JP2022071559A - 液体吐出ヘッド - Google Patents

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Abstract

【課題】圧力室内の気泡の排出性を向上する。【解決手段】接続流路23の上端23aは、圧力室21の下端に接続する部分であり、圧力室21の幅方向中央に位置している。圧力室21の下部21bを構成する側壁W1は、圧力室21の上端から下端に向かって上端23aに近づくように傾斜した傾斜面T1を有する。【選択図】図5

Description

本発明は、複数の個別流路と第1共通流路とを備えた液体吐出ヘッドに関する。
特許文献1には、複数の個別流路と、供給共通路(第1共通流路)とを備えたヘッド(液体吐出ヘッド)が示されている。複数の個別流路は、それぞれ、圧力室と、ノズルと、ディセンダ(接続流路)と、供給個別路(第1連通流路)とを含む。圧力室の下端の幅方向(第2方向)中央に、ディセンダと圧力室との接続部(第1接続部)が設けられている。
特開2019-155876号公報(図2)
圧力室内には、第1共通流路からの液体の流入に伴い、気泡が発生し得る。当該気泡は、接続流路を介してノズルから排出され得る。しかしながら、特許文献1の構成では、圧力室の下端の角部において、接続流路に向かう液体の流れが生じ難く、当該角部にある気泡を排出し難い。
本発明の目的は、圧力室内の気泡の排出性を向上できる液体吐出ヘッドを提供することにある。
本発明に係る液体吐出ヘッドは、複数の個別流路と、前記複数の個別流路に連通する第1共通流路と、を備え、前記複数の個別流路は、それぞれ、圧力室と、前記圧力室から第1方向に離隔したノズルと、前記圧力室の前記第1方向の一端に接続する第1接続部と前記ノズルに接続する第2接続部とを有する接続流路と、前記圧力室と前記第1共通流路とを連通させる第1連通流路と、を含み、前記第1接続部は、前記圧力室の前記第1方向と直交する第2方向の中央に位置し、前記圧力室の前記第1方向の一端を構成する第1側壁は、前記圧力室の前記第1方向の他端から一端に向かって前記第1接続部に近づくように傾斜した第1傾斜面を有することを特徴とする。
本発明の第1実施形態に係るヘッド10を含むプリンタ100の全体構成図である。 図1のII-II線に沿ったヘッド10の断面図である。 図2のIII-III線に沿ったヘッド10の断面図である。 図2に示す領域IVの拡大図である。 図3のV-V線に沿った断面図である。 本発明の第2実施形態に係るヘッドの図5に対応する断面図である。
<第1実施形態>
先ず、本発明の第1実施形態について説明する。
<プリンタの全体構成>
図1には、本発明に係る「液体吐出ヘッド」の第1実施形態であるヘッド10を含む、プリンタ100の全体構成が示されている。プリンタ100は、複数のヘッド10を含むヘッドユニット13と、プラテン14と、搬送機構15と、制御部16とを備えている。
プラテン14の上面に、記録媒体である用紙12が載置される。
搬送機構15は、搬送方向にプラテン14を挟んで配置された2つのローラ対15aと、搬送モータ15bとを有する。制御部16の制御により搬送モータ15bが駆動されると、ローラ対15aが用紙12を挟持した状態で回転し、用紙12が搬送方向に搬送される。
ヘッドユニット13は、プラテン14の上方に配置されている。ヘッドユニット13は、搬送方向と直交する方向に長尺であり、位置が固定された状態でノズル22から用紙12に対してインクを吐出するライン式である。ヘッドユニット13において、複数のヘッド10は、搬送方向と直交する方向に並んでいる。各ヘッド10の構成については、後に詳述する。
制御部16は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)及びASIC(Application Specific Integrated Circuit)を有する。ASICは、ROMに格納されたプログラムに従い、記録処理等を実行する。記録処理において、制御部16は、PC等の外部装置から入力された記録指令(画像データを含む。)に基づき、各ヘッド10のドライバIC72(図2参照)及び搬送モータ15bを制御し、用紙12上に画像を記録する。
<ヘッドの構成>
次いで、ヘッド10の構成について説明する。
