JP2022071331A - ベース部材およびその製造方法、スピンドルモータ並びにハードディスク駆動装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ベース部材の表面に露出した鋳巣を封止した後もその状態を維持することができ、装置内部への塵埃の放出を抑制することができるベース部材を提供する。【解決手段】ハードディスク駆動装置の筺体の一部となるベース部材であって、鋳造品であるベース本体と、ベース本体の筐体内部側の一部を機械加工した加工面13aと、加工面13aに露出した鋳巣Bに充填された含浸剤Iと、ベース本体の加工面13aを含む表面を覆う塗装膜Fとを備えている。【選択図】図6
Description
本発明は、ハードディスク駆動装置などの電子機器のベース部材に係り、特に、ベース部材の表面に露出した鋳巣を封止する技術に関する。また、本発明は上記ベース部材を用いたスピンドルモータおよびハードディスク駆動装置に関する。
ハードディスク駆動装置のベースプレートは、一般にアルミニウムをダイカスト鋳造することで製造される。ダイカスト鋳造では、成形品を金型から外し易くするために、金型に抜き勾配が設けられる。このため、成形品には抜き勾配に対応する傾斜面が形成される。一方、ハードディスクの外周端とベースプレートのディスク対向面との距離は、ハードディスクの回転精度に影響を与える。このため、必要に応じてベースプレートのディスク対向面が機械加工され、ディスク対向面とハードディスクとの距離が調整される(例えば特許文献1)。また、ベースプレートの表面から塵埃等が発生するのを防止するために、ベースプレートの大部分は電着塗装で覆われる。
ところで、ダイカスト鋳造では成形品の内部に巣(鋳巣)が形成される。ダイカスト鋳造したままの状態では成形品の表面のチル層によって鋳巣は表面に現れないが、機械加工によってチル層が除去されると鋳巣がディスク対向面に現れることがある。そのような鋳巣を封止する技術として、エポキシ系樹脂を電着塗装によって鋳巣に含浸させることが提案されている(例えば特許文献2)。
しかしながら、本発明者の検討によれば、鋳巣が表面に開口していると、電着塗装で鋳巣を封止しきれず、後に不具合が生じることが判明している。特に、鋳巣の開口が小さい(20μm以下)場合には、電着塗料が十分に鋳巣に入り込まない。すなわち、電着塗装では粘性を有する塗装液によって鋳巣の開口部を塞ぐように電着塗装膜が形成され、電着塗装膜の内側の鋳巣が空隙となった状態で電着塗装膜が硬化する。そして、空隙においてアルミニウム中の炭化アルミニウムなどの介在物が露出していると、電着塗装時の水洗により鋳巣に浸入した水分と介在物とが徐々に反応し、炭素を含むガス成分が生成されるおそれがある。このガス成分によって空隙内部の圧力が上昇すると、鋳巣の開口部を覆う電着塗装膜が破壊される場合がある。この場合、反応によって生成された酸化アルミニウムや水酸化アルミニウムなどの微粒子が装置内部に放出される可能性がある。そのような塵埃の発生はハードディスクに対する読み書きエラーなどの不具合につながる。特に、ベースプレートのディスク対向面は、ハードディスクや読み書きヘッドに近いことから、そこからの塵埃の発生は極力避けなければならない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ベース部材の表面に露出した鋳巣を封止した後もその状態を維持することができ、装置内部への塵埃の放出を抑制することができるベース部材を提供することを目的としている。
本発明は、ハードディスク駆動装置の筺体の一部となるベース部材であって、鋳造品であるベース本体と、前記ベース本体の筐体内部側の一部を機械加工した加工部と、前記加工部に露出した鋳巣に充填された含浸剤と、前記ベース本体の前記加工部を含む表面を覆う塗装膜とを備えたベース部材である。
