JP2022092319A - エンジン制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気浄化フィルタの故障時の再循環排気量の不足を抑える。【解決手段】排気通路20に設けられた排気浄化フィルタ21と、前記排気通路を流れる排気の一部を吸気通路15に再循環する排気再循環装置24と、を備えるエンジン10に適用されるエンジン制御装置であって、前記エンジン10の運転状態に基づき設定した目標開度に応じてEGRバルブ27の開度を制御する電子制御ユニット40は、前記排気浄化フィルタ21の欠損の有無を診断するとともに、欠損ありと診断した場合には上記目標開度の増大補正を行う。【選択図】図1

Description

本発明は、排気中の微粒子物質等を捕集する排気浄化フィルタと、排気の一部を吸気通路に再循環する排気再循環装置と、を備えるエンジンの制御を行うエンジン制御装置に関する。
車載等のエンジンにおいて、排気の一部を吸気通路に再循環する排気再循環装置(Exhaust Gas Recirculation System)を備えたものがある。排気再循環装置は、排気通路と吸気通路とを繋ぐEGR通路、EGR通路に設置されたEGRバルブと、を備えている。EGRバルブは、その開度の変更に応じて、EGR通路を通って吸気通路に再循環される排気、いわゆるEGRガスの流路面積を変化させる。こうした排気再循環装置を備えるエンジンでは、エンジンの回転数や負荷率などに基づき、現在のエンジンの運転状態に適した量のEGRガスが再循環される開度を目標開度として設定してEGRバルブの開度制御を行っている。例えば特許文献1には、吸気へのEGRガスの導入率が、排気通路に設置された触媒装置の過昇温を抑制可能な値となる開度を、EGRバルブの目標開度として設定することが記載されている。
特開2008-267261号公報
ところで、車載等のエンジンにおいて、排気中の微粒子物質等を捕集する排気浄化フィルタを備えるものがある。排気浄化フィルタは、外部からの衝撃や熱衝撃により、欠損することがある。欠損が生じると、排気がその欠損した部分をすり抜けるため、排気浄化フィルタを通過する際の排気の圧力損失が低下する。そして、その結果、排気通路における排気浄化フィルタよりも上流側の部分の排気の圧力が、すなわちエンジンの背圧が低下する。一方、EGRシステムでは、エンジンの背圧と吸気圧との差圧を利用してEGRガスを吸気通路に導入している。排気浄化フィルタが欠損すると、上記差圧が見込みよりも小さくなるため、十分なEGRガスを吸気通路に導入できなくなる。
上記課題を解決するエンジン制御装置は、排気通路に設けられた排気浄化フィルタと、前記排気通路を流れる排気の一部を吸気通路に再循環する排気再循環装置と、を備えるエンジンに適用される。同エンジンの排気再循環装置は、吸気通路に再循環される排気の通路である排気再循環通路と、同排気再循環通路の排気の流路面積を開度の変更に応じて変化させる排気再循環バルブと、を備えている。上記エンジン制御装置は、排気浄化フィルタの欠損の有無を診断する診断処理と、エンジンの運転状態に基づき、排気再循環バルブの目標開度を設定する設定処理と、目標開度に応じて排気再循環バルブの開度を制御する開度制御処理と、を実行する。そして、上記エンジン制御装置は、上記診断処理により排気浄化フィルタに欠損があると診断されていることを条件に目標開度の増大補正を行う欠損時補正処理を実行している。
上述のように排気浄化フィルタに欠損が生じると、エンジンの背圧が低下する。そのため、排気浄化フィルタが欠損したときには、欠損していないときに比べ、エンジンの運転状態、及びEGRバルブの開度が同一の条件のもとで得られる排気の再循環量が少なくなる。これに対して上記エンジン制御装置では、排気浄化フィルタの欠損の有無を診断している。そして、欠損があると診断されているときには、そうでないときに比べて大きい開度となるようにEGRバルブの目標開度の増大補正が行われる。したがって、上記エンジン制御装置によれば、排気浄化フィルタが欠損したときの排気再循環装置による排気再循環量の減少が抑えられる。
