以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、レンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、図1(A)は、レンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図1(B)は、レンズ駆動装置101の下方斜視図である。図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
図1及び図2において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。図1及び図2では、レンズ駆動装置101のX1側は、レンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側は、レンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のY1側は、レンズ駆動装置101の右側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側は、レンズ駆動装置101の左側に相当する。また、レンズ駆動装置101のZ1側は、レンズ駆動装置101の上側(被写体側)に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側は、レンズ駆動装置101の下側(撮像素子側)に相当する。他の図においても同様である。
レンズ駆動装置101は、図1及び図2に示すように、固定側部材RGの一部であるカバー部材4を含む。カバー部材4は、上側カバー部材4U及び下側カバー部材4Lを含む。
カバー部材4は、各部材を覆う筐体として機能するように構成されている。本実施形態では、カバー部材4は、非磁性金属で形成されている。但し、カバー部材4は、磁性金属で形成されていてもよい。また、カバー部材4は、図1に示すように、収納部4sを定める箱状の外形を有する。
上側カバー部材4Uは、矩形筒状の第1外周壁部4Aと、第1外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部4Bと、を有する。天板部4Bの中央には、円形の開口4kが形成されている。第1外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。
同様に、下側カバー部材4Lは、矩形筒状の第2外周壁部4Cと、第2外周壁部4Cの下端(Z2側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の底板部4Dと、を有する。底板部4Dの中央には、円形の開口4mが形成されている。第2外周壁部4Cは、第1側板部4C1~第4側板部4C4を含む。第1側板部4C1と第3側板部4C3とは互いに対向し、第2側板部4C2と第4側板部4C4とは互いに対向している。そして、第1側板部4C1及び第3側板部4C3は、第2側板部4C2及び第4側板部4C4に対して垂直に延びている。
上側カバー部材4Uは、図1に示すように、接着剤によって下側カバー部材4Lに接合されている。第2外周壁部4Cは、第1外周壁部4Aを部分的に覆うように配置される。
カバー部材4内には、図2に示すように、スペーサ部材1、レンズ保持部材2、金属部材5、板ばね6、ベース部材18、及び形状記憶合金ワイヤSA等が収容されている。
可動側部材MBは、レンズ体(図示せず。)を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ体に関する光軸JDに沿ってレンズ保持部材2を移動させる駆動機構MKとしての形状記憶合金ワイヤSAと、レンズ保持部材2を光軸JDに沿って移動可能に支持する板ばね6と、を含む。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸JDに沿うように構成されている。
スペーサ部材1は、レンズ保持部材2がZ1方向に移動したときに合成樹脂で形成されたレンズ保持部材2と金属で形成されたカバー部材4とが衝突するのを防止できるように配置されている。すなわち、スペーサ部材1は、合成樹脂で形成され、レンズ保持部材2とカバー部材4の天板部4Bとの間に空間を形成できるように配置されている。そして、スペーサ部材1は、接着剤によって上側カバー部材4Uに固定されている。具体的には、スペーサ部材1とレンズ保持部材2とは、レンズ保持部材2のZ1方向(上方)への過度の動きを制限するストッパ部を構成している。本実施形態では、レンズ保持部材2は、所定距離だけZ1方向へ移動したときにスペーサ部材1と接触するように構成されている。この構成により、スペーサ部材1は、合成樹脂で形成されたレンズ保持部材2と金属で形成された上側カバー部材4Uとが接触するのを防止し、そのような接触によるレンズ保持部材2の摩耗を防止できる。但し、別の構造等によってレンズ保持部材2と上側カバー部材4Uの天板部4Bとの間に空間を形成できるのであれば、スペーサ部材1は省略されてもよい。
レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図2に示すように、光軸JDに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12から径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2D及び突設部2Sと、を含む。本実施形態では、筒状部12の内周面には、レンズ体が螺着されるようにねじ溝が形成されている。レンズ体は、筒状部12の内周面に接着剤で固定されるように構成されていてもよい。この場合、筒状部12の内周面には、ねじ溝が形成されていなくてもよい。
可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。同様に、突設部2Sは、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む。第1突設部2S1及び第2突設部2S2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。具体的には、可動側台座部2D及び突設部2Sは、上面視で略矩形状の外形を有するレンズ保持部材2の四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dのそれぞれには、板ばね6の一部が載置される。
駆動機構MKは、形状記憶アクチュエータの一例である形状記憶合金ワイヤSAを含む。本実施形態では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動機構MKは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用してレンズ保持部材2を光軸JDに沿って上下に移動させることができる。なお、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のうちの一つ又は複数が収縮するとレンズ保持部材2が移動し、その移動によって別の一つ又は複数が引き延ばされるように構成されている。
板ばね6は、固定側部材RG(ベース部材18)に対してレンズ保持部材2を光軸JDに平行な方向に移動可能に支持できるように構成されている。本実施形態では、板ばね6は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。具体的には、板ばね6は、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。
ベース部材18は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。本実施形態では、ベース部材18は、図5(A)に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口18Kを有する。具体的には、ベース部材18は、円形の開口18Kを囲むように配置される矩形環状の基部18Bを有する。そして、基部18Bは、四つの辺部18E(第1辺部18E1~第4辺部18E4)を有する。
板ばね6は、レンズ保持部材2に形成された可動側台座部2Dと、ベース部材18に形成された固定側台座部18Dとを繋ぐように構成されている。なお、固定側台座部18Dは、ベース部材18の基部18Bから上方に突出する部分であり、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。
より具体的には、第1板ばね6Aは、レンズ保持部材2に形成された第1可動側台座部2D1と、ベース部材18に形成された第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2のそれぞれとを繋ぐように構成されている。同様に、第2板ばね6Bは、レンズ保持部材2に形成された第2可動側台座部2D2と、ベース部材18に形成された第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2のそれぞれとを繋ぐように構成されている。
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。本実施形態では、金属部材5は、非磁性金属で形成され、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、ベース部材18の固定側台座部18Dに固定されるように構成されている。可動側金属部材5Mは、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dに固定されるように構成されている。
より具体的には、固定側金属部材5Fは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8を含む。可動側金属部材5Mは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
次に、図3を参照し、レンズ保持部材2及びベース部材18のそれぞれと金属部材5との間の位置関係について説明する。図3(A)は、可動側金属部材5M(可動側ターミナルプレート)及び板ばね6が取り付けられたレンズ保持部材2の斜視図である。図3(B)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の斜視図である。なお、明瞭化のため、図3(A)では、可動側金属部材5M及び板ばね6にドットパターンが付され、図3(B)では、固定側金属部材5Fにドットパターンが付されている。
図3(A)に示す例では、第1可動側ターミナルプレート5M1は、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁の外側面(右側取付面)に固定されている。具体的には、第1可動側台座部2D1に形成された外側(Y1側)に突出する角形の突起部2Vと第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された矩形孔AH(図4(A)参照。)とがかみ合った状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、接着剤により第1可動側台座部2D1に固定されている。接着剤は、例えば、光硬化型接着剤である。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2は、第1可動側台座部2D1のX2側の側壁の外側面(後側取付面)に固定され、第3可動側ターミナルプレート5M3は、第2可動側台座部2D2のX1側の側壁の外側面(前側取付面)に固定され、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第2可動側台座部2D2のY2側の側壁の外側面(左側取付面)に固定されている。
図3(B)に示す例では、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置された第1固定側台座部18D1のY1側の側壁の外側面(右側取付面)に固定されている。具体的には、第1固定側台座部18D1に形成された外側(Y1側)に突出する二つの丸形の突起部18Vと第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに形成された貫通孔RH(図4(A)参照。)とがかみ合った状態で、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、接着剤により第1固定側台座部18D1に固定されている。接着剤は、例えば、光硬化型接着剤である。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4(図3(B)では不可視。)は、ベース部材18の第3辺部18E3に沿って配置された第2固定側台座部18D2のX2側の側壁の外側面(後側取付面)に固定されている。また、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6は、ベース部材18の第1辺部18E1に沿って配置された第1固定側台座部18D1のX1側の側壁の外側面(前側取付面)に固定されている。そして、第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8(図3(B)では不可視。)は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置された第2固定側台座部18D2のY2側の側壁の外側面(左側取付面)に固定されている。