また、本発明は、ハードディスク駆動装置の筺体の一部となるベース部材の製造方法であって、鋳造によりベース本体を成形する成形工程と、前記ベース本体の筐体内部側の一部を機械加工して加工部を形成する機械加工工程と、前記機械加工工程の後に、前記加工部に露出した鋳巣に含浸剤を充填する含浸工程と、前記ベース本体の前記加工部を含む表面に塗装膜を形成する塗装工程とを含むベース部材の製造方法である。
本発明によれば、鋳巣に含浸剤が充填されているので、塗装膜の内側の鋳巣には空隙が形成されないか形成されても介在物が含浸剤に覆われる。このため、生成されるガス成分の量が少なく、ガス成分の圧力による塗装膜の破壊を抑制することができる。よって、装置内部への塵埃の放出を抑制することができる。
ここで、含浸は真空含浸、とりわけ真空加圧含浸によって行われることが望ましい。真空含浸では、含浸容器にベース本体を収容して内部を真空とし、次いで含浸剤を含浸容器に注入して内部を大気圧に戻す。これにより、鋳巣に含浸剤が充填される。この場合において、含浸容器内を大気圧に戻した後に圧縮空気を注入して加圧する真空加圧含浸を行うと、鋳巣のより奥まで含浸剤が充填される。なお、本発明は、真空含浸に限定されるものではなく、ベース本体を含浸剤に浸漬するだけの含浸処理方法を採用することもできる。
加工部に露出した鋳巣の差し渡し最外径が20μm以下である場合には、電着塗装による含浸では塗料が鋳巣へ十分に入り込まない。そのため、電着塗装膜の内側の空隙において発生するガス成分により電着塗装膜が破壊され、空隙から塵埃が放出される可能性が高くなる。その点、本発明では、差し渡し最外径が20μm以下の鋳巣にも含浸剤が充填されている。これにより、ガス成分の圧力により空隙を覆う塗装膜が破壊される可能性が下がる。含浸剤としてはアクリル系樹脂やエポキシ系樹脂を用いることができるが、ポリエステル系やシリコーン系など他の樹脂を用いることもできる。含浸剤の粘度は数mPa・sから数十mPa・s程度であることが好ましい。
塗装が電着塗装で行われる場合には、含浸剤として導電性樹脂を用いると好適である。導電性樹脂の含浸剤が電着塗装により塗装されると、電着塗装膜と含浸剤との間に空隙は形成されない。導電性樹脂としては、樹脂に黒鉛や金属などの導電性材料を混合したものや、ポリアジル、ポリパラフェニレン、ポリピロールなどの導電性高分子材料を用いることができる。
本発明は、上記ベース部材を備えたスピンドルモータであり、該スピンドルモータを備えたハードディスク駆動装置である。
本発明によれば、ベース部材の表面に露出した鋳巣を封止した後もその状態を維持することができ、装置内部への塵埃の放出を抑制することができる。また、ベース部材が内部に低密度気体を封入したハードディスク駆動装置に用いられる場合には、低密度気体の外部への漏出を抑制することができる。
1.ベース部材の構成
図1および2を参照して本発明のベース部材の一実施形態を説明する。図において符号10は実施形態のベース部材(ベース本体)であり、ベース部材10はアルミニウムのダイカスト鋳造により製造されている。符号11は底部であり、底部11は短辺と長辺とを有する長方形板状をなしている。底部11の全周には、底部11と直交する方向に延びる側壁部12が形成されている。
図1および2を参照して本発明のベース部材の一実施形態を説明する。図において符号10は実施形態のベース部材(ベース本体)であり、ベース部材10はアルミニウムのダイカスト鋳造により製造されている。符号11は底部であり、底部11は短辺と長辺とを有する長方形板状をなしている。底部11の全周には、底部11と直交する方向に延びる側壁部12が形成されている。
側壁部12は、ハードディスクの形状に沿った内周面形状を有する円形部13と、ハードディスクに対するデータの書込みと読取りを行う機構を収容する矩形状をなす矩形部14とを備えている。ダイカスト鋳造したままの状態では、円形部13と矩形部14の内周面には、金型の抜き勾配に対応して上方に向け僅かに拡開するように傾斜が付けられている。そのうちの円形部13の内周面(ディスク対向面)には機械加工が施され、底部11と直交する加工面(加工部)13aとされている。加工面13aは、ハードディスクの外周端から所定の一様な距離を有している。
