JP2019072677A - 炭酸水の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的且つ高収率にて炭酸水を製造することが可能な方法を提供する。【解決手段】水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液にバイポーラー膜を接触させるとともに、前記バイポーラー膜の陽イオン交換層側を陰極側、前記バイポーラー膜の陰イオン交換層側を陽極側に向けて電圧を印加することによって、前記バイポーラー膜の陽イオン交換層から前記水溶液中に水素イオンを供給する、第1工程と、前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方と前記水素イオンとを反応させて、前記水溶液中に二酸化炭素を生成させる、第2工程と、を備える、炭酸水の製造方法とする。【選択図】図2

Description

本願は、炭酸水を製造可能な方法及び装置を開示する。
炭酸水は液中に微細な炭酸ガスの気泡を含むことから、皮膚から吸収させることで血中の酸素濃度を低下させ、血流を促進する効果(温浴効果)がある。他にも、異相界面と接触することで、気泡の発生と合一とが進行するため、例えば皮脂等の剥離による肌のクレンジング効果もある。また、炭酸水は発泡性飲料としても広く普及している。
炭酸水を製造する方法としては、水に二酸化炭素ガスを吹き込んで溶解させる方法(特許文献1、2等)や、炭酸ナトリウム等の炭酸を固定化した試薬を水に溶解させた後で酸を加えることで二酸化炭素を発生させるとともに溶液に溶解させる方法が知られている。
特開2016−002083号公報 特開2015−217323号公報
特許文献1、2等に開示されているように、水溶液中に二酸化炭素ガスを吹き込んで溶解させる場合、基本的には化学反応を伴わない物理的吸収によって二酸化炭素を溶解させるため、その溶解速度が遅く、場合によっては全吹き込み量の5%程度が吸収されるのみで、大部分の二酸化炭素が再び気相に放出されてしまう。また、二酸化炭素ガスの供給にあたっては、基本的には高圧のガスボンベを使用することから、ガスの供給速度によっては、断熱膨張によるガス供給部の結露や凍結等が懸念され、高圧ガスの取り扱いに不慣れな一般家庭への普及が難しい。
一方、炭酸を固定化した試薬を用い、酸との化学反応によって二酸化炭素を発生させる方法では、ガスボンベの使用が不要であり、上記の課題を解決できるものと考えられる。しかしながら、二酸化炭素を発生させるためにクエン酸ナトリウム等の酸が必要であり、当該酸の溶解速度を制御することが難しく、その結果、短時間で多量の二酸化炭素が発生し、水溶液への溶解効率も低下してしまう。また、例えば、炭酸ナトリウム水溶液にクエン酸ナトリウムを添加して炭酸水を得る場合、炭酸水中にクエン酸ナトリウム等が溶存することとなることから、酸味や苦味が残ってしまう。
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液にバイポーラー膜を接触させるとともに、前記バイポーラー膜の陽イオン交換層側を陰極側、前記バイポーラー膜の陰イオン交換層側を陽極側に向けて電圧を印加することによって、前記バイポーラー膜の陽イオン交換層から前記水溶液中に水素イオンを供給する、第1工程と、前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方と前記水素イオンとを反応させて、前記水溶液中に二酸化炭素を生成させる、第2工程と、を備える、炭酸水の製造方法
を開示する。
「バイポーラー膜」とは、一面側に陽イオン交換層(負荷電層)、他面側に陰イオン交換層(正荷電層)を有する膜をいう。各層は表面改質処理がなされていてもよい。
「炭酸水」とは、二酸化炭素ガス(炭酸ガス)の発泡性水溶液をいう。単に炭酸イオンや炭酸水素イオンが含まれているだけでは、炭酸水とはならない。
本開示の製造方法においては、前記第1工程及び前記第2工程と並行して、前記水溶液に含まれる前記水素イオン以外のカチオンを、陽イオン交換膜を介した電気透析によって系外へと除去する、第3工程をさらに備えることが好ましい。
本開示の製造方法においては、前記水素イオン以外のカチオンがアルカリ金属イオンであることが好ましい。
或いは、本開示の製造方法においては、前記第1工程及び前記第2工程と並行して、陰イオン交換膜を介した電気透析によって、前記水溶液へと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方を供給する、第4工程を備えることも好ましい。
本願は上記課題を解決するための手段の一つとして、
バイポーラー膜と、前記バイポーラー膜の陽イオン交換層側に設けられた陰極と、前記バイポーラー膜の陰イオン交換層側に設けられた陽極と、前記バイポーラー膜、前記陰極及び前記陽極に接触するように配置されるとともに、水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液と、を備え、前記陰極及び前記陽極を用いて電圧を印加することで、前記バイポーラー膜の前記陽イオン交換層から前記水溶液中に水素イオンを供給し、前記水溶液において前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方と前記水素イオンとを反応させて、前記水溶液中に二酸化炭素を生成させるように構成されている、炭酸水の製造装置
