JP2022075581A - 閾値分析に基づく非破壊検査装置、及び非破壊検査方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このプレストレストコンクリート構造物は、打設したコンクリートの硬化後、予めコンクリート内に配設されたシース管内のPC鋼材を緊張させて、コンクリートに定着させることで、コンクリート内に残留圧縮応力を発生させている。
さらにまた、既設PC橋梁では、特許文献1、及び特許文献2に記載の方法を改良発展させたWUTソフトウェアを用いた非破壊検査装置でグラウト充填状態の非破壊検査が行われている。
例えば、反射P波計測分析の場合、次のような4つの問題点が確認されている。
一つ目の問題点として、シースかぶり厚、及びコンクリート縦波音速の計測精度によって、グラウト充填状態の分析精度が左右されるばかりでなく、「未充填」を「完全充填」、または「完全充填」を「未充填」と誤分析する事象が生ずることが稀ではない。
四つ目の問題点として、シースかぶり厚が、シース管の長手方向で大きく変化する場合があり、これに起因して、グラウト充填状態が「未充填」であっても、「完全充填」と誤分析することが稀ではない。
一つ目の問題点として、シースかぶり厚、及びコンクリート縦波音速の計測精度によって、グラウト充填状態の分析精度が左右される。
二つ目の問題点として、シース反射S波の分析で用いる分析用切り出し波の起生時刻前方に表面S1波が生じ、かつ分析用切り出し波の起生時刻後方に2段目シース、版厚、及び版厚底部コーナーからの反射波が生じることで、グラウト充填状態の分析精度が低下し「完全充填」を「未充填」と誤分析する事象が稀ではない。
四つ目の問題点として、シースかぶり厚が、シース管の長手方向で大きく変化する場合があり、これに起因して、多点計測波の加算処理を用いる従来の分析ではグラウト充填状態が「未充填」であっても、「完全充填」と誤分析する。
このため、WUTソフトウェアを用いた非破壊検査では、グラウト充填状態の分析の高効率化、及び高精度化が求められている。
そこで出願人は、閾値処理と名付ける処理方法により、分析で用いるスペクトル及び時系列を作成し、これを用いて上記多数の問題点を解決するグラウト充填状態の非破壊検査装置、及び非破壊検査方法を創り上げている。
この発明によれば、非破壊検査装置、及びこれを用いた非破壊検査方法は、グラウト充填状態を効率よく、かつ精度よく非破壊検査することができる。
この構成によれば、非破壊検査装置、及び非破壊検査方法は、グラウト充填状態をさらに効率よく、かつ精度よく非破壊検査することができる。
<本発明で利用する物理現象>
まず、グラウト充填状態の非破壊検査における受信超音波のスペクトル特性について説明する。
シース反射波が大きく卓越する振動数が複数あり、そのスペクトルにおいては、グラウト充填状態が未充填の場合で高振動数側が大きくなり、グラウト充填状態が完全充填の場合で低振動数側が大きくなっている。この現象を利用する事が、本発明の根幹の1つである。
なお、図2は、中心振動数f0での最大スペクトル値を基準値「1.0」として、振動数毎のスペクトル値を基準値「1.0」に対する相対値に置き換えて図示している。
図3(b)は、小口径のシース管の場合におけるシース反射P波の起生時刻帯域のスペクトル概念図を示している。
さらに、2段目シース、WEB厚、WEB底面コーナーからの反射波等の大きな振幅の波(以降、探査妨害波と呼ぶ)がシース反射P波の後方に混入してくる。
図6は、既設PC橋梁でのシース管の受信波スペクトルの模式図を示している。図6(a)、図6(b)、図6(c)、及び図6(d)は、シース管の直上において、シース管の長手方向に離隔した測定点での受信波のスペクトル模式図をそれぞれ示している。
図6では、振動数fwよりも低振動数側の最大スペクトル値を基準値「1.0」として、振動数毎のスペクトル値を基準値「1.0」に対する相対値に置き換えて図示している。なお、最大スペクトル値を基準値「1.0」として、振動数または時刻ごとのスペクトル値を基準値「1.0」に対する相対値に置き換えることを、以降「基準化」と呼ぶ。
さらに、既設PC橋梁は、コンクリート表層に埋設される鉄筋の配置が不均一で、鉄筋の配置間隔が狭い場合もあれば、広い場合もある。
加えて、既設PC橋梁は、コンクリート表層に超音波の進行を遮断するひび割れ、または目視し難い亀の子状の微細なひび割れが多数存在する場合もある。
このように、様々な理由が合わさることで、図6のような現象が生じている。この問題への対処が本発明にける分析の根幹の1つである。
次に、本実施形態における超音波を用いたシース反射P波非破壊検査装置、及びこの装置を用いたシース反射P波非破壊検査方法について説明する。
本実施形態の非破壊検査装置10は、ポストテンション工法で製造された図49に示すような橋梁の主桁、横桁、箱桁、及び底版などのコンクリート構造物において、コンクリート構造物の内部に埋設されたシース管2のグラウト充填状態を非破壊検査するものである。このような非破壊検査装置10について、図8から図13を用いて説明する。
プレストレストコンクリート構造物1は、図8及び図9(a)に示すように、略円筒状のシース管2と、シース管2の内部に配置したPC鋼材3と、シース管2の外周面側に打設したコンクリート4とで構成している。
なお、PC鋼材3は、図9(a)に示すように、複数の鋼線3aを練り合せて形成されている。
また、グラウト5が、図9(c)に示すように、シース管2の内部に充填されていないグラウト充填状態を未充填とする。なお、グラウト充填状態が未充填のシース管2を、空シースとする。
この非破壊検査装置10は、図8及び図10に示すように、プレストレストコンクリート構造物1のコンクリート上面4aに配設される面発信ユニット11、及び面受信ユニット12と、面発信ユニット11、及び面受信ユニット12が電気的に接続される解析機器13とで構成している。
なお、解析機器13は、後述する第1の収録処理、第2の収録処理、第1の分析処理、第2の分析処理、第1の処理、第2の処理、及び第3の処理を実現する手段として構成されている。
受信ユニット接続部132は、面受信ユニット12からの受信信号を受付ける機能と、受信信号を制御部136に送信する機能とを有している。
表示部135は、液晶ディスプレイなどで構成し、各種パラメーターの入力を促す入力画面や、解析結果を示す解析結果画面などの各種情報を表示する機能を有している。
引き続き、反射P波計測分析を用いて閾値分析の処理の概要を説明する。
非破壊検査装置10の制御部136が行う計測対象のシース管2(以降、計測対象シースと呼ぶ)のグラウト充填状態の閾値分析処理について、閾値分析処理の概略を説明する説明図を示す図14から図21を用いて説明する。
振動数f1でのスペクトルを選定除外する理由は、予期せぬ探査妨害波のスペクトルが低振動数側に、より多く混入する危険性があるからである。
一方、時刻フィルタ関数TGC2(t)は、時刻t=0からthが「1.0」、時刻t=thが「1.0」、時刻t=400μ秒が「0」となるsin形状減少関数としている。
図15(a)の分析用切り出し波GB(t)|i=1~5に対するスペクトル比較図は、図15(b)に示すスペクトルFB(f)|i=1~5のようになる。図15(b)を用いて、グラウト充填状態の分析用スペクトルを閾値ασ=0.5として、図15(c)のFC(f)|i=1~5を求めている。
なお、図16(a)、及び図16(b)で示すシースかぶり厚ds=248mmは、別途RCレーダで計測された計測対象シースの測点i=1でのかぶり厚である。
さらに、加算平均波i=5(No.1+No.2+No.3+No.4、SP加算)の時刻掃引f0,f2スペクトルの起生状態を、横軸を振動数、斜軸を時刻とする図17(b)に示す。
また、これ等の関係が把握されない状況下で、グラウト充填状態の探査を行う場合、グラウト充填状態の誤判定が頻発する。
図19(a)では、式1の計測対象シースかぶり厚dsをRCレーダ計測によるレーダ計測かぶり厚ds|RCに置き換え、シース反射P波起生時刻tpをtp|RCに置き換えて算定したシース反射P波起生時刻tp|RCを、図16(b)と同様に縦カーソルで表示している。ただし、レーダ計測かぶり厚ds|RC、シース反射P波起生時刻th=tp|RCを示す縦カーソル以外に、分析用かぶり厚ds~、対応する時刻th=tp|RC+Δtpを示す縦カーソルを追加表示している(なお、ds~は数式及び図中においてdsの上に“~”を付された符号を表す。以下同じ)。
さらに、図19(a)では、シース反射M1波の起生時刻tM1に関する時刻tM1|RC、及び時刻tM1|ds ~を縦カーソルで示している。
なお、図19(b)中において、No.5加算平均波は、2種類を表示している。
ところで、空充填判定カーソルを定義し、その時刻を次の式7で求めている。
時刻t*で測点i=1~4、加算平均波i=5の全ての時刻掃引基準化スペクトル値SPf2が閾値ασ=0.5を下回る状況を確認できる。このような時刻掃引基準化スペクトル値SPf2が得られた場合、「完全充填」と判断する。空充填判定カーソル時刻t*は、tp=tp|RC(本分析例では、tp|削とする)として、式11で計算される。
さらに、図20(b)の時刻t*=tp|削+Δtp+*での時刻掃引f0,f2スペクトルSP(f,t*)を図21(a)に示す。
上述した「シースの充填状態閾値分析概要」に示す分析では、受信波から、図18(a)に示す極狭帯域時系列を抽出して分析に用いることで、コンクリート表面S1波、コンクリート表面を浅く潜って伝播する直接波(DI波)、及び2段目シースまたは版厚からの反射波の存在によるグラウト充填状態の誤判定を排除している。
反射P波自動化分析で誤判定を生じさせる問題点と対処法を下記に列挙し、これらに対処する分析の流れを、図22から図24に示している。
