次に、解放系における大腸菌に対する効力試験結果について説明する。まず、試験片として2cm×2cmの金巾布を用意し、この金巾布をオートクレーブで滅菌する。その後、ベンジルアルコール溶液(132μl)を自然蒸散させ、金巾布に付着させる。この金巾布を3日、7日、10日、14日、23日、36日の間、開放系に静置する。規定日数静置した試験片それぞれに1.0×10^6CFU/mlの大腸菌を100μl塗布した後、24時間培養し、SCDLP液体培地で洗い出し、5段階希釈後、SCDLP寒天培地に塗布し24時間培養する。その後、コロニー数をカウントした。
この結果、解放系において供試剤としてのベンジルアルコール付着後3日および7日間静置した金巾布の除菌率は、99.99%以上であった。すなわち、解放系においてベンジルアルコールの抗菌作用は少なくとも7日間は維持される。
次に、同様の試験を閉鎖系で行った結果について説明する。上記同様に減菌した金巾布に対して、ベンジルアルコール50%溶液(260μl)を自然蒸散させて付着させる。この金巾布を3日、7日、10日、14日、23日、36日の間、閉鎖系(蓋を閉じたタッパー内)に静置する。規定日数静置した試験片それぞれに1.0×10^6CFU/mlの大腸菌を100μl塗布した後、12時間培養し、SCDLP液体培地で洗い出し、5段階希釈後、SCDLP寒天培地に塗布し24時間培養する。その後、コロニー数をカウントした。
この結果、閉鎖系においてベンジルアルコール付着後3日、7日、10日、14日、23日および36日間静置した金巾布のいずれも、除菌率は99.99%であった。すなわち、閉鎖系においてはベンジルアルコールの抗菌作用は少なくとも36日間維持される。
(抗かび試験)
次に、抗かび試験(真菌に対する試験)について説明する。供試菌は白癬菌である。
まず、胞子懸濁液を作製する。始めに、かびスラント1本に0.05%ポリソルベート80-生理食塩水10mlを添加する。激しく混和し、薬さじ等でスラントから削り取るように胞子を充分に分散させる。胞子懸濁液を滅菌ガーゼ(75mm×75mm)でろ過し、ろ液を10^7個/mlとなるように0.05%ポリソルベート80-生理食塩水で適宣希釈し、単一胞子懸濁液とする。必要な液量分、これを繰り返す。
次いで接触方法について説明する。10Lシリンダーを用意し、2cm×2cmの金巾布に調整した菌懸濁液を100μl塗布する。金巾布を入れたシャーレと、ベンジルアルコール50%液260mgを10Lシリンダー内に入れ、24時間空間接触させる。試験結果は、シャーレ内に殆どかびが見られなかった。尚、ブランクとしたイオン交換水では、シャーレ内の約半分の領域にかびの発生が見られた。
以上説明したように、本実施形態によれば、消臭有効成分としてベンジルアルコールを空間に放散させることにより、例えばアンモニア、イソ吉草酸、ジアセチル、トリメチルアミン、メルカプタン、トリクロロアニソール、ノネナール等の悪臭を消臭することができる。また、ベンジルアルコールを有効成分として含有しているので、安定しているとともに、高い安全性を確保できる。
上述の実施形態はあらゆる点で単なる例示に過ぎず、限定的に解釈してはならない。さらに、特許請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
以上説明したように、本発明に係る空間用消臭剤及び方法は、例えば家庭内や事務所、店舗等で使用することができる。
1 空間消臭器具
2 カートリッジ
4 液剤保持体(含浸体)
50 ファン

Claims (5)

  1. ベンジルアルコールを消臭有効成分として含有することを特徴とする空間用消臭剤。
  2. ベンジルアルコールを消臭有効成分として空間に放散することを特徴とする空間消臭方法。
  3. 請求項2に記載の空間消臭方法において、
    前記ベンジルアルコールを噴射剤と共に収容したエアゾール容器から前記ベンジルアルコールを空間に噴射することを特徴とする空間消臭方法。
  4. 請求項2に記載の空間消臭方法において、
    前記ベンジルアルコールを含浸体に含浸させておき、当該含浸体に対して送風することにより、前記ベンジルアルコールを空間に放散させることを特徴とする空間消臭方法。
  5. 請求項2から4のいずれか1つに記載の空間消臭方法において、
    前記ベンジルアルコールの気中濃度が0.05ppm以上となるように前記ベンジルアルコールを空間に放散させることを特徴とする空間消臭方法。
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