以下、本発明の実施形態に係るレンズ駆動装置101について図面を参照して説明する。図1は、レンズ駆動装置101の斜視図である。具体的には、図1(A)は、レンズ駆動装置101の上方斜視図であり、図1(B)は、レンズ駆動装置101の下方斜視図である。図2は、レンズ駆動装置101の分解斜視図である。
図1及び図2において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。また、Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。同様に、Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。図1及び図2では、レンズ駆動装置101のX1側は、レンズ駆動装置101の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置101のX2側は、レンズ駆動装置101の後側(背面側)に相当する。また、レンズ駆動装置101のY1側は、レンズ駆動装置101の右側に相当し、レンズ駆動装置101のY2側は、レンズ駆動装置101の左側に相当する。また、レンズ駆動装置101のZ1側は、レンズ駆動装置101の上側(被写体側)に相当し、レンズ駆動装置101のZ2側は、レンズ駆動装置101の下側(撮像素子側)に相当する。他の図においても同様である。
レンズ駆動装置101は、図1及び図2に示すように、固定側部材RGの一部であるカバー部材4を含む。カバー部材4は、上側カバー部材4U及び下側カバー部材4Lを含む。
カバー部材4は、各部材を覆う筐体として機能するように構成されている。本実施形態では、カバー部材4は、非磁性金属で形成されている。但し、カバー部材4は、磁性金属で形成されていてもよい。また、カバー部材4は、図1に示すように、収納部4sを定める箱状の外形を有する。
上側カバー部材4Uは、矩形筒状の第1外周壁部4Aと、第1外周壁部4Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の天板部4Bと、を有する。天板部4Bの中央には、円形の開口4kが形成されている。第1外周壁部4Aは、第1側板部4A1~第4側板部4A4を含む。第1側板部4A1と第3側板部4A3とは互いに対向し、第2側板部4A2と第4側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1側板部4A1及び第3側板部4A3は、第2側板部4A2及び第4側板部4A4に対して垂直に延びている。
同様に、下側カバー部材4Lは、矩形筒状の第2外周壁部4Cと、第2外周壁部4Cの下端(Z2側の端)と連続するように設けられた矩形環状且つ平板状の底板部4Dと、を有する。底板部4Dの中央には、円形の開口4mが形成されている。第2外周壁部4Cは、第1側板部4C1~第4側板部4C4を含む。第1側板部4C1と第3側板部4C3とは互いに対向し、第2側板部4C2と第4側板部4C4とは互いに対向している。そして、第1側板部4C1及び第3側板部4C3は、第2側板部4C2及び第4側板部4C4に対して垂直に延びている。
上側カバー部材4Uは、図1に示すように、接着剤によって下側カバー部材4Lに接合されている。第2外周壁部4Cは、第1外周壁部4Aを部分的に覆うように配置される。
カバー部材4内には、図2に示すように、スペーサ部材1、レンズ保持部材2、金属部材5、板ばね6、ベース部材18、及び形状記憶合金ワイヤSA等が収容されている。
可動側部材MBは、レンズ体(図示せず。)を保持可能なレンズ保持部材2と、レンズ体に関する光軸JDに沿ってレンズ保持部材2を移動させる駆動機構MKとしての形状記憶合金ワイヤSAと、レンズ保持部材2を光軸JDに沿って移動可能に支持する板ばね6と、を含む。レンズ体は、例えば、少なくとも1枚のレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸JDに沿うように構成されている。
スペーサ部材1は、レンズ保持部材2がZ1方向に移動したときに合成樹脂で形成されたレンズ保持部材2と金属で形成されたカバー部材4とが衝突するのを防止できるように配置されている。すなわち、スペーサ部材1は、合成樹脂で形成され、レンズ保持部材2とカバー部材4の天板部4Bとの間に空間を形成できるように配置されている。そして、スペーサ部材1は、接着剤によって上側カバー部材4Uに固定されている。具体的には、スペーサ部材1とレンズ保持部材2とは、レンズ保持部材2のZ1方向(上方)への過度の動きを制限するストッパ機構を構成している。本実施形態では、レンズ保持部材2は、所定距離だけZ1方向へ移動したときにスペーサ部材1と接触するように構成されている。この構成により、スペーサ部材1は、合成樹脂で形成されたレンズ保持部材2と金属で形成された上側カバー部材4Uとが接触するのを防止し、そのような接触によるレンズ保持部材2の摩耗を防止できる。但し、別の構造等によってレンズ保持部材2と上側カバー部材4Uの天板部4Bとの間に空間を形成できるのであれば、スペーサ部材1は省略されてもよい。
レンズ保持部材2は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図2に示すように、光軸JDに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12から径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2D及び突設部2Sと、を含む。本実施形態では、筒状部12の内周面には、レンズ体が螺着されるようにねじ溝が形成されている。レンズ体は、筒状部12の内周面に接着剤で固定されるように構成されていてもよい。この場合、筒状部12の内周面には、ねじ溝が形成されていなくてもよい。
可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。同様に、突設部2Sは、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む。第1突設部2S1及び第2突設部2S2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。具体的には、可動側台座部2D及び突設部2Sは、上面視で略矩形状の外形を有するレンズ保持部材2の四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dのそれぞれには、板ばね6の一部が載置される。
駆動機構MKは、形状記憶アクチュエータの一例である形状記憶合金ワイヤSAを含む。本実施形態では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。駆動機構MKは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用してレンズ保持部材2を光軸JDに沿って上下に移動させることができる。なお、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のうちの一つ又は複数が収縮するとレンズ保持部材2が移動し、その移動によって別の一つ又は複数が引き延ばされるように構成されている。
板ばね6は、固定側部材RG(ベース部材18)に対してレンズ保持部材2を光軸JDに平行な方向に移動可能に支持できるように構成されている。本実施形態では、板ばね6は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。具体的には、板ばね6は、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。
ベース部材18は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。本実施形態では、ベース部材18は、図5(A)に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口18Kを有する。具体的には、ベース部材18は、開口18Kを囲むように配置される四つの辺部18E(第1辺部18E1~第4辺部18E4)を有する。
板ばね6は、レンズ保持部材2に形成された可動側台座部2Dと、ベース部材18に形成された固定側台座部18Dとを繋ぐように構成されている。なお、固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。
より具体的には、第1板ばね6Aは、レンズ保持部材2に形成された第1可動側台座部2D1と、ベース部材18に形成された第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2のそれぞれとを繋ぐように構成されている。同様に、第2板ばね6Bは、レンズ保持部材2に形成された第2可動側台座部2D2と、ベース部材18に形成された第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2のそれぞれとを繋ぐように構成されている。
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。本実施形態では、金属部材5は、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、ベース部材18の固定側台座部18Dに固定されるように構成されている。可動側金属部材5Mは、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dに固定されるように構成されている。