形状記憶合金ワイヤSAは、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aの内面に沿うように延びており、固定側部材RGに対して可動側部材MBを移動可能に支持できるように構成されている。本実施形態では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含み、固定側部材RGとしてのベース部材18に対して、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2を移動可能に支持できるように構成されている。第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、図2に示すように、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固着されている。
次に、図4を参照し、形状記憶合金ワイヤSAが取り付けられる金属部材5について説明する。図4(A)は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をY1側から見たときの図である。図4(B)は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をX1側から見たときの図である。なお、図4(A)及び図4(B)に示す各部材の位置関係は、レンズ駆動装置101が組み立てられたときの位置関係に対応している。そして、図4(A)及び図4(B)では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、図4(A)及び図4(B)を参照する以下の説明は、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせに関するが、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせ、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせ、並びに、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせについても同様に適用され得る。
具体的には、第1ワイヤSA1の一端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の下側の保持部J3のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定され、第1ワイヤSA1の他端は、第1固定側ターミナルプレート5F1の保持部J2のところで第1固定側ターミナルプレート5F1に固定されている。同様に、第2ワイヤSA2の一端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の上側の保持部J1のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定され、第2ワイヤSA2の他端は、第2固定側ターミナルプレート5F2の保持部J4のところで第2固定側ターミナルプレート5F2に固定されている。
保持部J1は、第1可動側ターミナルプレート5M1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1可動側ターミナルプレート5M1の一部は、第2ワイヤSA2の一端を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1を形成している。そして、第2ワイヤSA2の一端は、溶接によって保持部J1に固定されている。保持部J2~保持部J4についても同様である。
第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、図4(A)に示すように、互いにねじれの位置となるように配置されている。すなわち、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。
次に、図5を参照し、固定側部材RGの一部であるベース部材18の詳細について説明する。図5は、ベース部材18の斜視図である。具体的には、図5(A)は、導電部材CMが取り除かれた状態のベース部材18の斜視図であり、図5(B)は、ベース部材18内に埋設されている導電部材CMの斜視図であり、図5(C)は、導電部材CMが埋設された状態のベース部材18の斜視図である。なお、図5(B)及び図5(C)では、明瞭化のため、導電部材CMにドットパターンが付されている。
ベース部材18は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの一端を支持するワイヤ支持部材として機能するように構成されている。この構成により、可動側部材MBは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8によって、光軸JDに平行な方向であるZ軸方向に移動可能な状態で支持されている。
ベース部材18の被写体側の面(Z1側の面)である上面には、固定側台座部18Dが形成されている。固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2は、光軸JDを挟んで対向するように配置されている。
ベース部材18には、図5(B)に示すような導電部材CMがインサート成形によって埋め込まれている。本実施形態では、導電部材CMは、鉄等の磁性金属で形成されている。そして、導電部材CMは、ベース部材18の下面(Z2側の面)から突出して下方(Z2方向)に延びる第1端子部TM1~第11端子部TM11と、ベース部材18の上面(Z1側の面)に露出する第9接合面部CP9及び第10接合面部CP10と、を有するように構成されている。
具体的には、導電部材CMは、第1導電部材CM1~第11導電部材CM11を含む。そして、第1導電部材CM1は、第1端子部TM1及び第1接続部ED1を含む。第2導電部材CM2は、第2端子部TM2及び第2接続部ED2を含む。第3導電部材CM3は、第3端子部TM3及び第3接続部ED3を含む。第4導電部材CM4は、第4端子部TM4及び第4接続部ED4を含む。第5導電部材CM5は、第5端子部TM5及び第5接続部ED5を含む。第6導電部材CM6は、第6端子部TM6及び第6接続部ED6を含む。第7導電部材CM7は、第7端子部TM7及び第7接続部ED7を含む。第8導電部材CM8は、第8端子部TM8及び第8接続部ED8を含む。第9導電部材CM9は、第9端子部TM9及び第9接合面部CP9を含む。第10導電部材CM10は、第10端子部TM10及び第10接合面部CP10を含む。第11導電部材CM11は、第11端子部TM11及び第11接続部ED11を含む。
第1端子部TM1~第4端子部TM4、第10端子部TM10、及び第11端子部TM11は、ベース部材18の第3辺部18E3に沿って配置されている。第5端子部TM5~第9端子部TM9は、ベース部材18の第1辺部18E1に沿って配置されている。
すなわち、第1導電部材CM1の第1接続部ED1は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置され、第1導電部材CM1の第1端子部TM1は、ベース部材18の第2辺部18E2ではなく第3辺部18E3に沿って配置されている。同様に、第2導電部材CM2の第2接続部ED2は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置され、第2導電部材CM2の第2端子部TM2は、ベース部材18の第2辺部18E2ではなく第3辺部18E3に沿って配置されている。
また、第7導電部材CM7の第7接続部ED7は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置され、第7導電部材CM7の第7端子部TM7は、ベース部材18の第4辺部18E4ではなく第1辺部18E1に沿って配置されている。同様に、第8導電部材CM8の第8接続部ED8は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置され、第8導電部材CM8の第8端子部TM8は、ベース部材18の第4辺部18E4ではなく第1辺部18E1に沿って配置されている。
このように、第1端子部TM1~第11端子部TM11は、ベース部材18の第1辺部18E1又は第3辺部18E3に沿って配置され、ベース部材18の第2辺部18E2及び第4辺部18E4に沿って配置されることはない。
次に、図6を参照し、板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CMの位置関係について説明する。図6は、板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CMの位置関係を示す図である。具体的には、図6(A)は、各部材(板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CM)の斜視図であり、図6(B)は、各部材の上面図である。なお、図6(B)では、明瞭化のため、形状記憶合金ワイヤSA及び導電部材CMの図示が省略されている。また、図6(B)では、板ばね6にドットパターンが付されている。
板ばね6は、図6(B)に示すように、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。そして、第1板ばね6Aは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図2参照。)に固定される第1部分6A1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図2参照。)に固定される第2部分6A2と、レンズ保持部材2の第1可動側台座部2D1(図2参照。)に固定される第3部分6A3と、第1部分6A1と第3部分6A3を繋ぐ第4部分6A4と、第2部分6A2と第3部分6A3を繋ぐ第5部分6A5と、を有する。
第1部分6A1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第1貫通孔6AH1及び第2貫通孔6AH2が形成されている。本実施形態では、板ばね6と突出部18Tとの固定は、突出部18Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部18Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
第2部分6A2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第3貫通孔6AH3と、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図5(C)参照。)との接合に用いられる第4貫通孔6AH4とが形成されている。本実施形態では、板ばね6と導電部材CMとの接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、板ばね6と導電部材CMとの接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。
第3部分6A3には、第1可動側台座部2D1に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図3(A)参照。)が挿通される第5貫通孔6AH5及び第6貫通孔6AH6が形成されている。本実施形態では、板ばね6と突出部2Tの固定は、突出部2Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部2Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
同様に、第2板ばね6Bは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図2参照。)に固定される第1部分6B1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図2参照。)に固定される第2部分6B2と、レンズ保持部材2の第2可動側台座部2D2(図2参照。)に固定される第3部分6B3と、第1部分6B1と第3部分6B3を繋ぐ第4部分6B4と、第2部分6B2と第3部分6B3を繋ぐ第5部分6B5と、を有する。
第1部分6B1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第1貫通孔6BH1と、第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図5(C)参照。)との接合に用いられる第2貫通孔6BH2とが形成されている。
第2部分6B2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第3貫通孔6BH3及び第4貫通孔6BH4が形成されている。
第3部分6B3には、第2可動側台座部2D2に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図3(A)参照。)が挿通される第5貫通孔6BH5及び第6貫通孔6BH6が形成されている。
