JP2022097062A - 電気透析装置、水処理システム及び方法 - Google Patents

電気透析装置、水処理システム及び方法 Download PDF

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Abstract

Figure 2022097062000001
【課題】低コストで被処理液から酸及びアルカリを回収できる水処理システム及び方法を提供する。
【解決手段】電気透析装置は、陽極と陰極との間にバイポーラ膜とアニオン交換膜とが交互に配置され、陽極とバイポーラ膜で画定される陽極室と、陰極とバイポーラ膜で画定される陰極室と、陽極室と陰極室との間にアニオン交換膜を挟んで隣接して配置された、少なくとも1組の酸室及びアルカリ室とを有する。酸室は、アニオン交換膜と陽極室側に配置されたバイポーラ膜とで画定され、水が供給されて電気透析によって酸液を生成し、アルカリ室は、アニオン交換膜と陰極室側に配置されたバイポーラ膜とで画定され、酸及びアルカリを含有する被処理液が供給されて電気透析によってアルカリ液を生成する。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気透析装置、水処理システム及び方法に関する。
各種工程から副生成物または廃棄物として排出される中性塩や廃酸・廃アルカリを再利用する技術を開発することは、種々のプラントにおける重要な課題である。例えば、半導体デバイスの製造工程では、フッ酸(HF)とバッファードフッ酸(HF+NHF:BHF)とが混合された廃液が大量に排出される。この廃液から酸(フッ酸)やアルカリ(アンモニア水:NHOH)を回収するための技術が従来から検討されている。この回収には、フッ素(F)やアンモニアガス(NH)を回収することも含まれる。
このようなフッ素とアンモニウム(NH )を含有する廃液(以下、被処理液と称す場合がある)からフッ酸(またはフッ素)を回収する方法としては、従来から水酸化カルシウム(Ca(OH))を用いた凝集沈殿法が知られている。しかしながら、凝集沈殿法では、未反応の水酸化カルシウムや沈殿によって分離されなかったフッ素化合物を含む、さらなる処理を必要とするスラッジ(汚泥)が大量に生成されるという課題がある。
一方、上記被処理液からアンモニアガスを回収する方法としては、蒸気を用いたストリッピング法が知られている。しかしながら、ストリッピング法は、pHを調整するためにアルカリを添加する必要があるため、薬品コストが増大すると共に、排水のTDS(Total Dissolved Solid)値が大きくなるという課題がある。
これらの課題を解決するため、例えば、特許文献1では、周知の電気透析を用いて上記被処理液からフッ酸とアンモニア水(またはアンモニアガス)を回収する方法を提案している。
特許第3519112号公報
上述した特許文献1に記載された水処理システムでは、電気透析装置を用いて被処理液から酸液、アルカリ液及び脱塩液がそれぞれ生成される。しかしながら、廃液から酸及びアルカリの回収を主目的とする半導体デバイスの製造工程における水処理システムでは、脱塩液は必ずしも必要であるとは限らない。また、生成された脱塩液をさらに処理するための設備が必要になる可能性もある。したがって、そのような脱塩液を生成物として含む水処理システムでは、システム全体のコストの増大を招くおそれがある。
本発明は上述したような背景技術が有する課題を解決するためになされたものであり、低コストで被処理液から酸及びアルカリを回収できる電気透析装置、水処理システム及び方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明の電気透析装置は、酸及びアルカリを含有する被処理液の処理に用いる電気透析装置であって、
陽極と陰極との間にバイポーラ膜とアニオン交換膜とが交互に配置され、
前記陽極と前記バイポーラ膜で画定される陽極室と、
前記陰極と前記バイポーラ膜で画定される陰極室と、
前記陽極室と前記陰極室との間に前記アニオン交換膜を挟んで隣接して配置された、少なくとも1組の酸室及びアルカリ室と、
を備え、
前記酸室は、前記アニオン交換膜と前記陽極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定され、水が供給されて電気透析によって酸液を生成し、
前記アルカリ室は、前記アニオン交換膜と前記陰極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定され、前記被処理液が供給されて前記電気透析によってアルカリ液を生成する構成である。
本発明の水処理システムは、上記電気透析装置と、
前記酸室へ供給する前記水を貯留する純水槽と、
前記アルカリ室へ供給する前記被処理液を貯留する被処理液槽と、
前記酸室から排出される、前記電気透析によって生成された前記酸液及び前記酸液の生成に関与せずに残った前記水を含む酸混合液を前記純水槽へ戻して循環させる酸循環路と、
