JP2022088743A - 吸収体 - Google Patents

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Abstract

【課題】着用者の動きが激しい場合においても、着用者の身体に沿って変形しやすく、且つ、吸収性能の低下を防止する吸収体に関する。【解決手段】吸収体は、左右一対の後方切り欠きと、左右一対の後方圧搾部とを備える。吸収体は、着用者の前後方向に対応する縦方向と、該縦方向に直交する着用者の左右方向に対応する横方向と、縦方向及び横方向に直交する厚み方向を有する。吸収体は、着用者の排泄部と対向する吸収体中央領域と、該吸収体中央領域より前方に位置する吸収体前方領域と、吸収体中央領域より後方に位置する吸収体後方領域とを有する。左右一対の後方切り欠きは、吸収体中央領域と吸収体後方領域の境界近傍の、左右両側縁に、横方向内側に向かって延びる。左右一対の後方圧搾部は、左右一対の後方切り欠きにより挟まれた第1の領域から、後方に向かうに従って前記吸収体の横方向中央に向かうように延びる。【選択図】図4

Description

本発明は、生理用ナプキン等の吸収性物品に用いられる吸収体に関する。
特許文献1には、吸収性物品全体にそれを捩れさせようとする力が作用した場合でも、着用者の身体への吸収性物品の追従性を高める観点から、吸収体の両側縁から横方向の内側へ延びる変形誘導部を有する吸収性物品が記載されている。
特開2020-5845号公報
着用者の動きが激しい場合、身体に沿って吸収性物品が十分に追従できず、着用者に対して違和感を与える場合があった。また、着用者の動きによって、吸収性物品の排泄部対向領域が捩れると、着用者の排泄部と吸収性物品との間に隙間が生じて液漏れが生じやすく、吸収性能が低下する。
本発明の課題は、着用者の動きが激しい場合においても、着用者の身体に沿って変形しやすく、且つ、吸収性能の低下を防止する吸収体に関する。
本発明の一形態に係る吸収体は、左右一対の後方切り欠きと、左右一対の後方圧搾部とを備える。
上記吸収体は、着用者の前後方向に対応する縦方向と、該縦方向に直交する着用者の左右方向に対応する横方向と、上記縦方向及び横方向に直交する厚み方向を有する。
上記吸収体は、着用者の排泄部と対向する吸収体中央領域と、該吸収体中央領域より前方に位置する吸収体前方領域と、上記吸収体中央領域より後方に位置する吸収体後方領域とを有する。
上記左右一対の後方切り欠きは、上記吸収体中央領域と上記吸収体後方領域の境界近傍の、左右両側縁に、横方向内側に向かって延びる。
上記左右一対の後方圧搾部は、上記左右一対の後方切り欠きにより挟まれた第1の領域から、後方に向かうに従って前記吸収体の横方向中央に向かうように延びる。
以上のように、本発明の吸収体によれば、着用者の動きに追従して着用者の体に沿って変形しやすく、且つ、吸収性能の低下を防止することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る吸収性物品を示す平面図である。 図1のII-II線で切断した断面図である。 図1のIII-III線で切断した断面図である。 図1の吸収性物品の一部を構成する吸収体の平面図である。 本発明の実施形態に係る吸収体の変形例の平面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。
<ナプキンの全体構成>
本発明の吸収体4を備える吸収性物品1は、図1に示すように、本体Mと、一対のウイング部Wを備える。吸収性物品1は、生理用ナプキンとして構成され、以下、ナプキン1と称する。
ナプキン1は、着用者の前後方向に対応する縦方向Xと、着用者の左右方向に対応し縦方向Xに直交する横方向Yとを有する。さらに、ナプキン1は、縦方向X及び横方向Yの双方に直交する厚み方向Zを有する。なお、本明細書では、厚み方向Zに関しては、着用時に着用者の肌に近い側を上又は肌側、着衣に近い側を下又は非肌側という事がある。ここでいう「着用時」は、通常の適正な着用位置、すなわち吸収性物品の正しい着用位置が維持された状態を意味する。また、本明細書において、「平面視」とは、厚み方向Zから見た平面視を意味する。
本体Mは、縦方向Xに沿って延び、着用時に着用者の着衣の内面にナプキン1の非肌側面1bに配された粘着部(図示せず)によって固定される。本体Mは、後述する吸収体4を有しており、着用者の経血等の液状物(以下、「液」とも称する)を吸収する機能を有する。
本体Mは、縦方向Xに沿って、前方部M1と、中央部M2と、後方部M3と、に区分される。
中央部M2は、着用時に着用者の排泄部に対向する排泄部対向領域である。図1において、中央部M2は、本体Mにおけるウイング部Wの前後基端部間の領域である。
前方部M1は、中央部M2の前方(着用者の腹側)に配置される領域であり、着用時に着用者の排泄部の前方に対向するように構成される。
後方部M3は、中央部M2の後方(着用者の背側)に配置される領域であり、装着時に着用者の排泄部の後方に対向するように構成される。
ウイング部Wは、本体Mの中央部M2から横方向Y外側に突出する。ウイング部Wは、着用時に着用者の着衣の外面にナプキン1の非肌側面1bに配された粘着部(図示せず)によって固定される。
