以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図1~図4に示されるように、積層チップバリスタEC1は、素体1と、素体1の外表面に配置されている第一及び第二外部電極10,20と、素体1内に配置されている第一及び第二導体群CG1,CG2と、を備えている。素体1は、バリスタ特性(電圧非直線特性)を発現する。
素体1は、半導体セラミックからなる。素体1は、半導体セラミックにて構成されるバリスタ層が複数積層されて構成されたセラミック素体である。複数のバリスタ層は、実際には互いの境界が視認できない程度に一体化されている。本実施形態では、複数のバリスタ層は、たとえば、第一方向D1で積層されている。
素体1は、直方体形状を呈している。素体1は、互いに対向している一対の主面1a,1bと、互いに対向している一対の端面1c,1dと、互いに対向している一対の側面1e,1fと、を有している。主面1a,1b、端面1c,1d、及び側面1e,1fは、素体1の外表面を構成している。主面1a,1bは、第一方向D1で互いに対向している。端面1c,1dは、第一方向D1に交差する第二方向D2で互いに対向している。側面1e,1fは、第一方向D1及び第二方向D2に交差する第三方向D3で互いに対向している。本実施形態では、第一方向D1、第二方向D2、及び第三方向D3は、互いに直交している。第二方向D2は、たとえば、素体1の直方体形状の長手方向である。本明細書での「直方体形状」は、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状を含む。
端面1c及び端面1dは、主面1aと主面1bとを接続するように、第一方向D1に延びている。側面1e及び側面1fは、主面1aと主面1bとを接続するように、第一方向D1に延びている。主面1a及び主面1bは、端面1cと端面1dとを接続するように、第二方向D2に延びている。側面1e及び側面1fは、端面1cと端面1dとを接続するように、第二方向D2に延びている。主面1a及び主面1bは、側面1eと側面1fとを接続するように、第三方向D3に延びている。端面1c及び端面1dは、側面1eと側面1fとを接続するように、第三方向D3に延びている。
本実施形態では、素体1の第一方向D1での長さW1は、約0.5mmであり、素体1の第二方向D2での長さW2は、約1.0mmであり、素体1の第三方向D3での長さW3は、約0.5mmである。積層チップバリスタEC1は、いわゆる1005タイプのチップバリスタである。積層チップバリスタEC1は、1005タイプのサイズに限られない。積層チップバリスタEC1は、いわゆる1608サイズ(1.6mm×0.8mm×0.8mm)であってもよい。
バリスタ層は、たとえば、ZnO(酸化亜鉛)を主成分として含み、副成分としてCo、希土類金属元素、IIIb族元素(B、Al、Ga、In)、Si、Cr、Mo、アルカリ金属元素(K、Rb、Cs)及びアルカリ土類金属元素(Mg、Ca、Sr、Ba)などの金属単体、及びこれらの酸化物を含む。バリスタ層は、副成分として、たとえば、Co、Pr、Cr、Ca、K、Si、及びAlを含む。
図2に示されるように、第一及び第二外部電極10,20は、素体1の両端部に配置されている。第一外部電極10は、一方の端部に配置され、第二外部電極20は、他方の端部に配置されている。本実施形態では、第一外部電極10は、端面1cに配置され、第二外部電極20は、端面1dに配置されている。第一及び第二外部電極10,20は、第二方向D2で互いに対向している。
第一及び第二外部電極10,20は、電極層E1、第一めっき層E2、及び第二めっき層E3を有している。電極層E1は、素体1の外表面上に形成されている。電極層E1は、一対の端面1c,1dのうち対応する端面を覆うように配置されている。図1に示されるように、電極層E1は、一対の主面1a,1bのそれぞれ一部上と、一対の側面1e,1fのそれぞれ一部上にも配置されている。電極層E1は、たとえば、焼付電極層である。電極層E1は、導電ペーストを素体1の外表面に付与し、その付与された導電ペーストを焼き付けることにより形成される。導電ペーストは、Ag粒子又はAg-Pd合金粒子といった金属粉末と、ガラス成分と、アルカリ金属と、有機バインダと、有機溶剤とを含んでいる。
第一めっき層E2は、電極層E1を覆っている。第一めっき層E2は、めっき法によって形成される。第一めっき層E2は、たとえば、Niめっき層、Snめっき層、Cuめっき層、又はAuめっき層である。第二めっき層E3は、第一めっき層E2を覆っており、第一及び第二外部電極10,20の最外層を構成する。第二めっき層E2は、たとえば、めっき法により形成される。第二めっき層E3は、たとえば、Snめっき層、Sn-Ag合金めっき層、Sn-Bi合金めっき層、又はSn-Cu合金めっき層である。
続いて、第一及び第二導体群CG1,CG2について説明する。第一導体群CG1は、第一内部電極30と第一中間導体50とからなる。第二導体群CG2は、第二内部電極40と第二中間導体60とからなる。本実施形態では、第一導体群CG1は、第一内部電極30及び第一中間導体50のみからなり、第二導体群CG2は、第二内部電極40及び第二中間導体60のみからなる。
第一導体群CG1では、第一内部電極30は、一対の端縁30a,30bを有している。一対の端縁30a,30bは、第一内部電極30の第二方向D2での両端を規定している。第一内部電極30は、素体1の両端部のうち、一方の端部に露出しており、本実施形態では、端縁30aが端面1cに露出している。第一内部電極30は、第一外部電極10に接続されており、端縁30aが、第一外部電極10の電極層E1と接続されている。第一内部電極30の端縁30bは、端面1dから離間しており、端面1dに露出していない。第一内部電極30は、一対の端縁30c,30dを有している。一対の端縁30c,30dは、第一内部電極30の第三方向D3での両端を規定している。端縁30cは、側面1eから離間している。端縁30dは、側面1fから離間している。
第一内部電極30は、第一方向D1から見て、矩形状を呈している。本明細書での「矩形状」は、たとえば、各角が面取りされている形状、及び、各角が丸められている形状を含む。第一内部電極30において、第二方向D2での電極の長さは、たとえば、第三方向D3での電極の長さよりも長い。
第一中間導体50は、一対の端縁50a,50bを有している。一対の端縁50a,50bは、第一中間導体50の第二方向D2での両端を規定している。端縁50aは、端面1cから離間している。端縁50aは、第一外部電極10からも離間している。端縁50bは、端面1dから離間している。端縁50bは、第二外部電極20からも離間している。第一中間導体50は、第一及び第二外部電極10,20と接続されていない。第一中間導体50は、一対の端縁50c,50dを有している。一対の端縁50c,50dは、第一中間導体50の第三方向D3での両端を規定している。端縁50cは、側面1eから離間している。端縁50dは、側面1fから離間している。
第一中間導体50は、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。第一中間導体50の第二方向D2での長さは、たとえば、第一中間導体50の第三方向D3での長さよりも長い。
第二導体群CG2では、第二内部電極40は、一対の端縁40a,40bを有している。一対の端縁40a,40bは、第二内部電極40の第二方向D2での両端を規定している。第二内部電極40は、素体1の両端部のうち、他方の端部に露出しており、本実施形態では、端縁40bが端面1dに露出している。第二内部電極40は、第二外部電極20に接続されており、端縁40bが、第二外部電極20の電極層E1と接続されている。第二内部電極40の端縁40aは、端面1cから離間しており、端面1cに露出していない。第二内部電極40は、一対の端縁40c,40dを有している。一対の端縁40c,40dは、第二内部電極40の第三方向D3での両端を規定している。端縁40cは、側面1eから離間している。端縁40dは、側面1fから離間している。
第二内部電極40は、第一方向D1から見て、矩形状を呈している。第二内部電極40において、第二方向D2での電極の長さは、たとえば、第三方向D3での電極の長さよりも長い。本実施形態では、第一方向D1から見て、第二内部電極40は、第一内部電極30と同形状を呈している。
第二中間導体60は、一対の端縁60a,60bを有している。一対の端縁60a,60bは、第一中間導体60の第二方向D2での両端を規定している。端縁60aは、端面1cから離間している。端縁60aは、第一外部電極10からも離間している。端縁60bは、端面1dから離間している。端縁60bは、第二外部電極20からも離間している。第二中間導体60は、第一及び第二外部電極10,20と接続されていない。第一中間導体60は、一対の端縁60c,60dを有している。一対の端縁60c,60dは、第二中間導体60の第三方向D3での両端を規定している。端縁60cは、側面1eから離間している。端縁60dは、側面1fから離間している。
第二中間導体60は、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。第二中間導体60の第二方向D2での長さは、たとえば、第二中間導体60の第三方向D3での長さよりも長い。本実施形態では、第一方向D1から見て、第二中間導体60は、第一中間導体50と同形状を呈している。
本実施形態では、第一中間導体50は、第一方向D1で第一内部電極30と第二中間導体60及び第二内部電極40とから離間し、かつ、第一内部電極30と第二中間導体60及び第二内部電極40との間に配置されている。第一中間導体50は、第一方向D1で第一内部電極30と対向している。第二中間導体60は、第一方向D1で第一内部電極30及び第一中間導体50と第二内部電極40とから離間し、かつ、第一内部電極30及び第一中間導体50と第二内部電極40との間に配置されている。第二中間導体60は、第一方向D1で第二内部電極40と対向している。本実施形態では、第一方向D1で、第一内部電極30、第一中間導体50、第二中間導体60、及び第二内部電極40がこの順に並んでいる。
第一及び第二導体群CG1,CG2は、第一内部電極30と第一中間導体50とが対向している方向と第二内部電極40と第二中間導体60とが対向している方向とで、第一中間導体50と第二中間導体60とが対向するように、素体1内に配置されている。本実施形態では、第一内部電極30と第一中間導体50とが、第一方向D1で対向しており、第二内部電極40と第二中間導体60とが、第一方向D1で対向している。第一及び第二導体群CG1,CG2は、第一中間導体50と第二中間導体60とが第一方向D1で対向するように、素体1内に配置されている。
第一及び第二内部電極30,40は、第一方向D1で第一及び第二中間導体50,60を挟んで互いに対向している。図4に示されるように、第一方向D1から見て、第一及び第二内部電極30,40は、第一方向D1で第一内部電極30と第二内部電極40とが互いに対向している第一領域AR1と、第一方向D1で互いに対向していない第二領域AR2とを有している。第一方向D1から見て、第一領域AR1は、矩形状を呈している。図4に示される例では、第一方向D1から見て、第一内部電極30の端縁30cと第二内部電極40の端縁40cとが、互いに一致している部分を有している。第一方向D1から見て、第一内部電極30の端縁30dと第二内部電極40の端縁40dとが、互いに一致している部分を有している。第一及び第二中間導体50,60は、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。
本実施形態では、第一領域AR1は、第一方向D1から見て、第二内部電極40の端縁40aと、第一内部電極30の端縁30bと、第一内部電極30の端縁30cと、第一内部電極30の端縁30dとによって画成される領域である。第一領域AR1は、第一方向D1から見て、第二内部電極40の端縁40aと、第一内部電極30の端縁30bと、第二内部電極40の端縁40cと、第二内部電極40の端縁40dとによって画成されてもよい。第一内部電極30と第二内部電極40とが第一及び第二中間導体50,60を挟んで互いに対向している場合において、第一方向D1から見て第一内部電極30と第二内部電極40とが互いに重なっている領域の面積が、第一内部電極30と第二内部電極40との対向面積である。本実施形態では、第一内部電極30と第二内部電極40との対向面積が、第一領域AR1の面積に相当する。
本実施形態では、第一領域AR1の矩形状を画成する端縁40aと端縁30bとの第二方向D2での距離WF1は、たとえば、0.5~0.8mmである。第一領域AR1の矩形状を画成する端縁30cと端縁30dとの第三方向D3での距離WF2は、たとえば、0.15~0.25mmである。第一方向D1から見た第一領域AR1の面積は、たとえば、0.075~0.2mm2である。
素体1は、第一領域AR1の第一内部電極30と第二内部電極40とによって挟まれた第一素体領域V1と、第一素体領域V1以外の第二素体領域V2とを有している。第一素体領域V1は、素体1内において第一方向D1で第一内部電極30と第二内部電極40との間に位置する領域である。第一素体領域V1の底面は、第一領域AR1で規定され、第一素体領域V1の高さは、第一内部電極30と第二内部電極40との間隔ED1で規定される。間隔ED1は、たとえば、0.15~0.3mmである。
第一内部電極30は、第一方向D1で、第一中間導体50から離間している。第一方向D1での、第一内部電極30と第一中間導体50との間隔SC1は、たとえば、0mmより大きく、0.08mm以下である。第一中間導体50は、第一方向D1で、第二中間導体60から離間している。第一方向D1での、第一中間導体50と第二中間導体60との間隔SC2は、たとえば、0mmより大きく、0.08mm以下である。第二中間導体60は、第一方向D1で、第二内部電極40から離間している。第一方向D1での、第二中間導体60と第二内部電極40との間隔SC3は、たとえば、0mmより大きく、0.08mm以下である。間隔SC1、間隔SC2、及び間隔SC3は、それぞれ互いに同じ値であってもよい。第一内部電極30は、第一方向D1で、主面1aから離間している。第一方向D1での、第一内部電極30と主面1aとの間隔は、たとえば、0mmより大きく、0.3mm以下である。第二内部電極40は、第一方向D1で、主面1bから離間している。第一方向D1での、第二内部電極40と主面1bとの間隔は、たとえば、0mmより大きく、0.3mm以下である。第一内部電極30と主面1aとの間隔及び第二内部電極40と主面1bとの間隔は、共に、間隔SC1、間隔SC2、及び間隔SC3のいずれよりも大きくてよい。
第一及び第二内部電極30,40の厚さは、共に、たとえば、5μmである。第一及び第二内部電極30,40の厚さは、互いに同じ値であってよい。第一及び第二中間導体50,60の厚さは、たとえば、5μmである。第一及び第二中間導体50,60の厚さは、互いに同じ値であってよい。第一及び第二内部電極30,40の厚さと第一及び第二中間導体50,60の厚さとは、それぞれ互いに同じ値であってよい。
第一内部電極30の第二方向D2での長さWH1は、たとえば、0.7~0.9mmである。第一内部電極30の第三方向D3での長さWH2は、たとえば、0.15~0.25mmである。第二内部電極40の第二方向D2での長さWH3は、たとえば、0.7~0.9mmである。第二内部電極40の第三方向D3での長さWH4は、たとえば、0.15~0.25mmである。本実施形態では、長さWH1と長さWH3とは、互いに同じ値であってもよく、長さWH2と長さWH4とは、互いに同じ値であってもよい。
