JP2022090413A - 燃焼装置用窓ガラス及び燃焼装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022090413000001
【課題】ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃く見せることができ、燃焼装置の外観を向上させることができる、燃焼装置用窓ガラスを提供する。
【解決手段】燃焼装置に用いられる窓ガラス1であって、燃焼装置の外側に設けられる第1の主面2aと、第1の主面2aと対向しており、燃焼装置の内側に設けられる第2の主面2bとを有する、ガラス基板2と、ガラス基板2の第2の主面2b上に設けられている、遮光層3と、を備え、ガラス基板2の第1の主面2aにおける算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.10μm以下であり、ガラス基板2の第2の主面2bにおける算術平均粗さRaが、0.01μm以上、0.05μm以下である、燃焼装置用窓ガラス1。
【選択図】図1

Description

本発明は、ストーブや暖炉等の燃焼装置に用いられる、燃焼装置用窓ガラス及び該燃焼装置用窓ガラスを用いた燃焼装置に関する。
従来、暖房効果のある燃焼装置として、薪、ガス、石炭、石油等を燃焼させるストーブや暖炉が使用されている。このような燃焼装置には、火炎の様子を外部から視認できるように窓ガラスが備え付けられている。燃焼装置用窓ガラスとしては、可視光に対して透明であるとともに、高い耐熱衝撃性も備える必要があることから、一般に低膨張の透明結晶化ガラス板が用いられている。
また、燃焼装置用窓ガラスは、例えば、燃焼装置本体の金属製枠に、ガスケットや接着剤等の固定部材を介して固定される。この際、固定部材が外部から視認されると美観性が損なわれることから、固定部材が隠蔽されるように、窓ガラスの一部に遮光層が印刷形成されることがある。例えば、特許文献1には、透明結晶化ガラス板の表面に、無機顔料粉末及びガラス粉末を含む遮光層が、スクリーン印刷により形成されてなる燃焼装置用窓ガラスが開示されている。
なお、窓ガラスの一部に形成される遮光層には、燃焼装置の外観の意匠性の観点より、ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃く見せることが望まれている。
特開2013-148259号公報
しかしながら、特許文献1の燃焼装置用窓ガラスは、スクリーン印刷の条件や、印刷形成される遮光層の組成を調整するだけでは、ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃くできないという問題がある。
本発明の目的は、ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃く見せることができ、燃焼装置の外観を向上させることができる、燃焼装置用窓ガラス及び該燃焼装置用窓ガラスを用いた燃焼装置を提供することにある。
本発明に係る燃焼装置用窓ガラスは、燃焼装置に用いられる窓ガラスであって、前記燃焼装置の外側に設けられる第1の主面と、前記第1の主面と対向しており、前記燃焼装置の内側に設けられる第2の主面とを有する、ガラス基板と、前記ガラス基板の前記第2の主面上に設けられている、遮光層と、を備え、前記ガラス基板の前記第1の主面における算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.10μm以下であり、前記ガラス基板の前記第2の主面における算術平均粗さRaが、0.01μm以上、0.05μm以下であることを特徴としている。
本発明においては、前記ガラス基板の前記第1の主面における最大高さRzが、0.1μm以上、5μm以下であり、前記ガラス基板の前記第2の主面における最大高さRzが、0.1μm以上、5μm以下であることが好ましい。
本発明においては、平面視で前記遮光層が設けられている領域において、前記ガラス基板の前記第1の主面側から測定したL表色系におけるL値が、27.5以下であることが好ましい。
本発明においては、前記ガラス基板が、透明結晶化ガラスにより構成されていることが好ましい。
本発明に係る燃焼装置は、本発明に従って構成される燃焼装置用窓ガラスを備えることを特徴としている。
