JP2022071144A - 電動弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】流通する流体(冷媒)中に含まれる異物が弁体と弁シートとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられないようにでき、もって、弁シートや弁体に傷、打痕等がつかず、弁漏れを生じ難くできる信頼性の高い電動弁を提供する。【解決手段】ロータ57の回転をねじ送り機構により主弁体20の上下動に変換するようにされた電動弁1であって、主弁体20周りに、弁口9を開閉するための副弁体30が配設され、該副弁体30は、主弁体20が弁口9を閉弁する際、弁口9を主弁体20より先に閉弁するとともに、副弁体30及び弁口9の少なくとも一方に、副弁体30が弁口9を閉弁した後、主弁体20が弁口9を閉弁するまで、弁口9と弁室7とを連通せしめるフィルタ35が設けられている。【選択図】図4

Description

本発明は、ヒートポンプ式冷暖房システム等に使用するのに好適な電動弁に係り、特に、流通する流体(冷媒)中に含まれる金属粉等の異物に起因する不具合が生じ難くされた電動弁に関する。
従来より、電動弁として、弁室、複数の入出口、弁シート、及び弁口等が設けられた弁本体と、前記弁室に上下動可能に配在された弁体と、該弁体を前記弁シートに対して接離させるための、例えば雄ねじが設けられた弁軸及び雌ねじが設けられたガイドステム等からなるねじ送り機構と、前記弁本体に密封接合された円筒状のキャンと、該キャンの内側に回転可能に配在されたロータ及び該キャンの外側に配在されたステータからなるステッピングモータとを備え、前記ロータの回転をねじ送り機構により弁体の上下動に変換して、弁体のリフト量(弁開度)を変化させることにより、弁口を通過する流体(冷媒)の流量を調整するようにされたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
かかる電動弁では、通常、ロータの回転を減速することなくねじ送り機構に伝達するようされているが(このタイプを直動式の電動弁と称する)、近年においては、シール圧を上げるべく、例えば特許文献2に見られるように、ロータとねじ送り機構との間に遊星歯車式減速機構を介装し、ロータの回転を減速してねじ送り機構に伝達し、もって、弁体の軸力、すなわち、弁体の弁シートへの押し付け力を増大するようにしたものが知られている(このタイプを歯車減速式の電動弁と称する)。
特開2012-172749号公報 特開2013-130271号公報
しかしながら、上記のような従来の電動弁では、弁体のリフト量が微小(微開)であるとき、流体(冷媒)中に含まれる異物(金属粉、削りカス、研磨材、スラッジ等)が弁体部分に詰まり気味となり、この微開状態から閉弁すると、詰まり気味の異物が弁体と弁シートとの間に噛み込まれ、この異物噛み込みにより弁漏れしやすくなるという問題がある。
特に、弁体の弁シートへの押し付け力を増大するようにした歯車減速式の電動弁では、閉弁時に、異物が弁体と弁シートとの間に噛み込まれると、その噛み込まれた異物が弁体により弁シートに強く押し付けられるので、弁シートや弁体(のシール面)に傷、打痕等がつき、弁漏れが生じやすくなる。
そこで、従来、上記した如くの歯車減速式の電動弁を例えば緊急遮断弁として使用する場合には、当該電動弁を直列に2台繋いで安全性を高めるようにしているが、かかる方策では、システムへの弁の組み込みや配管等を考慮すると、電動弁を1台だけで済ます場合と比べてコストが大幅に増大し、しかも、異物噛み込み自体は発生し得るので、費用対効果の面で良策ではない。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、流通する流体(冷媒)中に含まれる異物が弁体と弁シートとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられないようにでき、もって、弁シートや弁体に傷、打痕等がつかず、弁漏れを生じ難くできる信頼性の高い電動弁を提供することにある。
前記目的を達成すべく、本発明に係る電動弁は、基本的には、弁室、複数の入出口、及び弁口が設けられた弁本体と、前記弁口を開閉すべく前記弁室に上下動可能に配在された主弁体と、前記弁本体に接合された筒状のキャンと、該キャンの内側に回転可能に配在されたロータ及び該キャンの外側に配在されたステータからなるステッピングモータと、前記ロータの回転を前記主弁体の上下動に変換するねじ送り機構とを備え、前記主弁体に、前記弁口を開閉するための副弁体が配設され、該副弁体は、前記主弁体が前記弁口を閉弁する際、前記弁口を前記主弁体より先に閉弁するとともに、前記副弁体及び前記弁口の少なくとも一方に、前記副弁体が前記弁口を閉弁した後、前記主弁体が前記弁口を閉弁するまで、前記弁口と前記弁室とを連通せしめるフィルタが設けられ、前記弁本体における前記弁口に、前記主弁体が接離する主弁シートが設けられるとともに、前記副弁体が接離する副弁シートを持つ前記フィルタが固着されていることを特徴としている。
好ましい態様では、前記弁本体における前記弁口に、前記主弁体が接離する主弁シートと前記副弁体が接離する副弁シートとが別個に設けられる。
更に好ましい態様では、前記主弁体は、前記主弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされ、前記副弁体は、前記副弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされる。
別の好ましい態様では、前記主弁体に前記副弁体が上下方向に摺動可能かつ抜止係止されて配在される。
更に好ましい態様では、前記副弁体は、前記主弁体に所定の隙間を持って上下動可能かつ抜止係止されて配在されるとともに、貫通穴からなるブリード穴を持つ円筒状部を有し、該円筒状部における前記ブリード穴の外側もしくは内側に前記フィルタが配在される。
更に好ましい態様では、前記円筒状部の下部に、前記弁口に接離する下側外鍔状部が設けられる。
更に好ましい態様では、前記副弁体と前記主弁体との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装される。
更に好ましい態様では、前記フィルタは、前記下側外鍔状部と、前記弾性部材と前記副弁体との間に介装されたワッシャとの間で狭圧保持される。
更に好ましい態様では、前記主弁体は、前記弁口を開閉する主弁体部と、該主弁体部の上側に連設されるストラット部とを有し、前記主弁体部の上面と前記ストラット部の下面との間に、前記円筒状部の上部に設けられた上側内鍔状引っ掛け部が上下動可能かつ抜止係止されて配在されるとともに、前記ストラット部と前記上側内鍔状引っ掛け部との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装される。
更に好ましい態様では、前記円筒状部の下部に、前記弁口に接離する下側外鍔状部が設けられ、前記フィルタは、前記下側外鍔状部と、前記弾性部材と前記上側内鍔状引っ掛け部との間に介装されたワッシャとの間で狭圧保持される。
別の好ましい態様では、前記主弁体に、一端が前記主弁体に固定され、他端が前記弁口に設けられた前記フィルタに弾性的に接離する前記副弁体が配在される。
更に好ましい態様では、前記副弁体と前記主弁体との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装される。
