JP2022095388A - 硬化型装置およびこれを備えた免震構造物 - Google Patents

硬化型装置およびこれを備えた免震構造物 Download PDF

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皓 宮本
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Abstract

Figure 2022095388000001
【課題】免震建物の水平方向の応答変位を張力部材を用いて効果的に抑制することができる硬化型装置およびこれを備えた免震構造物を提供する。
【解決手段】基礎部12の上に免震部材24を介して設けられた上部構造16と、この上部構造16の側壁18の少なくとも一部に対して隙間aをあけて対向配置された構造体20との間に設けられ、上部構造16の変位を抑制するために用いられる硬化型装置10であって、上部構造16の側壁18と構造体20とを接続する張力部材22を備え、この張力部材22は、鉛直方向から傾斜した状態で配置されるようにする。
【選択図】図1

Description

本発明は、変位制御型免震構造のための硬化型装置およびこれを備えた免震構造物に関するものである。
従来、免震建物は、積層ゴム等の免震装置を使って建物の周期を伸ばすことにより、地震入力の低減を図る構造形式として知られている。応答加速度を大きく低減できるので、地震時の家具の転倒抑制などにも有効である。
しかし、近年、大きな地震波形が観測されることが多く、免震建物の変位が設計想定値よりも大きくなって擁壁に衝突するという懸念が提起されている。さらに、最近は長周期長時間地震動への対策も必要とされてきており、周期を伸ばすだけではなく、さらなる変位抑制を図ることが重要となってきている。
変位抑制に着目すれば、ダンパーなどを大量に設定して減衰を増やすことや、擁壁への衝突を回避するためのストッパーを設けることなどが有効である。しかし、これらの対策は建物の短周期化につながり、免震構造が持つ長周期化による応答加速度低減とは相反する。このようなことから、応答加速度低減効果を損なわずに、応答変位を抑制するような構造が求められている。
応答加速度低減効果を損なわずに、応答変位を抑制するような従来の免震構造としては、例えば、硬化型装置、回転慣性装置、可変ダンパー装置を組み合わせた構造形式が知られている(例えば、特許文献1~5を参照)。
一方、ロープ材などの張力部材を用いた制振装置が知られている(例えば、特許文献6を参照)。加振方向の直交方向にロープ材を配置した簡単なばね系において、幾何非線形を考慮して運動方程式を導き、テイラー展開により近似すると3次の項が現れ(例えば、非特許文献1を参照)、硬化型の復元力特性が実現できる。また、ロープ材に最初にゆるみを持たせると、ゆるみがなくなるまでは力が発生しないため、ギャップを持った復元力特性となる。
ロープ材を加振方向に直交する方向に配置して、幾何学的非線形により硬化型特性を実現することは、非線形に関連した研究において、海外・国内の多くの実験で採用されている一般的な方法である(例えば、非特許文献2を参照)。
特開2019-178532号公報 特開2017-003089号公報 特開2017-003090号公報 特願2020-109632号(現時点で未公開) 特願2020-109654号(現時点で未公開) 特開2003-138781号公報
「力学系カオス」、松葉育雄著、森北出版株式会社、pp.11-12、2011 Steady State Passive Nonlinear Energy Pumping in Coupled Oscillators: Theoretical and Experimental Results, Xiaoai Jiang, D. Michael McFarland, Lawrence A. Bergman & Alexander F. Vakakis, Nonlinear Dynamics vol.33, pp.87-102, 2003
ところで、ロープ材のような張力部材を水平方向に配置した硬化型装置においては、特定の1つの加振方向にのみ機能が発揮される。しかし、実際の免震建物では、水平の任意の方向に上部建物が移動するため、このままの配置では支障がある。したがって、水平の任意方向にも対応できるような工夫が必要である。
