JP2022070552A - 固体電解質センサ - Google Patents

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【課題】固体電解質で形成されたセンサ素子の温度を高温まで昇温させることができると共に、全体として大型化することを防止することができる固体電解質センサを提供する。【解決手段】固体電解質センサ1の構成を、固体電解質で有底筒状に形成されたセンサ素子10と、センサ素子を外側から保持しセンサ素子の内部空間と連通する第一空間11を第二空間12と区画している筒状ケーシング50と、センサ素子において第一空間に接している表面に設けられた第一電極21及び第二空間に接している表面に設けられた第二電極22と、センサ素子の内部空間に挿入されたヒータ30と、センサ素子と筒状ケーシングとの間の空間に充填された断熱材35と、を具備する構成とする。【選択図】図1

Description

本発明は、固体電解質をセンサ素子とする固体電解質センサに関するものである。
固体電解質(イオン伝導性セラミックス)をセンサ素子に使用して、水素ガス、酸素ガス、炭酸ガスなどのガス濃度を検出するガスセンサが種々提案されており、本出願人も過去に電位検出型のガスセンサについて複数の提案を行っている。これらのガスセンサは、同一イオンの濃度差により固体電解質に電位差が生じる濃淡電池の原理を使用したものであり、センサ素子を挟んだ二つの空間で検出対象のガスの濃度が異なる場合に、センサ素子に生じる起電力を測定する。二つの空間のうち、一方の空間において検出対象ガスの濃度が既知であれば、ネルンストの式により、測定された起電力とセンサ素子の温度から、他方の空間におけるガス濃度を知ることができる。或いは、一方の空間のガス濃度を一定とした状態で、他方の空間におけるガス濃度を変化させて起電力を測定することによって、予めガス濃度と起電力との相関関係を調べておくことにより、ガス濃度が未知の場合の起電力の測定値からガス濃度を知ることができる。
ここで、固体電解質は、検出対象ガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度が、所定の温度範囲内に限られる。つまり、固体電解質は、センサ素子として使用できる所定の温度範囲を有している。この温度範囲は、検査対象ガスの種類に応じて調製される固体電解質の組成により相違するが、一般的に、温度範囲の下限値は数百度である。
ところが、検査対象ガスの濃度を検出しようとしている測定雰囲気の温度が、固体電解質において検出対象ガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度範囲より低い場合がある。例えば、マイクロ波加熱でワークを処理する工業炉内では、その処理を妨げるガスの濃度を管理するために、そのガスの濃度を検出することがあるが、マイクロ波加熱の場合は工業炉内の雰囲気は常温である。また、大気中へ排出するために有害成分を除去する処理が行われた後の排ガスについて、あるガス成分の濃度を検出することがあるが、そのような排ガスの温度は200℃以下であることが多い。このような低い温度で、検出対象ガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す固体電解質は、現状では存在しない。
そこで、本出願人は、このように低温の測定雰囲気でガス濃度を検出したい場合に使用する固体電解質センサとして、ヒータが設けられた固体電解質センサを提案している(例えば、特許文献1参照)。ヒータによって固体電解質のセンサ素子を加熱し、センサ素子の温度を、検出対象ガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度範囲内の温度とすることを意図している。
しかしながら、実際には、固体電解質のセンサ素子をヒータで加熱しても、目的とする温度範囲まで昇温させることが難しく、ガス濃度を正確に検出できないことがあった。特に、検出対象ガスが酸素ガスの場合など、ガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度範囲が高い固体電解質をセンサ素子とする場合に、その問題が顕著であった。また、ヒータでセンサ素子を外側から囲むように装着される外装型のヒータを使用する場合、センサの構成が全体として大型となってしまい、工業炉内の処理空間が狭小となる不利益や、センサの端部を工業炉内に挿入するために炉壁に設けられている既存の孔部にセンサを通すことができない不都合が生じることがあった。そのため、固体電解質のセンサ素子の温度を高温まで昇温させることができると共に、全体として大型化することを防止することができる固体電解質センサが要請されていた。