図中符号15はベース部材10をハードディスク駆動装置に用いるときに使用する軸であり、符号18はハードディスク駆動装置のデータの読み書き機構を固定する支柱である。この実施形態におけるベース部材10は、内部にヘリウムガスなどの低密度気体を封入するハードディスク駆動装置に用いられるため、軸15および支柱18は、ガス漏洩防止のためにベース部材10と一体的にダイカスト鋳造されている。本発明はそのようなハードディスク駆動装置に限定されるものではない。したがって、ベース部10の底部11にネジ孔を形成し、軸15および支柱18をネジ孔に取り付けるか、ベース部10の底部11に形成した凹部や貫通孔に軸15および支柱18を圧入固定する構成であってもよい。
ベース部材10には含浸処理が施されている。含浸処理は後に詳述する真空加圧含浸処理であり、加工面13aに開口した鋳巣には硬化した含浸剤が充填されている。なお、含浸処理は真空加圧含浸処理に限らず、加圧を省いた真空含浸処理、ベース部材10を含浸剤に浸漬する浸漬含浸処理など任意の含浸処理方法を採用することができる。
ベース部材10の全面には、電着塗装が施されている。この電着塗装により、ベース部材10の表面からの塵埃の発生が防止されている。なお、塗装方法は電着塗装に限らず、粉体塗装、スプレー塗装、刷毛塗り塗装や、無電解ニッケルメッキなどのメッキ塗装であってもよい。図6(A)に示すように、電着塗装により、加工面13aは電着塗装膜Fで覆われ、含浸剤Iも電着塗装膜で覆われている。また、図6(B)に示すように、含浸剤Iの表面が鋳巣Bの開口部よりも内側に位置している場合には、電着塗装膜Fと含浸剤Iの表面との間に空隙Cが形成される可能性がある。
上記構成のベース部材10にあっては、鋳巣Bに含浸剤Iが充填されているので、電着塗装膜Fの内側の鋳巣Bには空隙Cが形成されないか形成されても介在物が含浸剤に覆われる。そのため、生成されるガス成分の量が少なく、ガス成分の圧力による塗装膜の破壊を抑制することができる。よって、装置内部への塵埃の放出を抑制することができる。
2.ベース部材の製造方法
次に、図5を参照して上記ベース部材10の製造方法について説明する。図5はベース部材10の製造方法を示すフローチャートである。
次に、図5を参照して上記ベース部材10の製造方法について説明する。図5はベース部材10の製造方法を示すフローチャートである。
(鋳造)
ベース部材10と同じ形状のキャビティを有するダイカスト金型にアルミニウムの溶湯を注入する。キャビティ内で溶湯が冷却固化したらダイカスト金型を開いてベース部材10を取り出し、ダイカスト金型のゲートに通じるランナーに残されて固化した部分を切断する。
ベース部材10と同じ形状のキャビティを有するダイカスト金型にアルミニウムの溶湯を注入する。キャビティ内で溶湯が冷却固化したらダイカスト金型を開いてベース部材10を取り出し、ダイカスト金型のゲートに通じるランナーに残されて固化した部分を切断する。
(機械加工)
ベース部材10の円形部13の内周面を機械加工して底部11と直交する加工面13aを形成する。これにより、加工面13aは、ハードディスクの外周端から所定の一様な距離を有するものとなり、ハードディスクの所定の回転精度を与えるものとなる。
ベース部材10の円形部13の内周面を機械加工して底部11と直交する加工面13aを形成する。これにより、加工面13aは、ハードディスクの外周端から所定の一様な距離を有するものとなり、ハードディスクの所定の回転精度を与えるものとなる。
(含浸)
ベース部材10を含浸容器に収容し、内部を真空にした後に含浸剤を含浸容器に注入してベース部材10を含浸剤に浸漬する。次いで、含浸容器内を大気圧に戻した後、圧縮空気を注入して含浸容器内を加圧する。これにより加工面13aに開口した鋳巣に含浸剤が充填される。次いで、含浸容器内を大気圧まで減圧してベース部材10を含浸容器から取り出す。ベース部材10の表面には含浸剤が付着しているのでこれを洗浄除去し、その後熱を加えて鋳巣に充填された含浸剤を硬化させる。
