JP2022072763A

JP2022072763A - フィルム包装ティシュー集合包装体及びフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材

Info

Publication number: JP2022072763A
Application number: JP2020182391A
Authority: JP
Inventors: 翔平吉田; Shohei Yoshida; 泰貴大河内; Yasutaka Okochi; 達也南; Tatsuya Minami
Original assignee: Fukusuke Kogyo Co Ltd; Daio Paper Corp
Current assignee: Fukusuke Kogyo Co Ltd; Daio Paper Corp
Priority date: 2020-10-30
Filing date: 2020-10-30
Publication date: 2022-05-17
Also published as: WO2022092259A1; US20240017898A1; EP4201836A1; CN116438122A; TW202231549A

Abstract

【課題】従来の集合包装体と同様の取り扱い及び製造を可能としつつ、バイオマス原料の使用による環境負荷の低減を達成できるフィルム包装ティシュー集合包装体を提供する。
【解決手段】
外装フィルムによって、複数個のフィルム包装ティシューが、天面側に把手部を有するガセット包装されているフィルム包装ティシュー集合包装体であって、前記外装フィルムが、バイオマス原料を１０質量％以下含むバイオマスフィルムであり、ブロッキング度が１２０ｍＮ以下、ＴＤ方向の引張弾性率が３８０～４６０Ｍｐａである、フィルム包装ティシュー集合包装体により解決される。
【選択図】図１

Description

本発明は、ティシュペーパーを折り畳み積み重ねたティシュペーパーの束を柔軟な包装フィルムで包装したフィルム包装ティシューを複数個まとめてガセット包装したフィルム包装ティシュー集合包装体及びそのフィルム包装ティシュー集合包装体用の包装材に関する。

ティシュペーパーの束を樹脂製の柔軟な包装フィルムによって包装したフィルム包装ティシューといわれるティシュペーパー包装体が知られる。このフィルム包装ティシューは、ポケットティシューと称される携帯用に特化したものがよく知られているが、カートン箱と言われる紙製の収納箱に、ティシュペーパーの束が内包されているボックスティシューともいわれるもの（以下、ボックス品ともいう）と同様に、据え置きで使用されたり、ボックス品の束の詰め替え用として使用されるものもある。

このように用いられるフィルム包装ティシューは、ボックス品と同様に五個又は三個等の複数個を、外装フィルムによって纏めた集合包装の製品形体として販売されることが多い。そして、その据え置きで使用されるフィルム包装ティシューの集合包装は、ある程度の嵩となるため、持ち運びしやすいように把手部付きのガセット包装が一般的である。

ところで、従来、集合包装に用いる外装フィルムは、安価であるため石油由来のポリエチレンやポリプロピレンといった汎用樹脂が用いらえている。しかしながら、近年では、世界的な化石燃料の原料価格の上昇や、海洋に流出するプラスチックによる環境汚染の問題が注目され、フィルム素材において「バイオマス原料の配合」や「生分解性」といった、エコロジカルな素材や商品の利用が、製造業者や使用者に求められるようになってきている。

特開２０１８－０５８６００号公報特開２０１８－０５８６５４号公報特許６７２１７７３号

しかしながら、バイオマス原料である植物由来のポリエチレンは、極微量の不純物が含まれるため、同じグレードであっても石油由来ポリエチレンと同等の物性とするのが難しいことが知られている。そして、本発明者らが検討した結果、集合包装体用の外装フィルムを、単に植物由来のポリエチレンに代替して集合包装体を製造した場合、シール温度の上昇によるガセット包装時の操業性悪化、ブロッキング度の上昇によるガセットチューブに開口部形成不良、ヘーズ値上昇による色味悪化といった不都合が生ずることがわかった。

そこで、本発明の主たる課題は、バイオマス原料を用いることで環境負荷の低減を図りつつ従来の集合包装体と同様に取り扱うことができ、さらに同様の操業性で製造できるフィルム包装ティシュー集合包装体と、そのフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材を提供することにある。