図2及び図3に示されるように、第三方向D3から見て、第一中間導体50の端縁50aは、第二方向D2で、第二内部電極40の端縁40aと距離SV1だけ離間している。第三方向D3から見て、第一中間導体50の端縁50bは、第二方向D2で、第一内部電極30の端縁30bと距離SV2だけ離間している。第三方向D3から見て、第二中間導体60の端縁60aは、第二方向D2で、第二内部電極40の端縁40aと距離SV5だけ離間している。第三方向D3から見て、第二中間導体60の端縁60bは、第二方向D2で、第一内部電極30の端縁30bと距離SV6だけ離間している。本実施形態では、距離SV1及び距離SV5は、共に、たとえば、0~0.08mmである。距離SV1及び距離SV5は、互いに同じ値であってもよい。距離SV2及び距離SV6は、共に、たとえば、0~0.08mmである。距離SV2及び距離SV6は、互いに同じ値であってもよい。
第二方向D2から見て、第一中間導体50の端縁50cは、第三方向D3で、第一内部電極30の端縁30cと距離SV3だけ離間している。第二方向D2から見て、第一中間導体50の端縁50dは、第三方向D3で、第一内部電極30の端縁30dと距離SV4だけ離間している。距離SV3及び距離SV4は、共に、たとえば、0~0.08mmである。距離SV3及び距離SV4は、互いに同じ値であってもよい。
第一中間導体50の第二方向D2での長さWM1は、たとえば、0.4~0.7mmである。第一中間導体50の第三方向D3での長さWM2は、たとえば、0.15~0.25mmである。第一方向D1から見た第一中間導体50の面積は、たとえば、0.06~0.18mm2である。
第二方向D2から見て、第二中間導体60の端縁60cは、第三方向D3で、第二内部電極40の端縁40cと距離SV7だけ離間している。第二方向D2から見て、第二中間導体60の端縁60dは、第三方向D3で、第二内部電極40の端縁40dと距離SV8だけ離間している。距離SV7及び距離SV8は、共に、たとえば、0~0.08mmである。距離SV7及び距離SV8は、互いに同じ値であってもよい。
第二中間導体60の第二方向D2での長さWM3は、たとえば、0.4~0.7mmである。第二中間導体60の第三方向D3での長さWM4は、たとえば、0.15~0.25mmである。第一方向D1から見た第二中間導体60の面積は、たとえば、0.06~0.18mm2である。
第一導体群CG1では、第一内部電極30と第一中間導体50とは、第一方向D1から見て、素体1内で互いに重なり合っている。第一内部電極30と第一中間導体50とが互いに重なり合っている領域の面積が、第一内部電極30と第一中間導体50との対向面積である。本実施形態では、第一方向D1から見て、第一中間導体50の一部が、第一領域AR1内に位置していてもよく、第一中間導体50の全部が、第一領域AR1内に位置していてもよい。第一中間導体50の少なくとも一部が、第一方向D1から見て第一領域AR1内に位置している。図2~図4は、第一中間導体50の全部が第一方向D1から見て第一領域AR1内に位置している例を示している。
第一内部電極30と第二内部電極40との対向面積に対する、第一内部電極30と第一中間導体50との対向面積の割合は、たとえば、0.5~1.0である。対向面積の割合が、1.0であるとは、第一方向D1での第一中間導体50の面積と第一領域AR1の面積とが互いに等しいことを意味する。対向面積の割合が0.5であるとは、第一方向D1での第一中間導体50の面積が第一領域AR1の面積の半分であることを意味する。
第二導体群CG2では、第二内部電極40と第二中間導体60とは、第一方向D1から見て、素体1内で互いに重なり合っている。第二内部電極40と第二中間導体60とが互いに重なり合っている領域の面積が、第二内部電極40と第二中間導体60との対向面積である。本実施形態では、第一方向D1から見て、第二中間導体60の一部が、第一領域AR1内に位置していてもよく、第二中間導体60の全部が、第一領域AR1内に位置していてもよい。第二中間導体60の少なくとも一部が、第一方向D1から見て第一領域AR1内に位置している。図2~図4は、第二中間導体60の全部が第一方向D1から見て第一領域AR1内に位置している例を示している。図4では、第一方向D1から見て、第一中間導体50の外縁と第二中間導体60の外縁とが互いに一致している例が示されている。本実施形態では、第一内部電極30と第二内部電極40との対向面積に対する、第二内部電極40と第二中間導体60との対向面積の割合は、たとえば、0.5~1.0である。
積層チップバリスタEC1において、第一及び第二内部電極30,40は、第一導電材料を含む。本実施形態では、第一導電材料は、Pd(パラジウム)である。第一導電材料は、Ag、Cu、Au、Pt、又は、それらの合金であってもよい。第一及び第二内部電極30,40は、たとえば、上記第一導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。本実施形態では、第一及び第二内部電極30,40は、Pdからなる。
第一及び第二中間導体50,60は、たとえば、第一導電材料を含んでいる。第一及び第二中間導体50,60は、第一導電材料とは異なる第二導電材料を更に含んでいる。すなわち、本実施形態では、第一及び第二中間導体50,60の少なくとも一方が第二導電材料を更に含んでいる。第二導電材料は、低抵抗の導電材料、たとえば、Al(アルミニウム)である。このほか、第二導電材料は、たとえば、Ga又はInである。第一及び第二中間導体50,60は、第一導電材料及び第一導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。本実施形態では、第一及び第二中間導体50,60は、第一導電材料を主に含み、第一及び第二中間導体50,60に含まれる第一導電材料は、Pdである。
第一中間導体50での第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%(atm%)より大きく、かつ、5原子%以下である。第一中間導体50での第二導電材料の含有量は、たとえば、0.1原子%以上、かつ、3原子%以下であってもよい。第二中間導体60での第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%より大きく、かつ、5原子%以下である。第二中間導体60での第二導電材料の含有量は、たとえば、0.1原子%以上、かつ、3原子%以下であってもよい。本実施形態では、第一及び第二中間導体50,60での第二導電材料の含有量は、互いに同じ値であってもよい。
第一及び第二中間導体50,60の少なくとも一部は、第一素体領域V1内に含まれる。第一及び第二中間導体50,60それぞれの一部が、第一素体領域V1内に位置していてもよく、第一及び第二中間導体50,60それぞれの全部が、第一素体領域V1に位置していてもよい。第一及び第二中間導体50,60は、たとえば、第二導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。第一素体領域V1は、第一導電材料とは異なる第二導電材料が拡散されている領域である。第二素体領域V2は、第二導電材料が拡散されていない領域を含んでいる。第二導電材料が拡散された領域では、その領域の低抵抗化が図られる。第一及び第二中間導体50,60の少なくとも一部が第一及び第二内部電極30,40の間に配置されている。素体1は、第一及び第二内部電極30,40の間に位置し、かつ、第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる。
本実施形態では、第一及び第二中間導体50,60に加えて、第一及び第二内部電極30,40が、第一導電材料のほかに、低抵抗の第二導電材料を更に含んでもよい。第一及び第二内部電極30,40での第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%以上、かつ、0.5原子%以下である。第一及び第二内部電極30,40での第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%より大きく、かつ、0.3原子%以下であってもよい。第一及び第二内部電極30,40が、第一導電材料のほかに、低抵抗の第二導電材料を更に含んでいる場合、第一及び第二中間導体50,60での第二導電材料の含有量は、第一及び第二内部電極30,40それぞれでの第二導電材料の含有量以上であってもよい。
積層チップバリスタEC1は、素体1内に、第一内部導体55と第二内部導体65とを更に備えている。第一内部導体55は、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくともいずれか一つの中間導体と同層であって、当該少なくともいずれか一つの中間導体と離間した位置に配置されている。素体1は、バリスタ層が第一方向D1で複数積層されて構成されたセラミック素体である。図2は、第一内部導体55が二つの導体からなり、それらの導体が第一及び第二中間導体50,60の両方と同層に並んでいる例を示している。第一内部導体55は一つの導体からなってもよく、その一つの導体が、第一及び第二中間導体50,60のどちらか一方と同層に並んでいてもよい。
第一内部導体55は、素体1の両端部のうち、一方の端部に露出している。第一内部導体55は、一対の端縁を有している。一対の端縁は、第一内部導体55の第二方向D2での両端を規定している。本実施形態では、一対の端縁のうち一の端縁が端面1cに露出している。一対の端縁のうち他の端縁は、第一及び第二中間導体50,60と離間しており、端面1dに露出していない。第一内部導体55は、第一外部電極10に接続されており、本実施形態では、一の端縁が、第一外部電極10の電極層E1と接続されている。第一内部導体55は、別の一対の端縁を有している。別の一対の端縁は、第一内部導体55の第三方向D3での両端を規定している。別の一対の端縁は、側面1e及び側面1fのいずれとも離間している。第一内部導体55は、第一方向D1から見て、矩形状を呈している。
第二内部導体65は、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方と同層の離間した位置に配置されている。第二内部導体65は、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくともいずれか一つの中間導体と同層であって、当該少なくともいずれか一つの中間導体と離間した位置に配置されている。図2は、第二内部導体65が二つの導体からなり、それらの導体が第一及び第二中間導体50,60の両方と同層に並んでいる例を示している。第二内部導体65は一つの導体からなってもよく、その一つの導体が、第一及び第二中間導体50,60のどちらか一方と同層に並んでいてもよい。
第二内部導体65は、素体1の両端部のうち、一方の端部に露出している。第二内部導体65は、一対の端縁を有している。一対の端縁は、第二内部導体65の第二方向D2での両端を規定している。本実施形態では、一対の端縁のうち一の端縁が端面1dに露出している。一対の端縁のうち他の端縁は、第一及び第二中間導体50,60と離間しており、端面1cに露出していない。第二内部導体65は、第二外部電極20に接続されており、本実施形態では、一の端縁が、第二外部電極20の電極層E1と接続されている。第二内部導体65は、別の一対の端縁を有している。別の一対の端縁は、第二内部導体65の第三方向D3での両端を規定している。別の一対の端縁は、側面1e及び側面1fのいずれとも離間している。第二内部導体65は、第一方向D1から見て、矩形状を呈している。第一内部導体55と第二内部導体65との第一方向D1から見た形状は、互いに同じであってよい。
第一及び第二内部導体55,65それぞれの第二方向D2での長さWN1,WN3は、たとえば、0.005~0.1mmである。長さWN1,WN3は、互いに同じ値であってよい。第一及び第二内部導体55,65それぞれの第三方向D3での長さWN2,WN4は、たとえば、0.15~0.25mmである。長さWN2,WN4は、互いに同じ値であってよい。第一及び第二内部導体55,65の厚さは、たとえば、5μmである。第一及び第二内部導体55,65の厚さは、互いに同じ値であってよい。第一及び第二内部導体55,65の厚さは、第一及び第二中間導体50,60の厚さと同じ値であってもよい。
本実施形態に係る積層チップバリスタEC1の効果について説明する。積層チップバリスタEC1は、バリスタ特性を発現する素体1と、素体1の両端部に配置されている第一外部電極10及び第二外部電極20と、素体内に配置されている第一導体群CG1及び第二導体群CG2と、を備えている。第一導体群CG1は、第一導電材料を含んでおり、一方の端部に露出していると共に第一外部電極10に接続されている第一内部電極30と、第一内部電極30と対向していると共に第一及び第二外部電極10,20と接続されていない第一中間導体50と、からなる。第二導体群CG2は、第一導電材料を含んでおり、他方の端部に露出していると共に第二外部電極20に接続されている第二内部電極40と、第二内部電極40と対向していると共に第一及び第二外部電極10,20と接続されていない第二中間導体60と、からなる。第一及び第二導体群CG1,CG2は、第一内部電極30と第一中間導体50とが対向している方向と第二内部電極40と第二中間導体60とが対向している方向とで、第一中間導体50と第二中間導体60とが対向するように、素体1内に配置されている。第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方は、第一導電材料とは異なる第二導電材料を含んでいる。素体1は、第一及び第二内部電極30,40の間に位置し、かつ、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方が含んでいる第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる。
本実施形態では、素体1が、第一及び第二内部電極30,40の間において、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方に含まれている第二導電材料が拡散されている領域を有している。第二導電材料が拡散されている領域は、当該第二導電材料が拡散されていない領域より低抵抗化されているので、積層チップバリスタEC1のESD耐量が向上している。第一及び第二中間導体50,60の両方が第二導電材料を含んでいる構成は、第一及び第二中間導体50,60の一方のみが含んでいる構成に比して、ESD耐量をより一層確実に向上する。
積層チップバリスタEC1は、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくともいずれか一つの中間導体と同層であって、当該少なくともいずれか一つの中間導体と離間した位置に配置されると共に一方の端部に露出しており、第一外部電極10に接続されている第一内部導体55と、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくともいずれか一つの中間導体と同層であって、当該少なくともいずれか一つの中間導体と離間した位置に配置されると共に他方の端部に露出しており、第二外部電極20に接続されている第二内部導体65と、を更に備えている。この場合、第一内部導体55によって、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくともいずれか一つの中間導体が第一内部導体55と同層に確実に配置されていることが識別される。第二内部導体65によって、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくともいずれか一つの中間導体が第二内部導体65と同層に確実に配置されていることが識別される。