図2及び3に示すように、ナプキン1は、吸収体4と、表面シート2と、裏面シート3と、一対のサイドシート5と、を備える。本体Mにおいて、ナプキン1は、裏面シート3、吸収体4及び表面シート2が厚み方向Zに積層された構成を有する。これらの構成は、例えば、接着剤やヒートシール等による接合、及び後述する圧搾部によるエンボス加工等によって、適宜接合されて一体化している。
図1~3に示すように、吸収体4は、縦方向Xに沿って延び、表面シート2と裏面シート3との間に配置される。吸収体4は、排泄された液を表面シート2側の面から吸収し、内部で拡散させて当該液を保持する。
吸収体4は、吸収性コア41と、コアラップシート42と、を有する。
吸収性コア41は、吸収性材料で構成される。例えば、吸収性材料は、パルプ繊維等の親水性繊維で構成された繊維集合体でもよいし、当該繊維集合体に吸水性ポリマーを保持させたものでもよい。
コアラップシート42は、吸収性コア41を被覆し、例えば吸収性コア41の形状を保持する機能等を有する。コアラップシート42は、例えばティッシュペーパー状の薄く柔らかい紙や液透過性の不織布等で形成される。
吸収体4の詳細な構成については後述する。
表面シート2は、液透過性を有する。表面シート2は、吸収体4の肌側面4aに位置し、吸収体4の厚み方向Z上方に配置される。表面シート2を形成するシート材は、吸収性物品の表面シートとして適用可能なものであれば特に限定されない。なお、表面シート2と吸収体4との間には、表面シート2から吸収体4への液の透過性の向上、吸収体4に吸収された液の表面シート2への液戻りの防止等の観点から、セカンドシートが配置されていてもよい。
裏面シート3は、吸収体4の非肌側面4bに位置し、吸収体4の厚み方向Z下方に配置される。裏面シート3は、例えばその周縁において、表面シート2及びサイドシート5と、吸収体4を介さずに熱シール等によって接合される。裏面シート3は、接着剤等によって吸収体4に接合されていてもよい。
裏面シート3は、例えば、液難透過性、水蒸気透過性及び撥水性等の機能を有するシート材で形成される。当該シート材としては、例えば熱可塑性樹脂のフィルムや、当該フィルムと不織布とのラミネート等を用いることができる。
裏面シート3の非肌側面には、例えば、ナプキン1を着衣に対して固定させる粘着部(図示せず)が設けられている。
粘着部は、例えば、裏面シート3に所定のパターンで粘着剤を塗工することにより形成される。粘着部に用いられる粘着剤として、好ましくは、ゴム系、オレフィン系、エチレン酢酸ビニル(EVA)系等のホットメルト粘着剤が用いられる。
本実施形態において、粘着部は、本体Mと、ウイング部Wとにそれぞれ設けられる。
一対のサイドシート5は、表面シート2の横方向Y外側に配置される。サイドシート5は、表面シート2よりも親水性の小さいシート材料が好ましく、例えば不織布で形成される。
<吸収体の構成>
[吸収体の外形形状]
図4を用いて吸収体4の外形形状について説明する。吸収性コア41は平面視で吸収体4の外形形状とほぼ同じ形状であり、以下の吸収体4の外形形状の説明は、吸収性コア41の外形形状に関する説明ともいえる。
図4に示すように、吸収体4は、吸収体前方領域Fと、吸収体中央領域Cと、吸収体後方領域Rと、を有する。
吸収体前方領域F、吸収体中央領域C及び吸収体後方領域Rは、縦方向Xに沿って並んでいる。吸収体中央領域Cは、吸収体前方領域Fと吸収体後方領域Rの間に位置する。吸収体4は、吸収体4を幅方向(横方向Y)に二等分する横方向Y中央に位置する縦中心線CLに関して左右対称な平面形状を有する。
吸収体前方領域F、吸収体中央領域C及び吸収体後方領域Rは、それぞれ、ナプキン1における前方部M1、中央部M2及び後方部M3に位置する部位である。吸収体前方領域F及び吸収体後方領域Rは、着用時に、着用者の排泄部の前方及び後方にそれぞれ対向する。吸収体中央領域Cは、着用者の排泄部に対向する。
図4に示すように、吸収体4は、縦方向Xに沿う左側縁47a及び右側縁47bを有する。
平面視において、吸収体4は、左右両側縁47a、47bに、左右一対の後方切り欠き51と、左右一対の前方切り欠き52を有する。吸収体4は、計4つの切り欠きを有する。一対の後方切り欠き51及び一対の前方切り欠き52は、それぞれ、吸収体4の横方向Yにおける左右両側縁47a、47bそれぞれから横方向Y内側に向かって延びる形状に形成される。「切り欠きが横方向Yにおける左右両側縁47a、47bから横方向Y内側に向かって形成される」とは、切り欠きが全体として横方向Y内側に向かって延びていることを意味し、横方向Yと平行に延びている態様に限定されない。
図4において、平面視で、後方切り欠き51により形成される後方切り欠き領域に符号51Sを付し、前方切り欠き52により形成される前方切り欠き領域に符号52Sを付す。
本実施形態の吸収体4では、一対の後方切り欠き領域51S及び一対の前方切り欠き領域52Sは略半円状を有しているが、形状はこれに限定されず、例えば、略多角形状であってもよい。
