JP2022091908A - 構造体の耐火被覆構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】上塗り工程を必要とせず、発泡層が脱落することなく長時間耐火性能を維持できる構造体の耐火被覆構造を提供する。【解決手段】本発明に係る構造体の耐火被覆構造1は、耐火被覆の対象となる鋼管柱3の周囲に、鋼管柱3に対向する面に発泡性の耐火塗料からなる塗膜層5が形成された板状体7からなる仕上げ材9を、鋼管柱3の表面から塗膜層5の発泡厚さ以下の空間Sを設けて配置し、仕上げ材9が加熱されて塗膜層5が発泡して発泡層13となった際に発泡層13が仕上げ材9と鋼管柱3の表面によって挟持されるようにしたことを特徴とするものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、建築構造物を構成する柱または梁等の構造体の耐火被覆構造に関し、特に発泡性の耐火塗料を用いた構造体の耐火被覆構造に関する。
耐火塗料は、1~3ミリ程度の塗膜厚さが、高温時(火災時)に30倍程度に発泡して断熱層を形成し、耐火被覆となるものであり、そのデザイン性から、アトリウムや大空間建築等で使用実績が増加している。
発泡する前の塗膜の熱抵抗は通常の塗料と変わらないが、薄膜のため空間を広く利用できる、素材の形状を生かすことができる、上塗により意匠、色彩、耐候性を選択できる、塗装のため、継ぎ目がなく、地震時等の剥離、脱落の危険がない、などの多くのメリットがある。
耐火塗料は、一般に鉄骨造の構造部材の表面に施工するが、特許文献1に示すように、耐火塗料を表面に塗装した建材を施工する方法も考案されている。
また、特許文献2に示すように、木質の薄板と発泡耐火材による積層構造も提案されている。
特開平8-104968号公報 特開2013-142246号公報
「耐火塗料の性能評価(その1)既往の文献調査」日本建築学会大会学術講演梗概集(中国)2008年9月
耐火塗料は多くのメリットがある一方で、耐久性上の観点から、上塗り(保護層)を必要とし、また、膜厚管理に手間がかかることが知られている。
特許文献1によれば、塗膜の耐久性が向上しているが、硬いものがぶつかるなどして剥がれる危険は存在している。また、特許文献2によれば、表面は木質材であるため、塗膜は保護されているが、加熱時の発泡を阻害しないように、表面材の厚さの制約や、切込みを入れるなど対処が必要になっている。
また、耐火試験による検証では、鉄骨の板厚(熱容量)によって、耐火塗料は発泡膜厚、発泡速度が異なり、早期に高温化して発泡倍率が大きくなると、鋼材への付着性が低下し、加熱中に脱落したり、亀裂が発生して予測した性能が得られない場合があるとの報告がある。(例えば、非特許文献1)。
また、発泡後、表面が高温のガス流に曝露され続けるため、発泡層が損耗して熱コンダクタンスが上昇することも知られている。
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、上塗り工程を必要とせず、発泡層が脱落することなく長時間耐火性能を維持できる構造体の耐火被覆構造を提供することを目的としている。
(1)本発明に係る構造体の耐火被覆構造は、耐火被覆の対象となる構造体の周囲に、前記構造体に対向する面に発泡性の耐火塗料からなる塗膜層が形成された板状体からなる仕上げ材を、前記構造体の表面から前記塗膜層の発泡厚さ以下の空間を設けて配置し、前記仕上げ材が加熱されて前記塗膜層が発泡して発泡層となった際に該発泡層が前記仕上げ材と前記構造体の表面によって挟持されるようにしたことを特徴とするものである。
(2)また、上記(1)に記載のものにおいて、前記塗膜層と前記構造体表面との間の空間に網状体を配設したことを特徴とするものである。
(3)また、本発明に係る構造体の耐火被覆構造は、耐火被覆の対象となる構造体の周囲に、前記構造体に対向する面に発泡性の耐火塗料からなる塗膜層が形成された板状体からなる仕上げ材を、前記構造体の表面から前記塗膜層の発泡厚さ超えの空間を設けて配置すると共に、前記塗膜層と前記構造体表面との間の空間に前記塗膜層に非接触で、かつ前記塗膜層の発泡厚さ以下の位置に網状体を配設し、
前記仕上げ材が加熱されて前記塗膜層が発泡して発泡層となった際に該発泡層が前記仕上げ材と前記網状体によって挟持され、発泡層と前記構造体との間に空気層が形成されるようにしたことを特徴とするものである。
