JP2022084411A - 車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】左右一対の後輪を備える車両において、後輪周辺の部品点数増加による製造コストの増加を抑える。【解決手段】左右一対の後輪4の各々を車幅方向内側から覆う左右一対のフェンダ内側壁55と、前記左右一対のフェンダ内側壁55の後部間に配置され、車両構成部品(ランプユニット26、左右リヤウインカ27、ライセンスプレートR)用の部品取り付け部66を有するリヤカバー65と、を備え、前記左右一対のフェンダ内側壁55と前記リヤカバー65とが、互いに一体形成されてインナーフェンダ48を構成している。【選択図】図5

Description

本発明は、車両に関する。
例えば特許文献1,2には、左右一対の後輪を有する小型車両において、左右の後輪の上方を覆う左右一対のリヤフェンダを、左右のリヤフェンダの間に渡る別部材で連結した構成が開示されている。
特許文献1では、三輪EVの駆動用バッテリケースの外壁がインナーフェンダとして機能し、これに別部品である左右のリヤフェンダを取り付けている。
特許文献2では、単独部品のナンバープレートフェンダをインナーフェンダに取り付けている。
特許第5525998号公報 実開昭61-59189号公報
しかし、上記従来のように、別部品同士を組み付けたり専用部品を設定したりする構成の場合、専用の組み付け構造や取り付け部材が必要になり、組み立て工数や部品点数を増加させて製造コストを増加させるという課題がある。
そこで本発明は、左右一対の後輪を備える車両において、後輪周辺の部品点数増加による製造コストの増加を抑えることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、左右一対の後輪(4)の各々を車幅方向内側から覆う左右一対のフェンダ内側壁(55)と、前記左右一対のフェンダ内側壁(55)の後部間に配置され、車両構成部品(26,27,R)用の部品取り付け部(66)を有するリヤカバー(65)と、を備え、前記左右一対のフェンダ内側壁(55)と前記リヤカバー(65)とが、互いに一体形成されてインナーフェンダ(48)を構成することを特徴とする。
この構成によれば、車両構成部品用の部品取り付け部を有するリヤカバーと、左右一対のフェンダ内側壁とを、一体構造のインナーフェンダとし、このインナーフェンダがライセンスプレート取り付け部等の部品取り付け部を兼ねているので、車両構成部品専用の取り付け部材を別途設けることによる部品点数の増加を抑え、前記取り付け部材の製造および組み立てに要する製造コストの増加を抑えることができる。
請求項2に記載した発明は、前記リヤカバー(65)の部品取り付け部(66)は、テールランプ、ブレーキランプ、リヤウインカ、ライセンスランプおよびライセンスプレートの少なくとも一つを取り付け可能とすることを特徴とする。
この構成によれば、テールランプ、ブレーキランプ、リヤウインカ、ライセンスランプおよびライセンスプレートの少なくとも一つを取り付ける部品取り付け部をリヤカバーに設けるので、車両構成部品専用の取り付け部材を別途設けることによる部品点数の増加を抑え、前記取り付け部材の製造および組み立てに要する製造コストの増加を抑えることができる。
請求項3に記載した発明は、前記左右一対の後輪(4)の間に配置されるパワーユニット(20)を備え、前記インナーフェンダ(48)は、前記パワーユニット(20)を後方および側方から覆うことを特徴とする。
この構成によれば、左右後輪の間に配置されたパワーユニットを後方および側方からインナーフェンダで覆うので、パワーユニットに対する後方および側方からの外乱の影響を抑えるとともに、後方および側方からの外観性の向上を図ることができる。
請求項5に記載した発明は、前記リヤカバー(65)の車幅方向外側の端部(65a)は、前記左右一対のフェンダ内側壁(55)における後端よりも前方の結合部(55c)に結合され、前記結合部(55c)と、前記結合部(55c)よりも後方の後側内側壁(57)とは、互いに同一面に沿うように構成されることを特徴とする。
この構成によれば、フェンダ内側壁におけるリヤカバーの結合部と結合部よりも後方の後側内側壁とを同一面に沿うように構成するので、インナーフェンダを容易に一体成型部品として成型することができる。また、上下方向に延びるフェンダ内側壁周辺を型抜きしやすくし、成型性の向上を図ることができる。さらに、リヤフェンダとしてのタイヤの泥はね防止効果を得るとともに、タイヤとリヤフェンダとの間のクリアランスを適切に確保することができる。
