JP2022099303A - 固形化燃料、被焼却物の焼却方法、汚泥焼却装置及び汚泥焼却方法 - Google Patents

固形化燃料、被焼却物の焼却方法、汚泥焼却装置及び汚泥焼却方法 Download PDF

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Abstract

【課題】炉内の流動層に速やかに到達するとともに、砂層の温度を効率的に上昇させ、かつ良好な燃焼を実現することが可能な固形化燃料、被焼却物の焼却方法、汚泥焼却装置及び汚泥焼却方法を提供することを課題とする。【解決手段】被焼却物を焼却する流動層式焼却炉1に用いる固形化燃料であって、少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化している。【選択図】図1

Description

本発明は、固形化燃料、被焼却物の焼却方法、汚泥焼却装置及び汚泥焼却方法に関する。
従来から、汚泥等の被焼却物を効率よく、確実かつ短時間に完全燃焼させる焼却炉として流動層式焼却炉が多用されている。この流動層式焼却炉で焼却処理されている脱水汚泥は、含水率が高いため自燃しない場合が多く、炉内における流動層の砂層温度を汚泥の燃焼に適した温度に維持するために、灯油や都市ガス、A重油といった化石燃料を助燃材として使用し、砂層内にこれらの助燃材を直接吹き込み燃焼させている。
一方で、近年、廃プラスチックの処理が課題となっており、それを有効利用できる場が求められているのは、周知の事実である。そこで、特許文献1では、流動層式汚泥焼却炉で、廃プラスチックと汚泥とを混在した状態で焼却させることを提案している。この特許文献1によれば、汚泥の焼却に際して、高発熱量の廃プラスチックを助燃材として有効利用し、かつ処分することができるとともに、これまで流動層式汚泥焼却炉の助燃材として使用されていた化石燃料の削減に寄与するので、被焼却物としての汚泥の焼却の際のコストの削減になるという長所もある。
特開平11-182834号
ところで、特許文献1に開示された廃プラスチックのような固形の助燃材の場合、化石燃料のように流動層の砂層内へ直接吹き込むことが物理的に困難であるため、流動層式汚泥焼却炉の上部(少なくとも、流動層形成域よりも上方)から流動層内へ供給する必要がある。
しかしながら、廃プラスチックを含む助燃材は、それ自体の比重が小さいので、流動層内へ向け降下する間に、流動層表面(層上面)付近で速やかに燃焼してしまい、流動層に対して上方の空間であるフリーボード部の温度は上がるものの流動層全体の砂層への着熱が良好とはいえなかった。また、比表面積が大きすぎると、助燃材の熱分解が早く進みすぎるため不完全燃焼を招くという課題もあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、炉内の流動層に速やかに到達するとともに、砂層の温度を効率的に上昇させ、かつ良好な燃焼を実現することが可能な固形化燃料、被焼却物の焼却方法、汚泥焼却装置及び汚泥焼却方法を提供することを課題とする。
本発明によれば、前述の課題は、次の固形化燃料、被焼却物の焼却方法、汚泥焼却装置及び汚泥焼却方法により解決される。
<固形化燃料>
被焼却物を焼却する流動層式焼却炉に用いる固形化燃料であって、少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化した固形化燃料。
本発明において、前記固形化燃料は、見掛け比重が0.70~1.00g/cmで、かつ比表面積が0.12~1.00mm-1であることとしてもよい。なお、ここでの比表面積とは、単位体積あたりの表面積を指す。
本発明において、前記固形化燃料は、見掛け比重が0.72~0.98g/cmで、かつ比表面積が0.14~0.30mm-1であることとしてもよい。
<被焼却物の焼却方法>
前記固形化燃料を用いて流動層式焼却炉で被焼却物を焼却処理する被焼却物の焼却方法。
<汚泥焼却装置>
流動層式の焼却炉と、前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ汚泥を供給する汚泥供給部と、少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化した固形化燃料を、前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ供給する供給部と、を有する汚泥焼却装置。
<汚泥焼却方法>
流動層式の焼却炉を用いる汚泥焼却方法であって、前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ汚泥を供給し、少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化した固形化燃料を、前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ供給する、汚泥焼却方法。
