JP2022080836A - ダイシングダイボンドフィルム - Google Patents

ダイシングダイボンドフィルム Download PDF

Info

Publication number
JP2022080836A
JP2022080836A JP2021142373A JP2021142373A JP2022080836A JP 2022080836 A JP2022080836 A JP 2022080836A JP 2021142373 A JP2021142373 A JP 2021142373A JP 2021142373 A JP2021142373 A JP 2021142373A JP 2022080836 A JP2022080836 A JP 2022080836A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
die bond
layer
dicing
mass
metal layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021142373A
Other languages
English (en)
Inventor
愁斗 谷口
Shuto Taniguchi
智昭 市川
Tomoaki Ichikawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nitto Denko Corp filed Critical Nitto Denko Corp
Priority to TW110141490A priority Critical patent/TW202223021A/zh
Priority to US17/523,237 priority patent/US20220157637A1/en
Priority to CN202111331480.6A priority patent/CN114517067A/zh
Publication of JP2022080836A publication Critical patent/JP2022080836A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Die Bonding (AREA)
  • Dicing (AREA)

Abstract

【課題】本発明は、ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性を向上させることができるダイシングダイボンドフィルムを提供する。【解決手段】本発明に係るダイシングダイボンドフィルムは、基材層上に粘着剤層が積層されたダイシングテープと、該ダイシングテープの粘着剤層上に積層されたダイボンド層と、を備え、前記ダイボンド層は、マトリックス樹脂と、チオール基含有化合物と、導電性粒子と、を含む。【選択図】 図1