より具体的には、固定側金属部材5Fは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8を含む。可動側金属部材5Mは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
次に、図3を参照し、レンズ保持部材2及びベース部材18のそれぞれと金属部材5との間の位置関係について説明する。図3(A)は、可動側金属部材5M(可動側ターミナルプレート)及び板ばね6が取り付けられたレンズ保持部材2の斜視図である。図3(B)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の斜視図である。なお、明瞭化のため、図3(A)では、可動側金属部材5M及び板ばね6にドットパターンが付され、図3(B)では、固定側金属部材5Fにドットパターンが付されている。
図3(A)に示す例では、第1可動側ターミナルプレート5M1は、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁(右側取付面)に固定されている。具体的には、第1可動側台座部2D1に形成された外側(Y1側)に突出する角形の突起部2Vと第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された矩形孔AH(図4(A)参照。)とがかみ合った状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、接着剤により第1可動側台座部2D1に固定されている。接着剤は、例えば、光硬化型接着剤である。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2は、第1可動側台座部2D1のX2側の側壁(後側取付面)に固定され、第3可動側ターミナルプレート5M3は、第2可動側台座部2D2のX1側の側壁(前側取付面)に固定され、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第2可動側台座部2D2のY2側の側壁(左側取付面)に固定されている。
図3(B)に示す例では、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置された第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に固定されている。具体的には、第1固定側台座部18D1に形成された外側(Y1側)に突出する二つの丸形の突起部18Vと第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに形成された貫通孔RH(図4(A)参照。)とがかみ合った状態で、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、接着剤により第1固定側台座部18D1に固定されている。接着剤は、例えば、光硬化型接着剤である。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4(図3(B)では不可視。)は、ベース部材18の第3辺部18E3に沿って配置された第2固定側台座部18D2のX2側の側壁(後側取付面)に固定されている。また、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6は、ベース部材18の第1辺部18E1に沿って配置された第1固定側台座部18D1のX1側の側壁(前側取付面)に固定されている。そして、第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8(図3(B)では不可視。)は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置された第2固定側台座部18D2のY2側の側壁(左側取付面)に固定されている。
形状記憶合金ワイヤSAは、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aの内面に沿うように延びており、固定側部材RGに対して可動側部材MBを移動可能に支持できるように構成されている。本実施形態では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含み、固定側部材RGとしてのベース部材18に対して、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2を移動可能に支持できるように構成されている。第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、図2に示すように、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固着されている。
次に、図4を参照し、形状記憶合金ワイヤSAが取り付けられる金属部材5について説明する。図4(A)は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をY1側から見たときの図である。図4(B)は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をX1側から見たときの図である。なお、図4(A)及び図4(B)に示す各部材の位置関係は、レンズ駆動装置101が組み立てられたときの位置関係に対応している。そして、図4(A)及び図4(B)では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、図4(A)及び図4(B)を参照する以下の説明は、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせに関するが、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせ、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせ、並びに、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせについても同様に適用され得る。
具体的には、第1ワイヤSA1の一端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の下側の保持部J3のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定され、第1ワイヤSA1の他端は、第1固定側ターミナルプレート5F1の保持部J2のところで第1固定側ターミナルプレート5F1に固定されている。同様に、第2ワイヤSA2の一端は、第1可動側ターミナルプレート5M1の上側の保持部J1のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定され、第2ワイヤSA2の他端は、第2固定側ターミナルプレート5F2の保持部J4のところで第2固定側ターミナルプレート5F2に固定されている。
保持部J1は、第1可動側ターミナルプレート5M1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1可動側ターミナルプレート5M1の一部は、第2ワイヤSA2の一端を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1を形成している。そして、第2ワイヤSA2の一端は、溶接によって保持部J1に固定されている。保持部J2~保持部J4についても同様である。
第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、図4(A)に示すように、互いにねじれの位置となるように配置されている。すなわち、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。
次に、図5を参照し、固定側部材RGの一部であるベース部材18の詳細について説明する。図5は、ベース部材18の斜視図である。具体的には、図5(A)は、導電部材CMが取り除かれた状態のベース部材18の斜視図であり、図5(B)は、ベース部材18内に埋設されている導電部材CMの斜視図であり、図5(C)は、導電部材CMが埋設された状態のベース部材18の斜視図である。なお、図5(B)及び図5(C)では、明瞭化のため、導電部材CMにドットパターンが付されている。
ベース部材18は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの一端を支持するワイヤ支持部材として機能するように構成されている。この構成により、可動側部材MBは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8によって、光軸JDに平行な方向であるZ軸方向に移動可能な状態で支持されている。
ベース部材18の被写体側の面(Z1側の面)である上面には、固定側台座部18Dが形成されている。固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2は、光軸JDを挟んで対向するように配置されている。
ベース部材18には、図5(B)に示すような、銅、鉄、又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属板から形成された導電部材CMがインサート成形によって埋め込まれている。本実施形態では、導電部材CMは、ベース部材18の下面(Z2側の面)から突出して下方(Z2方向)に延びる第1端子部TM1~第11端子部TM11と、ベース部材18の上面(Z1側の面)に露出する第9接合面部CP9及び第10接合面部CP10と、を有するように構成されている。
