JP2022079344A - 伸縮性シートの製造方法及びシート継ぎ装置 - Google Patents

伸縮性シートの製造方法及びシート継ぎ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2022079344A
JP2022079344A JP2020190492A JP2020190492A JP2022079344A JP 2022079344 A JP2022079344 A JP 2022079344A JP 2020190492 A JP2020190492 A JP 2020190492A JP 2020190492 A JP2020190492 A JP 2020190492A JP 2022079344 A JP2022079344 A JP 2022079344A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sheet
transport
heat generating
basis weight
elastic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2020190492A
Other languages
English (en)
Other versions
JP7253522B2 (ja
Inventor
史弥 門脇
Fumiya Kadowaki
賢司 小林
Kenji Kobayashi
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kao Corp filed Critical Kao Corp
Priority to JP2020190492A priority Critical patent/JP7253522B2/ja
Publication of JP2022079344A publication Critical patent/JP2022079344A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7253522B2 publication Critical patent/JP7253522B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Fiber Materials (AREA)
  • Shaping By String And By Release Of Stress In Plastics And The Like (AREA)
  • Lining Or Joining Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】シート継ぎ部を有するシートを延伸加工する場合に懸念されるシート破断等のトラブルを効果的に防止し得る技術を提供すること。【解決手段】接合された後行シート9Bを先行シート9Aに連続して延伸工程に供給するシート継ぎ工程において、両シート9A,9Bの重なり部90を、加圧部材51,52の間に挟んで厚み方向に加圧しつつ加熱手段56を用いて搬送交差方向に加熱することで、重なり部90における両シート9A,9Bどうしを融着させて接合する。加熱手段56は、搬送交差方向に間欠配置された第1発熱部57と、第1発熱部57よりも低温で発熱し、搬送交差方向に隣り合う第1発熱部57どうしの間に位置する第2発熱部58とを有している。第1発熱部57の搬送方向の長さは、前記延伸工程後のシート9A,9Bに存在する高坪量部14と低坪量部15との繰り返し単位の搬送方向の長さに比べて長い。【選択図】図7

Description

本発明は、伸縮性が要求される各種物品の構成部材として使用可能な伸縮性シートの製造方法に関し、詳細には、先行シートに後行シートを重ねて接合するシート継ぎ工程を有する伸縮性シートの製造方法に関する。また本発明は、斯かるシート継ぎ工程に使用可能なシート継ぎ装置に関する。
互いに噛み合う歯溝が回転軸方向に沿うように周面部に設けられた一対の歯溝ロールを備えた加工手段を使用し、該ロールを回転させてそれらの噛み合い部分に不織布等のシートを供給して、該シートに延伸加工を施す技術が提案されている。例えば特許文献1には、複数の弾性フィラメントが互いに交差せずに一方向に延在するように配置された不織布を、該弾性フィラメントの延在方向を流れ方向として前記一対の歯溝ロールの噛み合い部分に供給することで、該不織布に延伸加工を施すことが記載されている。斯かる延伸加工により、被加工物である不織布には、相対的に坪量の高い高坪量部と相対的に坪量の低い低坪量部とが流れ方向に交互に形成され、これにより、該不織布は流れ方向に伸縮性を有するようになる。
ところで前述した従来の技術においては、延伸加工の対象となるシートは一般にロール状に巻回された状態の巻回体から加工ラインへ繰り出されて連続的に延伸加工に付される。したがって、加工ラインを停止させないようにするためには、巻回体からのシート(先行シート)の繰り出しがすべて完了する前に、他の巻回体から繰り出された別のシート(後行シート)と接合する操作、いわゆるシート継ぎ操作が必要となる。シート継ぎ操作において、先行シートと後行シートとを継ぎ合わせる手段としては、接着剤、粘着テープ、ヒートシール等の融着等が用いられている。
特許文献2には、熱可塑性樹脂製のシートどうしを継ぎ合わせるシート継ぎ装置として、先行シートの一部と後行シートの一部との重なり部を形成するための手段と、該重なり部を加熱して両シートを融着する手段(ヒートシーラー)と、加熱された該重なり部を冷却する手段とを備えたものが記載されている。
また特許文献3には、プレス機構に熱可塑性樹脂を用いた対象物を挟んで加圧しつつ加熱溶融し、断電して又は空気で冷却して固めるヒートシーラーが記載されている。特許文献4に記載のヒートシーラーは、対象物を加熱する加熱手段として、通電により発熱するヒーター線を備え、該ヒーター線は、該ヒートシーラーにおける対象物との接触面の平面視において、均一な幅のジグザグ形状をなしている。
特許文献1に記載の如き延伸加工に供されるシートにシート継ぎ部が存在する場合、該シート継ぎ部と、該シートの搬送方向において該シート継ぎ部に隣接する部分とで剛性が異なることなどに起因して、両者の境界において該シートが破断してしまうという問題がある。斯かる問題の解決を図るべく、特許文献4には、シート継ぎされる2枚のシートに形成されるシート継ぎ部を、シートの搬送方向と直交する交差方向において間欠的に設け、該交差方向における全域にわたって設けないことが記載されている。
特開2008-179128号公報 特表平9-503471号公報 特開2015-120334号公報 特開2012-207336号公報
特許文献4に記載の技術は、延伸加工に供されるシートが継ぎ部を有する場合に生じやすいシート破断の問題の解決を図ったものであるが、シートの種類や延伸加工の条件等によってはシート破断を有効に防止することができず、改良の余地がある。
本発明の課題は、シート継ぎ部を有するシートを延伸加工する場合に懸念されるシート破断等のトラブルを効果的に防止し得る技術を提供することにある。
本発明は、一方向に伸縮性を有し、且つ少なくとも該一方向に伸長した状態で、相対的に坪量の高い高坪量部と相対的に坪量の低い低坪量部とが該一方向に交互に配された状態となる、伸縮性シートの製造方法である。
本発明の伸縮性シートの製造方法の一実施形態は、一方向に連続する基材シートを、該一方向を搬送方向として、互いに噛み合う一対の歯溝ロールの噛み合い部分を通過するように搬送することで、該基材シートを該搬送方向に延伸して前記伸縮性シートとする延伸工程を有している。
本発明の伸縮性シートの製造方法の一実施形態は、前記延伸工程に搬送される前記基材シートを先行シート、該先行シートの次に該延伸工程に搬送される別の前記基材シートを後行シートとして、該先行シートの一部に該後行シートの一部を重ねて接合し、接合された該後行シートを該先行シートに連続して該延伸工程に供給するシート継ぎ工程を有している。
本発明の伸縮性シートの製造方法の一実施形態では、前記シート継ぎ工程では、前記先行シートと前記後行シートとの重なり部を、対向配置された一対の加圧部材の間に挟んで該重なり部の厚み方向に加圧しつつ、該加圧部材が備える加熱手段を用いて、前記搬送方向と交差する搬送交差方向に加熱することで、該重なり部における両シートどうしを融着させて接合している。
本発明の伸縮性シートの製造方法の一実施形態では、前記加熱手段は、前記搬送交差方向に間欠配置された第1発熱部と、該第1発熱部よりも低温で発熱し、該搬送交差方向に隣り合う該第1発熱部どうしの間に位置する第2発熱部とを有している。
本発明の伸縮性シートの製造方法の一実施形態は、前記第1発熱部の前記搬送方向の長さは、前記高坪量部と前記低坪量部との繰り返し単位の該搬送方向の長さに比べて長い。