Description

本発明は、ダイシングダイボンドフィルムに関する。
従来、半導体装置において、パワー半導体のような、扱う電流量や発熱が大きい半導体チップの電気伝導性や熱伝導性を改善するために、金属層を設けた半導体ウェハ(金属層付の半導体ウェハ)を用いて、基板との接合面側と前記金属層として、金属層付の半導体チップを作製することが知られている(例えば、下記特許文献1)。
ところで、ダイシングを行うとともに、ダイシングによって得られた半導体チップの基板への接着を行うための部材として、ダイシングダイボンドフィルムを用いることが知られている(例えば、下記特許文献2)。
前記ダイシングダイボンドフィルムは、基材層上に粘着剤層が積層されたダイシングテープと、該ダイシングテープの粘着剤層上に剥離可能に積層されたダイボンド層とを備えている。
前記ダイシングダイボンドフィルムでは、前記ダイボンド層に導電性粒子を含有させることにより、ハンダによる接合と同様に、導電性を発揮させている。
特開2015-95550号公報 特開2019-9203号公報
ところで、前記ダイボンド層と前記金属層付の半導体ウェハとの密着性が低いと、ダイシング時においてチップ飛びが生じる原因ともなる。
そのため、前記ダイボンド層には、前記金属層付の半導体ウェハとの密着性を向上させることが求められている。
しかしながら、前記ダイボンド層と前記金属層付の半導体ウェハとの密着性を向上させることについて、未だ十分な検討がなされているとは言い難い。
そこで、本発明は、ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性を向上させることができるダイシングダイボンドフィルムを提供すること課題とする。
本発明者らが鋭意検討したところ、ダイシングダイボンドフィルムにおいて、ダイボンド層を、マトリックス樹脂と、チオール基含有化合物と、導電性粒子と、を含むものとすることにより、金属層付の半導体ウェハとの密着性を向上できることを見出した。
そして、本発明を想到するに至った。
即ち、本発明に係るダイシングダイボンドフィルムは、
基材層上に粘着剤層が積層されたダイシングテープと、
該ダイシングテープの粘着剤層上に積層されたダイボンド層と、を備え、
前記ダイボンド層は、マトリックス樹脂と、チオール基含有化合物と、導電性粒子と、を含む。
斯かる構成によれば、前記ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性を向上させることができる。
前記ダイシングダイボンドフィルムにおいては、
前記チオール基含有化合物は、2以上のチオール基を有する多官能チオール化合物である、ことが好ましい。
斯かる構成によれば、前記ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
前記ダイシングダイボンドフィルムにおいては、
前記ダイボンド層は、前記チオール基含有化合物を0.1質量%以上30質量%以下含んでいる、ことが好ましい。
斯かる構成によれば、前記ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
前記ダイシングダイボンドフィルムにおいては、
前記ダイボンド層は、一方面に金属層を備えるシリコンウェハの前記金属層に取り付けられた状態において、前記金属層に対する室温でも引き剥がし力が0.5N/10mm以上である、ことが好ましい。
斯かる構成によれば、前記ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
前記ダイシングダイボンドフィルムにおいては、
前記ダイボンド層中における前記導電性粒子の粒子充填率Pが70質量%以上95質量%以下であり、
150℃における前記ダイボンド層の粘度が30kPa・s以上である、ことが好ましい。
斯かる構成によれば、前記ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
本発明によれば、ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性を向上させることができるダイシングダイボンドフィルムを提供することができる。
本発明の一実施形態に係るダイシングダイボンドフィルムの構成を示す断面図。
以下、本発明の一実施形態について説明する。
[ダイシングダイボンドフィルム]
図1に示したように、本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20は、基材層1上に粘着剤層2が積層されたダイシングテープ10と、ダイシングテープ10の粘着剤層2上に積層されたダイボンド層3と、を備える。
ダイシングダイボンドフィルム20では、ダイボンド層3上に半導体ウェハが貼付される。本実施形態では、ダイボンド層3上に、一方面(回路面とは反対側の面)に金属層が設けられた半導体ウェハ(以下、金属層付の半導体ウェハともいう)が貼付される。
詳しくは、金属層付の半導体ウェハは、金属層をダイボンド層3と当接させた状態で貼付される。
本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20に貼付された金属層付の半導体ウェハは、ブレードダイシング、DBG(Dicing Before Grinding)、または、SDBG(Stealth Dicing Before Grinding)等により複数の半導体チップへと割断される。そして、前記のごとき割断時に、半導体ウェハと共に、ダイボンド層3も割断される。ダイボンド層3は、個片化された複数の半導体チップのサイズに相当する大きさに割断される。これにより、複数のダイボンド層3付の半導体チップ、より具体的には、ダイボンド層3に金属層が取り付けられた複数の半導体チップを得ることができる。
なお、金属層付の半導体ウェハにおいて、金属層は、金属を半導体ウェハの一方面(回路面とは反対側の面)にコーティングすることにより形成される。このような金属としては、金、銀、銅などの貴金属が一般的に用いられる。
前記金属を半導体ウェハの一方面にコーティングする方法としては、プラズマ気相堆積、スパッタリング、電子線蒸着などが挙げられる。
前記金属層は、通常、1μm以上10μm以下の厚さで形成される。
本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20では、ダイボンド層3は、マトリックス樹脂と、チオール基含有化合物と、導電性粒子とを含む。
本明細書において、導電性粒子とは、JIS K 0130(2008)に従って測定した電気伝導率が100μS/cm以下の粒子を意味する。
本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20では、ダイボンド層3がチオール基含有化合物を含んでいることが重要である。
ダイボンド層3がチオール基含有化合物を含んでいることにより、ダイボンド層3と前記金属層との密着性を向上させることができる。
これにより、本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20は、金属層付きの半導体ウェハとの密着性が向上されたものとなる。
ダイボンド層3は、熱硬化性を有することが好ましい。すなわち、本実施形態に係るダイボンドフィルムは、マトリックス樹脂として、熱硬化性を有する樹脂を含むことが好ましく、熱硬化性を有する樹脂の硬化剤をさらに含むことが好ましい。
熱硬化性を有する樹脂としては、例えば、熱硬化性樹脂、熱硬化性官能基を有する熱可塑性樹脂が挙げられる。
前記熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、アミノ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂、及び、熱硬化性ポリイミド樹脂等が挙げられる。前記熱硬化性樹脂は、一種のみが用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
上記の各種熱硬化性樹脂の中でも、エポキシ樹脂を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールS型、臭素化ビスフェノールA型、水添ビスフェノールA型、ビスフェノールAF型、ビフェニル型、ナフタレン型、フルオレン型、フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、オルソクレゾールノボラック型、トリスヒドロキシフェニルメタン型、テトラフェニロールエタン型、ヒダントイン型、トリスグリシジルイソシアヌレート型、及び、グリシジルアミン型のエポキシ樹脂が挙げられる。これらの中でも、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、及び、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の少なくとも一方を用いることが好ましく、ビスフェノールA型エポキシ樹脂及びクレゾールノボラック型エポキシ樹脂を組み合わせて用いることがより好ましい。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂としては、脂肪族変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂の硬化剤としてのフェノール樹脂としては、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂、ビフェニル型フェノール樹脂、及び、ポリパラオキシスチレン等のポリオキシスチレンが挙げられる。
また、熱硬化性樹脂としては、熱硬化性官能基を有する熱可塑性樹脂も用いることができる。熱硬化性官能基を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、熱硬化性官能基含有アクリル樹脂が挙げられる。熱硬化性官能基含有アクリル樹脂におけるアクリル樹脂としては、(メタ)アクリル酸エステルに由来するモノマー単位を含むものが挙げられる。
熱硬化性官能基を有する熱可塑性樹脂においては、熱硬化性官能基の種類に応じて、硬化剤が選ばれる。
ダイボンド層3は、マトリックス樹脂として、熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。前記熱可塑性樹脂はバインダとして機能する。
ダイボンド層3が熱可塑性樹脂を含んでいることにより、熱硬化させた後においても、ダイボンド層3を比較的低弾性を有するものとすることができる。
前記熱可塑性樹脂としては、例えば、天然ゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、クロロプレンゴム、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、ポリブタジエン樹脂、ポリカーボネート樹脂、熱可塑性ポリイミド樹脂、ポリアミド6やポリアミド6,6等のポリアミド樹脂、フェノキシ樹脂、アクリル樹脂、PETやPBT等の飽和ポリエステル樹脂、ポリアミドイミド樹脂、フッ素樹脂等が挙げられる。上記熱可塑性樹脂は、一種のみが用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。上記熱可塑性樹脂としては、イオン性不純物が少なく、かつ、耐熱性が高いために、ダイボンド層3による接続信頼性が確保し易くなるという観点から、アクリル樹脂が好ましい。
