JP2022081849A - 電力用半導体装置および電力用半導体装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
直接冷却方式は例えば、固体セラミックスを絶縁層として、セラミックスの両面に金属を貼り付けて構成された金属回路基板を用い、当該金属回路基板の一方の面に半導体素子、配線部材等を実装し、もう一方の面と支持部材とを半田等の金属接合材で結合する冷却方式であり、放熱、接着機能を金属接合材により、絶縁機能を固体セラミックスにより実現する。
一方、間接冷却方式は、例えば、金属板の一方の面に半導体素子、配線部材を実装し、もう一方の面と支持部材との間に放熱絶縁グリスを配置し、ネジなどで固定する冷却方式であり、放熱、絶縁機能を放熱絶縁グリスにより、接着機能をネジにより実現する。
間接冷却方式は大面積、複数個のパワーモジュールを支持部材と結合する際でも、大型の昇温装置などが不要であり、製造コストを低く抑えることが可能であるが、ネジ固定部が大きく、大型化し、また、グリスの劣化による熱抵抗の悪化、絶縁性の低下など、課題があった。
さらに最近では、従来のセラミックスフィラーを添加した絶縁シートより、さらに高熱伝導が実現できる、樹脂を含浸したセラミックス多孔質体を板状に成型した、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体が用いられる場合がある。板状樹脂含浸セラミックス多孔質体(以下、絶縁樹脂シートと区別するため、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体と記載する。)として、例えば特許文献2に、窒化物系セラミックスの多孔性焼結体に熱硬化性樹脂組成物が不完全硬化状態で含浸されている窒化物系セラミックス樹脂複合体が開示されている。
これを防ぐために、前記絶縁シートと同じく、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体も加熱加圧接合によって接合する必要がある。加熱により、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体内の含浸樹脂は一時的に粘度が下がり、加圧に伴い流動する。
この時、前記絶縁樹脂シートは加熱により粘度の低下した樹脂とセラミック粒が一体となって流動するのに対し、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体では、セラミックス多孔質体の骨格の一部と加熱により粘度の低下した含浸樹脂が流動する。
この挙動の差により、前記絶縁樹脂シート、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体内に発生する圧力(以下、内圧)が異なり、同一条件で加圧した場合でも、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の方が内圧が低くなる。これにより、ボイドが残存することによって、接合信頼性の低下、放熱性の低下、絶縁信頼性の低下が懸念される。
一方で、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の加圧時の前記挙動により、凹凸への追従性が良く、前記絶縁樹脂シートのように過剰に厚みを分厚くする必要が無く、大容量化に有利である。
前記ヒートスプレッダに前記ヒートスプレッダの側の面が熱的に接合し、前記ヒートスプレッダと反対側の面が冷却器と熱的に接合する板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を備え、
前記パワーモジュールの前記冷却器の側の面と、前記冷却器の前記パワーモジュールの側の面と、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面とによって囲まれ、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の含浸樹脂の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面からの流出を許容する空間領域が設けられているものである。
本実施の形態1は、図1から図3に例示されている。図1は本願の実施の形態1および実施の形態2に係る電力用半導体装置の事例を示す図で、図2のA-A線における断面を矢印方向にみたA-A断面図である。図2は本願の実施の形態1および実施の形態2に係る電力用半導体装置の事例を示す斜視図である。図3は図1の一点鎖線で囲まれた被拡大部Bを拡大して例示するB部拡大断面図である。
説明の便宜上、図1の上下方向を厚さ方向、左右方向を面内方向と記載し、面内方向において、金属配線部材2a、2bが露出している側を外側、金属配線部材2a、2bに挟まれた部分を中心部とする。
金属接合材4a、4b、4c、4dは例えば、はんだ、銀等の金属が考えられる。特に、金属接合材4a、4bは、例えば、300℃などの高温下で30MPaを超える加圧力を用いて焼結する焼結Agのような、超高信頼性、高放熱性の接合材を選択可能である。
金属配線部材2a、2b、2cは、例えばアルミニウム、銅等の金属が考えられ、金属配線部材2cと電力用半導体素子1a、1bとの接合部材は、アルミ、銅等の金属ワイヤが考えられる他、金属配線部材2aと電力用半導体素子1a、1bとの接続に金属ワイヤを用いる構造も選択できる。
電力用半導体素子1a、1bが通電されることにより電力用半導体素子1a、1bが発生した熱は、ヒートスプレッダ3により効率的に取り出され、ヒートスプレッダ3内で効率的に伝達され、更に、ヒートスプレッダ3から板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6を介して冷却器7へ伝達され、冷却器7で外部へ熱放散される。