ベース部材10を含浸容器に収容し、内部を真空にした後に含浸剤を含浸容器に注入してベース部材10を含浸剤に浸漬する。次いで、含浸容器内を大気圧に戻した後、圧縮空気を注入して含浸容器内を加圧する。これにより加工面13aに開口した鋳巣に含浸剤が充填される。次いで、含浸容器内を大気圧まで減圧してベース部材10を含浸容器から取り出す。ベース部材10の表面には含浸剤が付着しているのでこれを洗浄除去し、その後熱を加えて鋳巣に充填された含浸剤を硬化させる。
(電着塗装)
ベース部材10を水溶性の例えばエポキシ系樹脂を溶かした液中に浸漬し、電流を流してベース部材10に樹脂を付着させた後に乾燥し、熱硬化させる。この電着塗装により、ベース部材10の全面が樹脂で覆われ、ベース部材10の表面での塵埃の発生が抑制される。
ベース部材10を水溶性の例えばエポキシ系樹脂を溶かした液中に浸漬し、電流を流してベース部材10に樹脂を付着させた後に乾燥し、熱硬化させる。この電着塗装により、ベース部材10の全面が樹脂で覆われ、ベース部材10の表面での塵埃の発生が抑制される。
以上の工程を有するベース部材10の製造方法においては、真空加圧含浸処理を行っているので、鋳巣の全部ないし多くの部分を含浸剤で満たすことができる。したがって、塗装膜の内側の鋳巣には空隙が形成されないか形成されても介在物が含浸剤に覆われる。このため、生成されるガス成分の量が少なく、ガス成分の圧力による塗装膜の破壊を抑制することができる。
3.スピンドルモータ
図3は上記ベース部材10を用いた本発明の実施形態のスピンドルモータ100を示す断面図である。ベース部材10には、円筒状をなす金属製のシャフト102が圧入などの手段によって固定されている。また、ベース部材10には、ステータコア103が固定されている。ステータコア103は、薄板状の軟磁性材料(例えば、電磁鋼板)を軸方向で複数枚積層したものであり、環形状を有し、径方向外側に突出した複数の極歯を備えている。複数の極歯は、周方向に沿って等間隔に設けられ、それぞれにコイル104が巻回されている。
図3は上記ベース部材10を用いた本発明の実施形態のスピンドルモータ100を示す断面図である。ベース部材10には、円筒状をなす金属製のシャフト102が圧入などの手段によって固定されている。また、ベース部材10には、ステータコア103が固定されている。ステータコア103は、薄板状の軟磁性材料(例えば、電磁鋼板)を軸方向で複数枚積層したものであり、環形状を有し、径方向外側に突出した複数の極歯を備えている。複数の極歯は、周方向に沿って等間隔に設けられ、それぞれにコイル104が巻回されている。
シャフト102には、円錐状の軸受部材201,202が固定され、軸受部材201,202にはロータ110が回転可能に支持されている。ロータ110は、外側円筒部111を有し、外側円筒部111の内周面には、円環状のロータマグネット112が固定されている。ロータマグネット112は、周方向に沿ってSNSN・・と隣接する部分が交互に異極性となるように着磁されている。ロータマグネット112の内周面は、隙間を有した状態でステータコア103の極歯の外周面に対向している。コイル104に駆動電流を流すことでロータ110がベース部材10に固定されたシャフト102およびステータコア103に対して回転する。
また、シャフト102の下端中空部分には、ピンなどの封止部材203が挿入され、封止部材203は接着剤などの固定部材204によってシャフト102内に固定されている。この封止部材203および固定部材204によってシャフト102からのハードディスク駆動装置の内部の低密度気体の漏洩が防止されている。