上記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルに由来するモノマー単位を質量割合で最も多いモノマー単位として含むポリマーであることが好ましい。(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステル、及び、(メタ)アクリル酸アリールエステル等が挙げられる。上記アクリル樹脂は、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な他の成分に由来するモノマー単位を含んでいてもよい。上記他の成分としては、例えば、カルボキシ基含有モノマー、酸無水物モノマー、ヒドロキシ基含有モノマー、グリシジル基含有モノマー、スルホン酸基含有モノマー、リン酸基含有モノマー、アクリルアミド、アクリルニトリル等の官能基含有モノマーや、各種の多官能性モノマー等が挙げられる。
上記アクリル樹脂は、カルボキシル含有アクリルゴムであることが好ましい。
チオール基含有化合物は、単官能チオール化合物(1以上のチオール基(SH)を有するチオール化合物)であってもよいし、多官能チオール化合物(2以上のチオール基(SH)を有するチオール化合物)であってもよいが、多官能チオール化合物(2以上のチオール基(SH)を有するチオール化合物)であることが好ましい。多官能チオール化合物としては、2官能チオール化合物、3官能チオール化合物、4官能チオール化合物、6官能チオール化合物などが挙げられる。
2以上のチオール基(SH)を有する多官能チオール化合物であることにより、ダイボンド層3と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
チオール基含有化合物は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
単官能チオール化合物としては、チオール基(SH)を1つ有する有機化合物であればよく、単官能チオール化合物の市販品としては、SC化学社製のBMPA、EHMP、MBMP、STMPなどが挙げられる。
2官能チオール化合物としては、チオール基(SH)を2つ有する有機化合物であればよく、2官能チオール化合物の市販品としては、昭和電工社製のBD1、SC化学社製のEGMP-4、PXDTなどが挙げられる。
3官能チオール化合物としては、チオール基(SH)を3つ有する有機化合物であればよく、3官能チオール化合物の市販品としては、昭和電工社製のTPMB、NR1、SC化学社製のTMMP、TMMP-LV、TEMPIC、PEPTなどが挙げられる。
4官能チオール化合物としては、チオール基(SH)を4つ有する有機化合物であればよく、4官能チオール化合物の市販品としては、昭和電工社製のPE1、SC化学社製のPEMP、PEMP-1、四国化成社製のTS-G、C3TS-Gなどが挙げられる。
6官能チオール化合物としては、チオール基(SH)を6つ有する有機化合物であればよく、6官能チオール化合物の市販品としては、SC化学社製のDPMPなどが挙げられる。
ダイボンド層3は、前記チオール基含有化合物を、0.1質量%以上30質量%以下含んでいることが好ましい。
ダイボンド層3は、前記チオール基含有化合物を、0.2質量%以上15質量%以下含んでいることがより好ましく、0.3質量%以上4.5質量%以下含んでいることがさらに好ましく、0.5質量%以上2.0質量%以下含んでいることが特に好ましい。
ダイボンド層3が、前記チオール基含有化合物を上記の範囲で含んでいることにより、ダイボンド層3と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
これにより、ダイシングダイボンドフィルムを用いて、前記金属層付の半導体ウェハをダイシングした後に、チップ飛びが生じることをより一層抑制することができる。
なお、前記チオール基含有化合物の含有割合は、ダイボンド層3を形成する組成物における含有比率を意味する。
前記導電性粒子は、銀粒子を含んでいることが好ましい。
前記銀粒子の形状としては、例えば、フレーク状、針状、フィラメント状、球状、扁平状(鱗片状を含む)のものを用いることができる。
前記銀粒子は、体積平均粒子径D50が、0.01μm以上であることが好ましく、0.1μm以上であることがより好ましく、0.5μm以上であることが特に好ましい。
前記銀粒子の体積平均粒子径D50が0.01μm以上であることにより、前記ダイボンド層中に前記銀粒子が比較的分散され易くなることに加えて、前記銀粒子の比表面積が過度に大きくなることにより、前記銀粒子の表面が酸化され易くなることを抑制して、前記銀粒子に十分な導電性を確保することができる。
前記銀粒子の体積平均粒子径D50が0.1μm以上であることにより、前記ダイボンド層中に前記銀粒子がより一層分散され易くなることに加えて、前記銀粒子の導電性をより一層確保することができる。
前記銀粒子の体積平均粒子径D50が0.5μm以上であることにより、前記ダイボンド層中に前記銀粒子がさらに一層分散され易くなることに加えて、前記銀粒子の導電性をさらに一層確保することができる。
また、前記銀粒子は、体積平均粒子径D50が、10μm以下であることが好ましく、5μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが特に好ましい。
前記銀粒子の体積平均粒子径D50が10μm以下であることにより、前記熱硬化性樹脂を硬化させる程度の温度(例えば、200℃)で、前記銀粒子の外表面を焼結可能な程度まで溶融させることができる。
前記銀粒子の体積平均粒子径D50が5μm以下であることにより、前記熱硬化性樹脂を硬化させる程度の温度で、前記銀粒子の外表面を焼結可能な程度まで、より容易に溶融させることができる。
前記銀粒子の体積平均粒子径D50が1μm以下であることにより、前記熱硬化性樹脂を硬化させる程度の温度で、前記銀粒子の外表面を焼結可能な程度まで、さらに容易に溶融させることができる。
さらに、前記導電性粒子は、体積平均粒子径D50が、0.01μm以上10μm以下であることが好ましく、0.1μm以上5μm以下であることがより好ましく、0.5μm以上1μm以下であることが特に好ましい。
前記銀粒子の体積平均粒子径D50は、例えば、レーザ回折・散乱式流粒度測定装置(マイクロトラック・ベル社製、マイクロトラックMT3000IIシリーズ)を用いて、体積基準にて測定することができる。
前記銀粒子は、銀元素及び不可避的不純物元素として含まれる他の元素(金属元素など)で構成された銀粒子であってもよいし、表面処理(例えば、シランカップリング処理)が施された銀粒子であってもよい。銀粒子の表面処理剤としては、脂肪酸系やアミン系、エポキシ系などの被覆剤が挙げられる。脂肪酸系被覆剤で表面処理された銀粒子の市販品としては、DOWAエレクトロニクス社製のAG-2-8F等が挙げられる。
なお、以下では、脂肪酸系やアミン系、エポキシ系などの被覆剤で表面処理された銀粒子のことを被覆剤処理銀粒子と称することがある。
本実施形態に係るダイボンド層では、前記銀粒子として、被覆剤処理銀粒子を用いることが好ましい。前記銀粒子として被覆剤処理銀粒子を用いることにより、前記に含まれる樹脂成分(熱硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂)との親和性を高めることができるので、前記銀粒子は、前記ダイボンド層中に分散され易くなる。
前記導電性粒子は、銀粒子以外に、ニッケル粒子、銅粒子、アルミニウム粒子、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、コア(核)となる金属粒子の表面を金または銀等の金属でメッキした粒子(以下、メッキ金属粒子ともいう)、及び、コア(核)となる樹脂粒子の表面を金属で被覆した粒子(以下、金属被覆樹脂粒子ともいう)等を含んでいてもよい。これらの導電性粒子は、一種のみが用いられてもよいし、二種以上が組み合わされて用いられてもよい。
メッキ金属粒子としては、例えば、ニッケル粒子又は銅粒子を核とし、その核の表面を金や銀等の金属でメッキした粒子を用いることができる。
金属被覆樹脂粒子としては、例えば、樹脂粒子を核とし、その核の表面を、ニッケルや金等の金属で被覆した粒子を用いることができる。
本実施形態に係るダイボンド層が銀粒子以外の導電性粒子を含む場合、その導電性粒子としては、メッキ金属粒子を用いることが好ましく、メッキ金属粒子としては、銅粒子を核とし、その核の表面を銀でメッキした粒子(銀被覆銅粒子)を用いることが好ましい。銀被覆銅粒子の市販品としては、三井金属鉱業社製の商品名1200YP(銅粒子)に銀粒子を20質量%コートしたもの、三井金属鉱業社製の商品名MA-C03K(銅粒子)に銀粒子を20質量%コートしたもの、DOWAエレクトロニクス社製の商品名AOP-TCY-2(EN)などが挙げられる。
本実施形態に係るダイボンド層が銀粒子以外の導電性粒子を含む場合、導電性粒子の100質量%に占める銀粒子の質量%は、10質量%以上95質量%以下であることが好ましく、20質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
銀粒子以外の導電性粒子の形状としては、例えば、フレーク状、針状、フィラメント状、球状、扁平状(鱗片状を含む)のものを用いることができる。
銀粒子以外の導電性粒子として、球状のものを用いることにより、ダイボンド層中において、銀粒子以外の導電性粒子の分散性を高めることができる。
銀粒子以外の導電性粒子は、体積平均粒子径D50が、0.01μm以上であることが好ましく、0.5μm以上であることがより好ましく、1.5μm以上であることが特に好ましい。
また、銀粒子以外の導電性粒子は、体積平均粒子径D50が、20μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましく、5μm以下であることが特に好ましい。
さらに、銀粒子以外の導電性粒子は、体積平均粒子径D50が、0.01μm以上20μm以下であることが好ましく、0.5μm以上10μm以下であることがより好ましく、1.5μm以上5μm以下であることが特に好ましい。
銀粒子以外の導電性粒子の体積平均粒子径D50も、上述した銀粒子の体積平均粒子径D50と同様にして測定することができる。
ダイボンド層3は、樹脂成分の硬化反応を充分に進行させたり、硬化反応速度を高めたりする観点から、熱硬化触媒を含有していてもよい。熱硬化触媒としては、例えば、イミダゾール系化合物、トリフェニルフォスフィン系化合物、アミン系化合物、およびトリハロゲンボラン系化合物が挙げられる。
本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20では、ダイボンド層3は、一方面に金属層を備えるシリコンウェハの前記金属層に取り付けられた状態において、前記金属層に対する室温での引き剥がし力が0.5N/10mm以上であることが好ましく、0.7N/10mm以上であることがより好ましい。
前記金属層に対する室温での引き剥がし力が0.5N/10mm以上であることにより、ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
これにより、ダイシングダイボンドフィルムを用いて、前記金属層付の半導体ウェハをダイシングした後に、チップ飛びが生じることをより一層抑制することができる。
また、前記金属層に対する室温での引き剥がし力は、15N/10mm以下であってもよい。
なお、本明細書において、室温とは、23±2℃の温度を意味する。
前記金属層に対する室温での引き剥がし力は、引張試験機(商品名:オートグラフAG-X、島津製作所製)を用い、室温、剥離角度180°、および引張速度300mm/minの条件での剥離試験により測定することができる。
具体的には、以下のようにして測定することができる。