また、本発明に係る電動弁は、基本的には、弁室、複数の入出口、及び弁口が設けられた弁本体と、前記弁口を開閉すべく前記弁室に上下動可能に配在された主弁体と、前記弁本体に接合された筒状のキャンと、該キャンの内側に回転可能に配在されたロータ及び該キャンの外側に配在されたステータからなるステッピングモータと、前記ロータの回転を前記主弁体の上下動に変換するねじ送り機構とを備え、前記主弁体に、前記弁口を開閉するための副弁体が配設され、該副弁体は、前記主弁体が前記弁口を閉弁する際、前記弁口を前記主弁体より先に閉弁するとともに、前記副弁体及び前記弁口の少なくとも一方に、前記副弁体が前記弁口を閉弁した後、前記主弁体が前記弁口を閉弁するまで、前記弁口と前記弁室とを連通せしめるフィルタが設けられ、前記主弁体に、一端が前記主弁体に固定され、他端が前記弁口に設けられた前記フィルタに弾性的に接離する前記副弁体が配在されていることを特徴としている。
好ましい態様では、前記副弁体と前記主弁体との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装される。
他の好ましい態様では、前記弁本体における前記弁口に、前記主弁体が接離する主弁シートと前記副弁体が接離する副弁シートとが別個に設けられる。
更に好ましい態様では、前記主弁体は、前記主弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされ、前記副弁体は、前記副弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされる。
別の好ましい態様では、前記主弁体と前記副弁体との間にシール部材が介装される。
別の好ましい態様では、前記ロータと前記ねじ送り機構との間に遊星歯車式減速機構が設けられる。
本発明に係る電動弁では、主弁体に、弁口を主弁体より先に閉弁する副弁体が設けられているので、副弁体が微開状態にあるとき、流体(冷媒)中に含まれる異物が副弁体により堰き止められ、そこから副弁体が閉弁すると流体(冷媒)が実質的に流れなくなるため、異物が主弁体と主弁シートとの間に噛み込まれることはなく、したがって、主弁体が閉弁して主弁シートに強く押し付けられても、主弁体や主弁シートに傷、打痕等はつくことはない。
また、異物は副弁体と副弁シートとの間に噛み込まれるおそれがあるが、副弁体はOリング等の弾性部材もしくは副弁体自体の弾性力により付勢されているだけであるので、その押し付け力はさほど強くなく、したがって、副弁体と副弁シートに傷、打痕等はつかない。
また、異物が副弁体と副弁シートとの間に噛み込まれて、それらの間に隙間が生じても、主弁体は閉弁しているので、弁漏れは生じない。
このように、本発明によれば、流体(冷媒)中に含まれる異物が主弁体と主弁シートとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられるような事態を生じ難くでき、そのため、弁シートや弁体に傷、打痕等がつかないようにでき、その結果、弁漏れを効果的に防止して、閉弁の信頼性を向上させることができる。
また、本発明に係る電動弁では、副弁体及び弁口の少なくとも一方に、副弁体が弁口を閉弁した後、主弁体が弁口を閉弁するまで(換言すれば、主弁体が弁口を開弁した後、副弁体が弁口を閉弁している間)、弁口と弁室とを連通せしめるフィルタが設けられているので、開弁時に、流体(冷媒)がフィルタを通過するため、副弁体に作用する差圧をキャンセルできるとともに、通過する流体(冷媒)中に含まれる異物が当該フィルタにより捕捉され、流体(冷媒)中に含まれる異物が主弁体と主弁シートとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられるような事態を生じ難くできる。
本発明に係る電動弁の第1実施形態の全閉状態を示す全体縦断面図。 図1に示される電動弁の要部拡大縦断面図。 第1実施形態の電動弁における、第1流れ時の閉弁動作中(1)の説明に供される要部拡大縦断面図。 第1実施形態の電動弁における、第1流れ時の閉弁動作中(2)の説明に供される要部拡大縦断面図。 第1実施形態の電動弁における、第1流れ時の閉弁動作完了(全閉)の説明に供される要部拡大縦断面図。 第1実施形態の電動弁における、第1流れ時の開弁動作中の説明に供される要部拡大縦断面図。 第1実施形態の電動弁における、第2流れ時の閉弁動作中(1)の説明に供される要部拡大縦断面図。 第1実施形態の電動弁における、第2流れ時の閉弁動作中(2)の説明に供される要部拡大縦断面図。 図1に示される副弁体の縦断面図。 本発明に係る電動弁の第2実施形態を示し、第2実施形態の電動弁における、第1流れ時の閉弁動作中(1)の説明に供される要部拡大縦断面図。 第2実施形態の電動弁における、第1流れ時の閉弁動作中(2)の説明に供される要部拡大縦断面図。 第2実施形態の電動弁における、第1流れ時の閉弁動作完了(全閉)の説明に供される要部拡大縦断面図。 第2実施形態の電動弁における、第1流れ時の開弁動作中の説明に供される要部拡大縦断面図。 本発明に係る電動弁の第2実施形態の他例(全閉状態)の要部拡大縦断面図。 本発明に係る電動弁の第2実施形態の更なる他例(全閉状態)の要部拡大縦断面図。
以下、本発明の実施形態を図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明に係る電動弁の第1実施形態の全閉状態を示す全体縦断面図、図2は、図1に示される電動弁の要部拡大縦断面図である。また、図3~図8は、図1及び図2に示される電動弁の構成並びに動作説明に供される要部拡大縦断面図である。
なお、本明細書において、上下、左右、前後等の位置、方向を表わす記述は、説明が煩瑣になるのを避けるために図面に従って便宜上付けたものであり、実際にシステムに組み込まれた状態での位置、方向を指すとは限らない。
また、各図において、部材間に形成される隙間や部材間の離隔距離等は、発明の理解を容易にするため、また、作図上の便宜を図るため、各構成部材の寸法に比べて大きくあるいは小さく描かれている場合がある。
図示実施形態の電動弁1は、例えばヒートポンプ式冷暖房システムにおいて膨張弁として使用するのに好適なもので、流体(冷媒)が双方向(横から下への第1流れ方向と下から横への第2流れ方向)に流されるようになっている。また、本実施形態の電動弁1は、後述するように、ロータとねじ送り機構との間に遊星歯車式減速機構を介装し、主弁体の軸力を高めてシール性を向上させるようになっている。
電動弁1は、板金製の筒状基体10Aを有する弁本体10と、この弁本体10内に上下動可能に配在された主弁体20と、この主弁体20を上下動させるべく、弁本体10の上側に取り付けられたステッピングモータ50とを備える。
弁本体10の筒状基体10Aには、弁室7が形成されるとともに、その側部に、弁室7に開口する横向きの第1入出口(導管継手)11が取り付けられている。また、筒状基体10Aの下端部(つまり、弁室7の底部)に、下側から弁室7に開口する縦向きの弁口9、該弁口9の上端内周角部からなる主弁シート8a、逆円錐台面8cを介して該主弁シート8aの外側に配備された該弁口9の上端外周頂部からなる副弁シート8bが形成された段付きの弁座部材8(の下部外周に設けられた外鍔状部)が溶接等により固着されており、この弁座部材8に、前記弁口9に連なる第2入出口(導管継手)12が取り付けられている。
筒状基体10Aの上面開口部には、段付きの筒状基台13が取着され、この筒状基台13の上端部には、ステッピングモータ50の一部を構成する天井部付き円筒状のキャン58の下端部が溶接等により密封接合されている。筒状基台13の内周側には隔壁14c付き筒状保持部材14が圧入等により固定され、この筒状保持部材14の上部には、下部内周にめねじ15iが設けられた軸受部材15がかしめ係止固定されている。筒状保持部材14の隔壁14cの直上は、圧縮コイルばねからなる開弁ばね25が収納されるばね室14aとされている。