本実施形態では、第一中間導体50が第二導電材料を含んでいる場合に、たとえば、第一内部導体55及び第二内部導体65の両方が、第一中間導体50と同層に配置されていてもよい。第一中間導体50が第二導電材料を含んでいない場合には、たとえば、第一内部導体55及び第二内部導体65のいずれか一方のみが、第一中間導体50と同層に配置されていてもよい。この場合、配置された内部導体55,65の位置によって、第一中間導体50を配置した層が判別される。配置された内部導体55,65の数によって、第一中間導体50における第二導電材料の含有の有無が判別され得る。第二中間導体60に対しても、たとえば、配置された内部導体55,65の位置及び数によって、それぞれ、第二中間導体60を配置した層、及び、第二中間導体60における第二導電材料の含有の有無が判別され得る。
積層チップバリスタEC1においては、第一及び第二内部電極30,40が、第二導電材料を更に含んでいる。この場合、第一及び第二内部電極30,40の間に位置している上記領域に、第一及び第二内部電極30,40から第二導電材料が更に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量が確実に向上している。
積層チップバリスタEC1においては、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方での第二導電材料の含有量が、第一及び第二内部電極30,40それぞれでの第二導電材料の含有量以上である。この場合、第一及び第二内部電極30,40の間に位置している上記領域に、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方から第二導電材料がより一層確実に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量がより一層確実に向上している。
積層チップバリスタEC1においては、第一及び第二中間導体50,60が、第二導電材料を含んでいてもよい。この場合、第一及び第二内部電極30,40の間に位置している上記領域に、第一及び第二中間導体50,60から第二導電材料が拡散され、より確実に低抵抗化している。したがって、本構成では、ESD耐量がより一層確実に向上している。
以下、本発明の実施例及び比較例により、本実施形態に係る積層チップバリスタEC1について更に説明する。実施例1~実施例8及び比較例1~比較例3によって、積層チップバリスタEC1について説明する。
(実施例1)
実施例1では、素体1の形状は、直方体形状であった。素体1において、第一方向D1での長さW1を、0.54mmとし、第二方向D2での長さW2を、0.54mmとし、第三方向D3での長さW3を、1.09mmとした。以下の実施例2~実施例8及び比較例1~比較例3における素体の形状及びサイズを、全て、実施例1の素体1の形状及びサイズと同じとした。
積層チップバリスタEC1において、間隔SC1、間隔SC2、及び間隔SC3を、0.055mmとした。第一内部電極30と主面1aとの間隔及び第二内部電極40と主面1bとの間隔を、共に0.18mmとした。実施例1では、間隔SC1、間隔SC2、及び間隔SC3は、全て互いに等しい値を有していた。以下の実施例2~実施例8及び比較例1~比較例3においても、間隔SC1、間隔SC2、及び間隔SC3は、全て互いに等しかった。
第一及び第二内部電極30,40、並びに、第一及び第二中間導体50,60の形状は、第一方向D1から見て矩形状であった。第一領域AR1の矩形状を画成する端縁40aと端縁30bとの第二方向D2での距離WF1を、共に0.62mmとし、第一領域AR1の矩形状を画成する端縁30cと端縁30dとの第三方向D3での距離WF2を、共に0.19mmとした。第一方向D1から見た第一領域AR1の面積は、0.12mm2であった。第一及び第二内部電極30,40でのAlの含有量は、0原子%であり、第一及び第二中間導体50,60でのAlの含有量は、共に、0.1原子%であった。
実施例1では、距離SV1~距離SV8を全て0mmとした。第一及び第二中間導体50,60は、第一素体領域V1内に位置し、第一方向D1から見た第一及び第二中間導体50,60の面積は、共に、0.12mm2であった。第一方向D1から見た第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合は、1.0であった。第一領域AR1の面積に対する、第一内部電極30と第一中間導体50との対向面積の割合は、1.0であった。第一領域AR1の面積に対する、第二内部電極40と第二中間導体60との対向面積の割合も、1.0であった。
(ESD耐量試験)
ESD耐量試験によって、積層チップバリスタEC1のESD耐量を調べた。ESD耐量試験として、実施例1では、IEC(InternationalElectrotechnical Commission)の規格IEC61000-4-2に定められている静電気放電イミュニティ試験を行った。積層チップバリスタEC1に放電ガンの先端を接触させた状態で、2kVステップとなるように設定し、各ステップで10回の接触放電を行った。実施例1では、ESD耐量は、放電後のバリスタ電圧初期値に対するバリスタ電圧変化の変化率が10%以上変化する直前の電圧値(kV)として見積もられた。
(エネルギー耐量試験)
エネルギー耐量試験によって、積層チップバリスタEC1のエネルギー耐量を調べた。エネルギー耐量試験では、積層チップバリスタEC1に10/1000μsのインパルス電流を印加して、積層チップバリスタEC1の電気特性を計測した。実施例1では、エネルギー耐量は、上記インパルス電流を一回印加し、積層チップバリスタEC1の電気特性が劣化しない最大のエネルギー値(J)として見積もられた。
(リーク電流試験)
リーク電流試験によって、積層チップバリスタEC1のリーク電流を調べた。リーク電流試験では、積層チップバリスタEC1に対して、電圧70Vを印加した。
(動的抵抗試験)
TLP(Transmission Line Pulse)測定によって、積層チップバリスタEC1の動的抵抗を調べた。実施例1では、積層チップバリスタEC1に100ナノ秒幅の矩形波を印加し、電流(I)/電圧(V)特性を評価した。高電流領域である10アンペア以降のIV特性から動的抵抗値を算出した。
(実施例2)
実施例2では、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、実施例1と同様に積層チップバリスタEC1の準備及び試験を行った。
(実施例3)
実施例3では、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を1原子%とした他は、実施例1と同様に、積層チップバリスタEC1の準備及び試験を行った。
(実施例4)
実施例4では、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を3原子%とした他は、実施例1と同様に、積層チップバリスタEC1の準備及び試験を行った。
(実施例5)
実施例5では、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を5原子%とした他は、実施例1と同様に、積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(実施例6)
実施例6では、第一及び第二内部電極30,40におけるAlの含有量を0.5原子%とし、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を1.0原子%とした他は、実施例1と同様に、積層チップバリスタEC1の準備及び試験を行った。
(実施例7)
実施例7では、第一及び第二内部電極30,40におけるAlの含有量を0.5原子%とし、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、実施例1と同様に、積層チップバリスタEC1の準備及び試験を行った。
(実施例8)
実施例8では、距離SV1~距離SV8を全て40μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を0.74とした他は、実施例2と同様に、積層チップバリスタEC1の準備及び試験を行った。
(実施例9)
実施例9では、距離SV1~距離SV8を全て80μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を0.5とした他は、実施例2と同様に、積層チップバリスタEC1の準備及び試験を行った。
(比較例1)
比較例1では、第一及び第二中間導体50,60のうち、第二中間導体50を設けなかった他は、実施例2と同様に、積層チップバリスタの準備及び試験を行った。第一中間導体50は、第一方向D1において、第一及び第二内部電極30,40のちょうど中間に位置した。比較例1では、中間導体の数は、一つであった。
(比較例2)
比較例2では、第一方向D1において、第一及び第二内部電極30,40の間に中間導体を三つ配置した他は、実施例2と同様に、積層チップバリスタの準備及び試験を行った。第一及び第二中間導体50,60と、これらと別の一つの中間導体とが、第一方向D1において、第一及び第二内部電極30,40の間でそれぞれ互いに等間隔に配置された。
(比較例3)
比較例3では、第一方向D1において、第一及び第二内部電極30,40の間に中間導体を四つ配置した他は、実施例2と同様に、積層チップバリスタの準備及び試験を行った。第一及び第二中間導体50,60と、これらと別の二つの中間導体とが、第一方向D1において、第一及び第二内部電極30,40の間でそれぞれ互いに等間隔に配置された。
(比較例4)
比較例4では、距離SV1~距離SV8を全て40μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を0.74とし、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を0原子%とした他は、実施例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(比較例5)
比較例5では、距離SV1~距離SV8を全て80μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を0.5とし、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を0原子%とした他は、実施例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(比較例6)
比較例6では、距離SV1~距離SV8を全て90μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を0.45とし、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を0原子%とした他は、実施例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(比較例7)
比較例7では、距離SV1~距離SV8を全て-20μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を1.1とし、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を0原子%とした他は、実施例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。距離SV1~距離SV8が-20μmであるとの表記は、第一方向D1から見て、中間導体50,60が第一領域AR1の外側まで広がっていることを示している。中間導体50,60の端縁は、第一領域AR1の第二方向D2での両側で、第一領域AR1の20μm外側に位置している。中間導体50,60の端縁は、第一領域AR1の第三方向D3での両側で、第一領域AR1の20μm外側に位置している。本比較例では、対向面積の割合は1.1であった。
(比較例8)
比較例8では、距離SV1~距離SV8を全て-40μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を1.3とし、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量を0原子%とした他は、実施例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(比較例9)
比較例9では、距離SV1~距離SV8を全て90μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を0.45とした他は、実施例2と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(比較例10)
比較例10では、距離SV1~距離SV8を全て-20μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を1.1とした他は、実施例2と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(比較例11)
比較例11では、距離SV1~距離SV8を全て-40μmとし、第一方向D1で第一領域AR1の面積に対する、第一及び第二中間導体50,60の対向面積の割合を1.3とした他は、実施例2と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
図5は、本実施形態に係る実施例1~実施例9での試験結果を示す図表である。図5は、実施例に係る積層チップバリスタの各諸元と、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の結果と、これらの試験結果に基づく特性評価の結果とを示している。図6は、本実施形態に係る比較例1~比較例11での試験結果を示す図表である。図6は、比較例に係る積層チップバリスタの各諸元と、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の結果と、これらの試験結果に基づく特性評価の結果とを示している。図5及び図6において、積層チップバリスタの各諸元は、積層チップバリスタに含まれる中間導体の数、距離SV1~距離SV8の大きさ(図では、端縁間の距離[μm]と表記)、第一領域AR1に対する中間導体の対向面積の割合、第一及び第二内部電極のAl含有量[atm%]、及び、中間導体のAl含有量[atm%]である。
イーサネット規格に基づく高速通信ネットワークシステムでは、一般的に、積層チップバリスタは電圧値15kV以上のESD耐量を有することが望ましい。ESD耐量試験において、ESD耐量を示す最大電圧値が20kV以上である場合、「良好」と判断した。
積層チップバリスタのエネルギー耐量は、一般的に、0.03J以上であることが望ましい。エネルギー耐量試験において、エネルギー耐量を示す最大エネルギー値が0.03J以上である場合、「良好」と判断した。
積層チップバリスタのリーク電流は、一般的に、1000nA(ナノアンペア)以下であることが望ましい。リーク電流試験において、リーク電流が1000nA以下である場合、「良好」と判断した。リーク電流が1000nAを超える場合、「不良」と判断した。
積層チップバリスタの動的抵抗は、一般的に、2Ω(オーム)以下であることが望ましい。動的抵抗試験において、動的抵抗値が2Ω以下である場合、「良好」と判断した。動的抵抗値が2Ωを超える場合、「不良」と判断した。
図5及び図6では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の試験結果に対する判断において、全てが「良好」である場合に、積層チップバリスタの特性として「A(良好)」と評価した。ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断において、いずれか一つでも「不良」である場合には、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価した。
