JP2022089458A - 回転ツール、接合装置および接合方法 - Google Patents

回転ツール、接合装置および接合方法 Download PDF

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Abstract

【課題】マシニングセンタに装着した状態で荷重制御を行える回転ツール、接合装置および接合方法を提供する。【解決手段】固定部11と回転軸12とを有する本体部10と、回転可能に且つ回転軸12の軸方向に対して移動可能に本体部10に配設され被接合部材2に挿入されて摩擦攪拌を行う攪拌ピン50と、攪拌ピン50とは別体に構成され本体部10からの回転力を受けず回転軸12の軸方向に対して移動可能に本体部10に設けられ被接合部材2に接触した状態で被接合部材2を押圧するショルダ60と、を備え、攪拌ピン50とショルダ60は、相対回転可能であるとともに一体的に回転軸12の軸方向に対して移動するように取り付けられてアセンブリ70を構成し、回転軸12の軸方向に対してアセンブリ70を攪拌ピン50の先端側に向けて付勢する第一弾性部材51をさらに備えることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、摩擦攪拌接合に用いられる回転ツール、接合装置および接合方法に関する。
摩擦攪拌接合を行うための接合装置として、被接合部材に対して回転ツールの押込み量を制御するために、荷重制御を行うものと、位置制御を行うものが知られている。荷重制御は、主として、ロボット(ロボットアーム)による接合装置で用いられ、位置制御は、主として、マシニングセンタ(MC)による接合装置で用いられていた。
荷重制御を行う接合装置としては、例えば特許文献1に開示されたものがあった。特許文献1の接合装置は、接合条件に応じて好適な制度で良好な接合品質を得るために、ショルダ部材またはピン部材の被接合物への圧入深さを制御するものである。かかる接合装置は、圧入深さの制御を行うために、圧入基準点設定部で設定された圧入基準点に基づいて、ショルダ部材に対するピン部材の相対位置を制御する。接合装置は、前記制御を行うために、加圧力検出部、圧力基準点設定部や工具駆動制御部等を備えている。
特開2012-196681号公報
特許文献1の接合装置は、荷重制御を行うため、構造が複雑で高価であるため、近年では、位置制御のみを行える比較的安価なMCに装着可能で且つ荷重制御を行える回転ツールが求められている。
このような観点から、本発明は、マシニングセンタに装着した状態で荷重制御を行える回転ツール、接合装置および接合方法を提供することを課題とする。
本発明は、被接合部材の摩擦攪拌接合を行う接合装置に用いられる回転ツールであって、前記接合装置に取り付けて固定される固定部と、前記接合装置からの回転力を伝達する回転軸とを有する本体部、前記本体部からの回転力を受けて回転可能に、且つ前記回転軸の軸方向に対して移動可能に前記本体部に配設され、前記被接合部材に挿入されて前記被接合部材に対する摩擦攪拌を行う攪拌ピン、及び前記攪拌ピンとは別体に構成され、前記本体部からの回転力を受けず、前記回転軸の軸方向に対して移動可能に前記本体部に設けられ、前記被接合部材に接触した状態で前記被接合部材を押圧するショルダ、を備え、前記攪拌ピンと前記ショルダは、相対回転可能であるとともに一体的に前記回転軸の軸方向に対して移動するように取り付けられてアセンブリを構成し、前記回転軸の軸方向に対して、前記アセンブリを前記攪拌ピンの先端側に向けて付勢する第一弾性部材をさらに備える、ことを特徴とする回転ツールである。
本発明の回転ツールにおいては、前記本体部は、前記回転軸に取り付けられた円筒状のホルダと、前記ホルダの中心部に回転軸方向にスライド可能に収容されるとともに前記ホルダと同期回転するスライド軸とをさらに有し、前記アセンブリは、前記スライド軸の先端に設けられ、前記スライド軸は、前記第一弾性部材を介して前記アセンブリの先端側に向けて付勢されているものが好ましい。
本発明の回転ツールにおいては、前記第一弾性部材は、前記スライド軸の下部を囲うように配置されているものが好ましい。
本発明の回転ツールにおいては、前記第一弾性部材は、前記ホルダの内部に収容され、前記スライド軸の基端部と前記ホルダの固定部側との間に配置されているものが好ましい。
本発明の回転ツールにおいては、前記ホルダおよび前記スライド軸のいずれか一方に、前記回転軸の軸方向に長尺な溝状のキー溝が形成され、他方に、前記回転軸の軸方向と交差する向きに設けられるとともに前記キー溝に嵌入するキーが形成され、前記スライド軸の回転軸の軸方向への移動に伴って、前記キーが前記キー溝の内部を前記回転軸の軸方向に沿って移動し、前記ホルダの回転に伴って、前記キーと前記キー溝とが周方向に当接することで、前記ホルダと前記スライド軸とが同期回転するものが好ましい。
本発明の回転ツールにおいては、前記ショルダと前記攪拌ピンとの間には、ベアリングが介設されているものが好ましい。
本発明の回転ツールにおいては、前記回転軸の軸方向に対して前記ショルダを前記攪拌ピンの先端側に向けて付勢する第二弾性部材をさらに備えるのが好ましい。
本発明の回転ツールにおいては、前記ショルダを無回転状態に保持する保持部をさらに備えるものが好ましい。
本発明の回転ツールにおいては、前記第一弾性部材は、固体ばね、流体ばね、磁力、及び電磁力から選ばれる少なくとも一つによって弾性力を付与する弾性部材であるものが好ましい。
第二の本発明は、請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の回転ツールを備える接合装置であって、前記回転ツールの前記回転軸に伝達する回転力を出力する動力手段、及び前記回転ツールの前記固定部を保持して前記回転ツールの位置制御を行う位置制御手段とを備え、前記位置制御手段によって前記回転ツールを前記被接合部材に対して所定の高さ位置となるように移動させて、前記被接合部材に対して前記ショルダを押圧しながら、前記被接合部材に前記攪拌ピンを挿入して、前記被接合部材に対する摩擦攪拌接合を行う、ことを特徴とする接合装置である。
