以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、実施形態及び変形例に限定されない。この実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
(実施形態)
以下、本実施形態に係る洗濯機1、及び洗濯機1に用いられるケース2について、図1~図16を参照して説明する。以下では、図1に示す上下左右前後それぞれの方向を基準にして説明する。ただし、これらの方向は、説明の便宜上設定した方向であって、使用時の方向を規定するものではない。
本実施形態の洗濯機1は、筐体11と、上蓋12と、洗濯槽13と、ケース2と、を備えている。
筐体11は、角筒状に形成されており、内部に洗濯槽13、及びケース2を収容している。筐体11は、上面に開口部111が形成されている。ユーザは、開口部111を介して洗濯槽13に洗濯物の出し入れを行うことができる。
上蓋12は、筐体11の開口部111を開閉するように構成されている。上蓋12は、上蓋12の後端部313に設けられ左右方向に沿った回転軸を中心に回転することにより、筐体11の開口部111を開閉するように構成されている。
洗濯槽13は、円筒状に形成されており、上方が開口し、下方に底部を有する。洗濯槽13は、開口が筐体11の開口部111と上下方向に連続するように配置されている。洗濯槽13は、洗濯処理剤が水と共に投入される。洗濯処理剤は、例えば洗剤、柔軟剤等である。洗濯槽13の底部には、撹拌部が設けられている。撹拌部は、洗濯槽13に対して回転可能である。撹拌部は、回転することにより、例えば洗剤が水に溶けた洗剤水溶液と共に洗濯物を撹拌する。これにより、洗濯物が洗濯される。洗濯槽13に投入される洗濯処理剤は、ケース2に収容されている。
ケース2は、筐体11に設けられている。具体的には、ケース2は、筐体11のバックパネル112から露出するように設けられている。バックパネル112は、上下方向における筐体11の開口部111と洗濯槽13の開口との間に設けられている。バックパネル112は、上下方向及び左右方向に沿うように形成された一面が前方を向くように設けられている。
ケース2は、引出し型の容器であって、バックパネル112から前方に引出し可能に構成されている。ユーザは、バックパネル112からケース2を引き出すことによって、ケース2に洗濯処理剤を収容することができる。バックパネル112にケース2が収められている状態において、ケース2に収容された洗濯処理剤には、上方から水が供給される。これにより、ケース2に収容された洗濯処理剤は、水に溶けてケース2から排出され、水と共に洗濯槽13に投入される。
ここで、本開示における洗濯処理剤は、例えば、洗剤、柔軟剤、漂白剤等である。洗剤の種類として、液状の液体洗剤、粉状の粉洗剤がある。つまり、洗濯処理剤には、粉洗剤が含まれる。粉洗剤は、液体洗剤に比べて、水に溶けにくく、ケース2から排出されにくい性質を有している。本実施形態のケース2は、以下の構成を備えることにより、洗濯処理剤が粉洗剤であっても、洗濯処理剤の残留を抑制することができる。
図3に示すように、本実施形態のケース2は、本体部3と、給水部4と、底カバー5と、を備えている。
本体部3は、上方が開口し、洗濯処理剤を受けるように構成されている。具体的には、本体部3は、上方が開口した矩形箱状に形成されている。本体部3は、バックパネル112から前方に引出し可能に構成されている。
図4に示すように、本体部3は、2つの隔壁301により、内部空間が3つに仕切られている。隔壁301は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。隔壁301は、本体部3の内部空間を形成する周壁の一部である前壁302と後壁303とにわたって形成されている。2つの隔壁301は、左右方向に離れて形成されている。本体部3は、2つの隔壁301によって内部空間が左右方向に仕切られることによって、3つの収容室30が左右方向に並んで形成されている。3つの収容室30を区別する場合、中央の収容室30を第1収容室31、右の収容室30を第2収容室32、左の収容室30を第3収容室33という。
3つの収容室30は、それぞれ異なる種類の洗濯処理剤の収容を想定している。第1収容室31及び第2収容室32には、洗濯処理剤として洗剤又は漂白剤の収容を想定し、第3収容室33には、洗濯処理剤として柔軟剤の収容を想定している。具体的には、第1収容室31には、粉状の洗剤又は漂白剤が収容される。第2収容室32には、液状の洗剤又は漂白剤が収容される。第3収容室33には、液状の柔軟剤が収容される。本実施形態では、第1収容室31に、洗濯処理剤として粉状の洗剤(粉洗剤)が収容される場合を想定して説明する。以下の説明では、第1収容室31に収容される洗濯処理剤を、粉洗剤という場合がある。
第1収容室31について、図5~図11を参照して詳細に説明する。図5は、第1収容室31の平面図である。図6は、図5のA-A断面図であり、図7は、図5のB-B断面図であり、図8は、図5のC-C断面図であり、図9は、図5のD-D断面図であり、図10は、図5のE-E断面図であり、図11は、図5のF-F断面図である。
図5~図8に示すように、第1収容室31は、上方及び後方が開口しており、洗濯処理剤(粉洗剤)を受ける第1底部311を有する。第1底部311は、板状に形成されている。第1底部311は、前端部312に比べて後端部313の方が低くなるように形成されている。第1底部311の前端部312は、前壁302の下端部と連続している。また、第1収容室31は、後方が開口しており、第1底部311の後端部313は、後壁303と連続していない。また、第1底部311は、波状に形成されており、前端部312から後端部313に向かうにつれて高さ(上下方向の位置)が増減する。つまり、第1底部311は、前端部312から後端部313に向かって波打ちながら下がるように形成されている。
具体的には、第1底部311は、粉洗剤が載せられる第1上面314を有する。第1上面314は、前端部312が後端部313よりも上方に位置するように形成されている。また、第1上面314は、傾斜部315を含んでいる。本実施形態では、第1上面314の全体が傾斜部315である。
傾斜部315は、前後方向において第1勾配が変化するように形成されている。第1勾配とは、前後方向の距離の変化に対する上下方向の距離の比を示す。言い換えれば、第1勾配とは、前後方向の傾きの度合いである。傾斜部315は、前後方向における各部位で第1勾配が異なる。
