JP2022072732A - 繊維製品の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】抗菌剤による防臭効果を効率良く付与できる、繊維製品の処理方法の提供。【解決手段】抗菌剤(A)と、有機溶剤(B-1)及び界面活性剤(B-2)からなる群から選ばれる1種以上である可溶化剤(B)と、水とを含有し、抗菌剤(A)の含有量が0.0001~0.1質量%であり、R1-X-[(EO)s/(AO)t]-(EO)u-R2(R1は炭素数8~22の炭化水素基、-X-連結基、R2は水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基、sは3~25、AOはPO又はBO、tは0~6、uは0~20)で表されるノニオン界面活性剤(B-2-2)の含有量が10質量%以下である処理液(X)を、繊維製品に塗布し、30分以上放置した後、水と接触させる加水処理を行う、繊維製品の処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は繊維製品の処理方法に関する。
近年、衣類に防臭効果を付与できる抗菌剤入り衣料用洗剤が関心を集めている。
従来の抗菌剤入り衣料用洗剤は衣類の洗濯時に用いられるもので、抗菌剤入り衣料用洗剤を多量の水で希釈した洗浄液で衣類を洗濯することによって防臭効果を付与する。
充分な防臭効果を付与するためには、希釈前の抗菌剤入り衣料用洗剤における抗菌剤の濃度を高くする必要があり、例えば抗菌剤であるダイクロサンは0.1質量%より多く配合されている(例えば、特許文献1)。
特開2018-39869号公報
抗菌剤は比較的高価であるため、少ない使用量で充分な防臭効果を付与できることが望まれる。
本発明は、抗菌剤による防臭効果を効率良く付与できる、繊維製品の処理方法を提供することを目的とする。
本発明は以下の態様を有する。
[1] 下記処理液(X)を、繊維製品に塗布し、30分以上放置した後、水と接触させる加水処理を行う、繊維製品の処理方法。
処理液(X):
抗菌剤(A)と、
有機溶剤(B-1)及び界面活性剤(B-2)からなる群から選ばれる1種以上である可溶化剤(B)と、
水とを含有し、
前記抗菌剤(A)の含有量が0.0001~0.1質量%である処理液。
(但し、下記式(b-2)で表されるノニオン界面活性剤(B-2-2)の含有量が10質量%以下)
-X-[(EO)s/(AO)t]-(EO)u-R ・・・(b-2)
(式(b-2)において、Rは炭素数8~22の炭化水素基であり、-X-は2価の連結基であり、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基であり、sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。AOはPO(オキシプロピレン基)またはBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方である。tはPOまたはBOの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を示す0~20の数であり、s+uは3~25である。tが1以上である場合、[(EO)s/(AO)t]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基またはオキシエチレン基とオキシブチレン基との配列順に限定はなく、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。)
[2] 前記可溶化剤(B)が、下記アニオン界面活性剤(B-2-1)を含む、[1]の処理方法。
アニオン界面活性剤(B-2-1):
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、アルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、内部オレフィンスルホン酸又はその塩のオレフィン体(IOS)及びヒドロキシ体(HAS)、及びアルカンスルホン酸又はその塩(SAS)からなる群から選ばれる1種以上。
[3] 前記抗菌剤(A)の含有量に対する、前記アニオン界面活性剤(B-2-1)の含有量の質量比を表す、(B-2-1)/(A)が100~8000である、[2]の処理方法。
[4] 前記可溶化剤(B)が、前記アニオン界面活性剤(B-2-1)及び前記有機溶剤(B-1)を含み、前記有機溶剤(B-1)の含有量に対する、前記アニオン界面活性剤(B-2-1)の含有量の質量比を表す、(B-2-1)/(B-1)が0.2~20である、[2]又は[3]の処理方法。
[5] 前記可溶化剤(B)が、前記有機溶剤(B-1)を含み、前記抗菌剤(A)の含有量に対する、前記有機溶剤(B-1)の含有量の質量比を表す、(B-1)/(A)が100~6000である、[1]~[4]のいずれかの処理方法。
[6] 前記可溶化剤(B)が前記有機溶剤(B-1)を含み、前記有機溶剤(B-1)がグリセリンを含む、[1]~[5]のいずれかの処理方法。
[7] 前記抗菌剤(A)がダイクロサンを含む、[1]~[6]のいずれかの処理方法。
[8] 前記加水処理が、すすぎ工程を有する、[1]~[7]のいずれかの処理方法。
[9] 前記加水処理が、前記すすぎ工程の前に、界面活性剤を含む液体洗浄剤(Z)を用いて前記繊維製品を洗浄する洗浄工程を有する、[8]の処理方法。
[10] 前記抗菌剤(A)と、前記可溶化剤(B)を含有し、前記抗菌剤(A)の含有量が0.1質量%より高い処理液(Q)を希釈して前記処理液(X)を調製する、[1]~[9]のいずれかの処理方法。
本発明の処理方法によれば、繊維製品に抗菌剤による防臭効果を効率良く付与できる。
<処理液(X)>
本実施形態の処理方法で用いる処理液(X)は、抗菌剤(A)と可溶化剤(B)と水を含む組成物である。処理液(X)は、そのまま繊維製品に塗布して使用する。
<抗菌剤(A)>
抗菌剤(A)(以下「(A)成分」ともいう。)は、抗菌作用を有し、繊維製品に吸着されることで、繊維製品に防臭効果を付与する。
(A)成分の例としては、下記式(a-1)で表される化合物(以下「化合物(a-1)」ともいう。)、イソプロピルメチルフェノール、パラクロロメタキシレノール等が挙げられる。
処理液(X)に含まれる(A)成分は、1種でもよく2種以上でもよい。
Figure 2022072732000001
式(a-1)において、Xは酸素原子または炭素数1~4のアルキレン基であり、Yは塩素原子又は臭素原子であり、ZはSOH、NO、又は炭素数1~4のアルキル基であり、a、b、cはそれぞれ独立に0又は1~3の整数であり、dは0又は1であり、mは0又は1であり、nは0又は1である。
化合物(a-1)は、Xが酸素原子又はメチレン基であり、aが1である2-ヒドロキシジフェニル化合物が好ましい。
2-ヒドロキシジフェニル化合物の具体例としては、Xが酸素原子またはメチレン基であり、Yが塩素原子又は臭素原子であり、mが0であり、nが0又は1であり、aが1、bが0、1又は2であり、cが0、1又は2であり、かつdが0である化合物が挙げられる。
化合物(a-1)は、下記化合物(a-1-1)~(a-1-4)がより好ましい。
化合物(a-1-1):式(a-1)において、Xが酸素原子、aが1であり、Yが塩素原子、bまたはcの一方が1で他方が0であり、dが0、mが0、nが0であるモノクロロヒドロキシジフェニルエーテル。
化合物(a-1-2):式(a-1)において、Xが酸素原子、aが1であり、Yが塩素原子、bが1、cが1、dが0、mが0、nが0であるジクロロヒドロキシジフェニルエーテル。
化合物(a-1-3):式(a-1)において、Xが酸素原子、aが1であり、Yが塩素原子、bまたはcの一方が1で他方が2であり、dが0、mが0、nが0であるトリクロロヒドロキシジフェニルエーテル。
化合物(a-1-4):式(a-1)において、Xがメチレン基、aが1であり、Yが塩素原子、bが0、cが1、dが0、mが0、nが0であるベンジルクロロフェノール。
化合物(a-1)の好適な具体例として、化合物(a-1-2)である5-クロロ-2-(4-クロロフェノキシ)フェノール(慣用名:ダイクロサン)、化合物(a-1-3)である5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール(慣用名:トリクロサン)、化合物(a-1-4)であるo-ベンジル-p-クロロフェノール(慣用名:クロロフェン)が挙げられる。
