JP2022098772A - シャフトの固定構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】シャフト及びピストンの組付け時におけるピストンの削れを抑制可能なシャフトの固定構造を提供すること。【解決手段】シャフトの固定構造は、外周面10Sを有するシャフト10と、内周面20Sを有するピストン20と、を備える。シャフト10には、油路と、シャフト油孔10hと、が設けられている。ピストン20には、ピストン油孔20hが設けられている。ピストン20の内周面20Sは、ピストン20内にシャフト10を圧入する際にシャフト油孔10hを通過する通過面20S1を有する。シャフト10の軸方向における通過面20S1の長さL2は、軸方向におけるシャフト油孔10hの長さL1よりも大きい。【選択図】図3
Description
本開示は、シャフトの固定構造に関する。
例えば、特開2008-223903号公報には、シーブシャフトと、スリーブと、を備えるシャフトの固定構造が開示されている。
シーブシャフトには、固定シーブが一体に形成されている。シーブシャフトの外周面には、可動シーブが嵌め合わされている。シーブシャフトには、孔が形成されている。孔は、中心軸の軸線方向に延び、貫通する。シーブシャフトは、筒形状を有する。シーブシャフトには、作動油供給孔が形成されている。作動油供給孔は、可動シーブに対向するシーブシャフトの外周面から孔の内壁まで達するように形成されている。
スリーブには、油供給孔としての油圧供給孔が形成されている。油圧供給孔には、可動シーブを駆動させるための作動油が供給される。スリーブは、シーブシャフトに圧入されている。スリーブには、孔および溝が形成されている。溝は、作動油供給孔に対向する位置でスリーブの外周面から凹み、周方向に延びる。孔は、中心軸を中心とする半径方向に延び、溝と油圧供給孔との間を連通させる。
特開2008-223903号公報に記載されるようなシャフトの固定構造では、シーブシャフト内にスリーブが圧入される際、スリーブの外周面の一部が作動油供給孔に入り込み、当該一部が作動油供給孔の縁部によって削られる懸念がある。
本開示の目的は、シャフト及びピストンの組付け時におけるピストンの削れを抑制可能なシャフトの固定構造を提供することである。
本開示の一局面に従ったシャフトの固定構造は、円筒状の外周面を有するシャフトと、前記シャフトの前記外周面に接触する内周面を有するピストンと、を備え、前記シャフトには、前記シャフトの内部において前記シャフトの軸方向に延びる形状を有する油路と、前記外周面と前記油路とをつなぐシャフト油孔と、が設けられており、前記ピストンには、前記シャフト油孔と連通するピストン油孔が設けられており、前記ピストンの前記内周面は、前記ピストン内に前記シャフトを圧入する際に前記シャフト油孔を通過する通過面を有し、前記シャフトの前記軸方向における前記通過面の長さは、前記軸方向における前記シャフト油孔の長さよりも大きい。
本開示によれば、シャフト及びピストンの組付け時におけるピストンの削れを抑制可能なシャフトの固定構造を提供することができる。
本開示の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下で参照する図面では、同一またはそれに相当する部材には、同じ番号が付されている。
図1は、本開示の一実施形態のシャフトの固定構造を含む無段変速機の一部を概略的に示す断面図である。図2は、図1に示される実線IIの範囲を示す拡大図である。この無段変速機1は、例えば、車両に搭載される。なお、シャフトの固定構造の適用先は、無段変速機1に限られない。
図1及び図2に示されるように、無段変速機1は、シャフト10と、ピストン20と、を含んでいる。なお、無段変速機1の他の構成は、従来と基本的に同様であるため、説明を省略する。
シャフト10は、一方向(図1における左右方向)に延びる形状を有している。シャフト10は、円筒状の外周面10Sと、受け面12と、を有している。
受け面12は、ピストン20を受ける面である。この受け面12は、外周面10Sからシャフト10の径方向に張り出す形状を有している。受け面12は、円環状に形成されている。受け面12は、シャフト10の軸方向に直交している。
シャフト10には、油路10pと、シャフト油孔10hと、が設けられている。
油路10pは、シャフト10の内部においてシャフト10の軸方向に延びる形状を有している。
シャフト油孔10hは、外周面10Sと油路10pとをつないでいる。シャフト油孔10hは、シャフト10の径方向に延びる形状を有している。シャフト油孔10hにおける外周面10S側の縁部は、面取りされている。
ピストン20は、シャフト10の外周面10Sに接触する内周面20Sを有している。ピストン20には、ピストン油孔20hが設けられている。ピストン油孔20hの端部は、内周面20Sにつながっている。ピストン油孔20hは、シャフト油孔10hと連通している。