本発明によれば、ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃く見せることができ、燃焼装置の外観を向上させることができる、燃焼装置用窓ガラス及び該燃焼装置用窓ガラスを用いた燃焼装置を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る燃焼装置用窓ガラスを示す模式的斜視図である。 図2は、図1のA-A線に沿う部分の模式的断面図である。 図3は、燃焼装置用窓ガラスにおいて、接着剤やガスケットなどの固定部材が設けられる位置を説明するための模式的断面図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る燃焼装置を示す模式図である。 図5は、実施例1で作製したガラス基板の第1の主面における光学顕微鏡写真を示す図である。 図6は、実施例1で作製したガラス基板の第2の主面における光学顕微鏡写真を示す図である。
以下、好ましい実施形態について説明する。但し、以下の実施形態は単なる例示であり、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また、各図面において、実質的に同一の機能を有する部材は同一の符号で参照する場合がある。
(燃焼装置用窓ガラス)
図1は、本発明の一実施形態に係る燃焼装置用窓ガラスを示す模式的斜視図である。また、図2は、図1のA-A線に沿う部分の模式的断面図である。
図1及び図2に示すように、燃焼装置用窓ガラス1は、ガラス基板2と、遮光層3とを備える。また、本実施形態において、燃焼装置用窓ガラス1は、矩形板状の形状を有する。もっとも、本発明において、燃焼装置用窓ガラス1の形状は、特に限定されない。
ガラス基板2は、対向している第1の主面2a及び第2の主面2bを有する。第1の主面2aは、燃焼装置に取り付ける際に、燃焼装置の外側に設けられる主面である。また、第2の主面2bは、燃焼装置に取り付ける際に、燃焼装置の内側に設けられる主面である。
ガラス基板2の第2の主面2b上に、遮光層3が設けられている。遮光層3は、ガラス基板2の第2の主面2bにおける周縁部に設けられている。遮光層3は、平面視において、枠状の形状を有している。また、遮光層3は、図3に示すように、燃焼装置用窓ガラス1を固定する際に用いる接着剤やガスケットなどの固定部材4が配置される部分に設けられている。従って、遮光層3により、接着剤やガスケットなどの固定部材4を隠蔽することができる。なお、遮光層3は、接着剤やガスケットなどの固定部材4を隠蔽できる限りにおいて、その位置や寸法は特に限定されない。
本実施形態においては、ガラス基板2の第1の主面2aにおける算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.10μm以下である。また、ガラス基板2の第2の主面2bにおける算術平均粗さRaが、0.01μm以上、0.05μm以下である。
本発明者らは、燃焼装置用窓ガラス1を構成するガラス基板2の第1の主面2a及び第2の主面2bにおける算術平均粗さRaに着目した。特に、ガラス基板2における第1の主面2a及び第2の主面2bの算術平均粗さRaをそれぞれ上記の特定の範囲とすることにより、ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃く見せることができ、燃焼装置の外観を向上できることを見出した。
本発明において、ガラス基板2の第1の主面2aにおける算術平均粗さRaは、0.05μm以上、好ましくは0.06μm以上、より好ましくは0.07μm以上、0.10μm以下、好ましくは0.09μm以下、より好ましくは0.08μm以下である。ガラス基板2の第1の主面2aにおける算術平均粗さRaが上記範囲内にある場合、第1の主面2aにおいて、蛍光灯等の外部光がガラス基板2に入射する際に、入射部分の周囲が明るくなりすぎない程度に外部光を拡散させて反射を抑えるとともに、ガラス基板2の第1の主面2aを透過してガラス基板2の第2の主面2bで反射した外部光や、ガラス基板2の第2の主面2bを透過した炎等の内部光が第1の主面2aで透過するのを抑制することができる。それにより、平面視により遮光層3が設けられている領域において、ガラス基板2の第1の主面2a側から測定したL表色系におけるL値が大きくなるのを防いで、ガラス越しに見える印刷面の色をより一層十分に濃く見せることができる。その結果、燃焼装置の外観をより一層向上させることができる。