本発明によれば、炉内の流動層に速やかに到達するとともに、砂層の温度を効率的に上昇させ、かつ良好な燃焼を実現することが可能な固形化燃料、被焼却物の焼却方法、汚泥焼却装置及び汚泥焼却方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係る汚泥焼却炉及び排ガス処理設備を示す構成図である。 本発明の実施例における実験結果を、固形化燃料の見掛け比重と比表面積との関係で示す図である。 CO連続計で測定したCO濃度のグラフの一例を示す図である。 本発明の実施例における実験結果を、固形化燃料の見掛け比重と比表面積との関係で示す図である。 本発明の実施例における実験結果を、固形化燃料の見掛け比重と比表面積との関係で示す図である。
以下、添付図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。
図1は、本実施形態における汚泥焼却炉(以下、「焼却炉」)1及び排ガス処理設備の構成を示す。本実施形態では、焼却炉1は砂層により流動層を形成する流動層式である。
図1において、焼却炉1の下流側には、焼却炉1から排気される排ガスについて熱回収する熱交換器2、排ガスを除塵する除塵装置3、除塵後の排ガスを洗煙する洗煙塔4が順次配設されている。図1に示されているように、熱交換器2は焼却炉1の後述の排気部1Aに煙道Aで接続されており、除塵装置3は熱交換器2に煙道Bで接続されており、洗煙塔4は除塵装置3に煙道Cで接続されている。また、洗煙塔4からは煙道Dが延びており、洗煙塔4は下流側に位置する煙突(図示せず)に接続されている。
焼却炉1の炉本体1-0の側壁には、被焼却物としての汚泥を外部から受けて炉本体1-0内へ供給する汚泥供給部1Bと、助燃材を外部から受けて炉本体1-0内へ供給する助燃材供給部1Cが設けられている。助燃材供給部1Cは、化石燃料助燃材を供給する化石燃料供給部1C-1と、廃プラスチック助燃材を供給する廃プラスチック供給部1C-2とを有している。図1に見られるように、汚泥供給部1Bは、炉本体1-0の上部に設けられている。化石燃料供給部1C-1は、炉本体1-0の上下方向での中間部において、炉本体1-0内の砂層(流動層)の表面(上面)より若干下方に位置している。廃プラスチック供給部1C-2は、炉本体1-0の上下方向での中間部において、炉本体1-0内の砂層の表面より若干上方に位置している。助燃材供給部1Cには、助燃材の供給量を調整する弁等の調整器1Jが設けられている。調整器1Jは、化石燃料供給部1C-1に接続された化石燃料供給調整器1J-1と、廃プラスチック供給部1C-2に接続された廃プラスチック供給量調整器1J-2とを有している。
焼却炉1の炉本体1-0内には、炉本体1-0の底壁1Dの直上位置に板状の透気部材1Eが設けられていて、透気部材1E上に収められた砂によって砂層が形成されている。砂層を形成する砂は、例えば、珪砂である。この透気部材1Eの下方に位置する下方空間1Fへ外部から燃焼用の空気が空気送入部1Gを経て送入されており、送入された空気は透気部材1Eの透気孔を透気して砂層へ流入している。透気部材1E上の砂層は、透気部材1Eを透気した空気により流動して流動層1Hを形成する。
本実施形態において、廃プラスチック供給部1C-2から供給される廃プラスチック助燃材は、少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化した固形化燃料である。見掛け比重範囲及び比表面積範囲を所定の適切な範囲に設定することにより、後述するように、固形化燃料を焼却炉1の流動層1Hの内部へ速やかに降下させて流動層の温度を効率的に上昇させるとともに、適切な時間で燃焼させることができる。固形化燃料の見掛け比重範囲は、0.70~1.00g/cmの範囲に設定されていることが好ましく、また、固形化燃料の比表面積範囲は0.12~1.00mm-1の範囲に設定されていることが好ましい。固形化燃料の形状については、特に限定はないが、例えば円柱状成型物等の成型容易な形状であることが好ましい。
固形化燃料に含まれる廃プラスチックの原材料は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等の多種のプラスチックの混合物である。固形化燃料に含まれる廃プラスチック以外の原材料としては、例えば、紙、布、木材、穀類の殻等、可燃物であれば、限定はない。
次に、このような構成の本実施形態の焼却炉1による汚泥焼却要領を説明する。