特開2016-027317号公報
そこで、本発明は、上記の実情に鑑み、固体電解質で形成されたセンサ素子の温度を高温まで昇温させることができると共に、全体として大型化することを防止することができる固体電解質センサの提供を、課題とするものである。
上記の課題を解決するため、本発明にかかる固体電解質センサは、
「固体電解質で有底筒状に形成されたセンサ素子と、
該センサ素子を外側から保持し、前記センサ素子の内部空間と連通する第一空間を第二空間と区画している筒状ケーシングと、
前記センサ素子において前記第一空間に接している表面に設けられた第一電極及び前記第二空間に接している表面に設けられた第二電極と、
前記センサ素子の内部空間に挿入されたヒータと、
前記センサ素子と前記筒状ケーシングとの間の空間に充填された断熱材と、
を具備する」ものである。
上述したように、センサ素子を加熱するためのヒータを、センサ素子を外側から囲むように装着される外装型のヒータとする場合、必然的にヒータが占める体積分だけ固体電解質センサは大型化する。そこで、本発明では、センサ素子を有底筒状とし、その内部空間に挿入される内装型のヒータを採用することとした。ところが、本発明者の検討により、内装型のヒータを使用すると、外装型のヒータを使用した場合に比べて、センサ素子の温度を高めることが難しいことが判明した。
その理由として、一つには、内装型のヒータは外装型のヒータより小型にせざるを得ないため、ヒータにおける発熱量自体が小さくなることが挙げられる。しかしながら、本発明者は、それよりも、センサ素子を加熱するための熱の移動が、外装型のヒータと内装型のヒータとでは異なることが、主要な要因ではないかと考察した。すなわち、外装型のヒータの場合、センサ素子を加熱するための熱の移動としては、外側のヒータから内側のセンサ素子に向かって移動する熱だけを考慮すればよい。これに対し、内装型のヒータの場合は、内側のヒータからセンサ素子に向かって移動する熱と、センサ素子から外側に向かって移動する熱、すなわち、センサ素子から外部空間に向かって放出される熱(放熱)の双方が、センサ素子の加熱に影響する。
そこで、本発明では、センサ素子を外側から保持する筒状ケーシングとセンサ素子との間の空間に、断熱材を充填する。これにより、センサ素子は外側から断熱材で被覆され、センサ素子から外部空間への放熱が断熱材によって抑制されるため、センサ素子の温度を高めることができる。従って、検出対象のガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度範囲が高温である固体電解質をセンサ素子とする場合で、測定雰囲気の温度がその温度範囲より低い場合であっても、ヒータによる加熱によってセンサ素子の温度をその温度範囲内の温度まで高め、ガス濃度の検出を正確に行うことが可能となる。
本発明にかかるガス濃度検出方法は、上記構成に加え、
「前記断熱材は、セラミックス繊維がニードルパンチ式に交絡しているセラミックスファイバシートであり、バインダ成分を含有することなくセラミックス繊維のみからなる」ものとすることができる。
本構成では、断熱材としてセラミックスファイバシートを使用する。セラミックスファイバシートとしては、従前より、セラミックス繊維同士の交点を樹脂バインダで接着することにより保形しているシートが多用されている。しかしながら、このように樹脂バインダを含有しているセラミックスファイバシートは、高温まで加熱されると樹脂バインダによる接着部分が損傷を受け、セラミックス繊維同士がまとまっている形状を保持できなくなるおそれがある。セラミックス繊維がばらばらになってしまうと、断熱材の層が維持されず、センサ素子からの放熱を断熱材の層によって抑制する上記の作用を十分に発揮することができない。
これに対し、本構成で使用するセラミックスファイバシートは、セラミックス繊維をニードルパンチ式に交絡させたものである。ニードルパンチは、繊維を集積させたウェブにニードルを繰り返し突き刺すことにより、繊維同士を交絡させる手法であり、バインダ成分を含有させなくても、セラミックス繊維同士が交絡してシート状となる。そのため、ヒータによる加熱によって、センサ素子を非常に高温まで加熱したとしても、耐熱性の高いセラミックス繊維が交絡した状態が保持され、断熱材の層が維持される。また、断熱材がシート状であることにより、センサ素子の外周面を巻き締めるように、センサ素子と筒状ケーシングとの間の空間に充填しやすい利点がある。なお、ニードルパンチ式のセラミックスファイバシートには、突き刺したニードルの痕がごく微細な孔部として不可避に残存しているため、ニードルパンチ式ではないセラミックスファイバシートと、“物として”区別することができる。