(A)成分がダイクロサン又はトリクロサンを含むことが好ましく、ダイクロサンを含むことがより好ましい。
処理液(X)の総質量に対して、(A)成分の含有量は0.0001~0.1質量%であり、0.001~0.1質量%が好ましく、0.01~0.1質量%がより好ましい。上記範囲内であると、本発明の処理方法による防臭効果に優れる。
<可溶化剤(B)>
可溶化剤(B)(以下「(B)成分」ともいう。)は、有機溶剤(B-1)(以下「(B-1)成分」ともいう。)、及び界面活性剤(B-2)(以下「(B-2)成分」ともいう。)からなる群から選ばれる1種以上である。
(A)成分は水に難溶であり、(B)成分は(A)成分を可溶化する。
[有機溶剤(B-1)]
(B-1)成分としては、例えば、糖アルコール、炭素数2~4の1価アルコール、炭素数2~4の多価アルコール、グリコールエーテル系溶剤、ポリオール化合物、メトキシ基を有するアルコール、フェニル基を有するアルコール等が挙げられる。
糖アルコールとしては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、エリスリトール、キシリトール、マンニトール、マルチトール、トレハロース等が挙げられる。
炭素数2~4の1価アルコールとしては、例えば、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、モノエタノールアミンなどが挙げられる。
炭素数2~4の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1、3-ブチレングリコール などが挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤としては、例えば、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(ブチルカルビトール)などが挙げられる。
ポリオール化合物としては、例えばポリエチレングリコール等が挙げられる。
メトキシ基を有するアルコールとしては、例えば、3-メトキシブタノ-ル、3-メトキシ-3-メチルブタノ-ル、3-メトキシ-3-エチルブタノ-ル、3-メトキシ-3-プロピルブタノ-ル、3-メトキシ-2-メチルブタノ-ル、3-メトキシ-2-エチルブタノ-ル、3-メトキシ-2-プロピルブタノ-ル、3-メトキシ-1-メチルブタノ-ル、3-メトキシ-1-エチルブタノ-ル、3-メトキシ-1-プロピルブタノ-ル、3-メトキシブチルアセテート、3-メトキシ-3-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-3-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-2-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-2-プロピルブチルアセテート、3-メトキシ-1-メチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-エチルブチルアセテート、3-メトキシ-1-プロピルブチルアセテートなどが挙げられる。
フェニル基を有するアルコールとしては、フェノキシエタノール、フェノキシイソプロパノールなどが挙げられる。
中でも(B-1)成分の好適な例として、グリセリン、エタノール、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、モノエタノールアミン、フェノキシエタノール等が挙げられる。ポリエチレングリコールの重量平均分子量は200~2000が好ましい。
処理液(X)を繊維製品に塗付して放置している間に揮発しにくい点で、(B-1)成分がグリセリン及びソルビトールの一方又は両方を含むことが好ましく、(B-1)成分が少なくともグリセリンを含むことがより好ましい。
(B)成分が(B-1)成分を含む場合、処理液(X)中の、(A)成分の含有量に対する(B-1)成分の含有量の質量比((B-1)/(A))は100~6000が好ましく、100~5000がより好ましく、100~1000がさらに好ましく、100~800が特に好ましい。上記範囲内であると、本実施形態の処理方法による防臭効果に優れる。
(B)成分がグリセリンを含む場合、処理液(X)の総質量に対してグリセリンの含有量は1~30質量%が好ましく、2~20質量%がより好ましく、3~15質量%がさらに好ましく、5~10質量%が特に好ましい。
[界面活性剤(B-2)]
(B-2)成分としては、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、半極性界面活性剤が挙げられる。
可溶化剤(B)が(B-2)成分を含む場合、処理液(X)の総質量に対して、(B-2)成分の含有量(総活性剤量)は0質量%超、50質量%以下が好ましく、5~30質量%がより好ましく、10~20質量%がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると処理液(X)が液体の状態を維持できる安定性(液安定性)に優れ、上限値以下であるとすすぎ性に優れる。
後述のノニオン界面活性剤(B-2-2)を用いる場合は少量用いることが好ましい。
[アニオン界面活性剤(B-2-1)]
可溶化剤(B)が、下記アニオン界面活性剤(B-2-1)(以下「(B-2-1)成分」ともいう。)を含むことが好ましい。
(B-2-1)成分は、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、アルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、内部オレフィンスルホン酸又はその塩のオレフィン体(IOS)及びヒドロキシ体(HAS)、並びにアルカンスルホン酸又はその塩(SAS)、高級脂肪酸又はその塩からなる群から選ばれる1種以上である。
本実施形態の処理方法において、(B-2-1)成分と(A)成分と併用することで防臭効果が高まる。
(B-2-1)成分として、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩と、LASとを併用すると、処理液(X)の良好な液安定性が得られやすい。特に低温下での処理液(X)の白濁防止効果に優れる。これらを併用する場合、処理液(X)中のLASの含有量に対するポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩の含有量の質量比(ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩/LAS)は1~10が好ましく、3~6がより好ましい。
AOSの炭素数は8~24が好ましい。
ASの炭素数は8~20が好ましい。
LASは、炭素数8~18のアルキル基を有することが好ましい。
IOS及びHASの炭素数はそれぞれ8~24が好ましい。
SASの炭素数は8~20が好ましい。
高級脂肪酸の炭素数は0~20が好ましく、12~18がより好ましい。
これらの塩としては、それぞれナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸の塩としては、下記式(b-1)で表される化合物(以下、「化合物(b-1)」という。)が挙げられる。
-O-[(EO)k/(PO)n]-SO-M ・・・(b-1)
式(b-1)において、Rは炭素数8~20の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基であり、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、kはEOの平均繰り返し数を表し、0以上の数であり、nはPOの平均繰り返し数を表し、0~6の数であり、Mは対カチオンである。
式(b-1)において、Rは、炭素数10~20の直鎖又は分岐鎖のアルキル基が好ましく、炭素数12~14の直鎖又は分岐鎖のアルキル基がより好ましい。
kは0~5が好ましく、0.1~2がより好ましく、0.5~2がさらに好ましく、0.5~1.5が特に好ましい。
nは0~3が好ましく、0がより好ましい。
k+nは0超の数が好ましく、1~5がより好ましい。
nが0でない場合、つまり化合物(b-1)がEOとPOとの両方を有する場合、EOとPOとは、ブロック状に付加されていてもよく、ランダム状に付加されていてもよい。EOとPOとをブロック状に付加する方法としては、例えば、エチレンオキシドを導入した後にプロピレンオキシドを導入する方法、プロピレンオキシドを導入した後にエチレンオキシドを導入する方法が挙げられる。エチレンオキシド及びプロピレンオキシドの付加モル数分布は特に限定されない。
ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸の塩としては、ナトリウム、カリウム等とのアルカリ金属塩、マグネシウム等とのアルカリ土類金属塩等が挙げられる。
化合物(b-1)は、式(b-1)においてk=0かつn=0である化合物(以下、「成分(b0)」ともいう。)を含んでもよい。(b-1)成分の総質量に対して成分(b0)の含有量は35~55質量%が好ましい。
化合物(b-1)は市販品を用いてもよいし、公知の合成方法で製造してもよい。公知の合成方法で製造する場合、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルに、無水硫酸を反応させるか、クロルスルホン酸を反応させる方法により化合物(b-1)を製造することができる。
(B)成分が(B-2)成分を含む場合、(B-2)成分が(B-2-1)成分を含むことが好ましい。処理液(X)中の、(B-2)成分の合計の含有量(総活性剤量)に対して、(B-2-1)成分が占める割合は50質量%以上が好ましく、70質量%以上がより好ましく、80質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。
(B)成分が(B-2-1)成分を含む場合、処理液(X)の総質量に対して、(B-2-1)成分の含有量は、1~40質量%が好ましく、3~20質量%がより好ましく、5~15質量%がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると処理液(X)の均一性に優れ、上限値以下であると液安定性に優れる。
(B-2-1)成分は、(A)成分の可溶化剤であるとともに、繊維製品の汚れを洗浄する界面活性剤でもある。処理対象の繊維製品が汚れを有する場合、(B-2-1)成分の含有量が上記範囲内であると汚れ由来のニオイの防臭効果に優れる。
(B)成分が(B-2-1)成分を含む場合、処理液(X)中の、(A)成分の含有量に対する、(B-2-1)成分の含有量の質量比((B-2-1)/(A))は100~8000が好ましく、100~1000がより好ましく、150~1000がさらに好ましい。上記範囲内であると、本実施形態の処理方法による防臭効果に優れる。
(B)成分が(B-1)成分と(B-2-1)成分を含む場合、処理液(X)中の、(B-1)成分の含有量に対する、(B-2-1)成分の含有量の質量比((B-2-1)/(B-1))は0.2~20が好ましく、0.5~10がより好ましく、0.8~3がさらに好ましく、0.8~2が特に好ましい。
上記範囲の下限値以上であると処理液(X)の均一性に優れ、上限値以下であると処理液(X)の外観安定性に優れる。
[ノニオン界面活性剤(B-2-2)]
ノニオン界面活性剤(B-2-2)(以下「(B-2-2)成分」ともいう。)は、下記式(b-2)で表される化合物である。
-X-[(EO)s/(AO)t]-(EO)u-R ・・・(b-2)
式(b-2)において、Rは炭素数8~22の炭化水素基であり、-X-は2価の連結基であり、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。
EOはオキシエチレン基であり、sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。
AOはPO(オキシプロピレン基)またはBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方である。tはPOまたはBOの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を示す0~20の数であり、s+uは3~25である。
tが1以上である場合、[(EO)s/(AO)t]において、EOとAOとの配列順に限定はなく、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。
式(b-2)において、Rの炭素数は8~22であり、10~18が好ましく、12~18がより好ましい。Rである炭化水素基は、直鎖であっても分岐鎖であってもよい。また、不飽和結合を有していてもよいし、有していなくてもよい。Rは直鎖アルキル基であることが好ましい。
-X-としては、-O-、-COO-、-CONH-等が挙げられる。Xが結合するRの炭素原子は、第一級炭素原子でも第二級炭素原子でもよい。
がアルキル基の場合、炭素数は1~6であり、1~3が好ましい。Rがアルケニル基の場合、炭素数は2~6であり、2~3が好ましい。
sは3~25であり、5~20が好ましく、5~18がより好ましく、7~18がさらに好ましい。EOの平均繰り返し数sが25以下であれば、HLB値が高くなりすぎず、皮脂洗浄に有利となるため、洗浄機能をより発揮しやすい。
tは0~6であり、0~3が好ましい。tが6以下であれば、処理液(X)の高温下での保存安定性がより高まる。
uは0~20であり、0~15が好ましく、0~10がより好ましい。
s+u、すなわち総EO平均付加モル数は3~25であり、7~25が好ましく、10~20がより好ましい。
式(b-2)で表され、-X-が-O-である化合物は、第一級アルコール又は第二級アルコール(R-OH)に、エチレンオキシド又はエチレンオキシド及びプロピレンオキシドを付加することにより得ることができる。
式(b-2)で表され、-X-が-COO-である化合物は、脂肪酸(R-COOH)を原料として得ることができる。また、-X-が-CONH-である化合物は、脂肪酸アミド(R-CONH)を原料として得ることができる。
(B-2-2)成分は、(A)成分の可溶化剤であるとともに、皮脂の洗浄力に優れ、皮脂由来のニオイの防臭に寄与する界面活性剤でもある。一方で、処理液(X)を繊維製品に塗布して放置したときに、(A)成分の防臭効果を低下させるおそれがある。
したがって、(B)成分は(B-2-2)成分を含まないか、又は含む場合は少量であることが好ましい。具体的に、処理液(X)の総質量に対して、(B-2-2)成分の含有量は10質量%以下であり、7質量%以下が好ましく、5質量%以下がより好ましく、3質量%以下がさらに好ましく、2質量%以下が特に好ましく、1質量%以下が最も好ましい。ゼロでもよい。
処理液(X)中の、(A)成分の含有量に対する(B-2-2)成分の含有量の質量比((B-2-2)/(A))は0~600が好ましく、0~350がより好ましく、0~250がさらに好ましく、0~150が特に好ましい。上記範囲内であると、本実施形態の処理方法による防臭効果に優れる。
(B)成分が(B-2-1)成分及び(B-2-2)成分を含む場合、処理液(X)中の、(B-2-2)成分の含有量に対する、(B-2-1)成分の含有量の質量比((B-2-1)/(B-2-2))は0.1~6が好ましく、0.3~3がより好ましく、0.5~3がさらに好ましい。
上記範囲内であると、本実施形態の処理方法による良好な防臭効果が得られやすい。
<水>
処理液(X)は水を含む。処理液(X)の総質量に対して、水の含有量は40~90質量%が好ましく、50~85質量%がより好ましく、60~80質量%がさらに好ましい。
上記範囲の下限値以上であると濡れ拡がり性がよく、上限値以下であると処理液の調整が容易となる。
なお、処理液(X)に含まれる全ての成分の含有量の合計が、100質量%となるものとする。
<任意成分>
処理液(X)は、本発明の効果を損なわない範囲で、(A)成分、(B)成分及び水以外の任意成分を含んでもよい。
任意成分としては、繊維製品用の液体洗浄剤の分野で公知の成分が挙げられる。
例えば、消泡剤、金属イオン捕捉剤(キレート剤)、酵素、(A)成分以外の抗菌剤、pH調整剤、酸化防止剤、防腐剤、ソイルリリース剤、分散剤、着香剤、着色剤、蛍光剤、風合い向上剤、移染防止剤、再汚染防止剤、パール剤、乳濁化剤、エキス等が挙げられる。
消泡剤としては、例えばシリコーン、アルコールのプロピレンオキシド付加物(ノニオン界面活性剤(B-2-2)を除く)、脂肪酸エステル等が挙げられる。1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
シリコーンとしては、例えばジメチルシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン等のシリコーンが挙げられる。これらのシリコーンとしては、例えば、オイル型、オイルコンパウンド型、溶液型、エマルション型、自己乳化型等が挙げられる。