図1に示すように、各ヘッド10において、複数のノズル22は、搬送方向に対して角度θ(例えば30~60℃)をなす方向(配列方向)に配列され、配列方向と直交する幅方向に並ぶ2つのノズル列を形成している。2つのノズル列は、互いに同じ数のノズル22を含む。
ヘッド10は、図2に示すように、流路ユニット50と、複数の圧電体60と、COF(Chip on Film)70とを有する。
流路ユニット50は、積層方向(第1方向)に積層されかつ互いに接着された4枚のプレート51~54と、保護部材55と、リザーバ部材56と、ダンパ膜57と、スペーサ58と、プレート59とを含む。積層方向は、鉛直方向(図1の紙面に直交する方向)であり、図1に示す搬送方向、配列方向及び幅方向(第2方向)のそれぞれと直交する。
プレート51~54及びリザーバ部材56には、流路を構成する貫通孔や凹部が形成されている。
当該流路は、複数の個別流路20と、それぞれ複数の個別流路20に連通する2つの供給流路40及び1つの帰還流路30とを含む。供給流路40が本発明の「第1共通流路」に該当し、帰還流路30が本発明の「第2共通流路」に該当する。
2つの供給流路40及び1つの帰還流路30は、図2及び図3に示すように、幅方向に並んでいる。幅方向において2つの供給流路40の間に1つの帰還流路30が配置されている。2つの供給流路40及び1つの帰還流路30はそれぞれ配列方向に延びている。
複数の個別流路20は、図3に示すように、配列方向に千鳥状に配列され、幅方向に並ぶ2つの個別流路列20A,20Bを形成している。2つの個別流路列20A,20Bは、互いに同じ数の個別流路20を含む。2つの供給流路40の一方(図3の左側の供給流路40)は、個別流路列20Aに連通し、2つの供給流路40の他方(図3の右側の供給流路40)は、個別流路列20Bに連通している。帰還流路30は、2つの個別流路列20A,20Bの双方に連通している。
2つの供給流路40は、連結流路45を介して連結されている。連結流路45は、幅方向に延び、各供給流路40の配列方向の一端に連結している。連結流路45の幅方向の中央に、供給管18の一端が接続されている。供給管18の他端は、インクを貯留するタンク19に接続している。
帰還流路30の配列方向の一端に、帰還管17の一端が接続されている。帰還管17の他端は、タンク19に接続している。帰還管17には、ポンプ17aが設けられている。
制御部16の制御によりポンプ17aが駆動されると、帰還流路30内のインクが帰還管17を通ってタンク19に流入する。タンク19内のインクは、供給管18を通って連結流路45に流入し、連結流路45から2つの供給流路40のそれぞれに流入する。各供給流路40に流入したインクは、当該供給流路40内を配列方向に移動しつつ、対応する個別流路列20A,20Bに属する複数の個別流路20に供給される。各個別流路20に供給されたインクは、個別流路20を通って帰還流路30に排出され、タンク19に戻される。このようにタンク19と流路ユニット50との間でインクを循環させることで、流路ユニット50内の供給流路40及び帰還流路30、さらには各個別流路20における、気泡の排出、インクの増粘防止、及び、淀みの解消が実現される。また、インクが沈降成分(沈降が生じ得る成分。顔料等)を含む場合、当該成分が攪拌されて沈降が防止される。
各個別流路20は、図2に示すように、圧力室21と、圧力室21から積層方向に離隔したノズル22と、圧力室21とノズル22とを接続する接続流路23と、圧力室21と対応する供給流路40とを連通させる流入流路24と、接続流路23と帰還流路30とを連通させる流出流路25とを含む。流入流路24が本発明の「第1連通流路」に該当し、流出流路25が本発明の「第2連通流路」に該当する。
ノズル22は、プレート51に形成された貫通孔で構成され、流路ユニット50の下面に開口している。
圧力室21は、プレート54に形成された貫通孔からなる上部21aと、プレート53の上面に形成された凹部からなる下部21bとで構成され、流路ユニット50の上面に開口している。下部21bは圧力室21の下端(第1方向の一端)を構成し、上部21aは圧力室21の上端(第1方向の他端)を構成する。圧力室21の下端(下部21bの凹部底面)に、接続流路23の上端(第1接続部)23aが接続している。接続流路23の上端23aは、圧力室21の幅方向の中央に位置している。
