JP4611838B2 - ピストンの製造方法およびピストン挟持装置 - Google Patents

ピストンの製造方法およびピストン挟持装置 Download PDF

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Description

本発明は、楕円形状のスカート部を有するピストンの製造方法、およびこの製造方法に用いるピストン挟持装置に関するものである。
図12に汎用の製品ピストン50を示す。この製品ピストン50は例えばアルミダイカスト製であり、上部のヘッド部51と、ヘッド部51から垂下するスカート部52とを備えている。製品ピストン50の内面には、一対のピンボス53,53が同軸心(ピンボス軸心D)で対向して形成されている。これらのピンボス53,53のピン穴54,54には、連接棒の一端を軸支するピストンピン(図外)が装着されるようになっている。一般に、製品ピストン50のスカート部52は、駆動時にエンジンシリンダ内周面とのクリアランスを一定に保持する目的で、ピンボス軸心D方向の径を短径Bとしピンボス軸心Dと直交する方向の径を長径Aとする平面視楕円形状に形成されている。
かかる楕円形状のスカート部は、従来は、旋盤の主軸に同期する「円筒カム」に倣って楕円形状を生成する倣い旋削加工により形成されていた。この倣い旋削加工法はカム一端を倣い端としカム他端を切削刃としてピストン半製品の表面を旋削するようにしたものである。
一方で、ピストン半製品をピストン軸心回りに回転させながらピストン軸心と直交するX軸に沿って移動させ、ピストン軸心と平行で且つX軸と直交するZ軸まわりに回転する刃具をZ軸に沿って往復移動させ、ピストン半製品のX軸に沿う移動速度および移動量を、予め設定された長楕円ピストンの外面形状データに基づいてNC制御するようにした非真円切削装置が下記の特許文献1に開示されている。
これら、円筒カムによる倣い旋削加工法およびNC制御による非真円切削加工法のいずれも、ピストン半製品を旋盤主軸に固定する時に外部からの圧力を受けてピストン半製品が変形するのを防止するために、予めスカート部内面に真円形状の加工基準のためのインローを加工しておき、この部分を回転力伝達治具に嵌め合わせ、同時にピストン半製品をピストン軸心方向にスカート部側から押したりピストンヘッド部側から押したりして、ピストン半製品を回転力伝達治具に押し付けて加工している。但し、これらの加工法においては、回転力を伝達する際の力、ピストン半製品を固定するための押し付け力などによってピストン半製品が弾性変形した状態で削り加工が施されることがある。
特開平5−84602号公報
ところで、上記した円筒カムによる倣い旋削加工では、製品別に円筒カムを製作しなければならない。しかしながら、円筒カムの製作そのものが高度な固有技術を持つ職人の手に依存されており、その職人の数も既に不足しているのが現状である。そのために、円筒カムの製作費用が高価にならざるを得ず、ひいてはピストン加工費の高騰につながっていた。他方、NC制御による非真円切削装置の利用では、装置自体が非常に高価であるために、元来、ピストン加工費が高価にならざるを得なかったのである。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、楕円形状のスカート部を持つピストンを、簡素な構成により簡便かつ安価に製作することのできるピストンの製造方法およびピストン挟持装置の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係るピストンの製造方法は、ピストン半製品の内面に同軸心で対向して形成された一対のピンボスの、両方の一側面と両方の他側面をピンボス軸心と略直交する方向に挟持して一対のピンボスを弾性変形させ、前記一対のピンボスを弾性変形させた状態でピストン半製品の少なくともスカート部の外周面を真円旋削したのちに、前記一対のピンボスの挟持を解除する構成にしてある。
また、前記構成において、一対のピンボスを弾性変形させる挟持力を変更可能に構成したものである。