図5に示されるように、実施例1~実施例9では、中間導体の数が二つである。実施例1~実施例9の積層チップバリスタEC1は、第一内部電極30と第二内部電極40との間に、第一及び第二中間導体50,60を備えている。
実施例1~実施例9では、いずれの実施例でも、第一内部電極30と第二内部電極40との対向面積に対する、第一内部電極30と第一中間導体50との対向面積の割合は、0.5~1.0であった。第一内部電極30と第二内部電極40との対向面積に対する、第二内部電極40と第二中間導体60との対向面積の割合も、0.5~1.0であった。実施例1~実施例9では、いずれの実施例でも、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量が、第一及び第二内部電極30,40におけるAlの含有量以上であった。実施例6及び7では、第一及び第二内部電極30,40におけるAlの含有量が0より大きい場合に対して、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量が、第一及び第二内部電極30,40におけるAlの含有量以上であった。実施例1~実施例9では、いずれの実施例でも、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験での試験結果が、全て、「良好」と判断され、積層チップバリスタEC1の特性として「A(良好)」と評価された。
図6に示されるように、比較例1~比較例3では、中間導体の数が二つ以外である。比較例1の積層チップバリスタは、第一及び第二中間導体50,60のうちの一つを備えていない。比較例2及び3の積層チップバリスタは、第一内部電極30と第二内部電極40との間に、第一及び第二中間導体50,60に加えて、他の中間導体を備えている。
比較例1~比較例3では、中間導体が一つのみ配置されたとき(比較例1)、動的抵抗試験の結果が「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。中間導体が三つ配置されたとき(比較例2)及び中間導体が四つ配置されたとき(比較例3)には、リーク電流試験の結果が「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
比較例4~比較例8では、第一及び第二中間導体50,60におけるAlの含有量が、いずれも0原子%である。比較例4~比較例8では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、及び動的抵抗試験での結果が「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
比較例9~比較例11では、対向面積の割合が、0.5~1.0の範囲外である。比較例9~比較例11では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、及びリーク電流試験での結果が「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
以上、本発明の実施形態及び実施例について説明してきたが、本発明は必ずしも上述した実施形態及び実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本実施形態では、第一及び第二中間導体50,60が共に第二導電材料を含んでいなくてもよい。第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方が、第二導電材料を含んでいる構成は、上述したように、第一及び第二内部電極30,40の間において、第一及び第二中間導体50,60のうち少なくとも一方に含まれている第二導電材料が拡散されている領域を有している。第二導電材料が拡散されている領域は、当該第二導電材料が拡散されていない領域より低抵抗化されているので、積層チップバリスタEC1のESD耐量が向上している。
実施形態及び実施例では、積層チップバリスタを例に説明したが、適用可能な部品は、上述の積層チップバリスタに限られない。上述の積層チップバリスタ以外に適用可能な部品は、たとえば、バリスタを備えるチップ型電子部品である。
本明細書は、以下の付記を開示する。
(付記1)
バリスタ特性を発現する素体と、
前記素体の両端部に配置されている第一外部電極及び第二外部電極と、
前記素体内の、一方の前記端部寄りに配置されている第一内部電極群と、
前記素体内の、他方の前記端部寄りに配置されている第二内部電極群と、
前記素体の中間部に配置されている中間導体群と、
を備え、
前記第一内部電極群は、第一導電材料を含んでおり、前記第一外部電極に接続されていると共に互いに対向している第一内部電極及び第二内部電極を有し、
前記第二内部電極群は、前記第一導電材料を含んでおり、前記第二外部電極に接続されていると共に互いに対向している第三内部電極及び第四内部電極を有し、
前記中間導体群は、
前記第一外部電極と前記第二外部電極とに接続されておらず、前記第一内部電極と前記第二内部電極と前記第三内部電極と前記第四内部電極とに対向している第一中間導体と、
前記第一外部電極と前記第二外部電極とに接続されておらず、前記第一内部電極と前記第三内部電極とを挟んで前記第一中間導体と対向している第二中間導体と、を有し、
前記第一中間導体は、前記第一導電材料とは異なる第二導電材料を含んでおり、
前記素体は、前記第一、第二、第三及び第四内部電極と、前記第一中間導体との間に位置し、かつ、前記第一中間導体が含んでいる前記第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる、積層チップバリスタ。
(付記2)
前記第一中間導体の面積に対する、前記第一内部電極と前記第一中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17であり、
前記第一中間導体の面積に対する、前記第二内部電極と前記第一中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17であり、
前記第一中間導体の面積に対する、前記第三内部電極と前記第一中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17であり、
前記第一中間導体の面積に対する、前記第四内部電極と前記第一中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17である、付記1に記載の積層チップバリスタ。
(付記3)
第二中間導体が、前記第二導電材料を含み、
前記素体は、前記第一内部電極及び前記第三内部電極と、前記第二中間導体との間に位置し、かつ、前記第二中間導体が含んでいる前記第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を更に含んでいる、付記1又は2に記載の積層チップバリスタ。
(付記4)
前記第二中間導体の面積に対する、前記第一内部電極と前記第二中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17であり、
前記第二中間導体の面積に対する、前記第三内部電極と前記第二中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17である、付記3に記載の積層チップバリスタ。
(付記5)
前記第一、第二、第三、及び第四内部電極が、前記第二導電材料を更に含んでいる、付記1~4のいずれか一つに記載の積層チップバリスタ。
(付記6)
前記第一中間導体での前記第二導電材料の含有量が、前記第一、第二、第三、及び第四内部電極それぞれでの前記第二導電材料の含有量以上である、付記5に記載の積層チップバリスタ。
(付記7)
前記第二中間導体での前記第二導電材料の含有量が、前記第一及び第三内部電極それぞれでの前記第二導電材料の含有量以上である、付記5又は6に記載の積層チップバリスタ。
(付記8)
前記中間導体群は、前記第一外部電極と前記第二外部電極とに接続されておらず、前記第二内部電極と前記第四内部電極とを挟んで前記第一中間導体と対向している第三中間導体と、を更に有し、
第三中間導体は、前記第二導電材料を含み、
前記素体は、前記第二内部電極及び前記第四内部電極と、前記第三中間導体との間に位置し、かつ、前記第三中間導体が含んでいる前記第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を更に含んでいる、付記1~7のいずれか一つに記載の積層チップバリスタ。
(付記9)
前記第三中間導体の面積に対する、前記第二内部電極と前記第三中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17であり、
前記第三中間導体の面積に対する、前記第四内部電極と前記第三中間導体との対向面積の割合は、0.10~0.17である、付記8に記載の積層チップバリスタ。
(付記10)
前記第一導電材料が、パラジウムであり、
前記第二導電材料が、アルミニウムである、付記1~9のいずれか一つに記載の積層チップバリスタ。
上記付記に関連して、本明細書は、以下の態様を含む。以下の各態様において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
図7~図10を参照して、本付記に係る積層チップバリスタEC2の構成を説明する。図7は、本明細書に開示する付記に係る積層チップバリスタの断面構成を示す模式図である。図8は、本付記に係る積層チップバリスタの断面構成を示す模式図である。図9は、本付記に係る積層チップバリスタの断面構成を示す模式図である。図9では、説明のため、第一方向から見て第二中間導体を第一中間導体と第一及び第二内部電極とから意図的にずらして図示している。実際には、第一方向から見て、第二中間導体の外縁は、第一中間導体の外縁と第一及び第二内部電極の外縁とに重なり合う部分を有している。図10は、本付記に係る積層チップバリスタの断面構成を示す模式図である。図10では、説明のため、第一方向から見て第三中間導体を第一中間導体と第三及び第四三内部電極とから意図的にずらして図示している。実際には、第一方向から見て、第三中間導体の外縁は、第一中間導体の外縁と第三及び第四内部電極の外縁とに重なり合う部分を有している。
積層チップバリスタEC2は、素体1と、素体1の外表面に配置されている第一及び第二外部電極10,20と、素体1内に配置されている第一及び第二内部電極群EG1,EG2と、素体1の中間部に配置されている中間導体群EG3と、を備えている。本付記の素体1は、実施形態の素体1と同じ材料の半導体セラミックからなり、実施形態の素体1と同じ積層構造を有している。本付記の素体1は、実施形態の素体1と同じ外表面を有している。
本付記の第一外部電極10,20は、実施形態と同様に、第二方向D2で互いに対向している素体1の両端部に配置されている。第一外部電極10は、一方の端部に配置され、第二外部電極20は、他方の端部に配置されている。本付記では、第一外部電極10は、端面1cに配置され、第二外部電極20は、端面1dに配置されている。本付記の第一外部電極10,20は、実施形態の第一外部電極10,20と同じ材料からなり、実施形態の第一外部電極10,20と同じ構成を有している。
続いて、第一及び第二内部電極群EG1,EG2について説明する。第一内部電極群EG1は、素体1内の、一方の端部寄りに配置されており、第二内部電極群EG2は、素体1内の、他方の端部寄りに配置されている。
第一内部電極群EG1は、第一内部電極31及び第二内部電極41を有している。第一内部電極31及び第二内部電極41は、第一方向D1で互いに対向している。第二内部電極群EG2は、第三内部電極32及び第四内部電極42を有している。第三内部電極32及び第四内部電極42は、第一方向D1で互いに対向している。第一及び第三内部電極31,32は、素体1内において、第二方向D2で互いに離間している。第一及び第三内部電極31,32は、たとえば、素体1内で互いに同層に配置されている。第二及び第四内部電極41,42は、素体1内において、第二方向D2で互いに離間している。第二及び第四内部電極41,42は、たとえば、素体1内で互いに同層に配置されている。
第一内部電極31は、一対の端縁31a,31bを有している。一対の端縁31a,31bは、第一内部電極31の第二方向D2での両端を規定している。第一内部電極31は、素体1の両端部のうち、一方の端部に露出しており、本付記では、端縁31aが端面1cに露出している。第一内部電極31は、第一外部電極10に接続されており、端縁31aが、第一外部電極10の電極層E1と接続されている。第一内部電極31の端縁31bは、端面1dから離間しており、端面1dに露出していない。第一内部電極31は、一対の端縁31c,31dを有している。一対の端縁31c,31dは、第一内部電極31の第三方向D3での両端を規定している。端縁31cは、側面1eから離間している。端縁31dは、側面1fから離間している。
第三内部電極32は、一対の端縁32a,32bを有している。一対の端縁32a,32bは、第三内部電極32の第二方向D2での両端を規定している。第三内部電極32は、素体1の両端部のうち、他方の端部に露出しており、本付記では、端縁32aが端面1dに露出している。第三内部電極32は、第二外部電極20に接続されており、端縁32aが、第二外部電極20の電極層E1と接続されている。第三内部電極32の端縁32bは、端面1cから離間しており、端面1cに露出していない。第三内部電極32は、一対の端縁32c,32dを有している。一対の端縁32c,32dは、第三内部電極32の第三方向D3での両端を規定している。端縁32cは、側面1eから離間している。端縁32dは、側面1fから離間している。
第二内部電極41は、一対の端縁41a,41bを有している。一対の端縁41a,41bは、第二内部電極41の第二方向D2での両端を規定している。第二内部電極41は、素体1の両端部のうち、一方の端部に露出しており、本付記では、端縁41aが端面1cに露出している。第二内部電極41は、第一外部電極10に接続されており、端縁41aが、第一外部電極10の電極層E1と接続されている。第二内部電極41の端縁41bは、端面1dから離間しており、端面1dに露出していない。第二内部電極41は、一対の端縁41c,41dを有している。一対の端縁41c,41dは、第二内部電極41の第三方向D3での両端を規定している。端縁41cは、側面1eから離間している。端縁41dは、側面1fから離間している。
第四内部電極42は、一対の端縁42a,42bを有している。一対の端縁42a,42bは、第四内部電極42の第二方向D2での両端を規定している。第四内部電極42は、素体1の両端部のうち、他方の端部に露出しており、本付記では、端縁42bが端面1dに露出している。第四内部電極42は、第二外部電極20に接続されており、端縁42bが、第二外部電極20の電極層E1と接続されている。第四内部電極42の端縁42aは、端面1cから離間しており、端面1cに露出していない。第四内部電極42は、一対の端縁42c,42dを有している。一対の端縁42c,42dは、第四内部電極42の第三方向D3での両端を規定している。端縁42cは、側面1eから離間している。端縁42dは、側面1fから離間している。
第一及び第二内部電極31,41と第三及び第四内部電極32,42とは、実施形態の第一及び第二内部電極30,40と同じ第一導電材料を含んでいる。本付記では、第一及び第二内部電極31,41と第三及び第四内部電極32,42とは、Pdからなる。
第一及び第二内部電極31,41と第三及び第四内部電極32,42とは、第一方向D1から見て、矩形状を呈している。本付記では、第一及び第二内部電極31,41と第三及び第四内部電極32,42とは、それぞれ互いに同形状である。第一及び第二内部電極31,41と第三及び第四内部電極32,42とにおいて、第二方向D2での内部電極の長さは、たとえば、第三方向D3での内部電極の長さよりも長い。