請求項6に記載した発明は、前記左右一対のフェンダ内側壁(55)の少なくとも一方は、前記後輪(4)の前端部よりも前方まで延びる前方延出部(58)を有し、前記前方延出部(58)には、バッテリ(B2)を収容するバッテリ収容部(58b)が構成されることを特徴とする。
この構成によれば、バッテリ搭載用の部材を別途設けることによる部品点数の増加を抑え、製造コストの増加を抑えることができる。バッテリ収容部を後輪の前方に設けるので、左右一対の後輪の前方に形成されるスペースをバッテリ配置スペースとして有効活用し、車体の小型化に寄与することができる。重量物であるバッテリを後輪よりも前方に配置するので、マスの集中に寄与することができる。
請求項9に記載した発明は、少なくとも前記インナーフェンダ(48)の上方の一部を覆うようにリヤフェンダ(46)が設けられ、前記リヤフェンダ(46)の上方に荷台(31)が配置され、前記部品取り付け部(66)には、ランプユニット(26)が取り付けられ、前記荷台(31)の後端は、前記ランプユニット(26)の後端よりも前方側に位置し、前記リヤフェンダ(46)は、前記ランプユニット(26)の全体を上方から覆う庇部(62)を備えることを特徴とする。
この構成によれば、インナーフェンダの上方を覆うリヤフェンダのさらに上方に荷台が配置され、荷台の後端よりも後方にランプユニットの後端が位置し、このランプユニットの全体をリヤフェンダの庇部で上方から覆うので、荷台の後端から積み荷等が落ちたとしても、リヤフェンダの庇部によってランプユニットの損傷を抑えることができる。
請求項10に記載した発明は、前記庇部(62)は、前記ランプユニット(26)よりも後方まで延びることを特徴とする。
この構成によれば、ランプユニットに対する後方からの外乱の影響を抑えることができる。
請求項11に記載した発明は、当該車両は、後進機能を有することを特徴とする。
この構成によれば、リバース機能を有する車両において、後退時に障害物に衝突した場合にも、庇部によってランプユニットを保護することができる。
本発明によれば、左右一対の後輪を備える車両において、後輪周辺の部品点数増加による製造コストの増加を抑えることができる。
本発明の実施形態における電動車両の左側面図である。 上記電動車両の後面図である。 上記電動車両の後車体周辺の右側面図である。 上記電動車両の後車体カバーの斜視図である。 上記後車体カバーの分解斜視図である。 上記後車体カバーのインナーフェンダの上面図である。 上記電動車両の車体後端部の斜視図である。 上記電動車両の車体後端部の上面図である。 上記電動車両の電力供給系のブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車両左右中心を示す線CLが示されている。
図1に示すように、本実施形態の車両は、操舵輪である一輪の前輪2を前車体3に支持するとともに、駆動輪である左右二輪の後輪4を後車体5に支持した三輪の電動車両1である。電動車両1は、左右の後輪4を接地させた後車体5に対して、前車体3を左右揺動(ローリング動)可能とした、揺動式の電動三輪車として構成されている。電動車両1は、車両前方に前進して走行可能であるとともに、車両後方に後進(後退)することも可能である。
前車体3は、前輪操舵用のバーハンドル6と、乗員が着座するシート7と、を備えている。前車体3は、バーハンドル6とシート7との間を跨ぎ空間8とし、跨ぎ空間8の下方には低床フロア9を備えている。前車体3および後車体5は、回動機構(ローリングジョイント)19を介して互いに連結されている。図1中符号C1は回動機構19における車両前後方向に延びる回動軸線(ロール軸線)を示している。
前車体3は、前車体フレーム11を備えている。前車体フレーム11は、鉛直方向に対して後傾したヘッドパイプ12と、ヘッドパイプ12の後側から下方へ延びた後に後方へ湾曲する単一の前部フレーム14と、前部フレーム14の湾曲部両側から左右に分岐して後方へ延びる左右一対の下部フレーム15と、左右の下部フレーム15の後端部から斜め後上方へ湾曲して延びる左右一対の後部フレーム16と、左右の後部フレーム16の後端部から後方へ湾曲して延びる左右一対の荷台フレーム17と、を備えている。
ヘッドパイプ12には、前輪懸架装置(例えばテレスコピック式あるいはボトムリンク式のフロントフォーク)13が操舵可能に支持されている。前輪懸架装置13の下端部には、前輪2が支持されている。前輪懸架装置13の上部には、ヘッドパイプ12を貫通するステムパイプ13aが一体に設けられている。ステムパイプ13aには、バーハンドル6が一体回動可能に固定されている。