本明細書において、吸収体4に設けられる「切り欠き」とは、該切り欠きによって吸収体4に形成される切り欠き領域が、側縁47a、47bにおいて、吸収性コア41を構成する吸収性材料が全く存在しない、つまり吸収性材料の坪量がゼロの領域を意味する。「吸収性材料が存在しない」とは、吸収性コアの本体は存在しないが、吸収性コア41の周縁から外方へ突出した繊維や、吸収性コア41から分離した吸収性材料の一部が若干存在している態様を含む。
吸収体4において、左右一対の後方切り欠き51により挟まれた領域を第1の領域81といい、左右一対の前方切り欠き52により挟まれた領域を第2の領域82という。第1の領域81及び第2の領域82は、縦方向Xに幅を持った、横方向Yに延びる線状を有する。図4において、第1の領域81及び第2の領域82をドットで示している。
平面視で、一対の後方切り欠き51と一対の前方切り欠き52とは縦方向Xに間欠配置される。
一対の後方切り欠き51は、吸収体4における吸収体中央領域Cと吸収体後方領域Rの境界近傍、ナプキン1における中央部M2と後方部M3の境界近傍に設けられる。本実施形態の吸収体4では、一対の後方切り欠き51は、吸収体4における吸収体後方領域Rに設けられ、ナプキン1における後方部M3に位置する。
一対の前方切り欠き52は、吸収体4における吸収体前方領域Fと吸収体中央領域Cの境界近傍、ナプキン1における前方部M1と中央部M2との境界近傍に設けられる。本実施形態の吸収体4では、一対の前方切り欠き52は、吸収体4における吸収体前方領域Fに設けられ、ナプキン1における前方部M1に位置する。
ナプキン1において、後方切り欠き51は縦方向Xにおける後方に位置し、前方切り欠き52は前方に位置する。
本明細書において、「境界近傍」とは、境界自身と、境界から縦方向Xに20mm以内の領域を含む。該領域内に第1の領域81(第2の領域82)が位置するように、左右一対の後方切り欠き51(前方切り欠き52)は設けられる。これにより、第1の領域81と第2の領域82の間にほぼ排泄部対向領域が位置する構成となる。
後方切り欠き51及び前方切り欠き52は、それぞれ、吸収体4を縦方向Xに沿って吸収体前方領域Fから吸収体後方領域Rに向けて幅(横方向Yにおける寸法)をみたとき、該幅が減少した後増加する部位である。左側縁47aにおける後方切り欠き51と、右側縁47bにおける後方切り欠き51とは、吸収体4を縦方向Xに沿ってみたとき、同じ位置に位置している。前方切り欠き52に関しても同様である。
本実施形態の吸収体4では、第1の領域81及び第2の領域82を除く領域の幅(横方向Yにおける寸法)は、縦方向Xに沿ってほぼ一定に構成される。吸収体4において、第1の領域81及び第2の領域82は、他の領域と比較して幅が狭い領域となっている。
後方切り欠き51及び前方切り欠き52は、ナプキン1の着用時、着用者の動き等に伴って吸収体4に力が加わった際、吸収体4の縦方向Xに伝播されるよれあるいは応力に緩衝してその影響力を低下させる機能を有する。これにより、吸収体前方領域F、吸収体中央領域C、吸収体後方領域Rでよれが生じても、そのよれが吸収体4の全体に波及しがたく、吸収体4におけるよれ、ひいてはナプキン1におけるよれが効果的に防止される。
吸収体4において、後方切り欠き領域51S及び前方切り欠き領域52Sには、コアラップシート42が存在していてもよいし、存在していなくてもよい。吸収体前方領域F、吸収体中央領域C、吸収体後方領域Rそれぞれでのよれが吸収体4全体へより波及しにくくする観点から、後方切り欠き領域51S及び前方切り欠き領域52Sにコアラップシート42が存在していないことがより好ましい。
本実施形態では、吸収体4において、後方切り欠き領域51S及び前方切り欠き領域52Sにコアラップシート42が存在していない例をあげている。
図3及び4に示すように、吸収体4の肌側面4aには、後方圧搾部6及び前方圧搾部7が設けられている。これら圧搾部については後述する。
[吸収性コアの構成]
図2及び4に示すように、吸収性コア41は、高剛性部43と、低剛性部44と、を有する。
高剛性部43は、吸収体中央領域Cの横方向Y中央部に位置する。
低剛性部44は、前方低剛性部44Fと、中央低剛性部44Cと、後方低剛性部44Rを有する。尚、これらを特に区別する必要がない場合は、低剛性部44という。前方低剛性部44Fは、吸収体4における吸収体前方領域F、ナプキン1における前方部M1に位置する。後方低剛性部44Rは、吸収体4における吸収体後方領域R、ナプキン1における後方部M3に位置する。中央低剛性部44Cは、吸収体中央領域Cにおいて高剛性部43を間に介して左右両側方部に位置し、ナプキン1における中央部M2に位置する。
高剛性部43は、低剛性部44よりも、吸収性コア41を構成する吸収性材料の目付が高い、又は、厚みが厚い、又は、吸収性材料の目付が高く、且つ、厚みが厚い。これにより、高剛性部43は、低剛性部44よりも剛性が高くなっている。
本実施形態の吸収体4では、高剛性部43は、低剛性部44よりも、吸収性材料の目付が高く、且つ、厚みが厚くなっており、厚み方向Z上方に突出した形状となっている。高剛性部43が、吸収性コア41の他の領域である低剛性部44と比較して、高い坪量で肉厚に構成されることにより、吸収体中央領域Cにおける液吸収性を高めることができる。また、着用者の排泄部に対向して突出した形状に高剛性部43が構成されることで、着用者の排泄部に対するフィット性をより高めることができる。