第一及び第三内部電極31,32それぞれの第二方向D2での長さWK1,WK3は、たとえば、0.35~0.55mmである。第一及び第三内部電極31,32それぞれの第三方向D3での長さWK2,WK4は、たとえば、0.15~0.25mmである。第二及び第四内部電極41,42それぞれの第二方向D2での長さWK5,WK7は、たとえば、0.35~0.55mmである。第二及び第四内部電極41,42それぞれの第三方向D3での長さWK6,WK8は、たとえば、0.15~0.25mmである。本付記では、長さWK1と長さWK3とは、互いに同じ値であってもよく、長さWK2と長さWK4とは、互いに同じ値であってもよい。長さWK5と長さWK7とは、互いに同じ値であってもよく、長さWK6と長さWK8とは、互いに同じ値であってもよい。長さWK1と長さWK5とは、互いに同じ値であってもよく、長さWK2と長さWK6とは、互いに同じ値であってもよい。長さWK3と長さWK7とは、互いに同じ値であってもよく、長さWK4と長さWK8とは、互いに同じ値であってもよい。
続いて、中間導体群EG3について説明する。中間導体群EG3は、第一中間導体51及び第二中間導体52を有している。第一中間導体51は、第一方向D1で、第一内部電極31と第二内部電極41と第三内部電極32と第四内部電極42とから離間すると共に、第一内部電極31と第二内部電極41と第三内部電極32と第四内部電極42とに対向している。本付記では、第一中間導体51は、第一方向D1で、第一及び第三内部電極31,32と第二及び第四内部電極41,42との間に配置され、かつ、第一方向D1で、第一及び第三内部電極31,32と第二及び第四内部電極41,42と対向している。
第一中間導体51は、一対の端縁51a,51bを有している。一対の端縁51a,51bは、第一中間導体51の第二方向D2での両端を規定している。端縁51aは、端面1cから離間している。端縁51aは、第一外部電極10からも離間している。端縁51bは、端面1dから離間している。端縁51bは、第二外部電極20からも離間している。第一中間導体51は、第一及び第二外部電極10,20と接続されていない。第一中間導体51は、一対の端縁51c,51dを有している。一対の端縁51c,51dは、第一中間導体51の第三方向D3での両端を規定している。端縁51cは、側面1eから離間している。端縁51dは、側面1fから離間している。
第一中間導体51は、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。第一中間導体51の第二方向D2での長さは、たとえば、第一中間導体51の第三方向D3での長さよりも長い。第一中間導体51の第二方向D2での長さWP1は、たとえば、0.5~0.7mmである。第一中間導体51の第三方向D3での長さWP2は、たとえば、0.15~0.25mmである。
第二中間導体52は、第一方向D1で、第一内部電極31と第三内部電極32とから離間し、かつ、第一内部電極31と第三内部電極32とを挟んで第一中間導体51と対向するように配置されている。本付記では、第二中間導体52は、第一方向D1で、たとえば、第一及び第三内部電極31,32と主面1aとの間に位置している。第二中間導体52は、第一方向D1で、第一内部電極31と第三内部電極32とに対向している。
第二中間導体52は、一対の端縁52a,52bを有している。一対の端縁52a,52bは、第二中間導体52の第二方向D2での両端を規定している。端縁52aは、端面1cから離間している。端縁52aは、第一外部電極10からも離間している。端縁52bは、端面1dから離間している。端縁52bは、第二外部電極20からも離間している。第二中間導体52は、第一及び第二外部電極10,20と接続されていない。第二中間導体52は、一対の端縁52c,52dを有している。一対の端縁52c,52dは、第二中間導体52の第三方向D3での両端を規定している。端縁52cは、側面1eから離間している。端縁52dは、側面1fから離間している。
第二中間導体52は、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。第二中間導体52の第二方向D2での長さは、たとえば、第二中間導体52の第三方向D3での長さよりも長い。第二中間導体52の第二方向D2での長さWP3は、たとえば、0.5~0.7mmである。第二中間導体52の第三方向D3での長さWP4は、たとえば、0.15~0.25mmである。本付記では、長さWP1と長さWP3とは、互いに同じ値であってもよく、長さWP2と長さWP4とは、互いに同じ値であってもよい。
第一内部電極31と第一中間導体51とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第一内部電極31と第一中間導体51とが互いに重なり合っている第一領域RG1は、矩形状を呈している。第一領域RG1の矩形状は、第一中間導体51の端縁51aと、第一内部電極31の端縁31bと、第一中間導体51の端縁51cと、第一中間導体51の端縁51dとによって画成される。第一領域RG1の矩形状は、第一中間導体51の端縁51aと、第一内部電極31の端縁31bと、第一内部電極31の端縁31cと、第一内部電極31の端縁31dとによって画成されてもよい。
第一内部電極31と第一中間導体51との対向面積は、第一領域RG1の面積に相当し、たとえば、端縁51aの長さと、端縁51cのうち第一領域RG1の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁51aの長さは、第一中間導体51の第三方向D3での長さWP2と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁51cのうち第一領域RG1の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第一領域RG1の面積、すなわち、第一内部電極31と第一中間導体51との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第一中間導体51の面積に対する、第一内部電極31と第一中間導体51との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。
第三内部電極32と第一中間導体51とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第三内部電極32と第一中間導体51とが互いに重なり合っている第二領域RG2は、矩形状を呈している。第二領域RG2の矩形状は、第三内部電極32の端縁32aと、第一中間導体51の端縁51bと、第一中間導体51の端縁51cと、第一中間導体51の端縁51dとによって画成される。第二領域RG2の矩形状は、第三内部電極32の端縁32aと、第一中間導体51の端縁51bと、第三内部電極32の端縁32cと、第三内部電極32の端縁32dとによって画成されてもよい。
第三内部電極32と第一中間導体51との対向面積は、第二領域RG2の面積に相当し、たとえば、端縁51bの長さと、端縁51cのうち第二領域RG2の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁51bの長さは、第一中間導体51の第三方向D3での長さWP2と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁51cのうち第二領域RG2の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第二領域RG2の面積、すなわち、第三内部電極32と第一中間導体51との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第一中間導体51の面積に対する、第三内部電極32と第一中間導体51との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。第一中間導体51の面積に対する、第三内部電極32と第一中間導体51との対向面積の割合は、第一中間導体51の面積に対する、第一内部電極31と第一中間導体51との対向面積の割合と同じ値であってもよい。
第一内部電極31と第二中間導体52とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第一内部電極31と第二中間導体52とが互いに重なり合っている第三領域RG3は、矩形状を呈している。第三領域RG3の矩形状は、第二中間導体52の端縁52aと、第一内部電極31の端縁31bと、第二中間導体52の端縁52cと、第二中間導体52の端縁52dとによって画成される。第三領域RG3の矩形状は、第二中間導体52の端縁52aと、第一内部電極31の端縁31bと、第一内部電極31の端縁31cと、第一内部電極31の端縁31dとによって画成されてもよい。
第一内部電極31と第二中間導体52との対向面積は、第三領域RG3の面積に相当し、たとえば、端縁52aの長さと、端縁52cのうち第三領域RG3の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁52aの長さは、第二中間導体52の第三方向D3での長さWP4と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁52cのうち第三領域RG3の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第三領域RG3の面積、すなわち、第一内部電極31と第二中間導体52との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第二中間導体52の面積に対する、第一内部電極31と第二中間導体52との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。第二中間導体52の面積に対する、第一内部電極31と第二中間導体52との対向面積の割合は、第一中間導体51の面積に対する、第一内部電極31と第一中間導体51との対向面積の割合と同じ値であってもよい。第二中間導体52の面積は、第一中間導体51の面積と同じであってもよい。
第三内部電極32と第二中間導体52とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第三内部電極32と第二中間導体52とが互いに重なり合っている第四領域RG4は、矩形状を呈している。第四領域RG4の矩形状は、第三内部電極32の端縁32aと、第二中間導体52の端縁52bと、第二中間導体52の端縁52cと、第二中間導体52の端縁52dとによって画成される。第四領域RG4の矩形状は、第三内部電極32の端縁32aと、第二中間導体52の端縁52bと、第三内部電極32の端縁32cと、第三内部電極32の端縁32dとによって画成されてもよい。
第三内部電極32と第二中間導体52との対向面積は、第四領域RG4の面積に相当し、たとえば、端縁52bの長さと、端縁52cのうち第四領域RG4の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁52bの長さは、第二中間導体52の第三方向D3での長さWP4と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁52cのうち第四領域RG4の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第四領域RG4の面積、すなわち、第三内部電極32と第二中間導体52との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第二中間導体52の面積に対する、第三内部電極32と第二中間導体52との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。第二中間導体52の面積に対する、第三内部電極32と第二中間導体52との対向面積の割合は、第二中間導体52の面積に対する、第一内部電極31と第二中間導体52との対向面積の割合と同じ値であってもよい。
第二内部電極41と第一中間導体51とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第二内部電極41と第一中間導体51とが互いに重なり合っている第五領域RG5は、矩形状を呈している。第五領域RG5の矩形状は、第一中間導体51の端縁51aと、第二内部電極41の端縁41bと、第一中間導体51の端縁51cと、第一中間導体51の端縁51dとによって画成される。第五領域RG5の矩形状は、第一中間導体51の端縁51aと、第二内部電極41の端縁41bと、第二内部電極41の端縁41cと、第二内部電極41の端縁41dとによって画成されてもよい。
第二内部電極41と第一中間導体51との対向面積は、第五領域RG5の面積に相当し、たとえば、端縁51aの長さと、端縁51cのうち第五領域RG5の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁51aの長さは、第一中間導体51の第三方向D3での長さWP2と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁51cのうち第五領域RG5の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第五領域RG5の面積、すなわち、第二内部電極41と第一中間導体51との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第一中間導体51の面積に対する、第二内部電極41と第一中間導体51との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。第一中間導体51の面積に対する、第二内部電極41と第一中間導体51との対向面積の割合は、第一中間導体51の面積に対する、第一内部電極31と第一中間導体51との対向面積の割合と同じ値であってもよい。
第四内部電極42と第一中間導体51とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第四内部電極42と第一中間導体51とが互いに重なり合っている第六領域RG6は、矩形状を呈している。第六領域RG6の矩形状は、第四内部電極42の端縁42aと、第一中間導体51の端縁51bと、第一中間導体51の端縁51cと、第一中間導体51の端縁51dとによって画成される。第四領域RG4の矩形状は、第四内部電極42の端縁42aと、第一中間導体51の端縁51bと、第四内部電極42の端縁42cと、第四内部電極42の端縁42dとによって画成されてもよい。
第四内部電極42と第一中間導体51との対向面積は、第六領域RG6の面積に相当し、たとえば、端縁51bの長さと、端縁51cのうち第六領域RG6の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁51bの長さは、第一中間導体51の第三方向D3での長さWP2と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁51cのうち第六領域RG6の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第六領域RG6の面積、すなわち、第四内部電極42と第一中間導体51との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第一中間導体51の面積に対する、第四内部電極42と第一中間導体51との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。第一中間導体51の面積に対する、第四内部電極42と第一中間導体51との対向面積の割合は、第一中間導体51の面積に対する、第二内部電極41と第一中間導体51との対向面積の割合と同じ値であってもよい。