前車体3は、前車体カバー23で覆われている。前車体カバー23は、ヘッドパイプ12及び前部フレーム14の周辺を前方及び後方からそれぞれ覆うフロントカバー24と、フロントカバー24の下端部の後方に連なるフロアカバー25と、フロアカバー25の後方で立ち上がるリヤボディカバー28と、リヤボディカバー28の上部後方で荷台フレーム17の周囲を覆う荷台カバー29と、備えている。フロアカバー25と左右の下部フレーム15等とで低床フロア9が構成されている。荷台カバー29と左右の荷台フレーム17等とで荷台31が構成されている。荷台31とシート7との間には、荷台前壁部31aが起立している。
後車体5は、前車体フレーム11から独立した後車体フレーム18を備えている。前車体フレーム11には、回動機構19の前部が連結されている。回動機構19における前部に対して相対回動可能な後部は、後車体フレーム18に連結されている。
後車体5は、左右の後輪4間に配置されるパワーユニット20を備えている。パワーユニット20は、左右両側に後輪車軸21を延出し、左右の後輪4を支持している。後車体5は、後車体カバー22に上方から覆われている。
電動車両1は、前車体3の前後に渡って設けられて運転者の前方および上方を覆うルーフユニット40を備えている。ルーフユニット40は、カウリング41、ウインドシールド42、ルーフ43および左右一対のピラー44を備えている。例えば、ルーフユニット40は、オプションとして前車体3に後付けで装着可能である。
電動車両1は、規定の操作によって後退可能とする後進機能を有している。例えば、バーハンドル6の左右両側に設けたリバーススイッチを両押し操作することで、電動車両1を低速で後退させることが可能となる。
パワーユニット20は、電動車両1の駆動源である電気モータ(原動機)35を備えている。シート7下方かつリヤボディカバー28内には、バッテリボックス33が設けられている。バッテリボックス33には、電気モータ35の電源である左右一対の高電圧バッテリB1、および各高電圧バッテリB1の充放電等を管理するBMU(Battery Managing Unit、不図示)等が収容されている。
図2を併せて参照し、パワーユニット20は、車幅方向外側で左右の後輪4の間に配置されている。パワーユニット20は、電気モータ35および減速機等を収容するユニットケース37を備えている。ユニットケース37ひいてはパワーユニット20は、車幅方向外側に延びる出力軸(後輪車軸21)を介して左右の後輪4を支持している。例えば、パワーユニット20および左右の後輪4は、後車体フレーム18に対して、スイングアーム38を介して上下揺動可能に支持されている。スイングアーム38は、前端部が車幅方向に延びる揺動軸38aを介して後車体フレーム18に連結されている。スイングアーム38の後端部と後車体フレーム18の後端部との間には、上下方向に延びる左右一対のクッションユニット39が介設されている。図2は荷台31に物品収納ボックス31bを搭載した態様を示す。
図1を参照し、ユニットケース37の前方には、電気モータ35の出力を制御するPCU(Power Control Unit)36が配置されている。PCU36は、例えばPDU(Power Driver Unit)およびECU(Electric Control Unit)を一体に備える制御ユニットである。PCU36は、電動車両1の駆動システムの制御部であり、駆動システムの起動後に、アクセル操作に応じて電気モータ35を駆動制御する。
図9を併せて参照し、各バッテリB1の電力は、配線ターミナルであるジャンクションボックスJに送られる。ジャンクションボックスJは、前車体3におけるバッテリボックス33の後面側に配置されている。ジャンクションボックスJに送られた電力は、高圧ハーネスH1,H2を介して、後車体5に配置されたPCU36およびダウンレギュレータDに送られる。PCU36は、後車体5における後輪4よりも前方の前部に配置されている。ダウンレギュレータDは、PCU36の後方に配置されている。パワーユニット20への電力供給は、PCU36から延出する三相ハーネスH3を介してなされる。なお、ジャンクションボックスJを無くし、各バッテリB1から後車体5へ直接電力を供給する構成としてもよい。
