JP2572849Y2 - スライド駆動用プランジャガイド装置 - Google Patents

スライド駆動用プランジャガイド装置

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JP2572849Y2
JP2572849Y2 JP1993001477U JP147793U JP2572849Y2 JP 2572849 Y2 JP2572849 Y2 JP 2572849Y2 JP 1993001477 U JP1993001477 U JP 1993001477U JP 147793 U JP147793 U JP 147793U JP 2572849 Y2 JP2572849 Y2 JP 2572849Y2
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plunger
slide
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則之 清水
正勝 志賀
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、スライド駆動用プラン
ジャガイド装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図7において、コネクティングロッド3
の大端部3Lはクラウン1内に装着されたクランク軸の
偏心部2に被嵌回転連結され、小径部3Sはプランジャ
10にピン4を介して回転連結されている。このプラン
ジャ10の下端部に連結されたスライド6は、左右方向
(図7で紙面垂直方向)の両側に設けられたスライドガ
イド(図示省略)に上下方向に移動可能に案内されてい
る。また、前後方向(図7で左右方向)もスライドガイ
ドで案内されている。なお、プランジャ10の形状は、
潤滑油を下方のスライド6側へ漏洩させないために設け
た油シール部材の形状との関係から円筒形状とされてい
る。したがって、クランク軸を回転すれば、コネクティ
ングロッド3がピン4、つまり図8の軸線Zを中心とし
て揺動運動し、プランジャ10を上下動させる。よっ
て、スライド6は上下方向にストローク運動する。
【0003】ところで、コネクティングロッド3の揺動
運動により、プランジャ10には図7,図8に示す前後
方向の水平スラスト分力fが生ずる。そこで、クラウン
1側に円環形状のホルダ5からなるプランジャガイド装
置を設け、その水平スラスト分力fを受けるものと形成
している。プランジャ10の外周面とホルダ5の内周面
との間のクリアランスCは、前後方向の水平スラスト分
力fをクラウン1で受けつつスライド6の動的精度を高
めることを考えると可能な限りにおいて小さくしたい
が、温度変化による左右方向の伸縮量を吸収させる観点
からすれば可能な限り大きい方が望ましい。特に、左右
方向に離隔配設された2つのコネクティングロッド3を
有する2ポイントプレスの場合は、左右方向のクリアラ
ンスCを一段と大きくした方がよい。かくして、従来
は、これら技術的事項を比較考量して上記クリアランス
Cを例えば50〜80μmに設定している。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかし、プランジャ1
0とホルダ5との間にクリアランスCがある限り、プレ
ス運転中に発生するプランジャ10の傾きを絶無化する
ことは不可能である。しかも、左右方向のスライドガイ
ドはスライド6の左右方向の傾きを規制しやすいが、前
後方向のスライドガイドはその構造上スライド6の左右
方向の傾きを左右方向の場合と同様に規制することは甚
だ難かしい。したがって、コネクティングロッド3の揺
動運動に基づく水平スラスト分力fによってプランジャ
10が前後方向に傾くと、そのままスライド6の傾きの
変化として現われてしまうので、スライド6の動的精度
が低下しプレス加工精度が悪くなる。
【0005】かくして、クリアランスCを上記の通りい
かに慎重に決定しても、なお一層の高精度プレス加工が
望まれる現今ではプランジャ10の前後方向の傾きによ
る影響を無視できなくなって来た。だからと言って、従
来構造のままクリアランスCを例えば10μmの如く極
小とすると、温度変化による左右方向の伸縮量を吸収で
きなくなってしまうから、摺動運動による発熱が大きく
なりスティック発生による運転続行不可能な事態を生じ
させる原因ともなる。
【0006】本考案の目的は、コネクティングロッドの
揺動運動に基づく前後方向の水平スラスト分力をプラン
ジャを介することなくクラウンで受けることができ、か
つスライドの前後方向の傾きを極小化できるスライド駆
動用プランジャガイド装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】円筒形状のプランジャと