処理液(X)がシリコーンを含む場合、処理液(X)の総質量に対して、シリコーンの含有量は0.001~20質量%が好ましい。
アルコールのプロピレンオキシド付加物(ノニオン界面活性剤(B-2-2)を除く)としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘプタノール、オクタノール等のモノアルコールにプロピレンオキシドを付加させたもの;エタンジオール等のジオール、グリセリン等のトリオール、エリスリトール等のテトラオール、ソルビトール等のヘキサオール等の多価アルコールにプロピレンオキシドを付加させたもの等が挙げられる。アルコールのプロピレンオキシド付加物の重量平均分子量は、2500~5500が好ましく、3000~5000がより好ましい。本明細書において重量平均分子量は、ポリプロピレングリコール(重量平均分子量:800、1,200、2,000、4,000)を標準としたGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で得られる分子量分布より求められる。処理液(X)の総質量に対して0.1~10質量%が好ましい。
脂肪酸エステルとしては、例えば、下記一般式(I)で表されるものが挙げられる。
21-COO-Y21 ・・・(I)
式中、X21は、炭素数5~21の分岐鎖状アルキル基又は炭素数5~21の直鎖状アルキル基である。X21が直鎖状アルキル基である場合、式(I)中のカルボニル基の炭素原子に結合する炭素原子は第2級炭素原子である。Y21は、炭素数3~16のアルキル基又は-(R31O)m11-R32である。R31は、炭素数2~4のアルキレン基である。m11はR31Oの平均繰り返し数を示し1~5である。R32は、炭素数1~16のアルキル基、フェニル基又はベンジル基である。脂肪酸エステルとして具体的には、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル(別称:イソオクチル酸2-エチルヘキシル、2H08)等が挙げられる。
処理液(X)が脂肪酸エステルを含む場合、処理液(X)の総質量に対して、脂肪酸エステルの含有量は0.01~5質量%が好ましい。
金属イオン捕捉剤(キレート剤)としては、例えば酢酸、アジピン酸、グリコール酸、ジグリコール酸、モノクロル酢酸、オキシジコハク酸、カルボキシメチルオキシコハク酸、乳酸、酒石酸、シュウ酸、リンゴ酸、グルコン酸、カルボキシメチルコハク酸、カルボキシメチル酒石酸等の酸又はその塩のカルボン酸類;エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)、トリエチレンテトラ酢酸(TTHA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、1,3-プロパン-2-ジアミン四酢酸(PDTA)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸(HEDTA)、ヒドロキシエチルイミノジ酢酸(HIDA)、ヒドロキシイミノジコハク酸(HIDS)、ニトリロトリ酢酸(NTA)、ジエチレントリアミンペンタ酢酸(DTPA)、プロピレンジアミンテトラ酢酸、トリエチレンテトラアミンヘキサ酢酸、エチレングリコールジエーテルジアミンテトラ酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオン酸、シクロヘキサン-1,2-ジアミンテトラ酢酸、イミノジコハク酸、アスパラギン酸ジ酢酸、β-アラニンジ酢酸、ヒドロキシイミノジコハク酸等の酸又はその塩のアミノカルボン酸類;1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸(HEDP)、N,N,N’,N’-テトラキス(ホスホノメチル)エチレンジアミン(EDTMP)等の酸又はその塩 の有機ホスホン酸類などが挙げられる。 キレート剤の塩の形態としては、例えばナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどが挙げられる。これらのキレート剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。処理液(X)の総質量に対して0.001~10質量%が好ましい。
酵素としては、例えばプロテアーゼ、アミラーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、マンナナーゼなどが挙げられる。ここで、「酵素」とは、酵素製剤のことを意味する。
プロテアーゼとしては、プロテアーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる、Progress Uno(登録商標)100L、Medley(登録商標) Core210L、Savinase(登録商標)16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Savinase Evity 16L、Everlase(登録商標) 16L TypeEX、Everlase 16L、Everlase Ultra 16L、Esperase(登録商標) 8L、Alcalase(登録商標) 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase(登録商標) 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase(登録商標) 48L(いずれも商品名)、ジェネンコア社から入手できるPurafect(登録商標) L、Purafect OX、Properase L(いずれも商品名)などが挙げられる。
アミラーゼとしては、アミラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる、Termamyl(登録商標) 300L、Termamyl Ultra 300L、Duramyl(登録商標) 300L、Stainzyme(登録商標) 12L、Stainzyme Plus 12L、Amplify 12L(登録商標)、Amplify Prime 100L、Medley(登録商標) Core210L(いずれも商品名)、ジェネンコア社から入手できる、Maxamyl(商品名)、天野製薬株式会社から入手できるプルラナーゼアマノ(商品名)、生化学工業株式会社から入手できるDB-250(商品名)などが挙げられる。
リパーゼとしては、リパーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できるLipex(登録商標) 100L、Lipex Evity 100L、Lipolase(登録商標) 100L(いずれも商品名)などが挙げられる。
セルラーゼとしては、セルラーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できる、Endolase(登録商標) 5000L、Celluzyme(登録商標) 0.4L、Carzyme(登録商標) 4500L(いずれも商品名)等が挙げられる。
マンナナーゼとしては、マンナナーゼ製剤としてノボザイムズ社から入手できるMannaway(登録商標) 4L(商品名)などが挙げられる。
プロテアーゼとしては、上記の中でも、Savinase 16L、Savinase Ultra 16L、Savinase Ultra 16XL、Savinase Evity 16L、Everlase 16L、Everlase Ultra 16L、Alcalase 2.5L、Alcalase Ultra 2.5L、Liquanase 2.5L、Liquanase Ultra 2.5L、Liquanase Ultra 2.5XL、Coronase 48L、Progress Unoが好ましく、Alcalase 2.5L、Everlase 16L、Savinase 16L、Savinase Evity 16L、Coronase 48L、Pro gress Unoが特に好ましい。
これらの酵素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。処理液(X)の総質量に対して0.01~10質量%が好ましい。
