JP2004358496A - 穿孔リベットかしめ工具 - Google Patents

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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Abstract

【課題】ダイ及び/又はパンチの取り替え頻度をできるだけ少なくすることができ、あるいは、かしめ処理のための準備を生産性に影響の与えない範囲で行うことができる穿孔リベットかしめ工具を提供する。
【解決手段】本発明は、ダイとパンチとを相対的に接離させるべく、工具本体に作動手段を備えた穿孔リベットかしめ工具において、工具本体及び/又は作動手段の出力部に、複数の装着部を備えるターレットが回転自在に取り付けられ、それぞれ装着部に、前記ダイ又はパンチが取り付け可能に構成されてなることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の板材に穿孔リベットを打ち込み、該穿孔リベットをかしめて板材同士を接合する穿孔リベットかしめ工具に関する。
【0002】
【従来の技術】
図4(イ)に示す如く、穿孔リベット1は、軸部2と、該軸部2の基端に形成された頭部3とを有する。軸部2は、中心部がくり抜かれて円筒状をなし、頭部3は、若干の広がりを有してその直径が軸部2の直径よりも大きいフランジ状をなす(特許文献1)。あるいは、頭部3がなく、軸部2のみを有する穿孔リベットも提供されている(特許文献2)。何れの穿孔リベットにあっても、軸部2の先端が打ち込み方向に対して傾斜するテーパ面2aを備え、打ち込み荷重が小さくなるように構成されている。
【0003】
この種の穿孔リベットは、例えば自動車組立等の板金組立作業(特にアルミニウムボディーの組立作業)において使用される。そして、穿孔リベット工具は、工具本体に対し、該工具本体に固定されるダイと、工具本体に装着されるシリンダ等の作動手段と、該作動手段の出力部先端に取り付けられるパンチとを備えた構成が一般的であり(特許文献3)、例えばロボットのアーム先端に組み付けて使用される。
【0004】
接合に際しては、接合すべき対象物である例えば二枚の板材(第一の板材4及び第二の板材5)を重ね、第二の板材5の外面にダイ(図示しない)を配置し、第一の板材4の外面側から穿孔リベット1をパンチ(図示しない)により打ち込めば、軸部2が第一の板材4を貫通し、ダイにより軸部2の先端側が押し広げられ、拡開された軸部2と頭部3とにより第一の板材4及び第二の板材5が接合されるようになっている(図4(ロ)〜(ニ)参照)。
【0005】
【特許文献1】
特開2001−159409号公報
【特許文献2】
特開2001−132719号公報
【特許文献3】
特開2001−232437号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、接合対象物の材質、厚さ、穿孔リベットのサイズ等が変わる毎にダイ及び/又はパンチを種類の異なるものに取り替える必要が生じ、また、寿命により劣化したダイ及び/又はパンチを新しいものに取り替える必要も生じるが、上記従来の穿孔リベットかしめ工具にあっては、上記取り替え作業によってアイドルタイムが発生し、生産性が阻害されるという問題があった。
【0007】
あるいは、上記従来の穿孔リベットかしめ工具は、ダイ及びパンチを一組しか備えていないため、次のかしめ処理のための穿孔リベットをパンチ側に装填する作業(準備作業)は、先のかしめ処理が終了してからでなければ行うことができず、この点、生産性の向上を図る上で限界が生じていた。
【0008】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたもので、ダイ及び/又はパンチの取り替え頻度をできるだけ少なくすることができ、あるいは、かしめ処理のための準備を生産性に影響の与えない範囲で行うことができる穿孔リベットかしめ工具を提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するためになされた本発明に係る穿孔リベットかしめ工具は、ダイとパンチとを相対的に接離させるべく、工具本体に作動手段を備えた穿孔リベットかしめ工具において、工具本体及び/又は作動手段の出力部に、複数の装着部を備えるターレットが回転自在に取り付けられ、それぞれ装着部に、前記ダイ又はパンチが取り付け可能に構成されてなることを特徴とする。
【0010】
上記構成からなる穿孔リベットかしめ工具によれば、同一種類のダイ及び/又はパンチを複数、あるいは異なる種類のダイ及び/又はパンチを複数備えており、ターレットの回転・位置決めを以て、かしめ処理に供するものを選択する。
【0011】