前記アルカリ室から排出される、前記電気透析によって生成された前記アルカリ液及び前記アルカリ液の生成に関与せずに残った前記被処理液を含むアルカリ混合液を前記被処理液槽へ戻して循環させるアルカリ循環路と、
前記電気透析時に、前記電気透析装置に流れる電流値を測定する電流測定装置と、
前記純水槽及び前記被処理液槽、並びに前記酸循環路及び前記アルカリ循環路の動作を制御すると共に、前記電流測定装置で測定された電流値を受信する制御装置と、
を有し、
前記制御装置は、前記電気透析の実行時に、前記酸循環路を用いて前記酸混合液を循環させ、前記アルカリ循環路を用いて前記アルカリ混合液を循環させ、前記電流値が所定の範囲内で所定の時間だけ継続すると、前記電気透析を終了して、前記純水槽内の前記酸混合液を前記酸液として排出させ、前記被処理液槽内の前記アルカリ混合液を前記アルカリ液として排出させる構成である。
本発明の水処理方法は、酸及びアルカリを含有する被処理液の処理に用いる水処理方法であって、
陽極と陰極との間にバイポーラ膜とアニオン交換膜とが交互に配置され、前記陽極と前記バイポーラ膜で画定される陽極室と、前記陰極と前記バイポーラ膜で画定される陰極室と、前記陽極室と前記陰極室との間に前記アニオン交換膜を挟んで隣接して配置される、少なくとも1組の酸室及びアルカリ室と、を備えた電気透析装置を用意し、
前記アニオン交換膜と前記陽極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定される前記酸室に水を供給し、電気透析によって酸液を生成し、
前記アニオン交換膜と前記陰極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定される前記アルカリ室に前記被処理液を供給し、前記電気透析によってアルカリ液を生成する方法である。
本発明によれば、低コストで被処理液から酸及びアルカリを回収できる。
図1は、第1の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図である。 図2は、図1に示した電気透析装置の概略構成を示す模式図である。 図3は、第2の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図である。 図4は、第2の実施の形態の水処理システムが備える電流測定装置の接続例を示すブロック図である。 図5は、第3の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図である。 図6は、第4の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図である。 図7は、実験例の酸混合液及びアルカリ混合液におけるフッ素イオンとアンモニウムの存在比(モル比)の変化の様子を示すグラフである。 図8は、実験例の酸混合液及びアルカリ混合液の導電率の変化の様子を示すグラフである。 図9は、実験例の電気透析装置に流れる電流値及び積算電流量の変化の様子を示すグラフである。
次に本発明について図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
第1の実施の形態では本発明の電気透析装置を含む水処理システムの一例を説明する。
図1は第1の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図であり、図2は図1に示した本発明の電気透析装置の概略構成を示す模式図である。
図1で示すように、第1の実施の形態の水処理システムは、被処理液を貯留する被処理液槽11と、水(純水:HO)を貯留する純水槽12と、被処理液及び水が供給され、電気透析によって被処理液及び水から酸液とアルカリ液とを生成する電気透析装置13と、電気透析で必要な所定の直流電圧を電気透析装置13に供給する電源装置14と、電気透析装置13で生成された酸液を貯留する酸液槽15と、電気透析装置13で生成されたアルカリ液を貯留するアルカリ液槽16と、図1に示す水処理システム全体の動作を制御する制御装置17とを有する。
被処理液槽11、純水槽12、酸液槽15及びアルカリ液槽16は、不図示のポンプ及びバルブを備えた流路18を介して電気透析装置13とそれぞれ接続される。制御装置17は、電源装置14、並びに各流路18が備えるポンプ及びバルブと周知の有線通信手段または無線通信手段を介して接続され、電源装置14、並びに各流路18が備えるポンプ及びバルブの動作の制御が可能である。制御装置17は、電源装置14のオン/オフを制御すると共に、各流路18が備えるポンプ及びバルブを用いて、被処理液槽11から電気透析装置13に対する被処理液の供給及び停止、純水槽12から電気透析装置13に対する水の供給及び停止、電気透析装置13から酸液槽15に対する酸液の供給及び停止、並びに電気透析装置13からアルカリ液槽16に対するアルカリ液の供給及び停止を制御する。
