JP2022077492A - クレーンのバックストップ姿勢変更装置 - Google Patents

クレーンのバックストップ姿勢変更装置 Download PDF

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JP2022077492A
JP2022077492A JP2021099894A JP2021099894A JP2022077492A JP 2022077492 A JP2022077492 A JP 2022077492A JP 2021099894 A JP2021099894 A JP 2021099894A JP 2021099894 A JP2021099894 A JP 2021099894A JP 2022077492 A JP2022077492 A JP 2022077492A
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幸雄 小泉
Yukio Koizumi
英司 宮
Eiji Miya
浩司 西嶋
Koji Nishijima
慎吾 栗原
Shingo Kurihara
崇夫 江藤
Takao Eto
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Abstract

【課題】クレーンのバックストップを格納姿勢から支持姿勢に容易かつ安全に姿勢変更させることが可能なクレーンのバックストップ姿勢変更装置を提供する。【解決手段】バックストップ昇降装置60は、リンク部材61と、ガイド部62と、摺動ピン624と、シリンダ63とを有する。リンク部材61は、バックストップ45に回動可能に接続されたベース先端部612とベース基端部613とを有する。ガイド部62は、下部ブーム16Aの長手方向に沿って延びるガイド溝621Aを有する。摺動ピン624は、ベース基端部613を回動可能に支持する。シリンダ63は、ガイド溝621Aに沿って摺動ピン624を格納用位置と支持用位置との間で移動させる。【選択図】図3

Description

本発明は、クレーンのバックストップ姿勢変更装置に関する。
従来、クレーンとして、クレーン本体と、ブーム、ジブやマストなどの起伏体と、を備えたクレーンが知られている。起伏体は、水平な回動軸回りに起伏可能なようにクレーン本体に支持されている。また、このようなクレーンとして、起伏体が後方に倒れることを防止するために、起伏体とクレーン本体との間に介在する左右一対のバックストップを更に備えるものが知られている。各バックストップは伸縮自在とされ、その基端部が起伏体に回動可能に支持されている。各バックストップが起伏体の背面と交差し起伏体を支持可能な支持姿勢とされた状態で、クレーンが組み立てられる。各バックストップが前記支持姿勢とされた状態で起伏体がクレーン本体に対して起立されると、やがて各バックストップの先端部がクレーン本体に備えられたバックストップ受け部に当接する。この結果、一対のバックストップが起伏体を支持し、起伏体の更なる回動、すなわち、起伏体の後方への倒れが防止される。
一方、クレーンの輸送時または保管時には、上記のような各バックストップは、その基端部を支点として回動され、起伏体の背面に重なるような格納姿勢とされる。この結果、輸送車両上や保管場所において、起伏体のために必要なスペースを小さくすることができる。
特許文献1には、タワーブームと、当該タワーブームの先端部に回動可能に支持されたリヤポストと、当該リヤポストの姿勢を保持するために、タワーブームとリヤポストとの間に介在するバックストップシリンダと、を備えたクレーンが開示されている。また、当該クレーンは、バックストップシリンダが支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更可能なように、前記バックストップシリンダを支持するシリンダ保持装置を更に備えている。当該シリンダ保持装置は、バックストップシリンダの中央部に接続された第1のリンクと、リヤポストに接続された第2のリンクと、第1のリンクと第2のリンクとを互いに接続する連結具とを有する。第1のリンクと第2のリンクとは連結具を支点として互いに屈曲および伸長することが可能であり、当該リンク同士の屈伸運動によって、バックストップシリンダの姿勢変更が可能となる。
特開2007-290782号公報
特許文献1に記載された技術では、バックストップの姿勢変更における作業者の負担が大きく、作業の安全性に問題があった。具体的に、当該技術では、格納姿勢とされたバックストップシリンダの先端部がリヤポストから離れるように、作業者がバックストップシリンダを回動させることで、バックストップシリンダが支持姿勢に姿勢変更する。この際、シリンダ保持装置がバックストップシリンダの回動に追従し、第1のリンクと第2のリンクとが連結具を支点として互いに伸長する。このように、当該技術では、バックストップシリンダの姿勢変更が人力によって行われるため、クレーンの組立分解作業における作業者の負担低減および安全性の向上が望まれていた。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、クレーンのバックストップを格納姿勢から支持姿勢に容易かつ安全に姿勢変更させることが可能なクレーンのバックストップ姿勢変更装置を提供することを目的とする。
本発明の一実施形態に係るクレーンのバックストップ姿勢変更装置は、クレーン本体と、前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持された起伏体基端部と前記起伏体基端部とは反対側の起伏体先端部とを含む起伏体と、前記起伏体のうち前記起伏体基端部よりも前記起伏体先端部側の部分に水平な基準回転中心軸回りに回動可能に支持されたバックストップ基端部と前記バックストップ基端部とは反対側に配置されるバックストップ先端部とを含むバックストップと、を有するクレーンに装着可能とされ、前記起伏体が前記クレーン本体に対して倒伏した状態である前記起伏体の倒伏状態において前記バックストップ基端部を支点として前記バックストップを回動させることで当該バックストップを支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更させることが可能であり、前記支持姿勢は前記起伏体が前記倒伏状態から起立することに伴って前記バックストップの前記バックストップ先端部が前記クレーン本体に当接することによって前記バックストップが前記起伏体の後方への倒伏を規制することが可能なように前記バックストップが前記倒伏状態の起伏体から斜め上方に向かって延びる姿勢である一方、前記格納姿勢は前記バックストップの前記バックストップ先端部が前記支持姿勢よりも前記起伏体に近い位置に配置される姿勢であるように、前記バックストップを姿勢変更させることが可能なクレーンのバックストップ姿勢変更装置であって、前記バックストップのうち前記バックストップ基端部よりも前記バックストップ先端部側の部分に設定されたバックストップ接続部に前記基準回転中心軸と平行な第1回転中心軸回りに回動可能に接続されたリンク先端部と前記リンク先端部とは反対側のリンク基端部とを有し、前記バックストップを支持することが可能なリンク部材と、前記基準回転中心軸と平行な方向から見て前記起伏体基端部から前記起伏体先端部に向かう方向である起伏体長手方向の成分を含むガイド方向に沿って延びるガイド溝を含み、前記起伏体に装着されたガイド部と、前記リンク部材の前記リンク基端部を前記基準回転中心軸と平行な第2回転中心軸回りに回動可能に保持するリンク保持部と、前記起伏体の前記倒伏状態において、前記リンク保持部を前記ガイド溝上の支持用位置から格納用位置におよび前記格納用位置から前記支持用位置に前記ガイド方向に沿って移動させることが可能な移動機構であって、前記支持用位置は、前記リンク部材が前記バックストップを前記支持姿勢に保持するように前記リンク保持部が前記リンク基端部を保持する位置であり、前記格納用位置は、前記リンク部材が前記バックストップを前記格納姿勢に保持するように前記リンク保持部が前記リンク基端部を保持する位置である、移動機構と、を備える。
本構成によれば、移動機構がリンク保持部を格納用位置と支持用位置との間で移動させることで、バックストップを支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更させることができる。このため、他の補助クレーンによってバックストップを姿勢変更させる場合や作業者がバックストップを人力で姿勢変更させる場合と比較して、クレーンのバックストップを格納姿勢から支持姿勢にまたは支持姿勢から格納姿勢に容易かつ安全に姿勢変更させることが可能となる。
上記の構成において、前記支持用位置において、前記リンク部材が前記ガイド方向に沿って移動することを阻止するように、前記リンク保持部と前記ガイド部とを連結することが可能な支持用連結部を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、バックストップが支持姿勢とされると、支持用連結部がリンク保持部とガイド部とを互いに連結することで、リンク部材およびバックストップの姿勢をそれぞれ保持することができる。このため、クレーンの作業時に起伏体の自重がバックストップに掛かった場合でも、バックストップの姿勢が崩れることが抑止される。
上記の構成において、前記支持用連結部は、前記支持用位置において前記リンク部材が前記第2回転中心軸回りに回動することを許容するように、前記リンク保持部と前記ガイド部とを連結することが望ましい。
本構成によれば、バックストップが支持姿勢とされた状態でも、リンク部材がバックストップに対して第1回転中心軸回りに回動可能であるとともにリンク保持部に対して第2回動中心軸回りに回動可能であるため、クレーンの作業時に起伏体の自重がバックストップに掛かった場合でも、バックストップ接続部が移動するようなバックストップの変形を許容するようにリンク部材が回動可能であり、リンク部材に大きな負荷が掛かることが抑止される。
上記の構成において、前記支持用位置において、前記リンク部材が前記ガイド方向に沿って移動することを阻止するように、前記リンク保持部を拘束することが可能な支持用拘束部を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、バックストップが支持姿勢とされると、支持用拘束部がリンク保持部を拘束することで、リンク部材およびバックストップの姿勢をそれぞれ保持することができる。このため、クレーンの作業時に起伏体の自重がバックストップに掛かった場合でも、バックストップの姿勢が崩れることが抑止される。
上記の構成において、前記リンク保持部は、前記ガイド溝に挿通される軸部を有し、前記ガイド溝は、前記バックストップが前記格納姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝基端部と、前記溝基端部とは反対側に配置され前記バックストップが前記支持姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝先端部とを含み、前記支持用拘束部は、前記ガイド溝の前記溝先端部から前記ガイド溝とは異なる方向に延びるように形成され前記溝先端部に連通する係合溝であって、前記移動機構が前記リンク保持部を前記格納用位置から前記ガイド方向に沿って移動させることに伴って前記溝先端部を通過した前記軸部を受け入れるとともに、前記バックストップを前記支持姿勢に保持するように前記支持用位置において前記軸部と係合する係合溝を有することが望ましい。
本構成によれば、移動機構がリンク保持部を移動させることに伴って当該リンク保持部がガイド溝の係合溝に係合することで、バックストップを支持姿勢に保持することができる。このため、作業者が高所においてリンク部材とガイド部とを互いに連結するためのピンを装着する必要がない。したがって、クレーンの組立分解作業における作業者の作業効率を向上させ、作業の負担を軽減することができる。
上記の構成において、前記ガイド溝には、前記係合溝とは反対側で前記ガイド溝の前記溝先端部に連通する副ガイド溝が更に形成されており、前記支持用拘束部は、規制具を更に有し、前記規制具は、前記軸部が前記溝基端部に配置された状態で前記移動機構が前記リンク保持部を前記ガイド方向に沿って移動させることに伴って前記軸部が前記溝先端部に至ったのち前記係合溝に進入することを許容する一方、前記軸部が前記係合溝に係合した状態で前記移動機構が前記リンク保持部を移動させることに伴って前記軸部が前記係合溝から前記溝先端部を介して前記副ガイド溝に進入することを許容するとともに当該軸部が前記係合溝に戻ることを規制するように、前記ガイド溝の前記溝先端部に対向して配置されていることが望ましい。
本構成によれば、バックストップの支持姿勢から移動機構がリンク保持部を移動させることによって、リンク保持部が係合溝から規制具を通過して副ガイド溝に移動することができる。一方、リンク保持部が係合溝から脱離すると、当該リンク保持部の係合溝への移動が規制具によって規制され、主ガイド溝に導かれる。このため、バックストップを支持姿勢に保持するために主ガイド溝とは異なる方向に延びる係合溝を設けても、バックストップの姿勢変更を容易に行うことができる。
上記の構成において、前記規制具は、ガイド板と、前記ガイド板を前記軸部の端部に向かって付勢する付勢部材とを有し、前記ガイド板は、前記軸部が前記係合溝に係合した状態で前記移動機構が前記リンク保持部を移動させることで前記軸部が前記係合溝から前記溝先端部に向かって移動する際に、前記軸部の端部に当接し前記軸部から受ける力によって前記付勢部材を収縮させながら前記軸部が前記ガイド板を乗り越えて前記溝先端部に進入することを許容するように前記軸部の軸方向に対して傾斜する傾斜面と、前記傾斜面の反対側に配置され、前記係合溝から前記溝先端部を介して前記副ガイド溝に進入した前記軸部の前記端部に当接し前記軸部が前記係合溝に進入することを規制する規制面とを含むことが望ましい。
本構成によれば、規制具の傾斜面および規制面によって、リンク保持部をしかるべき方向に確実に案内することができる。
上記の構成において、前記係合溝は、前記溝先端部から下方かつ前記溝基端部側に向かって延びるように形成されており、更に前記支持用位置で前記リンク保持部を支持する底部を含み、前記移動機構は、前記リンク保持部の前記軸部を少なくとも前記溝基端部から前記溝先端部に向かって押圧することが可能であるとともに、前記係合溝の前記底部に位置する前記軸部を前記係合溝から脱離させるように押圧することが可能な押圧面を有することが望ましい。
本構成によれば、押圧面が、リンク保持部をガイド溝に沿って移動させる動作と、リンク保持部を係合溝から脱離させる動作とを安定して実現することができる。
上記の構成において、前記押圧面は、前記溝基端部から前記溝先端部に向かう方向に沿って先下がりとなるように傾斜していることが望ましい。
本構成によれば、押圧面が、リンク保持部を掬い上げるように作用することで、当該リンク保持部が脱離することを安定して補助することが可能となり、バックストップの姿勢変更を確実に行うことができる。
上記の構成において、前記リンク保持部が前記格納用位置に配置された状態において、記バックストップを前記格納姿勢に保持するように、前記リンク部材と前記ガイド部または前記起伏体とを連結することが可能な格納用連結部を更に備えることが望ましい。
本構成によれば、バックストップが格納姿勢とされると、格納用連結部がリンク保持部とガイド部とを互いに連結することで、バックストップを格納姿勢に安定して保持することができる。このため、起伏体の輸送時にバックストップが起伏体に対して跳ね上がることが防止される。このため、バックストップを含む起伏体を安全に輸送および保管することができる。
上記の構成において、前記格納用連結部は、前記リンク部材と、前記ガイド部または前記起伏体とのうちの一方の構造体にそれぞれ支持され、前記基準回転中心軸と平行な方向において互いに間隔をおいて対向して配置されるピン先端部をそれぞれ含む一対の格納用係合ピンと、前記一対の格納用係合ピンの前記ピン先端部が互いに近づくように前記一対の格納用係合ピンをそれぞれ付勢するピン付勢部と、前記リンク部材と、前記ガイド部または前記起伏体とのうちの前記一方の構造体とは異なる他方の構造体に配置される係合部と、を含み、前記バックストップが前記支持姿勢から前記格納姿勢に姿勢変更することに伴って前記係合部が前記一対の格納用係合ピンの前記ピン先端部の間に進入することで前記ピン付勢部を収縮させながら前記一対の格納用係合ピンの前記ピン先端部が前記係合部にそれぞれ係合することが可能である一方、少なくとも前記移動機構の駆動力によって前記一対のピン先端部が前記係合部からそれぞれ脱離し前記バックストップが前記格納姿勢から前記支持姿勢に姿勢変更することが可能であることが望ましい。