次に、本発明にかかる固体電解質センサは、上記構成に加え、
「前記ヒータは、短絡を防止しつつ電熱線がコイル状に巻かれたコイル状ヒータである」ものとすることができる。
上述したように、内装型のヒータは外装型のヒータに比べて小型にせざるを得ないため、ヒータにおける発熱量自体が小さくなりやすい。これに対し、本構成では、電熱線が短絡を防止しつつコイル状に巻かれたヒータを使用する。このような構成とすることにより、電熱線の全長を、コイルの長さに比べて極めて長いものとして、電気抵抗を大きなものとすることができるため、コイルの長さであるヒータの長さが短くても、発熱量が大きいヒータとすることができる。また、電熱線として、ごく細い電熱線を使用し、全長の長さによって電気抵抗を高めることにより、ヒータに出力する電流値を小さく抑えることができる。
なお、コイルにおいて隣接する輪状部分の短絡を防止するためには、電熱線を電気絶縁性の材料で被覆する手段や、電気絶縁性の材料に形成されたらせん状の溝に電熱線を保持させてコイル状とする手段を、採用することができる。
以上のように、本発明によれば、固体電解質で形成されたセンサ素子の温度を高温まで昇温させることができると共に、全体として大型化することを防止することができる固体電解質センサを、提供することができる。
本発明の一実施形態である固体電解質センサの概略構成図である。 第一温度が所定温度に維持されるようにヒータで加熱したときの第二温度と、第二空間に導入するガスを検出対象ガスの濃度が異なる複数種類のガスに切り替えたときの起電力の変化を、比較例と実施例の固体電解質センサで対比したグラフである。 変形例の固体電解質センサの概略構成図である。
以下、本発明の一実施形態である固体電解質センサ1について、図面を用いて説明する。まず、固体電解質センサ1の構成について、図1を用いて説明する。
固体電解質センサ1は、第一空間11及び第二空間12が固体電解質のセンサ素子10を挟んで区画されているものであり、センサ素子10において第一空間11に接している表面に設けられた第一電極21及び第二空間12に接している表面に設けられた第二電極22と、第一電極21と第二電極22との間の電位差を測定する電位計(図示を省略)と、センサ素子10を加熱するヒータ30と、センサ素子10において第一空間11に接している表面の第一温度を測定する第一温度センサ31と、センサ素子10において第二空間12に接している表面の第二温度を測定する第二温度センサ32と、断熱材35と、を具備している。
より具体的に説明すると、センサ素子10は有底筒状であり、その内部空間及びこれに連通する空間が第一空間11であり、センサ素子10の外部空間が第二空間12である。センサ素子10の底部には、第一空間11側の表面に第一電極21が設けられていると共に、第二空間12側の表面に第二電極22が設けられており、第一電極21及び第二電極22それぞれには、電位計と電気的に接続するリード線41,42が接続されている。センサ素子10は、センサプローブの筒状ケーシング50の内部に、封止材59によって固定されている。具体的には、封止材59は、有底筒状のセンサ素子10の筒状部の外周面と、筒状ケーシング50の内周面とを接合している。これにより、筒状ケーシング50の内部では、第一空間11と第二空間12とは連通することなく区画されている。
第一温度を測定する第一温度センサ31と、第二温度を測定する第二温度センサ32は、金属製の細管内で熱電対素線が無機系の電気絶縁材に充填されているシース型熱電対である。
ヒータ30は、有底筒状のセンサ素子10の内部空間に挿入されている。ヒータ30は、通電により発熱する発熱線を、短絡を防止しつつコイル状に巻いたものである。ごく細い発熱線を極めて多くの回数巻くことにより、コイルを構成する発熱線の全長が非常に長いため、コイルの全長がさほど長くなくとも電気抵抗が大きく、発熱量が大きい。
第一空間11には、検出対象ガスの濃度が既知である基準ガスを導入するための導入管60が挿入されている。
断熱材35は、セラミックス繊維を交絡させてシート状としたセラミックスファイバシートである。このセラミックスファイバシートは、有底筒状のセンサ素子10の筒状部の外周面を巻き締めた状態で、筒状ケーシング50の内周面との間の空間に、圧縮状態で充填されている。より具体的には、セラミックスファイバシートは、セラミックス繊維をニードルパンチ式に交絡させたものである。ニードルパンチは、繊維を集積させたウェブにニードルを繰り返し突き刺すことにより、繊維同士を交絡させるものである。セラミックスファイバシートとしては、従前より、樹脂バインダによって繊維の交点を接着させたものが多用されているが、本実施形態の断熱材35であるセラミックスファイバシートは、バインダ成分を含有しておらず、セラミックス繊維のみからなる。