この挙動の差により、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6内に発生する圧力(以下、内圧)が異なり、同一条件で加圧した場合でも、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の方が内圧が低くなる。これにより、ボイドが残存することによって、接合信頼性の低下、放熱性の低下、絶縁信頼性の低下が懸念され、例えば、車載品のような高信頼性が求められる用途においては十分な機能を満足しない場合もあり得る。
本願は、上記課題に対しパワーモジュール201と冷却器7、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の構造を工夫したものであり、不完全硬化状態の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を用いてパワーモジュール201を冷却器7と結合し、ロバスト性の高い電力用半導体装置101を実現するものである。
加圧、加熱による接合時に板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の内部に発生する内圧は、パワーモジュール201と、前記冷却器7の前記パワーモジュール201の側の面とに囲まれた領域を流路と置き換えて、流体力学的に考えることができる。
例えば、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の延在方向(図1および図3における左右方向)の端面と、パワーモジュール201の延材方向端面の位置が一致している場合、加熱、加圧による接合時に、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6内部の含浸樹脂6bが流動し、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の端部に到達すると、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の内圧がゼロとなり、ボイドが全く潰れなくなる。一方で、前記パワーモジュール201と前記冷却器7の前記パワーモジュール201側の面に、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の含浸樹脂6bの前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の延在方向の端面からの流出を許容する空間領域567aが設けられている場合は、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6内の内圧がゼロとならず、ボイドを潰し、絶縁性を高めることが可能となる。
換言すれば、パワーモジュール201と冷却器7との対向方向(図3における上下方向)に見た板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の面積を、ヒートスプレッダ3の前記対向方向に見た面積より大きく、しかもパワーモジュール201および冷却器のそれぞれのパワーモジュール201より小さいく構成されていることにより、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の内圧を高め、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6が有する本来の実力を使いきることにより、接合信頼性、放熱性、絶縁信頼性を向上させ、余分な設計マージンを設けることによる実装面積の大型化、コストアップを抑制することができる。
更に観点を変えれば、図1および図3に例示の電力用半導体装置101は、電力用半導体素子1a,1bを封止した樹脂封止体5に一部が露出するように封止され前記電力用半導体素子1a,1bの通電による発熱を取り出すと共に前記露出した部分に前記発熱を伝熱するヒートスプレッダ3を有するパワーモジュール201、および前記ヒートスプレッダ3に前記ヒートスプレッダ3の側の面が熱的に接合し、前記ヒートスプレッダ3と反対側の面が冷却器7と熱的に接合する板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6を備え、前記パワーモジュール201の前記冷却器7の側の面と、前記冷却器7の前記パワーモジュール201の側の面と、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の延在方向(図1および図3における左右方向)の端面とによって囲まれ、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の含浸樹脂6bの前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の延在方向の端面からの流出を許容する空間領域567aが設けられている電力用半導体装置である。
尚、加熱により軟化し板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の骨格6aから溢れ出た含浸樹脂6bは、前記対向方向に見た板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の外周面とパワーモジュール201の冷却器7との対向面と冷却器7のパワーモジュール201との対向面とに囲まれる空間領域567a内に流入し、場合によっては空間領域567aを埋め、場合によってはパワーモジュール201より外側に流出する場合もある。空間領域567aの板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の延在方向の長さは、例えば0.6mm、1mm等であり、長いほど内圧が高くなり、絶縁性が高くなるが、パワーモジュール201の投影面積が大きくなり、電力変換器の大型化につながる。
