JP2022087470A - 正極活物質および該正極活物質を備えた非水電解質二次電池 - Google Patents

正極活物質および該正極活物質を備えた非水電解質二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】優れたサイクル耐久性を実現し得るスピネル型結晶構造を有する正極活物質を提供する。【解決手段】ここで開示される正極活物質は、第1の粒子12が複数集合した第2の粒子10を含み、第1の粒子12のSEM像に基づく平均粒子径は5μm以上10μm以下であり、第2の粒子10のSEM像に基づく平均粒子径は10μm以上20μm以下である。第1の粒子12は、少なくともリチウム原子とマンガン原子とを含有するスピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物を含む。さらに、第2の粒子10の表面の少なくとも一部には、リチウムタングステン複合酸化物粒子14が備えられており、上記リチウムマンガン複合酸化物とリチウムタングステン複合酸化物粒子14との合計を100mol%としたとき、リチウムタングステン複合酸化物粒子14の割合が3mol%以下である。【選択図】図3

Description

本発明は、正極活物質と、該正極活物質を備えた非水電解質二次電池に関する。
近年、リチウムイオン二次電池等の二次電池は、パソコン、携帯端末等のポータブル電源や、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(HV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)等の車両駆動用電源などに好適に用いられている。
リチウムイオン二次電池の正極には、一般的にリチウムイオンを吸蔵および放出可能な正極活物質が備えられている。正極活物質としては、一般的に、リチウム遷移金属酸化物(リチウム遷移金属複合酸化物)が用いられており、コスト削減の観点から、かかる遷移金属として資源量が豊富な遷移金属の使用が検討されている。その代表的な遷移金属として、マンガンが挙げられる。所定の元素比のリチウムマンガン複合酸化物は、典型的な結晶構造の一種として知られるスピネル型結晶構造を有しており、良好なリチウムイオン拡散性を発揮することができる。しかし、その一方で、マンガン原子が溶出して負極に析出することや、導電性が低いために大電流放電容量が小さいこと等、解決が望まれる課題がある。そのため、例えば、特許文献1には、スピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物の表面に、タングステンを含む酸化物を所定の割合で修飾する技術が開示されている。これにより、リチウムマンガン酸化物の大電流放電容量を飛躍的に向上させることができる。
特開2005-320184号公報
しかしながら、本発明者の検討によると、特許文献1に開示される技術では、リチウムマンガン複合酸化物粒子の粒子径が小さくなることにより、該リチウムマンガン複合酸化物から容易にマンガン原子が溶出する虞があるため、サイクル耐久性に課題があることが見出された。
そこで、本発明は上記課題を鑑みてなされたものであり、優れたサイクル耐久性を実現し得るスピネル型結晶構造を有する正極活物質を提供することを主な目的とする。また、かかる正極活物質を備えた非水電解質二次電池を提供することを他の目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため鋭意検討を行ったところ、リチウムマンガン複合酸化物粒子の平均粒子径を従来よりも大きくし、かかる複合酸化物粒子の表面にリチウムタングステン複合酸化物を所定の割合で存在させることにより、優れたサイクル耐久性を実現することを見出し、本発明を完成させた。
即ち、ここで開示される正極活物質は、非水電解質二次電池に用いられる正極活物質であって、第1の粒子が複数集合した第2の粒子を含み、上記第1の粒子のSEM像に基づく平均粒子径は5μm以上10μm以下であり、上記第2の粒子のSEM像に基づく平均粒子径は10μm以上20μm以下であり、上記第1の粒子は、少なくともリチウム原子とマンガン原子とを含有するスピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物を含む。
さらに、上記第2の粒子の表面の少なくとも一部には、リチウムタングステン複合酸化物粒子が備えられており、上記リチウムマンガン複合酸化物と上記リチウムタングステン複合酸化物粒子との合計を100mol%としたとき、該リチウムタングステン複合酸化物粒子の割合が3mol%以下である。
かかる構成によれば、非水電解質二次電池の初期抵抗を低下させ、かつ、優れたサイクル耐久性を付与し得る正極活物質が提供される。
また、ここに開示される正極活物質の好ましい一態様では、上記リチウムタングステン複合酸化物粒子の割合が0.1mol%以上3mol%以下である。
