JP2024002790A - 光学部品駆動装置及びカメラモジュール - Google Patents

光学部品駆動装置及びカメラモジュール Download PDF

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Abstract

【課題】部材間に形状記憶合金ワイヤが挟み込まれてしまうのを抑制できる光学部品駆動装置を提供すること。【解決手段】光学部品駆動装置としてのレンズ駆動装置100は、ベース部材8を含む固定側部材FBと、光学部品としてのレンズ体LSを保持可能な上下方向に貫通する開口2Kを有し、ベース部材8に対して移動可能に設けられる光学部品保持部材としてのレンズ保持部材2と、一端が固定側部材FBに固定され、他端がレンズ保持部材2を含む可動側部材MBに固定され、固定側部材FBを構成する筐体HSの下側外周壁部4Aの内面IFに対向して配置され、レンズ保持部材2をベース部材8に対して移動させる複数の形状記憶合金ワイヤSAと、を備える。形状記憶合金ワイヤSAは、一端と他端との間に位置する中間部分が、固定側部材FBに付着した粘弾性部材VEに付着するように配置されている。【選択図】図2

Description

本開示は、光学部品駆動装置及びカメラモジュールに関する。
従来、ベース部材とカバー部材とで構成される筐体内で形状記憶合金ワイヤを用いてレンズを駆動させる装置が知られている(特許文献1参照)。
米国特許出願公開第2018/0149142号
上述の装置で用いられる形状記憶合金ワイヤは、電流が流れていないときには弛んだ状態となっている。そのため、例えばベース部材にカバー部材を被せる際に、又は、落下等に起因する衝撃が筐体に加わった際に、形状記憶合金ワイヤがカバー部材とベース部材との間に挟み込まれてしまうおそれがある。そこで、部材間に形状記憶合金ワイヤが挟み込まれてしまうのを抑制できる光学部品駆動装置を提供することが望まれる。
本開示の一実施形態に係る光学部品駆動装置は、ベース部材を含む固定側部材と、光学部品を保持可能な上下方向に貫通する開口を有し、前記ベース部材に対して移動可能に設けられる光学部品保持部材と、一端が前記固定側部材に固定され、他端が前記光学部品保持部材を含む可動側部材に固定され、前記固定側部材を構成する筐体の外周壁部の内面に対向して配置され、前記光学部品保持部材を前記ベース部材に対して移動させる複数の形状記憶合金ワイヤと、を備える光学部品駆動装置であって、前記形状記憶合金ワイヤは、前記一端と前記他端との間に位置する中間部分が、前記固定側部材に付着した粘弾性部材に付着するように配置されている。
上述の光学部品駆動装置は、部材間に形状記憶合金ワイヤが挟み込まれてしまうのを抑制できる。
レンズ駆動装置の構成例の斜視図である。 レンズ駆動装置の構成例の分解斜視図である。 各種部材が取り付けられるレンズ保持部材の斜視図である。 各種部材が取り付けられるベース部材の斜視図である。 金属部材アセンブリの正面図である。 金属部材及び形状記憶合金ワイヤの正面図である。 金属部材及び形状記憶合金ワイヤの左側面図である。 金属部材、板ばね、導電部材、及び形状記憶合金ワイヤの斜視図である。 形状記憶合金ワイヤを流れる電流の経路の例を示す図である。 形状記憶合金ワイヤを流れる電流の経路の別の例を示す図である。 形状記憶合金ワイヤを流れる電流の経路の更に別の例を示す図である。 形状記憶合金ワイヤを流れる電流の経路の更に別の例を示す図である。 内側板ばねを流れる電流の経路の例を示す図である。 ケース部材、金属部材、及びベース部材の上面図である。 板ばねの底面図である。 レンズ駆動装置の別の構成例の斜視図である。 レンズ駆動装置の別の構成例の分解斜視図である。 粘弾性部材が付着するベース部材の斜視図である。 粘弾性部材を含むレンズ駆動装置の図である。
以下、本開示の実施形態に係る光学部品駆動装置の一例であるレンズ駆動装置100について図面を参照して説明する。図1は、レンズ駆動装置100の斜視図である。具体的には、図1の上図はレンズ駆動装置100の上方斜視図であり、図1の下図はレンズ駆動装置100の下方斜視図である。図2は、レンズ駆動装置100の分解斜視図である。
図1において、X1は、三次元直交座標系を構成するX軸の一方向を表し、X2は、X軸の他方向を表す。Y1は、三次元直交座標系を構成するY軸の一方向を表し、Y2は、Y軸の他方向を表す。Z1は、三次元直交座標系を構成するZ軸の一方向を表し、Z2は、Z軸の他方向を表す。図1では、レンズ駆動装置100の中心点が基準とされ、レンズ駆動装置100のX1側は、レンズ駆動装置100の前側(正面側)に相当し、レンズ駆動装置100のX2側は、レンズ駆動装置100の後側(背面側)に相当する。レンズ駆動装置100のY1側は、レンズ駆動装置100の左側に相当し、レンズ駆動装置100のY2側は、レンズ駆動装置100の右側に相当する。レンズ駆動装置100のZ1側は、レンズ駆動装置100の上側(被写体側)に相当し、レンズ駆動装置100のZ2側は、レンズ駆動装置100の下側(撮像素子側)に相当する。「外側」は基準から見て「内側」よりも遠い側を意味する。他の図における他の部材についても同様である。
レンズ駆動装置100は、光学部品の一例であるレンズ体LSを駆動する装置である。図2では、明瞭化のため、レンズ体LSの概形のみが破線で示されている。レンズ駆動装置100と、レンズ駆動装置100のレンズ保持部材2によって保持されるレンズ体LSと、レンズ体LSに対向するように配置される撮像素子ISとは、光学モジュールの一例であるカメラモジュールを構成する。レンズ体LSと撮像素子ISとの間にはIRカットフィルタが配置されていてもよい。なお、光学部品は、光学モジュール(カメラモジュール)であってもよい。この場合、光学部品駆動装置は、光学モジュール駆動装置として機能する。或いは、光学部品は撮像素子ISであってもよい。この場合、光学部品駆動装置は、撮像素子駆動装置として機能する。
レンズ駆動装置100は、図1及び図2に示すように、カバー部材3及びケース部材4を含む。カバー部材3及びケース部材4は、各部材を覆う筐体HSとして機能するように構成されている。図示例では、カバー部材3は非磁性金属で形成され、ケース部材4は磁性金属で形成されている。但し、カバー部材3は、磁性金属で形成されていてもよく、ケース部材4は非磁性金属で形成されていてもよい。
カバー部材3は、略矩形筒状の上側外周壁部3Aと、上側外周壁部3Aの上端(Z1側の端)と連続するように設けられた略矩形環状且つ平板状の天板部3Bと、を有する。天板部3Bの中央には、略円形の開口3Kが形成されている。図示例では、天板部3Bは、平坦(平板状)で凹凸を有していないが、凹凸を有していてもよく、段差を有していてもよい。
上側外周壁部3Aは、第1上側側板部3A1~第4上側側板部3A4を含む。第1上側側板部3A1と第3上側側板部3A3とは互いに対向し、第2上側側板部3A2と第4上側側板部3A4とは互いに対向している。そして、第1上側側板部3A1及び第3上側側板部3A3は、第2上側側板部3A2及び第4上側側板部3A4に対して垂直に延びている。上側外周壁部3Aは、隣り合う二つの上側側板部の間に位置する上側角板部3Cを含む。具体的には、上側外周壁部3Aは、第1上側側板部3A1と第4上側側板部3A4との間に位置する第1上側角板部3C1と、第1上側側板部3A1と第2上側側板部3A2との間に位置する第2上側角板部3C2と、第2上側側板部3A2と第3上側側板部3A3との間に位置する第3上側角板部3C3と、第3上側側板部3A3と第4上側側板部3A4との間に位置する第4上側角板部3C4と、を含む。
ケース部材4は、略矩形筒状の下側外周壁部4Aと、下側外周壁部4Aの下端(Z2側の端)と連続するように設けられた略矩形環状且つ平板状の底板部4Bと、を有する。底板部4Bの中央には、略円形の開口4Kが形成されている。図示例では、底板部4Bは、平坦(平板状)で凹凸を有していないが、凹凸を有していてもよく、段差を有していてもよい。
下側外周壁部4Aは、第1下側側板部4A1~第4下側側板部4A4を含む。第1下側側板部4A1と第3下側側板部4A3とは互いに対向し、第2下側側板部4A2と第4下側側板部4A4とは互いに対向している。そして、第1下側側板部4A1及び第3下側側板部4A3は、第2下側側板部4A2及び第4下側側板部4A4に対して垂直に延びている。また、下側外周壁部4Aは、隣り合う二つの下側側板部の間に位置する下側角板部4Cを含む。具体的には、下側外周壁部4Aは、第1下側側板部4A1と第4下側側板部4A4との間に位置する第1下側角板部4C1と、第1下側側板部4A1と第2下側側板部4A2との間に位置する第2下側角板部4C2と、第2下側側板部4A2と第3下側側板部4A3との間に位置する第3下側角板部4C3と、第3下側側板部4A3と第4下側側板部4A4との間に位置する第4下側角板部4C4と、を含む。
カバー部材3は、接着剤によってケース部材4に接合されている。上側外周壁部3Aは、下側外周壁部4Aを部分的に覆うように下側外周壁部4Aに組み合わされる。接着剤は、湿気硬化型接着剤、熱硬化型接着剤、光硬化型接着剤、又は、それらの組み合わせ等である。後述の接着剤についても同様である。
筐体HS内には、図2に示すように、板状部材1、レンズ保持部材2、金属部材5、板ばね6、ベース部材8、及び形状記憶合金ワイヤSA等が収容されている。
可動側部材MBは、レンズ体LSを保持可能なレンズ保持部材2を含む。レンズ体LSは、例えば、少なくとも一つのレンズを備えた筒状のレンズバレルであり、その中心軸線が光軸OAに沿うように構成されている。固定側部材FBは、板状部材1、カバー部材3、ケース部材4、及びベース部材8を含む。
レンズ保持部材2は、光学部品保持部材の一例であり、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。具体的には、レンズ保持部材2は、図2に示すように、光軸OAに沿って延びるように形成された筒状部2Pと、筒状部2Pから径方向外側に突出するように形成された可動側台座部2D及び突設部2Sと、を含む。図示例では、レンズ体LSは、筒状部2Pの内周面に接着剤で固定されるように構成されている。すなわち、筒状部2Pの内側は、上下方向(Z軸方向)に貫通する開口2Kとなっており、レンズ体LSの少なくとも一部は開口2K内に収容されるように構成されている。
可動側台座部2Dは、第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2を含む。第1可動側台座部2D1及び第2可動側台座部2D2は、光軸OAを挟んで互いに反対向きに突出するように配置されている。同様に、突設部2Sは、第1突設部2S1及び第2突設部2S2を含む。第1突設部2S1及び第2突設部2S2は、光軸OAを挟んで互いに反対向きに突出するように配置されている。具体的には、可動側台座部2D及び突設部2Sは、上面視で略矩形状の外形を有するレンズ保持部材2の四つの角部に対応するように配置され、且つ、交互に並ぶように配置されている。そして、二つの可動側台座部2Dのそれぞれには、板ばね6の一部が載置される。