積層チップバリスタEC2では、中間導体群EG3は、第三中間導体53を更に備えている。第三中間導体53は、第一方向D1で、第二内部電極41と第四内部電極42とから離間し、かつ、第二内部電極41と第四内部電極42とを挟んで第一中間導体51と対向するように配置されている。本付記では、第三中間導体53は、第一方向D1で、たとえば、第二及び第四内部電極41,42と主面1bとの間に位置している。第三中間導体53は、第一方向D1で、第二内部電極41と第四内部電極42とに対向している。
第三中間導体53は、一対の端縁53a,53bを有している。一対の端縁53a,53bは、第三中間導体53の第二方向D2での両端を規定している。端縁53aは、端面1cから離間している。端縁53aは、第一外部電極10からも離間している。第二方向D2において、端縁53bは、端面1dから離間している。端縁53bは、第二外部電極20からも離間している。第三中間導体53は、第一及び第二外部電極10,20と接続されていない。第三中間導体53は、一対の端縁53c,53dを有している。一対の端縁53c,53dは、第三中間導体53の第三方向D3での両端を規定している。端縁53cは、側面1eから離間している。端縁53dは、側面1fから離間している。
第三中間導体53は、第一方向D1から見て、たとえば、矩形状を呈している。第三中間導体53の第二方向D2での長さは、たとえば、第三中間導体53の第三方向D3での長さよりも長い。第三中間導体53の第二方向D2での長さWP5は、たとえば、0.5~0.7mmである。第三中間導体53の第三方向D3での長さWP6は、たとえば、0.15~0.25mmである。長さWP5は、長さWP1と長さWP3の少なくとも一つと同じ値であってもよく、長さWP6は、長さWP2と長さWP4の少なくとも一つと同じ値であってもよい。
第二内部電極41と第三中間導体53とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第二内部電極41と第三中間導体53とが互いに重なり合っている第七領域RG7は、第一方向D1から見て、矩形状を呈している。第七領域RG7の矩形状は、第三中間導体53の端縁53aと、第二内部電極41の端縁41bと、第三中間導体53の端縁53cと、第三中間導体53の端縁53dとによって画成される。第七領域RG7の矩形状は、第三中間導体53の端縁53aと、第二内部電極41の端縁41bと、第二内部電極41の端縁41cと、第二内部電極41の端縁41dとによって画成されてもよい。
第二内部電極41と第三中間導体53との対向面積は、第七領域RG7の面積に相当し、たとえば、端縁53aの長さと、端縁53cのうち第七領域RG7の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁53aの長さは、第三中間導体53の第三方向D3での長さWP6と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁53cのうち第七領域RG7の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第七領域RG7の面積、すなわち、第二内部電極41と第三中間導体53との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第三中間導体53の面積に対する、第二内部電極41と第三中間導体53との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。第三中間導体53の面積に対する、第二内部電極41と第三中間導体53との対向面積の割合は、第一中間導体51の面積に対する、第二内部電極41と第一中間導体51との対向面積の割合と同じ値であってもよい。第三中間導体53の面積は、第一中間導体51の面積と同じであってもよい。
第四内部電極42と第三中間導体53とは、第一方向D1から見て、互いに重なり合っている。第四内部電極42と第三中間導体53とが互いに重なり合っている第八領域RG8は、矩形状を呈している。第八領域RG8の矩形状は、第四内部電極42の端縁42aと、第三中間導体53の端縁53bと、第三中間導体53の端縁53cと、第三中間導体53の端縁53dとによって画成される。第八領域RG8の矩形状は、第四内部電極42の端縁42aと、第三中間導体53の端縁53bと、第四内部電極42の端縁42cと、第四内部電極42の端縁42dとによって画成されてもよい。
第四内部電極42と第三中間導体53との対向面積は、第八領域RG8の面積に相当し、たとえば、端縁53bの長さと、端縁53cのうち第八領域RG8の矩形状を画成する部分の長さとの積で規定される。端縁53bの長さは、第三中間導体53の第三方向D3での長さWP6と一致し、たとえば、0.15~0.25mmである。端縁53cのうち第八領域RG8の矩形状を画成する部分の長さは、たとえば、0.1~0.3mmである。第八領域RG8の面積、すなわち、第四内部電極42と第三中間導体53との対向面積は、たとえば、0.015~0.075mm2である。第一方向D1で、第三中間導体53の面積に対する、第四内部電極42と第三中間導体53との対向面積の割合は、たとえば、0.10~0.17である。本付記では、第三中間導体53の面積に対する、第四内部電極42と第三中間導体53との対向面積の割合は、第三中間導体53の面積に対する、第二内部電極41と第三中間導体53との対向面積の割合と同じ値であってもよい。
本付記では、第二方向D2から見て、第一方向D1で、第二中間導体52、第一及び第三内部電極31,32、第一中間導体51、第二及び第四内部電極41,42、及び第三中間導体53がこの順に並んでいる。第二中間導体52は、第一方向D1で、第一及び第三内部電極31,32から離間している。第一方向D1での、第二中間導体52と第一及び第三内部電極31,32との間隔SD1は、たとえば、0mmより大きく、0.08mm以下である。第一及び第三内部電極31,32は、第一方向D1で、第一中間導体51から離間している。第一方向D1での、第一及び第三内部電極31,32と第一中間導体51との間隔SD2は、たとえば、0mmより大きく、0.08mm以下である。第一中間導体51は、第一方向D1で、第二及び第四内部電極41,42から離間している。第一方向D1での、第一中間導体51と第二及び第四内部電極41,42との間隔SD3は、たとえば、0mmより大きく、0.08mm以下である。第二及び第四内部電極41,42は、第一方向D1で、第三中間導体53から離間している。第一方向D1での、第二及び第四内部電極41,42と第二及び第三中間導体53との間隔SD4は、たとえば、0mmより大きく、0.08mm以下である。間隔SD1、間隔SD2、間隔SD3、及び間隔SD4は、互いに同じ値であってもよい。第二中間導体52は、第一方向D1で、主面1aから離間している。第一方向D1での、第二中間導体52と主面1aとの間隔は、たとえば、0mmより大きく、0.2mm以下である。第三中間導体53は、第一方向D1で、主面1bから離間している。第一方向D1での、第三中間導体53と主面1bとの間隔は、たとえば、0mmより大きく、0.2mm以下である。第二中間導体52と主面1aとの間隔及び第三中間導体53と主面1bとの間隔は、共に、間隔SD1、間隔SD2、間隔SD3、及び間隔SD4のいずれよりも大きくてよい。
第一内部電極31の端縁31bと第三内部電極32の端縁32aとは、第二方向D2で互いに離間している。端縁31bと端縁32aとの間隔SE1は、たとえば、0.005mmより大きく、0.16mm以下である。第二内部電極41の端縁41bと第四内部電極42の端縁42aとは、第二方向D2で互いに離間している。端縁41bと端縁42aとの間隔SE2は、たとえば、0.005mmより大きく、0.16mm以下である。間隔SE1と間隔SE2とは、互いに同じ値であってもよい。本付記では、第一中間導体51の第二方向D2での長さWP1は、間隔SE1及び間隔SE2より大きい。第二中間導体52の第二方向D2での長さWP3は、間隔SE1より大きい。第三中間導体53の第二方向D2での長さWP5は、間隔SE2より大きい。
第一及び第三内部電極31,32の厚さと第二及び第四内部電極41,42の厚さとは、たとえば、5μmである。第一及び第三内部電極31,32の厚さと第二及び第四内部電極41,42の厚さとは、それぞれ互いに同じ値であってもよい。第一、第二及び第三中間導体51,52,53の厚さは、たとえば、5μmである。第一、第二及び第三中間導体51,52,53の厚さは、それぞれ互いに同じ値であってもよい。
第一、第二、及び第三中間導体51,52,53は、たとえば、第一導電材料を含んでいる。第一中間導体51は、第一導電材料とは異なる第二導電材料を更に含んでいる。第二中間導体52は、第二導電材料を含んでいてもよい。第三中間導体53は、第二導電材料を含んでいてもよい。第二導電材料は、低抵抗の導電材料、たとえば、Alである。このほか、第二導電材料は、たとえば、Ga又はInである。第一、第二、及び第三中間導体51,52,53は、第一導電材料及び第一導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。本付記では、第一、第二、及び第三中間導体51,52,53は、第一導電材料を主に含み、第一、第二、及び第三中間導体51,52,53に含まれる第一導電材料は、Pdである。
第一中間導体51での第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%(atm%)より大きく、かつ、5原子%以下である。第一中間導体51での第二導電材料の含有量は、たとえば、0.1原子%以上、かつ、3原子%以下であってもよい。第二中間導体52での第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%より大きく、かつ、5原子%以下である。第二中間導体52での第二導電材料の含有量は、たとえば、0.1原子%以上、かつ、3原子%以下であってもよい。第三中間導体53での第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%より大きく、かつ、5原子%以下である。第三中間導体53での第二導電材料の含有量は、たとえば、0.1原子%以上、かつ、3原子%以下であってもよい。本付記では、第一、第二及び第三中間導体51,52,53での第二導電材料の含有量は、それぞれ互いに同じ値であってもよい。
素体1は、第一領域RG1の第一内部電極31と第一中間導体51とによって挟まれた第一素体領域S1と、第二領域RG2の第三内部電極32と第一中間導体51とによって挟まれた第二素体領域S2とを有している。第一素体領域S1の底面は、第一領域RG1で規定され、第一素体領域S1の高さは、第一及び第三内部電極31,32と第一中間導体51との間隔SD2で規定される。第一素体領域S2の底面は、第二領域RG2で規定され、第一素体領域S2の高さは、間隔SD2で規定される。
第一中間導体51は、たとえば、第二導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。第一及び第二素体領域S1,S2は、第一導電材料とは異なる第二導電材料が拡散されている領域である。第一及び第二素体領域S1,S2それぞれを囲む領域は、第二導電材料が拡散されていない部分を含んでいる。第二導電材料が拡散された領域では、その領域の低抵抗化が図られている。素体1は、第一及び第三内部電極31,32と第一中間導体51との間に位置し、かつ、第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる。
素体1は、第三領域RG3の第一内部電極31と第二中間導体52とによって挟まれた第三素体領域S3と、第四領域RG4の第三内部電極32と第二中間導体52とによって挟まれた第四素体領域S4とを有している。第三素体領域S3の底面は、第三領域RG3で規定され、第三素体領域S3の高さは、第一及び第三内部電極31,32と第二中間導体52との間隔SD1で規定される。第四素体領域S4の底面は、第四領域RG4で規定され、第四素体領域S4の高さは、間隔SD1で規定される。
第二中間導体52は、たとえば、第二導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。第三及び第四素体領域S3,S4は、第一導電材料とは異なる第二導電材料が拡散されている領域である。第三及び第四素体領域S3,S4それぞれを囲む領域は、第二導電材料が拡散されていない部分を含んでいる。第二導電材料が拡散された領域では、その領域の低抵抗化が図られている。素体1は、第一及び第三内部電極31,32と第二中間導体52との間に位置し、かつ、第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる。
素体1は、第五領域RG5の第二内部電極41と第一中間導体51とによって挟まれた第五素体領域S5と、第六領域RG6の第四内部電極42と第一中間導体51とによって挟まれた第六素体領域S6とを有している。第五素体領域S5の底面は、第五領域RG5で規定され、第五素体領域S5の高さは、第二及び第四内部電極41,42と第一中間導体51との間隔SD3で規定される。第六素体領域S6の底面は、第六領域RG6で規定され、第六素体領域S6の高さは、間隔SD3で規定される。
第一中間導体51は、たとえば、第二導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。第五及び第六素体領域S5,S6は、第二導電材料が拡散されている領域である。第五及び第六素体領域S5,S6それぞれを囲む領域は、第二導電材料が拡散されていない部分を含んでいる。第二導電材料が拡散された領域では、その領域の低抵抗化が図られている。素体1は、第二及び第四内部電極41,42と第一中間導体51との間に位置し、かつ、第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる。
第三中間導体53が配置されている場合、素体1は、第七領域RG7の第二内部電極41と第三中間導体53とによって挟まれた第七素体領域S7と、第八領域RG8の第四内部電極42と第三中間導体53とによって挟まれた第八素体領域S8とを有している。第七素体領域S7の底面は、第七領域RG7で規定され、第七素体領域S7の高さは、第二及び第四内部電極41,42と第三中間導体53との間隔SD4で規定される。第八素体領域S8の底面は、第八領域RG8で規定され、第八素体領域S8の高さは、間隔SD4で規定される。
第三中間導体53は、たとえば、第二導電材料を含む導電ペーストの焼結体として構成される。第七及び第八素体領域S7,S8は、第二導電材料が拡散されている領域である。第七及び第八素体領域S7,S8それぞれを囲む領域は、第二導電材料が拡散されていない部分を含んでいる。第二導電材料が拡散された領域では、その領域の低抵抗化が図られている。素体1は、第二及び第四内部電極41,42と第三中間導体53との間に位置し、かつ、第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる。
本付記では、第一、第二及び第三中間導体51,52,53に加えて、第一及び第三内部電極31,32と第二及び第四内部電極41,42とが、第一導電材料のほかに、低抵抗の第二導電材料を更に含んでもよい。第一及び第三内部電極31,32と第二及び第四内部電極41,42とでの第二導電材料の含有量は、たとえば、0原子%(atm%)以上、かつ、0.5原子%以下である。第一及び第三内部電極31,32と第二及び第四内部電極41,42とでの第二導電材料の含有量は、たとえば、0.1原子%より大きく、かつ、0.3原子%以下であってもよい。第一及び第三内部電極31,32と第二及び第四内部電極41,42とが、第一導電材料のほかに、第二導電材料を更に含んでいる場合、第一、第二及び第三中間導体51,52,53での第二導電材料の含有量は、第一及び第三内部電極31,32と第二及び第四内部電極41,42とのそれぞれでの第二導電材料の含有量以上であってもよい。