図1で示す水処理システムにおいて、制御装置17は、被処理液槽11及び純水槽12から所要量の被処理液及び純水を電気透析装置13に供給させ、電源装置14から電気透析装置13に直流電圧を供給させて、例えば予め設定された所定の時間だけ電気透析を実行する。そして、電気透析が終了すると、電気透析装置13で生成された酸液を酸液槽15に回収させ、電気透析装置13で生成されたアルカリ液をアルカリ液槽16に回収させる。制御装置17は、所定のプログラムにしたがって処理を実行するCPU(Central Processing Unit)、該CPUの処理で必要な情報やデータを一時的に保持する主記憶装置、プログラムや上記情報やデータが保存される副記憶装置(補助記憶装置)、外部と情報を送受信するための通信装置、タッチパネルやキーボード等の各種入力装置、並びにディスプレイ装置やプリンター等の各種出力装置を含む情報処理装置(コンピュータ)で実現できる。制御装置17は、本発明の水処理システムと常時接続されている必要はなく、例えば、電源装置14、並びに各流路18が備えるポンプ及びバルブ等の設定を変更するときのみ、該変更対象の装置と接続してもよい。
被処理液槽11に貯留される被処理液は、例えば半導体デバイスの製造工程から排出される、フッ酸(HF)とバッファードフッ酸(BHF)とが混合された廃液である。その場合、電気透析装置13で生成される酸液はフッ酸であり、アルカリ液はアンモニア水である。
図2で示すように、本発明の電気透析装置13は、陽極(+)131と陰極(-)132との間にイオン交換膜であるバイポーラ膜(BP膜)133とアニオン交換膜(A膜)134とが交互に配置されて複数の室が形成された構成である。電気透析装置13は、陽極131とBP膜133で画定される陽極室135と、陰極132とBP膜133で画定される陰極室136と、陽極室135と陰極室136との間に配置される、少なくとも1組の酸室137及びアルカリ室138を備える。図2は、陽極室135と陰極室136との間に3組の酸室137及びアルカリ室138が配置された構成例を示している。
陽極131及び陰極132には、例えば、ニッケル(Ni)電極やチタン(Ti)製白金(Pt)メッキ電極等が用いられる。陽極室135及び陰極室136は、例えば水酸化ナトリウム(NaOH)溶液や硫化ナトリウム(NaSO)溶液等から成る電極液でそれぞれ満たされている。1組の酸室137とアルカリ室138とは、A膜134を挟んで隣接しており、陽極131側に酸室137が配置され、陰極132側にアルカリ室138が配置される。酸室137は、A膜134と陽極131側に配置されたBP膜133とで画定され、純水槽12から水(純水:HO)が供給される。アルカリ室138は、A膜134と陰極132側に配置されたBP膜133とで画定され、被処理液槽11から被処理液が供給される。
A膜134は、陰イオンを通過させ、陽イオンの通過を阻止するイオン交換膜である。BP膜133は、カチオン交換膜とA膜とを張り合わせた複合膜である。カチオン交換膜は、陽イオンを通過させ、陰イオンの通過を阻止するイオン交換膜である。
BP膜133は、カチオン交換膜側に正、A膜側に負の電位差(順方向電圧)が加わると電流が流れ、順方向電圧とは逆の方向の電位差(逆方向電圧)が加わるとわずかな電流しか流れない整流効果を有する。但し、BP膜133は、逆方向電圧が所定の臨界値を超えて大きくなると、膜内で水(HO)の電離が起こり、水素イオンと水酸化イオンとが生成されて大きな電流が流れるようになる。複数のBP膜133は、それぞれに逆方向電圧が加わるように陽極131と陰極132との間に配置される。
図2に示す本実施形態の電気透析装置13では、陽極131側が正、陰極132側が負となるように、陽極131と陰極132との間に電源装置14から所定の直流電圧が印加されることで電気透析が開始される。
電気透析が開始されると、各BP膜133における膜内の水が水素イオン(H)と水酸化イオン(OH)とに電離し、水素イオンが酸室137(または陰極室136)へ移動し、水酸化イオンがアルカリ室138(または陽極室135)へ移動する。アルカリ室138では、被処理液(HF、NHF)が水素イオン(H)とフッ素イオン(F)とアンモニウム(NH )とに電離しており、陰イオンであるフッ素イオンがA膜134を通過して陽極131側で隣接する酸室137へ移動する。
その結果、酸室137では、BP膜133で電離された水素イオンとアルカリ室138から移動したフッ素イオンとが結合してフッ酸(HF)が生成され、室外へ排出されて酸液槽15で回収される。一方、アルカリ室138では、アンモニウムと陰極132側のBP膜133で電離された水酸化イオンとが結合してアンモニア水(NHOH)が生成され、室外へ排出されてアルカリ液槽16で回収される。
なお、図2で示すように、電気透析の実施中、陽極室135にはBP膜133で電離された水酸化イオンが移動し、陰極室136にはBP膜133で電離された水素イオンが移動する。そのため、陽極室135と陰極室136とで同じ電極液を用いる場合は、例えば、陽極室135と陰極室136との間で電極液を循環させることで、それぞれの水素イオンと水酸化イオンとを平衡させればよい。
