JP2022091365A - 回転電機 - Google Patents

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圭史 尾崎
Keiji Ozaki
芳武 上條
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Hiroyuki Aoki
大輔 神田
Daisuke Kanda
拓也 小番
Takuya Koban
泰之 渡邊
Yasuyuki Watanabe
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Abstract

【課題】鉄心の形状を変更することなく振動、騒音を抑制することが可能な回転電機の固定子を提供する。【解決手段】実施形態によれば、固定子は、複数枚の磁性鋼板を中心軸線Cと平行な軸方向に積層して構成され、軸方向の一端に位置する第1端面21aおよび軸方向の他端に位置する第2端面21bと、中心軸線と同軸的に位置する内周面と、内周面と径方向に間隔を置いて対向する多角形の外周面と、を有する固定子鉄心12と、第1固定部30bを有し第1端面に重ねて設けられた第1鉄心押え26と、第2固定部31bを有し第2端面に重ねて設けられた第2鉄心押え28と、第1鉄心押えと第2鉄心押えとを互いに締結した締結部材B1、N1と、第1固定部および第2固定部に固定され第1鉄心押えと第2鉄心押えとを互いに連結した可変プレート40と、を備えている。【選択図】図4

Description

この発明の実施形態は、回転電機に関する。
回転電機は、固定子と固定子に対して回転自在に支持された回転子とを備えている。固定子は、例えば、複数枚の電磁鋼板を積層して構成された固定子鉄心と、固定子鉄心に取り付けられた固定子コイルと、を備えている。回転電機の運転時、インバータや商用電源から所望の回転数に対応する周波数の電流が固定子コイルに供給される。固定子コイルに電流が供給されることで固定子鉄心のティースに磁束が生じ、回転子は固定子の磁束との反発及び吸引によって回転軸を中心に回転する。
このような回転電機では、固定子鉄心の円環モードの固有振動数が電源周波数とその倍数成分に近い運転条件にて、共振による振動、騒音が増大する場合がある。すなわち、固定子は、電磁加振力を受け、径方向へ振動が生じる。径方向の振動は、周囲の空気を押し出し、音圧として周囲に放出される。音圧の放出により騒音が発生する。また、固定子の振動は、固定子の固定部を通じて周囲の構造物に伝わる。
上述の振動は、電磁加振力の周波数と固定子鉄心の固有振動数との関係によって振動値が大きく異なる。一般に、電磁加振力の周波数と固定子鉄心の固有振動数とが一致する条件で特に固定子鉄心の振動値が大きくなる。固定子鉄心の固有振動数を変更する手法としては、固定子鉄心の円環部、即ち、固定子鉄心の外径からスロットの底までの寸法(以下、コアバック寸法)を増減することにより、目的の固有振動数に調整する手法が知られている。
特開平11-122986号公報 特許第6127016号公報 特開昭62-71483号公報
上述したコアバック寸法の増減は、回転電機の電気的な特性に影響を与えるため、要求仕様(定格の運転回転数)変更に伴う電源周波数の変化に対し、固定子鉄心の形状変更がそれぞれ必要となる。固定子鉄心の形状変更を行う場合、固定子鉄心を構成している電磁鋼板の形状を変更する必要がある。電磁鋼板の形状変更には、素材寸法(外径)や打ち抜き寸法を変更する必要があり、標準化の阻害要因となり、長いリードタイムと新たな打ち抜き型の製造コストがかかる。また、コアバック寸法を増加する場合、回転電機が大型化し、質量が増加する。
この発明は以上の点に鑑みなされたもので、その課題は、鉄心形状を大きく変更することなく、振動、騒音を抑制することが可能な回転電機の固定子を提供することにある。
実施形態によれば、回転電機の固定子は、複数枚の磁性鋼板を中心軸線と平行な軸方向に積層して構成され、前記軸方向の一端に位置する第1端面および前記軸方向の他端に位置する第2端面と、前記中心軸線と同軸的に位置する内周面と、前記内周面と径方向に間隔を置いて対向する多角形の外周面と、を有する固定子鉄心と、第1固定部を有し前記第1端面に重ねて設けられた第1鉄心押えと、第2固定部を有し前記第2端面に重ねて設けられた第2鉄心押えと、前記固定子鉄心を貫通して設けられ前記第1鉄心押えと前記第2鉄心押えとを互いに締結した締結部材と、前記第1固定部および第2固定部に固定され前記第1鉄心押えと第2鉄心押えとを互いに連結した可変プレートと、を備えている。
図1は、第1実施形態に係る回転電機の外観を示す斜視図。 図2は、前記回転電機の正面図。 図3は、図2の線A-Aに沿った前記回転電機の一部の断面図。 図4は、前記回転電機の固定子および可変部材を示す斜視図。 図5は、第2実施形態に係る回転電機の正面図。 図6は、第2実施形態に係る回転電機の一部を拡大して示す正面図。 図7は、第3実施形態に係る回転電機の一部および可変部材を示す断面図。 図8は、第4実施形態に係る回転電機の一部および可変部材を示す。 図9は、第5実施形態に係る回転電機の一部の断面図。 図10は、第6実施形態に係る回転電機の固定子の正面図。 図11は、第6実施形態に係る回転電機の固定子の側面図。 図12は、第7実施形態に係る回転電機の固定子の正面図。 図13は、第7実施形態に係る回転電機の固定子の側面図。 図14は、第8実施形態に係る回転電機の固定子の正面図。 図15は、第8実施形態に係る回転電機の固定子の側面図。 図16は、第9実施形態に係る回転電機の固定子の側面図。
以下に、図面を参照しながら、この発明の実施形態について説明する。なお、実施形態を通して共通の構成には同一の符号を付すものとし、重複する説明は省略する。また、各図は実施形態とその理解を促すための模式図であり、その形状や寸法、比などは実際の装置と異なる個所があるが、これらは以下の説明と公知の技術を参酌して適宜、設計変更することができる。開示はあくまで一例にすぎず、当業者において、発明の主旨を保っての適宜変更であって容易に想到し得るものについては、当然に本発明の範囲に含有されるものである。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る回転電機の外観を示す斜視図、図2は、前記回転電機の正面図である。