を開示する。
本開示の製造装置においては、前記バイポーラー膜と前記陰極との間に陽イオン交換膜を備え、前記水溶液に含まれる前記水素イオン以外のカチオンが、前記陽イオン交換膜を介した電気透析によって前記水溶液から系外へと除去されるように構成されていることが好ましい。
本開示の製造装置においては、前記水素イオン以外のカチオンがアルカリ金属イオンであることが好ましい。
或いは、本開示の製造装置においては、前記バイポーラー膜と前記陰極との間に陰イオン交換膜を備え、前記陰イオン交換膜を介した電気透析によって、系外から系内の前記水溶液へと前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方が供給されるように構成されていることも好ましい。
本開示の製造装置においては、一対の前記陰極と前記陽極との間に、前記バイポーラー膜を複数備えることが好ましい。
また、バイポーラー膜と陽イオン交換膜とを備える本開示の製造装置においては、一対の前記陰極と前記陽極との間に、前記バイポーラー膜と前記陽イオン交換膜とを交互に複数備えることが好ましい。
また、バイポーラー膜と陰イオン交換膜とを備える本開示の製造装置においては、一対の前記陰極と前記陽極との間に、前記バイポーラー膜と前記陰イオン交換膜とを交互に複数備えることが好ましい。
本開示の製造方法及び製造装置にあっては、バイポーラー膜を隔膜とした反応室内に炭酸イオン等を含む水溶液を配置・供給し、電圧を印加して水を解離させることで水素イオンを生成させ、当該水素イオンをバイポーラー膜を介して水溶液中に供給する。供給された水素イオンは炭酸イオン等と化学的に反応し、二酸化炭素を発生させる。すなわち、高圧のガスボンベを使用せずに炭酸水を製造することができる。また、本開示の製造方法及び製造装置において、水素イオンは、上記の通り電気的に水の解離を進行させることによって生成させるため、クエン酸ナトリウム等の酸を別途添加する必要がない。そのため、酸味等の抑えられた炭酸水を製造可能である。また、陽極及び陰極に印加する電圧を調整することで水素イオンの生成量(引いては二酸化炭素の発生量)を細かく制御でき、所望の炭酸濃度を有する炭酸水を効率的に製造可能である。
バイポーラー膜を隔膜として水を電気分解した場合に生成するイオン等について説明するための概略図である。 炭酸水の製造方法の一例を説明するための概略図である。 バイポーラー膜のゲル内から表層近傍にて水素イオンと炭酸イオン等とを反応させることにより奏される効果について説明するための概略図である。 炭酸水の製造方法の好ましい一例を説明するための概略図である。 炭酸水の製造方法の好ましい一例を説明するための概略図である。 スタック構造による炭酸水の製造方法の好ましい一例を説明するための概略図である。 スタック構造による炭酸水の製造方法の好ましい一例を説明するための概略図である。 実施例にて使用した装置の構成を説明するための概略図である。 実施例1に係る結果を示す図である。 実施例2に係る結果を示す図である。 実施例3に係る結果を示す図である。 実施例4に係る結果を示す図である。 実施例4における反応室内の様子を示す写真図である。 実施例4により得られた炭酸水の様子を示す写真図である。 実施例5に係る結果を示す図である。
1.炭酸水の製造方法
図1に示すように、水を充填した室内において陽イオン交換層1aと陰イオン交換層1bとを有するバイポーラー膜1を隔膜として、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1a側を陰極3、バイポーラー膜1の陰イオン交換層1b側を陽極2として電圧を印加した場合、バイポーラー膜1の陰イオン交換層1b側において、液中に水酸化物イオンが生成及び供給されるとともに、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1a側において、液中に水素イオンが生成及び供給される。本開示の炭酸水の製造方法は、このようにして生じさせた水素イオンと炭酸イオンや炭酸水素イオンとを化学的に反応させることで二酸化炭素を生じさせて炭酸水を得ることに特徴がある。
1.1.第1実施形態
図2に第1実施形態に係る炭酸水の製造方法を示す。図2においては、水溶液中に炭酸イオンが含まれた形態について示しているが、炭酸イオンに替えて、或いは、炭酸イオンとともに、炭酸水素イオンが含まれていてもよい。また、図2においては、水素イオン以外のカチオンを省略しているが、水溶液に含まれる水素イオン以外のカチオンの種類は特に限定されるものではない。また、図2においては、陰極3と陽極2と(さらにスペーサと)で画定された室内をバイポーラー膜1で区切った最低限の構成のみを示しているが、上記課題を解決できる範囲において、さらに任意に何らかの隔膜(バイポーラー膜や陽イオン交換膜や陰イオン交換膜)等を設けてもよい。例えば、炭酸水を製造する室内で水素ガスの発生を抑える観点からは、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aと陰極3との間に何らかの隔膜を設けることが好ましい。