(A)成分以外の抗菌剤としては、例えば、四級アンモニウム塩(塩化ベンザルコニウム、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩)等の陽イオン殺菌剤、ビス-(2-ピリジルチオ-1-オキシド)亜鉛、ポリヘキサメチレンビグアニジン塩酸塩、8-オキシキノリン、ポリリジンなどが挙げられる。これらの抗菌剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。処理液(X)の総質量に対して0.001~10質量%が好ましい。
pH調整剤としては、塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等が挙げられる。これらの中でも、液安定性の観点から、硫酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましく、硫酸、水酸化ナトリウムが好ましい。
処理液(X)に含まれるpH調整剤は、1種でもよく、2種以上でもよい。
酸化防止剤としては、BHT(ジブチルヒドロキシトルエン)、BHA(ブチルヒドロキシアニソール)、ビタミンE(トコフェロール)、エリソルビン酸ナトリウム、メトキシフェノール、二酸化硫黄、コーヒー豆抽出物(クロロゲン酸)、緑茶抽出物(カテキン)、ローズマリー抽出物等が挙げられる。酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。処理液(X)の総質量に対して0.01~3質量%が好ましい。
防腐剤としては、ダウ・ケミカル社製「ケーソンCG」(商品名)、ソー・ジャパン社製「アクチサイドMBS」(商品名)、クラリアント社製「NIPACIDE BIT 20」(商品名)等が挙げられる。防腐剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。処理液(X)の総質量に対して0.001~1質量%が好ましい。
ソイルリリース剤としては、アルキレンテレフタレート単位及びアルキレンイソフタレート単位からなる群より選択される少なくとも一種の繰り返し単位、並びにオキシアルキレン単位を有するポリマーが挙げられる。このようなポリマーとしては、例えば国際公開第2017/142012号に記載されているものが挙げられる。SR剤の市販品としては、例えばクラリアント社製の商品名「TexCare SRN -170」などが挙げられる。
また、ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体等の高分子(P)が挙げられる。ポリアルキレンアミンのアルキレンオキシド付加体としては、下記式(p)で表される側鎖をアルキレンアミン主鎖及びアルキレンアミン主鎖の窒素原子に結合したものが挙げられる。
-(EO)a(PO)b ・・・式(p)
式(p)中、EOはオキシエチレン基であり、POはオキシプロピレン基であり、aはEOの平均繰り返し数を表す3~60の数であり、bはPOの平均繰り返し数を表す0~60の数である。このような高分子(P)としては、例えば国際公開第2017/142012号や特表2017-514967号公報に記載されているものが挙げられる。高分子(P)としては、例えばBASF社製の商品名「Sokalan HP20」などが挙げられる。
また、特開2019-90057に記載されているカチオン化セルロースが挙げられる。処理液(X)の総質量に対して0.1~20質量%が好ましい。
分散剤としては、例えばポリアクリル酸及びその塩、ポリメタクリル酸及びその塩、高分子ポリカルボン酸またはそれらの塩等が挙げられる。処理液(X)の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
着香剤としては、香料原料単体、又は、香料原料と香料用溶剤と香料安定化剤等とからなる香料組成物を含むものが挙げられ、液体洗浄剤組成物に通常用いられる香料を配合することができる。また、カプセル香料を配合しても良い。処理液(X)の総質量に対して0.01~5質量%が好ましい。
着色剤としては、キノン系色素、トリフェニルメタン系色素、キサンテン系色素、キノリン系色素、ピレン系色素等が挙げられる。本明細書において、「C.I.」は、カラーインデックスの略である。
各色素の構造は「法定色素ハンドブック」(日本化粧品工業連絡会編)、染料便覧(有機合成化学協会編)に記載されている。
キノン系色素としては、例えばC.I.Solvent Blue 63(C.I.ソルベント ブルー 63、青色403号)、C.I.Solvent Violet 13(C.I.ソルベント バイオレット 13、紫色201号)、C.I.Acid Green 25(C.I.アシッド グリーン 25、緑色201号)、C.I.Acid Blue 112、C.I.Solvent Green 3(緑色202号)、C.I.Vat Blue 6(C.I.バット ブルー 6、青色204号)、C.I.Solvent Blue 11、C.I.Solvent Blue 12、C.I.Solvent Blue 36、C.I.Acid Violet 43(紫色401号)、C.I.Acid Blue 41、C.I.Acid Blue 62、C.I.Acid Blue 78、C.I.Direct Green 28(C.I.ダイレクト グリーン 28)、C.I.Acid Violet 34、C.I.Acid Vioret 41、C.I.Acid Vioret 51、C.I.Acid Blue 23、C.I.Acid Blue 25、C.I.Acid Blue 27、C.I.Acid Blue 40、C.I.Acid Blue 43、C.I.Acid Blue 45、C.I.Acid Blue 80、C.I.Acid Blue 126、C.I.Acid Blue 127、C.I.Acid Blue 129、C.I.Acid Blue 138、C.I.Acid Blue 143、C.I.Acid Blue 182、C.I.Acid Blue 183、C.I.Acid Blue 203、C.I.Acid Blue 204、C.I.Acid Blue 205、C.I.Acid Green 36、C.I.Acid Green 40、C.I.Acid Green 41、C.I.Acid Green 44、C.I.Acid Brown 27(C.I.アシッド ブラウン 27)、C.I.Acid Black 48(C.I.アシッド ブラック 48)、C.I.Acid Black 50、C.I.Disperse Red 9(C.I.ディスパース レッド 9)、C.I.Solvent Violet 14、C.I.Disperse Violet 1、C.I.Acid Green 27等が挙げられる。また、上記のなかでSolvent系(油溶性)色素に対して、発色団の構造の末端にポリエチレングリコールやポリプロピレングリコールなどの水溶性高分子を化学的に修飾して水溶性を増すようにしたものでもよい。具体的には、ミリケン社製のLiquitint Blue HP、Liquitint Blue BL、Liquitint Blue MC等の商品名が挙げられる。
トリフェニルメタン系色素としては、例えば緑色3号(C.I.42053)等が挙げられる。
キサンテン系色素としては、例えば赤色106号(C.I.Acid Red 52)、赤色3号(C.I.Acid Red 51)、赤色214号(C.I.Solvent Red 49)、赤色215号(C.I.Solvent Red 49)、赤色218号(C.I.Solvent Red 48)、赤色223号(C.I.Solvent Red 43)、だいだい色201号(C.I.Solvent Red 72)、だいだい色206号(C.I.Solvent Red 73)、赤色104号の(1)(C.I.Acid Red 92)、赤色105号の(1)(C.I.Acid Red 94)、赤色213号(C.I.Basic Violet 10)、赤色230号の(1)(C.I.Acid Red 87)、赤色230号の(2)(C.I.Acid Red 87)、赤色231号(C.I.Acid Red 92)、赤色232号(C.I.Acid Red 94)、だいだい色207号(C.I.Acid Red 95)、黄色201号(C.I.Acid Yellow 73)、黄色202号の(1)(C.I.Acid Yellow 73)、黄色202号の(2)(C.I.Acid Yellow 73)、赤色401号(C.I.Acid Violet 9)が挙げられる。 ここで「C.I.」とは、「カラーインデックス」の略である。
キノリン系色素としては、例えば黄色203号(C.I.Acid Yellow 3)、黄色204号(C.I.Solvent Yellow 33)が挙げられる。