第1の実施の形態の水処理システムによれば、陽極131と陰極132との間にバイポーラ膜(BP膜)133とアニオン交換膜(A膜)134とが交互に配置されて、酸室137とアルカリ室138とが形成された電気透析装置13を用いて電気透析を行うことで、被処理液及び純水から酸液(フッ酸)とアルカリ液(アンモニア水)とを生成できる。
したがって、特許文献1に記載された水処理システムのように、コストの増大を招く可能性がある脱塩液を生成物として含むことなく、被処理液から酸及びアルカリを回収できる。よって、低コストで被処理液から酸及びアルカリを回収できる。
(第2の実施の形態)
図3は、第2の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図3で示すように、第2の実施の形態の水処理システムは、電気透析装置13の酸室137から排出された溶液を純水槽12へ戻して循環させる酸循環路21と、電気透析装置13のアルカリ室138から排出された溶液を被処理液槽11へ戻して循環させるアルカリ循環路22とを有する点で、第1の実施の形態の水処理システムと異なる構成である。
図1で示した第1の実施の形態の水処理システムでは、電気透析装置13の酸室137から、電気透析で生成されたフッ酸(HF)と、BP膜133で電離していない純水とから成る酸混合液が室外へ排出される可能性がある。同様に、電気透析装置13のアルカリ室138からは、電気透析で生成されたアンモニア水と、水酸化イオンと結合していないアンモニウム及び酸室137へ移動していない、または酸室137から戻ったフッ素イオンを含む被処理液とから成るアルカリ混合液が室外へ排出される可能性がある。すなわち、酸室137からは、電気透析で生成された酸液及び該酸液の生成に関与せずに残った水(純水)を含む酸混合液が排出され、アルカリ室138からは、電気透析で生成されたアルカリ液及び該アルカリ液の生成に関与せずに残った被処理液を含むアルカリ混合液が排出される可能性がある。
そこで、第2の実施の形態の水処理システムでは、電気透析の実行時に、電気透析装置13の酸室137から排出される酸混合液を、酸循環路21を用いて純水槽12へ戻し、該純水槽12から酸室137に再び供給させる。このように電気透析の実行時に、酸循環路21を用いて酸混合液を循環させることで、酸混合液における酸液(フッ酸)が濃縮される。酸混合液は、酸液(フッ酸)の濃度が所定の値(または、所定の範囲)に到達したとき、純水槽12から排出させて(または抜き出して)酸液(フッ酸)として回収すればよい。純水槽12から回収した酸液は、図3で示すように酸液槽15に貯留すればよい。酸混合液が排出された純水槽12には、不図示の外部タンクから純水が新たに供給される。
同様に、第2の実施の形態の水処理システムでは、電気透析の実行時に、アルカリ室138から排出されるアルカリ混合液を、アルカリ循環路22を用いて被処理液槽11へ戻し、該被処理液槽11からアルカリ室138に再び供給させる。このように電気透析の実行時に、アルカリ循環路22を用いてアルカリ混合液を循環させることで、アルカリ混合液におけるアルカリ液(アンモニア水)の濃度が濃縮される。アルカリ混合液は、アルカリ液(アンモニア水)の濃度が所定の値(または、所定の範囲)に到達したとき、被処理液槽11から排出させて(または抜き出して)アルカリ液(アンモニア水)として回収すればよい。被処理液槽11から回収したアルカリ液は、図3で示すようにアルカリ液槽16で貯留すればよい。アルカリ混合液が排出された被処理液槽11には、不図示の外部タンクから被処理液が新たに供給される。
純水槽12内の酸混合液と被処理液槽11内のアルカリ混合液とは、同じタイミングで排出させてもよく、例えば酸混合液における酸液の濃度及びアルカリ混合液におけるアルカリ液の濃度に応じて、異なるタイミングで排出させてもよい。
酸循環路21及びアルカリ循環路22には、制御装置17によって制御可能な不図示のポンプ及びバルブがそれぞれ配置されている。制御装置17は、これらのポンプ及びバルブを用いて、酸循環路21における酸混合液の循環及び停止、並びにアルカリ循環路22におけるアルカリ混合液の循環及び停止を制御できる。また、被処理液槽11及び純水槽12には、制御装置17によって制御可能な不図示のバルブが配置されている。制御装置17は、該バルブを用いて被処理液槽11からのアルカリ混合液の排出及び停止、並びに純水槽12からの酸混合液の排出及び停止を制御できる。
第2の実施の形態の水処理システムにおいて、制御装置17は、被処理液槽11及び純水槽12から所要量の被処理液及び水を電気透析装置13へ供給させて電気透析を開始すると、酸循環路21を用いて酸室137から排出される酸混合液を循環させ、アルカリ循環路22を用いてアルカリ室138から排出されるアルカリ混合液を循環させる。一方、電気透析が終了すると、制御装置17は、酸循環路21を用いた酸混合液の循環及びアルカリ循環路22を用いたアルカリ混合液の循環をそれぞれ停止し、純水槽12内の酸混合液を排出させて酸液槽15に貯留させ、被処理液槽11内のアルカリ混合液を排出させてアルカリ液槽16に貯留させる。その他の構成は、図1で示した第1の実施の形態の水処理システム同様であるため、その説明は省略する。