具体的には、導電部材CMは、第1導電部材CM1~第11導電部材CM11を含む。そして、第1導電部材CM1は、第1端子部TM1及び第1接続部ED1を含む。第2導電部材CM2は、第2端子部TM2及び第2接続部ED2を含む。第3導電部材CM3は、第3端子部TM3及び第3接続部ED3を含む。第4導電部材CM4は、第4端子部TM4及び第4接続部ED4を含む。第5導電部材CM5は、第5端子部TM5及び第5接続部ED5を含む。第6導電部材CM6は、第6端子部TM6及び第6接続部ED6を含む。第7導電部材CM7は、第7端子部TM7及び第7接続部ED7を含む。第8導電部材CM8は、第8端子部TM8及び第8接続部ED8を含む。第9導電部材CM9は、第9端子部TM9及び第9接合面部CP9を含む。第10導電部材CM10は、第10端子部TM10及び第10接合面部CP10を含む。第11導電部材CM11は、第11端子部TM11及び第11接続部ED11を含む。
第1端子部TM1~第4端子部TM4、第10端子部TM10、及び第11端子部TM11は、ベース部材18の第3辺部18E3に沿って配置されている。第5端子部TM5~第9端子部TM9は、ベース部材18の第1辺部18E1に沿って配置されている。
すなわち、第1導電部材CM1の第1接続部ED1は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置され、第1導電部材CM1の第1端子部TM1は、ベース部材18の第2辺部18E2ではなく第3辺部18E3に沿って配置されている。同様に、第2導電部材CM2の第2接続部ED2は、ベース部材18の第2辺部18E2に沿って配置され、第2導電部材CM2の第2端子部TM2は、ベース部材18の第2辺部18E2ではなく第3辺部18E3に沿って配置されている。
また、第7導電部材CM7の第7接続部ED7は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置され、第7導電部材CM7の第7端子部TM7は、ベース部材18の第4辺部18E4ではなく第1辺部18E1に沿って配置されている。同様に、第8導電部材CM8の第8接続部ED8は、ベース部材18の第4辺部18E4に沿って配置され、第8導電部材CM8の第8端子部TM8は、ベース部材18の第4辺部18E4ではなく第1辺部18E1に沿って配置されている。
このように、第1端子部TM1~第11端子部TM11は、ベース部材18の第1辺部18E1又は第3辺部18E3に沿って配置され、ベース部材18の第2辺部18E2及び第4辺部18E4に沿って配置されることはない。
次に、図6を参照し、板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CMの位置関係について説明する。図6は、板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CMの位置関係を示す図である。具体的には、図6(A)は、各部材(板ばね6、形状記憶合金ワイヤSA、金属部材5、及び導電部材CM)の斜視図であり、図6(B)は、各部材の上面図である。なお、図6(B)では、明瞭化のため、形状記憶合金ワイヤSA及び導電部材CMの図示が省略されている。また、図6(B)では、板ばね6にドットパターンが付されている。
板ばね6は、図6(B)に示すように、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。そして、第1板ばね6Aは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図2参照。)に固定される第1部分6A1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図2参照。)に固定される第2部分6A2と、レンズ保持部材2の第1可動側台座部2D1(図2参照。)に固定される第3部分6A3と、第1部分6A1と第3部分6A3を繋ぐ第4部分6A4と、第2部分6A2と第3部分6A3を繋ぐ第5部分6A5と、を有する。
第1部分6A1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第1貫通孔6AH1及び第2貫通孔6AH2が形成されている。本実施形態では、板ばね6と突出部18Tとの固定は、突出部18Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部18Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
第2部分6A2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第3貫通孔6AH3と、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図5(C)参照。)との接合に用いられる第4貫通孔6AH4とが形成されている。本実施形態では、板ばね6と導電部材CMとの接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、板ばね6と導電部材CMとの接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。
第3部分6A3には、第1可動側台座部2D1に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図3(A)参照。)が挿通される第5貫通孔6AH5及び第6貫通孔6AH6が形成されている。本実施形態では、板ばね6と突出部2Tの固定は、突出部2Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部2Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
同様に、第2板ばね6Bは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図2参照。)に固定される第1部分6B1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図2参照。)に固定される第2部分6B2と、レンズ保持部材2の第2可動側台座部2D2(図2参照。)に固定される第3部分6B3と、第1部分6B1と第3部分6B3を繋ぐ第4部分6B4と、第2部分6B2と第3部分6B3を繋ぐ第5部分6B5と、を有する。
第1部分6B1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第1貫通孔6BH1と、第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図5(C)参照。)との接合に用いられる第2貫通孔6BH2とが形成されている。
第2部分6B2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図3(B)参照。)が挿通される第3貫通孔6BH3及び第4貫通孔6BH4が形成されている。
第3部分6B3には、第2可動側台座部2D2に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図3(A)参照。)が挿通される第5貫通孔6BH5及び第6貫通孔6BH6が形成されている。
なお、第1板ばね6Aの第4部分6A4及び第5部分6A5と第2板ばね6Bの第4部分6B4及び第5部分6B5とは、複数の屈曲部を有する弾性変形可能な腕部である。そのため、レンズ保持部材2は、ベース部材18(固定側部材RG)に対して、光軸JDに平行な方向のみならず、光軸JDと交差する方向にも移動可能となっている。
図6(B)に示すように、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、ほぼ同じ形状を有する。具体的には、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、光軸JDに関して2回回転対称となるように構成されている。そのため、この構成は、レンズ駆動装置101の部品点数を減らすことができる。また、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bは、レンズ保持部材2をバランス良く空中で支持できる。また、板ばね6は、8本の形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)によって支持される可動側部材MBの重量バランスに悪影響を及ぼすこともない。
第1導電部材CM1の第1接続部ED1は、図6(A)に示すように、半田付けによって第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1に垂直に接合される。すなわち、第1接続部ED1と接続部CT1とは互いの表面が略垂直な状態で接合される。同様に、第2導電部材CM2の第2接続部ED2は、半田付けによって第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2に垂直に接合され、第3導電部材CM3の第3接続部ED3は、半田付けによって第3固定側ターミナルプレート5F3の接続部CT3に垂直に接合され、第4導電部材CM4の第4接続部ED4は、半田付けによって第4固定側ターミナルプレート5F4の接続部CT4に垂直に接合される。また、第5導電部材CM5の第5接続部ED5は、半田付けによって第5固定側ターミナルプレート5F5の接続部CT5に垂直に接合され、第6導電部材CM6の第6接続部ED6は、半田付けによって第6固定側ターミナルプレート5F6の接続部CT6に垂直に接合され、第7導電部材CM7の第7接続部ED7は、半田付けによって第7固定側ターミナルプレート5F7の接続部CT7に垂直に接合され、第8導電部材CM8の第8接続部ED8は、半田付けによって第8固定側ターミナルプレート5F8の接続部CT8に垂直に接合される。