本構成によれば、移動機構がリンク保持部を移動させることに伴って、他方の構造体の係合部が一方の構造体の格納用連結部に対して自動で着脱されることが可能であるため、上記と同様に、作業者が高所においてリンク部材とガイド部とを互いに連結するためのピンを装着する必要がない。
上記の構成において、前記移動機構は、前記起伏体に装着されたシリンダ本体と、前記シリンダ本体に対して伸縮可能なように前記シリンダ本体に支持されるシリンダロッドと、前記シリンダロッドと前記リンク保持部とを連結するロッド連結部と、前記シリンダロッドを前記シリンダ本体に対して伸縮させることが可能なシリンダ駆動部と、を有し、前記シリンダ駆動部が前記シリンダロッドを前記シリンダ本体に対して伸長させると前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの一方の位置から他方の位置に移動し、前記シリンダ駆動部が前記シリンダロッドを前記シリンダ本体に対して収縮させると前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの前記他方の位置から前記一方の位置に移動するように、前記ロッド連結部が前記シリンダロッドと前記リンク保持部とを連結することが望ましい。
本構成によれば、シリンダ駆動部がシリンダロッドをシリンダ本体に対して伸縮させることに応じてリンク保持部を支持用位置と格納用位置との間で安定して移動させることができる。
上記の構成において、前記シリンダロッドは前記シリンダ本体に対して前記ガイド方向に沿って伸縮可能であることが望ましい。
本構成によれば、シリンダロッドの伸縮方向とリンク保持部の移動方向とが合致しているため、シリンダロッドの伸縮動作をリンク保持部のガイド方向における移動動作に変換するための複雑な機構を必要とすることなく、リンク保持部を支持用位置と格納用位置との間で安定して移動させることが可能となる。
上記の構成において、前記ロッド連結部は、前記シリンダロッドと前記リンク保持部とを着脱可能に連結することが望ましい。
本構成によれば、シリンダ本体に対するシリンダロッドの伸長動作によってリンク保持部を支持用位置または格納用位置に配置すると、ロッド連結部によるシリンダロッドとリンク保持部との連結を解除することで、シリンダロッドをシリンダ本体に対して収縮させることができる。このため、シリンダロッドがシリンダ本体から伸長した状態で長期間放置されることが抑止され、シリンダロッドに錆が発生することが抑止される。
上記の構成において、前記移動機構は、前記リンク保持部に接続されるロープ先端部と前記ロープ先端部とは反対側のロープ基端部とを有するロープと、前記ロープ基端部に接続されるウインチ外周面を有し、前記ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことが可能なウインチと、を有し、前記ウインチが前記ロープを繰り出すと前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの一方の位置から他方の位置に移動し、前記ウインチが前記ロープを巻き取ると前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの前記他方の位置から前記一方の位置に移動するように、前記ロープ先端部が前記リンク保持部に接続されていることが望ましい。
本構成によれば、ウインチがロープを巻き取るまたは繰り出すことに応じてリンク保持部を支持用位置と格納用位置との間で移動させることができる。また、シリンダ構造などの他の移動機構の構造と比較してロープに柔軟性があるため、リンク保持部を移動させる移動機構の配置における自由度を増すことができる。
上記の構成において、前記支持用位置において、前記リンク保持部が前記ガイド方向に沿って移動することを阻止するように、前記リンク保持部を拘束することが可能な支持用拘束部を更に備え、前記リンク保持部は、前記ガイド溝に挿通される軸部を有し、前記ガイド溝は、前記バックストップが前記格納姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝基端部と、前記溝基端部とは反対側に配置され前記バックストップが前記支持姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝先端部とを含み、前記支持用拘束部は、前記ガイド溝の前記溝先端部から前記ガイド溝とは異なる方向に延びるように形成され前記溝先端部に連通する係合溝であって、前記移動機構が前記リンク保持部を前記格納用位置から前記ガイド方向に沿って移動させることに伴って前記溝先端部を通過した前記軸部を受け入れるとともに、前記バックストップを前記支持姿勢に保持するように前記軸部と係合する係合溝を有し、前記係合溝は、前記溝先端部から下方かつ前記溝基端部側に向かって延びるように形成されており、更に前記支持用位置で前記リンク保持部を支持する底部を含み、前記ウインチが前記ロープを繰り出すと少なくとも前記バックストップの自重を受けて前記リンク保持部が前記支持用位置から前記格納用位置に向かって移動する一方、前記軸部が前記係合溝の前記底部に係合した状態で前記ウインチが前記ロープを巻き取ると前記ガイド方向および上方向の力を受けながら前記リンク保持部が前記係合溝から脱離するように、前記リンク保持部に対する前記ロープの接続角度が設定されていることが望ましい。
本構成によれば、ウインチによるロープの巻き取りおよび繰り出し動作に伴って、リンク保持部が係合溝から脱離することを安定して補助することが可能となり、バックストップの姿勢変更を確実に行うことができる。
上記の構成において、前記リンク部材が前記バックストップを前記支持姿勢に保持した状態において、前記基準回転中心軸と平行な方向から見て、前記バックストップと前記リンク部材とがなす角度が75度以上105度以内の範囲に含まれていることが望ましい。特に、前記角度は90度に設定されていることが更に望ましい。
本構成によれば、クレーンの作業時に起伏体の自重がバックストップに掛かった際に、バックストップ接続部がバックストップ基端部側に移動するようなことがあっても、リンク部材に大きな負荷が掛かることや変形が生じることが抑止される。
上記の構成において、前記リンク部材が前記バックストップを前記支持姿勢に保持した状態において、前記リンク先端部は、前記リンク部材が延びる方向に沿って前記バックストップ接続部に対して所定の距離だけ相対移動可能とされていることが望ましい。
本構成によれば、クレーンの作業時に起伏体の自重がバックストップに掛かった際に、バックストップ接続部がバックストップ基端部側に移動するようなことがあっても、リンク先端部がバックストップ接続部に対して相対移動可能であるため、リンク部材に大きな負荷が掛かることや変形が生じることが更に抑止される。
本発明によれば、クレーンのバックストップを格納姿勢から支持姿勢に容易かつ安全に姿勢変更させることが可能なクレーンのバックストップ姿勢変更装置が提供される。
本発明の第1実施形態に係るクレーンの側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが倒伏姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが支持姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンにおいて、バックストップ姿勢変更装置によってバックストップが支持姿勢とされ、ブームが起立した状態の側面図である。 図2の矢印V-V位置における断面図である。 図2の矢印VIで示す領域の拡大図である。 図3の矢印VIIで示す領域の拡大図である。 図6の矢印VIII-VIII位置における断面図である。 図7の矢印IX-IX位置における断面図である。 本発明の第1実施形態に係るクレーンのバックストップ姿勢変更装置のシリンダ駆動部の油圧回路図である。 本発明の第2実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが倒伏姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第2実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが支持姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第3実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが倒伏姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第3実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが支持姿勢とされた状態の側面図である。 図13の矢印XVで示す領域の拡大図である。 図15を前方から見た正面図である。 本発明の第4実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが倒伏姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第4実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが支持姿勢とされた状態の側面図である。 図17の矢印XIXで示す領域の拡大図である。 本発明の第5実施形態に係るクレーンのバックストップ姿勢変更装置の油圧回路図である。 本発明の第6実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが倒伏姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第6実施形態に係るクレーンのブームが倒伏姿勢とされた状態における下部ブームおよびバックストップの側面図であって、バックストップが支持姿勢とされた状態の側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第6実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 図23の矢印XXXI-XXXI位置における断面図である。 図25の矢印XXXII-XXXII位置における断面図である。 図32からリンク保持部が移動する様子を示す断面図である。 図33からリンク保持部が移動する様子を示す断面図である。 図34からリンク保持部が移動する様子を示す断面図である。 本発明の第7実施形態に係るバックストップが格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第7実施形態に係るバックストップが格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第7実施形態に係るバックストップが格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第7実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第7実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第8実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。 本発明の第9実施形態に係るバックストップが支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ姿勢変更装置の様子を示す側面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の各実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るクレーン10(作業機械)の側面図である。なお、以後、各図には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン10の構造および組立方法を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係るクレーンの移動方向や使用態様などを限定するものではない。
クレーン10は、クレーン本体に相当する上部旋回体12と、この上部旋回体12を旋回可能に支持し地面G上を走行可能な下部走行体14と、起伏体として機能するブーム16と、左右一対のバックストップ45と、ブーム起伏用部材であるラチスマスト17と、箱マスト21と、を備える。
ブーム16は、上部旋回体12に起伏方向に回動可能に支持されるブーム基端部16P(起伏体基端部)と、長手方向においてブーム基端部16Pとは反対側に配置されるブーム先端部16Q(起伏体先端部)と、を有する。本実施形態では、ブーム基端部16Pに備えられたブームフット16Sが、上部旋回体12の不図示の軸支部に回動可能に支持される。なお、図1に示されるブーム16は、いわゆるラチス型であり、ブームフット16Sを含む下部ブーム16Aと、一または複数(図例では3個)の中間ブーム16B、16C、16Dと、上部ブーム16Eとから構成される。下部ブーム16Aには左右一対のバックストップ45が設けられる。これらのバックストップ45は、ブーム16が図1に示される起立姿勢(作業姿勢)まで到達した時点で上部旋回体12にそれぞれ当接する。この当接によって、ブーム16が強風等で後方に煽られることが規制される。なお、バックストップ45の構造については、後記で詳述する。
ラチスマスト17は、マスト基端部17Pと、マスト先端部17Qと、を備える。マスト基端部17Pは、ブーム16の後側の位置でブーム16の回動軸と平行な回動軸回りに起伏可能なように上部旋回体12に装着される。すなわち、ラチスマスト17もブーム16の起伏方向と同方向に回動可能である。マスト先端部17Qは、長手方向においてマスト基端部17Pとは反対側に配置された、ラチスマスト17の先端部である。図1に示すように、ラチスマスト17のマスト先端部17Qには、第1マストシーブ171と、第2マストシーブ172と、が配置されている。第1マストシーブ171および第2マストシーブ172には、後記のブーム起伏用ロープ22が掛けられる。ラチスマスト17は、ブーム16の回動における支柱となる。
ラチスマスト17のマスト基端部17P側には左右一対のバックストップ46が設けられる。これらのバックストップ46は、ラチスマスト17が図1に示される起立姿勢まで到達した時点で上部旋回体12にそれぞれ当接する。この当接によって、ラチスマスト17が強風等で後方に煽られることが規制される。
更に、クレーン10は、下部スプレッダ18と、上部スプレッダ19と、ガイライン20と、ブーム起伏用ロープ22と、ブーム起伏用ウインチ38と、を備える。
下部スプレッダ18は、下部シーブブロック181を有する。下部シーブブロック181には、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。
上部スプレッダ19は、下部スプレッダ18の前方に所定の間隔をおいて配置される。上部スプレッダ19は、ガイライン20を介してブーム先端部16Qに接続される。上部スプレッダ19は、上部シーブブロック191を有する。上部シーブブロック191には、複数のシーブが幅方向(左右方向)に配列されている。ガイライン20は、図1の紙面と直交する左右方向に一対配置されている。ガイライン20の後端部は上部スプレッダ19に接続され、ガイライン20の前端部はブーム先端部16Qに着脱可能に接続される。ガイライン20は、ガイリンク(金属製の板材)、ガイロープ、ガイワイヤ(金属製の線材)などを含む。
ブーム起伏用ロープ22は、ブーム起伏用ウインチ38から引き出され、マスト先端部17Qの第1マストシーブ171、第2マストシーブ172に掛けられた後、下部シーブブロック181と上部シーブブロック191との間で複数回掛け回される。なお、下部シーブブロック181および上部シーブブロック191に掛け回された後のブーム起伏用ロープ22の先端部は、ラチスマスト17のマスト先端部17Qに固定される。
ブーム起伏用ウインチ38は、ラチスマスト17のマスト基端部17P側に配置される。ブーム起伏用ウインチ38は、ブーム起伏用ロープ22の巻き取りおよび繰り出しを行うことで下部スプレッダ18の下部シーブブロック181と上部スプレッダ19の上部シーブブロック191との間の距離を変化させ、ブーム16をラチスマスト17に対して相対的に回動させながらブーム16を起伏させる。
箱マスト21は、基端及び回動端(先端)を有し、ラチスマスト17の後側で上部旋回体12に回動可能に連結される。箱マスト21は、断面視で矩形形状からなる。箱マスト21の回動軸は、ブーム16の回動軸と平行でかつラチスマスト17の回動軸とほぼ同じ位置に配置されている。すなわち、この箱マスト21もブーム16の起伏方向と同方向に回動可能である。