本発明の接合装置においては、前記ショルダを無回転状態に保持する前記保持部をさらに備えるものが好ましい。
第三の本発明は、請求項1乃至請求項11のいずれか1項に記載の回転ツールを、前記被接合部材に対して所定の高さ位置となるように移動させて、前記被接合部材に対して前記ショルダを押圧しながら、前記被接合部材に回転する前記攪拌ピンを挿入して、前記被接合部材に対する摩擦攪拌接合を行うことを特徴とする接合方法である。
本発明の接合装置および接合方法によれば、請求項1の回転ツールと同様に、マシニングセンタを用いても、疑似的な荷重制御が可能となるとともに、摩擦攪拌接合後の表面の仕上がりが良好になる。
本発明に係る回転ツール、接合装置および接合方法によれば、弾性部材を利用した荷重制御を行うことができる。
本発明の実施形態に係る回転ツールを示す断面図である。 実施形態に係る回転ツールを示す斜視図である。 実施形態に係る回転ツールを示す分解斜視図である。 実施形態に係る回転ツールの摩擦攪拌接合時の各部の動作を示す断面図である。 実施形態に係る回転ツールの保持部の変形例を示す斜視図である。 実施形態に係る回転ツールのショルダの変形例を示す断面図である。
本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら説明する。本発明は以下の実施形態のみに限定されるものではない。また、実施形態における構成要素は、一部又は全部を適宜組み合わせることができる。さらに、図面は、本発明を概念的に説明するためのものであり、表された各構成要素の寸法やそれらの比は実際のものとは異なる場合もある。
[1.回転ツール]
まず、本実施形態に係る回転ツールの構成を説明する。図1に示すように、本実施形態に係る回転ツール1は、被接合部材2(図4参照)の摩擦攪拌接合を行う接合装置3(図1参照)に用いられるものであって、被接合部材2の突合せ部に回転しながら挿入される。かかる回転ツール1は、本体部10と、攪拌ピン50と、ショルダ60と、第一弾性部材51とを備えている。攪拌ピン50とショルダ60は、相対回転可能であるとともに一体的に回転軸の軸方向に対して移動するように取り付けられて、アセンブリ70を構成している。また、回転ツール1は、保持部80を備えている。
<本体部>
本体部10は、例えばマシニングセンタ等の接合装置3に固定される部分であって、固定部11と、回転軸12とを備えている。固定部11は、接合装置3に取り付けられて固定される部位であり、円筒形状を呈している。固定部11はチャック機構であり、接合装置3に設けられた対となるチャック機構と共同することで、固定部11を接合装置に対して着脱可能に固定することができる。チャック機構としては、例えば、固定部11に設けられた溝と、接合装置3に設けられて、固定部11側の溝に嵌合して挟み付ける爪とが挙げられる。固定部11の接合装置3に取り付けられる側とは他端側(図1中、下側)に、回転軸12が連結して設けられている。回転軸12は、円柱形状を呈している。回転軸12は、接合装置3からの回転力を攪拌ピン50に伝達する部位であり、固定部11を介して接合装置3の回転軸(図示せず)に連結されている。
図2および図3にも示すように、本体部10は、ホルダ21と、スライド軸31とをさらに備えている。
<ホルダ>
ホルダ21は、回転軸12に取り付けられ、回転軸12と同期回転し、スライド軸31及び攪拌ピン50を支持する部位である。ホルダ21は、上部が閉じた有底円筒形状を呈しており、内部の中空部が、スライド軸31が挿入される収納凹部22となっている。収納凹部22は、円柱形状を呈しており、回転軸12の軸方向の両側(図1中、上下両側)が開口している。ホルダ21の円筒胴部には、キー溝23が形成されている。キー溝23は、回転軸12の軸方向(図1中、上下方向)に沿って長尺の長円形に形成されており、ホルダ21の外周面から内周面まで貫通している。なお、キー溝23は、円筒胴部を貫通していなくてもよく、円筒胴部の内周面に溝状に形成されていてもよい。キー溝23は、円筒胴部の円周方向に180°間隔で配置され、互いに対向して2か所に形成されている。なお、キー溝23の個数は、2に限定されるものではなく、1であってもよいし、3以上であってもよい。
<スライド軸>
スライド軸31は、ホルダ21の中心部の収納凹部22に、回転軸方向(図1中、上下方向)にスライド可能に収納されるとともに、ホルダ21と同期回転(共回り)する部位である。スライド軸31は、円柱形状を呈しており、収納凹部22に収納可能な外径を有している。スライド軸31の外周面には、外側に突出するキー32が設けられている。キー32は、スライド軸31の基端部(回転軸12側の端部:図1中、上端部)で、キー溝23に相当する位置に固定されており、キー溝23に挿入されている。キー32は、回転軸方向に長い長円形状を呈しており、キー溝23と同等の幅寸法を備えるとともに、キー溝23の長手方向寸法よりも短い長さ寸法を備えている。つまり、キー32は、キー溝23の幅方向に嵌合するとともに長手方向に移動可能である。なお、キー32の形状は、長円形状に限定されるものではなく、キー溝23と同等の幅寸法を備えていれば、円形や楕円形、長楕円、長方形等の他の形状であってもよい。スライド軸31の先端部(接合装置3から離間する側の端部:図1中、下端部)には、攪拌ピン50が一体的に設けられている。したがって、攪拌ピン50は、第一弾性部材51によって先端側に付勢されることによって、スライド軸31の先端側(接合装置3から離間する側:図1中、下側)に付勢される。
<攪拌ピン>