図2に示すように、本開示の炭酸水の製造方法は、水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液にバイポーラー膜1を接触させるとともに、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1a側を陰極3側、バイポーラー膜1の陰イオン交換層1b側を陽極2側に向けて電圧を印加することによって、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aから水溶液中に水素イオンを供給する、第1工程と、炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方と水素イオンとを反応させて、水溶液中に二酸化炭素を生成させる、第2工程と、を備える。
1.1.1.第1工程
第1工程においては、まず、水を電気的に解離させることで、水溶液中に水素イオンを生成させる。すなわち、水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液にバイポーラー膜1を接触させるとともに、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1a側を陰極3側、バイポーラー膜1の陰イオン交換層1b側を陽極2側に向けて電圧を印加することによって、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aから水溶液中に水素イオンを供給する。
本開示の製造方法において用いられる水溶液は、水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含むものであればよい。水素イオン以外のカチオンの種類は特に限定されるものではない。例えば、アルカリ金属イオンであることが好ましく、ナトリウムイオンであることがより好ましい。水溶液における炭酸イオンや炭酸水素イオンの濃度は特に限定されるものではない。製造する炭酸水における目標炭酸濃度等を考慮して適宜決定すればよい。水溶液における炭酸イオン及び炭酸水素イオンの少なくとも一方の濃度は、好ましくは25mol/m以上、より好ましくは50mol/m以上、さらに好ましくは75mol/m以上、特に好ましくは100mol/m以上である。炭酸イオンや炭酸水素イオン濃度が高ければ高いほど、炭酸濃度の高い炭酸水を製造できるものと考えられる。なお、これらの濃度は製造時の溶液濃度、圧力に応じた飽和濃度を基に決めることが望ましい。
本開示の製造方法において用いられるバイポーラー膜1は、陽イオン交換層1aと陰イオン交換層1bとを有するものであればよい。陽イオン交換層1aは陽イオンを交換可能な負荷電層である。また、陰イオン交換層1bは陰イオンを交換可能な正荷電層である。バイポーラー膜1は、陽イオン交換層1a(負荷電層)にポリカチオンによる改質処理を施したものや、ポリカチオン層を固定化したものを使用してもよい。また、陽イオン交換層1aはゲル状であることが好ましい。このようなバイポーラー膜1としては市販のものを採用すればよい。例えば、炭化水素系のバイポーラー膜として、アストム社のネオセプタBP−1E、CIMS等が市販されている。
バイポーラー膜1全体の厚みや、陽イオン交換層1a(負荷電層)及び陰イオン交換層1b(正荷電層)の各厚みについては、特に限定されるものではない。炭酸水の製造規模や電極2、3に印加する電圧等を考慮して、適宜調整すればよい。また、バイポーラー膜1は一面側に陽イオン交換層1a、他面側に陰イオン交換層1bを備えているものであればよく、その性能を阻害しない範囲で、これら以外の中間層を備えていてもよい。
本開示の製造方法において用いられる陽極2や陰極3は、公知の電気透析装置における陽極や陰極と同様とすればよく、電圧の印加時に、陽極や陰極の溶出が実質的に生じないような材料を採用すればよい。陽極2や陰極3の構成そのものは自明であることから、ここでは詳細な説明を省略する。
本開示の製造方法において、陽極2及び陰極3に印加される電圧は、上記した水溶液において水を電気的に解離させて水素イオンを生成させ得る電圧であればよい。例えば、水の理論分解電圧である0.83V以上の電圧を印加することが好ましい。また、電流密度の大きさについても特に限定されるものではない。例えば、好ましくは40A/m以上、より好ましくは60A/m以上、さらに好ましくは80A/m以上とする。電流密度が大きいほど水素イオンの生成速度を増大させることができ、炭酸水を短時間で製造できるものと考えられる。
1.1.2.第2工程