更に、クレーン10は、ガイライン23と、マスト起伏用ロープ26と、マスト起伏用ウインチ30と、を備える。ガイライン23は、図1の紙面と直交する左右方向に一対配置されている。ガイライン23は、ラチスマスト17のマスト先端部17Qと箱マスト21の回動端部とを接続する。この接続は、ラチスマスト17の回動と箱マスト21の回動とを連携させる。マスト起伏用ロープ26は、上部旋回体12に配置され複数のシーブが幅方向に配列されたたシーブブロック24と、箱マスト21の回動端部に配置され複数のシーブが幅方向に配列されたシーブブロック25との間で複数回掛け回される。
マスト起伏用ウインチ30は、箱マスト21の基端部側に配置される。マスト起伏用ウインチ30は、マスト起伏用ロープ26の巻き取りおよび繰り出しを行う。マスト起伏用ウインチ30の巻き取り、繰り出し動作によって、箱マスト21の先端部のシーブブロック25と上部旋回体12の後端部のシーブブロック24との間の距離が変化し、上部旋回体12に対して箱マスト21およびラチスマスト17が一体的に回動しながら、ラチスマスト17が起伏する。
クレーン10には、前述のマスト起伏用ウインチ30およびブーム起伏用ウインチ38以外に、吊り荷の巻上げ及び巻下げを行うための主巻用ウインチ34及び補巻用ウインチ36が搭載される。本実施形態に係るクレーン10では、主巻用ウインチ34および補巻用ウインチ36がいずれもブーム16の下部ブーム16Aに据え付けられる。クレーン10のウインチ34,36は上部旋回体12に搭載されていてもよい。
主巻用ウインチ34は、主巻ロープ51(図1)による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この主巻について、ブーム16のブーム先端部16Qには不図示の主巻用ガイドシーブが回転可能に設けられ、さらに主巻用ガイドシーブに隣接する位置に複数の主巻用ポイントシーブが幅方向に配列された主巻用シーブブロックが設けられている。主巻用シーブブロックから垂下された主巻ロープ51には、吊り荷用の主フック53が連結されている。そして、主巻用ウインチ34から引き出された主巻ロープ51が主巻用ガイドシーブに順に掛けられ、かつ、主巻用シーブブロックのシーブと、主フック53に設けられたシーブブロックのシーブとの間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ34が主巻ロープ51の巻き取りや繰り出しを行うと、主フック53の巻上げ及び巻下げが行われる。
同様にして、補巻用ウインチ36は、補巻ロープ52による吊り荷の巻上げ及び巻下げを行う。この補巻については、上記の主巻と同様の不図示の構造が備えられている。そして、補巻用ウインチ36が補巻ロープ52の巻き取りや繰り出しを行うと、補巻ロープ52の末端に連結された図略の吊荷用の補フックが巻上げられ、または巻下げられる。
また、上部旋回体12の後部には、クレーン10のバランスを調整するためのカウンタウエイト40が積載されており、上部旋回体12の後方には、パレットウエイト41が更に配置されている。パレットウエイト41は、クレーン10が重量物を吊り上げるために備えられるSHL(Super Heavy Lifting)用ウェイトとして、クレーン10のバランスを保つ機能を有する。パレットウエイト41は、ウエイトライン42によってラチスマスト17のマスト先端部17Qに接続されている。
図2は、本発明の第1実施形態に係るクレーン10のブーム16が倒伏姿勢とされた状態における下部ブーム16Aおよびバックストップ45の側面図であって、バックストップ45が倒伏姿勢とされた状態の側面図である。図3は、図2のバックストップが支持姿勢とされた状態の側面図である。図4は、本実施形態に係るクレーン10において、バックストップ昇降装置60によってバックストップ45が支持姿勢とされ、ブーム16が起立した状態の側面図である。
図2乃至図4を参照して、ブーム16(下部ブーム16A)が上部旋回体12に対して倒伏した状態で見た場合、下部ブーム16Aは、左右一対の下部フレーム160と、左右一対の第1メインパイプ161と、左右一対の第2メインパイプ162と、左右一対の第1接続パイプ163と、上下一対の第2接続パイプ(不図示)と、複数のラチスパイプ165と、を有する。
左右一対の第1メインパイプ161および左右一対の第2メインパイプ162は、下部ブーム16Aの外形形状を画定するパイプであり、図2などに示すように、ブームフット16Sの近傍から下部ブーム16Aの先端側に向かって互いの間隔が拡がるように延びている。下部フレーム160は、下部ブーム16Aの左右両側で第1メインパイプ161および第2メインパイプ162の各基端部を互いに連結する板状部材である。左右一対の第1接続パイプ163は、それぞれ第1メインパイプ161および第2メインパイプ162の各先端部を互いに接続する。なお、不図示の上下一対の第2接続パイプは、左右一対の第1メインパイプ161の先端部同士、左右一対の第2メインパイプ162の先端部同士を互いに接続する。複数のラチスパイプ165は、第1メインパイプ161および第2メインパイプ162、左右一対の第1メインパイプ161同士、左右一対の第2メインパイプ162同士をそれぞれ複数の箇所で互いに接続する。
更に、下部ブーム16Aは、左右一対のバックストップ支持部161Sを有する。左右一対のバックストップ支持部161Sは、ブームフット16Sと第1メインパイプ161の先端部との間、より詳しくは、第1メインパイプ161の先端部に近い位置で、第1メインパイプ161上に配置されている。バックストップ支持部161Sは、後記のバックストップ45のバックストップ支点部452Sを回動可能に支持する。
なお、前述のように、クレーン10は左右一対のバックストップ45を備える。クレーン10は、更に、当該クレーン10のうちバックストップ45とブーム16との間に介在するように装着可能とされる左右一対のバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)を備える。各バックストップ45は、左右一対の第1メインパイプ161上に配置されている。左右一対のバックストップ45および左右一対のバックストップ昇降装置60の構造、機能は互いに同じであるため、以後、右側(図2の紙面手前側)のバックストップ45およびバックストップ昇降装置60について説明する。
バックストップ45は、バックストップ下部451と、バックストップ上部452と、バックストップスプリング453と、を有する。バックストップ下部451およびバックストップ上部452はシリンダ構造からなり、バックストップ上部452の筒状内部にバックストップ下部451が伸縮可能に挿入されている。バックストップスプリング453は、バックストップ下部451およびバックストップ上部452にそれぞれ備えられたフランジF(図2)間に圧縮可能に装着されている。
また、バックストップ下部451は、バックストップ当接部451Sを有し、バックストップ上部452は、バックストップ支点部452Sを有する。バックストップ支点部452Sはバックストップ45の基端部(バックストップ基端部)に相当し、バックストップ当接部451Sは、バックストップ支点部452Sとは反対側のバックストップ45の先端部(バックストップ先端部)に相当する。前述のようにバックストップ支点部452Sは、ブームフット16Sよりも下部ブーム16Aの先端部(ブーム先端部16Q)側の部分に配置されたバックストップ支持部161Sに水平な回転中心軸(上部旋回体12の左右方向に延びる回転中心軸、基準回転中心軸C0)回りに回動可能に支持されている。
図4を参照して、上部旋回体12は、旋回フレーム120を備え、当該旋回フレーム120は、ブームフット16Sを回動可能に支持する支持部12Sと、左右一対のバックストップ受け部121と、を有する。なお、図4では、右側(紙面手前側)のバックストップ受け部121のみが現れている。
図2、図3を参照して、バックストップ昇降装置60は、クレーン10に装着可能とされ、ブーム16が上部旋回体12に対して倒伏した状態であるブーム16の倒伏状態(図2)において、バックストップ支点部452Sを支点としてバックストップ45を回動させることで当該バックストップ45を支持姿勢(図3)と格納姿勢(図2)との間で姿勢変更させることが可能である。前記支持姿勢は、ブーム16が前記倒伏状態から図4に示すように起立することに伴って前記バックストップ45の前記バックストップ当接部451Sが上部旋回体12のバックストップ受け部121に当接することによって前記バックストップ45がブーム16の後方への倒伏を規制することが可能なように、前記バックストップ45が前記倒伏状態のブーム16(下部ブーム16A)から斜め上方に向かって延びている姿勢である(図3参照)。一方、前記格納姿勢は、前記バックストップ45の前記バックストップ当接部451Sが前記支持姿勢よりも下部ブーム16A(ブーム16)に近い位置に配置される姿勢である。このため、図2、図3に示すように、バックストップ昇降装置60は、バックストップ45と下部ブーム16Aの第1メインパイプ161との間の空間に配置される。
図5は、図2の矢印V-V位置における断面図である。図6は、図2の矢印VIで示す領域の拡大図である。図7は、図3の矢印VIIで示す領域の拡大図である。図8は、図6の矢印VIII-VIII位置における断面図である。図9は、図7の矢印IX-IX位置における断面図である。
前述のバックストップ45のバックストップ下部451は、左右一対のリンク支持部451T(バックストップ接続部)を更に有し、ブーム16は、シリンダ取付部64と、シリンダ支持部641とを更に有する。
各リンク支持部451Tは、図3に示すように、バックストップ下部451の基端側部分に配置されたブラケットである。換言すれば、リンク支持部451Tは、前記バックストップ45のうちバックストップ支点部452Sよりもバックストップ当接部451S側の部分である。リンク支持部451Tは、バックストップ下部451の外周面から下部ブーム16Aに向かって突設されている。リンク支持部451Tは、バックストップ昇降装置60のリンク部材61に接続される機能を有している。リンク支持部451Tには、連結ピン451Pが挿通されるためのピン孔451A(図5)が左右方向に沿って形成されている。
また、シリンダ取付部64は、図2、図3に示すように、下部ブーム16Aのうちブームフット16Sとバックストップ支持部161Sとの間の部分、特に、ブームフット16Sに近い位置で、第1メインパイプ161上に固定されたブラケットである。シリンダ取付部64は、第1メインパイプ161の外周面からバックストップ45に向かって突設されている。シリンダ取付部64は、バックストップ昇降装置60のシリンダ63の基端部を支持する機能を有している。当該シリンダ取付部64には、シリンダ63を取り付けるための取付ピン64Pが挿通されるための不図示のピン孔が左右方向に沿って形成されている。
また、シリンダ支持部641は、シリンダ取付部64よりもバックストップ支持部161Sに近い位置で、第1メインパイプ161上に固定されたブラケットである。シリンダ支持部641も、第1メインパイプ161の外周面からバックストップ45に向かって突設されている。シリンダ支持部641は、バックストップ昇降装置60のシリンダ63の先端部を支持する機能を有している。シリンダ支持部641には、保管用ピン孔641Aが形成されている。保管用ピン孔641Aは、後記の支持姿勢保持ピン65を一時的に挿入するためのピン孔である。
バックストップ昇降装置60は、リンク部材61と、ガイド部62と、摺動ピン624(リンク保持部)と、シリンダ63(移動機構)と、支持姿勢保持ピン65(支持用連結部)と、格納姿勢保持ピン66(図2)(格納用連結部)と、シリンダロッド接続ピン67(移動機構、ロッド連結部)とを有する。
図3に示すように、リンク部材61は、バックストップ45を支持することが可能とされている。リンク部材61は、基準回転中心軸C0と平行な第1回転中心軸C1回りに回動可能なようにバックストップ45に接続されているとともに、第2回転中心軸C2回りに回動可能なように下部ブーム16Aに接続されている。
リンク部材61は、所定の長手方向に延びる部材であって、一対のベース部611を有する(図8参照)。一対のベース部611は、左右方向に互いに間隔をおいて配置される板状部材である。各ベース部611は、ベース先端部612(リンク先端部)と、当該ベース先端部612とは反対側のベース基端部613(リンク基端部)とを有する(図3)。ベース先端部612はベース部611の先端部であり、ベース基端部613はベース部611の基端部である。
ベース先端部612は、一対のベース部611の先端部から突設された板状部である。ベース先端部612は、図3のように前記基準回転中心軸C0と平行な方向から見て、略三角形状(L字形状)を有している。そして、ベース先端部612には、連結用開口部612Aおよび固定用開口部612Bがベース先端部612を貫通するようにそれぞれ形成されている。
連結用開口部612Aは、リンク部材61の長手方向に沿って延びる長孔である。前述のリンク支持部451Tに形成されたピン孔451Aと、当該連結用開口部612Aに連結ピン451Pが挿通されることで、ベース先端部612がリンク支持部451Tに第1回転中心軸C1回りに回動可能に支持される。なお、連結用開口部612Aは、リンク部材61のバックストップ45および後記のガイド部62に対する回動動作をスムーズに実現するために長孔とされている。
一方、固定用開口部612Bは、図3に示すように、ベース先端部612の先端部に形成されている。固定用開口部612Bには、図2に示されるバックストップ45の格納姿勢において、後記の格納姿勢保持ピン66が着脱可能に挿通される。
ベース基端部613は、図3、図7において、一対のベース部611の下端部によって構成される。また、当該ベース基端部613は、後記のガイド部62の一対のガイドベース板621の間に配置される。各ベース基端部613には、左右方向に沿ってピン孔613Aが形成されている(図7)。ピン孔613Aには、後記の摺動ピン624(図8)が挿通される。この結果、リンク部材61のベース基端部613が、基準回転中心軸C0と平行な第2回転中心軸C2回りに回転可能なように摺動ピン624に保持される。
ガイド部62は、左右一対のガイドベース板621を有する(図7、図9)。各ガイドベース板621は、下部ブーム16Aの第1メインパイプ161に固定(装着)されている。図2、図3に示すように、ガイド部62は、シリンダ支持部641の直ぐバックストップ支持部161S側に配置されている。各ガイドベース板621は、ガイドベース端部622を有する。ガイドベース端部622は、ガイドベース板621のうち最もブームフット16S側(後記のシリンダ63側)の部分であって、図7に示すように、第1メインパイプ161に対するガイドベース板621の高さが部分的に大きく設定されている。また、各ガイドベース板621には、ガイド溝621Aが形成されている。ガイド溝621Aは、ガイドベース板621においてその長手方向に沿って延びるように形成されている。なお、図3に示すようにガイド溝621Aが延びる方向は、ガイド方向と称される。本実施形態では、当該ガイド方向は、第1メインパイプ161と平行な方向である。また、当該ガイド方向は、基準回転中心軸C0と平行な方向から見てブーム基端部(起伏体基端部)からブーム先端部(起伏体先端部)に向かう方向であるブーム長手方向(起伏体長手方向)の成分を少なくとも含む方向である。
なお、図7に示すように、ガイドベース板621のガイドベース端部622には、固定孔622Aが形成されている。固定孔622Aは、ガイド溝621Aのブームフット16S側の端部よりもブームフット16S側にずれた位置であって、かつ、ガイド溝621Aよりも上方、すなわち、第1メインパイプ161から遠い位置に形成されている。当該固定孔622Aには、リンク部材61(バックストップ45)を格納姿勢に保持するための格納姿勢保持ピン66(図2)が挿通される。
また、図7、図9に示すように、一対のガイドベース板621(ガイドベース端部622)のうち、右側(図7の紙面手前側)のガイドベース板621の外側面には、一対のピン支持部623が突設されている。一対のピン支持部623は、ガイド溝621Aの端部を上下から挟むように配置されている。各ピン支持部623には、図7、図9においてピン支持部623を上下に貫通するように固定孔623Aがそれぞれ形成されている。この上下一対の固定孔623Aには、リンク部材61(バックストップ45)を支持姿勢に保持するための支持姿勢保持ピン65が着脱可能に挿通される。
図2、図3に示すように、シリンダ63は、ガイド部62のガイド溝621Aの延長線上に配置されている。本実施形態では、シリンダ63は、下部ブーム16Aの第1メインパイプ161に沿って配置され、油圧シリンダから構成される。他の実施形態において、シリンダ63は、空圧シリンダ、電動シリンダなどでもよい。シリンダ63は、シリンダ本体631と、シリンダロッド632とを有する。