上記課題を解決するための手段は次のとおりである。
第一の手段は、
外装フィルムによって、複数個のフィルム包装ティシューが、天面側に把手部を有するガセット包装されているフィルム包装ティシュー集合包装体であって、
前記外装フィルムが、バイオマス原料を１０質量％以下含むバイオマスフィルムであり、ブロッキング度が１２０ｍＮ以下、ＴＤ方向の引張弾性率が３８０～４６０Ｍｐａである、ことを特徴とする、フィルム包装ティシュー集合包装体である。

第二の手段は、
外装フィルムのヘーズ値が、１２％以下である、上記第一の手段に係るフィルム包装ティシュー集合包装体である。

第三の手段は、
外装フィルムは、植物由来ポリエチレンを３～１０質量％含む、直鎖低密度ポリエチレンフィルムである上記第一又は第二の手段に係るフィルム包装ティシュー集合包装体である。

第四の手段は、
複数個のフィルム包装ティシューを、天面側に把手部を有するガセット包装するためのフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材であって、
バイオマス原料を１０質量％以下含むバイオマスフィルムであり、ブロッキング度が１２０ｍＮ以下、ＴＤ方向の引張弾性率が３８０～４６０Ｍｐａである、ことを特徴とする、フィルム包装ティシュー集合包装体用包装材。

第五の手段は、
ヘーズ値が、１２％以下である、上記第四の手段に係るフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材である。

第六の手段は、
植物由来ポリエチレンを３～１０質量％含む、直鎖低密度ポリエチレンフィルムである上記第一又は第二の手段に係るフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材である。

本発明によれば、バイオマス原料が用いられていることで環境負荷の低減が図られ、かつ、従来の集合包装体と同様に取り扱うことができ、さらに同様の操業性で製造することができるフィルム包装ティシュー集合包装体と、そのフィルム包装ティシュー集合包装体用包装袋が提供される。

本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体の斜視図である。本発明に係るフィルム包装ティシューを説明するための斜視図である。本発明に係るフィルム包装ティシューの構造例を説明するための斜視図である。本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材を説明するための斜視図である。本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体の製造方法例及び構造を説明するための斜視図である本発明に係るブロッキング度の測定方法を説明するための図である。本発明に係るヒートシール性を説明するための図である。

以下、本発明を実施形態である図１～図７を参照しながら説明する。なお、本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材については、フィルム包装ティシュー集合包装体の実施形態の説明のなかで適宜に説明する。

本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体（以下、集合包装体ともいう）は、図１に示すように、複数組のティシュペーパーを折り畳み重ねた束３を、柔軟性のある包装フィルム４によって包装したフィルム包装ティシュー１が、複数個、配列されて、天面側に把手部４５を有する外装フィルム１４内に内包するようにガセット包装されているものである。図示の形態の集合包装体１０は、その複数個のフィルム包装ティシュー１が、外装フィルム１４内で妻面４Ａを把手部４５のある天面側と、その天面側に対向する底面側とに向け、長手方向が天底方向に沿うようにして、ガセット包装されているものである。

このような形態においては、フィルム包装ティシュー１の天底方向に直交する方向における配列数は特に限定されないが六列以下であるのが望ましい。また、図示の形態は、天底方向に一段であるが二段であってもよい。さらに、図示はしないが、外装フィルム１４内で上面４Ｃが把手部４５のある天面側に下面が天面側に対向する底面側に向くようにしてフィルム包装ティシュー１が配されていてもよい。このような場合には。一列六段以下であるのがよい。

