JP2022101356A - 半導体素子および半導体装置 - Google Patents

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尚吾 水本
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Abstract

Figure 2022101356000001
【課題】特にパワーデバイスに有用な、電気特性および放熱性が改善された半導体素子および半導体装置を提供する。
【解決手段】結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、前記電極層と前記導電性基板との間に、周期律表第11族金属を含む第1の金属層および第2の金属層と、前記第1の金属層と第2の金属層との間に介在する拡散接合層とを設けてなることを特徴とする半導体素子。
【選択図】図5

Description

本発明は、パワーデバイス等として有用な半導体素子に関する。
高耐圧、低損失および高耐熱を実現できる次世代のスイッチング素子として、バンドギャップの大きな酸化ガリウム(Ga)を用いた半導体装置が注目されており、インバータなどの電力用半導体装置への適用が期待されている。しかも、広いバンドギャップからLEDやセンサ等の受発光装置としての応用も期待されている。当該酸化ガリウムは特許文献1によると、インジウムやアルミニウムをそれぞれ、あるいは組み合わせて混晶とすることによりバンドギャップ制御することが可能であり、InAlGaO系半導体として極めて魅力的な材料系統を構成している。ここでInAlGaO系半導体とはInAlGa(0≦X≦2、0≦Y≦2、0≦Z≦2、X+Y+Z=1.5~2.5)を示し、酸化ガリウムを内包する同一材料系統として俯瞰することができる。
これらのInAlGaO系半導体を用いた半導体装置を実現するために用いる下地基板としては、β酸化ガリウム基板やサファイア基板が検討されてきた。
特許文献2によると、β酸化ガリウム基板を用いる場合、酸化ガリウムのホモエピタキシャル成長が可能であり、酸化アルミニウムガリウム薄膜の高品質化が可能である。しかしながら、調達可能な基板サイズは限られておりシリコンやサファイア等の既に大量生産が進んでいる材料と比較して大口径化が困難であった。
特許文献3および特許文献4によると、サファイア基板を用いる場合、コランダム構造を有するAlGa(0≦X≦2、0≦Y≦2、X+Y=2)薄膜の高品質化は可能であるが、βガリア構造膜の高品質化は困難である。また、サファイアが絶縁体であるために下地材料に電流を流すことができない問題もある。この場合、下地材料上に電極を形成することができず、半導体装置の単位面積当たりの出力電流に限界が生じてしまう。6インチ、8インチに大口径化した場合には、これらの大口径化サファイアの産業応用はそれほど進んでいないため安定調達の不安があるとともに調達コスト上昇という問題もあった。
また酸化ガリウムやサファイアの低い熱伝導率も半導体装置の大電流化に伴う発熱や高温動作の課題となっている。
さらに、下地材料の特性は低損失な半導体装置を実現するための電気特性上の課題も引き起こしている。例えば、高耐圧、低損失な半導体を実現するためにはチャネル層での低損失化に加えて、チャネル層以外での損失を低減する必要がある。例えば、半導体装置を構成するコンタクト領域での低損失化が要求されており、さらに、縦型半導体装置では下地材料や、下地材料とチャネル層との間の層の低損失化が要求されている。
特許文献5には、InAlGaO系半導体を用いた半導体層の上に導電性接着層を介して、半導体層と熱膨張係数が異なる導電性材料を主成分として含む支持体層を積層した積層半導体構造が記載されている。しかしながら、引用文献5に記載の半導体構造は、InAlGaO系半導体特有の課題である反りにおいて十分に満足できるものではなかった。また、仮に反りを改善できたとしても、導電性接着層を介在させることで積層体全体の厚みが増すため、結果として熱抵抗が十分に抑制されないという問題が生じてしまった。
特許文献6には、エピタキシャル層と高熱伝導基板とを表面活性化接合することで、常温で強度の高い接合を実現する技術が記載されている。しかしながら、エピタキシャル層に加えて高熱伝導基板が加わることで、半導体の順方向特性が十分に得られなくなる可能性があった。また、表面活性化接合に先立ち、エピタキシャル層と高熱伝導基板のそれぞれの接合表面を真空環境下で活性化させなければならないことから、接合工程が複雑化してしまうなど、容易に採用できるものではなかった。
このようなことから、InAlGaO系半導体の半導体特性が十分に発現可能な、放熱性および電気特性に優れた半導体構造が待ち望まれていた。
なお、特許文献1および特許文献5は本出願人による特許出願に関する。
国際公開第2014/050793号 国際公開第2013/035842号 国際公開第2013/035844号 特開2013-58637号公報 特開2016-81496号公報 特開2019-12836号公報
本発明は、電気特性に優れ、かつ放熱特性にも優れた半導体素子を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討した結果、結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層を用いた半導体素子の製造(前工程)において、電極層と導電性基板とを、周期律表第11族金属(金、銀、銅など)を含む第1の金属および第2の金属と、これら第1の金属層と第2の金属層との間に介在する拡散接合層とを用いて接続することで、得られる半導体素子における電極や接着層との密着性がより向上するだけでなく、反りが抑制され、得られる半導体素子の電気特性がより優れたものとなることを知見した。さらに検討を重ねた結果、結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、前記電極層と前記導電性基板との間に、周期律表第11族金属(金、銀、銅など)を含む第1の金属層および第2の金属層と、前記第1の金属層と第2の金属層との間に介在する拡散接合層とを設けてなる半導体素子が、電気特性に優れており、上記した従来の問題を一挙に解決できるものであることを見出した。
また、本発明者らは、上記知見を得た後、さらに検討を重ねて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に関する。
[1] 結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、前記電極層と前記導電性基板との間に、周期律表第11族金属を含む第1の金属層および第2の金属層と、前記第1の金属層と第2の金属層との間に介在する拡散接合層とを設けてなることを特徴とする半導体素子。
[2] 前記第1の金属層および第2の金属層は、金、銀もしくは銅のいずれか1つの金属を含むことを特徴とする[1]記載の半導体素子。
[3] 前記第1の金属層および第2の金属層の少なくとも一方は銅を含むことを特徴とする[2]記載の半導体素子。
[4] 前記第1の金属層および第2の金属層が共に銅を含むことを特徴とする[3]記載の半導体素子。
[5] 前記拡散接合層は、前記第1の金属層および第2の金属層に含まれる金属をそれぞれ含むことを特徴とする[1]記載の半導体素子。
[6] 前記拡散接合層は、周期律表第11族金属とは異なる金属を含むことを特徴とする[5]記載の半導体素子。
[7] 前記拡散接合層はシリコンを含むことを特徴とする[6]記載の半導体素子。
[8] 前記結晶性酸化物半導体はアルミニウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む[1]~[7]のいずれかに記載の半導体素子。
[9] 前記結晶性酸化物半導体は少なくともガリウムを含む[1]~[8]のいずれかに記載の半導体素子。
[10] 前記半導体層の前記電極層が積層されている面と対向する面上に、他の電極層をさらに備える[1]~[9]のいずれかに記載の半導体素子。
[11] 前記半導体層は、n+型半導体層と該n+型半導体層上に設けられるn-型半導体層とからなり、前記電極層は前記n+型半導体層上に設けられていることを特徴とする[1]~[10]のいずれかに記載の半導体素子。
また、本発明は、以下の発明に関する。
[12] 結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される接合層と、該接合層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、前記接合層は、周期律表第11族金属を含む金属が拡散接合されてなる層であることを特徴とする半導体素子。
[13] 前記接合層、金、銀もしくは銅のいずれか1つの金属を含むことを特徴とする請求項[12]記載の半導体素子。
[14] 前記接合層は銅を含むことを特徴とする[13]記載の半導体素子。
[15] 前記接合層は、周期律表第11族金属とは異なる金属を含むことを特徴とする[12]~[14]記載の半導体素子。
[16] 前記接合層はシリコンを含むことを特徴とする[15]記載の半導体素子。
[17] 前記結晶性酸化物半導体はアルミニウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む[12]~[16]のいずれかに記載の半導体素子。
[18] 前記結晶性酸化物半導体は少なくともガリウムを含む[12]~[17]のいずれかに記載の半導体素子。
[19] 前記半導体層の前記電極層が積層されている面と対向する面上に、他の電極層をさらに備える[12]~[18]のいずれかに記載の半導体素子。
[20]前記半導体層は、n+型半導体層と該n+型半導体層上に設けられるn-型半導体層とからなり、前記電極層は前記n+型半導体層上に設けられていることを特徴とする[12]~[20]のいずれかに記載の半導体素子。
[21] パワーデバイスである[1]~[20]のいずれかに記載の半導体素子。
[22] 少なくとも半導体素子がリードフレーム、回路基板または放熱基板と接合部材によって接合されて構成される半導体装置であって、前記半導体素子が、[1]~[20]のいずれかに記載の半導体素子であることを特徴とする半導体装置。