上述した処理の具体的分析事例を、後述する「閾値反射P波自動化分析事例」で表3に示す分析例1,2を用いて行っている。
また、2段目シースのかぶり厚d2s、版厚dw、及び版厚底部コーナーの路程長dwcは、構造図面から得られた計測対象シースの計測位置での値である。
なお、F3(f)フィルタ関数は、振動数0.0から(fs-Δfs)の間が「0.0」、振動数(fs-Δfs)からfsの間が「0.0から1.0」となるsin形状増加関数、振動数fsから(fs+Δfs)の間が「1.0から0.0」となるsin形状減少関数、振動数(fs+Δfs)以上で「0.0」となる関数であり、その初期形状を中心振動数fs=80kHz、Δfs=40kHzとしている。
この際、制御部136は、F3(f)フィルタ関数の中心振動数fsを低振動数または高振動数側へ移動させるたびに、F3(f)フィルタ関数を受信波スペクトルF(f)|iに乗じたのち、FFT逆変換で時系列波G(t)|iを得るとともに、この時系列波G(t)|iのいずれかの測点iの起生時刻を中心時刻とする時刻フィルタ関数TGC4(t)を、FFT逆変換で得た時系列波G(t)|iに乗じるごとに、時刻フィルタ関数TGC4(t)の中心時刻を起生波の起生時刻へ移動させている。
さらに、制御部136は、対応する分析用1次かぶり厚をds(1)|iと定義し、上述の式2のシース反射P波起生時刻tpを分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|iに、シースかぶり厚dsを分析用1次かぶり厚ds(1)|iに置き換えて測点iごとに分析用1次かぶり厚ds(1)|iを求めている。
この時刻フィルタ関数TGC4(t)の乗算で得る時系列(太線)のスペクトルを、図26(b)の左図に示している。
また、図27の「パターン(1)」であれば、No.1測点の分析用1次かぶり厚ds(1)|1がds(1)|大となり、No.2測点、No.3測点、及びNo.4測点の分析用1次かぶり厚ds(1)|2、ds(1)|3、及びds(1)|4の平均値がds(1)|小となる。
また、表1において、nw値が「4」を超える場合、nw値に応じてパターン数が増加する。
表1を用いて、分析用1次かぶり厚ds(1)、またはds(1)|大、あるいはds(1)|小ごとに対応する測点iのグラウト充填状態を以降の分析で判定する。
第2の処理(図22のステップS108)は、第1の処理の内容と同一である。ただし、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)、及び後述する分析用2次反射P波起生時刻tp(2)を、それぞれtp(1)|大、tp(2)|大に置き換えた処理となる。
また、分析用切り出し波GB(1)(t)|i、及びスペクトルFB(1)(f)|iは、測点i毎に、その最大値を1.0に基準化している。
なお、時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(1)(f,t)ncは最大エントロピー法スペクトル表示(以降、MEMスペクトル表示と呼ぶ)としている。
さらに、Δtp1、及びΔtp2は、概略値としてΔtp1=19μ秒、Δtp2=82μ秒とし、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i、及び時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(1)(f,t)nc|iの変化の形状を確認し易い値をオペレータが設定することを可能としている。例えば、後述する分析例(表3の分析例1)では、図29(a)及び図29(b)に示すように、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)=130.1μ秒の場合、Δtp1を11.2μ秒、Δtp2を94.4μ秒としている。
第7の分析処理における第1TA処理(図24のステップS114)は、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが、上述のn1を用いた測点i=nA~n1(n1≦nB)ごとに、ΔtB1=6μ秒、ΔtB2=12μ秒とする時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2との間で増加傾向にあり、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασ=0.5を超えている時、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとに、時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2との間で、閾値ασを超える時刻をtiとし、この平均値をtAとし、または単一点計測の場合、tA=t1として次の式12でΔtAを求め、次の式13で分析用2次反射P波起生時刻tp(2)を特定する。
なお、分析用2次反射P波起生時刻tp(2)、及び分析用2次かぶり厚ds(2)は、計測対象シースにおける対象測点のグラウト充填状態を正確に自動特定するために準備している。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1は、式14で作成し直している。
一方、n1<nBの場合(図24のステップS115:No)、測点i=n1+1~nBにおけるグラウト充填状態を判定するため、第2TA処理へ移行する。
これら時刻tiの平均値を時刻平均値tAとして、次の式18でΔtAを求める。なお、式17を満足させる時刻ti値がない場合、時刻平均値tA=tM1(1)として、式18でΔtAを求める。
なお、分析用2次反射P波起生時刻tp(2)、及び分析用2次かぶり厚ds(2)は、計測対象シースの対象測点のグラウト充填状態を正確に自動特定するために準備している。
この後、第3の分析処理、及び第4の分析処理の再度の処理で、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)を分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に置き換え、分析用1次時系列GC(1)(t)|i=1~nw+1の代わりに、分析用2次時系列GC(2)(t)|i=1~nw+1を作成する。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1は、次の式22で作成し直している。
なお、分析オペレータの操作によるi=5(WAVE加算)の時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(2)(f,t)nc|i=5(ただし、MEMスペクトル表示、nc=2)を図36(b)に示している。SP加算でも完全充填の形状を示すことになる。
第8の分析処理における第1TB処理(図24のステップS117)は、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが、上述の境界測点n1を用いた測点i=nA~n1(n1≦nB)ごとに、ΔtB1=6μ秒、ΔtB2=12μ秒として、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασ=0.5を下回るとき、時刻tp(1)+ΔtB2のさらなる後方の時刻で測点i=nA~n1の時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが閾値ασを超える時刻をti(ただし、単一点計測の場合、時刻ti=t1)とし、これらの平均値をtAとし、閾値ασを超える時刻tiがない時は第1の分析処理(図22のステップS104)で得る分析用1次反射P波起生時刻tp(1)を用いて、上述の第7の分析処理における第2TA処理と同一の手順によりtA=tM1(1)として、上述の式17、式18、式19、式20、及び式21を用いて分析用2次反射P波起生時刻tp(2)を特定し、式2で起生時刻tpを分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に、シースかぶり厚dsを分析用2次かぶり厚ds(2)に置き換えて、分析用2次かぶり厚ds(2)を求めている。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1は、下記の式14で作成し直している。
一方、n1<nBの場合(図24のステップS118:No)、測点i=n1+1~nBにおけるグラウト充填状態を判定するため、第2TB処理へ移行する。
その後、第3の分析処理、及び第4の分析処理の再度の処理で、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)を分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に置き換え、分析用1次時系列GC(1)(t)|i=1~nw+1の代わりに、分析用2次時系列GC(2)(t)|i=1~nw+1を作成する。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1を、式22で作成し直している。
ただし、第2の処理は、第1の処理における分析用1次反射P波起生時刻tp(1)をtp(1)|大に、分析用1次かぶり厚ds(1)をds(1)|大に、分析用2次反射P波起生時刻tp(2)をtp(2)|大に、分析用2次かぶり厚ds(2)をds(2)|大に、シース反射M1波起生時刻tM1(1)をtM1(1)|大に、分析用2次シース反射M1波起生時刻tM1(2)をtM1(2)|大に置き換える。