外装フィルム１４内に内包されるフィルム包装ティシュー１は、例えばポップアップ式の束３をピロー包装やオーバーラップ包装したものであり、図２に示すように、取出口形成部である開封用ミシン目５を有する上面４Ｃと、この上面４Ｃに対面する下面と、上面４Ｃ及び下面の間に位置する妻面４Ａ及び長側面４Ｂとを有する略六面体形状をなすものである。オーバーラップ包装は、キャラメル包装又は合せ包み包装とも称される包装形態であり、特に図３に示すように、被包装物である束３を包装フィルム４で長手方向両端に開口４Ｚが形成されるように筒型に巻き込むようにして包み、その巻き込み方向において重畳する部分４Ｘを融着処理や接着剤によって接着し、さらに束３を越えて延び出る部分４Ｙを、束端面の対向する二つの縁の近傍から、前記束３の端面側に折り込み、その際に形成される略三角形又は略台形の片の少なくとも各先端縁部同士を重ねて融着処理や接着剤によって接着して、筒開口４Ｚを封止して妻面４Ａとする包装態様である。このオーバーラップ包装は、妻面４Ａが包装フィルム４が複数層重ねられたうえで接着されてなるため剛性が高く、潰れがたく略直六面体形状が維持されやすいという利点がある。なお、フィルム包装ティシュー１の外装を構成する柔軟性のある樹脂製の包装フィルム４は、限定されるものではなく、公知の包装フィルムを用いることができる。

フィルム包装ティシュー１内の束３は、複数プライを１組としたティシュペーパーを１００～２４０組でポップアップ式の束としたものである。束３の大きさは、必ずしも限定されないが、２プライのティシュペーパーを１５０組で束としたもので、概ね高さ４０～５０ｍｍ×長手方向（幅）１６０～２００ｍｍ×短手方向（奥行）９０～１１０ｍｍ程度である。なお、この形状に示されるとおり、本発明に係るフィルム包装ティシュー１は、いわゆるポケットティシュー等と称される内包されるティシュペーパーの組数が十～十二組程度で高さが１０ｍｍ程度の携帯用のものとは異なる。

束３を構成する個々のティシュペーパーは、クレープを有する２枚～３枚の薄葉紙が積層されて組とされたプライ構造を有するものであり、このティシュペーパー２は、乾燥されたドライタイプのものである。薬液が含浸されている所謂ウェットタイプのものではない。なお、ドライタイプのティシュペーパーにおいても、グリセリンに代表されるポリオール等の吸湿によって水分を高める保湿成分等の薬液が付与されている薬液付与タイプのものがあるが、このようなティシュペーパーであってもよい。

他方で、本発明に係るガセット包装では、図１に示されるように、天底側の熱融着等による接着部分４１，４２の間にある袋状の空間に被包装物が内包され、特に、正面４６と背面４６との間にマチ部分４３，４３を有する包装形態である。このガゼット包装では、外装フィルム１４は、偏平状態において折り込まれた側部４０Ｅ, ４０Ｅが開かれて形成されるマチ部４３，４３と、このマチ部４３に連接する各面とを有するものとなる。なお、各マチ部４３，４３に連接して、正面４６及び背面４６があるが、正面４６及び背面４６は相対的なものであり、いずれの面を正面とするかは限定されるものではない。

把手部４５は、集合包装体１０の持ち運び性を高めるために、フィルム包装ティシュー１が内包される袋部分との天面側の境となる天面側封止部４１よりさらに天面側に設けた余剰部分として形成されている。図示の形態では、指掛け孔４７が一つ形成されている。このように把手部４５に指掛け孔４７が形成されていると集合包装体の持ち運び性がより高まる。なお、指掛け孔４７は、二つ以上形成されていてもよい。また、指掛け孔４７の形状も特に限定されない。