図1に示すように、回転電機10は、一例として、巻き上げ機50の駆動源として用いている。巻き上げ機50は、支持フレーム52と、支持フレーム52に回転自在に支持された回転車(シーブ、網車)54と、支持フレーム52に支持された回転電機10とを備えている。回転電機10の回転子は、回転車54に連結されている。回転電機10を駆動することにより、回転車54が回転される。
以下、回転電機10について詳細に説明する。
図1および図2に示すように、回転電機10は、矩形状の外形を有する固定子12と、固定子12に対して回転自在に設けられた回転子14と、を備えている。固定子12は支持フレーム52に支持されている。回転子14は回転シャフト16を有している。回転シャフト16は、回転車54と同軸的に配置され、回転車54の図示しない回転軸に連結されている。
固定子12は、環状の固定子鉄心20と、固定子鉄心20に取り付けられた固定子コイル24とを有している。本実施形態において、固定子鉄心20は、中心軸線Cと同軸の円形の内孔(内周面)と、矩形状の外形(外面)と、を有している。すなわち、固定子鉄心20の外形は、互いに交差(ここでは、直交)して位置する4辺(4側面)を有している。固定子鉄心20は、内孔が回転車54と同軸的に位置するように、支持フレーム52に支持されている。固定子コイル24は、固定子鉄心20の内周部に取り付けられている。
回転子14は、図示しない軸受により中心軸線Cの回りで回転自在に支持された回転シャフト16と、回転シャフト16に固定された円盤状の回転子鉄心18と、回転子鉄心18に配置された図示しない複数の永久磁石と、を含んでいる。回転子鉄心18は、固定子鉄心20の内孔に、中心軸線Cと同軸的に配置されている。回転子鉄心18の外周面は、隙間(エアギャップ)を置いて、固定子鉄心22の内周面に対向している。回転子鉄心18の軸方向長さは、固定子鉄心22の軸方向長さとほぼ等しく形成され、回転子鉄心18は軸方向の全長に亘って固定子鉄心22に対向している。
なお、実施形態の説明において、中心軸線Cの方向を軸方向、軸方向と直交する方向を径方向、中心軸線C周りの方向を周方向と称する。
図3は、図2の線A-Aに沿った回転電機の外周部の断面図、図4は固定子の分解斜視図である。
図4に示すように、固定子鉄心22は、磁性材、例えば、珪素鋼板からなる環状の電磁鋼板(金属板)を軸方向に多数枚積層して構成されている。各電磁鋼板の外形は、矩形状に形成され、内孔は中心軸線Cと同軸的に形成されている。本実施形態において、複数枚の電磁鋼板は、所定枚数毎に向きを周方向に所定角度ずらした状態で軸方向に積層されている。
固定子鉄心22は、軸方向の一端に位置る第1端面21aと軸方向の他端に位置する第2端面21bとを有し、これら第1端面21aおよび第2端面21bは、中心軸線Cと直交している。電磁鋼板を積層して構成された固定子鉄心22の外形は矩形状を成している。すなわち、固定子鉄心22の外形は、互いに直交する4辺(4側面)を有している。
固定子鉄心22は、環状のヨーク部と、ヨーク部からそれぞれ径方向の内方に延出した複数のティースTとを一体に有し、複数のティースTは、周方向に間隔を置いて並んでいる。隣り合うティースT間の隙間はそれぞれスロットSを形成している。固定子コイル24はこれらのスロットSに埋め込まれた状態で固定子鉄心22に取付けられている。固定子コイル24のコイルエンドは固定子鉄心22の両端面から軸方向に張り出している。
図3および図4に示すように、固定子12は、固定子鉄心20の第1端面21aに重ねて配置された第1鉄心押え26と、第2端面21bに重ねて配置された第2鉄心押え28と、第1鉄心押え26と第2鉄心押え28とを締結した複数の締結部材、例えば、ボルトBおよびナットNと、それぞれ第1鉄心押え26と第2鉄心押え28とに固定され鉄心押え同士を接続している複数の可変プレート(可変部材)40と、を更に備えている。
本実施形態では、第1鉄心押え26は、独立した複数、例えば、4つの板状の第1鉄心押え26に分割されている。4つの第1鉄心押え26は、固定子鉄心30の周方向に間隔を置いて配置されている。4つの第1鉄心押え26は、固定子鉄心22の各辺の長手方向の中央部とそれぞれ対向する位置で第1端面21aに重ねて配置されている。すなわち、各第1鉄心押え26は、固定子鉄心20の径方向の幅(厚さ)が最小となる領域に重ねて配置されている。
各第1鉄心押え26は、ほぼ矩形状の本体30aと本体30aの側縁部を折り曲げて形成されたフランジ部30bとを一体に有している。本体30aは、ほぼ全体が第1端面21aに当接して配置され、一部は固定子鉄心20の一側縁を超えて径方向の外方に突出している。本体30aは、固定子コイル24に隙間を置いて対向する円弧状の一側縁と固定子鉄心20の一側縁から外方に離間して位置し固定子鉄心20の1辺とほぼ平行に延びる直線状の他側縁とを有している。フランジ部30bは、本体30aの他側縁から第1端面21aとほぼ直交する方向に延出し、固定子鉄心20の1辺とほぼ平行に延びている。
フランジ部30bはボルトを挿通するための複数、例えば、3つの透孔34を有している。これらの透孔34は、フランジ部30bの長手方向に間隔を置いて設けられている。フランジ部30bは、可変プレート40を取り付けるための固定部として機能する。
同様に、第2鉄心押え28は、独立した複数、例えば、4つの板状の第2鉄心押え28を含んでいる。4つの第2鉄心押え28は、固定子鉄心20の各辺の長手方向の中央部とそれぞれ対向する位置で第2端面21bに重ねて配置されている。各第2鉄心押え28は、固定子鉄心20を挟んで、対応する第1鉄心押え26と対向している。