また本発明は、所定の搬送先に向けて搬送路を搬送される先行シートの一部に後行シートの一部を重ねて接合し、接合された該後行シートを該先行シートに連続して該搬送路に送り出す、シート継ぎ装置である。
本発明のシート継ぎ装置の一実施形態では、前記先行シートと前記後行シートとの重なり部をその厚み方向に加圧しつつ加熱することで、該重なり部における両シートどうしを融着させて接合するシート接合部を備えている。
本発明のシート継ぎ装置の一実施形態では、前記シート接合部は、対向配置された一対の加圧部材を備え、該一対の加圧部材の間に前記重なり部を挟んで加圧可能になされている。
本発明のシート継ぎ装置の一実施形態では、前記一対の加圧部材の少なくとも一方は加熱手段を備え、該一対の加圧部材の間に挟まれた前記重なり部を該加熱手段の発熱によって加熱可能になされている。
本発明のシート継ぎ装置の一実施形態では、前記加熱手段は、前記先行シートの搬送方向と交差する搬送交差方向に間欠配置された第1発熱部と、該第1発熱部よりも低温で発熱し、該搬送交差方向に隣り合う該第1発熱部どうしの間に位置する第2発熱部とを有している。
本発明の他の特徴、効果及び実施形態は、以下に説明される。
本発明によれば、シート継ぎ部を有するシートを延伸加工する場合に懸念されるシート破断等のトラブルを効果的に防止し得る技術が提供される。
図1は、本発明によって製造される伸縮性シートの一実施形態を一部破断して模式的に示す斜視図である。 図2は、図1に示す伸縮性シートの厚み方向及び弾性フィラメントの延在方向の双方に沿う断面を模式的に示す断面図であり、図2(a)が自然状態を示し、図2(b)が伸長状態を示す。 図3は、本発明の伸縮性シートの製造方法における延伸工程の一例を模式的に示す斜視図である。 図4は、図3に示す延伸工程における一対の歯溝ロールの噛み合い部分の流れ方向に沿う断面を模式的に示す断面図である。 図5は、本発明の伸縮性シートの製造方法において延伸工程に供される基材シートの製造工程の一例を模式的に示す斜視図である。 図6は、本発明の伸長性シートの製造方法に使用可能なシート継ぎ装置の一実施形態の概略構成を示す図である。 図7は、図6に示すシート継ぎ装置で形成された先行シートと後行シートとのシート継ぎ部の一例を模式的に示す平面図である。 図8は、図6に示すシート継ぎ装置における一対の加圧部材の模式的な斜視図である。 図9は、図8に示す加熱手段の一部を拡大して模式的に示す平面図である。 図10は、図7に示すシート継ぎ部の延伸加工後の伸縮性シートの製造工程での状態の一例を模式的に示す平面図である。 図11(a)及び図11(b)は、それぞれ、本発明で採用可能な先行シートと後行シートとのシート継ぎ部の他の一例を模式的に示す平面図(図7相当図)である。 図12(a)は、図7に示すシート継ぎ部の延伸加工後の伸縮性シートの非伸長状態の一例を模式的に示す平面図、図12(b)は、図11(a)に示すシート継ぎ部の延伸加工後の伸縮性シートの非伸長状態の一例を模式的に示す平面図である。 図13(a)は、本発明に係る加熱手段の他の実施形態の模式的な平面図、図13(b)は、図13(a)に示す加熱手段を用いて形成されたシート継ぎ部を模式的に示す平面図(図7相当図)である。 図14(a)は、本発明に係る加熱手段の更に他の実施形態の模式的な平面図、図14(b)は、図14(a)に示す加熱手段を用いて形成されたシート継ぎ部を模式的に示す平面図(図7相当図)である。
以下、本発明をその好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。なお、以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。図面は基本的に模式的なものであり、各寸法の比率などは現実のものとは異なる場合がある。
図1及び図2には、本発明によって製造される伸縮性シートの一実施形態である伸縮性シート10が示されている。伸縮性シート10は、一方向Xに伸縮性を有し、且つ図2(b)に示すように、少なくとも一方向Xに伸長した状態で、相対的に坪量の高い高坪量部14と相対的に坪量の低い低坪量部15とが一方向Xに交互に配されているものである。方向Xは、伸縮性シート10の製造時のシートの搬送方向(流れ方向、機械方向)MDに一致し、後述する方向Yは、搬送方向MDに直交する搬送直交方向CDに一致する。
本実施形態では、伸縮性シート10は、相対向する2層の繊維シート11,12と、該2層の繊維シート11,12の間に配置され、互いに交差せずに一方向Xに延びる複数の弾性フィラメント13とを有している。複数の弾性フィラメント13は、実質的に非伸長状態で、それらの全長にわたり、伸長可能な繊維シート11,12に接合されている。
繊維シート11,12は、互いに同種でもよく、異種でもよい。ここでいう「同種」とは、対比する繊維シートどうしで、繊維シートの製造プロセス、構成繊維の種類、構成繊維の繊維径及び長さ、繊維シートの厚み及び坪量がすべて同じである場合を意味する。これらのうちの1つでも異なる場合、その対比する繊維シートどうしは互いに「異種」である。
繊維シート11,12は何れも伸長可能なものである。繊維シート11,12は、弾性フィラメント13の延びる方向(方向X)に伸長可能である。ここでいう「伸長可能」には、(1)繊維シート11,12の構成繊維自体が伸長する場合と、(2)構成繊維自体は伸長しなくても、交点において結合していた繊維どうしが離れたり、繊維どうしの結合等により複数本の繊維で形成された立体構造が構造的に変化したり、構成繊維がちぎれたりして、繊維シート11,12全体として伸長する場合とが包含される。
弾性フィラメント13は、弾性樹脂が溶融又は軟化した状態で延伸されて形成されたものである。複数の弾性フィラメント13は、それぞれ、伸縮性シート10の方向Xの全長に連続して配されている。複数の弾性フィラメント13は、互いに交差せずに一方向(方向X)に延びるように配列している。弾性フィラメント13は、実質的に非伸長状態で繊維シート11,12の間に接合されている。弾性フィラメント13と繊維シート11,12との接合は、両繊維シート11,12の構成繊維(非弾性繊維)が弾性フィラメント13中に埋没した状態で該弾性フィラメント13に融着することによりなされたものであり、ホットメルト型接着剤等の接着剤を用いてなされたものではない。したがって、繊維シート11,12(非弾性繊維を主体とする伸長可能な繊維シート)とこれに接合されている弾性フィラメント13との間には接着剤が存在しない。
伸縮性シート10は、弾性フィラメント13の延びる方向(方向X)に伸縮可能である。伸縮性シート10の伸縮性は、弾性フィラメント13の弾性に起因して発現する。伸縮性シート10を弾性フィラメント13の延びる方向に引き伸ばすと、弾性フィラメント13及び繊維シート11,12が伸長する。そして伸縮性シート10の引き伸ばしを解除すると、弾性フィラメント13が収縮し、その収縮に連れて繊維シート11,12が引き伸ばし前の状態に復帰する。また、伸縮性シート10においては、弾性フィラメント13と直交した状態で結合している他の弾性フィラメントは存在していない。したがって、伸縮性シート10を弾性フィラメント13の延びる方向と同方向に引き伸ばした場合には、伸縮性シート10が幅縮みをほとんど起こさずに伸長し得る。
伸縮性シート10を構成する繊維シート11,12は、それぞれ、短繊維の不織布であり得る。不織布としては、エアスルー不織布、ヒートロール不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、メルトブローン不織布等が挙げられる。
伸縮性シート10を構成する弾性フィラメント13は、例えば熱可塑性エラストマーやゴム等を原料とするものである。特に熱可塑性エラストマーを原料として用いると、通常の熱可塑性樹脂と同様に押出機を用いた溶融紡糸が可能であり、またそのようにして得られた弾性フィラメントは熱融着させやすいので、伸縮性シート10に好適である。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、SBS(スチレン-ブタジエン-スチレン)、SIS(スチレン-イソプレン-スチレン)、SEBS(スチレン-エチレン-ブタジエン-スチレン)、SEPS(スチレン-エチレン-プロピレン-スチレン)等のスチレン系エラストマー、オレフィン系エラストマー(エチレン系のα-オレフィンエラストマー、エチレン・ブテン・オクテン等を共重合したプロピレン系エラストマー)、ポリエステル系エラストマー、ポリウレタン系エラストマー等が挙げられ、これらの1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらの樹脂からなる芯鞘型又はサイド・バイ・サイド型の複合繊維を用いることもできる。