[23] [22]記載の半導体装置を用いた電力変換装置。
[24] [23]記載の半導体装置を用いた制御システム。
本発明の半導体素子は、電気特性に優れ、かつ放熱特性にも優れている。
本発明の実施態様において用いられる積層体の一例を示す図である。 本発明の実施態様において用いられる貼り合せ積層体の一例を示す図である。 本発明の実施態様において用いられる電極層および電極表面層の一例を示す図である。 本発明の実施態様における電極層と導電性基板との接合前の状態の一例を示す図である。 本発明の実施態様における電極層と導電性基板との接合後の状態の一例を示す図である。 本発明のショットキーバリアダイオード(SBD)の好適な一態様を模式的に示す図である。 本発明のショットキーバリアダイオード(SBD)の好適な一態様を模式的に示す図である。 本発明の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の好適な一例を模式的に示す図である。 図8の金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)の製造工程の一部を説明するための模式図である。 本発明の静電誘導トランジスタ(SIT)の好適な一例を模式的に示す図である。 本発明の実施例で用いたミストCVD装置の構成図である。 半導体装置の好適な一例を模式的に示す図である。 本発明の実施態様にかかる半導体装置を採用した制御システムの一例を示すブロック構成図である。 本発明の実施態様にかかる半導体装置を採用した制御システムの一例を示す回路図である。 本発明の実施態様にかかる半導体装置を採用した制御システムの一例を示すブロック構成図である。 本発明の実施態様にかかる半導体装置を採用した制御システムの一例を示す回路図である。 本発明の実施態様における導電性基板(Cu-Mo積層基板)の好ましい一態様を示す図である。
本発明の半導体素子は、結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、前記電極層と前記導電性基板との間に、周期律表第11族金属を含む第1の金属層および第2の金属層と、前記第1の金属層と第2の金属層との間に介在する拡散接合層とを設けてなることを特徴とする。
また、本発明の半導体素子は、結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される接合層と、該接合層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、前記接合層は、周期律表第11族金属を含む金属が拡散接合されてなる層であることを特徴とする。
本発明の実施態様においては、例えば、(1)下地基板上に、直接または他の層を介して、前記半導体層を積層した後、(2)前記半導体層上に電極層を形成した後、(3)前記電極層上に電極表面層を形成した積層体を作成するそして、(4)この積層体と、基板表面層を形成した導電性基板とを拡散接合により接合し、(5)公知の手段を用いて、前記下地基板を除去することを含む製造方法により、前記半導体素子を好適に製造することができる。以下、前記半導体素子を製造する主要な工程(1)~(5)の例について図面を用いてより詳細に説明する。
工程(1)では、下地基板上に、直接または他の層を介して、前記半導体層を積層する。工程(1)によって、例えば、図1に示すような積層体を得ることができる。図1に示す積層体は、下地基板108上に半導体層101が積層されている。本発明では、工程(1)で得られた半導体膜101を、前記半導体層(以下、「半導体膜」ともいう。)として用いることができる。以下、工程(1)につき、説明する。
(下地基板)
前記下地基板は、板状であって、前記半導体膜の支持体となるものであれば特に限定されない。絶縁体基板であってもよいし、半導体基板であってもよいし、金属基板や導電性基板であってもよい。前記下地基板は、特に、絶縁体基板であるのが好ましく、また、表面に金属膜を有する基板であるのも好ましい。前記下地基板としては、例えば、コランダム構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板、またはβ-ガリア構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板、六方晶構造を有する基板材料を主成分として含む下地基板などが挙げられる。ここで、「主成分」とは、前記特定の結晶構造を有する基板材料が、原子比で、基板材料の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、更に好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよい。
基板材料は、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されず、公知のものであってよい。前記のコランダム構造を有する基板材料としては、例えば、α-Al(サファイア基板)またはα-Gaが好適に挙げられ、a面サファイア基板、m面サファイア基板、r面サファイア基板、c面サファイア基板や、α型酸化ガリウム基板(a面、m面またはr面)などがより好適な例として挙げられる。β-ガリア構造を有する基板材料を主成分とする下地基板としては、例えばβ-Ga基板、又はGaとAlとを含みAlが0wt%より多くかつ60wt%以下である混晶体基板などが挙げられる。また、六方晶構造を有する基板材料を主成分とする下地基板としては、例えば、SiC基板、ZnO基板、GaN基板などが挙げられる。
前記半導体層は、結晶性酸化物半導体を主成分として含むものであれば、特に限定されない。前記結晶性酸化物半導体の結晶構造も、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記結晶性酸化物半導体の結晶構造としては、例えば、コランダム構造、β-ガリア構造、六方晶構造(例えば、ε型構造等)、直方晶構造(例えばκ型構造等)、立方晶構造、または正方晶構造等が挙げられる。本発明の実施態様においては、前記結晶性酸化物半導体が、コランダム構造、β-ガリア構造または六方晶構造(例えば、ε型構造等)を有するのが好ましく、コランダム構造を有するのがより好ましい。前記結晶性酸化物半導体としては、例えば、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含む金属酸化物などがあげられる。本発明の実施態様においては、前記結晶性酸化物半導体が、アルミニウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる1少なくとも1種の金属を含有するのが好ましく、少なくともガリウムを含むのがより好ましく、α-Gaまたはその混晶であるのが最も好ましい。なお、「主成分」とは、前記結晶性酸化物半導体が、原子比で、前記半導体層の全成分に対し、好ましくは50%以上、より好ましくは70%以上、さらにより好ましくは90%以上含まれることを意味し、100%であってもよいことを意味する。また、前記半導体層の厚さは、特に限定されず、1μm以下であってもよいし、1μm以上であってもよいが、本発明の実施態様においては、1μm以上であるのが好ましい。前記半導体層の表面積は特に限定されず、1mm以上であってもよいし、1mm以下であってもよいが、10mm~300cmであるのが好ましく、100mm~100cmであるのがより好ましい。また、前記半導体層は、通常、単結晶であるが、多結晶であってもよい。また、前記半導体層は、少なくとも第1の半導体層と第2の半導体層とを含む多層膜であって、第1の半導体層上にショットキー電極が設けられる場合には、第1の半導体層のキャリア密度が、第2の半導体層のキャリア密度よりも小さい多層膜であるのも好ましい。なお、この場合、第2の半導体層には、通常、ドーパントが含まれており、前記半導体層のキャリア密度は、ドーピング量を調節することにより、適宜設定することができる。
前記半導体層は、ドーパントが含まれているのが好ましい。前記ドーパントは、特に限定されず、公知のものであってよい。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブ等のn型ドーパント、またはマグネシウム、カルシウム、亜鉛等のp型ドーパントなどが挙げられる。本発明の実施態様においては、前記n型ドーパントが、Sn、GeまたはSiであるのが好ましい。ドーパントの含有量は、前記半導体層の組成中、0.00001原子%以上であるのが好ましく、0.00001原子%~20原子%であるのがより好ましく、0.00001原子%~10原子%であるのが最も好ましい。より具体的には、ドーパントの濃度は、通常、約1×1016/cm~1×1022/cmであってもよいし、また、ドーパントの濃度を例えば約1×1017/cm以下の低濃度にしてもよい。また、さらに、本発明によれば、ドーパントを約1×1020/cm以上の高濃度で含有させてもよい。本発明の実施態様においては、1×1017/cm以上のキャリア濃度で含有させるのが好ましい。
前記半導体層は、公知の手段を用いて形成されてよい。前記半導体層の形成手段としては、例えば、CVD法、MOCVD法、MOVPE法、ミストCVD法、ミスト・エピタキシー法、MBE法、HVPE法、パルス成長法またはALD法などが挙げられる。本発明の実施態様においては、前記半導体層の形成手段が、ミストCVD法またはミスト・エピタキシー法であるのが好ましい。前記のミストCVD法またはミスト・エピタキシー法では、例えば図11に示すミストCVD装置を用いて、原料溶液を霧化し(霧化工程)、液滴を浮遊させ、霧化後、得られた霧化液滴をキャリアガスでもって基体上まで搬送し(搬送工程)、ついで、成膜室内で前記霧化液滴を熱反応させることによって、基体上に結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体膜を積層する(成膜工程)ことにより前記半導体層を形成する。
(霧化工程)