シリンダ本体631は、円筒状(筒状)の部材であって、後述するようにシリンダ本体631の内部には作動油を受け入れる油室が形成されている。シリンダ本体631は、前述のシリンダ取付部64およびシリンダ支持部641に支持されることで、下部ブーム16Aの第1メインパイプ161に装着されている。具体的に、シリンダ本体631の基端部は、取付ピン64Pによって左右方向に延びる回転中心軸周りに回動可能なようにシリンダ取付部64に支持されている。一方、シリンダ本体631の先端部は、シリンダ支持部641に支持されている。
シリンダロッド632は、シリンダ本体631の先端部を通じてシリンダ本体631の内部に挿入されている。この結果、シリンダロッド632は、シリンダ本体631に対して伸縮可能なようにシリンダ本体631に支持されている。この際、シリンダロッド632は、ガイド部62の一対のガイドベース板621の間において伸縮する(図8)。
図6に示すように、シリンダロッド632は、その先端部に配置された上下一対のロッド先端部633を有する。一対のロッド先端部633は、二股状のクレビス構造からなる。図6に示すように、上下一対のロッド先端部633の間には、摺動ピン624が挿通(係合)可能とされている。更に、当該一対のロッド先端部633には、図6の上下方向に沿って各ロッド先端部633を貫通するピン孔633Aが形成されている。この上下一対のピン孔633Aには、リンク部材61とシリンダロッド632とを互いに接続するためのシリンダロッド接続ピン67が着脱可能に挿通される。
摺動ピン624は、シリンダ63のシリンダロッド632とリンク部材61とを接続する機能を有している。当該摺動ピン624は、その基端部において相対的に大きな外径からなるフランジ部624Fを有している(図8)。図6乃至図9に示すように、摺動ピン624は、一対のガイドベース板621のうちの右側のガイドベース板621の外側からガイド溝621Aに挿通され、更に、一対のベース部611のうち右側のベース部611のベース基端部613に形成されたピン孔613Aに挿通される。更に、摺動ピン624は、シリンダロッド632の一対のロッド先端部633の間の空間を通過して、一対のベース部611のうち左側のベース部611のベース基端部613に形成されたピン孔613Aに挿通され、一対のガイドベース板621のうちの左側のガイドベース板621のガイド溝621Aを貫通する。当該左側のガイドベース板621のガイド溝621Aから突出した摺動ピン624の先端部には不図示の抜け止め部材が装着される。
上記のように摺動ピン624がリンク部材61およびガイド部62に装着された状態で、図6に示すように、上下一対のロッド先端部633のピン孔633Aにシリンダロッド接続ピン67が挿通されると、シリンダロッド632のシリンダ本体631に対する伸縮動作に応じて、シリンダロッド632およびリンク部材61のベース基端部613がガイド溝621Aに沿って一体で移動することができる。この際、両者の移動中でも、リンク部材61のベース基端部613は、前記第2回転中心軸C2回りに回動可能なように、摺動ピン624およびシリンダロッド632に支持される。なお、リンク部材61のベース先端部612は、バックストップ45のリンク支持部451Tに接続されているため、上記のようなベース基端部613のガイド溝621Aに沿った移動は、リンク部材61の下部ブーム16A(第1メインパイプ161)に対する起伏を可能とするとともに、バックストップ45の支持姿勢と格納姿勢との間での姿勢変更を可能とする。このように、本実施形態では、摺動ピン624は、リンク部材61のベース基端部613を第2回転中心軸C2回りに回動可能に保持するリンク保持部として機能する。
また、シリンダ63およびシリンダロッド接続ピン67は、本実施形態における移動機構として機能する。当該移動機構は、下部ブーム16A(ブーム16)の倒伏状態において、摺動ピン624をガイド溝621A上の支持用位置から格納用位置に、および、前記格納用位置から前記支持用位置に前記ガイド方向に沿って移動させることが可能とされている。前記支持用位置は、リンク部材61がバックストップ45を前記支持姿勢に保持することが可能な位置であり、ガイド溝621Aのうち最もブームフット16S側の端部に相当する。一方、前記格納用位置は、リンク部材61がバックストップ45を前記格納姿勢に保持することが可能な位置であって、ガイド溝621Aのうち最もバックストップ支点部452S側の端部に相当する。シリンダロッド接続ピン67(ロッド連結部)は、シリンダロッド632の一対のロッド先端部633と摺動ピン624とを着脱可能に連結する。
図10は、本実施形態に係るクレーン10におけるバックストップ昇降装置60の駆動部70(シリンダ駆動部)の油圧回路図である。バックストップ昇降装置60は、更に駆動部70を有する。駆動部70は、シリンダ63のシリンダロッド632をシリンダ本体631に対して伸縮させることが可能である。
図10に示すように、シリンダ63のシリンダロッド632は、シリンダ本体631の内部空間をヘッド室63Aとロッド室63Bとに画定しかつ前記内部空間内を移動可能なピストン部63Pを有する。また、駆動部70は、油圧ポンプ71と、リリーフ弁71Rと、方向切換弁72と、制御部80と、スイッチ801および802と、を有する。
油圧ポンプ71は、シリンダロッド632の前記ヘッド室63Aおよび前記ロッド室63Bに供給される作動油を吐出することが可能とされている。
方向切換弁72は、前記油圧ポンプ71と前記シリンダ本体631との間に配置される。方向切換弁72は、一対のソレノイドが制御部80から指令信号を受けることで、伸長用位置と、収縮用位置と、中立位置との間で切換可能とされている。具体的に、図10において、作業者が制御部80に接続されたスイッチ801をONすることで方向切換弁72が伸長用位置に切り換わる一方、作業者がスイッチ802をONすることで方向切換弁72が収縮用位置に切り換わる。スイッチ801および802のいずれもOFFされている場合、方向切換弁72は中立位置に切り換わる。なお、方向切換弁72の位置の切り換えを指示する構成は、スイッチ801、802に限定されるものではなく、他の構造でもよい。前記伸長用位置(図10の右側の位置)では、方向切換弁72は、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油を前記ヘッド室63Aに供給するとともに前記ロッド室63Bから排出された作動油をタンクTに導くことで、前記シリンダロッド632を前記シリンダ本体631に対して伸長させる。また、方向切換弁72は、前記収縮用位置(図10の左側の位置)では、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油を前記ロッド室63Bに供給するとともに前記ヘッド室63Aから排出された作動油をタンクTに導くことで、前記シリンダロッド632を前記シリンダ本体631に対して収縮させる。方向切換弁72は、前記中立位置(図10の中央の位置)では、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油が前記ヘッド室63Aおよび前記ロッド室63Bに供給されることを阻止し、かつ前記ヘッド室63Aおよび前記ロッド室63Bから作動油が排出されることをそれぞれ阻止する。なお、方向切換弁72が前記中立位置に設定された場合、ヘッド室63Aおよび前記ロッド室63Bの作動油の一部は、油圧回路の配管の一部などから僅かに漏れ出すことがあるが、少なくとも所定の時間、シリンダロッド632がシリンダ本体631に対して最も伸長した状態(バックストップ45が格納姿勢とされた状態)およびシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して最も収縮した状態(バックストップ45が支持姿勢とされた状態)をそれぞれ維持することができる。なお、方向切換弁72が前記中立位置(図10の中央の位置)に切り換わると、油圧ポンプ71から吐出された作動油は直接タンクTに排出される。また、シリンダ63は、油圧シリンダの代わりに空圧シリンダから構成されてもよい。更に、ヘッド室63Aには作動油が供給されずに不図示のコイルばねが配設され、当該コイルばねの付勢力によってシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して伸長する態様でもよい。また、上記のようなヘッド室63Aに対する作動油の供給やコイルばねの配置がなくとも、バックストップ45の自重を受けてシリンダ63が伸長する態様でもよい。リリーフ弁71Rは、油圧ポンプ71から過剰に吐出された作動油をタンクに導くことで、油路内の過大な圧力上昇を防止する。
次に、バックストップ昇降装置60によるバックストップ45の昇降動作(姿勢変更動作)について説明する。
クレーン10の組立作業に際して、バックストップ45がブーム16の下部ブーム16A上に載置されている、いわゆる格納状態(図2)において、バックストップ45の姿勢変更が開始される場合、作業者は、スイッチ801をONし、全縮小状態(収縮状態)にあるシリンダ63のシリンダロッド632をシリンダ本体631に対して伸長させスイッチ801をOFFする。この結果、一対のロッド先端部633の間に摺動ピン624が係合する。
次に、作業者は、ガイド部62とベース先端部612とを連結していた格納姿勢保持ピン66を取り外し、シリンダロッド接続ピン67として、一対のロッド先端部633のピン孔633Aに挿入する。この際、シリンダロッド接続ピン67の先端部には不図示の抜け止め部材が装着される。
次に、作業者は、スイッチ802をONし、シリンダ63のシリンダロッド632をシリンダ本体631に対して収縮させる。この際、リンク部材61のベース基端部613がガイド溝621Aに沿って移動するとともに摺動ピン624(第2回転中心軸C2)回りに回動し、リンク部材61が徐々に起立する。この結果、リンク部材61のベース先端部612が連結ピン451P(第1回転中心軸C1)回りに回動しながら、バックストップ45のリンク支持部451Tを上方に押し上げ、バックストップ45を支持姿勢に姿勢変更させる。
バックストップ45が支持姿勢に姿勢変更すると、作業者は、支持姿勢保持ピン65を所定の格納場所から取り出し、ガイド部62の一対のピン支持部623の固定孔623Aに挿通する。固定孔623Aの先端部には不図示の抜け止め部材が装着される。この際、前述のように、予め作業者がスイッチ802をOFFしておくと方向切換弁72は中立位置に配置されているため、シリンダロッド632はシリンダ本体631に対して収縮した状態を維持する。そして、図7、図9に示すように、摺動ピン624が支持用位置から格納用位置に向かって移動しようとすると、支持姿勢保持ピン65が摺動ピン624のフランジ部624Fに当接することで、摺動ピン624の移動、すなわち、リンク部材61(バックストップ45)の姿勢変更が阻止される。
一方、図7に示す状態において、支持姿勢保持ピン65は、リンク部材61が摺動ピン624(第2回転中心軸C2)回りに回動することを許容している。このため、図4に示すように、下部ブーム16A(ブーム16)が起立され、バックストップ45のバックストップ当接部451Sが旋回フレーム120のバックストップ受け部121に当接した際に、リンク部材61のベース先端部612およびベース基端部613がそれぞれ第1回転中心軸C1および第2回転中心軸C2回りに回動可能であり、更に、ベース先端部612が連結用開口部612Aの長孔分だけリンク支持部451Tに対して相対的に移動可能であることから、バックストップ支点部452Sとリンク支持部451Tとの距離が図3のL1から図4のL2まで縮小しても、リンク部材61とガイド部62との間の角度がθ1からθ2に変化することが可能であるため、クレーン10においてバックストップ45を適切な支持姿勢に保持することができる。
一方、クレーン10の分解時には、下部ブーム16A(ブーム16)が倒伏された後、図3に示される支持姿勢において、作業者は、支持姿勢保持ピン65を一対のピン支持部623から取り外して、シリンダ支持部641の保管用ピン孔641Aに挿通させる。この際、バックストップ45の自重によって支持姿勢保持ピン65に負荷が掛かって支持姿勢保持ピン65を取り外しにくい場合には、シリンダロッド632をより縮小する側にシリンダ63を作動させ、支持姿勢保持ピン65に掛かった負荷を取り除くことができる。
次に、作業者がスイッチ801をONすると、シリンダロッド632がシリンダ本体631に対して伸長し、リンク部材61のベース基端部613がガイド溝621Aに沿って移動するとともに摺動ピン624(第2回転中心軸C2)回りに回動することで、リンク部材61が倒伏する。更に、リンク部材61のベース先端部612が連結ピン451P(第1回転中心軸C1)回りに回動しながら、バックストップ45を下方に導き、バックストップ45が図2の格納姿勢に姿勢変更する。
次に、作業者は、シリンダロッド接続ピン67(図6)を一対のロッド先端部633から取り外し、格納姿勢保持ピン66としてベース先端部612の固定用開口部612Bおよびガイドベース端部622の固定孔622Aに挿通する。この結果、バックストップ45が格納姿勢に保持される。この際、前述のように、予め作業者がスイッチ801をOFFしておくと方向切換弁72は中立位置に配置されているため、シリンダロッド632はシリンダ本体631に対して伸長した状態を維持する。このため、作業者は格納姿勢保持ピン66を容易に挿通することができる。なお、前述のようにコイルばねの付勢力によってシリンダロッド632が確実に伸長してもよいし、当該コイルばねの付勢力のみやバックストップ45の自重のみでシリンダロッド632が伸長してもよい。
更に、作業者は、スイッチ802をONすることで、シリンダロッド632をシリンダ本体631に対して収縮させ、シリンダ63を全縮小状態とする。この結果、図2に示す格納姿勢において、シリンダロッド632をシリンダ本体631に収容することが可能となるため、下部ブーム16Aの保管時や輸送時に、シリンダロッド632が外部に露出することが抑止され、その外周面に錆などが発生することを防止することができる。
なお、摺動ピン624が前記支持用位置に配置された状態における、第1回転中心軸C1と第2回転中心軸C2とを結ぶ直線と前記ガイド方向とがなす角度のうち相対的に小さな角度である支持基準角度(図3のθ1、図4のθ2)は、摺動ピン624が前記格納用位置に配置された状態における、第1回転中心軸C1と第2回転中心軸C2とを結ぶ直線と前記ガイド方向とがなす角度のうち相対的に小さな角度である格納基準角度(図2のθ0)よりも大きくなるように、ガイド部62が下部ブーム16Aに装着されている。
以上のように、本実施形態では、バックストップ45が下部ブーム16A上で格納姿勢とされた状態からシリンダ63が摺動ピン624を格納用位置から支持用位置に移動させると、リンク部材61がリンク支持部451Tに対して第1回転中心軸C1回りに回動するとともに摺動ピン624に対して第2回転中心軸C2回りに回動しながら、バックストップ45を支持姿勢に姿勢変更させることができる。一方、バックストップ45が前記支持姿勢とされた状態からシリンダ63が摺動ピン624を支持用位置から格納用位置に移動させると、リンク部材61がリンク支持部451Tに対して第1回転中心軸C1回りに回動するとともに摺動ピン624に対して第2回転中心軸C2回りに回動しながら、バックストップ45を格納姿勢に姿勢変更させることができる。このため、他の補助クレーンによってバックストップ45を姿勢変更させる場合や作業者がバックストップ45を人力で姿勢変更させる場合と比較して、クレーン10のバックストップ45を格納姿勢と支持姿勢との間で容易かつ安全に姿勢変更させることが可能となる。
また、上記の実施形態では、バックストップ45が支持姿勢とされると、支持姿勢保持ピン65がロッド先端部633を介して摺動ピン624とガイド部62とを互いに連結することで、リンク部材61およびバックストップ45の姿勢をそれぞれ保持することができる。このため、クレーン10の作業時にブーム16の自重がバックストップ45に掛かった場合でも、バックストップ45の姿勢が崩れることが抑止される。
また、上記の実施形態では、バックストップ45が支持姿勢とされた状態でも、リンク部材61がリンク支持部451Tに対して第1回転中心軸C1回りに回動可能であるとともに摺動ピン624に対して第2回動中心軸C2回りに回動可能であるため、クレーン10の作業時にブーム16の自重がバックストップ45に掛かった場合でも、リンク支持部451Tが移動するようなバックストップ45の変形を許容するようにリンク部材61が回動可能であり、リンク部材61に大きな負荷が掛かることが抑止される。また、バックストップ45が所定のストロークで伸縮自在な構成の場合には、クレーン10の作業時にブーム16の自重がバックストップ45に掛かった場合に前記バックストップ45の伸縮をリンク部材61が妨げることが抑止される。