接続流路23は、圧力室21から下方に延びる円柱状の流路であり、プレート53に形成された貫通孔(下部21bの凹部に接続する貫通孔)からなる上部と、プレート52に形成された貫通孔からなる下部とで構成される。上部は接続流路23の上端23aを構成し、下部は接続流路23の下端(第2接続部)23bを構成する。接続流路23の下端23bに、ノズル22が接続している。ノズル22は、図3に示すように、積層方向と直交する平面において、接続流路23の中央に位置する。また、接続流路23は積層方向に延びることから、ノズル22は積層方向と直交する平面において接続流路23の下端23bの中央に位置する。
流入流路24は、図2に示すように、プレート53に形成された貫通孔からなる下部24aと、プレート54に形成された貫通孔からなる上部24bとで構成される。下部24aは、供給流路40の上面に接続している。上部24bは、圧力室21の幅方向の一端に接続している。
流出流路25は、図2及び図4に示すように、プレート52の下面に形成された凹部からなる上部25aと、プレート51の上面に形成された凹部からなる下部25bとで構成される。これら凹部は、プレート51,52にハーフエッチングを行うことで形成される。上部25aは、接続流路23の側面に接続している。下部25bは、帰還流路30の下面に接続している。上部25aは、本発明の「第1部分」に該当し、接続流路23の下端23bから幅方向に延び、ノズル22と幅方向に重ならない。下部25bは、本発明の「第2部分」に該当し、上部25aに接続し、ノズル22と幅方向に重なる。幅方向において下部25bとノズル22との間には、プレート51の隔壁51wが介在している。隔壁51wは、プレート51におけるノズル22の貫通孔と下部25bの凹部との間の部分である。
流入流路24及び流出流路25は、図3に示すように、幅方向に延びている。流入流路24及び流出流路25は、それぞれ、圧力室21の幅(配列方向の長さ)よりも小さい幅を有し、絞りとして機能する。
2つの供給流路40は、図2に示すように、それぞれ、リザーバ部材56の下面に形成された凹部からなる上部41と、プレート52,53に形成された貫通孔からなる下部42とで構成される。下部42は、プレート53に形成された貫通孔からなる基部43と、プレート52に形成された貫通孔からなる幅広部44とを含む。基部43は、上部41と幅方向の長さが同じであり、積層方向に上部41と重なっている。幅広部44は、基部43よりも幅方向の長さが長く、積層方向に基部43と重なる部分と、積層方向に基部43と重ならない部分とを有する。幅広部44は、上部41及び基部43から幅方向の一方に突出している。幅広部44の当該突出部分の上面に、流入流路24の下部24aが接続している。
供給流路40の下部42は、プレート52の下面に開口している。当該開口部は、可撓性フィルムからなるダンパ膜57によって覆われている。ダンパ膜57が変形することにより、供給流路40内のインクの圧力変動が抑制される。ダンパ膜57は、スペーサ58を介してプレート59で覆われている。
帰還流路30は、プレート54に形成された貫通孔からなる上部31と、プレート52,53に形成された貫通孔からなる下部32とで構成される。下部32は、プレート53に形成された貫通孔からなる基部33と、プレート52に形成された貫通孔からなる幅広部44とを含む。基部33は、上部31と幅方向の長さが同じであり、積層方向に上部31と重なっている。幅広部34は、基部33よりも幅方向の長さが長く、積層方向に基部33と重なる部分と、積層方向に基部33と重ならない部分とを有する。幅広部34は、上部31及び基部33から幅方向の一方及び他方のそれぞれに突出している。幅広部34の当該突出部分の下面に、流出流路25の下部25bが接続している。
帰還流路30の下部32は、プレート52の下面に開口している。当該開口部は、プレート51によって覆われている。
幅方向において、1つの帰還流路30を挟むように2つの個別流路列20A,20Bの接続流路23が配置され、帰還流路30及び2つの個別流路列20A,20Bの接続流路23を挟むように2つの個別流路列20A,20Bの流入流路24及び2つの供給流路40が配置されている。
幅方向において、帰還流路30の上部31を挟むように2つの個別流路列20A,20Bの圧力室21が配置され、帰還流路30の上部31及び2つの個別流路列20A,20Bの圧力室21を挟むように2つの供給流路40の上部41が配置されている。
