JP2022076121A - 有機ケイ素化合物及び接着助剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】UVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより、金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる有機ケイ素化合物及び該化合物からなる接着助剤を提供する。【解決手段】一般式(1)で表される有機ケイ素化合物。TIFF2022076121000021.tif36141(式中、R1は、水素原子またはメチル基であり、Sxは、シロキサン鎖であり、Xは、特定の1価の有機基又は特定の2価の有機基であり、Yは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基を表す。nは、Xが1価の有機基である場合には1であり、2価の有機基である場合には2である。)【選択図】図1

Description

本発明は、有機ケイ素化合物及び該有機ケイ素化合物からなる接着助剤に関する。
UVラジカル硬化型シリコーン接着剤(例えば、特許文献1)において、従来の付加硬化型シリコーン接着剤に用いられてきた接着助剤を添加した場合、接着助剤構造が架橋系中に取り込まれず、シリコーン主鎖と基材との相互作用が小さいため、金属および樹脂基材に対する十分な接着性を発現させることが困難であった。
例えば、特許文献2-4には従来型の接着助剤(接着性付与剤)が開示されているが、これらをUVラジカル硬化型シリコーン接着剤に添加しても、その構造が架橋系中に取り込まれず、シリコーン主鎖と基材との相互作用が小さいため、十分な接着性を発現させることはできなかった。
特開2004-155832号公報 特開2010-090363号公報 特開2015-110752号公報 特開2018-003194号公報
上記のように、従来の接着助剤を用いたUVラジカル硬化型シリコーン接着剤では金属および樹脂基材に対する接着性が不足していた。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる有機ケイ素化合物及び該化合物からなる接着助剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明では、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物を提供する。
Figure 2022076121000002
(式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Sxは、シロキサン鎖であり、Xは、下記一般式(1a)で表される1価の有機基又は一般式(1b)で表される2価の有機基であり、Yは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基を表す。nは、Xが1価の有機基である場合には1であり、2価の有機基である場合には2である。)
Figure 2022076121000003
本発明の有機ケイ素化合物は、これをUVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる接着助剤となる。
この場合、前記Sxがポリジメチルシロキサン鎖であることが好ましい。
このような有機ケイ素化合物であれば、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に接着助剤として添加することにより、金属および樹脂基材等に対する接着性をより向上させることができる。
更に、前記有機ケイ素化合物が下記構造式(2)又は構造式(3)で表される有機ケイ素化合物であることが好ましい。
Figure 2022076121000004
Figure 2022076121000005
このような有機ケイ素化合物をUVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより、確実に金属および樹脂基材等に対する接着性をより優れたものとすることができる。
また、本発明は、上記有機ケイ素化合物からなる接着助剤を提供する。
本発明の接着助剤であれば、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより、金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる。
以上のように、本発明の有機ケイ素化合物であれば、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる。
実施例1で得られた有機ケイ素化合物1のH-NMRスペクトル図である。 実施例1で得られた有機ケイ素化合物1の29Si-NMRスペクトル図である。 実施例2で得られた有機ケイ素化合物2のH-NMRスペクトル図である。 実施例2で得られた有機ケイ素化合物2の29Si-NMRスペクトル図である。