各第2鉄心押え28は、ほぼ矩形状の本体31aと本体31aの側縁部を折り曲げて形成されたフランジ部31bとを一体に有している。本体31aは、第2端面21bに当接して配置されている。本体31aは、固定子コイル24に隙間を置いて対向する円弧状の一側縁と固定子鉄心20の1辺から外方に離間して位置し固定子鉄心20の1辺とほぼ平行に延びる直線状の他側縁とを有している。フランジ部31bは、本体31aの他側縁から第2端面21bとほぼ直交する方向に延出し、固定子鉄心20の1辺とほぼ平行に延びている。
フランジ部31bはボルトを挿通するための複数、例えば、3つの透孔33を有している。これらの透孔33は、フランジ部31bの長手方向に間隔を置いて設けられている。
フランジ部31bは、可変プレート40を取り付けるための固定部として機能する。
図3および図4に示すように、互いに対向する各組の第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、第2鉄心押え28の本体31a、固定子鉄心20、第1鉄心押え26の本体30aを貫通して挿通された複数本、例えば、2本のボルトB1とボルトB1の延出端にねじ込まれたナットN1とにより互いに締結されている。これにより、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、固定子鉄心20の各側縁部を軸方向の両側から挟みこんで固定子鉄心20を押さえている。
複数の可変プレート(可変部材)40は、所定の幅、長さ、および板厚を有する矩形状の鉄板で形成されている。可変プレート40は、ボルトを挿通するための複数の透孔41を有している。これらの透孔41は、可変プレート40の一対の側縁に沿って、例えば、3つずつ並んで設けられている。
可変プレート40の寸法(幅、長さ、板厚)および材質は、後述する固定子鉄心の固有振動数の調整度合に応じて、適宜、設定される。材質は、鉄板に限らず、他の金属、合成樹脂等、必要に応じて任意に選択可能である。
可変プレート40は、第1鉄心押え26のフランジ部30bおよび第2鉄心押え28のフランジ部31bに載置され、複数のボルトB2およびナットN2によりフランジ部30b、31bにボルト止めされている。ボルトB2は可変プレート40の透孔41およびフランジ部30b、31bの透孔34、33に挿通され、ボルトB2の延出端にナットN2が螺合されている。可変プレート40は、固定子鉄心20の一側面と隙間を置いてほぼ平行に対向している。このように、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は可変プレート40により互いに接続されている。
可変プレート40は、ボルト止めとすることにより、鉄心押えに対して脱着可能であることから、他の可変プレートと容易に交換することができる。後述するように、可変プレート40は、ボルト止めに限らず、溶接、接着等により鉄心押えに固定する構成としてもよい。
上記のように構成された回転電機10によれば、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28を固定子鉄心20の外径から径方向に突出させ、可変プレート40により第1および第2鉄心押え26、28の突出部同士を連結している。この際、可変プレート40の寸法、板厚、材質等を適宜設定することにより、固定子鉄心20の径方向の断面係数を調整することができる。径方向の断面係数を上昇させる手法の一例としては、可変プレート40の板厚を厚くする手法が挙げられる。径方向の断面係数を上昇する手法は上記一例に限定するものではない。また、可変プレート40は、電磁加振周波数に応じて取り付け枚数を変更することができる。本実施形態では、可変プレート40の取り付け数を4枚としているが、これに限らず、3枚、2枚、あるいは1枚としてもよい。
一例では、固定子鉄心と鉄心押え全体の周方向の断面係数と電磁加振力との関係が以下の式1を満たすように設定することが好ましい。式1において、F(θ):機械角θの電磁加振力、δR(θ):機械角θの半径方向の振動、である。
Figure 2022091365000002

上記断面係数を調整することにより、固定子鉄心20の形状、寸法を変更することなく、固定子鉄心20の固有振動数を電磁加振力の周波数から離れた周波数に調整することができ、共振点での応答倍率を低減することが可能となる。これにより、固定子鉄心20の形状変更を行うことなく、振動および騒音の発生を抑制することが可能な固定子および回転電機が得られる。
固定子鉄心形状を不変としつつ固有振動数を電源周波数から離調させることにより、低振動、低騒音を実現し、運転回転数の適用範囲の拡大を図ることができる。更に、固定子鉄心20の小形軽量化および固定子鉄心20の標準化を図り、製造期間の短縮やコスト低減などの生産性向上を期待できる。
本実施形態によれば、可変プレート40は鉄心押え26、28に脱着可能に固定されていることから、回転電機の運用開始後であっても、可変プレート40を容易に交換することができる。そのため、運用回転数の変更に伴う回転電機の振動値増加に対して、適用する可変プレート40の寸法値を変更し、振動値の低減を図ることが可能である。
本実施形態によれば、鉄心押え26、28は、複数に分割された鉄心押えを用いている。各鉄心押え26、28の質量、サイズが小さくなり、固定子の軽量化、製造性の向上を図ることができる。
なお、第1実施形態において、固定子鉄心20の外形は、矩形状に限らず、5角形、6角形などの他の多角形としてもよい。いずれの鉄心形状においても、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、固定子鉄心20の径方向の幅(厚さ)が最小となる領域に重ねて配置される。
次に、この発明の他の実施形態に係る回転電機ついて説明する。以下に述べる他の実施形態において、前述した第1実施形態と同一の部分および同一の構成部材には、第1実施形態と同一の参照符号を付してその説明を省略あるいは簡略化し、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
