JP2022076070A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】電子部品の中空部に封止樹脂の進入を防ぐ電子部品の製造方法を提供すること。【解決手段】 基板、電子部品チップ、及び樹脂シートを有する電子部品の製造方法であって、以下の工程2A、及び工程3Aをこの順に有することを特徴とする、電子部品の製造方法。工程2A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせた積層体を積層体1とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体1の前記樹脂シートの側を、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。工程3A:前記弾性材を剥離する工程。【選択図】なし

Description

本発明は、中空構造を有する電子部品の製造方法に関する。
近年の電子機器の小型化・薄型化に伴い、搭載される電子・電気部品にも、より小型化・薄膜化が求められるようになってきている。このため近年では、半導体の電子部品においても、従来のねじ止めやピン挿入型から、表面実装などの手法が採られるようになってきており、これにより小型化・薄膜化が実現されている。MEMS(MICRO ELECTRO MECHANICAL SYSTEMS) 等の電子部品も例外ではなく、特にシート状の樹脂による表面実装によって、小型化・薄膜化を実現している。
MEMSの中でも圧力センサーや加速度センサー、ジャイロセンサ、SAWフィルター等の電子部品の場合は、特許文献1~3のとおり、その機能上、電子部品内部に中空構造を有していることが必要不可欠である。
特開2015-111579号公報 特開2015-179829号公報 特開2018-152556号公報
しかしながら特許文献1~3に記載のシート状の封止樹脂(以下封止シートと呼ぶ)を用いて中空構造を形成することはできる。封止シートとは熱硬化樹脂と熱可塑樹脂を混合し40~100℃で粘度が低下し形状が変化し100~200℃で硬化する樹脂でありそれ単体で電子部品に中空構造を形成することが可能である。しかしながら封止シートを用いる場合は、中空部分に樹脂の侵入を防ぐ為、電子部品のサイズにより樹脂の特性のカスタマイズ化や製造方法をチューニングする必要がある。また封止樹脂の使用ライフが極端に短く、製造時の温度や時間にマージンが少ない為高度な生産技術が必要であり生産管理が煩雑で困難を極めている。
そのため本発明の課題は、中空構造を有した電子部品において封止をする際、中空部への樹脂の進入を防ぎ、簡易に高品質の電子部品を提供することにある。
前述の課題を達成するための本発明は、以下である。
[1]基板、電子部品チップ、及び樹脂シートを有する電子部品の製造方法であって、以下の工程2A、及び工程3Aをこの順に有することを特徴とする、電子部品の製造方法。
工程2A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせた積層体を積層体1とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体1の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。
工程3A:前記弾性材を剥離する工程。
[2]前記樹脂シートと前記弾性材を貼り合わせる前の、前記弾性材の厚みTは、2mm以下である、前記〔1〕に記載の電子部品の製造方法。
[3]前記弾性材は、シリコーンを含む発泡体である、前記〔1〕または〔2〕に記載の電子部品の製造方法。
[4]以下の工程1Aを、前記工程2Aの前に有する、前記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
工程1A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせて、積層体1とする工程。
[5] 前記工程3Aの後に、以下の工程4Aを有する、前記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
工程4A:前記電子部品を、前記樹脂シートの側から樹脂でモールディングする工程。
〔6〕 基板、電子部品チップ、樹脂シート、及び封止シートを有する電子部品の製造方法であって、前記電子部品中の以下の積層体2の最厚部分の厚みが100μm以上500μm以下であり、以下の工程2Bを有することを特徴とする、電子部品の製造方法。
工程2B:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせた積層体を積層体2とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体2の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。
〔7〕 以下の工程1Bを、前記工程2Bの前に有する、前記〔6〕に記載の電子部品の製造方法。