各バッテリB1の電力は、それぞれハーネスH0を介してジャンクションボックスJに送られる。ジャンクションボックスJから延出する高圧ハーネスH1は、PCU36に連結されている。PCU36から延出する三相ハーネスH3は、電気モータ35に接続されている。高圧ハーネスH1は、PCU36に電力を供給する他、電気モータ35の回生発電によって生じた電力をバッテリB1側に戻す機能を有している。
ジャンクションボックスJから延出する高圧ハーネスH2は、ダウンレギュレータDに接続されている。ダウンレギュレータDから延出するハーネスH4は、補機電源である12VのサブバッテリB2に接続されている。サブバッテリB2は、ヒューズボックス等の他の電装部品とともに、後車体5における後述するバッテリ収容部58bに収容されている。
<後車体カバー>
以下、後車体カバー22について説明する。以下の説明において、後輪車軸21に沿う方向(車軸方向)を左右方向もしくは車幅方向とする。
図3~図5に示すように、後車体カバー22は、左右の後輪4を個別に上方から覆う左右一対のリヤフェンダ組体51を備えている。左右のリヤフェンダ組体51は、それぞれ車幅方向でリヤフェンダ本体52とフェンダ内側壁55とを備えている。後車体カバー22は、リヤフェンダ46とインナーフェンダ48とを一体に組み合わせて構成されている。
リヤフェンダ46は、左右一対のリヤフェンダ本体52と、左右リヤフェンダ本体52の上部間に配置されてこの上部間を連結するアッパーカバー61と、を備えている。例えば、リヤフェンダ46は、合成樹脂製の射出成型品として一体形成されている。
左右のリヤフェンダ本体52は、それぞれ対応する後輪4(車幅方向で同側の後輪4)を上方から覆う。左右のリヤフェンダ本体52は、車両側面視で後輪4の上部に沿うように湾曲する円弧状をなしている。左右のリヤフェンダ本体52は、周方向の断面形状が後輪4の外周側に凸の円弧状をなしている。左右のリヤフェンダ本体52は、後輪車軸21の前方から後方にかけて連続して延びている。
左右のリヤフェンダ本体52ひいては後車体カバー22は、後車体5のフレームに対して一体的に(すなわち不動に)に設けられている。左右の後輪4は、後車体5のフレームに対してリヤサスペンションの作用により上下動可能に設けられている。左右のリヤフェンダ本体52と左右の後輪4との間には、左右の後輪4の上下動を許容するべく上下方向の間隔が確保されている。
アッパーカバー61は、左右の後輪4の間に配置されたパワーユニット20等の駆動系部品を上方から覆っている。アッパーカバー61は、上下方向に浅いトレー状をなし、下方に開放するように配置されて、パワーユニット20等を上方から覆っている。アッパーカバー61は、左右のリヤフェンダ本体52の上部間(左右の後輪4の上部間)に配置されている。
アッパーカバー61の左右端部61aは、左右のリヤフェンダ本体52の上部に一体結合されている。アッパーカバー61の前部61bは、左右のリヤフェンダ本体52の前部が下方に湾曲するのに対し、左右のリヤフェンダ本体52から分離して略水平に前方へ延びている。アッパーカバー61の後部61cは、左右のリヤフェンダ本体52の後部が下方に湾曲するのに対し、左右のリヤフェンダ本体52から分離して略水平に後方へ延びている。
図7、図8を併せて参照し、アッパーカバー61の後端部には、リヤカバー65の後面部66aに取り付けられたリヤランプユニット26の上方を覆う庇部62が形成されている。庇部62は、左右方向に長い直方体状のリヤランプユニット26に対し、上方から見てリヤランプユニット26全体と重なるように(リヤランプユニット26全体を覆うように)、前後左右の幅を設定している。後車体5の上面には荷台31が設けられている。この荷台31の後端よりも後方にリヤランプユニット26の後端が張り出している。このため、荷台31に荷物を積み下ろす際に荷物が落下すると、落下した荷物によってリヤランプユニット26が損傷する虞がある。これに対し、リヤランプユニット26全体を庇部62によって上方から覆うことで、リヤランプユニット26に対する上方からの外乱の影響を抑えることができる。
庇部62の後端部62aは、リヤランプユニット26の後端部よりも後方まで延びており、リヤランプユニット26に後方から接近する障害物に対してリヤランプユニット26よりも先当たりするようになっている。すなわち、電動車両1はリバース機能を有しており、電動車両1が後退する際に車両後方に障害物があると、この障害物にリヤランプユニット26周辺がぶつかってリヤランプユニット26が損傷する虞がある。これに対し、リヤランプユニット26の上方を覆う庇部62が、リヤランプユニット26よりも後方まで延びることで、リヤランプユニット26に対する後方からの外乱の影響を抑えることができる。