このガセット包装による集合包装体は、特に図４及び図５に示されるように、筒状のガセット包装フィルムの側部４０Ｅ，４０Ｅを袋内側に折り込みして偏平にしたガセットチューブ４０の天面側となる部分を熱融着して天面側の開口を天面側封止部４１として封止するとともに把手部４５を形成し、その後にこの天面側のみが封止されたガゼット包装袋前駆体の底面側開口４０Ｘを拡開してそこから被包装物であるフィルム包装ティシュー１の集合体１，１…を挿入し、その後に底面側も熱融着等の適宜の封止手段にて封止して下部封止部４２を形成するようにして製造するのが一般的である。但し、本発明に係る集合包装体１０は、図示はしないが、偏平にしたガセットチューブの底面側となる部分を熱融着して底面側の開口を先に封止し、その後にこの底面側のみが封止されたガゼット包装袋前駆体の天面側の開口を拡開してそこから被包装物である集合体を挿入するようにする製造方法、又は一方端を封止することなく、偏平にしたガセットチューブを開いて天面側及び底面側の両端を開口し、その何れかの開口４Ｚから被包装物であるフィルム包装ティシューの集合体を挿入するようにする製造方法など、他の製造方法により製造されるものでもよい。そして、そのような他の製造方法においても利点を有するものである。

さらに、本発明に係る集合包装体の製造方法例について説明すると、ガゼット包装袋前駆体の開口４０Ｘに対してフィルム包装ティシュー１を挿入するにあたっては、フィルム包装ティシュー１を、複数個、妻面４Ａ及び長側面４Ｂが略面一となるように配置して略直六面体形状に配列したフィルム包装ティシューの集合体を形成する。一方で、その集合体の形成同時又はその後に、上記のとおり偏平状態のガセットチューブの正面４６となる面と背面４６となる面とを離間させるようにして開き、内部に被包装物である集合体の収納空間及び開口４０Ｘを形成して、ガゼット包装袋前駆体とする。
その後、集合体を妻面側又は上面側から前記収納空間内に押し込み、封止されていない天面側又は底面側を熱融着により封止して、集合包装体１０とする。図５に示す形態は、妻面４Ａ側から挿入している形態である。なお、上記のとおり熱融着については、天面側又は底面側の一方のみを先に封止した後、集合体を挿入する場合と、集合体と挿入してから天面側又は底面側を同時又は別々に融着して封止する場合がある。また、図示の形態のように、集合体を、妻面４Ａ側から挿入する場合には、集合包装体内に個々のフィルム包装ティシューが崩れないように、挿入に際して集合体を上下面が並ぶ方向から圧縮する圧縮工程を有するようにし、外装フィルム１４によって内包される集合体が拘束されるようにするのが望ましい。

ガセットチューブの状態から集合包装体を形成するまでの一連の工程は、わずかな時間で、かつ、連続的に行われるため、特に、ガセットチューブ４０及び前駆体においてその正面４６となる面と背面４６となる面とを離間させるようにして開く工程においては、ブロッキングが発生しないことが重要である。ブロッキングとは、フィルムの層同士が過度に接着してしまうことであり、このブロッキングが生ずると、開口４０Ｘと収納空間の連続的な形成が困難となる。また、集合包装体１０のガセット包装における、開口を封止するための熱融着の工程では、その熱融着温度が、１２０?１４０℃程度の範囲であり、熱融着時間は、１．５秒～３．０秒程度である。さらに、フィルム包装ティシュー１の集合体を開口から収納空間内に押し込む際に、ガセットチューブ４０の内側面とフィルム包装ティシューとが擦れるため、過度な摩擦やガセットチューブが傷つかないようにする必要がある。なお、ガセット包装袋を構成する包装フィルム１４は、本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材により形成される。よって、ガセットチューブ４０、ガセット包装袋前駆体、これらの素材となるフィルムは、本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材である。

本発明に係る集合包装体１０では、上記のような製造方法上の特有の事情、さらに使用態様のもと課題を解決すべく、その外装フィルム１４及びフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材は、特徴的なものとなっている。なお、以下、外装フィルム１４について説明するが、フィルム包装ティシュー集合包装体用包装材ついても同様である。

本発明に係る外装フィルム１４は、バイオマス原料を１０質量％以下含むバイオマスフィルムである。バイオマス原料を含むバイオマスフィルムは、バイオマス原料を含まない石油由来のフィルムと同物性とすることが難しいが、バイオマス原料の配合割合が、１０質量％を超えなければ、集合包装体１０の外装フィルム１４として十分に使用可能なものとすることができる。さらに、バイオマス原料の使用による環境負荷の低減も達成される。特に、サトウキビ、芋（デンプン）、トウモロコシといった植物原料に由来するバイオマス原料を含むバイオマスフィルムであるのが望ましい。環境負荷においてより利点がある。