実施の形態1と異なる部分のみ記載する。
図3の、パワーモジュール201における、樹脂封止体5とヒートスプレッダ3外周面との境界面Zから、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の含浸樹脂流出部(板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の骨格6a)との境界部yまでの間の距離Uは、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の骨格6aの細孔分布径(細孔径分布)のピーク値の50倍以上に設定されている。
エルガン(Ergun)の経験式を以下に(式1)として示す。
ここでΔP:圧力損失、L:長さ、μ:樹脂粘度、ρ:樹脂密度、V:流速、ε:気孔率、dp:平均細孔径。
換言すれば、本実施の形態2における電力用半導体装置は、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の延在方向の端面でもある前記境界部y(板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の外周面)から前記ヒートスプレッダ3の前記延在方向の端面である境界面Z(ヒートスプレッダ3の外周面と樹脂封止体5との境界面)までの距離(スプレッダ端-板状樹脂含浸セラミックス多孔質体端部間距離)Uが、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の平均細孔径の150倍以上であり、かつ、前記平均細孔径のピーク値が、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の前記延在方向と直交する方向の厚みの1/20より小さい電力用半導体装置である。
以下、本実施の形態3について、実施の形態1と異なる部分のみ記載する。
図5は実施の形態3における図2のA-A断面図である。図6は、図5の一点鎖線で囲まれた被拡大部Cを拡大して例示するC部拡大断面図である。ヒートスプレッダ34は、厚み方向において樹脂封止体5の、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6との被着面よりも3a突出している。
換言すれば、本実施の形態3の電力用半導体装置は、図5および図6に例示のように、前記ヒートスプレッダ34の前記露出の面が、前記樹脂封止体5の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の側の面よりも凹んでいないように形成されている電力用半導体装置である。
以下、本実施の形態4について、実施の形態1と異なる部分のみ記載する。
半導体素子の縦横比とウェハ取れ数比との関係を例示する説明図である図8は、請求項4、5、6に関係し、電力用半導体素子1a,1b、ヒートスプレッダ3、パワーモジュール201と冷却器7の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6との被接着面の表面性状を振り、電力用半導体装置101を製造後に特性評価した実施例および比較例をまとめたものである。
換言すれば、本実施の形態4の電力用半導体装置は、一辺が15mm以下、縦横の長さの比が5以下、かつ厚み60μm以上の半導体素子が、複数個並列に並べて前記樹脂封止体5に封止されて前記パワーモジュール204が構成されている電力用半導体装置である。
以下、本実施の形態5について、実施の形態1および6と異なる部分のみ記載する。
図7の通り、実施例1と実施例2の比較により、ヒートスプレッダ3の厚みが2mm以下では(1)半導体素子特性、(2)モールド不良が発生することがわかる。また、逆にヒートスプレッダ3の厚みが5mmを超える場合では、電力用半導体素子1a、1bの発熱を放熱するために必要な放熱面積を熱広がり角度45度と仮定した場合、電力用半導体素子1a、1bの端からヒートスプレッダ3の端までの距離が5mmとなり、パワーモジュールが大型化してしまう。よって本実施の形態ではヒートスプレッダ3の厚みを2mm以上、5mm以下と規定して、半導体装置の小型化と信頼性を両立している。
換言すれば、本実施の形態5の電力用半導体装置における、前記ヒートスプレッダ3、34は、その厚みが2mmから5mmの範囲内である。
以下、本実施の形態6について、実施の形態1,4および5と異なる部分のみ記載する。
図8の比較例として、表面性状を規定したAl板2枚を板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6で貼り合わせた試験片を作成し、半導体装置の熱サイクル試験で印加される熱応力と同等の応力を、Al板の一方向に印加した疲労試験を行った。比較例1~6の結果より、表面性状をRz3以上とすれば電力用半導体装置の熱サイクル試験で破壊しないことを確認したが、実際に半導体装置で試験を行うと、Rz20以上になると板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の骨格6aが粗面に追従できず、熱抵抗が大きくなる結果となった。本実施の形態ではパワーモジュール201と、冷却器7の、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6と接合される面の内、少なくとも一方の表面性状がその最大高さ(Rz)3μm以上、20μm以下であることを特徴とすることで接合信頼性と低熱抵抗を両立する。
換言すれば、本実施の形態6の電力用半導体装置は、前記パワーモジュール201および前記冷却器7の、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6と接合される面の内、少なくとも一方の表面性状は、その最大高さ(Rz)が3μmから20μmの範囲内である電力用半導体装置である。