そして、本発明に係るピストン挟持装置は、ピストン半製品の内面に同軸心で対向して形成された一対のピンボスの両方の一側面とピストン内周面との間に装入される第1チャック爪と、前記一対のピンボスの両方の他側面とピストン内周面との間に装入される第2チャック爪と、第1チャック爪と第2チャック爪を互いに近接、離間させるように駆動する爪駆動機構とを備えて成り、爪駆動機構の駆動により、第1チャック爪と第2チャック爪が一対のピンボスの両方の一側面と両方の他側面をピンボス軸心と略直交する方向に挟持して一対のピンボスを弾性変形させるようにしたものである。
更に、前記構成において、ピンボスと対向する第1チャック爪の対向面、またはピンボスと対向する第2チャック爪の対向面に、一方のピンボスの側面に当接する当接面と他方のピンボスの側面に当接する当接面を有する押力平衡部材を、ピンボス軸心と略平行方向に揺動自在に設けたものである。
本発明に係るピストンの製造方法においては、ピストン内部にある一対のピンボスの両方の一側面と両方の他側面を、所定の挟持手段を用いてピンボス軸心と略直交する方向に挟持する。挟持力によって一対のピンボスを挟み込む応力が働き、剛性の高いピストンヘッド部は弾性変形量が少なく、剛性の低いスカート部では弾性変形量は大きくなる。このことは、ピストンに求められる外周形状に一致している。このように一対のピンボスを弾性変形させた状態でピストン半製品のスカート部の外周面を、所定の旋削手段を用いて真円旋削すると、円形状のピストン半製品が得られる。その後、一対のピンボスの挟持を解除すると、ピストン半製品は自己弾性によりピンボス挟持方向と反対の方向に拡がって、スカート部が楕円形状の製品ピストンとなる。すなわち、本発明方法によれば、楕円形状のスカート部を有する製品ピストンを、従来より少ない工程によって、比較的寸法精度よく安価に製造することができる。因みに、一般に行われている旋削加工時のピストン固定方法では、ピストンスカート部のインローを基準にするため、本来ピストンの機能に関係のない部分に捨て加工を行う事が多かったのであるが、本発明においてはその部分の加工を省略できたのである。
また、一対のピンボスを挟持する挟持力を変更可能に構成した場合は、一対のピンボス延いてはピストン半製品全体の弾性変形量を調整でき、その状態で真円旋削することによって、製品ピストンのスカート部の外周面の長径と短径の比率を調整することができる。
そして、本発明に係るピストン挟持装置は、爪駆動機構の駆動により、第1チャック爪と第2チャック爪が一対のピンボスの両方の一側面と両方の他側面をピンボス軸心と略直交する方向に挟持するようになっているので、構成が比較的簡素で済み安価に提供される。かかる構成により、一対のピンボス延いてはピストン半製品全体を簡単に弾性変形させることができる。そして、このピストン挟持装置を汎用の真円旋削装置と組み合わせて使用することにより、前記した本発明のピストン製造方法を好適に実施できるのである。
更に、ピンボスと対向する第1チャック爪の対向面、またはピンボスと対向する第2チャック爪の対向面に、一方のピンボスの側面に当接する当接面と他方のピンボスの側面に当接する当接面を有する押力平衡部材を、ピンボス軸心と略平行方向に揺動自在に設けた場合は、ピストン半製品の一対のピンボスの外径に寸法差がある場合であっても、押力平衡部材がピンボス軸心と略平行方向に揺動して、両方のピンボスの一側面を均等に押圧する。これにより、片方のピンボスのみを強く押圧するといったことがなく、両方のピンボスを均等な力で挟持することができ、いびつな楕円形状のスカート部を生じるといったことがない。これにより、ピンボスの外径寸法精度に一般的なバラツキのあるピストン半製品も原料として使用することができる。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。ここに、図1は本発明の一実施形態に係るピストン挟持装置の正面図、図2は前記ピストン挟持装置の要部断面を含む側面図、図3の(a)は図2におけるR−R線矢視断面図、(b)は図2におけるQ−Q線矢視断面図である。
各図において、この実施形態に係るピストン挟持装置1は、ピストン半製品50Aの内周面50Cと一対のピンボス53,53の両方の一側面53A,53Aとの間に装入される第1チャック爪3Aと、ピストン半製品50Aの内周面50Cと一対のピンボス53,53の両方の他側面53B,53Bとの間に装入される第2チャック爪3Bと、第1チャック爪3Aと第2チャック爪3Bを互いに近接、離間させるように駆動する爪駆動機構2と、を備えている。