工程1B:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせて、積層体2とする工程。
〔8〕 前記工程2A又は前記工程2Bにおいて、前記基板の電子部品チップを有する側と反対側に、加圧板を配置して、加熱及び/又は加圧を行う、前記〔1〕~〔7〕のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
〔9〕 前記工程2A又は前記工程2Bにおいて、前記弾性材又は前記封止シートの基板の側とは反対側に、加圧板を配置して、加熱及び/又は加圧を行う、前記〔1〕~〔8〕のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
〔10〕 前記樹脂シートは、引張伸び率が200%以上である、前記〔1〕~〔9〕のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
〔11〕 前記電子部品が表面弾性波フィルターに用いられることを特徴とする、前記〔1〕~〔10〕のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
本発明により、簡易に高品質の中空構造を形成することができる。また電子部品の封止は封止シート以外にもコンプレッションモード等安価な方法で製造することが可能となる。
本発明の電子部品を示す図である。 本実施形態に係る電子部品の製造方法における工程1Aを説明するための模式図である。 本実施形態に係る電子部品の製造方法における工程2Aを説明するための模式図である。
本発明は、電子部品の製造方法であり、二つの発明を含むため、以下の製造方法を本発明1と記す。
基板、電子部品チップ、及び樹脂シートを有する電子部品の製造方法であって、以下の工程2A、及び工程3Aをこの順に有することを特徴とする、電子部品の製造方法。
工程2A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせた積層体を積層体1とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体1の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。
工程3A:前記弾性材を剥離する工程。
そして以下の製造方法を本発明2と記す。
基板、電子部品チップ、樹脂シート、及び封止シートを有する電子部品の製造方法であって、前記電子部品中の以下の積層体2の最厚部分の厚みが100μm以上500μm以下であり、以下の工程2Bを有することを特徴とする、電子部品の製造方法。
工程2B:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせた積層体を積層体2とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体2の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。
さらに、本発明1と本発明2を総称して、単に本発明と記す。
以下、本発明の実施形態を具体的に説明する。
(工程1:積層体の準備)
ここで工程1について説明するが、本発明においては、単に工程1と記した場合、それは工程1Aと工程1Bの総称を意味する。
本発明1は、後述する工程2Aの前に、特定の樹脂シートを特定の弾性材に貼り合せる以下の工程1Aを有することが好ましい。
工程1A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせて、積層体1とする工程。
工程1Aについては、図2に示す。樹脂シートと弾性材の間に空気が入ると弾性材から樹脂シートへの圧力の伝わりが悪くなる為、工程1Aにおいて貼りあわせる際は、ロールラミネートや真空ラミネーターなどを用いて貼り合せるのが好ましい。また樹脂シートを弾性材ではなく先に電子部品に貼り付けて製造をすると、中空部分が十分に真空にならず、電子部品の性能に影響をすることがある。
なお、工程1Aにおいて、弾性材の硬度Pは、80℃で測定した硬度を意味する。
本発明2は、後述する工程2Bの前に、特定の樹脂シートを封止シートに貼り合せる以下の工程1Bを有することが好ましい。
工程1B:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせて、積層体2とする工程。
工程1Bについても、上記工程1Aと同様の方法で貼り合せることが好ましい。
なお、本発明においては、単に積層体と記した場合、それは積層体1と積層体2の総称を意味する。

(積層体)
本発明1においては、工程2Aにおいて積層体1を用いるが、この積層体1は、厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせた積層体である。なお、工程2Aにおいて、弾性材の硬度Pは80℃で測定した硬度を意味する。本発明1においては、工程2Aの前に、工程1Aを行うことで積層体1を製造する方法を用いることが好ましい。