伸縮性シート10は、自然状態においては図2(a)に示すように、頂部14a及び谷部14bが交互に配列した波形形状になっている。頂部14aと谷部14bとは稜線部15aを介して連なっている。稜線部15aは、頂部14a及び谷部14bに比べて厚みが若干小さく、そのため、頂部14a及び谷部14bに比べて光透過性が高い。また、頂部14a、稜線部15a及び谷部14bは、それぞれ、伸縮性シート10の伸長方向(方向X)と直交する方向(方向Y)に延在している。そのため、自然状態の伸縮性シート10を目視で平面視した場合、相対的に光透過性が高い稜線部15aと相対的に光透過性が低い頂部14a及び谷部14bとに対応して、互いに色相が異なる複数の方向Yに延びる線状ないし帯状の領域が方向Xに並べて配置された、縞模様を視認することができる。
また伸縮性シート10は、弾性フィラメント13の伸縮方向(方向X)に伸長させた状態においては図2(b)に示すように、高坪量部14と低坪量部15とが方向Xに交互に配されている。より具体的には、伸長状態の伸縮性シート10では、高坪量部14と低坪量部15との繰り返し単位が方向Xに複数連なり、方向Xにおいて高坪量部14と低坪量部15とが一定の周期で交互に繰り返されている。高坪量部14及び低坪量部15は、それぞれ、弾性フィラメント13の延びる方向と直交する方向(方向Y)に延在している。
高坪量部14は、図2(a)に示す自然状態の伸縮性シート10における頂部14a又は谷部14bに由来し、低坪量部15は、図2(a)に示す自然状態の伸縮性シート10における稜線部15aに由来している。
高坪量部14については、自然状態の伸縮性シート10における頂部14aに由来し該頂部14aと同じ側に突出するものと、自然状態の伸縮性シート10における谷部14bに由来し該谷部14bと同じ側に突出するものとが存在し、両者が方向Xに交互に配されている場合があり得る。
高坪量部14と低坪量部15とでは、それらの坪量差に起因して光透過性に差があるため、伸長状態の伸縮性シート10は、相対的に光透過性が高い低坪量部15と相対的に光透過性が低い高坪量部14とに対応して、互いに色相が異なる複数の方向Yに延びる線状ないし帯状の領域が方向Xに並べて配置された、縞模様を呈する。
本発明によって製造された伸縮性シートは、例えば、使い捨ておむつ、生理用ナプキン及び体液吸収パッド等に代表される吸収性物品のトップシート、バックシート、立体ギャザー及び外装材等の構成部材として好適に用いることができる。これ以外にも、伸縮性が要求される各種物品の構成部材として好適に用いられる。
次に、本発明の伸縮性シートの製造方法について、前述した伸縮性シート10の製造方法を例にとり説明する。図3には、伸縮性シート10の製造方法の実施に好適な製造装置1における延伸工程を実施する部分(延伸装置)が示されている。
伸縮性シート10の製造方法は、一方向に連続する基材シート9を、該一方向を搬送方向(流れ方向、機械方向)MDとして、互いに噛み合う一対の歯溝ロール2,3の噛み合い部分を通過するように搬送することで、基材シート9を搬送方向MDに延伸する延伸工程を有する。基材シート9は、実質的に伸長性を有しておらず、延伸工程に供され延伸加工が施されることで搬送方向MDに延伸されて、同方向MDに伸縮性を有するようになる。
本実施形態では、製造装置1は、図3に示すように、歯溝ロール2,3よりも搬送方向MDの上流側に配され、ロール状に巻回された基材シート9の原反91が取り付けられるロール支持軸41と、ロール支持軸41と歯溝ロール2,3との間に配された一対のインフィードロール4,4と、歯溝ロール2,3よりも搬送方向MDの下流側に配された一対のアウトフィードロール5,5とを備えている。ロール支持軸41が回転駆動することで、原反91から基材シート9が繰り出され、繰り出された基材シート9は、一対のインフィードロール4,4によって歯溝ロール2,3間に供給される。一対のアウトフィードロール5,5は、歯溝ロール2,3間で延伸加工された基材シート9aを、歯溝ロール2,3から引き出して次工程に搬送する。製造装置1は、一対のインフィードロール4,4及び一対のアウトフィードロール5,5それぞれの少なくとも一方を回転駆動させるための駆動部(図示せず)を備えている。
したがって、製造装置1を用いた伸縮性シート10の製造方法は、基材シート9を一対のインフィードロール4,4から互いに噛み合う歯溝ロール2,3の噛み合い部分に供給して、歯溝ロール2,3間で基材シート9をその搬送方向MDに延伸加工する延伸工程と、歯溝ロール2,3で延伸加工された基材シート9aを一対のアウトフィードロール5,5に供給して、両ロール5,5で基材シート9aにその搬送方向MDに張力を加えながら歯溝ロール2,3から引き出す引き出し工程とを有しており、歯溝ロール2,3で延伸加工された基材シート9aは、該引き出し工程で所望の張力を付与されることで、伸縮性シート10となる。
製造装置1を用いた伸縮性シート10の製造方法では、インフィードロール4の周速度を、互いに噛み合った状態での歯溝ロール2,3の周速度に対して所定速度に設定することで、基材シート9に所望の張力を付与するか、又は、インフィードロール4の周速度を、ロール支持軸41に取り付けられた原反91から繰り出される基材シート9の繰り出し速度に対して所定速度に設定することで、基材シート9に所望の張力を付与する。
一対の歯溝ロール2,3は、いずれか一方の歯溝ロールが駆動ロールであり且つ他方の歯溝ロールが連れ回りロールとなっている。製造装置1では、被加工物である基材シート9の下方に位置する歯溝ロール2が駆動ロール、基材シート9の上方に位置する歯溝ロール3が連れ回りロールとなっている。尤も、歯溝ロール2,3ともに駆動ロールであっても構わない。歯溝ロール2,3は、それらの軸方向が平行になるように、且つロールの周面に設けられた歯溝が互いに噛み合うように配置されている。歯溝ロール2,3は、軸周りに互いに反対方向に回転するようになされている。
歯溝ロール2,3は同じ形態のロールで構成されており、図3に示すように、各ロールの歯(凸条部)20,30は各ロールの軸に沿って周面に複数設けられている。より具体的には、歯溝ロール2は、その軸方向に延びる歯(凸条部)20と、同じく軸方向に延びる溝21とを、ロールの周方向に沿って周面に交互に有している。同様に、歯溝ロール3は、その軸方向に延びる歯(凸条部)30と、同じく軸方向に延びる溝31とを、ロールの周方向に沿って周面に交互に有している。歯溝ロール2における歯20の高さは、歯溝ロール3における歯30のそれと同じになっている。また、歯溝ロール2における隣接する歯20どうしのピッチも、歯溝ロール3における歯30のそれと同じになっている。ここで、歯溝ロールにおける歯の高さとは、歯の根元から先端までの長さをいう。また、歯溝ロールにおける隣接する歯どうしのピッチとは、1つの歯の中心線とそれと隣り合う歯の中心線との距離をいう。なお、歯20,30の幅はその高さ方向の全域にわたって均一でもよく、歯の根元から歯の先端に向って細くなる台形型の歯であってもよい。また、歯20,30の先端の角部は、面取りしておくことが好ましい。
製造装置1においては、歯溝ロール2,3が回転されているときにそれらの噛み合い部分に供給された基材シート9に対してその搬送方向MDに延伸加工を施して、搬送方向MDに沿う伸長性を付与する。歯溝ロール2,3の噛み合い部分では、図4に示すように、歯溝ロール2の歯20が歯溝ロール3の溝31に噛み合うとともに、歯溝ロール3の歯30が歯溝ロール2の溝21に噛み合っており、基材シート9は、歯溝ロール2の歯20と、それに隣接する歯溝ロール3の歯30との間で引き伸ばされる、すなわち延伸される。
より具体的には、基材シート9は、歯溝ロール2,3の歯20,30に当接する領域(P3-P2間、P1-P4間)においては、ほとんど延伸されないが、駆動ロールである歯溝ロール2の歯20の歯面によって、従動ロールである歯溝ロール3の歯30の歯面に向けて押圧される領域(P2-P1間)においては、両歯20,30によって大きく延伸される。また基材シート9は、歯溝ロール2の歯20の先端部によって、歯溝ロール3の歯30から引き離される領域(P4-P3間)においては、前記領域(P2-P1間)程ではないが、大きく延伸される。また基材シート9は、歯溝ロール2,3の歯20,30の先端部に当接する領域(P3-P2間、P1-P4間)においては、前述のとおりほとんど延伸されないが、歯20,30の先端部によって、その径方向に、つまり基材シート9の厚み方向に片押しされるので、厚み方向に薄くなる。
このような延伸プロセスによって、弾性フィラメント13と2枚の繊維シート11,12との剥離を防止しつつ、基材シート9における両繊維シート11,12を効率的に延伸させることができ、歯溝ロール2,3で延伸加工された基材シート9aは搬送方向MDに伸縮性を有するものとなる。そして、基材シート9a、更には基材シート9aに所望の張力を付与して得られた伸縮性シート10においては、大きく延伸された領域(P2-P1間及びP4-P3間)が低坪量部15となり、ほとんど延伸されない領域(P3-P2間、P1-P4間)が高坪量部14となる。