ピレン系色素としては、例えば緑色204号(C.I.Solvent Green 7)が挙げられる。
処理液(X)の総質量に対して0.1~100質量ppmが好ましい。
蛍光剤としては、4,4’-ビス(2-スルホスチリル)ビフェニ ルジナトリウム塩などのビフェニル型の蛍光剤、4,4’-ビス((4-アミノ-6-モルホリノ-1,3,5-トリアジニル-2)アミノ)スチルベン-2,2’-ジスルホン酸塩などのスチルベン型の蛍光剤が挙げられる。これらの蛍光剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上が組み合わされて用いてもよい。処理液(X)の総質量に対して0.01~10質量%が好ましい。
処理液(X)の総質量に対して、任意成分の合計の含有量は8質量%以下が好ましく、6質量%以下がより好ましく、5質量%以下がさらに好ましく、3質量%以下が特に好ましい。
<pH>
処理液(X)の25℃におけるpHは5~9が好ましく、5.5~8.5がより好ましく、6~8がさらに好ましい。上記範囲内であると、液安定性に優れる。
本明細書におけるpHは、測定対象を25℃とし、pHメーター(製品名:HM-30G、東亜ディーケーケー社製)により測定される値を意味する。
<粘度>
処理液(X)の20℃における粘度(V20)は、1~200mPa・sが好ましく、3~150mPa・sがより好ましく、5~100mPa・sがさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると繊維製品へのとどまりがよく、上限値以下であると濡れ拡がり性がよい。
また、粘度(V20)に対する、処理液(X)の5℃における粘度(V)の比率(V/V20)は、1~4が好ましく、1~3がより好ましく、1~2がさらに好ましい。
本明細書における粘度は、測定対象を20℃又は5℃とし、B型(ブルックフィールド型)粘度計を用いて測定される値を意味する。
<繊維製品の処理方法>
本実施形態の繊維製品の処理方法(防臭方法)は、処理液(X)を、処理対象の繊維製品(被処理物)に塗布し(塗布工程)、30分以上放置(放置工程)した後、加水処理を行う方法である。
繊維製品(被処理物)は、抗菌作用による防臭効果を付与したい繊維製品であればよく、汚れを有していてもよく、新品又は洗濯を終えたものでもよい。
処理液(X)はニオイが気になる部位やニオイが発生しやすい部位に塗布することが好ましい。繊維製品の全体に塗布してもよい。
繊維製品としては、例えば衣料、布巾、シーツ、カーテン、枕カバーなどが挙げられる。繊維製品の素材は特に限定されず、綿、絹、羊毛等の天然繊維、ポリエステル、ポリアミド等の化学繊維等のいずれでもよい。
(塗布工程)
処理液(X)を繊維製品に塗布する際は、処理液(X)の濃度を保った状態で繊維製品と接触させることが好ましい。そのために、繊維製品を水に浸漬させることなく、処理液(X)を塗布することが好ましい。
処理液(X)の塗布量は、対繊維重量で50%o.w.f.(繊維製品の単位重量当たりに塗布した液体洗浄剤(X)の量)以上が好ましく、より好ましくは80%o.w.f.以上であり、さらに好ましくは100%o.w.f.以上である。塗布量の上限値については特に制限されないが、例えば対繊維重量で1000%o.w.f.以下となる量が好ましい。上記下限値以下であるとムラづきが生じ、防臭性能を発揮しにくい場合がある。
処理液(X)を繊維製品に塗布する方法は特に制限されない。例えば、処理液(X)を繊維製品にふりかけてもよく、直塗りしてもよい。
塗布工程において、繊維製品(被処理物)に処理液(X)を塗布するとともに、(A)成分を含まない処理液(Y)をさらに塗布してもよい。
処理液(Y)は、処理液(X)中の(A)成分の繊維製品への吸着を妨げないものであればよく、特に限定されない。
処理液(Y)として、例えば、(A)成分を含まず、(B-2-2)成分以外の界面活性剤から選ばれる1種以上と、水とを含む処理液が挙げられる。処理液(Y)は、さらに前記任意成分を含有してもよい。
(放置工程)
処理液(X)を繊維製品に塗布した後、塗布された処理液(X)を新たに水と接触させることなく放置する。放置中に処理液(X)中の水が揮発して濃縮され、(A)成分の濃度は初期濃度よりも高くなる。
放置中に、処理液(X)を塗布した部位をもみ洗い又はこすり洗いするなど、水と接触させずに外力を加えてもよい。
処理液(X)を繊維製品に塗布した後、水と接触するまでの放置時間は30分以上であり、1時間以上が好ましく、2時間以上がより好ましく、6時間以上がさらに好ましい。放置時間の上限値は特に制限されないが、例えば168時間(1週間)以下が好ましい。放置時間が上記下限値以上であると抗菌作用による防臭効果に優れる。
放置終了時、すなわち水と接触する直前において、繊維製品に塗布された処理液(X)中の水の含有量は40質量%以下が好ましく、20質量%以下がより好ましく、10質量%以下がさらに好ましい。
なお、放置前後の繊維製品の重さを測定し、その差(減少量)を蒸発した水分量とみなして、放置終了時の処理液(X)中の水の含有量を求めることができる。
塗布後の放置時の環境については特に制限されないが、温度は5~40℃が好ましく、10~35℃がより好ましく、15~30℃がさらに好ましい。相対湿度は90%以下が好ましく、70%以下がより好ましく、50%以下がより好ましい。相対湿度の下限値については特に制限されないが、例えば湿度は15%以上が好ましい。
放置場所についても特に制限されず、例えば、洗濯槽内、洗濯カゴ内、洗面器内など、いずれの場所でもよいが、洗濯カゴのような湿度がこもらない場所がより好ましい。
(加水処理)
加水処理は、放置工程を終えた繊維製品を水と接触させる操作を含む処理である。
繊維製品の、少なくとも処理液(X)が塗布された部分に水が浸透するように水を接触させることが好ましい。繊維製品全体に水が浸透するように水を接触させることがより好ましい。
加水処理は、すすぎ工程を有することが好ましい。すすぎ工程の前に洗浄工程を有してもよい。
すすぎ工程は放置工程後の繊維製品を、水ですすぐ工程である。例えば、繊維製品を水に浸してもよく、流水で流してもよい。すすぎ工程において、繊維製品に攪拌等の機械力をかけてもよい。
洗浄工程は、界面活性剤を含む液体洗浄剤(Z)及び水を用いて、放置工程後の繊維製品を洗浄(洗濯)する工程である。
洗浄工程は、液体洗浄剤(Z)を含む洗浄液中で、好ましくは繊維製品に外力を加えて、繊維製品の汚れを洗浄液中に移行させた後、脱水等を行って、繊維製品を洗浄液から分離することが好ましい。洗浄工程後に前記すすぎ工程を行うことが好ましい。
洗浄工程において、繊維製品に外力を加える方法は、例えば洗濯機により機械力を加える方法でもよく、もみ洗い、押し洗い、たたき洗い、つかみ洗い、つまみ洗い、又は振り洗い等の手洗いによる方法でもよい。
洗浄工程で用いる液体洗浄剤(Z)は、界面活性剤を含むものであれば特に制限されず、公知の繊維製品用の洗浄剤を用いることができる。液体洗浄剤(Z)は処理液(X)と組成が異なることが好ましい。液体洗浄剤(Z)は市販品でもよい。
加水処理後、必要に応じて脱水、乾燥等を行い、繊維製品から水分を除去することにより、防臭効果が付与された(防臭処理された)繊維製品が得られる。
<処理液(X)の製造方法>
処理液(X)は、(A)成分と(B)成分と水と、必要に応じた任意成分を、(A)成分の含有量が0.0001~0.1質量%である所定の組成となるように混合する方法で製造できる。
または、(A)成分と(B)成分を含有し、(A)成分の含有量が0.1質量%より高い処理液(Q)を希釈して処理液(X)を製造してもよい。
すなわち、本実施形態の処理方法は、塗布工程の前に、処理液(Q)を希釈して処理液(X)を調製する工程を有してもよい。
処理液(Q)を水で希釈して処理液(X)を調製することが好ましい。
本実施形態の処理方法によれば、繊維製品(被処理物)に処理液(X)を塗布した後、30分以上放置することにより、A成分の使用量が少なくても、優れた防臭効果を得ることができる。後述の実施例に示されるように、処理液(X)の組成が同じ場合に放置時間が長くなるほど防臭効果が向上する。
かかる効果が得られる理由について以下が考えられる。
放置工程において、繊維製品に塗布された処理液(X)中の水分が揮発することにより(A)成分の濃度が高まる。その結果、(A)成分が繊維製品に吸着されやすくなり、繊維製品の処理に使用する処理液(X)中の(A)成分の濃度が低くても、抗菌作用による防臭効果を充分に発揮できると考えられる。