攪拌ピン50は、本体部10からの回転力を受けて、被接合部材2に回転しつつ挿入されて被接合部材2に対する摩擦攪拌を行う部位である。攪拌ピン50は、例えば工具鋼で円柱形状に形成されている。攪拌ピン50の先端部52(図1中、下端部)は、先端に向かうにつれて先細りになっている。攪拌ピンの先端部52の先端は、軸方向に直交する平坦面状となっている。攪拌ピン50の基端部には、拡径した鍔部53が一体形成されている。鍔部53は、スライド軸31と一体形成されており、攪拌ピン50および鍔部53は、スライド軸31のスライド移動によって、回転軸の軸方向に移動する。鍔部53は、スライド軸31よりも大径であり、鍔部53とスライド軸31との連結部(鍔部53の基端部)には、平面視でリング状の段部54が形成されている。鍔部53は、スライド軸31の後端側(接合装置3の近い側:図1中、上側)からの第一弾性部材51の弾性力を受ける受け部として機能する。また、鍔部53は、攪拌ピン50の先端側(図1中、下側)に設けられるショルダ60を支持する支持部としても機能する。
<ショルダ>
ショルダ60は、被接合部材に接触した状態で被接合部材を押圧する部位である。ショルダ60は、攪拌ピン50とは別体に構成され、攪拌ピン50とは相対回転可能に設けられて、本体部10からの回転力を受けないようになっている。ショルダ60は、攪拌ピン50と回転軸12の軸方向に対して相対移動不可となっており、攪拌ピン50と共に軸方向に移動する。つまり、ショルダ60は、ホルダ21に対しては軸方向に移動可能になっている。具体的には、ショルダ60は、例えば工具鋼にて形成されている。ショルダ60は、円筒形状を呈しており、攪拌ピン50を囲うように同軸状に配置されている。つまり、ショルダ60の中空部61には、攪拌ピン50が挿入されている。中空部61の基端部(図1中、上端部)は拡径しており、攪拌ピン50とショルダ60の間に介設されたベアリング63が挿入されている。ベアリング63は、攪拌ピン50を囲うように配置されている。これによって、ショルダ60は、攪拌ピン50に対して相対回転可能で且つ軸方向に相対移動不能になっている。
ショルダ60の先端面は、攪拌ピン50の先端部52のテーパ面の基端部と同一高さとなっている。つまり、ショルダ60の先端面から攪拌ピン50の先端部52が先端側に向かって突出している。ショルダ60は、スライド軸31のスライド移動によって、スライド軸31に一体的に連結された攪拌ピン50とともに回転軸12の軸方向に移動する。
以上のように、攪拌ピン50とショルダ60は、一体化され、共に回転軸12の軸方向に移動するアセンブリ70となっている。つまり、アセンブリ70は、スライド軸31の先端に設けられている。
<第一弾性部材>
第一弾性部材51は、回転軸の軸方向に対して攪拌ピン50とショルダ60とを備えたアセンブリ70を先端側に向けて付勢する部位である。第一弾性部材51は、例えばコイルバネにて構成されており、スライド軸31の下部の外周面を囲うように配置されている。第一弾性部材51は、アセンブリ70の鍔部53とホルダ21の先端との間に、装着されている。第一弾性部材51は、アセンブリ70側から受ける力に対して、アセンブリ70を先端側に向けて付勢できるようになっている。
第一弾性部材51の弾性は、アルミニウム、銅、マグネシウム、及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一つの材料からなる被接合部材2に対して、攪拌ピン50を、所定の押し込み荷重で挿入する場合に、第一弾性部材51による攪拌ピン50の全可動範囲(キー溝23内でのキー32の可動長さ)内で、所定の範囲で攪拌ピン50が変位して挿入されるように設定されている。例えば、第一弾性部材51がコイルネバネの場合であって、第一弾性部材51に加わる荷重を100kg~5tで挿入する場合に、第一弾性部材51の自由長に対して、第一弾性部材51のたわみ量が0~30%の範囲で変形した状態で、攪拌ピン50が被接合部材2に挿入されるとともに、ショルダ60が被接合部材2を押圧するように設定されている。これにより、被接合部材2に対して一定の高さで攪拌ピン50を押し込んだ場合に、被接合部材2の高さが変化した場合にも、被接合部材の変化に合わせて第一弾性部材51が変形することで、攪拌ピン50の挿入量を一定に保ちやすくなる。
なお、第一弾性部材51は、コイルバネに限定されるものではなく、板バネ、皿ばね等の金属ばねや、ゴム、高分子樹脂、スポンジ状樹脂等の高分子弾性体(エラストマー)であってもよい。さらに第一弾性部材51は、空気圧、ガス圧や油圧を用いた流体ばねや、磁力や電磁力を用いた磁性ばねであってもよい。
第一弾性部材51は、接合条件を考慮して、攪拌ピン50が所定の深さにまで挿入される変形量と弾性率との関係を満たすように設定すればよい。また、第一弾性部材51は、接合条件を考慮して、被接合部材2に押し付けられたショルダ60が、被接合部材2と接触した状態で、被接合部材2に挿入されずに、被接合部材2を押さえ付けることができる変形量と弾性率との関係を満たすように設定すればよい。第一弾性部材51の設定に影響を与える接合条件としては、例えば、被接合部材2の材質や接合部の形状といった接合部材の条件や、攪拌ピン50の挿入深さ、回転ツール1の形状、回転速度、移動速度といった接合態様が挙げられる。なお、ショルダ60は、少なくとも一部が被接合部材2と接触していればよく、被接合部材2の表面形状との関係に応じて被接合部材2との間に多少の空間が生じても良いが、摩擦攪拌接合によって溢れ出した金属材料を押さえ付けてバリの発生を防ぐことができるように、被接合部材2と隙間なく接触することが好ましい。また、ショルダ60は、被接合部材2に多少は挿入されてもよいが、接合後に被接合部材2とショルダ60との接触による凹部が生じない程度に、被接合部材2に深く挿入されないことが好ましい。
<保持部>