本付記に係る積層チップバリスタEC2の効果について説明する。積層チップバリスタEC2は、バリスタ特性を発現する素体1と、素体1の両端部に配置されている第一外部電極10及び第二外部電極20と、素体1内の、一方の端部寄りに配置されている第一内部電極群EG1と、素体1内の、他方の端部寄りに配置されている第二内部電極群EG2と、素体1の中間部に配置されている中間導体群EG3と、を備えている。第一内部電極群EG1は、第一導電材料を含んでおり、第一外部電極10に接続されていると共に互いに対向している第一内部電極31及び第二内部電極41を有している。第二内部電極群EG2は、第一導電材料を含んでおり、第二外部電極20に接続されていると共に互いに対向している第三内部電極32及び第四内部電極42を有している。中間導体群EG3は、第一外部電極10と第二外部電極20とに接続されておらず、第一内部電極31と第二内部電極と第三内部電極と第四内部電極とに対向している第一中間導体と、第一外部電極10と第二外部電極20とに接続されておらず、第一内部電極31と第三内部電極32とを挟んで第一中間導体51と対向している第二中間導体52と、を有している。第一中間導体51は、第一導電材料とは異なる第二導電材料を含んでいる。素体1は、第一、第二、第三及び第四内部電極31,41,32,42と、第一中間導体51との間に位置し、かつ、第一中間導体51が含んでいる第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を含んでいる。
本付記では、素体1が、第一、第二、第三及び第四内部電極31,41,32,42と第一中間導体51との間において、第一中間導体51に含まれている第二導電材料が拡散されている領域を有している。第二導電材料が拡散されている領域は、当該第二導電材料が拡散されていない領域より低抵抗化されているので、積層チップバリスタEC2のESD耐量が向上している。
積層チップバリスタEC2において、第一中間導体51の面積に対する、第一内部電極31と第一中間導体51との対向面積の割合は、0.10~0.17である。第一中間導体51の面積に対する、第二内部電極41と第一中間導体51との対向面積の割合は、0.10~0.17である。第一中間導体51の面積に対する、第三内部電極32と第一中間導体51との対向面積の割合は、0.10~0.17である。第一中間導体51の面積に対する、第四内部電極42と第一中間導体51との対向面積の割合は、0.10~0.17である。この場合、第一、第二、第三及び第四内部電極31,41,32,42と第一中間導体51との間に位置している上記領域に、第二導電材料が確実に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量が確実に向上している。
積層チップバリスタEC2において、第二中間導体52が、第二導電材料を含み、素体1は、第一内部電極31及び第三内部電極32と、第二中間導体52との間に位置し、かつ、第二中間導体52が含んでいる第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を更に含んでいる。この場合、素体1が、第一内部電極31及び第三内部電極32と第二中間導体52との間において、第二中間導体52に含まれている第二導電材料が拡散されている領域を有している。第二導電材料が拡散されている領域は、当該第二導電材料が拡散されていない領域より低抵抗化されているので、積層チップバリスタEC2のESD耐量が更に向上している。
積層チップバリスタEC2において、第二中間導体52の面積に対する、第一内部電極31と第二中間導体52との対向面積の割合は、0.10~0.17である。第二中間導体52の面積に対する、第三内部電極32と第二中間導体52との対向面積の割合は、0.10~0.17である。この場合、第一及び第三内部電極31,32と第二中間導体52との間に位置している上記領域に、第二導電材料が確実に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量が確実に向上している。
積層チップバリスタEC2において、第一、第二、第三、及び第四内部電極31,41,32,42が、第二導電材料を更に含んでいる。この場合、第一、第二、第三、及び第四内部電極31,41,32,42と第一中間導体51との間に位置している上記領域に、第一、第二、第三、及び第四内部電極31,41,32,42から第二導電材料が更に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量が確実に向上している。
積層チップバリスタEC2において、第一中間導体51での第二導電材料の含有量が、第一、第二、第三、及び第四内部電極31,41,32,42それぞれでの第二導電材料の含有量以上である。この場合、第一、第二、第三、及び第四内部電極31,41,32,42と第一中間導体51との間に位置している上記領域に、第一中間導体51から第二導電材料がより一層確実に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量がより一層確実に向上している。
積層チップバリスタEC2において、第二中間導体52での第二導電材料の含有量が、第一及び第三内部電極31,32それぞれでの第二導電材料の含有量以上である。この場合、第一及び第三内部電極31,32と第二中間導体52との間に位置している上記領域に、第二中間導体52から第二導電材料がより一層確実に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量がより一層確実に向上している。
積層チップバリスタEC2において、中間導体群EG3は、第一外部電極10と第二外部電極20とに接続されておらず、第二内部電極41と第四内部電極42とを挟んで第一中間導体51と対向している第三中間導体53と、を更に有している。第三中間導体53は、第二導電材料を含んでいる。素体1は、第二内部電極41及び第四内部電極42と、第三中間導体53との間に位置し、かつ、第三中間導体53が含んでいる第二導電材料が拡散されている低抵抗化領域を更に含んでいる。この場合、素体1が、第二及び第四内部電極41,42と第三中間導体53との間において、第三中間導体53に含まれている第二導電材料が拡散されている領域を有している。第二導電材料が拡散されている領域は、当該第二導電材料が拡散されていない領域より低抵抗化されているので、積層チップバリスタEC2のESD耐量がより向上している。
積層チップバリスタEC2において、第三中間導体53の面積に対する、第二内部電極41と第三中間導体53との対向面積の割合は、0.10~0.17である。第三中間導体53の面積に対する、第四内部電極42と第三中間導体53との対向面積の割合は、0.10~0.17である。この場合、第二及び第四内部電極41,42と第三中間導体53との間に位置している上記領域に、第二導電材料が確実に拡散されている。したがって、本構成では、ESD耐量がより確実に向上している。
積層チップバリスタEC2において、中間導体群EG3は、上述したように、第一中間導体51と第二中間導体52とからなる構成であってよく、第一中間導体51と第二中間導体52と第三中間導体53とからなる構成であってもよい。積層チップバリスタEC2では、このほか、中間導体群EG3は、第一中間導体51と第三中間導体53からなる構成であってもよい。中間導体群EG3が第一中間導体51と第三中間導体53からなる構成においても、積層チップバリスタEC2のESD耐量が確実に向上している。
続いて、本付記に係る参考例1~参考例15によって、積層チップバリスタEC2について説明する。以下の参考例1~参考例15における素体1の形状及びサイズは、全て、実施形態に係る実施例1の素体1の形状及びサイズと同じであった。
(参考例1)
参考例1において、積層チップバリスタEC2は、素体1内に、第一及び第三内部電極31,32、第一及び第二中間導体51,52、並びに、第二及び第四内部電極41,42を配置した。間隔SD1、間隔SD2、間隔SD3、及び間隔SD4を、0.060mmとした。第二中間導体52と主面1aとの間隔及び第三中間導体53と主面1bとの間隔を、共に0.150mmとした。間隔SD1、間隔SD2、間隔SD3、及び間隔SD4は、全て互いに等しい値を有していた。以下の参考例2~参考例14及び参考例15においても、間隔SD1、間隔SD2、間隔SD3、及び間隔SD4は、全て互いに等しかった。
第一及び第三内部電極31,32、並びに、第二及び第四内部電極41,42の形状は、第一方向D1から見て矩形状であった。内部電極31,32,41,42それぞれの第二方向D2での長さWK1,WK3,WK5,WK7は、全て0.4325mmとし、内部電極31,32,41,42それぞれの第三方向D3での長さWK2,WK4,WK6,WK8は、全て0.2mmとした。第一方向D1から見た内部電極31,32,41,42の面積は、全て0.0865mm2であった。
第一及び第二中間導体51,52の形状は、第一方向D1から見て矩形状であった。第一及び第二中間導体51,52それぞれの第二方向D2での長さWP1,WP3を、共に0.63mmとし、第一及び第二中間導体51,52それぞれの第三方向D3での長さWP2,WP4を、全て0.2mmとした。第一方向D1から見た第一及び第二中間導体51,52の面積は、共に0.126mm2であった。
第一領域RG1~第六領域RG6の第二方向D2での長さを、全て0.104mmとし、第一領域RG1~第六領域RG6の第三方向D3での長さを、全て0.2mmとした。第一領域RG1~第六領域RG6の面積は、全て0.0208mm2であった。第一領域RG1~第六領域RG6において、第一方向D1で、第一及び第二中間導体51,52の面積に対する、第一領域RG1~第六領域RG6の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。参考例1の対向面積の値は、第一及び第二中間導体51,52のうち一つの中間導体の面積に対する、第一領域RG1~第六領域RG6のうち一つの対向領域の面積の割合であり、たとえば、第一方向D1から見た第一中間導体51の面積に対する、第一領域RG1の面積の割合に相当している。
参考例1では、内部電極31,32,41,42でのAlの含有量は、0原子%であり、第一及び第二中間導体51,52でのAlの含有量は、0.1原子%であった。参考例1では、積層チップバリスタEC2に対して、実施形態に係る実施例1と同様に、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験を行った。
(参考例2)
参考例2では、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例3)
参考例3では、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を1原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例4)
参考例4では、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を3原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例5)
参考例5では、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例6)
参考例6では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置した他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量は0.1原子%であった。第七領域RG7及び第八領域RG8の第二方向D2での長さを、共に0.104mmとし、第三方向D3での長さを、共に0.2mmとした。第七領域RG7及び第八領域RG8の面積は、共に0.0208mm2であった。第一領域RG1~第八領域RG8において、第一方向D1で、中間導体51,52,53の面積に対する、第一領域RG1~第八領域RG8の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。
(参考例7)
参考例7では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。第一方向D1で、中間導体51,52,53の面積に対する、第一領域RG1~第八領域RG8の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。
(参考例8)
参考例8では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を1原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。第一方向D1で、中間導体51,52,53の面積に対する、第一領域RG1~第八領域RG8の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。
(参考例9)
参考例9では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を3原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。第一方向D1で、中間導体51,52,53の面積に対する、第一領域RG1~第八領域RG8の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。
(参考例10)
参考例10では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。第一方向D1で、中間導体51,52,53の面積に対する、第一領域RG1~第八領域RG8の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。
(参考例11)
参考例11では、参考例1に比べて第一領域RG1~第六領域RG6の第二方向D2での長さを41μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.10とし、第二中間導体52におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例12)
参考例12では、参考例1に比べて第一領域RG1~第八領域RG8の第二方向D2での長さを41μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.10とし、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第二中間導体52におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例13)
参考例13では、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量を0.5原子%とし、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を1原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例14)
参考例14では、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量を0.5原子%とし、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。
(参考例15)