免震建物の免震層のクリアランスは50cm~80cmのオーダーが一般的であり、硬化装置は大きな水平変位が発生してもロープ材が弾性域にとどまり破断しないような仕組みが必要である。そのための方法として、ロープ材長さを増やして(ロープの固定位置をなるべく離して)、水平変位に対するロープ材の伸びを小さくすることが有効である。しかし、免震層の水平方向に長尺のロープ材を張り巡らせることは、配置計画や日常的なメンテナンス作業の妨げとなるおそれがある。
さらに、建物の振動特性にも影響を及ぼすような大きな荷重を発生させる必要があるため、十分な剛性をもつ部材が必要となる。
なお、高層免震建物の場合、建物の転倒モーメントの影響で免震装置に付加軸力が発生し、免震装置の破損につながるおそれがある。付加軸力としては、建物と擁壁のクリアランスが狭くなった方の免震装置に圧縮力が発生し、クリアランスが広くなった方の免震装置に引き抜き力が発生する。したがって、転倒モーメントにより発生する付加軸力を緩和するような工夫も必要となる。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、免震建物の水平方向の応答変位を張力部材を用いて効果的に抑制することができる硬化型装置およびこれを備えた免震構造物を提供することを目的とする。
上記した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る硬化型装置は、基礎部の上に免震部材を介して設けられた上部構造と、この上部構造の側壁の少なくとも一部に対して隙間をあけて対向配置された構造体との間に設けられ、上部構造の変位を抑制するために用いられる硬化型装置であって、上部構造の側壁と構造体とを接続する張力部材を備え、この張力部材は、鉛直方向から傾斜した状態で配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の硬化型装置は、上述した発明において、張力部材は、鉛直方向では構造体側を上に、上部構造側を下にして配置されるとともに、水平方向では上部構造側を上部構造の下面隅部に近い方に、構造体側を上部構造の下面隅部から遠い方にして配置されることを特徴とする。
また、本発明に係る他の硬化型装置は、上述した発明において、張力部材の鉛直方向の高さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の6倍以上であるとともに、張力部材の水平方向の長さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の2倍以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る他の硬化型装置は、上述した発明において、張力部材の共振を回避するための共振回避部材をさらに備えることを特徴とする。
また、本発明に係る免震構造物は、上述した硬化型装置を備えることを特徴とする。
本発明に係る硬化型装置によれば、基礎部の上に免震部材を介して設けられた上部構造と、この上部構造の側壁の少なくとも一部に対して隙間をあけて対向配置された構造体との間に設けられ、上部構造の変位を抑制するために用いられる硬化型装置であって、上部構造の側壁と構造体とを接続する張力部材を備え、この張力部材は、鉛直方向から傾斜した状態で配置されるので、上部構造(免震建物)の水平方向の応答変位を張力部材を用いて効果的に抑制することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の硬化型装置によれば、張力部材は、鉛直方向では構造体側を上に、上部構造側を下にして配置されるとともに、水平方向では上部構造側を上部構造の下面隅部に近い方に、構造体側を上部構造の下面隅部から遠い方にして配置されるので、任意の水平方向に上部構造が変位した場合に、隙間が小さくなる側の張力部材のみに張力が発生する。このため、転倒モーメントによる圧縮側積層ゴムにかかる軸力を低減することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の硬化型装置によれば、張力部材の鉛直方向の高さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の6倍以上であるとともに、張力部材の水平方向の長さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の2倍以上であるので、任意の水平方向に上部構造が変位した場合に、隙間が小さくなる側の張力部材のみに張力が発生する。このため、転倒モーメントによる圧縮側積層ゴムにかかる軸力を低減することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る他の硬化型装置によれば、張力部材の共振を回避するための共振回避部材をさらに備えるので、張力部材の共振を回避することができるという効果を奏する。