このような構成において、電気透析装置13を用いた電気透析は、第1の実施の形態で例示したように、予め設定された所定の時間だけ実行することも可能である。しかしながら、第2の実施の形態の水処理システムでは、電気透析装置13の陽極131と陰極132との間に流れる電流値の変化を観察することで電気透析を終了するタイミングを決定する。
なお、後述する実験例でも示しているが、電気透析を終了するタイミングは、酸混合液及びアルカリ混合液の導電率の変化をそれぞれ観測することでも決定できる。しかしながら、一般的な導電率計を用いて導電率を測定するためには、該導電率計が備える、金属から成る電極部を酸混合液内及びアルカリ混合液内に挿入する必要がある。その場合、酸混合液に含まれるフッ酸等によって電極部が腐食するおそれがあるため、例えば、フッ素コーティング等の措置を行うことで電極部を腐食から保護する必要がある。
一方、電気透析装置13の陽極131と陰極132との間に流れる電流値は、電流センサや電流計の一部(電極部)を酸混合液内やアルカリ混合液内に挿入することなく測定できるため、腐食から保護するための措置が不要である。また、電気透析では、一般的に電流センサや電流計を用いて電気透析装置13の陽極131と陰極132との間に流れる電流値を監視しているため、該電流値の変化から電気透析を終了するタイミングを決定すれば、導電率計等の新たな計器を設ける必要も無い。そのため、電気透析を終了するタイミングは、電気透析装置13の陽極131と陰極132との間に流れる電流値の変化を観察することで決定することが好ましい。
図4で示すように、第2の実施の形態の水処理システムは、電源装置14及び電気透析装置13と直列に接続される電流測定装置30を備える。電流測定装置30は、電源装置14と電気透析装置13との間で流れる電流値を測定する周知の電流センサや電流計を備え、該電流センサや電流計で測定された電流値を、周知の有線通信手段または無線通信手段を用いて常時または所定の周期(例えば、数秒~数分程度)毎に制御装置17へ送信する。図4では、水処理システムが電流測定装置30を独立して備える構成例を示しているが、電流測定装置30は電源装置14内に備える構成であってもよく、制御装置17内に備える構成であってもよい。
後述する実験例でも示しているが、電気透析を開始すると、アルカリ混合液では、フッ素イオン濃度が低減し、BP膜で電離された水酸化イオン濃度が上昇することでpHがアルカリとなり、アルカリ混合液中のアンモニウムが導電率に寄与しない遊離アンモニアとなるため、導電率が徐々に下降して、ある程度の時間が経過すると低い値で安定する。一方、酸混合液では、導電率が低い純水が低減し、高い導電率に寄与する水素イオン及びフッ素イオンが増加するため、導電率が徐々に上昇して、ある程度の時間が経過すると比較的高い値で安定する。
そのため、電気透析装置13に流れる電流値は、電気透析を開始すると、徐々に上昇した後、ある時点から下降に転じ、その後、比較的低い値で安定する。この電流値が比較的低い値で安定した状態、すなわち電流値が所定の範囲内で所定の時間だけ継続したときに電気透析を終了させる。電流値が所定の範囲内で所定の時間だけ継続しているか否かは、例えば、電流値の変化の傾きが所定の範囲内であるか否かで判定すればよい。これにより、電気透析によるフッ酸及びアンモニア水の濃縮を必要最小限の時間で終了できる。したがって、効率良く被処理液から酸液及びアルカリ液を回収できる。
本実施形態の制御装置17は、電流測定装置30から受信した電流値を保存しつつその変化を観測し、上述したように、該電流値の変化の傾きが所定の範囲内になったタイミングで電気透析を終了すればよい。
第2の実施の形態の水処理システムによれば、第1の実施の形態の水処理システムと同様の効果に加えて、効率良く被処理液から酸液及びアルカリ液を回収できる。
(第3の実施の形態)
図5は、第3の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図5で示すように、第3の実施の形態の水処理システムは、逆浸透膜装置40で濃縮された濃縮液を、被処理液槽11を介して被処理液として電気透析装置13のアルカリ室138へ供給する点で、第1及び第2の実施の形態の水処理システムと異なる構成である。図5は、図1で示した第1の実施の形態の水処理システムに逆浸透膜装置40を備える構成例を示しているが、逆浸透膜装置40は、図3で示した第2の実施の形態の水処理システムが備える構成であってもよい。