(第2実施形態)
図5は、第2実施形態に係る回転電機の正面図、図6は、第2実施形態に係る回転電機の固定子の一部を拡大して示す正面図。
図示のように、第2実施形態によれば、固定子12の第1鉄心押え26は、前述した4つの第1鉄心押えを互いに連結した単一の鉄心押えとして構成されている。第1鉄心押え26は、ほぼ円環状の本体30aと、本体30aの外周部の4箇所に形成された4つのフランジ部30bとを一体に有している。本体30aは固定子鉄心20の第1端面21aに重ねて配置され、本体30aの内周縁は、固定子コイル24に隙間を置いて対向している。
本体30aの外周部の4箇所は、固定子鉄心20の各側縁(1辺)を超えて固定子鉄心20の外方に延出し、その延出端部はほぼ直角に折り曲げられてフランジ部30bを形成している。4つのフランジ部30bは、ぞれぞれ固定子鉄心20の1辺とほぼ平行に延びているとともに、前記一辺の長手方向の中央部に上記1辺と間隔を置いて配置されている。
図示しない第2鉄心押え28は、第1鉄心押え26と同様に構成され、固定子鉄心20の第2端面21bに重ねて配置されている。固定子鉄心20を挟んで互いに対向する第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、第2鉄心押え28の本体、固定子鉄心20、第1鉄心押え26の本体30aを貫通して挿通された図示しない複数本のボルトとボルトの延出端にねじ込まれたナットN1とにより互いに締結されている。これにより、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、固定子鉄心20を軸方向の両側から挟みこんで固定子鉄心20を押さえている。各組のフランジ部30bおよび第2鉄心押え28のフランジ部は、間隔をおいて互いに平行に並んでいる。
矩形板状の可変プレート40が各組の第1鉄心押え26のフランジ部30bおよび第2鉄心押え28のフランジ部に載置され、複数のボルトB2およびナットN2により2つのフランジ部30bにボルト止めされている。可変プレート40は、固定子鉄心20の一側面と隙間を置いてほぼ平行に対向している。このように、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は可変プレート40により互いに連結されている。可変プレート40は、ボルト止めとすることにより、鉄心押えに対して脱着可能であることから、他の可変プレートと容易に交換することができる。
可変プレート40の寸法(幅、長さ、板厚)および材質は、固定子鉄心20の固有振動数の調整度合に応じて、適宜、設定される。材質は、鉄板に限らず、他の金属、合成樹脂等、必要に応じて任意に選択可能である。
第2実施形態において、回転電機10の他の構成は、前述した第1実施形態に係る回転電機と同一である。鉄心押えを環状の本体を有する単一の鉄心押えで構成した第2実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係る回転電機の一部および可変部材を示す断面図である。
第3実施形態は、回転電機10が別の支持体60に取り付けられている形態を示している。図示のように、固定子鉄心20は、第1端面21aが支持体60に対向した状態で、ボルトB1により支持体60にボルト止めされている。支持体60としては、構造物の壁、ポンプ等を用いることができる。
この場合、第1鉄心押え26はフランジ部を有することなく、すなわち、本体30aの側縁部は折り曲げられることなく平板状に形成されている。本体30aの側縁部は、固定子鉄心30の周縁部を超えて径方向の外方に延出している。第1鉄心押え26は、固定子鉄心20の第1端面21aと支持体60との間に挟まれている。第1鉄心押え26の外面は支持体60に面接触している。第2鉄心押え28および第1鉄心押え26は、ボルトB1により固定子鉄心20および支持体60にボルト止めされている。
可変プレート40は、第2鉄心押え28のフランジ部31bにボルト止めされた一側縁部と、他側縁部をほぼ直角に折り曲げて形成されたフランジ部42とを有している。フランジ部42は、第1鉄心押え26の本体30aに当接し、ボルトB2により、本体30aおよび支持体60にボルト止めされている。
第3実施形態において、回転電機10の他の構成は、前述した第1実施形態に係る回転電機と同一である。第3実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態に係る回転電機の一部および可変部材を示す断面図である。
図示のように、第4実施形態によれば、同一寸法の複数枚、例えば、2枚の可変プレート40が、第1鉄心押え26のフランジ部30bおよび第2鉄心押え28のフランジ部31bに重ねて配置され、複数本のボルトB2およびナットN2により、フランジ部30b、31bに固定されている。
固定子鉄心20の固有振動数を調整する際、径方向の断面係数を上昇させる手法の一例として、可変プレート40の板厚を厚くする手法があるが、本実施形態のように、同一寸法の可変プレート40の設置枚数を増加することにより断面係数を調整してもよい。同一寸法、同一材料の可変プレートを用いることにより、一層容易に固有振動数の調整を行うことができる。
(第5実施形態)
図9は、第5実施形態に係る回転電機の一部および可変部材を示す断面図である。
図示のように、第5実施形態によれば、可変プレート40は、平板状の本体(平板要素)と本体の一方の主面に突設された1つあるいは複数のリブ(リブ要素)40aを一体に有している。可変プレート40は固定子鉄心20の外周面の1辺とほぼ平行に配置され、リブ40aは、固定子鉄心20の径方向に延出(突出)している。このように、可変プレート40の板厚を増加する代わりに、リブ40aを追加することによっても、断面係数を上昇させることができる。
前述した第4実施形態および第5実施形態において、回転電機10の他の構成は、前述した第1実施形態に係る回転電機と同一である。第4実施形態および第5実施形態においても、第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