ただし、第3の処理は、第1の処理における分析用1次反射P波起生時刻tp(1)をtp(1)|小に、分析用1次かぶり厚ds(1)をds(1)|小に、分析用2次反射P波起生時刻tp(2)をtp(2)|小に、分析用2次かぶり厚ds(2)をds(2)|小に、シース反射M1波起生時刻tM1(1)をtM1(1)|小に、分析用2次シース反射M1波起生時刻tM1(2)をtM1(2)|小に置き換える。
図39(a)では、No.5(=No.1+No.2+No.3+No.4)SP加算による時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i=5を実線で示し、No.5(=No.1+No.2+No.3+No.4)WAVE加算による時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i=5を点線で示している。
オペレータの操作によって、WAVE加算を用いた時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i=nw+1(WAVE加算)でも、式16のグラウト充填状態判定式を用いてグラウト充填状態を分析し、双方の充填状態を図39(a)に示す如く比較し、問題点(4)の存在の有無を確認し、かつSP加算による計測対象シースのグラウト充填状態の分析結果の正当性をオペレータが確認できる。
図22、図23、及び図24の分析の流れに沿う閾値反射P波分析を、多数の計測済みPC橋梁シースの中より選定したシース受信波を用いて具体的に説明する。
次の表3に示す4本のシースは、上述した4つの問題点(1)から(4)のいずれか、または4つの問題点(1)から(4)の組み合わせに対処する分析例である。
分析例1は、上述した4つの問題点(1)から(4)に対処する分析となる。なお、分析例1の計測対象シースは、表層の密なる配筋下、測点i=1と測点i=2との中間位置での削孔等によって、「完全充填」と確認されている。
なお、分析例1では、第1の分析処理において、F3(f)フィルタ関数の中心振動数fsを、図28(b)の視認下でのオペレータの操作によって、fs=80kHzからfs=82kHzに移動させている。
表1によれば、分析例1は、「パターン(1)」であることから、分析用1次かぶり厚ds(1)|大の場合、nA=nB=1と目視されるため、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=1を太線で表示している。
時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=1が、ΔtB1=6μ秒、ΔtB2=12μ秒とする時刻tp(1)|大-ΔtB1から順次増加傾向にあり、時刻tp(1)|大+ΔtB2で閾値ασを超えていると確認できるため、この選択がなされ、第7の分析処理の第1TA処理(図24のステップS114)へ移行する。
また、図29(b)に測点i=1の充填不足を示す時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(2)(f,t)nc|i=1(ただし、MEMスペクトル表示、nc=2)を図示している。
表1によれば、分析例1が「パターン(1)」のため、開始測点nA=2、及び終了測点nB=4である。時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが、ΔtB1=6μ秒、ΔtB2=12μ秒として、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回る測点がi=nA~n1(ただし、nA=2、n1=nB=4)と確認できるため、この選択がなされ、第8の分析処理の第1TB処理(図24のステップS117)へ移行する。
図30(a)によれば、分析用1次かぶり厚ds(1)|小(=230mm)、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|小(=111.8μ秒)、分析用2次かぶり厚ds(2)|小(=221mm)、及び分析用2次反射P波起生時刻tp(2)|小(=107.8μ秒)となっている。
空充判定カーソルt*=tp(2)+*(ただし、分析用2次かぶり厚ds(2)=221mmより、表2で*=18)の時刻で時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i=2,3,4が、空充判定線分α~ σ=ασ+0.06(=0.56)を大きく下回るため、式16のグラウト充填状態判定式に基づいて、自動的に測点i=2,3,4でのグラウト充填状態を「完全充填」と判定して、第8の分析処理の第1TB処理を終了する。
なお、図30(a)、及び図30(b)において、図示を明確にするため、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)、ds(1)、分析用2次反射P波起生時刻tp(2)、及びds(2)は、「|小」の付記を省略している。
分析例2で用いる計測対象シースは、測点i=1の削孔でグラウト充填状態が「未充填(空)」と確認されている。この計測対象シースは、図14、図15、図16、及び図17の順に示したように、シースかぶり厚を同一値とした一連の分析で、測点i=1~4の全てでグラウト充填状態が「未充填(空)」と分析されているシースと同一のシースである。
なお、第1の分析処理において、F3(f)フィルタ関数の中心振動数fsを、オペレータの操作によって、fs=80kHzからfs=100kHzに順次移動させる過程の中で、分析用1次かぶり厚ds(1)|大(分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|大)、分析用1次かぶり厚ds(1)|小(分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|小)を高精度に求めている。
次に、第6の分析処理(ステップS112)で、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=1,2の形状により、特性TAが選択され、かつ境界測点n1=2と特定される。
なお、測点i=1~2の加算平均処理で得た図32(b)の時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i=5をSP加算ではなくWAVE加算で示している。本来、SP加算による時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i=5を用いて、以降の分析を行う手順であるが、以下の理由で、あえてオペレータの操作のもと、WAVE加算の時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i=5を用いて分析を行っている。
なお、図32(b)において、図示を明確にするため、分析用2次反射P波起生時刻tp(2)、及びds(2)は、「|大」の付記を省略している。
なお、図33(b)、及び図34(a)において、図示を明確にするため、tp(1)、ds(1)、tp(2)、ds(2)、tM1(1)、及びtM1(2)では、「|小」の付記を省略している。
分析例3で用いる計測対象シースは、測点i=1の削孔で「完全充填」と確認されている。
図22の第1の分析処理で、オペレータの操作でレーダ計測かぶり厚ds|RCの代わりに削孔かぶり厚ds|削、及び起生時刻tp|削を指標としてF3(f)フィルタ関数による周波数分析、及び時刻フィルタ関数TGC4(t)による時系列処理(図26(a)、及び図26(b)参照)により、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)と対応する分析用1次かぶり厚ds(1)を図35(a)に示すように求めている。かぶり厚がシース長手方向で略同一の「パターン(0)」(図27参照)となっている。
なお、分析例3では、第1の分析処理において、F3(f)フィルタ関数の中心振動数fsを、オペレータの操作によって、fs=80kHzからfs=96kHzに移動させている。
分析例3は、「パターン(0)」のため、表1から開始測点nA=1、及び終了測点nB=4となる。時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが、ΔtB2=12μ秒とする時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回る測点がi=nA~n1(ただし、nA=1、n1=nB=4)と確認できるため、この選択がなされ、第8の分析処理の第1TB処理へ移行する。
分析例4で用いる計測対象シースは、分析用梁モデルであり「未充填(空シース)」と確認されている。
図22の第1の分析処理で、受信波スペクトルF(f)|i=1~nwにF3(f)フィルタ関数を乗じて得る時系列波G(t)|i=1~nw(ただし、nw=4)に、レーダ計測かぶり厚ds|RCを指標とする時刻フィルタ関数TGC4(t)を乗算する処理(図26(a)、図26(b)参照)により、図38(a)の分析用1次反射P波起生時刻tp(1)求め、式2で対応する分析用1次かぶり厚ds(1)を求めている。
なお、分析例4では、第1の分析処理において、F3(f)フィルタ関数の中心振動数fsを、オペレータの操作によって、fs=80kHzからfs=96kHzに移動させている。
測点i=1~4で略同一の分析用1次かぶり厚ds(1)=194mmであり、レーダ計測かぶり厚ds|RC=215mmとの差が21mmとなっている。
対応する分析用2次かぶり厚ds(2)は、式2の起生時刻tpを分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に、シースかぶり厚dsを分析用2次かぶり厚ds(2)に置き換えて求めている。
