JP2022073699A - タイヤの耐久性能予測方法 - Google Patents

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Abstract

Figure 2022073699000001
【課題】 タイヤの耐久性能を予測すべき部分の応力又は歪を含む物理量を、短時間で計算することが可能な方法を提供する。
【解決手段】 タイヤの耐久性能を予測するための方法である。この方法では、タイヤの転動条件の第1時系列データを入力する工程S1と、第1時系列データから特定される代表転動条件を入力する工程S2と、タイヤモデルを入力する工程S3と、タイヤモデルから特定される第1要素を入力する工程S4とを含む。さらに、コンピュータが、代表転動条件でのタイヤモデルの温度分布を計算する工程S5と、第1要素に作用する応力又は歪を含む物理量を計算する工程S6と、 転動条件と物理量との関係を示す第1関数を取得する工程S7とを実行する。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤの耐久性能予測方法に関する。
下記特許文献1には、タイヤ耐久力性能を予測するための方法が記載されている。この方法では、先ず、所定の走行コースを車両が走行した時に測定した走行速度に関するデータと、車両のタイヤの状態に関するデータとが取得される。そして、これらのデータに基づいて、走行コースにおけるタイヤの損傷度が演算され、この損傷度に基づいて、タイヤの予測走行可能距離が演算される。
特開2008-256442号公報
ところで、上記のような予測には、タイヤから耐久性能を予測すべき部分を特定して、その部分に作用する応力や歪といった物理量を取得することも重要である。これらの物理量は、例えば、タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルを、路面モデルに転動させるシミュレーションによって、疑似的に計算される。
このようなシミュレーションでは、上記の部分だけでなく、タイヤモデルを構成する全ての要素に作用する物理量が、予め定められた微小時間ごとに計算される。このため、その部分での物理量の計算には、多くの時間を要するという問題があった。
本発明は、以上のような実状に鑑み案出されたもので、タイヤの耐久性能を予測すべき部分の応力又は歪を含む物理量を、短時間で計算することが可能な方法を提供することを主たる目的としている。
本発明は、タイヤの耐久性能を予測するための方法であって、路面を転動しているタイヤの転動条件の第1時系列データを、コンピュータに入力する工程と、前記第1時系列データから、予め定められた基準に基づいて特定される代表転動条件を、前記コンピュータに入力する工程と、前記タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルを、前記コンピュータに入力する工程と、前記タイヤモデルから特定される前記耐久性能を予測すべき第1要素を、前記コンピュータに入力する工程とを含み、前記コンピュータが、前記代表転動条件で転動している前記タイヤモデルの温度分布を計算する工程と、前記温度分布を有する前記タイヤモデル、及び、前記第1時系列データから特定される少なくとも一時刻の転動条件に基づいて、前記第1要素に作用する応力又は歪を含む物理量を計算する工程と、前記少なくとも一時刻の転動条件と前記物理量とを用いて、前記転動条件と前記物理量との関係を示す第1関数を取得する工程とを実行することを特徴とする。
本発明に係る前記タイヤの耐久性能予測方法において、前記転動条件は、前記タイヤに作用するx軸方向の力Fx、y軸方向の力Fy、z軸方向の力Fz、キャンバー角CA、内圧P、及び、走行速度Vを含み、前記第1関数は、下記式(1)で定義されてもよい。 物理量=a×Fz+b×Fy+c×Fx+d×CA+e×P+f×V+g …(1)
ここで、
Fz:z軸方向の力
Fy:y軸方向の力
Fx:x軸方向の力
CA:キャンバー角
P:内圧
V:走行速度
a~g:係数
本発明に係る前記タイヤの耐久性能予測方法において、前記コンピュータが、前記第1時系列データを前記第1関数に代入して、前記物理量の時系列データである第2時系列データを取得する工程をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記タイヤの耐久性能予測方法において、前記コンピュータが、前記第1時系列データ及び前記第2時系列データに基づいて、前記第1要素の疲労度合の時系列データである第3時系列データを取得する工程をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記タイヤの耐久性能予測方法において、前記疲労度合は、前記物理量から特定される前記第1要素の疲労寿命Yと、前記第1要素に前記物理量が負荷される回数xとの比x/Yであってもよい。
本発明に係る前記タイヤの耐久性能予測方法において、前記第1時系列データないし前記第3時系列データは、予め定められた転動区間において取得され、前記コンピュータが、前記第3時系列データの合計値に基づいて、前記第1要素が破壊するまでに、前記転動区間を転動可能な回数を計算する工程をさらに含んでもよい。