帰還流路30の幅広部34は、各接続流路23と幅方向に重なり、かつ、各圧力室21と積層方向に重なっている。幅広部34は、本発明に係る「重複部」に該当する。各圧力室21は、幅方向の一端において帰還流路30の幅広部34と積層方向に重なり、幅方向の他端において流入流路24と連通している。
プレート54の上面には、複数の圧力室21及び帰還流路30の上部31の開口部を覆うように、振動板62が配置されている。
振動板62の上面全体に、複数の圧電体60に共通の電極である共通電極(図示略)が配置されている。共通電極の上面に、複数の圧力室21のそれぞれと積層方向に重なる複数の圧電体60が配置されている。各圧電体60の上面には、個別電極が設けられている。個別電極は個別配線61を介してCOF70と電気的に接続され、共通電極は共通配線(図示略)を介してCOF70と電気的に接続されている。
保護部材55は、リザーバ部材56の中空部56x内において、振動板62の上面に、上記共通電極を介して配置されている。中空部56xは、リザーバ部材56を積層方向に貫通している。幅方向において、中空部56xを挟むように2つの供給流路40の上部41が配置されている。
保護部材55は、下面に形成された2つの凹部26と、積層方向に貫通した貫通孔からなる中空部55xとを有する。幅方向において、中空部55xを挟むように2つの凹部26が配置されている。2つの凹部26及び中空部55xは、それぞれ、配列方向に延びている。2つの凹部26には、それぞれ、2つの個別流路列20A,20Bのそれぞれに対して設けられた複数の圧電体60が収容されている。
COF70は、フィルム状の基板71と、基板71に搭載されたドライバIC72とを含む。基板71は、中空部55xに配置された一端と、制御部16(図1参照)に接続された他端とを有する。基板71の一端は、個別配線61及び共通配線と電気的に接続されている。
ドライバIC72は、制御部16(図1参照)からの制御信号に基づいて駆動信号を生成し、駆動信号を個別配線61を介して各個別電極に供給する。これにより、個別電極の電位が所定の駆動電位とグランド電位との間で変化する。共通電極の電位は、グランド電位に維持される。このとき、圧電体60が圧力室21に向かって凸となるように変形することにより、圧力室21の容積が変化し、圧力室21内のインクに圧力が付与され、ノズル22からインクが吐出される。
<圧力室の構成>
次いで、圧力室21の構成について、より詳細に説明する。
圧力室21は、図2を参照して上述したとおり、プレート54に形成された貫通孔からなる上部21aと、プレート53の上面に形成された凹部からなる下部21bとで構成されている。
図5に示すように、幅方向と直交する平面において、上部21aの貫通孔は逆台形状であり、下部21bの凹部はV字状である。ここで、下部21bを構成するプレート53の一対の側壁W1(第1側壁)、及び、上部21aを構成するプレート54の一対の側壁W2(第2側壁)は、それぞれ、圧力室21の上端(第1方向の他端)から下端(第1方向の一端)に向かって接続流路23の上端23aに近づくように傾斜した傾斜面T1,T2を有する。配列方向において、下部21bを挟むように一対の側壁W1が配置され、上部21aを挟むように一対の側壁W2が配置されている。傾斜面T1,T2は、共に、幅方向に延び、かつ、配列方向及び積層方向の双方に対して交差している。
傾斜面T1が本発明の「第1傾斜面」に該当し、傾斜面T2が本発明の「第2傾斜面」に該当する。また、プレート53が本発明の「第1プレート」に該当し、プレート54が本発明の「第2プレート」に該当する。
プレート53は、(110)配向のシリコンウエハーである。一方、プレート54は、(110)配向のシリコンウエハーに限定されず、金属(例えばステンレス鋼)、セラミックス、合成樹脂(例えばポリイミド)等、任意の材料からなってよい。
プレート53の上面(傾斜面T1が形成された表面)に対する傾斜面T1の角度αは、30~40度(例えば35度)である。プレート54の上面(傾斜面T2が形成された表面)に対する傾斜面T2の角度βは、角度αよりも大きく、60~70度である。なお、角度α,βは、それぞれ、プレート53,54の上面に対する鋭角側の角度である。プレート53の上面と傾斜面T1との間の角度αに対応する部分に、圧力室21の下部21bが形成されている。プレート54の上面と傾斜面T2との間の角度βに対応する部分に、圧力室21の上部21aが形成されている。