また、本発明に係る穿孔リベットかしめ工具は、複数のパンチのうちのかしめ処理に供しないパンチと向き合う位置に、パーツフィーダの穿孔リベット排出部が配置されてなる構成を採用することができる。かかる構成によれば、かしめ処理を行う間、該かしめ処理に供しないパンチに対して穿孔リベットを供給することができ、かしめ処理と次のかしめ処理との間におけるアイドルタイムの発生を無くすことができ、よって、生産性の向上を図ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る穿孔リベットかしめ工具の一実施形態について、図面を参酌しつつ説明する。
【0013】
図1及び図2に示す如く、本実施形態に係る穿孔リベット工具は、工具本体10と、該工具本体10に装着される作動手段としてのシリンダ15と、工具本体10に回転自在に支持される第一のターレット20と、シリンダ15の出力部としてのロッド16に回転自在に支持される第二のターレット25とを備えて構成されている。
【0014】
より詳細に言えば、工具本体10は、二箇所位置にて屈曲された略コ字状を呈し、一端側に第一のターレット20が回転自在に支持され、他端側にシリンダ15が取り付けられ、該シリンダ15のロッド16に取り付けられたブラケット17に第二のターレット25が回転自在に支持されている。尚、第一のターレット20及び第二のターレット25の回転軸は、それぞれ互いに平行であり、且つロッド16の進退方向に所定の間隔を有して配置されている。
【0015】
第一のターレット20及び第二のターレット25は、それぞれ円柱状を呈し、円周方向の所定複数位置にダイ22又はパンチ27のための装着部を備えている。ダイ22のための装着部は、第一のターレット20の外周面に形成された装着孔21である。該装着孔21は、第一のターレット20の円周方向の二等分位置に形成されており、該装着孔21に挿入することで、ダイ22は着脱自在に装着される。また、パンチ27のための装着部は、第二のターレット25の外周面に形成された装着孔26である。該装着孔26は、第二のターレット25の円周方向の三等分位置に形成されており、該装着孔26に挿入することで、パンチ27は着脱自在に装着される。因みに、第一装着孔21及び装着孔26は、ダイ22とパンチ27とを入れ替えて取り付け可能ともすべく、同一サイズに形成されている。
【0016】
ダイ22は、装着孔21に挿入される部分と反対側の部分が細くされ、該部分の先端がかしめ処理のための所定形状(具体的には、凸状の円弧面)に形成された本体部材23と、該本体部材23の細くされた部分に外嵌される環状部材24とからなる。本体部材23、環状部材24ともに金属材料から形成され、環状部材24は、その軸方向の寸法が本体部材23の細くされた部分の軸方向の寸法よりも長くなっており、従って、本体部材23の先端の凸状の円弧面は、環状部材24の内方に位置する。
【0017】
パンチ27は、装着孔26に挿入される部分と反対側の部分が細くされ、該部分の先端がかしめ処理のための所定形状(具体的には、平坦面)に形成された本体部材28と、該本体部材23の細くされた部分に外嵌される環状部材29とからなる。本体部材28は、金属材料から形成され、環状部材29は、ウレタン樹脂等の弾性材料から形成され、環状部材29は、その軸方向の寸法が本体部材28の細くされた部分の軸方向の寸法よりも長くなっており、従って、本体部材28の先端の凸状の平坦面は、環状部材29の内方に位置する。
【0018】
そして、ダイ22及び/又はパンチ27は、本体部材23,28の細くされた部分の径、長さ、あるいは先端の形状、並びに環状部材24,29の径、長さ等を適宜設定することにより、種類の異なるものが提供される。
【0019】
第一のターレット20の回転、位置決め(インデックス)は、工具本体10に取り付けられた回転駆動手段としての第一のモータ11によって行われる。また、第二のターレット25の回転、位置決め(インデックス)は、シリンダ15の出力部としてのブラケット17に取り付けられた同じく回転駆動手段としての第二のモータ12によって行われる。そして、第一のターレット20及び第二のターレット25のインデックス機能を実現すべく、第一のモータ11及び第二のモータ12は、制御部(図示しない)の制御下に置かれている。
【0020】
また、一のパンチ27が相手のダイ22と向き合う処理位置に第二のターレット20が位置決めされた状態で、別のパンチ27と向き合う位置には、該パンチ27に穿孔リベット1を供給するためのパーツフィーダの一部(先端ノズル部)30が配置されている。該ノズル部30は、管体からなり、内部を飛程する穿孔リベット1は、先端から排出され、パンチ27の環状部材29内に挿入されてパンチ27内に充填される。
【0021】
ノズル部30は、工具本体10の把持部に形成された切欠10aに挿通された状態で、該切欠10aから工具本体10の内方に臨出する部分がロッド16に固定された取付具31によって保持されており、かしめ処理の際にロッド16が進出すると、ノズル部30も一緒に移動するようになっている。従って、第二のターレット20が処理位置に位置決めされている状態では、ロッド16の進退状態に関わらず、パンチ27に穿孔リベット1を供給可能とする。