なお、第1板ばね6Aの第4部分6A4及び第5部分6A5と第2板ばね6Bの第4部分6B4及び第5部分6B5とは、複数の屈曲部を有する弾性変形可能な腕部である。そのため、レンズ保持部材2は、ベース部材18(固定側部材RG)に対して、光軸JDに平行な方向のみならず、光軸JDと交差する方向にも移動可能となっている。
図6(B)に示すように、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、ほぼ同じ形状を有する。具体的には、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、光軸JDに関して2回回転対称となるように構成されている。そのため、この構成は、レンズ駆動装置101の部品点数を減らすことができる。また、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、レンズ保持部材2をバランス良く空中で支持できる。また、板ばね6は、8本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)によって支持される可動側部材MBの重量バランスに悪影響を及ぼすこともない。
第1導電部材CM1の第1接続部ED1は、図6(A)に示すように、半田付けによって第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1に垂直に接合される。すなわち、第1接続部ED1と接続部CT1とは互いの表面が略垂直な状態で接合される。同様に、第2導電部材CM2の第2接続部ED2は、半田付けによって第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2に垂直に接合され、第3導電部材CM3の第3接続部ED3は、半田付けによって第3固定側ターミナルプレート5F3の接続部CT3に垂直に接合され、第4導電部材CM4の第4接続部ED4は、半田付けによって第4固定側ターミナルプレート5F4の接続部CT4に垂直に接合される。また、第5導電部材CM5の第5接続部ED5は、半田付けによって第5固定側ターミナルプレート5F5の接続部CT5に垂直に接合され、第6導電部材CM6の第6接続部ED6は、半田付けによって第6固定側ターミナルプレート5F6の接続部CT6に垂直に接合され、第7導電部材CM7の第7接続部ED7は、半田付けによって第7固定側ターミナルプレート5F7の接続部CT7に垂直に接合され、第8導電部材CM8の第8接続部ED8は、半田付けによって第8固定側ターミナルプレート5F8の接続部CT8に垂直に接合される。
第1可動側ターミナルプレート5M1の接続部CT9は、図6(B)に示すように、半田付けによって第1板ばね6Aの第3部分6A3に垂直に接合される。すなわち、接続部CT9と第3部分6A3とは互いの表面が略垂直な状態で接合される。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2の接続部CT10は、半田付けによって第1板ばね6Aの第3部分6A3に垂直に接合され、第3可動側ターミナルプレート5M3の接続部CT11は、半田付けによって第2板ばね6Bの第3部分6B3に垂直に接合され、第4可動側ターミナルプレート5M4の接続部CT12は、半田付けによって第2板ばね6Bの第3部分6B3に垂直に接合される。
一方で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図6(B)に示すように、第1板ばね6Aの第1部分6A1から離間して配置されており、第1板ばね6Aの第1部分6A1には接触していない。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第1板ばね6Aの第2部分6A2には接触しておらず、第5固定側ターミナルプレート5F5は、第2板ばね6Bの第1部分6B1には接触しておらず、第7固定側ターミナルプレート5F7は、第2板ばね6Bの第2部分6B2には接触していない。
第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図5(B)参照。)は、第2板ばね6Bの第1部分6B1に形成された第2貫通孔6BH2のところで、レーザ溶接等の溶接により、第2板ばね6Bの第1部分6B1に平行に接合される。すなわち、第9接合面部CP9と第1部分6B1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図5(B)参照。)は、第1板ばね6Aの第2部分6A2に形成された第4貫通孔6AH4のところで、レーザ溶接等の溶接により、第1板ばね6Aの第2部分6A2に平行に接合される。
次に、図7を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図7は、図6に示す構成の一部の斜視図である。なお、図7(A)では、明瞭化のため、第1導電部材CM1及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1には更に細かいドットパターンが付されている。同様に、図7(B)では、明瞭化のため、第2導電部材CM2及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2には更に細かいドットパターンが付されている。
具体的には、図7(A)は、第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示し、図7(B)は、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示す。以下の説明は、第1ワイヤSA1又は第2ワイヤSA2を流れる電流の経路に関するが、第3ワイヤSA3又は第4ワイヤSA4を流れる電流の経路、第5ワイヤSA5又は第6ワイヤSA6を流れる電流の経路、及び、第7ワイヤSA7又は第8ワイヤSA8を流れる電流の経路についても同様に適用され得る。
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図7(A)の矢印AR1で示すように第1導電部材CM1を通って第1端子部TM1から第1固定側ターミナルプレート5F1に流れる。その後、電流は、矢印AR2で示すように第1固定側ターミナルプレート5F1を通り、矢印AR3で示すように第1ワイヤSA1を通り、更に、矢印AR4で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR5及び矢印AR6で示すように第1板ばね6Aの第3部分6A3、第5部分6A5、及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR7で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図7(B)の矢印AR11で示すように第2導電部材CM2を通って第2端子部TM2から第2固定側ターミナルプレート5F2に流れる。その後、電流は、矢印AR12で示すように第2固定側ターミナルプレート5F2を通り、矢印AR13で示すように第2ワイヤSA2を通り、更に、矢印AR14で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR15及び矢印AR16で示すように第1板ばね6Aの第3部分6A3、第5部分6A5、及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR17で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続された場合、及び、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続された場合の何れにおいても、第1可動側ターミナルプレート5M1から第10端子部TM10へ流れる電流の経路は同じである。
上述のようなレンズ駆動装置101の外部にある制御装置は、第1導電部材CM1~第10導電部材CM10のそれぞれの端子部に印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの収縮を制御できる。なお、制御装置は、レンズ駆動装置101内に配置されていてもよい。また、制御装置は、レンズ駆動装置101の構成要素であってもよい。
略直方体形状を有するレンズ駆動装置101は、例えば、撮像素子(図示せず。)を実装した外部基板(図示せず。)の上に取り付けられる。カメラモジュールは、例えば、外部基板と、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されたレンズ体と、レンズ体に対向するように外部基板に実装された撮像素子とで構成される。カメラモジュールは、制御装置を含んでいてもよい。
制御装置は、例えば、駆動機構MKとしての形状記憶合金ワイヤSAの収縮による光軸JDに平行な方向に沿った駆動力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)において、光軸JDに平行な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させてもよい。そして、このようにレンズ保持部材2を移動させることにより、制御装置は、レンズ調整機能の一つである自動焦点調整機能を実現してもよい。具体的には、制御装置は、撮像素子から離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしてもよい。
また制御装置は、複数の形状記憶合金ワイヤSAに流れる電流を制御することによって、光軸JDと交差する方向にレンズ保持部材2を移動させてもよい。これにより、制御装置は、手振れ補正機能を実現してもよい。
次に、図8を参照し、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の一例について説明する。図8は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の一例を示す図である。具体的には、図8(A)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の全体の斜視図である。図8(B)は、図8(A)に示す破線で囲まれた範囲R1をY1側からみたときの拡大側面図である。なお、図8では、明瞭化のため、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)には粗いドットパターンが付され、導電部材CMには細かいドットパターンが付されている。
図8(B)に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1は、ベース部材18の第1固定側台座部18D1のY1側の側壁の外側面(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1は、接合材SDを介して第1導電部材CM1の第1接続部ED1に接合されている。接合材SDは、例えば、半田又は導電性接着剤等である。なお、図8(B)では、明瞭化のため、接合材SDにはクロスパターンが付されている。
同様に、第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18における第1固定側台座部18D1のY1側の側壁の外側面(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2は、接合材SDを介して第2導電部材CM2の第2接続部ED2に接合されている。
第1接続部ED1は、接続部CT1のY1側(右側)の表面よりもY1側に突出するように配置されている。同様に、第2接続部ED2は、接続部CT2のY1側(右側)の表面よりもY1側に突出するように配置されている。
この配置は、少なくとも第1接続部ED1の上面(Z1側の面)と接続部CT1の外面(Y1側の面)とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。典型的には、この配置は、第1接続部ED1を構成している複数の面と接続部CT1を構成している複数の面とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。接続部CT2と第2接続部ED2との間の接合材SDによる接続強度についても同様である。
また、この配置は、メッキが施されていない第1接続部ED1の端面(Y1側の面)のみと接続部CT1とが接合材SDによって接合されてしまうのを防止できる。第2接続部ED2と接続部CT2との間の接合についても同様である。
次に、図9を参照し、形状記憶合金ワイヤSAへの非通電時における、ベース部材18に対するレンズ保持部材2の動きを規制するための構成について説明する。図9は、レンズ保持部材2、上側カバー部材4U、及びベース部材18の斜視図である。
レンズ保持部材2は、図9に示すように、光軸方向に延びるとともにレンズ体が内部に収容される筒状部12と、上側カバー部材4Uの角部4Eに対応する位置に、筒状部12から角部4Eに向かって突出する可動側台座部2D及び突設部2Sとを有する。
具体的には、上側カバー部材4Uは、四つの角部4Eを有する。そして、四つの角部4Eは、第1側板部4A1と第4側板部4A4との間に配置される第1角部4E1と、第1側板部4A1と第2側板部4A2との間に配置される第2角部4E2と、第2側板部4A2と第3側板部4A3との間に配置される第3角部4E3と、第3側板部4A3と第4側板部4A4との間に配置される第4角部4E4と、を含む。