本発明に係る前記タイヤの耐久性能予測方法において、前記第1時系列データを入力する工程は、前記タイヤが装着される車両をモデリングした車両モデルを、前記コンピュータに入力する工程と、前記車両が走行する路面をモデリングした路面モデルを、前記コンピュータに入力する工程と、前記コンピュータが、前記車両モデルを前記路面モデルに走行させて、前記第1時系列データを取得する工程とを含んでもよい。
本発明に係る前記タイヤの耐久性能予測方法において、前記タイヤモデルは、前記タイヤのトレッド部の内部に配されるベルトプライをモデリングしたベルトプライモデルを含み、前記第1要素は、前記ベルトプライモデルのタイヤ軸方向の外端部分を構成する要素として特定されてもよい。
本発明のタイヤの耐久性能予測方法は、上記の工程を採用することにより、タイヤの耐久性能を予測すべき部分の応力又は歪を含む物理量を、短時間で計算することが可能となる。
タイヤの耐久性能予測方法を実行するためのコンピュータの一例を示す斜視図である。 タイヤの耐久性能予測方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。 第1時系列データ入力工程の処理手順の一例を示すフローチャートである。 車両モデル及び路面モデルの一例を示す概念図である。 第1時系列データ、第2時系列データ及び第3時系列データの一例を示す図である。 タイヤモデル及び路面モデルの一例を示す斜視図である。 タイヤモデルの一例を示す断面図である。 S-N曲線の一例を示すグラフである。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。なお、各図面は、発明の内容の理解を高めるためのものであり、誇張された表示が含まれる他、各図面間において、縮尺等は厳密に一致していない点が予め指摘される。
[タイヤの耐久性能予測方法]
本実施形態のタイヤの耐久性能予測方法(以下、単に「予測方法」ということがある。)では、コンピュータが用いられる。図1は、タイヤの耐久性能予測方法を実行するためのコンピュータ1の一例を示す斜視図である。
[コンピュータ]
本実施形態のコンピュータ1は、例えば、本体1a、キーボード1b、マウス1c及びディスプレイ装置1dを含んで構成されている。本体1aには、例えば、演算処理装置(CPU)、ROM、作業用メモリ、磁気ディスクなどの記憶装置、及び、ディスクドライブ装置1a1、1a2が設けられている。記憶装置には、本実施形態の予測方法を実行するためのソフトウェア等が予め記憶されている。したがって、コンピュータ1は、タイヤの耐久性能予測として構成される。
[タイヤ]
本実施形態の予測方法において、耐久性能が予測されるタイヤは、実在するか否かについては問われない。タイヤは、レース用タイヤ、乗用車用タイヤ、重荷重用タイヤ、及び、エアレスタイヤ等、他のカテゴリーのタイヤであってもよい。本実施形態のタイヤは、公知の構造を有しているが、新たな構造を有するものでもよい。
[第1時系列データ入力工程]
図2は、タイヤの耐久性能予測方法の処理手順の一例を示すフローチャートである。本実施形態の予測方法では、先ず、路面を転動しているタイヤの転動条件の第1時系列データが、コンピュータ1に入力される(第1時系列データ入力工程S1)。本実施形態の第1時系列データには、路面を転動しているタイヤにおいて、予め定められた間隔(時刻の間隔)で取得された複数の転動条件が含まれる。
転動条件とは、路面を転動しているタイヤの状態を特定するためのものである。この転動条件は、適宜設定されうる。本実施形態の転動条件には、タイヤに作用するx軸方向の力Fx、y軸方向の力Fy、z軸方向の力Fz、キャンバー角CA、内圧P、及び、走行速度Vが含まれている。なお、これらの転動条件の一部のみが取得されてもよいし、他の転動条件がさらに取得されてもよい。また、転動条件が取得される間隔は、求められる耐久性能の予測精度等に基づいて、適宜設定されうる。本実施形態の間隔は、0.01~0.1秒に設定されている。
本実施形態において、タイヤに作用する力Fx、Fy及びFz(図4に示す)は、タイヤ軸方向と平行なx軸、タイヤ進行方向と平行なy軸、及び、タイヤ半径方向と平行なz軸に基づいて特定されている。なお、x軸、y軸及びz軸は、このような方向に限定されるわけではない。
本実施形態の第1時系列データは、予め定められた転動区間において取得される。転動区間は、例えば、サーキットコースの1周分や、予め定められた2つの地点間の一般道(高速道路を含む)の往路等として、適宜設定されうる。本実施形態の転動区間は、サーキットコースの1周分で設定される。
第1時系列データ入力工程S1では、特許文献1のように、タイヤが装着された車両を転動区間で走行させ、その転動区間での転動条件が測定されることにより、第1時系列データが取得されてもよい。なお、転動条件の測定には、例えば、特許文献1に記載のセンサー等が用いられうる。
本実施形態の第1時系列データ入力工程S1では、特許文献1とは異なり、コンピュータ1を用いた車両モデルの走行シミュレーションによって、第1時系列データが計算される。図3は、第1時系列データ入力工程S1の処理手順の一例を示すフローチャートである。