空充判定カーソルt*=tp(2)+*(ただし、表3で分析用2次かぶり厚ds(2)=198mmより、表2で*=16)の時刻の時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t*)|i=1~5が、空充判定線分α~=ασ+0.06(=0.56)を大きく上回るため、式16のグラウト充填状態判定式に基づいて、自動的に測点i=1~4のグラウト充填状態を「未充填」と判定して、第7の分析処理の第1TA処理を終了する。
グラウト充填状態の判明している幾つかの計測対象シースを用いて、閾値反射P波分析法を詳述した。
多数の既設PC橋梁で収録している極めて多数の計測対象シースから選定したシース反射P波計測の受信波G(t)|i=1~4を用いて、「閾値を用いた反射P波自動化分析」の正当性を、表4、及び表5に示す「完全充填」と判明している計38本の計測対象シースと、表6に示す「未充填(空)」と判明している計15本の計測対象シースとを用いて検証する。
なお、図41において、丸数字の「11」で示した削孔空シースは、表3の分析例2の測点1,2を「未充填(空)」、及び測点3,4を「完全充填」とするシース(図32(a)、図32(b)、図33(a)、図33(b)、図34(a)、及び図34(b)参照)である。
上述の反射P波計測は、探触子外径φ100mm(発信子径、及び受信子径φ78mm)で、発信探触子11aと受信探触子12aとの中心間距離aを200mmとした計測である。計測対象シースからの反射波は、シース反射P波、シース反射M1波、及びシース反射M2波の3種が存在する。
これにより、反射P波を用いる閾値分析法では、中心間距離aを110mm~120mm程度にすべきと判断する。
上述した分析用2次反射P波起生時刻tp(2)及び分析用2次かぶり厚ds(2)、または分析用2次反射P波起生時刻tp(2)|大及び分析用2次かぶり厚ds(2)|大、あるいは分析用2次反射P波起生時刻tp(2)|小及び分析用2次かぶり厚ds(2)|小を用いた反射P波多点計測(i=1~4)の閾値分析結果である図40(b)、及び図41によれば、全測点におけるグラウト充填状態が正確に「完全充填」、「未充填」、または「充填不足」と判定されている。
図22、図23、及び図24の閾値反射P波自動化分析の流れに沿って、AG(f)nGフィルタ関数を用いて、計測対象シースのグラウト充填状態を分析判定する方法である。
上述の「閾値反射P波自動化分析」、及び「閾値反射P波自動化分析事例」では、図14(a)に示す受信波(i=1~nw)と、加算平均波(i=nw+1)とで作成される受信波スペクトルF(f)|i=1~nw+1に、AK(f)フィルタ関数を乗じて得る図14(b)に示すFA(f)|i=1~nw+1を分析用スペクトルとしている。
図45の左図に示すAK(f)フィルタ関数は、図3(a)の振動数f1でのスペクトル、及び振動数f2でのスペクトルのうち、振動数f1=40~50kHzでのスペクトルを除去し、中心振動数f0=20kHzのスペクトルと振動数f2=60~80kHzのスペクトルのうち、80kHz帯域のスペクトルをより多く抽出するフィルタ関数である。このAK(f)フィルタ関数を用いた第2の分析処理で抽出されたスペクトルFA(f)|i=1~nw+1を分析用スペクトルとし、これに対応する時系列GA(t)|i=1~nw+1を分析用時系列としている。
また、指数nGは、分析用スペクトルFA(f)|iの測点iのいずれかが振動数fw~f2 ~の間で最大スペクトル値となるときの値である(f2 ~は図中においてf2の上に“~”を付された符号を表す)。なお、振動数fwは、40kHz-Δfw<fw<40kHz+Δfw(ただし、Δfw=5kHz)の範囲のいずれかの値をオペレータの操作で設定している。
まず、第1の収録処理(ステップS102)、及び第2の収録処理(ステップS103)は、それぞれ上述した処理内容をそのまま用いて、計測対象シースの受信波G(t)|i=1~nwを収録する。
第3の分析処理(ステップS111)は、上述の処理内容をそのまま用いて、第1の分析処理で求めた分析用1次かぶり厚ds(1)の分析用1次反射P波起生時刻tp(1)及びΔth1=6μ秒を用いて作成される時刻フィルタTGC1(t)及びTGC2(t)を、上述の分析用時系列GA(t)|i=1~nw+1に乗じて、分析用切り出し波GB(1)(t)|i=1~nw+1、及び対応するスペクトルFB(1)(f)|i=1~nw+1を求める。
または、時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(1)(t)|i=nA~nBの形状特性が特性TBと特定され、かつ境界測点n1を特定した後(ステップS113:2)、第8の分析処理の第1TB処理、及び第2TB処理へ順次移行する。
第7の分析処理における第1TA処理(ステップS114)は、上述した処理内容をそのまま用いて、分析用2次反射P波起生時刻tp(2)を特定し、第3の分析処理の再度の処理で、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)を分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に置き換えて、分析用切り出し波GB(2)(t)|i=1~nw+1、及び対応するスペクトルFB(2)(f)|i=1~nw+1を作成している。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1を、上述の式14及び上述の式15に基づいて算出されるWAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1、及びSP加算平均波GC~ (2)(t)|i=nw+1の2つに置き換えて、第5の分析処理の再々度の台形窓関数Aの掃引処理で、WAVE加算、及びSP加算の双方の時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t)|i=1~nw+1、及び双方の時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(2)(f,t)nc|i=nw+1(ただし、MEMスペクトル表示、nc=2)を作成し直したのち、オペレータの操作を受け付けて表示部135にそれぞれ表示可能としている。
一方、n1<nBの場合は(ステップS115:No)、測点i=n1+1~nBでのグラウト充填状態を判定するため、第2TA処理へ移行する。
第7の分析処理における第2TA処理(ステップS116)は、上述の処理内容をそのまま用いて分析用2次反射P波起生時刻tp(2)を特定し、第3の分析処理の再度の処理で、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)を分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に置き換えて分析用切り出し波GB(2)(t)|i=1~nw+1、及び対応するスペクトルFB(2)(f)|i=1~nw+1を作成している。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1を、上述の式22及び上述の式23に基づいて算出されるWAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1、及びSP加算平均波GC~ (2)(t)|i=nw+1の2つに置き換えて、第5の分析処理の再々度の台形窓関数Aの掃引処理で、WAVE加算及びSP加算の双方の時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t)|i=1~nw+1、及び双方の時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(2)(f,t)nc|i=nw+1(ただし、MEMスペクトル表示、nc=2)を作成し直したのち、オペレータの操作を受け付けて表示部135にそれぞれ表示可能としている。
(第1TB処理)
第8の分析処理における第1TB処理(ステップS117)は、上述の処理内容をそのまま用いて分析用2次反射P波起生時刻tp(2)を特定し、第3の分析処理の再度の処理で分析用1次反射P波起生時刻tp(1)を分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に置き換えて、分析用切り出し波GB(2)(t)|i=1~nw+1、及び対応するスペクトルFB(2)(f)|i=1~nw+1を作成している。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1を、上述の式14及び上述の式15に基づいて算出されるWAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1、及びSP加算平均波GC~ (2)(t)|i=nw+1の2つに置き換えて、第5の分析処理の再々度の台形窓関数Aの掃引処理で、WAVE加算及びSP加算の双方の時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t)|i=1~nw+1、及び双方の時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(2)(f,t)nc|i=nw+1(ただし、MEMスペクトル表示、nc=2)を作成し直したのち、オペレータの操作を受け付けて表示部135にそれぞれ表示可能としている。
一方、n1<nBの場合は(ステップS118:No)、測点i=n1+1~nBでのグラウト充填状態を判定するため、第2TB処理へ移行する。
第8の分析処理における第2TB処理(ステップS119)は、上述の処理内容をそのまま用いて分析用2次反射P波起生時刻tp(2)を特定し、第3の分析処理の再度の処理で分析用1次反射P波起生時刻tp(1)を分析用2次反射P波起生時刻tp(2)に置き換えて分析用切り出し波GB(2)(t)|i=1~nw+1、及びスペクトルFB(2)(f)|i=1~nw+1を作成している。