かかる構成によれば、より低い初期抵抗と、より優れたサイクル耐久性とを実現することができ得る。
また、ここに開示される正極活物質の好ましい一態様では、上記スピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物は、以下の化学式:
Li1+zMn2-x-zMe
(上記化学式中、MeはMgおよびAlのうち少なくとも一方を含む1種以上の金属元素を表し、x、zはそれぞれ正の実数であり、x≦0.1、z≦0.15を具備する)
で表される化合物を含む。
かかる構成によれば、さらに優れたサイクル耐久性を実現し得る。
また、ここに開示される正極活物質の好ましい一態様では、上記リチウムタングステン複合酸化物粒子としてLiWOを含む。
かかる構成によれば、より高いレベルで初期抵抗の低下効果とサイクル耐久性の向上効果とを実現し得る。
また、上記課題を解決するべく、ここで開示される正極活物質を備えた非水電解質二次電池が提供される。即ち、ここに開示される非水電解質二次電池は、正極と、負極と、非水電解質と、を備えており、上記正極は、正極活物質層を備え、該正極活物質層は、ここで開示される正極活物質を備えている。
かかる構成によれば、初期抵抗が低く、優れたサイクル耐久性が付与された非水電解質二次電池を提供することができる。
一実施形態に係る非水電解質二次電池の構成を模式的に示す断面図である。 一実施形態に係る非水電解質二次電池の捲回電極体の構成を示す模式分解図である。 一実施形態に係る正極活物質に含まれる粒子の構造を模式的に示す断面模式図である。
以下、リチウムイオン二次電池を例に、図面を参照しながら本発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって実施に必要な事柄は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。本発明は、本明細書に開示されている内容と当該分野における技術常識とに基づいて実施することができる。また、以下の図面においては、同じ作用を奏する部材・部位には同じ符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。また、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。
また、本明細書において数値範囲をA~B(ここでA,Bは任意の数値)と記載している場合は、一般的な解釈と同様であり、A以上B以下を意味するものである。
本明細書において「二次電池」とは、繰り返し充放電可能な電池一般をいい、リチウムイオン二次電池等のいわゆる蓄電池(すなわち化学電池)の他、電気二重層キャパシタ等のキャパシタ(すなわち物理電池)を包含する。また、本明細書において「リチウムイオン二次電池」は、電荷担体としてリチウムイオンを利用し、正極と負極との間をリチウムイオンに伴う電荷の移動によって充放電を行う二次電池である。また、本明細書において「活物質」とは、電荷担体を可逆的に吸蔵・放出する材料をいう。
図1に示すリチウムイオン二次電池100は、電池ケース30の内部に、扁平形状の電極体(捲回電極体)20と、非水電解質(図示せず)とが収容されることで構築される角型の密閉型電池である。電池ケース30には、外部接続用の正極端子42および負極端子44が備えられている。また、電池ケース30の内圧が所定レベル以上に上昇した場合に該内圧を開放するように設定された薄肉の安全弁36が設けられている。さらに、電池ケース30には、非水電解質を注液するための注液口(図示せず)が設けられている。電池ケース30の材質は、高強度であり軽量で熱伝導性が良い金属製材料が好ましく、このような金属材料として、例えば、アルミニウムやスチール等が挙げられる。
電極体20は、図1および図2に示されるように、長尺シート状の正極50と、長尺シート状の負極60とが、2枚の長尺シート状のセパレータ70を介して積層され、捲回軸を中心として捲回された捲回電極体である。正極50は、正極集電体52と、該正極集電体52の片面または両面の長手側方向に形成された正極活物質層54とを備えている。正極集電体52の捲回軸方向(即ち、上記長手側方向に直交するシート幅方向)の片側の縁部には、該縁部に沿って帯状に正極活物質層54が形成されずに正極集電体52が露出した部分(即ち、正極集電体露出部52a)が設けられている。また、負極60は、負極集電体62と、該負極集電体62の片面または両面の長手側方向に形成された負極活物質層64とを備えている。負極集電体62の上記捲回軸方向の片側の反対側の縁部には、該縁部に沿って帯状に負極活物質層64が形成されずに負極集電体62が露出した部分(即ち、負極集電体露出部62a)が設けられている。正極集電体露出部52aと負極集電体露出部62aには、それぞれ正極集電板42aおよび負極集電板44aが接合されている。正極集電板42aは、外部接続用の正極端子42と電気的に接続されており、電池ケース30の内部と外部との導通を実現している。同様に、負極集電板44aは、外部接続用の負極端子44と電気的に接続されており、電池ケース30の内部と外部との導通を実現している。