逆浸透膜装置40と被処理液槽11とを接続する流路41には、制御装置17により逆浸透膜装置40から被処理液槽11に対する濃縮液の供給及び停止の制御を可能にする不図示のポンプ及びバルブを備える。制御装置17と流路53及び54が備えるポンプ及びバルブとは、周知の有線通信手段または無線通信手段を介して接続される。本実施形態の制御装置17は、流路41が備えるポンプ及びバルブを制御することで被処理液槽11に対する濃縮液の供給及び停止を制御する。
逆浸透膜装置40は、周知の逆浸透(RO:Reverse Osmosis)膜を用いて、供給された溶液の溶質を除去した透過水(通常、純水)と、該溶質が濃縮された濃縮液との2つの溶液を生成する装置である。逆浸透膜装置40には、例えば、上記フッ酸(HF)とバッファードフッ酸(BHF)とが混合された廃液が供給される。その場合、逆浸透膜装置40からは、フッ酸(HF)とフッ化アンモニウム(NHF)とが濃縮された濃縮液が出力される。その他の構成は、図1で示した第1の実施の形態または図3で示した第2の実施の形態の水処理システム同様であるため、その説明は省略する。
第3の実施の形態の水処理システムによれば、逆浸透膜装置40で濃縮された濃縮液を被処理液として電気透析装置13へ供給することで、電気透析装置13へ供給する被処理液を減容化できる。そのため、第1の実施の形態または第2の実施の形態と同様の効果に加えて、電気透析装置13を小型化することが可能になる。したがって、水処理システム全体のさらなるコストダウンが期待できる。なお、濃縮後の被処理液に含まれるフッ素イオンの濃度及びアンモニウムの濃度は、より大きい値である程、電気透析装置13の小型化に寄与するために好ましい。例えば、被処理液に含まれるフッ素イオン及びアンモニウムの濃度は、それぞれ1000mg/L以上であることが好ましく、5000mg/L以上であることがより好ましい。
(第4の実施の形態)
図6は、第4の実施の形態の水処理システムの一構成例を示すブロック図である。
図6で示すように、第4の実施の形態の水処理システムは、酸液槽15に貯留された酸液(フッ酸)からフッ素を回収するフッ素回収装置51と、アルカリ液槽16に貯留されたアルカリ液(アンモニア水)からアンモニアガスを回収するアンモニア回収装置52とをさらに有する点で、第1~第3の実施の形態の水処理システムと異なる構成である。
フッ素回収装置51は、例えば、酸液槽15から得られたフッ酸をカルシウム化合物(例えば、水酸化カルシウム)と反応させ、固体のフッ化カルシウム(CaF)としてフッ素を回収する構成とすればよい。また、アンモニア回収装置52は、アルカリ液槽16から得られたアンモニア水を蒸留することでアンモニアガスを回収する構成とすればよい。
図6では、フッ素回収装置51が酸液槽15に貯留された酸液(フッ酸)からフッ素を回収し、アンモニア回収装置52がアルカリ液槽16に貯留されたアルカリ液(アンモニア水)からアンモニアガスを回収する構成例を示している。フッ素回収装置51は、電気透析装置13の酸室137から排出される酸液からフッ素を回収してもよく、アンモニア回収装置52は、電気透析装置13のアルカリ室138から排出されるアルカリ液からアンモニアガスを回収してもよい。
また、図6では、図1で示した第1の実施の形態の水処理システムにフッ素回収装置51及びアンモニア回収装置52を備える構成例を示している。図6で示すフッ素回収装置51及びアンモニア回収装置52は、図3で示した第2の実施の形態の水処理システムが備える構成であってもよい。その場合、フッ素回収装置51は純水槽12から排出される酸混合液(酸液)からフッ素を回収してもよく、アンモニア回収装置52は被処理液槽11から排出されるアルカリ混合液(アンモニア水)からアンモニアガスを回収してもよい。さらに、図6で示すフッ素回収装置51及びアンモニア回収装置52は、図5で示した第3の実施の形態の水処理システムが備える構成であってもよい。
酸液槽15とフッ素回収装置51とを接続する流路53には、制御装置17によって酸液槽15からフッ素回収装置51に対する酸液の供給及び停止の制御を可能にする不図示のポンプ及びバルブを備える。同様に、アルカリ液槽16とアンモニア回収装置52とを接続する流路54には、制御装置17によってアルカリ液槽16からアンモニア回収装置52に対するアルカリ液の供給及び停止の制御を可能にする不図示のポンプ及びバルブを備える。制御装置17と流路53及び54が備えるポンプ及びバルブとは、周知の有線通信手段または無線通信手段を介して接続される。本実施形態の制御装置17は、例えば、流路53及び54が備えるポンプ及びバルブを制御することでフッ素回収装置51に対する酸液の供給及び停止、並びにアンモニア回収装置52に対するアルカリ液の供給及び停止を制御する。
第4の実施の形態の水処理システムによれば、フッ素回収装置51及びアンモニア回収装置52を備えることで、酸液(フッ酸)及びアルカリ液(アンモニア水)だけでなく、フッ素及びアンモニアガスを回収できる。そのため、第1~第3の実施の形態と同様の効果に加えて、被処理液からフッ素及びアンモニアガスも併せて回収できる。