更に、本実施形態では、バックストップ45が格納姿勢とされると、格納姿勢保持ピン66が摺動ピン624とガイド部62とを互いに連結することで、バックストップ45を格納姿勢に安定して保持することができる。このため、ブーム16の輸送時にバックストップ45がブーム16に対して跳ね上がることが防止される。このため、バックストップ45を含むブーム16を安全に輸送および保管することができる。
また、本実施形態では、バックストップ昇降装置60が、移動機構としてシリンダ63を有しているため、駆動部70がシリンダロッド632をシリンダ本体631に対して伸縮させることに応じて、摺動ピン624を支持用位置と格納用位置との間で安定して移動させることができる。
更に、本実施形態では、シリンダロッド632の伸縮方向とガイド溝621A内での摺動ピン624の移動方向とが合致しているため、シリンダロッド632の伸縮動作を摺動ピン624のガイド方向における移動動作に変換するための複雑な機構を必要とすることなく、摺動ピン624を支持用位置と格納用位置との間で安定して移動させることが可能となる。
また、本実施形態では、シリンダロッド接続ピン67が、シリンダロッド632と摺動ピン624とを着脱可能に連結する。このため、シリンダ本体631に対するシリンダロッド632の伸長動作によって摺動ピン624を支持用位置または格納用位置に配置すると、シリンダロッド接続ピン67によるシリンダロッド632と摺動ピン624との連結を解除することで、シリンダロッド632をシリンダ本体631に対して収縮させることができる。このため、シリンダロッド632がシリンダ本体631から伸長した状態で長期間放置されることが抑止され、シリンダロッド632に錆が発生することが抑止される。
また、本実施形態では、リンク部材61がバックストップ45を前記支持姿勢に保持した状態において、前記基準回転中心軸C0と平行な方向から見て、バックストップ45とリンク部材61とがなす角度が75度以上105度以内の範囲に含まれていることが望ましい。特に、前記角度は90度に設定されていることが更に望ましい。図3に示されるバックストップ45の支持姿勢では、前記角度(基準回転中心軸C0側の内角)は80度である。
本構成によれば、クレーン10の作業時にブーム16の自重がバックストップ45に掛かった際に、リンク支持部451T(バックストップ接続部)がバックストップ支点部452S(バックストップ基端部)側に移動するようなことがあっても、リンク部材61に大きな負荷が掛かることや変形が生じることが抑止される。
具体的に、本実施形態では、図3に示すようにバックストップ45の基端側(ブーム16側)にバックストップスプリング453による伸縮部が設けられている。この場合、バックストップ当接部451Sがバックストップ受け部121(図4)に当接し、ブーム16の自重がバックストップ45に掛かると、バックストップスプリング453の圧縮によってバックストップ45の長さが小さくなる。一方、ブーム16が倒伏する際に、バックストップ当接部451Sがバックストップ受け部121から離れると、再びバックストップ45の長さが復帰する。このようなバックストップ45の長さの変化によってリンク支持部451Tに接続されるリンク部材61自体が大きく伸び縮みすることを防止することが望ましい。このため、バックストップ45の支持姿勢においてバックストップ45とリンク部材61が直角に交わっていると、上記のようにリンク支持部451Tの位置が変化したとしてもリンク部材61の長さが影響を受けにくい。一方、バックストップ45とリンク部材61とのなす角度がより小さな鋭角になると(90度から離れると)、バックストップ45の長さの変化に追従して、リンク部材61の長さが変化する必要が生じる。本発明の発明者は、上記のように、前記基準回転中心軸C0と平行な方向から見て、バックストップ45とリンク部材61とがなす角度が75度以上105度以内の範囲に含まれていることで、上記のようにリンク部材61に大きな負荷が掛かることなく、変形、破損を防止できることを知見した。
更に、本実施形態では、リンク部材61がバックストップ45を前記支持姿勢に保持した状態において、ベース先端部612(リンク先端部)は、リンク部材61が延びる方向に沿ってリンク支持部451Tに対して所定の距離だけ相対移動可能とされていることが望ましい。本実施形態では、前述のように、リンク支持部451Tに形成されたピン孔451Aがバックストップ45の支持姿勢におけるリンク部材61の長手方向に沿って延びる長孔から構成されている。このため、当該ピン孔451Aおよび連結用開口部612Aに連結ピン451Pが挿通されることで、リンク部材61のベース先端部612がリンク支持部451Tに対して前記長孔の長さだけ相対移動することができる。
このような構成によれば、クレーン10の作業時にブーム16の自重がバックストップ45に掛かった際に、バックストップスプリング453の圧縮によってリンク支持部451Tがバックストップ支点部452S側に移動するようなことがあっても、ベース先端部612がリンク支持部451Tに対して相対移動可能であるため、リンク部材61に大きな負荷が掛かることや変形が生じることが更に抑止される。
なお、上記のような構成について換言すると、本実施形態では、図2、図3に示すように、バックストップ45の格納姿勢におけるリンク部材61のベース先端部612の位置と、バックストップ45の支持姿勢におけるリンク部材61のベース基端部613の位置とが略同じ位置になるようにバックストップ昇降装置60の摺動ピン624の移動ストロークが設定されている。この結果、クレーン10の作業時にブーム16の自重がバックストップ45に掛かった際に図3の距離L1が図4の距離L2に変化しても、リンク部材61の長さの変化を小さく抑えることができる。この場合、リンク部材61の長さにもたらされる変化は、上記のようにピン孔451Aに対応したベース先端部612の相対移動によって吸収することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係るバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)について説明する。図11は、本実施形態に係るクレーン10のブーム16が倒伏姿勢とされた状態における下部ブーム16Aおよびバックストップ45の側面図であって、バックストップ45が倒伏姿勢とされた状態の側面図である。図12は、図11のバックストップ45が支持姿勢とされた状態の側面図である。なお、本実施形態では、先の第1実施形態と比較して相違する点を中心に説明し、共通する点の説明を省略する。以後の各実施形態においても同様である。
先の第1実施形態では、図2、図3のようにシリンダ63がガイド部62よりもブームフット16S側に配置される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、図11、図12に示すように、シリンダ63がガイド部62に対してブームフット16Sとは反対側に配置される。本実施形態においても、シリンダ63のシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して伸長すると、摺動ピン624とともにリンク部材61のベース基端部613がガイド溝621Aに沿って移動し、図11に示すようにバックストップ45が格納姿勢とされる。一方、図11の状態からシリンダ63のシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して収縮すると、摺動ピン624とともにリンク部材61のベース基端部613がガイド溝621Aに沿って移動し、図12に示すようにバックストップ45が支持姿勢とされる。第1実施形態と第2実施形態とでは、バックストップ45の姿勢変更に際してリンク部材61の軌跡が異なるため、たとえば下部ブーム16Aに装着されるウインチなどの位置に応じて、ガイド部62およびシリンダ63の配置が設定されればよい。また、上記の第1実施形態および第2実施形態では、ガイド部62およびシリンダ63が下部ブーム16Aの第1メインパイプ161上に固定される態様にて説明したが、ガイド部62およびシリンダ63は、下部ブーム16Aの内側に配置されてもよい。この場合、リンク部材61の軌跡に応じて下部ブーム16Aに配置される接続パイプの位置が好適に設定されればよい。また、ガイド部62がリンク部材61のベース基端部613を案内するガイド方向は、必ずしも第1メインパイプ161が延びる方向に合致する必要はなく、下部ブーム16A(ブーム16)の中心線に沿う方向などその他の方向でもよい。
次に、本発明の第3実施形態に係るバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)について説明する。図13は、本実施形態に係るクレーン10のブーム16が倒伏姿勢とされた状態における下部ブーム16Aおよびバックストップ45の側面図であって、バックストップ45が倒伏姿勢とされた状態の側面図である。図14は、図13のバックストップ45が支持姿勢とされた状態の側面図である。図15は、図13の矢印XVで示す領域の拡大図である。図16は、図15を前方から見た正面図である。
先の第1実施形態では、リンク部材61のベース基端部613を移動させる移動機構としてシリンダ63を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、バックストップ昇降装置60は、シリンダ63の代わりとしてのウインチ68および巻取りロープ(ロープ)681(いずれも移動機構)と、円筒部材682(図16)とを有する。図13に示すように、ウインチ68は、ガイド部62とブームフット16Sとの間において第1メインパイプ161上に固定されている。
巻取りロープ681は、円筒部材682を介して摺動ピン624(リンク保持部)に接続されるロープ先端部と前記ロープ先端部とは反対側のロープ基端部とを有する。
また、ウインチ68は、前記ロープ基端部に接続されるウインチ外周面を有し、巻取りロープ681の巻き取りおよび繰り出しを行うことが可能とされている。ウインチ68は、油圧ウインチ、空圧ウインチおよび電動ウインチなどから選択可能である。
円筒部材682(図16)は、先の第1実施形態における一対のロッド先端部633と同様の位置に配置される。すなわち、円筒部材682は、左右一対のガイドベース板621の内側であって、左右一対のベース部611のベース基端部613の内側に配置される。円筒部材682は、中空部682Aを有し、当該中空部682Aに摺動ピン624が挿通可能とされている。巻取りロープ681のロープ先端部は、円筒部材682の外周面に固定されている。このように、本実施形態では、第1実施形態におけるシリンダロッド接続ピン67が不要であり、巻取りロープ681は、円筒部材682を介して摺動ピン624と常に接続されている。このため、本実施形態では、支持姿勢保持ピン65と格納姿勢保持ピン66とを兼用することができる。
バックストップ45を格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際には、ウインチ68が巻取りロープ681を巻き取ることで、リンク部材61のベース基端部613がガイド部62のガイド溝621Aに沿って移動し、リンク部材61が起立することでバックストップ45が支持姿勢となる。一方、バックストップ45を支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際には、ウインチ68が巻取りロープ681を繰り出すと、バックストップ45の自重によりリンク部材61のベース基端部613がガイド部62のガイド溝621Aに沿って移動し、リンク部材61が倒伏してバックストップ45が図13の格納姿勢に姿勢変更する。なお、上記のようにリンク部材61がバックストップ45の自重によって倒伏するように、ガイド部62の位置が設定されることが望ましい。
なお、本実施形態では、ウインチ68がガイド部62の近傍に配置されているが、巻取りロープ681の長さを適宜設定することで、ウインチ68をガイド部62から離れた位置に配置してもよい。たとえば、ウインチ68は下部ブーム16Aの基端部(ブームフット16S)の近傍に配置してもよいし、上部旋回体12の旋回フレーム120に別途設けられた雑用ウインチ(汎用ウインチ)等をウインチ68として使用してもよい。また、ウインチ68は、ガイド部62よりもバックストップ支点部452S側に配置されてもよい。ウインチ68の位置に応じて、巻取りロープ681の経路を設定するシーブが下部ブーム16Aに設けられてもよい。
以上のように、本実施形態では、ウインチ68が巻取りロープ681を繰り出すと円筒部材682がベース基端部613を保持しながら図14の支持用位置から図13の格納用位置に移動し、バックストップ45が格納姿勢に姿勢変更する。一方、ウインチ68が巻取りロープ681を巻き取ると円筒部材682がベース基端部613を保持しながら図13の格納用位置から図14の支持用位置に移動し、バックストップ45が支持姿勢に姿勢変更する。
本実施形態によれば、ウインチ68が巻取りロープ681を巻き取るまたは繰り出すことに応じて摺動ピン624を支持用位置と格納用位置との間で移動させることができる。また、シリンダ構造などの他の移動機構の構造と比較して巻取りロープ681に柔軟性があるため、摺動ピン624を移動させる駆動源の配置における自由度を増すことができる。
次に、本発明の第4実施形態に係るバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)について説明する。図17は、本実施形態に係るクレーン10のブーム16が倒伏姿勢とされた状態における下部ブーム16Aおよびバックストップ45の側面図であって、バックストップ45が倒伏姿勢とされた状態の側面図である。図18は、図17のバックストップ45が支持姿勢とされた状態の側面図である。図19は、図17の矢印XIXで示す領域の拡大図である。
先の第1実施形態および第2実施形態では、シリンダ63のシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して収縮することで、リンク部材61が起立してバックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本実施形態では、シリンダ63のシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して伸長することで、リンク部材61が起立してバックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する。
図17、図19を参照して、摺動ピン624は、リンク部材61の一対のベース基端部613(図8)を第2回転中心軸C2回りに回動可能に支持している。シリンダロッド632の先端部には、第1実施形態の一対のロッド先端部633(クレビス)の代わりに、押出部633S(図19)が配置されている。押出部633Sは、シリンダロッド632の先端部に設けられた円板状部材である。
図17、図19の状態からシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して伸長すると、押出部633Sが摺動ピン624を押し摺動ピン624がガイド溝621Aの後端部(格納用位置)からガイド方向に沿ってガイド溝621Aの前端部(支持用位置)に移動する。この際、第1実施形態と同様に、リンク部材61のベース基端部613は、摺動ピン624に対して第2回転中心軸C2回りに回動可能であるとともに、リンク部材61のベース先端部612は、リンク支持部452Tに対して第1回転中心軸C1回りに回動可能である。そして、リンク部材61の起立に伴って、バックストップ45が支持姿勢に姿勢変更する(図18)。図18の状態で、先の第1実施形態と同様に、摺動ピン624の移動を規制する支持姿勢保持ピン65が装着されることで、リンク部材61およびバックストップ45の支持姿勢が維持される。このため、押出部633Sが摺動ピン624から離間するように、シリンダ63のシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して収縮することができる。
また、図18に示す状態において、シリンダロッド632を再度伸長させ、支持姿勢保持ピン65を取り除いた後、シリンダロッド632を収縮させると、バックストップ45が徐々に倒伏する。この際、リンク部材61がバックストップ45の自重によって倒伏するような位置に、ガイド部62(ガイド溝621A)を配置することで、第1実施形態のシリンダロッド接続ピン67が不要となり、上記のようにシリンダロッド632の先端部には簡易な押出部633Sを配置すれば足りる。図17に示すようにバックストップ45が格納姿勢とされると、第1実施形態と同様に、リンク部材61のベース先端部612に形成された固定用開口部612B(図18)とリンク支持部69に形成されたピン孔69A(図18)とに格納姿勢保持ピン66(図17)が挿通されることで、バックストップ45が格納姿勢に保持される。