レンズ保持部材2は、筒状部12から第1角部4E1に向かって突出する第2可動側台座部2D2と、筒状部12から第2角部4E2に向かって突出する第1突設部2S1と、筒状部12から第3角部4E3に向かって突出する第1可動側台座部2D1と、筒状部12から第4角部4E4に向かって突出する第2突設部2S2と、を有する。
突設部2Sには、上方(Z1方向)に向かって開口する収容部HRが形成されている。そして、収容部HRには第1磁性部材10が収容され、接着剤によって固定されている。具体的には、第1突設部2S1には、上方に向かって開口する第1収容部HR1が形成され、第2突設部2S2には、上方に向かって開口する第2収容部HR2が形成されている。そして、第1収容部HR1には第1磁石10Aが収容され、第2収容部HR2には第2磁石10Bが収容されている。
第1磁性部材10は、ベース部材18に取り付けられる第2磁性部材MG(図11参照。)との間で磁気的な吸引力を発生させるための部材である。図9に示す例では、第1磁性部材10は、第1磁石10A及び第2磁石10Bを含む。第1磁石10A及び第2磁石10Bは何れも二極永久磁石である。但し、第1磁性部材10は、第2磁性部材MGとの間で磁気的な吸引力を発生させることができるのであれば磁石でなくてもよい。この場合、第1磁性部材10は、例えば、磁性金属又は磁性樹脂材料等であってもよい。また、第1磁性部材10は、インサート成形等によってレンズ保持部材2に埋め込まれていてもよく、レンズ保持部材2に貼り付けられていてもよい。
ベース部材18は、上側カバー部材4Uの角部4Eに対応する位置に、基部18Bから上方に向かって突出する固定側台座部18D及びストッパ用凸部18Sを有する。ストッパ用凸部18Sは、第1ストッパ用凸部18S1及び第2ストッパ用凸部18S2を含む。具体的には、ベース部材18は、第1角部4E1の近傍に設けられる第2ストッパ用凸部18S2と、第2角部4E2の近傍に設けられる第1固定側台座部18D1と、第3角部4E3の近傍に設けられる第1ストッパ用凸部18S1と、第4角部4E4の近傍に設けられる第2固定側台座部18D2と、を有する。
固定側台座部18Dには、上方(Z1方向)及び内方(光軸JDに近づく方向)に向かって開口するストッパ用凹部SBが形成されている。具体的には、第1固定側台座部18D1には、上方及び内方に向かって開口する第1ストッパ用凹部SB1が形成され、第2固定側台座部18D2には、上方及び内方に向かって開口する第2ストッパ用凹部SB2が形成されている。そして、ストッパ用凹部SBにはストッパ用凸部として機能する突設部2Sが収容される。
レンズ保持部材2には、図10に示すように、可動側台座部2Dの下面(Z2側の面)にストッパ用凹部CVが形成されている。図10は、レンズ保持部材2の詳細図である。具体的には、図10(A)は、レンズ保持部材2の底面図である。図10(B)は、レンズ保持部材2の底面斜視図である。図10(C)は、図10(B)に示す破線で囲まれた範囲R2の拡大図である。なお、図10では、明瞭化のため、ストッパ用凹部CVにドットパターンが付されている。
具体的には、第1可動側台座部2D1の下面には第1ストッパ用凹部CV1が形成され、第2可動側台座部2D2の下面には第2ストッパ用凹部CV2が形成されている。
ストッパ用凹部CVは、上述のように、第1ストッパ用凹部CV1及び第2ストッパ用凹部CV2を有する。そして、ストッパ用凹部CVは、ベース部材18に形成されたストッパ用凸部18S(図9参照。)を非接触で受け入れるように構成されている。ストッパ用凸部18Sは、上述のように、第1ストッパ用凸部18S1及び第2ストッパ用凸部18S2を含む。
ストッパ用凹部CVは、ストッパ用凸部18Sと協働してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。具体的には、ストッパ用凹部CVは、レンズ保持部材2の動きが過度に大きくなったときにストッパ用凸部18Sと接触してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。レンズ保持部材2の過度の動きは、レンズ保持部材2の光軸JD回りの過度の回転、X軸方向におけるレンズ保持部材2の過度の並進、及び、Y軸方向におけるレンズ保持部材2の過度の並進等の少なくとも一つを含む。
より具体的には、第1ストッパ用凹部CV1は、初期状態において第1ストッパ用凸部18S1を非接触で受け入れるように構成され、第2ストッパ用凹部CV2は、初期状態において第2ストッパ用凸部18S2を非接触で受け入れるように構成されている。レンズ駆動装置101の初期状態は、例えば、形状記憶合金ワイヤSAへの非通電時のときのレンズ駆動装置101の状態を意味する。
また、ベース部材18のストッパ用凹部SBは、初期状態においてレンズ保持部材2の突設部2S(ストッパ用凸部)を非接触で受け入れるように構成されている。そして、ストッパ用凹部SBは、ストッパ用凸部(突設部2S)と協働してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。具体的には、ストッパ用凹部SBは、レンズ保持部材2の動きが過度に大きくなったときにストッパ用凸部(突設部2S)と接触してレンズ保持部材2の過度の動きを制限するように構成されている。
より具体的には、ストッパ用凹部SBは、第1固定側台座部18D1の内側に形成された第1ストッパ用凹部SB1と、第2固定側台座部18D2の内側に形成された第2ストッパ用凹部SB2とを含む。そして、第1ストッパ用凹部SB1は、初期状態において第1ストッパ用凸部(第1突設部2S1)を非接触で受け入れるように構成され、第2ストッパ用凹部SB2は、初期状態において第2ストッパ用凸部(第2突設部2S2)を非接触で受け入れるように構成されている。
このように、レンズ保持部材2におけるストッパ用凹部CV(可動側台座部2D)及びストッパ用凸部(突設部2S)、並びに、ベース部材18におけるストッパ用凹部SB(固定側台座部18D)及びストッパ用凸部18Sは、レンズ保持部材2の過度の動きを制限するストッパ部STを構成している。
具体的には、ストッパ部STは、図9に示すように、第1ストッパ部ST1~第4ストッパ部ST4を含む。第1ストッパ部ST1は、第1突設部2S1と第1固定側台座部18D1との組み合わせで構成され、第2ストッパ部ST2は、第2突設部2S2と第2固定側台座部18D2との組み合わせで構成され、第3ストッパ部ST3は、第1可動側台座部2D1と第1ストッパ用凸部18S1との組み合わせで構成され、第4ストッパ部ST4は、第2可動側台座部2D2と第2ストッパ用凸部18S2との組み合わせで構成されている。この場合、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む突設部2Sは、張り出し部を構成する。すなわち、張り出し部としての突設部2Sは、第1張り出し部としての第1突設部2S1と、第2張り出し部としての第2突設部2S2とを含む。また、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む固定側台座部18Dは、規制壁部を構成する。すなわち、規制壁部としての固定側台座部18Dは、第1規制壁部としての第1固定側台座部18D1と、第2規制壁部としての第2固定側台座部18D2とを含む。
また、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dは、図10に示すように、可動側金属部材5Mが取り付けられる取付面EWを有する。具体的には、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁には、第1可動側ターミナルプレート5M1が取り付けられる第1取付面EW1(右側取付面)が形成され、第1可動側台座部2D1のX2側の側壁には、第2可動側ターミナルプレート5M2が取り付けられる第2取付面EW2(後側取付面)が形成されている。また、第2可動側台座部2D2のX1側の側壁には、第3可動側ターミナルプレート5M3が取り付けられる第3取付面EW3(前側取付面)が形成され、第2可動側台座部2D2のY2側の側壁には、第4可動側ターミナルプレート5M4が取り付けられる第4取付面EW4(左側取付面)が形成されている。
次に、図11を参照し、形状記憶合金ワイヤSAの非通電時における第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの位置関係について説明する。図11は、形状記憶合金ワイヤSAの非通電時における、レンズ保持部材2に取り付けられている第1磁性部材10と、ベース部材18に埋設されている導電部材CMに含まれる第2磁性部材MGとの位置関係を示す。具体的には、図11(A)は、第1磁性部材10及び導電部材CMの斜視図であり、図11(B)は、導電部材CMの上面図である。なお、図11(A)及び図11(B)では、明瞭化のため、第1磁性部材10及び導電部材CM以外の部材の図示が省略されている。また、図11(A)及び図11(B)では、明瞭化のため、ベース部材18に埋設されている導電部材CMの一部である第2磁性部材MGにドットパターンが付されている。また、図11(B)では、明瞭化のため、第1磁性部材10の輪郭が点線で示されている。
第2磁性部材MGは、レンズ保持部材2に取り付けられる第1磁性部材10との間で磁気的な吸引力を発生させるための部材である。図11に示す例では、第2磁性部材MGは、第1金属板MG1及び第2金属板MG2を含む。第1金属板MG1及び第2金属板MG2は何れも磁性金属で形成されている。具体的には、第1金属板MG1は、第2導電部材CM2の一部として形成され、第2金属板MG2は、第8導電部材CM8の一部として形成されている。但し、第2磁性部材MGは、第1磁性部材10との間で磁気的な吸引力を発生させることができるのであれば磁性金属でなくてもよい。この場合、第2磁性部材MGは磁石であってもよい。また、第2磁性部材MGは、導電部材CMから独立した部材として構成されていてもよい。この場合、導電部材CMは、望ましくは、非磁性金属等の非磁性材料で形成される。また、第2磁性部材MGは、ベース部材18に埋設されている必要はなく、ベース部材18に貼り付けられていてもよい。
形状記憶合金ワイヤSAの非通電時では、図11(A)及び図11(B)に示すように、第1磁性部材10は、第2磁性部材MGから所定距離だけ離れた状態で、第2磁性部材MGの真上に位置するように、レンズ保持部材2の突設部2Sに形成された収容部HR内に配置されている。
そして、図11(B)に示すように、第1磁性部材10及び第2磁性部材MGは、第2磁性部材MGに対向する第1磁性部材10の上側対向面CSUの面積が、第1磁性部材10に対向する第2磁性部材MGの下側対向面CSLの面積にほぼ等しくなるように構成されている。上側対向面CSUの面積と下側対向面CSLの面積とが顕著に異なる場合、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力によって第1磁性部材10が第2磁性部材MGに引き寄せられて静止するときの第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間の位置関係は、ばらついてしまうためである。
具体的には、図11(B)に示すように、第1磁石10A及び第1金属板MG1は、第1金属板MG1に対向する第1磁石10Aの上側対向面CSU1の面積が、第1磁石10Aに対向する第1金属板MG1の下側対向面CSL1の面積にほぼ等しくなるように構成されている。また、第2磁石10B及び第2金属板MG2は、第2金属板MG2に対向する第2磁石10Bの上側対向面CSU2の面積が、第2磁石10Bに対向する第2金属板MG2の下側対向面CSL2の面積にほぼ等しくなるように構成されている。
また、図11に示す例では、第1磁性部材10は、略直方体の外形を有するが、円柱又は六角柱等の他の外形を有していてもよい。すなわち、図11に示す例では、上側対向面CSUは、矩形の外形を有するが、円形又は六角形等の他の外形を有していてもよい。この場合、下側対向面CSLは、望ましくは、上側対向面CSUと同じ外形を有するように構成される。
次に、図12を参照し、レンズ保持部材2の動きを規制するストッパ部STの詳細について説明する。ここでは、特に、第1ストッパ部ST1及び第2ストッパ部ST2について説明する。図12は、第1磁性部材10が取り付けられたレンズ保持部材2、及び、第2磁性部材MGが埋め込まれたベース部材18の上面図である。具体的には、図12(A)は、レンズ保持部材2とベース部材18の全体の上面図であり、図12(B)は、図12(A)に示す破線で囲まれた範囲R3の拡大図である。
上述のように、第1ストッパ部ST1は、第1突設部2S1と第1固定側台座部18D1との組み合わせで構成され、第2ストッパ部ST2は、第2突設部2S2と第2固定側台座部18D2との組み合わせで構成されている。
具体的には、第2ストッパ部ST2は、図12(B)に示すように、外周面CF(点線で表される面)を有する第2突設部2S2と、外周面CFを覆うように対向する内周面SF(破線で表される面)を有する壁部としての第2固定側台座部18D2(第2ストッパ用凹部SB2)との組み合わせで構成されている。なお、外周面CFと内周面SFとは所定の間隔を空けて互いに対向しており、X軸に平行に延びる部分、及び、Y軸に平行に延びる部分で最も接近するように配置されている。同様に、第1ストッパ部ST1は、図12(A)に示すように、外周面を有する第1突設部2S1と、その外周面を覆うように対向する内周面を有する壁部としての第1固定側台座部18D1(第1ストッパ用凹部SB1)との組み合わせで構成されている。