上述のように、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる接着助剤(接着性付与剤)の開発が求められていた。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討を重ねた結果、特定の酸無水物またはテレフタル酸構造と(メタ)アクリル基((メタ)アクリロイル基)とを有する有機ケイ素化合物であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物である。
Figure 2022076121000006
(式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Sxは、シロキサン鎖であり、Xは、下記一般式(1a)で表される1価の有機基又は一般式(1b)で表される2価の有機基であり、Yは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基を表す。nは、Xが1価の有機基である場合には1であり、2価の有機基である場合には2である。)
Figure 2022076121000007
以下、本発明について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明の有機ケイ素化合物は、特定の酸無水物又はテレフタル酸構造(以下、接着性付与構造又は接着性付与官能基ともいう)と、シロキサン鎖と、(メタ)アクリロイル基((メタ)アクリル基)とを有することを特徴とする。前記有機ケイ素化合物は、(メタ)アクリロイル基がラジカル重合性であるため、UVラジカル硬化型シリコーン組成物中のラジカル重合性化合物と硬化時に反応することにより重合体に取り込まれることができる。このように、本発明の有機ケイ素化合物(接着助剤)を添加すると、接着助剤構造が架橋系中に取り込まれるため、硬化物から有機ケイ素化合物がブリードすることを抑えることができる。このため、組成物中のベースポリマー(主剤)により確実に接着性を付与することができ、金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を発現させることが可能となる。
シロキサン鎖Sxと接着性付与構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とは、連結基Y、Z(スペーサー)を介して結合して本発明の有機ケイ素化合物を構成している。
以下、本発明の有機ケイ素化合物を構成する接着性付与構造、(メタ)アクリロイルオキシ基、シロキサン鎖及び連結基(スペーサー)について説明する。
[接着性付与構造]
本発明の有機ケイ素化合物は、特定の酸無水物又はテレフタル酸構造(接着性付与構造)を有することを特徴とする。この接着性付与構造は、上記一般式(1)中のXに相当し、下記一般式(1a)又は一般式(1b)で表される。
Figure 2022076121000008
接着性付与基は、平面若しくは平面に近い構造を有する極性有機基であり、比較的極性の小さいベースポリマーよりも基材側に配向し易く、金属及び樹脂基材等との親和性も高いため、UVラジカル硬化型シリコーン硬化物と基材間の十分な接着性を発現させることができる。特に、一般式(1a)で表されるコハク酸無水物構造は、この酸無水物構造が基材表面に存在する反応性部分(ヒドロキシ基、カルボキシ基、金属、金属酸化物等)と反応して、基材と組成物中のベースポリマー(主剤)との接着性が向上するものと考えられる。
一方、特許文献2-4に記載の従来型の接着助剤中の接着性付与官能基は、エポキシ基やアルコキシ基であり、上記接着性付与基とは構造、極性等が大きく異なるため、本発明のような接着性の向上を顕現できない。
[(メタ)アクリロイルオキシ基]
(メタ)アクリロイルオキシ基は、上述したように、本発明の有機ケイ素化合物を重合体に取り込ませる機能を有する。
一般式(1)中、Rは、水素原子又はメチル基であり、メチル基が好ましい。
[シロキサン鎖]
Sxは、シロキサン鎖である。このシロキサン鎖は、UVラジカル硬化型シリコーン接着剤の主剤のシリコーン主鎖(シロキサン鎖)と親和性があるため、シリコーン主鎖と基材との相互作用が高められ、結果として基材に対する十分な接着性が発揮される。シロキサン鎖は直鎖でも、分岐でも、環状でもよく、添加先のUVラジカル硬化型シリコーン接着剤に応じて選択すればよい。
Sxは、好ましくは、下記一般式で表される直鎖状ジオルガノポリシロキサン構造である。
Figure 2022076121000009
(ここで、Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、シクロヘキシル基又はフェニル基であり、メチル基が好ましい。mは1~10の整数であり、1~4が好ましい。)
[連結基(スペーサー)]
Y及びZは、連結基であり、シロキサン鎖Sxと上記酸無水物またはテレフタル酸構造と(メタ)アクリロイルオキシ基とを連結するスペーサーとして機能する。
Yは、炭素原子数2~6、好ましくは2~4の2価炭化水素基を表す。Zは、炭素原子数2~6、好ましくは2~4の2価炭化水素基を表す。nは、Xが一般式(1a)で表される1価の有機基である場合には1であり、一般式(1b)で表される2価の有機基である場合には2である。スペーサーとしてのY及びZを適切に選択することにより有機ケイ素化合物とベースポリマー(主剤)間、及び、有機ケイ素化合物と基材間の相互作用を適切に調整することができ、金属および樹脂基材等に対する接着性をより好ましく制御することができる。