(1)一方面に金属層を備えるシリコンウェハ(金属層付のシリコンウェハ)の前記金属層が備えられた面に、ダイボンド層を重ね合わせて積層体を得る。なお、前記シリコンウェハはベアウェハである。
(2)該積層体を70℃に加温したホットプレート上に配する。なお、前記積層体は、前記金属層付のシリコンウェアの金属層が備えられていない面がホットプレートの表面と当接するように配する。
(3)圧着ローラ(ローラ質量は2kg)を用いて、前記積層体をプレスすることにより、前記金属層付のシリコンウェハと前記ダイボンド層とを貼り合せた状態とし、ホットプレート上に2分間放置する。
(4)放置した前記積層体をホットプレートから取り出し、室温(23±2℃)にて20分間放置することにより試験体を得る。
(5)前記試験体について、上記の引張試験機を用いて、上記の条件にて剥離試験を行うことにより、前記金属層に対する室温での引き剥がし力を測定する。
本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20では、ダイボンド層3中における前記導電性粒子の粒子充填率Pが70質量%以上95質量%以下であり、150℃におけるダイボンド層3の粘度が30kPa・s以上であることが好ましい。
粒子充填率Pが上記数値範囲を満たし、かつ、150℃におけるダイボンド層3の粘度が上記数値範囲を満たすことにより、ダイボンド層と金属層付の半導体ウェハとの密着性をより一層向上させることができる。
これにより、ダイシングダイボンドフィルムを用いて、前記金属層付の半導体ウェハをダイシングした後に、チップ飛びが生じることをより一層抑制することができる。
ダイボンド層3中における前記導電性粒子の粒子充填率Pは75質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましい。
また、ダイボンド層3中における前記導電性粒子の粒子充填率Pは90質量%以下であることがより好ましく、85質量%以下であることがさらに好ましい。
なお、ダイボンド層3中における前記導電性粒子の粒子充填率は、ダイボンド層3を形成する組成物における前記導電性粒子の含有比率を意味し、ダイボンド層3を形成する組成物が溶媒(例えば、メチルエチルケトン(MEK)など)を含んでいる場合には、前記溶媒を除外した組成物における前記導電性粒子の含有比率を意味する。
さらに、150℃におけるダイボンド層3の粘度は、40kPa・s以上であることがより好ましく、50kPa・s以上であることがさらに好ましい。
また、150℃におけるダイボンド層3の粘度は、500kPa・s以下であることがより好ましく、400kPa・s以下であることがさらに好ましい。
150℃におけるダイボンド層3の粘度は、レオメータ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、回転式レオメータ、HAAKE MARS)を用いて評価することができる。具体的には、サンプルサイズ8mmφ、Gap250μm、歪み0.1%、及び、昇温速度10℃/minという条件にて、30℃から180℃まで昇温させたときに、150℃の指示値を読み取ることにより得ることができる。
本実施形態に係るダイシングダイボンドフィルム20において、ダイボンド層3の厚さは、5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、ダイボンド層3の厚さは、150μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましく、80μm以下であることがさらに好ましい。
ダイボンド層3の厚さが150μm以下であることにより、熱伝導性をより向上させることができる。
ダイボンド層3の厚さは、例えば、ダイアルゲージ(PEACOCK社製、型式R-205)を用いて、ランダムに選んだ任意の5点の厚さを測定し、これらの厚さを算術平均することにより求めることができる。
ダイボンド層3は、必要に応じて、1種又は2種以上の他の成分を含有してもよい。他の成分としては、例えば、フィラー分散剤、難燃剤、シランカップリング剤、およびイオントラップ剤が挙げられる。
基材層1は、粘着剤層2と、粘着剤層2上に積層されたダイボンド層3とを支持する。基材層1は樹脂を含む。樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン-プロピレン共重合体等のオレフィン系樹脂;エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマー樹脂、エチレン-(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン-(メタ)アクリル酸エステル(ランダム、交互)共重合体等のエチレンをモノマー成分とする共重合体;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル;アクリル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);ポリウレタン;ポリカーボネート;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);ポリイミド;ポリエーテルイミド;ポリ塩化ビニリデン;ABS(アクリロニトリル-ブタジエン-スチレン共重合体);セルロース系樹脂;シリコーン樹脂;フッ素樹脂等が挙げられる。
これらの中でも、ポリエチレンを含むことが好ましい。
基材層1は、前記した樹脂を1種含むものであってもよいし、前記した樹脂を2種以上含むものであってもよい。
基材層1の材料としては、前記樹脂の架橋体等のポリマー(例えば、プラスチックフィルム)が挙げられる。前記プラスチックフィルムは、無延伸で用いてもよく、必要に応じて一軸又は二軸の延伸処理を施したものを用いてもよい。延伸処理等により熱収縮性を付与した樹脂シートによれば、ダイシング後に、その基材層1を熱収縮させることにより、粘着剤層2とダイボンド層3との接着面積を低下させて、半導体チップ(半導体素子)の回収の容易化を図ることができる。
基材層1の表面には、隣接する層との密着性、保持性等を高めるために、一般的な表面処理を施してもよい。このような表面処理としては、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的または物理的処理、下塗剤によるコーティング処理等が挙げられる。
基材層1の厚さは、1μm以上1000μm以下であることが好ましく、10μm以上500μm以下であることがより好ましく、20μm以上300μm以下であることがさらに好ましく、30μm以上200μm以下であること特に好ましい。
基材層1の厚さは、上記したダイボンド層3の厚さと同様にダイアルゲージ(PEACOCK社製、型式R-205)を用いて求めることができる。
基材層1は、各種添加剤を含んでいてもよい。各種添加剤としては、例えば、着色剤、充填剤、可塑剤、老化防止剤、酸化防止剤、界面活性剤、難燃剤等が挙げられる。
粘着剤層2の形成に用いる粘着剤としては特に限定されず、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の一般的な感圧性粘着剤を用いることができる。前記感圧性粘着剤としては、半導体ウェハやガラス等の汚染をきらう電子部品の超純水やアルコール等の有機溶媒による清浄洗浄性等の点から、アクリル系ポリマーをベースポリマーとするアクリル系粘着剤が好ましい。
前記アクリル系ポリマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル及び(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルの1種又は2種以上を単量体成分として用いたアクリル系ポリマー等が挙げられる。(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、メチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、イソプロピルエステル、ブチルエステル、イソブチルエステル、s-ブチルエステル、t-ブチルエステル、ペンチルエステル、イソペンチルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル、オクチルエステル、2-エチルヘキシルエステル、イソオクチルエステル、ノニルエステル、デシルエステル、イソデシルエステル、ウンデシルエステル、ドデシルエステル、トリデシルエステル、テトラデシルエステル、ヘキサデシルエステル、オクタデシルエステル、エイコシルエステル等のアルキル基の炭素数1~30、特に、炭素数4~18の直鎖状又は分岐鎖状のアルキルエステル等を用いることができる。(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルとしては、例えば、シクロペンチルエステル、シクロヘキシルエステル等を用いることができる。
なお、(メタ)アクリル酸エステルとは、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの少なくとも一方を意味し、本発明の(メタ)は全て前記した内容と同様の内容を意味する。
前記アクリル系ポリマーは、凝集力、耐熱性等の改質を目的として、必要に応じ、前記(メタ)アクリル酸アルキルエステル又は(メタ)アクリル酸シクロアルキルエステルと共重合可能な他のモノマー成分に対応する単位を含んでいてもよい。このようなモノマー成分として、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、カルボキシエチル(メタ)アクリレート、カルボキシペンチル(メタ)アクリレート、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等のカルボキシル含有モノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の酸無水物モノマー;(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4-ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6-ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8-ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10-ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12-ヒドロキシラウリル、(4-ヒドロキシメチルシクロヘキシル)メチル(メタ)アクリレート等のヒドロキシ基含有モノマー;スチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、2-(メタ)アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸、スルホプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシナフタレンスルホン酸等のスルホン酸含有モノマー;2-ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート等のリン酸基含有モノマー;アクリルアミド、アクリロニトリル等が挙げられる。これら共重合可能なモノマー成分は、1種又は2種以上使用できる。これら共重合可能なモノマーの使用量は、全モノマー成分の40質量%以下が好ましい。
更に、前記アクリル系ポリマーは、架橋させるため、必要に応じて、多官能性モノマー等も共重合用モノマー成分として含むことができる。このような多官能性モノマーとして、例えば、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの多官能性モノマーも1種又は2種以上用いることができる。多官能性モノマーの使用量は、粘着特性等の点から、全モノマー成分の30質量%以下が好ましい。
前記アクリル系ポリマーは、単一モノマー又は2種以上のモノマー混合物を重合することにより得ることができる。重合は、溶液重合、乳化重合、塊状重合、懸濁重合等のいずれの方法で行ってもよい。清浄な被着体への汚染防止等の点から、低分子量物質の含有量が小さい方が好ましい。この点から、アクリル系ポリマーの数平均分子量は、30万以上であることが好ましく、40万~300万程度であることがより好ましい。
また、前記粘着剤には、ベースポリマーであるアクリル系ポリマー等の数平均分子量を高めるために、外部架橋剤を適宜添加することができる。外部架橋方法の具体的手段としては、ポリイソシアネート化合物、エポキシ化合物、アジリジン化合物、メラミン系架橋剤等の架橋剤を添加して反応させる方法が挙げられる。外部架橋剤を使用する場合、その使用量は、架橋すべきベースポリマーとのバランス及び粘着剤としての使用用途を考慮して、適宜決定される。一般的には、外部架橋剤は、前記ベースポリマー100質量部に対して、5質量部程度以下配合することが好ましく、0.1~5質量部配合することがより好ましい。
粘着剤は、前記成分の他に、必要に応じて、各種公知の粘着付与剤、老化防止剤等の添加剤を含んでいてもよい。
粘着剤層2は放射線硬化型粘着剤により形成することができる。放射線硬化型粘着剤は、紫外線等の放射線の照射により架橋度を増大させて、その粘着力を容易に低下させることができる。すなわち、粘着剤層2を放射線硬化型粘着剤により形成することにより、ダイシング前においては、粘着剤層2放射線を照射せずにダイボンド層3を粘着剤層2に十分に接着させておき、ダイシング後においては、粘着剤層2に放射線を照射して粘着剤層2の粘着力を低下させることにより、半導体チップ(半導体素子)を容易にピックアップ(回収)することができる。
放射線硬化型粘着剤は、炭素-炭素二重結合等の放射線硬化性の官能基を有し、かつ、粘着性を示すものであれば、特に制限なく使用することができる。放射線硬化型粘着剤としては、例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤等の一般的な感圧性粘着剤に、放射線硬化性のモノマー成分やオリゴマー成分を配合した添加型の放射線硬化型粘着剤が挙げられる。
前記放射線硬化性のモノマー成分としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリストールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリストールモノヒドロキシペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。また、前記放射線硬化性のオリゴマー成分としては、ウレタン系、ポリエーテル系、ポリエステル系、ポリカーボネート系、ポリブタジエン系等の種々のオリゴマーが挙げられ、その分子量が100~30000程度の範囲のものが好適である。前記放射線硬化性のモノマー成分や前記放射線硬化性のオリゴマー成分の配合量は、放射線照射後に、粘着剤層2の粘着力を好適に低下できる量とすることが好ましい。一般的には、前記放射線硬化性のモノマー成分や前記放射線硬化性のオリゴマー成分の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100質量部に対して、例えば、5~500質量部であることが好ましく、40~150質量部であることがより好ましい。
また、放射線硬化型粘着剤としては、上記した添加型の放射線硬化型粘着剤の他に、ベースポリマーとして、炭素-炭素二重結合をポリマー側鎖または主鎖中もしくは主鎖末端に有するものを用いた内在型の放射線硬化型粘着剤が挙げられる。前記内在型の放射線硬化型粘着剤は、低分子成分であるオリゴマー成分等を含有する必要がなく、または、前記オリゴマー成分等の含有量が比較的少ない。そのため、前記内在型の放射線硬化側粘着剤を用いた場合には、経時的に前記オリゴマー成分等が粘着剤層2中を移動することが抑制される。その結果、粘着剤層2を比較的安定した層構造を有するものとすることができる。
前記炭素-炭素二重結合を有するベースポリマーは、炭素-炭素二重結合を有し、かつ、粘着性を有するものであれば、特に制限なく使用することができる。このようなベースポリマーとしては、アクリル系ポリマーを基本骨格とするものが好ましい。アクリル系ポリマーの基本骨格としては、上記したアクリル系ポリマーが挙げられる。
前記アクリル系ポリマーへの炭素-炭素二重結合の導入法は特に制限されず、種々の方法を採用することができるものの、炭素-炭素二重結合をポリマー側鎖に導入する方法を採用すると、分子設計が容易となる。例えば、予め、アクリル系ポリマーに官能基を有するモノマーを共重合させた後、この官能基と反応し得る官能基及び炭素-炭素二重結合を有する化合物を、炭素-炭素二重結合の放射線硬化性を維持した状態で、縮合反応または付加反応させる方法が挙げられる。
これら官能基の組み合わせの例としては、カルボン酸基とエポキシ基、カルボン酸基とアジリジル基、ヒドロキシル基とイソシアネート基等が挙げられる。これら官能基の組み合わせの中でも、反応追跡の容易さの点から、ヒドロキシ基とイソシアネート基との組み合わせが好適である。また、これら官能基の組み合わせは、前記炭素-炭素二重結合を有するアクリル系ポリマーを生成するような組み合わせであれば、いずれの官能基がアクリル系ポリマー側または前記炭素-炭素二重結合を有する化合物側にあってもよいが、上記の好ましい組み合わせの場合、アクリル系ポリマーがヒドロキシ基を有し、前記炭素-炭素二重結合を有する化合物がイソシアネート基を有することが好適である。この場合、炭素-炭素結合を有するイソシアネート化合物としては、例えば、メタクリロイルイソシアネート、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート、m-イソプロペニル-α,α-ジメチルベンジルイソシアネート等が挙げられる。また、アクリル系ポリマーとしては、上記したヒドロキシ基含有モノマーや2-ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテルのエーテル系化合物等を共重合したものが用いられる。
前記内在型の放射線硬化型粘着剤は、前記炭素-炭素二重結合を有するベースポリマー(特に、アクリル系ポリマー)を単独で使用することができるが、特性を悪化させない程度に前記放射線硬化性のモノマー成分や前記放射線硬化性のオリゴマー成分を配合することもできる。前記放射線硬化性のオリゴマー成分等は、通常、ベースポリマー100質量部に対して30質量部以下の範囲で含まれており、1~10質量部以下の範囲で含まれていることが好ましい。
前記放射線硬化型粘着剤には、紫外線等により硬化させる場合には光重合開始剤を含有させる。光重合開始剤としては、例えば、4-(2-ヒドロキシエトキシ)フェニル(2-ヒドロキシ-2-プロピル)ケトン、α-ヒドロキシ-α,α’-ジメチルアセトフェノン、2-メチル-ヒドロキシプロピオフェノン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン等のα-ケトール系化合物;メトキシアセトフェノン、2,2-ジメトキシ-2-フェニルアセトフェノン、2,2-ジエトキシアセトフェノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)-フェニル]-2-モルホリノプロパン-1等のアセトフェノン系化合物;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、アニソインメチルエーテル等のベンゾインエーテ系化合物;ベンジルジメチルケタール等のケタール系化合物;2-ナフタレンスルホニルクロリド等の芳香族スルホニルクロリド系化合物;1-フェノン-1,1-プロパンジオン-2-(o-エトキシカルボニル)オキシム等の光活性オキシム系化合物;ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3,3’-ジメチル-4-メトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物;チオキサンソン、2-クロロチオキサンソン、2-メチルチオキサンソン、2,4-ジメチルチオキサンソン、イソプロピルチオキサンソン、2,4-ジクロロチオキサンソン、2,4-ジエチルチオキサンソン、2,4-ジイソプロピルチオキサンソン等のチオキサンソン系化合物;カンファーキノン;ハロゲン化ケトン;アシルホスフィノキシド;アシルホスフォナート等が挙げられる。光重合開始剤の配合量は、粘着剤を構成するアクリル系ポリマー等のベースポリマー100質量部に対して、例えば、0.05~20質量部である。
また、放射線硬化型粘着剤としては、例えば、特開昭60-196956号公報に開示されている、不飽和結合を2個以上有する付加重合性化合物、エポキシ基を有するアルコキシシラン等の光重合性化合物と、カルボニル化合物、有機硫黄化合物、過酸化物、アミン、オニウム塩系化合物等の光重合開始剤とを含有するゴム系粘着剤やアクリル系粘着剤等が挙げられる。
放射線照射の際に、酸素による硬化阻害が生じる場合には、放射線硬化型の粘着剤層2の表面について何らかの方法で酸素(空気)を遮断することが望ましい。例えば、前記粘着剤層2の表面をセパレータで被覆する方法や、窒素ガス雰囲気中で紫外線等の放射線の照射を行う方法等が挙げられる。
粘着剤層2の厚さは、特に限定されないが、チップ切断面の欠け防止と、ダイボンド層3の固定保持性とを両立させる点から、1~50μmであることが好ましく、2~30μmであることがより好ましく、5~25μmであることがさらに好ましい。
なお、本発明に係る、ダイシングダイボンドフィルムは、前記実施形態に限定されるものではない。また、本発明に係るダイシングダイボンドフィルムは、前記した作用効果によって限定されるものでもない。本発明に係るダイシングダイボンドフィルムは、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
次に、実施例を挙げて本発明についてさらに具体的に説明する。以下の実施例は本発明をさらに詳しく説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
[実施例1]
ハイブリッドミキサー(株式会社キーエンス製、商品名:HM-500)を用いて、以下の表1の実施例1の項に示した質量割合で各材料を含む混合物を“撹拌モード”で撹拌混合して、ワニスを調製した。
前記ハイブリッドミキサーによる撹拌混合は、2段階に分けて行った。具体的には、まず、熱硬化性樹脂(フェノール樹脂、固形エポキシ樹脂、及び、液状エポキシ樹脂)と、導電性粒子(銀被覆銅粒子及び銀粒子)と、チオール基含有化合物とを含む一次配合物を3分間撹拌混合(一次撹拌)し、次に、前記一次配合物に、熱可塑性樹脂(アクリル樹脂溶液)と、触媒と、溶剤(メチルエチルケトン(MEK))とを加えてさらに6分間撹拌混合(二次撹拌)することにより行った。
このワニスを離型処理フィルム(三菱ケミカル株式会社製、商品名:MRA50、厚さ50μm)の一方面に塗布した後に、温度100℃で2分間乾燥させて、厚さ30μmのダイボンド層を得た。
なお、以下の表1に示した各材料としては、以下のものを用いた。