保持部80は、図2に示すように、ロッド状のアーム状の部材であって、先端部がショルダ60の外周面に固定されている。保持部80の基端部は、接合装置3側の固定系に接続されており、ショルダ60を無回転状態に保持するようになっている。この保持部80は、回転ツール1に含まれている。ショルダ60は、回転軸12、並びに第一ホルダ21及び攪拌ピン50に対して相対回転可能に設けられており、さらに、保持部80によって無回転状態に保持される。これにより、攪拌ピン50が回転する場合であっても、ショルダ70を無回転状態に保持することができる。
[2.接合装置]
次に、前記構成の回転ツール1を備えた接合装置3の構成を説明する。かかる接合装置3は、回転ツール1の回転軸12に伝達する回転力を出力する動力手段(図示せず)と、回転ツール1の固定部11を保持して回転ツールの位置制御を行う位置制御手段(図示せず)と、を備えている。接合装置3は、例えば位置制御を行うマシニングセンタにて構成されており、位置制御装置は、CPU等にて構成され、予め入力された位置情報に基づいて、動力手段を作動させて回転ツール1を移動させる。動力手段は、回転ツール1をXYZの3軸方向に移動させる。
[3.接合方法]
次に、本発明に係る接合方法を、図4を参照して説明する。かかる接合方法では、本実施形態の回転ツール1を、被接合部材2に対して予め設定された所定の高さ位置となるように移動させて、被接合部材2に対して回転ツール1のショルダ60を押圧しながら、被接合部材2に回転ツール1の攪拌ピン50を挿入して、被接合部材2に対する摩擦攪拌接合を行う。
攪拌ピン50の挿入時には、回転ツール1を被接合部材2に向けて挿入方向に近づけるにつれて、まずは攪拌ピン50の先端が被接合部材2に接触する。回転ツール1をさらに被接合部材2に近づけると、第一弾性部材51が圧縮を受けることで、被接合部材2に向けて攪拌ピン50を付勢する第一弾性部材51による弾性力が強まりながら、攪拌ピン50が被接合部材に挿入される。回転ツール1をさらに被接合部材2に近づけると、ショルダ60が被接合部材2に接触する。第一弾性部材51が圧縮を受けることで、被接合部材2に向けて攪拌ピン50及びショルダ60を付勢する第一弾性部材51による弾性力がより強まりながら、ショルダ60が被接合部材に押し付けられる。このとき、第一弾性部材51が完全に変形しきらずに、第一弾性部材51の変形による余力を残した状態で、攪拌ピン50が被接合部材2に挿入されるとともに、ショルダ60を被接合部材2に押圧することができるように第一弾性部材51が設定されている。また、ショルダ60が、被接合部材2と接触した状態で、被接合部材2に挿入されずに、被接合部材2を押さえ付けることができるように第一弾性部材51が設定されている。
回転ツール1による接合中は、図4中、左側に示すように、攪拌ピン50とショルダ60を備えたアセンブリ70が第一弾性部材51によって先端側に向けて付勢されている。これにより、被接合部材2の高さが設定値に対して誤差が無い場合は、図4中、左側に示すように、攪拌ピン50の先端部52が、所望の深さで被接合部材2に押し込まれる。また、ショルダ60は、被接合部材2に対して接触した状態で、被接合部材2に挿入されずに、被接合部材2を押さえ付けることができるようになっている。
次に、図4中、中央部に示すように、摩擦攪拌接合を行ううちに被接合部材2の高さが誤差によって設定値より少し高くなった場合について説明する。ここで、仮に、第一弾性部材51が存在せずに攪拌ピン50をそのまま被接合部材2に押し込んでいた場合には、被接合部材2の高さが設定値に対して誤差が無い場合と比べて、被接合部材2の高さが高くなった分だけ攪拌ピン50およびショルダ60の挿入量が大きくなる。これに対して、本実施形態の回転ツール1により接合を行った場合には、被接合部材2の高さが高くなったことで攪拌ピン50を含むアセンブリ70が被接合部材2からの上向きの反力を受けて押し上げられるとともに、この押し上げによって第一弾性部材51が圧縮されて、アセンブリ70が第一弾性部材51から下向きの弾性力を受けて押し下げられる。このような被接合部材2の高さの変化に伴う上向きの反力と下向きの弾性力との釣り合う位置に、攪拌ピン50およびショルダ60の位置が変更される。このときの攪拌ピン50およびショルダ60の挿入量が、被接合部材2の高さが設定値に対して誤差が無い場合の挿入量と比べて同程度となるように、第一弾性部材51が設定されている。仮に、第一弾性部材51の弾性力が弱すぎると、被接合部材2の高さの変化に伴う上向きの反力の方が大きくなり、挿入量が小さくなってしまう。一方、第一弾性部材51の弾性力が強すぎると、被接合部材2の高さの変化に伴う下向きの弾性力の方が大きくなり、挿入量が大きくなってしまう。すなわち、被接合部材2の高さが変動して高くなった場合であっても、回転ツール1では、被接合部材2の設定値の高さに合わせて設定した所望の深さで攪拌ピン50が被接合部材2に挿入されるように、第一弾性部材51が設定されている。また、被接合部材2の高さが変動して高くなった場合であっても、回転ツール1では、ショルダ60が被接合部材2に接触した状態で、被接合部材2に挿入されずに、被接合部材2を押さえ付けるように、第一弾性部材51が設定されている。
さらに、被接合部材2の高さが設定値より低くなると、図4中、右側に示すように、第一弾性部材51が伸張して、攪拌ピン50を含むアセンブリ70が下降する。このように、被接合部材2の高さが変動して低くなった場合であっても、回転ツール1では、被接合部材2の設定値の高さに合わせて設定した所望の深さで攪拌ピン50が被接合部材2に挿入されるように、第一弾性部材51が設定されている。また、被接合部材2の高さが変動して低くなった場合であっても、回転ツール1では、ショルダ60が被接合部材2に接触した状態で、被接合部材2に挿入されずに、被接合部材2を押さえ付けるように、第一弾性部材51が設定されている。