本発明において、ガラス基板2の第2の主面2bにおける算術平均粗さRaは、0.01μm以上、好ましくは0.01μmを超え、より好ましくは0.02μm以上、0.05μm以下、好ましくは0.05μm未満、より好ましくは0.04μm以下である。ガラス基板2の第2の主面2bにおける算術平均粗さRaが上記範囲内にある場合、ガラス基板2の第1の主面2aを透過した外部光が、第2の主面2bと遮光層3との界面において、拡散しすぎるのを防いで遮光層3へ透過させることができる。それにより、平面視により遮光層3が設けられている領域において、ガラス基板2の第1の主面2a側から測定したL表色系におけるL値が大きくなるのを防いで、ガラス越しに見える印刷面の色をより一層十分に濃く見せることができ、燃焼装置の外観をより一層向上させることができる。
なお、算術平均粗さRaは、JIS B 0601:2013に準拠して測定することができる。
本発明において、ガラス基板2の第1の主面2aにおける最大高さRzは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。ガラス基板2の第1の主面2aにおける最大高さRzが上記範囲内にある場合、第1の主面2aにおいて、蛍光灯等の外部光がガラス基板2に入射する際に、入射部分の周囲が明るくなりすぎない程度に外部光を拡散させて反射を抑えるとともに、ガラス基板2の第1の主面2aを透過してガラス基板2の第2の主面2bで反射した外部光や、ガラス基板2の第2の主面2bを透過した炎等の内部光が第1の主面2aで透過するのをより一層抑制することができる。それにより、平面視により遮光層3が設けられている領域において、ガラス基板2の第1の主面2a側から測定したL表色系におけるL値が大きくなるのを防いで、ガラス越しに見える印刷面の色をより一層十分に濃く見せることができる。その結果、燃焼装置の外観をより一層向上させることができる。
本発明において、ガラス基板2の第2の主面2bにおける最大高さRzは、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上、好ましくは5μm以下、より好ましくは3μm以下である。ガラス基板2の第2の主面2bにおける最大高さRzが上記範囲内にある場合、ガラス基板2の第1の主面2aを透過した外部光が、第2の主面2bと遮光層3との界面において、拡散しすぎるのを防いで遮光層3へより一層透過させることができる。それにより、平面視により遮光層3が設けられている領域において、ガラス基板2の第1の主面2a側から測定したL表色系におけるL値が大きくなるのを防いで、ガラス越しに見える印刷面の色をより一層十分に濃く見せることができ、燃焼装置の外観をより一層向上させることができる。
なお、最大高さRzは、JIS B 0601:2013に準拠して測定することができる。
本発明においては、平面視により遮光層3が設けられている領域において、ガラス基板2の第1の主面2a側から測定したL表色系におけるL値が、好ましくは27.5以下、より好ましくは27.4以下である。この場合、燃焼装置の外観をより一層向上させることができる。
なお、平面視で遮光層3が設けられている領域において、ガラス基板2の第1の主面2a側から測定したL表色系におけるL値の下限値は、例えば、26.5とすることができる。
また、L表色系におけるL値は、例えば、色差計により測定することができる。
本発明において、ガラス基板2は、透明結晶化ガラス板であることが好ましい。なかでも、ガラス基板2は、SiO-Al-LiO系透明結晶化ガラス板であることが好ましい。この場合、可視光に対する透明性をより一層高めつつ、耐熱衝撃性をより一層高めることができる。
ガラス基板2は、30℃~750℃の温度範囲において、-10×10-7/℃~+30×10-7/℃の熱膨張係数を有することが好ましく、-10×10-7/℃~+20×10-7/℃の熱膨張係数を有することがより好ましい。ガラス基板2の熱膨張係数が上記範囲内である場合、加熱と冷却が繰り返されたときに、遮光層3においてクラックが発生することをより一層抑制することができる。
上記のような熱膨張係数を有する結晶化ガラスとしては、質量%で、SiO 50%~75%、Al 10%~30%、MgO 0%~8%、BaO 0%~8%、ZnO 0%~10%、LiO 1%~7%、NaO 0%~7%、KO 0%~7%、TiO 1%~5%、TiO+ZrO 1%~10%、P 0%~10%、及び清澄剤0.1%~3%を含有し、内部にβ-石英固溶体結晶を析出してなる結晶化ガラスが挙げられる。