[車両モデル入力工程]
本実施形態の第1時系列データ入力工程S1では、先ず、タイヤが装着される車両をモデリングした車両モデルが、コンピュータ1に入力される(工程S11)。図4は、車両モデル2及び路面モデル3の一例を示す概念図である。
車両モデル2は、例えば、特許文献(特開2003-330997号公報)等の従来の手順に基づいて、適宜設定されうる。本実施形態の車両モデル2には、タイヤをモデリングしたタイヤモデル4、ホイールリムをモデリングしたホイールリムモデル5、及び、サスペンションをモデリングしたサスペンションモデル6が含まれている。これらのモデルは、例えば、有限個の要素(図示省略)でモデル化されている。このような車両モデル2は、路面モデル3での走行によって、実際のタイヤに作用する力(転動条件)等を、擬似的に計算することができる。
車両モデル2に設定されるタイヤモデル4は、タイヤの内部に作用する物理量の計算を目的とするものではないため、後述のタイヤモデル11(図7に示す)に比べて、その構造や要素F(i)の一部が省略されるのが望ましい。これにより、第1時系列データ入力工程S1では、車両モデル2(タイヤモデル4)の走行計算が簡略化されるため、転動条件を短時間で求めることが可能となる。車両モデル2は、コンピュータ1に記憶される。
[路面モデル入力工程]
次に、本実施形態の第1時系列データ入力工程S1では、車両が走行する路面をモデリングした路面モデル3が、コンピュータ1に入力される(工程S12)。路面モデル3は、例えば、特許文献(特開2003-330997号公報)等の従来の手順に基づいて、適宜設定されうる。本実施形態の路面モデル3は、転動区間(本例では、サーキットコースの1周分)の始端3aから終端3bまで連続して設定される。これにより、路面モデル3の始端3aから終端3bまでの間を、車両モデル2に走行させることができる。路面モデル3は、コンピュータ1に記憶される。
[第1時系列データ取得工程]
次に、本実施形態の第1時系列データ入力工程S1では、コンピュータ1が、車両モデル2を路面モデル3に走行させて、第1時系列データが取得される(工程S13)。車両モデル2を路面モデル3に走行させる手順については、例えば、特許文献(特開2003-330997号公報)等の従来の手順が採用されうる。このような走行シミュレーションは、例えば、LSTC社製の LS-DYNA などの市販の有限要素解析アプリケーションソフト等が用いられることにより、容易に実行することができる。
工程S13では、路面モデル3(転動区間)の始端3aから終端3bまでの間、車両モデル2の走行が計算される。そして、始端3aから終端3bまでの間において、タイヤモデル4の転動条件(本例では、力Fx、Fy、Fz、キャンバー角CA(図示省略)、内圧P(図示省略)、及び、走行速度V)が、上記の間隔ごとに計算される。これらの転動条件は、例えば、車両モデル2(タイヤモデル4を含む)において、特許文献1に記載のセンサー等が設けられる領域の要素(図示省略)で適宜計算される。
このように、本実施形態では、車両モデル2を路面モデル3に走行させることによって、実際に車両を路面に走行させなくても、第1時系列データを取得することができる。これにより、本実施形態では、評価対象のタイヤの試作等が不要となるため、第1時系列データを短時間かつ低コストで取得することが可能となる。
図5は、第1時系列データD1、第2時系列データD2及び第3時系列データD3の一例を示す図である。図5において、具体的な数値が省略されている。
図5に示されるように、第1時系列データD1では、複数の時刻ごとに、転動条件B(本例では、x軸方向の力Fx、y軸方向の力Fy、z軸方向の力Fz、キャンバー角CA、内圧P、及び、走行速度V)が取得されている。第1時系列データD1は、コンピュータ1に記憶される。
[代表転動条件入力工程]
次に、本実施形態の予測方法では、第1時系列データD1から、予め定められた基準に基づいて特定される代表転動条件Eが、コンピュータ1に入力される(工程S2)。代表転動条件Eは、第1時系列データD1に含まれる複数の転動条件Bに基づいて、適宜特定されうる。本実施形態では、代表転動条件Eとして、第1時系列データD1に含まれる全ての時刻の転動条件Bの平均値が特定される。
本実施形態の代表転動条件Eには、x軸方向の力Fxの平均値、y軸方向の力Fyの平均値、z軸方向の力Fzの平均値、キャンバー角CAの平均値、内圧Pの平均値、及び、走行速度Vの平均値が含まれる。なお、このような態様に限定されるわけではなく、例えば、転動条件Bの中央値が、代表転動条件Eとして特定されてもよい。代表転動条件Eは、コンピュータ1に記憶される。
[タイヤモデル入力工程]
次に、本実施形態の予測方法では、タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルが、コンピュータ1に入力される(工程S3)。図6は、タイヤモデル11及び路面モデル12の一例を示す斜視図である。図7は、タイヤモデル11の一例を示す断面図である。なお、図6では、タイヤモデル11が簡略化して示されており、トレッド部11aのトレッドパターンや、図7に示した要素F(i)などが省略されている。図7では、ベルトプライモデル16A、16Bが色付けられている。