霧化工程は、前記原料溶液を霧化する。前記原料溶液の霧化手段は、前記原料溶液を霧化できさえすれば特に限定されず、公知の手段であってよいが、本発明の実施態様においては、超音波を用いる霧化手段が好ましい。超音波を用いて得られた霧化液滴は、初速度がゼロであり、空中に浮遊するので好ましい。これは、例えば、スプレーのように吹き付けるのではなく、空間に浮遊してガスとして搬送することが可能なミストであるので、衝突エネルギーによる損傷がなく、非常に好適である。液滴サイズは、特に限定されず、数mm程度の液滴であってもよいが、好ましくは50μm以下であり、より好ましくは100nm~10μmである。
(原料溶液)
前記原料溶液は、霧化または液滴化が可能であり、半導体膜を形成可能な原料を含んでいれば特に限定されず、無機材料であっても、有機材料であってもよい。本発明の実施態様においては、前記原料が、金属または金属化合物であるのが好ましく、アルミニウム、ガリウム、インジウム、鉄、クロム、バナジウム、チタン、ロジウム、ニッケル、コバルトおよびイリジウムから選ばれる1種または2種以上の金属を含むのがより好ましい。
本発明の実施態様においては、前記原料溶液として、前記金属を錯体または塩の形態で有機溶媒または水に溶解または分散させたものを好適に用いることができる。錯体の形態としては、例えば、アセチルアセトナート錯体、カルボニル錯体、アンミン錯体、ヒドリド錯体などが挙げられる。塩の形態としては、例えば、有機金属塩(例えば金属酢酸塩、金属シュウ酸塩、金属クエン酸塩等)、硫化金属塩、硝化金属塩、リン酸化金属塩、ハロゲン化金属塩(例えば塩化金属塩、臭化金属塩、ヨウ化金属塩等)などが挙げられる。
また、前記原料溶液には、ハロゲン化水素酸や酸化剤等の添加剤を混合するのが好ましい。前記ハロゲン化水素酸としては、例えば、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸などが挙げられるが、中でも、異常粒の発生をより効率的に抑制できるとの理由から、臭化水素酸またはヨウ化水素酸が好ましい。前記酸化剤としては、例えば、過酸化水素(H)、過酸化ナトリウム(Na)、過酸化バリウム(BaO)、過酸化ベンゾイル(CCO)等の過酸化物、次亜塩素酸(HClO)、過塩素酸、硝酸、オゾン水、過酢酸やニトロベンゼン等の有機過酸化物などが挙げられる。
前記原料溶液には、ドーパントが含まれていてもよい。原料溶液にドーパントを含ませることで、ドーピングを良好に行うことができる。前記ドーパントは、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記ドーパントとしては、例えば、スズ、ゲルマニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、バナジウムまたはニオブ等のn型ドーパント、またはMg、H、Li、Na、K、Rb、Cs、Fr、Be、Ca、Sr、Ba、Ra、Mn、Fe、Co、Ni、Pd、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Hg、Ti、Pb、N、もしくはP等のp型ドーパントなどが挙げられる。前記ドーパントの含有量は、所望のキャリア密度に対するドーパントの原料中の濃度の関係を示す検量線を用いることにより適宜設定される。
原料溶液の溶媒は、特に限定されず、水等の無機溶媒であってもよいし、アルコール等の有機溶媒であってもよいし、無機溶媒と有機溶媒との混合溶媒であってもよい。本発明の実施態様においては、前記溶媒が水を含むのが好ましく、水または水とアルコールとの混合溶媒であるのがより好ましい。
(搬送工程)
搬送工程では、キャリアガスでもって前記霧化液滴を成膜室内に搬送する。前記キャリアガスとしては、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、例えば、酸素、オゾン、窒素やアルゴン等の不活性ガス、または水素ガスやフォーミングガス等の還元ガスなどが好適な例として挙げられる。また、キャリアガスの種類は1種類であってよいが、2種類以上であってもよく、流量を下げた希釈ガス(例えば10倍希釈ガス等)などを、第2のキャリアガスとしてさらに用いてもよい。また、キャリアガスの供給箇所も1箇所だけでなく、2箇所以上あってもよい。キャリアガスの流量は、特に限定されないが、0.01~20L/分であるのが好ましく、1~10L/分であるのがより好ましい。希釈ガスの場合には、希釈ガスの流量が、0.001~2L/分であるのが好ましく、0.1~1L/分であるのがより好ましい。
(成膜工程)
成膜工程では、成膜室内で前記霧化液滴を熱反応させることによって、基体上に、前記半導体膜を成膜する。熱反応は、熱でもって前記霧化液滴が反応すればそれでよく、反応条件等も本発明の目的を阻害しない限り特に限定されない。本工程においては、前記熱反応を、通常、溶媒の蒸発温度以上の温度で行うが、高すぎない温度(例えば1000℃)以下が好ましく、650℃以下がより好ましく、300℃~650℃が最も好ましい。また、熱反応は、本発明の目的を阻害しない限り、真空下、非酸素雰囲気下(例えば、不活性ガス雰囲気下等)、還元ガス雰囲気下および酸素雰囲気下のいずれの雰囲気下で行われてもよいが、不活性ガス雰囲気下または酸素雰囲気下で行われるのが好ましい。また、大気圧下、加圧下および減圧下のいずれの条件下で行われてもよいが、本発明の実施態様においては、大気圧下で行われるのが好ましい。なお、膜厚は、成膜時間を調整することにより、設定することができる。
本発明の実施態様においては、前記成膜工程の後、アニール処理を行ってもよい。アニールの処理温度は、本発明の目的を阻害しない限り特に限定されず、通常、300℃~650℃であり、好ましくは350℃~550℃である。また、アニールの処理時間は、通常、1分間~48時間であり、好ましくは10分間~24時間であり、より好ましくは30分間~12時間である。なお、アニール処理は、本発明の目的を阻害しない限り、どのような雰囲気下で行われてもよい。非酸素雰囲気下であってもよいし、酸素雰囲気下であってもよい。非酸素雰囲気下としては、例えば、不活性ガス雰囲気下(例えば、窒素雰囲気下)または還元ガス雰囲気下等が挙げられるが、本発明の実施態様においては、不活性ガス雰囲気下が好ましく、窒素雰囲気下であるのがより好ましい。
工程(2)では、前記半導体層101上に、電極層105bを形成する。工程(2)によって、例えば図2に示すような積層体を得ることができる。図2の積層体は、下地基板108、半導体層101、および電極層105bから構成されている。
前記電極層は、導電性を有するものであれば、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記電極層の構成材料は、導電性無機材料であってもよいし、導電性有機材料であってもよい。本発明の実施態様においては、前記電極の材料が、金属であるのが好ましい。前記金属としては、好適には、例えば、周期律表4族~第10族から選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられる。周期律表第4族の金属としては、例えば、チタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)などが挙げられる。周期律表第5族の金属としては、例えば、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)などが挙げられる。周期律表第6族の金属としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)およびタングステン(W)などが挙げられる。周期律表第7族の金属としては、例えば、マンガン(Mn)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)などが挙げられる。周期律表第8族の金属としては、例えば、鉄(Fe)、ルテニウム(Ru)、オスミウム(Os)などが挙げられる。周期律表第9族の金属としては、例えば、コバルト(Co)、ロジウム(Rh)、イリジウム(Ir)などが挙げられる。周期律表第10族の金属としては、例えば、ニッケル(Ni)、パラジウム(Pd)、白金(Pt)などが挙げられる。本発明の実施態様においては、前記電極層が、周期律表第4族および第9族から選ばれる少なくも1種の金属を含むのが好ましく、周期律表第9族金属を含むのがより好ましい。前記電極層の層厚は、特に限定されないが、0.1nm~10μmが好ましく、5nm~500nmがより好ましく、10nm~200nmが最も好ましい。また、本発明の実施態様においては、前記電極層が、互いに組成の異なる2層以上からなるものであってもよい。
前記電極層の形成手段は特に限定されず、公知の手段であってよい。前記電極層または前記他の電極層の形成手段としては、具体的には例えば、ドライ法やウェット法などが挙げられる。ドライ法としては、例えば、スパッタ、真空蒸着、CVD等が挙げられる。ウェット法としては、例えば、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。
工程(3)では、図3に示すように、電極層105bの表面に、周期律表第11族から選ばれる少なくとも1種の金属を含む電極表面層(第1の金属層)106を形成する。周期律表第11族の金属としては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などが挙げられる。電極表面層106は、電極層105bに対して例えば、上記したドライ法やウェット法などで形成された後、その表面粗さ(Sa)が2nm以下となるよう、例えば研磨などの方法により表面処理されるのが好ましい。研磨後の電極表面層106の厚さは、特に限定されないが、電極層105bよりも薄くて良く、10nm~500μmが好ましく、100nm~100μmがより好ましく、0.5μm~10μmが最も好ましい。
工程(4)では、図4に示すように、半導体層101を含む前記工程(3)で得られた積層体と、導電性基板107とを接合する。
導電性基板107は、導電性を有しており、前記半導体層を支持可能な剛性を有するのが好ましい。また、導電性基板107は複数の層の積層体で構成されていても良い。導電性基板107の厚さは、特に限定されないが、200μm以下であるのが好ましく、100μm以下であるのがより好ましい。これにより、半導体素子の電気特性を損なうことなく、積層構造を薄型化しつつ優れた放熱性を付与することができる。