以下、本実施の形態7について、実施の形態1と異なる部分のみ記載する。
図10は実施の形態7における電力用半導体装置109の図2のA-A断面図に相当する断面を示し、図11は、図10における一点鎖線で囲まれた被拡大部Dを拡大して例示するD部拡大断面図を示す。パワーモジュール209内の段付きヒートスプレッダ39の、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6と接する面の外周辺を、全周にわたって少なくとも一段の段差を設け、段差部が樹脂封止体5に封止されていることを特徴とする。
換言すれば、本実施の形態7の電力変換装置は、前記ヒートスプレッダ3,39の、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6と接する面の外周部に、その全周にわたって少なくとも一段の段差39sが設けられており、前記段差39sの部分が前記樹脂封止体5で封止されている電力用半導体装置である。
以下、本実施の形態8について、実施の形態1と異なる部分のみ記載する。
図12は実施の形態8における電力用半導体装置110の図2のA-A断面図に相当する断面を示し、図13は図12の一点鎖線で囲まれた被拡大部Eを拡大して例示するE部拡大断面図を示す。板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6の含浸樹脂6bと、骨格6aと含浸樹脂6bの混合部間の境界部から、枠8の間に隙間W1,W2を空けて、隙間合計W1+W2が以下の不等式(式2)の範囲内になることを特徴とする。
具体的には、不完全硬化状態の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の1辺の長さをX、前記1辺と直交する他辺の長さをY、高さをt、含有ボイド体積割合をs、前記隙間をW1,W2とした時、以下の式2を満たす。
以下、本実施の形態9について、実施の形態1と異なる部分のみ記載する。
実施の形態9では、図2のパワーモジュール201を冷却器7上に複数個搭載したものでも良い。板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6によって冷却器7上にパワーモジュール201を接合する構造であるので、例えば、電力用半導体装置に求められる出力に応じてパワーモジュール201の冷却器7への搭載数を変更することによって、パワーモジュール201の設計変更を行わず、対応することが可能である。これによって、生産設備の変更が不要となり、製造コストを低減でき、安価で大出力な半導体装置を提供可能となる。
以下、本実施の形態10について、実施の形態1と異なる部分のみ記載する。
図13、図14、図15、図16は、それぞれ電力用半導体装置100の製造工程における中間構造を示す側面図である。電力用半導体装置100は、パワーモジュール200を製造後、冷却器7とパワーモジュール200とを、不完全硬化状態の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体6cを用いて接合する。接合の際は不完全硬化状態の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体内の含浸樹脂が再溶融する適切な温度に昇温された状態で加圧、一定時間保持した後、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を完全硬化させて接合する。
前記パワーモジュールは、複数の半導体素子と、前記半導体素子を接合材を介して一方の面部に搭載したヒートスプレッダと、前記ヒートスプレッダに接合材を介して接合された主端子となる第1のリードフレームと、前記半導体素子に接合材を介して接合された主端子となる第2のリードフレームと、前記半導体素子と、前記ヒートスプレッダの前記半導体素子と接合される部分と、前記第1のリードフレームの一部分と、前記第2のリードフレームの一部分以外と、を封止する樹脂封止体と、を備え、
前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の側面部に、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の含浸樹脂が存在することを特徴とする半導体装置の製造方法において、
前記パワーモジュールと前記冷却器との間に上記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を配置し、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を加熱して、板状樹脂含浸セラミックス多孔質体内の含浸樹脂が半硬化状態から軟化するタイミングで、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の厚み方向に加圧を開始し、
この加圧によって、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の厚み方向に直行する方向において、含浸樹脂が染み出し、加熱を続行することで板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を本硬化させ、パワーモジュールと冷却器を接合する、ことを特徴とする電力用半導体装置の製造方法である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
前記ヒートスプレッダに前記ヒートスプレッダの側の面が熱的に接合し、前記ヒートスプレッダと反対側の面が冷却器と熱的に接合する板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を備え、