形状記憶合金ワイヤSAは、形状記憶アクチュエータの一例である。図示例では、形状記憶合金ワイヤSAは、略同じ長さと略同じ直径を有する第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含む。形状記憶合金ワイヤSAは、電流が流れると温度が上昇し、その温度の上昇に応じて収縮する。なお、形状記憶合金ワイヤSAは、初期状態では、弛んだ状態となっている。初期状態は、駆動部DMに電力が供給されておらず、形状記憶合金ワイヤSAに電流が流れていないときの状態である。
駆動部DMは、形状記憶合金ワイヤSAを含んで構成されている。図示例では、駆動部DMは、形状記憶合金ワイヤSAの収縮を利用してベース部材8に対してレンズ保持部材2を移動させることができる。図示例では、駆動部DMは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のうちの一つ又は複数が収縮するとレンズ保持部材2が移動し、その移動によって第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のうちの別の一つ又は複数が引き延ばされる(伸張される)ように構成されている。
板ばね6は、例えば、銅合金、チタン銅系合金(チタン銅)、又は銅ニッケル合金(ニッケルすず銅)等を主な材料とした金属板から作製されている。図示例では、板ばね6は、プレス加工によって作製され、外側板ばね6A及び内側板ばね6Bを含む。外側板ばね6Aは、第1外側板ばね6A1及び第2外側板ばね6A2を含む。内側板ばね6Bは、第1内側板ばね6B1~第4内側板ばね6B4を含む。なお、図示例では、内側板ばね6Bは、四つの部分(第1内側板ばね6B1~第4内側板ばね6B4)に分離されているが、四つの部分のうちの少なくとも二つの部分は繋がっていてもよい。
図示例では、外側板ばね6A及び内側板ばね6Bのそれぞれは導電路として機能するように構成されている。具体的には、外側板ばね6Aは、金属部材5を通じて形状記憶合金ワイヤSAに電気的に接続されるように構成されている。内側板ばね6Bは、レンズ保持部材2に取り付けられた可変絞り装置等の電気装置に電気的に接続されるように構成されている。すなわち、第1内側板ばね6B1~第4内側板ばね6B4のそれぞれは、レンズ保持部材2とともに移動する電気装置の電極端子に電気的に接続されるように構成されている。なお、レンズ保持部材2には複数の電気装置が取り付けられていてもよい。
板状部材1は、複数の板ばね6(第1外側板ばね6A1、第2外側板ばね6A2、及び第1内側板ばね6B1~第4内側板ばね6B4)のそれぞれを電気的に絶縁する絶縁部材IMの一例である。図示例では、板状部材1は、板状の金属部材であり、カバー部材3の天板部3Bの下面に固定されている。そして、板ばね6と対向する側の面である板状部材1の下面には絶縁コーティング剤が塗布されている。
この構成により、板状部材1は、カバー部材3と板ばね6との接触を防止できる。そのため、板状部材1は、複数の板ばね6のうちの二つがカバー部材3を介して導通(短絡)してしまうのを防止できる。
図示例では、板状部材1は、カバー部材3の天板部3Bと対向する上板部1Bと、上板部1Bの外縁部から下方に折り曲げられた四つの折り曲げ部1A(第1折り曲げ部1A1~第4折り曲げ部1A4)と、を有する。四つの折り曲げ部1Aのそれぞれの内面には、絶縁コーティング剤が塗布されている。
四つの折り曲げ部1Aのそれぞれは、カバー部材3の対応する側板部(第1上側側板部3A1~第4上側側板部3A4)に対向している。具体的には、第1折り曲げ部1A1は第1上側側板部3A1に対向して接触し、第2折り曲げ部1A2は第2上側側板部3A2に対向して接触し、第3折り曲げ部1A3は第3上側側板部3A3に対向して接触し、第4折り曲げ部1A4は第4上側側板部3A4に対向して接触している。
また、板状部材1は、導電性接着剤AD1及び絶縁性接着剤AD2によってカバー部材3の下面(天井面)に固定されている。図2では、明瞭化のため、導電性接着剤AD1にはクロスパターンが付され、絶縁性接着剤AD2には斜線パターンが付されている。
ベース部材8は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を用いた射出成形によって形成される。図示例では、ベース部材8は、上面視で略矩形状の輪郭を有し、中央に開口8Kを有する。具体的には、ベース部材8は、開口8Kを囲むように配置される四つの辺部8E(第1辺部8E1~第4辺部8E4)を有する。
板ばね6は、レンズ保持部材2に形成された可動側台座部2Dと、ベース部材8に形成された固定側台座部8Dとを繋ぐように構成されている。固定側台座部8Dは、第1固定側台座部8D1及び第2固定側台座部8D2を含む。
より具体的には、第1外側板ばね6A1は、レンズ保持部材2に形成された第1可動側台座部2D1と、ベース部材8に形成された第1固定側台座部8D1及び第2固定側台座部8D2のそれぞれと、を繋ぐように構成されている。第2外側板ばね6A2は、レンズ保持部材2に形成された第2可動側台座部2D2と、ベース部材8に形成された第1固定側台座部8D1及び第2固定側台座部8D2のそれぞれと、を繋ぐように構成されている。
第1内側板ばね6B1は、レンズ保持部材2に形成された第1可動側台座部2D1と、ベース部材8に形成された第1固定側台座部8D1と、を繋ぐように構成されている。第2内側板ばね6B2は、レンズ保持部材2に形成された第1可動側台座部2D1と、ベース部材8に形成された第2固定側台座部8D2と、を繋ぐように構成されている。第3内側板ばね6B3は、レンズ保持部材2に形成された第2可動側台座部2D2と、ベース部材8に形成された第2固定側台座部8D2と、を繋ぐように構成されている。第4内側板ばね6B4は、レンズ保持部材2に形成された第2可動側台座部2D2と、ベース部材8に形成された第1固定側台座部8D1と、を繋ぐように構成されている。
金属部材5は、形状記憶合金ワイヤSAの端部が固定されるように構成されている。図示例では、金属部材5は、固定側金属部材5F及び可動側金属部材5Mを含む。固定側金属部材5Fは、固定側部材FBの一部を構成し、且つ、ベース部材8の固定側台座部8Dに固定されるように構成されている。可動側金属部材5Mは、可動側部材MBの一部を構成し、且つ、レンズ保持部材2の可動側台座部2Dに固定されるように構成されている。
より具体的には、固定側金属部材5Fは、固定側ターミナルプレートとも称され、第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8を含む。可動側金属部材5Mは、可動側ターミナルプレートとも称され、第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4を含む。
形状記憶合金ワイヤSAは、ケース部材4の下側外周壁部4Aの内面IFに沿うように延びており、固定側部材FBに対して可動側部材MBを移動させることができるように構成されている。図示例では、形状記憶合金ワイヤSAは、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8を含み、固定側部材FBとしてのベース部材8に対して、可動側部材MBとしてのレンズ保持部材2を移動可能に支持できるように構成されている。第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれは、図2に示すように、一端が圧着又は溶接等により固定側金属部材5Fに固着され、且つ、他端が圧着又は溶接等により可動側金属部材5Mに固着されている。
ベース部材8は、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれの一端を支持するワイヤ支持部材として機能するように構成されている。この構成により、駆動部DMは、原理的には、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8のそれぞれを伸縮させることによって、レンズ保持部材2の6自由度の動きを実現できる。6自由度の動きは、X軸に沿った並進、Y軸に沿った並進、Z軸に沿った並進、X軸回りの回転、Y軸回りの回転、及び、Z軸回りの回転を含む。
次に、図3及び図4を参照し、レンズ保持部材2及びベース部材8のそれぞれに取り付けられる各種部材について説明する。図3は、各種部材が取り付けられるレンズ保持部材2の斜視図である。図4は、各種部材が取り付けられるベース部材8の斜視図である。
第1可動側ターミナルプレート5M1は、図3に示すように、第1可動側台座部2D1のX1側の側壁に固定されている。具体的には、第1可動側台座部2D1に形成された外側(X1側)に突出する角柱状の突起部と第1可動側ターミナルプレート5M1に形成された矩形孔とがかみ合った状態で、第1可動側ターミナルプレート5M1は、接着剤により第1可動側台座部2D1に固定される。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2は、第1可動側台座部2D1のY1側の側壁に固定され、第3可動側ターミナルプレート5M3は、第2可動側台座部2D2のX2側の側壁に固定され、第4可動側ターミナルプレート5M4は、第2可動側台座部2D2のY2側の側壁に固定されている。
第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、図4に示すように、第1固定側台座部8D1のX1側の側壁に固定されている。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1及び第2固定側ターミナルプレート5F2は、接着剤により第1固定側台座部8D1に固定されている。より具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1は、第1固定側台座部8D1に形成された外側(X1側)に突出する突起部と第1固定側ターミナルプレート5F1に形成された貫通孔とがかみ合った状態で、接着剤により第1固定側台座部8D1に固定されている。第2固定側ターミナルプレート5F2についても同様である。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4は、ベース部材8の第2固定側台座部8D2のY1側の側壁に固定され、第5固定側ターミナルプレート5F5及び第6固定側ターミナルプレート5F6は、ベース部材8の第2固定側台座部8D2のX2側の側壁に固定され、第7固定側ターミナルプレート5F7及び第8固定側ターミナルプレート5F8は、ベース部材8の第1固定側台座部8D1のY2側の側壁に固定されている。
ベース部材8には、図4に示すような、銅、鉄、又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属板から形成された導電部材CMがインサート成形によって埋め込まれている。図示例では、導電部材CMは、磁性金属で形成され、第1導電部材CM1~第10導電部材CM10を含む。