そこで、WAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1を、上述の式22及び上述の式23に基づいて算出されるWAVE加算平均波GC(2)(t)|i=nw+1、及びSP加算平均波GC~ (2)(t)|i=nw+1の2つに置き換えて、第5の分析処理の再々度の台形窓関数Aの掃引処理で、WAVE加算、及びSP加算の双方の時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t)|i=1~nw+1、及び双方の時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(2)(f,t)nc|i=nw+1(ただし、MEMスペクトル表示、nc=2)を作成し直したのち、オペレータの操作を受け付けて表示部135にそれぞれ表示可能としている。
シースかぶり厚パターンが、図27に示す「パターン(1)~(4)」、「パターン(1´)~(4´)」となる場合(ステップS106:Yes)、上述の表1の対応パターンの開始測点nA及び終了測点nBを用いて、分析用1次かぶり厚ds(1)|大による第2の処理(ステップS108)、及び分析用1次かぶり厚ds(1)|小による第3の処理(ステップS109)をこの順番で行う。
ただし、単一点計測の場合、第1の処理で分析がなされることにより、第2の処理、及び第3の処理は行われない。
オペレータの操作で、WAVE加算を用いた時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t)|i=nw+1(WAVE加算)でも、グラウト充填状態を表示し、双方の充填状態を比較し、問題点(4)の存在の有無を確認し、かつSP加算による計測対象シースのグラウト充填状態の分析結果の正当性をオペレータが確認できる。
このような分析結果の対比をオペレータの本閾値分析における分析検討能力を向上させる手段として位置付けている。
表3の4つの計測対象シースの分析例で、AK(f)フィルタ関数を用いた場合の処理の流れを多面的に示しているが、AG(f)nGフィルタ関数を用いた場合の分析も同一の処理の流れとなる。
図中の丸数字の「1」で示した細線は、第2の分析処理で自動設定されている振動数fk=(fw+f2 ~)/2を用いた指数nG=2とするAG(f)nGフィルタ関数を、中心間距離a=200mmとする計測対象シース直上計測での受信波スペクトルF(f)|i=1~nw+1に乗じて得た分析用スペクトルFA(f)|i=nw+1に対応する分析用時系列GA(t)|i=nw+1である。
なお、時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(2)(f,t)ncは、全分析時刻tの中で最大スペクトル値を「1.0」に基準化して、nc=2として表示している。
以上のような動作を実現する反射P波閾値分析法に基づいた非破壊検査装置10、及びこれを用いた非破壊検査方法は、グラウト充填状態を効率よく、かつ精度よく非破壊検査することができる。
この発明の入力受付手段及び操作受付手段は、実施形態の操作部134に対応し、
以下同様に、
コンクリート表面は、コンクリート上面4aに対応し、
計測対象シースは、シース管2に対応し、
第1の収録手段、第2の収録手段、第1の分析手段、第2の分析手段、第3の分析手段、第4の分析手段、第5の分析手段、第6の分析手段、第7の分析手段、第8の分析手段、第1の処理手段、第2の処理手段、及び第3の処理手段は、制御部136に対応し、
入力受付工程は、ステップS101に対応し、
第1の収録工程は、ステップS102に対応し、
第2の収録工程は、ステップS103に対応し、
操作受付工程、及び第1の分析工程は、ステップS104に対応し、
第2の分析工程は、ステップS105に対応し、
第1の処理工程は、ステップS107に対応し、
第2の処理工程は、ステップS108に対応し、
第3の処理工程は、ステップS109に対応し、
第3の分析工程、第4の分析工程、及び第5の分析工程は、ステップS111に対応し、
第6の分析工程は、ステップS112に対応し、
第7の分析工程は、ステップS114~ステップS116に対応し、
第8の分析工程は、ステップS117~ステップS119に対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
4a…コンクリート上面
10…非破壊検査装置
11a…発信探触子
12a…受信探触子
13…解析機器
134…操作部
135…表示部
136…制御部
Claims (4)
- 超音波を発信する発信探触子、及び超音波を受信する受信探触子からなる一対の探触子と、少なくとも各種情報を表示する表示部を有して計測対象シースのグラウト充填状態を分析判定する解析機器とを備えた非破壊検査装置であって、
オペレータの操作によるコンクリート縦波音速、2段目シースのかぶり厚、版厚、及び版厚底部コーナーの路程長の入力を受け付ける入力受付手段と、
計測対象シースの断面中心からコンクリート表面への垂線と前記コンクリート表面との交点をとおる前記計測対象シースの長手方向に沿った前記コンクリート表面の仮想線分上において、測点i=1~nwを順に計測する多点計測の場合、測点i=1でのシースかぶり厚と測点i=nwでのシースかぶり厚との平均値を、あるいは測点i=1となる単一点計測の場合、測点i=1でのシースかぶり厚を、レーダ計測かぶり厚ds|RCとして取得して、下式のdsをレーダ計測かぶり厚ds|RCに置き換えてシース反射P波起生時刻tp=tp|RCを取得する第1の収録手段と、
振動数0.0から(fs-Δfs)の間が「0.0」、振動数(fs-Δfs)からfsの間が「0.0から1.0」となるsin形状増加関数、振動数fsから(fs+Δfs)の間が「1.0から0.0」となるsin形状減少関数、振動数(fs+Δfs)以上で「0.0」となる関数をF3フィルタ関数として、
該F3(f)フィルタ関数の中心振動数fsを低振動数または高振動数側へ徐々に移動させるオペレータの操作を受け付ける操作受付手段と、
Δtkをオペレータによって設定される値とし、時刻0.0から(tp|RC-Δtk)の間が「0.0」、時刻(tp|RC-Δtk)で「0.0」となり時刻tp|RCで「1.0」となるsin形状増加関数、時刻tp|RCで「1.0」となり時刻(tp|RC+Δtk)で「0.0」となるsin形状減少関数、時刻(tp|RC+Δtk)以降で「0.0」となる関数を時刻フィルタ関数TGC4(t)として、前記操作受付手段でオペレータの操作を受け付けるたびに、前記中心振動数fsとする前記F3(f)フィルタ関数を前記受信波スペクトルF(f)|i=1~nwに乗じて得たスペクトルをFFT逆変換して得る時系列波に対して、該時系列波のいずれかの測点iの起生時刻を中心時刻とする前記時刻フィルタ関数TGC4(t)を乗じて、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|i=1~nwを取得するとともに、下式のdsを分析用1次かぶり厚ds(1)|iに、下式のtpを前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|iに置き換えて、分析用1次かぶり厚ds(1)|iを取得し、
中心振動数f0を20kHz、振動数fwをオペレータによって設定される50kHz-Δfw<fw<50kHz+Δfw(ただし、Δfw=5kHz)の範囲のいずれかの値、振動数f2を80kHzとして、振動数-10kHzからf0が「0.0から1.0」となるsin形状増加関数、振動数f0からfwが「1.0から0.0」となるsin形状減少関数、振動数fwからf2が「0.0から1.0」となるsin形状増加関数、振動数f2から(f2+30kHz)が「1.0から0.0」となるsin形状減少関数、振動数(f2+30kHz)以上で「0.0」となるAK(f)フィルタ関数を、i=1~nwを受信波、i=nw+1を加算平均波とする受信波スペクトルF(f)|i=1~nw+1に乗じて分析用スペクトルFA(f)|i=1~nw+1を取得し、該分析用スペクトルFA(f)|i=1~nw+1をFFT逆変換して対応する分析用時系列GA(t)|i=1~nw+1を取得する第2の分析手段と、
i=1の単一点計測の場合、またはi=1~nwの多点計測における前記分析用1次かぶり厚ds(1)|iが同一の場合、前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|iをtp(1)とし、前記分析用1次かぶり厚ds(1)|iをds(1)として、第3の分析手段、第4の分析手段、第5の分析手段、第6の分析手段、第7の分析手段、及び第8の分析手段による分析によって、前記計測対象シースのグラウト充填状態を判定する第1の処理手段と、
i=1~nwの多点計測における前記分析用1次かぶり厚ds(1)|iが異なる場合、前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)をtp(1)|大に、前記分析用1次かぶり厚ds(1)をds(1)|大に置き換えた前記第3の分析手段、前記第4の分析手段、前記第5の分析手段、前記第6の分析手段、前記第7の分析手段、及び前記第8の分析手段による分析によって、前記分析用1次かぶり厚ds(1)|大における前記計測対象シースのグラウト充填状態を判定する第2の処理手段と、
該第2の処理手段での判定に引き続いて、前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)をtp(1)|小に、前記分析用1次かぶり厚ds(1)をds(1)|小に置き換えた前記第3の分析手段、前記第4の分析手段、前記第5の分析手段、前記第6の分析手段、前記第7の分析手段、及び前記第8の分析手段による分析によって、前記分析用1次かぶり厚ds(1)|小における前記計測対象シースのグラウト充填状態を判定する第3の処理手段とを備え、