前記パワーモジュールの前記冷却器の側の面と、前記冷却器の前記パワーモジュールの側の面と、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面とによって囲まれ、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の含浸樹脂の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面からの流出を許容する空間領域が設けられ、
前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面から前記ヒートスプレッダの前記延在方向の端面までの距離が、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の平均細孔径の150倍以上であり、かつ、前記平均細孔径が、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の前記延在方向と直交する方向の厚みの1/20よりも小さい
ことを特徴とするものである。
Claims (10)
- 電力用半導体素子を封止した樹脂封止体に一部が露出するように封止され前記電力用半導体素子の通電による発熱を取り出すと共に前記露出した部分に前記発熱を伝熱するヒートスプレッダを有するパワーモジュール、および
前記ヒートスプレッダに前記ヒートスプレッダの側の面が熱的に接合し、前記ヒートスプレッダと反対側の面が冷却器と熱的に接合する板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を備え、
前記パワーモジュールの前記冷却器の側の面と、前記冷却器の前記パワーモジュールの側の面と、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面とによって囲まれ、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の含浸樹脂の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面からの流出を許容する空間領域が設けられている
ことを特徴とする電力用半導体装置。 - 前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の延在方向の端面から前記ヒートスプレッダの前記延在方向の端面までの距離が、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の平均細孔径の150倍以上であり、かつ、前記平均細孔径が、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の前記延在方向と直交する方向の厚みの1/20よりも小さい
ことを特徴とする請求項1に記載の電力用半導体装置。 - 前記ヒートスプレッダの前記露出の面が、前記樹脂封止体の前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の側の面よりも凹んでいない
ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電力用半導体装置。 - 一辺が15mm以下、縦横の長さの比が5以下、かつ厚み60μm以上の半導体素子が、複数個並列に並べて前記樹脂封止体に封止されて前記パワーモジュールが構成されている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項記載の電力用半導体装置。 - 前記ヒートスプレッダは、その厚みが2mmから5mmの範囲内である
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか一項記載の電力用半導体装置。 - 前記パワーモジュールおよび前記冷却器の、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体と接合される面の内、少なくとも一方の表面性状は、その最大高さが3μmから20μmの範囲内である
ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の電力用半導体装置。 - 前記ヒートスプレッダの、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の板状樹脂含浸セラミックス多孔質体と接する面の外周部に、その全周にわたって少なくとも一段の段差が設けられており、前記段差の部分が前記樹脂封止体で封止されている
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項記載の電力用半導体装置。 - 前記パワーモジュールが、前記冷却器に複数並べて搭載されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項記載の電力用半導体装置。
- 請求項1に記載の電力用半導体装置の製造方法であって、
前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を加熱して、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の内部の含浸樹脂が半硬化状態から軟化するタイミングで、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体への前記延在方向と直交する方向の加圧を開始し、
この加圧によって、前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体の含浸樹脂が前記空間領域に流入した状態で前記板状樹脂含浸セラミックス多孔質体を本硬化させることにより前記パワーモジュールと前記冷却器とを接合する
ことを特徴とする電力用半導体装置の製造方法。
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