エンジン制御装置の一実施形態の構成を模式的に示す図。 同実施形態のエンジン制御装置が実行する欠損診断処理のフローチャート。 排気浄化フィルタが欠損していないときの燃料カット制御の開始後における、図3(a)は排気流量の推移を、図3(b)は入りガス温及び出ガス温の推移を、図3(c)はそれらガス温の変化量の推移を、図3(d)は変化量差の推移を、それぞれ示すタイムチャート。 排気浄化フィルタが欠損しているときの燃料カット制御の開始後における、図4(a)は排気流量の推移を、図4(b)は入りガス温及び出ガス温の推移を、図4(c)はそれらガス温の変化量の推移を、図4(d)は変化量差の推移を、それぞれ示すタイムチャート。 同エンジン制御装置が実行するEGR開度制御のフローチャート。
以下、エンジン制御装置の一実施形態を、図1~図5を参照して詳細に説明する。
<エンジンの構成>
まず、図1を参照して、本実施形態のエンジン制御装置の制御対象となるエンジン10の構成を説明する。図1に示すように、エンジン10は、燃焼室11に吸気を導入するための吸気通路15と、燃焼室11から排気を排出するための排気通路20と、を有している。燃焼室11には、吸気と燃料との混合気を火花放電により点火する点火装置14が設置されている。
エンジン10の吸気通路15には、エアクリーナ16、スロットルバルブ17、インジェクタ18、及び吸気バルブ19が設けられている。吸気通路15は、燃焼室11への吸気の導入路であり、吸気バルブ19を介して燃焼室11に接続されている。エアクリーナ16は、塵などの吸気中の不純物を濾過するためのフィルタである。スロットルバルブ17は、吸気通路15を流れる吸気の流量を調整するためのバルブである。インジェクタ18は、スロットルバルブ17を通過して燃焼室11に流入する吸気中に燃料を噴射するための燃料噴射弁である。吸気バルブ19は、エンジン10の回転に同期にして開閉駆動される。そして、吸気通路15は、吸気バルブ19の開弁時には燃焼室11に連通され、吸気バルブ19の閉弁時には燃焼室11から遮断される。
エンジン10の排気通路20には、排気浄化フィルタ21、触媒装置22、及び排気バルブ23が設けられている。排気通路20は、燃焼室11からの排気の排出路であり、排気バルブ23を介して燃焼室11に接続されている。排気バルブ23は、エンジン10の回転に同期して開閉駆動される。そして、排気通路20は、排気バルブ23の開弁時には燃焼室11に連通し、排気バルブ23の閉弁時には燃焼室11から遮断される。排気浄化フィルタ21は、排気通路20を流れる排気中の微粒子物質を捕集するためのフィルタである。触媒装置22は、排気通路20における排気浄化フィルタ21よりも下流側の部分に設置されている。触媒装置22には、排気中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)を酸化すると同時に排気中の窒素酸化物(NOx)を還元する三元触媒が担持されている。
さらに、エンジン10は、排気の一部を吸気通路15に再循環する排気再循環装置24を有している。排気再循環装置24は、EGR通路25、EGRクーラ26、及びEGRバルブ27を備えている。EGR通路25は、吸気通路15に再循環する排気、いわゆるEGRガスの流路となる配管である。EGR通路25は、排気通路20における排気浄化フィルタ21よりも上流側の部分と、吸気通路15におけるスロットルバルブ17よりも下流側の部分と、を繋ぐように設けられている。EGRクーラ26は、EGR通路25を流れるEGRガスを冷却するための冷却器である。EGRバルブ27は、開度変更に応じてEGR通路25の流路面積を変化させることで、EGR通路25を通って吸気通路15に再循環されるEGRガスの流量を調整するバルブである。