タイヤモデル11は、解析対象のタイヤ(図示省略)をモデリングしたものである。図7に示されるように、タイヤモデル11は、例えば、解析対象のタイヤ(図示省略)が、数値解析法により取り扱い可能な有限個の要素F(i)(i=1、2、…)でモデリング(離散化)されることによって定義されうる。
数値解析法としては、例えば、有限要素法、有限体積法、差分法、又は、境界要素法(本実施形態では、有限要素法)が適宜採用されうる。要素F(i)には、例えば、三次元の4面体ソリッド要素、5面体ソリッド要素、又は、6面体ソリッド要素などが用いられる。各要素F(i)は、複数の節点13を含んで構成されている。各要素F(i)には、要素番号、節点13の番号、節点13の座標値、及び、材料特性(例えば密度、ヤング率、減衰係数、熱伝導率、及び、熱伝達率等)などの数値データが定義される。
本実施形態の工程S3では、例えば、図示されない解析対象のタイヤのトレッドゴム等を含むゴム部分、カーカスプライ、及び、トレッド部の内部に配されるベルトプライが、要素F(i)でそれぞれ離散化(モデリング)される。これにより、タイヤモデル11には、ゴム部材モデル(例えば、トレッドゴムモデルなど)14、カーカスプライモデル15、及び、ベルトプライモデル16A、16Bが設定される。
路面モデル12には、図4に示した路面モデル3が用いられてもよい。本実施形態の路面モデル12は、路面に関する情報に基づいて、路面が、数値解析法(本実施形態では、有限要素法)により取り扱い可能な有限個の要素G(i)(i=1、2、…)を用いて離散化される。
要素G(i)は、変形不能に定義された剛平面要素として定義される。要素G(i)には、複数の節点18が設けられている。さらに、要素G(i)は、要素番号や、節点18の座標値等の数値データが定義される。路面モデル12は、コンピュータ1に入力される。
[第1要素入力工程]
次に、本実施形態の予測方法では、タイヤモデル11から特定される耐久性能を予測すべき第1要素21が、コンピュータ1に入力される(工程S4)。図7に示されるように、第1要素21は、タイヤモデル11を構成する要素F(i)から少なくとも1つ特定される。第1要素21は、例えば、転動中のタイヤが損傷しやすい部分(即ち、耐久性能を予測すべき部分)に配置されている要素F(i)が特定されるのが望ましい。
本実施形態の第1要素21は、ベルトプライモデル16A、16Bのタイヤ軸方向の外端部分を構成する要素F(i)として特定される。このような第1要素21が特定されることにより、BEL耐久性能(即ち、ベルトプライの外端部分の耐損傷性)を予測することが可能となる。本実施形態では、1つの第1要素21が特定されているが、複数の第1要素21が特定されてもよい。第1要素21は、コンピュータ1に記憶される。
[温度分布計算工程]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、代表転動条件E(図5に示す)で転動しているタイヤモデル11の温度分布を計算する(工程S5)。タイヤモデル11の温度分布は、例えば、特許文献(特開2020-131758号公報)等に記載の手順に基づいて、適宜計算されうる。
本実施形態の工程S5では、先ず、図7に示されるように、タイヤのリム(図示省略)をモデリングしたリムモデル17によって、タイヤモデル11のビード部11c、11cが拘束される。そして、図5に示した代表転動条件Eに含まれる内圧Pの平均値に相当する等分布荷重wに基づいて、タイヤモデル11の変形が計算される。
タイヤモデル11の変形計算(後述の温度分布計算を含む)は、各要素F(i)の形状及び材料特性などをもとに、各要素F(i)の質量マトリックス、剛性マトリックス、及び、減衰マトリックスがそれぞれ作成される。さらに、これらの各マトリックスが組み合わされて、全体の系のマトリックスが作成される。そして、前記各種の条件を当てはめて運動方程式が作成され、これらが微小時間(単位時間)T(x)(x=0、1、…)毎に計算される。これにより、タイヤモデル11の変形計算が行われる。このような変形計算には、例えば、上述の有限要素解析アプリケーションソフトが用いられる。微小時間T(x)は、求められるシミュレーション精度に基づいて、適宜設定(例えば、1μ秒)される。
次に、本実施形態の工程S5では、図6に示されるように、内圧充填後のタイヤモデル11が、路面モデル12に接地させられる。次に、本実施形態の工程S5では、図5に示した代表転動条件Eに含まれるx軸方向の力Fxの平均値、y軸方向の力Fyの平均値、z軸方向の力Fzの平均値、及び、キャンバー角CAの平均値に基づいて、タイヤモデル11の変形が計算される。本実施形態において、力Fxの平均値、力Fyの平均値、及び、力Fzの平均値は、タイヤモデル11の回転軸19に設定されている。
本実施形態の工程S5では、タイヤモデル11の静的な接地シミュレーションによって求められる1回転分の各要素F(i)の歪の履歴に基づいて、エネルギーロスが計算される。このような計算は、例えば、特許文献(特開2005-186900号公報)に記載の手順に基づいて実施されうる。