接続流路23の上端23aは、一対の側壁W1の傾斜面T1の交差部分(V字の底部)に配置されている。
以上に述べたように、本実施形態によれば、圧力室21の下部21bを構成する側壁W1が、圧力室21の上端から下端に向かって接続流路23の上端23aに近づくように傾斜した傾斜面T1を有する(図5参照)。これにより、圧力室21内の気泡は、傾斜面T1に沿って接続流路23の上端23aに流入し、接続流路23を介してスムーズに排出される。したがって、本実施形態によれば、圧力室21内の気泡の排出性を向上できる。また、圧力室21内に淀みが生じる場合があるが、傾斜面T1が設けられたことで、圧力室21内におけるインクの流れがスムーズになり、淀みが解消される。さらに、接続流路23の上端23aが圧力室21の幅方向の中央に位置するため(図2参照)、圧電体60の変形による圧力が効率よくノズル22に伝わり、吐出圧を高めることができる。
圧力室21は、傾斜面T1が形成された上面を有するプレート53と、プレート53の上面に積層されたプレート54とで構成されている(図5参照)。この場合、圧力室21を構成する2つのプレート53,54の一方(プレート53)に対する加工により、傾斜面T1を容易に形成できる。
プレート53は、(110)配向のシリコンウエハーである。この場合、ウエットエッチングにより傾斜面T1を容易に形成できる。具体的には、(110)配向のシリコンウエハーであるプレート53の上面に対してウエットエッチングを行い、(111)面をストッパー層として利用することで、当該ストッパー層となる(111)面が傾斜面T1として形成される。
プレート53の上面に対する傾斜面T1の角度αは、30~40度である(図5参照)。この場合、(110)配向のシリコンウエハーであるプレート53を用いたウエットエッチングにより、当該角度の傾斜面T1を精度よく形成できる。
接続流路23は、積層方向に延びている(図5参照)。この場合、シリコンウエハーの配向に関わらず、ドライエッチングにより接続流路23の貫通孔を容易に形成できる。
ノズル22は、積層方向と直交する平面において、接続流路23の下端23bの中央に位置する(図2及び図3参照)。この場合、圧力室21からの接続流路23を介した圧力が効率よくノズル22に伝わり、吐出圧を高めることができる。
帰還流路30は、接続流路23と幅方向に重なりかつ圧力室21と積層方向に重なる幅広部34を有する(図2参照)。この場合、帰還流路30の容積を大きくすることができるため、帰還流路30におけるインクの流れに対する抵抗が低減され、帰還流路30に連通する複数の圧力室21間の抵抗差(ひいては、複数のノズル22間の吐出速度の差及び吐出量の差)を抑制できる。また、帰還流路30が設けられたことで、上記のようなタンク19と流路ユニット50との間でのインクの循環(図3参照)が可能となり、傾斜面T1に沿って排出された圧力室21内の気泡は、接続流路23、流出流路25及び帰還流路30を通ってタンク19に入り、タンク19の上部空気として回収される。
流出流路25は、接続流路23の下端23bから幅方向に延び、ノズル22と幅方向に重ならない上部25aと、上部25aに接続し、ノズル22と幅方向に重なる下部25bであって、幅方向にノズル22との間に隔壁51wを挟む下部25bを含む。この場合、接続流路23から流出流路25へのインクの流れがノズル22からのインク吐出の妨げるという問題を抑制できる。
圧力室21の上部21aを構成する側壁W2が、圧力室21の上端から下端に向かって接続流路23の上端23aに近づくように傾斜した傾斜面T2を有する(図5参照)。この場合、圧力室の下端のみでなく上端にも傾斜面T2を設けたことで、圧力室21内の気泡の排出性がより一層向上し、淀みの解消もより確実に実現できる。
<第2実施形態>
続いて、本発明の第2実施形態について説明する。
本実施形態は、圧力室21の構成が第1実施形態と異なり、その他は第1実施形態と同じである。
図6に示すように、本実施形態では、幅方向と直交する平面において、圧力室21の下部21bの凹部は、第1実施形態(図5)と同様、V字状であるが、圧力室21の上部21aの貫通孔は、第1実施形態(図5)と異なり、略V字状の部分と、当該部分の下方に接続する矩形状の部分とを含む。