なかでも、質量%で、SiO 55%~70%、Al 15%~25%、MgO 0%~5%、BaO 0%~5%、ZnO 0%~5%、LiO 3%~5%、NaO 0%~2%、KO 0%~2%、TiO 1.3%~3%、TiO+ZrO 2%~6%、P 0%~5%、及び清澄剤0.1%~2%を含有することが好ましい。
なお、上記清澄剤としては、As、Sb、SnO、及びClを用いることができる。これらは、1種を単独で用いてもよく、複数種を併用してもよい。
また、ガラス基板2として、質量%で、SiO 60%~70%、Al 14%~28%、MgO 0.1%~2%、CaO 0%~2%、BaO 0%~3%、ZnO 0.1%~3%、LiO 2.5%~5.5%、NaO 0.1%~2%、KO 0%~1%、TiO 0%~6%、ZrO 0%~3%、及びV 0.03%~0.5%の組成を含有し、β-石英固溶体結晶を析出してなり、外観が黒色を呈する着色結晶化ガラスを用いてもよい。
本発明において、ガラス基板2の厚みは、特に限定されないが、例えば、2mm以上、6mm以下とすることができる。
本発明において、遮光層3は、ガラス粉末及び無機顔料粉末を含有することが好ましい。
ガラス粉末としては、例えば、B-SiO系ガラス、NaO-CaO-SiO系ガラス、LiO-Al-SiO系ガラス、ZnO-Al-P系ガラス等を用いることができる。
遮光層3中におけるガラス粉末の含有量は、特に限定されず、好ましくは40質量%~70質量%であり、より好ましくは40質量%~60質量%である。ガラス粉末の含有量が少なすぎると、遮光層3が多孔質になるため、水分や接着剤等が付着した際にシミが発生し易くなる。また、ガラス粉末の含有量が多すぎると、遮光層3を形成する際に熱処理を施した後に、あるいは燃焼装置用窓ガラス1としての使用において加熱と冷却が繰り返された際に、遮光層3においてクラックが発生し易くなる。また、十分な遮光性が得られ難くなる。
無機顔料粉末としては、例えば、Cr-Fe-Co-Ni系、Cu-Cr系、Cu-Cr-Fe系、Cu-Cr-Mn系等の酸化物黒色顔料;TiO、ZrO、ZrSiO等の酸化物白色顔料;Co-Al-Zn系、Co-Al-Si系、Co-Al-Ti系等の酸化物青色顔料;Co-Al-Cr系、Co-Ni-Ti-Zn系等の酸化物緑色顔料;Ti-Sb-Cr系、Ti-Ni系等の酸化物黄色顔料;Co-Si系等の酸化物赤色顔料;Ti-Fe-Zn系、Fe-Zn系、Fe-Ni-Cr系、Zn-Fe-Cr-Al系等の酸化物茶色顔料等が挙げられる。なかでも、無機顔料粉末は、Cr-Fe-Co-Ni系の黒色顔料であることが好ましい。この場合、燃焼装置用窓ガラス1の製造工程において、高温で熱処理を行った際に生じる劣化や変色をより一層抑制することができる。
無機顔料粉末の平均粒子径(D50)は、好ましくは1.2μm以下であり、より好ましくは1.0μm以下である。これにより、遮光層3における無機顔料粉末の充填率をより一層高めることができ、遮光性のより一層の向上を図ることができる。無機顔料粉末の平均粒子径の下限値は、特に限定されないが、好ましくは0.1μm以上、より好ましくは0.2μm以上である。なお、無機顔料粉末の平均粒子径が小さすぎると、無機顔料粉末による拡散が大きくなり、ガラス基板2の第1の主面2a側から測定したL表色系におけるL値が増加することがある。また、取扱いが困難になる、製造コストが上昇する、凝集しやすくなる等の不具合が発生し易くなる。
遮光層3中における無機顔料粉末の含有量は、特に限定されず、好ましくは30質量%~60質量%であり、より好ましくは40質量%~60質量%である。無機顔料粉末の含有量が少なすぎると、遮光層3を形成する際に熱処理を施した後に、あるいは燃焼装置用窓ガラス1としての使用において加熱と冷却が繰り返された際に、遮光層3においてクラックが発生し易くなる。また、十分な遮光性が得られ難くなる。また、無機顔料粉末の含有量が多すぎると、遮光層3が多孔質になるため、水分や接着剤等が付着した際にシミが発生し易くなる。
遮光層3の厚みは、好ましくは1μm~10μmであり、より好ましくは2μm~5μmである。遮光層3の厚みが薄すぎると、遮光性が不十分になる傾向がある。一方、遮光層3の厚みが厚すぎると、製造工程又は燃焼装置使用時にクラックが発生し易くなる。また、クラックの発生により、シミや遮光層の剥離が発生し易くなる。