第1可動側ターミナルプレート5M1の接続部CT9は、図6(B)に示すように、半田付けによって第1板ばね6Aの第3部分6A3に垂直に接合される。すなわち、接続部CT9と第3部分6A3とは互いの表面が略垂直な状態で接合される。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2の接続部CT10は、半田付けによって第1板ばね6Aの第3部分6A3に垂直に接合され、第3可動側ターミナルプレート5M3の接続部CT11は、半田付けによって第2板ばね6Bの第3部分6B3に垂直に接合され、第4可動側ターミナルプレート5M4の接続部CT12は、半田付けによって第2板ばね6Bの第3部分6B3に垂直に接合される。
一方で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図6(B)に示すように、第1板ばね6Aの第1部分6A1から離間して配置されており、第1板ばね6Aの第1部分6A1には接触していない。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第1板ばね6Aの第2部分6A2には接触しておらず、第5固定側ターミナルプレート5F5は、第2板ばね6Bの第1部分6B1には接触しておらず、第7固定側ターミナルプレート5F7は、第2板ばね6Bの第2部分6B2には接触していない。
第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図5(B)参照。)は、第2板ばね6Bの第1部分6B1に形成された第2貫通孔6BH2のところで、レーザ溶接等の溶接により、第2板ばね6Bの第1部分6B1に平行に接合される。すなわち、第9接合面部CP9と第1部分6B1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図5(B)参照。)は、第1板ばね6Aの第2部分6A2に形成された第4貫通孔6AH4のところで、レーザ溶接等の溶接により、第1板ばね6Aの第2部分6A2に平行に接合される。
次に、図7を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図7は、図6に示す構成の一部の斜視図である。なお、図7(A)では、明瞭化のため、第1導電部材CM1及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1には更に細かいドットパターンが付されている。同様に、図7(B)では、明瞭化のため、第2導電部材CM2及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2には更に細かいドットパターンが付されている。
具体的には、図7(A)は、第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示し、図7(B)は、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示す。以下の説明は、第1ワイヤSA1又は第2ワイヤSA2を流れる電流の経路に関するが、第3ワイヤSA3又は第4ワイヤSA4を流れる電流の経路、第5ワイヤSA5又は第6ワイヤSA6を流れる電流の経路、及び、第7ワイヤSA7又は第8ワイヤSA8を流れる電流の経路についても同様に適用され得る。
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図7(A)の矢印AR1で示すように第1導電部材CM1を通って第1端子部TM1から第1固定側ターミナルプレート5F1に流れる。その後、電流は、矢印AR2で示すように第1固定側ターミナルプレート5F1を通り、矢印AR3で示すように第1ワイヤSA1を通り、更に、矢印AR4で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR5及び矢印AR6で示すように第1板ばね6Aの第3部分6A3、第5部分6A5、及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR7で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図7(B)の矢印AR11で示すように第2導電部材CM2を通って第2端子部TM2から第2固定側ターミナルプレート5F2に流れる。その後、電流は、矢印AR12で示すように第2固定側ターミナルプレート5F2を通り、矢印AR13で示すように第2ワイヤSA2を通り、更に、矢印AR14で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR15及び矢印AR16で示すように第1板ばね6Aの第3部分6A3、第5部分6A5、及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR17で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続された場合、及び、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続された場合の何れにおいても、第1可動側ターミナルプレート5M1から第10端子部TM10へ流れる電流の経路は同じである。
上述のようなレンズ駆動装置101の外部にある制御装置は、第1導電部材CM1~第10導電部材CM10のそれぞれの端子部に印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの収縮を制御できる。なお、制御装置は、レンズ駆動装置101内に配置されていてもよい。また、制御装置は、レンズ駆動装置101の構成要素であってもよい。
略直方体形状を有するレンズ駆動装置101は、例えば、撮像素子(図示せず。)を実装した外部基板(図示せず。)の上に取り付けられる。カメラモジュールは、例えば、外部基板と、レンズ駆動装置101と、レンズ保持部材2に装着されたレンズ体と、レンズ体に対向するように外部基板に実装された撮像素子とで構成される。カメラモジュールは、制御装置を含んでいてもよい。
制御装置は、例えば、駆動機構MKとしての形状記憶合金ワイヤSAの収縮による光軸JDに平行な方向に沿った駆動力を利用し、撮像素子のZ1側(被写体側)において、光軸JDに平行な方向に沿ってレンズ保持部材2を移動させてもよい。そして、このようにレンズ保持部材2を移動させることにより、制御装置は、レンズ調整機能の一つである自動焦点調整機能を実現してもよい。具体的には、制御装置は、撮像素子から離れる方向にレンズ保持部材2を移動させてマクロ撮影を可能にし、撮像素子に近づく方向にレンズ保持部材2を移動させて無限遠撮影を可能にしてもよい。
また制御装置は、複数の形状記憶合金ワイヤSAに流れる電流を制御することによって、光軸JDと交差する方向にレンズ保持部材2を移動させてもよい。これにより、制御装置は、手振れ補正機能を実現してもよい。
次に、図8を参照し、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の一例について説明する。図8は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の一例を示す図である。具体的には、図8(A)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の全体の斜視図である。図8(B)は、図8(A)に示す破線で囲まれた範囲R1をY1側からみたときの拡大側面図である。図8(C)は、図8(B)に示す破線で囲まれた範囲R2をZ2側からみたときの拡大底面図である。なお、図8(A)~図8(C)では、明瞭化のため、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)には粗いドットパターンが付され、導電部材CMには細かいドットパターンが付されている。
図8(B)及び図8(C)に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1は、ベース部材18の第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1は、接合材SDを介して第1導電部材CM1の第1接続部ED1に接合されている。接合材SDは、例えば、半田又は導電性接着剤等である。なお、図8(B)及び図8(C)では、明瞭化のため、接合材SDにはクロスパターンが付されている。
同様に、第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18における第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2は、接合材SDを介して第2導電部材CM2の第2接続部ED2に接合されている。
第1接続部ED1は、図8(C)に示すように、接続部CT1のY1側(右側)の表面よりもY1側に突出するように配置されている。同様に、第2接続部ED2は、接続部CT2のY1側(右側)の表面よりもY1側に突出するように配置されている。
この配置は、少なくとも第1接続部ED1の上面(Z1側の面)と接続部CT1の外面(Y1側の面)とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。典型的には、この配置は、第1接続部ED1を構成している複数の面と接続部CT1を構成している複数の面とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。接続部CT2と第2接続部ED2との間の接合材SDによる接続強度についても同様である。