また本発明2においては、工程2Bにおいて積層体2を用いるが、この積層体2は、厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせた積層体である。本発明2においては、工程2Bの前に、前述の工程1Bを行うことで積層体2を製造する方法を用いることが好ましい。

(樹脂シート)
本発明にもちいる樹脂シートの組成は、特に限定されないが、少なくとも(a)熱可塑性樹脂、(b)熱硬化性樹脂、及び(c)硬化剤の3成分を含む組成であることが好ましい。中でも樹脂シート中の(a)熱可塑性樹脂の含有率は、樹脂シートの伸び性を良くし電子部品のチップ間への埋まりこみ性を良くするため、樹脂シート全体を100質量%とした場合に、熱可塑性樹脂の含有率が30質量%以上85質量%以下であることが好ましい。
本発明の工程2Aや工程2Bにおいて、そこで用いられる樹脂シートの厚みは10~50μmである。なお、ここでいう樹脂シートの厚みは、良好な凹凸追従性を要する為に、電子部品になる前の樹脂シートの厚みを意味する。
また上記樹脂シートの引張伸び率に特に制限はないが、良好な凹凸追従性を要する為に、引張伸び率が200%以上であることが好ましい。その上限に特に制限はなく、大きければ大きいほど好ましいが、現実的に達成できる上限は2500%程度と考えられる。なお、ここでいう樹脂シートの引張伸び率は、積層体になる前の値を意味する。
(弾性材)
本発明1にもちいる弾性材は、弾性力を持つシート状の材料であれば特に制限はされないが、圧力により電子部品の凹凸に沿って変形しえる柔軟性と耐熱性を有することが好ましい。このような点から、弾性材としてはシリコーンを含む発泡体が好ましい。
弾性材の柔軟性としては硬すぎると電子部品の凹凸に沿って変形せず、柔らかすぎると弾性材自体が変形してしまい樹脂シートに圧力が伝わらず、樹脂シートを電子部品の凹凸に追従させることができない。そのため弾性材の硬度Pは20以下であり、さらに10~20であることが好ましい。なお、ここでいう弾性材の硬度Pは、JIS6253(2012)に準拠したデュロメータを用いて80℃で測定した値を意味する。
また樹脂シートと弾性材を貼り合わせる前、つまり積層体1とする前の弾性材の厚みTは特に限定されないが、厚すぎると工程2Aにおいて加熱及び/又は加圧した時に、温度や圧力が樹脂シートに伝わりにくくなり、凹凸追従ができなくなることがあるため、2mm以下が好ましい。樹脂シートと弾性材を貼り合わせる前の弾性材の厚みTについて、その下限は特に制限はないが、その取扱い性なども考慮すると現実的な下限は0.5mm程度と考えられる。
本発明の工程2Aや工程1Aで用いられる弾性材について、弾性材の硬度Pと弾性材の厚みTの比P/Tは、P/T>5の関係を満たす。また、弾性材の硬度Pと弾性材の厚みTの比P/Tの上限について、特に限定されるものではないが、P/T<40であることがより好ましい。硬度Pの値が小さく柔らかすぎると圧力をかけたときに弾性材が潰れてしまい樹脂シートを電子部品チップ間に押し込むことができにくくなる。硬度が小さいときは圧力の分散を抑えるために弾性材が薄い必要がある。弾性材の硬度と厚み比P/Tが5よりも大きいことにより、弾性材の硬度に対して厚みが十分小さいことにより樹脂シートへ圧力が十分かかり凹凸追従性が良くなる。
なお、弾性材の硬度Pと弾性材の厚みTの比P/Tを求めるに際しては、弾性材の厚みTの単位はmmとして計算するものとする。

(封止シート)
本発明においては、本発明2の工程2Bのように、弾性材の代わりに封止シートを用いても良い。ここでいう封止シートとは、電子部品の固定や保護を目的としたモールディング材をシート状にしたものである。本発明2においては、封止シートと樹脂シートとからなる積層体2を用いることで、樹脂封止との一括形成により工程を減らすことにより、より安価に電子部品を製造できる。
(工程2:加熱及び/又は加圧)
ここで工程2について説明するが、本発明においては、単に工程2と記した場合、それは工程2Aと工程2Bの総称を意味する。
本発明1では、電子部品チップを有する基板、及び、積層体1を、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる以下の工程2Aを有する。
工程2A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせた積層体を積層体1とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体1の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。なお前述のとおり、工程2Aにおいて、弾性材の硬度Pは80℃で測定した硬度を意味する。