正極50を構成する正極集電体52としては、例えば、アルミニウム箔が挙げられる。正極活物質層54は、ここで開示される正極活物質を備える。また、正極活物質層54は、導電材、バインダ等を含んでいてもよい。導電材としては、例えばアセチレンブラック(AB)等のカーボンブラックやその他(グラファイト等)の炭素材料を好適に使用し得る。バインダとしては、例えばポリフッ化ビニリデン(PVDF)等を使用し得る。
正極活物質層54は、正極活物質と必要に応じて用いられる材料(導電材、バインダ等)とを適当な溶媒(例えばN-メチル-2-ピロリドン:NMP)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製し、該組成物の適当量を正極集電体52の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
負極60を構成する負極集電体62としては、例えば、銅箔等が挙げられる。負極活物質層64は、負極活物質を含む。負極活物質としては、例えば黒鉛、ハードカーボン、ソフトカーボン等の炭素材料を使用し得る。また、負極活物質層64は、バインダ、増粘剤等をさらに含んでいてもよい。バインダとしては、例えばスチレンブタジエンラバー(SBR)等を使用し得る。増粘剤としては、例えばカルボキシメチルセルロース(CMC)等を使用し得る。
負極活物質層64は、負極活物質と必要に応じて用いられる材料(バインダ等)とを適当な溶媒(例えばイオン交換水)に分散させ、ペースト状(またはスラリー状)の組成物を調製し、該組成物の適当量を負極集電体62の表面に塗工し、乾燥することによって形成することができる。
セパレータ70としては、従来からリチウムイオン二次電池に用いられるものと同様の各種微多孔質シートを用いることができ、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等の樹脂から成る微多孔質樹脂シートが挙げられる。かかる微多孔質樹脂シートは、単層構造であってもよく、二層以上の複層構造(例えば、PE層の両面にPP層が積層された三層構造)であってもよい。また、セパレータ70の表面には、耐熱層(HRL)を備えていてもよい。
非水電解質は従来のリチウムイオン二次電池と同様のものを使用可能であり、典型的には有機溶媒(非水溶媒)中に、支持塩を含有させたものを用いることができる。非水溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類等の非プロトン性溶媒を用いることができる。なかでも、カーボネート類、例えば、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)等を好適に採用し得る。あるいは、モノフルオロエチレンカーボネート(MFEC)、ジフルオロエチレンカーボネート(DFEC)、モノフルオロメチルジフルオロメチルカーボネート(F-DMC)、トリフルオロジメチルカーボネート(TFDMC)のようなフッ素化カーボネート等のフッ素系溶媒を好ましく用いることができる。このような非水溶媒は、1種を単独で、あるいは2種以上を適宜組み合わせて用いることができる。支持塩としては、例えば、LiPF、LiBF、LiClO等のリチウム塩を好適に用いることができる。支持塩の濃度は、特に限定されるものではないが、0.7mol/L以上1.3mol/L以下程度が好ましい。
なお、上記非水電解質は、本発明の効果を著しく損なわない限りにおいて、上述した非水溶媒、支持塩以外の成分を含んでいてもよく、例えば、ガス発生剤、被膜形成剤、分散剤、増粘剤等の各種添加剤を含み得る。
図3は、ここで開示される正極活物質に含まれる粒子の構成を模式的に示す断面模式図である。ここで開示される正極活物質は、第1の粒子12が複数集合した第2の粒子10を含む。また、第2の粒子10の表面の少なくとも一部にはリチウムタングステン複合酸化物粒子14が備えられている。
第1の粒子12のSEM像に基づく平均粒子径は、5μm以上10μm以下であることが好ましい。第1の粒子12のSEM像に基づく平均粒子径をかかる範囲(従来よりも平均粒子径を大きく)とすることで、第1の粒子12の比表面積を低減させることができるため、電解質(例えば、非水電解液)との接触面積を減らすことができる。これにより、正極活物質に含まれるマンガン原子の溶出を抑制し得るため、サイクル耐久性を向上させることができる。また、かかる範囲であれば、リチウムイオンの拡散性が良好であるため、電気抵抗の増加を抑制し得る。
第2の粒子10のSEM像に基づく平均粒子径は、10μm以上20μm以下であることが好ましい。かかる範囲によれば、第2の粒子10の機械的強度が向上し得るため、第2の粒子10に割れが生じ難くなる。また、リチウムイオンの固相内拡散性が良好になるため、電気抵抗の増加を抑制し得る。