(第6実施形態)
図10は、第6実施形態に係る回転電機の固定子を模式的に示す正面図、図11は、第6実施形態に係る回転電機の固定子を模式的に示す側面図である。
図示のように、第6実施形態によれば、固定子12の固定子鉄心20は、複数枚の円環状の電磁鋼板を積層して構成され、中心軸線Cと同軸な円形の内周および円形の外形(外周)を有している。固定子鉄心20の内周部に多数のティースTおよびスロットSが形成されている。スロットSに図示しない固定子コイルが装着される。固定子鉄心20は、軸方向の一端に位置する第1端面21aと、軸方向の他端に位置する第2端面21bとを有している。
固定子12は、第1端面21aに重ねて配置された第1鉄心押え26と、第2端面21bに重ねて配置された第2鉄心押え28と、第1鉄心押え26と第2鉄心押え28とを締結した複数の締結部材、例えば、ボルトB1およびナットN1と、を備えている。
本実施形態では、第1鉄心押え26は、独立した3以上の奇数個、例えば、5つの板状の第1鉄心押え26を含んでいる。5つの第1鉄心押え26は、固定子鉄心22の周方向に所定の間隔を置いて並んで配置されている。中心軸線Cを中心点とした場合、5つの第1鉄心押え26は、中心点Cに関して、点対称とならないように配置され、すなわち、非点対称に配置されている。
各第1鉄心押え26は、ほぼ矩形板状の本体30aを有している。本体30aは、ほぼ全体が第1端面21aに当接して配置され、一部は固定子鉄心20の外周縁を超えて径方向の外方に突出している。すなわち、本体30aは、固定子コイルに隙間を置いて対向する円弧状の一側縁と、前記一側縁に対向しているとともに固定子鉄心20の外周縁から外方に離間して位置する直線状の他側縁とを有している。本体30aの他側縁は、中心軸線Cを中心とする仮想円の接線方向に延在している。これにより、本体30aの他側縁側の側縁部および一対の角部は、固定子鉄心20から突出した突出部26Aを形成している。
同様に、第2鉄心押え28は、独立した3以上の奇数個、例えば、5つの板状の第2鉄心押え28を含んでいる。5つの第2鉄心押え28は、第2端面21bに重ねて配置され、固定子鉄心22の周方向に所定の間隔を置いて配置されている。各第2鉄心押え28は、第1鉄心押え26と同一の形状に形成されている。すなわち、第2鉄心押え28は、ほぼ矩形板状の本体31aを有している。本体31aは、ほぼ全体が第2端面21bに当接して配置され、一部は固定子鉄心20の外周縁を超えて径方向の外方に突出している。本体31aは、固定子コイルに隙間を置いて対向する円弧状の一側縁と、前記一側縁に対向しているとともに固定子鉄心20の外周縁から外方に離間して位置する直線状の他側縁とを有している。5つの第2鉄心押え28は、それぞれ固定子鉄心20を挟んで、対応する第1鉄心押え26と対向している。5つの第2鉄心押え28は、中心点Cに関して、点対称とならないように配置され、すなわち、非点対称に配置されている。
一例では、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、固定子鉄心20と第1、第2鉄心押さえ全体の周方向の断面係数と電磁加振力との関係が前述の式1を満たすように形成および配置されている。
Figure 2022091365000003
互いに対向する各組の第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、第1鉄心押え26の本体30a、固定子鉄心20、第2鉄心押え28の本体31aを貫通して挿通された複数本、例えば、2本のボルトB1とボルトB1の延出端にねじ込まれたナットN1とにより互いに締結されている。これにより、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、固定子鉄心20を軸方向の両側から挟みこんで固定子鉄心20を押さえている。
第6実施形態において、固定子12は可変プレートを用いていない。
第6実施形態において、回転電機10の他の構成は、前述した第1実施形態に係る回転電機と同一である。
上記のように構成された第6実施形態に係る回転電機10の固定子12によれば、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28の少なくとも一方の形状、特に、突出部26Aの突出量を調整、変更することにより、固定子鉄心20および鉄心押えの断面係数を変更し、固定子鉄心20の固有振動数を任意の周波数に調整、変更することができる。更に、奇数個の鉄心押えを中心点Cに対して点対称とならない形状あるいは配置とすることにより、楕円モード(円環振動モード)もしくはその定数倍の円環振動モードにて入力される電磁加振力に対して、固定子鉄心20の固有振動モードの応答倍率を低減することができる。
これにより、固定子鉄心20の形状を変更することなく、固定子12の固有振動数の変更および応答倍率の低減し、低振動、低騒音の固定子および回転電機を得ることができる。更に、固定子鉄心20を標準化することにより、固定子の製造期間の短縮、製造コストの低減が可能となり、生産性の向上を図ることができる。
第6実施形態において、鉄心押えの個数は5つに限らず、適宜増減可能である。鉄心押えの形状は、矩形状に限定されることなく、他の任意の形状としてもよい。固定子鉄心20の第1端面21aあるいは第2端面21bのいずれか一方のみに鉄心押えを設けた構成としてもよい。
(第7実施形態)
図12は、第7実施形態に係る回転電機の固定子を模式的に示す正面図、図13は、第7実施形態に係る回転電機の固定子を模式的に示す側面図である。
図示のように、第7実施形態によれば、固定子12の固定子鉄心20は、複数枚の円環状の電磁鋼板を積層して構成され、中心軸線Cと同軸な円形の内周と円形の外形(外周)を有している。固定子鉄心20の内周部に多数のティースTおよびスロットSが形成されている。スロットSに図示しない固定子コイルが装着される。固定子鉄心20は、軸方向の一端に位置する第1端面21aと、軸方向の他端に位置する第2端面21bとを有している。