以上のような有機ケイ素化合物であれば、接着性付与構造、(メタ)アクリロイルオキシ基、シロキサン鎖及び連結基を適切に組み合わせることにより、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に接着助剤として添加した場合に、金属および樹脂基材等に対する接着性を向上させることができる。
接着助剤としての接着性をより向上させる観点から、前記有機ケイ素化合物が下記構造式(2)又は構造式(3)で表される有機ケイ素化合物であることが特に好ましい。
Figure 2022076121000010
Figure 2022076121000011
[有機ケイ素化合物の製造方法]
本発明の有機ケイ素化合物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、アルケニルコハク酸無水物又はテレフタル酸ジアルケニル((A)成分とする)を触媒((C)成分とする)存在下で(メタ)アクリロイル基含有オルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン((B)成分とする)と付加反応(ヒドロシリル化)させることにより得ることができる。(B)成分は、分子内に炭素-炭素二重結合とSi-H基とを合わせ持つ。このため、前記副反応を避けるよう、(A)成分と触媒を先に混合してから前記(B)成分を反応系に加えることが好ましい。
具体的には、アリルコハク酸無水物を、触媒としての塩化白金酸存在下、1-プロピルメタクリル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサンとヒドロシリル化反応させることにより上記式(2)で表される有機ケイ素化合物を、また、アリルコハク酸無水物に代えてテレフタル酸ジアリルを用いることにより上記式(3)で表される有機ケイ素化合物を得ることができる。
原料となる(メタ)アクリロイル基含有オルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサンは、例えば、対応する(メタ)アクリロイルオキシアルキレン化合物とオルガノジハイドロジェン(ポリ)シロキサンとをヒドロシリル化反応させることにより得ることができる。
ヒドロシリル化反応時の(A)成分の配合量としては、オルガノハイドロジェンシロキサン((B)成分)中のSi-H基の1molに対し、1~5molが好ましく、1~2molがより好ましく、1~1.2molがより一層好ましい。
ヒドロシリル化反応用触媒としては、公知のものを使用することができる。この触媒成分は、本発明の化合物の製造方法において付加反応を生じさせるために配合されるものであり、白金系、パラジウム系、ロジウム系のものがある。該触媒としてはヒドロシリル化反応を促進するものとして従来公知であるいずれのものも使用することができる。コスト等を考慮して、白金、白金黒、塩化白金酸などの白金系のもの、例えば、HPtCl・pHO,KPtCl,KHPtCl・pHO,KPtCl,KPtCl・pHO,PtO・pHO,PtCl・pHO,PtCl,HPtCl・pHO(ここで、pは、正の整数)等や、これらと、オレフィン等の炭化水素、アルコール又はビニル基含有オルガノポリシロキサンとの錯体等を例示することができる。また、特許文献3に記載の光活性型白金錯体触媒を用いることもできる。
これらの触媒は1種単独でも、2種以上の組み合わせでも使用することができる。
(C)成分の配合量は、ヒドロシリル化反応を促進するための有効量でよく、通常、前記(A)成分及び(B)成分の合計量に対して白金族金属として質量換算で0.1~500ppm、特に好ましくは0.5~100ppmの範囲である。
反応溶媒は特に限定されず、基質の溶解性などに応じて適宜選択すれば良いが、トルエンなどの炭化水素系溶媒を使用することができる。生成物の加水分解性を考慮すると、溶媒の水分はできるだけ少ない方が好ましい。同様に反応雰囲気も窒素などの不活性ガスにより水分の混入をできるだけ抑えた雰囲気であることが好ましい。
反応温度も特に限定されず、基質の反応性などに応じて適宜選択すれば良いが、例えば室温(25℃)~200℃、好ましくは90~100℃とすることができる。
反応時間も特に限定されず、基質の反応性などに応じて適宜選択すれば良いが、例えば、30分~12時間、好ましくは1~3時間とすることができる。
なお、本発明の有機ケイ素化合物は、上記方法以外の方法により製造することもできるが、加水分解を経由する方法、例えば、コハク酸無水物又はテレフタル酸を含むオルガノ(ポリ)シロキサンと(メタ)アクリロイル基含有オルガノ(ポリ)シロキサンとの共縮合反応による方法は、生成物の加水分解性を考慮して選択する必要がある。
[UVラジカル硬化型シリコーン組成物]
本発明の有機ケイ素化合物は、接着助剤としてUVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる。UVラジカル硬化型シリコーンには、一般に反応タイプとしてアクリル型とメルカプト型がある。本発明の有機ケイ素化合物を適用可能なUVラジカル硬化型シリコーンは、特に限定されないが、メルカプト型は刺激臭や腐食性があるため、アクリル型が好ましい。