本発明の実施態様においては、導電性基板107の表面には、導電性基板107と同等な導電性を有する基板表面層(第2の金属層)107aが形成されている。基板表面層107aは周期律表第11族から選ばれる少なくとも1種の金属を含む。周期律表第11族の金属としては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などが挙げられる。
また、導電性基板107が複数層から構成されている場合、互いに隣接して形成される層の線熱膨張係数が互いに異なる金属を少なくとも含有するものであることが好ましい。なお、「線熱膨張係数」とは、JIS R 3102(1995)に従い測定される。本発明の実施態様においては、基板表面層107aも含めた上で、隣接して形成される導電性基板107中の複数層を構成する金属が同種の金属であって、線熱膨張係数が異なるものであるのも好ましい。例えば、基板表面層107aが銅を含み、基板表面層107aに隣接する導電性基板107の最上面の層が基板表面層107aと異なる線熱膨張係数からなる銅を含む層であってもよい。また、本発明の実施態様においては、導電性基板107を構成する複数の層が、周期律表第11族金属以外の金属を含んでいても良く、特に、周期律表第11族金属を含む層に隣接して形成される層が周期律表第6族金属を含むのが好ましい。さらに、周期律表第6族金属を含む層を、周期律表第11族金属を含む層で挟み込むような構成とするのがより好ましい。これら構成によって、順方向特性をより向上させつつ半導体素子の反りを抑制することができるので、好ましい。周期律表第6族金属としては、例えば、クロム(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)などが挙げられる。本発明の実施態様においては、周期律表第6族金属が、モリブデン(Mo)であるのが好ましい。また、本発明の実施態様においては、導電性基板107がモリブデンおよび銅を含む場合は、モリブデン圧粉体に銅を含侵する含侵法によって得られたCu-Mo複合基板(以下、単に「Cu-Mo複合基板」ともいう。)を導電性基板として用いるのも好ましい。なお、導電性基板107を構成する各層の厚さは、5μm以上であるのが好ましく、10μm以上であるのがより好ましい。
基板表面層107aは、その表面粗さ(Sa)が2nm以下となるよう、例えば研磨などの方法により表面処理されるのが好ましい。研磨後の基板表面層107aの層厚は、特に限定されないが、導電性基板107を構成する各層の厚さと同様に、10nm以上であるのが好ましく、1μm以上であるのがより好ましい。
また、基板表面層107aの表面積や表面形状は特に限定されないが、本発明の実施態様においては、導電性基板107および半導体層101の表面積や表面形状と略同一であるのが好ましい。なお、略同一とは、例えば、導電性基板および半導体層の表面積や表面形状と同一の場合も含み、導電性基板もしくは半導体層の面積に対する基板表面層の面積の比が0.9~1.4の範囲内のものを含む。
導電性基板107を構成する各層および基板表面層107aの形成手段は特に限定されず、公知の手段であってよい。これらの層の形成手段としては、具体的には例えば、ドライ法やウェット法などが挙げられる。ドライ法としては、例えば、スパッタ、真空蒸着、CVD等が挙げられる。ウェット法としては、例えば、電解めっきや無電解めっき等が挙げられる。
以上の構成において、図4のように電極表面層106と基板表面層107aとを対向配置させた状態から、図中矢印の方向に両者を移動し接触させる。そして、電極表面層106と基板表面層107aとを直接接合、好ましくは拡散接合により接合する。具体的には、真空雰囲気や不活性ガス雰囲気もしくは還元ガス雰囲気にて電極表面層106と基板表面層107aとを面同士で密着させた上で、電極表面層106および基板表面層107aの構成材料の融点以下の温度条件を維持しながら、塑性変形をできるだけ生じない程度に、密着面どうしを加圧することで拡散接合する。これによって、接合面間に生じる原子の拡散が始まり、金属原子が混ざり合い、空隙が消失して接合がなされる。
図5は、電極表面層106と基板表面層107aとの拡散接合がなされた後の状態を示したものであり、電極表面層106と基板表面層107aとの間に拡散接合層(接合層)109が形成されている。すなわち、電極表面層106と基板表面層107aとの間に拡散接合層109が介在した半導体素子が形成される。拡散接合層109は、電極表面層106と基板表面層107aとの拡散接合により生成された、僅かな厚みの接合界面もしくは酸化被膜、不純物あるいはその痕跡として定義される。そして、電極表面層106や基板表面層107aとはその構造が僅かに異なるものの、周期律表第11族金属が含まれる。電極表面層106と基板表面層107aとが異なる金属である場合には、これら異なる金属の化合物を含む拡散接合層が形成されることもある。つまり、拡散接合層109の介在によって電極表面層106と基板表面層107aとの接合がなされている。なお、電極表面層106と基板表面層107aとが拡散接合により部分的に一体化することで拡散接合層109が形成されたものであっても良い。
本発明の実施態様においては、電極表面層および基板表面層は共に、周期律表第11族から選ばれる金属を含むが、「銅と銅」、「銀と銀」、「金と金」といった同種の金属が選ばれるのが好ましく、その中でも「銅と銅」、すなわち銅含有層同士の組合せが特に好ましい。また、これら以外にも、「金と銀」や「銀と銅」あるいは「銅と金」もしくはそれ以外の組合せであっても良い。これらいずれの場合であっても、電極表面層と基板表面層が周期律表第11族から選ばれる少なくとも1種の金属を含むことで、順方向特性等の電気特性に加えて、薄型化しつつも放熱性に優れた半導体素子を提供することができる。
特に、結晶性酸化物半導体が、アルミニウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる1少なくとも1種の金属、特にガリウムを含む場合や、α-Gaまたはその混晶である場合には、結晶性酸化物半導体の熱伝導率が低いことに伴う電気特性や放熱特性の条件が高くなることから、特に半導体素子の薄型化にも貢献する本発明により得られる効果が極めて大きい。
なお、拡散接合の接合促進の目的で、接合面間にいわゆるインサート金属を介在させても良い。これによって、接合部における拡散、接合界面の密着化、酸化被膜の破壊や除去といった、接合界面の制御が可能となる。インサート金属としては公知の材料を適宜選択することが可能であり、例えばニッケル(Ni)、ホウ素(B)、シリコン(Si)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、アルミニウム(Al)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タンタル(Ta)、ハフニウム(Hf)、炭素(C)、ジルコニウム(Zr)、鉄(Fe)、銀(Ag)、銅(Cu)、スズ(Sn)などが挙げられる。本実施態様においては、周期律表第11族の金属とは異なる金属から選ばれるのが好ましく、シリコン(Si)を含むインサート金属を用いるのが好ましい。また、「銅と銅」の拡散接合の場合にシリコン(Si)を含むインサート金属を用いるのが特に好ましい。インサート金属を用いた場合には、電極表面層と基板表面層との間に形成される拡散接合層内にインサート金属が含有される。インサート金属は拡散接合の促進を目的としたものであるため、その量や厚みは僅かで良く、個別の接着層を別途設ける構造と比較して薄型化に有利である。
工程(5)では、電極表面層106と基板表面層107aとの拡散接合がなされた状態から、下地基板108を除去する。なお、下地基板を除去する方法としては、例えば、機械的衝撃を加えて除去する方法、熱を加えて熱応力を利用して除去する方法、超音波等の振動を加えて除去する方法、エッチングして除去する方法、研削して除去する方法、スマートカット法等のイオン注入を行った後、熱処理をすることにより除去する方法、レーザリフトオフ法により除去する方法、これらを組み合わせた方法などが挙げられる。
本発明の実施態様においては、工程(5)の後、前記結晶性酸化物半導体膜の結晶を再成長させてもよいし、また、前記結晶性酸化物半導体膜上に異なる半導体層、他の電極層等を設けてもよい。
本発明の実施態様においては、前記半導体層の前記電極層が積層されている面と対向する面上に、他の電極層をさらに備えるのが好ましい。すなわち、導電性基板107、基板表面層107a、拡散接合層109、電極表面層106、電極層105b、半導体層101に加えて、他の電極層をこの順に積層した積層構造とすることにより、半導体層101の厚さ方向に電流が流れる縦型デバイスとして、半導体素子の順方向特性をより優れたものとすることができる。前記他の電極層は、導電性を有するものであれば、本発明の目的を阻害しない限り、特に限定されない。前記他の電極層の構成材料は、導電性無機材料であってもよいし、導電性有機材料であってもよい。本発明の実施態様においては、前記他の電極の材料が、金属であるのが好ましい。前記金属としては、好適には、例えば、周期律表8族~第13族から選ばれる少なくとも1種の金属等が挙げられる。周期律表第8族~10族の金属としては、前記電極層の説明において周期律表第8族~10族の金属としてそれぞれ例示した金属などが挙げられる。周期律表第11族金属としては、例えば、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)などが挙げられる。周期律表第12族の金属としては、例えば、亜鉛(ZN)、カドミウム(Cd)などが挙げられる。また、周期律表第13族の金属としては、例えば、アルミニウム(Al)、ガリウム(Ga)、インジウム(In)などが挙げられる。本発明の実施態様においては、前記他の電極層が、周期律表第11族および第13族金属から選ばれる少なくとも1種の金属を含むのが好ましく、銀、銅、金およびアルミニウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含むのがより好ましい。なお、前記他の電極層の層厚は、特に限定されないが、1nm~500μmが好ましく、10nm~100μmがより好ましく、0.5μm~10μmが最も好ましい。