ホルダとによる従来のプランジャガイド装置では、その
クリアランスが必然的に全周方向に同一となること及び
前後方向の水平スラスト分力はプランジャを介してホル
ダつまりクラウンに受けられることから、左右方向の伸
縮量の吸収と前後方向のプランジャの傾き抑制という相
反する技術事項を同時に解消することはできないとの分
析結果に着目し、本考案は前後方向の水平スラスト分力
をプランジャを介することなくスラストパッド乃至スラ
イダを用いて直接的にクラウンに伝達することのできる
構成としたものである。
【0008】すなわち、請求項1の考案に係るスライド
駆動用プランジャガイド装置は、コネクティングロッド
の小端部とピンで回転連結されかつクラウンに装着され
たホルダ内を上下移動可能に案内されたプランジャを介
してスライドを駆動するプレス機械のスライド駆動用プ
ランジャガイド装置であって、前記プランジャに前後方
向に伸るガイド穴を形成するとともに、このガイド穴内
に内側が前記小端部の外周面に摺接可能かつ外側が前記
ホルダの前後方向の内壁面に取付けられた平面ガイドに
摺接可能に形成されたスラストパッドを嵌装したことを
特徴とする。
【0009】また、請求項2の考案に係るスライド駆動
用プランジャガイド装置は、コネクティングロッドの小
端部とピンで回転連結されかつクラウンに装着されたホ
ルダ内を上下移動可能に案内されたプランジャを介して
スライドを駆動するプレス機械のスライド駆動用プラン
ジャガイド装置であって、前記ピンの両側に軸部を形成
するとともに、前記ホルダの該各軸部に相対する位置に
一対の縦ガイド溝を形成し、かつ該各軸部を保持すると
ともに該各縦ガイド溝内を上下移動可能でかつ水平スラ
スト分力をホルダの前後方向の受圧面に伝達可能に形成
された一対のスライダを設けたことを特徴とする。
【0010】
【作用】上記構成による請求項1の考案によれば、コネ
クティングロッドの揺動運動により発生した前後方向の
水平スラスト分力は、コネクティングロッドの小端部の
外周面に摺接しかつプランジャのガイド穴内に嵌装され
たスラストパッドを介してホルダに伝達され、かつクラ
ウンで受けられる。プランジャには水平スラスト分力が
加わらない。すなわち、プランジャとホルダとの間の前
後方向のクリアランスを極小化できるから水平スラスト
分力を下方のスライドガイドに伝達してしまうことがな
い。したがって、スライドの前後方向の傾きを非常に小
さくすることができるとともに、左右方向のクリアラン
スは従来通り大きくしてもよいので温度変化による伸縮
量を十二分に吸収でき円滑駆動を行える。
【0011】また、請求項2の考案によれば、コネクテ
ィングロッドの揺動運動により発生した前後方向の水平
スラスト分力は、コネクティングロッドの小端部を保持
するピンに伝達されかつその両側の軸部を介してスライ
ダに伝達される。ここに、スライダはホルダに設けた縦
ガイド溝内を上下動可能でかつホルダの前後方向の受圧
面に水平スラスト分力を伝達可能である。よって、プラ
ンジャには水平スラスト分力が加わらず、請求項1の考
案と同様な作用を奏する。
【0012】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。 (第1実施例) 図1は横断面図、図2は図1の矢視線−に基づく縦
断面図である。したがって、図2の縦軸線Vを中心とし
た左側と右側とは別個の断面である。本スライド駆動用
プランジャガイド装置は、基本的構造が従来例(図7,
図8)と同様な構造とされ、かつコネクテシングロッド
3の揺動運動により生ずる前後方向の水平スラスト分力
fをクラウン1側に伝達するスラストパッド20を設
け、水平スラスト分力fをプランジャ10を介すること
なくクラウン1で受けられるように構成し、かつ左右方
向のクリアランスCを大きくしたまま前後方向の実質的
なクリアランスを極小化し、結果としてスライドの前後
方向の傾きを非常に小さくすることができるように形成
している。
【0013】図1において、コネクティングロッド3の
小端部3Sとプランジャ10とはピン4を介して回転連
結され、このプランジャ10の下端部は図2のボルト6
Bでスライド6に取付けられている。また、プランジャ
ガイド装置の一部を形成する円筒形状のホルダ5は、ク
ラウン1の穴に嵌挿されかつ図2に示すリテーナー26
で上下方向の位置が拘束されている。リテーナー26
は、ボルト26Bでクラウン1に固着される。27は、
円環形状の油シール部材である。
【0014】プランジャ10のピン4に対応しかつ水平
スラスト分力fに対抗する位置(図2)には、前後方向
に伸るガイド穴11が設けられている。各ガイド穴11
は、丸穴の貫通口とされ、スラストパッド20を嵌装す