上記のように本実施形態では、リンク部材61の起立動作がシリンダ63のシリンダロッド632の伸長動作、すなわち、ヘッド室63Aへの作動油の供給によって行われるため、シリンダロッド632の収縮動作、すなわち、ヘッド室63Aよりも断面積が小さいロッド室63Bへの作動油の供給によって行われる場合と比較して、シリンダ63の小径化(軽量化)が可能となる。
なお、図13、図14、図17、図18に示すように、第3実施形態および第4実施形態では、バックストップスプリング453がバックストップ45の先端側に装着されている。この場合、バックストップ45のバックストップ当接部451Sが旋回フレーム120のバックストップ受け部121に当接すると、バックストップ支点部452Sとリンク支持部452Tとの距離は変化しない。このため、バックストップ45がブーム16を支持する際に、リンク部材61に大きな負荷が加わることが抑止される。
次に、本発明の第5実施形態に係るバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)について説明する。図20は、本実施形態に係るクレーン10におけるバックストップ昇降装置60の駆動部70(シリンダ駆動部)の油圧回路図である。駆動部70を構成する油圧回路は図20に示される態様でもよい。この場合、作業者がスイッチ801をON/OFFすることに伴って、方向切換弁72の一対のソレノイドが制御部80から指令信号を受けることで、方向切換弁72が伸長用位置と収縮用位置との間で切換可能とされている。前記伸長用位置(図20の右側の位置)では、方向切換弁72は、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油を前記ヘッド室63Aに供給するとともに前記ロッド室63Bから排出された作動油をタンクTに導くことで、前記シリンダロッド632を前記シリンダ本体631に対して伸長させる。また、方向切換弁72は、前記収縮用位置(図20の左側の位置)では、前記油圧ポンプ71から吐出された作動油を前記ロッド室63Bに供給するとともに前記ヘッド室63Aから排出された作動油をタンクTに導くことで、前記シリンダロッド632を前記シリンダ本体631に対して収縮させる。
次に、本発明の第6実施形態に係るバックストップ昇降装置60(バックストップ姿勢変更装置)について説明する。図21は、本実施形態に係るクレーン10のブーム16が倒伏姿勢とされた状態における下部ブーム16Aおよびバックストップ45の側面図であって、バックストップ45が格納姿勢とされた状態の側面図である。図22は、図21と比較して、バックストップ45が支持姿勢とされた状態の側面図である。図23~図26は、本実施形態に係るバックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ昇降装置60の様子を示す側面図である。また、図27~図30は、バックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ昇降装置60の様子を示す側面図である。図31は、図23のバックストップ昇降装置60の矢印XXXI-XXXI位置における断面図である。図32は、図25のバックストップ昇降装置60の矢印XXXII-XXXII位置における断面図である。図33~図35は、図32の状態から摺動ピン624が移動する様子を順に示す断面図である。なお、以後の各実施形態においても、前述の実施形態との相違点を中心に説明する。
本実施形態では、先の第1実施形態と同様に、シリンダ63の伸縮に応じてバックストップ45が姿勢変更する。特に、シリンダ63が伸長する動作に応じて、バックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更し、シリンダ63が収縮する動作に応じてバックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する。
バックストップ昇降装置60は、リンク部材61と、ガイド部62と、摺動ピン624と、上記のシリンダ63と、シリンダ取付部64と、リンク支持部69とを有する。
本実施形態においても、図22に示すように、リンク部材61は、バックストップ45を支持することが可能である。リンク部材61は、ベース先端部612と、ベース基端部613とを有し(図23)、ベース先端部612は、基準回転中心軸C0と平行な第1回転中心軸C1回りに回動可能なようにバックストップ45のリンク支持部452Tに接続されている(図22)。また、ベース基端部613は、基準回転中心軸C0と平行な第2回転中心軸C2(図22)回りに回動可能なようにガイド部62に支持されている。
ガイド部62は、第1メインパイプ161に沿って延びるように第1メインパイプ161に固定されている。ガイド部62は、左右一対のガイドベース板621によって構成されている(図23)。また、ガイド部62の各ガイドベース板621には、長穴状のガイド溝621Aがそれぞれ形成されており、先の第1実施形態と同様に、摺動ピン624の両端部(軸部)がガイド溝621Aに挿通されることで、摺動ピン624がガイド溝621A沿って移動可能とされている。リンク部材61のベース基端部613は、当該摺動ピン624に回動可能に保持されている。
ガイド溝621Aは、主ガイド溝621Bと、係合溝621Cと、副ガイド溝621Dとを含む。主ガイド溝621Bは、第1メインパイプ161に沿って形成され、シリンダ63の伸縮に応じて摺動ピン624が移動する溝部である。主ガイド溝621Bは、溝基端部と溝先端部とを含む。溝基端部は、主ガイド溝621Bのうち最もシリンダ63側の端部であり、バックストップ45が格納姿勢とされる際に、摺動ピン624の軸部を受け入れる部分である。一方、溝先端部は、主ガイド溝621Bのうち最もシリンダ63から離れた端部であり、バックストップ45が支持姿勢とされる際に、摺動ピン624の軸部を受け入れる部分である。
係合溝621Cは、主ガイド溝621Bの溝先端部から下方かつ前記溝基端部に向かって(主ガイド溝621Bとは異なる方向に)延びるように形成されており、前記溝先端部に連通している。係合溝621Cは、シリンダロッド632のシリンダ本体631に対する伸長に伴ってリンク部材61が起立しバックストップ45が支持姿勢とされた際に、摺動ピン624が係合することで、バックストップ45を支持姿勢に保持する機能を有している。より詳しくは、係合溝621Cは、シリンダ63が摺動ピン624を格納用位置からガイド方向に沿って移動させることに伴って主ガイド溝621Bの溝先端部を通過した摺動ピン624の軸部を受け入れるとともに、バックストップ45を支持姿勢に保持するように支持用位置において摺動ピン624の軸部と係合する。
副ガイド溝621Dは、主ガイド溝621Bの溝先端部から上方に略台形状に形成されており、前記溝先端部および係合溝621Cに連通している。すなわち、副ガイド溝621Dは、主ガイド溝621Bに対して係合溝621Cとは反対側に配置されている。
更に、バックストップ昇降装置60は、規制具625を有する。
図23、図32を参照して、規制具625は、ガイド部62のガイドベース板621の先端部に支持されている。規制具625は、バックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更される際、すなわち、シリンダ63の作動に応じて摺動ピン624が移動する際に、上記の係合溝621Cから脱離した摺動ピン624が再び係合溝91Bに進入することを阻止する機能を有している。
図32を参照して、規制具625は、左右一対の規制ガイド板625A(ガイド板)と、左右一対のばね625B(付勢部材)とを有する。左右一対のばね625Bは、各規制ガイド板625Aを摺動ピン624の端部に向かって付勢することが可能な伸縮可能なばね部材である。各規制ガイド板625Aおよび各ばね625Bは、図32に示すように略L字状のフレームによって支持されており、一対のガイドベース板621に装着されている。なお、他の実施形態において、規制具625は、左右の一方側において、1つの規制ガイド板625Aおよび1つのばね625Bを有するものでもよい。
規制ガイド板625Aは、左右方向に沿ってスライド移動可能なように前記フレームに支持されている。左右一対のばね625Bは、左右一対の規制ガイド板625Aが互いに近づくように各規制ガイド板625Aを付勢している。規制ガイド板625Aの下面(当接時の摺動ピン624に対して上面側)には所定の角度で傾斜した傾斜面625Cが形成され、規制ガイド板625Aの上面(当接時の摺動ピン624に対して下面側)には基準回転中心軸C0と平行な規制面625Dが形成されている。傾斜面625Cおよび規制面625Dの機能については、後記で詳述する。
なお、本実施形態では、先の実施形態のように、摺動ピン624が図6のシリンダロッド接続ピン67によってシリンダロッド632と連結されておらず、シリンダロッド632の先端部に設けられた押出部633の押圧面633Sが摺動ピン624を押圧することが可能である。本実施形態では、押出部633Sは、シリンダロッド632の軸方向に対して直交する板材であり、ガイド溝621Aのガイド方向と直交する方向において、主ガイド溝621B、係合溝621Cおよび副ガイド溝621Dに跨るような寸法を有している(図28参照)。
図31を参照して、リンク支持部69は、支持フレーム69Cと、左右一対の格納固定ピンP1(格納用係合ピン)と、左右一対のばね69D(ピン付勢部)とを有する。なお、リンク支持部69は、下部ブーム16Aに固定されるものに限定されず、ガイド部62の一部に固定されるものでもよい。
支持フレーム69Cは、下部ブーム16Aの第1メインパイプ161に固定されている。支持フレーム69Cは、左右一対の格納固定ピンP1を支持する。
左右一対の格納固定ピンP1は、支持フレーム69Cの上端部に左右方向にスライド移動可能に支持されている。左右一対の格納固定ピンP1は、基準回転中心軸C0と平行な方向において互いに間隔をおいて対向して配置されるピン先端部をそれぞれ含む。当該ピン先端部には、先細状のテーパ面P1T(テーパ部)が形成されている。
左右一対のばね69Dは、一対の格納固定ピンP1の前記ピン先端部が互いに近づくように一対の格納固定ピンP1をそれぞれ左右方向の内側に向かって付勢する。なお、各格納固定ピンP1が各ばね69Dによって付勢された場合でも、各格納固定ピンP1に設けられた不図示のフランジと支持フレーム69Cの一部とが干渉することで、各格納固定ピンP1の左右方向内側の位置が規制されている。この際、左右一対の格納固定ピンP1のピン先端部同士の間隔は、ベース先端部612(図23、図31)(係合部)の板厚よりも小さくなるように設定されている。
本実施形態においても、リンク部材61の先端部に設けられた板状のベース先端部612(図23)には、連結用開口部612Aと、固定用開口部612B(係合孔)とがそれぞれ形成されている。連結用開口部612Aは、リンク部材61がバックストップ45に連結されるためのピン孔である。一方、バックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更すると、固定用開口部612Bは、図31の左右一対の格納固定ピンP1の間に合致する。すなわち、固定用開口部612Bは、一対の格納固定ピンP1の前記ピン先端部が両側からそれぞれ係合可能な係合穴として機能する。
なお、本実施形態では、ガイド溝621Aの係合溝621C、副ガイド溝621Dおよび規制具625が、本発明の支持用拘束部を構成する。支持用拘束部は、支持用位置において、リンク部材61がガイド方向に沿って移動することを阻止するように、摺動ピン624(リンク保持部)を拘束することが可能である。
次に、本実施形態におけるバックストップ45の姿勢変更について説明する。バックストップ45が図21に示す格納姿勢から図22に示す支持姿勢に姿勢変更する際、先の実施形態と同様に、全縮小状態にあるシリンダ63のシリンダロッド632が図23、図24のようにシリンダ本体661に対して伸長する。この際、シリンダ63の推力によってリンク部材61のベース先端部612(図31)が上方に移動しようとすると、左右一対の格納固定ピンP1は、テーパ面P1Tの傾斜によって左右方向外側に押し出され、固定用開口部612Bから脱離する。その後、シリンダ63の伸長に伴って、図24に示すように、摺動ピン624がガイド溝621Aの主ガイド溝621Bの溝先端部に至る。
次に、シリンダ63のシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して収縮する。この際、押出部633の押圧面633Sが摺動ピン624を押圧する力が弱まるため、図25に示すように、摺動ピン624が主ガイド溝621Bの溝先端部から下方に延びる係合溝621Cに進入し、その下端部(底部)に係合する。この結果、リンク部材61のガイド部62に対する相対位置が規制され、バックストップ45が支持姿勢に保持される。その後、シリンダ63の押出部633が摺動ピン624から離間しながら、シリンダロッド632が全収縮状態となる(図26)。
バックストップ45が図22に示す支持姿勢から図21に示す格納姿勢に姿勢変更する際には、図26に示す状態からシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して再び伸長する。やがて、押出部633が摺動ピン624を押し上げると、図27、図28に示すように、摺動ピン624が係合溝621Cから脱離され、ガイド溝621Aの溝先端部を介して副ガイド溝621Dに進入する。
この際、図33、図34および図35に順に示すように、摺動ピン624の両端部が左右一対の規制ガイド板625Aの傾斜面625Cに当接し、各ばね625Bを圧縮させながら各規制ガイド板625Aを左右方向外側に押し出し、摺動ピン624が左右一対の規制ガイド板625Aを乗り越えて、ガイド溝621Aの溝先端部を介して副ガイド溝621Dに進入する。
シリンダロッド632がシリンダ本体631に対して更に収縮すると、押出部633Sが摺動ピン624から離れようとするため、摺動ピン624は下方に移動しようとするが、左右一対の規制ガイド板625Aの規制面625Dによってブロックされ(規制され)るため、摺動ピン624が係合溝621Cに進入することが阻止される。この結果、シリンダロッド632の収縮に伴って、摺動ピン624はバックストップ45の自重を受けながら主ガイド溝621Bに沿って移動し(図30)、主ガイド溝91Aの溝基端部に至る(図23)。
この際、バックストップ45の自重を受けながら、リンク部材61のベース先端部612(図31)がリンク支持部69における左右一対の格納固定ピンP1を左右方向外側に押し出した後、各ばね69Dによって左右方向内側に付勢された各格納固定ピンP1が固定用開口部612Bに係合する。この結果、バックストップ45が格納姿勢に保持(ロック)される。
以上のように、本実施形態では、シリンダ63の伸縮動作に伴ってリンク部材61がガイド部62に対して起立すると、摺動ピン624がガイド溝621Aの係合溝621Cに係合することで、バックストップ45を支持姿勢に保持することができる。このため、作業者が高所においてリンク部材61とガイド部62とを互いに連結するためのピンを装着する必要がない。したがって、クレーン10の組立分解作業における作業者の作業効率を向上させ、作業の負担を軽減することができる。
換言すれば、本実施形態では、バックストップ45が支持姿勢とされると、係合溝621Cを含む支持用拘束部が摺動ピン624を拘束することで、リンク部材61およびバックストップ45の姿勢をそれぞれ保持することができる。このため、クレーン10の作業時にブーム16の自重がバックストップ45に掛かった場合でも、バックストップ45の姿勢が崩れることが抑止される。
更に、本実施形態では、バックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更することに伴って一対の格納固定ピンP1がベース先端部612に両側からそれぞれ当接することで各ばね69Dを収縮させながら一対の格納固定ピンP1のピン先端部が固定用開口部612Bにそれぞれ係合する一方、バックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際には、少なくともシリンダ63の推力を受けて一対の格納固定ピンP1のピン先端部が固定用開口部612Bからそれぞれ脱離しリンク部材61がガイド部62に対して起立することを許容するように、一対の格納固定ピンP1の前記ピン先端部にテーパ面P1Tがそれぞれ形成されている。