前記他の電極層の形成手段は特に限定されず、公知の手段であってよい。前記電極層または前記他の電極層の形成手段としては、具体的には例えば、ドライ法やウェット法などが挙げられる。ドライ法としては、例えば、スパッタ、真空蒸着、CVD等が挙げられる。ウェット法としては、例えば、スクリーン印刷やダイコート等が挙げられる。
本発明の実施態様に係る半導体素子は、様々な種類や用途の半導体素子に有用であり、とりわけ、パワーデバイスに有用である。また、半導体素子は、電極が半導体層の片面側に形成され、半導体層の膜厚方向と垂直方向に電流が流れる横型の素子(横型デバイス)と、半導体層の表裏両面側にそれぞれ電極を有し、半導体層の膜厚方向に電流が流れる縦型の素子(縦型デバイス)に分類することができ、本発明の実施態様においては、前記半導体素子を横型デバイスにも縦型デバイスにも好適に用いることができるが、中でも縦型デバイスに用いることが好ましい。前記半導体素子としては、例えば、ショットキーバリアダイオード(SBD)、PNダイオード、ジャンクションバリアショットキーダイオード、金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)、高電子移動度トランジスタ(HEMT)、金属酸化膜半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)、静電誘導トランジスタ(SIT)、接合電界効果トランジスタ(JFET)、絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)または発光ダイオードなどが挙げられる。本発明の実施態様においては、前記半導体素子が、SBD、MOSFET、SIT、JFETまたはIGBTであるのが好ましく、SBD、MOSFETまたはSITであるのがより好ましく、SBDであるのが最も好ましい。
以下、前記半導体素子の好適な例を、図面を用いて説明するが、本発明はこれら実施の態様に限定されるものではない。なお、以下に例示する半導体素子において、本発明の目的を阻害しない限り、さらに他の層(例えば絶縁体層、半絶縁体層、導体層、半導体層、緩衝層またはその他中間層等)などが含まれていてもよいし、また、緩衝層(バッファ層)なども適宜省いてもよい。
(SBD)
図6は、本発明の実施態様に係るショットキーバリアダイオード(SBD)の一例を示している。図6のSBDは、n-型半導体層101a、n+型半導体層101b、導電性基板107に加えて、n-型半導体層101a上に形成されたショットキー電極105aと、電極層105bおよび電極表面層106からなるオーミック電極110を備えている。なお、拡散接合層109および基板表面層107aが電極表面層と同等の電気特性を備えていることから、これらも含めてオーミック電極110の構成要素と捉えることもできる。
ショットキー電極105aは、公知の電極材料であってもよく、前記電極材料としては、例えば、Al、Mo、Co、Zr、Sn、Nb、Fe、Cr、Ta、Ti、Au、Pt、V、Mn、Ni、Cu、Hf、W、Ir、Zn、In、Pd、NdもしくはAg等の金属またはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロ-ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物などが挙げられる。
ショットキー電極105aの形成は、先に説明した電極層(オーミック電極110)の形成と同様に、例えば、真空蒸着法またはスパッタリング法などの公知の手段により行うことができる。より具体的に例えば、ショットキー電極を形成する場合、Moからなる層とAlからなる層を積層させ、Moからなる層およびAlからなる層に対して、フォトリソグラフィの手法を利用したパターニングを施すことにより行うことができる。
本発明の実施態様においては、電極表面層(第1の金属層)106と基板表面層(第2の金属層)107aに周期律表第11族金属からなる金属が含まれている。これにより、半導体素子の電気特性を向上させつつ、半導体素子全体の熱抵抗をより低減させることができる。また、本発明の実施態様においては、導電性基板107として、周期律表第11族金属および周期律表第6族金属を含む導電性基板を用いるのが好ましく、銅およびモリブデンを含む導電性基板を用いるのがより好ましい。図17に、前記導電性基板の好ましい一態様を示す。図17は、モリブデンを含む層と銅を含む層とが少なくとも1層ずつ積層された積層構造を有する導電性基板(以下、「Cu-Mo積層基板」ともいう。)を示しており、基板表面層107a、金属層107c、107eが、銅から構成されており、これに対して金属層107b、107dが、モリブデンから構成されている。導電性基板として、Cu-Mo複合基板またはCu-Mo積層基板を用いた場合には、汎用のSi基板を用いた場合と比較して、半導体素子の熱抵抗が低減される。すなわち、導電性基板として周期律表第11族金属(例えば銅)を含む層を基板表面層とした上で、周期律表第6族金属(例えばモリブデン)を含む層とが少なくとも1層ずつ積層された基板を用いることにより、酸化物半導体(例えば、酸化ガリウム等)を用いた半導体素子の熱抵抗をより改善できることが分かる。
一般的に、電極と基板との接合は熱硬化性の接着剤や、はんだ、あるいはその他の接合材料を介して行われるが、いずれも接合材料を加熱溶融する必要がある。したがって、接合材料が常温まで低下した際に電極や基板に残留応力によるひずみが発生するため、電極や基板を構成する材料の厚みや特性によっては、接合後の電極と基板とが剥離してしまう可能性がある。また、はんだやその他の接合材料を介在させることで、半導体素子の厚みが増して熱抵抗が増大する。しかし、本発明の実施態様においては、電極表面層(第1の金属層)106と基板表面層(第2の金属層)107aに周期律表第11族金属からなる金属を用いて両者を拡散接合によって直接接合することで、電極と基板とを一体化して半導体素子を形成している。拡散接合は、接合材料の溶融を必要としないことから、条件によっては常温(25℃程度)での接合処理が可能となる。そのため、残留応力によって電極や基板に発生するひずみを極力抑制することができ、半導体素子の電気特性などの品質を維持向上させることができる。また、拡散接合にあたって接合材料などを接合面に介在させる必要は無い上に、拡散接合を行う材料自体の厚みも薄くてよいため、半導体素子の熱抵抗を増やすことなく薄型化が可能となる。
図7は、本発明に係るショットキーバリアダイオード(SBD)の一例を示している。図7のSBDは、図6のSBDの構成に加え、さらに絶縁体層104を備えている。より具体的には、n-型半導体層101a、n+型半導体層101b、導電性基板107、ショットキー電極105a、オーミック電極110に加えて、絶縁体層104を備えている。なお、拡散接合層109および基板表面層107aが電極表面層と同等の電気特性を備えていることから、これらも含めてオーミック電極110の構成要素と捉えることもできる。
絶縁体層104の材料としては、例えば、GaO、AlGaO、InAlGaO、AlInZnGaO4、AlN、Hf2O3、SiN、SiON、Al2O3、MgO、GdO、SiO2またはSi3N4などが挙げられるが、本発明の実施態様においては、コランダム構造を有するものであるのが好ましい。コランダム構造を有する絶縁体を絶縁体層に用いることで、界面における半導体特性の機能を良好に発現させることができる。絶縁体層104は、n-型半導体層101とショットキー電極105aとの間に設けられている。絶縁体層の形成は、例えば、スパッタリング法、真空蒸着法またはCVD法などの公知の手段により行うことができる。
ショットキー電極105aの形成や材料等については、上記図6のSBDの場合と同様であり、例えばスパッタリング法、真空蒸着法、圧着法、CVD法等の公知の手段を用いて、例えば、Al、Mo、Co、Zr、Sn、Nb、Fe、Cr、Ta、Ti、Au、Pt、V、Mn、Ni、Cu、Hf、W、Ir、Zn、In、Pd、NdもしくはAg等の金属またはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロ-ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物などからなる電極を形成することができる。
図7のSBDは、図6のSBDに比べ、さらに絶縁特性に優れており、より高い電流制御性を有する。
(MOSFET)
本発明の実施態様に係る半導体素子がMOSFETである場合の一例を図8に示す。図8のMOSFETは、トレンチ型のMOSFETであり、n-型半導体層131a、n+型半導体層131b及び131c、導電性基板137、ゲート絶縁膜134、ゲート電極135a、ソース電極135bおよび、電極層135cおよび電極表面層136からなるドレイン電極140を備えている。なお、拡散接合層139および基板表面層137aが電極表面層と同等の電気特性を備えていることから、これらも含めてドレイン電極140の構成要素と捉えることもできる。
導電性基板137と電極層135cの間には、基板表面層137a、拡散接合層139、電極表面層136が形成されている。また、電極層135c上にはn+型半導体層131bが形成されており、このn+型半導体層131b上にはn-型半導体層131aが形成されている。n+型半導体層131bは、例えば厚さ100nm~100μmに形成されており、n-型半導体層131aは、例えば厚さ100nm~100μmに形成されている。さらに、n-型半導体層131a上には、n+型半導体層131cが形成されており、n+型半導体層131c上には、ソース電極135bが形成されている。
また、n-型半導体層131a内及びn+型半導体層131c内には、n+型半導体層131cを貫通し、n-型半導体層131aの途中まで達する深さの複数のトレンチ溝が形成されている。これらトレンチ溝内には、例えば、10nm~1μmの厚みのゲート絶縁膜134を介してゲート電極135aが埋め込み形成されている。
図8のMOSFETでは、ソース電極135bとドレイン電極140との間に電圧を印加し、ゲート電極135aにソース電極135bに対して正の電圧を与えると、n-型半導体層131aの側面にチャネル層が形成され、電子がn-型半導体層に注入され、ターンオンとなることによりオン状態となる。一方、ゲート電極の電圧を0Vとすることにより、チャネル層ができなくなり、n-型半導体層131aが空乏層で満たされた状態になり、ターンオフとなることによりオフ状態となる。