固定子12は、第1端面21aに重ねて配置された第1鉄心押え26と、第2端面21bに重ねて配置された第2鉄心押え28と、第1鉄心押え26と第2鉄心押え28とを締結した複数の締結部材、例えば、ボルトB1およびナットN1と、を備えている。
本実施形態によれば、固定子12の第1鉄心押え26は、前述した5つの第1鉄心押えを連結した環状の単一の鉄心押えとして構成されている。第1鉄心押え26は、円形の内周と多角形、例えば、5角形の外形とを有する環状の板材で形成されている。第1鉄心押え26は、固定子鉄心20の第1端面21aに重ねて配置され、第1鉄心押え26の内周縁は、固定子コイルに隙間を置いて対向している。第1鉄心押え26の外周部の5つの角部は、固定子鉄心20の外周縁を超えて固定子鉄心20の径方向の外方に突出し、それぞれ突出部26Aを形成している。第1鉄心押え26の内周部のうち、突出部26Aと径方向に対向する領域に、突出部26Aに対応する形状に切欠き26Bが形成されている。
このように、第1鉄心押え26を5角形の外形状とすることにより、第1鉄心押え26は、中心軸線Cを中心点とした場合、中心点に対して点対称とならない形状、すなわち、非点対称の形状および配置に構成されている。なお、第1鉄心押え26の外形は、5角形に限らず、(2n+1)(n:整数)角形であればよい。
第2鉄心押え28は、第1鉄心押え26と同一の形状、寸法に形成されている。すなわち、第2鉄心押え28は、円形の内周と5角形の外形とを有するほぼ環状の板材で形成されている。第2鉄心押え28は、固定子鉄心20の第2端面21bに重ねて配置され、第2鉄心押え28の内周縁は、固定子コイルに隙間を置いて対向している。第2鉄心押え28の外周部の5つの角部は、固定子鉄心20の外周縁を超えて固定子鉄心20の径方向の外方に突出し、それぞれ突出部28Aを形成している。第2鉄心押え28の内周部のうち、突出部28Aと径方向に対向する領域に、突出部28Aに対応する形状に切欠きが形成されている。第2鉄心押え28は、固定子鉄心20を挟んで、第1鉄心押え26と対向している。
第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、第1鉄心押え26、固定子鉄心20、第2鉄心押え28を貫通して挿通された複数本、例えば、10本のボルトB1とボルトB1の延出端にねじ込まれたナットN1とにより互いに締結されている。これにより、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、固定子鉄心20を軸方向の両側から挟みこんで固定子鉄心20を押さえている。第1鉄心押え26の5つの突出部26Aは、第2鉄心押え28の5つの突出部28Aとそれぞれ間隔を置いてほぼ平行に対向している。
第7実施形態において、固定子12は可変プレートを用いていない。第7実施形態において、固定子12および回転電機10の他の構成は、前述した第1実施形態に係る回転電機と同一である。
上記のように構成された第7実施形態に係る回転電機10の固定子によれば、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28の少なくとも一方の形状、特に、突出部26Aの突出量を調整、変更することにより、固定子鉄心20の固有振動数を任意の周波数に調整、変更することができる。更に、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28の少なくとも一方を中心点Cに対して点対称とならない形状および配置とすることにより、楕円モード(円環振動モード)もしくはその定数倍の円環振動モードにて入力される電磁加振力に対して、固定子鉄心20の固有振動モードの応答倍率を低減することができる。これにより、固定鉄心の形状変更を行うことなく、振動および騒音を抑制することが可能な固定子および回転電機が得られる。更に、本実施形態によれば、周方向に連結された単一の鉄心押えとすることにより、固定子鉄心の径方向の剛性を高め、振動低減効果を高めることが可能となる。
第7実施形態において、鉄心押えの外形は、5角形に限らず、中心点に対して非点対称な形状であれば、他の多角形あるいは複数の湾曲した突出部を有する形状としてもよい。固定子鉄心20の第1端面21aあるいは第2端面21bのいずれか一方のみに鉄心押えを設けた構成としても良い。
(第8実施形態)
図14は、第8実施形態に係る回転電機の固定子を模式的に示す正面図、図15は、第8実施形態に係る回転電機の固定子を模式的に示す側面図である。
図示のように、第8実施形態によれば、固定子12の固定子鉄心20は、複数枚の円環状の電磁鋼板を積層して構成され、円形の内周と同軸の円形の外形(外周)を有している。固定子鉄心20の内周部に多数のティースTおよびスロットSが形成されている。スロットSに図示しない固定子コイルが装着される。固定子鉄心20は、軸方向の一端に位置する第1端面21aと、軸方向の他端に位置する第2端面21bとを有している。
固定子12は、固定子鉄心20の第1端面21aに重ねて配置された第1鉄心押え26と、第2端面21bに重ねて配置された第2鉄心押え28と、第1鉄心押え26と第2鉄心押え28とを締結した複数の締結部材、例えば、ボルトB1およびナットN1と、を備えている。
本実施形態では、第1鉄心押え26は、独立した3以上の奇数個、例えば、5つの板状の第1鉄心押え26を含んでいる。5つの第1鉄心押え26は、固定子鉄心22の周方向に所定の間隔を置いて並んで配置されている。固定子12の中心軸線Cを中心点とした場合、5つの第1鉄心押え26は、中心点Cに関して、点対称とならないように配置され、すなわち、非点対称に配置および形成されている。