ることができる。
【0015】一方、ホルダ5の前後方向の内壁面には、
図1に示すように、前後一対の凹部5Dが設けられ、こ
の各凹部5Dには図2に示す如く上下方向に伸る平板形
状のガイド部材(平面ガイド)25がボルト5Bで受圧
面5Fに取付けられている。各ガイド部材25は、実質
的な受圧面の拡大,プランジャ10の前後方向の傾き防
止,スラストパッド20との摺動摩擦抵抗の軽減のため
に設けられている。なお、プランジャ10の外周面とホ
ルダ6の内周面との間のクリアランスCは、従来通りの
大きな値(例えば80μm)である。
【0016】ここに、各スラストパッド20は、その内
側がコネクティングロッド3の小端部3Sの外周面に摺
接可能な対応形状とされている。すなわち、小端部3S
の外周面とスラストパッド20の内側面とは、図3に示
す如く、球面形状に形成されている。これに対し、外側
はガイド部材25と面接触可能な平面形状とされてい
る。スラストパッド20は外径がDとされ、中心部に内
径dの穴が設けられている。また、球面はピン4の軸線
Zを中心とした半径rである。かくして、コネクティン
グロッド3の小端部3Sの外周面と受圧面5Fとの間の
前後方向の実質的クリアランスを、例えば10μm以下
とすることができる。
【0017】かかる構成の第1実施例では、クランク軸
を回転させると、コネクティングロッド3が図1に示す
ピン4の軸線Zを中心に揺動運動するので、プランジャ
10をホルダ5内で上下動できる。つまり、スライド6
を上下ストローク運動させプレス加工できる。この際、
プランジャ10の外周面とホルダ5の受圧面5Fとの間
の実質的クリアランスは、スラストパッド20を介して
摺接されているので10μm以下と非常に小さい。した
がって、プランジャ10を介して下方のスライドガイド
に伝達される水平スラスト分力fを極小に抑制できる。
よって、スライド6が前後方向に傾かないので高精度加
工でき、また、スライド6とスライドガイドとの摺動が
円滑に行われる。
【0018】すなわち、コネクティングロッド3の揺動
運動により発生する前後方向の水平スラスト分力fは、
プランジャ10を介することなく、各スラストパッド2
0,ガイド部材25を介してホルダ5(クラウン1)側
に直接的に受けられる。したがって、スライド6の前後
方向の実質的クリアランスを極小としながら下方のスラ
イド6へ伝達される水平スラスト分力fを最小化しスラ
イド6の前後方向の傾きを無くし、かつプランジャ10
とホルダ5との全周方向(特に、左右方向)のクリアラ
ンスCを大きくとれるから、左右方向の伸縮量を吸収し
円滑なスライド駆動ができる。
【0019】しかして、この第1実施例によれば、プラ
ンジャ10に前後方向に伸るガイド穴11を形成すると
ともに、ガイド穴11内に内側がコネクティングロッド
3の小端部3Sの外周面に摺接可能かつ外側がホルダ5
の内壁面(受圧面5F)に取付けられた平面ガイド(2
5)に摺接可能に形成されたスラストパッド20を嵌装
した構成とされているので、コネクティングロッド3の
揺動運動により発生される前後方向の水平スラスト分力
fをプランジャ10を介することなくスラストパッド2
0を通してクラウン1で受けられるから、プランジャ1
0の外周面とホルダ5の内周面とのクリアランスCを従
来通り大きく(例えば80μm)したまま前後方向の実
質的クリアランスを極小(例えば10μm以下)にする
ことができる。よって、プランジャ10を介してスライ
ド6に伝達される水平スラスト分力fを極小化できるか
ら、下方のスライドガイドによってスライド6の前後方
向の傾きを非常に小さく抑えられるのでスライド6の姿
勢を正しく保て高精度プレス加工できるとともに、温度
変化による左右方向の伸縮量を安定して吸収できるから
円滑なスライド駆動ができる。
【0020】また、スラストパッド20が、小端部3S
の外周面と水平ガイド(25)とに摺接可能な一体構造
とされているので、大きな水平スラスト分力fを安定し
て受けることができる。
【0021】スラストパッド20による水平スラスト分
力fの受圧作用とホルダ5によるプランジャ10の上下
動ガイド作用とを分離する構成とされているから、上下
動ガイド作用による発熱を非常に小さく抑えられる。こ
の点からも、高精度加工できる。
【0022】(第2実施例) 第2実施例は、図4(横断面図)および図5(縦断面
図)に示される。すなわち、この第2実施例は、プラン
ジャ10に嵌挿されたピン4をスライダ30を介してホ
ルダ5に上下方向移動可能に保持させ、かつ水平スラス
ト分力fを直接にクラウン1に受けさせる構成としてい
る。
【0023】図4において、ピン4の左右方向の両側に
は軸部4Sが設けられ、ホルダ5の縦ガイド溝5G内に
突出する。各スライダ30は、図6に示す形態とされ、