図9は、図8のMOSFETの製造工程の一部を示している。例えば図9(a)に示すように、あらかじめ拡散接合により、電極表面層136、基板表面層137aおよび拡散接合層139を備えた積層体を作製する。そして、n-型半導体層131aおよびn+型半導体層131cの所定領域にエッチングマスクを設け、エッチングマスクをマスクにして、さらに、反応性イオンエッチング法等により異方性エッチングを行って、図9(b)に示すように、前記n+型半導体層131c表面から前記n-型半導体層131aの途中にまで達する深さのトレンチ溝を形成する。次いで、図9(c)に示すように、熱酸化法、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の公知の手段を用いて、前記トレンチ溝の側面及び底面に、例えば50nm~1μm厚のゲート絶縁膜134を形成した後、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法等を用いて、前記トレンチ溝に、例えばポリシリコン等のゲート電極材料をn-型半導体層の厚み以下に形成する。
そして、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の公知の手段を用いて、n+型半導体層131c上にソース電極135bを、n+型半導体層131b上にドレイン電極140を、それぞれ形成することで、パワーMOSFETを製造することができる。なお、ソース電極の電極材料は、それぞれ公知の電極材料であってもよく、前記電極材料としては、例えば、Al、Mo、Co、Zr、Sn、Nb、Fe、Cr、Ta、Ti、Au、Pt、V、Mn、Ni、Cu、Hf、W、Ir、Zn、In、Pd、NdもしくはAg等の金属またはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロ-ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物などが挙げられる。
このようにして得られたMOSFETは、従来のトレンチ型MOSFETに比べて、さらに耐圧性に優れたものとなる。なお、図8では、トレンチ型の縦型MOSFETの例を示したが、本発明の実施態様においては、これに限定されず、種々のMOSFETの形態に適用可能である。例えば、図8のトレンチ溝の深さをn-型半導体層131aの底面まで達する深さまで掘り下げて、シリーズ抵抗を低減させるようにしてもよい。
(SIT)
図10は、本発明の実施態様に係る半導体素子がSITである場合の一例を示す。図10のSITは、n-型半導体層141a、n+型半導体層141b及び141c、導電性基板147、ゲート電極145a、ソース電極145bおよび、電極層145cおよび電極表面層146からなるドレイン電極150を備えている。なお、拡散接合層149および基板表面層147aが電極表面層と同等の電気特性を備えていることから、これらも含めてドレイン電極150の構成要素と捉えることもできる。
導電性基板147と電極層145cの間には、基板表面層147a、拡散接合層149、電極表面層146が形成されている。また、ドレイン電極150上にはn+型半導体層141bが形成されており、このn+型半導体層141b上にはn-型半導体層141aが形成されている。n+型半導体層141bは、例えば厚さ100nm~100μmに形成されており、n-型半導体層141aは、例えば厚さ100nm~100μmに形成されている。さらに、n-型半導体層141a上には、n+型半導体層141cが形成されており、n+型半導体層141c上には、ソース電極145bが形成されている。
また、n-型半導体層141a内には、n+半導体層141cを貫通し、n-半導体層141aの途中の深さまで達する深さの複数のトレンチ溝が形成されている。トレンチ溝内のn-型半導体層141a上には、ゲート電極145aが形成されている。
図10のSITではでは、ソース電極145bとドレイン電極150との間に電圧を印可し、ゲート電極145aにソース電極145bに対して正の電圧を与えると、n-型半導体層141a内にチャネル層が形成され、電子がn-型半導体層に注入され、ターンオンすることによりオン状態となる。一方、ゲート電極の電圧を0Vにすることにより、チャネル層ができなくなり、n-型半導体層141bが空乏層で満たされた状態になり、ターンオフとなることによりオフ状態となる。
本発明の実施態様においては、図10のSITを、図9のMOSFETと同様にして製造することができる。より具体的に例えば、あらかじめ拡散接合により、電極表面層146、基板表面層147aおよび拡散接合層149を備えた積層体を作製する。そして、n-型半導体層141aおよびn+型半導体層141cの所定領域にエッチングマスクを設け、前記エッチングマスクをマスクにして、例えば、反応性イオンエッチング法等により異方性エッチングを行って、n+型半導体層141c表面からn-型半導体層の途中まで達する深さのトレンチ溝を形成する。次いで、CVD法、真空蒸着法、スパッタリング法等で、前記トレンチ溝に、例えばポリシリコン等のゲート電極材料をn-型半導体層の厚み以下に形成する。また、真空蒸着法、スパッタリング法、CVD法等の公知の手段を用いて、n+型半導体層141c上にソース電極145bを、n+型半導体層141b上にドレイン電極145cを、それぞれ形成することで、SITを製造することができる。なお、ソース電極の電極材料は、それぞれ公知の電極材料であってもよく、電極材料としては、例えば、Al、Mo、Co、Zr、Sn、Nb、Fe、Cr、Ta、Ti、Au、Pt、V、Mn、Ni、Cu、Hf、W、Ir、Zn、In、Pd、NdもしくはAg等の金属またはこれらの合金、酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化インジウム錫(ITO)、酸化亜鉛インジウム(IZO)等の金属酸化物導電膜、ポリアニリン、ポリチオフェン又はポリピロ-ルなどの有機導電性化合物、またはこれらの混合物などが挙げられる。
上記の各実施態様では、p型半導体を使用していない例を示したが、本発明の実施態様においては、これに限定されず、p型半導体を用いてもよい。これらの半導体素子は、上記例と同様にして製造することができる。なお、p型半導体は、n型半導体と同じ材料であって、p型ドーパントを含むものであってもよいし、異なるp型半導体であってもよい。
本発明の実施態様における半導体素子は、上記した事項に加え、リードフレーム、回路基板または放熱基板等に常法によって接合することで半導体装置として好適に用いられる。とりわけ、パワーモジュール、インバータまたはコンバータとして好適に用いられ、さらには、例えば電源装置を用いた半導体システム等に好適に用いられる。前記半導体装置の好適な一例を図12に示す。図12の半導体装置は、半導体素子400の両面が、それぞれ半田401によってリードフレーム、回路基板または放熱基板402と接合されている。このように構成することにより、放熱性に優れた半導体装置とすることができる。なお、本発明の実施態様においては、半田等の接合部材の周囲が樹脂で封止されているのが好ましい。
上述した本発明の実施態様に係る半導体素子もしくは半導体装置は、上記した機能を発揮させるべく、インバータやコンバータなどの電力変換装置に適用することができる。より具体的には、インバータやコンバータに内蔵されるダイオードや、スイッチング素子であるサイリスタ、パワートランジスタ、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)等として適用することができる。図13は、本発明の実施態様に係る半導体素子もしくは半導体装置を用いた制御システムの一例を示すブロック構成図、図14は同制御システムの回路図であり、特に電気自動車(Electric Vehicle)への搭載に適した制御システムである。
図13に示すように、制御システム500はバッテリー(電源)501、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504、モータ(駆動対象)505、駆動制御部506を有し、これらは電気自動車に搭載されてなる。バッテリー501は例えばニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの蓄電池からなり、給電ステーションでの充電あるいは減速時の回生エネルギーなどにより電力を貯蔵するとともに、電気自動車の走行系や電装系の動作に必要となる直流電圧を出力することができる。昇圧コンバータ502は例えばチョッパ回路を搭載した電圧変換装置であり、バッテリー501から供給される例えば200Vの直流電圧を、チョッパ回路のスイッチング動作により例えば650Vに昇圧して、モータなどの走行系に出力することができる。降圧コンバータ503も同様にチョッパ回路を搭載した電圧変換装置であるが、バッテリー501から供給される例えば200Vの直流電圧を、例えば12V程度に降圧することで、パワーウインドーやパワーステアリング、あるいは車載の電気機器などを含む電装系に出力することができる。
インバータ504は、昇圧コンバータ502から供給される直流電圧をスイッチング動作により三相の交流電圧に変換してモータ505に出力する。モータ505は電気自動車の走行系を構成する三相交流モータであり、インバータ504から出力される三相の交流電圧によって回転駆動され、その回転駆動力を図示しないトランスミッション等を介して電気自動車の車輪に伝達する。
一方、図示しない各種センサを用いて、走行中の電気自動車から車輪の回転数やトルク、アクセルペダルの踏み込み量(アクセル量)などの実測値が計測され、これらの計測信号が駆動制御部506に入力される。また同時に、インバータ504の出力電圧値も駆動制御部506に入力される。駆動制御部506はCPU(Central Processing Unit)などの演算部やメモリなどのデータ保存部を備えたコントローラの機能を有するもので、入力された計測信号を用いて制御信号を生成してインバータ504にフィードバック信号として出力することで、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する。これによって、インバータ504がモータ505に与える交流電圧が瞬時に補正されることで、電気自動車の運転制御を正確に実行させることができ、電気自動車の安全・快適な動作が実現する。なお、駆動制御部506からのフィードバック信号を昇圧コンバータ502に与えることで、インバータ504への出力電圧を制御することも可能である。