また、本発明に係る免震構造物によれば、上述した硬化型装置を備えるので、上部構造の水平方向の応答変位を抑制可能な免震構造物を提供することができるという効果を奏する。
図1は、本発明に係る硬化型装置およびこれを備えた免震構造物の実施の形態を示す図であり、(1)は側断面図、(2)は平断面図である。 図2は、擁壁衝突時のロープ材の説明図であり、(1)は上部構造がX方向にのみ移動した場合、(2)は上部構造がX、Y方向に移動した場合である。 図3は、本実施の形態の他の作用効果の説明図であり、(1)は転倒モーメントによる圧縮側積層ゴムにかかる軸力を低減する作用効果、(2)は免震層のねじれを補正する作用効果である。 図4は、ロープ材の共振回避用のサポート材を示す図であり、(1)は平断面図、(2)は側断面図である。 図5は、本発明に係る硬化型装置およびこれを備えた免震構造物の他の実施の形態を示す側断面図である。
以下に、本発明に係る硬化型装置およびこれを備えた免震構造物の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係る硬化型装置10は、基礎部12の上の地下の免震層14を介して設けられた上部構造16と、この上部構造16の側壁18に対して免震層クリアランスa(隙間)をあけて対向配置された擁壁20(構造体)との間に設けられ、上部構造16の変位を抑制するために用いられる。この硬化型装置10は、上部構造16の側壁18と擁壁20とを接続するロープ材22(22a、22b:張力部材)を備える。
免震層14には、積層ゴム24(免震部材)が配置される。上部構造16は、水平断面が正方形の建物であり、擁壁20は基礎部12の上に設置される壁体であり、上部構造16の四方周囲を囲むように正方形状に設置される。本発明の実施の形態に係る免震構造物100は、上述した基礎部12と、免震層14と、上部構造16と、擁壁20と、硬化型装置10を備える。なお、上部構造は正方形状に限らず、長方形状などの断面でもよい。
ロープ材22(22a、22b)は、鉛直方向から傾斜した状態で免震層クリアランスaの空間に配置される。より具体的には、ロープ材22は、鉛直方向では擁壁20側を上に、上部構造16側を下にした態様で連結するように配置される。また、ロープ材22は、水平面内では上部構造16側を上部構造16の下面四隅(下面隅部)に近い方に、擁壁20側を上部構造16の下面四隅から遠い方にして配置される。ロープ材22の鉛直方向の高さbは、免震層クリアランスaより十分に大きな長さにすることが好ましく、例えば免震層クリアランスaの6倍以上に設定することが望ましい。また、ロープ材22の水平方向の長さcは、ロープ材22の高さbより小さな値で、かつ、上部構造16の側壁18と擁壁20との間の免震層クリアランスaの2倍以上に設定することが望ましい。
次に、上記のように配置したロープ材22(22a、22b)の作用効果について説明する。
図1(2)に示すように、水平面内にX、Y方向を設定し、免震層クリアランスa、ロープ材22の高さb、ロープ材22の水平方向の長さcとすると、ゆるみが無い場合のロープ材22の長さは、L0=(a×a+b×b+c×c)0.5となる。
まず、上部構造16がX方向にx=aだけ移動した場合、すなわち、擁壁衝突時のロープ材22について検討する。図2(1)は、移動後の状況を示したものである。ただし、X軸対称のためロープ材は下半分のみを図示している。
図2(1)のロープ材1、2に着目して説明する。なお、ロープ材3は材が縮む方向であるので力が発生しない。
ロープ材1の長さは、L1x=(a×a+b×b+(c+a)×(c+a))0.5
ロープ材2の長さは、L2x=((a+a)×(a+a)+b×b+c×c)0.5
ここで、c>2×aに設定すれば、L1x>L2xとなる。
ロープ材にゆるみを持たせて、ロープの自然長をL=L2x=((a+a)×(a+a)+b×b+c×c)0.5とすると、ロープ材2も張力を負担しないようになる。したがって、ゆるみありのロープ材を使うことで、ロープ材1のみが張力を発生させることができる。
次に、上部構造16がX方向にx=a、Y方向にy=aだけ移動した場合について検討する。図2(2)は、移動後の状況を示したものである。ただし、45度軸対称のためロープ材は右下側のみを図示している。