ピストン20は、当接面22を有している。当接面22は、シャフト10の受け面12に当接する面である。当接面22は、前記軸方向に直交しており、円環状に形成されている。当接面22が受け面12に当接した状態、つまり、ピストン20に対するシャフト10の組付けが完了した状態では、ピストン20は、シャフト10に対して相対回転せず、かつ、前記軸方向に相対変位しない。
ピストン20の内周面20Sは、通過面20S1を有している。通過面20S1は、内周面20Sのうちピストン20内にシャフトを圧入する際にシャフト油孔10hを超える部位である。ピストン20に対するシャフト10の組付け後、通過面20S1は、図2に示されるように、ピストン20内にシャフト10を圧入する方向(図2における右方向)におけるピストン油孔20hの後方に位置している。
図2及び図3に示されるように、シャフト10の前記軸方向における通過面20S1の長さL2は、前記軸方向におけるシャフト油孔10hの長さL1よりも大きい。なお、図2及び図3に示されるように、前記長さL1は、前記軸方向におけるシャフト油孔10hの面取り部の外端部間の長さを意味する。前記長さL2は、通過面20S1のうち前記軸方向における一端部24a及び他端部24b間の長さを意味する。
以上に説明したように、本実施形態のシャフトの固定構造では、通過面20S1の長さL2がシャフト油孔10hの長さL1よりも大きいため、図3に示されるように、ピストン20内へのシャフト10の圧入時に通過面20S1がシャフト油孔10h内に入り込むことが抑制される。よって、通過面20S1がシャフト油孔10hの縁部で削られることが抑制される。
一方、図4は、比較例のピストン内にシャフトが圧入される途中の状態を示している。図4に示される比較例のピストン20Aでは、前記軸方向における通過面20SAの長さL2Aは、前記長さL1よりも小さい。このため、ピストン20A内へのシャフト10の圧入時に、通過面20SAがシャフト油孔10h内に入り込むことによって当該通過面20SAが削れる懸念がある。
上述した例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
上記実施形態におけるシャフトの固定構造は、円筒状の外周面を有するシャフトと、前記シャフトの前記外周面に接触する内周面を有するピストンと、を備え、前記シャフトには、前記シャフトの内部において前記シャフトの軸方向に延びる形状を有する油路と、前記外周面と前記油路とをつなぐシャフト油孔と、が設けられており、前記ピストンには、前記シャフト油孔と連通するピストン油孔が設けられており、前記ピストンの前記内周面は、前記ピストン内に前記シャフトを圧入する際に前記シャフト油孔を通過する通過面を有し、前記シャフトの前記軸方向における前記通過面の長さは、前記軸方向における前記シャフト油孔の長さよりも大きい。
また、上記実施形態において、図5に示されるように、シャフト10には、シャフト油孔10hを含むとともにシャフト10の周方向に環状につながる溝11が形成されてもよい。溝11における外周面10S側の縁部は、面取りされている。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
1 無段変速機、10 シャフト、10h シャフト油孔、10p 油路、10S 外周面、12 受け面、20 ピストン、20h ピストン油孔、20S 内周面、20S1 通過面、22 当接面。
Claims (1)
- 円筒状の外周面を有するシャフトと、
前記シャフトの前記外周面に接触する内周面を有するピストンと、を備え、
前記シャフトには、
前記シャフトの内部において前記シャフトの軸方向に延びる形状を有する油路と、
前記外周面と前記油路とをつなぐシャフト油孔と、が設けられており、
前記ピストンには、前記シャフト油孔と連通するピストン油孔が設けられており、
前記ピストンの前記内周面は、前記ピストン内に前記シャフトを圧入する際に前記シャフト油孔を通過する通過面を有し、
前記シャフトの前記軸方向における前記通過面の長さは、前記軸方向における前記シャフト油孔の長さよりも大きい、シャフトの固定構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2020212356A JP2022098772A (ja) | 2020-12-22 | 2020-12-22 | シャフトの固定構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publication Number | Publication Date |
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2020
- 2020-12-22 JP JP2020212356A patent/JP2022098772A/ja active Pending
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