さらに、外装フィルム１４は、バイオマス原料である植物由来ポリエチレンを３～１０質量％含む、直鎖低密度ポリエチレンフィルム（ＬＬＤＰＥ）であるのが望ましい。密度は、０．９１０～０．９４０ｇ／ｃｍ³であるのがよい。植物由来ポリエチレンを３～１０質量％含む、直鎖低密度ポリエチレンフィルムであれば、ガセット包装に適する融点１１０～１２０℃にしやすく、さらに、低コストにすることができる。なお、外装フィルムとしては、バイオマス由来のポリエチレンを含むポリプロピレンフィルムであってもよい。但し、植物由来ポリエチレンのほうが入手性に優れる。さらに、外装フィルムは、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ナイロンフィルム、塩化ビニリデンフィルム、エチレンビニルアルコール共重合体の単層フィルム、または、それらのフィルムを含む適宜積層されたラミネートフィルムや、それらのフィルムにアルミ蒸着などの表面処理を施したガスバリアフィルムとしてもよい。

他方で、外装フィルム１４は、ブロッキング度が１２０ｍＮ／１００ｍｍ²以下である。具体的には、外装フィルム１４の内面側同士、つまり、正面４６と背面４６とにおける内面側同士のブロッキング度である。外装フィルム１４のブロッキング度は、１２０ｍＮ以下であれば、ガセット包装における製造時の問題が解決される。下限は限定されず０ｍＮを超えていればよいが、１００ｍＮ程度であれば十分に取り扱いがしやすい。

ここで、本発明に係るガセットチューブは、ある程度のテンションをかけてロール状に巻かれた製品形態をとるため、層間が圧接している。また、製造工程では５０℃程度の環境下に置かれることがある。本発明に係るブロッキング度は、周辺環境温度５０℃、湿度成り行きにおいてフィルム同士を圧接させた際におけるフィルム同士が剥離するために必要な力である。

測定方法は、図６に示すようにして、次にように測定することができる。まず、１００ｍｍ×１００ｍｍの平面６Ａを有する平面板６０Ａ上に、概ね１３５ｍｍ×１３５ｍｍ程度の前記平面６Ａの大きさ（１００ｍｍ×１００ｍｍ）より大きい測定試料１４Ａを載せ、前記測定試料１４Ａと前記平面６Ａとがぴったりと一体となるように前記測定試料１Ａを平面板６０Ａに固定する。固定は、例えば、粘着テープや接着剤によって、測定試料１４Ａを平面板６０Ａの平面以外の部分６０Ｐに接着するようして行うことができる。さらに、平面上の測定試料１４Ａの上に重ねて同じ大きさの測定試料１４Ｂを載せ、さらにその上に１００ｍｍ×１００ｍｍの底面６Ｂを有する平面錘板６０Ｂを載せ、前記測定試料１４Ｂと平面錘板６０の底面とがぴったりと一体となるように前記測定試料１４Ｂを平面錘板６０Ｂに固定する。平面錘板６０Ｂの質量は、ロール状態の圧接を想定した、十分な圧となるように、２０～２５ｋｇとする。この固定も、粘着テープや接着剤によって、測定試料１４Ｂを平面錘板の底面以外の部分に固定するようして行えばよい。そして、この平面板６０Ａと平面錘板６０Ｂとの間に測定試料１４Ａ及び測定試料１４Ｂを挟んだ状態で、５０℃の環境下に放置する。放置時間は３日から４日で十分である。その後に、上記の平面６Ａ及び底面６Ｂが水平となる状態で、測定試料１４Ｂが固定されている前記平面錘板６０Ｂを、前記測定試料１４Ａが固定されている平面６Ａから離間させるようにして、測定試料１４Ａと測定試料１４Ｂとを剥離させる。その際の離間に要した力を測定する。剥離に要した力は０．０５ｇ／秒程度の速度で加える。なお、剥離の際に、底面６Ｂと平面６Ａとの間の特定の部位に力が加わらず均等に加わるようにする。例えば、図示例のように、平面錘板６０Ｂの中央部（重心）に剥離用の治具を取り付ける等して、垂直方向に引き上げるようにする。また、平面板６０Ａと平面錘板６０Ｂとの平面６Ａ及び底面６Ｂのエッジ６０Ｅは角取するのが望ましい。特定部位に剥離の力が加わり難くなる。なお、ガセットチューブは、上記のとおりある程度のテンションをかけてロール状に巻かれた製品形態をとり、また、製造工程では５０℃程度の環境下に置かれることがある。そのロール状態における各間の圧や保管条件は、細かくは異なるが上記測定条件であればガセット包装時におけるガセットチューブを開口させる際の指標とすることができることを発明者らは知見している。