高剛性部43及び低剛性部44の坪量の一例をあげるが、これに限定されない。
高剛性部43の坪量は、好ましくは200g/m以上、より好ましくは300g/m以上であり、好ましくは1000g/m以下、より好ましくは900g/m以下である。
低剛性部44の坪量は、好ましくは100g/m以上、より好ましくは200g/m以上であり、好ましくは500g/m以下、より好ましくは400g/m以下である。
[圧搾部の構成]
図1及び3に示すように、ナプキン1において、本体Mの表面シート2側には、左右一対の前方圧搾部70及び左右一対の後方圧搾部60が形成されている。
圧搾部60及び70は、本体Mの表面シート2側から厚み方向Zに圧搾加工することによって形成され、表面シート2及び吸収体4が裏面シート3側に向かって一体的に凹陥した構成を有する。圧搾部60及び70は、熱を伴うか又は伴わない圧搾加工、あるいは超音波エンボス等のエンボス加工により常法に従って形成することができる。圧搾部60及び70では、表面シート2及び吸収体4が熱融着等により一体化している。図1に示すように、圧搾部60及び70は、平面形状が略四角形の複数の凹陥部90が間欠的に配されて列をなし全体的に連続した線として見做せる線状となっている。
これにより、図4に示すように、吸収体4においても、肌側面4aに、後方圧搾部60の一部を構成する後方圧搾部6と、前方圧搾部70の一部を構成する前方圧搾部7が形成される。圧搾部6及び7は、凹陥部90の一部を構成する凹陥部9が間欠的に配されて列をなし全体的に連続した線として見做せる線状となっている。
吸収体4において、前方圧搾部7及び後方圧搾部6は、コアラップシート42と吸収性コア41が非肌側面に向かって一体的に凹陥した構成を有する。ナプキン1における後方圧搾部60及び前方圧搾部70それぞれと、吸収体4における後方圧搾部6及び前方圧搾部7それぞれは、平面視でほぼ同一の形状を有している。
後方圧搾部6は、吸収体4における吸収体後方領域R、ナプキン1における後方部M3に位置する。前方圧搾部7は、吸収体4における吸収体前方領域F、ナプキン1における前方部M1に位置する。
後方圧搾部6及び前方圧搾部7は圧搾加工により形成され、他の圧搾されていない領域と比較して剛性が高い。このため、後方圧搾部6及び前方圧搾部7は、吸収体4が外力を受けた場合に、周囲の低剛性の領域の変形を促す変形起点や、該外力に対する抗力を発揮する部分として機能し得る。
また、後方圧搾部6及び前方圧搾部7は、周囲の領域と比較して繊維の密度が高くなるため、毛管作用によって排泄された液を吸液及び保持することができる。これにより、後方圧搾部6及び前方圧搾部7は、吸収体4の外方への液の漏れを防止する防漏作用も有する。
図4に示すように、吸収体4において、左側にある後方圧搾部6を左側後方圧搾部6aといい、右側にある後方圧搾部6を右側後方圧搾部6bといい、特に両者を区別しない場合は後方圧搾部6という。同様に、左側にある前方圧搾部7を左側前方圧搾部7aといい、右側にある前方圧搾部7を右側前方圧搾部7bといい、特に両者を区別しない場合は前方圧搾部7という。
一対の後方圧搾部6及び一対の前方圧搾部7は、それぞれ、縦方向Xに線状に延びる。
圧搾部における「線状」は、形状が平面視において直線状の態様に限られず、曲線状の態様や、直線状部分と曲線状部分とからなる態様を含む。また、「縦方向Xに延びる」とは、縦方向Xに完全に平行な態様に限られず、前方から後方に向かって延びていればよい。
上述したように、後方圧搾部6及び前方圧搾部7は、平面形状が略四角形の複数の凹陥部9が間欠的に配されて列をなし全体的に連続した線として見做せる線状となっている。
圧搾部における「連続」した線状とは、連続した線状の凹陥部によって圧搾部が形成される態様と、本実施形態のように不連続な複数の各凹陥部が近接して配置されて列をなした集合体によって圧搾部が形成され、全体的に連続した線と見做せる態様と、を含む。圧搾部は、1つの連続した線状の凹陥部によって構成されていてもよい。不連続な複数の凹陥部の集合体によって圧搾部が形成される場合、該凹陥部の平面形状は、例えば、本実施形態で示す四角形状の他、円形状、楕円形状、多角形状、その他の形状から選ばれる1種又は2種以上を選択することができる。
また、圧搾部において、「各凹陥部が近接して配置される」とは、具体的には、隣接する凹陥部の最も近接した部分間の距離が3mm未満となるように配置されることをいう。
(後方圧搾部)
吸収体4において、左側後方圧搾部6aと右側後方圧搾部6bとは、離間していても離間していなくてもよいが、ナプキンの剛性を下げ変形しやすくするためには、離間している方が好ましい。図4では、吸収体4において、左側後方圧搾部6aと右側後方圧搾部6bとは離間しており、互いが連結していると見做せる線状には形成されていない。圧搾部において、「離間している」とは、左側後方圧搾部6aと右側後方圧搾部6bの最も近接した部分間の距離が3mm以上となるように配置されることをいう。後述する前方圧搾部7においても同様である。