上記構成の固体電解質センサ11を使用して、センサ素子10を構成する固体電解質において検出対象ガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度範囲より、温度が低い測定雰囲気におけるガス濃度を検出する場合、電線43を介して電熱線に通電することにより、ヒータ30を発熱させてセンサ素子10を加熱する。
ヒータ30は、有底筒状のセンサ素子10の内部空間に挿入されているため、その発熱によってセンサ素子10は内部空間側から加熱される。加熱されたセンサ素子10からは、外部空間に向かって放熱されるが、本実施形態ではセンサ素子10と筒状ケーシング50との間に断熱材35が充填されているため、センサ素子10から外部空間に向かう方向の放熱が抑制され、センサ素子10を高温まで加熱することができる。従って、センサ素子10を構成する固体電解質において、検出対象のガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度範囲の下限値が高い場合であっても、その下限値以上の温度までセンサ素子10の温度を高めることができる。従って、検出対象ガスの濃度が既知である基準ガスを第一空間11に導入した状態で、第一電極21と第二電極22との間に生じる起電力を測定することにより、第二空間12における検出対象ガスの濃度を正確に測定することができる。
実際に、センサ素子10と筒状ケーシング50との間に断熱材35が充填されている上記構成の固体電解質センサ1と、断熱材を備えないことを除き固体電解質センサ1と同一の構成である比較例の固体電解質センサについて、ヒータ30でセンサ素子10を加熱しつつ起電力を測定した結果を、次に示す。
ここでは、検出対象ガスは酸素であり、センサ素子10を構成する固体電解質は、イットリア安定化ジルコニア(Y0.08(ZrO0.12である。第一温度(有底筒状のセンサ素子の内表面の温度)が900℃に維持されるようにヒータ30への出力を調整し、第二温度(有底筒状のセンサ素子の外表面の温度)を測定した。また、断熱材35としては、アルミナ(Al)の繊維と二酸化珪素(SiO)の繊維とを、ニードルパンチ式に交絡させたセラミックスファイバシートを使用した。
第一空間11に基準ガスを導入しつつ、酸素の濃度が異なる複数種類のガスを第二空間12に順に導入し、第一電極21と第二電極22との間に生じる起電力を測定した。第一温度、第二温度、及び起電力を、第二空間22へ導入するガスの種類を切り替える時間経過に対してプロットしたグラフを、図2に示す。図2(a)は、断熱材35の層を備えない比較例の固体電解質センサのグラフであり、図2(b)は断熱材35の層を備える実施例の固体電解質センサ1のグラフである。
図2(a)と図2(b)を対比すると明らかなように、ヒータ30への出力を調整して第一温度を900℃に維持した場合、断熱材35の層を備えない比較例では第二温度は約520℃であったのに対し、断熱材35の層を備える実施例では第二温度は約620℃であった。つまり、断熱材35の層を備えることにより、第二温度が約100℃も高い温度となっている。このことから、センサ素子10と筒状ケーシング50との間の空間に断熱材35を充填することにより、内部空間側からヒータ30で加熱されたセンサ素子10から外部空間へ向かう方向の放熱が抑制され、ヒータ30によって熱効率よくセンサ素子10が加熱されていると考えられる。
また、第一電極21と第二電極22との間に生じる起電力を、第二空間12に導入するガスにおける酸素濃度が同一の場合で対比すると、断熱材35の層を備える実施例の方が比較例より起電力の値が大きい。これは、実施例では、センサ素子10の温度が約100℃高められたことにより、固体電解質が示すイオン伝導性にとって、より望ましい温度となったためと考えられる。このことから、断熱材35の層を備えることにより、起電力の測定に基づいて、より高い精度(より高い分解能で)で、第二空間12における酸素濃度を検出することができるということができる。また、第二空間12に導入するガスにおける酸素濃度を切り替えたとき、実施例の方が比較例より高い応答性で起電力が変化している。
以上のように、本実施形態の固体電解質センサ1によれば、有底筒状のセンサ素子10の内部空間にヒータ30を挿入して、内部空間側からセンサ素子10を加熱し、且つ、センサ素子10の筒状部の外周面を断熱材35によって被覆することにより、センサ素子10を高温まで加熱することができる。これにより、固体電解質において検出対象ガスの分圧(または濃度)が起電力と相関関係を示す温度範囲が高い場合、換言すれば、検出対象ガスの濃度の検出に適したイオン電導性を固体電解質が示す温度範囲が高い場合であって、測定雰囲気の温度がそれより低い場合であっても、固体電解質のセンサ素子10の温度を適切な温度まで高め、正確にガス濃度を検出することができる。