(4)また、上記(1)乃至(3)のいずれかに記載のものにおいて、前記仕上げ材を鋼板、または鋼板と有機質材または無機質材との積層構造とし、前記塗膜層を鋼板に形成したことを特徴とするものである。
(5)また、上記(1)乃至(4)のいずれかに記載のものにおいて、前記構造体は、床スラブを支持する梁であり、前記仕上げ材は前記床スラブに固定され、前記梁との固定部を有していないことを特徴とするものである。
本発明に係る構造体の耐火被覆構造は、耐火被覆の対象となる構造体の周囲に、前記構造体に対向する面に発泡性の耐火塗料からなる塗膜層が形成された板状体からなる仕上げ材を、前記構造体の表面から前記塗膜層の発泡厚さ以下の空間を設けて配置し、前記仕上げ材が加熱されて前記塗膜層が発泡して発泡層となった際に該発泡層が前記仕上げ材と前記構造体の表面によって挟持されるようにしたことにより、塗膜層が構造体に対向する面に形成され、表面に露出することがなく外部損傷から保護されており、上塗りの必要がなく、また、火災時において、仕上げ材表面から加熱され、空間内で塗膜層が発泡して発泡層を形成し、この発泡層が構造体と仕上げ材とで挟持されて耐火構造体として機能する。このように、発泡層は、構造体と仕上げ材とで挟持されるので、脱落することはなく長時間耐火性能を維持できる。
実施の形態1に係る構造体の耐火被覆構造の説明図であり、発泡前の状態を示す平断面図である。 図1に使用される仕上げ材の斜視図である。 図1に示した構造体の耐火被覆構造の発泡後の状態を示す平断面図である。 実施の形態2に係る構造体の耐火被覆構造の説明図であり、発泡後の状態を示す平断面図である。 実施の形態3に係る構造体の耐火被覆構造の説明図であり、発泡前の状態を示す平断面図である。 図5に示した構造体の耐火被覆構造の発泡後の状態を示す平断面図である。 実施の形態4に係る構造体の耐火被覆構造の説明図であり、発泡前の状態を示す断面図である。 実施の形態4に係る構造体の耐火被覆構造の他の態様の説明図であり、発泡前の状態を示す断面図である(その1)。 実施の形態4に係る構造体の耐火被覆構造の他の態様の説明図であり、発泡前の状態を示す断面図である(その2)。
[実施の形態1]
本実施の形態に係る構造体の耐火被覆構造1は、図1に示すように、耐火被覆の対象となる鋼管柱3の周囲に、鋼管柱3に対向する面に発泡性の耐火塗料からなる塗膜層5が形成された板状体7からなる仕上げ材9を、鋼管柱3の表面から塗膜層5の発泡厚さ以下の空間Sを設けて配置して構成され、図3に示すように、仕上げ材9が加熱されて塗膜層5が発泡して発泡層13となった際に発泡層13が仕上げ材9と鋼管柱3の表面によって挟持されるようにしたことを特徴とするものである。
以下、各構成を詳細に説明する。
<鋼管柱>
鋼管柱3は、本発明の構造体に相当するものであり、外径寸法300ミリ、板厚9ミリの角形鋼管である。
なお、本発明の構造体は、鋼管柱3のような鉄骨造以外の木造でも適用可能であり、また柱の他に梁、床など建築物の種々の構造物が含まれる。
<仕上げ材>
仕上げ材9は、鋼管柱3に対向する面に発泡性の耐火塗料からなる塗膜層5が形成された板状体7からなるものである。
本実施の形態の板状体7を構成する材料は、板厚1.6ミリの亜鉛アルミ合金めっき鋼板製であり、幅450ミリの原板を長辺400ミリ、短辺50ミリとして、図2に示すように、L型に加工したものである。
板状体7における鋼管柱3に対向する面側(内面側)には予め発泡性の耐火塗料が施工されている。耐火塗料は発泡性のもので、温度250℃でおよそ20倍に発泡するものを選択し、厚さ3ミリの塗膜層5をL型の折り曲げ内面側に形成している。そして、これらを4枚組み合わせて、例えばビス止め、嵌合、接着(図示せず)により相互を固定して自立可能な箱形を形成している。なお、仕上げ材9の成形加工は、耐火塗料の施工前後のどちらでも構わない。
耐火塗料の塗膜層5は、板状体7に刷毛、ローラー、スプレーなど、任意の手段で施工できるが、本実施の形態では予めフィルム状に形成し、金属板にラミネート加工を行っている。フィルム状の耐火塗料と金属板とは、熱硬化性接着剤又は熱融着性接着剤で接着しているが、当該加熱温度は200℃未満である。フィルム状の耐火塗料は、片面不織布張りとしており、発泡層13を形成する段階では焼失する。