この構成により、図12(A)の矢印AR20で示す方向にレンズ保持部材2が光軸JD回りに過度に回転しようとすると、第2ストッパ部ST2では、図12(B)に示すように、第2突設部2S2の外周面CFの右側部分CFRと、第2固定側台座部18D2(第2ストッパ用凹部SB2)の内周面SFの右側部分SFRとが接触する。その結果、光軸JD回りのレンズ保持部材2の過度の回転は、この接触によって阻止される。第1ストッパ部ST1についても同様であり、第1ストッパ部ST1での接触と第2ストッパ部ST2での接触は、ほぼ同じタイミングで発生する。
また、図12(A)の矢印AR21で示す方向にレンズ保持部材2が光軸JD回りに過度に回転しようとすると、第2ストッパ部ST2では、図12(B)に示すように、第2突設部2S2の外周面CFの左側部分CFLと、第2固定側台座部18D2(第2ストッパ用凹部SB2)の内周面SFの左側部分SFLとが接触する。その結果、光軸JD回りのレンズ保持部材2の過度の回転は、この接触によって阻止される。第1ストッパ部ST1についても同様であり、第1ストッパ部ST1での接触と第2ストッパ部ST2での接触は、ほぼ同じタイミングで発生する。
次に、図13を参照し、光軸方向における第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間の間隔について説明する。図13は、図12(A)における一点鎖線L1を含む、XY平面に垂直な平面におけるレンズ保持部材2、第1磁性部材10、ベース部材18、及び第2磁性部材MGの断面を示す。具体的には、図13(A)は、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が開始される前の第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間の位置関係の一例を示し、図13(B)は、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が開始された後の第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間の位置関係の一例を示す。
図13(A)に示すように、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が開始される前では、形状記憶合金ワイヤSAは、レンズ保持部材2を持ち上げるほどには収縮していない。また、レンズ保持部材2の収容部HRに収容されている第1磁性部材10は、ベース部材18に埋設された第2磁性部材MGに引き寄せられている。そのため、レンズ保持部材2の
第1突設部2S1の底面BFとベース部材18の基部18Bの上面TFとは互いに引き合うように接触している。具体的には、レンズ保持部材2は、四箇所(四つの角部のそれぞれの底面)でベース部材18と接触している。すなわち、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力よりも大きな力(レンズ保持部材2をベース部材18から引き離す方向に作用する力)がレンズ保持部材2に作用しない限り、レンズ保持部材2とベース部材18との間の接触は維持され、且つ、レンズ保持部材2の静止状態も維持される。
なお、第1磁性部材10は、その底面が収容部HRの底部BWに接触した状態で収容部HR内に収容されるため、光軸方向(Z軸方向)における位置が底部BWにより位置決めされている。
また、第2磁性部材MGは、インサート成形の際に一対の位置決めピンによって金型内で挟持された状態で合成樹脂内に埋め込まれるため、光軸方向(Z軸方向)における位置が位置決めピンによって位置決めされている。なお、図13に示す上側円形孔HL1及び下側円形孔HL2は、一対の位置決めピンによって形成される孔である。但し、上側円形孔HL1及び下側円形孔HL2は省略されてもよい。図13に示す例では、第2磁性部材MGは、導電部材CMの一部であり、導電部材CMは、別の位置にある別の位置決めピンによって金型内に挟持され得るためである。
この構成により、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が開始される前では、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとは、所定の距離だけ離れた状態で互いに引き合っている。すなわち、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとは、磁気的な吸引力が過度に大きくならないように互いに間隔を空けて配置されている。具体的には、図13(A)に示すように、第1磁石10Aと第1金属板MG1とは、距離H1だけ離れた状態で互いに引き合っている。すなわち、第1磁石10Aと第1金属板MG1とは、磁気的な吸引力が過度に大きくならないように互いに間隔を空けて配置されている。
形状記憶合金ワイヤSAへの通電が開始されると、形状記憶合金ワイヤSAは、抵抗加熱によって加熱され、その加熱によるワイヤ温度の上昇に応じて収縮する。そして、形状記憶合金ワイヤSAが収縮すると、レンズ保持部材2は、収縮した形状記憶合金ワイヤSAによって持ち上げられ、図13(B)に示すように、ベース部材18から離れてZ1方向(上方)に移動する。図13(B)は、レンズ保持部材2の第1突設部2S1の底面BFとベース部材18の基部18Bの上面TFとの間の距離が距離H2になるまでレンズ保持部材2がZ1方向に移動したときの状態を示している。
上述の構成により、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が開始される前では、レンズ保持部材2のZ軸方向における位置(高さ)は、ベース部材18の基部18Bの上面TFによって位置決めされる。また、レンズ保持部材2のZ軸回りの回転位置(角度位置)は、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力によって位置決めされる。第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力は、第1磁石10Aと第1金属板MG1との間に生成される磁気的な吸引力、及び、第2磁石10Bと第2金属板MG2との間に生成される磁気的な吸引力を含む。そして、レンズ保持部材2のZ軸回りの回転ずれは、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力によって解消される。レンズ保持部材2のX軸方向における位置ずれ、及び、レンズ保持部材2のY軸方向における位置ずれも同様に、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力によって解消される。そのため、形状記憶合金ワイヤSAへの通電が開始される前では、レンズ保持部材2は、ベース部材18に対する相対的な姿勢が所定の姿勢となるよう吸引力によって動かされ、所定の姿勢となった後は、吸引力よりも大きな外力が作用しない限りその相対的な姿勢が継続されるよう吸引力によって保持される。
次に、図14を参照し、粘着性の異物捕捉部材ADが配置される収容凹部SRについて説明する。異物捕捉部材ADは、ストッパ部STで発生する粉塵等の異物を捕捉するための部材である。図14は、ベース部材18の上面図である。具体的には、図14(A)は、異物捕捉部材ADが配置される前のベース部材18の上面図である。図14(A)では、明瞭化のため、ベース部材18の基部18Bに粗いドットパターンが付され、基部18Bから上方(Z1方向)に突出する固定側台座部18D及びストッパ用凸部18Sに細かいドットパターンが付され、収容凹部SRに細かいクロスパターンが付されている。図14(B)は、異物捕捉部材ADが配置された後のベース部材18の上面図である。図14(B)では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、異物捕捉部材ADに細かいドットパターンが付されている。
収容凹部SRは、異物捕捉部材ADが収容される凹部であり、基部18Bの上面に形成されている。図14(A)に示す例では、収容凹部SRは、異物捕捉部材ADを受け入れることができるように上方(Z1方向)に開口している。また、収容凹部SRは、図14(A)に示すように、第1収容凹部SR1及び第2収容凹部SR2を含む。第1収容凹部SR1は、ベース部材18の右前隅部に形成される第1右側収容凹部SR1Rと、ベース部材18の左後隅部に形成される第1左側収容凹部SR1Lとを含む。第2収容凹部SR2は、ベース部材18の右後隅部に形成される第2右側収容凹部SR2Rと、ベース部材18の左前隅部に形成される第2左側収容凹部SR2Lとを含む。
第1右側収容凹部SR1Rは、開口18Kと第1固定側台座部18D1との間に形成されている。具体的には、第1右側収容凹部SR1Rは、光軸JDを中心とする円の円周に沿った幅W1が中心角α1に対応する弧の長さに一致するように構成されている。
同様に、第1左側収容凹部SR1Lは、開口18Kと第2固定側台座部18D2との間に形成されている。具体的には、第1左側収容凹部SR1Lは、光軸JDを中心とする円の円周に沿った幅W2が中心角α2に対応する弧の長さに一致するように構成されている。
第2右側収容凹部SR2Rは、開口18Kと第1ストッパ用凸部18S1との間に形成されている。図14(A)に示す例では、第2右側収容凹部SR2Rは、二つの部分(第1凹部PT1及び第2凹部PT2)に分かれている。そして、第2右側収容凹部SR2Rは、光軸JDを中心とする円の円周に沿った幅W3が中心角α3に対応する弧の長さに一致するように構成されている。なお、幅W3は、第2右側収容凹部SR2Rを構成する二つの部分が存在する範囲の最大幅である。
同様に、第2左側収容凹部SR2Lは、開口18Kと第2ストッパ用凸部18S2との間に形成されている。図14(A)に示す例では、第2左側収容凹部SR2Lは、二つの部分(第1凹部PT1及び第2凹部PT2)に分かれている。そして、第2左側収容凹部SR2Lは、光軸JDを中心とする円の円周に沿った幅W4が中心角α4に対応する弧の長さに一致するように構成されている。なお、幅W4は、第2左側収容凹部SR2Lを構成する二つの部分が存在する範囲の最大幅である。
なお、図14(A)に示す例では、第1右側収容凹部SR1Rと第1左側収容凹部SR1Lとは、光軸JDに関して2回回転対称となるように構成されている。すなわち、第1収容凹部SR1は、中心角α1(幅W1)と中心角α2(幅W2)とが同じになるように構成されている。但し、第1収容凹部SR1は、中心角α1(幅W1)と中心角α2(幅W2)とが互いに異なるように構成されていてもよい。また、第2右側収容凹部SR2Rと第2左側収容凹部SR2Lとは、光軸JDに関して2回回転対称となるように構成されている。すなわち、第2収容凹部SR2は、中心角α3(幅W3)と中心角α4(幅W4)とが同じになるように構成されている。但し、第2収容凹部SR2は、中心角α3(幅W3)と中心角α4(幅W4)とが互いに異なるように構成されていてもよい。
また、図14(A)に示す例では、収容凹部SRは、中心角α1(幅W1)と中心角α3(幅W3)とが異なるように構成されている。但し、収容凹部SRは、中心角α1(幅W1)と中心角α3(幅W3)とが同じになるように構成されていてもよい。すなわち、収容凹部SRは、中心角α1(幅W1)、中心角α2(幅W2)、中心角α3(幅W3)、及び中心角α4(幅W4)のそれぞれが同じになるように構成されていてもよい。
異物捕捉部材ADは、ストッパ部STで発生する粉塵等の異物を捕捉する粘着性の部材であり、図14(B)に示すように、第1異物捕捉部材AD1~第4異物捕捉部材AD4を含む。図14(B)に示す例では、異物捕捉部材ADは接着剤である。但し、異物捕捉部材ADは、ストッパ部STで発生した粉塵等の異物を捕捉し且つ保持できるのであれば、接着剤以外の他の材料で形成されていてもよい。
具体的には、第1異物捕捉部材AD1は第1右側収容凹部SR1Rに収容され、第2異物捕捉部材AD2は第1左側収容凹部SR1Lに収容され、第3異物捕捉部材AD3は第2右側収容凹部SR2Rに収容され、第4異物捕捉部材AD4は第2左側収容凹部SR2Lに収容されている。
なお、図14に示す例では、異物捕捉部材ADは、収容凹部SR内に収容されているが、ベース部材18の基部18Bの上面に直接配置されていてもよい。この場合、収容凹部SRは省略されてもよい。
次に、図15を参照し、異物捕捉部材ADが収容される第1収容凹部SR1の詳細について説明する。図15は、ベース部材18の左後隅部の拡大図である。具体的には、図15(A)は、図14(A)に示す破線で囲まれた範囲R4をZ1側からみたときの拡大上面図であり、図15(B)は、範囲R4をX1側からみたときの拡大側面図である。なお、図15(B)は、第1収容凹部SR1に第2異物捕捉部材AD2が収容された状態を示している。図15(A)では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、第2ストッパ用凹部SB2に粗いクロスパターンが付され、第1収容凹部SR1に細かいクロスパターンが付されている。また、図15(B)では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、第2ストッパ用凹部SB2に粗いクロスパターンが付され、第2異物捕捉部材AD2に細かいドットパターンが付されている。
なお、図15を参照する以下の説明は、第1収容凹部SR1の一つである第1左側収容凹部SR1Lに関するが、第1収容凹部SR1の別の一つである第1右側収容凹部SR1Rにも同様に適用される。