また、この配置は、メッキが施されていない第1接続部ED1の端面(Y1側の面)のみと接続部CT1とが接合材SDによって接合されてしまうのを防止できる。第2接続部ED2と接続部CT2との間の接合についても同様である。なお、第1接続部ED1の端面(Y1側の面)は、不図示の切捨連結部を切り離す際に形成される切断面であるため、メッキが施されていない。切捨連結部は、複数の導電部材を連結するための部分であり、複数の導電部材がインサート成形によってベース部材18に埋め込まれる際に利用されるが最終的には切り捨てられる。
次に、図9~図11を参照し、レンズ駆動装置101を構成するレンズ保持部材2、金属部材5、及びベース部材18の別の組み合わせについて説明する。
図9は、ベース部材18の別の一例であるベース部材18Aの斜視図である。具体的には、図9(A)は、導電部材CMが取り除かれた状態のベース部材18Aの斜視図であり、図9(B)は、ベース部材18A内に埋設されている導電部材CMの斜視図であり、図9(C)は、導電部材CMが埋設された状態のベース部材18Aの斜視図である。なお、図9(B)及び図9(C)では、明瞭化のため、導電部材CMにドットパターンが付されている。
図10は、レンズ保持部材2の別の一例であるレンズ保持部材2Aの斜視図である。レンズ保持部材2Aは、インサート成形によって導電部材20が埋め込まれている点で、レンズ保持部材2と異なる。具体的には、図10(A)は、導電部材20が取り除かれた状態のレンズ保持部材2Aの斜視図であり、図10(B)は、レンズ保持部材2A内に埋設されている導電部材20の斜視図であり、図10(C)は、導電部材20が埋設された状態のレンズ保持部材2Aの斜視図である。なお、図10(B)及び図10(C)では、明瞭化のため、導電部材20にドットパターンが付されている。
図11は、金属部材5、板ばね6、導電部材CM、導電部材20、及び形状記憶合金ワイヤSAの位置関係を示す図である。具体的には、図11(A)は、金属部材5、ベース部材18A、及び導電部材20の位置関係を示す図である。図11(B)は、金属部材5、板ばね6、導電部材CM、導電部材20、及び形状記憶合金ワイヤSAの位置関係を示す図である。図11(B)では、明瞭化のため、導電部材20にドットパターンが付されている。
ベース部材18Aは、図5に示すベース部材18と同様に、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。そして、ベース部材18Aは、図9(A)に示すように、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口18Kを有する。ベース部材18Aの被写体側の面(Z1側の面)である上面には、固定側台座部18Dが形成されている。固定側台座部18Dは、第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2を含む。第1固定側台座部18D1及び第2固定側台座部18D2は、光軸JDを挟んで対向するように配置されている。
ベース部材18Aには、図9(B)に示すような、金属板から形成された導電部材CMがインサート成形によって埋め込まれている。この例では、導電部材CMは、ベース部材18Aの下面(Z2側の面)から突出して下方(Z2方向)に延びる第1端子部TM1~第10端子部TM10と、第1固定側台座部18D1の側面(X1側の面及びY1側の面)に露出する第1接合面部CP1、第2接合面部CP2、第5接合面部CP5、及び第6接合面部CP6と、第2固定側台座部18D2の側面(X2側の面及びY2側の面)に露出する第3接合面部CP3、第4接合面部CP4、第7接合面部CP7、及び第8接合面部CP8と、ベース部材18Aの上面(Z1側の面)に露出する第9接合面部CP9、第10接合面部CP10、第11接合面部CP11、及び第12接合面部CP12と、を有するように構成されている。
具体的には、導電部材CMは、第1導電部材CM1~第12導電部材CM12を含む。そして、第1導電部材CM1は、第1端子部TM1及び第1接合面部CP1を含む。第2導電部材CM2は、第2端子部TM2及び第2接合面部CP2を含む。第3導電部材CM3は、第3端子部TM3及び第3接合面部CP3を含む。第4導電部材CM4は、第4端子部TM4及び第4接合面部CP4を含む。第5導電部材CM5は、第5端子部TM5及び第5接合面部CP5を含む。第6導電部材CM6は、第6端子部TM6及び第6接合面部CP6を含む。第7導電部材CM7は、第7端子部TM7及び第7接合面部CP7を含む。第8導電部材CM8は、第8端子部TM8及び第8接合面部CP8を含む。第9導電部材CM9は、第9端子部TM9及び第9接合面部CP9を含む。第10導電部材CM10は、第10端子部TM10及び第10接合面部CP10を含む。第11導電部材CM11は、第11接合面部CP11を含む。第12導電部材CM12は、第12接合面部CP12を含む。
レンズ保持部材2Aは、図2に示すレンズ保持部材2と同様に、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持部材2Aは、光軸JDに沿って延びるように形成された筒状部12と、筒状部12から径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2D及び突設部2Sと、を含む。そして、可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。同様に、突設部2Sは、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む。第1突設部2S1及び第2突設部2S2は、光軸JDを挟んで互いに反対方向に延びるように配置されている。具体的には、可動側台座部2D及び突設部2Sは、上面視で略矩形状の外形を有するレンズ保持部材2Aの四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dのそれぞれには、板ばね6の一部が載置される。
レンズ保持部材2Aは、導電部材20が埋め込まれている点で、レンズ保持部材2と異なるが、その他の点ではレンズ保持部材2と同じである。そのため、以下では、相違部分である導電部材20が詳説され、その他の部分の説明が省略される。
導電部材20は、ベース部材18に埋め込まれる導電部材CMと同様に、金属板から形成され、インサート成形によってレンズ保持部材2Aに埋め込まれている。この例では、導電部材20は、第1可動側台座部2D1に埋め込まれる第1導電部材20Aと、第2可動側台座部2D2に埋め込まれる第2導電部材20Bとを含む。
第1導電部材20Aは、第1可動側台座部2D1の側壁(右側取付面)に露出するように構成された第1導電部20A1と、第1可動側台座部2D1の側壁(後側取付面)に露出するように構成された第2導電部20A2と、第1可動側台座部2D1の上面で第1導電部20A1と第2導電部20A2とを繋ぐように構成された第3導電部20A3と、を含む。
第2導電部材20Bは、第2可動側台座部2D2の側壁(前側取付面)に露出するように構成された第1導電部20B1と、第2可動側台座部2D2の側壁(左側取付面)に露出するように構成された第2導電部20B2と、第2可動側台座部2D2の上面で第1導電部20B1と第2導電部20B2とを繋ぐように構成された第3導電部20B3と、を含む。
図11(A)に示す金属部材5は、図3に示す金属部材5と同様に、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。この例では、金属部材5は、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、ベース部材18の固定側台座部18Dに固定されるように構成されている。可動側金属部材5Mは、レンズ保持部材2の可動側台座部2D(図10(A)参照。)に固定されるように構成されている。
より具体的には、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)は、第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8を含む。可動側金属部材5M(可動側ターミナルプレート)は、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
第1可動側ターミナルプレート5M1は、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁(右側取付面)に露出している第1導電部20A1に溶接される。具体的には、図11(A)に示すように、第1可動側台座部2D1に形成された外側(Y1側)に突出する角形の突起部2V(図10(C)参照。)と第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された第1矩形孔AH1とがかみ合った状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、光硬化型接着剤により第1可動側台座部2D1に固定されている。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。その上で、第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された第2矩形孔AH2から第1導電部材20Aの第1導電部20A1を露出させた状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、溶接又は接合材SDにより、第1導電部20A1に平行に接合される。すなわち、第1導電部20A1と第1可動側ターミナルプレート5M1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。第2可動側ターミナルプレート5M2~第4可動側ターミナルプレート5M4についても同様である。