塗膜厚さは、耐火塗料の仕様および要求耐火時間によって任意に決定することができる。
塗膜層5は、図2(a)に示すように長辺側に形成されていればよいが、図2(b)に示すように、短辺側にも形成すれば隙間充てんがなされ、耐火構造上より好ましい。
通常、耐火塗料は構造体に塗布されるが、本実施の形態では板状体7の表面に塗布していることで、以下のような効果が得られている。
構造体に耐火塗料を塗布した場合、発泡層13が形成される時点での構造材表面温度は構造体のサイズによって熱容量が異なるが200~300℃を超えている可能性が高い。しかし、耐火塗料を板状体7に塗布した場合、板状体7は、熱伝導率が大きく、熱容量も小さいため、火災時には直ちに温度上昇し、面内の熱分布も小さくなっている。そのため、構造体の温度が低い状態で発泡層13をほぼ均一な条件で形成することができ、耐火時間を長くする、すなわち、耐火性能を高めることができる。
板状体7を構成する材料は、亜鉛アルミ合金めっき鋼板製に限定しないが、熱伝導率の大きな金属板(鋼板、アルミ等)が好適であり、それにより、面内温度分布が緩和され、発泡の均一化がはかられ、安定した耐火性能を確保できる。
板状体7を単層とする場合には、金属板の他、石膏ボード、けい酸カルシウム板、押出成形セメント板、コンクリートパネルなど、無機系の材料が好適である。
厚さ20ミリのけい酸カルシウム板を用いた場合、鋼管柱3との空間Sを100ミリとしたとき、加熱120分時の空間S内の温度は、650℃を超え、鋼材温度も崩壊温度を超えてしまうが、内面に塗膜層5を形成することにより、500℃以下に抑制できる。
一般に、無機材料は、高温に加熱されると大きく収縮変形を生ずるため、目地が開く問題があり、裏面側にバックアップ材を配して、目地が開いても貫通しないようにするなど、種々対策が施されるが、本実施形態では、突き付け目地のまま対策を行わなくても、発泡層13により閉塞されるため対策は不要である。すなわち、耐火上の弱点となる目地部においては、単純な突き付け目地としても発泡層13が形成され隙間が充てんされるため、耐火目地処理が不要となり、施工の簡略化が期待できる。
また、板状体7は、単層に限定されず、金属板の表面に耐火塗料を施工しても、別途、化粧材を施工してもよく、これらは、耐火性のある材料に限らず、可燃性の材料でも一定の耐火性能向上に資する効果がある。特に、石膏ボード、けい酸カルシウム板などは極めて好適であり、板状体7の剛性向上と、耐火性能向上がなされる。
なお、板状体7を複層とするときは、内面すなわち塗膜層5が形成される面を金属板にすると、面内温度分布を緩和する効果があるので望ましい。
板状体7の板厚や補強の有無などは強度設計により決定するが、板厚に関しては0.5ミリから3.2ミリ程度が最も用いられる。
また、仕上げ材9の形状は、略L型あるいはコ型の2分割としても、平板4枚で構成してもよい。必要に応じて、各角部および平板部の幅方向の中間部に、上下方向に延伸する下地材を配置してもよい。
<構造体と仕上げ材の配置>
仕上げ材9は、塗膜層5側を鋼管柱3に対向させ、その表面から塗膜層5の発泡厚さ以下の空間Sを設けて配置されている。本実施の形態では、仕上げ材9と鋼管柱3は50ミリの空間Sを保持して配置されている。空間Sは、発泡後の厚さ以下として、鋼管柱3と仕上げ材9とで挟持できるようにすれば任意に定めることができるが、使用する鋼材の高温時の強度低下を考慮して、要求耐火時間の加熱における鋼材温度の上限を設定し、設定した鋼材温度の上限を超えないように、断熱性能を確保できる寸法を設定する。仕上げ材9を鋼管柱3と離隔して配置するのに際し、下地材を対象となる構造体と独立させても、支持部材を介して連結させてもよい。
この段階では、耐火性はないが、耐火塗料が仕上げ材9の裏面(内面)に施工されているので、外部損傷のおそれはなく、上塗材も不要である。
上記のように構成された本実施の形態における、加熱時の作用について、耐火試験時の挙動に基づいて説明する。
炉内温度の上昇により、仕上げ材9が昇温され、250℃に到達した段階で塗膜層5が発泡し、発泡層13を形成する。ISO834標準加熱温度によれば、炉内温度は、加熱開始から1分後に350℃程度になるため、数分以内に発泡が始まり、発泡倍率は20倍のため、最終的には、図3に示すように、空間Sは完全に発泡層13で充てんされ、鋼管柱3と仕上げ材9とで挟持されて耐火構造体として機能する。