このような構成によれば、シリンダ63の伸縮動作に伴って、リンク部材61のベース先端部612が下部ブーム16A上のリンク支持部69に対して自動で着脱されることが可能であるため、上記と同様に、作業者が高所においてリンク部材61とリンク支持部69とを互いに連結するためのピンを装着する必要がない。なお、リンク部材61(他方の構造体)に設けられたベース先端部612の構造と、下部ブーム16A(一方の構造体)に設けられたリンク支持部69の構造とは、逆であってもよい。また、下部ブーム16Aの代わりに、ガイド部62にリンク支持部69が固定されてもよい。
更に、本実施形態では、ガイド部62のガイドベース板621がガイド溝621Aを有するとともに、バックストップ昇降装置60が規制具625を有している。具体的に、規制具625は、摺動ピン624が主ガイド溝621Bの溝基端部に配置された状態でシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して伸長することで摺動ピン624が前記溝先端部に至ったのちシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して収縮することに伴って、摺動ピン624が係合溝621Cに進入することを許容する。一方、規制具625は、摺動ピン624が係合溝621Cに係合した状態でシリンダロッド632がシリンダ本体631に対して伸長することで係合溝621Cから主ガイド溝621Bの溝先端部を介して副ガイド溝621Dに進入した摺動ピン624が係合溝621Cに進入することを規制するとともに、当該摺動ピン624が主ガイド溝621Bの溝基端部に向かって移動することを許容する。上記の動作が実現可能なように、規制具625は、ガイド溝621Aの主ガイド溝621Bの前記溝先端部に対向して配置されている。
このような構成によれば、バックストップ45の支持姿勢においてシリンダ63を伸長させると、摺動ピン624が係合溝621Cから規制具625を通過して副ガイド溝621Dに移動することができる。一方、シリンダ63を収縮させると、摺動ピン624の係合溝621Cへの移動が規制具625によって規制され、主ガイド溝621Bに導かれる。このため、バックストップ45を支持姿勢に保持するために、主ガイド溝621Bとは異なる方向に延びる係合溝621Cを設けても、バックストップ45の姿勢変更を容易に行うことができる。
特に、規制ガイド板625Aは、傾斜面625Cと規制面625Dとを含む。傾斜面625Cは、摺動ピン624が係合溝621Cに係合した状態でシリンダロッド632をシリンダ本体631に対して伸長することで摺動ピン624が係合溝621Cから主ガイド溝621Bの溝先端部に向かって移動する際に、摺動ピン624の端部に当接し摺動ピン624から受ける力によってばね625Bを収縮させながら摺動ピン624が規制ガイド板625Aを乗り越えて前記溝先端部に進入することを許容するように摺動ピン624の軸方向に対して傾斜している。一方、規制面625Dは、傾斜面625Cの反対側に配置され、係合溝621Cから主ガイド溝621Bの溝先端部を介して副ガイド溝621Dに進入した摺動ピン624の端部に当接し摺動ピン624が係合溝621Cに進入することを規制するように、傾斜面625Cと交差する方向に沿って延びている。
このため、摺動ピン624をガイド溝621Aの係合溝621Cに係合した位置から移動する場合には、摺動ピン624が規制ガイド板625Aの傾斜面625Cに当接することで、ばね625Bによって付勢された規制ガイド板625Aを左右外側に押し出しながら、摺動ピン624が主ガイド溝621Bの溝先端部および副ガイド溝621Dに進入することができる。逆に、摺動ピン624が係合溝621Cに進入しようとすると、規制ガイド板625Aの規制面625Dが摺動ピン624に当接することで、摺動ピン624の前記進入が阻止される。このため、規制具625の構造(傾斜面525C、規制面625D)によって、摺動ピン624をしかるべき方向に確実に案内することができる。
また、本実施形態では、シリンダロッド632の先端部に設けられた押出部633が、摺動ピン624を主ガイド溝621Bに沿って移動させる動作と、摺動ピン624を係合溝621Cから脱離させる動作とを安定して実現することができる。
以上のように、本実施形態では、クレーン10のバックストップ45を支持姿勢と格納姿勢との間で、更に容易かつ安全に姿勢変更させることが可能となる。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。図36乃至図38は、本実施形態に係るバックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際のバックストップ昇降装置60の様子を示す側面図である。図39、図40は、本実施形態に係るバックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ昇降装置60の様子を示す側面図である。なお、本実施形態では、リンク部材61、ガイド部62およびウインチ68の基本構造は、先の第3実施形態に類似し、ガイド溝621Aおよび規制具625の構造は、先の第6実施形態に類似するため、これらの類似する構造の説明を省略する。
本実施形態では、図36に示すように、摺動ピン624がウインチ68から最も遠い位置、すなわち、ガイド溝621Aの主ガイド溝621Bにおける溝基端部に位置し、リンク部材61のベース先端部612がリンク支持部69にロックされた状態で、バックストップ45が格納姿勢に保持されている。
本実施形態において、バックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する場合には、図36、図37に示すように、ウインチ68で巻取りロープ681を巻き取っていくことで、バックストップ45が支持姿勢に姿勢変更する。この際、ウインチ68の駆動力によってリンク部材61のベース先端部612が上方に移動しようとすると、左右一対の格納固定ピンP1は、テーパ面P1Tの傾斜によって左右方向外側に押し出され、固定用開口部612Bから脱離する(図31)。そして、ウインチ68による巻取りロープ681の巻取りによって摺動ピン624は、主ガイド溝621Bの溝先端部まで至る(図37)。
次に、ウインチ68で巻取りロープ681を僅かに繰り出すと、摺動ピン624の拘束力が弱まることで、摺動ピン624は下方の係合溝621Cに移動し、係合溝621Cの底部に係合する(図38)。この結果、バックストップ45が支持姿勢に保持される。
一方、バックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する場合には、図38の状態からウインチ68によって巻取りロープ681を巻き取ると、係合溝621Cに係合している摺動ピン624が係合溝621Cから規制具625のガイド板625Aを乗り越えて、副ガイド溝621Dに移動する(図39)。この際の規制具625の動作は先の第6実施形態と同様である。
摺動ピン624が副ガイド溝621Dに移動した状態で、ウインチ68によって巻取りロープ681を繰り出すと、摺動ピン624は規制具625によって係合溝621Cへの進入を阻止(ブロック)されながら、主ガイド溝621Bに沿って移動する(図40)。巻取りロープ681が更に繰出されることで、バックストップ45の自重を受けて、摺動ピン624が主ガイド溝621Bの溝基端部に向かって移動する。
やがて、先の第6実施形態と同様に、リンク部材61のベース先端部612が、リンク支持部69に固定され、バックストップ45が格納姿勢に保持される(図36)。
このように、本実施形態においても、ウインチ68による巻取りロープ681の巻き取りおよび繰り出し動作に伴ってリンク部材61がガイド部62に対して起立すると、摺動ピン624がガイド溝621Aの係合溝621Cに係合することで、バックストップ45を支持姿勢に保持することができる。このため、作業者が高所においてリンク部材61とガイド部62とを互いに連結するためのピンを装着する必要がない。したがって、クレーン10の組立分解作業における作業者の作業効率を向上させ、作業の負担を軽減することができる。
また、ウインチ68による巻取りロープ681の巻き取りおよび繰り出し動作に伴って、リンク部材61のベース先端部612が下部ブーム16A上のリンク支持部69に対して自動で着脱されることが可能であるため、上記と同様に、作業者が高所においてリンク部材61とリンク支持部69とを互いに連結するためのピンを装着する必要がない。
更に、バックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際には、摺動ピン624は係合溝621Cから規制具625を通過して副ガイド溝621Dに移動することができる。一方、副ガイド溝621Dに移動した摺動ピン624の係合溝621Cへの移動が規制具625によって規制され、摺動ピン624が主ガイド溝621Bに導かれる。このため、バックストップ45を支持姿勢に保持するために、主ガイド溝621Bとは異なる方向に延びる係合溝621Cを設けても、バックストップ45の姿勢変更を容易かつ確実に行うことができる。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。図41は、本実施形態に係るバックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ昇降装置60の様子を示す側面図である。なお、本実施形態の基本構造は先の第6実施形態に類似するため、これらの類似する構造の説明を省略する。本実施形態では、シリンダ63のシリンダロッド632の先端部に固定された押出部633の形状において、先の第6実施形態と相違する。
本実施形態においても、係合溝621Cは、主ガイド溝621Bの前記溝先端部から下方かつ前記溝基端部側に向かって延びるように形成されており、更に支持用位置で摺動ピン624を支持する底部を含む。一方、シリンダ63のシリンダロッド632は、その先端部に押出部633(押圧面633S)を有する。
押出部633の押圧面633Sは、摺動ピン624のうちガイド溝621Aに挿通された軸部を少なくとも前記溝基端部から前記溝先端部に向かってガイド溝621Aに沿って押圧することが可能であるとともに、係合溝621Cの前記底部に位置する摺動ピン624の軸部を係合溝621Cから脱離させるように押圧することが可能である。特に、押圧面633Sは、主ガイド溝621Bの前記溝基端部から前記溝先端部に向かう方向に沿って先下がりとなるように傾斜している。
このような構成によれば、バックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際には、先の第6実施形態と同様に、シリンダロッド632の伸長に伴って、押出部633が摺動ピン624を押圧する。
一方、バックストップ45を支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際には、一旦収縮されたシリンダロッド632が再び伸長すると、図41に示すように、押圧面633Sが摺動ピン624を掬い上げるように係合溝621Cから脱離させる。また、摺動ピン624が規制具625によって主ガイド溝621Bに案内される際にも、押圧面633Sが摺動ピン624を下方から支えることができる。
以上のように、本実施形態では、押出部633の押圧面633Sが、シリンダ63の伸縮動作に伴って摺動ピン624が係合溝621Cから脱離することを安定して補助することが可能となり、バックストップ45の姿勢変更をより確実に行うことができる。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。図42は、本実施形態に係るバックストップ45が支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際のバックストップ昇降装置60の様子を示す側面図である。なお、本実施形態では、リンク部材61、ガイド部62およびウインチ68の基本構造は、先の第7実施形態に類似するため、これらの類似する構造の説明を省略する。
先の第7実施形態では、図36に示すように、ウインチ68の下端面から巻取りロープ681が繰り出される態様にて説明したが、本実施形態では、図42に示すように、ウインチ68の上端面から巻取りロープ681が繰り出される。
このような構成においても、バックストップ45が格納姿勢から支持姿勢に姿勢変更する際には、先の第7実施形態と同様に、ウインチ68が巻取りロープ681を巻き取ることに伴って摺動ピン624を牽引し、摺動ピン624が主ガイド溝621Bの溝先端部に至った状態で、ウインチ68が巻取りロープ681を僅かに繰り出すことで、摺動ピン624が係合溝621Cに係合する。
一方、バックストップ45を支持姿勢から格納姿勢に姿勢変更する際には、ウインチ68が巻取りロープ681を巻き取ると、図42に示すように、巻取りロープ681が摺動ピン624を引き上げるように係合溝621Cから脱離させる。また、摺動ピン624が規制具625によって主ガイド溝621Bに案内される際にも、巻取りロープ681がその分力によって摺動ピン624を上方から支えることができる。
以上のように、本実施形態では、ウインチ68が巻取りロープ681を繰り出すと少なくともバックストップ45の自重を受けて摺動ピン624が前記支持用位置から前記格納用位置に向かって移動する一方、摺動ピン624の軸部が係合溝621Cの底部に係合した状態でウインチ68が巻取りロープ681を巻き取るとガイド方向および上方向の力を受けながら摺動ピン624が係合溝621Cから脱離するように、摺動ピン624に対する巻取りロープ681の接続角度が設定されている。
したがって、ウインチ68による巻取りロープ681の巻き取りおよび繰り出し動作に伴って、摺動ピン624が係合溝621Cから脱離することを安定して補助することが可能となり、バックストップ45の姿勢変更を確実に行うことができる。
なお、上記のような摺動ピン624に対する巻取りロープ681の接続角度(引き出し角度)は、ウインチ68から摺動ピン624に直接巻取りロープ681が接続される場合に限定されるものではない。ウインチ68と摺動ピン624との間に不図示のアイドラシーブなどが介在する場合でも、上記のような接続角度を実現するように、アイドラシーブの位置が設定されればよい。
以上、本発明の各実施形態に係るクレーン10のバックストップ昇降装置60について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明では、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)バックストップスプリング453、ガイド部62、シリンダ63およびウインチ68の配置は、上記の各実施形態の態様に限定されるものではなく、その他の態様でもよく、クレーン10の仕様に合わせて各部材の配置を設定することができる。
(2)ガイド部62およびシリンダ取付部64(シリンダ支持部641を含む)は、一体で構成されてもよいし、下部ブーム16Aの第1メインパイプ161などにUボルトなどでそれぞれ着脱可能に取り付けられてもよい。
(3)また、上記の実施形態では、バックストップ45がブーム16に配置される態様にて説明したが、図1のバックストップ46がバックストップ昇降装置60によって昇降される態様でもよい。この場合、バックストップ昇降装置60はラチスマスト17(起伏体)とバックストップ46との間に介在するように配置される。すなわち、上記の実施形態では、ブームのバックストップを用いて説明したが、本発明に係るバックストップ姿勢変更装置は、マスト(ラチスマスト)、ストラット(リアストラット、フロントストラット)、ジブにそれぞれ備えられるバックストップにも適用可能である。
(4)また、上記の各実施形態では、図1に示すクレーン10を用いて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、他の構造を備えたクレーンにも適用可能である。すなわち、本発明が適用されるクレーンは、汎用クレーンとして、前記ラチスマストの代わりにガントリが備えられ、起伏用ウインチは上部旋回体12の上部フレーム(後側)に配置されてもよい。また、大型クレーンとして、前記SHL構造ではなく、箱マストの起伏によってブームを起伏させる構造でもよい。この場合、前記シーブブロックは備えられずにガイリンクによって箱マストの先端部とブームの先端部とが直接接続されてもよい。また、汎用クレーン、大型クレーンともに、ブームの先端部にジブやストラットが装着されたものでもよい。