ケース部材4の下側外周壁部4Aの下端部には、導電部材CMの端子部を露出させるための貫通孔4H(図2参照)が形成されている。具体的には、貫通孔4Hは、第1下側側板部4A1の下端部の中央に形成された第1貫通孔4H1と、第3下側側板部4A3の下端部の中央に形成された第2貫通孔4H2と、を含む。第1貫通孔4H1は、第1導電部材CM1~第5導電部材CM5、第1固定側ターミナルプレート5F1、及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれの端子部を露出させるために形成されている。第2貫通孔4H2は、第6導電部材CM6~第10導電部材CM10、第5固定側ターミナルプレート5F5、及び第6固定側ターミナルプレート5F6のそれぞれの端子部を露出させるために形成されている。
図3及び図4に示すように、レンズ保持部材2とベース部材8との間には制振部材DPが取り付けられている。制振部材DPは、レンズ保持部材2の振動を抑制するための部材である。図示例では、制振部材DPは、レンズ保持部材2の筒状部2Pの外壁に形成された受け面2V(図3参照)と、ベース部材8の固定側台座部8Dの内壁に形成された受け面8V(図4参照)との間に塗布された流動性を有する接着剤が硬化又は半硬化によってゲル化したものである。
レンズ保持部材2には、図3に示すように、磁石MGが取り付けられている。磁石MGは、レンズ保持部材2が初期状態(初期位置)にあるときのレンズ保持部材2の位置決めに利用される。レンズ保持部材2の初期状態(初期位置)は、駆動部DMに電力が供給されておらず、形状記憶合金ワイヤSAに電流が流れていないときのレンズ保持部材2の状態(位置)である。なお、レンズ保持部材2の初期状態(初期位置)は、レンズ保持部材2の中立状態(中立位置)であってもよい。
レンズ保持部材2の中立状態は、レンズ駆動装置100の筐体HSに対してレンズ体LSがZ軸方向に沿って並進可能である場合、レンズ体LSがZ軸方向における移動可能範囲の中間に位置している状態を意味する。典型的には、レンズ保持部材2の中立状態では、レンズ体LSは、Z軸方向の移動可能範囲の中央に位置している。レンズ体LSがX軸方向に沿って並進可能な場合、レンズ体LSがY軸方向に沿って並進可能な場合、レンズ体LSがX軸回りに回転可能な場合、レンズ体LSがY軸回りに回転可能な場合、及び、レンズ体LSがZ軸回りに回転可能な場合についても同様である。なお、図示例では、Z軸方向において、レンズ保持部材2の初期位置が最も下側(Z2側)に位置していることから、Z軸方向におけるレンズ保持部材2の初期位置は、Z軸方向におけるレンズ保持部材2の中立位置とは異なっている。
具体的には、図示例では、磁石MGは、第1突設部2S1の上面に形成された凹部に収容される第1磁石MG1と、第2突設部2S2の上面に形成された凹部に収容される第2磁石MG2と、を含む。レンズ保持部材2は、第1磁石MG1とベース部材8に埋設された第10導電部材CM10の位置決め板LP(図4参照)との間に作用する磁気的な吸引力、及び、第2磁石MG2とベース部材8に埋設された第3導電部材CM3の位置決め板LP(図4参照)との間に作用する磁気的な吸引力によってX軸方向及びY軸方向においては中立位置に位置決めされる。すなわち、レンズ保持部材2は、駆動部DMに電力が供給されていないときには、第10導電部材CM10の位置決め板LPと第1磁石MG1とが対向し、且つ、第3導電部材CM3の位置決め板LPと第2磁石MG2とが対向するように、磁石MGによってX軸方向及びY軸方向における中立位置に移動させられる。但し、初期状態において、レンズ保持部材2は、ベース部材8の上面と当接しているため、Z軸方向に関しては中立位置とはなっていない。なお、図示例では、ケース部材4は、底板部4Bと磁石MGとの間に磁気的な吸引力が作用するように、すなわち、レンズ保持部材2を下方に引き付けることができるように、磁性金属で形成されている。反対に、カバー部材3は、天板部3Bと磁石MGとの間に磁気的な吸引力が作用しないように、すなわち、レンズ保持部材2を上方に引き付けないように、非磁性金属で形成されている。
複数の板ばね6のそれぞれは、固定側部材FBに固定される固定支持部6Fと、可動側部材MBに固定される可動支持部6Mと、固定支持部6Fと可動支持部6Mとを繋ぐように設けられる弾性変形可能な弾性腕部6Eと、を有する。
具体的には、第1外側板ばね6A1は、固定側台座部8Dに固定される固定支持部6FA1と、可動側台座部2Dに固定される可動支持部6MA1と、固定支持部6FA1と可動支持部6MA1とを繋ぐ弾性腕部6EA1と、を有する。そして、固定支持部6FA1は、第1固定側台座部8D1に固定される固定支持部6FA11、及び、第2固定側台座部8D2に固定される固定支持部6FA12を含む。弾性腕部6EA1は、固定支持部6FA11と可動支持部6MA1とを繋ぐ弾性腕部6EA11、及び、固定支持部6FA12と可動支持部6MA1とを繋ぐ弾性腕部6EA12を含む。
第2外側板ばね6A2は、固定側台座部8Dに固定される固定支持部6FA2と、可動側台座部2Dに固定される可動支持部6MA2と、固定支持部6FA2と可動支持部6MA2とを繋ぐ弾性腕部6EA2と、を有する。そして、固定支持部6FA2は、第1固定側台座部8D1に固定される固定支持部6FA21、及び、第2固定側台座部8D2に固定される固定支持部6FA22を含む。弾性腕部6EA1は、固定支持部6FA21と可動支持部6MA2とを繋ぐ弾性腕部6EA21、及び、固定支持部6FA22と可動支持部6MA2とを繋ぐ弾性腕部6EA22を含む。
固定支持部6FA11には、第1固定側台座部8D1に形成された上側に突出する円柱状の突出部8U(図4参照)が挿通される円形の貫通孔と、第1導電部材CM1との接合に用いられる矩形の貫通孔と、が形成されている。図示例では、固定支持部6FA11と突出部8Uとの固定は、突出部8Uに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、固定支持部6FA11と突出部8Uとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。固定支持部6FA11と第1導電部材CM1との接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、固定支持部6FA11と第1導電部材CM1との接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。固定支持部6FA22についても同様である。
固定支持部6FA12には、第2固定側台座部8D2に形成された上側に突出する二つの円柱状の突出部8Uが挿通される二つの円形の貫通孔が形成されている。図示例では、固定支持部6FA12と突出部8Uとの固定は、突出部8Uに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、固定支持部6FA12と突出部8Uとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。固定支持部6FA21についても同様である。
可動支持部6MA1には、第1可動側台座部2D1に形成された上側に突出する二つの円柱状の突出部2U(図3参照)が挿通される二つの貫通孔が形成されている。図示例では、可動支持部6MA1と突出部2Uとの固定は、突出部2Uに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、可動支持部6MA1と突出部2Uとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。可動支持部6MA2についても同様である。
第1内側板ばね6B1は、第1固定側台座部8D1に固定される固定支持部6FB1と、第1可動側台座部2D1に固定される可動支持部6MB1と、固定支持部6FB1と可動支持部6MB1とを繋ぐ弾性腕部6EB1と、を有する。第2内側板ばね6B2は、第2固定側台座部8D2に固定される固定支持部6FB2と、第1可動側台座部2D1に固定される可動支持部6MB2と、固定支持部6FB2と可動支持部6MB2とを繋ぐ弾性腕部6EB2と、を有する。第3内側板ばね6B3は、第2固定側台座部8D2に固定される固定支持部6FB3と、第2可動側台座部2D2に固定される可動支持部6MB3と、固定支持部6FB3と可動支持部6MB3とを繋ぐ弾性腕部6EB3と、を有する。第4内側板ばね6B4は、第1固定側台座部8D1に固定される固定支持部6FB4と、第2可動側台座部2D2に固定される可動支持部6MB4と、固定支持部6FB4と可動支持部6MB4とを繋ぐ弾性腕部6EB4と、を有する。
固定支持部6FB1には、第1固定側台座部8D1に形成された上側に突出する二つの円柱状の突出部8T(図4参照)が挿通される貫通孔と、第2導電部材CM2との接合に用いられる矩形の貫通孔と、が形成されている。図示例では、固定支持部6FB1と突出部8Tとの固定は、突出部8Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、固定支持部6FB1と突出部8Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。固定支持部6FB1と第2導電部材CM2との接合は、レーザ溶接等の溶接によって実現される。但し、固定支持部6FB1と第2導電部材CM2との接合は、半田又は導電性接着剤等によって実現されてもよい。固定支持部6FB2~固定支持部6FB4についても同様である。
可動支持部6MB1には、第1可動側台座部2D1に形成された上側に突出する二つの円柱状の突出部2T(図3参照)が挿通される二つの貫通孔が形成されている。図示例では、可動支持部6MB1と突出部2Tとの固定は、突出部2Tに熱かしめ又は冷間かしめを施すことによって実現される。但し、可動支持部6MB1と突出部2Tとの固定は、接着剤によって実現されてもよい。可動支持部6MB2~可動支持部6MB4についても同様である。
なお、図3及び図4では、突出部2T、突出部2U、突出部8T、及び突出部8Uは、熱かしめが施された後の押し潰された状態で表されている。他の図においても同様である。そして、押し潰された状態の突出部2T、突出部2U、突出部8T、及び突出部8Uは、「かしめ固定部」とも称される。
弾性腕部6EA1、弾性腕部6EA2、及び弾性腕部6EB1~弾性腕部6EB4は、複数の屈曲部BPを有する弾性変形可能な腕部である。そのため、レンズ保持部材2は、ベース部材8(固定側部材FB)に対して、光軸OAに平行な方向のみならず、光軸OAと交差する方向にも移動可能となっている。