・フェノール樹脂
明和化成社製のMEHC-7851S(ビフェニル型フェノール樹脂、フェノール当量209g/eq)
・固体エポキシ樹脂
新日鉄住金化学社製のKI-3000-4(クレゾールノボラック型多官能エポキシ樹脂、エポキシ当量200g/eq)
・液状エポキシ樹脂
DIC社製のEXA-4816(脂肪族変性ビスフェノールA型エポキシ樹脂(2官能型)、エポキシ当量403g/eq)
・銀(Ag)被覆銅(Cu)粒子
三井金属鉱業社製の1200YPに銀粒子を10質量%コートしたもの(エポキシ系被覆材で表面処理したもの。粒子形状は扁平状。体積平均粒子径D50は3.5μm。アスペクト比は10)
・銀(Ag)粒子
三井金属鉱業社製のSPH02J(凝集ナノAg粒子、不定形、凝集体の体積平均粒子径D50は1.8μm)
・チオール基含有化合物
SC有機化学社製のPEMP(4官能チオール化合物)
・アクリル樹脂溶液
ナガセケムテックス社製のテイサンレジンSG-70L(溶剤としてMEK及びトルエンを含有、固形分12.5%、ガラス転移温度-13℃、質量平均分子量90万、酸価5mg/KOH、カルボキシル基含有アクリル共重合体)
・触媒
北興化学工業社製のTPP-MK(テトラフェニルホスホニウムテトラ(4-メチルフェニル)ボレート)
・溶剤
メチルエチルケトン(MEK)
[実施例2]
チオール基含有化合物をSC有機化学社製のPEPT(3官能チオール化合物)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2に係るダイボンド層を得た。
実施例2のダイボンド層を形成するために用いたワニスに含まれる各材料の質量割合について、以下の表1に示した。
[実施例3]
チオール基含有化合物をSC有機化学社製のEGMP-4(2官能チオール化合物)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3に係るダイボンド層を得た。
実施例3のダイボンド層を形成するために用いたワニスに含まれる各材料の質量割合について、以下の表1に示した。
[実施例4]
チオール基含有化合物をSC有機化学社製のDPMP(6官能チオール化合物)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例4に係るダイボンド層を得た。
実施例4のダイボンド層を形成するために用いたワニスに含まれる各材料の質量割合について、以下の表1に示した。
[実施例5]
チオール基含有化合物をSC有機化学社製のTMMP(3官能チオール化合物)とし、一次配合物に溶剤であるメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え、信越化学工業社製のKBE-846(ビス(トリエトキシシリルプロピル))テトラスルフィド)をカップリング剤として加えて二次撹拌を行い、ワニスに含まれる各材料の質量割合を下記表1に示したようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例5に係るダイボンド層を得た。
[実施例6]
チオール基含有化合物をSC有機化学社製のTMMP(3官能チオール化合物)とし、一次配合物に溶剤であるメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え、信越化学工業社製のKBE-846(ビス(トリエトキシシリルプロピル))テトラスルフィド)をカップリング剤として加えて二次撹拌を行い、ワニスに含まれる各材料の質量割合を下記表1に示したようにした以外は、実施例1と同様にして、実施例6に係るダイボンド層を得た。
[比較例1]
チオール基含有化合物をSC有機化学社製のTMMP(3官能チオール化合物)とし、一次配合物に溶剤であるメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え、信越化学工業社製のKBE-846(ビス(トリエトキシシリルプロピル))テトラスルフィド)をカップリング剤として加えて二次撹拌を行い、ワニスに含まれる各材料の質量割合を下記表1に示したようにした以外は、実施例1と同様にして、比較例1に係るダイボンド層を得た。
[比較例2]
チオール基含有化合物を加えず、一次配合物に溶剤であるメチルイソブチルケトン(MIBK)を加え、信越化学工業社製のKBE-846(ビス(トリエトキシシリルプロピル))テトラスルフィド)をカップリング剤として加えて二次撹拌を行い、ワニスに含まれる各材料の質量割合を下記表1に示したようにした以外は、実施例1と同様にして、比較例2に係るダイボンド層を得た。
Figure 2022080836000002
<ダイボンド層の150℃における粘度>
各例に係るダイボンド層の150℃における粘度は、レオメータ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製、回転式レオメータ、HAAKE MARS)を用いて評価した。具体的には、昇温速度10℃/minにて、30℃から180℃まで昇温させたときに、150℃の指示値を読み取ることにより行った。
各例に係るダイボンド層について、150℃における粘度を求めた結果を、以下の表2に示した。
<ダイボンド層の形状維持性(シート成膜性)の評価>
ダイボンド層の形状維持性について評価した。
具体的には、各例に係るワニスを離型処理フィルムの一方面にアプリケータを用いて塗布したときにシート状に成膜できている否かを目視で観察することにより評価した。
そして、シート状に十分に成膜できているもの(ワニスが塗布された離型処理フィルムを傾けたときに、シート状態を維持できているもの)を〇と評価し、シート状に成膜できていないもの(ワニスが塗布された離型フィルムを傾けたときに、シート状態を維持できていないもの)を×と評価した。
各例に係るダイボンド層について、ダイボンド層の形状維持性を評価した結果を、以下の表2に示した。
<金属層に対する室温での引き剥がし力>
各例に係るダイボンド層について、一方面に金属層を備えるシリコンウェハ(金属層付のベアウェハ。金属層は、銀メッキされることにより形成されている。)に対する室温(23±2℃)での引き剥がし力を測定した。
金属層付のベアウェハに対する室温での引き剥がし力は、引張試験機(商品名:オートグラフAG-X、島津製作所製)を用い、室温、剥離角度180°、および、引張速度300mm/minでの剥離試験により測定した。
具体的には、以下のようにして測定した。