各第1鉄心押え26は、ほぼ矩形状の本体30aと本体30aの側縁部を折り曲げて形成されたフランジ部30bとを一体に有している。本体30aは、ほぼ全体が第1端面21aに当接して配置され、一部は固定子鉄心20の外周縁を超えて径方向の外方に突出している。本体30aは、固定子コイルに隙間を置いて対向する円弧状の一側縁と、前記一側縁に対向しているとともに固定子鉄心20の外周縁から外方に離間して位置する直線状の他側縁とを有している。フランジ部30bは、本体30aの他側縁から第1端面21aとほぼ直交する方向に延出し、他側縁とほぼ平行に延びている。フランジ部30bはボルトを挿通するための図示しない複数、例えば、3つの透孔を有している。フランジ部30bは、可変プレート40を取り付けるための固定部として機能する。
同様に、第2鉄心押え28は、独立した3以上の奇数個、例えば、5つの板状の第2鉄心押え28を含んでいる。5つの第2鉄心押え28は、第2端面21bに重ねて配置され、固定子鉄心22の周方向に所定の間隔を置いて並んで配置されている。5つの第2鉄心押え28は、固定子鉄心20の周方向に所定の間隔を置いて並んで配置されている。5つの第2鉄心押え28は、中心点Cに関して、点対称とならないように配置され、すなわち、非点対称に配置および形成されている。
各第2鉄心押え28は、第1鉄心押え26と同一の形状に形成されている。すなわち、第2鉄心押え28は、ほぼ矩形状の本体31aと本体31aの側縁部を折り曲げて形成されたフランジ部31bとを一体に有している。本体31aは、ほぼ全体が第2端面21bに当接して配置され、一部は固定子鉄心20の外周縁を超えて径方向の外方に突出している。すなわち、本体31aは、固定子コイルに隙間を置いて対向する円弧状の一側縁と、前記一側縁に対向しているとともに固定子鉄心20の外周縁から外方に離間して位置する直線状の他側縁とを有している。フランジ部31bは、本体31aの他側縁から第2端面21bとほぼ直交する方向に延出し、他側縁とほぼ平行に延びている。フランジ部31bはボルトを挿通するための図示しない複数、例えば、3つの透孔を有している。フランジ部31bは、可変プレート40を取り付けるための固定部として機能する。
5つの第2鉄心押え28は、それぞれ固定子鉄心20を挟んで、対応する第1鉄心押え26と対向している。互いに対向する各組の第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、第1鉄心押え26の本体30a、固定子鉄心20、第2鉄心押え28の本体31aを貫通して挿通された複数本、例えば、2本のボルトB1とボルトB1の延出端にねじ込まれたナットN1とにより互いに締結されている。これにより、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は、固定子鉄心20を軸方向の両側から挟みこんで固定子鉄心20を押さえている。
複数の可変プレート(可変部材)40は、所定の幅、長さ、および板厚を有する矩形状の鉄板で形成されている。可変プレート40は、ボルトを挿通するための図示しない複数の透孔を有している。これらの透孔は、可変プレート40の一対の側縁に沿って、例えば、3つずつ並んで設けられている。
可変プレート40の寸法(幅、長さ、板厚)および材質は、固定子鉄心20の固有振動数の調整度合に応じて、適宜、設定される。材質は、鉄板に限らず、他の金属、合成樹脂等、必要に応じて任意に選択可能である。
可変プレート40は、第1鉄心押え26のフランジ部30bおよび第2鉄心押え28のフランジ部31bに載置され、複数のボルトB2およびナットN2によりフランジ部30b、31bにボルト止めされている。ボルトB2は可変プレート40の透孔およびフランジ部30b、31bの透孔に挿通され、ボルトB2の延出端にナットN2が螺合されている。可変プレート40は、固定子鉄心20の外周面と隙間を置いて対向している。第1鉄心押え26および第2鉄心押え28は可変プレート40により互いに連結されている。
可変プレート40は、ボルト止めとすることにより、鉄心押え26、28に対して脱着可能であることから、他の可変プレートと容易に交換することができる。後述するように、可変プレート40は、ボルト止めに限らず、溶接等により鉄心押えあるいは固定子鉄心に固定する構成としてもよい。
上記のように構成された回転電機10の固定子12によれば、第1鉄心押え26および第2鉄心押え28の少なくとも一方の形状、突出部の突出量を調整、変更することにより、固定子鉄心20および鉄心押えの断面係数を変更し、固定子鉄心20の固有振動数を任意の周波数に調整、変更することができる。また、奇数個の鉄心押えを中心点Cに対して点対称とならない形状および配置とすることにより、楕円モード(円環振動モード)もしくはその定数倍の円環振動モードにて入力される電磁加振力に対して、固定子鉄心20の固有振動モードの応答倍率を低減することができる。更に、本実施形態によれば、第1鉄心押え26と第2鉄心押えとを可変プレート40で連結することにより、固定子鉄心20および鉄心押えの径方向の剛性が向上し、振動低減効果を高めることができる。可変プレート40の寸法(板厚)、材質を変更することにより、固定子鉄心の断面係数を調整し、固有振動数を電源周波数から離間した周波数に調整可能となる。
これにより、固定子鉄心20の形状を変更することなく、固定子の固有振動数の変更および応答倍率の低減を図り、低振動、低騒音の固定子および回転電機を得ることができる。固定子鉄心の標準化を図り、固定子の製造期間の短縮、製造コストの低減が可能となり、生産性の向上を図ることができる。
なお、第8実施形態において、鉄心押えの個数は5つに限らず、適宜増減可能である。鉄心押えの形状は、矩形状に限定されることなく、他の任意の形状としてもよい。可変プレート40の取り付け数を5枚としているが、これに限らず、3枚、2枚、あるいは1枚としてもよい。すなわち、少なくとも1組の第1鉄心押えおよび第2鉄心押えに可変プレートが固定された構成としてもよい。
(第9実施形態)
図16は、第9実施形態に係る回転電機の固定子を模式的に示す側面図である。