ここで開示される正極活物質の第2の粒子10の平均粒子径および第1の粒子12の平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察された画像に基づいて測定することができる。具体的には、まず、第2の粒子10の平均粒子径の基準とするため、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づくレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、正極活物質の体積基準の粒度分布を測定し、小さな粒子側からの累積50体積%に相当する粒子径(メジアン径:D50)を測定する。次に、正極活物質をSEMで複数箇所観察し、複数のSEM画像を取得した後、D50に相当する大きさの第2の粒子を無作為に複数個(例えば30個以上)選択する。次に、上記選択した複数の第2の粒子それぞれの最長の径の長さを長径とし、該長径と直角に交わる線のうち最長の径の長さを短径とする。該長径と該短径とからなる楕円の面積を用いて円相当径を換算することによって第2の粒子の粒子径を算出する。そして、上記選択した複数の第2の粒子の粒子径の平均値を第2の粒子の平均粒子径として算出することができる。本明細書において「第2の粒子の平均粒子径」とは、このように算出された平均値のことをいう。
また、本明細書において「第1の粒子の平均粒子径」とは、上記選択した複数の第2の粒子において、それぞれの第2の粒子を構成する第1の粒子のうち、SEM像で粒子径全長が視認できる(即ち、他の第1の粒子により隠れている部分のない)第1の粒子の粒子径の平均値のことをいう。なお、上記選択した複数の第2の粒子それぞれから粒子径を算出する第1の粒子を1つ以上選択する。第1の粒子の粒子径の算出方法は上述した第2の粒子の粒子径の算出方法と同様であり、長径および短径を決定し、該長径と該短径とからなる楕円の面積を用いて円相当径を換算することによって算出することができる。
ここで開示される正極活物質(詳しくは第1の粒子12)は、スピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物を含む。スピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物とは、スピネル型結晶構造を有しており、構成元素として、少なくともLi、Mn、Oを含有する酸化物のことである。
典型的なスピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物としては、
一般式(化学式):Li1+zMn2-x-zMe
(前記化学式中、Meは存在しないか、もしくはMgおよびAlのうち少なくとも一方を含む1種以上の金属元素を表す。Meが存在しないときは、zは正の実数であり、z≦0.15を具備する。また、Meが存在するときは、x、zはそれぞれ正の実数であり、x≦0.1、z≦0.15を具備する)で表される化合物が挙げられる。ここで、上記Meは、MgおよびAl以外には、例えば、Ni、Co、Ca、Ti、V、Cr,Si,Y、Zr、Nb、Mo、Hf、Ta、W、Na、Fe、Zn、Sn等であり得る。上記リチウムマンガン複合酸化物は、Mg及び/又はAlを含むことが好ましい。MgおよびAlは充放電時に価数変化を起こさないため、充放電に伴う膨張収縮を緩和することができ得るため、充放電による正極活物質の割れを抑制し得る。
なお、上記一般式は、ここで開示される正極活物質を製造したとき(新品状態)に含まれるリチウムマンガン複合酸化物を示している。換言すれば、かかる正極活物質を備えた非水電解質二次電池を初期充電する前の状態のリチウムマンガン複合酸化物の化学組成を示している。
また、正極活物質の平均化学組成は、例えば、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析により測定することができる。
リチウムタングステン複合酸化物粒子14は、第2の粒子10の表面の少なくとも一部に備えられている。リチウムタングステン複合酸化物粒子14は、少なくともLi、W、Oを含有する酸化物のことをいう。特に限定されるものではないが、典型的には、LiWO、LiHWO等が用いられ、このなかでもLiWOを使用することが好ましい。LiWOを使用することによって、優れた初期抵抗低減効果と優れたサイクル耐久性とが実現され得る。
リチウムタングステン複合酸化物粒子14の平均粒子径は、特に限定されるものではないが、典型的には1μm~3μmのものを用いることができる。かかる平均粒子径は、一般的なレーザー回折・光散乱法に基づくレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、体積基準の粒度分布を測定し、小さな粒子側からの累積50体積%に相当する粒子径(メジアン径:D50)として測定することができる。