具体的には、傾斜部315は、前後方向において、第1勾配が増加と減少とを繰り返すように連続的に変化している。さらに、本実施形態では、傾斜部315は、前後方向において、上り勾配と下り勾配とを繰り返すように第1勾配が変化している。例えば、前方から後方に向かうにつれて下がる下り勾配である場合における第1勾配の極性を正とする。この場合、傾斜部315は、前後方向において、第1勾配の極性が正と負とを繰り返すように第1勾配が変化する。つまり、傾斜部315は、前後方向において、凹凸を繰り返すように起伏している。言い換えれば、傾斜部315は、前後方向において高さの増減を繰り返す波状に形成されている。本実施形態では、傾斜部315は、前後方向において、凹部47と凸部とが交互に2回ずつ繰り返すように形成されている。
また、図9~図11に示すように、傾斜部315は、左右方向において第2勾配が変化するように形成されている。第2勾配とは、左右方向の距離の変化に対する上下方向の距離の比を示す。言い換えれば、第2勾配とは、左右方向の傾きの度合いである。傾斜部315は、左右方向における各部位で第2勾配が異なる。
具体的には、傾斜部315は、左右方向において、第2勾配が増加と減少とを繰り返すように変化している。本実施形態では、傾斜部315は、左右方向において、中央部が極大となるように形成されている。ここでいう極大とは、第2勾配が略ゼロであり、かつ、左右方向において上り勾配から下り勾配に変化する点である。言い換えれば、傾斜部315は、左右方向において中央部が山となるように形成されている。また、本実施形態では、傾斜部315は、部分的に、左右方向において、上り勾配と下り勾配とを繰り返すように第2勾配が変化している。具体的には、傾斜部315は、前後方向の中央部よりも後方の部分(以下、後方部分ともいう)では、上り勾配と下り勾配とを繰り返すように第2勾配が変化している。例えば、左方から右方に向かうにつれて下がる下り勾配である場合における第2勾配の極性を正とする。この場合、傾斜部315における後方部分は、左右方向において、第2勾配の極性が正と負とを繰り返すように第2勾配が変化する。つまり、傾斜部315の後方部分は、左右方向において、凹凸を繰り返すように起伏している。言い換えれば、傾斜部315の後方部分は、左右方向において高さの増減を繰り返す波状に形成されている。本実施形態では、傾斜部315の後方部分は、左右方向において、下り勾配と上り勾配とが2回ずつ繰り返すように形成されている。
ここで、左右方向において第2勾配の極性が変化する点を極性変化点という。極性変化点は、例えば、左右方向において、第2勾配の極性が正又は負から、第2勾配がゼロとなる点、あるいは第2勾配がゼロから、第2勾配の極性が正又は負となる点である。つまり、極性変化点は、第2勾配がゼロである部分と、第2勾配の極性が正又は負である部分との境界である。図5において、前後方向に連続する極性変化点同士を結んだ極性変化線Lxを概略的に示す。上述したように、傾斜部315は、左右方向において、第2勾配が増加と減少とを繰り返すように変化している。したがって、傾斜部315は、複数の極性変化線Lxを有している。図5では、複数の極性変化線Lxのうち、5つの極性変化線Lxを例示している。上述したように、傾斜部315における後方部分は、左右方向において、第2勾配の極性が正と負とを繰り返すように第2勾配が変化する。したがって、5つの極性変化線Lxのうち、左右両側に位置する2つの極性変化線Lxは、傾斜部315における後方部分に形成されている。5つの極性変化線Lxを区別する場合、左から順に第1極性変化線L1、第2極性変化線L2、・・・、第5極性変化線L5という。
また、左右方向における、複数の極性変化点の間隔、つまり複数の極性変化線Lxの間隔を極性変化間隔という。図5に示すように、傾斜部315は、後端部313側の極性変化間隔が、前端部312側の極性変化間隔よりも狭くなるように形成されている。本実施形態では、傾斜部315は、後方に向かうにつれて、極性変化間隔が狭くなるように形成されている。
また、左右方向において、傾斜部315の中央部と、複数の極性変化線Lx(極性変化点)の各々と、の間の距離の平均値を平均ずれ値という。図5に示すように、傾斜部315は、後端部313側の平均ずれ値が、前端部312側の平均ずれ値よりも小さくなるように形成されている。言い換えれば、傾斜部315は、後方に向かうにつれて各極性変化線Lxが左右方向の中央部に近づくように形成されている。なお、厳密には、第3極性変化線L3は、傾斜部315の前端部312から後端部313にわたって、左右方向の中央部に形成されている。
つまり、本実施形態の傾斜部315は、前方から後方に向かうにつれて、極性変化間隔が狭まりつつ、各極性変化線Lxが左右方向の中央部に近づくように形成されている。
また、図5に示すように、本体部3は、第1収容室31の第1底部311に形成された一対の柱部316を有する。一対の柱部316の各々は、円柱状に形成せれており、第1底部311における後端部313から上方に突出するように形成されている。一対の柱部316は、第1底部311における左右方向の中央部を挟むように、中央部の左右両側に形成されている。より具体的には、一対の柱部316のうち左の柱部316は、第1極性変化線L1と第2極性変化線L2との間に位置するように形成されている。一対の柱部316のうち右の柱部316は、第4極性変化線L4と第5極性変化線L5との間に位置するように形成されている。
次に、第2収容室32及び第3収容室33について図4を参照して説明する。
第2収容室32は、上方が開口しており、洗濯処理剤として液状の洗剤又は漂白剤を受ける第2底部321を有する。第2底部321には、第2円筒部322が形成されている。第2円筒部322は、円筒状に形成されており、第2底部321の上面から上方に突出するように形成されている。第2円筒部322は、上端部及び下端部が開口しており、上下方向に貫通している。第2円筒部322は、第2キャップ323により覆われている。
第2キャップ323は、円筒状に形成されており、上端部が閉じられ、下端部が開口している。第2キャップ323は、第2円筒部322に上方から被せられるように設けられている。第2キャップ323は、第2円筒部322の外周面及び上端部との間に空間が形成されるように設けられている。また、第2キャップ323には、第2フランジ部324が形成されている。
第2フランジ部324は、第2キャップ323の外周面から、第2キャップ323の径方向に向かって突出するように形成されている。第2フランジ部324は、上下方向の位置が、第2円筒部322の上端部よりも僅かに下方の位置となるように形成されている。第2収容室32には、第2フランジ部324よりも低い位置まで、液状の洗濯処理剤を収容可能である。