プレート54に形成された上部21aを構成する貫通孔は、一対の側壁W2’(第2側壁)によって配列方向に挟まれた部分(略V字状の部分)と、一対の側壁W3(第3側壁)によって配列方向に挟まれた部分(矩形状の部分)とを含む。一対の側壁W2’は、圧力室21の上端(第1方向の他端)を構成する。一対の側壁W3は、積層方向において一対の側壁W1と一対の側壁W2’との間にあり、側壁W1の上端と側壁W2’の下端とを接続している。
一対の側壁W2’は、それぞれ、圧力室21の上端(第1方向の他端)から下端(第1方向の一端)に向かって接続流路23の上端23aに近づくように傾斜した傾斜面T2’(第2傾斜面)を有する。一方、一対の側壁W3は、それぞれ、積層方向に沿って延びている。傾斜面T1,T2’は、共に、幅方向に延び、かつ、配列方向及び積層方向の双方に対して交差している。側壁W3は、積層方向及び幅方向に平行であり、配列方向と直交する。
プレート54の上面(傾斜面T2’が形成された表面)に対する傾斜面T2’の角度αは、プレート53の上面(傾斜面T1が形成された表面)に対する傾斜面T1の角度αと同じである。換言すると、傾斜面T2’の積層方向に対する角度α’は、傾斜面T1の積層方向に対する角度α’と同じである。
なお、第1実施形態では、プレート53が(110)配向のシリコンウエハーであるのに対し、プレート54は任意の材料からなってよいが、本実施形態では、プレート53,54は共に、(110)配向のシリコンウエハーである。この場合、ウエットエッチングにより傾斜面T1,T2’を容易に形成できる。具体的には、(110)配向のシリコンウエハーであるプレート53の上面に対してウエットエッチングを行い、(111)面をストッパー層として利用することで、当該ストッパー層となる(111)面が傾斜面T1として形成される。また、(110)配向のシリコンウエハーであるプレート54の上面に対してウエットエッチングを行い、(111)面をストッパー層として利用することで、当該ストッパー層となる(111)面が傾斜面T2’として形成される。
以上に述べたとおり、本実施形態によれば、傾斜面T1の積層方向に対する角度α’と、傾斜面T2’の積層方向に対する角度α’とが、互いに同じである。この場合、ウエットエッチングにより、当該角度α’の傾斜面T1,T2’を精度よく形成できる。
圧力室21は、積層方向において側壁W1と側壁W2’との間に、積層方向に沿った側壁W3を有する。この場合、圧力室21の上端の開口サイズが大きくなるのを抑制しつつ、傾斜面T1,T2’による効果(圧力室21内の気泡の排出性向上、圧力室21内に生じ得る淀みの解消等の効果)を得ることができる。また、側壁W3は、ウエットエッチング又はドライエッチングにより形成できる。
<変形例>
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々な設計変更が可能なものである。
上述の実施形態(図5及び図6参照)では、圧力室21の上部21aを構成する側壁W2;W2’が傾斜面T2;T2’を有するが、側壁W2;W2’が、傾斜面T2;T2’を有さず、積層方向に沿った面を有してもよい。
傾斜面は、直線状に限定されず、一部又は全体が湾曲状であってもよい。
上述の実施形態(図5及び図6参照)では、傾斜面T1,T2;T2’が幅方向(即ち、圧力室21の長手方向:図3参照)に延び、かつ、配列方向及び積層方向の双方に対して交差しているが、これに限定されない。例えば、傾斜面T1,T2;T2’が配列方向(即ち、圧力室21の幅方向:図3参照)に延び、かつ、幅方向及び積層方向の双方に対して交差してもよい。
第1プレート(プレート53)は、(110)配向のシリコンウエハーであることに限定されず、金属(例えばステンレス鋼)、セラミックス、合成樹脂(例えばポリイミド)等であってもよい。
上述の実施形態(図5及び図6参照)では、圧力室21が2つのプレート53,54で構成されるが、3以上のプレートで構成されてもよいし、1つのプレートで構成されてもよい。
上述の実施形態(図3参照)では、第2共通流路(帰還流路30)が設けられ、タンク19と流路ユニット50との間でのインクの循環が可能であるが、これに限定されない。第2共通流路(帰還流路30)が設けられない構成においても、圧力室21内の気泡が、傾斜面T1(図5参照)に沿って接続流路23の上端23aに流入することで、本発明による効果(圧力室21内の気泡の排出性向上の効果)を得ることができる。