また、エンジン10には、同エンジン10の運転状態を検出するための各種センサが設けられている。こうしたセンサには、大気圧センサ30、外気温センサ31、エアフローメータ32、吸気圧センサ33、入りガス温センサ34、出ガス温センサ35、クランク角センサ36、及び水温センサ37が含まれる。大気圧センサ30は大気圧PAを検出するセンサであり、外気温センサ31は外気温THAを検出するセンサである。エアフローメータ32は、吸気通路15におけるスロットルバルブ17よりも上流側の部分の吸気流量GAを検出するセンサである。吸気圧センサ33は、吸気通路15におけるスロットルバルブ17よりも下流側の部分の圧力であるインマニ圧PMを検出するセンサである。入りガス温センサ34は、排気浄化フィルタ21に流入する排気の温度である入りガス温TINを検出するセンサである。出ガス温センサ35は、排気浄化フィルタ21から流出した排気の温度である出ガス温TOUTを検出するセンサである。クランク角センサ36は、エンジン10の出力軸であるクランク軸38の回転角であるクランク角θcを検出するセンサである。水温センサ37は、エンジン10の冷却水温THWを検出するセンサである。
<エンジン制御装置の構成>
以上のように構成されたエンジン10は、エンジン制御装置としての電子制御ユニット40により制御されている。電子制御ユニット40は、演算処理回路41、メモリ42を備えるマイクロコンピュータとして構成されている。電子制御ユニット40には、上述の各センサの検出信号が入力されている。電子制御ユニット40は、各センサの検出信号から把握されるエンジン10の運転状態に基づき、点火時期、スロットル開度、燃料噴射量、EGRバルブ開度などのエンジン10の操作量を決定する。そして、電子制御ユニット40は、決定した操作量に基づき、点火装置14、スロットルバルブ17、インジェクタ18、EGRバルブ27などを駆動することで、エンジン制御を行っている。なお、電子制御ユニット40は、車両の惰性走行時にエンジン10の燃料噴射を停止する燃料カット制御を、エンジン制御の一環として行っている。
<排気浄化フィルタの欠損診断>
ところで、エンジン10の排気通路20に設けられた排気浄化フィルタ21は、セラミクスなどの多孔質の材料により形成されている。こうした排気浄化フィルタ21が、外部からの衝撃や熱衝撃により欠損すると、排気中の微粒子物質がその欠損した部分をすり抜けて、外気に漏出してしまう。これに対して、電子制御ユニット40は、こうした排気浄化フィルタ21の欠損の有無の診断を、エンジン制御の一環として実施している。なお、本実施形態では、燃料カット制御中の入りガス温センサ34及び出ガス温センサ35の検出結果に基づいて上記診断を行っている。
図2は、こうした排気浄化フィルタ21の欠損の有無の診断のために電子制御ユニット40が実行する欠損診断処理のフローチャートである。電子制御ユニット40は、燃料カット制御の開始と共に、欠損診断処理を開始する。
欠損診断処理が開始されると、まずステップS100において、診断の前提条件が成立しているか否かが判定される。前提条件は、下記の要件(イ)~(チ)のすべてが満たされることをもって成立する。そして、前提条件が成立している場合(YES)にはステップS110に処理が進められ、成立していない場合(NO)にはそのまま今回の燃料カット制御における欠損診断処理が終了される。
(イ)入りガス温センサ34及び出ガス温センサ35が共に正常に機能していること。
(ロ)エンジン10の冷却水温THWが既定の暖機判定値以上であること。暖機判定値には、エンジン10の暖機が完了した状態にあるときの冷却水温THWの範囲の下限値が値として設定されている。
(ハ)大気圧PAが既定の高地判定値を超えていること。高地判定値には、標準気圧(1013.25[hPa])よりも低い圧力が値として設定されている。
(ニ)外気温THAが既定の低気温判定値以上であること。
(ホ)車載の補機バッテリの電圧が一定値以上であること。すなわち、電子制御ユニット40やセンサなどへの電力供給が安定していること。
(ヘ)現トリップでの欠損診断が未完了であること。