第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に固定されている。具体的には、図11(A)に示すように、第1固定側台座部18D1に形成された外側(Y1側)に突出する二つの丸形の突起部18Vと第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに形成された貫通孔RHとがかみ合った状態で、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、光硬化型接着剤により第1固定側台座部18D1に固定されている。光硬化型接着剤は、例えば、紫外線硬化型接着剤又は可視光硬化型接着剤等である。その上で、第1固定側ターミナルプレート5F1に形成された矩形孔FH1から第1導電部材CM1の第1接合面部CP1(図9(B)参照。)を露出させた状態で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、溶接又は接合材SDにより、第1導電部材CM1に平行に接合される。すなわち、第1接合面部CP1と第1固定側ターミナルプレート5F1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第2固定側ターミナルプレート5F2に形成された矩形孔FH2から第2導電部材CM2の第2接合面部CP2(図9(B)参照。)を露出させた状態で、第2固定側ターミナルプレート5F2は、溶接又は接合材SDにより、第2接合面部CP2に平行に接合される。すなわち、第2接合面部CP2と第2固定側ターミナルプレート5F2とは互いの表面が略平行な状態で接合される。第3固定側ターミナルプレート5F3~第8固定側ターミナルプレート5F8についても同様である。
この構成は、導電部材CMと固定側金属部材5Fとが接合材SDを介して垂直に接合される場合に比べ、導通接合性を向上させることができる。
一方で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図6(B)に示す構成と同様に、第1板ばね6Aの第1部分6A1から離間して配置されており、第1板ばね6Aの第1部分6A1には接触していない。また、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第1板ばね6Aの第2部分6A2には接触しておらず、第5固定側ターミナルプレート5F5は、第2板ばね6Bの第1部分6B1には接触しておらず、第7固定側ターミナルプレート5F7は、第2板ばね6Bの第2部分6B2には接触していない。
第9導電部材CM9の第9接合面部CP9(図9(B)参照。)は、第2板ばね6Bの第1部分6B1に形成された第2貫通孔6BH2のところで、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第2板ばね6Bの第1部分6B1に平行に接合される。すなわち、第9接合面部CP9と第1部分6B1とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図9(B)参照。)は、第1板ばね6Aの第2部分6A2に形成された第4貫通孔6AH4のところで、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第1板ばね6Aの第2部分6A2に平行に接合される。すなわち、第10接合面部CP10と第2部分6A2とは互いの表面が略平行な状態で接合される。
図11(B)に示す形状記憶合金ワイヤSAは、図6(A)に示す形状記憶合金ワイヤSAと同様に、上側カバー部材4Uの第1外周壁部4Aの内面に沿うように延びており、固定側部材RGに対して可動側部材MBを移動可能に支持できるように構成されている。この例では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含み、固定側部材RGとしてのベース部材18に対して、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2を移動可能に支持できるように構成されている。第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、図11(B)に示すように、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固定され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固定されている。
図11(B)に示す板ばね6は、図6(A)に示す板ばね6と同様に、第1板ばね6A及び第2板ばね6Bを含む。そして、第1板ばね6Aは、ベース部材18の第1固定側台座部18D1(図11(A)参照。)に固定される第1部分6A1と、ベース部材18の第2固定側台座部18D2(図11(A)参照。)に固定される第2部分6A2と、レンズ保持部材2の第1可動側台座部2D1(図10(A)参照。)に固定される第3部分6A3と、第1部分6A1と第3部分6A3を繋ぐ第4部分6A4と、第2部分6A2と第3部分6A3を繋ぐ第5部分6A5と、を有する。
第1部分6A1には、第1固定側台座部18D1に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図11(A)参照。)が挿通される第1貫通孔6AH1が形成されている。この例では、板ばね6と突出部18Tとの固定は、突出部18Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部18Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。
第2部分6A2には、第2固定側台座部18D2に形成された上側に突出する丸形の突出部18T(図11(A)参照。)が挿通される第3貫通孔6AH3と、第10導電部材CM10の第10接合面部CP10(図9(C)参照。)との接合に用いられる第4貫通孔6AH4とが形成されている。この例では、板ばね6と導電部材CMとの接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、板ばね6と導電部材CMとの接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。
第3部分6A3には、第1可動側台座部2D1に形成された上側に突出する丸形の突出部2T(図10(C)参照。)が挿通される第5貫通孔6AH5及び第6貫通孔6AH6と、第1導電部材20Aの第3導電部20A3(図10(C)参照。)との接合に用いられる第7貫通孔6AH7とが形成されている。この例では、板ばね6と突出部2Tの固定は、突出部2Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、板ばね6と突出部2Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。また、第1板ばね6Aの第3部分6A3と第1導電部材20Aの第3導電部20A3の固定は、溶接によって実現される。
第2板ばね6Bとレンズ保持部材2、ベース部材18、導電部材20、及び導電部材CMとの固定についても同様である。
次に、図12を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図12は、図11に示す構成の一部の斜視図である。なお、図12(A)では、明瞭化のため、第1導電部材CM1及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1には更に細かいドットパターンが付され、第1導電部材20Aにはクロスパターンが付されている。同様に、図12(B)では、明瞭化のため、第2導電部材CM2及び第10導電部材CM10には粗いドットパターンが付され、第1板ばね6Aには細かいドットパターンが付され、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2には更に細かいドットパターンが付され、第1導電部材20Aにはクロスパターンが付されている。
具体的には、図12(A)は、第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示し、図7(B)は、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されたときの電流の経路を示す。以下の説明は、第1ワイヤSA1又は第2ワイヤSA2を流れる電流の経路に関するが、第3ワイヤSA3又は第4ワイヤSA4を流れる電流の経路、第5ワイヤSA5又は第6ワイヤSA6を流れる電流の経路、及び、第7ワイヤSA7又は第8ワイヤSA8を流れる電流の経路についても同様に適用され得る。