図3及び図4に示すように、第1外側板ばね6A1及び第2外側板ばね6A2は、略同じ形状を有する。具体的には、第1外側板ばね6A1及び第2外側板ばね6A2は、光軸OAに関して二回回転対称となるように構成されている。第1内側板ばね6B1及び第3内側板ばね6B3は、略同じ形状を有する。具体的には、第1内側板ばね6B1及び第3内側板ばね6B3は、光軸OAに関して二回回転対称となるように構成されている。第2内側板ばね6B2及び第4内側板ばね6B4は、略同じ形状を有する。具体的には、第2内側板ばね6B2及び第4内側板ばね6B4は、光軸OAに関して二回回転対称となるように構成されている。
このような板ばね6の構成は、レンズ駆動装置100の部品点数を削減できるという効果をもたらす。また、このように構成された板ばね6は、レンズ保持部材2をバランス良く空中で支持でき、八つの形状記憶合金ワイヤSA(第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8)のそれぞれに固定される可動側部材MBの重量バランスに悪影響を及ぼすこともない。
次に、図5、図6、及び図7を参照し、形状記憶合金ワイヤSAが取り付けられる金属部材5について説明する。図5は、金属部材アセンブリASの正面図である。図6は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をX1側から見たときの図である。図7は、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第1固定側ターミナルプレート5F1のそれぞれに取り付けられた第1ワイヤSA1、並びに、第1可動側ターミナルプレート5M1及び第2固定側ターミナルプレート5F2のそれぞれに取り付けられた第2ワイヤSA2をY1側から見たときの図である。なお、図5、図6、及び図7では、明瞭化のため、他の部材の図示が省略されている。また、図5、図6、及び図7を参照する以下の説明は、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせに関するが、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせ、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせ、並びに、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせについても同様に適用される。
金属部材アセンブリASは、金属部材5をレンズ保持部材2及びベース部材8に取り付ける際に利用されるユニットであり、図5に示すように、一つの可動側金属部材5Mと、二つの固定側金属部材5Fと、二つの形状記憶合金ワイヤSAと、切捨連結部CNとが一体化された状態で提供される。レンズ駆動装置100を組み立てる際に利用される金属部材アセンブリASは、図5に示す第1金属部材アセンブリAS1と不図示の第2金属部材アセンブリ~第4金属部材アセンブリとを含む。図5は、第1可動側ターミナルプレート5M1、第1固定側ターミナルプレート5F1、第2固定側ターミナルプレート5F2、第1ワイヤSA1、第2ワイヤSA2、及び、切捨連結部CN(第1切捨連結部CN1)で構成された第1金属部材アセンブリAS1を示している。なお、図5では、明瞭化のため、第1可動側ターミナルプレート5M1、第1固定側ターミナルプレート5F1、及び第2固定側ターミナルプレート5F2に粗いドットパターンが付され、第1切捨連結部CN1に細かいドットパターンが付されている。不図示の第2金属部材アセンブリ~第4金属部材アセンブリのそれぞれは、第1金属部材アセンブリAS1と同様の構成を有する。
具体的には、不図示の第2金属部材アセンブリは、第2可動側ターミナルプレート5M2、第3固定側ターミナルプレート5F3、第4固定側ターミナルプレート5F4、第3ワイヤSA3、第4ワイヤSA4、及び、切捨連結部CN(不図示の第2切捨連結部)で構成されている。また、不図示の第3金属部材アセンブリは、第3可動側ターミナルプレート5M3、第5固定側ターミナルプレート5F5、第6固定側ターミナルプレート5F6、第5ワイヤSA5、第6ワイヤSA6、及び、切捨連結部CN(不図示の第3切捨連結部)で構成されている。同様に、不図示の第4金属部材アセンブリは、第4可動側ターミナルプレート5M4、第7固定側ターミナルプレート5F7、第8固定側ターミナルプレート5F8、第7ワイヤSA7、第8ワイヤSA8、及び、切捨連結部CN(不図示の第4切捨連結部)で構成されている。
切捨連結部CNは、金属部材アセンブリASがレンズ保持部材2及びベース部材8に取り付けられ、接着剤により可動側金属部材5Mがレンズ保持部材2に固着され、且つ、接着剤により固定側金属部材5Fがベース部材8に固着された後で、レーザにより切断されて切り離される。図5は、レーザにより切断される部分を破線CTで示している。また、図6及び図7は、第1金属部材アセンブリAS1から切捨連結部CNが切り離された後の状態を示している。
形状記憶合金ワイヤSAの一端(固定端部FE)は、固定側金属部材5Fの保持部のところで固定側金属部材5Fに固定され、形状記憶合金ワイヤSAの他端(可動端部ME)は、可動側金属部材5Mの保持部のところで可動側金属部材5Mに固定されている。具体的には、図6に示すように、第1ワイヤSA1の一端(第1固定端部FE1)は、第1固定側ターミナルプレート5F1の保持部J1のところで第1固定側ターミナルプレート5F1に固定され、第1ワイヤSA1の他端(第1可動端部ME1)は、第1可動側ターミナルプレート5M1の下側の保持部J2のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定されている。同様に、第2ワイヤSA2の一端(第2固定端部FE2)は、第2固定側ターミナルプレート5F2の保持部J3のところで第2固定側ターミナルプレート5F2に固定され、第2ワイヤSA2の他端(第2可動端部ME2)は、第1可動側ターミナルプレート5M1の上側の保持部J4のところで第1可動側ターミナルプレート5M1に固定されている。
図示例では、保持部J1は、第1固定側ターミナルプレート5F1の一部を折り曲げることによって形成されている。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1の一部は、第1ワイヤSA1の一端(第1固定端部FE1)を挟み込んだ状態で折り曲げられることにより保持部J1を形成している。そして、第1ワイヤSA1の一端(第1固定端部FE1)は、溶接によって保持部J1に固定されている。保持部J2~保持部J4についても同様である。
複数の金属部材5のそれぞれの板状部PMは、互いに平行になるように配置される。図7に示す例では、第1固定側ターミナルプレート5F1の板状部PM1、第2固定側ターミナルプレート5F2の板状部PM2、及び、第1可動側ターミナルプレート5M1の板状部PM11は、YZ平面に沿って互いに平行になるように配置されている。すなわち、板状部PM1、板状部PM2、及び、板状部PM11は、下側外周壁部4Aの内面IFに沿って互いに平行になるように配置されている。なお、図7は、下側外周壁部4A(第1下側側板部4A1)の内面IFの位置を一点鎖線で示している。
第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、図5、図6、及び図7に示すように、互いにねじれの位置の関係となるように(X1側から見たときに立体的に交差するように)配置されている。すなわち、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2は、互いに接触しない(非接触となる)ように配置されている。なお、図示例では、第1ワイヤSA1は、第2ワイヤSA2の内側(X2側)に位置している。
具体的には、X1側から見た正面視(図6参照)において、第1ワイヤSA1は、その一端(第1固定端部FE1)がその他端(第1可動端部ME1)よりも高い位置となるように配置され、第2ワイヤSA2は、その他端(第2可動端部ME2)がその一端(第2固定端部FE2)よりも高い位置となるように配置され、更に、第1ワイヤSA1と第2ワイヤSA2とは交差するように配置されている。同様に、Y1側から見た左側面視において、第3ワイヤSA3は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、第4ワイヤSA4は、その他端がその一端よりも高い位置となるように配置され、更に、第3ワイヤSA3と第4ワイヤSA4とは交差するように配置されている。X2側から見た背面視において、第5ワイヤSA5は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、第6ワイヤSA6は、その他端がその一端よりも高い位置となるように配置され、更に、第5ワイヤSA5と第6ワイヤSA6とは交差するように配置されている。Y2側から見た右側面視において、第7ワイヤSA7は、その一端がその他端よりも高い位置となるように配置され、第8ワイヤSA8は、その他端がその一端よりも高い位置となるように配置され、更に、第7ワイヤSA7と第8ワイヤSA8とは交差するように配置されている。
すなわち、側面視において、第1ワイヤSA1~第8ワイヤSA8はいずれも、X軸及びY軸に対して斜めに(非平行に)延びるように配置されている。但し、第1ワイヤSA1と第2ワイヤSA2とは、正面視において斜めに延びるように配置されていればよく、正面視において互いに交差している必要はない。第3ワイヤSA3と第4ワイヤSA4との関係、第5ワイヤSA5と第6ワイヤSA6との関係、及び、第7ワイヤSA7と第8ワイヤSA8との関係においても同様である。
固定側金属部材5Fの外側面には、図6に示すように、内側に凹む凹部RSが形成されている。具体的には、第1固定側ターミナルプレート5F1の外側面には、内側(X2側)に凹む略円形の第1凹部RS1が形成され、第2固定側ターミナルプレート5F2の外側面には、内側(X2側)に凹む略円形の第2凹部RS2が形成されている。また、凹部RSは、図5に示すように、粘弾性部材VEが付着するように形成されている。
粘弾性部材VEは、ワイヤ保持部材の一例であり、固定側部材FBに付着した状態で、形状記憶合金ワイヤSAの一端(固定端部FE)と他端(可動端部ME)との間に位置する中間部分MPに付着するように構成されている。
ワイヤ保持部材は、固定側部材FBに付着した状態で、電流が供給されていない弛んだ状態の形状記憶合金ワイヤSAの中間部分MPを保持できるように構成された部材である。また、ワイヤ保持部材は、形状記憶合金ワイヤSAに電流が供給されているときには、形状記憶合金ワイヤSAの一端(固定端部FE)と他端(可動端部ME)との間における形状記憶合金ワイヤSAの伸縮を妨げることがないように構成される。なお、図5は、電流が供給されて(加熱されて)緊張した(弛んでいない)状態の第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2を実線で示し、電流が供給されていない弛んだ状態の第1ワイヤSA1を一点鎖線で示している。また、図5は、仮に粘弾性部材VE(第1粘弾性部材VE1)が付着していないときの、電流が供給されていない(加熱されていない)弛んだ状態の第1ワイヤSA1の一例を二点鎖線で示している。