【0022】
本実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具は、以上の構成からなり、次に、これを用いたかしめ処理の態様について説明する。
【0023】
第一のターレット20には、種類の異なる二つのダイ22,22が取り付けられている。まず、制御部は、オペレータあるいはプログラムからの入力情報に基づいて必要とするダイ22を選択すべく、モータ11を回転させ、必要とするダイ22が第二ターレット25側を向くよう位置決めを行う。
【0024】
一方、第二のターレット25には、同じ三つのパンチ27,…が取り付けられている。まず、制御部は、第二のターレット25を処理位置(三等分なので、処理位置は120度単位で三つ存在する)に位置決めする。そして、パーツフィーダ30によって装填位置にあるパンチ27に穿孔リベット1を供給する。
【0025】
尚、パンチ27の環状部材29は、その内径が穿孔リベット1の頭部3の外径よりも僅かに小さくなっているが、パーツフィーダ30から排出される穿孔リベット1は、ある程度の運動エネルギーを有しているため、環状部材29内を進み、その頭部3が本体部材28の先端に当接した状態で着座され、また、着座した後は、その頭部3が環状部材29によって保持されるため、第二のターレット25の回転によってパンチ27から不用意に離脱することはない。この構成によって、穿孔リベット1は正しい姿勢で保持され、かしめ処理時の不具合を好適に防止できる。
【0026】
供給が済めば、制御部は、第二のターレット25を120度回転させ、穿孔リベット1が装填されたパンチ27が第一のターレット20側を向くよう位置決めを行う。そして、処理位置への位置決めが済めば、制御部は、シリンダ15を作動させ、ロッド16を第一のターレット20側に進出させてかしめ処理を行う。
接合対象物は、かしめ処理に先立って第一のターレット20と第二のターレット25との間に挿入させておく。
【0027】
尚、穿孔リベット1は、パンチ27の環状部材29に一部が埋入された状態にあるが、かしめ処理に際しては、第二のターレット25が第一のターレット20側に移動してパンチ27に押圧力が働くことにより、環状部材29は軸方向に押圧変形され、穿孔リベット1が環状部材29から完全に臨出するようになっており、かしめ処理は円滑且つ確実に行われる。
【0028】
そして、かしめ処理が行われている間は、装填位置に新たなパンチ27が位置決めされていて、制御部は、次のかしめ処理の準備のためにパーツフィーダ30を作動させてパンチ27に新たな穿孔リベット1を供給する。
【0029】
このように、本実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具によれば、先のかしめ処理が行われている間に次のかしめ処理のための穿孔リベット1をパンチ27に装填しておくことができ、第二のターレット25を回転させるだけで次のかしめ処理を直ちに行うことができる。従って、従来であれば、先のかしめ処理と次のかしめ処理との間で穿孔リベット1の装填を行うことにより発生していたアイドルタイムを無くすことができ、生産性の向上を図ることができる。
【0030】
そして、途中で板厚が今までとは異なる接合対象物に切り替わる場合、制御部は、その情報を入手して他方のダイ22を選択すべく、モータ11を回転させ、他方のダイ22が第二ターレット25側を向くよう位置決めを行う。以下は同様である。しかるに、本実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具によれば、第一のターレット20を回転させるだけで次のかしめ処理を直ちに行うことができる。
従って、従来であれば、先のかしめ処理と次のかしめ処理との間でダイ22の取り替えを行うことにより発生していたアイドルタイムを無くすことができ、生産性の向上を図ることができる。
【0031】
尚、上記のように、第一のターレット20に種類の異なるダイ22を二つ取り付けておくのではなく、同じ種類のダイ22を二つ取り付けておけば、一方のダイ22が寿命により消費された時、第一のターレット20を回転させて反対側のダイ22を使用に供することができる。しかるに、本実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具によれば、この点においても生産性の向上を図ることができる。
【0032】
また、第二のターレット25に例えば六つの装着部を設け、同じ種類のパンチ27を六つ取り付け、一つ飛ばしの三つのパンチ27,…を第一群、残りの三つのパンチ27,…を第二群とし、最初は第一群のパンチ27,…をローテーションし、寿命が来れば、第二群のパンチ27,…をローテーションするようにすれば、かしめ処理を間断なく連続的に行うことができ、この点においても生産性の向上を図ることができる。