左側後方圧搾部6aと右側後方圧搾部6bとは、縦中心線CL(横方向Y中央)に関して左右対称に構成される。
図4において、左側後方圧搾部6aは、吸収体4の縦中心線CLよりも左側の領域4Lに位置し、右側後方圧搾部6bは、縦中心線CLよりも右側の領域4Rに位置する。
左側後方圧搾部6aは、後方に向かうにしたがって縦中心線CLに向かうように延びている。右側後方圧搾部6bは、後方に向かうにしたがって縦中心線CLに向かうように延びている。左側後方圧搾部6a及び右側後方圧搾部6bは、いずれも、縦中心線CLを超えて反対側の領域まで延びて位置していない。
左側後方圧搾部6a及び右側後方圧搾部6bは、それぞれ、後方にいくにしたがって曲率が徐々に大きくなる、全体的に緩やかに湾曲した形状を有している。
図4において、左側後方圧搾部6aの後端部61aから左側後方圧搾部6aの形状に倣って後方に仮想的に延長した仮想線63a、及び、右側後方圧搾部6bの後端部61bから右側後方圧搾部6bの形状に倣って後方に仮想的に延長した仮想線63bを、破線で示す。左側の領域4Lに位置する左側後方圧搾部6aの仮想線63aは、縦中心線CLを超えて後方に向かって延びる。右側の領域4Rに位置する右側後方圧搾部6bの仮想線63bは、縦中心線CLを超えて後方に向かって延びる。
言い換えると、左側後方圧搾部6aの後端部61aにおける接線は、横方向Yに平行でない右下がりの線であり、縦中心線CLを超えて後方に延びる。右側後方圧搾部6bの後端部61bにおける接線は、横方向Yに平行でない左下がりの線であり、縦中心線CLを超えて後方に延びる。
一対の後方圧搾部6は、左側後方圧搾部6aと右側後方圧搾部6bとの横方向Yにおける距離が後方にむかうに従って狭まっていく形状となっている。このような形状とすることにより、体液が縦方向Xに拡散し、後方圧搾部6まで到達した場合でも、後方圧搾部6によって体液をせき止め、かつ、縦方向Xに拡散させつつ、横方向Y内方に戻すことができ、体液を吸収体4の横方向中央部に集約させやすくなっており、横洩れ及び後方への液漏れを効果的に抑制することができる。
図4に示す例では、左側後方圧搾部6a及び右側後方圧搾部6bは、それぞれ湾曲した形状を有するが、直線状であってもよい。この場合、直線状の左右一対の後方圧搾部間の横方向Yにおける距離が後方に向かうに従って小さくなるように後方圧搾部が形成される。
(前方圧搾部)
吸収体4において、左側前方圧搾部7aと右側前方圧搾部7bとは、離間していても離間していなくてもよいが、ナプキンの剛性を下げ変形しやすくするためには、離間している方が好ましい。図4では、吸収体4において、左側前方圧搾部7aと右側前方圧搾部7bとは離間しており、互いが連結していると見做せる線状には形成されていない。
左側前方圧搾部7aと右側前方圧搾部7bとは、縦中心線CLに関して線対称に構成される。
左側前方圧搾部7aは、吸収体4の縦中心線CLよりも左側の領域4Lに位置し、右側前方圧搾部7bは、吸収体4の縦中心線CLよりも右側の領域4Rに位置する。
左側前方圧搾部7aは、前方に向かうにしたがって縦中心線CLに向かうように延びている。右側前方圧搾部7bは、前方に向かうにしたがって縦中心線CLに向かうように延びている。左側前方圧搾部7a及び右側前方圧搾部7bは、いずれも、縦中心線CLを超えて反対側の領域まで延びて位置していない。
一対の前方圧搾部7は、左側前方圧搾部7aと右側前方圧搾部7bとの横方向Yにおける距離が前方にむかうに従って狭まっていく形状となっている。このような形状とすることにより、体液が縦方向Xに拡散し、前方圧搾部7まで到達した場合でも、前方圧搾部7によって体液をせき止め、かつ、縦方向Xに拡散させつつ、横方向Y内方に戻すことができ、体液を吸収体4の横方向中央部に集約させやすくなっており、横洩れ及び前方への液漏れを効果的に抑制することができる。
図4に示す形態では、左側前方圧搾部7a及び右側前方圧搾部7bは、それぞれ、前方にいくにしたがって曲率が徐々に大きくなる、緩やかに湾曲した形状を有するが、直線状であってもよい。
(後方圧搾部と前方圧搾部の寸法関係)
本実施形態では、吸収体4において、吸収体後方領域Rは、吸収体前方領域Fよりも縦方向Xの長さが長く形成されている。これに伴い、後方圧搾部6は、前方圧搾部7よりも縦方向Xの長さがやや長くなる形状となっている。尚、後方圧搾部6と前方圧搾部7との縦方向Xの寸法の関係は本実施形態に示す形態に限定されることがなく、ナプキン1の縦方向Xの長さに応じて各圧搾部の縦方向Xの寸法を適宜設定することができる。例えば、吸収体後方領域Rと吸収体前方領域Fの縦方向Xの長さがほぼ同じである場合、後方圧搾部6と前方圧搾部7の縦方向Xの寸法が同じであってもよい。
また、本実施形態では、後方圧搾部6と前方圧搾部7との横方向Yの寸法はほぼ同じであるが、異なってもよく、ナプキン1の大きさや形状等に応じて適宜設定することができる。
[後方切り欠きと後方圧搾部との位置関係]