図示例では、粘弾性部材VEは、接着剤をゲル化させることによって形成されている。すなわち、粘弾性部材VEは、流動性を有する接着剤を硬化又は半硬化させることによってゲル化したものである。具体的には、粘弾性部材VEは、図4に示すように、第1粘弾性部材VE1~第8粘弾性部材VE8を含む。図5に示す例では、第1粘弾性部材VE1は、第1固定側ターミナルプレート5F1の第1凹部RS1と第1ワイヤSA1の第1中間部分MP1とに同時に付着するように塗布された接着剤を硬化(ゲル化)させることによって形成され、第2粘弾性部材VE2は、第2固定側ターミナルプレート5F2の第2凹部RS2と第2ワイヤSA2の第2中間部分MP2とに同時に付着するように塗布された接着剤を硬化(ゲル化)させることによって形成されている。図4に示す第3粘弾性部材VE3~第8粘弾性部材VE8についても同様である。なお、図示例では、接着剤の塗布は、切捨連結部CNが可動側金属部材5M及び固定側金属部材5Fから切り離される前に、形状記憶合金ワイヤSAを加熱することによって形状記憶合金ワイヤSAが緊張した(弛んでいない)状態で行われる。形状記憶合金ワイヤSAの加熱は、ヒータを近付けたり、熱風を当てたりすることによって行われる。
より具体的には、第1凹部RS1及び第2凹部RS2は、図6に示すように、間隔SPを挟んでZ軸に平行な直線L1上に位置するように形成されている。第1凹部RS1及び第2凹部RS2が同一直線上に位置していることは、接着剤の塗布が容易になるという効果をもたらす。なお、図示例では、第1固定側ターミナルプレート5F1は、所望の位置に第1凹部RS1が形成されるようにするための突出部TN(第1突出部TN1)を有する。具体的には、第1突出部TN1は、板状部PM1から上向きに突出するように形成され、且つ、第1凹部RS1に付着する第1粘弾性部材VE1の位置と第1ワイヤSA1の位置とが合うように(段差を形成するように)折り曲げられている。第3固定側ターミナルプレート5F3、第5固定側ターミナルプレート5F5、及び、第7固定側ターミナルプレート5F7のそれぞれに形成される突出部TNについても同様である。一方、第2固定側ターミナルプレート5F2では、第2凹部RS2は板状部PM2に形成されている。すなわち、第2固定側ターミナルプレート5F2には突出部が形成されていない。第4固定側ターミナルプレート5F4、第6固定側ターミナルプレート5F6、及び、第8固定側ターミナルプレート5F8のそれぞれについても同様である。
また、固定側部材FBに付着している粘弾性部材VEによって形状記憶合金ワイヤSAの中間部分MPを保持する構成は、電流が供給されていない弛んだ状態の形状記憶合金ワイヤSAが他の部材に引っ掛かったり、他の二つの部材の間に挟み込まれたりしてしまうのを抑制できるという効果をもたらす。
図5に示す例では、第1ワイヤSA1の第1中間部分MP1は絶縁膜で被覆されているが、第1ワイヤSA1の第1固定端部FE1及び第1可動端部ME1は絶縁膜で被覆されていない。また、第1中間部分MP1の一部である、第1粘弾性部材VE1に埋め込まれた埋設部分BD(第1埋設部分BD1)は、第1粘弾性部材VE1に固定(保持)されている。そのため、第1ワイヤSA1に電流が供給されて第1ワイヤSA1が収縮すると、第1粘弾性部材VE1は、第1埋設部分BD1が第1固定端部FE1に近づく向きに移動できるように弾性的に変形する。同様に、第2ワイヤSA2の第2中間部分MP2は絶縁膜で被覆されているが、第2ワイヤSA2の第2固定端部FE2及び第2可動端部ME2は絶縁膜で被覆されていない。また、第2中間部分MP2の一部である、第2粘弾性部材VE2に埋め込まれた第2埋設部分BD2は、第2粘弾性部材VE2に固定(保持)されている。そのため、第2ワイヤSA2に電流が供給されて第2ワイヤSA2が収縮すると、第2粘弾性部材VE2は、第2埋設部分BD2が第2固定端部FE2に近づく向きに移動できるように弾性的に変形する。第3粘弾性部材VE3~第8粘弾性部材VE8についても同様である。但し、粘弾性部材VEは、粘弾性部材VE内に形成された貫通孔内を埋設部分BDが摺動できるように構成されていてもよい。
次に、図8を参照し、金属部材5、板ばね6、導電部材CM、及び形状記憶合金ワイヤSAの位置関係について説明する。図8は、金属部材5、板ばね6、導電部材CM、及び形状記憶合金ワイヤSAの斜視図である。
第1可動側ターミナルプレート5M1は、接合材によって第1外側板ばね6A1の可動支持部6MA1に垂直に接合される。接合材は、例えば、半田又は導電性接着剤等である。すなわち、第1可動側ターミナルプレート5M1と可動支持部6MA1とは互いの表面が略垂直な状態で接合される。同様に、第2可動側ターミナルプレート5M2は、接合材によって第1外側板ばね6A1の可動支持部6MA1に垂直に接合され、第3可動側ターミナルプレート5M3及び第4可動側ターミナルプレート5M4は、接合材によって第2外側板ばね6A2の可動支持部6MA2に垂直に接合される。
一方で、第1固定側ターミナルプレート5F1は、第1外側板ばね6A1の固定支持部6FA11から離間して配置されており、固定支持部6FA11には接触していない。同様に、第3固定側ターミナルプレート5F3は、第1外側板ばね6A1の固定支持部6FA12から離間して配置されており、固定支持部6FA12には接触していない。第5固定側ターミナルプレート5F5は、第2外側板ばね6A2の固定支持部6FA22から離間して配置されており、固定支持部6FA22には接触していない。第7固定側ターミナルプレート5F7は、第2外側板ばね6A2の固定支持部6FA21から離間して配置されており、固定支持部6FA21には接触していない。
第1導電部材CM1は、第1外側板ばね6A1の固定支持部6FA11に形成された矩形の貫通孔のところで、レーザ溶接等の溶接により、固定支持部6FA11に平行に接合される。すなわち、第1導電部材CM1と固定支持部6FA11とは互いの表面が略平行な状態で接合される。同様に、第6導電部材CM6は、第2外側板ばね6A2の固定支持部6FA22に形成された矩形の貫通孔のところで、レーザ溶接等の溶接により、固定支持部6FA22に平行に接合される。
また、第2導電部材CM2は、第1内側板ばね6B1の固定支持部6FB1に形成された矩形の貫通孔のところで、レーザ溶接等の溶接により、固定支持部6FB1に平行に接合される。第3導電部材CM3は、第2内側板ばね6B2の固定支持部6FB2に形成された矩形の貫通孔のところで、レーザ溶接等の溶接により、固定支持部6FB2に平行に接合される。第7導電部材CM7は、第3内側板ばね6B3の固定支持部6FB3に形成された矩形の貫通孔のところで、レーザ溶接等の溶接により、固定支持部6FB3に平行に接合される。第10導電部材CM10は、第4内側板ばね6B4の固定支持部6FB4に形成された矩形の貫通孔のところで、レーザ溶接等の溶接により、固定支持部6FB4に平行に接合される。
次に、図9~図12を参照し、形状記憶合金ワイヤSAを流れる電流の経路について説明する。図9~図12は、図8に示す構成の一部の斜視図である。
具体的には、図9の左図は、第1固定側ターミナルプレート5F1の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されたときに第1ワイヤSA1を流れる電流の経路を示し、図9の右図は、第2固定側ターミナルプレート5F2の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されたときに第2ワイヤSA2を流れる電流の経路を示す。図10の左図は、第5導電部材CM5の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されたときに第3ワイヤSA3を流れる電流の経路を示す。図10の右図は、第4導電部材CM4の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されたときに第4ワイヤSA4を流れる電流の経路を示す。図11の左図は、第5固定側ターミナルプレート5F5の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されたときに第5ワイヤSA5を流れる電流の経路を示す。図11の右図は、第6固定側ターミナルプレート5F6の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されたときに第6ワイヤSA6を流れる電流の経路を示す。図12の左図は、第8導電部材CM8の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されたときに第7ワイヤSA7を流れる電流の経路を示す。図12の右図は、第9導電部材CM9の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されたときに第8ワイヤSA8を流れる電流の経路を示す。
第1固定側ターミナルプレート5F1の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されると、電流は、図9の左図の矢印AR1で示すように第1ワイヤSA1を流れる。具体的には、電流は、第1固定側ターミナルプレート5F1、第1ワイヤSA1、第1可動側ターミナルプレート5M1、及び第1外側板ばね6A1を通って第1導電部材CM1に流れる。
第2固定側ターミナルプレート5F2の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されると、電流は、図9の右図の矢印AR2で示すように第2ワイヤSA2を流れる。具体的には、電流は、第2固定側ターミナルプレート5F2、第2ワイヤSA2、第1可動側ターミナルプレート5M1、及び第1外側板ばね6A1を通って第1導電部材CM1に流れる。
第5導電部材CM5の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されると、電流は、図10の左図の矢印AR3で示すように第3ワイヤSA3を流れる。具体的には、電流は、第5導電部材CM5、第3固定側ターミナルプレート5F3、第3ワイヤSA3、第2可動側ターミナルプレート5M2、及び第1外側板ばね6A1を通って第1導電部材CM1に流れる。第5導電部材CM5の後端部は、隣接する第3固定側ターミナルプレート5F3の下端部に接合材によって接合されている。
第4導電部材CM4の端子部が高電位に接続され、且つ、第1導電部材CM1の端子部が低電位に接続されると、電流は、図10の右図の矢印AR4で示すように第4ワイヤSA4を流れる。具体的には、電流は、第4導電部材CM4、第4固定側ターミナルプレート5F4、第4ワイヤSA4、第2可動側ターミナルプレート5M2、及び第1外側板ばね6A1を通って第1導電部材CM1に流れる。第4導電部材CM4の後端部は、隣接する第4固定側ターミナルプレート5F4の下端部に接合材によって接合されている。