[接着助剤]
本発明の有機ケイ素化合物は接着助剤(接着性付与剤)として用いることができる。
本発明の有機ケイ素化合物からなる接着助剤であれば、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより、金属および樹脂基材等に対する十分な接着性を付与することができる。
接着助剤の配合量は、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に応じて適宜設定すればよいが、UVラジカル硬化型シリコーン組成物の100質量部に対して0.1~50質量部、好ましくは0.1~10質量部配合することができる。
UVラジカル硬化型シリコーン組成物には、接着助剤以外に、必要に応じて溶剤、反応制御剤、光重合開始剤、熱ラジカル発生剤などを添加することができる。
以下、実施例を用いて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、H-NMR及び29Si-NMR分析は、JEOL RESONANCE500(JEOL社製)を用い、測定溶媒として重クロロホルムを使用して行った。
[実施例1]
蛇管冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコにアリルコハク酸無水物を140g(1.0mol)、塩化白金酸5%トルエン溶液を0.25g(5ppm)入れ、90℃まで昇温させた。その後、1-プロピルメタクリル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン 107g(1.15mol)を内温が90~100℃の範囲に収まるように滴下し、90~100℃で3時間反応することで、上記式(2)で表される有機ケイ素化合物1を237g(収率96%)得た。
得られた有機ケイ素化合物1はH-NMRおよび、29Si-NMRにより以下のように同定された。結果を図1、2に示す。
H-NMR:(0.06ppm,d,12H,Si-C ) (0.54ppm,m,4H,Si-C -) (1.44ppm,m,2H,-C -) (1.66ppm,m,4H,-C -) (1.94ppm,t,3H,C-C ) (2.65ppm,m,1H,-C) (3.10ppm,m,2H, -C -) (4.10ppm,t,2H,O-C -) (5.54ppm,6.10ppm,m,1H,=C
29Si-NMR:((CH)MeSiO単位:8.00ppm)
[実施例2]
蛇管冷却器、温度計を備えた500mlの四つ口フラスコにテレフタル酸ジアリルを62g(0.25mol)、塩化白金酸5%トルエン溶液を0.21g(5ppm)入れ、90℃まで昇温させた。その後、1-プロピルメタクリル-1,1,3,3-テトラメチルジシロキサン 150g(0.58mol)を内温が90~100℃の範囲に収まるように滴下し、90~100℃で3時間反応することで、上記式(3)で表される有機ケイ素化合物2を195g(収率92%)得た。
得られた有機ケイ素化合物2はH-NMRおよび、29Si-NMRにより以下のように同定された。結果を図3、4に示す。
H-NMR:(0.04ppm,d,24H,Si-C ) (0.51ppm,broad,8H,Si-C -) (1.66ppm,broad,8H,-C -) (1.85ppm,t,6H, C-C ) (4.02, 4.22ppm,m,4H, O-C -) (5.44ppm,6.00ppm,m,2H,=C) (8.04ppm,m,4H, =C-)
29Si-NMR:((CH)MeSiO単位:8.02ppm)
[実施例3、4、比較例1-3]
得られた有機ケイ素化合物1,2を接着助剤として使用し、表1に示す配合で各成分を混合してUVラジカル硬化型シリコーン組成物1,2を調製した(実施例3,4)。また、従来型接着助剤を使用し、表1に示す配合で各成分を混合してUVラジカル硬化型シリコーン組成物3~5を調製した(比較例1-3)。なお、Meはメチル基を表し、Viはビニル基を表し、Phはフェニル基を表す。また、表1における各成分の数値は質量部を表す。
[接着性試験]
得られたUVラジカル硬化型シリコーン組成物1~5について、以下のように接着性試験を行った。
シリコーン組成物をそれぞれ厚み5mmのガラス基板と厚さ0.6mmのニッケル基板(SG-745-B)もしくは厚さ2mmのポリブチレンテレフタレート基板(ジュラネックス2002)との間に厚み0.24mm、接着面が25mm×10mmとなるように挟み込み、ガラス基板側からメタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いてUV照射(波長365nmにおける積算光量4,000mJ/cm(100mW/cm×40秒))を行い、シリコーン組成物を硬化させて試験片を作製した。得られた試験片の引張剪断接着強さ試験をJIS-K6850:1999に準じてオートグラフAG-IS(SHIMADZU社製)を用いて行い、剪断接着力を測定した。ニッケル基板に対する剪断接着力を剪断接着力(Ni)、ポリブチレンテレフタレート基板に対する剪断接着力を剪断接着力(PBT)として表1に示す。
Figure 2022076121000012