(1)金属層付のベアウェハの前記金属層が備えられた面に、ダイボンド層を重ね合わせて積層体を得る。
(2)該積層体を70℃に加温したホットプレート上に配する。なお、前記積層体は、前記金属層付のベアウェハの金属層が備えなれていない面がホットプレートの表面と当接するように配する。
(3)圧着ローラ(ローラ質量は2kg)を用いて、前記積層体をプレスすることにより、前記金属層付のベアウェハと前記ダイボンド層とを貼り合せた状態とし、ホットプレート上に2分間放置する。
(4)放置した前記積層体をホットプレートから取り出し、室温(23±2℃)にて20分間放置することにより試験体を得る。
(5)前記試験体について、上記の引張試験機を用いて、上記の条件にて剥離試験を行うことにより、前記金属層に対する室温での引き剥がし力を測定する。
各例に係るダイボンド層について、金属層付のベアウェハに対する引き剥がし力を測定した結果を、以下の表2に示した。
<ダイシング中の剥離性>
ダイシング中の剥離性の評価は、ダイシングテープの粘着剤層上にダイボンド層が積層されたダイシングダイボンドフィルムと、金属層付のベアウェハ(金属層は、銀メッキされることにより形成されている。)とを用いて行った。
詳しくは、以下の手順にしたがって行った。