つまり、工程1Aなどで作製した積層体1の樹脂シートの側に、基板の電子部品チップを有する側、つまり基板の凹凸側を対向するように配置して(図3)、加熱及び/又は加圧することによりこれらを貼り付ける。このとき基板の凹凸側を上にして、積層体1を基板の凹凸側に対して覆いかぶさるようにおくと、真空時に中空部分の空気が上手く逃げず真空到達度が悪くなることがあるので、工程2Aにおいては、積層体1を下に配置して、電子部品チップを有する基板を上に配置して、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体1の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程であることが好ましく、これにより高品質な電子部品が得られる。
図3のように、樹脂シート上に電子部品を置いたものを真空ラミネーターにて、真空にした後、加熱及び/又は圧力を加えることで、樹脂シートを基板の電子部品チップに追従させ、つまり樹脂シートを電子部品の凹凸に追従させ、中空構造を形成する。
同様に本発明2では、電子部品チップを有する基板、及び、積層体2を、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる以下の工程2Bを有する。
工程2B:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせた積層体を積層体2とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体2の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。
このとき、樹脂シートに圧力を伝わりやすくして凹凸追従性をよくするために、基板の樹脂シートの側とは反対側に、加圧板を設置するとより好ましい。つまり、本発明1の工程2A又は本発明2の工程2Bにおいて、基板の電子部品チップを有する側とは反対側に、加圧板を配置して、加熱及び/又は加圧を行う、ことが好ましい。
また、樹脂シートに圧力を伝わりやすくし凹凸追従性をよくするために、弾性材の樹脂シートの側とは反対側に、加圧板を設置するとより好ましい。なお、本発明2の工程2Bにおいても同様である。つまり、本発明1の工程2A又は本発明2の工程2Bにおいて、弾性材又は封止シートの基板の側とは反対側に、加圧板を配置して、加熱及び/又は加圧を行うことが好ましい。
(加圧板)
工程2Aや工程2Bで用いる加圧板は、加圧されても変形しにくく、電子部品への熱伝導性が高い材質であれば特に限定されないが、アルミニウムや銅が好ましい。そしてこの加圧版は、加熱時の熱を伝わりやすくするために、厚みは2mm以下が好ましい。

(工程3A:弾性材の剥離)
本発明1においては、工程2Aで積層体1を貼り合わせた後に、積層体1中の弾性材を取り除く。つまり本発明1では、工程3Aを有する。
工程3A:弾性材を剥離する工程。
工程2Aで加熱した場合は、温度を常温まで下げて弾性材と樹脂シートの密着が弱くなってから剥離する、つまり取り除くのが望ましい。
なお、本発明2において、積層体中の弾性材の替わりに封止シートを用いた場合は、この封止シートは取り除く必要はない。
(工程4A:モールディング)
本発明1においては、工程3Aの後に、電子部品を衝撃や温度、湿度から保護する為に以下の工程4Aを有することが好ましい。
工程4A:電子部品を、樹脂シートの側から樹脂でモールディングする工程。
工程4Aにおいてモールディングする方法としては、トランスファーモールドやコンプレッションモールドが挙げられるが、低圧で加工できるコンプレッションモールドが好ましい。封止シートを用いてモールディングしてもかまわない。

(本発明の製造方法)
本発明1は、前述のとおり、基板、電子部品チップ、及び樹脂シートを有する電子部品の製造方法であって、工程2A、及び工程3Aをこの順に有するものである。
また本発明2は、基板、電子部品チップ、樹脂シート、及び封止シートを有する電子部品の製造方法であって、前記電子部品中の積層体2の最厚部分の厚みが100μm以上500μm以下であり、工程2Bを有するものである。ここで、電子部品中の積層体2の最厚部分の厚みとは、基板から積層体2までの厚みが一番厚い部分を意味しており、電子部品チップを完全に覆いつくしかつ電子部品の厚みをなるべく小さくするために、この厚みが100μm以上500μm以下であることが好ましい。
これらの本発明の製造方法は、表面弾性波フィルターに用いられる電子部品を製造するために用いることが好ましい。これらの方法により中空部への樹脂の進入を防ぎ、簡易に高品質の電子部品を製造することができる。
以下に、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。
なお、樹脂シートの厚み、及び封止シートの厚みは、Nikon製MF-1001を用いて測定し、弾性材の厚みは、定規にて測定した。
また弾性材の硬度Pは、デュロメーターを用いて80℃のホットプレート上に置いて測定した。
(樹脂シート)