第5固定側ターミナルプレート5F5の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されると、電流は、図11の左図の矢印AR5で示すように第5ワイヤSA5を流れる。具体的には、電流は、第5固定側ターミナルプレート5F5、第5ワイヤSA5、第3可動側ターミナルプレート5M3、及び第2外側板ばね6A2を通って第6導電部材CM6に流れる。
第6固定側ターミナルプレート5F6の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されると、電流は、図11の右図の矢印AR6で示すように第6ワイヤSA6を流れる。具体的には、電流は、第6固定側ターミナルプレート5F6、第6ワイヤSA6、第3可動側ターミナルプレート5M3、及び第2外側板ばね6A2を通って第6導電部材CM6に流れる。
第8導電部材CM8の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されると、電流は、図12の左図の矢印AR7で示すように第7ワイヤSA7を流れる。具体的には、電流は、第8導電部材CM8、第7固定側ターミナルプレート5F7、第7ワイヤSA7、第4可動側ターミナルプレート5M4、及び第2外側板ばね6A2を通って第6導電部材CM6に流れる。第8導電部材CM8の前端部は、隣接する第7固定側ターミナルプレート5F7の下端部に接合材によって接合されている。
第9導電部材CM9の端子部が高電位に接続され、且つ、第6導電部材CM6の端子部が低電位に接続されると、電流は、図12の右図の矢印AR8で示すように第8ワイヤSA8を流れる。具体的には、電流は、第9導電部材CM9、第8固定側ターミナルプレート5F8、第8ワイヤSA8、第4可動側ターミナルプレート5M4、及び第2外側板ばね6A2を通って第6導電部材CM6に流れる。第9導電部材CM9の前端部は、隣接する第8固定側ターミナルプレート5F8の下端部に接合材によって接合されている。
図示例では、第1ワイヤSA1から第4ワイヤSA4のそれぞれを流れる電流の経路は部分的に重複している。具体的には、四つの電流の経路は、第1外側板ばね6A1及び第1導電部材CM1を通る部分で重複している。同様に、第5ワイヤSA5から第8ワイヤSA8のそれぞれを流れる電流の経路は部分的に重複している。具体的には、四つの電流の経路は、第2外側板ばね6A2及び第6導電部材CM6を通る部分で重複している。この構成は、部品点数を削減できるという効果をもたらす。また、第1ワイヤSA1から第8ワイヤSA8のそれぞれを流れる電流の向きは、矢印で示した向きとは反対の向きであってもよい。
次に、図13を参照し、レンズ保持部材2に取り付けられた可変絞り装置等の電気装置に電力を供給するときに内側板ばね6Bを流れる電流の経路について説明する。図13は、図8に示す構成の一部の斜視図である。
第2導電部材CM2の端子部が高電位に接続され、且つ、第3導電部材CM3の端子部が低電位に接続されると、電流は、矢印AR11で示すように第2導電部材CM2から第1内側板ばね6B1を通って電気装置に至る。そして、電気装置からの電流は、矢印AR12で示すように第2内側板ばね6B2を通って第3導電部材CM3に流れる。具体的には、電流は、第2導電部材CM2、固定支持部6FB1、可動支持部6MB1、電気装置、可動支持部6MB2、及び固定支持部6FB2を通って第3導電部材CM3に流れる。
第7導電部材CM7の端子部が高電位に接続され、且つ、第10導電部材CM10の端子部が低電位に接続されると、電流は、矢印AR13で示すように第7導電部材CM7から第3内側板ばね6B3を通って電気装置に至る。そして、電気装置からの電流は、矢印AR14で示すように第4内側板ばね6B4を通って第10導電部材CM10に流れる。具体的には、電流は、第7導電部材CM7、固定支持部6FB3、可動支持部6MB3、電気装置、可動支持部6MB4、及び固定支持部6FB4を通って第10導電部材CM10に流れる。
電流が第2導電部材CM2から第7導電部材CM7若しくは第10導電部材CM10に流れる場合、電流が第3導電部材CM3から第2導電部材CM2、第7導電部材CM7、若しくは第10導電部材CM10に流れる場合、電流が第7導電部材CM7から第2導電部材CM2若しくは第3導電部材CM3に流れる場合、又は、電流が第10導電部材CM10から第2導電部材CM2、第3導電部材CM3、若しくは第7導電部材CM7に流れる場合についても同様である。
次に、図14を参照し、ケース部材4と金属部材5及びベース部材8との位置関係について説明する。図14は、ケース部材4、金属部材5、及びベース部材8の上面図である。具体的には、図14の上図は、ケース部材4及び金属部材5の上面図であり、図14の下図は、ベース部材8の上面図である。なお、図14では、明瞭化のため、ケース部材4、金属部材5、及びベース部材8以外の部材の図示が省略されている。また、図14の下図では、明瞭化のため、ケース部材4の下側外周壁部4Aの内面IFが一点鎖線で示されている。なお、図14の上図は、レンズ保持部材2が中立状態又は初期状態にあるときの可動側金属部材5Mの位置を示す上面図である。このように、レンズ駆動装置100は、X軸方向及びY軸方向においては、レンズ保持部材2の中立位置と初期位置とが同じになるように構成されている。
図14の上図に示すように、第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8及び第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4は、ケース部材4の下側外周壁部4Aの内面IFから所定の間隔だけ離れた位置に配置されるように構成されている。
具体的には、第3固定側ターミナルプレート5F3及び第4固定側ターミナルプレート5F4のそれぞれの板状部PMの外側面EF1は、下側外周壁部4A(第2下側側板部4A2)の内面IFから間隔GP1だけ離れた位置に配置されている。第1固定側ターミナルプレート5F1、第2固定側ターミナルプレート5F2、及び、第5固定側ターミナルプレート5F5から第8固定側ターミナルプレート5F8のそれぞれの板状部PMについても同様である。第2可動側ターミナルプレート5M2の板状部PMの外側面EF2は、下側外周壁部4A(第2下側側板部4A2)の内面IFから間隔GP2だけ離れた位置に配置されている。間隔GP2は、間隔GP1よりも大きい。第1可動側ターミナルプレート5M1、第3可動側ターミナルプレート5M3、及び第4可動側ターミナルプレート5M4のそれぞれの板状部PMについても同様である。
すなわち、八つの固定側金属部材5F(第1固定側ターミナルプレート5F1~第8固定側ターミナルプレート5F8)のそれぞれの板状部PMは、四つの可動側金属部材5M(第1可動側ターミナルプレート5M1~第4可動側ターミナルプレート5M4)のそれぞれの板状部PMに比べ、ケース部材4の下側外周壁部4Aの内面IFに近い位置に配置されている。
図14の下図に示すように、ベース部材8の四つの辺部8E(第1辺部8E1~第4辺部8E4)のそれぞれは、固定部8P(第1固定部8P1~第4固定部8P4)で接着剤を介してケース部材4の下側外周壁部4Aの内面IFに接着固定されるように配置されている。
具体的には、固定部8Pは、辺部8Eの外周面から外側に突出するように形成された部分である。図示例では、固定部8Pは、第1辺部8E1の外周面からX1側に突出する第1固定部8P1、第2辺部8E2の外周面からY1側に突出する第2固定部8P2、第3辺部8E3の外周面からX2側に突出する第3固定部8P3、及び、第4辺部8E4の外周面からY2側に突出する第4固定部8P4を含む。
次に、図15を参照し、板ばね6に設けられる絶縁部材IMについて説明する。図15は、板ばね6の底面図である。具体的には、図15の左上図は、板状部材1とともにカバー部材3内に配置された板ばね6の底面図であり、図15の左中央図は、板状部材1内に配置された板ばね6の底面図であり、図15の左下図は、単独で配置された板ばね6の底面図である。また、図15の右図は、図15の左下図における破線で囲まれた範囲R1の拡大図である。
図15に示すように、第2外側板ばね6A2の弾性腕部6EA21と第4内側板ばね6B4の弾性腕部6EB4とは、カバー部材3の第4上側側板部3A4に沿って互いに隣り合う部分を有する。これらの互いに隣り合う部分において、弾性腕部6EA21には、絶縁部材IMとしての接着剤AD3が四箇所に設けられている。四つの接着剤AD3は、互いに所定値IT以上の間隔を空けて設けられている。図示例では、四つの接着剤AD3は、板ばね6の弾性を妨げない程度に伸縮可能な状態を維持している。なお、絶縁部材IMを構成する接着剤AD3は、合成樹脂等、接着剤以外の材料で形成されていてもよい。また、接着剤AD3は、弾性腕部6EA21ではなく弾性腕部6EB4に設けられていてもよく、弾性腕部6EA21及び弾性腕部6EB4のそれぞれに設けられていてもよい。
この構成は、弾性腕部6EA21(第2外側板ばね6A2)と弾性腕部6EB4(第4内側板ばね6B4)とが互いに接触して導通(短絡)してしまうのを抑制できる。
図示例では、絶縁部材IMとしての接着剤AD3は、弾性腕部6EA11、弾性腕部6EA12、弾性腕部6EA21、及び弾性腕部6EA22のそれぞれに四つずつ塗布されている。この場合、絶縁部材IMとして機能する板状部材1は省略されてもよい。板状部材1が設けられていない場合に弾性腕部6EB4が導電部材であるカバー部材3に接触したときであっても、接着剤AD3は、弾性腕部6EA21がカバー部材3に接触してカバー部材3を介して弾性腕部6EB4に導通してしまうのを抑制できるためである。また、この場合には、接着剤AD3は、弾性腕部6EB1~弾性腕部6EB4のそれぞれに設けられていてもよい。二つの弾性腕部の間の導通をより確実に抑制するためである。
また、図15に示すように、弾性腕部6Eは、屈曲部BPと屈曲部BPから延びる延在部EPとを有するように形成されている。図15に示す例では、屈曲部BPは、弾性腕部6Eが延びる方向を反転させるように曲がる部分であり、延在部EPは、屈曲部BP以外の部分である。図15に示す例では、弾性腕部6EB4は五つの屈曲部BPを有し、弾性腕部6EA21は二つの屈曲部BPを有する。そして、図15に示す例では、接着剤AD3は延在部EPに設けられている。
この構成は、屈曲部BPに絶縁部材IMが設けられる場合、すなわち、屈曲部BPに接着剤AD3が塗布される場合に比べ、板ばね6のばね定数に与える影響が小さいという効果をもたらす。
次に、図16~図18を参照し、光学部品駆動装置の別の一例であるレンズ駆動装置100Aについて説明する。図16は、レンズ駆動装置100Aの斜視図である。具体的には、図16の上図はレンズ駆動装置100Aの上方斜視図であり、図16の下図はレンズ駆動装置100Aの下方斜視図である。図17は、レンズ駆動装置100Aの分解斜視図である。図18は、粘弾性部材VEが付着するベース部材8の斜視図である。