その後、攪拌ピンの引き抜き位置では、回転ツール1を被接合部材2から遠ざけるにつれて、まずはショルダ60が被接合部材2から離脱する。回転ツール1をさらに被接合部材2から遠ざけると、攪拌ピン60の挿入量が次第に小さくなる。そして、回転ツール1をいっそう被接合部材2から遠ざけると、攪拌ピン60が被接合部材2から離脱する。
以上のように、回転ツール1では、第一弾性部材51の作用によって、攪拌ピン50が被接合部材2に対して一定の深さで挿入されるので、塑性化領域が一定の深さで形成される。したがって、安定した接合品質を得ることができる。また、回転ツール1では、第二弾性部材51の作用によって、ショルダ60が被接合部材2を押圧する状態を保ちながら、攪拌ピン50を被接合部材2に挿入して摩擦攪拌を行うことで、攪拌ピン50による摩擦攪拌を受けて攪拌ピン50の挿入部位から溢れ出した金属材料をショルダ60が押さえ付けることができる。したがって、バリの発生を軽減することができる。
[4.作用・効果]
本実施形態に係る回転ツール1、接合装置3および接合方法によれば、回転軸12の軸方向に対して移動可能に設けられたアセンブリ70が、第一弾性部材51によって先端側に向けて付勢されていることによって、攪拌ピン50の先端部52を被接合部材2に挿入した際に、第一弾性部材51の弾性に応じて、攪拌ピン50が所定の深さにまで挿入される。また、アセンブリ70が、第一弾性部材51によって先端側に向けて付勢されていることによって、第一弾性部材51の弾性に応じて、ショルダ60が被接合部材2に押圧される。接合部材や接合態様といった接合条件を考慮して、第一弾性部材51を設定することで、攪拌ピン50を所望の深さに挿入させるとともに、ショルダ60によって被接合部材2を押さえ付けることができる。つまり、回転ツール1は、第一弾性部材51を用いた疑似的な荷重制御を行うことができる。
位置制御のみを行える、例えばマシニングセンタ等の接合装置に弾性部材が無い回転ツールを装着した場合には、マシニングセンタによる設定値に基づいて回転ツール1の支持高さが一定となり、攪拌ピン50の挿入位置が略一定になる。これに対して、本実施形態の回転ツール1を用いると、マシニングセンタによる回転ツール1の支持高さが一定であっても、被接合部材2の高さの変動に応じて、第一弾性部材51が適宜伸縮して、アセンブリ70が軸方向に移動する。このように、第一弾性部材51の弾性を利用することで、攪拌ピン50の被接合部材2への挿入深さと、ショルダ60による被接合部材2への接触態様を制御できるという荷重制御が可能となる。
また、回転ツール1は、回転軸12からの回転力を受けずに、回転軸12の軸方向に対して攪拌ピン50とは個別に移動可能に配設されて、被接合部材2を押圧するショルダ60を備えている。攪拌ピン50による摩擦攪拌を受けて攪拌ピン50の挿入部位から溢れ出した金属材料をショルダ60が押さえ付けることによって、バリの発生を軽減することができる。このようにして、ショルダ60によって、摩擦攪拌接合後の表面の仕上がりが良好になる。
本体部10は、円筒状のホルダ21と、ホルダ21の中心部に回転軸方向にスライド可能に収容されるとともにホルダ21と同期回転するスライド軸31とをさらに有し、アセンブリ70は、スライド軸31の先端に設けられている。これにより、本体部10からの回転力をアセンブリ70に伝達しつつ、アセンブリ70を回転軸方向にスライドすることができる。
第一弾性部材51は、スライド軸31の下部を囲うように配置されている。これにより、第一弾性部材51がスライド軸31と攪拌ピン50との中間部付近に位置するとともに、第一弾性部材51がスライド軸31の周方向に均等に作用する。したがって、スライド軸31が移動しても、第一弾性部材51が攪拌ピン50を先端側に向けて安定に付勢する。したがって、第一弾性部材51を容易に設置できるとともに、攪拌ピン50の荷重制御の精度を高めることができる。
回転ツール1においては、第一弾性部材51は、ホルダ21の内部に収容され、スライド軸31の基端部とホルダ21の固定部側との間に配置されている。これにより、第一弾性部材51がスライド軸31と攪拌ピン50との中間部付近に位置するとともに、第一弾性部材51が攪拌ピン50側から受ける力をホルダ21によって受けることができる。したがって、スライド軸31が移動しても、第一弾性部材51が攪拌ピン50を先端側に向けて安定に付勢するため、攪拌ピン50の荷重制御の精度を高めることができる。
また、ホルダ21にキー溝23が形成され、スライド軸31にキー32が形成されている。これにより、スライド軸31およびアセンブリ70が、ホルダ21の回転に伴って同期回転しつつ、軸方向への移動を安定した状態で許容する。したがって、攪拌ピン50およびショルダ60の動作がより一層安定する。
ショルダ60と攪拌ピン50との間には、ベアリング63が介設されている。したがって、ショルダ60と攪拌ピン50とが安定した状態で相対回転できる。
また、回転ツール1は、ショルダ60を無回転状態に保持する保持部80を備えているので、ショルダ60を無回転状態に保持しやすくなり、摩擦攪拌接合後の被接合部材2の表面の仕上がりがより一層良好になる。
回転ツール1においては、第一弾性部材51は、固体ばね、流体ばね、磁力、及び電磁力から選ばれる少なくとも一つによって弾性力を付与する弾性部材である。このような構成によれば、第一弾性部材51の弾性を調整し易い。
接合装置3は、回転ツール1、動力手段、及び位置制御手段を備えている。そして、位置制御手段によって回転ツール1を被接合部材2に対して所定の高さ位置となるように移動させて、被接合部材2に対してショルダ60を押圧しながら、被接合部材2に攪拌ピン50を挿入して、被接合部材2に対する摩擦攪拌接合を行う。接合装置3によれば、第一弾性部材51の弾性を利用することで、攪拌ピン50の被接合部材2への挿入深さと、ショルダ60による被接合部材2への接触を制御する荷重制御を行いながら摩擦攪拌接合を行うことができる。また、攪拌ピン50による摩擦攪拌を受けて攪拌ピン50の挿入部位から溢れ出した金属材料をショルダ60が押さえ付けることによってバリの発生を軽減して、摩擦攪拌接合後の表面の仕上がりが良好になる。したがって、マシニングセンタを用いても、疑似的な荷重制御が可能となるとともに、摩擦攪拌接合後の表面の仕上がりが良好になる。