上記構成のスピンドルモータ100においては、ベース部材10の加工面13aからの塵埃の放出が抑制されるので、スピンドルモータ100が組み込まれたハードディスク駆動装置では、ハードディスクに対する読み書きエラーなどの不具合の発生が抑制される。また、加工面13aからの鋳巣を通じたヘリウムガスの外部への漏洩が抑制されているから、装置内部からのヘリウムガスの漏洩を抑制することもできる。
4.ハードディスク駆動装置
図4は上記スピンドルモータ100を用いた本発明の実施形態のハードディスク駆動装置400を示す図である。スピンドルモータ100には、複数のハードディスク401が互いに離間して取り付けられている。ベース部材10の軸15には、スイングアーム402が回転可能に支持されている。
図4は上記スピンドルモータ100を用いた本発明の実施形態のハードディスク駆動装置400を示す図である。スピンドルモータ100には、複数のハードディスク401が互いに離間して取り付けられている。ベース部材10の軸15には、スイングアーム402が回転可能に支持されている。
スイングアーム402の先端部には、磁気ヘッド403が取り付けられている。また、スイングアーム402は、駆動機構404によって揺動するようになっている。駆動機構404は、支柱18に取り付けられている。このようなスイングアーム402は、各ハードディスク401に対してそれぞれ設けられている。そして、スイングアーム402,磁気ヘッド403,および駆動機構404によってハードディスク401に対してデータの書き込みと読み取りを行う読書き機構405が構成されている。なお、符号406は読書き機構405を制御する回路基板であり、回路基板406は支柱18に取り付けられている。
図4(B)に示すように、ベース部材10の側壁部12の上面には、ガスケットなどのシール材(図示略)を介してカバー17が固定されている。カバー17は、溶接ビード17aに示されるように、側壁部12の上面の全周にレーザ溶接などの手段により溶接されている。なお、本発明は、内部にヘリウムガスなどの低密度気体を封入するハードディスク駆動装置に限定されないため、側壁部12へのカバー17の固定手段は溶接に限定されず、ネジ止め等によるものであってもよい。
上記構成のハードディスク駆動装置400では、スピンドルモータ100によってハードディスク401が回転させられ、ハードディスク401に対して磁気ヘッド403によってデータの書込みと読取りが行われる。上記構成のハードディスク駆動装置400にあっては、ベース部材10の円形部13の加工面13aからの塵埃の放出が抑制されているので、ハードディスク401に対する読み書きエラーなどの不具合の発生が抑制されている。また、加工面13aからの鋳巣を通じたヘリウムガスの外部への漏洩が抑制されているから、装置内部からのヘリウムガスの漏洩を抑制することができる。
5.変更例
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような変更が可能である。
(1)本発明は、ベース部材10の内部に低密度気体を封入しない形式のハードディスク駆動装置に適用可能である。
(2)加工面13aは円形部13の内周面に限らず、底部11の底面や矩形部14の内周面など任意の箇所に設定することができる。
(3)含浸剤Iとして導電性樹脂を用いることができる。これにより、図6(C)に示すように、鋳巣Bの開口部よりも内側に含浸剤Iの表面が位置している場合であっても、含浸剤Iの表面まで電着塗装されるので空隙は形成されない。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、以下のような変更が可能である。
(1)本発明は、ベース部材10の内部に低密度気体を封入しない形式のハードディスク駆動装置に適用可能である。
(2)加工面13aは円形部13の内周面に限らず、底部11の底面や矩形部14の内周面など任意の箇所に設定することができる。
(3)含浸剤Iとして導電性樹脂を用いることができる。これにより、図6(C)に示すように、鋳巣Bの開口部よりも内側に含浸剤Iの表面が位置している場合であっても、含浸剤Iの表面まで電着塗装されるので空隙は形成されない。