レンズ駆動装置100Aは、図16に示すように、カバー部材3の上側外周壁部3Aの外側にケース部材4の下側外周壁部4Aが配置される点で、レンズ駆動装置100と異なる。また、レンズ駆動装置100Aは、図17に示すように、固定側部材FBとしての板状部材1の代わりに固定側部材FBとしてのスペーサ部材9を有する点、及び、内側板ばね6Bが省略されている点(電気装置がレンズ保持部材2に取り付けられていない点)で、レンズ駆動装置100と異なる。また、レンズ駆動装置100Aは、図18に示すように、第1粘弾性部材VE1、第3粘弾性部材VE3、第5粘弾性部材VE5、及び第7粘弾性部材VE7が省略されている点、及び、第2粘弾性部材VE2、第4粘弾性部材VE4、第6粘弾性部材VE6、及び第8粘弾性部材VE8が固定側金属部材5Fではなく合成樹脂で形成されたベース部材8に付着している点で、レンズ駆動装置100と異なる。
スペーサ部材9は、レンズ保持部材2とカバー部材3の天板部3Bとの間に、レンズ保持部材2が上下動できる空間を確保できるように配置されている。図示例では、スペーサ部材9は、液晶ポリマー(LCP)等の合成樹脂を射出成形することで形成されている。そして、スペーサ部材9の上面と天板部3Bの下面(天井面)とは接着剤によって接着固定されている。
ベース部材8には、図18に示すような、銅、鉄、又はそれらを主成分とする合金等の材料を含む金属板から形成された導電部材CMがインサート成形によって埋め込まれている。図示例では、導電部材CMは、磁性金属で形成され、第1導電部材CM1~第11導電部材CM11を含む。具体的には、第1導電部材CM1は第1固定側ターミナルプレート5F1に接合され、第2導電部材CM2は第2固定側ターミナルプレート5F2に接合され、第3導電部材CM3は第3固定側ターミナルプレート5F3に接合され、第4導電部材CM4は第4固定側ターミナルプレート5F4に接合され、第5導電部材CM5は第5固定側ターミナルプレート5F5に接合され、第6導電部材CM6は第6固定側ターミナルプレート5F6に接合され、第7導電部材CM7は第7固定側ターミナルプレート5F7に接合され、第8導電部材CM8は第8固定側ターミナルプレート5F8に接合され、第9導電部材CM9は第1外側板ばね6A1に接合され、第10導電部材CM10は第2外側板ばね6A2に接合されている。なお、導電部材CMと固定側金属部材5Fとの接合は半田又は導電性接着剤等によって実現され、導電部材CMと外側板ばね6Aとの接合はレーザ溶接等によって実現される。また、図16に示すように、第1貫通孔4H1は、第1導電部材CM1~第4導電部材CM4及び第9導電部材CM9のそれぞれの端子部を露出させるために形成されている。第2貫通孔4H2は、第5導電部材CM5~第8導電部材CM8、第10導電部材CM10、及び第11導電部材CM11のそれぞれの端子部を露出させるために形成されている。
また、ベース部材8には、粘弾性部材VEが付着する付着面8Rが形成されている。具体的には、ベース部材8の第1固定側台座部8D1のX1側の側壁には第2粘弾性部材VE2が付着する第2付着面8R2が形成され、ベース部材8の第2固定側台座部8D2のY1側の側壁には第4粘弾性部材VE4が付着する第4付着面8R4が形成され、ベース部材8の第2固定側台座部8D2のX2側の側壁には第6粘弾性部材VE6が付着する第6付着面8R6が形成され、ベース部材8の第1固定側台座部8D1のY2側の側壁には第8粘弾性部材VE8が付着する第8付着面8R8が形成されている。
次に、図19を参照し、ベース部材8と形状記憶合金ワイヤSAとに付着する粘弾性部材VEについて説明する。図19は、粘弾性部材VEを含むレンズ駆動装置の図である。具体的には、図19の上図は、カバー部材3及びケース部材4が取り外された状態のレンズ駆動装置100Aの斜視図である。図19の下図は、図19の上図における破線で囲まれた範囲R2の拡大図(右側面図)である。
また、図19を参照する以下の説明は、第7ワイヤSA7及び第8ワイヤSA8の組み合わせに関するが、第1ワイヤSA1及び第2ワイヤSA2の組み合わせ、第3ワイヤSA3及び第4ワイヤSA4の組み合わせ、並びに、第5ワイヤSA5及び第6ワイヤSA6の組み合わせについても同様に適用される。
図19の下図に示す例では、第8粘弾性部材VE8は、第8付着面8R8と第8ワイヤSA8とに付着するように設けられている。具体的には、第8付着面8R8は、Z軸に沿って延びる平面であり、第7固定側ターミナルプレート5F7のX2側の端部(後端部)に隣り合うように、第1固定側台座部8D1のY2側の側壁に形成されている。そして、第8粘弾性部材VE8は、第8付着面8R8に付着し、且つ、第8固定端部FE8のところで第8固定側ターミナルプレート5F8に固定される第8ワイヤSA8の第8中間部分MP8に付着するように配置されている。
なお、図19の下図に示す例では、第8粘弾性部材VE8は、第7固定側ターミナルプレート5F7と第8固定側ターミナルプレート5F8との間に位置する付着面8R8xではなく、第7固定側ターミナルプレート5F7のX2側の端部(後端部)に隣り合うように形成された第8付着面8R8に付着している。弛んだ状態の第8ワイヤSA8が他の部材に引っ掛かったり、他の二つの部材の間に挟み込まれたりしてしまうのを抑制できるという効果は、第8埋設部分BD8が第8ワイヤSA8の中点に近いほど大きいためである。しかしながら、第8粘弾性部材VE8は、第7固定側ターミナルプレート5F7と第8固定側ターミナルプレート5F8との間に位置する付着面8R8xに付着していてもよい。
また、図19の下図に示す例では、第7固定端部FE7のところで第7固定側ターミナルプレート5F7に固定される第7ワイヤSA7の第7中間部分MP7に付着する粘弾性部材VEは省略されているが、レンズ駆動装置100Aは、第7ワイヤSA7の第7中間部分MP7に付着する粘弾性部材VEを有していてもよい。この場合、レンズ駆動装置100Aは、粘弾性部材VEが第7固定側ターミナルプレート5F7に付着するように構成されていてもよく、粘弾性部材VEがベース部材8に付着するように構成されていてもよい。
上述のように、本開示の実施形態に係る光学部品駆動装置の一例であるレンズ駆動装置100は、図2に示すように、ベース部材8を含む固定側部材FBと、光学部品の一例であるレンズ体LSを保持可能な上下方向に貫通する開口2Kを有し、ベース部材8に対して移動可能に設けられる光学部品保持部材の一例であるレンズ保持部材2と、複数の形状記憶合金ワイヤSAと、を備える。形状記憶合金ワイヤSAは、図5に示すように、一端(固定端部FE)が固定側部材FB(固定側金属部材5F)に固定され、他端(可動端部ME)がレンズ保持部材2を含む可動側部材MB(可動側金属部材5M)に固定され、固定側部材FBを構成する筐体HSの外周壁部(ケース部材4の下側外周壁部4A)の内面IFに対向して配置され、レンズ保持部材2をベース部材8に対して移動させるように構成されている。また、形状記憶合金ワイヤSAは、一端(固定端部FE)と他端(可動端部ME)との間に位置する中間部分MPが、固定側部材FB(固定側金属部材5F)に付着した粘弾性部材VEに付着するように配置されている。この構成は、初期状態(弛んだ状態)の形状記憶合金ワイヤSAの動きを粘弾性部材VEによって制限できるため、部材間に形状記憶合金ワイヤSAが挟み込まれるといった不具合が発生してしまうのを抑制できる。具体的には、カバー部材3を組み付ける際にベース部材8とカバー部材3との間に形状記憶合金ワイヤSAが挟み込まれてしまうといった、形状記憶合金ワイヤSAとカバー部材3との接触に起因する不具合の発生を抑制できるという効果をもたらす。
形状記憶合金ワイヤSAは、図7に示すように、他端(可動端部ME)よりも一端(固定端部FE)が下側外周壁部4Aに近い位置に配置されていてもよい。そして、形状記憶合金ワイヤSAは、図5に示すように、中間部分MPにおける一端(固定端部FE)に近い位置(埋設部分BD)において粘弾性部材VEに付着するように配置されていてもよい。この構成は、中間部分MPにおける他端(可動端部ME)に近い位置に粘弾性部材VEが付着する構成に比べ、埋設部分BDと固定端部FEとの間の弛みを小さくすることができるため、固定端部FEの近くで部材間に形状記憶合金ワイヤSAが挟み込まれてしまうのをより確実に抑制できるという効果をもたらす。
図5に示すように、形状記憶合金ワイヤSAの一端(固定端部FE)はベース部材8に設けられた固定側金属部材5Fに固定され、形状記憶合金ワイヤSAの他端(可動端部ME)はレンズ保持部材2に設けられた可動側金属部材5Mに固定されていてもよい。そして、粘弾性部材VEは、接着剤を硬化(ゲル化)させることによって形成され、固定側金属部材5Fに付着していてもよい。この構成は、粘弾性部材VEが合成樹脂で形成された固定側部材FBに付着する場合に比べ、粘弾性部材VEと固定側部材FB(固定側金属部材5F)との間の接着強度を高めることができるという効果をもたらす。そのため、この構成は、粘弾性部材VEとしての接着剤が固定側金属部材5Fから脱落してしまうのを抑制できる。また、この構成は、レンズ駆動装置100の組み立ての際に図5に示すような金属部材アセンブリASが利用される場合には、レンズ駆動装置100の生産効率を高めることができる。接着剤の塗布が容易に行われるためである。すなわち、金属部材アセンブリASをレンズ保持部材2及びベース部材8に取り付ける前に、金属部材アセンブリASを構成している固定側金属部材5Fに接着剤を塗布できるためである。
図3及び図4に示すように、ベース部材8の上部とレンズ保持部材2の上部とを繋ぐように、弾性腕部6Eを有する板ばね6が設けられていてもよい。この場合、図5に示すように、外周壁部(ケース部材4の下側外周壁部4A)と垂直な方向から見たときに、互いに交差するように二つの形状記憶合金ワイヤSAが配置されていてもよい。そして、二つの形状記憶合金ワイヤSAのそれぞれは、図5に示すように、一端(固定端部FE)と他端(可動端部ME)との間に位置する中間部分MPに、固定側部材FB(固定側金属部材5F)に設けられた粘弾性部材VEが付着するように配置されていてもよい。この構成は、形状記憶合金ワイヤSAが板ばね6の弾性腕部6Eに引っ掛かるのを抑制できるといった効果をもたらす。
図5に示す例では、第1ワイヤSA1と第2ワイヤSA2とは、X1側から見たときに互いに交差するように配置されている。そして、第1ワイヤSA1は、第1固定側ターミナルプレート5F1に設けられた第1粘弾性部材VE1が第1中間部分MP1に付着するように配置され、第2ワイヤSA2は、第2固定側ターミナルプレート5F2に設けられた第2粘弾性部材VE2が第2中間部分MP2に付着するように配置されている。この構成は、第1ワイヤSA1が板ばね6(第1外側板ばね6A1又は第1内側板ばね6B1)の弾性腕部6E(弾性腕部6EA11又は弾性腕部6EB1)に引っ掛かるのを抑制できるといった効果をもたらす。