図2(2)のロープ材1、2、4に着目して説明する。なお、ロープ材3は材が縮む方向であるので力が発生しない。
ロープ材1の長さは、L1xy=((a+a)×(a+a)+b×b+(c+a)×(c+a))0.5
ロープ材2の長さは、L2xy=((a+a)×(a+a)+b×b+(c-a)×(c-a))0.5
ロープ材4の長さは、L3xy=((a+a)×(a+a)+b×b+(c+a)×(c+a))0.5
たるみを持たせたロープ自然長をL=((a+a)×(a+a)+b×b+c×c)0.5とする。
ここで、c>2×aに設定すれば、L>L2xyとなり、ロープ材2は張力が発生しない。
また、L<L3xyとなり、ロープ材4には張力が発生する。
以上のように、配置したロープ材22のうち、任意の水平方向に上部構造16が移動した場合に、免震層クリアランスaが小さくなる側のロープ材22のみに張力が発生する。
したがって、本実施の形態によれば、ロープ材22を略鉛直方向に配置することで、上部構造16の任意の水平方向の応答変位をロープ材22を用いて効果的に抑制することができる。また、安価に製作可能なロープ材22を利用して、幾何学的非線形による硬化型の復元力特性を実現することができる。
また、図3(1)に示すように、張力は上部構造16を引き上げる方向に働くため、転倒モーメントによる圧縮側の積層ゴム24にかかる軸力を低減する効果もある。
ロープ材22の配置は、免震層14のねじれにも有効である。図3(2)に示すように、反時計回りに上部構造16が変位した場合、矢印で示したロープ材22に引張力が発生し、ねじれを補正する方向に機能する。
ところで、ロープ材22は長尺のため地震時に共振する可能性がある。そこで、図4に示すように、ロープ材22の共振を回避するためのサポート材26(共振回避部材)をさらに備えてもよい。サポート材26は、ロープ材22の中央付近から擁壁20にかけて設置する。サポート材26の材質としては、例えばゴム材のような伸縮可能なものを用いることができる。サポート材26を1本のみ使用する場合は、ロープ材22とサポート材26がなす平面に直交する方向に共振する可能性があるので、2本以上のサポート材26を用いて、全部の材(ロープ材22、サポート材26)が同一平面上にならないように配置することが望ましい。さらに、サポート材26に減衰機能を付けることで共振を積極的に回避するとともに、エネルギー吸収による振動低減を図るようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、ロープ材22を地下の免震層14の免震層クリアランスaの空間に配置する場合を例にとり説明したが、本発明はこれに限るものではなく、縦方向に十分な空間を確保可能な場所であればロープ材22はどこに配置してもよい。例えば、図5(1)に示すように、中心部に構造物28が配置されたボイド型の上部構造16においては、構造物28と上部構造16の間の空間にロープ材22を配置することができる。また、図5(2)に示すように、上部構造16の外部に柱30を設け、柱30と上部構造16との間にロープ材22を配置してもよい。
(実施例)
次に、本発明の実施例について説明する。本実施例は、以下の諸元で適用するものとした。
免震層クリアランスa=0.75m
ロープ材の高さb=6m(=8×a)
ロープ材の水平方向の長さc=3m(=4×a)
たるみが無い場合のロープ材長さL0=(a×a+b×b+c×c)0.5=6.750m
上部構造がX方向にx=aだけ移動した場合は、Lx=(a×a+b×b+(c+a)×(c+a))0.5=7.115m
上部構造がY方向にy=aだけ移動した場合は、Ly=((a+a)×(a+a)+b×b+c×c)0.5=6.874m
上部構造がx=a、y=aだけ移動した場合は、Lxy=((a+a)×(a+a)+b×b+(c+a)×(c+a))0.5=7.233m
たるみを持たせた場合のロープ材長さをL=Ly=6.874mとすると、上部構造がx=a、y=aだけ移動した場合のひずみは、7.233/6.874=1.052(ひずみ=5.2%)
ここで、通常のワイヤロープでは、ひずみ5%程度で破断するためロープ材として適用することは難しい。本実施例に用いるロープ材としては、例えば海洋・船舶分野で係船索などに使用される合成繊維ロープが有用である。合成繊維ロープは、破断時の伸びが4%~30%程度といった多様な製品が入手可能であり、鉄製のワイヤロープ材と比べて軽量で過酷な条件下でも使われる。軽量のため、設置時やメンテナンス時の作業が容易になる。