前述した第8実施形態においては、可変プレート40はボルト止めにより鉄心押えに固定されている構成としている。第9実施形態によれば、可変プレート40は、ボルト止めに代えて、溶接(溶接ビード53)により第1鉄心押え26、第2鉄心押え28および固定子鉄心20に固定されている。
上記構成によれば、可変プレート40の交換、変更の作業が面倒となる反面、多数本のボルト、ナットを省略し、組み立て性の向上、製造コストの低減を図ることが可能となる。第9実施形態において、固定子12および回転電機の他の構成は前述した第8実施形態に係る固定子および回転電機と同一であり、第9実施形態においても第8実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
可変プレート40の固定方法は、ボルト止め、溶接に限られることなく、リベット止め、接着、ろう付け等の他の固定方法を選択可能である。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
前述した実施形態において、第1鉄心押えおよび第2鉄心押えは、4つあるいは5つに分割されている構成としているが、これに限らず、2つ、3つ、あるいは、6つ以上に分割された構成としてもよい。第1鉄心押えおよび第2鉄心押えは、同数に分割されている必要はなく、互いに異なる数に分割された構成としてもよい。
可変部材は、板状の可変プレートに限らず、第1鉄心押えと第2鉄心押えとを連結可能な形状、寸法を有する部材であればよい。
10…回転電機、12…固定子、14…回転子、16…回転シャフト、
18…回転子鉄心、20…固定子鉄心、21a…第1端面、21b…第2端面、
24…固定子コイル、26…第1鉄心押え、28…第2鉄心押え、
30a、31a…本体、30b、31b…フランジ部、
40…可変プレート(可変部材)、B1、B2…ボルト

Claims (10)

  1. 複数枚の磁性鋼板を中心軸線と平行な軸方向に積層して構成され、前記軸方向の一端に位置する第1端面および前記軸方向の他端に位置する第2端面と、前記中心軸線と同軸的に位置する内周面と、前記内周面と径方向に間隔を置いて対向する多角形の外周面と、を有する固定子鉄心と、
    第1固定部を有し前記第1端面に重ねて設けられた第1鉄心押えと、
    第2固定部を有し前記第2端面に重ねて設けられた第2鉄心押えと、
    前記固定子鉄心を貫通して設けられ前記第1鉄心押えと前記第2鉄心押えとを互いに締結した締結部材と、
    前記第1固定部および第2固定部に固定され前記第1鉄心押えと第2鉄心押えとを互いに連結した可変プレートと、
    を備える回転電機の固定子。
  2. 前記第1鉄心押えは、前記第1端面において前記中心軸線の周りの周方向に間隔を置いて配置された複数の独立した第1鉄心押えを有し、
    前記第2鉄心押えは、前記第2端面において前記周方向に間隔を置いて配置され前記固定子鉄心を挟んで前記複数の第1鉄心押えと対向した複数の独立した第2鉄心押えを有し、
    前記可変プレートは、互いに対向する少なくとも1組の前記第1鉄心押えおよび前記第2鉄心押えに取り付けられている請求項1に記載の回転電機の固定子。
  3. 前記複数の第1鉄心押えは、前記第1端面において前記固定子鉄心の径方向の厚さが最小となる領域に重ねてそれぞれ配置され、前記複数の第2鉄心押えは、前記第2端面において前記固定子鉄心の径方向の厚さが最小となる領域に重ねてそれぞれ配置されている請求項2に記載の回転電機の固定子。
  4. 前記第1鉄心押えは、前記第1端面に重ねて前記中心軸線と同軸的に配置された環状の本体と前記中心軸線の周りの周方向に間隔を置いて配置された複数の第1固定部とを有し、
    前記第2鉄心押えは、前記第2端面に重ねて前記中心軸線と同軸的に配置された環状の本体と前記周方向に間隔を置いて配置され前記固定子鉄心を挟んで前記複数の第1固定部と対向した複数の第2固定部とを有し、
    前記可変プレートは、互いに対向した少なくとも1組の前記第1固定部および第2固定部に固定されている請求項1に記載の回転電機の固定子。
  5. 前記可変プレートは、前記第1鉄心押えおよび前記第2鉄心押えに着脱可能に固定されている請求項1に記載の回転電機の固定子。
  6. 前記可変プレートは、前記固定子鉄心の外周面の1辺とほぼ平行に位置する平板要素と前記固定子鉄心の径方向に延出するリブ要素とを有している請求項1に記載の回転電機の固定子。
  7. 複数枚の磁性鋼板を中心軸線と平行な軸方向に積層して構成され、前記軸方向の一端に位置する第1端面および前記軸方向の他端に位置する第2端面と、前記中心軸線と同軸的に位置する内周面と、径方向に間隔を置いて前記内周面に対向する外周面と、を有する固定子鉄心と、
    前記第1端面および前記第2端面の少なくとも一方に重ねて設けられ、前記中心軸線を中心点として点対称とならない形状あるいは配置を有する板状の鉄心押えと、
    を備える回転電機の固定子。
  8. 前記鉄心押えは環状に形成され、前記固定子鉄心の内周と同軸的に位置する内周縁と、少なくとも一部が前記固定子鉄心の外周面から径方向の外方に突出した多角形の外周縁と、を有している請求項7に記載の回転電機の固定子。
  9. 前記鉄心押えは、2n+1(n:整数)角形の外周縁を有し、それぞれ前記固定子鉄心の外周から径方向の外方に突出した複数の角部を有している請求項8に記載の回転電機の固定子。
  10. 前記鉄心押えは、前記第1端面において前記中心軸線の周りの周方向に間隔を置いて配置された3以上の奇数個の独立した第1鉄心押えと、前記第2端面において前記周方向に間隔を置いて配置され前記固定子鉄心を挟んで前記奇数個の第1鉄心押えと対向した3以上の奇数個の独立した第2鉄心押えと、を有し、
    互いに対向する少なくとも1組の前記第1鉄心押えおよび前記第2鉄心押えに固定され前記第1鉄心押えと第2鉄心押えとを互いに連結した可変プレートを更に備えている請求項7に記載の回転電機の固定子。
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