上記リチウムマンガン複合酸化物とリチウムタングステン複合酸化物粒子14との合計を100mol%としたとき、リチウムタングステン複合酸化物粒子14の割合は、好ましくは3mol%以下であり、より好ましくは2mol%以下であり、さらに好ましくは1.5mol%以下である。また、かかるリチウムタングステン複合酸化物粒子14の割合は、好ましくは0.1mol%以上であり、さらに好ましくは0.3mol%以上である。かかる範囲であれば、リチウムタングステン複合酸化物粒子14がイオン伝導体として良好に作用し得るため、電池抵抗を低減させることができ得る。また、リチウムタングステン複合酸化物粒子14によって、非水電解液中に含まれ得る酸性成分(例えばフッ化水素等)を取り除くことができ得るため、マンガン原子の溶出を抑制し、サイクル耐久性を向上させることができ得る。
次に、ここで開示される正極活物質の好適な製造方法について説明する。なお、ここで開示される正極活物質の製造方法は下記に限られない。
ここで開示される正極活物質粒子の好適な製造方法は、少なくともマンガンを含む水酸化物粒子を前駆体粒子として析出する工程(以下、「前駆体析出工程」ともいう)と、当該前駆体粒子とリチウム化合物との混合物を得る工程(以下、「混合工程」ともいう)と、当該混合物を焼成してリチウムマンガン複合酸化物を得る工程(以下、「焼成工程」ともいう)と、該リチウムマンガン複合酸化物と、リチウムタングステン複合酸化物とを混合し、焼成する工程(以下、「被覆工程」ともいう)と、を包含する。
まず、前駆体析出工程について説明する。前駆体析出工程は、通常の正極活物質の製造における公知方法と同様であってよい。まず、少なくともマンガン化合物が溶解した水溶液を準備する。マンガン化合物としては、例えば硫酸マンガン、硝酸マンガン、ハロゲン化マンガン等の水溶性化合物を用いることができる。また、アルカリ化合物の水溶液を準備する。アルカリ化合物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を用いることができるが、水酸化ナトリウムを用いることが好ましい。また、アンモニア水を準備する。
次に、30℃~60℃の反応容器中に水(好ましくはイオン交換水)を加え、撹拌する。雰囲気を不活性ガス(例えばNガス、Arガスなど)で置換しながら撹拌を続け、アルカリ化合物の水溶液を加えpHを調整する(例えばpH10~13)。
撹拌を続けながら、マンガン化合物の水溶液とアンモニア水とを反応容器に添加する。このとき、これらの添加により反応容器中のpHが低下するため、アルカリ化合物の水溶液により反応容器中のpHを10~13の範囲に調整する。その後、反応容器を所定時間(例えば1~3時間)静置して、前駆体粒子(水酸化物粒子)を十分に沈殿させる。その後、吸引濾過等によって上記前駆体粒子を回収し、水洗後、乾燥(例えば、120℃で一晩乾燥)を行うことにより、前駆体粉末を得ることができる。
次に、混合工程について説明する。ここで用いるリチウム化合物としては、例えば、炭酸リチウム、硝酸リチウム、水酸化リチウム等の焼成により酸化物に変換される化合物を用いることができる。
得られた前駆体粉末と、リチウム化合物の粉末とに加え、所定濃度の融剤(典型的には、該粉末の混合物に対して、0.1質量%以上50質量%以下)を添加し混合する。融剤を添加して混合することにより、後述する焼成工程において第1の粒子の粒子成長を促進することができるため、第1の粒子の粒子径を大きくすることができる。融剤の種類は特に限定されるものではなく、公知の融剤(例えばB粉末)を用いることができる。なお、混合する融剤の量(濃度)を調整することにより、第1の粒子の粒子径を調整することができる。
混合には、公知の混合装置(例えば、シェーカミキサ、Vブレンダ、リボンミキサ、ジュリアミキサ、レーディゲミキサ等)を用いて、公知方法に従って混合することにより、混合物を得ることができる。
なお、前駆体粉末と、リチウム化合物との混合比を調整することにより、所望する正極活物質の元素比とすることができる。
また、例えば、正極活物質にアルミニウム原子及び/又はマグネシウム原子を含有させる場合には、混合工程において、前駆体粉末と、リチウム化合物の粉末と、融剤とに加えて、さらにアルミニウム化合物の粉末及び/又はマグネシウム化合物を混合することによって製造することができる。アルミニウム化合物およびマグネシウム化合物は焼成により酸化物に変換される化合物を好ましく用いることができる。アルミニウム化合物としては、例えば、炭酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、水酸化アルミニウム等を使用し得る。また、マグネシウム化合物としては、例えば、炭酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等を使用し得る。また、かかる化合物の混合量を調整することにより、所望の元素比の正極活物質を得ることができる。