本接合方法は、回転ツール1を、被接合部材2に対して所定の高さ位置となるように移動させて、被接合部材2に対してショルダ60を押圧しながら、被接合部材2に回転する攪拌ピン50を挿入して、被接合部材2に対する摩擦攪拌接合を行う。本接合方法によれば、第一弾性部材51の弾性を利用することで、攪拌ピン50の被接合部材2への挿入深さと、ショルダ60による被接合部材2への接触を制御する荷重制御を行いながら摩擦攪拌接合を行うことができる。また、攪拌ピン50による摩擦攪拌を受けて攪拌ピン50の挿入部位から溢れ出した金属材料をショルダ60が押さえ付けることによってバリの発生を軽減して、摩擦攪拌接合後の表面の仕上がりが良好になる。
以上説明したように、回転ツール1、接合装置3および接合方法によれば、位置制御のみを行うマシニングセンタに装着した状態であっても荷重制御を行うことができる。
[5.第一変形例]
次に、図5を参照しながら、保持部の変形例について説明する。変形例に係る保持部85は、図5に示すように、鍔部53の下方に設けられたショルダ65の外形が矩形形状を呈しており、回転ツール1aの移動軌跡に沿ってガイド部材86が設けられている。ガイド部材86は、長尺部材からなり、ショルダ65を両側から挟むように、第二ホルダの幅と略同じ長さの間隔を空けて、両側にそれぞれ配置されている。ガイド部材86は、接合装置3が備える保持部である。このような構成のショルダ65は、外周面がガイド部材86の側面に摺動しながら回転せずに移動軌跡に沿って移動する。ショルダ65の内部には、図1のショルダ60と同様に、攪拌ピン50およびベアリング63が挿入されている。その他の構成は、図1の回転ツール1と同様であるので、同じ符号を付して説明を省略する。
[6.第二変形例]
次に、図6を参照しながら、ショルダの変形例について説明する。前記実施形態では、ショルダ60の下端面は、攪拌ピン50に対して、回転軸の軸方向に移動不能であるが、変形例に係るショルダ90は、図6に示すように、ショルダの下端面を軸方向に移動可能な構成となっている。具体的には、ショルダ90は、第一部材91と第二部材92と第二弾性部材99とを備えている。また、攪拌ピン50とショルダ90とは一体化されて、共に回転軸12の軸方向に移動するアセンブリ75となっている。
第一部材91は、攪拌ピン50とは相対回転可能に設けられる部位であって、例えば工具鋼にて形成されている。第一部材91は、円筒形状を呈しており、攪拌ピン50を囲うように同軸状に配置されている。第一部材91の中空部93には、攪拌ピン50が挿入されている。中空部93の基端部(図5中、上端部)は拡径しており、攪拌ピン50と第一部材91との間に介設されたベアリング63が挿入されている。ベアリング63は、攪拌ピン50を囲うように配置されている。これによって、第一部材91は、攪拌ピン50に対して相対回転可能で且つ軸方向に相対移動不能になっている。
第一部材91の先端部(図6中、下端部)には、第一部材91の端面から先端側に突出する突出部94が形成されている。突出部94は、円筒形状を呈しており、内部に攪拌ピン50が挿通されている。突出部94は、第二部材92を接続するための部材である。突出部94の先端部には、外周面から外側に突出するキー96が設けられている。キー96は、後記する第二部材92のキー溝97に挿入される。キー96は、回転軸方向に長い長円形状を呈しており、円周方向に180°間隔で放射状に配置され、2か所に形成されている。なお、キー96の形状は、長円形状に限定されるものではなく、キー溝97と同等の幅寸法を備えていれば、円形や楕円形、長楕円、長方形等の他の形状であってもよい。
第二部材92は、被接合部材に接触した状態で被接合部材を押圧する部位である。第二部材92は、突出部94に取り付けられ、第一部材91と同期回転するとともに、第一部材91に対して、回転軸12の軸方向に相対移動可能な部位である。第二部材92は、例えば工具鋼にて形成されている。第二部材92は、円筒形状を呈しており、攪拌ピン50を囲うように同軸状に配置されている。第二部材92の中空部95には、攪拌ピン50が挿入されている。中空部95の基端部(図6中、上端部)は拡径しており、突出部94の先端部が挿入されている。中空部95の基端部には、キー溝97が形成されている。キー溝97は、回転軸12の軸方向(図6中、上下方向)に沿って長尺の長円形に形成されており、中空部95の内周面に溝状に形成されている。キー溝97は、突出部94のキー96に対応する位置の2か所に形成されている。キー溝97の軸方向長さは、キー96の軸方向長さより長く、第二部材92が第一部材91に対して軸方向に移動可能となっている。キー溝97の幅寸法は、キー96の幅寸法と同等であり、第二部材92が第一部材91に対して相対回転不能になっている。キー96がキー溝97の基端側に位置するときに、第二部材92の先端面は、攪拌ピン50の先端部52のテーパ面の基端部と同一高さとなっている。つまり、第二部材92の先端面から攪拌ピン50の先端部52が先端側に向かって突出している。第二部材92は、前記位置から第一部材91側に移動することで、ショルダ90の軸方向長さが短くなる。
第二弾性部材99は、回転軸12の軸方向に対してショルダ90の一部である第二部材92を攪拌ピン50の先端側に向けて付勢する部位である。第二弾性部材99は、例えばコイルバネにて構成されており、突出部94の外周面を囲うように配置されている。第一部材91の先端面(突出部94の基端部が繋がる面)と第二部材92の基端面との間に、装着されている。第二弾性部材99は、第二部材92から受ける力に対して、第二部材92を先端側に向けて付勢できるようになっている。