実験例
次に本発明の実験例について図面を用いて説明する。
本実験例では、図3で示した第2の実施の形態の水処理システムを用いて、以下の表1で示す条件で電気透析を実施した。
Figure 2022097062000002
表1で示すように、本実験例では、電極液として1molの水酸化ナトリウム(1N-NaOH)溶液を用い、電気透析装置13の酸室137に純水(HO)を供給して循環させ、アルカリ室138にフッ酸とバッファードフッ酸とを混合させたBHF廃液(バッファードフッ酸廃液)を供給して循環させた。また、これら純水及びBHF廃液は、それぞれ常温(20~25℃)とする。そして、電気透析の実行時における、酸混合液のフッ素イオンの濃度及びアルカリ混合液のアンモニウムの濃度、酸混合液及びアルカリ混合液の導電率、並びに電気透析装置13に流れる電流値及びその積算電流量をそれぞれ測定した。
図7は、実験例の酸混合液及びアルカリ混合液におけるフッ素イオンとアンモニウムの存在比(モル比)の変化の様子を示すグラフであり、図8は、実験例の酸混合液及びアルカリ混合液の導電率の変化の様子を示すグラフである。図9は、実験例の電気透析装置に流れる電流値及び積算電流量の変化の様子を示すグラフである。図7~図9は、本実験例における実験結果の一例をそれぞれ示している。
イオン交換膜を介したイオンの移動は、基本的に上述した電気透析によって制御される。しかしながら、イオン交換膜を挟んで隣接する2つの室内の溶液に濃度差がある場合、該濃度差に起因する周知の拡散現象によって該イオン交換膜を通してイオンが徐々に移動する。すなわち、図2で示した酸室137に水(純水:HO)が供給され、アルカリ室138に被処理液(HF、NHF)が供給される構成では、濃度の高いアルカリ室138から濃度の低い酸室へフッ素イオン(F)及びアンモニウム(NH )が拡散することでそれぞれ移動する。拡散現象によるイオンの移動は、電気透析の実行時及び非実行時に関係なく発生する。図7は、電気透析を開始する前に拡散現象によってアルカリ室138から移動したフッ素イオン及びアンモニウムが酸混合液に含まれる例を示している。
図7で示すように、電気透析を開始すると、上述したように、フッ素イオン(F)がアルカリ混合液から酸混合液に移動することで、酸混合液におけるフッ素イオンの割合が時間の経過と共に増加する。そして、ある程度の時間が経過してアルカリ混合液から移動するフッ素イオン(F)が少なくなると、酸混合液におけるフッ素イオンの増加が停止する。また、電気透析ではアンモニウム(NH )が移動しないため、フッ素イオン(F)がアルカリ混合液から酸混合液に移動することで、アルカリ混合液におけるアンモニウムの割合が増大する。図7では、酸混合液におけるアンモニウムの割合が、一旦、低減した後、時間の経過と共に徐々に増加しているが、これは上記拡散現象によって酸混合液におけるアンモニウムの割合が増加していることを示している。
上述したように、電気透析を開始すると、アルカリ混合液では、フッ素イオンが低減し、アンモニウムが増加するため、図8で示すように導電率が徐々に低下して、ある程度の時間が経過すると低い値で安定する。一方、酸混合液では、水素イオン及びフッ素イオンが増加するため、図8で示すように酸混合液の導電率が徐々に上昇して、ある程度の時間が経過すると比較的高い値で安定する。
したがって、図9で示すように、電気透析装置13に流れる電流値は、電気透析を開始すると、徐々に上昇した後、ある時点から下降に転じ、その後、比較的低い値で安定する。図8及び図9で示すように、本実験例では、電気透析を開始してから40分ほど経過した時点で、アルカリ混合液及び酸混合液の導電率がそれぞれ安定し、電気透析装置13に流れる電流値も比較的低い値で安定している。
図9で示すように、電流値が比較的低い値で安定した後でも電気透析装置13に電流を流すと、積算電流量が上昇する。しかしながら、電流値が比較的低い値で安定した以降は、フッ酸とアンモニア水の濃縮に電気透析が寄与しないため、該電気透析を継続する必要は無い。さらに、図7で示したように、酸混合液では、時間の経過と共に拡散現象によってアンモニウムの割合が徐々に増加する。そのため、酸混合液におけるフッ素イオンの割合の増大が停止したら、その時点で電気透析を停止し、酸混合液及びアルカリ混合液を電気透析装置13からそれぞれ排出させることが望ましい。すなわち、電気透析は、電気透析装置13に流れる電流値が比較的低い値で安定した状態、例えば、該電流値の変化の傾きが所定の範囲内になったタイミングで終了することが望ましい。
本実験例により、発明者等は、電気透析装置13が1組の酸室137及びアルカリ室138のみ備える構成でも、被処理液と純水とから十分なフッ素イオン濃度の酸液及び十分なアンモニウム濃度のアルカリ液が得られることを確認した。
11 被処理液槽
12 純水槽
13 電気透析装置
14 電源装置
15 酸液槽
16 アルカリ液槽
17 制御装置
18、41、53、54 流路
21 酸循環路