また、前記主弁体20は、概略段付き円筒状を有し、主弁シート8aに対して垂直方向に上下動して弁口9を開閉するポペット弁とされている。この主弁体20は、図2を参照すればよくわかるように、前記弁座部材8の主弁シート8aに接離して弁口9を開閉する若干大径の主弁体部20Aと、この主弁体部20Aの上側に連設され、その上部が筒状保持部材14における隔壁14cより下側の弁体ガイド穴14bに摺動自在に嵌挿される若干小径のストラット部20Bとを有する。本例では、主弁体部20A(の上面中央)に上向きに突設された小径嵌合筒部21の略上半部が、円筒状部材からなるストラット部20Bに形成された下部大径嵌合穴22に圧入等により嵌合固定されており、主弁体部20Aとストラット部20Bとは一体(つまり、一体に上下動可能)とされるとともに、主弁体部20Aの小径嵌合筒部21の下半部周りで主弁体部20Aの上面とストラット部20Bの下面との間に所定の大きさの間隙(後述する上側内鍔状引っ掛け部30Cが相対的に上下動可能な間隙)が形成されている。主弁体部20Aの下面外周部には、所要のシール性が得られるように、前記主弁シート8aに対して実質的に線接触する逆円錐台状のシール面20aが設けられている。
そして、本実施形態では、前記主弁体20の下部外周側(詳しくは、主弁体部20Aの外周側)に、弁口9を開閉するための副弁体30が上下方向に摺動可能に配設されている。すなわち、上記した如くに、弁本体10における弁座部材8(弁口9)の上部内周側(角部)に、主弁体部20A(のシール面20a)が接離する主弁シート8aが設けられ、逆円錐台面8cを介してこの主弁シート8aとは別個に、弁座部材8の上部外周側(頂部)に、副弁体30のシール面(下側外鍔状部30Bの下面(本例では、上下方向に対して垂直な平坦面))30aが接離する副弁シート8bが設けられている。この副弁体30は、主弁体20の下部外周(主弁体部20Aの外周)に(所定の隙間を持って)上下動可能に外挿された下側外鍔状部30B付き円筒状部30Aを有し、当該下側外鍔状部30B(のシール面(下側外鍔状部30Bの下面)30a)が前記副弁シート8bに対して垂直方向に上下動して弁口9を開閉するようにされている。
より詳細には、図9を併せて参照すればよく分かるように、前記副弁体30は、天井部に小径嵌合筒部21が摺動自在に挿入される嵌挿穴30cが形成されるとともに、主弁体20における主弁体部20Aより若干大径の断面略ハット状を有している。すなわち、この副弁体30は、外径が主弁体部20Aより若干大きく形成され、主弁体部20Aの外周側に所定の隙間を持って上下動可能に外挿されるとともに、上下方向(軸線O方向)長さが主弁体部20Aより若干短い下側外鍔状部30B付きの円筒状部30Aを有するとともに、この副弁体30の天井部(換言すれば、円筒状部30Aの上端から、主弁体部20Aの上面とストラット部20Bの下面との間の間隙を通って主弁体部20Aの小径嵌合筒部21の外周まで延びる部分)は、主弁体部20Aの上面に係止される上側内鍔状引っ掛け部30Cとなっている。また、主弁体20におけるストラット部20Bの下面中央(つまり、主弁体部20Aの小径嵌合筒部21の外周)に設けられた環状凹部22Aと前記上側内鍔状引っ掛け部30Cとの間には、(後述するワッシャ32を介して)前記副弁体30を常時下方(閉弁方向)に付勢する付勢部材としてのOリング(弾性部材)33が圧縮状態で収容されている。
前記副弁体30は、前述したように、前記主弁体20に上下方向に摺動可能かつその天井部(上側内鍔状引っ掛け部30C)により抜止係止されて配在されるとともに、主弁体20が開弁状態から閉弁せしめられる際、弁口9を主弁体20より先に閉弁する(換言すれば、主弁体20のシール面20aが弁座部材8(弁口9)の主弁シート8aに着座する前に、副弁体30のシール面30aが弁座部材8(弁口9)の副弁シート8bに着座する)ように、各部の寸法形状が設定されている(後で詳述)。
また、本実施形態では、前記副弁体30における円筒状部30Aに、例えば略等角度間隔で形成された複数個(1個でもよい)の貫通穴からなるブリード穴34が設けられるとともに(図9を併せて参照)、その円筒状部30A(におけるブリード穴34)の外周に、例えば焼結金属等で作製された円筒状の多孔体からなるフィルタ35が配在(外装)されている。本例では、前記フィルタ35は、上下方向(軸線O方向)長さが円筒状部30Aより僅かに長く形成されており、前記副弁体30と前記Oリング33との間に、内端がOリング33と上側内鍔状引っ掛け部30C(の上面)との間に介装され、外端が円筒状部30Aの外側まで延びてフィルタ35(の上面)上に載置されるリング状の薄板で構成されるワッシャ32が配在されている。前記円筒状部30Aに外装されたフィルタ35は、前記Oリング33の弾性力(圧縮力)を利用して前記下側外鍔状部30B(の上面)と前記ワッシャ32(の外端下面)との間で狭圧保持されている。
前記フィルタ35は、冷媒は通過させるが異物は通過させない機能を有するものであり、焼結金属や発泡部材等の多孔体の他に、線材を網目状に織り込んだメッシュ部材、複数のメッシュ部材を積層させた積層体、及び、複数の開口を形成した板状部材等から構成できる。
これにより、副弁体30が弁口9を閉弁した後、主弁体20が弁口9を閉弁するまで(換言すれば、主弁体20が弁口9を開弁した後、副弁体30が弁口9を閉弁している間)は、副弁体30(の円筒状部30A)の外周に設けられたフィルタ35、副弁体30(の円筒状部30A)に設けられたブリード穴34、副弁体30(の円筒状部30Aの内周)と主弁体20(の主弁体部20Aの外周)との間の隙間、主弁体20(の主弁体部20A)と主弁シート8aとの間を通して、流体(冷媒)が弁室7と弁口9との間で流通する(後で詳述)。
一方、弁本体10(の筒状基体10A)の上側に配置されたステッピングモータ50は、ヨーク51、ボビン52、コイル53、樹脂モールド54等からなる2相のコイル部を有し、キャン58に外嵌固定されたステータ55と、キャン58内に回転自在に配在され、ロータ支持部材56がその上部内側に固着されたロータ57とを有している。また、ロータ57の内周側には、ロータ支持部材56に一体的に設けられた太陽歯車41、筒状保持部材14の上端部に固着された筒状体14dの先端に固定された固定リング歯車47、前記太陽歯車41及び固定リング歯車47に歯合する遊星歯車42、該遊星歯車42を回転自在に支持するキャリア44、前記遊星歯車42に歯合するリング状の出力歯車45、該出力歯車45に固着された出力軸46等からなる不思議遊星歯車式減速機構40が付設されている。前記固定リング歯車47の歯数は、前記出力歯車45の歯数とは異なるようにされている。
前記出力軸46の上部に設けられた穴に支持軸49の下部が挿通されており、該支持軸49に前記キャリア44、太陽歯車41(ロータ支持部材56)が挿通されている。
キャン58内部において、該キャン58の天井部とロータ支持部材56との間には、該キャン58の内径とほぼ同一径を有する支持部材48が配置され、前記支持軸49の上部は、支持部材48の中心部に設けられた穴に挿通されている。