次に、焼成工程について説明する。得られた混合物の焼成は、例えば、バッチ式の電気炉、連続式の電気炉等を用いて行うことができる。得られた混合物を加圧成型した後、例えば、大気雰囲気中で500℃~600℃で6時間~12時間加熱する。その後冷却し、加圧成型された混合物を粉砕し、再度成型する。再度成型した混合物を例えば900℃~1000℃で6時間~24時間焼成する。その後、例えば700℃で12時間~48時間のアニール処理を行う。アニール処理後、冷却し、再度混合物を粉砕することでリチウムマンガン複合酸化物を得ることができる。なお、焼成時の昇温速度は例えば5℃/分~40℃/分(典型的には10℃/分)で実施することができる。また、特に限定する意図はないが、冷却方法として、焼成に用いた電気炉の電源を切り、自然放冷させることで実施することができる。
なお、融剤の濃度、焼成温度、焼成時間を調整することにより、第1の粒子の平均粒子径を調整することができる。
次に、被覆工程について説明する。上記焼成工程で得られたリチウムマンガン複合酸化物と、リチウムタングステン複合酸化物粒子とを混合する。かかる混合は、上述した公知の混合装置、公知方法に従って混合することができる。混合後、かかる混合物を例えば大気中雰囲気化で300℃~500℃(典型的には400℃)で6時間~10時間(典型的には8時間)加熱処理をすることで、ここで開示される正極活物質を製造することができる。
なお、かかる混合比を調整することにより、所望の割合(mol%)のリチウムタングステン複合酸化物粒子を含有した正極活物質を得ることができる。また、リチウムタングステン複合酸化物粒子14は、市販品を購入してもよく、あるいは従来公知の方法で製造してもよい。
リチウムイオン二次電池100は、各種用途に利用可能である。例えば、車両に搭載されるモーター用の高出力動力源(駆動用電源)として好適に用いることができる。車両の種類は特に限定されないが、典型的には自動車、例えばプラグインハイブリッド自動車(PHV)、ハイブリッド自動車(HV)、電気自動車(EV)等が挙げられる。リチウムイオン二次電池100は、複数個が電気的に接続された組電池の形態で使用することもできる。
以上、一例として扁平形状の捲回電極体を備えた角型の非水電解液リチウムイオン二次電池について説明した。しかしながら、これは一例に過ぎず限定されるものではない。例えば、捲回電極体の代わりに、シート状の正極とシート状の負極とがセパレータを介して交互に積層された積層電極体を備えた非水電解質二次電池であってもよい。また、電解質としてポリマー電解質を使用するポリマー電池であっても良い。また、角型電池ケースの代わりに、円筒型、コイン型等の形状の電池ケースを用いても良く、電池ケースの代わりにラミネートフィルムを用いたラミネート型二次電池であってもよい。
以下、本発明に関する実施例を説明するが、本発明をかかる実施例に示すものに限定することを意図したものではない。
<正極活物質の準備>
〔例1〕
イオン交換水に硫酸マンガンを溶解させ、所定の濃度となるように硫酸マンガン水溶液を調製した。また、イオン交換水を用いて水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水溶液をそれぞれ調製した。
イオン交換水を30℃~60℃の範囲内に保ちながら撹拌し、上記水酸化ナトリウム水溶液により所定のpH(pH10~13)に調整した。そして、該所定のpHに制御しながら、上記硫酸マンガン水溶液、水酸化ナトリウム水溶液およびアンモニア水溶液を加えることにより、共沈生成物(水酸化物)を得た。得られた水酸化物をろ過し、水洗した後、120℃のオーブン内で乾燥させて水酸化物粉末(正極活物質前駆体粉末)を得た。なお、ここで用いたイオン交換水は、あらかじめ不活性ガスを通気させて溶存酸素を取り除いてから使用した。
得られた水酸化物粉末と水酸化リチウム粉末とを準備し、リチウム(Li)とマンガン(Mn)とのモル比(Li/Mn)が1.1:1.9となるように混合した。かかる混合物を加圧成型して、大気雰囲気中550℃で12時間加熱し、冷却後、粉砕した。粉砕した混合物を再成型し、900℃~1000℃で6時間~24時間焼成後、700℃で12時間~48時間アニール処理を行った。なお、上記焼成時の昇温速度は10℃/分とした。かかるアニール処理後、冷却し、得られた混合物を粉砕することで、例2の正極活物質を得た。
〔例2~8〕
例1と同様にして水酸化物粉末を得た。得られた水酸化物粉末と、水酸化リチウム粉末と、水酸化マグネシウム粉末とを、リチウムとマグネシウムとマンガンとのモル比(Li:Mg:Mn)が1.1:0.05:1.85となるように準備した。さらに、準備した粉末全体に対して、0.1質量%~50質量%となるようにBを添加し、混合した。かかる混合物を加圧成型して、大気雰囲気中550℃で12時間加熱し、冷却後、粉砕した。粉砕した混合物を再成型し、900℃~1000℃で6時間~24時間焼成後、700℃で12時間~48時間アニール処理を行った。なお、上記焼成時の昇温速度は10℃/分とした。かかるアニール処理後、冷却し、得られた混合物を粉砕した。なお、Bの濃度、焼成温度、焼成時間を変化させることにより、第1の粒子の平均粒子径を調整した。