また、このブロッキング度は、下記実施例において示すように、バイオマス原料の配合割合により大きく影響を受けることを本発明者らは知見している。特に、バイオマス原料が１０％を超えるようになると、配合割合とブロッキング度が比例せずにばらつきがあることを知見しており、バイオマス原料の配合割合が１０％を超えると原料の均質性によってブロッキング度が安定しなくなると想定されている。バイオマス原料の配合割合が１０％以下であれば、ガセットチューブを開口させるに十分に安定するブロッキング度１２０ｍＮ以下をきわめて達成しやすい。

他方で、外装フィルム１４は、ＴＤ方向の引張弾性率が３８０～４６０Ｍｐａである。ＴＤ方向の引張弾性率が、この範囲であるとフィルム包装体のガセット包装時に適度な引張弾性率となり、フィルム包装のタイト性が高まる。特にガセット包装では、連続するガセットチューブから個々の集合包装体１０を製造するため、天底方向がＭＤ方向（machine dirrection方向）、マチ部（側面）間の方向がＴＤ方向（transverse dirrection方向）となる。このため、特に、フィルム包装ティシュー１の集合体を、図１に示すように、妻面４Ａが天底方向に向くようにして外装フィルム１４内に収納され、特に、フィルム包装ティシュー１が上下面方向に圧縮されている場合には、外装フィルム１４がＴＤ方向に向かって内面から外方に伸ばされるようになるが、上記範囲であれば、集合包装体１０の好適な形状を十分に維持できる。

さらに、外装フィルム１４は、ＭＤ方向の引張弾性率が２６０～３１０Ｍｐａであるのが望ましい。集合包装体１０では、把手部４５を持った際に外装フィルム１４が天底方向、つまりＭＤ方向に延ばされる。上記範囲であれば、内包されるフィルム包装ティシュー１の数が３～１２個程度の一般的な内包数において、把手部４５をもって運ぶようにしても外装フィルム１４が過度に変形することがない。

なお、上記のＴＤ方向及びＭＤ方向の引張弾性率は、ＪＩＳＫ７１２７「引張特性の試験方法第３部：フィルム及びシートの試験条件」に基づいて測定する。

他方で、外装フィルム１４は、ヘーズ値が、１５．０％以下であるのが望ましく、より好適には１２．０％以下であるのが望ましい。ヘーズ値が、１２．０％以下であれば十分に透明性のあるフィルムとして、内包物を清潔感のあるように視認できるようにしやすい。ここで、本発明者らはバイオマス原料の配合度の上昇に伴い、ヘーズ値が増大することを知見しているが、バイオマス原料の配合割合が１０％以下であれば、上記ヘーズ値にすることができる。なお、ヘーズ値（ＨＡＺＥ）は、ＪＩＳＫ７１３６「プラスチック―透明材料のヘーズの求め方」に基づいて測定する。