前記不思議遊星歯車式減速機構40の出力軸46は、軸受部材15の上部に回転自在に嵌挿され、この出力軸46の回転が、前記軸受部材15に設けられためねじ15iに螺合するおねじ17eが設けられた回転上下動軸17に伝達される。出力軸46の下部にはスリット状嵌合部46aが設けられ、回転上下動軸17の上部には前記スリット状嵌合部46aに摺動自在に嵌合する板状部17aが突設されており、出力軸46が回転すると、前記めねじ15iとおねじ17eによるねじ送りにより回転上下動軸17が回転しながら上下動せしめられる。
回転上下動軸17の下方には、該回転上下動軸17の下方への推力がボール18、ボール受座19を介して伝達される段付き筒状の推力伝達部材23が配在されている。なお、ボール18を介在させていることにより、回転上下動軸17が回転しながら下降しても、回転上下動軸17から推力伝達部材23へは下方への推力のみが伝達され、回転力は伝達されない。
推力伝達部材23は、上から順に、内周に前記ボール受座19が嵌め込まれた大径上部23a、前記筒状保持部材14の隔壁14cに摺動自在に挿通せしめられる中間胴部23b、該中間胴部23bより小径の小径下部23cからなっており、その内部に、後述する均圧通路26の上部を構成する貫通孔26d及び後述する背圧室27に開口する複数個の横孔26eが設けられている。なお、貫通孔26dの上端開口はボール受座19により閉塞されている。
推力伝達部材23の小径下部23cは、段付き円筒状の主弁体20(のストラット部20B)の上部嵌合穴20dに圧入等により嵌合固定され、主弁体20と推力伝達部材23とは一体に上下動せしめられる。主弁体20(のストラット部20B)の上端面と推力伝達部材23の中間胴部23bの下端段差部との間には、前記小径下部23cの圧入時において押さえ部材24が挟み込まれて固定されており、この押さえ部材24と主弁体20(のストラット部20B)の上端部に設けられた環状溝と前記筒状保持部材14の弁体ガイド穴14bとの間には、Oリング、リング状パッキンからなるシール部材29が装着されている。
また、筒状保持部材14の隔壁14cより上側のばね室14aには、圧縮コイルばねからなる開弁ばね25がその下端を隔壁14cに当接させた状態で縮装されるとともに、この開弁ばね25の付勢力(引き上げ力)を推力伝達部材23を介して主弁体20に伝達すべく、上下に鍔状引っ掛け部(上引っ掛け部28a、下引っ掛け部28b)を有する引き上げばね受け体28が配在されている。引き上げばね受け体28の上引っ掛け部28aは、開弁ばね25の上に乗せられ、下引っ掛け部28bは推力伝達部材23の大径上部23aの下端段差部を掛止するようになっている。
したがって、本実施形態では、めねじ15iが設けられた軸受部材15とおねじ17eが設けられた回転上下動軸17等でねじ送り機構が構成され、ステッピングモータ50(ロータ57)が一方向に回転せしめられるとき、前記めねじ15iとおねじ17eによるねじ送りにより回転上下動軸17が回転しながら例えば下動せしめられ、回転上下動軸17の推力により、推力伝達部材23及び主弁体20が開弁ばね25の付勢力に抗して押し下げられ、最終的には主弁体部20Aのシール面20aが主弁シート8aに押し付けられて弁口9が閉じられる。
それに対し、ステッピングモータ50(ロータ57)が他方向に回転せしめられるときには、前記めねじ15iとおねじ17eによるねじ送りにより回転上下動軸17が回転しながら例えば上動せしめられ、それに伴い推力伝達部材23及び主弁体20が開弁ばね25の付勢力によって引き上げられ、主弁体部20Aのシール面20aが主弁シート8aからリフト(上昇)して弁口9を開くようにされている。
なお、副弁体30を含めた詳細な動作説明は後述する。
本実施形態では、前記主弁体20の上方で押さえ部材24と筒状保持部材14の隔壁14cとの間に、背圧室27が画成されている。また、主弁体20(の主弁体部20A及びストラット部20B)内には、該主弁体20の先端部(下端部)と背圧室27とを連通させる段付きの均圧通路26が設けられている。この均圧通路26は、前記した推力伝達部材23の縦穴26d及び横孔26eとともに背圧室27に連通している。ここでは、閉弁状態において主弁体20に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と主弁体20に作用する押し上げ力(開弁方向に働く力)とをバランス(差圧をキャンセル)させるべく、背圧室27の室径Daと弁口9の口径Dcとは略同一に設定されている。
次に、上記した如くの構成を有する電動弁1における副弁体30を含めた開閉動作を図2~図8を参照しながら説明する。
まず、図2及び図5に示される如くに、閉弁動作が完了して主弁体20及び副弁体30が最も下方に位置する状態、すなわち、主弁体20が主弁シート8aに着座して押し付けられ、副弁体30が副弁シート8bに着座して押し付けられ、共に閉弁しているとき(全閉時)には、Oリング33が主弁体20のストラット部20Bに押し縮められて該主弁体20のストラット部20Bの下面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの上面との間には間隙Laが空けられるとともに、主弁体20の主弁体部20Aの上面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの下面との間に間隙Lbが空けられる。
一方、図3に示される如くに、横から下への第1流れ時において、ステッピングモータ50(ロータ57)が一方向に回転せしめられて、主弁体20が副弁体30を伴って下動しているとき、すなわち、主弁体20及び副弁体30が共に開状態の閉弁動作中(1)においては、Oリング33の付勢力(弾性力)により副弁体30が押し下げられて、主弁体部20A(の上面)に上側内鍔状引っ掛け部30C(の下面)が当接係止され、主弁体20のストラット部20Bの下面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの上面との間には間隙La+Lbが空けられている。
この閉弁動作中(1)において、本例では、主弁体20(の主弁体部20A)の下端より副弁体30(の下側外鍔状部30B)の下端の方が上側に位置しており、弁座部材8の上端に形成された逆円錐台面8cに沿うように、冷媒及びその中に含まれる異物(金属粉、削りカス、研磨材、スラッジ等)は、副弁体30と副弁シート8bとの間、及び、主弁体20と主弁シート8aとの間を通って流される。なお、本実施形態では、10~300μmの大きさ(直径)の異物を想定している。
続いて、図3に示される、主弁体20が小開、副弁体30が微開している状態から、図4に示される如くに、主弁体20がさらに下動せしめられて、副弁体30が副弁シート8bに着座して閉弁するまでの閉弁動作中(2)、すなわち、副弁体30と副弁シート8bとの間に形成される隙間が次第に小さくなって最終的に0になるときには、冷媒中に含まれる異物が副弁体30と副弁シート8bとの間に形成される微小隙間に堰き止められ、図4においてE1矢印で示される部位、すなわち、副弁体30と副弁シート8bとの間に形成される微小隙間の上流側(外周側)に溜まって詰まり気味となる。副弁体30が副弁シート8bに着座して閉弁したときには、異物は副弁体30によりブロックされて下流側(ここでは、内周側の主弁体20及び主弁シート8a側)には流れなくなる。
このようにして副弁体30が微開状態から閉弁するまでの閉弁動作中(2)においては、主弁体20は小開状態から微開状態へと下動し、主弁体20を通過する冷媒流量が次第に小量となり、副弁体30が閉弁すると、冷媒はほとんど流れなくなり、流量が実質的に0となるが、ここで、本例では、冷媒の一部(微小流量)は、副弁体30の外周に設けられたフィルタ35、副弁体30に設けられたブリード穴34、副弁体30(の内周)と主弁体20(の外周)との間の隙間、主弁体20と主弁シート8aとの間を通って弁口9側に流れ出る。ただし、この閉弁動作中(2)においてブリード穴34等を通って弁口9側に流れ出る冷媒中に含まれる異物は、ブリード穴34の外側に設けられたフィルタ35により(ブリード穴34に侵入する前に)捕捉されて(ブロックされて)下流側(ここでは、内周側の主弁体20及び主弁シート8a側)には流れなくなる。