混合機及び冷却器を備えた反応器に、窒素雰囲気下にて、アクリロニトリル(和光純薬社製、特級)106g(2.00モル)、ブチルアクリレート(和光純薬社製、特級)231g(1.80モル)、グリシジルメタクリレート(和光純薬社製、特級)28g(0.20モル)、溶媒としてメチルエチルケトン(和光純薬社製、一級)2900gを入れ、大気圧(1013hPa)下、85℃に加熱し、さらに連鎖移動剤として2-エチルヘキシルメルカプトアセテート(和光純薬社製)を0.001g、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル(和光純薬社製、V-60)を0.002g加え、重量平均分子量が70万となるまで重合し、熱可塑性樹脂を作製した。
作成した熱可塑性樹脂を45質量%、ビスフェノールA 型エポキシ樹脂( “EPICLON”1050、DIC株式会社)25質量%、球状シリカ(SO-E1、(株)アドマテックス)28.2質量%、4,4’-ジアミノジフェニルスルホン(“セイカキュア”S、(株)セイカ)1.6質量%、2-ヘプタデシルイミダゾール(C17Z、四国化成工業(株))0.2質量%となるように混合した。続いて固形分濃度が25.0質量%になるようにメチルエチルケトンを加えて、30℃で5時間撹拌し、樹脂組成物用の塗料を作製した。
この樹脂組成物溶液をバーコータで、シリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック株式会社製PET38C)に、乾燥後の厚みが20μmになるように塗布し、110℃で5分間乾燥し、さらに厚さ12μmのポリプロピレンフィルム(東レ株式会社製トレファン)を貼り合わせて、シリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック株式会社製PET38)、電子部品用接着シート、および厚さ12μmのポリプロピレンフィルム(東レ株式会社製トレファン)がこの順に積層された、樹脂シートを作製した。
樹脂シートの引張伸び率は、テンシロンを用いて常温で引っ張る力を徐々に増やしていき、破断した伸び量の値を、引っ張る前の元の長さで除すことで、算出した。
(チップ付き基板の準備)
チップ付き基板として42.5mm角の石英ガラス上に、サイズ0.8mm×1.2mm、厚み0.2mmのSiチップを、チップ間隔0.5mmで半田バンプを用いて中空部高さ0.02mmとなるように設置したものを準備した。
(弾性材)
以下A~Dのシリコーンを含む発泡体を弾性材として準備した。なお、弾性材の厚みは、BとCは1,2,4mm、AとDは2mmのものを準備し、前述の樹脂シートと貼り合わせて積層体1を作製した。
A : 信越ポリマー シリコーンスポンジシートRAグレード(80℃での硬度:50)
B : 信越ポリマー シリコーンスポンジシートCTグレード(80℃での硬度:20)
C : タイガースポリマー シリコーンスポンジシートE15(80℃での硬度:15)
D : サンポリマー シリコーンスポンジシートSi-100(80℃での硬度:10)
(封止シート)
封止シートは、200μmの封止シートEを準備し、樹脂シートの片面にロールラミネーターで貼り合わせを実施して、厚み220μmの積層体2を得た。
溶融球状シリカ(SO-C2、株式会社アドマテックス製)28.8g 、溶融球状シリカ(FB-5D、平均粒径5.0μ m、電気化学工業株式会社製)51.9gをミキサー内に入れ、メチルイソブチルケトンを40g加えた。続いてN-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン(KBM-573、信越化学工業株式会社製)0.8gを霧吹きで噴射し、ミキサー内で混合した。これに前記作成した熱可塑性樹脂を2.5g、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER-828、三菱化学株式会社製、)11.9g、ノボラックフェノール(H-1、明和化成株式会社製)4g、2-ヘプタデシルイミダゾール(C17Z、四国化成株式会社製) 0.1gを加えて、固形分濃度70質量%となるようにメチルイソブチルケトンを加え、30℃で撹拌、ホモミキサーで処理をして塗料を作製した。
この塗料をバーコータで、シリコーン離型剤付き厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック株式会社製PET38)に、乾燥後の厚みが200μmになるように塗布し、110℃で5分間乾燥し、保護フィルム(藤森工業(株)製フィルムバイナGT)を貼り合わせて、シリコーン離型剤付きの厚さ38μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(リンテック株式会社製PET38)、樹脂シートおよび保護フィルム(藤森工業(株)製フィルムバイナGT)がこの順に積層された、封止シートを作製した。
(実施例1~7及び比較例1~5)
真空加圧式ラミネーターMVLP500/600(名機製作所)を用いて、下記条件にて積層体1をチップ付き基板のチップを有する側に貼り合わせた。貼り合わせ時には、加圧版としてチップ付き基板のチップを有する側とは反対側に、1mm厚のアルミニウム板を配置して、基板が加圧板と接するようにして加熱及び加圧を行った。