なお、本実施形態では、図1に示すように、断熱材35でセンサ素子10の筒状部の外周面を被覆していることに加え、センサ素子10の底部側においても、センサ素子10の表面に接することなくセンサ素子10を囲むように断熱材35が配されている。そのため、断熱材35の存在によって、センサ素子10の底部側からの放熱も抑制されている。
また、断熱材35はセラミックス繊維をニードルパンチ式に交絡させたもので、耐熱性の高いセラミックス繊維のみからなり、バインダ成分を含有していない。そのため、ヒータ30による加熱によってセンサ素子10が非常に高温になっても、繊維同士が交絡している状態が保持され、断熱材35による層を維持することができる。
更に、断熱材35は電気絶縁性のセラミックスの繊維で形成されているため、筒状ケーシング50が金属製であったとしても、第二電極22に接続されたリード線42が筒状ケーシング50と短絡するおそれを防止することができる。すなわち、断熱材35の層は、断熱の作用と電気絶縁の作用とを兼ねている。
なお、図2を用いて上述したように、センサ素子10の内部空間に挿入したヒータ30によってセンサ素子10を加熱する場合、第一温度と第二温度に差異がある。そのため、起電力の測定値に基づいて単純にネルンストの式を適用してガス濃度を算出することはできない。そのため、同一の加熱条件で、予め検出対象ガスの濃度の異なる複数種類のガスを第二空間12に導入して起電力を測定し、検出対象ガスの濃度と起電力との関係を調べておくことにより、測定ガスが第二空間12に供給されときの起電力から、測定ガスにおけるガス濃度を算出することができる。或いは、検出対象ガスの濃度の異なる複数種類のガスを第二空間12に導入したときの起電力の値に基づいて、ネルンストの式が適用できるように第一温度と第二温度からセンサ素子の温度を推定する関係式を予め見出しておくことにより、測定ガスが第二空間12に供給されときの起電力から、測定ガスにおけるガス濃度を算出することができる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
例えば、上記の実施形態では、有底筒状のセンサ素子10が直接に筒状ケーシング50に保持されている場合を例示した。これに限定されず、図3に示すように、有底筒状のセンサ素子10が筒状のホルダ70に封止材79によって接合されていると共に、ホルダ70が筒状ケーシング50に封止材59によって接合されていることにより、センサ素子10がホルダ70を介して筒状ケーシング50に保持されている構成の固体電解質センサ1bとすることができる。このような固体電解質センサ1bでは、ホルダ70とセンサ素子10とで更に有底筒状を呈しており、その内部空間及び外部空間が、それぞれ第一空間11及び第二空間12として区画されている。このような構成であっても、有底筒状のセンサ素子10の内部空間にヒータ30を挿入し、センサ素子10と筒状ケーシング50との間の空間に断熱材35を充填することにより、上記と同様の作用効果が発揮される。
1,1b 固体電解質センサ
10 センサ素子
11 第一空間
12 第二空間
21 第一電極
22 第二電極
30 ヒータ
35 断熱材
31 第一温度センサ
32 第二温度センサ
50 筒状ケーシング

Claims (3)

  1. 固体電解質で有底筒状に形成されたセンサ素子と、
    該センサ素子を外側から保持し、前記センサ素子の内部空間と連通する第一空間を第二空間と区画している筒状ケーシングと、
    前記センサ素子において前記第一空間に接している表面に設けられた第一電極及び前記第二空間に接している表面に設けられた第二電極と、
    前記センサ素子の内部空間に挿入されたヒータと、
    前記センサ素子と前記筒状ケーシングとの間の空間に充填された断熱材と、
    を具備することを特徴とする固体電解質センサ。
  2. 前記断熱材は、セラミックス繊維がニードルパンチ式に交絡しているセラミックスファイバシートであり、バインダ成分を含有することなくセラミックス繊維のみからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の固体電解質センサ。
  3. 前記ヒータは、短絡を防止しつつ電熱線がコイル状に巻かれたコイル状ヒータである
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の固体電解質センサ。
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