続いて、主弁体20が図4に示される微開状態からさらに下動せしめられると、図5に示される如くに、主弁体20のシール面20aが主弁シート8aに着座して閉弁し、冷媒は流れなくなる(流量が0となる)。この場合、主弁体20は、不思議遊星歯車式減速機構40による高い軸力で主弁シート8aに強く押し付けられる。このとき、前述したように、Oリング33が主弁体20のストラット部20Bにより間隙Lb分だけ押し縮められて該主弁体20のストラット部20Bの下面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの上面との間に形成される間隙がLa+LbからLaのみになるとともに、主弁体20の主弁体部20Aの上面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの下面との間に間隙Lbが空けられ、副弁体30がOリング33の付勢力(弾性力)により副弁シート8bに押し付けられる。
ここで、副弁体30が副弁シート8bに着座して閉弁した際(図4に示される状態)、異物が副弁体30と副弁シート8bとの間に噛み込まれている場合には、Lb分圧縮されるOリング33の付勢力により異物が副弁体30と副弁シート8bとに押し付けられるが、その押し付け力はさほど強くなく、したがって、副弁体30と副弁シート8bに傷、打痕等はつかない。
また、このときは、主弁体20が微開状態から閉弁しても、異物は副弁体30もしくはフィルタ35でブロックされていて、冷媒は実質的に流れなくなっているので、主弁体20と主弁シート8aとの間に異物を噛み込むことはなく、したがって、主弁体20が主弁シート8aに不思議遊星歯車式減速機構40による高い軸力で強く押し付けられても、主弁体20や主弁シート8aに傷、打痕等はつくことはない。
図5に示される全閉状態から開弁するにあたっては、ステッピングモータ50(ロータ57)が他方向に回転せしめられ、これによって、図6に示される如くに、主弁体20が引き上げられる。この場合、主弁体20が間隙Lb分引き上げられると、主弁体20が閉弁状態から微開し、これによって、Oリング33の付勢力(弾性力)により主弁体20の主弁体部20Aの上面に副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの下面が当接係止されるとともに、主弁体20のストラット部20Bの下面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの上面との間に形成される間隙がLaからLa+Lbになり、副弁体30は閉弁したままであるが、Oリング(弾性部材)33による押し付け力は小さくなる。
また、このとき、図4に基づき説明したように、本例では、冷媒の一部(微小流量)が、副弁体30の外周に設けられたフィルタ35、副弁体30に設けられたブリード穴34、副弁体30(の内周)と主弁体20(の外周)との間の隙間、主弁体20と主弁シート8aとの間を通って弁口9側に流れ出るようになる。そのため、閉弁状態において副弁体30に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と副弁体30に作用する押し上げ力(開弁方向に働く力)とがバランス(差圧がキャンセル)され、閉弁状態の副弁体30に作用する押し下げ力はさらに小さくなる。
この図6に示される状態からさらに主弁体20が引き上げられると、(主弁体20の主弁体部20Aによって)副弁体30のシール面30aが副弁シート8bから離れ、図3に示される如くの、主弁体20が小開、副弁体30が微開している状態となる。
以上は、横から下への第1流れ時についての説明であるが、下から横への第2流れ時においても、図7、図8(図3、図4に対応する状態)に示される如くに、主弁体20が小開、副弁体30が微開している状態から、主弁体20が下動せしめられて、副弁体30と副弁シート8bとの間に形成される隙間が次第に小さくなって最終的に0になるときには、冷媒中に含まれる異物が副弁体30と副弁シート8bとの間に形成される微小隙間に堰き止められ、図8においてE2矢印で示される部位、すなわち、主弁体20と主弁シート8aとの間に形成される隙間より下流側(外周側)で、副弁体30と副弁シート8bとの間に形成される微小隙間の上流側(内周側)に溜まって詰まり気味となる。
かかる副弁体30が微開状態から閉弁するまでの閉弁動作中(2)においては、主弁体20は小開状態から微開状態へと下動し、主弁体20を通過する冷媒流量が次第に小量となり、副弁体30が閉弁すると、冷媒はほとんど流れなくなる。また、冷媒の一部(微小流量)は、主弁体20と主弁シート8aとの間、副弁体30(の内周)と主弁体20(の外周)との間の隙間、副弁体30に設けられたブリード穴34、副弁体30の外周に設けられたフィルタ35を通って弁室7側に流れ出るので、副弁体30に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と副弁体30に作用する押し上げ力(開弁方向に働く力)とがバランス(差圧がキャンセル)されるとともに、異物が主弁体20と主弁シート8aとの間の隙間に詰まることはない。
続いて、主弁体20が図8に示される微開状態からさらに下動せしめられると、主弁体20が主弁シート8aに着座して閉弁し、冷媒は流れなくなる。このとき、前述したように、Oリング33が主弁体20のストラット部20Bにより間隙Lb分だけ押し縮められて該主弁体20のストラット部20Bの下面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの上面との間に形成される間隙がLa+LbからLaのみになるとともに、主弁体20の主弁体部20Aの上面と副弁体30の上側内鍔状引っ掛け部30Cの下面との間に間隙Lbが空けられ、副弁体30がOリング(弾性部材)33の付勢力(弾性力)により副弁シート8bに押し付けられる。
ここで、本第2流れ時においても、副弁体30が副弁シート8bに着座して閉弁した際(図8に示される状態)、異物が副弁体30と副弁シート8bとの間に噛み込まれている場合には、Lb分圧縮されるOリング33により異物が副弁体30と副弁シート8bとに押し付けられるが、その押し付け力はさほど強くなく、したがって、副弁体30と副弁シート8bに傷、打痕等はつかない。
また、このときは、主弁体20が微開状態から閉弁しても、冷媒は実質的に流れなくなっているので、主弁体20と主弁シート8aとの間に異物を噛み込むことはほとんどなく、したがって、主弁体20が主弁シート8aに強く押し付けられても、主弁体20や主弁シート8aに傷、打痕等はつくことはない。
このように、本実施形態の電動弁1においては、主弁体20の外周に、弁口9を主弁体20より先に閉弁する副弁体30が設けられているので、副弁体30が微開状態にあるとき、流体(冷媒)中に含まれる異物が副弁体30により堰き止められ、そこから副弁体30が閉弁すると流体(冷媒)が実質的に流れなくなるため、異物が主弁体20と主弁シート8aとの間に噛み込まれることはなく、したがって、主弁体20が閉弁して主弁シート8aに強く押し付けられても、主弁体20や主弁シート8aに傷、打痕等はつくことはない。