図5には、基材シート9の製造工程の一例が示されている。図5に示す基材シート9の製造工程では、複数の弾性フィラメント13を、一方向に延びるように、且つ実質的に非伸長状態下に、繊維シート11,12に接合して基材シート9を製造する。弾性フィラメント13は、紡糸ヘッド17の下端に設けられた複数の紡糸ノズル16から紡出される。紡糸ヘッド17は、図示しない押出機に接続されており、弾性フィラメント13の原料である弾性樹脂は、溶融混錬された状態で該押出機によって紡糸ヘッド17に供給され、紡糸ノズル16から紡出される。紡糸ノズル16は、繊維シート11,12の搬送方向MDと直交する搬送直交方向CDに沿って間欠配置されている。
図5に示す基材シート9の製造工程では、紡糸ノズル16から紡出された溶融状態の複数の弾性フィラメント13を所定速度で引き取って延伸しつつ、弾性フィラメント13の固化前に、弾性フィラメント13が互いに交差せず一方向に配列するように、弾性フィラメント13を2枚の繊維シート11,12に溶着させる。紡糸ノズル16から紡出された溶融状態の弾性フィラメント13は、それぞれ原反から同速度で繰り出された2枚の繊維シート11,12と合流し、両繊維シート11,12の間に挟持された状態で両繊維シート11,12とともに一対のニップロール18,18によって挟圧される。こうして基材シート9が製造される。
なお、本発明で用いる基材シートは、前述の基材シート9、すなわち「複数の弾性フィラメント13が実質的に非伸長状態でそれらの全長にわたって繊維シート11,12に接合された基材シート」に限定されず、要は、本来的に伸長性を有していないが、前述の延伸工程(一方向に連続する基材シートを、該一方向を搬送方向として、互いに噛み合う一対の歯溝ロールの噛み合い部分を通過するように搬送することで、該基材シートを該搬送方向に延伸する工程)に供されることにより、相対的に坪量の高い高坪量部と相対的に坪量の低い低坪量部とが該基材シートの搬送方向MDに交互に形成されて、搬送方向MDに伸縮性を有するようになるものであればよい。
本発明で用いる基材シートとしては、前述の基材シート9の他に、例えば、紙、単層不織布、樹脂フィルム、2種以上の不織布の積層体、樹脂フィルムと不織布との積層体等が挙げられる。具体的には、基材シートとして、ポリプロピレン繊維、ポリプロピレンとポリエチレンとの組成物からなる繊維、及びポリプロピレンとポリエチレンとのバイコンポーネント繊維から選ばれるポリオレフィン繊維の熱可塑性重合体不織布が挙げられる。
前述の延伸加工によって、基材シートに伸長性を付与するとともに柔軟性を付与する観点から、基材シートは弾性繊維を含む不織布が好ましい。前述の基材シート9は、弾性繊維を含む不織布の一種である。
弾性繊維を含む不織布の他の具体例として、弾性繊維を含む弾性繊維層の少なくとも一面に、実質的に非弾性の繊維から構成された非弾性繊維層が配され、両繊維層が、該弾性繊維層の構成繊維が繊維形態を保った状態で、熱融着によって接合された伸縮性不織布が挙げられる。基材シートが弾性を有する場合、延伸加工後の該基材シートは延伸方向に沿う伸縮性を発現し得る。前記弾性繊維としては、例えば、スチレン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー又はポリウレタン系エラストマー等の熱可塑性エラストマー、ゴム等の弾性樹脂を原料とする繊維が挙げられる。前記非弾性繊維としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリエステル(PETやPBT)、ポリアミド等からなる繊維が挙げられる。
以上の工程においては、伸縮性シート10を連続的に製造していることから、製造ラインを停止させないようにするために、ロール支持軸41に取り付けられた原反91から繰り出される基材シート9を、その繰り出しがすべて完了する前に、原反91とは別の原反から繰り出された基材シート9と接合する操作、すなわちシート継ぎ操作が必要となる。シート継ぎ操作は、前述の延伸工程に先立ち行われる。本実施形態では、ロール支持軸41とインフィードロール4との間でシート継ぎ操作が行われる。
図6には、シート継ぎ操作に好適に用いられるシート継ぎ装置40が示されている。製造装置1は、シート継ぎ装置40を備えている。シート継ぎ装置40は、所定の搬送先(例えば一対の歯溝ロール2,3)に向けて搬送路を搬送される先行シートの一部に後行シートの一部を重ねて接合し、接合された該後行シートを該先行シートに連続して該搬送路に送り出すものである。
本実施形態では、シート継ぎ装置40は、前記延伸工程で述べたロール支持軸41に加えて更に別のロール支持軸42を備え、ロール支持軸41に取り付けられた原反91から繰り出された第1シート9Aと、ロール支持軸42に取り付けられた原反92から繰り出された第2シート9Bとを接合し、両シート9A,9Bの何れか一方を交互に搬送する。したがって本実施形態では、1)第1シート9Aが先行シート、第2シート9Bが後行シートとなる場合と、2)第2シート9Bが先行シート、第1シート9Aが後行シートとなる場合とがある。図6には前記1)の場合が示されている。
原反92(第2シート9B)は基材シート9であり、原反91(第1シート9A)と同一物である。ロール支持軸42はロール支持軸41と同様に構成されている。
本実施形態では、シート継ぎ装置40は、シート供給装置として、原反91が取り付けられるロール支持軸41と、原反92が取り付けられるロール支持軸42と、ロール支持軸41(原反91)の回転及び停止を行う第1駆動部(図示せず)と、ロール支持軸42(原反92)の回転及び停止を行う第2駆動部(図示せず)と、原反91から繰り出された第1シート9Aを案内するガイドロール43と、原反92から繰り出された第2シート9Bを案内するガイドロール44とを備える。
シート継ぎ装置40は、先行シートと後行シートとの重なり部をその厚み方向に加圧しつつ加熱することで、該重なり部における両シートどうしを融着させて接合するシート接合部50を備えている。
図7には、先行シートである第1シート9Aの搬送方向MDの終端部9ARと、後行シートである第2シート9Bの搬送方向MDの始端部9BFとの重なり部90が示されている。本実施形態では、シート接合部50はこの重なり部90を厚み方向に加圧しつつ加熱する。図7に示す重なり部90は、シート接合部50による加圧加熱処理後のものであり、斯かる加圧加熱処理によって形成された融着部93が、搬送直交方向CDに間欠配置されている。融着部93の詳細については後述する。
シート接合部50は、図6及び図8に示すように、対向配置された一対の加圧部材51,52を備え、一対の加圧部材51,52の間に重なり部90を挟んで加圧可能になされている。また、一対の加圧部材51,52の少なくとも一方は加熱手段56を備え、一対の加圧部材51,52の間に挟まれた重なり部90を加熱手段56の発熱によって加熱可能になされている。
本実施形態では、一対の加圧部材51,52は、それぞれ、図8に示すように、搬送直交方向CDに長い形状を有し、処理対象であるシート9A,9Bを搬送直交方向CDの全長にわたって加圧することができる。
本実施形態では、一対の加圧部材51,52のうち、加圧部材51のみが加熱手段56を備えている。したがって、一対の加圧部材51,52の間に挟まれた状態の重なり部90は、加圧部材51との対向面が加熱手段56によって加熱される。なお本発明では、一対の加圧部材51,52の双方が加熱手段56を備えていてもよい。
また本実施形態では、一対の加圧部材51,52のうち、加熱手段56を備えている加圧部材51は固定されているのに対し、加熱手段56を備えていない加圧部材52は、エアシリンダ等の駆動部59に接続されており、加圧部材51に対して進退自在に移動可能に配されている。なお本発明では、一対の加圧部材51,52の双方が、他方に対して進退自在に移動可能になされていてもよい。
本実施形態では、シート継ぎ装置40は、加熱手段56によって加熱された重なり部90を冷却する冷却手段を備えている。具体的には図6に示すように、冷却対象物である重なり部90と接触する加圧部材52の加圧面(加圧部材51との対向面)から、冷媒供給管53を介して外部から供給された冷媒としての空気等の気体が噴射されるようになされており、該加圧面に接触している重なり部90は、この噴射された気体によって冷却される。本実施形態ではこのように、重なり部90の冷却手段は、冷媒として気体を用いる空冷手段であるが、本発明では斯かる冷却手段の種類は特に制限されず、例えば、冷媒として液体を用いる液冷手段でもよい。