また、本発明者等は、可溶化剤(B)として特定のノニオン界面活性剤(B-2-2)を用いると、防臭効果が低下する傾向があることを知見した。その理由としては、放置中に処理液(X)中の水が揮発すると、(B-2-2)成分の濃度が高まってミセルを形成しやすくなり、(A)成分がミセルに取り込まれた状態が生じるためと考えられる。(A)成分を取り込んだミセルは繊維製品上に残り難く、加水処理時に除去されやすいため、(A)成分が効率良く繊維製品に吸着できないと考えられる。
処理液(X)の好ましい態様として以下が挙げられる。
態様1:(A)成分と(B)成分と水とを含み、(A)成分がダイクロサンを含み、(B)成分が(B-1)成分と(B-2-1)成分を含み、
(B-1)/(A)が100~800であり、
(B-2-1)/(A)が100~1000であり、
(B-2-1)/(B-1)が0.5~3であり、
処理液(X)の総質量に対して(A)成分の含有量が0.01~0.1質量%であり、(B-2-2)成分の含有量が2質量%以下である処理液(X)。
処理液(X)の各成分の含有量の合計は、100質量%を超えない。
態様2:(A)成分と(B)成分と水とを含み、(A)成分がダイクロサンを含み、(B)成分が(B-1)成分と(B-2-1)成分を含み、
(B-1)成分がグリセリンを含み、
(B-1)/(A)が100~800であり、
(B-2-1)/(A)が100~1000であり、
(B-2-1)/(B-1)が0.5~3であり、
理液(X)の総質量に対して(A)成分の含有量が0.01~0.1質量%であり、(B-2-2)成分の含有量が2質量%以下であり、グリセリンの含有量が15質量%以下である処理液(X)。
処理液(X)の各成分の含有量の合計は、100質量%を超えない。
前記態様1,2において、(B-2-1)成分が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩を含むことがより好ましい。
前記態様1,2において、(B-2-1)成分が、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩、及びLASを含むことがさらに好ましい。
以下、実施例を示して本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の記載によって限定されるものではない。
(使用原料)
<(A)成分>
・A-1:ダイクロサン、4,4’-ジクロロ-2-ヒドロキシジフェニルエーテル、商品名「Tinosan HP100」、BASF社製。
・A-2:トリクロサン、5-クロロ-2-(2,4-ジクロロフェノキシ)フェノール、商品名「トリクロサン」、和光純薬工業社製。
<(B-2-1)成分>
・(B-2-1)-1:AES、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩(ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムとポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウムとの混合物、EOの平均付加モル数1)。
前記式(b-1)におけるRが炭素数12及び14の直鎖状のアルキル基、kが1、nが0、Mがナトリウムであり、(B-2-1)-1成分の全体に対して、kが0かつnが0である化合物(成分(b0))の割合が43質量%である。下記調製例1の方法で合成したもの。
・(B-2-1)-2:α-オレフィンスルホン酸ナトリウム(AOS)、商品名「リポランLB-840」、ライオン社製。
・(B-2-1)-3:ラウリル硫酸ナトリウム(AS)、SDS、商品名「ドデシル硫酸ナトリウム」、和光純薬工業社製。
・(B-2-1)-4:直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム(LAS)、商品名「ライポンLS-250」、ライオン社製。
・(B-2-1)-5:セカンダリーアルカンスルホン酸ナトリウム(SAS)、商品名「SAS30」、クラリアント・ジャパン社製。
・(B-2-1)-6:IOS、特開2001-247534号公報の実施例7に記載された方法により合成されたインナーオレフィンスルホネート。
・(B-2-1)-7:ヤシ脂肪酸:商品名「椰子脂肪酸(PKO)TC」、日油社製。
<(B-1)成分>
・(B-1)-1:グリセリン、商品名「化粧品用グリセリン」、阪本薬品工業社製。
・(B-1)-2:ソルビトール、商品名「ソルビットL-70」、三菱商事フードテック社製。
・(B-1)-3:ジエチレングリコールモノブチルエーテル、商品名「BDG」、日本乳化剤社製。
・(B-1)-4:エタノール、商品名「特定アルコール95度合成」、日本アルコール販売社製。
・(B-1)-5:ポリエチレングリコール#1000、重量平均分子量1000のポリエチレングリコール、商品名「PEG#1000-L60」、ライオン社製。
・(B-1)-6:モノエタノールアミン(MEA)、商品名「モノエタノールアミン」、日本触媒社製。
・(B-1)-7:フェノキシエタノール、商品名「フェニルグリコール」、日本乳化剤社製。
<(B-2-2)成分>
・(B-2-2)-1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、AE(6)、下記式(b-2-1)において、R11が炭素数12のアルキル基(C12)及び炭素数14のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=75:25)、R12が水素原子、sが6、tが0、uが0である化合物、商品名「LMAF-90」、ライオン社製。
11-O-[(EO)s/(PO)t]-(EO)u-R12 ・・・(b-2-1)
・(B-2-2)-2:ポリオキシエチレンアルキルエーテル、AE(EO8PO2EO8)、前記式(b-2-1)において、R11が炭素数12のアルキル基(C12)及び炭素数14のアルキル基(C14)(質量比でC12:C14=75:25)、R12が水素原子、sが8、tが2、uが8である化合物。
・(B-2-2)-3:MEE、下記式(b-2-2)で表されるポリオキシエチレン脂肪酸メチルエステル、下記式(b-2-2)において、R21が炭素数12~14のアルキル基、R22がメチル基、vが15、wが0である化合物、商品名「CEAO-90」、ライオン社製。
21-COO-[(EO)v/(PO)w]-R22 ・・・(b-2-2)
<共通成分>
(消泡剤)
・イソオクチル酸2-エチルヘキシル:商品名「イソオクチル酸2-エチルヘキシル」、ライオン・スペシャリティ・ケミカルズ社製。
・エマルション型シリコーン(商品名「KM-90」、信越化学工業社製)
(酵素)
・酵素:商品名「Medley Core210L」 Novozymes社製。
(粘度調整剤)
・クエン酸:商品名「無水クエン酸」、扶桑化学工業社製。
(着色剤)
・商品名「緑色3号」、癸巳化成社製。
・商品名「黄色203号」、中央合成化学社製。
(着香剤)
・香料:特開2003-268398号公報の表7~14に記載の香料組成物A。
(防腐剤)
・1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン。
(pH調整剤)
・pH調整剤:NaOH。
[調製例1:(B-2-1)-1成分の合成]
容量4Lのオートクレーブ中に、原料アルコールとしてプロクター・アンド・ギャンブル社製の商品名CO1270アルコール(炭素数12のアルコールと炭素数14のアルコールとの質量比75/25の混合物)400gと、反応用触媒として水酸化カリウム触媒0.8gとを仕込み、該オートクレーブ内を窒素で置換した後、攪拌しながら昇温した。続いて、温度を180℃、圧力を0.3MPa以下に維持しながらエチレンオキシド91gを導入し、反応させることによりアルコールエトキシレートを得た。ガスクロマトグラフ:Hewlett-Packard社製のGC-5890と、検出器:水素炎イオン化型検出器(FID)と、カラム:Ultra-1(HP社製、L25m×φ0.2mm×T0.11μm)と、を用いて分析した結果、得られたアルコールエトキシレートは、エチレンオキシドの平均付加モル数が1.0であった。また、エチレンオキシドが付加していない化合物(最終的に成分(a0)となるもの)の量が得られたアルコールエトキシレート全体に対して43質量%であった。次に、上記で得たアルコールエトキシレート237gを、攪拌装置付の500mLフラスコに採り、窒素で置換した後、液体無水硫酸(サルファン)96gを、反応温度40℃に保ちながらゆっくりと滴下した。滴下終了後、1時間攪拌を続け(硫酸化反応)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸を得た。次いで、これを水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより(B-2-1)-1を得た。