焼却炉1の炉本体1-0内には、透気部材1E上に流動層1Hを形成するための砂が収められている。空気送入部1Gを経て外部から下方空間1Fへ送入される燃焼用の空気が透気部材1Eを透気して上昇することにより透気部材1E上で砂が流動して流動層1Hが形成される。
化石燃料供給部1C-1からは化石燃料助燃材が、また、廃プラスチック供給部1C-2からは廃プラスチック助燃材が、それぞれ炉本体1-0内へ供給されて燃焼しているので、流動層1Hは所定の高温状態となっている。本実施形態では、化石燃料助燃材は、廃プラスチック助燃材の補助として使用され、可能な限り廃プラスチック助燃材が主として用いられる。
この流動層1Hへ向け、汚泥供給部1Bから汚泥が落下供給される。汚泥は高温の流動層1H内を砂とともに流動している間に燃焼する。汚泥の燃焼により生じる排ガスは、排気部1Aから煙道Aを通り、熱交換器2で熱回収された後、煙道Bを通り、除塵装置3で除塵され、さらに、煙道Cを通り、洗煙塔4で洗煙されてから、煙道Dを通り、無害化された状態で煙突から大気へ放出される。
本実施形態では、廃プラスチック助燃材は、廃プラスチックを含む可燃物を固形化した固形化燃料として形成されており、見掛け比重が所定の見掛け比重範囲内、好ましくは0.70~1.00g/cmの範囲内、かつ、比表面積が所定の比表面積範囲内、好ましくは0.12~1.00mm-1の範囲内として形成されている。
一般に、廃プラスチック自体は比重が小さく、助燃材として供給されても、流動層の上層部で速やかに燃焼してしまい、流動層内部へ到達しないため、流動層全体が高温化しない傾向にある。しかし、本実施形態では、固形化燃料は、上述したように、その比重が所定の見掛け比重範囲内であるので、比重が小さすぎて固形化燃料が流動層1Hの上層で浮遊しながら燃焼してしまうことがなく、流動層1Hの内部へ速やかに降下して燃焼するので、流動層全体を十分かつ効率的に高温化させることができる。その際、比重が大きすぎて固形化燃料が燃焼しないうちに流動層1Hの下域へ達することもない。さらに、固形化燃料は、その比表面積が所定の比表面積範囲内であるので、適切な燃焼時間(燃え尽きるまでの時間)で燃焼する。したがって、固形化燃料の比表面積が小さすぎて燃焼時間が過剰に長くなることで流動層1Hの温度を調整しにくくなることもなく、また、固形化燃料の比表面積が大きすぎて燃焼時間が短くなることで不完全燃焼を生じることもない。
以下に示した条件を用いて、汚泥と固形化燃料を流動層式焼却炉で混焼する実験を行った。
(1-1)運転条件
・流動層仕様:直径500mm(流動層式焼却炉の炉本体内径)
・流動砂:硅砂5.5号
・ガス空塔速度:0.3m/s(炉本体底部への注入空気速度)
・被焼却物:汚泥と固形化燃料(汚泥は、脱水した下水汚泥である)
・汚泥の熱量(カロリー):5MJ/kg
・固形化燃料の熱量(カロリー):32MJ/kg
・固形化燃料の組成:プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等、多種のプラスチックの混合物である。
・固形化燃料の形状:円柱状成型物(平均外径:4~52mm、長さ:3mm~100mm、1個当たりの見掛け比重:0.55~1.00g/cm、1個当たりの比表面積:0.10~1.33mm-1
(2-1)運転方法および評価方法
・炉本体の炉頂より汚泥と固形化燃料を流動層に向け投入した。
・各種の固形化燃料に対する各条件とも、時間当たりの汚泥投入量を等しくした。
・炉本体底部から流動層下部へ供給する空気量は、空気比1.35で供給した。
・各条件についての設定条件では、燃焼熱により流動層の砂層の温度が経時的に上昇していく。そこで、便宜的に砂層の温度を一定値(750℃)に制御するために、砂層内に水を供給した。その水の供給量を「冷却水供給量」とした。
・供給する固形化燃料の砂層への着熱効率が高いほど、冷却水供給量は増加する。そのため、冷却水供給量を着熱効率の指標とすることとした。すなわち、見掛け比重0.60g/cm、比表面積0.25mm-1の条件において冷却水供給量を1とし、これに対する相対値(着熱効率相対値)で各条件の冷却水供給量を評価した。
・燃焼性の指標は、炉出口に設けたCO連続計の平均値(酸素12%換算値)を用いた。ここで、「燃焼性」とは、固形化燃料の完全燃焼の度合いである。CO濃度が低いほど、完全燃焼の度合いが高い。すなわち、燃焼性が高いと判断することができる。
(3-1)実験結果
表1及び表2のごとく、固形化燃料の外径、長さ寸法、見掛け比重、比表面積を変えた各種試料を用意し、着熱効率相対値、排ガスのCO濃度を測定し、評価した。
Figure 2022099303000002
Figure 2022099303000003