次に、上記アニール処理後に粉砕した混合物と、LiWO粉末(Alfa Aesar社製)とを準備し、かかる混合物とLiWO粉末との合計に対するLiWO粉末のモル比が0.1mol%~3.5mol%となるように混合した。かかる混合物を大気雰囲気中400℃で8時間加熱することによって、例2~例8の正極活物質を得た。
〔例9〕
上記例2~8の正極活物質の製造方法のうち、Li:Mg:Mnが1.05:0.1:1.85のモル比となるように変更し、上記LiWO粉末のモル比が1mol%となるように変更した。かかる変更以外は、上記例2~8の正極活物質の製造方法と同様に実施し、例9の正極活物質を得た。
〔例10〕
上記例2~8の正極活物質の製造方法のうち、Li:Mg:Mnが1.15:0.05:1.8のモル比となるように変更し、上記LiWO粉末のモル比が1.2mol%となるように変更した。かかる変更以外は、上記例2~8の正極活物質の製造方法と同様に実施し、例10の正極活物質を得た。
〔例11~15〕
上記例2~8の正極活物質の製造方法のうち、水酸化マグネシウム粉末を水酸化アルミニウム粉末に変更し、Li:Al:Mnが1.1:0.1:1.8のモル比となるように変更した。かかる変更以外は、上記例2~8の正極活物質の製造方法と同様に実施し、例11~15の正極活物質を得た。
<評価用リチウムイオン二次電池の作製>
評価用リチウム二次電池として、上記作製した正極活物質と、導電材としてのアセチレンブラック(AB)と、バインダとしてのポリフッ化ビニリデン(PVDF)とを、正極活物質:AB:PVDF=90:8:2の質量比となるようにN-メチル-2-ピロリドン中で混合し、正極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストをアルミニウム箔集電体に塗布し、乾燥した後プレスすることにより、シート状の正極を作製した。
負極活物質として、天然黒鉛(C)と、バインダとしてのスチレンブタジエンラバー(SBR)と、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(CMC)とを、C:SBR:CMC=98:1:1の質量比となるようにイオン交換水中で混合して、負極活物質層形成用ペーストを調製した。このペーストを銅箔集電体に塗布し、乾燥した後プレスすることにより、シート状の負極を作製した。
また、セパレータとしてPP/PE/PPの三層構造を有する多孔性ポリオレフィンシートを用意した。
作製したシート状の正極と負極とをセパレータを介して対向させて積層し、積層型電極体を作製した。該積層型電極体に集電端子を取り付け、アルミラミネート型袋に収容した。そして、積層電極体に非水電解液を含浸させ、アルミラミネート袋の開口部を封止し密閉することによって評価用リチウムイオン二次電池を作製した。非水電解液としては、エチレンカーボネート(EC)とジメチルカーボネート(DMC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを3:4:3の体積比で含む混合溶媒に、支持塩としてのLiPFを1.0mol/Lの濃度で溶解させたものを用いた。
<第1の粒子および第2の粒子の平均粒子径の算出>
レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて、各例の正極活物質それぞれにおけるLiWO粉末を混合する前の粒子のメジアン径(D50)を測定した。次に、かかる正極活物質(第2の粒子)のSEM像を取得した。得られたSEM像の中から、それぞれD50に相当する大きさの第2の粒子を任意(無作為)に30個選択した。そして、該30個の第2の粒子の粒子径を上述した方法で算出し、それらの平均値を第2の粒子の平均粒子径とした。
また、上記選択した30個の第2の粒子それぞれにおいて、該第2の粒子に含まれる第1の粒子の中から、SEM像において粒子全体が視認できる(即ち、他の粒子に隠れている部分がない)第1の粒子を選択し、上述した方法で該第1の粒子の粒子径を算出し、それらの平均値を第1の粒子の平均粒子径とした。
<正極活物質の組成分析>
上記作製した正極活物質に対して、誘導結合プラズマ(ICP)発光分光分析を行い、各元素の含有量を測定した。
<活性化処理および初期放電容量の測定>
上記作製した各評価用リチウムイオン二次電池を0.1Cの電流値で4.2Vまで定電流充電を行った後、定電圧充電時の電流値が1/50Cになるまで定電圧充電を行い、満充電状態にした。その後、定電流方式により、各評価用リチウムイオン二次電池を0.1Cの電流値で3.0Vまで放電し、このときの放電容量を初期放電容量とした。なお、かかる充放電の操作は25℃で行った。なお、ここで「1C」とは、1時間でSOC(state of charge)を0%から100%まで充電できる電流の大きさのことをいう。
<初期電池抵抗の測定>
各評価用リチウムイオン二次電池を、電池容量の50%(SOC=50%)の状態に調整した。次に、-10℃の環境下で種々の電流値で電流を流し、2秒後の電池電圧を測定した。上記流した電流と電圧変化を直線補間し、その傾きから電池抵抗(初期電池抵抗)を算出した。そして、例1の期抵抗を1.0としたとき初期抵抗の相対値を算出した。その結果を表1に示す。