なお、本実施形態では、遮光層3が、ガラス基板2の第2の主面2bにおける周縁部等の少なくとも一部に形成されている場合について説明した。もっとも、遮光層3は、ガラス基板2の全面に形成されていてもよい。この場合、ガスケットや接着剤等の固定部材4を隠蔽する部分の遮光層3を厚く形成し、その他の部分を内部の火炎を適度に視認することができるように薄く形成してもよい。
また、本実施形態では、燃焼装置用窓ガラス1が平面形状である場合について説明した。もっとも、燃焼装置用窓ガラス1は、意匠性、実用性等を考慮して、曲面形状や屈曲形状等の非平面形状を有していてもよい。
(燃焼装置用窓ガラスの製造方法)
次に、燃焼装置用窓ガラス1の製造方法について説明する。
まず、所定のサイズ及び形状に成形されたガラス板を用意する。ガラス板としては、ロールアウト法、フロート法、ダウンドロー法等で成形したガラスを用いることができる。用意するガラス板の一方面の算術平均粗さRaは、例えば、0.05μm以上、0.5μm以下とすることができる。また、用意するガラス板の他方面の算術平均粗さRaは、例えば、0.02μm以上、0.5μm以下とすることができる。
次に、用意したガラス板の表面粗さを制御することにより、第1の主面2aにおける算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.10μm以下であり、第2の主面2bにおける算術平均粗さRaが、0.01μm以上、0.05μm以下である、ガラス基板2を形成する。
表面粗さの制御方法としては、例えば、研磨、精密ブラスト処理、パターニング印刷、レーザー等による表面処理が挙げられる。なお、ガラス成形時のロールを研磨することにより、表面粗さを制御してガラス基板2を得てもよい。また、精密ブラスト処理で使用する切削砂は、最大粒子径が、好ましくは10μm~75μmであり、より好ましくは10μm~50μmである。切削砂の最大粒子径が小さすぎると、ガラス板に粗面を形成するための時間が長くなることがあり、生産効率が低下することがある。また、切削砂の最大粒子径が大きすぎると、形成される粗面の表面粗さが大きくなりすぎることがある。また、ガラス板の表面に微細クラックが進展し易くなり、ガラス板の強度低下が生じる場合がある。
切削砂としては、特に限定されず、市販品を用いることができる。もっとも、硬度の高いシリカ、アルミナ、ジルコニア、ジルコン、SiC等を用いることが好ましい。
次に、ガラス粉末と無機顔料粉末とを混合し、有機溶剤等を添加してペースト化する。得られたペーストを、ガラス基板2の第2の主面2bに、例えばスクリーン印刷や転写等の方法で印刷し、乾燥させる。乾燥後、焼成することにより、遮光層3を形成して、燃焼装置用窓ガラス1を得ることができる。特に、均一な厚みを有する遮光層3を容易かつ効率良く形成することができることから、スクリーン印刷により形成することが好ましい。
焼成は、例えば電気炉で行われる。焼成条件は、ガラス粉末及び無機顔料粉末が十分に焼結するように、適宜調整すればよい。例えば、焼成温度は200℃~1000℃とすることができ、特に250℃~900℃とすることが好ましい。焼成時間は、例えば、10分~1時間とすることができ、20分~1時間であることが好ましい。
(燃焼装置)
図4は、本発明の一実施形態に係る燃焼装置を示す模式図である。図4に示すように、燃焼装置21は、上述した燃焼装置用窓ガラス1を備える。燃焼装置用窓ガラス1は、接着剤やガスケットなどの固定部材によって、燃焼装置本体22の枠に固定されている。接着剤やガスケットなどの固定部材は、燃焼装置用窓ガラス1の遮光層3が配置される部分に設けられている。そのため、燃焼装置用窓ガラス1の遮光層3により、接着剤やガスケット等の固定部材を隠蔽することができ、燃焼装置21の外観を向上させることができる。
以下、本発明について、具体的な実施例に基づいて、さらに詳細に説明する。本発明は、以下の実施例に何ら限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施することが可能である。
(実施例1)
まず、透明結晶化ガラス板(日本電気硝子社製、品番「N-0」、30℃~750℃での平均線熱膨張係数:0×10-7/℃、第1の主面となる一方面の算術平均粗さ0.11μm、第2の主面となる他方面の算術平均粗さ0.11μm)をサンドブラスト法により表面処理し、第1の主面の算術平均粗さRaを0.07μmとし、最大高さRzを0.54μmとした。また、第2の主面の算術平均粗さRaを0.05μmとし、最大高さRzを2.56μmとした。それによって、ガラス基板を得た。