縦ガイド溝5G内を上下移動可能に形成されている。
【0024】すなわち、水平スラスト分力fを、プラン
ジャ10を介することなく、ピン4の軸部4S,スライ
ダ30を介してホルダ5(受圧面5F)に伝達すること
ができる。したがって、ホルダ5の内周面とプラジャ1
0の外周面との間のクリアランスCを従来例(50〜8
0μm)としたまま前後方向の実質的クリアランスを、
スライダ30の寸法により、例えば10μm以下とする
ことができる。よって、第1実施例の場合と同様な作用
効果を奏することができる。
【0025】
【考案の効果】請求項1の考案によれば、プランジャに
前後方向に伸るガイド穴を形成するとともに、ガイド穴
内に内側がコネクティングロッドの小端部の外周面に摺
接可能かつ外側がホルダの内壁面に取付けられた平面ガ
イドに摺接可能に形成されたスラストパッドを嵌装した
構成とされているので、コネクティングロッドの揺動運
動により発生される前後方向の水平スラスト分力をプラ
ンジャを介することなくスラストパッドを通してクラウ
ンで受けられるから、プランジャの外周面とホルダの内
周面とのクリアランスを従来通り大きく(例えば80μ
m)したまま前後方向の実質的クリアランスを極小(例
えば10μm以下)にすることができる。よって、プラ
ンジャを介してスライドに伝達される水平スラスト分力
を極小化できるから、下方のスライドガイドによってス
ライドの前後方向の傾きを非常に小さく抑えられる。そ
の結果、スライドの姿勢を正しく保って高精度プレス加
工できるとともに、温度変化による左右方向の伸縮量を
安定して吸収でき円滑なスライド駆動ができる。
【0026】また、請求項2の考案によれば、ピンの両
側に設けた軸部を保持するとともにホルダの縦ガイド溝
内を上下動可能で水平スラスト分力をホルダの受圧面に
伝達可能なスライダを設けた構成であるから、水平スラ
スト分力をプランジャを介さずスライダを介してホルダ
に伝達できる。よって、請求項1の考案と同様な効果を
奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例を示す横断面図である。
【図2】同じく、図1の矢視線−に基づく縦断面図
である。
【図3】同じく、スラストパッドを示す断面図である。
【図4】第2実施例を示す横断面図である。
【図5】同じく、要部の縦断面図である。
【図6】同じく、スライダを示す外観斜視図である。
【図7】従来例を説明するための図である。
【図8】同じく、横断面図である。
【符号の説明】
1 クラウン 2 クランク軸の偏心部 3 コネクティングロッド 3L 大端部 3S 小端部 4 ピン 4S 軸部 5 ホルダ 5D 凹部 5F 受圧面(内壁面) 5G 縦ガイド溝 6 スライド 10 プランジャ 11 ガイド穴 20 スラストパッド 25 ガイド部材(平面ガイド) 26 リテーナー 30 スライダ C クリアランス f 前後方向の水平スラスト分力 Z ピンの軸線

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクティングロッドの小端部とピンで
    回転連結されかつクラウンに装着されたホルダ内を上下
    移動可能に案内されたプランジャを介してスライドを駆
    動するプレス機械のスライド駆動用プランジャガイド装
    置であって、 前記プランジャに前後方向に伸るガイド穴を形成すると
    ともに、このガイド穴内に内側が前記小端部の外周面に
    摺接可能かつ外側が前記ホルダの前後方向の内壁面に取
    付けられた平面ガイドに摺接可能に形成されたスラスト
    パッドを嵌装したことを特徴とするスライド駆動用プラ
    ンジャガイド装置。
  2. 【請求項2】 コネクティングロッドの小端部とピンで
    回転連結されかつクラウンに装着されたホルダ内を上下
    移動可能に案内されたプランジャを介してスライドを駆
    動するプレス機械のスライド駆動用プランジャガイド装
    置であって、 前記ピンの両側に軸部を形成するとともに、前記ホルダ
    の該各軸部に相対する位置に一対の縦ガイド溝を形成
    し、かつ該各軸部を保持するとともに該各縦ガイド溝内
    を上下移動可能でかつ水平スラスト分力をホルダの前後
    方向の受圧面に伝達可能に形成された一対のスライダを
    設けたことを特徴とするスライド駆動用プランジャガイ
    ド装置。
JP1993001477U 1993-01-25 1993-01-25 スライド駆動用プランジャガイド装置 Expired - Lifetime JP2572849Y2 (ja)

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