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図12(A)の矢印AR1で示すように第1導電部材CM1を通って第1端子部TM1から第1固定側ターミナルプレート5F1に流れる。その後、電流は、矢印AR2で示すように第1固定側ターミナルプレート5F1を通り、矢印AR3で示すように第1ワイヤSA1を通り、更に、矢印AR4で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR5で示すように第1導電部材20A及び第1板ばね6Aの第3部分6A3を通り、矢印AR6及び矢印AR7で示すように、第1板ばね6Aの第5部分6A5及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR8で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続され、第10導電部材CM10の第10端子部TM10が低電位に接続されると、電流は、図12(B)の矢印AR11で示すように第2導電部材CM2を通って第2端子部TM2から第2固定側ターミナルプレート5F2に流れる。その後、電流は、矢印AR12で示すように第2固定側ターミナルプレート5F2を通り、矢印AR13で示すように第2ワイヤSA2を通り、更に、矢印AR14で示すように第1可動側ターミナルプレート5M1を通る。その後、電流は、矢印AR15で示すように第1導電部材20A及び第1板ばね6Aの第3部分6A3を通り、矢印AR16及び矢印AR17で示すように第1板ばね6Aの第5部分6A5及び第2部分6A2を通り、そして、矢印AR18で示すように第10導電部材CM10を通って第10端子部TM10に流れる。
第1導電部材CM1の第1端子部TM1が高電位に接続された場合、及び、第2導電部材CM2の第2端子部TM2が高電位に接続された場合の何れにおいても、第1可動側ターミナルプレート5M1から第10端子部TM10へ流れる電流の経路は同じである。
上述のようなレンズ駆動装置101の外部にある制御装置は、第1導電部材CM1~第10導電部材CM10のそれぞれの端子部に印加される電圧を制御することにより、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの収縮を制御できる。なお、制御装置は、レンズ駆動装置101内に配置されていてもよい。また、制御装置は、レンズ駆動装置101の構成要素であってもよい。
次に、図13及び図14を参照し、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の別の一例について説明する。図13及び図14は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の別の一例を示す図である。具体的には、図13(A)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられたベース部材18の全体の斜視図であり、図8(A)に対応している。図13(B)は、図13(A)に示す破線で囲まれた範囲R3をY1側からみたときの拡大側面図であり、図8(B)に対応している。図14(A)は、図13(B)に示す破線で囲まれた範囲R4をZ2側からみたときの拡大底面図であり、図8(C)に対応している。図14(B)は、第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1と第1導電部材CM1の第1接続部ED1とを前側(X1側)からみたときの接続部CT1及び第1接続部ED1の図である。なお、図13及び図14では、明瞭化のため、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)には粗いドットパターンが付され、導電部材CMには細かいドットパターンが付されている。また、図13(B)、図14(A)、及び図14(B)では、明瞭化のため、接合材SDにはクロスパターンが付されている。
図13(B)及び図14(A)に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1は、ベース部材18の第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1は、接合材SDを介して第1導電部材CM1の第1接続部ED1に接合されている。接合材SDは、例えば、半田又は導電性接着剤等である。
同様に、第2固定側ターミナルプレート5F2は、ベース部材18における第1固定側台座部18D1のY1側の側壁(右側取付面)に光硬化型接着剤によって取り付けられている。そして、第2固定側ターミナルプレート5F2の接続部CT2は、接合材SDを介して第2導電部材CM2の第2接続部ED2に接合されている。
接続部CT1は、図14(A)及び図14(B)に示すように、第1接続部ED1のY1側(右側)の端面EPの少なくとも一部を覆うように配置されている。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図14(B)に示すように、接続部CT1が第1接続部ED1の外側(Y1側)に位置するように接続部CT1の付け根RTのところで外側(Y1側)に曲げられている。接続部CT2についても同様である。
この配置は、少なくとも接続部CT1の下面(Z2側の面)と第1接続部ED1の外側(Y1側)の面とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。典型的には、この配置は、第1接続部ED1を構成している複数の面と接続部CT1を構成している複数の面とに接合材SDが付着できるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。接続部CT2と第2接続部ED2との間の接合材SDによる接続強度についても同様である。
また、図14(A)に示すように、第1接続部ED1の先端には凹部RS1が形成されている。この構成は、接続部CT1と第1接続部ED1との間に接合材SDが入り込み易くするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の接合材SDによる接続強度を高めることができる。先端に凹部RS2が形成された第2接続部ED2と接続部CT2との間の接合材SDによる接続強度についても同様である。
また、この配置は、メッキが施されていない第1接続部ED1の端面EP(Y1側の面)のみと接続部CT1とが接合材SDによって接合されてしまうのを防止できる。第2接続部ED2と接続部CT2との間の接合についても同様である。
次に、図15を参照し、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の更に別の一例について説明する。図15は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)と導電部材CMとを接続する接続構造の更に別の一例を示す図である。具体的には、図15(A)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられる前のベース部材18の下方斜視図である。図15(B)は、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)が取り付けられた後のベース部材18の下方斜視図であり、図15(A)に対応している。なお、図15(A)及び図15(B)では、明瞭化のため、固定側金属部材5F(固定側ターミナルプレート)には粗いドットパターンが付され、導電部材CMには細かいドットパターンが付されている。
図15に示す例では、接続部CT1は、弾性接触部EC1を有する。弾性接触部EC1は、接続部CT1の先端に形成された部分であり、第1接続部ED1の先端に形成された凹部RS1とかみ合うように構成されている。具体的には、弾性接触部EC1は、図15(B)に示すように、凹部RS1にかみ合わされた状態において、第1接続部ED1をY2方向に押す力を生じさせるように構成されている。すなわち、弾性接触部EC1は、凹部RS1に弾性的に接触するように構成されている。そして、接続部CT1は、弾性接触部EC1が凹部RS1に押し付けられた状態で、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第1接続部ED1に接合される。
同様に、接続部CT2は、弾性接触部EC2を有する。弾性接触部EC2は、接続部CT2の先端に形成された部分であり、第2接続部ED2の先端に形成された凹部RS2とかみ合うように構成されている。具体的には、弾性接触部EC2は、図15(B)に示すように、凹部RS2にかみ合わされた状態において、第2接続部ED2をY2方向に押す力を生じさせるように構成されている。すなわち、弾性接触部EC2は、凹部RS2に弾性的に接触するように構成されている。そして、接続部CT2は、弾性接触部EC2が凹部RS2に押し付けられた状態で、レーザ溶接等の溶接又は接合材SDにより、第2接続部ED2に接合される。
この構成は、接続部CT1(弾性接触部EC1)と第1接続部ED1(凹部RS1)とが弾性的に接触した状態で接合されるようにするため、接続部CT1と第1接続部ED1との間の溶接又は接合材SDによる接続強度を高めることができる。
上述のように、レンズ駆動装置101は、樹脂製の固定側部材RGであるベース部材18と、ベース部材18に対して移動可能に支持された可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2と、ベース部材18に取り付けられたターミナルプレートとしての金属部材5と、一端が金属部材5に固着され、温度上昇に対応して収縮することによりレンズ保持部材2を移動させるように構成された形状記憶アクチュエータとしての形状記憶合金ワイヤSAと、を備えている。そして、レンズ駆動装置101は、ベース部材18に埋設され、一部がベース部材18から露出して金属部材5に電気的に接続され、別の一部が金属部材5から離れた位置でベース部材18から露出して外部端子となるように構成された導電部材CMを有する。