(ト)入りガス温TINが既定の高温判定値以上であること。
(チ)入りガス温TINが出ガス温TOUTよりも高いこと。
前提条件が成立しており、ステップS110に処理が進められると、そのステップS110において、エンジン10の燃料カット制御が実行中であるか否かが判定される。そして、燃料カット制御が実行中である場合(YES)にはステップS120に処理が進められ、実行中でない場合(NO)にはそのまま今回の本ルーチンの処理が終了される。
ステップS120に処理が進められると、そのステップS120において、燃料カット制御の開始後に、入りガス温TINが低下し始めたか否かが判定される。ここでの判定は、燃料カット制御の開始時の入りガス温TINと現在の入りガス温TINとを比較することで行われる。そして、入りガス温TINの低下が開始していない場合(NO)には、既定の制御周期TSが経過した後に、再びステップS120の判定を実施する。一方、入りガス温TINの低下が始まったことが確認された場合(YES)には、ステップS130に処理が進められる。
ステップS130に処理が進められると、そのステップS130において、診断の準備のための処理が実施される。具体的には、ステップS130では、診断に使用するパラメータである積算変化量差Sの値として、初期値である「0」が設定される。また、ステップS130では、現在の入りガス温TINの値が前回入りガス温PTINの値として設定される。さらにステップS130では、現在の出ガス温TOUTの値が前回出ガス温PTOUTの値として設定される。そして、その後、ステップS140において、上記制御周期TSが経過するのを待った後、ステップS150に処理が進められる。
ステップS150では、現在の入りガス温TINから前回入りガス温PTINを引いた差が入りガス温変化dTINの値として演算される(dTIN=TIN-PTIN)。また、ステップS150では、現在の出ガス温TOUTから前回出ガス温PTOUTを引いた差が出ガス温変化dTOUTの値として演算される(dTOUT=TOUT-PTOUT)。さらにステップS150では、出ガス温変化dTOUTから入りガス温変化dTINを引いた差が変化量差Δの値として演算される。そして、続くステップS160では、更新前の値に変化量差Δを加えた和が更新後の値となるように積算変化量差Sの値が更新される。
その後、ステップS170において、燃料カット制御の開始からの経過時間TXが既定の診断時間A以上となったか否かが判定される。診断時間Aには、燃料カット制御の開始後、排気浄化フィルタ21を通過するガスが燃焼ガスから新気に置き換わり、排気流量が安定する迄に要する時間が設定されている。そして、経過時間TXが診断時間Aに満たない場合(NO)には、ステップS140に処理が戻される。そして、ステップS140において上記制御周期TSが経過するのを待った後、ステップS150での変化量差Δの演算、及びステップS160での積算変化量差Sの更新が再び実行される。
一方、経過時間TXが診断時間A以上となった場合(S170:YES)には、ステップS180に処理が進められる。そして、ステップS180~S200において、積算変化量差Sに基づき、排気浄化フィルタ21に欠損が有るか無いかの診断が行われる。具体的には、積算変化量差Sが欠損判定値B以下の場合(S180:YES)には、ステップS190において排気浄化フィルタ21に欠損が有ると診断された後、今回の燃料カット制御での欠損診断処理が終了される。一方、積算変化量差Sが欠損判定値Bを超過する値である場合(S180:NO)には、ステップS200において排気浄化フィルタ21に欠損が無いと診断された後、今回の欠損診断処理が終了される。