各実施例で用いた樹脂シート、弾性材、封止シートの詳細は、表1のとおりである。
実施例1~6及び比較例については、積層体と基板の貼り合わせの後、積層体から弾性材を剥離した。
なお、実施例7において、貼り合わせにより得られた電子部品中の、積層体2の最厚部分の厚みは、体積換算から320μmとなる。
(貼り付け条件)
温度:80℃
加圧力:1.0MPa
真空度:100Pa
プレス時間:60秒
(評価)
貼り合せ後の基板をガラス側より光学顕微鏡にて封止状況を確認し、チップ端部から樹脂シートが基板に接着したスカート距離αを測定した。樹脂シートが凹凸形状に追従しαが50um以下のものを「○」、凹凸形状に追従できておらずαが50umより大きいものを「×」とした。結果を表1に示す。
表1をみて明らかなように実施例1~7はチップ端部まで樹脂シート凹凸形状に追従し中空構造が綺麗に形成されていた。他方、比較例1~5については、部分的に凹凸形状に追従しておらず、チップ端部でスカート距離が大きかったり、ボイドが発生したりしていた。
Figure 2022076070000001
Figure 2022076070000002
10 樹脂シート
20 弾性材
30 電子部品チップを有する基板
40 加圧板
50 中空部

Claims (11)

  1. 基板、電子部品チップ、及び樹脂シートを有する電子部品の製造方法であって、以下の工程2A、及び工程3Aをこの順に有することを特徴とする、電子部品の製造方法。
    工程2A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせた積層体を積層体1とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体1の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。
    工程3A:前記弾性材を剥離する工程。
  2. 前記樹脂シートと前記弾性材を貼り合わせる前の、前記弾性材の厚みTは、2mm以下である、請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記弾性材は、シリコーンを含む発泡体である、請求項1又は2に記載の電子部品の製造方法。
  4. 以下の工程1Aを、前記工程2Aの前に有する、請求項1~3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
    工程1A:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、硬度Pが20以下で、前記硬度Pと厚みTの比P/TがP/T>5の関係を満たす弾性材を貼り合わせて、積層体1とする工程。
  5. 前記工程3Aの後に、以下の工程4Aを有する、請求項1~4のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
    工程4A:前記電子部品を、前記樹脂シートの側から樹脂でモールディングする工程。
  6. 基板、電子部品チップ、樹脂シート、及び封止シートを有する電子部品の製造方法であって、前記電子部品中の以下の積層体2の最厚部分の厚みが100μm以上500μm以下であり、以下の工程2Bを有することを特徴とする、電子部品の製造方法。
    工程2B:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせた積層体を積層体2とすると、基板の電子部品チップを有する側と、前記積層体2の前記樹脂シートの側を、対向するように配置して、加熱及び/又は加圧することにより貼り合わせる工程。
  7. 以下の工程1Bを、前記工程2Bの前に有する、請求項6に記載の電子部品の製造方法。
    工程1B:厚み10~50μmの樹脂シートの一方の面に、封止シートを貼り合わせて、積層体2とする工程。
  8. 前記工程2A又は前記工程2Bにおいて、前記基板の電子部品チップを有する側と反対側に、加圧板を配置して、加熱及び/又は加圧を行う、請求項1~7のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  9. 前記工程2A又は前記工程2Bにおいて、前記弾性材又は前記封止シートの基板の側とは反対側に、加圧板を配置して、加熱及び/又は加圧を行う、請求項1~8のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  10. 前記樹脂シートは、引張伸び率が200%以上である、請求項1~9のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記電子部品が表面弾性波フィルターに用いられることを特徴とする、請求項1~10のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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