本実施形態の工程S5では、計算された各要素F(i)のエネルギーロスのうち、予め定められた割合のエネルギーロスが、発熱のエネルギーに変換されたものとみなして、各要素F(i)の発熱量が計算される。変換されるエネルギーロスの割合は、例えば、図5に示した代表転動条件Eに含まれる走行速度Vの平均値に基づいて、適宜設定される。このような発熱量の計算は、上記の有限要素解析アプリケーションを用いることによって、容易に計算することができる。
次に、本実施形態の工程S5では、要素F(i)の熱伝導率、タイヤモデル11の外面や内腔面に設定される熱伝達率、及び、外気や路面の温度に基づいて、各要素F(i)の放熱量が計算される。これらの熱伝達率は、例えば、代表転動条件に含まれる走行速度Vの平均値に基づいて適宜設定される。
次に、本実施形態の工程S5では、各要素F(i)の発熱量と、各要素F(i)の放熱量との熱収支が計算される。これにより、工程S5では、代表転動条件で転動しているタイヤモデル11の温度分布(飽和温度分布)が計算されうる。温度分布は、コンピュータ1に記憶される。
[第1要素の物理量計算工程]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、第1要素21(図7に示す)に作用する応力σ又は歪εを含む物理量(以下、単に「物理量」ということがある。)を計算する(工程S6)。本実施形態の物理量は、温度分布を有するタイヤモデル11、及び、図5に示した第1時系列データD1から特定される少なくとも一時刻の転動条件Bに基づいて計算される。
本実施形態では、物理量として応力σが計算されるが、歪εが計算されてもよいし、応力σ及び歪εの双方が計算されてもよい。なお、応力σ及び歪εは、弾性域において、ヤング率を比例定数とする比例関係にあるため、そのヤング率に基づいて、応力σ及び歪εの一方が調整されることにより、応力σ及び歪εの他方に変換することができる。また、物理量の計算に用いられる転動条件Bは、図5に示した第1時系列データD1からランダムに選択されてもよいし、予め定められた条件(例えば、タイヤに作用する力Fx、Fy、Fz、キャンバー角CA、内圧P、走行速度Vについて各3水準とり、それらを組み合わせた条件など)に基づいて選択されてもよい。
本実施形態の工程S6では、図5に示した第1時系列データD1から特定された少なくとも一時刻における転動条件Bに基づいて、温度分布を有するタイヤモデル11(図6に示す)の変形が計算される。本実施形態の変形計算は、温度分布を有するタイヤモデル11の静的な接地シミュレーションとして実施される。これにより、工程S6では、一時刻の転動条件Bで転動中のタイヤモデル11について、第1要素21に作用する物理量が、擬似的に計算されうる。なお、変形計算は、例えば、上述の有限要素解析アプリケーションソフトが用いられる。
本実施形態の工程S6では、後述の第1関数を精度良く求めるために、複数(例えば、18~30個)の時刻の転動条件Bに基づいて、第1要素21に作用する物理量が計算されるのが望ましい。本実施形態では、代表転動条件Eで転動しているタイヤモデル11の温度分布が用いられるため、転動条件Bごとに、温度分布を求める必要がない。このため、第1要素21に作用する物理量を短時間で計算することができる。これらの物理量は、コンピュータ1に記憶される。
[第1関数取得工程]
次に、本実施形態の予測方法は、コンピュータ1が、転動条件と、第1要素21に作用する物理量との関係を示す第1関数を取得する(工程S7)。本実施形態では、少なくとも一時刻の転動条件Bと、その転動条件Bでの第1要素21の物理量とを用いて、第1関数が取得される。
第1関数は、転動条件Bと物理量との関係を示すものであれば、適宜設定されうる。本実施形態の第1関数は、下記式(1)で定義される。
物理量=a×Fz+b×Fy+c×Fx+d×CA+e×P+f×V+g …(1)
ここで、
Fz:z軸方向の力
Fy:y軸方向の力
Fx:x軸方向の力
CA:キャンバー角
P:内圧
V:走行速度
a~g:係数
第1関数では、係数(フィッティングパラメータ)a~gが特定される必要がある。本実施形態の工程S7では、少なくとも一時刻の転動条件B(本例では、x軸方向の力Fx、y軸方向の力Fy、z軸方向の力Fz、キャンバー角CA、内圧P、及び、走行速度V)と、物理量とを用いて、係数a~gがフィッティングされる。本実施形態では、複数の時刻の転動条件と、それらの転動条件での物理量とが用いられるため、係数a~gが精度良くフィッティングされうる。
本実施形態の第1関数は、任意の転動条件B(x軸方向の力Fx、y軸方向の力Fy、z軸方向の力Fz、キャンバー角CA、内圧P、及び、走行速度V)が代入されることにより、その転動条件Bで転動中に作用する第1要素21の物理量を計算できる。したがって、本実施形態の予測方法では、タイヤモデル11を用いたシミュレーション(転動シミュレーションを含む)を実施しなくても、タイヤの耐久性能を予測すべき部分(第1要素21)の物理量を、短時間で計算することが可能となる。
本実施形態のように、物理量が応力σである場合の第1関数は、下記式(2)で定義される。
σ=a1×Fz+b1×Fy+c1×Fx+d1×CA+e1×P+f1×V+g1 …(2)