具体的な実施例により本発明の効果を説明する。
図5に示す製造工程により本発明の実施例のベース部材を製造した。また、比較例として、図5において含浸を行わない製造工程によってベース部材を製造した。それらベース部材を製造後一か月放置して機械加工した部分における電着塗装膜の破壊の有無を調査した。
図5に示す製造工程により本発明の実施例のベース部材を製造した。また、比較例として、図5において含浸を行わない製造工程によってベース部材を製造した。それらベース部材を製造後一か月放置して機械加工した部分における電着塗装膜の破壊の有無を調査した。
実施例および比較例では、電着塗装膜が破壊されている箇所が1つでもあれば不良品と判定した。その結果、比較例では不良率は約0.1%であったが、実施例では0.03%であった。このように、本発明では、鋳巣を覆う電着塗装膜の破壊を抑制することができるので、装置内部への塵埃の放出を抑制することができる。
本発明は、スピンドルモータやハードディスク駆動装置などの電子機器、およびそれらに用いられるベース部材に利用可能である。
10…ベース部材(ベース本体)、11…底部、12…側壁部、13…円形部、13a…加工面(加工部)14…矩形部、15…軸、17…カバー、17a…溶接ビード、18…支柱、100…スピンドルモータ、102…シャフト、103…ステータコア、104…ステータコイル、110…ロータ、111…外側円筒部、112…ロータマグネット、201…軸受部材、202…軸受部材、203…封止部材、204…固定部材、400…ハードディスク駆動装置、401…ハードディスク、402…スイングアーム、403…磁気ヘッド、404…駆動機構、405…読書き機構、406…回路基板、B…鋳巣、C…空隙、F…電着塗装膜、I…含浸剤。
Claims (12)
- ハードディスク駆動装置の筺体の一部となるベース部材であって、
鋳造品であるベース本体と、
前記ベース本体の筐体内部側の一部を機械加工した加工部と、
前記加工部に露出した鋳巣に充填された含浸剤と、
前記ベース本体の前記加工部を含む表面を覆う塗装膜と、
を備えたベース部材。 - 前記加工部は、ハードディスクの外周端と対向する面である請求項1に記載のベース部材。
- 前記加工部に露出した前記鋳巣の内差し渡し最外径が20μm以下である前記鋳巣にも前記含浸剤が充填されている請求項1または2に記載のベース部材。
- 前記塗装膜は電着塗装により形成され、前記含浸剤は導電性樹脂からなる請求項1乃至3のいずれかに記載のベース部材。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載のベース部材を備えたスピンドルモータ。
- 請求項5に記載のスピンドルモータを備えたハードディスク駆動装置。
- ハードディスク駆動装置の筺体の一部となるベース部材の製造方法であって、
鋳造によりベース本体を成形する成形工程と、
前記ベース本体の筐体内部側の一部を機械加工して加工部を形成する機械加工工程と、
前記機械加工工程の後に、前記加工部に露出した鋳巣に含浸剤を充填する含浸工程と、
前記ベース本体の前記加工部を含む表面に塗装膜を形成する塗装工程と、
を含むベース部材の製造方法。 - 前記含浸工程は真空含浸である請求項7に記載のベース部材の製造方法。
- 前記含浸工程は真空加圧含浸である請求項8に記載のベース部材の製造方法。
- 前記機械加工工程では、ハードディスクの外周端と対向する面を機械加工する請求項7乃至9のいずれかに記載のベース部材の製造方法。
- 前記加工部に露出した前記鋳巣の内差し渡し最外径が20μm以下である前記鋳巣にも前記含浸剤を充填する請求項7乃至10のいずれかに記載のベース部材の製造方法。
- 前記塗装工程は電着塗装工程であり、前記含浸剤は導電性樹脂からなる請求項7乃至11のいずれかに記載のベース部材の製造方法。
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