図5、図6を参照し、インナーフェンダ48は、左右一対のフェンダ内側壁55と、左右フェンダ内側壁55の後部間に配置されてこの後部間を連結するリヤカバー65と、を備えている。例えば、インナーフェンダ48は、合成樹脂製の射出成型品として一体形成されている。
左右のフェンダ内側壁55は、左右方向と略直交する板状をなし、それぞれ対応する後輪4(車幅方向で同側の後輪4)を車幅方向内側から覆う。左右のフェンダ内側壁55は、車両側面視で後輪4の上半部と概ね重なる半円状をなしている。左右のフェンダ内側壁55は、後輪車軸21の周囲を避ける切り欠き55aを有している。左右のフェンダ内側壁55は、リヤフェンダ本体52と同様、後輪車軸21の前方から後方にかけて連続して延びている。
左右のフェンダ内側壁55は、それぞれ対応するリヤフェンダ本体52(車幅方向で同側のリヤフェンダ本体52)と組み合わされる。左右のリヤフェンダ本体52は、対応するフェンダ内側壁55の外周部から車幅方向外側に向けて延びるように設けられている。左右のフェンダ内側壁55の外周部からは、対応するリヤフェンダ本体52の内周面に沿うように設けられた内周壁55bが車幅方向外側に延びている。内周壁55bは、フェンダ内側壁55の後部では車幅方向外側への延出長さが小さく、フェンダ内側壁55の前部に至るほど車幅方向外側への延出高さを増している。
リヤカバー65は、左右の後輪4の間に配置されたパワーユニット20等の駆動系部品を後方から覆っている。リヤカバー65は、上下方向に延びる壁状をなしている。リヤカバー65は、左右のフェンダ内側壁55の後部間(左右の後輪4の後部間)に配置されている。
リヤカバー65の左右端部65aは、上面視で前方に向けて湾曲して延びている。リヤカバー65の左右端部65aは、左右のフェンダ内側壁55の後部に一体結合されている。リヤカバー65の左右端部65aは、左右のフェンダ内側壁55の後部に対し、前後方向でフェンダ内側壁55の後端と後輪車軸21との間の範囲で結合されている。以下、フェンダ内側壁55におけるリヤカバー65の左右端部65aを結合する部位を結合部55cという。また、フェンダ内側壁55における結合部55cよりも前方の部位を前側内側壁56、フェンダ内側壁55における結合部55cよりも後方の部位を後側内側壁57という。
リヤカバー65は、車両構成部品を取り付け可能とする部品取り付け部66を有している。部品取り付け部66は、リヤランプユニット26、左右一対のリヤウインカ27、およびライセンスプレートRを取り付け可能とする。部品取り付け部66は、リヤカバー65における左右のフェンダ内側壁55間の間隔よりも狭い左右幅の後面部66aを有している。リヤランプユニット26は、左右方向に長い直方体状の外形状をなし、後面部66aに取り付けられる。リヤランプユニット26は、前記外形状を形成するレンズカバーの内側に、LED等の光源およびリフレクタを収容している。リヤランプユニット26は、テールランプおよびブレーキランプとして機能するとともに、ライセンスプレートRを照らすライセンスランプとしても機能する。
左右のリヤウインカ27は、部品取り付け部66における後面部66aの左右側縁から前方に屈曲して延びる左右側面部66bに取り付けられる。
ライセンスプレートRは、部品取り付け部66における後面部66aの下方で後下方に斜めに延びる後下方延出部66cに取り付けられる。後下方延出部66cは、左右の後輪4間の泥除けとしても機能する。
左右のフェンダ内側壁55の各々において、前側内側壁56と後側内側壁57とは、互いに車幅方向と略直交する同一平面に沿うように形成されている。特に、前側内側壁56と後側内側壁57とは、リヤフェンダ組体51の内側における後輪4が上下動する空間(ホイールハウスH)に臨む側面55dが、略同一平面状となるように形成されている。さらに、結合部55cと後側内側壁57とは、略同一平面状となるように形成されている。これにより、インナーフェンダ48を上下方向の型割で一体成型する際、上下方向に延びるフェンダ内側部周辺の型抜きがしやすくなる。
図3を併せて参照し、例えば右側のフェンダ内側壁55は、後輪4の前端部よりも前方まで延びる前方延出部58を有している。前方延出部58の車幅方向外側には、サブバッテリB2を取り付け可能とする係止爪等のバッテリ取り付け構造が設けられている。前方延出部58の車幅方向外側かつリヤフェンダ本体52の前端部の前方には、例えば車幅方向外側から着脱されてサブバッテリB2を覆う右電装部品カバー58aが取り付けられる。バッテリカバーと前方延出部58とで、サブバッテリB2等を収容するバッテリ収容部58bが構成される。