ここで、変数及び変数は、下記のものを除いて、上記式(1)と同一である。
σ:応力
1~g1:係数
一方、物理量が歪εである場合の第1関数は、下記式(3)で定義される。
ε=a2×Fz+b2×Fy+c2×Fx+d2×CA+e2×P+f2×V+g2 …(3)
ここで、変数及び変数は、下記のものを除いて、上記式(1)と同一である。
ε:歪
2~g2:係数
第1物理量として、応力σ及び歪εの双方が計算される場合、上記式(2)、(3)に基づいて、第1関数がそれぞれ取得されるのが望ましい。第1関数は、コンピュータ1に記憶される。
[第2時系列データ取得工程]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、第1時系列データD1(図5に示す)を第1関数に代入して、第1要素21の物理量の時系列データである第2時系列データD2を取得する(工程S8)。本実施形態では、第1関数に、第1時系列データD1の各時刻の転動条件B(本例では、x軸方向の力Fx、y軸方向の力Fy、z軸方向の力Fz、キャンバー角CA、内圧P、及び、走行速度V)が代入される。これにより、工程S8では、図5に示されるように、各時刻において、第1要素21の物理量がそれぞれ取得される。
このように、本実施形態の予測方法では、第1関数に基づいて、第1時系列データD1から、第1要素21の物理量の系列(時系列データ)である第2時系列データD2が取得されうる。これにより、本実施形態の予測方法では、タイヤモデル11の転動シミュレーションを実施しなくても、図3に示した路面モデル3の始端3aから終端3bまでの転動中に作用する各時刻での第1要素21の物理量が、短時間で計算されうる。第2時系列データD2は、コンピュータ1に記憶される。
[第3時系列データ取得工程]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、第1時系列データD1及び第2時系列データD2に基づいて、第3時系列データを取得する(工程S9)。図5に示されるように、第3時系列データD3は、第1要素21の疲労度合の時系列データである。
疲労度合は、図7に示した第1要素21に対応する部分(本例では、ベルトプライの外端部分)が破壊するまでの疲労の割合を示すものである。本実施形態の疲労度合は、図5に示した第2時系列データD2の一時刻において、物理量から特定される第1要素21の疲労寿命(破壊するまでの負荷回数)Yと、第1要素21に物理量が負荷される回数xとの比x/Yで示される。なお、疲労度合x/Yが「1」の場合に、第1要素21(に対応する部分)が破壊したものとして取り扱われる。
疲労寿命Yは、第1要素21に加えられる応力σと、第1要素21が破壊するまでに物理量の負荷が必要な繰返し回数Nとの関係を示すS-N曲線で特定されうる。なお、物理量が歪εの場合、歪εと繰返し回数Nとの関係を示すε-N曲線によって、疲労寿命が特定されうる。図8は、S-N曲線の一例を示すグラフである。
疲労寿命Yは、第1要素21(図7に示す)に負荷される物理量(本例では、応力σ)に対して、第1要素21(図7に示す)が破壊するまでに負荷可能な繰返し回数Nである。即ち、第1要素21に対応する部分(本例では、ベルトプライの外端部分)に、応力σがN回繰り返し負荷されると、その部分で破壊が生じることを意味している。
S-N曲線(ε-N曲線)は、例えば、従来の方法に基づいて、第1要素21に対応する部分と同一組成からなる試験片(図示省略)を用いて、適宜取得されうる。なお、試験片には、上述のタイヤモデル11の温度分布のうち、第1要素21の温度が設定されているのが望ましい。
本実施形態の工程S9では、先ず、図5に示した第2時系列データD2と、図8に示したSーN曲線とに基づいて、第1要素21に付加された応力σに対応する疲労寿命Y(繰返し回数N)が、時刻ごとに求められる。応力σは、転動条件Bに応じて異なるため、疲労寿命Yも時刻ごとにそれぞれ異なる。
次に、本実施形態の工程S9では、第1時系列データD1(図5に示す)と、温度分布を有するタイヤモデル11(図7に示す)とに基づいて、第1要素21に応力σが負荷される回数xが求められる。このような回数xは、第1時系列データD1の各時刻の転動条件Bに基づいて、温度分布を有するタイヤモデル11の変形がそれぞれ計算される。本実施形態の変形計算は、タイヤモデル11の静的な接地シミュレーションとして実施される。これにより、工程S9では、各時刻において、第1要素21に応力σが負荷される回数xが求められる。このような変形計算は、例えば、上述の有限要素解析アプリケーションソフトが用いられる。
回数xの計算には、疲労寿命Y及び温度Tを変数とし、少なくとも1つの係数(定数)を有する第2関数が用いられてもよい。このような第2関数は、発明者らが、温度Tが一定であれば、疲労寿命Yと回数xとの間に、相関関係があることを知見したことに基づいている。
本実施形態では、第2関数に、上記の静的な接地シミュレーションで求められた少なくとも一時刻(本例では、複数の時刻)の疲労寿命Y、回数x、及び、温度Tにフィッティングさせることによって、第2関数の係数(定数)が容易に特定されうる。このような第2関数は、全ての時刻において、上記の接地シミュレーションを実施しなくても、回数xを短時間で計算することが可能となる。