固定側部材FBは、図2に示すように、ベース部材8を収容する上方が開放されたケース部材4と、ケース部材4に被せられる下方が開放されたカバー部材3とを有していてもよい。この場合、ケース部材4は、図2に示すように、ベース部材8の下面に対向する底板部4Bと、底板部4Bの外縁部から上方に延びる下側外周壁部4Aと、を有していてもよい。カバー部材3は、上下方向においてベース部材8及びレンズ保持部材2を挟んで底板部4Bと対向する天板部3Bと、天板部3Bの外縁部から下方に延びる上側外周壁部3Aと、を有していてもよい。そして、ケース部材4の下側外周壁部4Aは、図1に示すように、形状記憶合金ワイヤSAとカバー部材3の上側外周壁部3Aとの間に位置するとともに、形状記憶合金ワイヤSAと対向していてもよい。この構成は、カバー部材3がベース部材8に被せられるときに、形状記憶合金ワイヤSAがカバー部材3とベース部材8との間に挟み込まれてしまうのを抑制できる。但し、ケース部材4の下側外周壁部4Aは、図16に示すように、カバー部材3の上側外周壁部3Aの外側に位置していてもよい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳説した。しかしながら、本発明は、上述した実施形態に限定されることはなく、後述する実施形態に限定されることもない。上述した又は後述する実施形態は、本発明の範囲を逸脱することなしに、種々の変形及び置換等が適用され得る。また、上述した又は後述する実施形態を参照して説明される特徴のそれぞれは、技術的に矛盾しない限り、適宜に組み合わされてもよい。
例えば、上述の実施形態では、外側板ばね6Aが形状記憶合金ワイヤSAへの導電路として利用され、内側板ばね6Bが電気装置への導電路として利用されているが、内側板ばね6Bが形状記憶合金ワイヤSAへの導電路として利用され、外側板ばね6Aが電気装置への導電路として利用されてもよい。
また、上述の実施形態では、固定側金属部材5Fは、接着剤によりベース部材8に固定されているが、ベース部材8に埋設されていてもよく、ベース部材8の表面に形成された導電パターンであってもよい。同様に、可動側金属部材5Mは、接着剤によりレンズ保持部材2に固定されているが、レンズ保持部材2に埋設されていてもよく、レンズ保持部材2の表面に形成された導電パターンであってもよい。
1・・・板状部材 1A・・・折り曲げ部 1A1・・・第1折り曲げ部 1A2・・・第2折り曲げ部 1A3・・・第3折り曲げ部 1A4・・・第4折り曲げ部 1B・・・上板部 2・・・レンズ保持部材 2D・・・可動側台座部 2D1・・・第1可動側台座部 2D2・・・第2可動側台座部 2K・・・開口 2P・・・筒状部 2S・・・突設部 2S1・・・第1突設部 2S2・・・第2突設部 2T・・・突出部 2U・・・突出部 2V・・・受け面 3・・・カバー部材 3A・・・上側外周壁部 3A1・・・第1上側側板部 3A2・・・第2上側側板部 3A3・・・第3上側側板部 3A4・・・第4上側側板部 3B・・・天板部 3C・・・上側角板部 3C1・・・第1上側角板部 3C2・・・第2上側角板部 3C3・・・第3上側角板部 3C4・・・第4上側角板部 3K・・・開口 4・・・ケース部材 4A・・・下側外周壁部 4A1・・・第1下側側板部 4A2・・・第2下側側板部 4A3・・・第3下側側板部 4A4・・・第4下側側板部 4B・・・底板部 4C・・・下側角板部 4C1・・・第1下側角板部 4C2・・・第2下側角板部 4C3・・・第3下側角板部 4C4・・・第4下側角板部 4H・・・貫通孔 4H1・・・第1貫通孔 4H2・・・第2貫通孔 4K・・・開口 5・・・金属部材 5F・・・固定側金属部材 5F1・・・第1固定側ターミナルプレート 5F2・・・第2固定側ターミナルプレート 5F3・・・第3固定側ターミナルプレート 5F4・・・第4固定側ターミナルプレート 5F5・・・第5固定側ターミナルプレート 5F6・・・第6固定側ターミナルプレート 5F7・・・第7固定側ターミナルプレート 5F8・・・第8固定側ターミナルプレート 5M・・・可動側金属部材 5M1・・・第1可動側ターミナルプレート 5M2・・・第2可動側ターミナルプレート 5M3・・・第3可動側ターミナルプレート 5M4・・・第4可動側ターミナルプレート 6・・・板ばね 6A・・・外側板ばね 6A1・・・第1外側板ばね 6A2・・・第2外側板ばね 6B・・・内側板ばね 6B1・・・第1内側板ばね 6B2・・・第2内側板ばね 6B3・・・第3内側板ばね 6B4・・・第4内側板ばね 6E、6EA1、6EA11、6EA12、6EA2、6EA21、6EA22、6EB1、6EB2、6EB3、6EB4・・・弾性腕部 6F、6FA1、6FA11、6FA12、6FA2、6FA21、6FA22、6FB1、6FB2、6FB3、6FB4・・・固定支持部 6M、6MA1、6MA2、6MB1、6MB2、6MB3、6MB4・・・可動支持部 8・・・ベース部材 8D・・・固定側台座部 8D1・・・第1固定側台座部 8D2・・・第2固定側台座部 8E・・・辺部 8E1・・・第1辺部 8E2・・・第2辺部 8E3・・・第3辺部 8E4・・・第4辺部 8K・・・開口 8R、8R8x・・・付着面 8R2・・・第2付着面 8R4・・・第4付着面 8R6・・・第6付着面 8R8・・・第8付着面 8T・・・突出部 8U・・・突出部 8V・・・受け面 9・・・スペーサ部材 100、100A・・・レンズ駆動装置 AD1・・・導電性接着剤 AD2・・・絶縁性接着剤 AD3・・・接着剤 AS・・・金属部材アセンブリ AS1・・・第1金属部材アセンブリ BD・・・埋設部分 BD1・・・第1埋設部分 BD2・・・第2埋設部分 BD8・・・第8埋設部分 BP・・・屈曲部 CM・・・導電部材 CM1・・・第1導電部材 CM2・・・第2導電部材 CM3・・・第3導電部材 CM4・・・第4導電部材 CM5・・・第5導電部材 CM6・・・第6導電部材 CM7・・・第7導電部材 CM8・・・第8導電部材 CM9・・・第9導電部材 CM10・・・第10導電部材 CM11・・・第11導電部材 CN・・・切捨連結部 CN1・・・第1切捨連結部 DM・・・駆動部 DP・・・制振部材 EP・・・延在部 FB・・・固定側部材 FE・・・固定端部 FE1・・・第1固定端部 FE2・・・第2固定端部 FE7・・・第7固定端部 FE8・・・第8固定端部 HS・・・筐体 IF・・・内面 IM・・・絶縁部材 IS・・・撮像素子 J1~J4・・・保持部 LS・・・レンズ体 MB・・・可動側部材 ME・・・可動端部 ME1・・・第1可動端部 ME2・・・第2可動端部 MG・・・磁石 MG1・・・第1磁石 MG2・・・第2磁石 MP・・・中間部分 MP1・・・第1中間部分 MP2・・・第2中間部分 MP7・・・第7中間部分 MP8・・・第8中間部分 OA・・・光軸 PM、PM1、PM2、PM11・・・板状部 RS・・・凹部 RS1・・・第1凹部 RS2・・・第2凹部 SA・・・形状記憶合金ワイヤ SA1・・・第1ワイヤ SA2・・・第2ワイヤ SA3・・・第3ワイヤ SA4・・・第4ワイヤ SA5・・・第5ワイヤ SA6・・・第6ワイヤ SA7・・・第7ワイヤ SA8・・・第8ワイヤ TN・・・突出部 TN1・・・第1突出部 VE・・・粘弾性部材 VE1・・・第1粘弾性部材 VE2・・・第2粘弾性部材 VE3・・・第3粘弾性部材 VE4・・・第4粘弾性部材 VE5・・・第5粘弾性部材 VE6・・・第6粘弾性部材 VE7・・・第7粘弾性部材 VE8・・・第8粘弾性部材

Claims (6)

  1. ベース部材を含む固定側部材と、
    光学部品を保持可能な上下方向に貫通する開口を有し、前記ベース部材に対して移動可能に設けられる光学部品保持部材と、
    一端が前記固定側部材に固定され、他端が前記光学部品保持部材を含む可動側部材に固定され、前記固定側部材を構成する筐体の外周壁部の内面に対向して配置され、前記光学部品保持部材を前記ベース部材に対して移動させる複数の形状記憶合金ワイヤと、を備える光学部品駆動装置であって、
    前記形状記憶合金ワイヤは、前記一端と前記他端との間に位置する中間部分が、前記固定側部材に付着した粘弾性部材に付着するように配置されている、
    ことを特徴とする光学部品駆動装置。
  2. 前記形状記憶合金ワイヤは、前記他端よりも前記一端が前記外周壁部に近い位置に配置されており、且つ、前記中間部分における前記一端に近い位置において前記粘弾性部材に付着するように配置されている、
    請求項1に記載の光学部品駆動装置。
  3. 前記形状記憶合金ワイヤの前記一端は、前記ベース部材に設けられた固定側金属部材に固定され、
    前記形状記憶合金ワイヤの前記他端は、前記光学部品保持部材に設けられた可動側金属部材に固定され、
    前記粘弾性部材は、接着剤であり、前記固定側金属部材に付着している、
    請求項1に記載の光学部品駆動装置。
  4. 前記ベース部材の上部と前記光学部品保持部材の上部とを繋ぐように、弾性腕部を有する板ばねが設けられており、
    前記外周壁部と垂直な方向から見たときに、互いに交差するように二つの前記形状記憶合金ワイヤが配置され、
    二つの前記形状記憶合金ワイヤのそれぞれは、前記一端と前記他端との間に位置する前記中間部分に、前記固定側部材に設けられた前記粘弾性部材が付着するように配置されている、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学部品駆動装置。
  5. 前記固定側部材は、前記ベース部材を収容する上方が開放されたケース部材と、前記ケース部材に被せられる下方が開放されたカバー部材とを有し、
    前記ケース部材は、前記ベース部材の下面に対向する底板部と、前記底板部の外縁部から上方に延びる前記外周壁部と、を有し、
    前記カバー部材は、上下方向において前記ベース部材及び前記光学部品保持部材を挟んで前記底板部と対向する天板部と、前記天板部の外縁部から下方に延びる上側外周壁部と、を有し、
    前記ケース部材の前記外周壁部は、前記形状記憶合金ワイヤと前記カバー部材の前記上側外周壁部との間に位置するとともに、前記形状記憶合金ワイヤと対向している、
    請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学部品駆動装置。
  6. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光学部品駆動装置と、
    前記光学部品保持部材によって保持される前記光学部品としてのレンズ体と、
    前記レンズ体に対向するように配置される撮像素子と、を有する、
    カメラモジュール。
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