図14は、図13における降圧コンバータ503を除いた回路構成、すなわちモータ505を駆動するための構成のみを示した回路構成である。同図に示されるように、本発明の半導体装置は、例えばショットキーバリアダイオードとして昇圧コンバータ502およびインバータ504に採用されることでスイッチング制御に供される。昇圧コンバータ502においてはチョッパ回路に組み込まれてチョッパ制御を行い、またインバータ504においてはIGBTを含むスイッチング回路に組み込まれてスイッチング制御を行う。なお、バッテリー501の出力にインダクタ(コイルなど)を介在させることで電流の安定化を図り、またバッテリー501、昇圧コンバータ502、インバータ504のそれぞれの間にキャパシタ(電解コンデンサなど)を介在させることで電圧の安定化を図っている。
また、図14中に点線で示すように、駆動制御部506内にはCPU(Central Processing Unit)からなる演算部507と不揮発性メモリからなる記憶部508が設けられている。駆動制御部506に入力された信号は演算部507に与えられ、必要な演算を行うことで各半導体素子に対するフィードバック信号を生成する。また記憶部508は、演算部507による演算結果を一時的に保持したり、駆動制御に必要な物理定数や関数などをテーブルの形で蓄積して演算部507に適宜出力する。演算部507や記憶部508は公知の構成を採用することができ、その処理能力等も任意に選定できる。
図13や図14に示されるように、制御システム500においては、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504のスイッチング動作にはダイオードやスイッチング素子であるサイリスタ、パワートランジスタ、IGBT、MOSFET等が用いられる。これらの半導体素子に酸化ガリウム(Ga)、特にコランダム型酸化ガリウム(α-Ga)をその材料として用いることでスイッチング特性が大幅に向上する。さらに、本発明の実施態様に係る半導体装置等を適用することで、極めて良好なスイッチング特性が期待できるとともに、制御システム500の一層の小型化やコスト低減が実現可能となる。すなわち、昇圧コンバータ502、降圧コンバータ503、インバータ504のそれぞれが本発明による効果を期待できるものとなり、これらのいずれか一つ、もしくは任意の二つ以上の組合せ、あるいは駆動制御部506も含めた形態のいずれにおいても本発明の効果を期待することができる。
なお、上述の制御システム500は本発明の実施態様に係る半導体装置を電気自動車の制御システムに適用できるだけではなく、直流電源からの電力を昇圧・降圧したり、直流から交流へ電力変換するといったあらゆる用途の制御システムに適用することが可能である。また、バッテリーとして太陽電池などの電源を用いることも可能である。
図15は、本発明の実施態様に係る半導体素子または半導体装置を採用した制御システムの他の例を示すブロック構成図、図16は同制御システムの回路図であり、交流電源からの電力で動作するインフラ機器や家電機器等への搭載に適した制御システムである。
図15に示すように、制御システム600は、外部の例えば三相交流電源(電源)601から供給される電力を入力するもので、AC/DCコンバータ602、インバータ604、モータ(駆動対象)605、駆動制御部606を有し、これらは様々な機器(後述する)に搭載することができる。三相交流電源601は、例えば電力会社の発電施設(火力発電所、水力発電所、地熱発電所、原子力発電所など)であり、その出力は変電所を介して降圧されながら交流電圧として供給される。また、例えば自家発電機等の形態でビル内や近隣施設内に設置されて電力ケーブルで供給される。AC/DCコンバータ602は交流電圧を直流電圧に変換する電圧変換装置であり、三相交流電源601から供給される100Vや200Vの交流電圧を所定の直流電圧に変換する。具体的には、電圧変換により3.3Vや5V、あるいは12Vといった、一般的に用いられる所望の直流電圧に変換される。駆動対象がモータである場合には12Vへの変換が行われる。なお、三相交流電源に代えて単相交流電源を採用することも可能であり、その場合にはAC/DCコンバータを単相入力のものとすれば同様のシステム構成とすることができる。
インバータ604は、AC/DCコンバータ602から供給される直流電圧をスイッチング動作により三相の交流電圧に変換してモータ605に出力する。モータ604は、制御対象によりその形態が異なるが、制御対象が電車の場合には車輪を、工場設備の場合にはポンプや各種動力源を、家電機器の場合にはコンプレッサなどを駆動するための三相交流モータであり、インバータ604から出力される三相の交流電圧によって回転駆動され、その回転駆動力を図示しない駆動対象に伝達する。
なお、例えば家電機器においてはAC/DCコンバータ302から出力される直流電圧をそのまま供給することが可能な駆動対象も多く(例えばパソコン、LED照明機器、映像機器、音響機器など)、その場合には制御システム600にインバータ604は不要となり、図15中に示すように、AC/DCコンバータ602から駆動対象に直流電圧を供給する。この場合、例えばパソコンなどには3.3Vの直流電圧が、LED照明機器などには5Vの直流電圧が供給される。
一方、図示しない各種センサを用いて、駆動対象の回転数やトルク、あるいは駆動対象の周辺環境の温度や流量などといった実測値が計測され、これらの計測信号が駆動制御部606に入力される。また同時に、インバータ604の出力電圧値も駆動制御部606に入力される。これらの計測信号をもとに、駆動制御部606はインバータ604にフィードバック信号を与え、スイッチング素子によるスイッチング動作を制御する。これによって、インバータ604がモータ605に与える交流電圧が瞬時に補正されることで、駆動対象の運転制御を正確に実行させることができ、駆動対象の安定した動作が実現する。また、上述のように、駆動対象が直流電圧で駆動可能な場合には、インバータへのフィードバックに代えてAC/DCコンバータ602をフィードバック制御することも可能である。
図16は、図15の回路構成を示したものである。同図に示されるように、本発明の半導体装置は、例えばショットキーバリアダイオードとしてAC/DCコンバータ602およびインバータ604に採用されることでスイッチング制御に供される。AC/DCコンバータ602は、例えばショットキーバリアダイオードをブリッジ状に回路構成したものが用いられ、入力電圧の負電圧分を正電圧に変換整流することで直流変換を行う。またインバータ604においてはIGBTにおけるスイッチング回路に組み込まれてスイッチング制御を行う。なお、三相交流電源601とAC/DCコンバータ602との間にインダクタ(コイルなど)を介在させることで電流の安定化を図り、またAC/DCコンバータ602とインバータ604の間にキャパシタ(電解コンデンサなど)を介在させることで電圧の安定化を図っている。
また、図16中に点線で示すように、駆動制御部606内にはCPUからなる演算部607と不揮発性メモリからなる記憶部608が設けられている。駆動制御部606に入力された信号は演算部607に与えられ、必要な演算を行うことで各半導体素子に対するフィードバック信号を生成する。また記憶部608は、演算部607による演算結果を一時的に保持したり、駆動制御に必要な物理定数や関数などをテーブルの形で蓄積して演算部607に適宜出力する。演算部607や記憶部608は公知の構成を採用することができ、その処理能力等も任意に選定できる。
このような制御システム600においても、図13や図14に示した制御システム500と同様に、AC/DCコンバータ602やインバータ604の整流動作やスイッチング動作にはダイオードやスイッチング素子であるサイリスタ、パワートランジスタ、IGBT、MOSFET等が用いられる。これら半導体素子に酸化ガリウム(Ga)、特にコランダム型酸化ガリウム(α-Ga)をその材料として用いることでスイッチング特性が向上する。さらに、本発明に係る半導体膜や半導体装置を適用することで、極めて良好なスイッチング特性が期待できるとともに、制御システム600の一層の小型化やコスト低減が実現可能となる。すなわち、AC/DCコンバータ602、インバータ604のそれぞれが本発明による効果を期待できるものとなり、これらのいずれか一つ、もしくは組合せ、あるいは駆動制御部606も含めた形態のいずれにおいても本発明の効果を期待することができる。
なお、図15および図16では駆動対象としてモータ605を例示したが、駆動対象は必ずしも機械的に動作するものに限られず、交流電圧を必要とする多くの機器を対象とすることができる。制御システム600においては、交流電源から電力を入力して駆動対象を駆動する限りにおいては適用が可能であり、インフラ機器(例えばビルや工場等の電力設備、通信設備、交通管制機器、上下水処理設備、システム機器、省力機器、電車など)や家電機器(例えば、冷蔵庫、洗濯機、パソコン、LED照明機器、映像機器、音響機器など)といった機器を対象とした駆動制御のために搭載することができる。
なお、本発明に係る複数の実施態様を組合わせたり、一部の構成要素を他の実施態様に適用することももちろん可能であり、そのようなものも本発明の実施態様に属する。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
1.n-型半導体層の形成
1-1.成膜装置