第2工程においては、水溶液中に生成させた水素イオンと炭酸イオン及び/又は炭酸水素イオンとを化学的に反応させることで、水溶液中に二酸化炭素を発生させる。本開示の製造方法においては、水素イオンと炭酸イオン等との反応を、特に、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aの表層近傍において進行させることができる。すなわち、図3に示すように、バイポーラー膜1のゲル表層近傍さらには陽イオン交換層と陰イオン交換層との接合面に至るゲル内部において、イオン交換基にある水素イオンとゲルに浸み込んだ溶液中の炭酸イオン等とが反応するなどして二酸化炭素が発生する。ここで、ゲル表層近傍や内部における細かな凹凸形状に起因して、二酸化炭素が分散して気泡としての合一が進行し難く、当該二酸化炭素の気泡サイズが極めて小さくなるものと考えられる。気泡サイズが小さい場合、物質移動速度が大きくなるため、二酸化炭素の水への溶解速度が増加するものと考えられ、水溶液への吸収効率も高くなるものと考えられる。この点、本開示の製造方法によれば、バイポーラー膜1のゲル内で水溶液への二酸化炭素の吸収を進行させることができ、飽和濃度よりも高い二酸化炭素濃度を有する炭酸水を製造できる可能性もある。
尚、本開示の製造方法は、バッチ式で行われても、連続式で行われてもよい。例えば図2に示す形態において、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aと陰極3との間の空間に「水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液」を配置(充填)して第1工程及び第2工程を行ってバッチ式で炭酸水を製造してもよいし、当該水溶液を当該空間内へと一方側から連続的に供給するとともに、当該空間から他方側へと連続的に排出しながら第1工程及び第2工程を行って連続式で炭酸水を製造してもよい。
このように、本開示の製造方法においては、例えば図2に示すように、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aと陰極3との間の空間に「水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液」を配置・供給することで炭酸水を製造することができる。一方、本開示の製造方法において、バイポーラー膜1の陰イオン交換層1bと陽極2との間に配置・供給する液体の種類は特に限定されるものではない。例えば、図2に示すように若干の電気伝導度を有する「水」を配置・供給することが好ましい。すなわち、本開示の製造方法によれば、水及び所定のアニオン源(炭酸塩や炭酸水素塩等)だけで炭酸水を製造することができる。尚、本願にいう「水」は純水というわけではなく、電気を流すことが可能な程度に若干の電解質等を含んでいればよい。
以上の通り、本開示の製造方法によれば、電気的に水の解離を進行させることによって水素イオンを生成させるため、クエン酸ナトリウム等の酸を別途添加する必要がなく、酸味等の抑えられた炭酸水を製造可能である。また、陽極2及び陰極3に印加する電圧を調整することで水素イオンの生成量(引いては二酸化炭素の発生量)を細かく制御でき、所望の炭酸濃度を有する炭酸水を効率的に製造可能である。本開示の製造方法においては、複雑な試薬は必要とせず、上記説明の通り、例えば水及び所定のアニオン源のみから炭酸水を製造可能である。
1.2.第2実施形態
図4に第2実施形態に係る炭酸水の製造方法を示す。図4においては、水溶液中に炭酸イオンが含まれた形態について示しているが、炭酸イオンに替えて、或いは、炭酸イオンとともに、炭酸水素イオンが含まれていてもよい。また、図4においては、水素イオン以外のカチオンとしてナトリウムイオンを明示しているが、当該カチオン種はこれに限定されるものではない。以下、第2実施形態において、第1実施形態と共通する事項については説明を省略する。
図4に示す炭酸水の製造方法は、上記の第1工程及び第2工程と並行して、水溶液に含まれる水素イオン以外のカチオンを、陽イオン交換膜4を介した電気透析によって系外へと除去する、第3工程をさらに備える点に特徴がある。言い換えれば、第2実施形態に係る炭酸水の製造方法は、水素イオン以外のカチオンを系外に除去している点で、第1実施形態に係る炭酸水の製造方法よりも限定されている。
本開示の製造方法において用いられる陽イオン交換膜4は、水溶液に含まれるアニオン(炭酸イオン等)よりも、上記のカチオンを優先的に透過可能なものであればよい。例えば、上記したバイポーラー膜1の陽イオン交換層1aと同様の材料からなる膜を、陽イオン交換膜4とすることができる。陽イオン交換膜4の厚みは特に限定されるものではない。
電気透析における電圧や電流密度は、上記した第1工程におけるものと同様でよい。言い換えれば、本開示の製造方法においては、図4に示すように、1対の陽極2及び陰極3を用いて、第1工程及び第2工程と並行して第3工程を行うことができる。この場合、図4に示すように、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aと陽イオン交換膜4との間の空間に「水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液」を配置・供給して炭酸水を製造するとともに、陽イオン交換膜4と陰極3との間の空間に「水」を配置・供給して水素イオン以外のカチオンを含む水溶液を製造することができる。