図15に示すように、第1左側収容凹部SR1Lは、開口18Kと第2固定側台座部18D2との間に形成されている。具体的には、第1左側収容凹部SR1Lは、第2固定側台座部18D2に形成された第2ストッパ用凹部SB2と開口18Kとの間に形成されている。そして、第1左側収容凹部SR1Lは、その幅W2が第2ストッパ用凹部SB2の幅W2nよりも大きくなるように形成されている。第2ストッパ部ST2を構成するベース部材18の第2固定側台座部18D2とレンズ保持部材2の第2突設部2S2との接触によってもたらされる粉塵等の異物が開口18Kに至るのを防止できるようにするためである。なお、図15(A)の一点鎖線は、初期状態において第2ストッパ用凹部SB2内に収容されている第2突設部2S2の輪郭を示している。
粉塵等の異物は、典型的には、第2突設部2S2の外周面CF(図12(B)参照。)又は第2ストッパ用凹部SB2の内周面SF(図15(B)参照。)が削られることで発生した後、外周面CFと内周面SFとの間の隙間を通ってベース部材18の基部18Bの上面TF(図15(B)参照。)に至る。なお、基部18Bの上面TFは、第2ストッパ用凹部SB2の内底面を構成している。そして、粉塵等の異物は、第2突設部2S2の底面BF(図13参照。)と上面TFとの間の隙間を通って開口18Kに向かって移動し得る。
第2異物捕捉部材AD2は、第2ストッパ用凹部SB2の内底面を構成する部分における上面TFと開口18Kとの間に形成された第1左側収容凹部SR1L内に収容されているため、異物が底面BFと上面TFとの間の隙間を通って開口18Kに向かって移動する際にその異物を捕捉できる。そのため、第2異物捕捉部材AD2は、異物が開口18Kを通過して撮像素子(厳密には、撮像素子の被写体側に配置されるフィルタ等を含む部材)に付着してしまうのを防止できる。
また、第1左側収容凹部SR1Lは、三つの部分(第1部分SG1、第2部分SG2、及び第3部分SG3)を有するように形成されている。第1部分SG1は、第2部分SG2及び第3部分SG3よりも径方向の幅が大きくなるように形成された幅広部分である。第1部分SG1は、流動性が高い状態で塗布される第2異物捕捉部材AD2としての接着剤を容易に受け入れることができるように構成されている。なお、第2異物捕捉部材AD2としての接着剤は、第1左側収容凹部SR1L内に収容された状態で加熱されてゲル状に固まる。
第2部分SG2及び第3部分SG3は、第1部分SG1よりも径方向の幅が狭くなるように形成された幅狭部分である。第2部分SG2及び第3部分SG3は、第1部分SG1に受け入れられた第2異物捕捉部材AD2としての接着剤が毛細管現象によって第1部分SG1から離れる方向に拡がることができるように形成されている。なお、図15に示す例では、第2部分SG2と第3部分SG3とは径方向の幅がほぼ等しくなるように形成されている。但し、第2部分SG2と第3部分SG3とは径方向の幅が互いに異なるように形成されていてもよい。
次に、図16を参照し、第1収容凹部SR1の別の構成例について説明する。図16は、ベース部材18の左後隅部の拡大上面図であり、図15(A)に対応している。図16では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、第2ストッパ用凹部SB2に粗いクロスパターンが付され、第1収容凹部SR1に細かいクロスパターンが付されている。
図16に示す第1左側収容凹部SR1Lは、第4部分SG4を有する点で、図15(A)に示す第1左側収容凹部SR1Lと異なるが、その他の点で共通している。そのため、以下では、共通部分の説明が省略され、相違部分が詳説される。
第4部分SG4は、第2ストッパ用凹部SB2の内周面SFの下端に沿って基部18Bの上面TFに形成される部分であり、一端が第2部分SG2に繋がり、他端が第3部分SG3に繋がるように配置されている。
この配置は、外周面CFと内周面SFとの間の隙間を通って落ちる異物が第2ストッパ用凹部SB2内で第4部分SG4に収容された第2異物捕捉部材AD2によって捕捉されるのを可能にする。すなわち、この配置は、異物が開口18Kを通って撮像素子に付着するのを防止できるばかりでなく、異物が第2ストッパ用凹部SB2から出ることをも防止できる。
なお、第4部分SG4は、第2ストッパ部ST2が機能する場合であっても、すなわち、レンズ保持部材2がZ2方向に移動して第2突設部2S2の底面BFと基部18Bの上面TFとが接触する場合であっても、第4部分SG4内に収容された第2異物捕捉部材AD2と底面BFとが接触しないように形成されている。第2異物捕捉部材AD2が底面BFに付着してしまうのを防止するためである。なお、図16の一点鎖線は、初期状態において第2ストッパ用凹部SB2内に収容されている第2突設部2S2の輪郭を示している。すなわち、図16は、第2突設部2S2よりも第2ストッパ用凹部SB2の内周面SFに近い位置に第4部分SG4が形成されていることを示している。
次に、図17を参照し、第2右側収容凹部SR2Rに収容される第3異物捕捉部材AD3について説明する。図17は、ベース部材18の右後隅部の拡大図である。具体的には、図17(A)は、図14(A)に示す破線で囲まれた範囲R5をZ1側からみたときの拡大上面図であり、図17(B)は、範囲R5をX1側からみたときの拡大側面図である。なお、図17(B)は、第2収容凹部SR2に第3異物捕捉部材AD3が収容された状態を示している。図17(A)では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、第1ストッパ用凸部18S1に粗いクロスパターンが付され、第2収容凹部SR2に細かいクロスパターンが付されている。また、図17(B)では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、第1ストッパ用凸部18S1に粗いクロスパターンが付され、第3異物捕捉部材AD3に細かいドットパターンが付されている。
なお、図17を参照する以下の説明は、第2収容凹部SR2の一つである第2右側収容凹部SR2Rに関するが、第2収容凹部SR2の別の一つである第2左側収容凹部SR2Lにも同様に適用される。
図17に示すように、第2右側収容凹部SR2Rは、開口18Kと第1ストッパ用凸部18S1との間に形成されている。具体的には、第2右側収容凹部SR2Rは、レンズ保持部材2の第1可動側台座部2D1に形成された第1ストッパ用凹部CV1内に受け入れられる第1ストッパ用凸部18S1と開口18Kとの間に形成されている。そして、第2右側収容凹部SR2Rは、その幅W3が第1ストッパ用凹部CV1の幅W3nよりも大きくなるように形成されている。なお、幅W3nは、光軸JDを中心とする円の円周方向における第1ストッパ用凹部CV1の開口の最大幅である。第3ストッパ部ST3を構成するベース部材18の第1ストッパ用凸部18S1とレンズ保持部材2の第1可動側台座部2D1との接触によってもたらされる粉塵等の異物が開口18Kに至るのを抑制できるようにするためである。なお、図17(A)の一点鎖線は、初期状態において第1ストッパ用凸部18S1を収容している第1ストッパ用凹部CV1の開口の輪郭を示している。
より具体的には、第2右側収容凹部SR2Rは、第1凹部PT1と第2凹部PT2とに分かれている。第1凹部PT1は、第1ストッパ用凸部18S1の左側(Y2側)に形成され、第2凹部PT2は、第1ストッパ用凸部18S1の前側(X1側)に形成されている。
また、第1凹部PT1は、二つの部分(第1部分SG11及び第2部分SG12)を有するように形成されている。第1部分SG11は、第2部分SG12よりも第1凹部PT1の延在方向(X軸方向)と直交する方向(Y軸方向)における幅が大きくなるように形成された幅広部分である。第1部分SG11は、流動性が高い状態で塗布される第3異物捕捉部材AD3としての接着剤を容易に受け入れることができるように構成されている。第2部分SG12は、第1部分SG11よりもY軸方向の幅が狭くなるように形成された幅狭部分である。第2部分SG12は、第1部分SG11に受け入れられた第3異物捕捉部材AD3としての接着剤が毛細管現象によって第1部分SG11から離れる方向に拡がることができるように形成されている。
同様に、第2凹部PT2は、二つの部分(第1部分SG21及び第2部分SG22)を有するように形成されている。第1部分SG21は、第2部分SG22よりも第2凹部PT2の延在方向(Y軸方向)と直交する方向(X軸方向)における幅が大きくなるように形成された幅広部分である。第1部分SG21は、流動性が高い状態で塗布される第3異物捕捉部材AD3としての接着剤を容易に受け入れることができるように構成されている。第2部分SG22は、第1部分SG21よりもX軸方向の幅が狭くなるように形成された幅狭部分である。第2部分SG22は、第1部分SG21に受け入れられた第3異物捕捉部材AD3としての接着剤が毛細管現象によって第1部分SG21から離れる方向に拡がることができるように形成されている。
粉塵等の異物は、典型的には、第1ストッパ用凸部18S1の外周面NF(図17(B)参照。)又は第1ストッパ用凹部CV1の内周面IF(図10参照。)が削られることで発生した後、外周面NFと内周面IFとの間の隙間を通ってベース部材18の基部18Bの上面UF(図17(B)参照。)に至る。そして、粉塵等の異物は、上面UFに沿って開口18Kに向かって移動し得る。
第3異物捕捉部材AD3は、第1ストッパ用凸部18S1の周囲に位置する上面UFと開口18Kとの間に形成された第2右側収容凹部SR2R内に収容されているため、異物が上面UFに沿って開口18Kに向かって移動する際にその異物を捕捉できる。そのため、第3異物捕捉部材AD3は、異物が開口18Kを通じて撮像素子に付着してしまうのを抑制できる。
次に、図18を参照し、第2収容凹部SR2の別の2つの構成例について説明する。図18は、ベース部材18の右後隅部の拡大上面図であり、図17(A)に対応している。具体的には、図18(A)は第2収容凹部SR2の別の構成例を示し、図18(B)は第2収容凹部SR2の更に別の構成例を示す。図18では、明瞭化のため、ベース部材18に粗いドットパターンが付され、第1ストッパ用凸部18S1に粗いクロスパターンが付され、第2収容凹部SR2に細かいクロスパターンが付されている。
図18(A)に示す第2右側収容凹部SR2Rは、第1凹部PT1と第2凹部PT2とが中間部分SG31によって接続されている点で、図17(A)に示す第2右側収容凹部SR2Rと異なるが、その他の点で共通している。そのため、以下では、共通部分の説明が省略され、相違部分が詳説される。
中間部分SG31は、開口18Kと第1ストッパ用凸部18S1との間において、第1ストッパ用凹部CV1の内周面IF(図10参照。)の下端に沿って基部18Bの上面に形成される部分であり、一端が第1凹部PT1の第2部分SG12に繋がり、他端が第2凹部PT2の第2部分SG22に繋がるように配置されている。
この配置は、開口18Kと第1ストッパ用凸部18S1との間において、第1ストッパ用凸部18S1の外周面NF(図17(B)参照。)と第1ストッパ用凹部CV1の内周面IFとの間の隙間を通って落ちる異物が中間部分SG31に収容された第3異物捕捉部材AD3によって捕捉されるのを可能にする。そのため、この配置は、異物が開口18Kを通って撮像素子に付着するのをより確実に抑制できる。
なお、図18(A)の一点鎖線は、初期状態において第1ストッパ用凸部18S1を収容している第1ストッパ用凹部CV1の開口の輪郭を示している。すなわち、図18(A)は、第1ストッパ用凹部CV1の内周面IFよりも第1ストッパ用凸部18S1の外周面NFに近い位置に中間部分SG31が形成されていることを示している。
図18(B)に示す第2右側収容凹部SR2Rは、第3凹部PT3を有する点で、図17(A)に示す第2右側収容凹部SR2Rと異なるが、その他の点で共通している。そのため、以下では、共通部分の説明が省略され、相違部分が詳説される。
第3凹部PT3は、第1ストッパ用凹部CV1の内周面IF(図10参照。)の下端に沿って基部18Bの上面UF(図17(B)参照。)に形成される部分であり、第1ストッパ用凸部18S1の外周面NFの外側(光軸JDから遠い側)の略半分に沿って延びるように配置されている。
具体的には、第3凹部PT3は、三つの部分(第1部分SG41、第2部分SG42、及び第3部分SG43)を有するように形成されている。第2部分SG42及び第3部分SG43は、第1部分SG41よりも幅が大きくなるように形成された幅広部分である。第2部分SG42及び第3部分SG43は、流動性が高い状態で塗布される第3異物捕捉部材AD3としての接着剤を容易に受け入れることができるように構成されている。なお、第2部分SG42及び第3部分SG43のうちの何れか一方は、幅狭部分として形成されていてもよい。第1部分SG41は、第2部分SG42及び第3部分SG43よりも幅が狭くなるように形成された幅狭部分である。第1部分SG41は、例えば、第2部分SG42に受け入れられた第3異物捕捉部材AD3としての接着剤が毛細管現象によって第2部分SG42から離れる方向に拡がることができるように形成されている。第3部分SG43に第3異物捕捉部材AD3が受け入れられた場合についても同様である。
この配置は、外周面NFの外側半分と内周面IFの外側半分との間の隙間を通って落ちる異物が第3凹部PT3に収容された第3異物捕捉部材AD3によって捕捉されるのを可能にする。そのため、この配置は、異物が開口18Kを通って撮像素子に付着するのをより確実に抑制できる。