例えば、第2収容室32に、液状の洗濯処理剤として液体洗剤が収容されているとする。第2収容室32に上方から水が供給された場合、液体洗剤が水に溶けた水溶液が生成される。そして、水溶液の水位が第2円筒部322の上端部を越えると、サイフォンの原理により、第2収容室32内の水溶液が第2円筒部322の内部を通って、第2収容室32の下方に排出される。図3に示すように、本体部3の下方には底カバー5が設けられている。底カバー5は、本体部3を下方から覆うように設けられている。底カバー5は、本体部3の下面と上下方向に対向する底板部51を有している。底板部51は、後方から前方に向かうにつれて下方に傾斜するように形成されている。底板部51の前端部は、洗濯槽13の開口の上方に位置している。第2収容室32から排出された水溶液は、底板部51を伝って洗濯槽13に投入される。なお、第2収容室32に液体洗剤が収容されていない場合であっても、第2収容室32に供給された水は、サイフォンの原理により第2収容室32から排出される。
第3収容室33は、上方が開口しており、洗濯処理剤として液状の柔軟剤を受ける第3底部331を有する。第3収容室33は、第2収容室32と同様の構成であり、第3円筒部332、第3キャップ333、及び第3フランジ部334を有する。第3円筒部332、第3キャップ333、及び第3フランジ部334は、それぞれ第2収容室32における第2円筒部322、第2キャップ323、及び第2フランジ部324と同様の構成であるので、詳細な説明を省略する。
第3収容室33においても、第2収容室32と同様に、第3収容室33に収容された柔軟剤と水との水溶液は、サイフォンの原理により第3収容室33の下方に排出され、洗濯槽13に投入される。
次に、給水部4について図12~図16を参照して説明する。
給水部4は、本体部3の各収容室30に対して上方から水を供給するように構成されている。本実施形態の給水部4は、上方が開口した天井部41と、下方が開口した上カバー410と、を有している。天井部41は、本体部3を上方から覆うように設けられており、各収容室30の天井としての機能を有する(図3参照)。天井部41と上カバー410とは、上下方向に組み合わさるように構成されている。天井部41と上カバー410とが組み合わさることで、各収容室30に供給する水が一時的に溜められる給水室42が形成されている。本実施形態では、給水室42は、隔壁433により第1給水室421と第2給水室422とに区切られている。隔壁433は、給水室42の前壁431と後壁432とを接続するように形成されている。隔壁433は、前端部が後端部よりも右方となるように、前後方向に対して左右方向に傾斜した傾斜壁434を含んでいる。隔壁433により、第1給水室421と第2給水室422とは左右方向に並んで形成されている。
第1給水室421は、第1収容室31及び第2収容室32の上方に位置している。上カバー410は、第1流入口441を有している。第1流入口441は、円筒状に形成されている。第1流入口441は、給水室42の後壁432における隔壁433の右側部分から後方に突出している。第1流入口441は、第1ノズルが接続される。第1給水室421は、第1ノズルから第1流入口441を介して水が流入する。第1給水室421に流入した水は、第1収容室31及び第2収容室32の上方から、第1収容室31及び第2収容室32に供給される。
また、第1給水室421は、第1仕切壁451、第2仕切壁452、第3仕切壁453、第4仕切壁454、第1周壁455、及び第2周壁456が設けられており、水の流れが制御されている。
第1仕切壁451は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。第1仕切壁451は、上カバー410から下方に突出するように形成されている。第1仕切壁451は、隔壁433との間に第1流入口441が位置するように、上カバー410における第1流入口441の右側部分に形成されている。また、第1仕切壁451は、隔壁433における傾斜壁434よりも前側部分に対して後方に離れるように形成されている。第1仕切壁451は、隔壁433との間に、第1流入口441を介して第1給水室421に流入した水が流れる流路を形成している。
第2仕切壁452は、板状に形成された第1板部4521及び第2板部4522を有しており、第1板部4521と第2板部4522とで平面視がL字状に形成されている。第2仕切壁452は、上カバー410から下方に突出するように形成されている。第2仕切壁452の下端と天井部41との間には隙間が形成されている。
第1板部4521は、前後方向を厚さ方向、左右方向を長手方向とする矩形板状に形成されている。第1板部4521は、第1収容室31の上方から、第2収容室32の上方にわたって、左右方向に沿って形成されている。第1板部4521は、第1給水室421の前壁431から後方に離れ、隔壁433から右方に離れ、かつ、第1給水室421の右壁435から左方に離れた位置に形成されている。第1板部4521は、隔壁433、第1給水室421の前壁431、及び第1給水室421の右壁435との隙間を、水の流路をするように形成されている。
第2板部4522は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。第2板部4522は、第1板部4521の右端部と連続するように形成されている。
第1周壁455は、矩形枠状に形成されている。第1周壁455は、第2板部4522の後方において、第2板部4522の後端部と連続するように形成されている。第1周壁455は、第1収容室31の上方、及び第2収容室32の上方に位置している。第1周壁455は、隔壁433及び第1仕切壁451から右方に離れ、第1給水室421の右壁435から左方に離れ、かつ、第1給水室421の後壁432から前方に離れた位置に形成されている。第1周壁455は、隔壁433、第1仕切壁451、第2仕切壁452の第1板部4521、第1給水室421の右壁435、及び第1給水室421の後壁432との隙間を、水の流路とするように形成されている。第1周壁455は、上カバー410から下方に突出するように形成されている。第1周壁455の下端と天井部41との間には隙間が形成されている。
第2周壁456は、矩形枠状に形成されている。第2周壁456は、第1周壁455の内側において、第1周壁455に沿うように形成されている。第2周壁456は、第1周壁455との間に隙間が形成されるように形成されている。第2周壁456は、天井部41から上方に突出するように形成されている。第2周壁456の上端と上カバー410との間には隙間が形成されている。また、第2周壁456は、後壁に比べて前壁の方が低くなるように形成されている。
第3仕切壁453は、板状に形成されており、第2仕切壁452の第1板部4521の左端部から右後方に沿うように形成されている。第3仕切壁453は、右後端部と第1周壁455との間には隙間が形成されている。第3仕切壁453は、第1周壁455との隙間を、水の流路とするように形成されている。第3仕切壁453は、天井部41から上方に突出するように形成されている。