以上の通り、本開示の製造方法において、第1工程及び第2工程に加えて第3工程を行うことで、実質的に不純物を含まない純炭酸水を製造することができる。
1.3.第3実施形態
図5に第3実施形態に係る炭酸水の製造方法を示す。図5においては、水溶液中に炭酸イオンが含まれた形態について示しているが、炭酸イオンに替えて、或いは、炭酸イオンとともに、炭酸水素イオンが含まれていてもよい。また、図5においては、水素イオン以外のカチオンとしてナトリウムイオンを明示しているが、当該カチオン種はこれに限定されるものではない。以下、第3実施形態において、第1実施形態と共通する事項については説明を省略する。
図5に示す第3実施形態に係る炭酸水の製造方法は、上記の第1工程及び第2工程と並行して、陰イオン交換膜5を介した電気透析によって、水溶液へと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方を供給する、第4工程を備える点に特徴がある。言い換えれば、第3実施形態に係る炭酸水の製造方法は、炭酸イオン等の供給経路が具体的に特定されている点で、第1実施形態に係る炭酸水の製造方法よりも限定されている。
本開示の製造方法において用いられる陰イオン交換膜5は、水溶液に含まれるカチオン(ナトリウムイオン等)よりも、上記の炭酸イオンや炭酸水素イオンを優先的に透過可能なものであればよい。例えば、上記したバイポーラー膜1の陰イオン交換層1bと同様の材料からなる膜を、陰イオン交換膜5とすることができる。陰イオン交換膜5の厚みは特に限定されるものではない。
電気透析における電圧や電流密度は、上記した第1工程におけるものと同様でよい。言い換えれば、本開示の製造方法においては、図5に示すように、1対の陽極2及び陰極3を用いて、第1工程及び第2工程と並行して第4工程を行うことができる。この場合、図5に示すように、陰イオン交換膜5と陰極3との間の空間(B)に「水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液」を配置・供給して空間(B)から空間(A)へと炭酸イオン等を透過させる一方、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aと陽イオン交換膜4との間の空間(A)に「水」を配置・供給して空間(B)から空間(A)へと透過された炭酸イオン等と水素イオンとを反応させることで、炭酸水を製造することができる。
以上の通り、本開示の製造方法において、第1工程及び第2工程に加えて第4工程を行うことによっても、実質的に不純物を含まない純炭酸水を製造することができる。
尚、第3実施形態に係る炭酸水の製造方法は、純炭酸水を得るのみならず、液相中に存在する炭酸イオンを気相に変換する効果も有するといえる。例えば、硬度が高い水中のカルシウムなどは水中の重炭酸イオンと結合してスケールを発生する虞があり、液相から重炭酸イオンを除去するニーズがある。液相の重炭酸イオンを固相結晶として析出・固定化するのではなく、本開示の方法のように気相に転換させてさらに撹拌するなどして放散させると、系からの除去が容易となるものと考えられる。この点、第3実施形態に係る炭酸水の製造方法は、上記した第1実施形態に係る方法による効果に加えて、重炭酸イオン等を除去するプロセスと組み合わせることで新たな効果を発揮できるものともいえる。
2.炭酸水の製造装置
2.1.第1実施形態
本開示の技術は、炭酸水の製造装置としての側面も有する。図2に示すように、本開示の製造装置は、バイポーラー膜1と、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1a側に設けられた陰極3と、バイポーラー膜1の陰イオン交換層1b側に設けられた陽極2と、バイポーラー膜1、陰極3及び陽極2に接触するように配置されるとともに、水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液と、を備え、陰極3及び陽極2を用いて電圧を印加することで、バイポーラー膜1の陽イオン交換層1aから水溶液中に水素イオンを供給し、水溶液において炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方と水素イオンとを反応させて、水溶液中に二酸化炭素を生成させるように構成されている。
図2に示すように、本開示の製造装置の構成は、従来の電気透析装置の構成を応用したものといえる。本開示の製造装置に備えられる各部材は、上記の本開示の製造方法にて説明したものと同様であることから、ここでは説明を省略する。本開示の製造装置の大きさは、炭酸水の製造規模等に応じて適宜決定すればよい。本開示の製造装置により発揮される効果は、上記の本開示の製造方法にて説明したものと同様である。また、本開示の製造装置においては、ガス容器やその周辺機器である調圧系が不要であることから、装置の小型化が容易である。