表1及び表2において、着熱効率が1.15以上、かつCO濃度が20ppm以下であれば優れた固形化燃料であるとして「〇」を、それ以外は「×」を評価欄に記した。
表1及び表2において、「〇」で示された試料については、着熱効率が向上し、実際には炉に供給しなければならない固形化燃料の供給量を少なくすることにつながり、コスト削減や二酸化炭素排出量の抑制等に寄与する効果がある。また、CO濃度が低下し、排ガスの放出による大気汚染を抑制する効果につながる。
かかる表1及び表2において、「〇」そして「×」で表された試料の見掛け比重と比表面積との関係の範囲を示した結果が図2である。図2から、見掛け比重が0.7~1.0g/cm、かつ比表面積が0.12~1.00mm-1の固形化燃料が着熱効率及び燃焼性において優れていることが明らかとなった。
なお、汚泥と固形化燃料を流動層式焼却炉で混焼する実験については、以下で説明する他の運転条件及び他の運転方法でも行った。以下、他の運転条件及び他の運転方法と、他の運転条件及び他の運転方法での実験結果について説明する。
(1-2)運転条件
・流動層仕様:直径2000mm(流動層式焼却炉の炉本体内径)
・流動砂:硅砂5.5号
・ガス空塔速度:0.3m/s(炉本体底部への注入空気速度)
・被焼却物:汚泥と固形化燃料(汚泥は、脱水した下水汚泥である)
・汚泥の熱量(カロリー):3.5MJ/kg
・固形化燃料の熱量(カロリー):29MJ/kg
・固形化燃料の組成:プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等、多種のプラスチックの混合物である。
・固形化燃料の形状:円柱状成型物(平均外径:8~42mm、長さ:18mm~50mm、1個当たりの見掛け比重:0.72~0.98g/cm、1個当たりの比表面積:0.14~0.61mm-1
(2-2)運転方法及び評価方法
・流動層より上方の炉体側面部から汚泥と固形化燃料を、流動層に向け投入した。
・各種の固形化燃料に対する各条件とも、時間当たりの汚泥投入量を等しくした。
・炉本体底部から流動層下部へ供給する空気量は、空気比1.30で供給した。
・砂層の温度は730~750℃とした。
・燃焼性の指標は、炉出口に設けたCO連続計の平均値(酸素12%換算値)を用いた。ここで、「燃焼性」とは、固形化燃料の完全燃焼の度合いである。CO濃度が低いほど、完全燃焼の度合いが高く、すなわち、燃焼性が高いと判断することができる。
(3-2)実験結果
表3のごとく、固形化燃料の外径、長さ寸法、見掛け比重、比表面積を変えた各種試料を用意し、排ガスのCO濃度を測定した。更に、測定したCO濃度について、燃焼中にスパイク状のピークが発生したか確認し、スパイク状ピークの有無を評価した。
スパイク状ピークは、固形化燃料に含まれるプラスチックが砂層の表層で急激に燃焼することにより、炉内への酸素の供給が追い付かず、炉内での燃焼が不完全燃焼となることにより発生する。図3は、CO連続計で測定したCO濃度のグラフの一例を示す図である。図3(a)は、スパイク状ピークが発生していないときのCO濃度のグラフであり、図3(b)は、スパイク状ピークが発生したときのCO濃度のグラフの一例である。固形化燃料が砂層内に到達し、固形化燃料に含まれるプラスチックが砂層の表層で急激に燃焼しない場合、炉内での燃焼で不完全燃焼が生じないためCO濃度は急激に変化せず、図3(a)に示すように燃焼中のCO濃度の変化においてスパイク状ピークが発生しない。一方、固形化燃料に含まれるプラスチックが砂層の表層で急激に燃焼した場合、炉内での燃焼で不完全燃焼が生じることによってCO濃度が急激に変化し、図3(b)に示すように燃焼中のCO濃度の変化においてスパイク状ピークPKが発生する。
表3において、CO濃度が20ppm以下、かつ運転中においてCO濃度のスパイク状ピークが無ければ特に優れた固形化燃料であるとして「◇」を、それ以外は「△」を評価欄に記した。
Figure 2022099303000004
表3において「◇」で示された試料については、CO濃度が低く、CO濃度についてスパイク状ピークの発生もないため、炉内の燃焼を安定させて排ガスの放出による大気汚染を抑制する効果につながる。
かかる表3にて「◇」そして「△」で表された試料について、見掛け比重と比表面積との関係の範囲を示した結果が図4である。図4から、見掛け比重が0.72~0.98g/cm、かつ比表面積が0.14~0.30mm-1の固形化燃料は、図2で記載した優れた範囲の中でも、より好ましいことが明らかとなった。
また、汚泥と固形化燃料を流動層式焼却炉で混焼する実験については、固形化燃料にバイオマスを混合し、以下で説明する運転条件及び運転方法でも行った。以下、バイオマスを混合した固形化燃料を用いたときの運転条件及び運転方法と実験結果について説明する。