本実施形態では、シート継ぎ装置40は、シート接合部50(一対の加圧部材51,52)よりも搬送方向MDの上流側に配され、先行シートを切断する切断手段54,55を備えている。切断手段54は第1シート9Aの切断用、切断手段55は第2シート9Bの切断用であり、典型的にはそれぞれ、切断対象のシートが先行シートである場合において、先行シートと後行シートとがシート接合部50によって接合された後に先行シートを切断するのに使用される。切断手段54,55としては、シート9A,9B(基材シート9)を切断可能なものであればよく、例えば、刃物を対象物に接触させて切断するものでもよく、加熱、超音波照射又はレーザー照射によって切断対象を溶断するものでもよい。また、切断手段54,55は、シート9A,9Bの搬送路に沿って移動可能になされていてもよい。
本実施形態では、シート継ぎ装置40は、シート接合部50と搬送先(一対の歯溝ロール2,3)との間に配され、先行シート(図6では第1シート9A)を貯留する貯留装置60を備えており、先行シートの搬送停止中に、貯留装置60に貯留された先行シートを搬送先に送り出し可能になされている。
貯留装置60は、アキュームレータなどとも呼ばれる公知の装置である。本実施形態では、貯留装置60は、図6に示すように、水平方向に所定間隔を置いて対向配置された一対のロールユニット61,62を備え、各ロールユニット61,62には複数のロール63が鉛直方向に間欠配置されている。固定ロールユニット61は固定されているのに対し、可動ロールユニット62は、固定ロールユニット61に対して進退自在に移動可能に配されている。先行シート(図6では第1シート9A)は、固定ロールユニット61、可動ロールユニット62の順で、各ロール63に交互に蛇腹状に掛け渡されており、可動ロールユニット62が移動することによって、先行シートに所定のテンションが付与される。例えば、先行シートの供給量が排出量よりも多いと、可動ロールユニット62は固定ロールユニット61から離れる方向に移動し、これにより貯留装置60における先行シートの貯留量は増加する。また、先行シートの供給量が排出量よりも少ないと、可動ロールユニット62は固定ロールユニット61に近づく方向に移動し、これにより貯留装置60における先行シートの貯留量は減少する。換言すれば、貯留装置60は所定の長さの先行シートを蓄えることができ、貯留装置60に導入される際の先行シートの搬送速度がゼロであっても、貯留装置60に貯留された先行シートを搬送方向MDの下流側に送り出すことができこれにより、先行シートの張力を所定値に保持することができる。
本実施形態では、シート継ぎ装置40は、前記の第1駆動部及び第2駆動部、シート接合部50(一対の加圧部材51,52、加熱手段56)、前記冷却手段、切断手段54,55、貯留装置60等をはじめとする各部の動作を制御する制御部(図示せず)を備えており、シート継ぎ装置40の各部は該制御部の制御下で動作する。前記制御部は、例えば、CPU、ROM、RAMなどを含んで構成されている。
図6に示すように、第1シート9Aが先行シートとして搬送先である一対の歯溝ロール2,3に連続的に搬送されている場合、後行シートである第2シート9Bは、次のシート継ぎ工程に備えて待機状態とされており、具体的には、シート継ぎ工程で第1シート9Aと接合される第2シート9Bの始端部9BFが、シート接合部50における一対の加圧部材51,52の間に位置している状態で静止している。斯かる後行シート9Bの待機状態は、人手操作によって行ってもよい。また、シート接合部50の近傍などに、バキュームローラ等の吸引手段を配置して、待機状態の第2シート9Bにおける原反92から繰り出された部分を吸引保持するようにしてもよい。
一方、貯留装置60において、可動ロールユニット62は、先行シートである第1シート9Aの残量がまだ十分にあるときは、図6中符号P1で示す待機位置にあり、第1シート9Aの残量が少なくなる(第1シート9Aの原反91の径が小さくなる)と、固定ロールユニット61から離れる方向に移動を開始する。これにより貯留装置60における第1シート9Aの貯留量が増加する。可動ロールユニット62が紙継ぎ開始位置P2にあるとき、シート継ぎ操作を開始し、貯留装置60に貯留された第1シート9Aが搬送先(一対の歯溝ロール2,3)に送り出される時間内に、シート継ぎ操作を完了させることで、製造ラインを停止することなく、第1シート9A(先行シート)から第2シート9B(後行シート)への切り替えを行うことができる。
前記シート継ぎ操作は、典型的には、ロール支持軸41の回転を停止して第1シート9Aの原反91からの繰り出しを停止し、第1シート9Aと第2シート9Bとを接合した後、その接合位置(重なり部90)よりも搬送方向MDの上流側の位置にて第1シート9Aを切断する操作を含む。斯かる第1シート9Aの切断は、切断手段54によって行われる。
前記の第1シート9Aと第2シート9Bとの接合は、具体的には次の手順で行われる。すなわち、加圧部材52が加圧部材51に向けて移動し、一対の加圧部材51,52の間に位置している第1シート9Aと第2シート9Bの始端部9BFと重ねて重なり部90(図7参照)を形成するとともに、重なり部90をそのまま一対の加圧部材51,52の間に挟んで厚み方向に加圧しつつ、加圧部材51が備える加熱手段56を用いて、搬送交差方向に加熱することで、重なり部90における両シート9A,9Bどうしを融着させて接合する。加熱手段56は、図7に示すように、搬送直交方向CDに延在しているので、重なり部90の近傍で加熱手段56が発熱させることで、重なり部90を搬送交差方向に、より具体的には搬送直交方向CDに加熱することができる。
本明細書において、「搬送交差方向」は、搬送方向MDとのなす角度のうち鋭角側のものが45度以上の方向を指す。搬送直交方向CDは、搬送交差方向の1つである。
このようにして第1シート9A(先行シート)の終端部9ARに第2シート9B(後行シート)の始端部9BFが継ぎ合わされると、その後は、第2シート9Bが次工程の延伸工程に搬送され、該第2シート9Bが先行シートとなる。第2シート9Bが延伸工程に連続的に搬送されている間に、新たな原反91がロール支持軸41に取り付けられ、該原反91から繰り出された新たな第1シート9A(後行シート)は、次のシート継ぎ工程に備えて前述した待機状態とされる。そして、第2シート9B(先行シート)の残量が少なくなった場合には、前述した手順と同様の手順で、第2シート9B(先行シート)の一部(終端部)に新たな第1シート9A(後行シート)の一部(始端部)を重ねて接合することができる。このようにシート継ぎ装置40では、第1シート9Aと第2シート9Bとが交互に継ぎ合わされる。
前述したシート継ぎ工程は、基本的には従来行われているシート継ぎ工程と同じであるところ、前述した方法で継ぎ合わされたシート継ぎ部(先行シートと後行シートとの重なり部)は、歯溝ロール2,3による延伸工程において他の部分よりも延伸されづらく、シートの強度が低い場合にはシートが破断し、生産性の低下や歯溝ロールの破損等の不都合を招くことがある。本発明は、このシート継ぎ部の延伸工程での破断を防止するために、シート継ぎ工程で先行シートと後行シートとの重なり部を加熱するのに用いる加熱手段56を工夫した点で特徴付けられる。加熱手段56の特徴的な構成の1つとして、図8及び図9に示すように、先行シートの搬送方向MDと交差する搬送交差方向に間欠配置された第1発熱部57と、第1発熱部57よりも低温で発熱し、該搬送交差方向に隣り合う第1発熱部57どうしの間に位置する第2発熱部58とを有している点が挙げられる。
本実施形態では、加熱手段56は、図8に示すように、加圧部材51の加圧面(加圧部材52との対向面)51a側の表層部に設けられ、加圧面の51aの搬送直交方向CDの全長にわたって連続して延在しており、平面視において搬送方向MDと平行な方向に振幅するジグザグ形状を有している。斯かる平面視ジグザグ形状の加熱手段56においては、搬送方向MDと同方向に突出する凸部と、搬送方向MDとは反対方向に突出する凸部とが、搬送交差方向(搬送直交方向CD)に交互に配されている。前者の凸部と後者の凸部とはその突出方向の長さL1(図9参照)が同じであり、すなわちジグザグ形状の加熱手段56の振幅幅は、加熱手段56の延在方向の全長にわたって一定である。第1発熱部57は、搬送方向MDに平行に延び、搬送直交方向CDに間欠配置されている。
本実施形態では、第1発熱部57及び第2発熱部58は、搬送交差方向(搬送直交方向CD)に連続する1枚の導電性部材の一部であり、該1枚の導電性部材に通電することで両発熱部57,58が発熱する。より具体的には、本実施形態では、加熱手段56が1枚の導電性部材からなり、該1枚の導電性部材に通電することで加熱手段56の全体が発熱する。加熱手段56を構成する導電性部材は、導電性を有するものであればよく、典型的には金属製部材が用いられる。加熱手段56の具体例として、ニクロム製の板状部材を例示できる。
本実施形態では、図9に示すように、第1発熱部57と第2発熱部58とで、通電時に電流が流れる方向と直交する方向(以下、「電流直交方向」とも言う。)の長さが異なる。具体的には、相対的に高温で発熱し発熱量が多い第1発熱部57の方が、相対的に低温で発熱し発熱量が少ない第2発熱部58に比べて、電流直交方向の長さが短い。