爪駆動機構2は、前部に作動用空間10を有し後部にシリンダ室11を有する本体ケーシング5と、本体ケーシング5の背面からシリンダ室11および作動用空間10を貫通するように本体ケーシング5の軸心Cに沿って形成された軸支穴25,25に前後摺動自在に軸支されるセンター軸8と、シリンダ室11内に配備されてセンター軸8と一体のピストン9と、作動用空間10内に配備されてセンター軸8の前端に固設された截頭円錐状のチャックウェッジ7と、後部がチャックウェッジ7の外周部と係合し前部が本体ケーシング5の前面部と係合して本体ケーシング5の径方向に移動する一対のチャック親爪6A,6Bとから構成されている。チャック爪3A,3Bはそれぞれ角棒状の基部4,4と一体に構成されている。これらの基部4,4は、それぞれボルト穴27を通されたボルト(図示省略)でチャック親爪6A,6Bの前面に固定されている。
本体ケーシング5の前面には該前面を直径方向に横切るガイド溝部15が形成されている。このガイド溝部15の開口縁には、対向する凸条部14,14が形成されている。ガイド溝部15には、チャック親爪6A,6Bの後端に形成された凸条部16が摺動自在に嵌合する。凸条部14,14はチャック親爪6A,6Bの前部両側面に形成されたガイド溝部17,17に摺動自在に嵌合する。チャックウェッジ7の外周面は、前方に縮径したテーパ面となっている。このテーパ面に、軸心C方向に沿うガイド溝部22が形成されている。ガイド溝部22の開口縁には、対向する凸条部21,21が形成されている。ガイド溝部22には、チャック親爪6A,6Bの後端に形成された凸条部19が摺動自在に嵌合する。凸条部21,21はチャック親爪6A,6Bの後部両側面に形成されたガイド溝部20,20に摺動自在に嵌合する。
センター軸8の後面には導気孔18が軸心Cに沿って形成されている。導気孔18はその前端部が連通孔23を介してシリンダ室11の前室12と連通し、導気孔18の途中で連通孔24を介してシリンダ室11の後室13と連通している。導気孔18内で連通孔23と連通孔24には、図外のエアコンプレッサから送られてきた圧搾空気28の吹込み流路が切り換えられるようになっている。
引続き、上記した実施形態1のピストン挟持装置1を用いて製品ピストンを製造する態様を説明する。まず、第1チャック爪3Aがピストン半製品50Aの一対のピンボス53,53の両方の一側面53A,53Aとピストン内周面50Cとの間に装入され、第2チャック爪3Bが一対のピンボス53,53の両方の他側面53B,53Bとピストン内周面50Cとの間に装入される。
続いて、エアコンプレッサからの圧搾空気(例えば500〜600kPa)が爪駆動機構2の導気孔18から連通孔23を経てシリンダ室11の前室12に注入される。すると、ピストン9が後向きに押圧されて、ピストン9、センター軸8、およびチャックウェッジ7が一体で後方に移動する。これにより、チャックウェッジ7がチャック親爪6Aおよびチャック親爪6Bを軸心C向きに移動させて互いに近づける。
そして、第1チャック爪3Aの両側の当接面3A1,3A2が一対のピンボス53,53の両方の一側面53A,53Aに当接し、第2チャック爪3Bの両側の当接面3B1,3B2が一対のピンボス53,53の両方の他側面53B,53Bに当接する。そして、第1チャック爪3Aの当接面3A1,3A2と第2チャック爪3Bの当接面3B1,3B2が、一対のピンボス53,53の両方の一側面53A,53Aと両方の他側面53B,53Bをピンボス軸心Dと直交する方向(2点鎖線TDに沿う矢印Eまたは矢印−E方向)に挟持して一対のピンボス53,53を僅かながら弾性変形させる。これに伴って、図4(a)に示すように、もともと底面から見て円形であったピストン半製品50Aのスカート部52A(図中1点鎖線で示す)が、底面から見て楕円形(2点鎖線TD方向の寸法A1が短径である)のスカート部52A1(図中実線で示す)に弾性変形する。