第4仕切壁454は、左右方向を厚さ方向とする板状に形成されている。第4仕切壁454は、第1周壁455における右壁から後方に突出するように形成されている。第4仕切壁454は、第1給水室421の後壁432との間に隙間が形成されている。第4仕切壁454は、第1給水室421の後壁303との隙間を、水の流路とするように形成されている。第4仕切壁454は、上カバー410から下方に突出するように形成されている。
第1給水室421では、第1仕切壁451、第2仕切壁452、第3仕切壁453、第4仕切壁454、第1周壁455、及び第2周壁456により、第1流入口441を介して供給された水が、第1周壁455の周りを反時計回りに流れる(図14の矢印Y1参照)。また、水位が第2周壁456の高さを超えると、水が第2周壁456内に流入する。
第2給水室422は、第3収容室33の上方に位置している。上カバー410は、第2流入口442を有している。第2流入口442は、円筒状に形成されている。第2流入口442は、給水室42の後壁432における隔壁433の左側部分から後方に突出している。第2流入口442は、隔壁433を挟んで第1流入口441と左右方向に並んで形成されている。第2流入口442は、第2ノズルが接続される。第2給水室422は、第2ノズルから第2流入口442を介して水が流入する。第2給水室422に流入した水は、第3収容室33の上方から、第3収容室33に供給される。
天井部41は、第1給水室421及び第2給水室422の底としての機能も有しており、本体部3に供給する水が流れる上面411を有する。天井部41は、本体部3に供給する水を上下方向に通す複数の給水孔46が形成されている。本体部3には、複数の給水孔46を介して上方から水が供給される。
複数の給水孔46は、複数の第1給水孔461、複数の第2給水孔462、及び複数の第3給水孔463を含む。複数の第1給水孔461は、天井部41における第1収容室31の上方に位置している。複数の第2給水孔462は、天井部41における第2収容室32の上方に位置している。複数の第3給水孔463は、天井部41における第3収容室33の上方に位置している。
本実施形態では、天井部41には、複数の第1給水孔461として11個の第1給水孔461が形成されている。11個の第1給水孔461のうち4つの第1給水孔461は、隔壁433と第1給水室421の前壁431とが連続する角部から、隔壁433に沿って並ぶように形成されている。この4つの第1給水孔461のうち2つの第1給水孔461は、第2仕切壁452の第1板部4521よりも後方に形成されている。また、11個の第1給水孔461のうち3つの第1給水孔461は、隔壁433と第1給水室421の前壁431とが連続する角部に設けられた1つの第1給水孔461と共に、第1給水孔461の前壁431に沿って並ぶように形成されている。また、11個の第1給水孔461のうち2つの第1給水孔461は、第1給水孔461の前壁431と第2仕切壁452の第1板部4521との間において、第1板部4521に沿って並ぶように形成されている。また、11個の第1給水孔461のうち2つの第1給水孔461は、第2仕切壁452の第1板部4521と第1周壁455との間において、前後方向の並ぶように形成されている。この2つの第1給水孔461は、第1給水室421の前壁431と第2仕切壁452の第1板部4521との間に形成された5つの第1給水孔461のうち2つの第1給水孔461と共に、第1板部4521を挟んで前後方向に並ぶように形成されている。
また、本実施形態では、天井部41には、複数の第2給水孔462として12個の第2給水孔462が形成されている。12個の第2給水孔462のうち4つの第2給水孔462は、第2仕切壁452の第1板部4521と第1周壁455との間において、第1板部4521及び第1周壁455に沿って前後方向及び左右方向に並ぶように形成されている。また、12個の第2給水孔462のうち5個の第2給水孔462は、第2仕切壁452と第1給水室421の前壁431及び右壁435との間において、第2仕切壁452の第1板部4521及び第2板部4522に沿ってL字状に並ぶように形成されている。また、12個の第2給水孔462のうち3つの第2給水孔462は、第1給水室421の前壁431及び右壁435に沿ってL字状に並ぶように形成されている。
また、本実施形態では、天井部41には、複数の第3給水孔463として12個の第3給水孔463が形成されている。12個の第3給水孔463のうち9個の第3給水孔463は、第2給水室422の左壁436、前壁431、及び隔壁433に沿ってU字状に並ぶように形成されている。また、12個の第3給水孔463のうち3個の第3給水孔463は、第2給水室422の左壁436と後壁432とが連続する角部から、第2給水室422の左壁436に沿って並ぶように形成されている。また、本実施形態では、天井部41には、排水孔464が形成されている。排水孔464は、第2給水室422の後壁303と隔壁433とが連続する角部に形成されている。排水孔464は、第3収容室33の外側を通り、本体部3の下方に設けられた底カバー5に連続するように形成されている。
さらに、天井部41は、複数の給水孔46とは別に、本体部3に供給する水を上下方向に通す複数の大給水孔49が形成されている。各大給水孔49は、各給水孔46よりも開口面積が大きい。本体部3には、複数の給水孔46に加えて、複数の大給水孔49を介して上方から水が供給される。
複数の大給水孔49は、第1大給水孔491、第2大給水孔492、及び第3大給水孔493を含む。
第1大給水孔491は、天井部41における第1収容室31の上方に位置している。第1大給水孔491は、第2周壁456の内側において、第2周壁456の左壁436と前壁431とが連続する角部に形成されている。
第2大給水孔492、及び第3大給水孔493は、天井部41における第2収容室32の上方に位置している。第2大給水孔492は、第1給水室421の前壁431と第2仕切壁452の第1板部4521との間において、第1給水室421の前壁431に沿うように形成されている。第3大給水孔493は、第4仕切壁454の右側に形成されている。
次に、複数の給水孔46の開口形状について説明する。
本実施形態では、複数の第1給水孔461の各々の開口形状と、複数の第2給水孔462、及び複数の第3給水孔463の各々の開口形状とが、互いに異なっている。複数の第2給水孔462、及び複数の第3給水孔463の各々の開口形状は、円形である。なお、複数の第1給水孔461、複数の第2給水孔462、及び複数の第3給水孔463は、互いに開口面積が同じである。