(1)押圧手段(圧着ロール)を用いて、前記ダイボンド層上に、厚み100μm、直径8インチ(200mm)の金属層付のベアウェハを押圧しながら貼着させる。なお、金属層付のベアウェハは、金属層が前記ダイボンド層と当接するように押圧しながら貼着させる。
(2)フルオートダイシングソー(DISCO社製、FULLY AUTOMATIC DICING SAW、DFD6361)を用い、スピンドル回転数:45000rpm(min-1)、送り速度:30mm/s、ピッチ:5mmという条件で、前記ダイボンド層及び前記金属層付のベアウェハについてブレードダイシングを行って、金属層付のベアチップが積層された複数のダイボンド層を得る。このとき、金属層付のベアチップが実用上問題となるレベルでダイボンド層から剥離しているものが認められない場合には、ダイシング中の剥離性を〇とし、金属層付のベアチップが実用上問題となるレベルで剥離しているもの(チップ飛びが生じているもの)が一つでも認められれば、ダイシング中の剥離性を×とする。
なお、前記粘着剤層、ダイシングテープ及びダイシングダイボンドフィルムは、以下のようにして作製した。
(粘着剤層の作製)
アクリルポリマーの合成
冷却管、窒素導入管、温度計、及び、撹拌装置を備えた反応容器内に、モノマー濃度が約55質量%となるように、下記原料を入れ、窒素気流下で60℃にて10時間重合反応を行った。これにより、アクリルポリマー中間体を合成した。
・2-エチルヘキシルアクリレート(2HEA):100質量部
・2-ヒドロキシエチルアクリレート(HEA):20質量部
・重合開始剤:適量
・重合溶媒:トルエン
合成したアクリルポリマー中間体100質量部と、2-メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(MOI)1.4質量部とを、ジブチル錫ジラウリレート(0.1質量部)の存在下において、空気気流中で50℃にて60時間付加反応を行って、アクリルポリマーを合成した。
粘着剤層の作製
(1)下記の原料を含む溶液を得て、該溶液に適宜トルエンを加えることによって、粘度が500mPa・sの粘着剤溶液を調製する。
・合成したアクリルポリマー:100質量部
・ポリイソシアネート化合物
(日本ポリウレタン社製、商品名「コロネートL」):1.1質量部
・光重合開始剤
(チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製、商品名「イルガキュア184」):3質量部
(2)剥離シートとして、PET系フィルムを用意する。その剥離シートの片面に、アプリケータを使用して上記のごとく調製した粘着剤溶液を塗布する。なお、剥離シート(PET系フィルム)の上記片面には、離型処理としてシリコーン処理が施されている。塗布後、120℃で2分間加熱することにより乾燥処理を施し、厚さ30μmの粘着剤層を前記剥離シート上に作製する。
(ダイシングテープ及びダイシングダイボンドフィルムの作製)
ダイシングテープの作製
ラミネータを使用して、剥離シート上に作製した粘着剤層の露出面に、厚さ80μmのポリエチレンフィルムからなる支持基材を室温にて貼り合せて、ダイシングテープを作製した。
なお、ダイシングテープの粘着剤層のうち、直径8インチの金属層付のベアウェハの貼り付け予定部分に紫外線を強度300mJ/cmで照射して、前記貼り付け予定部分を紫外線硬化させた。
ダイシングダイボンドフィルムの作製
紫外線硬化させた後の前記ダイシングテープの粘着剤層上に、剥離シートの積層側と反対側の面が当接するように、ダイボンド層を配し、速度0.8mm/minでラミネータに通し、前記ダイシングテープに前記ダイボンド層を貼り合せた後、前記剥離シートを取り除くことによって、前記ダイシングテープに前記ダイボンド層が積層されたダイシングダイボンドフィルムを作製した。
各例に係るダイボンド層について、ダイシング中の剥離性を評価した結果を以下の表2に示した。
Figure 2022080836000003
表2より、各実施例に係るダイボンド層は、ダイシング中の剥離性の評価がいずれも〇であったのに対し、各比較例に係るダイボンド層は、ダイシング中の剥離性がいずれも×であることが分かる。
この結果から、ダイボンド層を、マトリックス樹脂と、チオール基含有化合物と、導電性粒子とを含むものとすることにより、金属層付の半導体チップに取り付けた状態でのダイシングにおいて、チップ飛びが生じることを抑制できることが分かる。
1 基材層
2 粘着剤層
3 ダイボンド層
10 ダイシングテープ
20 ダイシングダイボンドフィルム