そこで、ピストン半製品50A、チャック爪3A,3B、および爪駆動機構2が図外の回転駆動装置の駆動により軸心C回り(矢印F方向)に一体回転する。この状態でピストン半製品50Aのスカート部52A1の外周面55を旋削装置の切削刃26で真円旋削すると、図4(b)に示すように、底面から見て円形のスカート部52A2(図中1点鎖線で示す)を有するピストン半製品50Bが得られる。
その後、圧搾空気28の流路を切り換えて、導気孔18から連通孔24を経てシリンダ室11の後室13に注入する。これにより、チャックウェッジ7が前進し、第1チャック爪3Aおよび第2チャック爪3Bが離れる方向(爪駆動機構2の径方向外向き)に移動し、第1チャック爪3Aおよび第2チャック爪3Bによる一対のピンボス53,53の挟持状態を解除する。すると、それまで円形であったスカート部52A2が弾性により2点鎖線TDの方向に拡がって、底面から見て楕円形(2点鎖線TD方向の寸法Aが長径である)のスカート部52(図中実線で示す)を有する製品ピストン50が得られるのである。
すなわち、このピストン製造方法によれば、円筒カムやNC制御によらない簡便な設備により、楕円形状のピストン製品を容易かつ安価に製造することができる。その際には、スカート部のインローを基準にするためにピストンの機能に関係のない部分に捨て加工を行うといった従来工程が省略される。
この場合、エアコンプレッサからの圧搾空気の圧力を高くすると、ピストン室11の前室12でピストン9にかかる圧力が高くなり、第1チャック爪3Aおよび第2チャック爪3Bの挟持力が高くなって一対のピンボス53,53の弾性変形量が大きくなる。これにより、製品ピストン50のスカート部52の長径/短径比が大きくなるのである。すなわち、このピストン挟持装置1は、一対のピンボス53,53への挟持力を変更して、製品ピストン50のスカート部52の外周面55の長径Aと短径Bの比率を調整することができる。尚、ピストン挟持装置1の回転速度を変更することによっても、遠心力が変わってピンボス53,53への挟持力を調整することが可能である。
次に、実施形態2に係る第1チャック爪および第2チャック爪を図5から図8に示す。
各図に示した第1チャック爪3Aおよび第2チャック爪3Bは、それぞれ、下部が大径で上部が小径に形成されている。第1チャック爪3Aの小径部にはピンボス軸心Dと平行する向きの収容孔30が穿設されており、第1チャック爪3Aの大径部にはDと平行する向きの収容孔32が穿設されている。収容孔30には押力平衡部材31がピンボス軸心Dと平行する方向(左右方向)に揺動自在に収容され、収容孔32には押力平衡部材33が同じく左右揺動自在に収容されている。第1チャック爪3Aには、その先端面から軸心C方向に延びて収容孔30および収容孔32を通過するピン穴34が穿設されている。押力平衡部材31の左右中央部分には貫通孔36が前後貫通して穿設され、押力平衡部材33の左右中央部分には貫通孔37が前後貫通して穿設されている。そして、ピン35が、ピン穴34、貫通孔36、および貫通孔37を通されることにより、押力平衡部材31および押力平衡部材33が収容孔30および収容孔32内にそれぞれ抜け止め保持される。
押力平衡部材31および押力平衡部材33は、収容孔30および収容孔32内で左右揺動(揺動角度αの範囲内)できるように、収容孔30および収容孔32内における孔対向面が正面から見てそれぞれ曲面に形成されている。押力平衡部材31の左右の当接面3A21,3A11と、押力平衡部材33の左右の当接面3A22,3A12は、いずれも、ピンボス53の一側面53Aと対向する第1チャック爪3Aの左右のボス対向面38Aよりもピンボス53の一側面53Aに向けて突出するように配置されている。一方、ピンボス53,53の他側面53B,53Bと対向する第2チャック爪3Bの左右のボス対向面38B,38Bには突起部29,29が形成されている。これら突起部29,29の当接面3B21,3B11は、いずれも、ピンボス53,53の他側面53B,53Bに向けてボス対向面38B,38Bから突出している。この場合、軸心C方向に関して、突起部29,29の位置は第1チャック爪3Aにおける押力平衡部材31と押力平衡部材33の間に配置されている。