一方、図15、及び図16に示すように、複数の第1給水孔461の各々の開口形状は、凹形状である。本実施形態における「凹形状」とは、開口(第1給水孔461)の内側に向かって凹む少なくとも1つの凹部47を有する形状(凹図形)である。言い換えれば、凹形状とは、凸形状(凸図形)以外の形状であり、開口(第1給水孔461)内における任意の2点を結ぶ直線上に開口の外側の領域を含み得る形状である。例えば、第1給水孔461では、凹部47が凹む方向と直交する方向において、凹部47の両側の2点を結ぶ直線は、凹部47を横断する。また、例えば凹形状が多角形である場合、凹形状は、180°以上、かつ360°未満の内角を含む形状である。
本実施形態では、第1給水孔461の開口形状は、複数の凹部47を有する凹形状である。複数の凹部47は、互いに異なる向きに向かって凹む第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473である。第1給水孔461は、第1凹部471の凹み寸法が、第2凹部472及び第3凹部473の凹み寸法よりも大きい。本実施形態における「凹み寸法」とは、凹部47が凹む方向における凹部47の基端から先端までの寸法である。ここで、第1凹部471が凹む方向を第1方向、第1方向と交差する方向を第2方向とする。第2凹部472は、第1凹部471に対して、第2方向の一方側に形成され、第3凹部473は、第1凹部471に対して第2方向の他方側に形成されている。本実施形態では、第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473は、第1給水孔461の中心に略120度間隔で設けられている。また、第1給水孔461の開口形状は、第1給水孔461の中心を通る第1方向に沿った直線を軸とした線対称形状である。
第1給水孔461は、第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473により、くびれている。本実施形態における「くびれ」とは、開口の幅が部分的に細く狭まり、狭まった部分の両側が広がっていること意味する。本実施形態では、第1給水孔461は、第1凹部471と第2凹部472とが接近している部分、及び第1凹部471と第3凹部473とが接近している部分が、くびれている。
また、本実施形態では、第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473が曲線により形成されている。言い換えれば、第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473の縁が曲線である。さらに、本実施形態では、第1給水孔461は、第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473を含む開口周縁が曲線により形成されている。
また、複数の第1給水孔461の各々は、第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473が、天井部41の上面411を流れる水の向きY1と異なるよう方向に向かって凹むように形成されている。さらに、複数の第1給水孔461の各々は、第1凹部471が、天井部41の上面411を流れる水の上流の向きに向かって凹むように形成されている。上述したように、第1給水室421では、水が第1周壁455の周りを反時計回りに流れる。図14に示すように、本実施形態では、11個の第1給水孔461のうち、隔壁433に沿った4つの第1給水孔461は、第1凹部471が後方に向かって凹むように形成され、残りの7個の第1給水孔461は、第1凹部471が左方に向かって凹むように形成されている。
また、複数の第1給水孔461の各々の外周縁には、リブ481が形成されている。リブ481は、第1給水孔461の外周縁から上方に向かって形成されている。なお、本実施形態では、天井部41の上面411にリブ481が形成されているが、天井部41の下面において第1給水孔461の外周縁から下方に向かって形成されたリブが形成されていてもよい。第1給水孔461と同様に、第2給水孔462の外周縁にはリブ482が形成され、第3給水孔463の外周縁にはリブ483が形成されている(図12参照)。リブ482は、第2給水孔462の外周縁から上方に突出するように形成されている。リブ483は、第3給水孔463の外周縁から上方に突出するように形成されている。
また、図16に示すように、複数の第1給水孔461の各々の外周縁は、面取り加工さている。本実施形態では、第1給水孔461の外周縁は、面取り加工としてR加工されており、湾曲している。なお、第1給水孔461の外周縁は、面取り加工としてC加工されていてもよい。第1給水孔461と同様に、第2給水孔462及び第3給水孔463の外周縁は、面取り加工されている。本実施形態では、第2給水孔462及び第3給水孔463の外周縁は、面取り加工としてR加工されており、湾曲している。なお、第2給水孔462及び第3給水孔463の外周縁は、面取り加工としてC加工されていてもよい。
次に、複数の大給水孔49の開口形状について説明する。
図14に示すように、第1大給水孔491は、開口形状が第1給水孔461の開口形状と同じであり、開口面積が第1給水孔461よりも大きい。また、第1大給水孔491の外周縁は、面取り加工されている。本実施形態では、第1大給水孔491の外周縁は、面取り加工としてR加工されており、湾曲している。
第2大給水孔492の開口形状は、左右方向を長手方向とする矩形状である。また、第2大給水孔492の外周縁には、リブ484が形成されている。リブ484は、第2大給水孔492の外周縁から上方に突出するように形成されている。
第3大給水孔493の開口形状は、前後方向を長手方向とする矩形状である。また、第3大給水孔493の外周縁は、面取り加工されている。本実施形態では、第3大給水孔493の外周縁は、面取り加工としてR加工されており、湾曲している。なお、第3大給水孔493の外周縁は、面取り加工としてC加工されていてもよい。
次に、本実施形態のケース2における給水部4から本体部3への給水動作について説明する。ここでは、第1収容室31に粉洗剤が収容されており、第1給水室421から第1収容室31に水を供給する場合について説明する。
上述したように、第1流入口441を介して第1給水室421に流入した水は、第1周壁455の周りを反時計回りに流れる。第1周壁455の周りにおいて、第1収容室31の上方に位置する部分には、複数の第1給水孔461が形成されている。したがって、天井部41の上面を流れる水の一部は、複数の第1給水孔461を介して第1収容室31に流れ落ちる。
ここで、図15に示すように、第1給水孔461の開口形状は、3つの凹部47(第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473)を有する凹形状であって、くびれている。言い換えれば、第1給水孔461の開口形状は、開口面積が大きい部分と小さい部分とが連続したような形状である。