(1-3)運転条件
・流動層仕様:直径500mm(流動層式焼却炉の炉本体内径)
・流動砂:硅砂5.5号
・ガス空塔速度:0.3m/s(炉本体底部への注入空気速度)
・被焼却物:汚泥と固形化燃料(汚泥は、脱水した下水汚泥である)
・汚泥の熱量(カロリー):5MJ/kg
・固形化燃料の熱量(カロリー):31MJ/kg
・固形化燃料の組成:プラスチックは、ポリエチレン、ポリプロピレン、PET等、多種のプラスチックの混合物である。この混合物にバイオマスとして木質チップを混合して成型した。プラスチックとバイオマスの混合重量比は95:5とした。
・固形化燃料の形状:円柱状成型物(平均外径:12~20mm、長さ:24mm~40mm、1個当たりの見掛け比重:0.77~0.93g/cm、1個当たりの比表面積:0.25~0.42mm-1
(2-3)運転方法及び評価方法
・炉本体の炉頂より汚泥と固形化燃料を流動層に向け投入した。
・各種の固形化燃料に対する各条件とも、時間当たりの汚泥投入量を等しくした。
・炉本体底部から流動層下部へ供給する空気量は、空気比1.35で供給した。
・各条件についての設定条件では、燃焼熱により流動層の砂層の温度が経時的に上昇していく。そこで、便宜的に砂層の温度を一定値(750℃)に制御するために、砂層内に水を供給した。その水の供給量を「冷却水供給量」とした。
・冷却水供給量を着熱効率の指標とすることとした。ここでは、実施例1の表1における、見掛け比重0.60g/cm、比表面積0.25mm-1の条件での冷却水供給量を1とし、これに対する相対値(着熱効率相対値)で各条件の冷却水供給量を評価した。
・燃焼性の指標は、炉出口に設けたCO連続計の平均値(酸素12%換算値)を用いた。ここで、「燃焼性」とは、固形化燃料の完全燃焼の度合いである。CO濃度が低いほど、完全燃焼の度合いが高く、すなわち、燃焼性が高い。
(3-3)実験結果
表4のごとく、固形化燃料の外径、長さ寸法、見掛け比重、比表面積を変えた各種試料を用意し、着熱効率相対値、排ガスのCO濃度を測定し、評価した。
Figure 2022099303000005
表4において、着熱効率が1.15以上、かつCO濃度が20ppm以下であれば優れた固形化燃料であるとして「〇」を評価欄に記した。
かかる表4に示した試料について、見掛け比重と比表面積との関係の範囲を示した結果が図5である。図5から、見掛け比重が0.7~1.0g/cm、かつ比表面積が0.12~1.00mm-1の範囲内でプラスチックにバイオマスを混合した固形化燃料でも、着熱効率及び燃焼性において優れていることが明らかとなった。なお、上述した運転条件では、プラスチックとバイオマスの混合重量比は95:5としているが、バイオマスの比は5以下であってもよい。
1 (流動層式)焼却炉

Claims (6)

  1. 被焼却物を焼却する流動層式焼却炉に用いる固形化燃料であって、
    少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化した固形化燃料。
  2. 前記固形化燃料は、見掛け比重が0.70~1.00g/cmで、かつ比表面積が0.12~1.00mm-1であることを特徴とする請求項1に記載の固形化燃料。
  3. 前記固形化燃料は、見掛け比重が0.72~0.98g/cmで、かつ比表面積が0.14~0.30mm-1であることを特徴とする請求項2に記載の固形化燃料。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の固形化燃料を用いて流動層式焼却炉で被焼却物を焼却処理する被焼却物の焼却方法。
  5. 流動層式の焼却炉と、
    前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ汚泥を供給する汚泥供給部と、
    少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化した固形化燃料を、前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ供給する供給部と、
    を有する汚泥焼却装置。
  6. 流動層式の焼却炉を用いる汚泥焼却方法であって、
    前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ汚泥を供給し、
    少なくとも廃プラスチックを含む可燃物を、所定の見掛け比重範囲内の見掛け比重、かつ所定の比表面積範囲内の比表面積で固化した固形化燃料を、前記焼却炉の流動層より上方から前記焼却炉内へ供給する、
    汚泥焼却方法。
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