22 アルカリ循環路
30 電流測定装置
40 逆浸透膜装置
51 フッ素回収装置
52 アンモニア回収装置
131 陽極
132 陰極
133 バイポーラ膜(BP膜)
134 アニオン交換膜(A膜)
135 陽極室
136 陰極室
137 酸室
138 アルカリ室

Claims (10)

  1. 酸及びアルカリを含有する被処理液の処理に用いる電気透析装置であって、
    陽極と陰極との間にバイポーラ膜とアニオン交換膜とが交互に配置され、
    前記陽極と前記バイポーラ膜で画定される陽極室と、
    前記陰極と前記バイポーラ膜で画定される陰極室と、
    前記陽極室と前記陰極室との間に前記アニオン交換膜を挟んで隣接して配置された、少なくとも1組の酸室及びアルカリ室と、
    を備え、
    前記酸室は、前記アニオン交換膜と前記陽極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定され、水が供給されて電気透析によって酸液を生成し、
    前記アルカリ室は、前記アニオン交換膜と前記陰極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定され、前記被処理液が供給されて前記電気透析によってアルカリ液を生成する、電気透析装置。
  2. 請求項1に記載の電気透析装置と、
    前記酸室へ供給する前記水を貯留する純水槽と、
    前記アルカリ室へ供給する前記被処理液を貯留する被処理液槽と、
    前記酸室から排出される、前記電気透析によって生成された前記酸液及び前記酸液の生成に関与せずに残った前記水を含む酸混合液を前記純水槽へ戻して循環させる酸循環路と、
    前記アルカリ室から排出される、前記電気透析によって生成された前記アルカリ液及び前記アルカリ液の生成に関与せずに残った前記被処理液を含むアルカリ混合液を前記被処理液槽へ戻して循環させるアルカリ循環路と、
    前記電気透析時に、前記電気透析装置に流れる電流値を測定する電流測定装置と、
    前記純水槽及び前記被処理液槽、並びに前記酸循環路及び前記アルカリ循環路の動作を制御すると共に、前記電流測定装置で測定された電流値を受信する制御装置と、
    を有し、
    前記制御装置は、前記電気透析の実行時に、前記酸循環路を用いて前記酸混合液を循環させ、前記アルカリ循環路を用いて前記アルカリ混合液を循環させ、前記電流値が所定の範囲内で所定の時間だけ継続すると、前記電気透析を終了して、前記純水槽内の前記酸混合液を前記酸液として排出させ、前記被処理液槽内の前記アルカリ混合液を前記アルカリ液として排出させる、水処理システム。
  3. 前記制御装置は、前記電流値の変化の傾きが所定の範囲内になったとき、前記電気透析を終了する、請求項2に記載の水処理システム。
  4. 逆浸透膜を用いて溶質が濃縮された濃縮液を前記アルカリ室へ前記被処理液として供給する逆浸透膜装置をさらに有する、請求項2または3に記載の水処理システム。
  5. 前記被処理液がフッ素とアンモニウムとを含有する、請求項2から4のいずれか1項に記載の水処理システム。
  6. 前記被処理液が半導体デバイスの製造工程で排出される廃液である、請求項5に記載の水処理システム。
  7. 前記電気透析装置で回収された前記酸液であるフッ酸とカルシウム化合物を反応させてフッ素を回収するフッ素回収装置と、
    前記電気透析装置で回収された前記アルカリ液であるアンモニア水を蒸留し、アンモニアガスを回収するアンモニア回収装置と、
    をさらに有する、請求項5または6に記載の水処理システム。
  8. 前記被処理液に含まれるフッ素イオンの濃度及び前記アンモニウムの濃度がそれぞれ1000mg/L以上である、請求項5から7のいずれか1項に記載の水処理システム。
  9. 前記被処理液に含まれる前記フッ素イオンの濃度及び前記アンモニウムの濃度がそれぞれ5000mg/L以上である、請求項8に記載の水処理システム。
  10. 酸及びアルカリを含有する被処理液の処理に用いる水処理方法であって、
    陽極と陰極との間にバイポーラ膜とアニオン交換膜とが交互に配置され、前記陽極と前記バイポーラ膜で画定される陽極室と、前記陰極と前記バイポーラ膜で画定される陰極室と、前記陽極室と前記陰極室との間に前記アニオン交換膜を挟んで隣接して配置される、少なくとも1組の酸室及びアルカリ室と、を備えた電気透析装置を用意し、
    前記アニオン交換膜と前記陽極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定される前記酸室に水を供給し、電気透析によって酸液を生成し、
    前記アニオン交換膜と前記陰極室側に配置された前記バイポーラ膜とで画定される前記アルカリ室に前記被処理液を供給し、前記電気透析によってアルカリ液を生成する、水処理方法。
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