また、異物は副弁体30と副弁シート8bとの間に噛み込まれるおそれがあるが、副弁体30はOリング33(の弾性力)により付勢されているだけであるので、その押し付け力はさほど強くなく、したがって、副弁体30と副弁シート8bに傷、打痕等はつかない。
また、異物が副弁体30と副弁シート8bとの間に噛み込まれて、それらの間に隙間が生じても、主弁体20は閉弁しているので、弁漏れは生じない。
このように、本第1実施形態の歯車減速式の電動弁1では、シール性を高めて弁漏れを確実に防ぐべく、ロータ57とねじ送り機構(めねじ15iが設けられた軸受部材15、おねじ17eが設けられた回転上下動軸17)との間に不思議遊星歯車式減速機構40を介装し、主弁体20の軸力、すなわち、主弁体20の主弁シート8aへの押し付け力を増大するようにしたものにおいて、流体(冷媒)中に含まれる異物が主弁体20と主弁シート8aとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられるような事態を生じ難くでき、そのため、主弁シート8a、副弁シート8bや主弁体20、副弁体30に傷、打痕等がつかないようにでき、その結果、弁漏れを効果的に防止して、閉弁の信頼性を向上させることができる。
また、本実施形態の電動弁1においては、副弁体30の外周に、副弁体30が弁口9を閉弁した後、主弁体20が弁口9を閉弁するまで(換言すれば、主弁体20が弁口9を開弁した後、副弁体30が弁口9を閉弁している間)、弁口9と弁室7とを連通せしめるフィルタ35が設けられているので、開弁時に、流体(冷媒)がフィルタ35を通過するため、副弁体30に作用する差圧をキャンセルできるとともに、通過する流体(冷媒)中に含まれる異物が当該フィルタ35により捕捉され、流体(冷媒)中に含まれる異物が主弁体20と主弁シート8aとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられるような事態を生じ難くできる。
なお、上記第1実施形態では、流体(冷媒)を通過させるとともに流体(冷媒)中に含まれる異物を捕捉するためのフィルタ35を、副弁体30(の円筒状部30A)の外側に配置しているが、例えば、副弁体30(の円筒状部30A)の内側(内周)に配置してもよいことは勿論である。また、前記フィルタ35をワッシャ32を使用して副弁体30に保持固定しているが、前記フィルタ35の保持・固定方法は、上記形態に限られないことは詳述するまでも無い。
[第2実施形態]
図10~図13は、本発明に係る電動弁の第2実施形態の構成並びに動作説明に供される要部拡大縦断面図である。
図示第2実施形態の電動弁2は、図1~図9に示される第1実施形態の電動弁1と、主弁体及び副弁体、並びに、弁口周り以外は略同様な構成である。そのため、第1実施形態の電動弁1の各部に対応する部分並びに同様の機能を有する部分には共通の符号を付して重複説明を省略し、以下においては、相違点を中心に説明する。
図示実施形態の電動弁2において、上記第1実施形態の電動弁1とは逆に、流体(冷媒)を通過させるとともに流体(冷媒)中に含まれる異物を捕捉するためのフィルタ36が、(副弁体30に代えて)弁座部材8の弁口9に設けられている。
詳しくは、筒状基体10Aの下端部(つまり、弁室7の底部)に固着された弁座部材8は、下側から弁室7に開口する縦向きの弁口9、該弁口9の上端内周角部からなる主弁シート8aが形成されるとともに、弁口9における主弁シート8aの外側に形成された外周段差部36aに、例えば焼結金属等で作製された断面矩形のリング状の多孔体からなるフィルタ36が圧入等により嵌め込まれて固着され、そのフィルタ36の上面が、副弁体31(のシール面(下側外鍔状部31Bの下面)31a)が接離する副弁シート8bとされている。
また、本実施形態では、前記主弁体20の下部外周側(詳しくは、主弁体部20Aの外周側)に、弁口9を開閉するための副弁体31が配設されている。この副弁体31は、主弁体20の下部外周(主弁体部20Aの外周)に(所定の隙間を持って)外挿された下側外鍔状部31B付き円錐台状部31Aを有し、当該下側外鍔状部31B(のシール面(下側外鍔状部31Bの下面)31a)が前記フィルタ36に設けられた副弁シート8bに対して垂直方向に上下動して弁口9を開閉するようにされている。
より詳細には、前記副弁体31は、例えばSUS304CSP-3/4H材で作製され、応力除去のための焼きなましが施された弾性を有する(換言すれば、弾性変形可能な)ばね板材で構成されている。この副弁体31は、外径が主弁体部20Aより若干大きく形成され、主弁体部20Aの外周側に所定の隙間を持って外挿されるとともに、上下方向(軸線O方向)長さが主弁体部20Aより若干短い下側外鍔状部31B付きの円錐台状部31Aを有するとともに、この副弁体30の上端に(内向きに)設けられた上側内鍔状係止部31Cが、主弁体20における主弁体部20A(の上面外周)とストラット部20B(の下面外周)との間で狭圧保持されて固定されている。つまり、本例では、副弁体31自体が、弾性を有するばね板材で構成されており、当該副弁体31を常時下方(閉弁方向)に付勢する付勢部材(Oリング等)は省略され、当該副弁体31の弾性力(弾性反発力)によって当該副弁体31(の下側外鍔状部31B)を常時下方(閉弁方向)に付勢するようになっている。
本例でも、上記第1実施形態の電動弁1と同様、前記副弁体31は、主弁体20が開弁状態から閉弁せしめられる際、弁口9を主弁体20より先に閉弁する(換言すれば、主弁体20のシール面20aが弁座部材8(弁口9)の主弁シート8aに着座する前に、副弁体30のシール面30aが弁座部材8(弁口9)の副弁シート8bに着座する)ように、各部の寸法形状が設定されている(後で詳述)。
また、副弁体31が弁口9を閉弁した後、主弁体20が弁口9を閉弁するまで(換言すれば、主弁体20が弁口9を開弁した後、副弁体31が弁口9を閉弁している間)は、弁口9における主弁シート8aの外側に設けられ、副弁体31(の下側外鍔状部31B)が弾性的に着座するフィルタ36、主弁体20(の主弁体部20A)と主弁シート8aとの間を通して、流体(冷媒)が弁室7と弁口9との間で流通する(後で詳述)。
次に、上記した如くの構成を有する電動弁2における副弁体31を含めた開閉動作を図10~図13を参照しながら説明する。
まず、図12に示される如くに、閉弁動作が完了して主弁体20及び副弁体31が最も下方に位置する状態、すなわち、主弁体20が主弁シート8aに着座して押し付けられ、副弁体31が副弁シート8bに着座して押し付けられ、共に閉弁しているとき(全閉時)には、副弁体31は弾性変形せしめられ、その下側外鍔状部31Bが自然状態(無負荷状態ともいう)より変位量Lcだけ上側に押し上げられている。
一方、図10に示される如くに、横から下への第1流れ時において、ステッピングモータ50(ロータ57)が一方向に回転せしめられて、主弁体20が副弁体31を伴って下動している閉弁動作中(1)においては、副弁体31は無負荷状態となるので、副弁体31自体の弾性復元力(弾性反発力)によりその下側外鍔状部31Bが押し下げられている。この閉弁動作中(1)において、本例では、主弁体20(の主弁体部20A)の下端より副弁体31(の下側外鍔状部31B)の下端の方が上側に位置しており、弁座部材8の上端に形成された逆円錐台面8cに沿うように、冷媒及びその中に含まれる異物(金属粉、削りカス、研磨材、スラッジ等)は、副弁体31と副弁シート8bとの間、及び、主弁体20と主弁シート8aとの間を通って流される。