他方、外装フィルム１４は、内側面の動摩擦係数が０．０５～０．２０であるのが望ましい。この範囲であればガセットチューブ４０を開口させる際にスムーズに開くことができ、また、集合体を内包させる際にも過度な摩擦が生じず、スムーズに内包されることができる。なお、動摩擦係数は、ＪＩＳＫ７１２５「プラスチック―フィルム及びシート―摩擦係数試験方法」に基づいて測定する。

さらに、外装フィルム１４は、耐電圧が、０．３５以下であるのが望ましい。バイオマス原料を含まない外装フィルムと同様に取り扱うことができる。なお、耐電圧は、帯電防止剤により調整することができる、なお、耐電圧は、ＪＩＳＬ１０８４「織物及び編物の帯電性試験方法」に基づいて測定する。

さらに、外装フィルム１４は、ＴＤ方向の引裂強さが、１０．０Ｎ以上であるのが望ましい。特に、オーバーラップ包装のフィルム包装ティシュー１が、妻面４Ａが天底方向に向かって収納された集合包装体１０では、集合体を収納空間内に挿入する際に、比較的鋭利な妻面四角部４ｔが外装フィルム１４を擦る場合がある。また、天面側に把手部４５を有する外装フィルム１４は、把手部４５を持った際、さらにその後に底側を下にして載置する際などに、ガセット包装袋１４が天底方向に引っ張られ、その際に内包されるフィルム包装ティシュー１と、外装フィルム１４とが擦れることがある。その際、特に妻面四角部４ｔが外装フィルム１４を擦る場合がある。ＴＤ方向の引裂強さが、１０．０Ｎ以上あれば、このような妻面四角部４ｔの擦れがあっても外装フィルム１４が裂けるおそれが各段に小さくなる。なお、引裂強さは、ＪＩＳＫ７１２８－２「プラスッチック―フィルム及びシートの引裂強さ試験方法第２部：エルメンドルフ引裂法」に基づいて測定する。

さらに、ガゼット包装袋を構成する外装フィルム１４の厚さは、柔軟性、包装時における熱融着性に加えて、開封時に容易に開封できる引裂き性、内包されるフィルム包装ティシュー１の特に妻面四角部４ｔに対する耐摩耗性、さらに把手部に設けられた指かけ孔に指を通して持ち運ぶ際に指に過度の負荷がかからない柔軟性等の点から、厚み及びソフトネスは、ＪＩＳＰ８１１８（１９９８）に準拠して測定される厚みが１０～６５μｍ、ＪＩＳＬ１０９６（２０１０）Ｅ法に準じたハンドルオメータ法に基づいて測定されるソフトネスが５．０～５０．０ｃＮであるのが望ましい。

本発明に係るフィルム包装ティシュー集合包装体１０は、上記のとおりフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材により構成される外装フィルム１４を有することで、バイオマス原料による環境負荷の低減を図りながら、従来の集合包装体と同様の取り扱いと、同様の操業性で製造することができる。以下、さらに実施例を示してさらに説明する。

本発明に係る外装フィルムであるフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材（実施例１及び実施例２）と、バイオマス原料の配合割合を増やした外装フィルム（比較例１～３）と、バイオマス原料を含まない石油由来の原料のみの外装フィルム（従来例１）の物性値を測定し、フィルム包装ティシュー集合包装体の外装フィルムに適するか否かを検討した。なお、バイオマス原料は、植物由来のバイオマスポリエチレンであり、外装フィルムは、全てポリエチレンフィルムとした。

表中における物性の測定値は、上記発明の詳細な説明の欄で説明したとおりである。さらに、表中における引張強力は、ＪＩＳＫ７１２７「引張特性の試験方法第３部：フィルム及びシートの試験条件」に基づいて測定し、引張伸度は、ＪＩＳＫ７１２７「引張特性の試験方法第３部：フィルム及びシートの試験条件」に基づいて測定、２％伸長時荷重は、ＪＩＳＫ７１２７「引張特性の試験方法第３部：フィルム及びシートの試験条件」に基づいて測定した。さらに、光沢（６０°）は、ＪＩＳＫ７１０５「プラスッチック光学的特性試験方法」に基づいて測定した。