ここで、前車体フレーム11の後部には、左右の後部フレーム16と左右の荷台フレーム17との間に渡る左右一対の荷台サポートフレーム17aが設けられている。バッテリ収容部58bは、右側の後輪4と右側の荷台サポートフレーム17aとの間に形成される空間に配置されることとなり、車体が有する空間の有効活用を図ることができる。
以上説明したように、上記実施形態における電動車両1は、左右一対の後輪4の各々を車幅方向内側から覆う左右一対のフェンダ内側壁55と、前記左右一対のフェンダ内側壁55の後部間に配置され、車両構成部品(ランプユニット26、左右リヤウインカ27、ライセンスプレートR)用の部品取り付け部66を有するリヤカバー65と、を備え、前記左右一対のフェンダ内側壁55と前記リヤカバー65とが、互いに一体形成されてインナーフェンダ48を構成している。
この構成によれば、車両構成部品(ランプユニット26、左右リヤウインカ27、ライセンスプレートR)用の部品取り付け部66を有するリヤカバー65と、左右一対のフェンダ内側壁55とを、一体構造のインナーフェンダ48とし、このインナーフェンダ48がライセンスプレート取り付け部等の部品取り付け部を兼ねているので、車両構成部品専用の取り付け部材を別途設けることによる部品点数の増加を抑え、前記取り付け部材の製造および組み立てに要する製造コストの増加を抑えることができる。
上記電動車両1において、前記リヤカバー65の部品取り付け部66は、テールランプ、ブレーキランプ、ライセンスランプとして機能するランプユニット26と、左右リヤウインカ27と、ライセンスプレートRと、を取り付け可能としている。
この構成によれば、上記した複数種の灯火器およびライセンスプレートRに専用の取り付け部材を別途設けることによる部品点数の増加を抑え、前記取り付け部材の製造および組み立てに要する製造コストの増加を抑えることができる。
上記電動車両1において、前記左右一対の後輪4の間に配置されるパワーユニット20を備え、前記インナーフェンダ48は、前記パワーユニット20を後方および側方から覆っているので、パワーユニット20に対する後方および側方からの外乱の影響を抑えるとともに、後方および側方からの外観性の向上を図ることができる。
上記電動車両1において、前記リヤカバー65の車幅方向外側の端部は、前記左右一対のフェンダ内側壁55における後端よりも前方の結合部55cに結合され、前記結合部(55c)と、前記結合部55cよりも後方の後側内側壁57とは、互いに同一面に沿うように構成されている。
この構成によれば、フェンダ内側壁55におけるリヤカバー65の結合部55cと結合部55cよりも後方の後側内側壁57とを同一面に沿うように構成するので、インナーフェンダ48を容易に一体成型部品として成型することができる。また、上下方向に延びるフェンダ内側壁55周辺を型抜きしやすくし、成型性の向上を図ることができる。
上記電動車両1において、前記左右一対のフェンダ内側壁55の少なくとも一方は、前記後輪4の前端部よりも前方まで延びる前方延出部58を有し、前記前方延出部58には、サブバッテリB2を収容するバッテリ収容部58bが構成されている。
この構成によれば、サブバッテリB2搭載用の部材を別途設けることによる部品点数の増加を抑え、製造コストの増加を抑えることができる。バッテリ収容部58bを後輪4の前方に設けるので、左右一対の後輪4の前方に形成されるスペースをバッテリ配置スペースとして有効活用し、車体の小型化に寄与することができる。重量物であるバッテリを後輪4よりも前方に配置するので、マスの集中に寄与することができる。
上記電動車両1において、少なくとも前記インナーフェンダ48の上方の一部を覆うようにリヤフェンダ46が設けられ、前記リヤフェンダ46の上方に荷台31が配置され、前記部品取り付け部66には、ランプユニット26が取り付けられ、前記荷台31の後端は、前記ランプユニット26の後端よりも前方側に位置し、前記リヤフェンダ(46)は、前記ランプユニット26の全体を上方から覆う庇部62を備えている。
この構成によれば、インナーフェンダ48の上方を覆うリヤフェンダのさらに上方に荷台31が配置され、荷台31の後端よりも後方にランプユニット26の後端が位置し、このランプユニット26の全体をリヤフェンダ46の庇部62で上方から覆うので、荷台31の後端から積み荷等が落ちたとしても、リヤフェンダ46の庇部62によってランプユニット26の損傷を抑えることができる。