参考例15では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量を0.5原子%とし、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を1原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。第一方向D1で、中間導体51,52,53の面積に対する、第一領域RG1~第八領域RG8の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。
(参考例16)
参考例16では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量を0.5原子%とし、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタEC2の準備及び試験を行った。第一方向D1で、中間導体51,52,53の面積に対する、第一領域RG1~第八領域RG8の面積の割合、すなわち、対向面積の割合は、全て0.17であった。
(参考例17)
参考例17では、第一及び第三内部電極31,32と、第二及び第四内部電極41,42との間に、第一中間導体51のみを配置し、第一中間導体51におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例18)
参考例18では、参考例1に比べて第一領域RG1~第六領域RG6の第二方向D2での長さを-22μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.20とし、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を0原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。第一領域RG1~第六領域RG6の長さが-22μmだけ小さいとの表記は、参考例1に比べて第一領域RG1~第六領域RG6の第二方向D2での長さが22μmだけ大きいことを示している。
(参考例19)
参考例19では、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を0原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例20)
参考例20では、参考例1に比べて第一領域RG1~第六領域RG6の第二方向D2での長さを41μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.10とし、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を0原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例21)
参考例21では、参考例1に比べて第一領域RG1~第六領域RG6の第二方向D2での長さを-22μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.20とし、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例22)
参考例22では、参考例1に比べて第一領域RG1~第六領域RG6の第二方向D2での長さを73μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.05とし、第一及び第二中間導体51,52におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例23)
参考例23では、参考例1に比べて第一領域RG1~第八領域RG8の第二方向D2での長さを-22μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.20とし、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を0原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例24)
参考例24では、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を0原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例25)
参考例25では、参考例1に比べて第一領域RG1~第八領域RG8の第二方向D2での長さを41μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.10とし、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を0原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例26)
参考例26では、参考例1に比べて第一領域RG1~第八領域RG8の第二方向D2での長さを-22μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.20とし、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
(参考例27)
参考例27では、参考例1に比べて第一領域RG1~第八領域RG8の第二方向D2での長さを73μmだけ小さくし、対向面積の割合を全て0.05とし、第一及び第二中間導体51,52に加えて、第三中間導体53を更に配置し、第一、第二及び第三中間導体51,52,53におけるAlの含有量を0.5原子%とした他は、参考例1と同様に積層チップバリスタの準備及び試験を行った。
図11は、本付記に係る積層チップバリスタの参考例1~参考例16での試験結果を示す図表である。図11は、参考例1~参考例16に係る積層チップバリスタの各諸元と、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の結果と、これらの試験結果に基づく特性評価の結果とを示している。図12は、本付記に係る積層チップバリスタの参考例17~参考例27での試験結果を示す図表である。図12は、参考例17~参考例27に係る積層チップバリスタの各諸元と、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の結果と、これらの試験結果に基づく特性評価の結果とを示している。図11及び図12において、積層チップバリスタの各諸元は、積層チップバリスタに含まれる中間導体の数、参考例1と比べた第一領域RG1~第六領域RG6又は第一領域RG1~第八領域RG8の第二方向D2での長さ(図では、相対長さ[μm]と表記)、対向面積の割合、内部電極のAl含有量[atm%]、及び、中間導体のAl含有量[atm%]である。図11及び図12では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断において、全てが「良好」である場合に、積層チップバリスタEC2の特性として「A(良好)」と評価した。ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断において、いずれか一つでも「不良」である場合には、積層チップバリスタEC2の特性として「B(不良)」と評価した。
図11に示されるように、参考例1~参考例5では、積層チップバリスタEC2は、第一及び第二中間導体51,52を備えている。中間導体51,52の面積に対する、内部電極31,32,41,42と中間導体51,52との対向面積の割合は、全て、0.17であった。中間導体51,52におけるAlの含有量は、全て、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量以上であった。参考例1~参考例5のいずれでも、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断の結果が、全て、「良好」と判断され、積層チップバリスタEC2の特性として「A(良好)」と評価された。
参考例6~参考例10では、積層チップバリスタEC2は、第一、第二及び第三中間導体51,52,53を備えている。中間導体51,52,53の面積に対する、内部電極31,32,41,42と中間導体51,52,53との対向面積の割合は、全て、0.17であった。中間導体51,52,53におけるAlの含有量、全て、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量以上であった。参考例6~参考例10のいずれでも、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断の結果が、全て、「良好」と判断され、積層チップバリスタEC2の特性として「A(良好)」と評価された。
参考例11では、積層チップバリスタEC2は、第一及び第二中間導体51,52を備えている。中間導体51,52の面積に対する、内部電極31,32,41,42と中間導体51,52との対向面積の割合は、全て、0.10であった。中間導体51,52におけるAlの含有量は、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量以上であった。参考例11では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断の結果が、全て、「良好」と判断され、積層チップバリスタEC2の特性として「A(良好)」と評価された。
参考例12では、積層チップバリスタEC2は、第一、第二及び第三中間導体51,52,53を備えている。中間導体51,52,53の面積に対する、内部電極31,32,41,42と中間導体51,52,53との対向面積の割合は、全て、0.10であった。中間導体51,52,53におけるAlの含有量は、共に、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量以上であった。参考例12では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断の結果が、全て、「良好」と判断され、積層チップバリスタEC2の特性として「A(良好)」と評価された。
参考例13及び参考例14では、積層チップバリスタEC2は、第一及び第二中間導体51,52を備えている。中間導体51,52の面積に対する、内部電極31,32,41,42と中間導体51,52との対向面積の割合は、全て、0.17であった。内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量が0より大きい場合に対して、中間導体51,52におけるAlの含有量は、共に、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量以上であった。参考例13及び参考例14のいずれでも、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断の結果が、全て、「良好」と判断され、積層チップバリスタEC2の特性として「A(良好)」と評価された。
参考例15及び参考例16では、積層チップバリスタEC2は、第一、第二及び第三中間導体51,52,53を備えている。中間導体51,52,53の面積に対する、内部電極31,32,41,42と中間導体51,52,53との対向面積の割合は、全て、0.17であった。内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量が0より大きい場合に対して、中間導体51,52におけるAlの含有量は、共に、内部電極31,32,41,42におけるAlの含有量以上であった。参考例15及び参考例16のいずれでも、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、リーク電流試験、及び動的抵抗試験の判断の結果が、全て、「良好」と判断され、積層チップバリスタEC2の特性として「A(良好)」と評価された。
参考例17では、第一及び第三内部電極31,32と、第二及び第四内部電極41,42との間に、第一中間導体51のみが配置されている。参考例17では、動的抵抗試験の結果が「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
参考例18~参考例20では、積層チップバリスタは、第一及び第二中間導体51,52を備えている。中間導体51,52におけるAlの含有量は、全て0原子%である。参考例18~参考例20のいずれでも、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、及び動的抵抗試験の結果が、全て、「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
参考例21では、積層チップバリスタは、第一及び第二中間導体51,52を備えている。対向面積の割合は、1.7より大きい。参考例21では、ESD耐量試験及びエネルギー耐量試験の結果が、全て、「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
参考例22では、積層チップバリスタは、第一及び第二中間導体51,52を備えている。対向面積の割合は、1.0より小さい。参考例21では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、及び動的抵抗試験の結果が、全て、「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
参考例23~参考例25では、積層チップバリスタは、第一、第二及び第三中間導体51,52,53を備えている。中間導体51,52,53におけるAlの含有量は、全て0原子%である。参考例23~参考例25のいずれでも、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、及び動的抵抗試験の結果が、全て、「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
参考例26では、積層チップバリスタは、第一、第二及び第三中間導体51,52,53を備えている。対向面積の割合は、1.7より大きい。参考例26では、ESD耐量試験及びエネルギー耐量試験の結果が、全て、「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
参考例27では、積層チップバリスタは、第一、第二及び第三中間導体51,52,53を備えている。対向面積の割合は、1.0より小さい。参考例27では、ESD耐量試験、エネルギー耐量試験、及び動的抵抗試験の結果が、全て、「不良」と判断され、積層チップバリスタの特性として「B(不良)」と評価された。
以上、本付記及び参考例について説明してきたが、本付記の内容は必ずしも上述した付記に関連する上記態様及び参考例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
本付記では、第一中間導体51が第二導電材料を含んでいなくてもよい。第一中間導体51が、第二導電材料を含んでいる構成では、上述したように、素体1が、第一、第二、第三及び第四内部電極31,41,32,42と第一中間導体51との間において、第一中間導体51に含まれている第二導電材料が拡散されている領域を有している。第二導電材料が拡散されている領域は、当該第二導電材料が拡散されていない領域より低抵抗化されているので、積層チップバリスタEC2のESD耐量が向上している。
本付記及び参考例では、積層チップバリスタを例に説明したが、適用可能な部品は、上述の積層チップバリスタに限られない。上述の積層チップバリスタ以外に適用可能な部品は、たとえば、バリスタを備えるチップ型電子部品である。