鋼管柱3は、塗膜層5から鋼管柱3への輻射熱伝達と空間S内の対流熱伝達により加熱されるが、仕上げ材9の温度が250℃程度で塗膜が発泡して断熱的に作用するため、その段階での鋼管柱3の温度は250℃よりもはるかに低いことは明白であり、対流熱伝達がなくなり、さらに、高温ガス流による発泡層13の損耗もないため、その後の昇温速度は、柱に耐火塗料を塗布する従来技術よりも緩やかである。
以上のように、本実施の形態の構造体の耐火被覆構造1によれば、仕上げ材9の表面から加熱されることによって、空間S内で発泡層13を形成し、この発泡層13が構造体と仕上げ材9とで挟持されて耐火構造体として機能する。このとき、発泡層13は、構造体と仕上げ材9とで挟持するようにしたので脱落することはない。
[実施の形態2]
本実施の形態に係る構造体の耐火被覆構造15を、図4に基づいて説明する。図4において、図1~3と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。図4は、実施の形態1における図3と同様に、塗膜層5が発泡して発泡層13を形成した状態を示している。
本実施の形態の構造体の耐火被覆構造15は、実施の形態1に示したものに、仕上げ材9と鋼管柱3との間の空間Sに、鋼管柱3の外周を囲むように、メタルラスによる網状体17を配設したものである。
本実施の形態においては、塗膜層5は仕上げ材9側からの加熱によって発泡層13を形成する過程において、網状体17を内包して成長し、保持されるため、発泡層13がより強固に保持されて脱落することはない。
網状体17は、金網、ラスが好適だが、不燃性のメッシュ、ガラス繊維シート、あるいはフェノール樹脂のように炭化層を形成する耐熱樹脂板でも類似の効果が期待できる。網状体17に予め耐火塗料を施工しておくと、より効果が高まる。
[実施の形態3]
本実施の形態に係る構造体の耐火被覆構造19を、図5、6に基づいて説明する。図5、6において、図1~4と同一部分には同一の符号を付して説明を省略する。
実施の形態2では、実施の形態1と同様に、仕上げ材9と鋼管柱3との空間Sを塗膜層5の発泡厚さ以下としていたが、本実施の形態の構造体の耐火被覆構造19においては、空間Sを塗膜層5との発泡厚さ超えとし、塗膜層5と鋼管柱3との間の空間Sに塗膜層5に非接触で、かつ塗膜層5の発泡厚さ以下の位置に、実施の形態2で示した網状体17を配設したものである。
図5、図6に示す例は、鋼管柱3と仕上げ材9との空間Sの寸法を70ミリとして、鋼管柱3から20ミリの位置に、メタルラスによる網状体17を配したものである。
仕上げ材9が加熱されると、塗膜層5が発泡して発泡層13を形成する。ここで、図6に示すように、発泡層13は、網状体17を内包しながら形成され、空間S内で保持される。発泡層13と鋼管柱3との間にはおよそ20ミリの中空層21が残っており、断熱的に作用する。
ここで、鋼管柱3と網状体17の距離は、適宜設定することができるが、20ミリ以下であれば静止空気層として機能するため、断熱性が向上する。
このように、本実施の形態によれば、発泡層13は、網状体17に食い込む形態で保持されるため、脱落することはなく、さらに発泡層13と構造体の間の空気層が断熱的に作用するので、より耐火性能を高めることができる。
なお、網状体17は、実施の形態2と同様に、メタルラスのほか、金網よく、耐熱性があれば、ガラス繊維や樹脂などでもよく、必ずしも金属である必要はない。フェノール樹脂のように炭化層を形成するものであれば、シート状のものでも適用可能であり、発泡層13の表面を、発泡層13よりも高密度の炭化層あるいは炭化層を形成するもので被覆するとより断熱性が高まるので好ましい。
[実施の形態4]
上記の実施の形態1~3は、耐火被覆の対象となる構造体として、鋼管柱3を例に説明したが、本実施の形態では、構造体として梁を例に挙げて、図7、図8に基づいて説明する。
本実施の形態の構造体の耐火被覆構造23は、耐火被覆の対象となる構造体が、床スラブ25を支持する梁27であり、仕上げ材29は床スラブ25に固定され、梁27との固定部を有していないことを特徴とするものである。