本発明は、プリンタに限定されず、ファクシミリ、コピー機、複合機等にも適用可能である。また、本発明は、画像の記録以外の用途で使用される液体吐出装置(例えば、基板に導電性の液体を吐出して導電パターンを形成する液体吐出装置)にも適用可能である。
10 ヘッド(液体吐出ヘッド)
20 個別流路
21 圧力室
22 ノズル
23 接続流路
23a 上端(第1接続部)
23b 下端(第2接続部)
24 流入流路(第1連通流路)
25 流出流路(第2連通流路)
25a 上部(第1部分)
25b 下部(第2部分)
30 帰還流路(第2共通流路)
34 幅広部(重複部)
40 供給流路(第1共通流路)
51w 隔壁
53 プレート(第1プレート)
54 プレート(第2プレート)
W1 側壁(第1側壁)
W2;W2’ 側壁(第2側壁)
W3 側壁(第3側壁)
T1 傾斜面(第1傾斜面)
T2;T2’ 傾斜面(第2傾斜面)

Claims (11)

  1. 複数の個別流路と、
    前記複数の個別流路に連通する第1共通流路と、を備え、
    前記複数の個別流路は、それぞれ、
    圧力室と、前記圧力室から第1方向に離隔したノズルと、前記圧力室の前記第1方向の一端に接続する第1接続部と前記ノズルに接続する第2接続部とを有する接続流路と、前記圧力室と前記第1共通流路とを連通させる第1連通流路と、を含み、
    前記第1接続部は、前記圧力室の前記第1方向と直交する第2方向の中央に位置し、
    前記圧力室の前記第1方向の一端を構成する第1側壁は、前記圧力室の前記第1方向の他端から一端に向かって前記第1接続部に近づくように傾斜した第1傾斜面を有することを特徴とする、液体吐出ヘッド。
  2. 前記圧力室は、前記第1傾斜面が形成された表面を有する第1プレートと、前記第1プレートの前記表面に積層された第2プレートとで構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の液体吐出ヘッド。
  3. 前記第1プレートは、(110)配向のシリコンウエハーであることを特徴とする、請求項2に記載の液体吐出ヘッド。
  4. 前記第1プレートにおける前記表面に対する前記第1傾斜面の角度は、30~40度であることを特徴とする、請求項3に記載の液体吐出ヘッド。
  5. 前記接続流路は、前記第1方向に延びていることを特徴とする、請求項1~4のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  6. 前記ノズルは、前記第1方向と直交する平面において前記第2接続部の中央に位置することを特徴とする、請求項1~5のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  7. 前記複数の個別流路に連通する第2共通流路をさらに備え、
    前記複数の個別流路は、それぞれ、前記接続流路と前記第2共通流路とを連通させる第2連通流路をさらに含み、
    前記第2共通流路は、前記接続流路と前記第2方向に重なりかつ前記圧力室と前記第1方向に重なる重複部を有することを特徴とする、請求項1~6のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  8. 前記第2連通流路は、
    前記第2接続部から前記第2方向に延び、前記ノズルと前記第2方向に重ならない第1部分と、
    前記第1部分に接続し、前記ノズルと前記第2方向に重なる第2部分であって、前記第2方向に前記ノズルとの間に隔壁を挟む第2部分と、
    を含むことを特徴とする、請求項7に記載の液体吐出ヘッド。
  9. 前記圧力室の前記第1方向の他端を構成する第2側壁は、前記圧力室の前記第1方向の他端から一端に向かって前記第1接続部に近づくように傾斜した第2傾斜面を有することを特徴とする、請求項1~8のいずれか1項に記載の液体吐出ヘッド。
  10. 前記第1傾斜面の前記第1方向に対する角度と、前記第2傾斜面の前記第1方向に対する角度とは、互いに同じであることを特徴とする、請求項9に記載の液体吐出ヘッド。
  11. 前記圧力室は、前記第1方向において前記第1側壁と前記第2側壁との間に、前記第1方向に沿った第3側壁を有することを特徴とする、請求項9又は10に記載の液体吐出ヘッド。
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