図4に示すように、吸収体4において、平面視で、一対の後方圧搾部6それぞれの前端部62a及び62bは一対の後方切り欠き51に挟まれた第1の領域81に位置し、後端部61a及び61bは第1の領域81よりも後方の領域に位置する。
左右一対の後方圧搾部6は、それぞれ、平面視で、第1の領域81の位置から後方に向かって延びる線状に形成され、かつ、後方に向かうにしたがって縦中心線CL(横方向中央)に向かうように延びている。一対の後方圧搾部6それぞれの前端部62a及び62bは後方切り欠き51に近接して位置する。
ここで、吸収体後方領域Rは、吸収体前方領域Fよりも縦方向Xに長く形成されやすいこと、及び、着用者の動きの影響を受け易いこと等から、着用者が激しい動きをした際に、捻じれるような外力を受け易い。
このような外力の影響を緩和する観点から、吸収体4は、後方切り欠き51と後方圧搾部6を有する。
すなわち、吸収体4の後方に捩れ変形が生じた際、吸収体後方領域Rでは捩れ変形する際の変形の力が後方圧搾部6に沿って伝わる。該変形の力は、吸収体4において前後の領域と比較して幅が狭く捩れやすくなっている第1の領域81で緩和され、排泄部対向領域に対応する吸収体中央領域Cまで伝わりにくくなる。
これにより、吸収体後方領域Rは、捩れ変形誘導部として機能する後方圧搾部6に沿って捩れ変形しやすくなって着用者の動きに追従して体に沿いやすくなり、装着感に優れたナプキン1とすることができる。加えて、吸収体中央領域Cには、後方切り欠き51の存在によって変形の力が伝わりにくいため、吸収体中央領域Cは捩れ変形による影響を受けにくい。これにより、吸収体中央領域Cにおいて、着用者とナプキンとの間に隙間が生じにくくなり、液漏れの発生を抑制することができる。
このように、本実施形態の吸収体4では、着用者の動きが激しい場合においても、吸収体4の後方は着用者の身体に沿って変形しやすく、且つ、吸収性能の低下を防止することができる。
また、吸収体4において、左右一対の後方圧搾部6は、それぞれ、縦中心線CL(横方向中央)を超えない形状を有しており、吸収体後方領域Rにおいて、横方向Y中央部は圧搾部が位置していない。加えて、左側後方圧搾部6aの後端部61aから延長した仮想線63aは縦中心線CLを超えて後方に延び、右側後方圧搾部6bの後端部61bから延長した仮想線63bは縦中心線CLを超えて後方に延びている。
このように、吸収体4の吸収体後方領域Rの横方向Y中央部は、圧搾されていないことで硬くなりにくく、捩れ変形時、ナプキン1と着用者との隙間が発生しにくくなり、装着感が向上するとともに後方への液漏れが効果的に抑制される。また、吸収体後方領域Rは、着用者の臀部の割れ目(臀裂)に対応し、圧搾されていない横方向Y中央部は、捩れ変形時、上方に盛り上がりやすくなり、臀裂に入り込むように吸収体4が変形しやすくなり、ナプキン1と着用者との隙間が発生しにくい。更に、仮想線63a及び仮想線63bが、横方向Yに平行に延びず後方に延びる形状となるように後方圧搾部6を設けることにより、捩れ変形をより誘導しやすくすることができ、着用者の動きに追従して身体に沿ってより変形しやすい吸収体4とすることができる。
[前方切り欠きと前方圧搾部との位置関係]
図4に示すように、吸収体4において、平面視で、左右一対の前方圧搾部7それぞれの後端部71a及び71bは一対の前方切り欠き52に挟まれた第2の領域82に位置し、前端部72a及び72bは第2の領域82よりも前方の領域に位置する。
左右一対の前方圧搾部7は、それぞれ、平面視で、第2の領域82の位置から前方に向かって延びる線状に形成され、かつ、前方に向かうにしたがって縦中心線CL(横方向中央)に向かうように延びている。一対の前方圧搾部7それぞれの後端部71a及び71bは前方切り欠き52に近接して位置する。
吸収体前方領域Fにおいても、吸収体後方領域Rと同様に、着用者が激しい動きをした際に、捻じれるような外力を受け易い。
このような外力の影響を緩和する観点から、吸収体4は、前方切り欠き52と前方圧搾部7を有する。
すなわち、吸収体4の前方に捩れ変形が生じた際、吸収体前方領域Fでは捩れ変形する際の変形の力が前方圧搾部7に沿って伝わる。該変形の力は、吸収体4において前後の領域と比較して幅が狭く捩れやすくなっている第2の領域82で緩和され、排泄部対向領域に対応する吸収体中央領域Cまで伝わりにくくなる。
これにより、吸収体前方領域Fは、捩れ変形誘導部として機能する前方圧搾部7によって捩れ変形しやすくなって着用者の動きに追従して体に沿いやすく、装着感に優れたナプキン1とすることができる。加えて、吸収体中央領域Cでは、前方切り欠き52の存在によって捩れ変形による影響を受けにくいため、着用者とナプキンとの間に隙間が生じにくくなり、液漏れの発生を抑制することができる。
このように、吸収体4において、前方においても、前方圧搾部及び前方切り欠きを設けることにより、前方での装着感が向上するとともに、吸収性能の低下を防止することができる。
また、後方圧搾部6と同様に、左右一対の前方圧搾部7それぞれは互いに離間しており、吸収体前方領域Fにおいて、横方向Y中央部には圧搾部は形成されていない。
このように、吸収体4の吸収体前方領域Fの横方向Y中央部は、圧搾されていないことで硬くなりにくく、捩れ変形時、ナプキン1と着用者との隙間が発生しにくくなり、装着感が向上するとともに前方への液漏れが効果的に抑制される。