続いて、図10に示される、主弁体20が小開、副弁体31が微開している状態から、図11に示される如くに、主弁体20がさらに下動せしめられて、副弁体31が副弁シート8bに着座して閉弁するまでの閉弁動作中(2)、すなわち、副弁体31と副弁シート8bとの間に形成される隙間が次第に小さくなって最終的に0になるときには、冷媒中に含まれる異物が副弁体31と副弁シート8bとの間に形成される微小隙間に堰き止められ、図11においてE1矢印で示される部位、すなわち、副弁体31と副弁シート8bとの間に形成される微小隙間の上流側(外周側)に溜まって詰まり気味となる。副弁体31が副弁シート8bに着座して閉弁したときには、異物は副弁体31によりブロックされて下流側(ここでは、内周側の主弁体20及び主弁シート8a側)には流れなくなる。
このようにして副弁体31が微開状態から閉弁するまでの閉弁動作中(2)においては、主弁体20は小開状態から微開状態へと下動し、主弁体20を通過する冷媒流量が次第に小量となり、副弁体31が閉弁すると、冷媒はほとんど流れなくなり、流量が実質的に0となるが、ここで、本例では、冷媒の一部(微小流量)は、弁口9の外周部分に設けられた副弁シート8bを持つフィルタ36、主弁体20と主弁シート8aとの間を通って弁口9側に流れ出る。ただし、この閉弁動作中(2)において弁口9側に流れ出る冷媒中に含まれる異物は、前記副弁体31が着座する副弁シート8bを持つフィルタ36により捕捉されて(ブロックされて)下流側(ここでは、内周側の主弁体20及び主弁シート8a側)には流れなくなる。
続いて、主弁体20が図11に示される微開状態からさらに下動せしめられると、図12に示される如くに、主弁体20のシール面20aが主弁シート8aに着座して閉弁し、冷媒は流れなくなる(流量が0となる)。この場合、主弁体20は、不思議遊星歯車式減速機構40による高い軸力で主弁シート8aに強く押し付けられる。このとき、前述したように、副弁体31は(主弁体20の下動とともに)弾性変形せしめられ、その下側外鍔状部31Bが自然状態より変位量Lcだけ上側に押し上げられ、副弁体31(の下側外鍔状部31B)が当該副弁体31自体の弾性力により副弁シート8bに押し付けられる。
ここで、副弁体31が副弁シート8bに着座して閉弁した際(図11に示される状態)、異物が副弁体31と副弁シート8bとの間に噛み込まれている場合には、副弁体31自体の弾性力により異物が副弁体31と副弁シート8bとに押し付けられるが、その押し付け力はさほど強くなく、したがって、副弁体31と副弁シート8bに傷、打痕等はつかない。
また、このときは、主弁体20が微開状態から閉弁しても、異物は副弁体31もしくはフィルタ36でブロックされていて、冷媒は実質的に流れなくなっているので、主弁体20と主弁シート8aとの間に異物を噛み込むことはなく、したがって、主弁体20が主弁シート8aに不思議遊星歯車式減速機構40による高い軸力で強く押し付けられても、主弁体20や主弁シート8aに傷、打痕等はつくことはない。
図12に示される全閉状態から開弁するにあたっては、ステッピングモータ50(ロータ57)が他方向に回転せしめられ、これによって、図13に示される如くに、主弁体20が引き上げられて開弁する。この場合、主弁体20が変位量Lc分引き上げられるまでは、副弁体31自体の弾性復元力(弾性反発力)により副弁体31(の下側外鍔状部31B)は閉弁したままであるが、当該副弁体31自体の弾性力による押し付け力は小さくなる。
また、このとき、図11に基づき説明したように、本例では、冷媒の一部(微小流量)が、弁口9の外周部分に設けられた副弁シート8bを持つフィルタ36、主弁体20と主弁シート8aとの間を通って弁口9側に流れ出るようになる。そのため、閉弁状態において副弁体31に作用する押し下げ力(閉弁方向に働く力)と副弁体31に作用する押し上げ力(開弁方向に働く力)とがバランス(差圧がキャンセル)され、閉弁状態の副弁体31に作用する押し下げ力はさらに小さくなる。
この図13に示される状態からさらに主弁体20が引き上げられると、主弁体20とともに副弁体31が引き上げられ、副弁体31のシール面31aが副弁シート8bから離れて、副弁体31も開弁する。
以上は、横から下への第1流れ時についての説明であるが、下から横への第2流れ時においても、上記第1流れ時と同様の動作となり、図7、図8を用いて前述した第1実施形態の第2流れ時の作用効果と同様の作用効果が得られることは詳述するまでも無い。
このように、本第2実施形態の電動弁2においても、主弁体20の外周に、弁口9を主弁体20より先に閉弁する弾性変形可能な副弁体31が設けられているので、副弁体31が微開状態にあるとき、流体(冷媒)中に含まれる異物が副弁体31により堰き止められ、そこから副弁体31が閉弁すると流体(冷媒)が実質的に流れなくなるため、異物が主弁体20と主弁シート8aとの間に噛み込まれることはなく、したがって、主弁体20が閉弁して主弁シート8aに強く押し付けられても、主弁体20や主弁シート8aに傷、打痕等はつくことはない。
また、異物は副弁体31と副弁シート8bとの間に噛み込まれるおそれがあるが、副弁体31は当該副弁体31自体の弾性力により付勢されているだけであるので、その押し付け力はさほど強くなく、したがって、副弁体31と副弁シート8bに傷、打痕等はつかない。
また、異物が副弁体31と副弁シート8bとの間に噛み込まれて、それらの間に隙間が生じても、主弁体20は閉弁しているので、弁漏れは生じない。
このように、本第2実施形態の歯車減速式の電動弁2においても、流体(冷媒)中に含まれる異物が主弁体20と主弁シート8aとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられるような事態を生じ難くでき、そのため、主弁シート8a、副弁シート8bや主弁体20、副弁体31に傷、打痕等がつかないようにでき、その結果、弁漏れを効果的に防止して、閉弁の信頼性を向上させることができる。
また、本第2実施形態の電動弁2においても、弁口9に、副弁体31が弁口9を閉弁した後、主弁体20が弁口9を閉弁するまで(換言すれば、主弁体20が弁口9を開弁した後、副弁体31が弁口9を閉弁している間)、弁口9と弁室7とを連通せしめるフィルタ36が設けられているので、開弁時に、流体(冷媒)がフィルタ36を通過するため、副弁体31に作用する差圧をキャンセルできるとともに、通過する流体(冷媒)中に含まれる異物が当該フィルタ36により捕捉され、流体(冷媒)中に含まれる異物が主弁体20と主弁シート8aとの間に噛み込まれてそれらに強く押し付けられるような事態を生じ難くできる。
また、本第2実施形態の電動弁2においては、例えば上記第1実施形態の電動弁1と比べて、部品点数を削減できるとともに、部品構成を簡素化できるという効果もある。
なお、図10~図13に示される例では、副弁体31を常時下方(閉弁方向)に付勢する付勢部材(Oリング等)が省略されているが、例えば、図1~図9に示される第1実施形態の電動弁1と同様、主弁体20と副弁体31との間にOリング(弾性部材)を介装して副弁体31を常時下方(閉弁方向)に付勢してもよいし、図14及び図15に示される如くに、主弁体20と副弁体31との間にウェーブワッシャ33A(図14参照)や圧縮コイルばね33B(図15参照)等の弾性部材を介装してもよいことは勿論である。
また、例えば、図15に示される如くに、押さえ部材38等を用いて、主弁体20(の主弁体部20A)(の外周)と副弁体31(の内周)との間に、Oリング、リング状パッキンからなるシール部材39を装着してもよい。
また、上記実施形態の電動弁1、2では、主弁体20を主弁シート8aに強く押し付ける(換言すれば、シール性を向上させる)ためにロータ57とねじ送り機構との間に不思議遊星歯車式減速機構40を介装した歯車減速式のものを例示して説明したが、本発明は、不思議遊星歯車式減速機構40及びそれに関連する部分を取り除いた直動式のもの(詳細構造及び動作の説明は、必要なら上記特許文献1等を参照)にも適用できることは当然である。