表1に示した各成分の詳細は以下のとおりである。なお、成分A~EがUVラジカル硬化型シリコーン組成物の主成分であり、成分Fが接着助剤である。
成分A: 下記式で表されるオルガノポリシロキサン
Figure 2022076121000013
(式中、括弧内の各シロキサン単位の配列順は不定である。)
成分B:下記のメタクリロイルオキシ基含有単位、ViMe2SiO1/2単位、Me3SiO1/2単位およびSiO2単位を含有し、メタクリロイルオキシ基含有単位/(ViMe2SiO1/2単位)/(Me3SiO1/2単位)/(SiO2単位)のモル比が0.07/0.10/0.67/1.00であるオルガノポリシロキサンレジン(数平均分子量5,700)の50質量%キシレン溶液
Figure 2022076121000014
成分C:
成分C-1:2-ジメチルアミノ-2-(4-メチル-ベンジル)-1-(4-モルフォリン-4-イル-フェニル)ブタン-1-オン(IGM Resins社製 Omnirad 379)
成分C-2:2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン(IGM Resins社製 Omnirad 1173)
成分D:KBM-5103(信越化学工業(株)製)
成分E:乾式シリカ((株)トクヤマ製レオロシールDM-30S、比表面積230m2/g)
成分F:
成分F-1:実施例1で得られた有機ケイ素化合物1
成分F-2:実施例2で得られた有機ケイ素化合物2
成分F-3:アリルコハク酸無水物
Figure 2022076121000015
成分F-4:テレフタル酸ジアリル
Figure 2022076121000016
本発明の有機ケイ素化合物を接着助剤として使用した実施例3,4では、UVラジカル硬化型シリコーン組成物に添加することにより金属基材および樹脂基材に対する十分な接着性を発現した。一方、比較例1に示すように、本発明の有機ケイ素化合物を含まない場合、金属基材や樹脂基材、特にニッケルに対する接着性が不十分であった。また、本発明の有機ケイ素化合物に代えて、アリルコハク酸無水物を配合した比較例2、テレフタル酸ジアリルを配合した比較例3では、実施例に比べ基材に対する接着性は不十分であった。アリルコハク酸無水物は反応性の酸無水物基とアルケニル基とを有し、テレフタル酸ジアリルは反応性のアルケニル基と極性のエステル結合とを2つ有するため、一般的にはこうした化合物を添加することにより接着性を付与することができるが、本発明の有機ケイ素化合物は、これら従来型の接着助剤よりも金属基材および樹脂基材に対する十分な接着性を発現する点で優れている。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は例示であり、本発明の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本発明の技術的範囲に包含される。
[有機ケイ素化合物の製造方法]
本発明の有機ケイ素化合物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、アルケニルコハク酸無水物又はテレフタル酸ジアルケニル((A)成分とする)を触媒((C)成分とする)存在下で(メタ)アクリロイル基含有オルガノハイドロジェン(ポリ)シロキサン((B)成分とする)と付加反応(ヒドロシリル化)させることにより得ることができる。(B)成分は、分子内に炭素-炭素二重結合とSi-H基とを合わせ持つ。このため、副反応を避けるよう、(A)成分と触媒を先に混合してから前記(B)成分を反応系に加えることが好ましい。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される有機ケイ素化合物。
    Figure 2022076121000017
    (式中、Rは、水素原子またはメチル基であり、Sxは、シロキサン鎖であり、Xは、下記一般式(1a)で表される1価の有機基又は一般式(1b)で表される2価の有機基であり、Yは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基であり、Zは、炭素原子数2~6の2価炭化水素基を表す。nは、Xが1価の有機基である場合には1であり、2価の有機基である場合には2である。)
    Figure 2022076121000018
  2. 前記Sxがポリジメチルシロキサン鎖であることを特徴とする請求項1に記載の有機ケイ素化合物。
  3. 前記有機ケイ素化合物が下記構造式(2)で表される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
    Figure 2022076121000019
  4. 前記有機ケイ素化合物が下記構造式(3)で表される有機ケイ素化合物であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機ケイ素化合物。
    Figure 2022076121000020
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の有機ケイ素化合物からなる接着助剤。
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