開口面積が大きい部分では、開口面積に対して濡れ縁の長さが短く、壁面の粘性抵抗が小さいため、水が通りやすい。一方、開口面積が小さい部分では、開口面積に対して濡れ縁の長さが長く、壁面の粘性抵抗が大きいため、水が通りにくい。したがって、開口面積が大きい部分からは、開口面積が小さい部分に先行して水が勢いよく通る。言い換えれば、開口面積が小さい部分からは、開口面積が大きい部分に僅かに遅れて水が通る。このため、第1給水孔461から流れ落ちる水の水面に圧力の不均一が生じる。具体的には、開口面積が小さい部分の圧力が、開口面積が大きい部分の圧力よりも小さくなる。これにより、第1給水孔461から水が流れ落ちる際に、開口面積が小さい部分から空気が吸引されて、水に空気が割り込む。したがって、第1給水孔461から水が流れ落ちる際に、吸引された空気によって水が途切れ、表面張力により複数の水滴となる。
このように、第1給水孔461から流れ落ちる水は、複数の水滴となって第1収容室31に供給される。これにより、第1収容室31に収容された粉洗剤には、複数の水滴が順次、衝突することとなる。さらに、複数の水滴は、粉洗剤に衝突することによって形状が崩れる。したがって、複数の水滴が粉洗剤に衝突することにより、連なった水である水流が粉洗剤に衝突する場合に比べて大きい衝突エネルギーを粉洗剤に与えることができる。これにより、粉洗剤の塊が崩れて水に溶けやすくなるので、ケース2への粉洗剤の溶け残りを抑制することができる。
さらに、第1給水孔461の開口形状が、凹形状であることによって、開口形状が円形である場合に比べて、第1給水孔461を介して水が流れ落ちやすくなる。したがって、第1給水室421から第1収容室31への給水効率が向上し、第1収容室31への給水量が増加する。これにより、ケース2への粉洗剤の溶け残りをより抑制することができる。
上記より、本実施形態では、例えば、水道の水圧が低く、第1給水室421に供給される単位時間当たりの水量が少ない場合であっても、第1収容室31内の粉洗剤を効率よく溶かすことができ、ケース2への粉洗剤の溶け残りを抑制することができる。
また、複数の第1給水孔461は、第1収容室31の壁に沿うように形成されている。したがって、第1収容室31の壁の近傍に、粉洗剤が残ることが抑制される。
また、複数の第1給水孔461の各々の第1凹部471は、天井部41の上面を流れる水の上流の向き(図14の矢印Y1参照)に向かって凹むように形成されている。第1給水孔461から流れ落ちる水は、第1給水孔461の壁面の粘性抵抗、表面張力等によって、凹部47が凹む方向と反対方向に向かう。したがって、第1給水孔461から流れ落ちる水の向きが、上面を流れる水の向きに抗って真下を向くように、矯正することができる。さらに、本実施形態では、第1凹部471は、複数の凹部47のうち最も凹み寸法が大きい。これにより、第1給水孔461から流れ落ちる水の向きを、より真下に向けやすくなり、水がかからない粉洗剤の量を低減することができるので、ケース2への粉洗剤の溶け残りをより抑制することができる。
また、第1給水孔461の外周縁には、リブ481が形成されている。リブ481により、第1給水孔461の上方における水の流れが弱められる。これにより、第1給水孔461から流れ落ちる水の向きが、より真下に向きやすくなり、水がかからない粉洗剤の量を低減することができるので、ケース2への粉洗剤の溶け残りをより抑制することができる。
また、第1給水孔461は、開口周縁が曲線により形成されている。これにより、第1給水孔461から流れ落ちる水を、複数の水滴としやすくなり、ケース2への粉洗剤の溶け残りを抑制することができる。なお、第1給水孔461の開口周縁は、少なくとも一部が直線により形成されていてもよい。
また、第1給水孔461の外周縁は、面取り加工されている。これにより、第1給水孔461に水が流れ込みやすくなり、第1収容室31への給水効率の向上を図ることができる。
なお、第1給水室421における第1周壁455の外側には、複数の第1給水孔461の他に、複数の第2給水孔462、第2大給水孔492、及び第3大給水孔493が形成されている。したがって、第1周壁455の周りを流れる水は、第1収容室31の他に、複数の第2給水孔462、第2大給水孔492、及び第3大給水孔493を介して第2収容室32に流れ落ちる。つまり、第1給水室421に流入した水は、第1収容室31と第2収容室32との両方に供給される。
また、第1給水室421に流入した水の量が多く、第1周壁455の周りを流れる水の水位が、第2周壁456の高さを超えた場合、第2周壁456の内側に水が流入する。第2周壁456の内側には、第1大給水孔491が形成されている。
第1大給水孔491は、第1給水孔461の上方に形成されている。したがって、第2周壁456の内側に流入した水は、第1大給水孔491を介して第1給水室421に流れ落ちる。第1大給水孔491は、開口形状が第1給水孔461の開口形状と同じである。したがって、第1給水孔461と同様に、第1大給水孔491から流れ落ちる水は、複数の水滴となって第1収容室31に供給される。これにより、粉洗剤の塊が崩れて水に溶けやすくなるので、ケース2への粉洗剤の溶け残りを抑制することができる。また、第1大給水孔491の開口形状が凹形状であることによって、開口形状が円形である場合に比べて、第1大給水孔491を介して水が流れ落ちやすくなる。
次に、第1給水室421から第1収容室31に供給された水の流れについて説明する。
上述したように、第1収容室31には、第1収容室31の上方に位置する第1給水室421から水が流れ落ちるように供給される。第1収容室31の第1底部311は、第1上面314の前端部312が後端部313よりも上方に位置するように形成されている。したがって、第1収容室31に供給された水は、第1上面314に沿って後方に流れる。そして、第1収容室31の後方は開口しており、第1上面314に沿って後方に流れた水は、開口を介して流れ落ちる。第1収容室31から流れ落ちた水は、底カバー5の底板部51に沿って前方に流れ、洗濯槽13に投入される。
ここで、図5~図11に示すように、本実施形態では、第1収容室31の第1上面314は、全体が傾斜部315であって、前後方向の第1勾配が増加と減少とを繰り返すように連続的に変化している。つまり、傾斜部315は、前後方向において高さの増減を繰り返す波状に形成されている。したがって、傾斜部315は、前後方向の勾配が一定である構成に比べて、前後方向の勾配が大きい箇所(急勾配箇所)が含まれる。そのため、水が急勾配箇所を流れる際に流速が高められるので、第1収容室31に収容された粉洗剤の残留を抑制することができる。また、第1勾配が連続的に変化しているので、水の流れをなだらかにすることができ、第1収容室31への粉洗剤の残留をより抑制することができる。