発熱部57,58の発熱量は、発熱部57,58の抵抗値に比例し、該抵抗値は発熱部57,58の電流直交方向に沿う断面の面積に反比例する。ここで、前記断面の面積は、発熱部57,58の厚みと電流直交方向の長さとの積であるところ、加熱手段56(1枚の導電性部材)の厚みは均一であるので、該断面の面積は、電流直交方向の長さに比例する。したがって、電流直交方向の長さが短いほど、発熱部57,58の発熱量は大きくなり、加熱対象物(重なり部90)を高温で加熱することができる。
また本実施形態では、第1発熱部57の平面視形状は搬送方向MDに長い形状(長方形形状)であるので、第1発熱部57の電流が流れる方向は搬送方向MDであり、したがって、第1発熱部57の電流直交方向の長さは、第1発熱部57の搬送直交方向CDの長さ(幅)W2に等しい。一方、第2発熱部58の平面視形状は搬送直交方向CDに長い形状(長方形形状)であるので、第2発熱部58の電流が流れる方向は搬送直交方向CDであり、したがって、第2発熱部58の電流直交方向の長さは、第2発熱部58の搬送方向MDの長さ(幅)W3に等しい。
以上より、本実施形態では、「第1発熱部57の幅(電流直交方向の長さ)W2<第2発熱部58の幅(電流直交方向の長さ)W3」の大小関係が成立している。
第1発熱部57の幅W2は、第2発熱部58の幅W3に比べて短いことを前提として、好ましくは0.5mm以上、より好ましくは1mm以上、そして、好ましくは10mm以下、より好ましくは5mm以下である。
第2発熱部58の幅W3は、第1発熱部57の幅W2に比べて長いことを前提として、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、そして、好ましくは20mm以下、より好ましくは10mm以下である。
本実施形態では、加圧部材51が加熱手段56を備えており、両者は一体となっているところ、このような加熱手段56を備える加圧部材51の構成として、例えば、絶縁性の本体の表面(加圧面51aに対応する面)に、1枚の導電性部材(例えばニクロム製の板状部材)からなる加熱手段56が配され、更に該表面の全体がガラステープ等の絶縁性粘着テープで被覆されたものを例示できる。前記絶縁性粘着テープの役割は、絶縁の他に、加熱手段56の固定、加圧対象物(基材シート)の形成材料(樹脂等)の付着防止等がある。前記の絶縁性の本体としては、木材、プラスチックなどが挙げられる。
なお、加熱手段56を備えていない加圧部材51の素材は特に制限されず、例えば、金属、プラスチック、木材等を用いることができる。
シート継ぎ工程で先行シートと後行シートとの重なり部を加熱して融着させるのに用いる加熱手段として、このような発熱温度が部分的に異なる加熱手段56を用いると、重なり部には、相対的に高温で発熱する第1発熱部57による高温被加熱部と、相対的に低温で発熱する第2発熱部58による低温被加熱部とが形成される。加熱温度や基材シートの種類等にもよるが、前記高温被加熱部は、典型的には、基材シートの構成繊維の形態が失われてフィルム化している。
図7に示す重なり部90は、一対の加圧部材51,52の間で加圧されつつ加熱手段56によって加熱されたものであり、融着部93が搬送直交方向CDに間欠配置されている。融着部93は、第1発熱部57によって加熱された高温被加熱部であり、融着部93では、先行シート(第1シート9A)と後行シート(第2シート9B)とが融着している。一方、図7に示す重なり部90における、第2発熱部58によって加熱された部分(低温被加熱部)では、両シート9A,9Bは融着していない。
図10には、図7に示す重なり部90が歯溝ロール2,3による延伸工程に供された後の製造ラインでの状態、すなわち歯溝ロール2,3で延伸加工された基材シート9aが搬送方向MDに伸長されつつ搬送されている状態が示されている。斯かる延伸工程により、基材シート9は前述したとおり図4に示すように、融着部93におけるP2-P1間及びP4-P3間において大きく延伸された領域(低坪量部15)は延伸工程中又はその後の搬送中に破断し、該部分に開孔部94が形成される。一方融着部93におけるP3-P2、P1-P4間においてほとんど延伸されない領域(高坪量部14)は通常は破断せず、開孔部94は形成されない。図10に示す複数の融着部93は、それぞれ、複数の低坪量部15と重なるように搬送方向MDに延在しているため、延伸加工後の基材シート9aの伸長状態では、各融着部93の搬送方向MDの長さL4aが延伸加工前の長さL4(図7参照)に比べて長くなるとともに、開孔部94(低坪量部15)と非開孔部(高坪量部14)とが搬送方向MDに交互に配された状態となる。この開孔部94が融着部93の伸びしろとなり、融着部93の周辺部の延伸量が低下し、これにより重なり部90が延伸工程中又はその後の搬送中に破断する不都合が効果的に防止される。
前述した作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、第1発熱部57の搬送方向MDの長さL2(図9参照)は、高坪量部14と低坪量部15との繰り返し単位の搬送方向MDの長さL3(図2(b)参照)に比べて長いことが好ましい。融着部93は、重なり部90におけるシート継ぎ工程で第1発熱部57によって加熱された部分であるから、延伸加工前の融着部93の、重なり部90(基材シート9)がシート継ぎ工程と同様に伸長された状態(製造工程で搬送中の状態)での搬送方向MDの長さL4(図7参照)は、第1発熱部57の搬送方向MDの長さL2と実質的に等しくなる。つまり、長さL2>長さL3の大小関係が成立することで、融着部93が高坪量部14と確実に重なるようになるため、高坪量部14におけるシート9A,9Bどうしの融着が促進され、重なり部90でのシート破断がより一層確実に防止される。
長さL3は、前述したとおり、延伸加工後の基材シート9a又は伸縮性シート10の伸長状態での、高坪量部14と低坪量部15との繰り返し単位の搬送方向MDの長さであるところ、斯かる「伸長状態」とは、延伸加工後の搬送中におけるシート9a,10を伸長させた状態を指す。
長さL2と長さL3との比率は、長さL2>長さL3を前提として、長さL2/長さL3として、好ましくは1.1以上、より好ましくは2以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
シート継ぎ工程において、第1発熱部57は、基材シート9の融点よりも高温で発熱し、第2発熱部58は、基材シート9の融点よりも低温で発熱することが好ましい。これにより、重なり部90における第1発熱部57によって加熱される部分(重なり部90が一対の加圧部材51,52の間に挟まれたときに第1発熱部57と重なる部分)が一層確実に溶融し、その結果、図7に示すように、重なり部90におけるシート9A,9Bどうしが搬送直交方向CDに間欠配置された融着部93によって融着するので、重なり部90でのシート破断がより一層確実に防止される。
ここでいう「基材シートの融点」とは、基材シートの形成材料である樹脂の融点を指し、基材シートの形成材料として複数種の樹脂が使用されている場合は、それら複数種の樹脂の融点の中で最も低い融点を指す。
図7を参照して、搬送交差方向(搬送直交方向CD)に隣り合う融着部93どうしの間隔G1(図7参照)は、融着部93の搬送交差方向(搬送直交方向CD)の長さ(幅)W1(図7参照)に比べて長いことが好ましい。融着部93どうしの間隔G1>融着部93の幅W1の大小関係が成立することで、製造ラインでの延伸加工後の基材シート9a又は伸縮性シート10の搬送中に、搬送交差方向に隣り合う開孔部94どうしが繋がってシートが破断する不都合を抑制することができる。
また、前記の大小関係「融着部93どうしの間隔G1>融着部93の幅W1」を成立させる観点から、加熱手段56において、搬送交差方向(搬送直交方向CD)に隣り合う第1発熱部57どうしの間隔G2(図9参照)は、第1発熱部57の搬送交差方向(搬送直交方向CD)の長さ(幅)W2(図9参照)に比べて長いことが好ましい。
間隔G2と幅W2との比率は、間隔G2>幅W2を前提として、間隔G2/幅W2として、好ましくは1.1以上、より好ましくは2.5以上、そして、好ましくは20以下、より好ましくは10以下である。
搬送交差方向に隣り合う第1発熱部57どうしの間隔G2は、好ましくは1mm以上、より好ましくは2mm以上、そして、好ましくは50mm以下、より好ましくは20mm以下である。
前述の実施形態では、シート継ぎ工程で第1シート9A(先行シート)の終端部9ARに第2シート9B(後行シート)の始端部9BFを重ねて接合することで重なり部90を形成する場合に、図7に示すように、第2シート9Bの始端9BF1(第2シート9Bのの搬送方向MDの前方端)は、搬送直交方向CDに平行に延び、融着部93は、搬送直交方向CDに間欠配置されて同方向CDに延びる融着部93の列を形成しているが、本発明では、始端9BF1及び融着部93の列それぞれの延在方向は特に制限されず、例えば図11に示すように、始端9BF1は、搬送直交方向CDに対して直交せずに交差する方向に延びていてもよい。