前記第3の分析手段は、
時刻tp(1)+Δth1を基準時刻とする時刻フィルタ関数TGC1(t)、及び時刻tp(1)を基準時刻とする時刻フィルタ関数TGC2(t)を、前記分析用時系列GA(t)|i=1~nw+1に乗じて分析用切り出し波GB(1)(t)|i=1~nw+1を取得し、該分析用切り出し波GB(1)(t)|i=1~nw+1をFFT変換して対応するスペクトルFB(1)(f)|i=1~nw+1を取得する分析手段であり、
前記時刻フィルタ関数TGC1(t)は、
基準時刻th=tp(1)+Δth1として、時刻t=0で「0.0」となり、基準時刻thで「1.0」となるsin形状増加線分、時刻t=基準時刻th以降が「1.0」となるTGCA(t)関数を用いて、(TGCA(t))neで算出される関数であり、
前記時刻フィルタ関数TGC2(t)は、
基準時刻th=tp(1)として、時刻t=0.0から時刻t=thが「1.0」、時刻t=基準時刻thで「1.0」となり、時刻t=400μ秒で「0.0」となるsin形状減少線分、時刻t=400μ秒以降が「0.0」となるTGCB(t)関数を用いて、(TGCB(t))nfで算出される関数であり、
前記第4の分析手段は、
前記スペクトルFB(1)(f)|i=1~nw+1で、iごとに前記振動数fwよりも低振動数側の最大スペクトル値を基準値=1.0としたのち、前記振動数fwよりも高振動数側の最大スペクトル値を閾値ασとする閾値処理で、分析用1次スペクトルFC(1)(f)|i=1~nw+1を取得し、該分析用1次スペクトルFC(1)(f)|i=1~nw+1に対応する分析用1次時系列GC(1)(t)|i=1~nw+1をFFT逆変換で取得する分析手段であり、
前記第5の分析手段は、
台形窓関数Aを時刻t始=tp(1)-Δtp1から時刻t終=tp(1)+Δtp2までΔta間隔で移動させるたびに、前記分析用1次時系列GC(1)(t)|i=1~nw+1に台形窓関数Aを乗じて切り出した時系列に対応するスペクトルを求め、前記振動数fw以下での最大スペクトル値を1.0に基準化して得たスペクトルにおいて、前記振動数fw以上での最大スペクトル値を時刻掃引基準化スペクトル値SPf2として、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=1~nw+1を作成するとともに、前記振動数fw以上、及び前記振動数fw以下での最大スペクトル値を時刻の推移毎に比較して大きい方の最大スペクトル値を1.0に基準化して得た時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(1)(f,t)nc|i=1~nw+1を作成する分析手段であり、
前記台形窓関数Aは、
基準時刻をt始とし、前記分析用1次かぶり厚ds(1)またはds(1)|大あるいはds(1)|小に応じて設定された時間幅を示す値をtaとして、時刻t=0.0からt始-5の間が「0.0」、時刻t=t始-5からt始が「0.0」から「1.0」となるsin形状増加関数、時刻t=t始からt始+taが「1.0」、時刻t=t始+taからt始+ta+5が「1.0」から「0.0」となるsin形状減少関数、時刻t=t始+ta+5以降が「0.0」となる関数であり、
前記第6の分析手段は、
計測対象シースの空隙部分とグラウト充填部分との境界測点をn1として、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル値が、測点i=nA~n1(ただし、境界測点n1≦終了測点nB)において、時刻tp(1)-ΔtB1から時刻tp(1)+ΔtB2の間で増加傾向にあり、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを超えることを確認して前記境界測点n1が特定される特性TA、または時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル値が、測点i=nA~n1(ただし、境界測点n1≦終了測点nB)において、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回ることを確認して前記境界測点n1が特定される特性TBのいずれであるかを特定する分析手段であり、
前記第7の分析手段は、
前記第6の分析手段において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル形状が特性TAと特定された場合、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBに基づいて、第1TA処理手段、及び第2TA処理手段による分析を行い、グラウト充填状態を判定する分析手段であり、
前記第8の分析手段は、
前記第6の分析手段において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル形状が特性TBと特定された場合、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBに基づいて、第1TB処理手段、及び第2TB処理手段による分析を行い、グラウト充填状態を判定する分析手段であり、
前記第7の分析手段の前記第1TA処理手段は、
時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが、測点i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとに時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2の間で増加傾向にあり、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを超えている時、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとに、時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2との間で、閾値ασを超える時刻をtiとし、この平均値をtAとし、または単一点計測の場合、tA=t1として、下式に基づいてΔtAを取得するとともに、
前記第7の分析手段の前記第2TA処理手段は、
n1<nBの場合において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが測点i=n1+1~nBごとに、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回る時、時刻tp(1)+ΔtB2のさらなる時刻後方で、測点i=n1+1~nBの時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが閾値ασを超える時刻をtiとして、下式を満足させる測点iの時刻tiを選定し、該時刻tiの平均値を時刻平均値tAとし、
前記第8の分析手段の前記第1TB処理手段は、
時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが測点i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとに、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回る場合、時刻tp(1)+ΔtB2のさらなる時刻後方で、測点i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとの時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが閾値ασを超える時刻をti(単一点計測の場合、時刻ti=t1)として、下式を満足させる測点iの時刻tiを選定し、該時刻tiの平均値を時刻平均値tAとし、
前記第8の分析手段の前記第2TB処理手段は、
n1<nBの場合において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=n1+1~nBごとに時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2の間で増加傾向にあり、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを超える時、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=n1+1~nBごとに時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2との間で閾値ασを超える時刻をtiとし、測点iごとの時刻tiの平均値である時刻平均値tAを求め、下式に基づいてΔtAを取得するとともに、
非破壊検査装置。 - 前記第2の分析手段は、
前記AK(f)フィルタ関数をAG(f)nGフィルタ関数に置き換えて、測点i=1~nw+1での前記分析用スペクトルFA(f)|i、及び前記分析用時系列GA(t)|iを取得する手段であり、
前記AG(f)nGフィルタ関数は、
(fw+f2 ~)/2(ただし、f2 ~=80kHz)を振動数fkとして、振動数f=0.0で「0.0」となり、振動数fkで「1.0」となるsin形状増加関数、前記振動数fkで「1.0」となり、前記振動数fk×2で「0.0」となるsin形状減少関数、そして前記振動数fk×2以上で「0.0」となる関数であり、
前記AG(f)nGフィルタ関数のnG値は、