さらに、本実施形態では、傾斜部315は、左右方向の第2勾配が増加と減少とを繰り返すように連続的に変化している。つまり、傾斜部315は、左右方向において高さの増減を繰り返す波状に形成されている。したがって、本実施形態では、水が、前後方向だけでなく左右方向にも流れる。これにより、第1給水室421から流れ落ちた水が、前後方向及び左右方向に広がるように流れるので、第1収容室31への粉洗剤の残留を抑制することができる。また、第2勾配が増加と減少とを繰り返すことによって、左右方向への水の流速も高めることができ、第1収容室31への粉洗剤の残留をより抑制することができる。
また、本実施形態では、前後方向の第1勾配と、左右方向の第2勾配との両方が変化しているので、第1収容室31の出口である後端部313において、左右方向の各部位で水の流速に差が出やすい。これにより、第1収容室31の後端部313における粘性抵抗が低下し、第1収容室31から水が流れ出やすくなる。したがって、第1収容室31から流出した水が底カバー5に衝突した際の衝突エネルギーが増加し、粉洗剤が水により溶けやすくなる。
また、傾斜部315は、左右方向において、後端部313側の極性変化間隔が、前端部312側の極性変化間隔よりも狭くなるように形成されている。つまり、本実施形態の傾斜部315では、左右方向における谷と谷との間隔が、後端部313側に向かうにつれて短くなる。これにより、傾斜部315では、下流側である後端部313側に向かうにつれて、水の流路が狭くなるので、水の流速が高められる。したがって、第1収容室31への粉洗剤の残留をより抑制することができる。さらに、本実施形態の傾斜部315では、後端部313側の平均ずれ値が、前端部312側の平均ずれ値よりも小さくなるように形成されている。平均ずれ値とは、左右方向において、傾斜部315の中央部と、複数の極性変化線Lxの各々と、の間の距離の平均値である。つまり、本実施形態の傾斜部315では、下流側である後端部313側に向かうにつれて、水の流路が左右方向の中央部に近づくように狭まる。これにより、傾斜部315の後端部313において、水が流れやすい谷から最も離れた部位までの距離を短くすることができるので、第1収容室31への粉洗剤の残留を抑制することができる。
なお、第1給水室421に流入した水は、第2収容室32にも供給される。第2収容室32に供給された水の水位が第2円筒部322の上端部を越えると、サイフォンの原理により、第2収容室32内の水が第2円筒部322の内部を通って、第2収容室32の下方に排出される。第2収容室32から排出された水は、底カバー5の底板部51に沿って前方に流れて洗濯槽13に投入される。
(変形例)
次に、第1給水室421、及び第1収容室31の変形例について説明する。以下に説明する各変形例は、上述した実施形態、又は変形例同士の構成を適宜組み合わせて適用可能である。なお、以下の説明では、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を適宜省略する。
(第1変形例)
上述した例では、複数の第1給水孔461の各々は、第1凹部471が天井部41の上面を流れる水の上流の向きに向かって凹むように形成されている。つまり、複数の第1給水孔461は、第1凹部471が後方に向かって形成されている第1給水孔461と、第1凹部471が左方に向かって形成されている第1給水孔461とが含まれているが、この構成に限らない。複数の第1給水孔461は、第1凹部471が同じ向き(例えば後方)に向かって凹むように形成されていてもよい。
また、上述した例では、第1給水孔461は、3つの凹部47(第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473)のうち、第1凹部471の凹み寸法が、第2凹部472及び第3凹部473の凹み寸法よりも大きくなるように形成されていたが、3つの凹部47の凹み寸法は互いに同じであってもよい。
(第2変形例)
上述した例では、第1給水孔461の開口形状は、3つの凹部47(第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473)を有する凹形状であったが、この形状に限らず、少なくとも1つの凹部47を有する凹形状であればよい。例えば、第1給水孔461の開口形状は、図17A~図17Dに示すような形状であってもよい。
図17Aに示す第1給水孔461Aの開口形状は、円の中心が略120度間隔で並ぶ3つの円の一部が重なった形状であり、3つの凹部47を有する凹形状である。図17Bに示す第1給水孔461Bの開口形状は、円の中心が直線状に並ぶ大きさの異なる2つの円の一部が重なった形状であり、2つの凹部47を有する凹形状である。図17Cに示す第1給水孔461Cの開口形状は、いわゆるハート形状であり、1つの凹部47を有する凹形状である。図17Dに示す第1給水孔461Dの開口形状は、「A」という文字の外形シルエットのような形状であり、1つの凹部47を有する凹形状である。
(第3変形例)
第3変形例に係る第1収容室31について、図18~図21を参照して説明する。図18は、第3変形例に係る第1収容室31の平面図である。図19は、図18のG-G断面図であり、図20は、図18のH-H断面図であり、図21は、図18のI-I断面図である。
図18~図21に示すように、本変形例の第1収容室31は、傾斜部315Aが、第1給水室421に形成された第1大給水孔491の直下の位置から左右方向に離れるにつれて下がる下り勾配である点が、上述した実施形態の傾斜部315と異なる。
第1大給水孔491は、第1収容室31における前後方向の中央部、かつ右端部の上方に位置している。第1大給水孔491は、複数の第1給水孔461の各々に比べて開口面積が大きい。したがって、第1大給水孔491を介して流れて落ちる水の量は、第1給水孔461を介して流れ落ちる水の量よりも多くなる。
本変形例の傾斜部315Aでは、第1大給水孔491の直下の位置から左右方向の下り勾配が形成されている。これにより、本変形例では、第1大給水孔491から流れ落ちた大水量の水の流速をより高めることができる。したがって、第1収容室31に収容された粉洗剤の残留を抑制することができる。
また、図20、及び図21に示すように、傾斜部315Aは、前後方向において、前端部312側から後端部313側に向かうにつれて下がる下り勾配である。つまり、傾斜部315Aは、前後方向における上り勾配が含まれていない。これにより、粉洗剤や水の残留を抑制することができる。
(第4変形例)
上述した実施形態の第1収容室31の傾斜部315では、図5~図11に示すように、下流側である後端部313側に向かうにつれて、水の流路が左右方向の中央部に近づくように狭まるように形成されていたが、これに限らない。