本実施形態の工程S9では、転動区間の始端から終端までの各時刻において、第1要素21の疲労寿命Y、及び、第1要素21に物理量(本例では、応力σ)が負荷される回数xが求められる。これにより、本実施形態の工程S9では、第1要素21の疲労度合x/Yの時系列データである第3時系列データD3が取得される。第3時系列データD3は、コンピュータ1に記憶される。
[転動可能回数計算工程]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、第3時系列データD3(図5に示す)の合計値に基づいて、第1要素21(図7に示す)が破壊するまでに、転動区間を転動可能な回数を計算する(工程S10)。本実施形態では、先ず、第3時系列データD3を用いて、転動条件に応じて時々刻々と変化する第1要素21の疲労度合x/Yの合計値Σ(x/Y)が計算される。このような合計値Σ(x/Y)は、タイヤモデル11が転動区間(図3に示した路面モデル3の始端3aから終端3b)を転動した後の第1要素21の疲労度合の合計値として求められる。
合計値Σ(x/Y)が「1」の場合に、第1要素21が破壊したものとして判断されうる。このため、合計値Σ(x/Y)の逆数が求められることにより、転動区間を転動可能な回数が計算されうる。このような回数が求められることにより、タイヤの耐久性能を容易に予測することが可能となる。転動可能な回数は、コンピュータ1に記憶される。
[評価工程]
次に、本実施形態の予測方法では、コンピュータ1が、タイヤの耐久性能が良好か否かを判断する(工程S11)。タイヤの耐久性能の評価は、適宜計算されうる。耐久性能の評価は、適宜行われうる。本実施形態では、転動可能回数が、予め定められた目標値を満たす場合に、耐久性能が良好であると判断されうる。なお、目標値は、タイヤに求められる耐久性能や、転動区間等に応じて、適宜設定されうる。
工程S11において、タイヤの耐久性能が良好であると判断された場合(工程S11で、「Y」)、タイヤモデル11の作成に用いられた設計因子(タイヤに関する情報)に基づいて、タイヤが設計及び製造される(工程S12)。
一方、耐久性能が良好ではないと判断された場合(工程S11で「N」)、タイヤの設計因子の少なくとも1つが変更されて(工程S13)、第1時系列データ入力工程S1~工程S11が再度実施される。本実施形態では、第1要素21に対応する部分のS-N曲線(又はε-N曲線)に基づいて、疲労寿命Yが求められているため、予測された耐久性能に対する材料強度の影響等を容易に把握することができる。したがって、本実施形態の予測方法では、設計変更を短時間で行うことが可能となる。
本実施形態の予測方法は、予測された耐久性能が良好と判断されるまで、タイヤの設計因子が変更されるため、耐久性能が良好なタイヤを、確実に設計及び製造することができる。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図2に示した処理手順に基づいて、タイヤの形状(a、b)、及び、構成部材の材料強度(X、Y)の少なくとも1つが互いに異なる4種類のタイヤA~Dについて、耐久性能が予測された(実施例1~4)。
実施例1~3では、先ず、同一の転動区間(サーキットコースα)をモデリングした路面モデルに、車両モデルを走行させて、第1時系列データがそれぞれ取得された。次に、実施例1~3では、第1時系列データから特定された代表転動条件に基づいて、タイヤA~Cをモデリングしたタイヤモデルの温度分布がそれぞれ計算された。
次に、実施例1~3は、温度分布を有するタイヤモデル、及び、第1時系列データから特定される複数の転動条件に基づいて、第1要素に作用する物理量が計算され、転動条件と物理量との関係を示す第1関数がそれぞれ取得された。次に、実施例1~3では、第1時系列データを第1関数に代入して第2時系列データが取得され、さらに、第1要素の疲労度合の第3時系列データが取得された。そして、実施例1~3では、第3時系列データの合計値に基づいて、第1要素が破壊するまでに、転動区間(サーキットコースα)を転動可能な回数(周回数)が求められた。
次に、実施例1~3は、タイヤA~Cを装着した車両を、転動区間(サーキットコースα)に実際に走行させ、第1要素に対応するタイヤ部材が破壊するまでに転動したサーキットコースαでの周回数がそれぞれ取得された。
一方、実施例4では、実施例1~3とは異なる転動区間(サーキットコースβ)をモデリングした路面モデルに、車両モデルを走行させて、第1時系列データが取得された。次に、実施例4では、第1時系列データから特定された代表転動条件に基づいて、タイヤDをモデリングしたタイヤモデルの温度分布がそれぞれ計算された。そして、実施例4では、実施例1~3と同様に、第1要素が破壊するまでに、転動区間(サーキットコースβ)を転動可能な回数(周回数)が求められた。
次に、実施例4では、タイヤAを装着した車両を、転動区間(サーキットコースβ)に実際に走行させ、第1要素に対応するタイヤ部材が破壊するまでに転動したサーキットコースβでの周回数がそれぞれ取得された。共通仕様は、次のとおりであり、テストの結果が表1に示される。