前記振動数fwをオペレータの操作によって設定された40kHz-Δfw<fw<40kHz+Δfw(ただし、Δfw=5kHz)の範囲のいずれかの値として、前記分析用スペクトルFA(f)|iが、測点iのいずれかで振動数fw~振動数f2 ~=80kHzの間で最大スペクトル値となるときの値であり、
前記第4の分析手段は、
前記第3の分析手段で取得したスペクトルFB(f)|i=1~nw+1ごとに前記振動数fw以下での最大スペクトル値を1.0に基準化し、前記振動数fw以上での最大スペクトル値を前記閾値ασとする手段であり、
前記第5の分析手段は、
前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=1~nw+1、及び前記時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(1)(f,t)nc|i=1~nw+1の代わりに、それぞれ時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(1)(t)|i=1~nw+1、及び時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(1)(f,t)nc|i=1~nw+1を作成する手段であり、
前記第6の分析手段は、
前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル値が、前記特性TAまたは前記特性TBのいずれであるかを特定し、かつ前記境界測点n1を特定する手段であり、
前記第7の分析手段、及び前記第8の分析手段は、
前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i、及び前記時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(2)(f,t)nc|iの代わりに、それぞれ時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t)|i、及び時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(2)(f,t)nc|iを作成し、前記時刻t*での前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t*)|iに代えて、前記時刻t*での時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t*)|iを求めて、グラウト充填状態を判定する手段である
請求項1に記載の非破壊検査装置。 - 超音波を発信する発信探触子、及び超音波を受信する受信探触子からなる一対の探触子と、少なくとも各種情報を表示する表示部を有して計測対象シースのグラウト充填状態を分析判定する解析機器とを備えた装置を用いた非破壊検査方法であって、
前記解析機器は、
オペレータの操作によるコンクリート縦波音速、2段目シースのかぶり厚、版厚、及び版厚底部コーナーの路程長の入力を受け付ける入力受付工程と、
計測対象シースの断面中心からコンクリート表面への垂線と前記コンクリート表面との交点をとおる前記計測対象シースの長手方向に沿った前記コンクリート表面の仮想線分上において、測点i=1~nwを順に計測する多点計測の場合、測点i=1でのシースかぶり厚と測点i=nwでのシースかぶり厚との平均値を、あるいは測点i=1となる単一点計測の場合、測点i=1でのシースかぶり厚を、レーダ計測かぶり厚ds|RCとして取得して、下式のdsをレーダ計測かぶり厚ds|RCに置き換えてシース反射P波起生時刻tp=tp|RCを取得する第1の収録工程と、
振動数0.0から(fs-Δfs)の間が「0.0」、振動数(fs-Δfs)からfsの間が「0.0から1.0」となるsin形状増加関数、振動数fsから(fs+Δfs)の間が「1.0から0.0」となるsin形状減少関数、振動数(fs+Δfs)以上で「0.0」となる関数をF3フィルタ関数として、該F3(f)フィルタ関数の中心振動数fsを低振動数または高振動数側へ徐々に移動させるオペレータの操作を受け付ける操作受付工程と、
Δtkをオペレータによって設定される値とし、時刻0.0から(tp|RC-Δtk)の間が「0.0」、時刻(tp|RC-Δtk)で「0.0」となり時刻tp|RCで「1.0」となるsin形状増加関数、時刻tp|RCで「1.0」となり時刻(tp|RC+Δtk)で「0.0」となるsin形状減少関数、時刻(tp|RC+Δtk)以降で「0.0」となる関数を時刻フィルタ関数TGC4(t)として、前記操作受付工程でオペレータの操作を受け付けるたびに、前記中心振動数fsとする前記F3(f)フィルタ関数を前記受信波スペクトルF(f)|i=1~nwに乗じて得たスペクトルをFFT逆変換して得る時系列波に対して、該時系列波のいずれかの測点iの起生時刻を中心時刻とする前記時刻フィルタ関数TGC4(t)を乗じて、分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|i=1~nwを取得するとともに、下式のdsを分析用1次かぶり厚ds(1)|iに、下式のtpを前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|iに置き換えて、分析用1次かぶり厚ds(1)|iを取得し、
中心振動数f0を20kHz、振動数fwをオペレータによって設定される50kHz-Δfw<fw<50kHz+Δfw(ただし、Δfw=5kHz)の範囲のいずれかの値、振動数f2を80kHzとして、振動数-10kHzからf0が「0.0から1.0」となるsin形状増加関数、振動数f0からfwが「1.0から0.0」となるsin形状減少関数、振動数fwからf2が「0.0から1.0」となるsin形状増加関数、振動数f2から(f2+30kHz)が「1.0から0.0」となるsin形状減少関数、振動数(f2+30kHz)以上で「0.0」となるAK(f)フィルタ関数を、i=1~nwを受信波、i=nw+1を加算平均波とする受信波スペクトルF(f)|i=1~nw+1に乗じて分析用スペクトルFA(f)|i=1~nw+1を取得し、該分析用スペクトルFA(f)|i=1~nw+1をFFT逆変換して対応する分析用時系列GA(t)|i=1~nw+1を取得する第2の分析工程と、
i=1の単一点計測の場合、またはi=1~nwの多点計測における前記分析用1次かぶり厚ds(1)|iが同一の場合、前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)|iをtp(1)とし、前記分析用1次かぶり厚ds(1)|iをds(1)として、第3の分析工程、第4の分析工程、第5の分析工程、第6の分析工程、第7の分析工程、及び第8の分析工程による分析によって、前記計測対象シースのグラウト充填状態を判定する第1の処理工程と、
i=1~nwの多点計測における前記分析用1次かぶり厚ds(1)|iが異なる場合、前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)をtp(1)|大に、前記分析用1次かぶり厚ds(1)をds(1)|大に置き換えた前記第3の分析工程、前記第4の分析工程、前記第5の分析工程、前記第6の分析工程、前記第7の分析工程、及び前記第8の分析工程による分析によって、前記分析用1次かぶり厚ds(1)|大における前記計測対象シースのグラウト充填状態を判定する第2の処理工程と、
該第2の処理工程での判定に引き続いて、前記分析用1次反射P波起生時刻tp(1)をtp(1)|小に、前記分析用1次かぶり厚ds(1)をds(1)|小に置き換えた前記第3の分析工程、前記第4の分析工程、前記第5の分析工程、前記第6の分析工程、前記第7の分析工程、及び前記第8の分析工程による分析によって、前記分析用1次かぶり厚ds(1)|小における前記計測対象シースのグラウト充填状態を判定する第3の処理工程とを備え、
前記第3の分析工程は、
時刻tp(1)+Δth1を基準時刻とする時刻フィルタ関数TGC1(t)、及び時刻tp(1)を基準時刻とする時刻フィルタ関数TGC2(t)を、前記分析用時系列GA(t)|i=1~nw+1に乗じて分析用切り出し波GB(1)(t)|i=1~nw+1を取得し、該分析用切り出し波GB(1)(t)|i=1~nw+1をFFT変換して対応するスペクトルFB(1)(f)|i=1~nw+1を取得する分析工程であり、
前記時刻フィルタ関数TGC1(t)は、
基準時刻th=tp(1)+Δth1として、時刻t=0で「0.0」となり、基準時刻thで「1.0」となるsin形状増加線分、時刻t=基準時刻th以降が「1.0」となるTGCA(t)関数を用いて、(TGCA(t))neで算出される関数であり、
前記時刻フィルタ関数TGC2(t)は、
基準時刻th=tp(1)として、時刻t=0.0から時刻t=thが「1.0」、時刻t=基準時刻thで「1.0」となり、時刻t=400μ秒で「0.0」となるsin形状減少線分、時刻t=400μ秒以降が「0.0」となるTGCB(t)関数を用いて、(TGCB(t))nfで算出される関数であり、
前記第4の分析工程は、
前記スペクトルFB(1)(f)|i=1~nw+1で、iごとに前記振動数fwよりも低振動数側の最大スペクトル値を基準値=1.0としたのち、前記振動数fwよりも高振動数側の最大スペクトル値を閾値ασとする閾値処理で、分析用1次スペクトルFC(1)(f)|i=1~nw+1を取得し、該分析用1次スペクトルFC(1)(f)|i=1~nw+1に対応する分析用1次時系列GC(1)(t)|i=1~nw+1をFFT逆変換で取得する分析工程であり、
前記第5の分析工程は、