(5)また、上記の実施形態では、リンク部材61のベース先端部612(係合部)には、一対の格納固定ピンP1のピン先端部が両側からそれぞれ係合可能な固定用開口部614B(係合穴)が形成されており、左右一対の格納固定ピンP1(格納用係合ピン)の先端部にはテーパ面P1T(テーパ部)がそれぞれ形成されている態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。左右一対の格納固定ピンP1(格納用係合ピン)の先端部にはテーパ面P1Tが形成されていないものでもよい。また、左右一対の押圧部材が、左右方向内側に向かってそれぞれ付勢され、両側からベース先端部612を挟持することで保持してもよい。
10 クレーン
12 上部旋回体
120 旋回フレーム
121 バックストップ受け部
16 ブーム
160 下部フレーム
161 第1メインパイプ
161S バックストップ支持部
16A 下部ブーム
16S ブームフット
45 バックストップ
451 バックストップ下部
451P 連結ピン
451S バックストップ当接部
451T リンク支持部
451A ピン孔
452 バックストップ上部
452S バックストップ支点部
453 バックストップスプリング
60 バックストップ昇降装置
61 リンク部材
611 ベース部
612 ベース先端部(リンク先端部、係合部)
612A 連結用開口部
612B 固定用開口部(係合孔)
613 ベース基端部(リンク基端部)
613A ピン孔
62 ガイド部
621 ガイドベース板
621A ガイド溝
621B 主ガイド溝
621C 係合溝
621D 副ガイド溝
622 ガイドベース端部
622A 固定孔
623 ピン支持部
624 摺動ピン(リンク保持部)
624F フランジ部
625 規制具
625A 規制ガイド板
625B ばね
625C 傾斜面
625D 規制面
63 シリンダ(移動機構)
631 シリンダ本体
631S シリンダ本体基端部
631T ピン孔
632 シリンダロッド
633 ロッド先端部
633A ピン孔
633S 押出部
634 シリンダ本体連結部
634A ピン孔
64 シリンダ取付部
641 シリンダ支持部
641A 保管用ピン孔
64P 取付ピン
65 支持姿勢保持ピン(支持用連結部)
66 格納姿勢保持ピン(格納用連結部)
67 シリンダロッド接続ピン(移動機構、ロッド連結部)
68 ウインチ(移動機構)
681 巻取りロープ(移動機構、ロープ)
682 円筒部材
69 リンク支持部
69D ばね(ピン付勢部)
70 駆動部(シリンダ駆動部)
71 油圧ポンプ
71R リリーフ弁
72 方向切換弁
80 制御部
801 スイッチ
P1 格納固定ピン(格納用係合ピン)
P1T テーパ面(テーパ部)

Claims (18)

  1. クレーン本体と、
    前記クレーン本体に起伏方向に回動可能に支持された起伏体基端部と前記起伏体基端部とは反対側の起伏体先端部とを含む起伏体と、
    前記起伏体のうち前記起伏体基端部よりも前記起伏体先端部側の部分に水平な基準回転中心軸回りに回動可能に支持されたバックストップ基端部と前記バックストップ基端部とは反対側に配置されるバックストップ先端部とを含むバックストップと、を有するクレーンに装着可能とされ、
    前記起伏体が前記クレーン本体に対して倒伏した状態である前記起伏体の倒伏状態において前記バックストップ基端部を支点として前記バックストップを回動させることで当該バックストップを支持姿勢と格納姿勢との間で姿勢変更させることが可能であり、前記支持姿勢は前記起伏体が前記倒伏状態から起立することに伴って前記バックストップの前記バックストップ先端部が前記クレーン本体に当接することによって前記バックストップが前記起伏体の後方への倒伏を規制することが可能なように前記バックストップが前記倒伏状態の起伏体から斜め上方に向かって延びる姿勢である一方、前記格納姿勢は前記バックストップの前記バックストップ先端部が前記支持姿勢よりも前記起伏体に近い位置に配置される姿勢であるように、前記バックストップを姿勢変更させることが可能なクレーンのバックストップ姿勢変更装置であって、
    前記バックストップのうち前記バックストップ基端部よりも前記バックストップ先端部側の部分に設定されたバックストップ接続部に前記基準回転中心軸と平行な第1回転中心軸回りに回動可能に接続されたリンク先端部と前記リンク先端部とは反対側のリンク基端部とを有し、前記バックストップを支持することが可能なリンク部材と、
    前記基準回転中心軸と平行な方向から見て前記起伏体基端部から前記起伏体先端部に向かう方向である起伏体長手方向の成分を含むガイド方向に沿って延びるガイド溝を含み、前記起伏体に装着されたガイド部と、
    前記リンク部材の前記リンク基端部を前記基準回転中心軸と平行な第2回転中心軸回りに回動可能に保持するリンク保持部と、
    前記起伏体の前記倒伏状態において、前記リンク保持部を前記ガイド溝上の支持用位置から格納用位置におよび前記格納用位置から前記支持用位置に前記ガイド方向に沿って移動させることが可能な移動機構であって、前記支持用位置は、前記リンク部材が前記バックストップを前記支持姿勢に保持するように前記リンク保持部が前記リンク基端部を保持する位置であり、前記格納用位置は、前記リンク部材が前記バックストップを前記格納姿勢に保持するように前記リンク保持部が前記リンク基端部を保持する位置である、移動機構と、
    を備える、クレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  2. 前記支持用位置において、前記リンク部材が前記ガイド方向に沿って移動することを阻止するように、前記リンク保持部と前記ガイド部とを連結することが可能な支持用連結部を更に備える、請求項1に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  3. 前記支持用連結部は、前記支持用位置において前記リンク部材が前記第2回転中心軸回りに回動することを許容するように、前記リンク保持部と前記ガイド部とを連結する、請求項2に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  4. 前記支持用位置において、前記リンク部材が前記ガイド方向に沿って移動することを阻止するように、前記リンク保持部を拘束することが可能な支持用拘束部を更に備える、請求項1に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  5. 前記リンク保持部は、前記ガイド溝に挿通される軸部を有し、
    前記ガイド溝は、前記バックストップが前記格納姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝基端部と、前記溝基端部とは反対側に配置され前記バックストップが前記支持姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝先端部とを含み、
    前記支持用拘束部は、前記ガイド溝の前記溝先端部から前記ガイド溝とは異なる方向に延びるように形成され前記溝先端部に連通する係合溝であって、前記移動機構が前記リンク保持部を前記格納用位置から前記ガイド方向に沿って移動させることに伴って前記溝先端部を通過した前記軸部を受け入れるとともに、前記バックストップを前記支持姿勢に保持するように前記支持用位置において前記軸部と係合する係合溝を有する、請求項4に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  6. 前記ガイド溝には、前記係合溝とは反対側で前記ガイド溝の前記溝先端部に連通する副ガイド溝が更に形成されており、
    前記支持用拘束部は、規制具を更に有し、
    前記規制具は、前記軸部が前記溝基端部に配置された状態で前記移動機構が前記リンク保持部を前記ガイド方向に沿って移動させることに伴って前記軸部が前記溝先端部に至ったのち前記係合溝に進入することを許容する一方、前記軸部が前記係合溝に係合した状態で前記移動機構が前記リンク保持部を移動させることに伴って前記軸部が前記係合溝から前記溝先端部を介して前記副ガイド溝に進入することを許容するとともに当該軸部が前記係合溝に戻ることを規制するように、前記ガイド溝の前記溝先端部に対向して配置されている、請求項5に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  7. 前記規制具は、
    ガイド板と、
    前記ガイド板を前記軸部の端部に向かって付勢する付勢部材と、
    を有し、
    前記ガイド板は、
    前記軸部が前記係合溝に係合した状態で前記移動機構が前記リンク保持部を移動させることで前記軸部が前記係合溝から前記溝先端部に向かって移動する際に、前記軸部の端部に当接し前記軸部から受ける力によって前記付勢部材を収縮させながら前記軸部が前記ガイド板を乗り越えて前記溝先端部に進入することを許容するように前記軸部の軸方向に対して傾斜する傾斜面と、
    前記傾斜面の反対側に配置され、前記係合溝から前記溝先端部を介して前記副ガイド溝に進入した前記軸部の前記端部に当接し前記軸部が前記係合溝に進入することを規制する規制面と、
    を含む、請求項6に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  8. 前記係合溝は、前記溝先端部から下方かつ前記溝基端部側に向かって延びるように形成されており、更に前記支持用位置で前記リンク保持部を支持する底部を含み、
    前記移動機構は、前記リンク保持部の前記軸部を少なくとも前記溝基端部から前記溝先端部に向かって押圧することが可能であるとともに、前記係合溝の前記底部に位置する前記軸部を前記係合溝から脱離させるように押圧することが可能な押圧面を有する、請求項5乃至7の何れか1項に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  9. 前記押圧面は、前記溝基端部から前記溝先端部に向かう方向に沿って先下がりとなるように傾斜している、請求項8に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  10. 前記リンク保持部が前記格納用位置に配置された状態において、前記バックストップを前記格納姿勢に保持するように、前記リンク部材と前記ガイド部または前記起伏体とを連結することが可能な格納用連結部を更に備える、請求項1乃至9の何れか1項に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  11. 前記格納用連結部は、
    前記リンク部材と、前記ガイド部または前記起伏体とのうちの一方の構造体にそれぞれ支持され、前記基準回転中心軸と平行な方向において互いに間隔をおいて対向して配置されるピン先端部をそれぞれ含む一対の格納用係合ピンと、
    前記一対の格納用係合ピンの前記ピン先端部が互いに近づくように前記一対の格納用係合ピンをそれぞれ付勢するピン付勢部と、
    前記リンク部材と、前記ガイド部または前記起伏体とのうちの前記一方の構造体とは異なる他方の構造体に配置される係合部と、
    を含み、
    前記バックストップが前記支持姿勢から前記格納姿勢に姿勢変更することに伴って前記係合部が前記一対の格納用係合ピンの前記ピン先端部の間に進入することで前記ピン付勢部を収縮させながら前記一対の格納用係合ピンの前記ピン先端部が前記係合部にそれぞれ係合することが可能である一方、少なくとも前記移動機構の駆動力によって前記一対のピン先端部が前記係合部からそれぞれ脱離し前記バックストップが前記格納姿勢から前記支持姿勢に姿勢変更することが可能である、請求項10に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  12. 前記移動機構は、
    前記起伏体に装着されたシリンダ本体と、
    前記シリンダ本体に対して伸縮可能なように前記シリンダ本体に支持されるシリンダロッドと、
    前記シリンダロッドと前記リンク保持部とを連結するロッド連結部と、
    前記シリンダロッドを前記シリンダ本体に対して伸縮させることが可能なシリンダ駆動部と、
    を有し、
    前記シリンダ駆動部が前記シリンダロッドを前記シリンダ本体に対して伸長させると前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの一方の位置から他方の位置に移動し、前記シリンダ駆動部が前記シリンダロッドを前記シリンダ本体に対して収縮させると前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの前記他方の位置から前記一方の位置に移動するように、前記ロッド連結部が前記シリンダロッドと前記リンク保持部とを連結する、請求項1乃至11の何れか1項に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  13. 前記シリンダロッドは前記シリンダ本体に対して前記ガイド方向に沿って伸縮可能である、請求項12に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  14. 前記ロッド連結部は、前記シリンダロッドと前記リンク保持部とを着脱可能に連結する、請求項12または13に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  15. 前記移動機構は、
    前記リンク保持部に接続されるロープ先端部と前記ロープ先端部とは反対側のロープ基端部とを有するロープと、
    前記ロープ基端部に接続されるウインチ外周面を有し、前記ロープの巻き取りおよび繰り出しを行うことが可能なウインチと、
    を有し、
    前記ウインチが前記ロープを繰り出すと前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの一方の位置から他方の位置に移動し、前記ウインチが前記ロープを巻き取ると前記リンク保持部が前記格納用位置および前記支持用位置のうちの前記他方の位置から前記一方の位置に移動するように、前記ロープ先端部が前記リンク保持部に接続されている、請求項1乃至3の何れか1項に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  16. 前記支持用位置において、前記リンク保持部が前記ガイド方向に沿って移動することを阻止するように、前記リンク保持部を拘束することが可能な支持用拘束部を更に備え、
    前記リンク保持部は、前記ガイド溝に挿通される軸部を有し、
    前記ガイド溝は、前記バックストップが前記格納姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝基端部と、前記溝基端部とは反対側に配置され前記バックストップが前記支持姿勢となることに対応して前記軸部を受け入れる溝先端部とを含み、
    前記支持用拘束部は、前記ガイド溝の前記溝先端部から前記ガイド溝とは異なる方向に延びるように形成され前記溝先端部に連通する係合溝であって、前記移動機構が前記リンク保持部を前記格納用位置から前記ガイド方向に沿って移動させることに伴って前記溝先端部を通過した前記軸部を受け入れるとともに、前記バックストップを前記支持姿勢に保持するように前記軸部と係合する係合溝を有し、
    前記係合溝は、前記溝先端部から下方かつ前記溝基端部側に向かって延びるように形成されており、更に前記支持用位置で前記リンク保持部を支持する底部を含み、
    前記ウインチが前記ロープを繰り出すと少なくとも前記バックストップの自重を受けて前記リンク保持部が前記支持用位置から前記格納用位置に向かって移動する一方、前記軸部が前記係合溝の前記底部に係合した状態で前記ウインチが前記ロープを巻き取ると前記ガイド方向および上方向の力を受けながら前記リンク保持部が前記係合溝から脱離するように、前記リンク保持部に対する前記ロープの接続角度が設定されている、請求項15に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  17. 前記リンク部材が前記バックストップを前記支持姿勢に保持した状態において、前記基準回転中心軸と平行な方向から見て、前記バックストップと前記リンク部材とがなす角度が75度以上105度以内の範囲に含まれている、請求項1乃至16の何れか1項に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
  18. 前記リンク部材が前記バックストップを前記支持姿勢に保持した状態において、前記リンク先端部は、前記リンク部材が延びる方向に沿って前記バックストップ接続部に対して所定の距離だけ相対移動可能とされている、請求項17に記載のクレーンのバックストップ姿勢変更装置。
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