タイヤサイズ:330/710R18(SLICタイヤ)
第1要素:ベルトプライの外端部分に対応する要素
外気温度:15℃
路面温度:30℃
Figure 2022073699000002
テストの結果、実施例1~2では、予測された周回数を、実際の周回数に近似させることができた。一方、実施例3~4は、予測された周回数が「75周」又は「90周」になっているのに対して、実際の周回数が「損傷せず」となっている。これは、実際に使用される周回数が40周程度であり、実車テストでは損傷しなかったことを示している。また、図8に示したS-N曲線において、ある応力値以下になると、寿命が半永久的に延びる領域が存在するが、実施例3~4がその領域に入っており、実車テストでは損傷しなかったことが考えられる。したがって、実施例3~4において、予測された周回数は、実際の周回数に近似するとみなしうる。このように、実施例1~4は、タイヤの耐久性能を高い精度で予測することができた。
実施例1~4では、図7に示したタイヤモデルを転動させる従来の方法に比べて、1%~5%の時間で予測することができた。したがって、実施例1~4は、第1要素の物理量を、短時間で計算することができた。
S1 第1時系列データを入力する工程
S2 代表転動条件を入力する工程
S3 タイヤモデルを入力する工程
S4 第1要素を入力する工程
S5 タイヤモデルの温度分布を計算する工程
S6 第1要素の物理量を計算する工程
S7 第1関数を取得する工程

Claims (8)

  1. タイヤの耐久性能を予測するための方法であって、
    路面を転動しているタイヤの転動条件の第1時系列データを、コンピュータに入力する工程と、
    前記第1時系列データから、予め定められた基準に基づいて特定される代表転動条件を、前記コンピュータに入力する工程と、
    前記タイヤを有限個の要素で離散化したタイヤモデルを、前記コンピュータに入力する工程と、
    前記タイヤモデルから特定される前記耐久性能を予測すべき第1要素を、前記コンピュータに入力する工程とを含み、
    前記コンピュータが、
    前記代表転動条件で転動している前記タイヤモデルの温度分布を計算する工程と、
    前記温度分布を有する前記タイヤモデル、及び、前記第1時系列データから特定される少なくとも一時刻の転動条件に基づいて、前記第1要素に作用する応力又は歪を含む物理量を計算する工程と、
    前記少なくとも一時刻の転動条件と前記物理量とを用いて、前記転動条件と前記物理量との関係を示す第1関数を取得する工程とを実行する、
    タイヤの耐久性能予測方法。
  2. 前記転動条件は、前記タイヤに作用するx軸方向の力Fx、y軸方向の力Fy、z軸方向の力Fz、キャンバー角CA、内圧P、及び、走行速度Vを含み、
    前記第1関数は、下記式(1)で定義される、請求項1に記載のタイヤの耐久性能予測方法。
    物理量=a×Fz+b×Fy+c×Fx+d×CA+e×P+f×V+g …(1)
    ここで、
    Fz:z軸方向の力
    Fy:y軸方向の力
    Fx:x軸方向の力
    CA:キャンバー角
    P:内圧
    V:走行速度
    a~g:係数
  3. 前記コンピュータが、前記第1時系列データを前記第1関数に代入して、前記物理量の時系列データである第2時系列データを取得する工程をさらに含む、請求項1又は2に記載のタイヤの耐久性能予測方法。
  4. 前記コンピュータが、前記第1時系列データ及び前記第2時系列データに基づいて、前記第1要素の疲労度合の時系列データである第3時系列データを取得する工程をさらに含む、請求項3に記載のタイヤの耐久性能予測方法。
  5. 前記疲労度合は、前記物理量から特定される前記第1要素の疲労寿命Yと、前記第1要素に前記物理量が負荷される回数xとの比x/Yである、請求項4に記載のタイヤの耐久性能予測方法。
  6. 前記第1時系列データないし前記第3時系列データは、予め定められた転動区間において取得され、
    前記コンピュータが、前記第3時系列データの合計値に基づいて、前記第1要素が破壊するまでに、前記転動区間を転動可能な回数を計算する工程をさらに含む、請求項4又は5に記載のタイヤの耐久性能予測方法。
  7. 前記第1時系列データを入力する工程は、前記タイヤが装着される車両をモデリングした車両モデルを、前記コンピュータに入力する工程と、
    前記車両が走行する路面をモデリングした路面モデルを、前記コンピュータに入力する工程と、
    前記コンピュータが、前記車両モデルを前記路面モデルに走行させて、前記第1時系列データを取得する工程とを含む、請求項1ないし6のいずれか1項に記載のタイヤの耐久性能予測方法。
  8. 前記タイヤモデルは、前記タイヤのトレッド部の内部に配されるベルトプライをモデリングしたベルトプライモデルを含み、
    前記第1要素は、前記ベルトプライモデルのタイヤ軸方向の外端部分を構成する要素として特定される、請求項1ないし7のいずれか1項に記載のタイヤの耐久性能予測方法。
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