[例1~35]
例1~29は実施例、例30~35は比較例である。
表2~4に示す配合で全成分を混合して、各例の処理液(X)を調製した。共通成分(1)の配合を表1に示す。表1に示す各成分の含有量は処理液(X)の総質量に対する割合(単位:質量%)である。
pH調整剤の含有量「適量」は、各例の処理液(X)のpH(25℃)を6~8にするのに要した量である。共通成分(1)を使用した例において、pH調整剤の含有量は0.1~3.0質量%の範囲内であった。
水の含有量「バランス」は、処理液(X)に含まれる全配合成分の合計の配合量(質量%)が100質量%となるように加えられる残部を意味する。
なお、表中の配合量は純分換算値である。表中の空欄又は「-」はその成分が配合されていないことを意味する。
例1の処理液(X)の粘度V20は11mPa・sであり、V/V20は1.4であった。
例1、5、6及び30の放置終了時の処理液(X)中の水の含有量は、それぞれ8質量%、35質量%、20質量%及び65質量%であった。
各例の処理液(X)を用い、表に示す処理条件(処理方法A又はB、放置時間)で洗濯し、下記の方法で防臭効果を評価した。臭気強度の平均点と、防臭効果の判定結果を表に示す。
(処理方法A)
新品の靴下(ユニクロ製スーピマコットンカノコソックス)に、各例の処理液(X)を片足7.5g(100%o.w.f.)ずつ塗布した後、所定時間放置した。放置時間(5分間、0.5時間、2時間、又は6時間)を表に示す。
次に、全自動電気洗濯機(Haier社製、製品名「JW-K33F(W)」)に、前記靴下、及び約750gの綿肌シャツ(B.V.D.社製)を投入した[浴比(洗濯水量/被洗布総質量)30倍]。
次に、前記全自動電気洗濯機に、市販の液体洗浄剤(Z-1)(ライオン株式会社製「トップ スーパーNANOX」)を標準使用量(10g/水30L)加え、標準コースで洗濯(洗浄、すすぎ、脱水)した。その際、洗浄時間、すすぎ、脱水、水量(低水位に設定、水量約15L)に関しては一切調整せず、洗濯機の標準コース設定をそのまま使用した。
洗濯処理終了後、前記靴下を取り出し、室温に放置して乾燥させた。
(処理方法B)
処理方法Aにおいて、市販の液体洗浄剤(Z-1)を用いず、水だけで前記洗濯を行った以外は、処理方法Aと同様にした。
(防臭効果の評価方法)
処理後の靴下を8時間着用した後、専門パネル10名が下記の採点基準で臭気強度を採点した。10名の平均値を算出し、下記の判定基準で防臭効果を判定した。
[臭気強度の採点基準]
5点:強烈なニオイ。
4点:強いニオイ。
3点:楽に感知できるニオイ。
2点:何のニオイであるかわかる弱いニオイ。
1点:やっと感知できるニオイ。
0点:無臭。
[防臭効果の評価基準]
◎:臭気強度の平均点が2.0未満。
〇:臭気強度の平均点が2.0以上3.5未満。
×:臭気強度の平均点が3.5以上。
Figure 2022072732000002
Figure 2022072732000003
Figure 2022072732000004
Figure 2022072732000005
Figure 2022072732000006
Figure 2022072732000007
表1~6の結果に示されるように、例1~29では繊維製品に良好な防臭効果が付与された。処理方法A及び処理方法Bでほぼ同等の効果が得られた。
塗付後の放置時間が5分間と短い例30は、防臭効果が不充分であった。
処理液(X)が抗菌剤(A)を含まない例31は、防臭効果がほとんど得られなかった。
処理液(X)が可溶化剤(B)を含まない例32は、防臭効果が不充分であった。この例では、処理液(X)において、抗菌剤(A)が水に溶けた状態となっていないため、塗布後6時間放置しても、抗菌剤(A)が繊維製品に充分に吸着されなかったと考えられる。
ノニオン界面活性剤(B-2-2)成分の含有量が10質量%を超える例33~35は、防臭効果が不充分であった。抗菌剤(A)がノニオン界面活性剤(B-2-2)のミセルに取り込まれてしまい、抗菌剤(A)が繊維製品に充分に吸着されなかったと考えられる。

Claims (10)

  1. 下記処理液(X)を、繊維製品に塗布し、30分以上放置した後、水と接触させる加水処理を行う、繊維製品の処理方法。
    処理液(X):
    抗菌剤(A)と、
    有機溶剤(B-1)及び界面活性剤(B-2)からなる群から選ばれる1種以上である可溶化剤(B)と、
    水とを含有し、
    前記抗菌剤(A)の含有量が0.0001~0.1質量%である処理液。
    (但し、下記式(b-2)で表されるノニオン界面活性剤(B-2-2)の含有量が10質量%以下)
    -X-[(EO)s/(AO)t]-(EO)u-R ・・・(b-2)
    (式(b-2)において、Rは炭素数8~22の炭化水素基であり、-X-は2価の連結基であり、Rは水素原子、炭素数1~6のアルキル基又は炭素数2~6のアルケニル基である。EOはオキシエチレン基であり、sはEO平均繰り返し数を示す3~25の数である。AOはPO(オキシプロピレン基)またはBO(オキシブチレン基)の少なくとも一方である。tはPOまたはBOの平均繰り返し数を示す0~6の数である。uはEOの平均繰り返し数を示す0~20の数であり、s+uは3~25である。tが1以上である場合、[(EO)s/(AO)t]において、オキシエチレン基とオキシプロピレン基またはオキシエチレン基とオキシブチレン基との配列順に限定はなく、ランダム重合であってもよいし、ブロック重合であってもよい。)
  2. 前記可溶化剤(B)が、下記アニオン界面活性剤(B-2-1)を含む、請求項1に記載の処理方法。
    アニオン界面活性剤(B-2-1):
    ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸又はその塩、α-オレフィンスルホン酸又はその塩(AOS)、アルキル硫酸エステル又はその塩(AS)、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸又はその塩(LAS)、内部オレフィンスルホン酸又はその塩のオレフィン体(IOS)及びヒドロキシ体(HAS)、及びアルカンスルホン酸又はその塩(SAS)からなる群から選ばれる1種以上。
  3. 前記抗菌剤(A)の含有量に対する、前記アニオン界面活性剤(B-2-1)の含有量の質量比を表す、(B-2-1)/(A)が100~8000である、請求項2に記載の処理方法。
  4. 前記可溶化剤(B)が、前記アニオン界面活性剤(B-2-1)及び前記有機溶剤(B-1)を含み、前記有機溶剤(B-1)の含有量に対する、前記アニオン界面活性剤(B-2-1)の含有量の質量比を表す、(B-2-1)/(B-1)が0.2~20である、請求項2又は3に記載の処理方法。
  5. 前記可溶化剤(B)が、前記有機溶剤(B-1)を含み、前記抗菌剤(A)の含有量に対する、前記有機溶剤(B-1)の含有量の質量比を表す、(B-1)/(A)が100~6000である、請求項1~4のいずれか一項に記載の処理方法。
  6. 前記可溶化剤(B)が前記有機溶剤(B-1)を含み、前記有機溶剤(B-1)がグリセリンを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の処理方法。
  7. 前記抗菌剤(A)がダイクロサンを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の処理方法。
  8. 前記加水処理が、すすぎ工程を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の処理方法。
  9. 前記加水処理が、前記すすぎ工程の前に、界面活性剤を含む液体洗浄剤(Z)を用いて前記繊維製品を洗浄する洗浄工程を有する、請求項8に記載の処理方法。
  10. 前記抗菌剤(A)と、前記可溶化剤(B)を含有し、前記抗菌剤(A)の含有量が0.1質量%より高い処理液(Q)を希釈して前記処理液(X)を調製する、請求項1~9のいずれか一項に記載の処理方法。
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