具体的には、レンズ駆動装置101は、ベース部材18に埋設された第1導電部材CM1を有する。第1導電部材CM1は、一部(例えば図5に示す第1接続部ED1、又は、図9に示す接合面部CP1)がベース部材18から露出して第1固定側ターミナルプレート5F1に電気的に接続され、別の一部(例えば図5及び図9に示す第1端子部TM1)が第1固定側ターミナルプレート5F1から離れた位置でベース部材18から露出して外部端子となるように構成されている。なお、第1固定側ターミナルプレート5F1は、ベース部材18の第2辺部18E2(図5及び図9参照。)に沿う位置にあり、第1端子部TM1は、ベース部材18の第3辺部18E3(図5及び図9参照。)に沿う位置にある。
この構成は、ターミナルプレートとしての金属部材5の一部ではなく、金属部材5に接続された導電部材CMの一部が外部端子となるようにするため、外部端子が設置される位置の自由度を高めることができる。そのため、この構成は、例えば、外部端子を受け入れるための構造を備えた外部基板における配線の自由度を高めることができる。また、この構成は、仮に外部端子に外力が加わったとしても、その影響がターミナルプレートとしての金属部材5に及ぶのを抑制或いは防止できる。そのため、この構成は、仮に外部端子に外力が加わったとしても、金属部材5に取り付けられている形状記憶合金ワイヤSAにその影響が及ぶのを抑制或いは防止できる。
導電部材CMは、ターミナルプレートとしての金属部材5の表面と平行な接合面部を一端に有し、接合面部と金属部材5とが重ねられて溶接によりターミナルプレートに接合されていてもよい。但し、接合面部とターミナルプレートとは半田又は導電性接着剤で接合されていてもよい。
具体的には、導電部材CMのうちの一つである第1導電部材CM1は、図9(B)に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1の表面と平行な接合面部CP1を一端に有していてもよい。そして、第1導電部材CM1は、図11(A)に示すように、接合面部CP1と第1固定側ターミナルプレート5F1とが重ねられて溶接により第1固定側ターミナルプレート5F1に接合されていてもよい。
この構成は、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1との接合の容易化を実現でき、更には、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1との接合をより確実なものとすることができる。この構成は、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1とを垂直に接合する場合に比べ、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1との間の接触面積を大きくした状態で、第1導電部材CM1と第1固定側ターミナルプレート5F1とを接合できるためである。
ベース部材18は、望ましくは、一の辺部及び他の辺部を有する多角環状の部材である。この場合、ターミナルプレートとしての金属部材5は、一の辺部に沿ってベース部材18に取り付けられる。そして、金属部材5と電気的に接続される導電部材CMの一部である外部端子は、他の辺部に沿って設置される。
例えば、ベース部材18は、図3(B)に示すように、一の辺部としての第2辺部18E2と他の辺部としての第3辺部18E3とを有する四角環状の部材であってもよい。この場合、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図3(B)に示すように、一の辺部としての第2辺部18E2に沿うようにベース部材18に取り付けられる。そして、第1固定側ターミナルプレート5F1と電気的に接続される第1導電部材CM1の一部である外部端子としての第1端子部TM1は、他の辺部としての第3辺部18E3に沿うように配置されている。
この構成は、一の辺部としての第2辺部18E2に沿うようには外部端子が配置されないよう、外部端子の配置を他の辺部としての第3辺部18E3に沿うようにしたため、外部端子を受け入れるための構造を備えた外部基板における配線の自由度を高めることができる。この構成では、第2辺部18E2に対応する外部基板上の領域に上記構造を配置する必要がないためである。したがって、この構成は、例えば、外部基板上に配置された撮像素子に関する配線とレンズ駆動装置101に関する配線との干渉を防止できる配線設計が容易に実現されるようにする。或いは、この構成は、例えば、2つのレンズ駆動装置101が隣接して配置されるような場合であっても、2つのレンズ駆動装置101のそれぞれの外部端子が互いに干渉してしまい配線が困難になってしまうのを未然に防止できる。
ベース部材18は、図3(B)に示すように、第1辺部18E1、第2辺部18E2、第3辺部18E3、及び第4辺部18E4を有する四角環状の部材であってもよい。そして、ターミナルプレートとしての金属部材5は、第1ターミナルプレート(第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2)、第2ターミナルプレート(第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4)、第3ターミナルプレート(第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6)、並びに、第4ターミナルプレート(第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8)を含んでいてもよい。また、外部端子は、図5(B)に示すように、第1外部端子(第1端子部TM1及び第2端子部TM2)、第2外部端子(第3端子部TM3及び第4端子部TM4)、第3外部端子(第5端子部TM5及び第6端子部TM6)、並びに、第4外部端子(第7端子部TM7及び第8端子部TM8)を含んでいてもよい。
この場合、第1外部端子(第1端子部TM1及び第2端子部TM2)は、第2辺部18E2に沿ってベース部材18に取り付けられた第1ターミナルプレート(第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2)に電気的に接続される。
また、第2外部端子(第3端子部TM3及び第4端子部TM4)は、第3辺部18E3に沿ってベース部材18に取り付けられた第2ターミナルプレート(第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4)に電気的に接続される。
また、第3外部端子(第5端子部TM5及び第6端子部TM6)は、第1辺部18E1に沿ってベース部材18に取り付けられた第3ターミナルプレート(第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6)に電気的に接続される。
また、第4外部端子(第7端子部TM7及び第8端子部TM8)は、第4辺部18E4に沿ってベース部材18に取り付けられた第4ターミナルプレート(第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8)に電気的に接続される。
そして、図5に示すように、第1外部端子(第1端子部TM1及び第2端子部TM2)と第2外部端子(第3端子部TM3及び第4端子部TM4)は、第3辺部18E3に沿って設置され、第3外部端子(第5端子部TM5及び第6端子部TM6)と第4外部端子(第7端子部TM7及び第8端子部TM8)は、第1辺部18E1に沿って設置される。
この構成は、第2辺部18E2及び第4辺部18E4に沿うようには外部端子が配置されないよう、外部端子の配置を第1辺部18E1及び第3辺部18E3に沿うようにしたため、外部端子を受け入れるための構造を備えた外部基板における配線の自由度を高めることができる。この構成では、第2辺部18E2及び第4辺部18E4に対応する外部基板上の領域に上記構造を配置する必要がないためである。
第1導電部材CM1は、図8に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1の表面に略垂直に延びる第1接続部ED1を一端に有するように構成されていてもよい。この場合、第1接続部ED1は、接合材SDを介して第1固定側ターミナルプレート5F1に接合される。第2導電部材CM2~第8導電部材CM8についても同様である。なお、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図14(A)及び図14(B)に示すように、第1接続部ED1の端面EPが第1固定側ターミナルプレート5F1よりも内側(光軸JDに近い側)に位置する状態で、接合材SDを介して第1接続部ED1に接合されていてもよい。或いは、第1固定側ターミナルプレート5F1は、図15に示すように、第1接続部ED1に押し付けられた状態で、溶接により第1接続部に接合されていてもよい。
これらの構成は、導電部材CM(第1導電部材CM1の第1接続部ED1)と金属部材5(第1固定側ターミナルプレート5F1の接続部CT1)との間の接続強度を高めることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に制限されることはない。上述した実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述の実施形態を参照して説明された特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。