本開示の製造装置は、1対の電極間に複数の反応室を設けてスタック化することで炭酸水の生産能力を容易に高めることが可能である。すなわち、装置の生産能力を高めるためには、一対の陰極3と陽極2との間に、バイポーラー膜1を複数備えることが好ましい。
2.2.第2実施形態
本開示の製造装置は、図4に示すように、バイポーラー膜1と陰極3との間に陽イオン交換膜4を備え、水溶液に含まれる水素イオン以外のカチオンが、陽イオン交換膜4を介した電気透析によって水溶液から系外へと除去されるように構成されていることが好ましい。これにより、上述したメカニズムにて、純炭酸水を製造することができる。
この場合も、1対の電極間に複数の反応室を設けてスタック化することで炭酸水の生産能力を容易に高めることが可能である。すなわち、装置の生産能力を高めるためには、例えば図6に示すように、一対の陰極3と陽極2との間に、バイポーラー膜1と陽イオン交換膜4とを交互に複数備えることが好ましい。
2.3.第3実施形態
本開示の製造装置は、図5に示すように、バイポーラー膜1と陰極3との間に陰イオン交換膜5を備え、陰イオン交換膜5を介した電気透析によって、系外から系内の水溶液へと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方が供給されるように構成されていることも好ましい。これにより、上述したメカニズムにて、純炭酸水を製造することができる。
この場合も、1対の電極間に複数の反応室を設けてスタック化することで炭酸水の生産能力を容易に高めることが可能である。すなわち、装置の生産能力を高めるためには、例えば図7に示すように、一対の陰極3と陽極2との間に、バイポーラー膜1と陰イオン交換膜5とを交互に複数備えることが好ましい。
尚、本開示の製造装置と他の電気透析装置とを電気的に接続して一つの装置とすることも可能である。例えば、図4〜7に示すように本開示の製造装置においては炭酸水のほかに副生成物としてアルカリ溶液等を製造することが可能であることから、炭酸水の製造と並行して、アルカリ溶液等を利用して何らかの化学反応により他の物質を製造してもよい。また、本開示の製造装置においては、第2実施形態に係る製造装置と、第3実施形態に係る製造装置とを電気的に接続して一つの装置とすることも可能である。例えば、一対の陰極3及び陽極2の間に、バイポーラー膜1と陽イオン交換膜4とを交互に複数備える領域と、バイポーラー膜1と陰イオン交換膜5とを交互に複数備える領域とが組み合わされて配置されていてもよい。これら変形例については、本願を参照した当業者にとって自明であることから、詳細な説明は省略する。
以下、実施例により、本開示の炭酸水の製造方法及び製造装置について、その効果をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の具体的形態に限定されるものではない。以下に示す実施例では、炭酸イオンとナトリウムイオンとを含む水溶液を用いて炭酸水を製造する方法について説明するが、本開示の炭酸水の製造方法及び製造装置において用いられる水溶液はこれに限定されるものではない。水溶液において、炭酸イオンに替えて、或いは、炭酸イオンとともに炭酸水素イオンが存在していた場合でも同様の効果を発揮するものと考えられる。また、ナトリウムイオンに替えて、或いは、ナトリウムイオンとともに、他のカチオンが存在していた場合でも、同様の効果を発揮するものと考えられる。
以下の実施例においては、図8に示す構成を備える電気透析装置を用いて炭酸水の製造を試みた。図8中、「BPM」はバイポーラー膜(NEOSEPTA BP-1E、ASTOM社製)、「CEM」は陽イオン交換膜(強酸性型陽イオン交換膜 SELEMION CMV、AGCエンジニアリング社製)である。図8に示すように、BPMの陰極側の面とCEMの陽極側の面とによって区切られた空間を炭酸水を製造するための反応室とした。
1.実施例1
実施例1においては、水溶液に含まれるNaCOの濃度を50mol/m、電極に印加する電圧を50V、電流密度を40A/mとして、大気開放下において電気透析を行うことで純炭酸水の製造を行った。反応室内の水溶液について、pHの経時変化、二酸化炭素濃度の経時変化、及び、ナトリウムイオン濃度の経時変化をそれぞれ確認した。結果を図9に示す。
図9に示すように、時間の経過とともに反応室内の水溶液中の二酸化炭素濃度が増加し、30分経過後には大気圧下における飽和濃度に達したが、30分過ぎから液温の上昇に伴い二酸化炭素の放散速度が高くなり、水溶液中の二酸化炭素濃度が徐々に減少した。pHは飽和濃度付近(30〜40分経過時点)で弱酸性であった。一方、時間の経過とともに反応室内の水溶液中のナトリウムイオン濃度が減少し60分経過後には0となった。以上の通り、バイポーラー膜と陽イオン交換膜とを用いた電気透析装置によって、炭酸ナトリウム水溶液から純炭酸水が得られた。