この実施形態2の第1チャック爪3Aおよび第2チャック爪3Bを用いたピストン挟持装置によると、押力平衡部材を持たない実施形態1のピストン挟持装置1と同様の作用効果を奏することはいうまでもない。そのうえで、ピストン半製品50Aの2つのピンボス53,53の外径に寸法差がある場合であっても、押力平衡部材31,33がピンボス軸心Dと平行方向に揺動して、一対のピンボス53,53の一側面を均等に押圧する。これにより、片方のピンボス53のみを強く押圧するといったことがなく、両方のピンボス53,53を均等な力で挟持することができる。このとき、押力平衡部材33は、収容孔32の内壁の点P2(図8(a))で示す位置と接する部位を支点とし当接面3A12,3A22を力点として作用する。また、押力平衡部材31は収容孔30の内壁の点P1(図8(b))で示す位置と接する部位を支点とし当接面3A11,3A21を力点として作用する。
一方、ピンボス軸心Dと直角の方向に関しては、一方のピンボス53が、第1チャック爪3A側の押力平衡部材31,33の当接面3A21,3A22と、第2チャック爪3B側の突起部29の当接面3B21とで3点挟持され、残りのピンボス53が、第1チャック爪3A側の押力平衡部材31,33の当接面3A11,3A12と、第2チャック爪3B側の突起部29の当接面3B11とで3点挟持される。
従って、本実施形態のピン挟持装置は、上記のように、ピンボス軸心Dと平行の方向、および直角の方向のいずれに関しても、一対のピンボス53,53を安定に且つ確実に且つ均等な力で挟持して、ピストン半製品50Aを所望度合いに弾性変形することができる。
尚、押力平衡部材31,33と同様の機能を有する押力平衡部材をチャック爪3Aに替えてチャック爪3Bに設けても構わない。その場合は、チャック爪3Bが本発明にいう第1チャック爪となり、ピンボス53,53の側面53B,53Bが本発明にいう一側面となる。
続いて、実施形態3に係る第1チャック爪および第2チャック爪を図9から図11に示す。
各図には、第1チャック爪3Aの先端部の対向面38A側に、曲率径rの円弧状に刻設された収容段部40が設けられている。この収容段部40には、同じく曲率径rの円弧板状に形成された押力平衡部材41がピンボス軸心Dと平行する方向(左右方向)に揺動自在(揺動角度α(図11(a)))に収容されている。押力平衡部材41は、一対のピンボス53,53の一側面53A,53Aに当接する各当接面3A13,3A23が第1チャック爪3Aの対向面38A,38Aから突出するように配置されている。押力平衡部材41の左右中央部分には貫通孔42が貫通して穿設されている。この貫通孔42が収容段部40に立設されたピン43に嵌装されることにより、押力平衡部材41が抜け止め保持される。
一方、第2チャック爪3Bの両側面には、一対の押力平衡部材44,44がピンボス軸心Dと直交する方向(前後方向)に揺動自在(揺動角度β(図11(b)))に設けられている。各押力平衡部材44は、ピンボス53の他側面53Bに当接する両端の当接面3B24,3B25が第2チャック爪3Bの対向面38Bよりもピンボス53に近い位置となるように配置されている。押力平衡部材44,44の前後中央部分には貫通孔45,45が貫通して穿設されている。これらの貫通孔45,45に通したボルト46,46を第2チャック爪3Bの両側面に螺止することにより、押力平衡部材44,44が抜け止め保持される。
この実施形態3の第1チャック爪3Aおよび第2チャック爪3Bを用いたピストン挟持装置によれば、押力平衡部材41の当接面3A13,3A23が両方のピンボス53,53の一側面53A,53Aに当接すると、押力平衡部材41がピンボス軸心Dと平行方向に揺動して、前記一側面53A,53Aを均等に押圧する。これにより、片方のピンボス53のみを強く押圧するといったことがなく、両方のピンボス53,53をピンボス軸心D方向に関して均等な力で挟持することができる。このとき、押力平衡部材41は収容段部40の円弧壁の点P3(図11(a))で示す位置と接する部位を支点とし当接面3A13,3A23を力点として作用する。
一方、押力平衡部材44は第2チャック爪3Bの壁の点P4(図11(b))で示す位置と接する部位を支点とし当接面3B24,3B25を力点として、ピンボス軸心Dと直角の方向に揺動する。これにより、ピンボス53の他側面53Bが軸心Cに対し傾斜していたとしても、他側面53Bの傾斜に対応して押力平衡部材44が揺動し、当接面3B24および当接面3B25が、軸心C方向に関して均等な力で他側面53Bを押圧する。