[切り欠き及び圧搾部に係る寸法例]
以下、各構成に係る寸法例について説明する。寸法は、吸収体や切り欠きの大きさや形状等によって適宜設定することができ、以下に記載する数値に限定されない。
捩れ変形時、後方圧搾部6に沿って伝播した変形の力を一対の後方切り欠き51で挟まれた第1の領域81で効果的に緩和しつつ、吸収性能を良好に維持する観点から、後方切り欠き51の横方向Yの寸法は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、好ましくは17mm以下、より好ましくは15mm以下であり、後方切り欠き51の縦方向Xの寸法は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、好ましくは20mm以下、より好ましくは18mm以下である。
前方切り欠き52についても、上記後方切り欠き51と同様の寸法とすることができる。
捩れ変形時、後方圧搾部6に沿って伝播した変形の力を一対の後方切り欠き51で挟まれた第1の領域81で効果的に緩和する観点から、一対の後方圧搾部6の前端部62a及び62bそれぞれと、最も近接する後方切り欠き51との距離は、好ましくは20mm以下、より好ましくは15mm以下である。後方切り欠き51付近での横洩れを抑制する観点から、一対の後方圧搾部6の前端部62a及び62bそれぞれと、最も近接する後方切り欠き51との距離は、好ましくは5mm以上、より好ましくは10mm以上である。
前方圧搾部7においても、前方圧搾部7に沿って伝播した変形の力を一対の前方切り欠き52により挟まれた第2の領域82で効果的に緩和する観点、及び、前方切り欠き52付近での横洩れを抑制する観点から、一対の前方圧搾部7の後端部71a及び71bそれぞれと、最も近接する前方切り欠き52との距離は、上記後方圧搾部6と同様の寸法とすることができる。
捩れ変形を誘導しつつ、ナプキン1と着用者との隙間を発生しにくくする観点から、左側後方圧搾部6aの後端部61aと右側後方圧搾部6bの後端部61bとの横方向Yにおける距離は、好ましくは3mm以上、より好ましくは5mm以上であり、好ましくは35mm以下、より好ましくは30mm以下である。
前方圧搾部7についても、捩れ変形を誘導しつつ、ナプキン1と着用者との隙間を発生しにくくする観点から、左側前方圧搾部7aの前端部72aと右側前方圧搾部7bの前端部72bとの横方向Yにおける距離は、上記後方圧搾部6と同様の寸法とすることができる。
[高剛性部について]
図4に示す吸収体4は、吸収体中央領域Cに高剛性部43を有しているため、捩れ変形による吸収体中央領域Cでの好ましくない変形の発生がより抑制され、吸収性能がより良好に維持される。
図4に示す例では、高剛性部43は、第1の領域81及び第2の領域82と重なっていないが、図5(A)~(C)に示すように、第1の領域81又は第2の領域82の少なくとも一方と、高剛性部43とが平面視で重なっていてもよい。図5に示す各吸収体は、図4に示す吸収体4と比較して、高剛性部43の平面視における大きさが異なる点でのみ相違する。以下、同様の構成については同様の符号を付し、説明を省略する。
図5(A)に示す吸収体4のように、平面視で、高剛性部43の縦方向Xにおける後端部43Rが第1の領域81と重なっていてもよい。平面視で、後端部43Rと後方圧搾部6とは離間している。
このように、吸収体中央領域Cと第1の領域81を跨って高剛性部43が位置することにより、吸収体後方領域Rで捩れ変形が生じた際、変形の力が吸収体中央領域Cまでより伝わりにくくなる。従って、排泄部対向領域である吸収体中央領域Cでは捩れ変形による影響をより受けにくくなり、着用者とナプキンとの間に隙間が生じにくく、液漏れがより一層抑制され得る。
図5(B)に示す吸収体4のように、平面視で、高剛性部43の縦方向Xにおける前端部43Fが第2の領域82と重なっていてもよい。平面視で、前端部43Fと前方圧搾部7とは離間している。
このように、吸収体中央領域Cと第2の領域82を跨って高剛性部43が位置することにより、吸収体前方領域Fで捩れ変形が生じた際、変形の力が吸収体中央領域Cまでより伝わりにくくなる。従って、排泄部対向領域である吸収体中央領域Cでは捩れ変形による影響をより受けにくくなり、着用者とナプキンとの間に隙間が生じにくく、液漏れがより一層抑制され得る。
図5(C)に示す吸収体4のように、平面視で、高剛性部43の縦方向Xにおける後端部43R及び前端部43Fそれぞれが第1の領域81及び第2の領域82それぞれと重なっていてもよい。平面視で、後端部43Rと後方圧搾部6とは離間し、前端部43Fと前方圧搾部7とは離間している。
このように、第1の領域81、吸収体中央領域C、第2の領域82を跨って高剛性部43が位置することにより、吸収体後方領域R及び吸収体前方領域Fで捩れ変形が生じた際、変形の力が吸収体中央領域Cまでより伝わりにくくなる。従って、排泄部対向領域である吸収体中央領域Cでは捩れ変形による影響をより受けにくくなり、着用者とナプキンとの間に隙間が生じにくくなり、液漏れがより一層抑制され得る。