第二弾性部材99の弾性は、アルミ、銅、マグネシウム、及びこれらの合金からなる群より選ばれる少なくとも一つの材質からなる被接合部材に対して攪拌ピン50を所定の押し込み荷重で挿入する場合に、弾性部材による第二部材92の全可動範囲(キー溝97内でのキー96の可動長さ)に対して所定の範囲で、第二部材92が変位して被接合部材2を押圧するように設定されている。例えば、第二弾性部材99がコイルネバネの場合であって、第二弾性部材99に加わる荷重を50kg~2tで挿入する場合には、第二弾性部材99の自由長に対して、第二弾性部材99のたわみ量が0~30%の範囲で変形した状態で、第二部材92が被接合部材を押圧するように設定されている。これにより、被接合部材2に対して第二部材92が接触した状態で、第二部材92が被接合部材2に挿入されることなく、第二部材92で被接合部材2を押さえ付けやすくなる。第二弾性部材99は、第一弾性部材51よりも変形し易くなっている。
なお、第二弾性部材99は、第一弾性部材51と同様にコイルバネに限定されるものではなく、板バネ、皿ばね等の金属ばねや、ゴム、高分子樹脂、スポンジ状樹脂等の高分子弾性体(エラストマー)であってもよい。さらに第二弾性部材99は、空気圧、ガス圧や油圧を用いた流体ばねや、磁力や電磁力を用いた磁性ばねであってもよい。
第二弾性部材99は、接合条件を考慮して、被接合部材2に押し付けられたショルダ60が、被接合部材2と接触した状態で、被接合部材2に挿入されずに、被接合部材2を押さえ付けることができる変形量と弾性率との関係を満たすように設定すればよい。第二弾性部材99の設定に影響を与える接合条件としては、例えば、被接合部材2の材質や接合部の形状といった接合部材の条件や、攪拌ピン50の挿入深さ、回転ツール1の形状、回転速度、移動速度といった接合態様が挙げられる。なお、ショルダ60は、少なくとも一部が被接合部材2と接触していればよく、被接合部材2の表面形状との関係に応じて被接合部材2との間に多少の空間が生じても良いが、摩擦攪拌接合によって溢れ出した金属材料を押さえ付けてバリの発生を防ぐことができるように、被接合部材2と隙間なく接触することが好ましい。また、ショルダ60は、被接合部材2に多少は挿入されてもよいが、接合後に被接合部材2とショルダ70との接触による凹部が生じない程度に、被接合部材2に深く挿入されないことが好ましい。
このような構成によれば、ショルダ90の先端面と攪拌ピン50との相対移動が可能となり、第二弾性部材99によってショルダ90の荷重制御が可能となる。したがって、ショルダ90の荷重制御の精度をより一層高めることができる。さらに、本変形例のショルダ90では、図示しない保持部が第一部材91の外周面に固定されており、保持部によってショルダ90および第二部材92を無回転状態に保持するようになっていてもよい。
[7.その他]
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明の趣旨に反しない範囲において適宜設計変更が可能である。前記実施形態では、ホルダ21にキー溝23が形成され、スライド軸31にキー32が形成されているが、これに限定されるものではない。ホルダ21にキーを形成し、スライド軸31にキー溝を形成してもよい。
また、前記実施形態では、回転ツール1が、ショルダ60に固定される保持部80を備え、この保持部が接合装置に接続されてショルダ60を無回転状態に保持する場合を例示したがこれに限定されるものではない。接合装置3が第二保持部として、接合装置3の固定系に固定されるロッド状のアーム部材を備え、この第二保持部が回転ツール1のショルダ60に接続されてショルダ60を無回転状態に保持するものであってもよい。この第二保持部は、接合装置3に含まれている。また、回転ツール1が保持部80として、ショルダ60に固定されるロッド状のアーム部材を備えるとともに、接合装置3が第二保持部として、接合装置3の固定系に固定されるロッド状のアーム部材を備え、両保持部が互いに接続されることで、ショルダ60を無回転状態に保持するものであってもよい。この保持部は、回転ツール1、及び接合装置3に含まれている。このように、回転ツール1に含まれる保持部と、接合装置3に含まれて、回転ツール1に含む保持部と共同して動作する第二保持部とを同時に設けてもよい。以上のように、接合装置3がショルダ60を無回転状態に保持する第二保持部を備えることで、ショルダ60を無回転状態に保持しやすくなり、摩擦攪拌接合後の被接合部材2の表面の仕上がりがより一層良好になる。
また、前記実施形態では、第一弾性部材51は、スライド軸31の下部を囲うように配置され、ホルダ21の下端と鍔部53の段部54との間に設けられているがこれに限定されるものではない。第一弾性部材51は、アセンブリ70を先端側に付勢する位置であればどこに配置しても良い。例えば、第一弾性部材をホルダ21の内部に収容し、スライド軸の基端部とホルダの底部との間に装着してもよい。また、スライド軸31の上端部において、上端部側に向けて柱状形状に伸長された伸長部が形成されており、このスライド軸31の伸長部を囲うとともに、ホルダ21の固定部側との間に第一弾性部材51を装着してもよい。このとき、ホルダ21の内径に合わせて伸長部をスライド軸31よりも小さい径に形成してもよい。このような場合も前記実施形態と同様の作用効果が得られる。