こうした欠損診断処理での排気浄化フィルタ21の欠損診断の原理を説明する。エンジン10の燃焼中は、排気からの受熱により、排気浄化フィルタ21は高温となっている。燃料カット制御が開始されてエンジン10の燃焼が休止されると、排気浄化フィルタ21に流入する排気の温度、すなわち入りガス温TINが低下し始める。一方、排気浄化フィルタ21の温度は直ぐには低下しないため、燃料カット制御の開始後暫くは、入りガス温TINよりも排気浄化フィルタ21の温度の方が高い状態となる。そのため、このときの排気浄化フィルタ21を通過する排気は、排気浄化フィルタ21から熱を受け取るようになる。排気浄化フィルタ21に欠損が生じている場合には、その欠損した部分を排気の一部がすり抜ける。そのため、排気浄化フィルタ21が欠損しているときには、排気浄化フィルタ21の通過中に排気が受け取る熱量が、欠損が無い場合よりも少なくなる。
以下の説明では、排気浄化フィルタ21に流入する排気が持つ熱量を入りガス熱量としたときの、同入りガス熱量の単位時間当たりの変化量を入りガス熱量変化dQINと記載する。また、排気浄化フィルタ21から流出する排気が持つ熱量を出ガス熱量としたときの、同出ガス熱量の単位時間当たりの変化量を、出ガス熱量変化dQOUTと記載する。さらに、排気浄化フィルタ21から排気が受け取る単位時間当たりの熱量を受熱量dQFと記載する。受熱量dQFは、出ガス熱量変化dQOUTから入りガス熱量変化dQINを引いた差として求められる(dQF=dQOUT-dQIN)。
入りガス熱量変化dQINは、排気流量GE、入りガス温変化dTIN、及び排気の比熱Cの積として求められる(dQIN=GE×dTIN×C)。一方、出ガス熱量変化dQOUTは、排気流量GE、出ガス温変化dTOUT、及び排気の比熱Cの積として求められる(dQOUT=GE×dTOUT×C)。よって、受熱量dQFは、出ガス温変化dTOUTから入りガス温変化dTINを引いた差に比例する値となる。上記欠損診断処理において、出ガス温変化dTOUTから入りガス温変化dTINを引いた差として演算される変化量差Δの値は、排気浄化フィルタ21からの排気の受熱量dQFに比例した値となる。
図3(a)~(d)は、排気浄化フィルタ21に欠損が無いときの、燃料カット制御の開始後における各状態量の推移を示している。また、図4(a)~(d)は、排気浄化フィルタ21に欠損が有るときの、燃料カット制御の開始後における各状態量の推移を示している。なお、図3(a)及び図4(a)は、排気流量GEの推移を示している。図3(b)及び図4(b)は、入りガス温TIN及び出ガス温TOUTの推移を示している。図3(c)及び図4(c)は、入りガス温変化dTIN、及び出ガス温変化dTOUTの推移を示している。図3(d)及び図4(d)は、変化量差Δの推移を示している。
図3及び図4では、時刻t1に燃料カット制御が開始され、その後の時刻t2より入りガス温TINの低下が始まっている。入りガス温TINが低下すると、それを追って出ガス温TOUTも低下する。このときの入りガス温TINに対する出ガス温TOUTの低下の遅れは、排気浄化フィルタ21からの受熱量dQFが多いほど、大きくなる。よって、このときの変化量差Δの値は、排気浄化フィルタ21に欠損が有るときよりも、欠損が無いときの方が大きい値となる。
図3及び図4における時刻t3は、入りガス温TINの低下が始まった時刻t2から診断時間Aが経過した時点を示している。上記欠損診断処理では、時刻t2から時刻t3における変化量差Δの積算値である積算変化量差Sを求めている。積算変化量差Sの値は、図3(d)及び図4(d)のハッチングで示された部分の面積に対応している。積算変化量差Sの値は、上記期間に、排気が排気浄化フィルタ21から受け取った熱の総量に比例した値となる。よって、排気浄化フィルタ21に欠損が有る場合には、同欠損が無い場合よりも、積算変化量差Sの値が小さくなる。そこで、上記欠損診断処理では、積算変化量差Sが欠損判定値B以下であるか否かにより、欠損の有無を診断している。
なお、電子制御ユニット40は、上記欠損診断処理において欠損有りと診断した場合には、警告灯の点灯等により、排気浄化フィルタ21の修理、交換が必要であることを車両のユーザに通知する。また、電子制御ユニット40は、こうした排気浄化フィルタ21の欠損の有無の診断結果を、EGRバルブ27の開度制御に反映している。