また、本発明に係る電動弁は、上記した各実施形態の構成に限られないことは勿論であり、例えば主弁体及び副弁体周りの構成等は様々に変更可能である。
1 電動弁(第1実施形態)
2 電動弁(第2実施形態)
7 弁室
8 弁座部材
8a 主弁シート
8b 副弁シート
8c 逆円錐台面
9 弁口
10 弁本体
10A 筒状基体
11 第1入出口
12 第2入出口
20 主弁体
20a シール面
20A 主弁体部
20B ストラット部
21 小径嵌合筒部
22 下部大径嵌合穴
22A 環状凹部
30 副弁体(第1実施形態)
30a シール面
30c 嵌挿穴
30A 円筒状部
30B 下側外鍔状部
30C 上側内鍔状引っ掛け部
31 副弁体(第2実施形態)
31a シール面
31A 円錐台状部
31B 下側外鍔状部
31C 上側内鍔状係止部
32 ワッシャ
33 Oリング(弾性部材)
34 ブリード穴
35 フィルタ(第1実施形態)
36 フィルタ(第2実施形態)
36a 外周段差部
40 不思議遊星歯車式減速機構
50 ステッピングモータ
55 ステータ
57 ロータ
58 キャン

Claims (18)

  1. 弁室、複数の入出口、及び弁口が設けられた弁本体と、前記弁口を開閉すべく前記弁室に上下動可能に配在された主弁体と、前記弁本体に接合された筒状のキャンと、該キャンの内側に回転可能に配在されたロータ及び該キャンの外側に配在されたステータからなるステッピングモータと、前記ロータの回転を前記主弁体の上下動に変換するねじ送り機構とを備える電動弁であって、
    前記主弁体に、前記弁口を開閉するための副弁体が配設され、該副弁体は、前記主弁体が前記弁口を閉弁する際、前記弁口を前記主弁体より先に閉弁するとともに、
    前記副弁体及び前記弁口の少なくとも一方に、前記副弁体が前記弁口を閉弁した後、前記主弁体が前記弁口を閉弁するまで、前記弁口と前記弁室とを連通せしめるフィルタが設けられ、
    前記弁本体における前記弁口に、前記主弁体が接離する主弁シートが設けられるとともに、前記副弁体が接離する副弁シートを持つ前記フィルタが固着されていることを特徴とする電動弁。
  2. 前記弁本体における前記弁口に、前記主弁体が接離する主弁シートと前記副弁体が接離する副弁シートとが別個に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の電動弁。
  3. 前記主弁体は、前記主弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされ、前記副弁体は、前記副弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電動弁。
  4. 前記主弁体に前記副弁体が上下方向に摺動可能かつ抜止係止されて配在されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動弁。
  5. 前記副弁体は、前記主弁体に所定の隙間を持って上下動可能かつ抜止係止されて配在されるとともに、貫通穴からなるブリード穴を持つ円筒状部を有し、該円筒状部における前記ブリード穴の外側もしくは内側に前記フィルタが配在されていることを特徴とする請求項4に記載の電動弁。
  6. 前記円筒状部の下部に、前記弁口に接離する下側外鍔状部が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
  7. 前記副弁体と前記主弁体との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装されていることを特徴とする請求項6に記載の電動弁。
  8. 前記フィルタは、前記下側外鍔状部と、前記弾性部材と前記副弁体との間に介装されたワッシャとの間で狭圧保持されていることを特徴とする請求項7に記載の電動弁。
  9. 前記主弁体は、前記弁口を開閉する主弁体部と、該主弁体部の上側に連設されるストラット部とを有し、
    前記主弁体部の上面と前記ストラット部の下面との間に、前記円筒状部の上部に設けられた上側内鍔状引っ掛け部が上下動可能かつ抜止係止されて配在されるとともに、前記ストラット部と前記上側内鍔状引っ掛け部との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装されていることを特徴とする請求項5に記載の電動弁。
  10. 前記円筒状部の下部に、前記弁口に接離する下側外鍔状部が設けられ、
    前記フィルタは、前記下側外鍔状部と、前記弾性部材と前記上側内鍔状引っ掛け部との間に介装されたワッシャとの間で狭圧保持されていることを特徴とする請求項9に記載の電動弁。
  11. 前記主弁体に、一端が前記主弁体に固定され、他端が前記弁口に設けられた前記フィルタに弾性的に接離する前記副弁体が配在されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の電動弁。
  12. 前記副弁体と前記主弁体との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装されていることを特徴とする請求項11に記載の電動弁。
  13. 弁室、複数の入出口、及び弁口が設けられた弁本体と、前記弁口を開閉すべく前記弁室に上下動可能に配在された主弁体と、前記弁本体に接合された筒状のキャンと、該キャンの内側に回転可能に配在されたロータ及び該キャンの外側に配在されたステータからなるステッピングモータと、前記ロータの回転を前記主弁体の上下動に変換するねじ送り機構とを備える電動弁であって、
    前記主弁体に、前記弁口を開閉するための副弁体が配設され、該副弁体は、前記主弁体が前記弁口を閉弁する際、前記弁口を前記主弁体より先に閉弁するとともに、
    前記副弁体及び前記弁口の少なくとも一方に、前記副弁体が前記弁口を閉弁した後、前記主弁体が前記弁口を閉弁するまで、前記弁口と前記弁室とを連通せしめるフィルタが設けられ、
    前記主弁体に、一端が前記主弁体に固定され、他端が前記弁口に設けられた前記フィルタに弾性的に接離する前記副弁体が配在されていることを特徴とする電動弁。
  14. 前記副弁体と前記主弁体との間に、弾性力により前記副弁体を閉弁方向に付勢する弾性部材が介装されていることを特徴とする請求項13に記載の電動弁。
  15. 前記弁本体における前記弁口に、前記主弁体が接離する主弁シートと前記副弁体が接離する副弁シートとが別個に設けられていることを特徴とする請求項13又は14に記載の電動弁。
  16. 前記主弁体は、前記主弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされ、前記副弁体は、前記副弁シートに対して垂直方向に上下動して前記弁口を開閉するようにされていることを特徴とする請求項15に記載の電動弁。
  17. 前記主弁体と前記副弁体との間にシール部材が介装されていることを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の電動弁。
  18. 前記ロータと前記ねじ送り機構との間に遊星歯車式減速機構が設けられていることを特徴とする請求項1から17のいずれか一項に記載の電動弁。
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