また、前記第二変形例では、攪拌ピン50の先端部52が第二部材92の底面よりも下方に突出している場合を例示したが、これに限定されるものではない。回転ツール1は、被接合部材2と接触していない状態で、第二部材92の底面が攪拌ピン50の先端部52よりも下方に突出していてもよい。これにより、回転ツール1を被接合部材2から引き抜く際に、回転ツール1を被接合部材2から遠ざけていくと、第二部材92が被接合部材2を押圧した状態で、第二部材92よりも先に攪拌ピン50が被接合部材2から離脱する。このとき、第二部材92が被接合部材2を押圧する状態を保ちながら、攪拌ピン50を引き抜くことによって、攪拌ピン50の挿入によって流動して溢れ出した金属材料を第二部材92が押さえ付けることができる。したがって、攪拌ピン50を抜く際に生じる抜き穴を、第二部材92が押さえ付けた金属材料によって埋めやすくなる。特には、摩擦攪拌接合時に回転ツール1を挿入した位置で接合を行い、挿入位置から移動させずに引き抜く、スポットでの摩擦攪拌を行う場合に抜き穴の形成を防ぎやすくなる。
1 回転ツール
2 被接合部材
3 接合装置
10 本体部
11 固定部
12 回転軸
21 ホルダ
23 キー溝
31 スライド軸
32 キー
50 攪拌ピン
51 第一弾性部材
60 ショルダ
61 中空部
63 ベアリング
65 ショルダ
70 アセンブリ
80,85 保持部
90 ショルダ
99 第二弾性部材

Claims (12)

  1. 被接合部材の摩擦攪拌接合を行う接合装置に用いられる回転ツールであって、
    前記接合装置に取り付けて固定される固定部と、前記接合装置からの回転力を伝達する回転軸とを有する本体部、
    前記本体部からの回転力を受けて回転可能に、且つ前記回転軸の軸方向に対して移動可能に前記本体部に配設され、前記被接合部材に挿入されて前記被接合部材に対する摩擦攪拌を行う攪拌ピン、及び
    前記攪拌ピンとは別体に構成され、前記本体部からの回転力を受けず、前記回転軸の軸方向に対して移動可能に前記本体部に設けられ、前記被接合部材に接触した状態で前記被接合部材を押圧するショルダ、を備え、
    前記攪拌ピンと前記ショルダは、相対回転可能であるとともに一体的に前記回転軸の軸方向に対して移動するように取り付けられてアセンブリを構成し、
    前記回転軸の軸方向に対して、前記アセンブリを前記攪拌ピンの先端側に向けて付勢する第一弾性部材をさらに備える、
    ことを特徴とする回転ツール。
  2. 前記本体部は、前記回転軸に取り付けられた円筒状のホルダと、前記ホルダの中心部に回転軸方向にスライド可能に収容されるとともに前記ホルダと同期回転するスライド軸とをさらに有し、
    前記アセンブリは、前記スライド軸の先端に設けられ、
    前記スライド軸は、前記第一弾性部材を介して前記アセンブリの先端側に向けて付勢されている、
    請求項1に記載の回転ツール。
  3. 前記第一弾性部材は、前記スライド軸の下部を囲うように配置されている、
    請求項2に記載の回転ツール。
  4. 前記第一弾性部材は、前記ホルダの内部に収容され、前記スライド軸の基端部と前記ホルダの固定部側との間に配置されている、
    請求項2に記載の回転ツール。
  5. 前記ホルダおよび前記スライド軸のいずれか一方に、前記回転軸の軸方向に長尺な溝状のキー溝が形成され、他方に、前記回転軸の軸方向と交差する向きに設けられるとともに前記キー溝に嵌入するキーが形成され、
    前記スライド軸の回転軸の軸方向への移動に伴って、前記キーが前記キー溝の内部を前記回転軸の軸方向に沿って移動し、
    前記ホルダの回転に伴って、前記キーと前記キー溝とが周方向に当接することで、前記ホルダと前記スライド軸とが同期回転する、
    請求項2乃至請求項4のいずれか一項に記載の回転ツール。
  6. 前記ショルダと前記攪拌ピンとの間には、ベアリングが介設されている、
    請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の回転ツール。
  7. 前記回転軸の軸方向に対して前記ショルダを前記攪拌ピンの先端側に向けて付勢する第二弾性部材をさらに備える、
    請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の回転ツール。
  8. 前記ショルダを無回転状態に保持する保持部をさらに備える、
    請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の回転ツール。
  9. 前記第一弾性部材は、固体ばね、流体ばね、磁力、及び電磁力から選ばれる少なくとも一つによって弾性力を付与する弾性部材である、
    請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の回転ツール。
  10. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の回転ツールを備える接合装置であって、
    前記回転ツールの前記回転軸に伝達する回転力を出力する動力手段、及び前記回転ツールの前記固定部を保持して前記回転ツールの位置制御を行う位置制御手段とを備え、
    前記位置制御手段によって前記回転ツールを前記被接合部材に対して所定の高さ位置となるように移動させて、前記被接合部材に対して前記ショルダを押圧しながら、前記被接合部材に前記攪拌ピンを挿入して、前記被接合部材に対する摩擦攪拌接合を行う、
    ことを特徴とする接合装置。
  11. 前記ショルダを無回転状態に保持する第二保持部をさらに備える、
    請求項10に記載の接合装置。
  12. 請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の回転ツールを、前記被接合部材に対して所定の高さ位置となるように移動させて、前記被接合部材に対して前記ショルダを押圧しながら、前記被接合部材に回転する前記攪拌ピンを挿入して、前記被接合部材に対する摩擦攪拌接合を行う、
    ことを特徴とする接合方法。
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