上記電動車両1において、前記庇部62は、前記ランプユニット26よりも後方まで延びているので、ランプユニット26に対する後方からの外乱の影響を抑えることができる。
特に、当該電動車両1は、後進機能(リバース機能)を有しているので、車両後退時に車体後端が障害物に衝突した場合にも、庇部62によってランプユニット26を保護することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、実施形態の後車体は、前車体に対してロール動が可能で上下揺動は不能に連結され、左右後輪のサスペンション機能は後車体内に構成されているが、この構成に限らない。例えば、前後車体の連結部にサスペンション機能を構成し、前車体に対して後車体全体が上下揺動する構成であってもよい。
実施形態では、揺動式の電動三輪車への適用例を示したが、これに限らず、二輪、三輪および四輪の各種の車両に適用してもよい。また、電動車両に限らず、内燃機関を有するエンジン車両やハイブリッド車両に適用してもよい。
実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 電動車両(車両)
4 後輪
20 パワーユニット
26 ランプユニット(車両構成部品)
27 リヤウインカ(車両構成部品)
31 荷台
46 リヤフェンダ
48 インナーフェンダ
51 リヤフェンダ組体
52 リヤフェンダ本体
55 フェンダ内側壁
55c 結合部
56 前側内側壁
57 後側内側壁
58 前方延出部
58b バッテリ収容部
61 アッパーカバー
62 庇部
65 リヤカバー
65a 端部
66 部品取り付け部
B2 バッテリ
R ライセンスプレート(車両構成部品)

Claims (8)

  1. 左右一対の後輪(4)の各々を車幅方向内側から覆う左右一対のフェンダ内側壁(55)と、前記左右一対のフェンダ内側壁(55)の後部間に配置され、車両構成部品(26,27,R)用の部品取り付け部(66)を有するリヤカバー(65)と、を備え、
    前記左右一対のフェンダ内側壁(55)と前記リヤカバー(65)とが、互いに一体形成されてインナーフェンダ(48)を構成することを特徴とする車両。
  2. 前記リヤカバー(65)の部品取り付け部(66)は、テールランプ、ブレーキランプ、リヤウインカ、ライセンスランプおよびライセンスプレートの少なくとも一つを取り付け可能とすることを特徴とする請求項1に記載の車両。
  3. 前記左右一対の後輪(4)の間に配置されるパワーユニット(20)を備え、
    前記インナーフェンダ(48)は、前記パワーユニット(20)を後方および側方から覆うことを特徴とする請求項1又は2に記載の車両。
  4. 前記リヤカバー(65)の車幅方向外側の端部(65a)は、前記左右一対のフェンダ内側壁(55)における後端よりも前方の結合部(55c)に結合され、
    前記結合部(55c)と、前記結合部(55c)よりも後方の後側内側壁(57)とは、互いに同一面に沿うように構成されることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の車両。
  5. 前記左右一対のフェンダ内側壁(55)の少なくとも一方は、前記後輪(4)の前端部よりも前方まで延びる前方延出部(58)を有し、
    前記前方延出部(58)には、バッテリ(B2)を収容するバッテリ収容部(58b)が構成されることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の車両。
  6. 少なくとも前記インナーフェンダ(48)の上方の一部を覆うようにリヤフェンダ(46)が設けられ、前記リヤフェンダ(46)の上方に荷台(31)が配置され、
    前記部品取り付け部(66)には、ランプユニット(26)が取り付けられ、
    前記荷台(31)の後端は、前記ランプユニット(26)の後端よりも前方側に位置し、
    前記リヤフェンダ(46)は、前記ランプユニット(26)の全体を上方から覆う庇部(62)を備えることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の車両。
  7. 前記庇部(62)は、前記ランプユニット(26)よりも後方まで延びることを特徴とする請求項6に記載の車両。
  8. 当該車両は、後進機能を有することを特徴とする請求項7に記載の車両。
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