図5は、実施例1で作製したガラス基板の第1の主面における光学顕微鏡写真を示す図である。図6は、実施例1で作製したガラス基板の第2の主面における光学顕微鏡写真を示す図である。図5及び図6に示すように、実施例1で作製したガラス基板においては、設計通り、第1の主面の表面粗さを第2の主面の表面粗さと比較して粗くできていることがわかる。
次に、市販のCr-Fe-Co-Ni系黒色無機顔料50質量部と、B-SiO系ガラス粉末(SiO含有量:63.0質量%、B含有量:18.5質量%)50質量部とを混合し、さらに樹脂及び有機溶剤を添加してペーストを作製した。
次に、このペーストをガラス基板の第2の主面にスクリーン印刷した。続いて、ペーストを80℃で1分間乾燥させた後、830℃で30分間焼成を行って遮光層を形成し、燃焼装置用窓ガラスを得た。
なお、各主面の算術平均粗さRa及び最大高さRzは、JIS B 0601:2013に準拠して測定した。
(実施例2、3及び比較例1~9)
透明結晶化ガラス板(日本電気硝子社製、品番「N-0」、30℃~750℃での平均線熱膨張係数:0×10-7/℃、第1の主面となる一方面の算術平均粗さ0.11μm、第2の主面となる他方面の算術平均粗さ0.11μm)をサンドブラスト法により表面処理し、第1の主面の算術平均粗さRa及び最大高さRzと、第2の主面の算術平均粗さRa及び最大高さRzとを下記の表1の値となるように調整してガラス基板を得たこと以外は、実施例1と同様にして、燃焼装置用窓ガラスを得た。
[評価]
実施例及び比較例で得られた燃焼装置用窓ガラスにつき、色差計(コニカミノルタ株式会社製、品番「CM-700d」)により、平面視で遮光層が設けられている領域においてガラス基板の第1の主面側からL表色系におけるL値を測定した。結果を下記の表1に示す。
Figure 2022090413000002
表1より、実施例1~2では、L表色系におけるL値が、27.11以下であり、ガラス越しに見える印刷面の色が十分に濃く見えたことが確認できた。他方、比較例1~9では、L表色系におけるL値が、27.84以上であり、ガラス越しに見える印刷面の色が十分に濃く見えなかった。なお、実施例3は、実施例1及び実施例2に比べ、第2の主面の算術平均粗さRaが小さいため、L表色系におけるL値が、27.48と大きかった。
なお、実施例1~3では、ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃く見せることができ、燃焼装置の外観を向上できることを確認した。他方、比較例1~9では、ガラス越しに見える印刷面の色を十分に濃く見せることができず、燃焼装置の外観を向上させることができなかった。
1…燃焼装置用窓ガラス
2…ガラス基板
2a…第1の主面
2b…第2の主面
3…遮光層
4…固定部材
21…燃焼装置
22…燃焼装置本体

Claims (5)

  1. 燃焼装置に用いられる窓ガラスであって、
    前記燃焼装置の外側に設けられる第1の主面と、前記第1の主面と対向しており、前記燃焼装置の内側に設けられる第2の主面とを有する、ガラス基板と、
    前記ガラス基板の前記第2の主面上に設けられている、遮光層と、
    を備え、
    前記ガラス基板の前記第1の主面における算術平均粗さRaが、0.05μm以上、0.10μm以下であり、
    前記ガラス基板の前記第2の主面における算術平均粗さRaが、0.01μm以上、0.05μm以下である、燃焼装置用窓ガラス。
  2. 前記ガラス基板の前記第1の主面における最大高さRzが、0.1μm以上、5μm以下であり、
    前記ガラス基板の前記第2の主面における最大高さRzが、0.1μm以上、5μm以下である、請求項1に記載の燃焼装置用窓ガラス。
  3. 平面視で前記遮光層が設けられている領域において、前記ガラス基板の前記第1の主面側から測定したL表色系におけるL値が、27.5以下である、請求項1又は2に記載の燃焼装置用窓ガラス。
  4. 前記ガラス基板が、透明結晶化ガラスにより構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の燃焼装置用窓ガラス。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の燃焼装置用窓ガラスを備える、燃焼装置。
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