安全率を考慮すると、合成繊維ロープを使う場合でも、ひずみは5%程度に収めておくことが望ましい。ロープ材の高さbを大きくするとひずみは小さくすることができるが、上述したように、ロープ材の高さbは免震層クリアランスaの6倍以上が望ましい。
本実施例によれば、上部構造の任意の水平方向の応答変位を効果的に抑制することが可能である。
以上説明したように、本発明に係る硬化型装置によれば、基礎部の上に免震部材を介して設けられた上部構造と、この上部構造の側壁の少なくとも一部に対して隙間をあけて対向配置された構造体との間に設けられ、上部構造の変位を抑制するために用いられる硬化型装置であって、上部構造の側壁と構造体とを接続する張力部材を備え、この張力部材は、鉛直方向から傾斜した状態で配置されるので、上部構造(免震建物)の水平方向の応答変位を張力部材を用いて効果的に抑制することができる。
また、本発明に係る他の硬化型装置によれば、張力部材は、鉛直方向では構造体側を上に、上部構造側を下にして配置されるとともに、水平方向では上部構造側を上部構造の下面隅部に近い方に、構造体側を上部構造の下面隅部から遠い方にして配置されるので、任意の水平方向に上部構造が変位した場合に、隙間が小さくなる側の張力部材のみに張力が発生する。このため、転倒モーメントによる圧縮側積層ゴムにかかる軸力を低減することができる。
また、本発明に係る他の硬化型装置によれば、張力部材の鉛直方向の高さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の6倍以上であるとともに、張力部材の水平方向の長さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の2倍以上であるので、任意の水平方向に上部構造が変位した場合に、隙間が小さくなる側の張力部材のみに張力が発生する。このため、転倒モーメントによる圧縮側積層ゴムにかかる軸力を低減することができる。
また、本発明に係る他の硬化型装置によれば、張力部材の共振を回避するための共振回避部材をさらに備えるので、張力部材の共振を回避することができる。
また、本発明に係る免震構造物によれば、上述した硬化型装置を備えるので、上部構造の水平方向の応答変位を抑制可能な免震構造物を提供することができる。
以上のように、本発明に係る硬化型装置およびこれを備えた免震構造物は、免震構造に有用であり、特に、免震建物の水平方向の応答変位を効果的に抑制するのに適している。
10 硬化型装置
12 基礎部
14 免震層
16 上部構造
18 側壁
20 擁壁(構造体)
22、22a、22b ロープ材(張力部材)
24 積層ゴム(免震部材)
26 サポート材(共振回避部材)
28 構造物
30 柱
100 免震構造物
a 免震層クリアランス(隙間)
b ロープ材の高さ
c ロープ材の水平方向の長さ

Claims (5)

  1. 基礎部の上に免震部材を介して設けられた上部構造と、この上部構造の側壁の少なくとも一部に対して隙間をあけて対向配置された構造体との間に設けられ、上部構造の変位を抑制するために用いられる硬化型装置であって、
    上部構造の側壁と構造体とを接続する張力部材を備え、この張力部材は、鉛直方向から傾斜した状態で配置されることを特徴とする硬化型装置。
  2. 張力部材は、鉛直方向では構造体側を上に、上部構造側を下にして配置されるとともに、水平方向では上部構造側を上部構造の下面隅部に近い方に、構造体側を上部構造の下面隅部から遠い方にして配置されることを特徴とする請求項1に記載の硬化型装置。
  3. 張力部材の鉛直方向の高さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の6倍以上であるとともに、張力部材の水平方向の長さは、上部構造の側壁と構造体との間の隙間の2倍以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の硬化型装置。
  4. 張力部材の共振を回避するための共振回避部材をさらに備えることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の硬化型装置。
  5. 請求項1~4のいずれか一つに記載の硬化型装置を備えることを特徴とする免震構造物。
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