なお、第3凹部PT3は、第3ストッパ部ST3が機能する場合であっても、すなわち、レンズ保持部材2がZ2方向に移動して第1ストッパ用凸部18S1の上面と第1ストッパ用凹部CV1の天井面とが接触する場合であっても、第3凹部PT3内に収容された第3異物捕捉部材AD3と第1可動側台座部2D1の下端とが接触しないように形成されている。第3異物捕捉部材AD3が第1可動側台座部2D1の下端に付着してしまうのを防止するためである。
なお、図18(B)の一点鎖線は、初期状態において第1ストッパ用凸部18S1を収容している第1ストッパ用凹部CV1の開口の輪郭を示している。すなわち、図18(B)は、第1ストッパ用凹部CV1の内周面IFよりも第1ストッパ用凸部18S1の外周面NFに近い位置に第3凹部PT3が形成されていることを示している。
上述のように、レンズ駆動装置101は、ベース部材18及びカバー部材4を含む固定側部材RGと、ベース部材18とカバー部材4(上側カバー部材4U)とで形成される収容空間に配置されるとともに、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2を含む可動側部材MBと固定側部材RGとの間に配置された複数の形状記憶合金ワイヤSAと、を備えている。
レンズ保持部材2は、ベース部材18の被写体側である上側に配置され、形状記憶合金ワイヤSAへの通電によって移動可能となるように構成されている。レンズ保持部材2は、例えば、光軸方向及び光軸方向と交差する方向へ移動可能となるように構成されていてもよい。或いは、レンズ保持部材2は、ベース部材18に対して光軸方向へのみ移動可能となるように構成されていてもよい。
レンズ保持部材2には、複数の異なる位置に複数の第1磁性部材10が配置されるとともに、ベース部材18には、複数の第1磁性部材10に対応する複数の第2磁性部材MGが設けられている。そして、レンズ保持部材2及びベース部材18は、複数の第1磁性部材10のそれぞれが、対応する第2磁性部材MGに引き寄せられ、形状記憶合金ワイヤSAへの非通電時にレンズ保持部材2の動きがベース部材18によって規制されるように構成されている。すなわち、レンズ保持部材2は、レンズ保持部材2に取り付けられている第1磁性部材10とベース部材18に取り付けられている第2磁性部材MGとの間に生成される吸引力により、ベース部材18に対する相対的な姿勢が所定の姿勢で維持されるように構成されている。
例えば、レンズ保持部材2には、図9に示すように、二つの異なる位置に複数の第1磁性部材10としての第1磁石10A及び第2磁石10Bが配置されるとともに、ベース部材18には、図11に示すように、複数の第1磁性部材10に対応する複数の第2磁性部材MGとして、第1磁石10Aに対応する第1金属板MG1と第2磁石10Bに対応する第2金属板MG2とが埋め込まれている。この構成では、レンズ保持部材2は、第1磁石10Aが第1金属板MG1に磁気的に引き寄せられ、且つ、第2磁石10Bが第2金属板MG2に磁気的に引き寄せられるため、形状記憶合金ワイヤSAへの非通電時には、その動きが規制される。すなわち、レンズ保持部材2は、レンズ保持部材2に取り付けられている第1磁石10Aとベース部材18に埋め込まれている第1金属板MG1との間に生成される吸引力、及び、レンズ保持部材2に取り付けられている第2磁石10Bとベース部材18に埋め込まれている第2金属板MG2との間に生成される吸引力により、ベース部材18に対する相対的な姿勢が所定の姿勢(例えば図12(A)に示す姿勢)となるように構成されている。
なお、図9に示す例では、二つの第1磁性部材10がレンズ保持部材2に取り付けられているが、三つ以上の第1磁性部材10がレンズ保持部材2に取り付けられていてもよい。この場合、第1磁性部材10の数と同じ数の第2磁性部材MGがベース部材18に埋め込まれる。
上述の構成により、レンズ駆動装置101は、形状記憶合金ワイヤSAが通電していない初期状態でのレンズ保持部材2の不所望な動きを防止できる。そのため、レンズ駆動装置101は、例えば、初期状態においてレンズ体の中心がカメラモジュールの中心からずれてしまっているといった好ましくない状況が発生してしまうのを防止できる。
また、レンズ駆動装置101は、初期状態において、レンズ保持部材2とベース部材18との間の接触・非接触の繰り返しによる音の発生を抑制できる。レンズ保持部材2とベース部材18との間の接触状態が第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間の吸引力によって維持されるためである。なお、レンズ保持部材2とベース部材18との間の接触・非接触の繰り返しは、吸引力が作用しない場合には、レンズ駆動装置101の近傍に設けられたバイブレータの振動、レンズ駆動装置101の近傍に設けられたスピーカの振動、又は、レンズ駆動装置101が組み込まれた携帯機器を使用者が手で振ったときのレンズ駆動装置101の振動等によって引き起こされる。
また、上述の構成では、少なくとも二箇所(二つの第1磁性部材10と二つの第2磁性部材MG)でレンズ保持部材2の動きが規制されるため、一箇所のみでレンズ保持部材2の動きが規制される構成に比べ、レンズ保持部材2の動きをより確実に規制できる。一箇所のみでレンズ保持部材2の動きが規制される構成では、第1磁性部材を中心としてレンズ保持部材2が回転してしまうおそれがあるためである。なお、望ましくは、二つの第1磁性部材10は、光軸JDを挟んで互いに反対側となるように配置される。
第2磁性部材MGは、ベース部材18を形成する合成樹脂によって上面が覆われていてもよい。この場合において、第2磁性部材MGの上面は、一部が合成樹脂によって覆われていればよい。そして、ベース部材18とレンズ保持部材2とは、形状記憶合金ワイヤSAへの非通電時において、互いに接触するように構成されていてもよい。具体的には、第2磁性部材MGとしての第1金属板MG1は、図13(A)に示すように、ベース部材18に埋め込まれていてもよい。そして、ベース部材18とレンズ保持部材2とは、形状記憶合金ワイヤSAへの非通電時において互いに接触し、第1磁石10Aと第1金属板MG1との間の間隔が距離H1となるように構成されていてもよい。
この構成は、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとが最も接近したときの距離(以下、「最小接近距離」とする。)を所定の距離H1(図13(A)参照。)以上に維持できるため、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力が過度に強くなってしまうのを防止できる。そのため、この構成は、形状記憶合金ワイヤSAへの通電の際のレンズ保持部材2の動き(吸引力に逆らう動き)が過度に遅くなってしまうのを防止できる。すなわち、この構成は、第2磁性部材MGがベース部材18の表面に露出し、第2磁性部材MGとレンズ保持部材2とが接触している構成(最小接近距離がより小さい構成)に比べ、形状記憶合金ワイヤSAへの通電を開始したときのレンズ保持部材2の動きを迅速化できる。
第1磁性部材10は、望ましくは、磁石である。図9に示す例では、第1磁性部材10は、光軸方向に沿って分極された二極永久磁石としての第1磁石10A及び第2磁石10Bを含む。この場合、第2磁性部材MGとしては、望ましくは図11に示す例のように、磁石ではなく、金属板(第1金属板MG1及び第2金属板MG2)が採用される。
但し、第2磁性部材MGとして磁石が採用され、第1磁性部材10として金属板が採用されてもよい。或いは、第1磁性部材10として磁石が採用され、且つ、第2磁性部材MGとして磁石が採用されてもよい。
図11(B)に示すように、第1磁性部材10及び第2磁性部材MGは、望ましくは、第2磁性部材MGに対向する第1磁性部材10の上側対向面CSUの面積が、第1磁性部材10に対向する第2磁性部材MGの下側対向面CSLの面積と同等になるように構成されている。形状記憶合金ワイヤSAへの非通電時におけるベース部材18に対するレンズ保持部材2の相対的な姿勢がばらついてしまうのを抑えるためである。
ベース部材18には、図5に示すように、形状記憶合金ワイヤSAに導通する導電部材CMが埋設されていてもよい。そして、第2磁性部材MGは、図11に示すように、導電部材CMと同じ金属で形成されていてもよい。図11に示す例では、第2磁性部材MGとしての第1金属板MG1は、第2導電部材CM2の一部であり、第2磁性部材MGとしての第2金属板MG2は、第8導電部材CM8の一部である。この構成は、レンズ駆動装置101の生産性を高めることができる。導電部材CMと第2磁性部材MGとが一体的に形成されるためである。
上側カバー部材4Uは、望ましくは図9に示すように、第1外周壁部4Aと天板部4Bを有し、光軸方向から見た平面視において矩形状をしている。そして、第1磁性部材10は、対角配置される上側カバー部材4Uの二つの角部4Eのそれぞれに対応するレンズ保持部材2の二箇所に設けられている。具体的には、図9に示す例では、第1磁性部材10の一例である第1磁石10Aは、上側カバー部材4Uの第2角部4E2に対応する位置にあるレンズ保持部材2の第1突設部2S1に取り付けられ、第1磁性部材10の別の一例である第2磁石10Bは、光軸JDを挟んで第2角部4E2の反対側に配置されている第4角部4E4に対応する位置にあるレンズ保持部材2の第2突設部2S2に取り付けられている。
この構成は、上側カバー部材4Uの角部4Eの内側近傍にあるデッドスペースとなりやすい空間に第1磁性部材10を配置できるため、レンズ駆動装置101の大型化を抑制できる。
レンズ保持部材2は、図9に示すように、光軸方向に延びるとともにレンズ体が内部に収容される筒状部12と、上側カバー部材4Uの角部4Eに対応する位置に、筒状部12から角部4Eの側へ突出する突設部2Sとを有していてもよい。この場合、突設部2Sには、底部BW(図13(A)参照。)を有する収容部HRが設けられており、収容部HRには第1磁性部材10が収容される。
具体的には、図9に示す例では、レンズ保持部材2は、上側カバー部材4Uの第2角部4E2に対応する位置に、筒状部12から第2角部4E2の側へ突出する第1突設部2S1と、上側カバー部材4Uの第4角部4E4に対応する位置に、筒状部12から第4角部4E4の側へ突出する第2突設部2S2と、を有する。そして、第1突設部2S1には、底部BW(図13(A)参照。)を有する第1収容部HR1が設けられており、第1収容部HR1には第1磁石10Aが収容されている。また、第2突設部2S2には、底部を有する第2収容部HR2が設けられており、第2収容部HR2には第2磁石10Bが収容されている。
この構成は、第1磁性部材10が所定の位置に配置されるのを可能にし、第1磁性部材10の位置ずれが発生するのを防止できる。
ベース部材18は、図12(B)に示すように、突設部2Sの外周面CFを覆うように対向する内周面SFを有する壁部としての固定側台座部18Dを有していてもよい。この場合、突設部2Sと固定側台座部18Dとは、少なくとも光軸JDの回りで回転しようとするレンズ保持部材2の動きを規制するストッパ部STを構成してもよい。
具体的には、図12(B)に示す例では、ベース部材18は、第2突設部2S2の外周面CFを覆うように対向する内周面SFを有する第2固定側台座部18D2を有する。そして、第2突設部2S2と第2固定側台座部18D2とは、少なくとも光軸JDの回りで回転しようとするレンズ保持部材2の過度の動きを規制する第2ストッパ部ST2を構成している。第1突設部2S1と第1固定側台座部18D1によって構成される第1ストッパ部ST1(図12(A)参照。)についても同様である。
なお、図12(A)に示す例では、第1突設部2S1と第1固定側台座部18D1とによって構成される第1ストッパ部ST1、及び、第2突設部2S2と第2固定側台座部18D2とによって構成される第2ストッパ部ST2は、光軸JDの回りで回転しようとするレンズ保持部材2の過度の動き(Z軸回りの過度の回転)ばかりでなく、X軸方向に沿った過度の並進、Y軸方向に沿った過度の並進、Z2方向への過度の並進、X軸回りの過度の回転、及び、Y軸回りの過度の回転をも規制できるように構成されている。
この構成では、収容部HRが形成される突設部2Sを利用してストッパ部STが形成されるため、ベース部材18とカバー部材4(上側カバー部材4U)とで形成される収容空間のスペース効率を高めることができる。
ベース部材18は、上側カバー部材4Uの四つの角部4Eのうちの二つのそれぞれの近傍に位置する壁部(固定側台座部18D)を有していてもよい。この場合、壁部(固定側台座部18D)には、非磁性金属で形成された第1導体板(固定側金属部材5F)が固定されてもよい。また、レンズ保持部材2は、上側カバー部材4Uにおけるそれら二つの角部とは異なる別の二つの角部のそれぞれの近傍に位置する固定部(可動側台座部2D)を有していてもよい。この場合、固定部(可動側台座部2D)には、非磁性金属で形成された第2導体板(可動側金属部材5M)が固定されてもよい。そして、形状記憶合金ワイヤSAは、第1導体板(固定側金属部材5F)と第2導体板(可動側金属部材5M)との間に設けられていてもよい。