本実施の形態において、梁27はH形鋼からなり、その寸法は、H-400×200×8×13である。
仕上げ材29は、図7に示すように、上端両側に外方に張り出す上フランジ部31を有し、断面形状がH形鋼に沿ってこれを囲むH形に成形されている。上フランジ部31は床スラブ25との固定部となるものであり、その幅は50ミリである。また、仕上げ材29の高さは450ミリ、下面の幅は300ミリである。
仕上げ材29は、上フランジ部31を、床スラブ25の捨て型枠である、デッキプレート33に予めファスナーを下向きに突出させるように配置(図示せず)した。もっとも、デッキプレート33を用いなければ直接床スラブ25からファスナーを突出させて接合すればよい。また、あと施工アンカーを用いたり、コンクリート釘を打ち込んだりして固定してもよい。
仕上げ材29を設置した状態では、梁フランジ27a両端に、各50ミリ、梁27の下側の梁フランジ27aの下面と50ミリの空間Sを有している。
仕上げ材29は、床スラブ25とのみ固定され、梁27とは固定されていないので、発泡層の形成を阻害しない。
上記のように構成された本実施の形態においても、実施の形態1と同様の効果が得られる。
なお、図8に示すように、仕上げ材29を断面ハット形状にして、上下の梁フランジ27aの端部に亘るように網状体35を配設してもよい。これにより、発泡層が形成された際には、実施の形態3と同様に、発泡層を確実に保持し、耐火性能を維持することができる。
なお、火災時には、梁27の下側の梁フランジ27aの温度が最も高くなるため、当該部分に仕上げ材29との接合部を設けないほうがよく、上述したように、仕上げ材29の固定部を梁27には設けないのが好ましい。
仮に、仕上げ材29との固定部を梁27に設けるとしても、仕上げ材29を平板の端部で接合して組み立てるよりも、上部をL型、下部をコ型として梁ウェブ部分で接合するのが好ましい。
なお、図9に示すように、床スラブ25の片側に壁37があるような壁37との合成耐火構造とする場合も同様に考えればよく、この場合、仕上げ材29は、壁37側にはZ型部材39を固定し、床スラブ25側にはL型部材41を固定し、両部材を梁ウェブ部分で接合して組み立てるようにすればよい。そして、網状体35を、図9に示すように、梁27の上下の梁フランジ27a間と、下側の梁フランジ27aと壁37に亘るように配設する。
また、仕上げ材29は、2部材から構成するのではなく、矩形を半割した形状のものを一体成形した1部材から構成してもよい。
1 構造体の耐火被覆構造(実施の形態1)
3 鋼管柱
5 塗膜層
7 板状体
9 仕上げ材
13 発泡層
15 構造体の耐火被覆構造(実施の形態2)
17 網状体
19 構造体の耐火被覆構造(実施の形態3)
21 中空層
23 構造体の耐火被覆構造(実施の形態4)
25 床スラブ
27 梁
27a 梁フランジ
29 仕上げ材
31 上フランジ部
33 デッキプレート
35 網状体
37 壁
39 Z型部材
41 L型部材
S 空間

Claims (4)

  1. 耐火被覆の対象となる構造体の周囲に、前記構造体に対向する面に発泡性の耐火塗料からなる塗膜層が形成された板状体からなる仕上げ材を、前記構造体の表面から前記塗膜層の発泡厚さ以下の空間を設けて配置し、前記仕上げ材が加熱されて前記塗膜層が発泡して発泡層となった際に該発泡層が前記仕上げ材と前記構造体の表面によって挟持されるようにしたことを特徴とする構造体の耐火被覆構造。
  2. 前記塗膜層と前記構造体表面との間の空間に網状体を配設したことを特徴とする請求項1記載の構造体の耐火被覆構造。
  3. 前記仕上げ材を鋼板、または鋼板と有機質材または無機質材との積層構造とし、前記塗膜層を鋼板に形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の構造体の耐火被覆構造。
  4. 前記構造体は、床スラブを支持する梁であり、前記仕上げ材は前記床スラブに固定され、前記梁との固定部を有していないことを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の構造体の耐火被覆構造。
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