図11(a)に示す形態では、第2シート9Bの始端9BF1は、搬送直交方向CDに対して直交せずに交差する方向に延び、融着部93の列も同方向に延びている。また、第1シート9Aの終端9AR1(第1シート9Aの搬送方向MDの後方端)も同方向に延びている。
図11(b)に示す形態では、第2シート9Bの始端9BF1は、搬送直交方向CDに対して直交せずに交差する方向に延び、融着部93の列は、搬送直交方向CDに平行に延びている。また、第1シート9Aの終端9AR1は、搬送直交方向CDに平行に延びている。
シート継ぎ工程後の延伸工程で使用される歯溝ロール2,3の軸方向は、典型的には、搬送直交方向CDに対して平行であるので、図7に示す如き搬送直交方向CDに平行な第2シート9Bの始端9BF1(融着部93の列、第1シート9Aの終端9AR1)は、歯溝ロール2,3の軸方向にも平行であり、また、図11に示す如き搬送直交方向CDに対して交差する第2シート9Bの始端9BF1(融着部93の列、第1シート9Aの終端9AR1)は、歯溝ロール2,3の軸方向に対しても交差する。
歯溝ロール2,3による延伸工程では、第1シート9Aにおける重なり部90以外の部分(第1シート9Aの非重なり部)、重なり部90の始端9BF1側(重なり部90の搬送方向MDの前方側)、重なり部90の終端9AR1側(重なり部90搬送方向MDの後方側)、第2シート9Bにおける重なり部90以外の部分(第2シート9Bの非重なり部)の順で、歯溝ロール2,3に供給され延伸加工が施されるところ、重なり部90は両シート9A,9Bの非重なり部に比べて剛性が高いため、重なり部90の始端9BF1側が延伸される際には、これよりも延伸されやすい第1シート9Aの非重なり部の方が過剰に延伸され、その結果図12に示すように、第1シート9Aの非重なり部に始端9BF1に沿って複数の開孔部94形成され得る。このとき、図7に示すように、第2シート9Bの始端9BF1が搬送直交方向CD(歯溝ロール2,3の軸方向)に平行に延びていると、図12(a)に示すように、複数の開孔部94は搬送直交方向CDに並んだ状態となるところ、斯かる状態では隣り合う開孔部94どうしが比較的繋がりやすく、隣り合う開孔部94どうしが繋がると第1シート9Aが破断するおそれがある。これに対し、図11に示すように、第2シート9Bの始端9BF1が搬送直交方向CD(歯溝ロール2,3の軸方向)に対して直交せずに交差する方向に延びていると、図12(b)に示すように、第1シート9Aの非重なり部に始端9BF1に沿って形成される複数の開孔部94も同方向に並んだ状態となるところ、この状態は複数の開孔部94が搬送直交方向CDに並んだ状態に比べて、隣り合う開孔部94どうしが繋がりにくいため、第1シート9Aの破断を抑制することができる。なお図12(b)には、図11(a)の形態のみが記載されているが、図11(b)の形態についても同様である。
前述した作用効果をより一層確実に奏させるようにする観点から、第2シート9Bの始端9BF1(第2シート9Bの搬送方向MDの前方端)と搬送直交方向CD(歯溝ロール2,3の軸方向)とのなす角度のうち鋭角側の角度θ(図11参照)は、好ましくは15°以上、より好ましくは30°以上、そして、好ましくは75°以下、より好ましくは60°以下である。
図11(a)に示す形態において、融着部93の列の延在方向と搬送直交方向CD(歯溝ロール2,3の軸方向)とのなす角度のうち鋭角側のものについても、前記角度θと同じ範囲にあることが好ましい。
本発明に係る加熱手段の平面視形状は、図8及び図9に示す加熱手段56の平面視形状に制限されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で任意に設定し得る。図13及び図14には、本発明に係る加熱手段の他の実施形態が示されている。後述の実施形態については、前述の加熱手段56と異なる構成を説明し、加熱手段56と同様の構成は同一の符号を付して説明を省略する。後述の実施形態において特に説明しない構成は、前述の加熱手段56についての説明が適宜適用される。
図13(a)に示す加熱手段56A、図14(a)に示す加熱手段56Bは、何れも平面視ジグザグ形状を有している点で、前述の加熱手段56と共通する。加熱手段56では、隣り合う第1発熱部57どうしの間隔G2が、第1発熱部57の全長にわたって一定であるのに対し、加熱手段56A,56Bにおける間隔G2は、1個の第2発熱部58とその両端に連結する2個の第1発熱部57とからなる単位に着目した場合に、該1個の第2発熱部58から離れるに従って漸次増加している。前記単位の平面視形状は、加熱手段56Aでは台形形状、加熱手段56Bでは三角形形状である。
図13(b)は、前述したシート継ぎ工程において、加熱手段56Aを用いて重なり部90を加熱した場合の様子を示したものであり、図14(b)は、加熱手段56Bを用いた場合のものである。何れの場合も、第1発熱部57によって加熱された部分(高温被加熱部)に融着部93が形成され、第2発熱部58によって加熱された部分(低温被加熱部)には融着部93は形成されていない。加熱手段56A,56Bによっても、加熱手段56と同様の効果が奏される。
1 伸縮性シートの製造装置
2,3 歯溝ロール
20,30 歯
21,31 溝
4 インフィードロール
5 アウトフィードロール
9 基材シート
9a 歯溝ロールにより延伸加工された基材シート
9A 第1シート(先行シート)
9AR1 第1シートの終端
9B 第2シート(後行シート)
9BF1 第2シートの始端
90 重なり部
91,92 原反
93 融着部
94 開孔部
10 伸縮性シート
11,12 繊維シート
13 弾性フィラメント
14 高坪量部
15 低坪量部
40 シート継ぎ装置
41,42 ロール支持軸
50 シート接合部
51,52 加圧部材
53 冷媒供給管
54,55 切断手段
56,56A,56B 加熱手段
57 第1発熱部
58 第2発熱部
59 駆動部
60 貯留装置
61 固定ロールユニット
62 可動ロールユニット
63 ロール

Claims (7)

  1. 一方向に伸縮性を有し、且つ少なくとも該一方向に伸長した状態で、相対的に坪量の高い高坪量部と相対的に坪量の低い低坪量部とが該一方向に交互に配された状態となる、伸縮性シートの製造方法であって、
    一方向に連続する基材シートを、該一方向を搬送方向として、互いに噛み合う一対の歯溝ロールの噛み合い部分を通過するように搬送することで、該基材シートを該搬送方向に延伸して前記伸縮性シートとする延伸工程と、
    前記延伸工程に搬送される前記基材シートを先行シート、該先行シートの次に該延伸工程に搬送される別の前記基材シートを後行シートとして、該先行シートの一部に該後行シートの一部を重ねて接合し、接合された該後行シートを該先行シートに連続して該延伸工程に供給するシート継ぎ工程とを有し、
    前記シート継ぎ工程では、前記先行シートと前記後行シートとの重なり部を、対向配置された一対の加圧部材の間に挟んで該重なり部の厚み方向に加圧しつつ、該加圧部材が備える加熱手段を用いて、前記搬送方向と交差する搬送交差方向に加熱することで、該重なり部における両シートどうしを融着させて接合し、
    前記加熱手段は、前記搬送交差方向に間欠配置された第1発熱部と、該第1発熱部よりも低温で発熱し、該搬送交差方向に隣り合う該第1発熱部どうしの間に位置する第2発熱部とを有し、
    前記第1発熱部の前記搬送方向の長さは、前記高坪量部と前記低坪量部との繰り返し単位の該搬送方向の長さに比べて長い、伸縮性シートの製造方法。
  2. 前記シート継ぎ工程において、前記第1発熱部は、前記基材シートの融点よりも高温で発熱し、前記第2発熱部は、該基材シートの融点よりも低温で発熱する、請求項1に記載の伸縮性シートの製造方法。
  3. 前記搬送交差方向に隣り合う前記第1発熱部どうしの間隔は、該第1発熱部の該搬送交差方向の長さに比べて長い、請求項1又は2に記載の伸縮性シートの製造方法。
  4. 所定の搬送先に向けて搬送路を搬送される先行シートの一部に後行シートの一部を重ねて接合し、接合された該後行シートを該先行シートに連続して該搬送路に送り出す、シート継ぎ装置であって、
    前記先行シートと前記後行シートとの重なり部をその厚み方向に加圧しつつ加熱することで、該重なり部における両シートどうしを融着させて接合するシート接合部を備え、
    前記シート接合部は、対向配置された一対の加圧部材を備え、該一対の加圧部材の間に前記重なり部を挟んで加圧可能になされており、
    前記一対の加圧部材の少なくとも一方は加熱手段を備え、該一対の加圧部材の間に挟まれた前記重なり部を該加熱手段の発熱によって加熱可能になされており、