第4変形例に係る第1収容室31について、図22~図26を参照して説明する。図22は、第4変形例に係る第1収容室31の平面図である。図23は、図22のJ-J断面図であり、図24は、図22のK-K断面図であり、図25は、図22のL-L断面図であり、図26は、図22のM-M断面図である。
図22~図26に示すように、本変形例の第1収容室31の傾斜部315Bは、水の流路である谷が二手に分岐するように形成されている。傾斜部315Bでは、下流側である後端部313側に向かうにつれて、水の流路が左右方向の両端部に近づくように二手に分岐している。これにより、本変形例では、第1収容室31の後端部313では2つの水の流路が形成されているので、第1収容室31の後端部313における粉洗剤の残留を抑制することができる。
(まとめ)
第1態様に係るケース2は、洗濯機1の洗濯槽13に投入する洗濯処理剤を収容する。ケース2は、本体部3と、給水部4と、を備える。本体部3は、上方が開口し、洗濯処理剤を受ける。給水部4は、本体部3の上方を覆う天井部41を有する。天井部41は、本体部3に供給する水が流れる上面411を有し、水を上下方向に通す複数の第1給水孔461(461A~461D)が形成されている。複数の第1給水孔461(461A~461D)の少なくとも1つ第1給水孔461(461A~461D)の開口形状は、第1給水孔461(461A~461D)の内側に向かって凹む少なくとも1つの凹部47を有する凹形状である。
第2態様に係るケース2では、第1態様において、少なくとも1つの第1給水孔461(461A~461D)の開口形状は、少なくとも1つの凹部47によりくびれている。
第3態様に係るケース2では、第1又は第2態様において、少なくとも1つの凹部47は、曲線により形成されている。
第4態様に係るケース2では、第1~第3態様のいずれか一態様において、少なくとも1つの第1給水孔461(461A~461D)は、開口周縁が曲線により形成されている。
第5態様に係るケース2では、第1~第4態様のいずれか一態様において、少なくとも1つの凹部47は、天井部41の上面411を流れる水の向きと異なる方向に向かって凹んでいる。
第6態様に係るケース2では、第1~第5態様のいずれか一態様において、少なくとも1つの凹部47は、複数の凹部47を含む。少なくとも1つの第1給水孔461の開口形状は、複数の凹部47を有する凹形状である。
第7態様に係るケース2では、第6態様において、複数の凹部47は、互いに異なる向きに向かって凹む第1凹部471、第2凹部472、及び第3凹部473である。第1凹部471は、第1方向に向かって凹むように形成されている。第2凹部472は、第1凹部471に対して、第1方向と交差する第2方向の一方側に形成されている。第3凹部473は、第1凹部471に対して、第2方向の他方側に形成されている。
第8態様に係るケース2では、第7態様において、第1凹部471は、天井部41の上面411を流れる水の上流に向かって凹むように形成されている。
第9態様に係るケース2では、第1~第8態様のいずれか一態様において、天井部41は、水を上下方向に通す第1大給水孔491が更に形成されている。第1大給水孔491は、開口面積が少なくとも1つの第1給水孔461の開口面積よりも大きい。
第10態様に係るケース2では、第9態様において、第1大給水孔491は、開口形状が少なくも1つの第1給水孔461の開口形状と同じである。
第11態様に係るケース2では、第1~第10態様のいずれか一態様において、給水部4は、少なくとも1つの第1給水孔461(461A~461D)の外周縁から上方に向かって突出する少なくとも1つのリブ481を更に有する。
第12態様に係るケース2では、第1~第11態様のいずれか一態様において、少なくとも1つの第1給水孔461(461A~461D)の外周縁は、面取り加工されている。
第13態様に係る洗濯機1は、第1~第12態様のいずれか一態様のケース2と、ケース2に収容された洗濯処理剤が水と共に投入される洗濯槽13と、を備える。
第14態様に係るケース2は、洗濯機1の洗濯槽13に投入する洗濯処理剤を収容する。ケース2は、本体部3と、給水部4と、を備える。本体部3は、洗濯処理剤を受ける第1底部311を有する。給水部4は、本体部3に給水を行う。第1底部311は、第1方向(前後方向)の一端部(前端部312)が他端部(後端部313)よりも上方に位置するように形成された第1上面314を有している。第1上面314は、第1方向の距離に対する上下方向の距離の比を示す第1勾配が、第1方向において変化する傾斜部315(315A,315B)を含む。
第15態様に係るケース2では、第14態様において、傾斜部315(315B)は、第1方向において、第1勾配が増加と減少とを繰り返すように連続的に変化する。
第16態様に係るケース2では、第14態様又は第15態様において、傾斜部315(315A,315B)は、第1方向と交差する第2方向(左右方向)において、第2方向の距離に対する上下方向の距離の比を示す第2勾配が変化する。
第17態様に係るケース2では、第16態様において、傾斜部315(315A,315B)は、第2方向において、第2勾配が増加と減少とを繰り返すように変化している。第2方向における、第2勾配の極性が変化する複数の極性変化点の間隔を極性変化間隔とする。傾斜部315は、他端部側の極性変化間隔が、一端部側の極性変化間隔よりも狭くなるように形成されている。
第18態様に係るケース2では、第17態様において、第2方向における、第1上面314の中央と、第2勾配の極性が変化する複数の極性変化点の各々と、の間の距離の平均値を平均ずれ値とする。傾斜部315(315A,315B)は、他端部側の平均ずれ値が、一端部側の平均ずれ値よりも小さくなるように形成されている。
第19態様に係るケース2では、第14~第18態様のいずれか一態様において、傾斜部315Aは、第1方向において、一端部側から他端部側に向かうにつれて下がる下り勾配である。
第20態様に係るケース2では、第14~第19態様のいずれか一態様において、給水部4は、複数の第1給水孔461(461A~461D)と、第1大給水孔491が形成されている。複数の第1給水孔461(461A~461D)は、本体部3に向けて水が上下方向に流れる。第1大給水孔491は、複数の第1給水孔461(461A~461D)の各々よりも開口面積が大きく、水を上下方向に通す。傾斜部315Aは、第1方向と交差する第2方向において、第1大給水孔491の直下の位置から第2方向に離れるにつれて下がる下り勾配である。
第21態様に係る洗濯機1は、第14~第20態様のいずれか一態様のケース2と、ケース2に収容された洗濯処理剤が水と共に投入される洗濯槽13と、を備える。
なお、本開示はテッポウウオの口の形状に着目した技術的思想を含んでいる。さらに、本開示はアマミホシゾラフグの産卵巣の形状に着目した技術的思想を含んでいる。つまり、本開示は、バイオミメティクスに関係するものである。