表に示されるように、バイオマス原料の配合割合が、５％と１０％の実施例１及び実施例２は、ブロッキング度が、石油由来のポリエチレンフィルムの従来例１と同等であるが、バイオマス原料を１５％含む比較例１では、ブロッキング度が急激に上昇し４９１ｍＮとの結果が得られた。さらに、バイオマス原料を２５％の比較例３では、比較例１よりも配合割合が低いもののブロッキング度が、低いとの結果となった。
また、引張強度、引張伸度、２％伸長時荷重、引張弾性率、引裂強さ等の主にフィルムの伸びに関連する物性値において、バイオマス原料の配合割合が１０％までの場合は、バイオマス配合割合０％の石油由来の従来例１と同程度の数値または比例的に変化するが、１５％を超えると比例的な変化がみられずばらつきも大きくなる。
さらに、ヘーズ値、耐電圧、バイオマス配合割合の上昇に比例して数値が悪化する傾向がみられる。熱融着性については、表中の熱傾斜シール強度の欄及び図７に従来例、実施例１～２、比較例３をグラフ化したそのシール強度を示すが、１２０～１４０度の温度範囲であれば、実施例について熱融着が可能であることが示されている。さらに、バイオマス配合割合の上昇とともに、ヒートシール性が悪化する傾向が確認できる。
バイオマス原料の配合割合が１０％以下で、さらにブロッキング度が１２０ｍＮ以下である、本発明に係る集合包装体であれば、バイオマス原料による環境負荷の低減を図りながら、従来の集合包装体と同様の取り扱いと、同様の操業性で製造することができる。

１…フィルム包装ティシュー、３…ティシュペーパーの束、４…包装フィルム、４Ａ…妻面、４Ｂ…長側面、４Ｃ…上面、１０…フィルム包装ティシュー集合包装体、１４…外装フィルム、４ｔ…妻面の四角部分、４Ｘ…包装フィルムの重畳部分、４Ｙ…包装フィルムの延在部分、４Ｚ…包装フィルムの筒開口、５…開封用ミシン目、４０…ガセットチューブ、４０Ｅ…ガセットチューブ形態のガセット包装フィルムの側部、４０Ｘ…ガゼット包装袋前駆体の底面側開口、４１…天面側封止部、４２…底面側封止部、４３…マチ部、４４…天面部、４５…把手部、４６…正面，背面、４７…指かけ孔。

Claims

外装フィルムによって、複数個のフィルム包装ティシューが、天面側に把手部を有するガセット包装されているフィルム包装ティシュー集合包装体であって、
前記外装フィルムが、バイオマス原料を１０質量％以下含むバイオマスフィルムであり、ブロッキング度が１２０ｍＮ以下、ＴＤ方向の引張弾性率が３８０～４６０Ｍｐａである、ことを特徴とする、フィルム包装ティシュー集合包装体。
外装フィルムのヘーズ値が、１２％以下である、請求項１記載のフィルム包装ティシュー集合包装体。
外装フィルムは、植物由来ポリエチレンを３～１０質量％含む、直鎖低密度ポリエチレンフィルムである請求項１又は２記載のフィルム包装ティシュー集合包装体。
複数個のフィルム包装ティシューを、天面側に把手部を有するガセット包装するためのフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材であって、
バイオマス原料を１０質量％以下含むバイオマスフィルムであり、ブロッキング度が１２０ｍＮ以下、ＴＤ方向の引張弾性率が３８０～４６０Ｍｐａである、ことを特徴とする、フィルム包装ティシュー集合包装体用包装材。
ヘーズ値が、１２％以下である、請求項４記載のフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材。
植物由来ポリエチレンを３～１０質量％含む、直鎖低密度ポリエチレンフィルムである請求項４又は５記載のフィルム包装ティシュー集合包装体用包装材。