図11を用いて、本実施例で用いたミストCVD装置1を説明する。ミストCVD装置1は、キャリアガスを供給するためのキャリアガス源2aと、キャリアガス源2aから送り出されるキャリアガスの流量を調節するための流量調節弁3aと、キャリアガス(希釈)を供給するキャリアガス(希釈)源2bと、キャリアガス(希釈)源2bから送り出されるキャリアガス(希釈)の流量を調節するための流量調節弁3bと、原料溶液4aが収容されるミスト発生源4と、水5aが入れられる容器5と、容器5の底面に取り付けられた超音波振動子6と、成膜室7と、ミスト発生源4から成膜室7までをつなぐ供給管9と、成膜室7内に設置されたホットプレート8と、熱反応後のミスト、液滴および排気ガスを排出する排出口11とを備えている。なお、ホットプレート8上には、基板10が設置されている。
1-2.結晶性酸化物半導体膜の形成
図11に示すミストCVD装置を用いて、サファイア基板(基板10)上にn-型半導体層を形成した。
1-3.評価
XRD回折装置を用いて、上記1-2.にて得られた膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα-Gaであった。
2.n+型半導体層の形成
ドーパントとして錫を用いたこと以外は、上記1-2.と同様にして、n-型半導体層上にn+型半導体層を形成した。得られた膜につき、XRD回折装置を用いて膜の相の同定を行ったところ、得られた膜はα-Gaであった。
3.オーミック電極の形成
上記2.で得られた積層体のn+型半導体層上に、電極層であるTi層および電極表面層であるCu層をそれぞれスパッタリングにて積層した。なお、Ti層の厚さは70nmであり、Cu層の厚さは200nmであった。ここで言うCu層は電極表面層に相当する。
4.導電性基板の作成
導電性基板として、2つのCu層およびその間に介在するMo層とからなる3層積層構造のCu-Mo複合基板(Moの含有質量70%、Cuの含有質量30%)を作成した。なお、導電性基板の厚さは200μmであった。
5.オーミック電極と導電性基板の接合
オーミック電極上のCu層(電極表面層)の表面と、導電性基板上のCu層(基板表面層)の表面を研磨し、それぞれの表面粗さ(Sa)が0.1nm~2nm程度となるように表面を平滑化した。その後、表面の酸化を避けるために、サファイア基板に積層された結晶性酸化物半導体膜およびオーミック電極と、上記4.にて作成された導電性基板とを、真空環境下に移し、ヒーターの輻射熱によって両者を120℃~350℃の温度で加熱しながら、電極表面層と基板表面層との間に介在物を置かずに両者を直接密着させた状態で加圧し拡散接合した。
拡散接合された両者は、その接合界面に形成された拡散接合層として僅かな酸化物や不純物の残留が確認されたが、十分な強度で接合されていた。また、はんだやその他の接合材料を介在させた場合と比較して熱抵抗の増加が抑えられていた。
また、表面粗さ(Sa)を0.1nm~1nmとした上で真空度を高めることで、常温(25℃)での拡散接合を行い、上記と同様の接合状態を確認することができた。
6.基板除去
上記5.にて得られた積層体において、上記サファイア基板を除去した。
7.ショットキー電極の形成
上記6.で得られた積層体の第2のn-型半導体層上に、EB蒸着により、Co膜(厚さ100nm)、Ti膜(50nm)およびAl膜(厚さ5μm)をそれぞれ形成し、ショットキー電極とした。
(実施例2)
導電性基板として、Si基板を用いたこと以外は、実施例1に準じて、SBDを作製した。
(電気特性の評価)
実施例1および実施例2にて得られた半導体素子(SBD)につき、IV特性を評価したところ、実施例1のショットキーバリアダイオードの方が、優れた電気特性を有することがわかる。また、導電性基板として、Cu-Mo積層基板を用いた場合にも、実施例1と同等の電気特性が得られる。
(実施例3)
上記5.にて、オーミック電極上のCu層と導電性基板上のCu層との接合面にSiを介在させた上で、上記(5)と同様の条件にて両者を直接密着させ加圧した。拡散接合された積層体は、接合界面に形成された拡散接合層として僅かなSi残留物が認められたが、十分な強度で接合されていた。電気特性や熱特性も、実施例1と同様の優れたものであった。
(比較例1)
オーミック電極上のCu層に代えて、銀の焼結体からなるアルゴマックス(登録商標)を用い、導電性基板表面のCu層との接着を行った。得られた積層体は、実施例1で得られた積層体に比べて放熱性に劣るものであった。
本発明の半導体素子は、半導体(例えば化合物半導体電子デバイス等)、電子部品・電気機器部品、光学・電子写真関連装置、工業部材などあらゆる分野に用いることができるが、とりわけ、パワーデバイスに有用である。
1 成膜装置(ミストCVD装置)
2a キャリアガス源
2b キャリアガス(希釈)源
3a 流量調節弁
3b 流量調節弁
4 ミスト発生源
4a 原料溶液
4b 原料微粒子
5 容器
5a 水
6 超音波振動子
7 成膜室
8 ホットプレート
9 供給管
10 基板
101 半導体層
101a n-型半導体層
101b n+型半導体層
105 電極層
105a ショットキー電極(他の電極層)
106 電極表面層(第1の金属層)
107 導電性基板
107a 基板表面層(第2の金属層)
108 下地基板
109 拡散接合層(接合層)
110 オーミック電極
131a n-型半導体層
131b 第1のn+型半導体層
131c 第2のn+型半導体層
132 p型半導体層
134 ゲート絶縁膜
135a ゲート電極
135b ソース電極
135c 電極層
136 電極表面層(第1の金属層)
137 導電性基板
137a 基板表面層(第2の金属層)
139 拡散接合層(接合層)
140 ドレイン電極
141a n-型半導体層
141b 第1のn+型半導体層
141c 第2のn+型半導体層
145a ゲート電極
145b 電極層
145c ドレイン電極(電極層)
146 電極表面層(第1の金属層)
147 導電性基板
147a 基板表面層(第2の金属層)
149 拡散接合層(接合層)
150 ドレイン電極
400 半導体素子
401 半田
402 放熱基板
500 制御システム
501 バッテリー(電源)
502 昇圧コンバータ
503 降圧コンバータ
504 インバータ
505 モータ(駆動対象)
506 駆動制御部
507 演算部
508 記憶部
600 制御システム
601 三相交流電源(電源)
602 AC/DCコンバータ
604 インバータ
605 モータ(駆動対象)
606 駆動制御部
607 演算部
608 記憶部

Claims (24)

  1. 結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、
    前記電極層と前記導電性基板との間に、周期律表第11族金属を含む第1の金属層および第2の金属層と、前記第1の金属層と第2の金属層との間に介在する拡散接合層とを設けてなることを特徴とする半導体素子。
  2. 前記第1の金属層および第2の金属層は、金、銀もしくは銅のいずれか1つの金属を含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  3. 前記第1の金属層および第2の金属層の少なくとも一方は銅を含むことを特徴とする請求項2記載の半導体素子。
  4. 前記第1の金属層および第2の金属層が共に銅を含むことを特徴とする請求項3記載の半導体素子。
  5. 前記拡散接合層は、前記第1の金属層および第2の金属層に含まれる金属をそれぞれ含むことを特徴とする請求項1記載の半導体素子。
  6. 前記拡散接合層は、周期律表第11族金属とは異なる金属を含むことを特徴とする請求項5記載の半導体素子。
  7. 前記拡散接合層はシリコンを含むことを特徴とする請求項6記載の半導体素子。
  8. 前記結晶性酸化物半導体はアルミニウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む請求項1~7のいずれかに記載の半導体素子。
  9. 前記結晶性酸化物半導体は少なくともガリウムを含む請求項1~8のいずれかに記載の半導体素子。
  10. 前記半導体層の前記電極層が積層されている面と対向する面上に、他の電極層をさらに備える請求項1~9のいずれかに記載の半導体素子。
  11. 前記半導体層は、n+型半導体層と該n+型半導体層上に設けられるn-型半導体層とからなり、前記電極層は前記n+型半導体層上に設けられていることを特徴とする請求項1~10のいずれかに記載の半導体素子。
  12. 結晶性酸化物半導体を主成分として含む半導体層と、該半導体層上に積層される電極層と、該電極層上に積層される接合層と、該接合層上に積層される導電性基板とを少なくとも備える半導体素子であって、
    前記接合層は、周期律表第11族金属を含む金属が拡散接合されてなる層であることを特徴とする半導体素子。
  13. 前記接合層は、金、銀もしくは銅のいずれか1つの金属を含むことを特徴とする請求項12記載の半導体素子。
  14. 前記接合層は銅を含むことを特徴とする請求項13記載の半導体素子。
  15. 前記接合層は、周期律表第11族金属とは異なる金属を含むことを特徴とする請求項12~14記載の半導体素子。
  16. 前記接合層はシリコンを含むことを特徴とする請求項15記載の半導体素子。
  17. 前記結晶性酸化物半導体はアルミニウム、インジウムおよびガリウムから選ばれる少なくとも1種の金属を含む請求項12~16のいずれかに記載の半導体素子。
  18. 前記結晶性酸化物半導体は少なくともガリウムを含む請求項12~17のいずれかに記載の半導体素子。
  19. 前記半導体層の前記電極層が積層されている面と対向する面上に、他の電極層をさらに備える請求項12~18のいずれかに記載の半導体素子。
  20. 前記半導体層は、n+型半導体層と該n+型半導体層上に設けられるn-型半導体層とからなり、前記電極層は前記n+型半導体層上に設けられていることを特徴とする請求項12~20のいずれかに記載の半導体素子。
  21. パワーデバイスである請求項1~20のいずれかに記載の半導体素子。
  22. 少なくとも半導体素子がリードフレーム、回路基板または放熱基板と接合部材によって接合されて構成される半導体装置であって、前記半導体素子が、請求項1~20のいずれかに記載の半導体素子であることを特徴とする半導体装置。
  23. 請求項22記載の半導体装置を用いた電力変換装置。
  24. 請求項23記載の半導体装置を用いた制御システム。

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