<耐久後抵抗増加率および容量維持率の測定>
初期抵抗を測定した各評価用リチウムイオン二次電池に対し、60℃の環境下でサイクル試験を実施した。具体的には、1Cで4.2Vまで定電流充電を行った後、1Cで3.0Vまで定電流放電を行うことを1サイクルとして、50サイクル繰り返した。そして、50サイクル後の放電容量および電池抵抗を上記と同じ方法で測定した。そして、耐久後容量維持率を以下の式1:
(50サイクル後の放電容量)/(初期放電容量)×100・・・式1
により算出した。また、耐久後抵抗増加率を以下の式2:
(50サイクル後の電池抵抗)/(初期電池抵抗)×100・・・式2
により算出した。これら算出した耐久後容量維持率および耐久後抵抗増加率それぞれにおいて、例1を1.0としたときの相対値を算出した。その結果を表1に示す。
Figure 2022087470000002
表1に示すように、第1の粒子の平均粒子径が5μm以上10μm以下であり、第2の粒子の平均粒子径が10μm以上20μm以下であり、かつ、第2の粒子の表面にリチウムタングステン複合酸化物(詳しくはLiWO)が3mol%以下で備えられている例2~7、例9~10、例12~15は、第1の粒子および第2の粒子の平均粒子径が小さい例1よりも、優れたサイクル耐久性を示した。具体的には、60℃環境下のサイクル試験後の抵抗増加率の増加が抑制され、さらに容量維持率も向上した。また、例2~7、例9~10、例12~15は、初期抵抗においても例1よりも低い値を示した。さらに、このなかでも、リチウムタングステン複合酸化物(詳しくはLiWO)の割合が2.0mol%以下の例2~6、例9~10、例12~15はより優れたサイクル耐久性および初期抵抗低減効果を示した。そして、かかるリチウムタングステン複合酸化物の割合が0.3mol%以上1.5mol%の以下である例3~5、例9~10、例13~14は特に優れたサイクル耐久性および初期抵抗低減効果を示すことがわかる。
したがって、ここで開示される正極活物質を用いることにより、初期抵抗が低く、サイクル耐久性に優れた非水電解質二次電池を提供することができることがわかる。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、請求の範囲を限定するものではない。請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
10 第2の粒子
12 第1の粒子
14 リチウムタングステン複合酸化物粒子
20 電極体
30 電池ケース
36 安全弁
42 正極端子
42a 正極集電板
44 負極端子
44a 負極集電板
50 正極
52 正極集電体
52a 正極集電体露出部
54 正極活物質層
60 負極
62 負極集電体
62a 負極集電体露出部
64 負極活物質層
70 セパレータ
100 リチウムイオン二次電池

Claims (5)

  1. 非水電解質二次電池に用いられる正極活物質であって、
    第1の粒子が複数集合した第2の粒子を含み、
    前記第1の粒子のSEM像に基づく平均粒子径は5μm以上10μm以下であり、
    前記第2の粒子のSEM像に基づく平均粒子径は10μm以上20μm以下であり、
    前記第1の粒子は、少なくともリチウム原子とマンガン原子とを含有するスピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物を含み、
    前記第2の粒子の表面の少なくとも一部には、リチウムタングステン複合酸化物粒子が備えられており
    ここで、前記リチウムマンガン複合酸化物と前記リチウムタングステン複合酸化物粒子との合計を100mol%としたとき、前記リチウムタングステン複合酸化物粒子の割合が3mol%以下である、
    正極活物質。
  2. 前記リチウムタングステン複合酸化物粒子の割合が0.1mol%以上3mol%以下である、請求項1に記載の正極活物質。
  3. 前記スピネル型結晶構造のリチウムマンガン複合酸化物は、以下の化学式:
    Li1+zMn2-x-zMe
    (前記化学式中、MeはMgおよびAlのうち少なくとも一方を含む1種以上の金属元素を表し、x、zはそれぞれ正の実数であり、x≦0.1、z≦0.15を具備する)
    で表される化合物を含む、請求項1または2に記載の正極活物質。
  4. 前記リチウムタングステン複合酸化物粒子としてLiWOを含む、請求項1~3の何れか一項に記載の正極活物質。
  5. 正極と、負極と、非水電解質と、を備える非水電解質二次電池であって、
    前記正極は、正極活物質層を備え、
    前記正極活物質層は、請求項1~4の何れか一項に記載の正極活物質を備える、
    非水電解質二次電池。
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