2.実施例2
実施例2においては、電流密度を80A/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、純炭酸水の製造を行った。反応室内の水溶液について、pHの経時変化、二酸化炭素濃度の経時変化、及び、ナトリウムイオン濃度の経時変化をそれぞれ確認した。結果を図10に示す。
図10に示すように、時間の経過とともに反応室内の水溶液中の二酸化炭素濃度が増加し、15分経過時には大気圧下における飽和濃度に達したが、20分過ぎから二酸化炭素の放散速度が高くなり、水溶液中の二酸化炭素濃度が徐々に減少した。pHは最終的に弱酸性となった。一方、時間の経過とともに反応室内の水溶液中のナトリウムイオン濃度が減少し30分経過後には0となった。以上の通り、電流密度を増加させることで、より効率的に純炭酸水を製造できることが分かった。
3.実施例3
実施例3においては、水溶液に含まれるNaCOの濃度を100mol/m、電流密度を80A/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、純炭酸水の製造を行った。反応室内の水溶液について、pHの経時変化、二酸化炭素濃度の経時変化、及び、ナトリウムイオン濃度の経時変化をそれぞれ確認した。結果を図11に示す。
図11に示すように、時間の経過とともに反応室内の水溶液中の二酸化炭素濃度が増加し、30分経過後には大気圧下における過飽和濃度に達したが、40分過ぎから二酸化炭素の放散速度が高くなり、水溶液中の二酸化炭素濃度が徐々に減少した。pHは最終的に弱酸性となった。一方、時間の経過とともに反応室内の水溶液中のナトリウムイオン濃度が減少し60分経過後には0となった。以上の通り、炭酸ナトリウム濃度(炭酸イオン濃度)及び電流密度を増加させることで、高濃度の炭酸水をより効率的に製造できることが分かった。
4.実施例4
実施例4においては、水溶液に含まれるNaCOの濃度を100mol/mとしたこと以外は実施例1と同様にして、純炭酸水の製造を行った。反応室内の水溶液について、pHの経時変化、二酸化炭素濃度の経時変化、及び、ナトリウムイオン濃度の経時変化をそれぞれ確認した。結果を図12に示す。
図12に示すように、時間の経過とともに反応室内の水溶液中の二酸化炭素濃度が増加し、30分経過後には大気圧下における過飽和濃度に達し、その後も二酸化炭素濃度が上昇したが、80分過ぎから二酸化炭素の放散速度が高くなり、水溶液中の二酸化炭素濃度が徐々に減少した。pHは最終的に弱酸性となった。一方、時間の経過とともに反応室内の水溶液中のナトリウムイオン濃度が減少し100分経過後には0となった。以上の通り、炭酸ナトリウム濃度(炭酸イオン濃度)を増加させることで、高濃度の炭酸水をより効率的に製造できることが分かった。
実施例4について、図13(A)に通電開始時の反応室内の様子を、図13(B)に通電開始40分経過時の反応室内の様子を示す。図13(A)に示すように、通電開始直後は、陰極板から水素ガス、陽極板から酸素ガスが生成する一方、反応室内では特に気泡の生成は認められなかった。一方、図13(B)に示すように、通電開始40分経過時点では、反応室内に若干の気泡の生成が認められた。また、反応室内には肉眼では確認できない程度の小さなサイズで二酸化炭素が放散しているものと考えられる。
実施例4について、60分経過後に反応室の溶液をガラス瓶に回収した。図14に回収した溶液の様子を示す。図14に示すように、ガラス瓶の内部の一部から気泡が発生した。ガラス瓶の汚れ部分において二酸化炭素の気泡が発生したものと考えられる。当該溶液を口に含んで味を確認したところ、苦味や酸味はなく、ほんのりとした微炭酸であり、気泡サイズが極めて小さな純炭酸水であることが確認できた。
5.炭酸ガスの吸収効率の確認
5.1.参考例
二酸化炭素の高圧ガスボンベから、ビニルホースを用いて水に二酸化炭素ガスを流し込み、物理的に溶解させた。この場合、吸収効率が2〜3%であり、大部分の二酸化炭素ガスが水に溶解することなく再び気相へと放出された。
5.2.実施例5
実施例5においては、水溶液に含まれるNaCOの濃度を50mol/m、電極に印加する電圧を15V、電流密度を10A/mとして、大気開放下において電気透析を行うことで純炭酸水の製造を行った。反応室内の水溶液について、pHの経時変化、二酸化炭素濃度の経時変化、及び、ナトリウムイオン濃度の経時変化をそれぞれ確認するとともに、反応室液出口上方にガスビュレットを接続して気相に抜ける二酸化炭素量を測定し、二酸化炭素の吸収効率を確認した。結果を図15に示す。