<EGR開度制御>
続いて、図5を参照して、EGRバルブ27の開度制御の詳細を説明する。図5には、EGRバルブ27の開度制御に係る電子制御ユニット40の処理のフローチャートが示されている。電子制御ユニット40は、エンジン10の運転中に図5に示される一連の処理を、既定の制御周期毎に繰り返し実行する。
図5の処理が開始されると、まずステップS300において、回転数NEや負荷率KL、冷却水温THWなどの現在のエンジン10の運転状態を示す状態量が読み込まれる。そして、続くステップS310では、読み込んだ状態量に基づき、EGRバルブ27の目標開度が演算される。目標開度は、エンジン10の現在の運転状態に応じた適切なEGR率が得られるように設定される。EGR率は、吸気に含まれる再循環排気の重量比率を示している。
なお、エンジン10の高負荷運転時には、排気の温度が高くなり、かつ排気流量GEが多くなる。こうした高負荷運転時には、排気からの受熱により、排気浄化フィルタ21や触媒装置22の温度が上がり易くなる。一方、EGR率を高めると、燃焼室11での混合気の燃焼が緩慢となって、排気の温度が低下する。そのため、本実施形態では、エンジン10の高負荷運転時には、排気浄化フィルタ21や触媒装置22の過昇温の抑制に必要なEGR率が得られるようにEGRバルブ27の目標開度を設定している。
続くステップS320では、上記欠損診断処理において、排気浄化フィルタ21に欠損が有ると診断されているか否かが判定される。欠損有りと診断されていない場合(NO)にはステップS330に処理が進められる。そして、そのステップS330において、EGRバルブ27の開度を、ステップS310で設定された目標開度とすべく、EGRバルブ27の駆動が行われた後、今回の制御周期における処理が終了される。
一方、排気浄化フィルタ21に欠損有りと診断されている場合(S320:YES)にはステップS340に処理が進められる。ステップS340では、エンジン10が高負荷運転中であるか否かが判定される。本実施形態では、エンジン10の吸気流量GAに基づいて高負荷運転中が否かを判定している。このときのエンジン10が高負荷運転中でない場合(S340:NO)には上述のステップS330に処理が進められる。
これに対して、欠損有りと診断されており、かつエンジン10が高負荷運転中である場合(S320、S340:共にYES)にはステップS350に処理が進められる。ステップS350に処理が進められると、ステップS320で設定した目標開度の増大補正が行われた後、ステップS330に処理が進められる。すなわち、この場合には、ステップS320で設定した目標開度よりも大きい開度となるようにEGRバルブ27が駆動される。本実施形態では、ステップS350の処理が、欠損時補正処理に対応している。
<実施形態の作用、効果>
本実施形態の作用及び効果について説明する。
エンジン10の排気再循環装置24は、吸気通路15と排気通路20との差圧を利用して、排気の一部を吸気通路15に再循環させる。電子制御ユニット40は、エンジン10の運転状態に応じて、EGR率が適切な値となるように、EGRバルブ27の開度制御を行っている。そして、電子制御ユニット40は、エンジン10の高負荷運転時には、EGR率を高めて排気の温度を下げることで、排気浄化フィルタ21や触媒装置22の過昇温を抑制している。
排気浄化フィルタ21に欠損が生じると、排気通路20における排気浄化フィルタ21よりも上流側の部分の排気の圧力が、すなわちエンジン10の背圧が低下する。背圧が低下すると、吸気通路15と排気通路20の差圧が小さくなる。そのため、排気浄化フィルタ21の欠損時にも、平常通りにEGRバルブ27の開度制御を行うと、本来必要な値よりもEGR率が小さくなる。そして、エンジン10の高負荷運転時には、EGR率の不足のため、排気の温度を十分に下げられずに、排気浄化フィルタ21や触媒装置22の過昇温を十分に抑制できなくなる虞がある。