    前記加熱手段は、前記先行シートの搬送方向と交差する搬送交差方向に間欠配置された第1発熱部と、該第1発熱部よりも低温で発熱し、該搬送交差方向に隣り合う該第1発熱部どうしの間に位置する第2発熱部とを有している、シート継ぎ装置。
  5. 前記第1発熱部及び前記第2発熱部は、前記搬送交差方向に連続する1枚の導電性部材の一部であり、該1枚の導電性部材に通電することで両発熱部が発熱する、請求項4に記載のシート継ぎ装置。
  6. 前記第1発熱部と前記第2発熱部とで、通電時に電流が流れる方向と直交する方向の長さが異なる、請求項5に記載のシート継ぎ装置。
  7. 加熱された前記重なり部を冷却する冷却手段と、前記シート接合部よりも前記搬送方向の上流側に配され、前記先行シートを切断する切断手段とを備え、
    また、前記シート接合部と前記搬送先との間に配され、前記先行シートを貯留させる貯留手段を備え、該先行シートの搬送停止中に、該貯留手段に貯留された該先行シートを該搬送先に送り出し可能になされている、請求項4~6の何れか1項に記載のシート継ぎ装置。
JP2020190492A 2020-11-16 2020-11-16 伸縮性シートの製造方法及びシート継ぎ装置 Active JP7253522B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020190492A JP7253522B2 (ja) 2020-11-16 2020-11-16 伸縮性シートの製造方法及びシート継ぎ装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2020190492A JP7253522B2 (ja) 2020-11-16 2020-11-16 伸縮性シートの製造方法及びシート継ぎ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2022079344A true JP2022079344A (ja) 2022-05-26
JP7253522B2 JP7253522B2 (ja) 2023-04-06

Family

ID=81707578

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2020190492A Active JP7253522B2 (ja) 2020-11-16 2020-11-16 伸縮性シートの製造方法及びシート継ぎ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7253522B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01267126A (ja) * 1988-04-13 1989-10-25 Fuji Photo Film Co Ltd ヒートシール用ヒータ
JPH06198740A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Kanai Hiroyuki 不織布の端部相互の接合方法
JPH09503471A (ja) * 1993-10-05 1997-04-08 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 熱可塑性フィルムを熱スプライスするための方法および装置
JP2011510690A (ja) * 2007-12-20 2011-04-07 エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー 2枚以上のウェブ材料を接合する継ぎ目
JP2012207336A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Uni Charm Corp 伸縮性シートの製造方法
JP2018100457A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 花王株式会社 伸長性シートの製造方法
JP2019026942A (ja) * 2017-07-25 2019-02-21 花王株式会社 伸長性シートの製造方法

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01267126A (ja) * 1988-04-13 1989-10-25 Fuji Photo Film Co Ltd ヒートシール用ヒータ
JPH06198740A (ja) * 1992-12-28 1994-07-19 Kanai Hiroyuki 不織布の端部相互の接合方法
JPH09503471A (ja) * 1993-10-05 1997-04-08 ザ、プロクター、エンド、ギャンブル、カンパニー 熱可塑性フィルムを熱スプライスするための方法および装置
JP2011510690A (ja) * 2007-12-20 2011-04-07 エスセーアー・ハイジーン・プロダクツ・アーベー 2枚以上のウェブ材料を接合する継ぎ目
JP2012207336A (ja) * 2011-03-29 2012-10-25 Uni Charm Corp 伸縮性シートの製造方法
JP2018100457A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 花王株式会社 伸長性シートの製造方法
JP2019026942A (ja) * 2017-07-25 2019-02-21 花王株式会社 伸長性シートの製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP7253522B2 (ja) 2023-04-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20070249253A1 (en) Elastic laminate comprising elastic substrate between extensible webs and method for making
JP2007534528A (ja) エラストマー不織布積層体の製造装置
JP5766252B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP6116590B2 (ja) 清掃部材の製造方法及び製造システム
JP2009160919A (ja) 伸縮性複合シート
JP4865635B2 (ja) 伸縮性積層シート及びその製造方法
JP5705347B2 (ja) パンツ型着用物品及びその製造方法
JP2007321289A (ja) 伸縮性不織布
JP5336154B2 (ja) 伸縮性複合シート
JP6581863B2 (ja) 伸縮シートの製造方法及び紡糸装置
JP6113190B2 (ja) 清掃部材を製造する方法及びシステム
JP2022079344A (ja) 伸縮性シートの製造方法及びシート継ぎ装置
JP2013082084A (ja) 網状体
JP4884274B2 (ja) 伸縮シート
JP4936732B2 (ja) 伸縮性不織布の製造方法
TW201623724A (zh) 網狀不織布
JP7092738B2 (ja) 伸縮性複合シートの製造方法
JP6627011B1 (ja) 吸収性物品用伸縮シート及びその製造方法
WO2022097455A1 (ja) 伸縮性複合シートの製造方法及び製造装置
WO2015056533A1 (ja) 吸収性物品に係るシート状部材の製造装置、及び製造方法
JP5838285B1 (ja) 吸収性物品の製造方法、及び、吸収性物品の製造装置
JP6116589B2 (ja) 清掃部材を製造する方法、及び清掃部材を製造するシステム
JP2001080016A (ja) 複合シートの製造方法
JP5838286B1 (ja) 吸収性物品の製造方法、及び、吸収性物品の製造装置
JP2022073646A (ja) 複合シートの製造方法及び複合シートの製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220307

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230314

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230322

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230327

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 7253522

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151