図15に示すように、実施例5に係る方法で炭酸水を製造した場合、時間の経過と共に液相中の炭酸ガスの濃度CCO2が増加すると共に、60分頃までは液相に生成した炭酸ガスの物質量(〇)と液相と気相に生成した炭酸ガスの物質量nの和(×)はほぼ一致していることから、この時間までは炭酸ガスの吸収効率が極めて高いことが分かる。また、その後さらに通電を続けると、やがて炭酸ガスの液相への吸収速度は低下し始め、液相の炭酸ガスの濃度の増加割合が小さくなると共に、生成した炭酸ガスの一部は気相に移動することで、結果、90分頃には吸収効率が若干低下し90%程度を示した。なお、図中の実線は、本実験系における炭酸ガスの生成がNaCO+2H→CO+HO+2Naの反応により進行すると仮定し、系に流した電流の積算値から水素イオン濃度を計算することで求めた全炭酸ガス生成量を求めた理論値である。図より理論線と実測値の傾向はほぼ一致していることから、上記反応が化学量論通りに進行するとともに高効率で液相に吸収していることが実験的に明らかとなった。すなわち、実施例5に係る方法で炭酸水を製造した場合、液中における二酸化炭素の吸収効率が極めて高いことが分かった。バイポーラー膜内においては、ゲルの緻密さから気泡の合一が進まず、水素イオンと炭酸イオンとの反応によって生成した二酸化炭素が膜内で陽圧となり、結果として、二酸化炭素が高効率で(加圧下で)吸収されたものと考えられる。
本開示の製造方法により製造された炭酸水は、飲料用や炭酸泉用等、種々の分野で利用可能である。
1 バイポーラー膜
1a 陽イオン交換層(負荷電層)
1b 陰イオン交換層(正荷電層)
2 陽極
3 陰極
4 陽イオン交換膜
5 陰イオン交換膜

Claims (11)

  1. 水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液にバイポーラー膜を接触させるとともに、前記バイポーラー膜の陽イオン交換層側を陰極側、前記バイポーラー膜の陰イオン交換層側を陽極側に向けて電圧を印加することによって、前記バイポーラー膜の陽イオン交換層から前記水溶液中に水素イオンを供給する、第1工程と、
    前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方と前記水素イオンとを反応させて、前記水溶液中に二酸化炭素を生成させる、第2工程と、
    を備える、炭酸水の製造方法。
  2. 前記第1工程及び前記第2工程と並行して、前記水溶液に含まれる前記水素イオン以外のカチオンを、陽イオン交換膜を介した電気透析によって系外へと除去する、第3工程
    をさらに備える、請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記水素イオン以外のカチオンがアルカリ金属イオンである、
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記第1工程及び前記第2工程と並行して、陰イオン交換膜を介した電気透析によって、前記水溶液へと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方を供給する、第4工程を備える、
    請求項1に記載の製造方法。
  5. バイポーラー膜と、
    前記バイポーラー膜の陽イオン交換層側に設けられた陰極と、
    前記バイポーラー膜の陰イオン交換層側に設けられた陽極と、
    前記バイポーラー膜、前記陰極及び前記陽極に接触するように配置されるとともに、水素イオン以外のカチオンと炭酸イオン及び炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方とを含む水溶液と、
    を備え、
    前記陰極及び前記陽極を用いて電圧を印加することで、前記バイポーラー膜の前記陽イオン交換層から前記水溶液中に水素イオンを供給し、前記水溶液において前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方と前記水素イオンとを反応させて、前記水溶液中に二酸化炭素を生成させるように構成されている、
    炭酸水の製造装置。
  6. 前記バイポーラー膜と前記陰極との間に陽イオン交換膜を備え、
    前記水溶液に含まれる前記水素イオン以外のカチオンが、前記陽イオン交換膜を介した電気透析によって前記水溶液から系外へと除去されるように構成されている、
    請求項5に記載の製造装置。
  7. 前記水素イオン以外のカチオンがアルカリ金属イオンである、
    請求項5又は6に記載の製造装置。
  8. 前記バイポーラー膜と前記陰極との間に陰イオン交換膜を備え、
    前記陰イオン交換膜を介した電気透析によって、系外から系内の前記水溶液へと前記炭酸イオン及び前記炭酸水素イオンのうちの少なくとも一方が供給されるように構成されている、
    請求項5に記載の製造装置。
  9. 一対の前記陰極と前記陽極との間に、前記バイポーラー膜を複数備える、
    請求項5〜8のいずれか1項に記載の製造装置。
  10. 一対の前記陰極と前記陽極との間に、前記バイポーラー膜と前記陽イオン交換膜とを交互に複数備える、
    請求項5〜9のいずれか1項に記載の製造装置。
  11. 一対の前記陰極と前記陽極との間に、前記バイポーラー膜と前記陰イオン交換膜とを交互に複数備える、
    請求項5〜10のいずれか1項に記載の製造装置。
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