これに対して本実施形態では、電子制御ユニット40は、排気浄化フィルタ21の欠損の有無を診断している。そして、電子制御ユニット40は、排気浄化フィルタ21に欠損が有ると診断した場合には、高負荷運転時のEGRバルブ27の目標開度を増大補正している。そのため、排気浄化フィルタ21の欠損に伴う背圧の低下によるEGR率の不足が抑えられる。
以上の本実施形態のエンジン制御装置によれば、以下の効果を奏することができる。
(1)電子制御ユニット40は、エンジン10の運転状態に基づき設定した目標開度に応じてEGRバルブ27の開度を制御している。また、電子制御ユニット40は、排気浄化フィルタ21の欠損の有無を診断するとともに、欠損有りと診断した場合には目標開度の増大補正を行っている。そのため、排気浄化フィルタ21の欠損に伴う背圧の低下によるEGR率の不足が抑えられる。そしてその結果、排気浄化フィルタ21が欠損したときにも、排気浄化フィルタ21や触媒装置22の過昇温が生じ難くなる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記実施形態では、入りガス温TIN及び出ガス温TOUTの検出結果に基づいて排気浄化フィルタ21の欠損の有無を診断していた。こうした診断をそれ以外の方法で行うようにしてもよい。例えば、排気浄化フィルタ21の上流側、下流側の排気の差圧を検出する差圧センサを設けるとともに、その差圧の検出結果に基づいて、欠損の有無を診断することが可能である。
・上記実施形態では、燃料カット制御中に排気浄化フィルタ21の欠損の有無を診断していたが、それ以外のときに診断を行うようにしてもよい。
・上記実施形態では、排気浄化フィルタ21の欠損時におけるEGRバルブ27の目標開度の増大補正を、エンジン10の高負荷運転域でのみ行っていたが、それ以外の運転域でも行うようにしてもよい。排気浄化フィルタ21や触媒装置22の過昇温が生じない運転域でも、排気浄化フィルタ21の欠損によるEGR率の不足が生じると、エンジン10の燃料消費性能や排気性能が低下する場合がある。そうした運転域でも、排気浄化フィルタ21の欠損時にEGRバルブ27の目標開度の増大補正を行えば、EGR率の不足による上記性能の低下が抑えられる。
10…エンジン
11…燃焼室
14…点火装置
15…吸気通路
16…エアクリーナ
17…スロットルバルブ
18…インジェクタ
19…吸気バルブ
20…排気通路
21…排気浄化フィルタ
22…触媒装置
23…排気バルブ
24…排気再循環装置
25…EGR通路
26…EGRクーラ
27…EGRバルブ
30…大気圧センサ
31…外気温センサ
32…エアフローメータ
33…吸気圧センサ
34…入りガス温センサ
35…出ガス温センサ
36…クランク角センサ
37…水温センサ
38…クランク軸
40…電子制御ユニット(エンジン制御装置)
41…演算処理回路
42…メモリ

Claims (1)

  1. 排気通路に設けられた排気浄化フィルタと、前記排気通路を流れる排気の一部を吸気通路に再循環する排気再循環装置と、を備えるエンジンに適用されるエンジン制御装置であって、
    前記排気再循環装置は、前記吸気通路に再循環される排気の通路である排気再循環通路と、同排気再循環通路の排気の流路面積を開度の変更に応じて変化させる排気再循環バルブと、を備えており、
    かつ、当該エンジン制御装置は、
    前記排気浄化フィルタの欠損の有無を診断する診断処理と、
    前記エンジンの運転状態に基づき、前記排気再循環バルブの目標開度を設定する設定処理と、
    前記目標開度に応じて前記排気再循環バルブの開度を制御する開度制御処理と、
    前記診断処理により前記排気浄化フィルタに欠損があると診断されていることを条件に前記目標開度の増大補正を行う欠損時補正処理と、
    を実行するエンジン制御装置。
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