具体的には、ベース部材18は、図9に示すように、第2角部4E2の近傍に位置する第1固定側台座部18D1と、第4角部4E4の近傍に位置する第2固定側台座部18D2と、を有していてもよい。この場合、第1固定側台座部18D1には、図3(B)に示すように、第1導体板としての第1固定側ターミナルプレート5F1、第2固定側ターミナルプレート5F2、第5固定側ターミナルプレート5F5、及び第6固定側ターミナルプレート5F6が固定される。また、第2固定側台座部18D2には、図3(B)に示すように、第1導体板としての第3固定側ターミナルプレート5F3、第4固定側ターミナルプレート5F4、第7固定側ターミナルプレート5F7、及び第8固定側ターミナルプレート5F8が固定される。また、レンズ保持部材2は、図9に示すように、第1角部4E1の近傍に位置する第2可動側台座部2D2と、第3角部4E3の近傍に位置する第1可動側台座部2D1と、を有していてもよい。この場合、第1可動側台座部2D1には、図3(A)に示すように、第2導体板としての第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2可動側ターミナルプレート5M2が固定される。また、第2可動側台座部2D2には、図3(A)に示すように、第2導体板としての第3可動側ターミナルプレート5M3及び第4可動側ターミナルプレート5M4が固定される。そして、形状記憶合金ワイヤSAは、固定側金属部材5Fと可動側金属部材5Mとの間に設けられる。具体的には、図6(A)に示すように、第1ワイヤSA1は、第1固定側ターミナルプレート5F1と第1可動側ターミナルプレート5M1との間に設けられ、第2ワイヤSA2は、第2固定側ターミナルプレート5F2と第1可動側ターミナルプレート5M1との間に設けられる。また、第3ワイヤSA3は、第3固定側ターミナルプレート5F3と第2可動側ターミナルプレート5M2との間に設けられ、第4ワイヤSA4は、第4固定側ターミナルプレート5F4と第2可動側ターミナルプレート5M2との間に設けられる。同様に、第5ワイヤSA5は、第5固定側ターミナルプレート5F5と第3可動側ターミナルプレート5M3との間に設けられ、第6ワイヤSA6は、第6固定側ターミナルプレート5F6と第3可動側ターミナルプレート5M3との間に設けられる。また、第7ワイヤSA7は、第7固定側ターミナルプレート5F7と第4可動側ターミナルプレート5M4との間に設けられ、第8ワイヤSA8は、第8固定側ターミナルプレート5F8と第4可動側ターミナルプレート5M4との間に設けられる。
この構成では、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mは、何れも非磁性金属で形成されているため、第1磁性部材10と第2磁性部材MGとの間に生成される磁気的な吸引力に悪影響を及ぼすことはない。
また、上述のように、レンズ駆動装置101は、ベース部材18及びカバー部材4を含む固定側部材RGと、ベース部材18とカバー部材4(上側カバー部材4U)とで形成される収容空間に配置されるとともに、レンズ体を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ保持部材2を含む可動側部材MBをベース部材18に対して移動させる駆動機構MKと、少なくともレンズ保持部材2の光軸回りの回転を規制するストッパ部STと、を備えている。ベース部材18は、開口18Kが形成された基部18Bと、基部18Bから上方へ突出する規制壁部(固定側台座部18D)とを有する。固定側台座部18Dには、例えば図14(A)に示すように、上側及び光軸側を開放させた固定側ストッパ用凹部(ストッパ用凹部SB)が形成されている。レンズ保持部材2は、例えば図2に示すように、レンズ体が装着される筒状部12と、筒状部12から外方へ突出するとともにストッパ用凹部SBに入り込む可動側ストッパ用凸部(突設部2S)とを有する。そして、例えば図14(B)に示すように、ベース部材18の基部18Bの上面における、開口18Kと規制壁部(固定側台座部18D)との間の部分には、粘着性の異物捕捉部材ADが配置されている。すなわち、粘着性の異物捕捉部材ADは、ストッパ用凹部SBの内側(光軸JDに近い側)の開口OP(図15(B)参照。)に対応して、ベース部材18の基部18Bの上面に設けられている。
この構成により、レンズ駆動装置101は、構成部材間の接触に起因する異物による不具合の発生を抑制できる。構成部材間の接触は、例えば、ストッパ部STを構成する規制壁部(固定側台座部18D)と可動側ストッパ用凸部(突設部2S)との接触である。そして、異物による不具合の発生を抑制できるのは、ストッパ部STで発生する粉塵等の異物が異物捕捉部材ADで捕捉され、異物が開口18Kを通過して撮像素子に達するのを防止できるためである。
ベース部材18の基部18Bの上面には、開口18Kと規制壁部(固定側台座部18D)との間の部分に第1収容凹部SR1が形成されていてもよい。この場合、異物捕捉部材ADは、第1収容凹部SR1に収容されていてもよい。例えば、図15(A)に示す例では、ベース部材18の基部18Bの上面には、開口18Kと第2固定側台座部18D2との間の部分に第1左側収容凹部SR1Lが形成されている。そして、第1左側収容凹部SR1Lには、図15(B)に示すように、第2異物捕捉部材AD2が収容されている。
この構成は、異物捕捉部材ADが基部18Bの上面に取り付けられるときに異物捕捉部材ADが流動性を有する場合であっても、その流動性を有する異物捕捉部材ADが無制限に拡がってしまうのを防止できる。そのため、この構成では、基部18Bの上面への異物捕捉部材ADの塗布が容易に実現され得る。
第1収容凹部SR1は、固定側ストッパ用凹部(ストッパ用凹部SB)の全幅にわたって設けられていてもよい。例えば、図15(A)に示す例では、第1左側収容凹部SR1Lは、第2ストッパ用凹部SB2の幅W2nよりも広い幅W2を有する。
この構成は、異物捕捉部材ADによる異物の捕捉をより確実なものとすることができる。異物捕捉部材ADを通過しない限り、異物は、開口18Kに達することができないためである。
駆動機構MKは、可動側部材MBと固定側部材RGとの間に配置された複数の形状記憶合金ワイヤSAを有していてもよい。この場合、規制壁部(固定側台座部18D)の外側面には、形状記憶合金ワイヤSAの一端と接続される固定側金属部材5Fが固定されていてもよい。例えば、図2に示す例では、駆動機構MKは、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2と固定側部材RGとしてのベース部材18との間に配置される8つの形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)を有する。この場合、規制壁部としての第1固定側台座部18D1のY1側の側壁の外側面(右側取付面)には、図3(B)に示すように、第1ワイヤSA1の一端と接続される第1固定側ターミナルプレート5F1と、第2ワイヤSA2の一端と接続される第2固定側ターミナルプレート5F2とが固定されている。
この構成では、規制壁部(固定側台座部18D)の内周面SFと外側面とが有効に利用される。そのため、この構成は、ベース部材18とカバー部材4(上側カバー部材4U)とで形成される収容空間のスペース効率を高めることができる。その結果、この構成は、レンズ駆動装置101の更なる小型化を実現できる。
カバー部材4を構成する上側カバー部材4Uは、例えば図1(A)に示すように、第1外周壁部4Aと天板部4Bを有し、平面視において矩形状となるように構成されている。また、規制壁部(固定側台座部18D)は、例えば図14(B)に示すように、光軸JDを挟んで互いに対向するように配置される第1規制壁部(第1固定側台座部18D1)と第2規制壁部(第2固定側台座部18D2)とを含む。そして、第1規制壁部(第1固定側台座部18D1)と第2規制壁部(第2固定側台座部18D2)とは、上側カバー部材4Uの四つの角部のうちの二つのそれぞれに対応するように配置される。そして、異物捕捉部材ADは、例えば図14(B)に示すように、開口18Kと第1規制壁部(第1固定側台座部18D1)との間の部分に設けられる第1異物捕捉部材AD1と、開口18Kと第2規制壁部(第2固定側台座部18D2)との間の部分に設けられる第2異物捕捉部材AD2とを含む。また、可動側ストッパ用凸部(突設部2S)は、図12(A)に示すように、第1規制壁部(第1固定側台座部18D1)に形成された第1固定側ストッパ用凹部(第1ストッパ用凹部SB1)に対応する第1可動側ストッパ用凸部(第1突設部2S1)と、第2規制壁部(第2固定側台座部18D2)に形成された第2固定側ストッパ用凹部(第2ストッパ用凹部SB2)に対応する第2可動側ストッパ用凸部(第2突設部2S2)とを含む。
この構成は、レンズ保持部材2が光軸JD回りに回転するような動きを確実に規制できる。レンズ保持部材2が光軸JD回りに回転しようとすると、第1固定側ストッパ用凹部(第1ストッパ用凹部SB1)と第1可動側ストッパ用凸部(第1突設部2S1)とが接触し、且つ、第2固定側ストッパ用凹部(第2ストッパ用凹部SB2)と第2可動側ストッパ用凸部(第2突設部2S2)とが接触するためである。
レンズ保持部材2は、例えば図10(A)に示すように、筒状部12から外方へ突出する張り出し部(可動側台座部2D)を有していてもよい。この場合、可動側台座部2Dには、下側を開放させた可動側ストッパ用凹部(ストッパ用凹部CV)が形成されていてもよい。また、可動側台座部2Dは、光軸JDを挟んで互いに対向するように配置される第1張り出し部としての第1可動側台座部2D1と第2張り出し部としての第2可動側台座部2D2とを含んでいてもよい。そして、第1可動側台座部2D1と第2可動側台座部2D2とは、上側カバー部材4Uの四つの角部のうちの残りの二つのそれぞれに対応するように配置されていてもよい。
また、ベース部材18には、例えば図14(A)に示すように、可動側ストッパ用凹部(ストッパ用凹部CV)に入り込む固定側ストッパ用凸部(ストッパ用凸部18S)が基部18Bから上方へ突出するように設けられていてもよい。具体的には、固定側ストッパ用凸部(ストッパ用凸部18S)は、図10(A)における第1張り出し部(第1可動側台座部2D1)に形成された第1可動側ストッパ用凹部(第1ストッパ用凹部CV1)に対応する第1固定側ストッパ用凸部(第1ストッパ用凸部18S1)と、図10(A)における第2張り出し部(第2可動側台座部2D2)に形成された第2可動側ストッパ用凹部(第2ストッパ用凹部CV2)に対応する第2固定側ストッパ用凸部(第2ストッパ用凸部18S2)とを含んでいてもよい。
そして、ストッパ部STは、図9に示すように、固定側ストッパ用凹部(ストッパ用凹部SB)と可動側ストッパ用凸部(突設部2S)とによって構成される第1のストッパ部(第1ストッパ部ST1及び第2ストッパ部ST2)と、可動側ストッパ用凹部(ストッパ用凹部CV)と固定側ストッパ用凸部(ストッパ用凸部18S)とによって構成される第2のストッパ部(第3ストッパ部ST3及び第4ストッパ部ST4)とを含んでいてもよい。
この構成は、レンズ保持部材2が光軸JD回りに回転するような動きをより確実に規制できる。レンズ保持部材2が光軸JD回りに回転しようとすると、第1固定側ストッパ用凹部(第1ストッパ用凹部SB1)と第1可動側ストッパ用凸部(第1突設部2S1)とが接触し、且つ、第2固定側ストッパ用凹部(第2ストッパ用凹部SB2)と第2可動側ストッパ用凸部(第2突設部2S2)とが接触することに加え、第1可動側ストッパ用凹部(第1ストッパ用凹部CV1)と第1固定側ストッパ用凸部(第1ストッパ用凸部18S1)とが接触し、且つ、第2可動側ストッパ用凹部(第2ストッパ用凹部CV2)と第2固定側ストッパ用凸部(第2ストッパ用凸部18S2)とが接触するためである。
ベース部材18の基部18Bの上面には、開口18Kと固定側ストッパ用凸部(ストッパ用凸部18S)との間の少なくとも一部に、異物捕捉部材ADを収容する第2収容凹部SR2が形成されていてもよい。例えば、図17に示す例では、ベース部材18の基部18Bの上面には、開口18Kと第1ストッパ用凸部18S1との間に、第3異物捕捉部材AD3を収容する第2右側収容凹部SR2Rが形成されている。なお、第2右側収容凹部SR2Rは、二つの部分(第1凹部PT1及び第2凹部PT2)に分かれているが、図18(A)に示すように、二つの部分が繋がるように構成されていてもよい。
この構成により、レンズ駆動装置101は、構成部材間の接触に起因する異物による不具合の発生を更に抑制できる。規制壁部(固定側台座部18D)と可動側ストッパ用凸部(突設部2S)とで構成される第1のストッパ部(第1ストッパ部ST1及び第2ストッパ部ST2)で発生する粉塵等の異物を異物捕捉部材ADで捕捉できるばかりでなく、固定側ストッパ用凸部(ストッパ用凸部18S)と可動側ストッパ用凹部(ストッパ用凹部CV)とで構成される第2のストッパ部(第3ストッパ部ST3及び第4ストッパ部ST4)で発生する粉塵等の異物をも異物捕捉部材ADで捕捉できるためである。
張り出し部(可動側台座部2D)の外側面には、形状記憶合金ワイヤSAの他端と接続される可動側金属部材5Mが固定されていてもよい。例えば、図3(A)に示す例では、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁の外側面(右側取付面)には、第1ワイヤSA1(図2参照。)の他端と接続され且つ第2ワイヤSA2(図2参照。)の他端と接続される第1可動側ターミナルプレート5M1が固定されている。
この構成では、張り出し部(可動側台座部2D)の外側面が有効に利用される。そのため、この構成は、ベース部材18とカバー部材4(上側カバー部材4U)とで形成される収容空間のスペース効率を更に高めることができる。その結果、この構成は、レンズ駆動装置101の更なる小型化を実現できる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。