台形窓関数Aを時刻t始=tp(1)-Δtp1から時刻t終=tp(1)+Δtp2までΔta間隔で移動させるたびに、前記分析用1次時系列GC(1)(t)|i=1~nw+1に台形窓関数Aを乗じて切り出した時系列に対応するスペクトルを求め、前記振動数fw以下での最大スペクトル値を1.0に基準化して得たスペクトルにおいて、前記振動数fw以上での最大スペクトル値を時刻掃引基準化スペクトル値SPf2として、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=1~nw+1を作成するとともに、前記振動数fw以上、及び前記振動数fw以下での最大スペクトル値を時刻の推移毎に比較して大きい方の最大スペクトル値を1.0に基準化して得た時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(1)(f,t)nc|i=1~nw+1を作成する分析工程であり、
前記台形窓関数Aは、
基準時刻をt始とし、前記分析用1次かぶり厚ds(1)またはds(1)|大あるいはds(1)|小に応じて設定された時間幅を示す値をtaとして、時刻t=0.0からt始-5の間が「0.0」、時刻t=t始-5からt始が「0.0」から「1.0」となるsin形状増加関数、時刻t=t始からt始+taが「1.0」、時刻t=t始+taからt始+ta+5が「1.0」から「0.0」となるsin形状減少関数、時刻t=t始+ta+5以降が「0.0」となる関数であり、
前記第6の分析工程は、
計測対象シースの空隙部分とグラウト充填部分との境界測点をn1として、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル値が、測点i=nA~n1(ただし、境界測点n1≦終了測点nB)において、時刻tp(1)-ΔtB1から時刻tp(1)+ΔtB2の間で増加傾向にあり、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを超えることを確認して前記境界測点n1が特定される特性TA、または時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル値が、測点i=nA~n1(ただし、境界測点n1≦終了測点nB)において、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回ることを確認して前記境界測点n1が特定される特性TBのいずれであるかを特定する分析工程であり、
前記第7の分析工程は、
前記第6の分析工程において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル形状が特性TAと特定された場合、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBに基づいて、第1TA処理工程、及び第2TA処理工程による分析を行い、グラウト充填状態を判定する分析工程であり、
前記第8の分析工程は、
前記第6の分析工程において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル形状が特性TBと特定された場合、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~nBに基づいて、第1TB処理工程、及び第2TB処理工程による分析を行い、グラウト充填状態を判定する分析工程であり、
前記第7の分析工程の前記第1TA処理工程は、
時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが、測点i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとに時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2の間で増加傾向にあり、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを超えている時、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとに、時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2との間で、閾値ασを超える時刻をtiとし、この平均値をtAとし、または単一点計測の場合、tA=t1として、下式に基づいてΔtAを取得するとともに、
前記第7の分析工程の前記第2TA処理工程は、
n1<nBの場合において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが測点i=n1+1~nBごとに、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回る時、時刻tp(1)+ΔtB2のさらなる時刻後方で、測点i=n1+1~nBの時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが閾値ασを超える時刻をtiとして、下式を満足させる測点iの時刻tiを選定し、該時刻tiの平均値を時刻平均値tAとし、
前記第8の分析工程の前記第1TB処理工程は、
時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが測点i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとに、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを下回る場合、時刻tp(1)+ΔtB2のさらなる時刻後方で、測点i=nA~n1(ただし、n1≦nB)ごとの時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|iが閾値ασを超える時刻をti(単一点計測の場合、時刻ti=t1)として、下式を満足させる測点iの時刻tiを選定し、該時刻tiの平均値を時刻平均値tAとし、
前記第8の分析工程の前記第2TB処理工程は、
n1<nBの場合において、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=n1+1~nBごとに時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2の間で増加傾向にあり、時刻tp(1)+ΔtB2で閾値ασを超える時、時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=n1+1~nBごとに時刻tp(1)-ΔtB1と時刻tp(1)+ΔtB2との間で閾値ασを超える時刻をtiとし、測点iごとの時刻tiの平均値である時刻平均値tAを求め、下式に基づいてΔtAを取得するとともに、
非破壊検査方法。 - 前記第2の分析工程は、
前記AK(f)フィルタ関数をAG(f)nGフィルタ関数に置き換えて、測点i=1~nw+1での前記分析用スペクトルFA(f)|i、及び前記分析用時系列GA(t)|iを取得する工程であり、
前記AG(f)nGフィルタ関数は、
(fw+f2 ~)/2(ただし、f2 ~=80kHz)を振動数fkとして、振動数f=0.0で「0.0」となり、振動数fkで「1.0」となるsin形状増加関数、前記振動数fkで「1.0」となり、前記振動数fk×2で「0.0」となるsin形状減少関数、そして前記振動数fk×2以上で「0.0」となる関数であり、
前記AG(f)nGフィルタ関数のnG値は、
前記振動数fwをオペレータの操作によって設定された40kHz-Δfw<fw<40kHz+Δfw(ただし、Δfw=5kHz)の範囲のいずれかの値として、前記分析用スペクトルFA(f)|iが、測点iのいずれかで振動数fw~振動数f2 ~=80kHzの間で最大スペクトル値となるときの値であり、
前記第4の分析工程は、
前記第3の分析工程で取得したスペクトルFB(f)|i=1~nw+1ごとに前記振動数fw以下での最大スペクトル値を1.0に基準化し、前記振動数fw以上での最大スペクトル値を前記閾値ασとする工程であり、
前記第5の分析工程は、
前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(1)(t)|i=1~nw+1、及び前記時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(1)(f,t)nc|i=1~nw+1の代わりに、それぞれ時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(1)(t)|i=1~nw+1、及び時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(1)(f,t)nc|i=1~nw+1を作成する工程であり、
前記第6の分析工程は、
前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(1)(t)|i=nA~nBのスペクトル値が、前記特性TAまたは前記特性TBのいずれであるかを特定し、かつ前記境界測点n1を特定する工程であり、
前記第7の分析工程、及び前記第8の分析工程は、
前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t)|i、及び前記時刻掃引f0,f2スペクトルSPf2(2)(f,t)nc|iの代わりに、それぞれ時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t)|i、及び時刻掃引f0,(f1~f2)スペクトルSPf1,2(2)(f,t)nc|iを作成し、前記時刻t*での前記時刻掃引基準化スペクトル値SPf2(2)(t*)|iに代えて、前記時刻t*での時刻掃引基準化スペクトル値SPf1,2(2)(t*)|iを求めて、グラウト充填状態を判定する工程である
請求項3に記載の非破壊検査方法。
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