<ナプキンにおける圧搾部の構成>
上述の吸収体4に形成される後方圧搾部6及び前方圧搾部7は、表面シート2と吸収体4とが一体的に圧搾されることによって構成されることが好ましい。すなわち、ナプキン1において、表面シート2及び吸収体4を一体的に凹陥する、後方圧搾部6を含む後方圧搾部60と、前方圧搾部7を含む前方圧搾部70とが設けられることが好ましい。
このような構成によれば、後方部M3及び前方部M1において、表面シート2は吸収体4の変形に追従して変形することとなり、着用者の動きに追従してナプキン1全体で捩れやすくなって身体に沿いやすくなり、より装着感に優れたナプキンとすることができる。また、表面シート2及び吸収体4を一体的に凹陥する圧搾部60及び70によって、ナプキン1において、吸収体4から表面シート2が浮きにくく、表面シート2から吸収体4へより速やかに液が移行されるので、吸収性能がより向上する。
このように、本実施形態のナプキン1では、着用者の動きが激しい場合においても、着用者の身体に沿って変形しやすく、且つ、吸収性能の低下を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
例えば、以上の実施形態では、吸収性物品として生理用ナプキンの例を示したが、これに限定されない。本発明の吸収性物品は、例えば、尿取りパットやおりものシート、使い捨ておむつ等であってもよい。
また、例えば、ナプキンは、ウイング部Wを有さなくてもよい。着用時に着用者の排泄部に対向する領域が、ナプキンにおける中央部、吸収体における吸収体中央領域となる。
また、例えば、上述の実施形態の吸収体及びナプキンでは、前方及び後方に切り欠き及び圧搾部を有しているが、少なくとも、前方よりも着用者の動きに強く影響を受けやすい後方に、切り欠き及び圧搾部が設けられればよい。これにより、着用者の動きに追従して、変形しやすく、且つ、吸収性能が良好な吸収体及びナプキンとすることができる。
また、例えば、上述の実施形態では、表面シートと吸収体とが一体化して凹陥された圧搾部を有するナプキンについて説明したが、表面シートと吸収体とが圧搾部によって一体化されていない構成としてもよい。
4…吸収体
6…後方圧搾部
47a…左側縁
47b…右側縁
51…後方切り欠き
81…第1の領域
CL…縦中心線(横方向中央)
F…吸収体前方領域
C…吸収体中央領域
R…吸収体後方領域

Claims (6)

  1. 着用者の前後方向に対応する縦方向と、該縦方向に直交する着用者の左右方向に対応する横方向と、前記縦方向及び前記横方向に直交する厚み方向を有する吸収体であって、
    前記着用者の排泄部と対向する吸収体中央領域と、該吸収体中央領域より前方に位置する吸収体前方領域と、前記吸収体中央領域より後方に位置する吸収体後方領域と、を有し、
    前記吸収体中央領域と前記吸収体後方領域の境界近傍の、左右両側縁に、横方向内側に向かって延びる左右一対の後方切り欠きと、
    前記左右一対の後方切り欠きにより挟まれた第1の領域から、後方に向かうに従って前記吸収体の横方向中央に向かうように延びる左右一対の後方圧搾部と
    を備える
    吸収体。
  2. 前記左右一対の後方圧搾部それぞれは、前記横方向中央を超えず位置し、
    前記左右一対の後方圧搾部それぞれの後端部から、該後方圧搾部の形状に倣って後方に仮想的に延長した仮想線それぞれは、前記横方向中央を超えるとともに後方に延びる
    請求項1に記載の吸収体。
  3. 前記吸収体中央領域に、前記吸収体前方領域及び前記吸収体後方領域よりも剛性の高い高剛性部を有し、
    前記高剛性部は、前記吸収体前方領域及び前記吸収体後方領域よりも、少なくとも前記吸収体を構成する吸収材料の目付が高い、又は、厚みが厚く、
    平面視で、前記高剛性部の縦方向後端部は前記第1の領域と重なっている
    請求項1又は2に記載の吸収体。
  4. 前記吸収体前方領域と前記吸収体中央領域との境界近傍の、左右両側縁に、横方向内側に向かって延びる左右一対の前方切り欠きと、
    前記左右一対の前方切り欠きにより挟まれた第2の領域から、前方に向かうに従って前記横方向中央に向かうように延びる左右一対の前方圧搾部と
    を更に備える
    請求項1から3のいずれか1項に記載の吸収体。
  5. 前記吸収体中央領域に、前記吸収体前方領域部及び前記吸収体後方領域よりも剛性の高い高剛性部を有し、
    前記高剛性部は、前記吸収体前方領域及び前記吸収体後方領域よりも、少なくとも前記吸収体を構成する吸収材料の目付が高い、又は、厚みが厚く、
    平面視で、前記高剛性部の縦方向前端部は前記第2の領域と重なっている
    請求項4に記載の吸収体。
  6. 肌側面と非肌側面を有する、請求項1から5のいずれか1項に記載の吸収体と、
    前記吸収体の肌側面に位置する表面シートと
    を備えた吸収性物品であって、
    前記圧搾部は、前記表面シートから前記吸収体まで一体に圧搾されて形成される
    吸収性物品。
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