【0033】
尚、本発明に係る穿孔リベットかしめ工具は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0034】
例えば、上記実施形態において、第二のターレット25、即ち可動側のターレット25には、ダイ22を取り付け、第一のターレット20、即ち固定側のターレット20には、パンチ27を取り付けるようにしてもよい。
【0035】
あるいは、一つのターレットに、ダイ22とパンチ27とを混在させて取り付けるようにしてもよい。
【0036】
また、ターレットは、一方のみに設けてもよい。例えばダイ22側はターレット20を設けず、一つのダイ22のみを取り付けるようにし、パンチ27側はターレット25を設け、複数のパンチ27,…を取り付けるようにしてもよく、また、この逆であってもよい。
【0037】
さらに、ターレットは、固定側、即ち工具本体10側にのみ設けるようにしてもよいし、可動側、即ちシリンダ15のロッド16(ブラケット17)側にのみ設けるようにしてもよい。
【0038】
また、シリンダ15等の作動手段を工具本体10に一対設け、ダイ22とパンチ27とが相対的に接離するような構成であってもよい。さらに、ダイ22及び/又はパンチ27の作動手段は、上記実施形態の如く直線移動するものにのみ限定されず、揺動によって円弧移動するものであってもよい。
【0039】
また、上記実施形態においては、ターレットの回転面が接合対象物の挿入方向と平行する形態であるが、ターレットの回転面が接合対象物の挿入方向と直交する形態にしてターレットの回転軸を設定してもよい。これは、ターレットと接合対象物とが干渉するおそれのある場合に効果的である。
【0040】
図3は、他実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具を示す。このかしめ工具は、例えば油圧発生装置33によってダイ34をパンチ38側に移動させるものである。工具本体32の一端側には、シリンダ室32aにおけるピストン(出力部)35にダイ34が一体的に取り付けられている。一方、工具本体32の他端側には、ターレット38が回転自在に取り付けられており、該ターレット38に複数のパンチ39,…が取り付けられている。該ダイ34及びパンチ39の構成は、上記実施形態と同じである。
【0041】
【発明の効果】
以上の如く、本発明に係る穿孔リベットかしめ工具は、工具本体及び/又は作動手段の出力部に、複数の装着部を備えるターレットが回転自在に取り付けられ、それぞれ装着部に、前記ダイ又はパンチが取り付け可能に構成されてなるため、ダイ及び/又はパンチの取り替え頻度をできるだけ少なくすることができ、あるいはかしめ処理のための準備を先のかしめ処理の間に行うことができ、よって、生産性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具であって、(イ)は平面図、(ロ)は側面図、をそれぞれ示す。
【図2】同実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具の一部断面を含む側面図を示す。
【図3】他実施形態に係る穿孔リベットかしめ工具の一部断面を含む側面図を示す。
【図4】(イ)は、穿孔リベットの半断面側面図、(ロ)は、かしめ処理開始時の断面側面図、(ハ)は、かしめ処理中の断面側面図、(ニ)は、かしめ処理完了時の断面側面図、をそれぞれ示す。
【符号の説明】
1…穿孔リベット、4,5…板材(接合対象物)、10…工具本体、11,12…モータ(回転駆動手段)、15…シリンダ(作動手段)、16…ロッド(出力部)、17…ブラケット(出力部)、20,25…ターレット、21,26…装着孔(装着部)、22…ダイ、27…パンチ、30…パーツフィーダ、32…工具本体、32a…シリンダ室、33…油圧発生装置(作動手段)、34…ダイ、35…ピストン(出力部)、38…ターレット、39…パンチ

Claims (2)

  1. ダイとパンチとを相対的に接離させるべく、工具本体に作動手段を備えた穿孔リベットかしめ工具において、工具本体及び/又は作動手段の出力部に、複数の装着部を備えるターレットが回転自在に取り付けられ、それぞれ装着部に、前記ダイ又はパンチが取り付け可能に構成されてなることを特徴とする穿孔リベットかしめ工具。
  2. 複数のパンチのうちのかしめ処理に供しないパンチと向き合う位置に、パーツフィーダの穿孔リベット排出部が配置されてなることを特徴とする請求項1記載の穿孔リベットかしめ工具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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