従って、この実施形態3の第1チャック爪3Aおよび第2チャック爪3Bを用いたピストン挟持装置が、押力平衡部材を持たない実施形態1のピストン挟持装置1、および、ピンボス軸心Dと平行方向に揺動する押力平衡部材を有する実施形態2のピストン挟持装置と同様の作用効果を奏することはいうまでもない。それらに加えて、押力平衡部材44が揺動し、押力平衡部材44の当接面3B24および当接面3B25が、軸心C方向に関して均等な力でピンボス53の側面を押圧して、ピンボス53を挟持し弾性変形し得るのである。
本発明の一実施形態に係るピストン挟持装置の正面図である。 前記ピストン挟持装置の要部断面を含む側面図である。 (a)は図2におけるR−R線矢視断面図、(b)は図2におけるQ−Q線矢視断面図である。 本発明の製造方法を説明する図であって、(a)は一対のピンボスを挟持して弾性変形させた状態を示し、(b)は一対のピンボスを挟持したまま真円旋削したのちに挟持を解除した状態を示す状態説明図である。 本発明の別の実施形態に係る第1および第2チャック爪の外観図である。 前記第1および第2チャック爪の側面図である。 図6におけるX−X線矢視断面および装着されたピストンの断面図である。 (a)は図7に示した第1チャック爪における下側の押力平衡部材の動作状態を示す説明図、(b)は第1チャック爪における上側の押力平衡部材の動作状態を示す説明図である。 本発明の他の実施形態に係る第1および第2チャック爪の側面図ならびに装着されたピストンの断面図である。 図9におけるY−Y線矢視断面図である。 (a)は図10に示した第1チャック爪における押力平衡部材の動作状態を示す説明図、(b)は第2チャック爪における押力平衡部材の動作状態を示す説明図である。 一般的なピストンを示す図であって、(a)は側断面図、(b)は底面図である。
符号の説明
1 ピストン挟持装置
2 爪駆動機構
3A 第1チャック爪
3B 第2チャック爪
3A11,3A12,3A13,3A21,3A22,3A23 当接面
26 切削刃
31,33,41 押力平衡部材
38A,38B ボス対向面
50 製品ピストン
50A,50B ピストン半製品
50C 内周面
52A,52A1,52A2 スカート部
53 ピンボス
53A 一側面
53B 他側面
55 外周面
A 長径
B 短径
C 回転軸心
D ピンボス軸心
−E,E 矢印
TD 1点鎖線

Claims (4)

  1. ピストン半製品の内面に同軸心で対向して形成された一対のピンボスの、両方の一側面と両方の他側面をピンボス軸心と略直交する方向に挟持して一対のピンボスを弾性変形させ、前記一対のピンボスを弾性変形させた状態でピストン半製品の少なくともスカート部の外周面を真円旋削したのちに、前記一対のピンボスの挟持を解除することを特徴とするピストンの製造方法。
  2. 一対のピンボスを弾性変形させる挟持力を変更可能に構成したことを特徴とする請求項1に記載のピストンの製造方法。
  3. ピストン半製品の内面に同軸心で対向して形成された一対のピンボスの両方の一側面とピストン内周面との間に装入される第1チャック爪と、前記一対のピンボスの両方の他側面とピストン内周面との間に装入される第2チャック爪と、第1チャック爪と第2チャック爪を互いに近接、離間させるように駆動する爪駆動機構とを備えて成り、爪駆動機構の駆動により、第1チャック爪と第2チャック爪が一対のピンボスの両方の一側面と両方の他側面をピンボス軸心と略直交する方向に挟持して一対のピンボスを弾性変形させることを特徴とするピストン挟持装置。
  4. ピンボスと対向する第1チャック爪の対向面、またはピンボスと対向する第2チャック爪の対向面に、一方のピンボスの側面に当接する当接面と他方のピンボスの側面に当接する当接面を有する押力平衡部材を、ピンボス軸心と略平行方向に揺動自在に設けたことを特徴とする請求項3に記載のピストン挟持装置。
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