Claims (5)

  1. 基材層上に粘着剤層が積層されたダイシングテープと、
    該ダイシングテープの粘着剤層上に積層されたダイボンド層と、を備え、
    前記ダイボンド層は、マトリックス樹脂と、チオール基含有化合物と、導電性粒子と、を含む
    ダイシングダイボンドフィルム。
  2. 前記チオール基含有化合物は、2以上のチオール基を有する多官能チオール化合物である
    請求項1に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  3. 前記ダイボンド層は、前記チオール基含有化合物を0.1質量%以上30質量%以下含んでいる
    請求項1または2に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  4. 前記ダイボンド層は、一方面に金属層を備えるシリコンウェハの前記金属層に取り付けられた状態において、前記金属層に対する室温での引き剥がし力が0.5N/10mm以上である
    請求項1乃至3のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドフィルム。
  5. 前記ダイボンド層中における前記導電性粒子の粒子充填率Pが70質量%以上95質量%以下であり、
    150℃における前記ダイボンド層の粘度が30kPa・s以上である
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載のダイシングダイボンドフィルム。
JP2021142373A 2020-11-18 2021-09-01 ダイシングダイボンドフィルム Pending JP2022080836A (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
TW110141490A TW202223021A (zh) 2020-11-18 2021-11-08 切晶黏晶膜
US17/523,237 US20220157637A1 (en) 2020-11-18 2021-11-10 Dicing die bonding film
CN202111331480.6A CN114517067A (zh) 2020-11-18 2021-11-11 切割芯片接合薄膜

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020191769 2020-11-18
JP2020191769 2020-11-18

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2022080836A true JP2022080836A (ja) 2022-05-30

Family

ID=81756977

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021142373A Pending JP2022080836A (ja) 2020-11-18 2021-09-01 ダイシングダイボンドフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2022080836A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6396189B2 (ja) 導電性フィルム状接着剤、フィルム状接着剤付きダイシングテープ及び半導体装置の製造方法
JP4994429B2 (ja) ダイシング・ダイボンドフィルム
JP5368502B2 (ja) ダイシング・ダイボンドフィルム
JP4628479B2 (ja) ダイシング・ダイボンドフィルム
WO2015105028A1 (ja) フィルム状接着剤、フィルム状接着剤付きダイシングテープ、半導体装置の製造方法、及び半導体装置
JP7190418B2 (ja) 熱硬化性シート及びダイシングダイボンドフィルム
EP3929258A1 (en) Thermosetting sheet and dicing die bonding film
JP7210421B2 (ja) 熱硬化性シート及びダイシングダイボンドフィルム
KR20160062692A (ko) 접착 시트, 다이싱 시트가 부착된 접착 시트 및 반도체 장치의 제조 방법
TW202229427A (zh) 熱固性片材、切晶黏晶膜、及半導體裝置
CN111748290A (zh) 带粘接薄膜的切割带
JP5601682B2 (ja) ダイボンド用接着フィルム、及びこれを用いた半導体装置
JP2022080836A (ja) ダイシングダイボンドフィルム
US20220157637A1 (en) Dicing die bonding film
JP2022007948A (ja) 熱硬化性シート及びダイシングダイボンドフィルム
JP2017092365A (ja) ダイシングテープ一体型接着シート、及び、半導体装置の製造方法
JP2020161571A (ja) ダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム
WO2015104987A1 (ja) 導電性フィルム状接着剤、半導体装置の製造方法、及び、半導体装置
WO2022264546A1 (ja) 導電性シート及びダイシングダイボンドフィルム
JP2010177699A (ja) ダイシング・ダイボンドフィルム
JP2023068799A (ja) 導電性接着剤、導電性シート、及び、ダイシングダイボンドフィルム
TW201724229A (zh) 切割膠帶一體型接著薄片
CN115141444A (zh) 热固性片以及切割芯片接合薄膜
JP2020141107A (ja) 半導体背面密着フィルムおよびダイシングテープ一体型半導体背面密着フィルム